平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(角田秀樹議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、本議会におきまして私の最後の一般質問をさしていただきます。
 今回は、主に今後5年後、10年後に向けた中長期的な和歌山県の施策に焦点を当て、そのスタートに当たる3期目、仁坂県政の取り組みについて質問をさしていただきたいと思います。
 まず最初に、インバウンド観光の促進についてであります。
 皆様も御承知のとおり、政府観光局の発表によりますと、平成26年の訪日外国人旅行者数は対前年度比29%増の1341万人余であり、旅行消費額は約2兆円を突破したということであります。
 一方、本県に目を向けましても、県内の外国人宿泊者数が、平成25年には過去最高の21万人を記録いたしました。非常に喜ばしい数字ではありますが、これに満足をすることなく、5年後、10年後に向け、観光立県和歌山としてこの流れをさらに大きくしていかなければならないと思うところであります。
 そこで、インバウンド観光の促進について、今後どのような施策をもって当たられるのか、商工観光労働部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 本県の外国人観光客の約3分の2を占めるアジア市場は、団体旅行が主流であったことから、主として旅行会社をターゲットに観光資源をPRしてまいりました。しかし、近年は、アジア市場においても旅行傾向が団体旅行から個人旅行へと変化し、平成25年観光庁の年次報告書によると、外国人個人観光客の割合は、韓国で7割5分、香港で7割、台湾で5割を占めるまでになってきております。
 こうした大きな流れを受け、本県におきましても、旅行会社へのプロモーションに加え、市場ごとの特性、嗜好、成熟度に応じた映像、ウエブサイト及び雑誌等のメディアを有効に組み合わせて和歌山の露出を高め、外国人個人観光客の誘客促進を図ってまいります。
 また、個人旅行が主流である欧米豪市場については、本県の認知度向上に向かって引き続きテレビ、ラジオ、出版会社等のメディアを活用した情報発信に取り組んでまいります。
 次に、受け入れ環境の整備につきましては、昨年10月に改正された消費税免税制度はインバウンド需要を取り込む有効な手段の1つであり、また、情報発信力が高い外国人観光客にプレミア和歌山などの県産品を売り込む絶好の機会であることから、観光協会や商工会など関係団体とも連携して免税店の拡大に取り組んでいます。
 また、宿泊施設や観光地への公衆無線LAN設置を支援する和歌山フリーWi─Fi大作戦を展開するとともに、市町村の観光案内表示、公共交通、ジオサイト、自然公園や美術館等の多言語表記も推進いたします。
 今後も、外国人観光客に魅力ある和歌山県を安心して楽しく旅行してもらえるよう、インバウンド対策に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 観光という、そういう部分につきましては、今、労働部長のほうからるる答弁いただきましたが、きちっと目標を持って取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 住んでよし、訪れてよしの観光立県和歌山構築のため、どうぞ全庁を挙げ積極的な取り組みに期待を寄せるものであります。
 そもそも、観光の語源は、中国の古典「易経」の「国の光を観る」にあると言われております。それは、国の光を示すとの意味でもあり、観光の原点は単に名所や風景などを見ることだけではないというふうに書かれてあります。地域に住む人々が誇りを持ち、希望を持つことによって地域の光を示すことであると考えられます。
 また、皆様の御承知のとおり、細井平洲公の「土の中に徳がすむ」ということがございます。私たちの今住んでいるところに徳がすんでいることを今後一人一人が自覚し、また感じることが和歌山県のPRに寄与するのではないかということを一言申し上げます。これは要望でございます。
 その大きな立場で、今後、和歌山県の観光を進めていく中で、東京オリンピックが開催される2020年における外国人観光客の誘客につきましても、国は2000万人というふうな目標設定をされております。また一方、関西広域連合では800万人という目標も掲げております。
 先般の関西広域連合での会議の中で、大阪府におきましては650万人という目標の発表もございました。本県では、長期総合計画において観光客数が3300万人、そしてまた、うち宿泊客600万人を目指すということが目標として掲げられております。その中には外国人観光客も相当数含まれていることと思いますが、長期総合計画の計画期間のこの10年目に当たる平成29年度を迎えたときは、既存施設の収容力等を検証した上で外国人観光客の誘客についても具体的な数値、また目標を設定していただき、特に大きな経済効果が見込まれる宿泊客数が増加するよう積極的なお取り組みを重ねてお願い申し上げたいと思います。
 それでは、次に地域包括ケアシステムについてお伺いをいたします。
 高齢者の数が全国で3000万人を超えるという状況の中で、国においては2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を推進しています。本県におきましても、高齢化率が上昇を続ける中で既にいろいろな施策を実施していただいているところではありますが、今後も和歌山県の地域包括ケアシステムを構築していくためにさまざまな施策を講じていく必要がございます。
 地域包括ケアでは、さまざまな分野が連携をしながらケアを行っていかなければならないことは言うまでもありませんが、その中でも鍵となるのが医療と介護の連携ではないかと考えます。
 医療の分野につきましては、介護の分野と連携した訪問診療等が行える体制づくりを行っていく必要があるのではないでしょうか。また、介護の分野を見ますと、国の2015年度の予算案では、介護給付費の負担軽減を図るため、介護報酬が2.27%引き下げられることになりました。一方、懸案であった介護職員の給与につきましては、別途784億円の予算が確保され、介護職員1人当たり1万2000円程度の加算が実現します。
 介護保険制度におきましては、過大な保険料負担につながらないように、かつサービスの低下にならないように制度を維持していく必要があります。
 昨年、本県が行った政府要望でも、国の公費負担割合を25%から30%に引き上げ、第1号被保険者の保険料による負担割合を50%から45%に引き下げる旨が要望されておりました。本県の介護保険料は全国で5番目に高いということでありますので、このような働きかけは非常に重要なことであると思います。それと同時に、それぞれの地域において地域の特色のある取り組みを行うことも、また非常に重要であります。
 そこで、医療の充実、介護保険制度の安定維持などの医療と介護の連携に加えて、地域互助をも取り込んだ10年後の地域包括ケアシステムの構築に向けて県としてどのように取り組んでいくべきかということの知事の御所見をお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 政府の考え方、特に医療と介護の総合確保法等の一連の改革方針によって医療と介護の連携のとれた形での確保を図らないといけないというのが我々にとっての責務でございます。
 高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように地域包括ケアシステムの構築が必要だというふうに思います。そのために、病院に入院していた高齢者が退院の後にも安心して暮らせるよう、在宅での医療と介護を受けられるための仕組みづくりをしないといけません。
 まず、医療の分野では、入院から在宅医療に至るまで一連のサービスが提供されるように地域医療の担い手育成や確保に一層取り組むとともに、病院での医療提供体制の再編を進め、そして、あわせて在宅医療提供体制の全県的な制度設計を行っていかないといけないと思っております。
 次に、介護の分野では、退院時に在宅介護を必要とする全ての人を市町村が設置する地域包括支援センターが把握することで在宅介護サービスや生活支援を漏れなく受けられるように、そういう仕組みをつくっていかないといけません。
 このような制度設計を、これは大変なことだと思いますけれども、しっかりと行って、必要な準備を行って、そういうことで地域包括ケアシステムの実現を目指していきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 知事の御答弁、全く同感でございますので、今後とも制度設計に向けまして、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、県産果実の生産振興と販路開拓についてお伺いいたします。
 平成27年度の新事業として、ミカン厳選出荷促進事業や果樹産地競争力強化総合支援事業が提案されております。
 前者につきましては、本県のミカンの市場評価を高めるため、品質の劣る果実を市場隔離し、加工用に仕向ける取り組みを支援するもので、後者は、果樹産地の競争力を強化するため、JAが策定する産地強化計画に基づき、ハード事業、ソフト事業で総合的に支援するものであると伺っております。
 これらの取り組みもその1つではありますが、本県の今後の果樹産業については、全国、そして世界中の方々に和歌山産でなければ味わえないということを感じていただけるような果実そのものの高品質化を図るとともに、果樹産業に従事されている農業生産者の皆さん方に安定した収入を得ていただけるような仕組みをつくっていくことが重要になってくると考えます。
 そこで、5年後、10年後の果樹産業のさらなる発展を目指して和歌山県の果実の高品質化、ブランド化にどのように取り組んでいかれるのか、また、あわせて第6次産業の発展を促進するための果実加工品の開発及び販路開拓にどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 人口減少や消費の多様化で産地間競争が激化する中、本県果樹産地の発展と農家所得の向上を実現するためには、独自性の高い魅力的な商品の開発と有利な販売ルートの開拓など、生産から販売まで一貫した対策が必要と考えております。
 このため、県産果実の高品質化、ブランド化の取り組みとして、生産面では、オリジナル品種の育成や改植、マルチ栽培の推進に加え、新年度から新たに完熟果実の生産拡大や高品質化のための新技術導入への支援に取り組んでまいります。
 加工品開発につきましては、市場性の高い商品を開発するために、バイヤーや研究機関でのアドバイスを初め、新商品の試作や商談会への出展に加えて、加工施設の整備など、計画策定から商品開発、販売促進まで切れ目のない支援を行います。
 流通対策、販路開拓につきましては、県産ミカンの市場評価を高めるため、新たにおいしいミカンを厳選出荷するための取り組みや、高級百貨店や有名果実店が求める新たな商品づくりを通じて販路開拓を支援してまいります。
 また、わかやま産品商談会やFOODEX JAPAN等の展示商談会への出展等を通じ、有望な海外市場も含めて新たな販路の開拓に精力的に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 世界一の果樹王国和歌山を今後とも全力で取り組んでいっていただきたいことを要望いたします。
 答弁は求めませんが、ここで、その流れの中で1つ提案をさせていただきたいと思います。
 ことしは紀の国わかやま国体、そして紀の国わかやま大会が開催されます。たくさんの方々にこの和歌山県の魅力を体験していただくという絶好の機会となりますので、これを千載一遇のチャンスと捉えた取り組みが必要不可欠であると思います。
 1つの例を挙げますと、愛媛県の松山空港では、定期的にポンジュースが出る蛇口が設置をされているようであります。本県でも、先行投資という意味合いで、国体に参加される皆さんに無料で県産果実を使用したジュースの試飲をしていただける場を設置し、そのすばらしさをPRしてはいかがでしょうか。これは要望であります。
 続きまして、次に、地域住民生活等緊急支援のための交付金に係る実施予定事業についてお伺いをいたします。
 この交付金は、国の補正予算案の核となるものであり、地方の活性化につなげる地方創生先行型と個人消費を下支えする消費喚起・生活支援型の2種類で自治体の取り組みを後押しするものであります。また、本県におきましても、この交付金を活用した新政策が幾つか提案されております。
 今回は、そのうち消費喚起・生活支援型を活用して実施される和みわかやまプレミアムキャンペーン事業とわかやま名物商品消費促進事業について、それぞれどのような取り組みをされるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 地域住民生活等緊急支援のための交付金は、物価動向や消費に関する地域の実情に配慮しつつ、地域の消費の喚起など景気の脆弱な部分にスピード感を持って的を絞った対応をすることを目的としたもので、本県としては2つの事業の実施を考えております。
 まず、わかやま名物商品消費促進については、幅広い分野ですぐれた県産品を和歌山らしさ、和歌山ならではの視点で推奨するプレミア和歌山の認定を受けた事業者から募った商品を、ネット上の通販サイトやカタログ通販等を活用し、全国の消費者が割引価格で購入できるよう取り組み、プレミア和歌山の認知度の向上と消費の拡大につなげてまいります。
 次に、和みわかやまプレミアムキャンペーンについては、まず国内からの誘客対策として、旅行会社等が扱う本県向けツアーや宿泊に対して期間を限定することで大幅な割引額を設定し、昨年秋の和歌山デスティネーションキャンペーンでお客様から好評いただいた取り組みをあわせて実施することで和歌山の楽しみ方にプレミア感をつけることにより他府県との差別化を図り、本県への誘客と滞在を促進します。
 また、海外からの誘客対策については、団体旅行で県内に宿泊していただいたお客様には、梅酒やミカンジュースなどの県産品の提供や精進料理の中食体験などの体験メニューを提供するほか、JR西日本が販売する外国人観光客向け周遊切符を購入されたお客様には県内バス周遊券を提供することも考えております。加えて、団体観光客に対するツアーバス代の支援や南紀白浜空港へのチャーター便運航の支援を実施いたします。
 このような内容で国内外の観光客の方々にじかに和歌山県の魅力を感じていただき、再び訪れていただけるよう取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 海外観光客のリピーター増加数に期待を申し上げる次第でございます。
 次に、市町村を支援するという立場から、同じ消費喚起・生活支援型を活用した市町村事業分についてお伺いをいたします。
 県下のほぼ全ての市町村においてプレミアムつき商品券の発行が行われると伺っておりますが、これにより消費の拡大が期待できるところであります。
 しかし、1点懸念を挙げるとすれば、当事業の実施内容等が各市町村の判断に委ねられているため、居住地域により消費者ニーズが満たされない場合が出てくるのではないかということであります。
 簡単な一例を挙げさせていただきますと、県内各地に所在するスーパーがプレミアムつきの商品券の取り扱い店舗になるかどうか、これが市町村ごとに異なるケースが生じてくると考えられます。同じスーパーで買い物をしているにもかかわらず、居住市町村によって商品券を使用できる方とそうでない方ができてしまう現象が起こるのではないか。
 そこで、この事業については、市町村が消費者ニーズを勘案して事業を行うよう県から助言を行うことはできないものでしょうか。総務部長に御答弁をお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 今回の消費喚起・生活支援型の交付金につきましては、回復のおくれる地方の消費の喚起を目的としたものであり、地域の実情に応じて各地方自治体の判断により事業を実施することが特徴となっておるというふうに認識しております。
 市町村におきましては、域内消費の喚起策としましてプレミアムつき商品券を発行することが基本となっておりますが、その執行につきましては、各市町村がそれぞれの地域に合った形で発行枚数やプレミアム率、対象店舗等を検討し、実施することとなっております。
 消費喚起効果を出すためには、地域の事業者等の状況を考慮するとともに、それぞれの地域内の消費者ニーズを踏まえた制度設計が必要になるというふうに考えております。県としましては、県内市町村の取り組み状況などの情報提供等を通じまして各市町村において消費者ニーズ等を勘案し、消費喚起効果が発揮される制度設計がなされるよう助言を行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 できる限り情報の提供といったものを、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、全国的に問題となっております人口減少問題についてお伺いをいたします。
 まず初めに、過疎地域の多い本県にとりましては特に大きな課題であります過疎対策について質問をいたします。
 昨年5月には、民間の研究機関である日本創成会議が、全国の市区町村のうち896の自治体が人口減少によって消滅の可能性があると言及し、大きなニュースになりました。本県におきましても、平成22年度に過疎地域の再生、活性化を図るとともに和歌山県への移住、交流を促進することを任務として過疎対策課が設置されました。
 そこでまず、これまでの5年間でどのような取り組みが行われ、どのような実績があったのか、企画部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎対策につきましては、昭和45年に法律が制定されて以来、国、県、市町村が一体となって地域の生活環境の改善や産業基盤の整備などに取り組んでいるところであり、現在、県下で18の市町村が過疎地域に指定されております。
 過疎地域の自立促進を図るためには、従来からの取り組みに加え、きめ細やかなソフト施策や移住施策を充実させる必要があるとの認識のもと、県では平成22年度に過疎対策課を設置し、これらの課題に重点的に取り組むこととしたところでございます。
 特に昭和の合併前の旧町村や中学校区を単位とした過疎生活圏という新たな概念を取り入れ、全国に先駆けて実施した過疎集落支援総合対策事業は、国においてもこの事業をモデルとした過疎集落等自立再生対策事業が創設されたところでございます。
 これまで県と国を合わせて18市町村、27生活圏において事業が実施され、買い物支援など日常生活機能の確保や地域資源を活用した産業振興といった地域の自立に向けた取り組みにつながっております。
 また、過疎地域の人口減少対策としての移住推進につきましては、移住を推進する17市町村にワンストップ相談窓口や受け入れ協議会を設置するなど、体制の整備を図るとともに、空き家改修への助成、移住者の起業や農林水産業就業への支援など、他府県に先駆けた取り組みを行ってきた結果、平成22年度から5年間の過疎地域への移住者は、累計で340世帯、574人となってございます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 これまでの実績について御答弁をいただきました。
 それでは、今後を見据えた場合はいかがでしょうか。前述の日本創成会議の報告も、何も対策をせずにこのままのペースでほっておけば人口減少が続いていくという前提のものであります。これまでの経緯を踏まえた上で、過疎対策における課題と、そして今後の取り組みに関するお考えを企画部長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎対策における課題と今後の取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、日本創成会議の発表を契機として人口減少問題が大きくクローズアップされ、国においても地方創生に向けた取り組みが本格化しております。このような状況の中、地域の実情に合った集落の維持、活性化については、引き続き積極的に取り組む必要があると考えております。
 一方、移住推進につきましては、移住者の受け入れを推進する自治体が全国的にふえ、地域間での競争が激しくなってまいりましたので、施策をさらに充実させたいと考えております。
 具体的には、新年度から東京に専任の移住相談員を配置し、首都圏に対する情報発信を強化したいと考えております。また、県内に地域しごと支援センターを設置し、UIJターン者や地元人材向けに仕事と生活の情報を一元的に収集・提供する体制を整えるとともに定住支援住宅管理機構を設置し、空き家の掘り起こしを行い、空き家バンクを運営するなど、あらゆる施策を総動員し、人口減少対策の1つとして移住の推進を強力に推進してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 過疎対策への取り組みについての今後の御答弁を聞かせていただきました。課題意識を持ちながら対策に取り組まれていることが伝わってまいりました。また、今後につきましても、これまで以上に成果を上げることに対しまして期待ができる内容であるというふうに思っております。そして、こうした取り組み姿勢を持つことは人口減少問題の解消のためには不可欠であると考えます。
 しかしながら、この課題に対しては、過疎対策だけではなく、人口動態に対応したさまざまな対策をミックスしていく、こういう必要があるのではないかと思います。
 そこで、県政のかじ取り役であります仁坂知事に、人口減少問題に対するお考えと今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 人口減少問題は、社会保障制度の維持が困難となり、産業の衰退につながるなど大変深刻な問題であると以前から認識しているところであり、特に和歌山県は、全国の中でもその程度が激しいことから、最近、増田レポートなどで大変この問題が取り上げられておりますけれども、それ以前から、すなわち就任以来、最重要課題として社会減、自然減の両面からの対策を実施してまいりました。
 社会減対策といたしましては、地域に雇用があることが最も大事でありまして、雇用を創出するためには企業活動を盛んにすることが必要であります。
 現在、国の地方創生の取り組みが本格化しておりますけれども、国の経済対策による景気回復の動きに加え、県内インフラの急速な整備など、県にとって将来に向けた投資をする絶好のチャンスが訪れております。民間の方々による将来のための投資が盛んになるように、従来からの技術開発支援などの取り組みに加え、創業から成長、安定に有効な融資や国の施策を総動員し、企業を支援する施策を実施してまいりたいと思っております。
 また、これまでトップセールスの実施や奨励金制度の充実などにより、133社の企業を誘致いたしましたが、新年度では、企業誘致の開発やICT企業の誘致など、引き続き企業誘致の対策も強化していく所存です。さらに、観光振興や強い農林水産業づくりに努め、産業を盛んにし、雇用を創出していきたいと思っております。
 加えて、地域の魅力を高めることにより移住を促進し、地域の人口をふやす施策にも取り組んでまいりたいと思っております。
 一方、自然減対策といたしましては、従来から不妊治療のこうのとりプランや紀州3人っこ施策を実施してまいりましたが、また、県版の婚活支援を始めましたが、新年度では結婚や子育てのポジティブキャンペーンを展開するなど、結婚から妊娠、出産、子育てと切れ目のない少子化対策を強化していく所存であります。
 今後とも危機感を持って人口減少を食いとめる対策に注力していく所存でございますので、角田議員におかれましても、議員の立場をお離れになりましても御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 特に過疎、また人口減少等々につきましても、仁坂県政になってから多くの企業誘致、また平成22年度の過疎対策課が設立するもっと前、平成18年からもう既にスタートして、先進的な取り組みに対して敬意を表するところでございます。
 特に移住、交流の促進に当たりましては、各地におられる和歌山県人会などの御意見をお伺いしていただいて積極的に進めていっていただきますようお願いを申し上げます。
 通告をさしていただいた質問項目は以上でありますが、今回は和歌山市において検討中ということでしたので質問はいたしませんが、先日、和歌山市の2015年の一般会計予算案が発表されております。その中に、伏虎中学校の跡地利用基本構想の作成のため、予算が組み込まれておりました。伏虎中学校の跡地に市民会館の移転や県立医科大学の薬学部の誘致を検討するということでありますけれども、全体的なものはまだはっきりわかりません。これからの話であろうかと思います。
 また、南海和歌山市駅周辺の再開発の検討に係る予算も組まれております。県内人口の約3分の1以上の方が暮らされている県庁所在地和歌山市の特に和歌山城周辺、JR和歌山駅周辺、南海和歌山市駅周辺のまちづくりへの取り組みは、将来の和歌山県の発展に向けて非常に意義のあるものだと思います。
 昨年来、県と和歌山市の間で県市連携会議が設置され、活発な意見交換が行われておりますが、県といたしましても、どうぞ和歌山市の都市計画、まちなか再生の取り組みを力強く御支援をいただきたいと思います。これは、あくまでも要望でございますので、どうかよろしくお願いします。
 議長、済みません。引き続いて議場の皆様に一言御挨拶をしたいと思いますので、よろしいですか。
○議長(坂本 登君) どうぞ。
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、一言御挨拶を申し上げます。
 私ごとで恐縮ではございますけれども、私は今期をもちまして県議会議員を退任することになりました。
 振り返りますと、平成3年から和歌山市議会議員を3期務めさしていただいた後、平成15年、この和歌山県議会議員に立候補さしていただいて、初当選さしていただきました。そして、同年の6月の23日に本会議におきまして初めてこの議場において一般質問をさしていただいて、ちょうど20回目の一般質問になりました。
 この間、非常につらいんですけれども、平成21年の11月の8日に、ともに和歌山県の県勢発展のための一翼として力を尽くしておりました江上柳助先輩議員が59歳という若さで逝去されるという悲しい出来事もございました。
 江上先輩議員とは、市議会議員の当時から県都和歌山市の発展と県、特に北部地域の活性化に必要な交通大綱の改善を目指し、ともに話し合い、また、ともに現場を歩き、署名活動もさしていただき、そして、ともに力を尽くしてまいりました。待望久しかった和歌山北インターの供用も開始をされ、その喜びは忘れることができないものであります。
 私は、12年にわたる県議会議員在任中において、生活者優先をモットーに常に県民の皆様のお声を聞かせていただきながら、その御意見の実現に向けた活動に努めてまいりました。特に人工透析で大変難儀をされておりますNPOの腎友会や、また交通事故等々で脳脊髄液減少症、いわゆる頸椎損傷、そういった患者の支援会の皆さんとともにも勉強をさしていただいたその経験、私の議員活動のある意味では礎になったというふうに思っております。
 在任期間におきましては、県民の皆さん、そしてまた先輩・同僚議員の皆さん、そしてまた仁坂県知事初め県当局の皆様のお支えをいただきながら、無事に議員の職務を全うすることができるのではないかというふうに思っております。厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 今後は、微力ながら、これまでとは違う形で県勢の発展のために一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。どうか、皆様方におかれましては、引き続き御支援、そしてまた御指導、御鞭撻を賜りますことを心からお願いを申し上げます。
 そしてまた、いま一度、皆様方に心より御礼を申し上げ、最後になりましたが、皆様方の今後のますますの御健勝と御多幸をお祈りさしていただきまして、御礼の御挨拶とさしていただきます。本当に皆さん、ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。

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