平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 13番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 議長のお許しをいただきました。久しぶりの登壇であります。
 今定例会も17名の一般質問者があって、私で11番目ということで、皆さん方の議員の質問なりを聞いてますと、やっぱりそれぞれの選挙区の抱える問題とか、あるいは議員としてのそういう熱い思いを胸に、十人十色といいますが、いろいろあるんだなあと感心しながら拝聴しておりました。
 私も、自分なりに、与えていただいた時間内を自分の思いで質問したいと思います。ただ、原稿がありませんので、時間設定ができてませんから、どういう運びになるかわかりませんが、できるだけ過激な発言やら、その辺の不適当な表現のないように、自分自身でブレーキをかけながら、しばらくの間、御拝聴いただきたいと思います。
 一般質問の通告を4つばかりしました。
 まず、1つ目なんですが……(発言する者あり)何言ってんの。(「時間ないぞ」と呼ぶ者あり)私の与えられた時間内ですんで、聞きたくなかったら退場していただいても結構ですが、私も、個人的に、ギャンブルと言ったら言葉は悪いんですけど、嫌いなほうじゃありません。そこで、皆さんももう一遍認識を改めてほしいんですが、当せん金付証票、宝くじのことについてなんですが、我々議員にも、さきの12月の定例会で、議案162号ということで、宝くじの発売総額を120億円にするという、まあいや案件を承認しろということで提出されました。この120億円というそもそもの意味について、再度、一遍、総務部長から確認の意味で御説明いただきたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 12月議会に提案いたしました議案第162号当せん金付証票の発売総額につきましては、当せん金付証票──宝くじのことでございますが、この当せん金付証票法第4条で、都道府県及び特定市の議会が議決した範囲内において総務大臣の許可を受けて発売することができるものとされております。
 そもそも、宝くじの発売につきましては、刑法で発売が禁止されている富くじの特例として認められている性質などから、議会の議決を求めているものと考えております。
 それで、一方で、宝くじが国民の健全な娯楽としまして発展するにつれ、発売額も増加させていただいてきたところでございます。この議決いただきました額につきましても、年々増加してきておるというところでございました。
 現在の120億円という額につきましては、過去の発売実績を勘案しつつ、議決していただく額が発売限度額であることから、復興宝くじなど臨時的に発行するものもございますので、そういったものへの対応なども視野に入れて設定させていただいておるところでございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 設定しないといけないということについては、よくわかりました。
 それじゃ、現在──現在というんですか、過去、ここ数年間の目標に対するというんですか、ずっと120億で来てたと思うんですが、その販売実績はどうなってますか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 宝くじの近年の販売実績につきましては、数字が確定している過去5年間の販売実績を申し上げますと、平成25年度で約74億円、平成24年度で約75億円、平成23年度で約77億円、平成22年度で約75億円、平成21年度で約79億円となっております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 大体70億後半ぐらいでずうっと推移してるということは、逆に言えば、約40億弱というんですか、34~35億の余裕というんか、幅を残して販売されてるということであろうと思います。
 それじゃ、それに伴って販売収益金というのはどうなってるのかな。
 皆さんも御存じかなあと思うんですけど、今、テレビで盛んにコマーシャルしてます宝くじの当せん金がぐっと大きくなりました。というのは、私の知る限りでは、いっときは1兆円を超えるような大変人気のある、そういう夢を買うゲームだったんですが、時節柄というんですか、最近については1兆円を下回ってるから、いっそ当せん金を大きくして、まあ言葉を平たく言えば、興味を持ってもらうようにPRして買ってもらおうということで、当初は何十万倍だったですかね、そういう制約があったんですけど、今は──当初は50万倍、要するに証票、あれは300円で1枚買うんですが、それの50万倍までという制約だったんですが、今調べてみるところによると250万倍まで1等当せん金を払えるという、法律が変わったということなんですよね。それでどんどんPRしてやってるんですが、先ほど申されたように、事和歌山県としては74~75億で推移してると思うんですが、それに伴う収益金というのはどれほどあるんでしょうか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 宝くじの収益金につきましては、原則として販売実績額の約40%が発売元の収益となっております。平成25年度の実績では、和歌山県内における宝くじの販売額は約74億円でございますので、これに伴う収益額は約33億円となっております。
 先ほど申しました過去の実績でそれぞれ和歌山県の収益金を申し上げますと、平成24年度で約34億円、平成23年度で約34億円、平成22年度で約32億円、平成21年度で約35億円となっております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 皆さんも、ひょっとしたらそんなんやったんかえというふうにお思いだろうと思うんですけど、和歌山県で売れた、要するに宝くじの売り上げの40.3%、40%余りが何の条件もつかずに和歌山県の収入になるわけですね。40%ですよ。一般に平たく言えば、こんな売り掛けに対する収益金の多いというのは、どんな職業を探してもないと思うんですね。天下のトヨタでも、そんなにもちろんありませんし。
 ということであれば、仮に民間企業でこういうことができるんであれば、社長の号令以下、みんなが血眼になってでも販売促進に当たると思うんですよね。
 だから、今申し上げましたように、他力本願の地方交付税なり、あるいは助成金なり、いろんなのを国からいただきますし、また反面、企業から税金という形でいただくんですけど、これはどっちかというたら他力本願なんですが、この宝くじについてのみいえば、自助努力、自分の力で、自己努力で、まあいや、その4割というものが手元に戻ってくる、そういうこんな、ありがたいと言ったらいいんですか、こういうことを、何で120億という目標を立てながら70数億で足踏みしてんのかなあと、こう思うんですよ。民間だったら、多分、販売専従者でもつくって取り組むぐらいのことではないかなあと思うんですね。
 それじゃ、その120億という目標というんですか、ノルマというんですか、そういう目標がありながらですけど、この販売促進のための和歌山県としての広報活動を、実際、どのようにされてるんでしょうか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 広報宣伝活動につきましては、当せん金付証票法等におきまして、発売主体──県でございますけれども──独自に、または相互に協力して広報活動などを行うことにより宝くじの発売が地方財政資金の調達に寄与していることについて住民の理解を深めるとともに、宝くじに関する世論の動向等を的確に把握するように努めることと規定されておるところでございます。
 県独自の広報宣伝活動としましては、県のホームページにおきまして、宝くじの発売情報や宝くじの収益金が県民の皆様の身近な暮らしに幅広く活用されていることについてのPRを行うとともに、スクールバスへの宝くじマスコットキャラクターのプリント等を社会貢献広報事業として行っておるところでございます。
 また、宝くじの売りさばきなどを委託している銀行におきましては、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどの広告や、ポスター、看板、チラシの配布などを行い、宝くじの販売促進のための広報活動を行っております。
 先ほども申し上げましたとおり、現在、宝くじにつきましては、県のホームページ等でPRしているところでございますけれども、今後、さらなる宝くじの販売促進のため、また宝くじの制度、公益性などにつきまして県民の皆様にさらに広く周知するためにも、例えば県の広報紙である「県民の友」、そういったものも活用しながら県内での宝くじの購入を広くPRしてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 今、PRはしていただいてるということなんですが、例えば、私は余りこれに興味はないんですが、ナンバーズとかロト6というようなもんは、何か紀陽銀行の例の窓口というんですか、あれで簡単に買えるらしいです。あるいは、サッカーくじはコンビニで売れてるということなんで。何か聞くところによりますと、私も偉そうなことは言えません、半分ぐらいは和歌山県で買って、あと半分ぐらいは、ひょっとしたら出張したりなんかのときに県外で買ってると思うんです。皆さんもそうかもわかりません。ただ、数年前まで、議会にも宝くじ嬢がお見えになって売ってくれたんです。それが全然ないということは、買うチャンスをふやせば買ってくれる──私もそうだと思うんですけど、ここだったら近鉄のところに売ってます。長崎屋のところに売ってます。そのぐらいしか知りません。
 至るところでと言ったら悪いですけど、金融機関、例えばきのうお見えになってた片山頭取に「あんたとこで、紀陽銀行で売ったらどうですか」と言ったら、「ああ、売るんやったら売らしてもらうで」と、こういうことなんですけど、もっと販売箇所をふやしてでもやったらええんじゃないかなと思うんですけど、今までのQアンドAをお聞きになってて、知事の御感想をよろしくお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 宝くじによる収益金は県の貴重な財源でございまして、県民の公益の増進のために広く有効活用さしていただいております。県内における宝くじの販売がふえればふえるほど県が使える財源がふえることになりまして、それは公共投資等により県民の皆様に還元されることになります。
 県民の皆様には宝くじの制度について御理解いただき、宝くじを購入される際には県内の販売店で購入していただければと思います。また、他のギャンブルだったらこっちがよろしいということではないかというふうに思います。
 議員御指摘のように、販売努力についてはさらに工夫をしてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 本当に真面目に、積極的に取り組むようにすべきだろうと思います。
 参考までに、県民1人当たりにしますと、和歌山県はやっぱりちょっとギャンブル性が好きなんか、数値が高いです。滋賀県や、あるいはよその、例えば兵庫県なんかに比べまして、あるいは奈良県なんかに比べても、大分1人当たりの購入金額が張るということなんですけど、今言うように、できるだけ自分らで稼げる、何の遠慮もせずに補助金、収益金をいただけるという、こんなありがたいというんですか制度があるんですから、思う存分、そういう意味で頑張ってほしいなあ、そう思います。
 それでは、次、続けて。
 次、2番目の項目として、いよいよ200日に迫った国体・わかやま大会があります。私は、これをしながらでも、既に次のことを考えるべきだと思いながら悶々としておりました。
 とりあえず、それにしても、県民が心を1つにして、わかやま国体・わかやま大会を大成功させなければいけない。それとあわせて、高野山による開創1200年がタイミング的に同じ時期だということで、ありがたいことなんですが、それじゃ若宮国体監が、くたびれたよ、やれやれやなと思うて、次、それじゃ何するんよと、こういうことになれば、濱口議員の質問にもあったように、やっぱりこれを波状的に、県民を巻き込んだというんですか、そういう催し物をしなければいけないと思うんですけど、そういう意味で、このイベントが済んだ後の開会予定のイベントはどういう計画をされてるんか、教えていただきたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 国体終了後、県内で開催される大きなイベントについてでございますが、平成28年度、大河ドラマ「真田丸」を活用した誘客促進への取り組み、それから、平成29年度の第38回全日本マスターズ陸上選手権大会、平成31年度には第32回全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックでございますが、こういうものがございます。さらに、平成33年度は、関西広域連合で取り組む関西ワールドマスターズゲームズ2021の一部が本県で開催される予定となってございます。
 全国規模のイベントは、県内外に本県の魅力を発信する好機であることから、これらのイベントを活用し、県内外からの誘客を図ることで国体終了後の観光振興や地域の活性化に継続的につなげていきたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 その後のデスティネーションキャンペーンとか、あるいは今御披露いただいたようなことをやっていただく予定やということなんですが、ここで提案をしておきたいと思うんですが。
 肉体的なスポーツといえば、もちろん国体なんですが、今度は国民的な各種の文化活動の要するに推進として国民文化祭というのがあります。これは、一般の各種の文化活動を全国的な規模で発表する場を提供することにより文化活動の参加の意欲を喚起して新しい芸術、文化の創造を促進し、あわせて地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活のより一層の充実に資することを目的として東京都が初めてやった国民文化祭。
 今お伺いしていますと、平成27年には国体があります、28年「真田丸」、29年全日本マスターズ、たまたま平成30年度に何も大きなイベントがないように聞きました。31年もあるんですが。
 それで、今ちょっと調べていただきますと、あちこちでたくさんやられてるんですけども、他府県での文化祭の開催状況などがわかれば教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 国民文化祭の他府県での開催状況についてでございますが、国民文化祭は、国民の文化活動への参加意欲を喚起し、文化を通じて地域の活性化、発展を図るため、昭和61年度以降、毎年開催されております。最近では、平成23年度の京都府以降、徳島県、山梨県、秋田県で開催されておりまして、今後は、鹿児島県、愛知県、奈良県が予定されております。
 本年度の秋田県の実績では、開催経費が17億4500万円であり、10月4日から11月3日の1カ月間の開催期間中、出演者2万8000人、観客として102万9000人が参加しております。このように多数の方々に参加いただくことにより他府県の文化団体との密な交流が図られ、文化団体のレベルアップ、意識の高揚、担い手の育成などにつながったと聞いてございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 私の先ほど申し上げました、たまたま平成30年が和歌山県としての大きなイベントがないということと、29年度まで、もう既にことしは鹿児島県、来年は愛知県、その次は奈良県ということなんです。それで、過去、ずっとあるんですが、お隣の徳島県が既にもう2回──いろんな事情があったというふうには聞いてますが、第22回と第27回、2回あるんですね、隣の徳島が。それだけ積極的に参加されている都府県もあるんですから、ぜひそういうふうにPRして誘致をされたらいかがかなあと思います。
 それで、なお、ちょっとこれは私も信じがたい数字なんですが、経済波及効果も非常にある。例えば、ここにいただいてる、前回、25年の山梨県で行われた来場者、あるいはその経済波及効果に及べば243億。ちょっと小首をかたげるんですが、それにしても170~180億から、例えば平成23年の京都で410億という数値の報告があります。
 そういうふうな経済効果もあるし、あるいは和歌山県民の心を躍らせるようなそういうイベントがあるというのも大変県民を元気づける1つの大きな要素となると思いますので、これもまた、たびたびで申しわけないですけど、今までのQアンドAを聞いて感じられた知事の御感想をお伺いしたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国民文化祭は、県民が1つになって郷土の文化を知り、新しい文化に触れ、郷土愛や誇りを養う、またそうした文化を国内に発信していく機会として本県で開催することに意義があるものと考えております。
 ただし、開催時期については、全県民的イベントとして本県の文化力が最大限発揮できる最も効果的な時期を選ぶことが必要でございまして、こういった観点で開催に向けて取り組んでいきたいと思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 次の問題に移ります。
 私も県議会議員にならしていただいてかれこれ16年なんですが、その間、ずっとと言っていいぐらい、紀州材の販路拡大について、この本会議場でも、あるいはひょっとしたら農林水産委員会でも出てると思うんですけど、今回も何人かありましたが、とにかく紀州材の販路拡大についてという質疑がたくさんあるにもかかわらず、また今回も同じような内容の質問が出ました。
 そこで、私も、紀州木の国の県民の1人としてですが、再度、一遍確認をしておきたいんですが、今、森林資源というのはどういう状況になっているんか、教えてください。
○副議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 本県の杉、ヒノキ等の民有人工林の面積は平成26年4月現在で約21万ヘクタールであり、蓄積量は約7900万立方メートルとなっています。そのうち林齢51年以上が約6割、4700万立方メートルを占めており、これまで育ててきた木材資源が本格的な利用期を迎えています。
 一方、本県の原木生産量は、昭和55年の46万立方メートルをピークに、輸入材の増加などによる原木価格の下落や住宅工法の変化とともに減少し、近年は16万立方メートル前後で推移しております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 数字的に言われても、よくわかりません。物事を言うのに東京ドーム何杯分やというような表現をするんですが、今言われてもよくわからないんですが、ただ感じることは、どんどん年々木が大きくなって供給量がふえてるにもかかわらず、要するに消費側のサイドでは逆に減っているような状況やということなんですね。
 それと、よくハウスメーカーなんかでも、合成材、要するにひっつけてやる、そういう加工した材木が多く利用されてると思うんですが、紀州材の本当の意味は、俗に言う、専門用語かもわかりませんが、無垢、生の木で販売するのが──年輪も細かいし、上質な木がたくさんあるから、生の木で使ってもらってこそ紀州材の本当の消費ができるし、利用していただきたいなあと森林組合の皆さん方も思っていると思うんですけど、それじゃ、今後、何回も答弁されたと思うんですけど、もう一度、その利用促進に向けた取り組みとしてはどう考えておられるのか、御回答をお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 本県林業の活性化のためには原木生産体制の強化と紀州材の需要拡大が不可欠であり、需要の拡大につきましては、県内需要の創出と県外への販路拡大の両面から取り組んでまいりました。
 まず、県内需要につきましては、県が建築する低層の公共建築物は原則木造とし、それが困難な場合でも内装を木質化するなど紀州材の利用を進めるほか、市町村等が整備する施設での利用に対しても支援を行っており、さらに昨年6月には公共土木工事における木材利用推進指針を策定し、公共土木工事における紀州材の利用を推進しているところです。また、県内の民間での需要につきましては、紀州材で建てる地域住宅支援により民間住宅での紀州材の利用促進に努めているところです。
 一方、県外への販路拡大につきましては、首都圏等における紀州材製品記念市や住宅・建材展示会への県内企業の出品や出展、県外大規模商業施設における家づくり相談会の開催を支援するとともに、県内製材業者と大都市圏の建築士グループ等との商談会を開催するなど、販路の拡大に努めているところでございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 答弁としては、そういう答弁ぐらいしかできないと思う。これもやむを得ないことかもしれません。ただ、私が残念に思うというか、歯がゆく思うことの中に、どうしても、もうちょっと方法があるんではないかなあと、そういうふうに思うんです。
 そんな中で、ちょっと知事、御気分を悪くしないで聞いていただきたいんですが、実は私の議員生活の中で、平成16年の12月、皆さん、覚えてる方いらっしゃるかな、補正で、知事公舎がシロアリにやられて、地震があったらいつ知事の寝てる顔へ屋根が崩れてくるかわからんということで、知事公舎の建設についての補正が出ました。そして、引き続き17年の当初予算──12月の補正で1700万、それから17年の当初予算で3000万、合わせて4700万の予算で知事公舎を建てるんでということで議案が提出されました。
 その中で、どんなに曲がって知事の──当時は木村知事さん──耳に聞こえたんかわかりませんが、「わしの提案してる議案に反対してる山田というのは何者な」ということで使者が来ました。誰とは言いませんけど。そして、「何で反対するんや」と言うから、「ちょっとおかしいん違うか」と。「紀州木の国の殿様の住む家に、誰が、要するに──プレハブと言ったら失礼やと言うんやけど──ハウスメーカーの家を勧めたんよ。こんな貧弱な発想をする職員は誰な」と、こういうふうに言ったんです。
 本当は、僕の思うのは、それこそ殿さんといって、今、一番親方やから殿さんというたとえをしていいんですけど、世が世なら紀州御三家の殿さんである知事が住まいするところにハウスメーカーというような、そんな貧弱な発想では僕はおかしいと思うんです。「それこそ紀州材を先頭切ってPRして売り出そうという、それこそ殿さんの気構えとしてぜひすべきや」と言ったら、「山田の本意はわかった。ただ、緊急避難的にハウスメーカーの建物を建てて、あとは一遍自分なりに考えるんで、まあこの件に関しては協力してくれ」というようなことがあって、私もそれだったらということで賛成した、そういう話があるんですよ。
 そんな中なんですけど、先ほども申し上げたように、もう何十年も同じようなことを質問して、同じようなことをして、しかも木がどんどん大きくなって供給がどんどん滞ってくる中で何か打開策をするとしたら、これが全てではないとは思いますよ、ないとは思うけど、和歌山県の知事の住んでるところへ招待されて、そしてわびもさびも木のにおいもあるあの空間でメード・イン・ジャパンの日本食を呼ばれたと。あの説明のしようがないような雰囲気を外国のまあいや賓客というんですか──今、日本でも、中国なんかの一部の富裕層が来て爆買いしてる、その中には3000万、5000万というマンションを何十軒と注文して帰る人もいてるというぐらいですし、あるいはまた、ちょっとお伺いしたら、中国で日本の建築基準法と言われるような木構造設計規範というのがあって、それがどうも近い将来、今申し上げた日本の建築基準法みたいなんで生の木材を使っていいですよ、家を建ててもいいですよというような、そういうような空気があると、ありそうだという中で、和歌山へ行ったら知事にこんなええとこで、こんな本当に古来からのわびもありさびもあるそういう空間を眺めながらお茶をいただいたよ、日本食をいただいたよというような富裕層がいたら、木材はおろか建築も含めて輸出できる時代が必ず来るやろうと思うし、その一石を投じるべきだと思うんです。
 これについても、知事の御感想があれば。そのぐらいのやっぱり意気込みを持って、そして紀州材を本格的に売り込む先頭に立っていただきたいなあという思いを持ってそう言うてるんですけど、その辺の御感想をお伺いしたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御提案のとおり、知事公舎を紀州材を活用したものとすることや、あるいは紀州材いっぱいのおもてなし施設で賓客をお迎えするということは、強度と耐久性と美しさを兼ね備えた紀州材のよさをじかに体感していただける機会となると思います。
 実は、感想でございますが、私が知事になりましたとき知事公舎に入りましたが、どうして木の国なのにプレハブなんだろうかといぶかしみました。しかし、現在の知事公舎はそのときに建ててしまいましたので、建てかえるにはまだ新しくて、また建てかえや新たな施設の建設ということになりますと、やっぱり相応の建設費も要るし、それから維持管理費なども要ります。したがって、そういう負担を考えると困難かなあというふうに思いまして、私はとても提案をする勇気はありません。
 もちろん、県内外からの来客の皆様には心を込めておもてなしをすることが大切であります。現在は来客を県庁舎でお迎えしておりますけれども、この建物は、庁舎としては全国でも数少ない国の登録有形文化財となっております。このような歴史と伝統を脈々と受け継いできた場所でお迎えできるということをうれしく誇りに思いますし、また、来客の方々にも喜んでいただけるものと思っております。
 さらに、食事を伴うような機会においては、県内にはすばらしい民間の施設があります。これは、歴史と伝統を感じさせるようなもの、あるいは景色などで他県の人をびっくりさせるようなものというような民間の施設がありますから利用さしていただいておりまして、民業振興という点からも一石二鳥だと思っております。
 紀州材の振興のためには公共建築や工事に活用するということがそのすばらしさをさまざまな方々に知っていただくことになり、大きなPR効果があると思います。紀州材を使うチャンスがあれば、どんどんというか、必ず使うという方針で取り組んでまいりました。
 最近では、秋葉山公園の県民水泳場が完成いたしましたけれども、建物全体にふんだんに紀州材を使用したすばらしい施設であると自分で思っております。田辺のスポーツセンターも、そうであります。
 今後も、県が整備を予定してる公共建築物等には、できるだけ紀州材の利用を推進していきたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 知事の初期の感想と私とは一致するということだと思うんですけど、本当に紀州の一番長がその中で、僕はその体験はないんですが、よく外国の要人いわくに、私邸へ招くというのが一番のおもてなしやと、こういうふうに言われてます。
 だから、なるほど、和歌山県にもアバロームあり、グランヴィアあり、料亭で食べるような食事も接待をするんでしょうけど、1つには、島精機さんが何で上へ、屋上へお招きするようになったか。自社ですよ、あれはね。だから、外国から見える重鎮の皆さん方への最高のおもてなしが、自分の家で、あるいは自分の施設の中でおもてなしするというのが最高のおもてなしだというふうに僕もどこかで読んだような、聞いたような話もあるんですが、そういう意味で、たまたま今お住まいになってるところは、そういうことで耐用年数ももちろんないし、4000万余りもかけてやってるんですから、その横に、例えばですよ、するんなら、180坪ほどの土地がまだあるはずなんで、来客用のそういう茶室のある、あるいは書院のある、床柱のある、そしてちょっとくつろいで外を見たら庭がある、そういうようなスペースでおもてなしをするというのも、これも一考ではないかなあ。
 それについてお金がかかるとか維持費がかかると言うのは論外な話で、それは組合の皆さん方も、多分、一等材を寄進してくれるかもわかりませんし、それに多少お金がかかったところで、それをとやかく言う県会議員もないはずです。県民もないはずです。身を切ってみずからそういうPRをするという、そういう姿勢を示していただきたいなあ。だから、冒頭申し上げましたように個人個人の思いがありますから、私は強くそう思うと、そういうことであります。
 最後に、1番から3番まで、一応自分なりに項目を立てました。まだまだこんなんでは自分なりには気はおさまらないんですけど、私も年を重ねてきますと、どうもぼやきがふえます。(「72か」と呼ぶ者あり)73です。もうちょっとというんですか、公務員さん、俗に言う、ちまたではですよ、これが公務員やというような余りいい意味の表現はしないんですけど、公務員仕事やとかなんとかと言われるんですけど、皆さん方は、それぞれの立場でそれぞれの行動範囲というのがありますね。だから、この前も、平成27年度の各部局の重点施策も丁寧に説明をいただきました。知事の新政策の考え方も教えていただきました。ただ、私も、先ほど申し上げました年のせいで熱いハートの感度が鈍くなったんか、心を打つような話は、実際のところ、余りありませんでした。
 やっぱり心を打つような、人と人とがぶつかる、人間と人間がぶつかる、生の姿でぶつかるような、つまり私の言いたいのは、公務員の任された行動範囲というのは決められた範囲だと思うんです。ところが、それを最大限まで個々の職員が頑張ってくれれば、もっとすばらしい和歌山県庁なり、和歌山県なり、和歌山の行政がすばらしくなるんではないかな。つまり、一歩前へ出ていろんなことに取り組む、そういう姿勢を持っていただきたいと思います。
 まだちょっと時間、あるな。──言ったら切りがないんですけど、例えば子ども未来課の婚活、去年、ことし、やってます。結果を聞いたら、3月に1組をカップリングできるというような話なんです。これも、しょせん県がやる、自治体がやる行動については活動する範囲が制約されてるからではないかな。もうちょっと一工夫すれば、金額にしては年間900万ほどだと思うんですけど、それにしてももうちょっと効率のええ方法がないかな。
 あるいは、この前、ちょっと企画部長とも話したんですけど、ミラノへ行く、和歌山を売り込みに行く、売り込みに行くのに、二言目には「予算がない」と。それだったらもう初めからやめとけ。いっそ、あんな遠くまで行くんだから、和歌山のことを多少お金が要ってもフルに売り込んでくるべきだと。二言目には「お金がない」。お金がないんだったら、一番初めに戻りますけど、宝くじをもっとみんなで売ろうじゃないですか。そして、20万、30万の補助を待ってるのに、ことしは予算ないんで削られましたという団体が山ほどあります。そんな人のためにも、ぜひ一肌も二肌も三肌も脱いで予算を獲得すれば、そんな二言目には「お金ない」とか、「予算ない」とか、「前例がない」とかという言葉にはならんと思うんですよね。
 だから、そうなったら、職員一人一人も一歩前へ行けば、なるほど風当たりも強くなるでしょう。ただ、風当たりが強くなると同時に仕事もふえるでしょう。だから、公務員は、前例どおり無難にやってりゃ給料は減ることはない、上から怒られることはないということになりがちではないかなと僕は思うんですよ。皆さんは決してそんなことはないと思ってますけど、そういう意気込みで頑張ってくれたらもっとすばらしい和歌山県ができるん違うんかと、そう思うんです。
 そのかわり、30市町村の担当者も一歩前へ出て県の指導を聞く、あるいはそれに協力して話し合いするとなれば、お互い一歩ずつ前へ出たらすばらしい地域づくりができるんではないかな。そのためにも、長である知事がもっと──心が狭いとは言ってませんよ──もっともっと心を広く持って、若い人の意見をどんどんと取り上げて、取捨選択して、「それだったらやろう。おまえにわしは任すからやれ」と言うぐらいの意気込みで今後とも県政に取り組んでいただきたいなあ。一年寄りの議員として、本当に心の底からそう願っている1人のことであります。
 これについても、意見をやっぱり知事に、もし私の問いに対しての御感想なり意気込みがあったら教えていただきたいなあ。私の心を打つような回答をお願い申し上げます。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 山田議員は73歳だそうでございますが、私も64歳になりまして、64歳が張り切っているだけでは絶対だめであると。若い人たちがみんな提案をしてきて、わんわん沸いてきて、そして、こういうことをやりたいというふうになってくるような県政でなきゃいかんと思っております。
 かねがね、「お金がない」とか、「前例に反する」とか、「私の仕事ではありません」と県庁の職員が言ったらだめということになっておりまして、先ほど某部長が何かそれらしいことを言ったというふうなお話もありましたが、後で注意を申し上げたいというふうに思います。
 まず、前例踏襲主義がよくないというのは、そのとおりだと思います。問題の背景をよく調べて、どうすれば問題解決になるのかを考えて果敢に取り組んでいくのは当たり前のことで、前例どおりやれば仕事ができたというのは、これはもうはっきり言うと公務員失格、県庁ではそんなメニューはないという前提でやっております。
 その次に、一歩前へということについては、もう一段と根性と工夫が要ります。というのは、新しいことをやろうとする際には、やっぱりリスクがいろいろあります。うまくいかなかったらどないしようかとか、あるいは無駄遣いやと言われへんかとか、そういうようなことがたくさんあるわけですけれども、やっぱり一歩前へ出てやってみようということが大事だというふうに思います。
 新しいことをやろうといたしますと、先ほど申しましたように、予算の無駄遣いだと言われたらどうしようとか、失敗したらどうしようかと頭の中にいろんなリスクがよぎるものでございます。でも、勇気を持ってやってみないとこれはいかんので、「勇気を持ってやろうじゃないか」というふうに言っております。
 そのときに、やってみて結果がうまくいかなかったこともあるわけでございます。そういうときに、職員が不誠実にやってたら、これは別でございますけども、誠実にやってうまくいかなかったら、それで責任をとらせるというようなことは全くありません。そういうことの配慮も必要だと思っております。これは、私だけじゃなくて、実は世間一般、みんなそうでございます。議員諸氏にもお願いをしたいと思いますし、また県民の方々にもお願いをしたいと思います。一生懸命やろうとしてうまくいかなかったとき、誠実にやっていれば、「残念でした。また次のことを考えろ」というふうに言っていただきたいというふうに思います。
 そういうことで、ちょっと自慢風になりますけれども、幾つかそういう点を申し上げますと、例えば危険ドラッグです。あれは、憲法上の営業の自由を侵害するリスクから規制できないというような話が法律界を中心にしてありました。しかし、いわゆる危険ドラッグを規制する本県の条例はその辺をかなり大胆にカバーするようにしてやりました結果、今回の薬事法改正による規制強化につながったものと考えております。
 同様に、財産権の侵害のおそれがあって強制的に撤去できないと考えられていた廃墟になってるような建物、これは周辺住民からの要請をもって除却できるというような景観支障防止条例をつくりました。また、県議会からの御意見もありまして、その続編と言うべき避難路塞ぎ防止条例、そういうものも制定いたしました。
 また、過疎地域の住民の方々が寄合会で話し合って、主体性を持ってみずから決めた活性化の取り組みを支援する過疎集落支援総合対策事業を県単独で始めましたけれども、これは県庁の職員が考えて提案してくれた話でございまして、今ではその成果が評価され、総務省の支援事業として全国展開されております。
 このほか、防災面でも、県独自の避難勧告の発令基準、津波の際のリスク別の避難場所指定基準、こういうものも全て──私も少しありますけれども──ほとんどは県庁職員が考えてくれて実行してくれたことでありまして、国の全国的な基準に取り入れられるなど、和歌山発の全国モデルと呼ばれるものも多くなってまいりました。
 日本は、少子化、高齢化、過疎化、都市の再生など、多くの課題を抱えておりますけども、和歌山は、それらが特に先行して進んでいる課題先進県であると思っております。こうした課題解決に向けてリスクを恐れず新しい政策を生み出し、また今ある政策にさらに磨きをかけて「一歩前へ」というかけ声のもとに、議員の励ましを胸に頑張ってまいりたいと思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 今までの取り組みについては十分認識をしてるし、認めています。それをさらにグレードアップする意味でも、一歩前へ、さらに一歩前へという気持ちで、我々議会もそうだと思うんですけど、皆さん、ともに頑張りましょう。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾﨑太郎君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
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