平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(全文)


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平成27年2月
和歌山県議会定例会会議録
第6号
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議事日程 第6号
 平成27年2月25日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾﨑太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 立谷誠一
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    溝端莊悟
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾﨑善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
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  午前10時0分開議
○副議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 40番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 おはようございます。
 通告に基づき、早速、一般質問に入らせていただきます。
 まず、第1点目の柱として、介護職員の待遇改善の問題をお尋ねしたいと思います。
 今、地元有田郡内を回っておりましても、ひとり暮らし、2人暮らしの高齢者世帯が本当に多くなったなあと痛感しております。和歌山県は、高齢者夫婦のみの世帯が全国2位、高齢単身世帯が全国3位ということがきのうも紹介されました。山間部でも町なかでも、どこへ行っても、「介護で難儀している」とか「介護が必要になったらと思うと不安」、こういう声をお聞きいたします。高齢化が全国よりも先行して進む和歌山県においては、介護ニーズが今後急激にふえていくと予想をされています。介護を必要とする高齢者とその御家族がふえる一方で、介護の職場で働く人材の不足が現場では一層深刻になると考えられます。
 団塊の世代が後期高齢者となる2025年問題などがマスコミでも盛んに取り上げられるようになってまいりました。国としては、この先、100万人の介護職員が必要だという見通しも持ち、この人材確保が大きな政策課題となっております。
 そこで、まず最初に、和歌山県としては、現在策定中であるわかやま長寿プラン2015などにおいて、この先、どれほどの介護職員が必要になると認識しておられるでしょうか。福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 現在策定中のわかやま長寿プラン2015(仮称)におきまして、厚生労働省の作成したワークシートを活用し、介護人材の需要量と供給量を推計しております。
 本県の平成24年の介護職員数は約1万9100人ですが、2025年の介護職員の必要数は約2万5800人であり、これに対し供給数は約2万1600人で、約4200人が不足すると推計しております。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 2025年、あと10年するまでに4200人不足という数字が示されました。
 御紹介のあった長寿プランの数字は職員が順調にふえていった推計の数字ですから、答弁にあった10年後の必要数2万5800人から現在の1万9100人を引いたら、6700人必要という数字も出ます。この数字が、国全体で100万人必要というのに対応した数でもあるわけです。そして、今の人数が足りているかといえば、決して足りていないわけなんですね。
 いずれにしても、高齢化の進行と介護ニーズの増加に応えられるよう、この介護職員不足に対して、しっかりと社会の側、政治の側が備えなければなりません。
 そこで、次の、じゃ、介護人材をどう育成するのか、こういう質問に移らせていただきます。
 不足する介護人材問題を解決していくには、介護職員の養成、介護に対する専門性を持った人材を育てるという営みが第一義的に必要です。そして、介護の現場への定着、離職防止、やりがいを持って働き続けられるスキルアップが大切だというふうに考えます。しかし、現状は、介護職を目指す若い人が少なく、なおかつ、せっかく仕事についても長続きせずにやめてしまうケースが多いと聞きます。介護人材の育成は、これまで以上に充実・強化していかなければならない課題ではないでしょうか。
 先日、広川町にある介護福祉士を養成する専門学校でお話を聞いてまいりました。介護の専門職を育てていく御苦労や熱心なお取り組みを聞かせていただくと同時に、和歌山県として、介護を学ぶ学生のための修学資金制度が3年前からなくなってしまったということや、専門学校から県内事業所へ研修に出向いていた事業が来年からなくなるなどの話も伺いました。国からの財源などの都合もあるようですが、こういう取り組みは、充実が求められこそすれ、先細りさせていくような政策ではないはずです。国、県でもっと拡充すべきです。
 そのときに専門学校でお聞きした話が心に残っています。「今の介護の現場では、介護職員を人材として育てるものと捉えずに、単に人手として仕事や流れやスキルだけを教えて働かせるというところが多いのが残念です。そういうところは、職員が成長せずに長続きしない場合が多いんです。高齢者の人間としての尊厳とか虐待問題とか、倫理観や介護に向かう姿勢を育てる、そういう人材育成こそが大切ではないでしょうか」、こんなふうにおっしゃっていました。
 県として、修学資金制度の再開など、介護人材の養成と定着事業により一層力を入れるべきだと考えますが、今後どう取り組んでいかれるのか。この点について福祉保健部長より答弁を願います。
○副議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 介護人材の養成等でございますが、介護福祉士等修学資金貸与制度につきましては、必要な予算措置を行うよう厚生労働省に要望を行ったところです。また、高等学校の生徒や資格を持たずに介護職場に新規就労した方の資格取得の支援、就職相談会や介護体験事業などを実施するとともに、介護技術を初め、認知症や医療的ケアなど専門性を高めるための各種研修を実施するなど、国の制度も活用しながら介護事業者や関係団体等とも連携して介護人材の育成に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 積極的に取り組んでいくという答弁にふさわしく、この新年度、また今後に向けて努力をお願いいたします。
 では、次に介護職員の労働実態について、現場で働く方々の現状はどうなっているのかという認識を質問させていただきます。
 昨年の秋に、医療・介護の現場で働く方々の労働組合が職員や事業所を対象にアンケート調査をされています。この結果を見せていただくと、介護職員の厳しい労働実態が浮き彫りになっております。
 調査を報道した「朝日新聞」の記事によりますと、全国の労働者の平均賃金29万7700円と比べて、県内の介護職員は10万円以上安い18万8194円だったこと、また、同じ介護職でも全国平均を大きく下回っていたことが報道されています。
 アンケートでは、今の仕事について「やりがいのある仕事だと思う」が6割に達していると同時に、その一方で、また6割が「仕事をやめたいと思うことがある」、こんなふうに答えています。やめたいという理由としては、トップは「賃金が安いから」で47%、その後、「体力が続かない」、「仕事が忙し過ぎる」と続きます。やりがいがある仕事なのに続けられない、こういう悩みがあるわけですね。また、十分なサービスが提供できていない原因は人員不足という回答が68%に上り、目の届かないところでの転倒・転落を6割の職員が経験しているという結果です。
 今度は、有田地方の介護施設職員の生の声を取材した「毎日新聞」は、次のような記事を載せています。
 「高齢者80人が入所する施設。未明に呼び出しのコールが鳴り響くと、夜勤の男性介護福祉士は駆け足で音の主に向かった。この仕事に就いて18年、夜勤(17時間勤務)では靴すら脱げない。1人で1フロア半分の20人を担当する。コールが2つ以上同時に鳴れば対応は不可能だ。『これでは守れるはずの人も守れない』」と話しておられます。
 今度は、3年前に派遣会社から転職した和歌山市の女性職員は、「正社員の仕事を探し、介護の仕事に就いた。ミスが命に関わる一方、給与は手取り17万円弱と、派遣時代から2万ほどしか上がっていない。ベテランの先輩の給与もほとんど変わらないことに驚いた。『この先に希望が見えない』と声を絞り出した」、こういうふうになってます。
 また、国が社会保障費削減のために入所者が自宅に戻る在宅復帰の支援を促していることについても、「入所者を回復させるためにはさらに人が必要になるのに、入所者を帰せば経営が成り立たない。矛盾だらけ」という訴えや、先ほど、冒頭の介護福祉士の話として、「仕事がきつくても入所者が回復してくれれば僕は我慢する。でも、在宅復帰支援が予算を減らすためだけの目的なら全て逆効果。この現場を国は知っているのか」、こういう問いかけを紹介してるんですね。
 また、介護施設事業者への懇談、聞き取り調査の中では、次のような意見が出されています。
 「特養における介護・看護職員の配置基準は、御利用者3名に対して職員1名となっております。現状、私たちの施設においては、定員60名に対して、介護・看護職員は、非常勤職員を合わせると40名を雇用しています。それでないと現場が回っていかないというのが実情です。当然、職員の給与は薄まっていかざるを得ません。経営努力ということを考えても、3対1の配置基準は、明らかに十分な介護・看護のできる環境ではないと考えています」と、配置基準の見直しと賃金を改善できる報酬単価の改定を訴えています。
 以上、御紹介させていただきましたように、現場では、仕事の割に給料が安いから職員募集をしても人が来ない、だから人員不足が慢性化する、そして過酷な労働実態を生む、こういう結果になっています。そもそも、人員配置基準が低いという問題もあり、仕事が続けられない勤続年数の短さ、根本的には、他業種と比べて年100万円安いと言われる賃金にあらわれてるように、待遇改善のための制度設計が追いついていないのが実態なんです。そんな中で、必死に頑張っていらっしゃる職員の皆さんの声が痛いほど胸に刺さります。
 こうした介護の現場の悲鳴とも言える声なき声を県はどう受けとめているのでしょうか。福祉保健部長に県としての認識を御答弁願います。
○副議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 介護職員の処遇につきましては、これまでの処遇改善加算制度などにより、給与等の引き上げを初めとした処遇改善が着実に進んでいるものの、介護職員の平均賃金は全産業のそれと比較しても低く、また勤続年数も短い傾向にあることから、今後も積極的な処遇改善や定着に向けた取り組みが必要と認識しております。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁では、積極的な処遇改善が必要だと受けとめているという認識が示されました。
 これまで3項目のやりとりを踏まえて、次の国に加えて県独自の待遇改善策を提案する質問に進ませていただきます。
 今回の介護職員の待遇改善についての質問を通じて、人材は今後10年で4000人とも7000人ともいう介護職員が必要であること、そのためにはこれまで以上に介護職員の養成に力を入れ、定着やスキルアップにも取り組まなければならないこと、ところが、介護職場の実態は賃金が安いために人が集まらない、人員不足で仕事がきつい、それでまた人が集まらないという悪循環になっていてこの実態をどう受けとめるのかという議論をさせていただきました。
 県としても、こうした人材確保、養成と定着、待遇改善に力を入れたいということですが、じゃ、その待遇改善をどう前に向いて進ませるのかという課題をお尋ねしたいと思います。
 今回の介護保険制度改定では、国が介護職員1人当たり1万2000円の月給アップとなるように制度を改善するということなのですが、介護報酬が全体として引き下げられる中で実効性ある待遇改善になるのかと不安の声が出ております。
 報道によりますと、東京都が新年度から都独自に介護職員の待遇改善予算を組むということです。制度設計においては介護保険と重ならないように苦労しているとのことですが、私は画期的な取り組みだというふうに考えます。
 全国よりも高齢化の早く進む和歌山県としては、積極的に待遇改善に取り組んで人材育成を加速させなければなりません。国の待遇改善策は実効性あるものになるのか、また、県としてもこれに加えて独自の待遇改善策に踏み出すべきではないかという点について、福祉保健部長の答弁を求めます。
○副議長(尾﨑太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 今般の処遇改善加算制度の拡充により、さらに給与アップが見込まれますので、対象となる全ての事業所に周知するとともに、積極的に活用されるよう働きかけてまいります。
 また、介護職員の待遇改善につきましては、県独自の対策は困難であり、国において地域における経営実態等を踏まえた適切な介護報酬等の設定がなされるべきであると考えております。
 県におきましては、良質なサービスを提供できる介護職員の養成やスキルアップを支援することにより、処遇改善や定着につなげてまいりたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 国の待遇改善は徹底するが県独自は困難という、これまでのまだ延長線上のお答えだったというふうに思います。東京都は財政力があるからとか、都市部は地域加算があるからということで終わらせていてはいけないと思うんですね。地方の県でも、都市部より介護職員の給料が高くなっている県がたくさんあります。和歌山県も、お隣の大阪府と月3万円ほどの差があるというこの実態を放置できない、何とか知恵を絞ろうという姿勢に立つべきだと、これは知事も含め、強く要望さしていただき、今後もこの課題に県民の皆さんと御一緒に取り組んでいきたいというふうに思います。
 続きまして、2番目の柱として、ヒートポンプ給湯機による低周波健康被害の問題について質問をさせていただきます。
 ヒートポンプ給湯機とは、空気中の熱をヒートポンプという技術で集めてお湯を沸かす電気給湯機で、「エコキュート」などという愛称で販売されている省エネ型の給湯機です。低周波の健康被害は、これまで県議会では風力発電に伴う問題が何度も取り上げられてまいりましたが、今回、このエコキュートの低周波問題を提起させていただきたいというふうに思います。
 消費者庁から、昨年の12月19日付で、ヒートポンプ給湯機から生じる運転音、振動によって不眠等の健康障害が発生した事案の調査報告書と、それから、法の規定に基づく安全調査委員会の意見というのが──こういうふうに膨大な資料ですが(資料を示す)──発表されました。
 消費者庁のこの報告文書を見ると、これまで身近に感じていなかった方も多かったであろう低周波被害の問題が、こうした発生源によって、全国、そして県内どこでも起こり得ることであり、これに対する注意喚起と十分な対応、対策が必要だと考えて質問をさせていただくものです。
 そもそも、なぜ消費者安全調査委員会がこのようなエコキュートの低周波問題で調査をしたかというと、環境省が公表している低周波音に係る苦情件数が、平成20年以降は高い水準で推移しているということからなんですね。エコキュートの運転音、振動により不眠等の健康症状は原因を低周波によるものと訴えるケースが多く、隣近所との関係に影響を及ぼしています。低周波音は人に聞こえにくい領域の音であることや音の聞こえ方に個人差があることから音源の特定が難しいこと、また設置者の理解を得ることが難しいのが特徴だというふうにこの資料では紹介しています。
 事故等原因調査報告書は、主に取り上げた1つのケースだけではなく、実は合計19件もの事案を綿密に調査しています。それぞれ現場まで出向いて聞き取り調査をし、そしてデータも実際に実測調査をしております。そして、それだけでなくて、隣の家にこのエコキュートがある家庭100件に対してもアンケート調査をするなど、これまで消費者安全調査委員会で取り組みをやってきたものを大きく超えた規模で検証されてるのが特徴です。
 その結果、事案に対して、ヒートポンプ給湯機の運転音が健康症状の発生に関与していると考えられる、こんなふうに結論づけ、リスク低減のための対策、それから健康症状発生時の対応、この2つの中身で消費者安全法第33条の規定に基づく意見というのを公式に発表したわけです。
 私は、先日、このヒートポンプ給湯機エコキュートによる低周波健康被害の問題で由良町に出向き、健康被害を訴えられている御本人から直接話を伺ってまいりました。この方の自宅に隣接する介護施設が、増設に伴い業務用のエコキュートを新たに設置したときから、この方の健康被害が始まりました。激しい頭痛に悩まされる生活をもう2年余りも続けておられます。
 この方の健康被害の相談に基づき、地元自治体と保健所、県環境管理課が対応し、メーカーによって低周波の測定が実際に行われています。これがその実際のデータです。(データを示す)
 驚くことに、施設の前でも、そしてまた健康被害に悩む方の御自宅でも、環境省が示した参照値を大きく超えてるんですね。この参照値という音のレベルは、低周波の法規制の基準がない中で90%の人が許容できるという水準の暫定的な数値でありますが、この数値以下でも10%の人が許容できない、低周波を感じる個人差があるので、この数値以下であっても低周波被害が否定できないので詳しく調査するよう環境省もガイドラインで求めている、そういう数値です。この数値を大きく超える低周波が実際に測定されたというこの事実から県などが施設に対して対応を指導し、運転時間を変えるなどの対策を試みてきたものの、低周波の発生はおさまっていません。
 深夜電力を使うのが基本のエコキュートですが、夜寝られないので昼間に運転するように対策されましたが、今度は昼間が家にいられない。朝御飯を食べたら外出して親戚宅や図書館などへ避難し、お昼御飯を食べに帰ってもすぐに気分が悪くなるので、食べ終わったらまた自宅から避難する。夕方にエコキュートの運転が停止するころに帰宅するという生活を続けておられます。まさに心の休まることのないつらい生活を続けながら健康被害に悩んでおられるわけです。
 こうした深刻な事例を踏まえて、以下2つの項目で質問をさせていただきます。
 まず第1点目、健康被害相談への対応状況についてお伺いします。
 ヒートポンプ給湯機による低周波健康被害の県内発生状況はどうか。また、由良町における隣接する介護施設からの低周波健康被害への対応状況についてお答え願います。
 次に、消費者庁の意見に基づくメーカー、設計施工業者、県民への対応についてお尋ねいたします。
 消費者庁の意見では、1点目に「リスク低減のための対策」をまず求めています。今後、家庭用ヒートポンプ給湯機の普及に伴い、影響の拡大が心配されます。県としても、メーカー、設計業者や施工業者や販売店に対して周知徹底を図るとともに、県民にもこの中身を適切に広報していくべきではないでしょうか。
 また、この消費者庁意見は、その事前防止という1点目の観点に加えて、2点目に「健康症状発生時の対応について」と、個別事案についても明確にしてるんですね。製造事業者に対しては、個々の事案に対して健康症状軽減に向けた具体的な対策を検討し、提案し、履行に向けて丁寧に努めるよう求めています。
 一般的な予防策だけでなく、個々の事案への対応という点でも、県として、メーカーや設計施工業者に対してこのような対応を求めるべきだと考えますが、いかがですか。
 また、低周波音の測定値が環境省が示した参照値以下であっても、慎重な判断を要する場合があることを一層明確に周知せよとここでは書いてるわけですから、県として、今後、低周波健康被害相談への対応において、このことをしっかりと踏まえるべきだというふうに考えますが、いかがでしょうか。
 以上2項目の質問、あわせて環境生活部長より御答弁願います。
○副議長(尾﨑太郎君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) ヒートポンプ給湯機による低周波の健康被害についての御質問について、御答弁さしていただきます。
 まず、健康被害相談の対応状況でございますが、県内で発生しておりますヒートポンプ給湯機の低周波による健康被害の相談を県として把握しておりますのは、本日御指摘のありました由良町におけます件1件でございます。これは、あくまでも相談として把握してる分でございます。
 健康被害を訴えている方と設置施設の話し合いが行われている中で、議員からお話がありましたように、施設側はヒートポンプ給湯機の運転時間帯を深夜から昼間に変更をいたしました。その上で、現在、昼間の運転出力を60%──これがこの機種の最低限の運転状況、可能出力と聞いてございますが──そういう形に低減するなどの対策を現在のところはとっているということを伺ってございます。
 また、現時点で、施設側は、施工業者でありますとか製造メーカーと協議をしながらさらなる対策を進めていきたいということで、その対応について検討しているところだというふうに承知をしているところでございます。
 もう1点の、今回、消費者庁から意見が出たことについての対応でございますけれども、こちらのほうでは、ヒートポンプの給湯機から生じます運転音、それから振動によりまして不眠等の健康症状が発生したという申し出が多数寄せられているというところから、今回、消費者安全調査委員会のほうで検討が進められて、昨年の12月にこの委員長から経済産業大臣並びに消費者庁長官に対しまして、健康症状発生のリスク低減に向けた取り組みを行っていくようにと、そういう意見書が出されたものでございます。
 これを受けまして、経済産業省のほうでは、平成26年の12月に一般社団法人日本冷凍空調工業会に対しまして、ヒートポンプ給湯機の運転音等の改善への取り組みを講ずるよう要請をしております。それを受けまして、同工業会におきましては取り組みを進めているところでございますが、経済産業省におきましても、今後とも、この工業会の取り組みがどのように進められていくか適切にフォローアップを進めてまいるということになっているというふうに私どもとしては承知をしてございます。
 また、低周波によります健康被害の対応でございますが、現在、法的な明確な規制というか、議員御指摘のありました参照値だけでございまして、法的規制がない状況ではございますが、消費者安全調査委員会の低周波事故等調査報告書、それから環境省から既に出されております「低周波音問題対応の手引書」、こういうふうなものを活用するよう、県内の市町村、それから関係の機関に県としては周知をしてございまして、これまで県として取り組んでまいりました他の環境問題におけるさまざまな対応と同様に、この低周波によります健康被害の対応についても今後とも真摯に対応してまいりたいと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 県としてのこの低周波健康被害に対する取り組みの状況と、今後も真摯に対応していくという姿勢が示されました。まさにその言葉どおりの努力を期待するものです。
 由良町のケースでは、一定の工夫や試行錯誤が進められてきました。これは、県がしっかりと設置者を行政指導してこられたからだと評価をしております。しかし、この先、対策を進めようとすれば、対策の効果や費用の問題などで壁に当たることも予想されます。要望させていただくのは、施設と健康被害を訴えてる方との協議だけにせず、消費者庁の意見に沿った形でメーカーや設計施工業者にもしっかりと対応を迫っていただきたいということです。
 また、家庭用のエコキュートの健康被害の大部分は、省エネになるからよかれと思って設置した給湯機が原因で本当に大変な被害につながるわけで、仲のよかった隣同士の関係が壊されてしまうんですね。設置した家にとっては、家の裏のあいたスペースに置いたつもりが、お隣さんにとっては寝室の真横だったということがあるわけです。この問題の解決には、メーカー、そして設置業者の協力や責任がしっかりと果たされるべきなんですね。メーカーや設計施工業者、業界団体への指導は、決して国任せにすることなく、県としてきっちりと取り組まれるよう要望をしておきます。
 また、県としても、太陽光発電補助にこのエコキュートをプラスすれば補助がふえる制度を持っています。5倍ほどの倍率の人気だそうで、この3年間で合計300件ほどの設置補助を出しているということですから、普及はどんどん進んできてますし、今後も進むでしょう。補助をする県としても、補助要綱などにこうした低周波問題への注意喚起をし、設置位置を確認するようなことも必要だと思いますので、対応を要望しておきます。
 このエコキュートや風力発電など、低周波健康被害を訴えられているのは、まだまだ氷山の一角であるというのが現状です。原因がわからず、悩みを持っていらっしゃる県民が数多くいらっしゃる可能性があります。健康相談はもちろんのこと、適切な形でこうした低周波で悩んでいる問題があることを県民に広報することも含め、県としてしっかりした対応を重ねて要望しておきたいと思います。
 次に、第3番目の柱である特別支援教育の条件整備について、今度は教育長にお尋ねをいたします。
 特別な支援を必要とする子供たちが通う特別支援学級においては、児童数の多い学級がふえてきて、子供たち一人一人の発達に合わせた対応に苦慮しているという話をお聞きし、その一例を調査するために湯浅町の学校現場へ出かけました。
 この小学校の特別支援学級の1つには、1年生が2名、2年生が2名、3年生が1名、4年生が1名、合計6名が現在でも在籍をしています。実は、これに加えて来年度は新入生2名が予定されていて、合計8名の学級になる予定だというんですね。これだけの人数の学級でどうやって授業をされてるんだろうと、こんなふうに思いながら校長先生に授業を御案内いただきました。
 ここでは、まず教室を半分に区切って、1年生の1人とお隣の特別支援学級の1年生が2人で国語の授業を受けていました。この2人は、非常勤の先生が担当をされてます。そして、あと半分の教室では、これをそのまた半分に先生手づくりのパーティションで区切って、2年生の子供と4年生の子供、これは別々に算数の授業を受けています。学習内容も教具も別々の授業を1人の教師がこっち行ったり来たりしながら行う2元同時進行の授業なんですね。これは授業も大変だけども、授業の準備、教材研究や教具の用意が大変だなあというふうに感じました。
 その日は4時間目の授業を見せていただいたんですけれど、教室の中には6名中4名が勉強していて、あとの3名──1人、よそから来てますから──は交流学級へ体育などの授業に出かけていました。校内をずうっと御案内いただき、交流学級で一緒に学習に取り組む特別支援学級の子供たちの姿も見せていただきました。そこには、やはり特別支援学級の先生が横について授業に参加をしています。そうやってこそ学習、発達が保障されるんですね。このように、交流学級との時間割を調整して、なるべく子供の数を分散させながら担任の先生と非常勤の先生でやりくりをしながら授業をされています。
 このクラスには、御紹介したように非常勤の先生が入っていますが、その非常勤の先生も、県費では1日3時間限りなんですね。私が授業参観をさせていただいた4時間目は、実は湯浅町のお金で配置しているという継ぎはぎ状態なんです。そして午後は、予算がないので非常勤の先生はいません。担任の先生1人で授業をすることになります。
 特別支援学級で子供たちが一生懸命学習に取り組んでる姿に感動し、本当にこの特別支援教育というのは教育の原点だなと改めて思うと同時に、特別支援で2人以上の学級というのは、人数と学年が多くなればなるほど本当に大変だということを目の当たりにしました。
 今回の視察を通じて、一人一人の発達課題に即した個別対応が求められる特別支援教育において、現状では条件整備が不足しているということを痛感しました。
 そこで、以下2点をお尋ねします。
 1点目に、この間、和歌山県内の児童数は全体として減少傾向であるんですが、特別支援学級の学級数や児童生徒数は増加傾向であると聞きますけども、現状はどうなのか。特別支援学級の設置数、児童数の推移をお示しください。
 2点目に、特別支援学級における多人数学級への条件整備充実についてです。
 丁寧な個別指導が大切な子供たちなのに、2名以上が在籍する多人数学級では、人数や学年がふえるほど手厚い教員配置が本来必要です。この多人数学級に対しての条件整備にどう努めてきたのでしょうか。また、現在の人的配置では不十分だと考えますが、今後の充実にどう取り組んでいくのかを御答弁願います。
○副議長(尾﨑太郎君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 平成26年度の特別支援学級につきましては、小中学校合わせて483学級、1415名が在籍しており、5年前の平成21年度に比べますと、82学級、368名増加しています。また、1学級当たり2名以上在籍している学級が占める割合は76.2%で、5年前と比較しますと8.4ポイント上昇しております。
 特別支援学級を編制する場合の基準は8名以下となっており、9名以上の場合、クラスを分割し、複数の担任が指導することになっております。
 議員御指摘のように、1学級当たりの児童生徒数が多くなったり学年が複数にまたがったりすると、発達段階や課題に応じた指導が困難な場合があります。こうしたことから、県では、市町村教育委員会との協議も踏まえ、1学級当たり児童生徒が6名以上在籍している場合、または5名以上在籍し、かつ3学年にまたがっている場合は、非常勤講師を配置する支援措置を講じているところです。
 今後も、特別支援学級で学ぶ児童生徒一人一人が達成感を持ちながら学習し、生きる力を身につけていけるよう、特別支援教育の充実に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 教育長からは、条件整備を進めてきた経過と今後の姿勢もお聞かせいただきました。
 特別支援教室の中でも困難なところに手厚い支援を求めるとともに、特別な支援が当たり前のようにできなければならないというのが、今、これからの日本の教育に求められているわけですから、定数改善や人的配置の一層の拡充を要望しておきたいというふうに思います。
 それでは、4つ目の、最後のミカン価格対策についての質問に移らせていただきます。
 2014年産ミカンの価格は、消費不況や天候不順の影響などを受けて低迷しました。年末年始は少し回復したとの話もお聞きしますが、その恩恵はほんの一部にとどまり、県内農家全体としては大変厳しい状態だったというふうに考えます。
 年末以降の推移も含めて、2014年産ミカンの販売状況をどう把握しているのか、お示しください。
 次に、ミカン厳選出荷促進事業についてです。
 和歌山県は、ミカン生産量日本一をこの間誇ってきております。和歌山は、豊かで好条件な自然環境と歴史、ブランド力を持った産地である一方で、価格形成の点では、他府県と比べてもリードされた状況が固定化されていて、ミカン生産県主要6県のミカン価格をランクづけすると、1位静岡、2位愛媛、3位長崎で、続いて4位和歌山と、この間、常に4位が和歌山県の指定席だというふうに聞きました。和歌山県産ミカンの価格の他府県との比較はいかがでしょうか。
 こうした中で、県は、新年度でミカン厳選出荷促進事業をスタートさせようとしています。価格形成に向けた新たな努力として評価するものです。この事業によってどのような取り組みが強められ、どう効果を発揮していくと考えているのでしょうか。
 以上2点、農林水産部長より答弁を願います。
○副議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカンの価格対策2点について、一括してお答え申し上げます。
 まず、2014年産ミカンの販売状況ですが、8月の多雨による品質低下などにより、12月中旬までの販売単価は低迷いたしました。12月下旬以降は市場入荷量が減少して、現在まで前年を上回る価格で取引されておりますが、昨日2月24日までの系統扱いの市場単価は、対前年比85%の1キログラム当たり181円と厳しい状況でございます。
 本県のミカンは、生産量では日本一ですが、残念ながら単価は愛媛県や静岡県に比べて安く、平成21年以降、全国の主要な10地域市場の平均価格を下回っているのが実情です。
 こうしたことから、光センサー選果機を利用して厳選したミカンを市場に出荷し、品質基準を満たさない果実を加工用に仕向けるためのミカン厳選出荷促進事業の予算を今議会にお願いしているところです。また、ミカンの消費拡大を図るため、市町村や県内の企業にも協力を呼びかけ、会議や職場でミカンを食べる運動として「和歌山なんだから、みかんをもっと食べようキャンペーン」を昨年12月から実施しているところです。
 今後、厳選出荷の取り組みによって県産ミカンの市場評価を高めるとともに、JAや市町村等と連携しながら販売の促進に努め、名実ともに日本一のミカン産地を目指す所存でございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 ミカンの価格形成に向けた取り組みを、きょうは議論させていただきました。答弁を聞いて改めて思ったのは、価格の順位もありますけれども、和歌山県産ミカンの単価が市場の平均価格を下回ってるというのに大きな問題意識を私は持ったところです。今回の厳選出荷の取り組みや品質向上、販売促進、ブランド力アップ、ぜひさまざまな場面で農家、生産者団体とも力を合わせて和歌山県産ミカンの価格形成が進むよう、積極的な県の取り組みを要望して、本日の質問を終わります。ありがとうございました。
○副議長(尾﨑太郎君) 以上で、松坂英樹君の質問が終了しました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 13番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 議長のお許しをいただきました。久しぶりの登壇であります。
 今定例会も17名の一般質問者があって、私で11番目ということで、皆さん方の議員の質問なりを聞いてますと、やっぱりそれぞれの選挙区の抱える問題とか、あるいは議員としてのそういう熱い思いを胸に、十人十色といいますが、いろいろあるんだなあと感心しながら拝聴しておりました。
 私も、自分なりに、与えていただいた時間内を自分の思いで質問したいと思います。ただ、原稿がありませんので、時間設定ができてませんから、どういう運びになるかわかりませんが、できるだけ過激な発言やら、その辺の不適当な表現のないように、自分自身でブレーキをかけながら、しばらくの間、御拝聴いただきたいと思います。
 一般質問の通告を4つばかりしました。
 まず、1つ目なんですが……(発言する者あり)何言ってんの。(「時間ないぞ」と呼ぶ者あり)私の与えられた時間内ですんで、聞きたくなかったら退場していただいても結構ですが、私も、個人的に、ギャンブルと言ったら言葉は悪いんですけど、嫌いなほうじゃありません。そこで、皆さんももう一遍認識を改めてほしいんですが、当せん金付証票、宝くじのことについてなんですが、我々議員にも、さきの12月の定例会で、議案162号ということで、宝くじの発売総額を120億円にするという、まあいや案件を承認しろということで提出されました。この120億円というそもそもの意味について、再度、一遍、総務部長から確認の意味で御説明いただきたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 12月議会に提案いたしました議案第162号当せん金付証票の発売総額につきましては、当せん金付証票──宝くじのことでございますが、この当せん金付証票法第4条で、都道府県及び特定市の議会が議決した範囲内において総務大臣の許可を受けて発売することができるものとされております。
 そもそも、宝くじの発売につきましては、刑法で発売が禁止されている富くじの特例として認められている性質などから、議会の議決を求めているものと考えております。
 それで、一方で、宝くじが国民の健全な娯楽としまして発展するにつれ、発売額も増加させていただいてきたところでございます。この議決いただきました額につきましても、年々増加してきておるというところでございました。
 現在の120億円という額につきましては、過去の発売実績を勘案しつつ、議決していただく額が発売限度額であることから、復興宝くじなど臨時的に発行するものもございますので、そういったものへの対応なども視野に入れて設定させていただいておるところでございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 設定しないといけないということについては、よくわかりました。
 それじゃ、現在──現在というんですか、過去、ここ数年間の目標に対するというんですか、ずっと120億で来てたと思うんですが、その販売実績はどうなってますか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 宝くじの近年の販売実績につきましては、数字が確定している過去5年間の販売実績を申し上げますと、平成25年度で約74億円、平成24年度で約75億円、平成23年度で約77億円、平成22年度で約75億円、平成21年度で約79億円となっております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 大体70億後半ぐらいでずうっと推移してるということは、逆に言えば、約40億弱というんですか、34~35億の余裕というんか、幅を残して販売されてるということであろうと思います。
 それじゃ、それに伴って販売収益金というのはどうなってるのかな。
 皆さんも御存じかなあと思うんですけど、今、テレビで盛んにコマーシャルしてます宝くじの当せん金がぐっと大きくなりました。というのは、私の知る限りでは、いっときは1兆円を超えるような大変人気のある、そういう夢を買うゲームだったんですが、時節柄というんですか、最近については1兆円を下回ってるから、いっそ当せん金を大きくして、まあ言葉を平たく言えば、興味を持ってもらうようにPRして買ってもらおうということで、当初は何十万倍だったですかね、そういう制約があったんですけど、今は──当初は50万倍、要するに証票、あれは300円で1枚買うんですが、それの50万倍までという制約だったんですが、今調べてみるところによると250万倍まで1等当せん金を払えるという、法律が変わったということなんですよね。それでどんどんPRしてやってるんですが、先ほど申されたように、事和歌山県としては74~75億で推移してると思うんですが、それに伴う収益金というのはどれほどあるんでしょうか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 宝くじの収益金につきましては、原則として販売実績額の約40%が発売元の収益となっております。平成25年度の実績では、和歌山県内における宝くじの販売額は約74億円でございますので、これに伴う収益額は約33億円となっております。
 先ほど申しました過去の実績でそれぞれ和歌山県の収益金を申し上げますと、平成24年度で約34億円、平成23年度で約34億円、平成22年度で約32億円、平成21年度で約35億円となっております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 皆さんも、ひょっとしたらそんなんやったんかえというふうにお思いだろうと思うんですけど、和歌山県で売れた、要するに宝くじの売り上げの40.3%、40%余りが何の条件もつかずに和歌山県の収入になるわけですね。40%ですよ。一般に平たく言えば、こんな売り掛けに対する収益金の多いというのは、どんな職業を探してもないと思うんですね。天下のトヨタでも、そんなにもちろんありませんし。
 ということであれば、仮に民間企業でこういうことができるんであれば、社長の号令以下、みんなが血眼になってでも販売促進に当たると思うんですよね。
 だから、今申し上げましたように、他力本願の地方交付税なり、あるいは助成金なり、いろんなのを国からいただきますし、また反面、企業から税金という形でいただくんですけど、これはどっちかというたら他力本願なんですが、この宝くじについてのみいえば、自助努力、自分の力で、自己努力で、まあいや、その4割というものが手元に戻ってくる、そういうこんな、ありがたいと言ったらいいんですか、こういうことを、何で120億という目標を立てながら70数億で足踏みしてんのかなあと、こう思うんですよ。民間だったら、多分、販売専従者でもつくって取り組むぐらいのことではないかなあと思うんですね。
 それじゃ、その120億という目標というんですか、ノルマというんですか、そういう目標がありながらですけど、この販売促進のための和歌山県としての広報活動を、実際、どのようにされてるんでしょうか。
○副議長(尾﨑太郎君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 広報宣伝活動につきましては、当せん金付証票法等におきまして、発売主体──県でございますけれども──独自に、または相互に協力して広報活動などを行うことにより宝くじの発売が地方財政資金の調達に寄与していることについて住民の理解を深めるとともに、宝くじに関する世論の動向等を的確に把握するように努めることと規定されておるところでございます。
 県独自の広報宣伝活動としましては、県のホームページにおきまして、宝くじの発売情報や宝くじの収益金が県民の皆様の身近な暮らしに幅広く活用されていることについてのPRを行うとともに、スクールバスへの宝くじマスコットキャラクターのプリント等を社会貢献広報事業として行っておるところでございます。
 また、宝くじの売りさばきなどを委託している銀行におきましては、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどの広告や、ポスター、看板、チラシの配布などを行い、宝くじの販売促進のための広報活動を行っております。
 先ほども申し上げましたとおり、現在、宝くじにつきましては、県のホームページ等でPRしているところでございますけれども、今後、さらなる宝くじの販売促進のため、また宝くじの制度、公益性などにつきまして県民の皆様にさらに広く周知するためにも、例えば県の広報紙である「県民の友」、そういったものも活用しながら県内での宝くじの購入を広くPRしてまいりたいというふうに考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 今、PRはしていただいてるということなんですが、例えば、私は余りこれに興味はないんですが、ナンバーズとかロト6というようなもんは、何か紀陽銀行の例の窓口というんですか、あれで簡単に買えるらしいです。あるいは、サッカーくじはコンビニで売れてるということなんで。何か聞くところによりますと、私も偉そうなことは言えません、半分ぐらいは和歌山県で買って、あと半分ぐらいは、ひょっとしたら出張したりなんかのときに県外で買ってると思うんです。皆さんもそうかもわかりません。ただ、数年前まで、議会にも宝くじ嬢がお見えになって売ってくれたんです。それが全然ないということは、買うチャンスをふやせば買ってくれる──私もそうだと思うんですけど、ここだったら近鉄のところに売ってます。長崎屋のところに売ってます。そのぐらいしか知りません。
 至るところでと言ったら悪いですけど、金融機関、例えばきのうお見えになってた片山頭取に「あんたとこで、紀陽銀行で売ったらどうですか」と言ったら、「ああ、売るんやったら売らしてもらうで」と、こういうことなんですけど、もっと販売箇所をふやしてでもやったらええんじゃないかなと思うんですけど、今までのQアンドAをお聞きになってて、知事の御感想をよろしくお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 宝くじによる収益金は県の貴重な財源でございまして、県民の公益の増進のために広く有効活用さしていただいております。県内における宝くじの販売がふえればふえるほど県が使える財源がふえることになりまして、それは公共投資等により県民の皆様に還元されることになります。
 県民の皆様には宝くじの制度について御理解いただき、宝くじを購入される際には県内の販売店で購入していただければと思います。また、他のギャンブルだったらこっちがよろしいということではないかというふうに思います。
 議員御指摘のように、販売努力についてはさらに工夫をしてまいりたいというふうに思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 本当に真面目に、積極的に取り組むようにすべきだろうと思います。
 参考までに、県民1人当たりにしますと、和歌山県はやっぱりちょっとギャンブル性が好きなんか、数値が高いです。滋賀県や、あるいはよその、例えば兵庫県なんかに比べまして、あるいは奈良県なんかに比べても、大分1人当たりの購入金額が張るということなんですけど、今言うように、できるだけ自分らで稼げる、何の遠慮もせずに補助金、収益金をいただけるという、こんなありがたいというんですか制度があるんですから、思う存分、そういう意味で頑張ってほしいなあ、そう思います。
 それでは、次、続けて。
 次、2番目の項目として、いよいよ200日に迫った国体・わかやま大会があります。私は、これをしながらでも、既に次のことを考えるべきだと思いながら悶々としておりました。
 とりあえず、それにしても、県民が心を1つにして、わかやま国体・わかやま大会を大成功させなければいけない。それとあわせて、高野山による開創1200年がタイミング的に同じ時期だということで、ありがたいことなんですが、それじゃ若宮国体監が、くたびれたよ、やれやれやなと思うて、次、それじゃ何するんよと、こういうことになれば、濱口議員の質問にもあったように、やっぱりこれを波状的に、県民を巻き込んだというんですか、そういう催し物をしなければいけないと思うんですけど、そういう意味で、このイベントが済んだ後の開会予定のイベントはどういう計画をされてるんか、教えていただきたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 国体終了後、県内で開催される大きなイベントについてでございますが、平成28年度、大河ドラマ「真田丸」を活用した誘客促進への取り組み、それから、平成29年度の第38回全日本マスターズ陸上選手権大会、平成31年度には第32回全国健康福祉祭、いわゆるねんりんピックでございますが、こういうものがございます。さらに、平成33年度は、関西広域連合で取り組む関西ワールドマスターズゲームズ2021の一部が本県で開催される予定となってございます。
 全国規模のイベントは、県内外に本県の魅力を発信する好機であることから、これらのイベントを活用し、県内外からの誘客を図ることで国体終了後の観光振興や地域の活性化に継続的につなげていきたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 その後のデスティネーションキャンペーンとか、あるいは今御披露いただいたようなことをやっていただく予定やということなんですが、ここで提案をしておきたいと思うんですが。
 肉体的なスポーツといえば、もちろん国体なんですが、今度は国民的な各種の文化活動の要するに推進として国民文化祭というのがあります。これは、一般の各種の文化活動を全国的な規模で発表する場を提供することにより文化活動の参加の意欲を喚起して新しい芸術、文化の創造を促進し、あわせて地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活のより一層の充実に資することを目的として東京都が初めてやった国民文化祭。
 今お伺いしていますと、平成27年には国体があります、28年「真田丸」、29年全日本マスターズ、たまたま平成30年度に何も大きなイベントがないように聞きました。31年もあるんですが。
 それで、今ちょっと調べていただきますと、あちこちでたくさんやられてるんですけども、他府県での文化祭の開催状況などがわかれば教えていただけたらと思います。よろしくお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 国民文化祭の他府県での開催状況についてでございますが、国民文化祭は、国民の文化活動への参加意欲を喚起し、文化を通じて地域の活性化、発展を図るため、昭和61年度以降、毎年開催されております。最近では、平成23年度の京都府以降、徳島県、山梨県、秋田県で開催されておりまして、今後は、鹿児島県、愛知県、奈良県が予定されております。
 本年度の秋田県の実績では、開催経費が17億4500万円であり、10月4日から11月3日の1カ月間の開催期間中、出演者2万8000人、観客として102万9000人が参加しております。このように多数の方々に参加いただくことにより他府県の文化団体との密な交流が図られ、文化団体のレベルアップ、意識の高揚、担い手の育成などにつながったと聞いてございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 私の先ほど申し上げました、たまたま平成30年が和歌山県としての大きなイベントがないということと、29年度まで、もう既にことしは鹿児島県、来年は愛知県、その次は奈良県ということなんです。それで、過去、ずっとあるんですが、お隣の徳島県が既にもう2回──いろんな事情があったというふうには聞いてますが、第22回と第27回、2回あるんですね、隣の徳島が。それだけ積極的に参加されている都府県もあるんですから、ぜひそういうふうにPRして誘致をされたらいかがかなあと思います。
 それで、なお、ちょっとこれは私も信じがたい数字なんですが、経済波及効果も非常にある。例えば、ここにいただいてる、前回、25年の山梨県で行われた来場者、あるいはその経済波及効果に及べば243億。ちょっと小首をかたげるんですが、それにしても170~180億から、例えば平成23年の京都で410億という数値の報告があります。
 そういうふうな経済効果もあるし、あるいは和歌山県民の心を躍らせるようなそういうイベントがあるというのも大変県民を元気づける1つの大きな要素となると思いますので、これもまた、たびたびで申しわけないですけど、今までのQアンドAを聞いて感じられた知事の御感想をお伺いしたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国民文化祭は、県民が1つになって郷土の文化を知り、新しい文化に触れ、郷土愛や誇りを養う、またそうした文化を国内に発信していく機会として本県で開催することに意義があるものと考えております。
 ただし、開催時期については、全県民的イベントとして本県の文化力が最大限発揮できる最も効果的な時期を選ぶことが必要でございまして、こういった観点で開催に向けて取り組んでいきたいと思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 次の問題に移ります。
 私も県議会議員にならしていただいてかれこれ16年なんですが、その間、ずっとと言っていいぐらい、紀州材の販路拡大について、この本会議場でも、あるいはひょっとしたら農林水産委員会でも出てると思うんですけど、今回も何人かありましたが、とにかく紀州材の販路拡大についてという質疑がたくさんあるにもかかわらず、また今回も同じような内容の質問が出ました。
 そこで、私も、紀州木の国の県民の1人としてですが、再度、一遍確認をしておきたいんですが、今、森林資源というのはどういう状況になっているんか、教えてください。
○副議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 本県の杉、ヒノキ等の民有人工林の面積は平成26年4月現在で約21万ヘクタールであり、蓄積量は約7900万立方メートルとなっています。そのうち林齢51年以上が約6割、4700万立方メートルを占めており、これまで育ててきた木材資源が本格的な利用期を迎えています。
 一方、本県の原木生産量は、昭和55年の46万立方メートルをピークに、輸入材の増加などによる原木価格の下落や住宅工法の変化とともに減少し、近年は16万立方メートル前後で推移しております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 数字的に言われても、よくわかりません。物事を言うのに東京ドーム何杯分やというような表現をするんですが、今言われてもよくわからないんですが、ただ感じることは、どんどん年々木が大きくなって供給量がふえてるにもかかわらず、要するに消費側のサイドでは逆に減っているような状況やということなんですね。
 それと、よくハウスメーカーなんかでも、合成材、要するにひっつけてやる、そういう加工した材木が多く利用されてると思うんですが、紀州材の本当の意味は、俗に言う、専門用語かもわかりませんが、無垢、生の木で販売するのが──年輪も細かいし、上質な木がたくさんあるから、生の木で使ってもらってこそ紀州材の本当の消費ができるし、利用していただきたいなあと森林組合の皆さん方も思っていると思うんですけど、それじゃ、今後、何回も答弁されたと思うんですけど、もう一度、その利用促進に向けた取り組みとしてはどう考えておられるのか、御回答をお願いします。
○副議長(尾﨑太郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 本県林業の活性化のためには原木生産体制の強化と紀州材の需要拡大が不可欠であり、需要の拡大につきましては、県内需要の創出と県外への販路拡大の両面から取り組んでまいりました。
 まず、県内需要につきましては、県が建築する低層の公共建築物は原則木造とし、それが困難な場合でも内装を木質化するなど紀州材の利用を進めるほか、市町村等が整備する施設での利用に対しても支援を行っており、さらに昨年6月には公共土木工事における木材利用推進指針を策定し、公共土木工事における紀州材の利用を推進しているところです。また、県内の民間での需要につきましては、紀州材で建てる地域住宅支援により民間住宅での紀州材の利用促進に努めているところです。
 一方、県外への販路拡大につきましては、首都圏等における紀州材製品記念市や住宅・建材展示会への県内企業の出品や出展、県外大規模商業施設における家づくり相談会の開催を支援するとともに、県内製材業者と大都市圏の建築士グループ等との商談会を開催するなど、販路の拡大に努めているところでございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 答弁としては、そういう答弁ぐらいしかできないと思う。これもやむを得ないことかもしれません。ただ、私が残念に思うというか、歯がゆく思うことの中に、どうしても、もうちょっと方法があるんではないかなあと、そういうふうに思うんです。
 そんな中で、ちょっと知事、御気分を悪くしないで聞いていただきたいんですが、実は私の議員生活の中で、平成16年の12月、皆さん、覚えてる方いらっしゃるかな、補正で、知事公舎がシロアリにやられて、地震があったらいつ知事の寝てる顔へ屋根が崩れてくるかわからんということで、知事公舎の建設についての補正が出ました。そして、引き続き17年の当初予算──12月の補正で1700万、それから17年の当初予算で3000万、合わせて4700万の予算で知事公舎を建てるんでということで議案が提出されました。
 その中で、どんなに曲がって知事の──当時は木村知事さん──耳に聞こえたんかわかりませんが、「わしの提案してる議案に反対してる山田というのは何者な」ということで使者が来ました。誰とは言いませんけど。そして、「何で反対するんや」と言うから、「ちょっとおかしいん違うか」と。「紀州木の国の殿様の住む家に、誰が、要するに──プレハブと言ったら失礼やと言うんやけど──ハウスメーカーの家を勧めたんよ。こんな貧弱な発想をする職員は誰な」と、こういうふうに言ったんです。
 本当は、僕の思うのは、それこそ殿さんといって、今、一番親方やから殿さんというたとえをしていいんですけど、世が世なら紀州御三家の殿さんである知事が住まいするところにハウスメーカーというような、そんな貧弱な発想では僕はおかしいと思うんです。「それこそ紀州材を先頭切ってPRして売り出そうという、それこそ殿さんの気構えとしてぜひすべきや」と言ったら、「山田の本意はわかった。ただ、緊急避難的にハウスメーカーの建物を建てて、あとは一遍自分なりに考えるんで、まあこの件に関しては協力してくれ」というようなことがあって、私もそれだったらということで賛成した、そういう話があるんですよ。
 そんな中なんですけど、先ほども申し上げたように、もう何十年も同じようなことを質問して、同じようなことをして、しかも木がどんどん大きくなって供給がどんどん滞ってくる中で何か打開策をするとしたら、これが全てではないとは思いますよ、ないとは思うけど、和歌山県の知事の住んでるところへ招待されて、そしてわびもさびも木のにおいもあるあの空間でメード・イン・ジャパンの日本食を呼ばれたと。あの説明のしようがないような雰囲気を外国のまあいや賓客というんですか──今、日本でも、中国なんかの一部の富裕層が来て爆買いしてる、その中には3000万、5000万というマンションを何十軒と注文して帰る人もいてるというぐらいですし、あるいはまた、ちょっとお伺いしたら、中国で日本の建築基準法と言われるような木構造設計規範というのがあって、それがどうも近い将来、今申し上げた日本の建築基準法みたいなんで生の木材を使っていいですよ、家を建ててもいいですよというような、そういうような空気があると、ありそうだという中で、和歌山へ行ったら知事にこんなええとこで、こんな本当に古来からのわびもありさびもあるそういう空間を眺めながらお茶をいただいたよ、日本食をいただいたよというような富裕層がいたら、木材はおろか建築も含めて輸出できる時代が必ず来るやろうと思うし、その一石を投じるべきだと思うんです。
 これについても、知事の御感想があれば。そのぐらいのやっぱり意気込みを持って、そして紀州材を本格的に売り込む先頭に立っていただきたいなあという思いを持ってそう言うてるんですけど、その辺の御感想をお伺いしたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御提案のとおり、知事公舎を紀州材を活用したものとすることや、あるいは紀州材いっぱいのおもてなし施設で賓客をお迎えするということは、強度と耐久性と美しさを兼ね備えた紀州材のよさをじかに体感していただける機会となると思います。
 実は、感想でございますが、私が知事になりましたとき知事公舎に入りましたが、どうして木の国なのにプレハブなんだろうかといぶかしみました。しかし、現在の知事公舎はそのときに建ててしまいましたので、建てかえるにはまだ新しくて、また建てかえや新たな施設の建設ということになりますと、やっぱり相応の建設費も要るし、それから維持管理費なども要ります。したがって、そういう負担を考えると困難かなあというふうに思いまして、私はとても提案をする勇気はありません。
 もちろん、県内外からの来客の皆様には心を込めておもてなしをすることが大切であります。現在は来客を県庁舎でお迎えしておりますけれども、この建物は、庁舎としては全国でも数少ない国の登録有形文化財となっております。このような歴史と伝統を脈々と受け継いできた場所でお迎えできるということをうれしく誇りに思いますし、また、来客の方々にも喜んでいただけるものと思っております。
 さらに、食事を伴うような機会においては、県内にはすばらしい民間の施設があります。これは、歴史と伝統を感じさせるようなもの、あるいは景色などで他県の人をびっくりさせるようなものというような民間の施設がありますから利用さしていただいておりまして、民業振興という点からも一石二鳥だと思っております。
 紀州材の振興のためには公共建築や工事に活用するということがそのすばらしさをさまざまな方々に知っていただくことになり、大きなPR効果があると思います。紀州材を使うチャンスがあれば、どんどんというか、必ず使うという方針で取り組んでまいりました。
 最近では、秋葉山公園の県民水泳場が完成いたしましたけれども、建物全体にふんだんに紀州材を使用したすばらしい施設であると自分で思っております。田辺のスポーツセンターも、そうであります。
 今後も、県が整備を予定してる公共建築物等には、できるだけ紀州材の利用を推進していきたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 知事の初期の感想と私とは一致するということだと思うんですけど、本当に紀州の一番長がその中で、僕はその体験はないんですが、よく外国の要人いわくに、私邸へ招くというのが一番のおもてなしやと、こういうふうに言われてます。
 だから、なるほど、和歌山県にもアバロームあり、グランヴィアあり、料亭で食べるような食事も接待をするんでしょうけど、1つには、島精機さんが何で上へ、屋上へお招きするようになったか。自社ですよ、あれはね。だから、外国から見える重鎮の皆さん方への最高のおもてなしが、自分の家で、あるいは自分の施設の中でおもてなしするというのが最高のおもてなしだというふうに僕もどこかで読んだような、聞いたような話もあるんですが、そういう意味で、たまたま今お住まいになってるところは、そういうことで耐用年数ももちろんないし、4000万余りもかけてやってるんですから、その横に、例えばですよ、するんなら、180坪ほどの土地がまだあるはずなんで、来客用のそういう茶室のある、あるいは書院のある、床柱のある、そしてちょっとくつろいで外を見たら庭がある、そういうようなスペースでおもてなしをするというのも、これも一考ではないかなあ。
 それについてお金がかかるとか維持費がかかると言うのは論外な話で、それは組合の皆さん方も、多分、一等材を寄進してくれるかもわかりませんし、それに多少お金がかかったところで、それをとやかく言う県会議員もないはずです。県民もないはずです。身を切ってみずからそういうPRをするという、そういう姿勢を示していただきたいなあ。だから、冒頭申し上げましたように個人個人の思いがありますから、私は強くそう思うと、そういうことであります。
 最後に、1番から3番まで、一応自分なりに項目を立てました。まだまだこんなんでは自分なりには気はおさまらないんですけど、私も年を重ねてきますと、どうもぼやきがふえます。(「72か」と呼ぶ者あり)73です。もうちょっとというんですか、公務員さん、俗に言う、ちまたではですよ、これが公務員やというような余りいい意味の表現はしないんですけど、公務員仕事やとかなんとかと言われるんですけど、皆さん方は、それぞれの立場でそれぞれの行動範囲というのがありますね。だから、この前も、平成27年度の各部局の重点施策も丁寧に説明をいただきました。知事の新政策の考え方も教えていただきました。ただ、私も、先ほど申し上げました年のせいで熱いハートの感度が鈍くなったんか、心を打つような話は、実際のところ、余りありませんでした。
 やっぱり心を打つような、人と人とがぶつかる、人間と人間がぶつかる、生の姿でぶつかるような、つまり私の言いたいのは、公務員の任された行動範囲というのは決められた範囲だと思うんです。ところが、それを最大限まで個々の職員が頑張ってくれれば、もっとすばらしい和歌山県庁なり、和歌山県なり、和歌山の行政がすばらしくなるんではないかな。つまり、一歩前へ出ていろんなことに取り組む、そういう姿勢を持っていただきたいと思います。
 まだちょっと時間、あるな。──言ったら切りがないんですけど、例えば子ども未来課の婚活、去年、ことし、やってます。結果を聞いたら、3月に1組をカップリングできるというような話なんです。これも、しょせん県がやる、自治体がやる行動については活動する範囲が制約されてるからではないかな。もうちょっと一工夫すれば、金額にしては年間900万ほどだと思うんですけど、それにしてももうちょっと効率のええ方法がないかな。
 あるいは、この前、ちょっと企画部長とも話したんですけど、ミラノへ行く、和歌山を売り込みに行く、売り込みに行くのに、二言目には「予算がない」と。それだったらもう初めからやめとけ。いっそ、あんな遠くまで行くんだから、和歌山のことを多少お金が要ってもフルに売り込んでくるべきだと。二言目には「お金がない」。お金がないんだったら、一番初めに戻りますけど、宝くじをもっとみんなで売ろうじゃないですか。そして、20万、30万の補助を待ってるのに、ことしは予算ないんで削られましたという団体が山ほどあります。そんな人のためにも、ぜひ一肌も二肌も三肌も脱いで予算を獲得すれば、そんな二言目には「お金ない」とか、「予算ない」とか、「前例がない」とかという言葉にはならんと思うんですよね。
 だから、そうなったら、職員一人一人も一歩前へ行けば、なるほど風当たりも強くなるでしょう。ただ、風当たりが強くなると同時に仕事もふえるでしょう。だから、公務員は、前例どおり無難にやってりゃ給料は減ることはない、上から怒られることはないということになりがちではないかなと僕は思うんですよ。皆さんは決してそんなことはないと思ってますけど、そういう意気込みで頑張ってくれたらもっとすばらしい和歌山県ができるん違うんかと、そう思うんです。
 そのかわり、30市町村の担当者も一歩前へ出て県の指導を聞く、あるいはそれに協力して話し合いするとなれば、お互い一歩ずつ前へ出たらすばらしい地域づくりができるんではないかな。そのためにも、長である知事がもっと──心が狭いとは言ってませんよ──もっともっと心を広く持って、若い人の意見をどんどんと取り上げて、取捨選択して、「それだったらやろう。おまえにわしは任すからやれ」と言うぐらいの意気込みで今後とも県政に取り組んでいただきたいなあ。一年寄りの議員として、本当に心の底からそう願っている1人のことであります。
 これについても、意見をやっぱり知事に、もし私の問いに対しての御感想なり意気込みがあったら教えていただきたいなあ。私の心を打つような回答をお願い申し上げます。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 山田議員は73歳だそうでございますが、私も64歳になりまして、64歳が張り切っているだけでは絶対だめであると。若い人たちがみんな提案をしてきて、わんわん沸いてきて、そして、こういうことをやりたいというふうになってくるような県政でなきゃいかんと思っております。
 かねがね、「お金がない」とか、「前例に反する」とか、「私の仕事ではありません」と県庁の職員が言ったらだめということになっておりまして、先ほど某部長が何かそれらしいことを言ったというふうなお話もありましたが、後で注意を申し上げたいというふうに思います。
 まず、前例踏襲主義がよくないというのは、そのとおりだと思います。問題の背景をよく調べて、どうすれば問題解決になるのかを考えて果敢に取り組んでいくのは当たり前のことで、前例どおりやれば仕事ができたというのは、これはもうはっきり言うと公務員失格、県庁ではそんなメニューはないという前提でやっております。
 その次に、一歩前へということについては、もう一段と根性と工夫が要ります。というのは、新しいことをやろうとする際には、やっぱりリスクがいろいろあります。うまくいかなかったらどないしようかとか、あるいは無駄遣いやと言われへんかとか、そういうようなことがたくさんあるわけですけれども、やっぱり一歩前へ出てやってみようということが大事だというふうに思います。
 新しいことをやろうといたしますと、先ほど申しましたように、予算の無駄遣いだと言われたらどうしようとか、失敗したらどうしようかと頭の中にいろんなリスクがよぎるものでございます。でも、勇気を持ってやってみないとこれはいかんので、「勇気を持ってやろうじゃないか」というふうに言っております。
 そのときに、やってみて結果がうまくいかなかったこともあるわけでございます。そういうときに、職員が不誠実にやってたら、これは別でございますけども、誠実にやってうまくいかなかったら、それで責任をとらせるというようなことは全くありません。そういうことの配慮も必要だと思っております。これは、私だけじゃなくて、実は世間一般、みんなそうでございます。議員諸氏にもお願いをしたいと思いますし、また県民の方々にもお願いをしたいと思います。一生懸命やろうとしてうまくいかなかったとき、誠実にやっていれば、「残念でした。また次のことを考えろ」というふうに言っていただきたいというふうに思います。
 そういうことで、ちょっと自慢風になりますけれども、幾つかそういう点を申し上げますと、例えば危険ドラッグです。あれは、憲法上の営業の自由を侵害するリスクから規制できないというような話が法律界を中心にしてありました。しかし、いわゆる危険ドラッグを規制する本県の条例はその辺をかなり大胆にカバーするようにしてやりました結果、今回の薬事法改正による規制強化につながったものと考えております。
 同様に、財産権の侵害のおそれがあって強制的に撤去できないと考えられていた廃墟になってるような建物、これは周辺住民からの要請をもって除却できるというような景観支障防止条例をつくりました。また、県議会からの御意見もありまして、その続編と言うべき避難路塞ぎ防止条例、そういうものも制定いたしました。
 また、過疎地域の住民の方々が寄合会で話し合って、主体性を持ってみずから決めた活性化の取り組みを支援する過疎集落支援総合対策事業を県単独で始めましたけれども、これは県庁の職員が考えて提案してくれた話でございまして、今ではその成果が評価され、総務省の支援事業として全国展開されております。
 このほか、防災面でも、県独自の避難勧告の発令基準、津波の際のリスク別の避難場所指定基準、こういうものも全て──私も少しありますけれども──ほとんどは県庁職員が考えてくれて実行してくれたことでありまして、国の全国的な基準に取り入れられるなど、和歌山発の全国モデルと呼ばれるものも多くなってまいりました。
 日本は、少子化、高齢化、過疎化、都市の再生など、多くの課題を抱えておりますけども、和歌山は、それらが特に先行して進んでいる課題先進県であると思っております。こうした課題解決に向けてリスクを恐れず新しい政策を生み出し、また今ある政策にさらに磨きをかけて「一歩前へ」というかけ声のもとに、議員の励ましを胸に頑張ってまいりたいと思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 今までの取り組みについては十分認識をしてるし、認めています。それをさらにグレードアップする意味でも、一歩前へ、さらに一歩前へという気持ちで、我々議会もそうだと思うんですけど、皆さん、ともに頑張りましょう。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾﨑太郎君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、本議会におきまして私の最後の一般質問をさしていただきます。
 今回は、主に今後5年後、10年後に向けた中長期的な和歌山県の施策に焦点を当て、そのスタートに当たる3期目、仁坂県政の取り組みについて質問をさしていただきたいと思います。
 まず最初に、インバウンド観光の促進についてであります。
 皆様も御承知のとおり、政府観光局の発表によりますと、平成26年の訪日外国人旅行者数は対前年度比29%増の1341万人余であり、旅行消費額は約2兆円を突破したということであります。
 一方、本県に目を向けましても、県内の外国人宿泊者数が、平成25年には過去最高の21万人を記録いたしました。非常に喜ばしい数字ではありますが、これに満足をすることなく、5年後、10年後に向け、観光立県和歌山としてこの流れをさらに大きくしていかなければならないと思うところであります。
 そこで、インバウンド観光の促進について、今後どのような施策をもって当たられるのか、商工観光労働部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 本県の外国人観光客の約3分の2を占めるアジア市場は、団体旅行が主流であったことから、主として旅行会社をターゲットに観光資源をPRしてまいりました。しかし、近年は、アジア市場においても旅行傾向が団体旅行から個人旅行へと変化し、平成25年観光庁の年次報告書によると、外国人個人観光客の割合は、韓国で7割5分、香港で7割、台湾で5割を占めるまでになってきております。
 こうした大きな流れを受け、本県におきましても、旅行会社へのプロモーションに加え、市場ごとの特性、嗜好、成熟度に応じた映像、ウエブサイト及び雑誌等のメディアを有効に組み合わせて和歌山の露出を高め、外国人個人観光客の誘客促進を図ってまいります。
 また、個人旅行が主流である欧米豪市場については、本県の認知度向上に向かって引き続きテレビ、ラジオ、出版会社等のメディアを活用した情報発信に取り組んでまいります。
 次に、受け入れ環境の整備につきましては、昨年10月に改正された消費税免税制度はインバウンド需要を取り込む有効な手段の1つであり、また、情報発信力が高い外国人観光客にプレミア和歌山などの県産品を売り込む絶好の機会であることから、観光協会や商工会など関係団体とも連携して免税店の拡大に取り組んでいます。
 また、宿泊施設や観光地への公衆無線LAN設置を支援する和歌山フリーWi─Fi大作戦を展開するとともに、市町村の観光案内表示、公共交通、ジオサイト、自然公園や美術館等の多言語表記も推進いたします。
 今後も、外国人観光客に魅力ある和歌山県を安心して楽しく旅行してもらえるよう、インバウンド対策に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 観光という、そういう部分につきましては、今、労働部長のほうからるる答弁いただきましたが、きちっと目標を持って取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。
 住んでよし、訪れてよしの観光立県和歌山構築のため、どうぞ全庁を挙げ積極的な取り組みに期待を寄せるものであります。
 そもそも、観光の語源は、中国の古典「易経」の「国の光を観る」にあると言われております。それは、国の光を示すとの意味でもあり、観光の原点は単に名所や風景などを見ることだけではないというふうに書かれてあります。地域に住む人々が誇りを持ち、希望を持つことによって地域の光を示すことであると考えられます。
 また、皆様の御承知のとおり、細井平洲公の「土の中に徳がすむ」ということがございます。私たちの今住んでいるところに徳がすんでいることを今後一人一人が自覚し、また感じることが和歌山県のPRに寄与するのではないかということを一言申し上げます。これは要望でございます。
 その大きな立場で、今後、和歌山県の観光を進めていく中で、東京オリンピックが開催される2020年における外国人観光客の誘客につきましても、国は2000万人というふうな目標設定をされております。また一方、関西広域連合では800万人という目標も掲げております。
 先般の関西広域連合での会議の中で、大阪府におきましては650万人という目標の発表もございました。本県では、長期総合計画において観光客数が3300万人、そしてまた、うち宿泊客600万人を目指すということが目標として掲げられております。その中には外国人観光客も相当数含まれていることと思いますが、長期総合計画の計画期間のこの10年目に当たる平成29年度を迎えたときは、既存施設の収容力等を検証した上で外国人観光客の誘客についても具体的な数値、また目標を設定していただき、特に大きな経済効果が見込まれる宿泊客数が増加するよう積極的なお取り組みを重ねてお願い申し上げたいと思います。
 それでは、次に地域包括ケアシステムについてお伺いをいたします。
 高齢者の数が全国で3000万人を超えるという状況の中で、国においては2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を推進しています。本県におきましても、高齢化率が上昇を続ける中で既にいろいろな施策を実施していただいているところではありますが、今後も和歌山県の地域包括ケアシステムを構築していくためにさまざまな施策を講じていく必要がございます。
 地域包括ケアでは、さまざまな分野が連携をしながらケアを行っていかなければならないことは言うまでもありませんが、その中でも鍵となるのが医療と介護の連携ではないかと考えます。
 医療の分野につきましては、介護の分野と連携した訪問診療等が行える体制づくりを行っていく必要があるのではないでしょうか。また、介護の分野を見ますと、国の2015年度の予算案では、介護給付費の負担軽減を図るため、介護報酬が2.27%引き下げられることになりました。一方、懸案であった介護職員の給与につきましては、別途784億円の予算が確保され、介護職員1人当たり1万2000円程度の加算が実現します。
 介護保険制度におきましては、過大な保険料負担につながらないように、かつサービスの低下にならないように制度を維持していく必要があります。
 昨年、本県が行った政府要望でも、国の公費負担割合を25%から30%に引き上げ、第1号被保険者の保険料による負担割合を50%から45%に引き下げる旨が要望されておりました。本県の介護保険料は全国で5番目に高いということでありますので、このような働きかけは非常に重要なことであると思います。それと同時に、それぞれの地域において地域の特色のある取り組みを行うことも、また非常に重要であります。
 そこで、医療の充実、介護保険制度の安定維持などの医療と介護の連携に加えて、地域互助をも取り込んだ10年後の地域包括ケアシステムの構築に向けて県としてどのように取り組んでいくべきかということの知事の御所見をお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 政府の考え方、特に医療と介護の総合確保法等の一連の改革方針によって医療と介護の連携のとれた形での確保を図らないといけないというのが我々にとっての責務でございます。
 高齢者が可能な限り住みなれた地域で、その有する能力に応じ、自立した日常生活を営むことができるように地域包括ケアシステムの構築が必要だというふうに思います。そのために、病院に入院していた高齢者が退院の後にも安心して暮らせるよう、在宅での医療と介護を受けられるための仕組みづくりをしないといけません。
 まず、医療の分野では、入院から在宅医療に至るまで一連のサービスが提供されるように地域医療の担い手育成や確保に一層取り組むとともに、病院での医療提供体制の再編を進め、そして、あわせて在宅医療提供体制の全県的な制度設計を行っていかないといけないと思っております。
 次に、介護の分野では、退院時に在宅介護を必要とする全ての人を市町村が設置する地域包括支援センターが把握することで在宅介護サービスや生活支援を漏れなく受けられるように、そういう仕組みをつくっていかないといけません。
 このような制度設計を、これは大変なことだと思いますけれども、しっかりと行って、必要な準備を行って、そういうことで地域包括ケアシステムの実現を目指していきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 知事の御答弁、全く同感でございますので、今後とも制度設計に向けまして、どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 次に、県産果実の生産振興と販路開拓についてお伺いいたします。
 平成27年度の新事業として、ミカン厳選出荷促進事業や果樹産地競争力強化総合支援事業が提案されております。
 前者につきましては、本県のミカンの市場評価を高めるため、品質の劣る果実を市場隔離し、加工用に仕向ける取り組みを支援するもので、後者は、果樹産地の競争力を強化するため、JAが策定する産地強化計画に基づき、ハード事業、ソフト事業で総合的に支援するものであると伺っております。
 これらの取り組みもその1つではありますが、本県の今後の果樹産業については、全国、そして世界中の方々に和歌山産でなければ味わえないということを感じていただけるような果実そのものの高品質化を図るとともに、果樹産業に従事されている農業生産者の皆さん方に安定した収入を得ていただけるような仕組みをつくっていくことが重要になってくると考えます。
 そこで、5年後、10年後の果樹産業のさらなる発展を目指して和歌山県の果実の高品質化、ブランド化にどのように取り組んでいかれるのか、また、あわせて第6次産業の発展を促進するための果実加工品の開発及び販路開拓にどのように取り組んでいかれるのか、農林水産部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 人口減少や消費の多様化で産地間競争が激化する中、本県果樹産地の発展と農家所得の向上を実現するためには、独自性の高い魅力的な商品の開発と有利な販売ルートの開拓など、生産から販売まで一貫した対策が必要と考えております。
 このため、県産果実の高品質化、ブランド化の取り組みとして、生産面では、オリジナル品種の育成や改植、マルチ栽培の推進に加え、新年度から新たに完熟果実の生産拡大や高品質化のための新技術導入への支援に取り組んでまいります。
 加工品開発につきましては、市場性の高い商品を開発するために、バイヤーや研究機関でのアドバイスを初め、新商品の試作や商談会への出展に加えて、加工施設の整備など、計画策定から商品開発、販売促進まで切れ目のない支援を行います。
 流通対策、販路開拓につきましては、県産ミカンの市場評価を高めるため、新たにおいしいミカンを厳選出荷するための取り組みや、高級百貨店や有名果実店が求める新たな商品づくりを通じて販路開拓を支援してまいります。
 また、わかやま産品商談会やFOODEX JAPAN等の展示商談会への出展等を通じ、有望な海外市場も含めて新たな販路の開拓に精力的に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 世界一の果樹王国和歌山を今後とも全力で取り組んでいっていただきたいことを要望いたします。
 答弁は求めませんが、ここで、その流れの中で1つ提案をさせていただきたいと思います。
 ことしは紀の国わかやま国体、そして紀の国わかやま大会が開催されます。たくさんの方々にこの和歌山県の魅力を体験していただくという絶好の機会となりますので、これを千載一遇のチャンスと捉えた取り組みが必要不可欠であると思います。
 1つの例を挙げますと、愛媛県の松山空港では、定期的にポンジュースが出る蛇口が設置をされているようであります。本県でも、先行投資という意味合いで、国体に参加される皆さんに無料で県産果実を使用したジュースの試飲をしていただける場を設置し、そのすばらしさをPRしてはいかがでしょうか。これは要望であります。
 続きまして、次に、地域住民生活等緊急支援のための交付金に係る実施予定事業についてお伺いをいたします。
 この交付金は、国の補正予算案の核となるものであり、地方の活性化につなげる地方創生先行型と個人消費を下支えする消費喚起・生活支援型の2種類で自治体の取り組みを後押しするものであります。また、本県におきましても、この交付金を活用した新政策が幾つか提案されております。
 今回は、そのうち消費喚起・生活支援型を活用して実施される和みわかやまプレミアムキャンペーン事業とわかやま名物商品消費促進事業について、それぞれどのような取り組みをされるのか、商工観光労働部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 地域住民生活等緊急支援のための交付金は、物価動向や消費に関する地域の実情に配慮しつつ、地域の消費の喚起など景気の脆弱な部分にスピード感を持って的を絞った対応をすることを目的としたもので、本県としては2つの事業の実施を考えております。
 まず、わかやま名物商品消費促進については、幅広い分野ですぐれた県産品を和歌山らしさ、和歌山ならではの視点で推奨するプレミア和歌山の認定を受けた事業者から募った商品を、ネット上の通販サイトやカタログ通販等を活用し、全国の消費者が割引価格で購入できるよう取り組み、プレミア和歌山の認知度の向上と消費の拡大につなげてまいります。
 次に、和みわかやまプレミアムキャンペーンについては、まず国内からの誘客対策として、旅行会社等が扱う本県向けツアーや宿泊に対して期間を限定することで大幅な割引額を設定し、昨年秋の和歌山デスティネーションキャンペーンでお客様から好評いただいた取り組みをあわせて実施することで和歌山の楽しみ方にプレミア感をつけることにより他府県との差別化を図り、本県への誘客と滞在を促進します。
 また、海外からの誘客対策については、団体旅行で県内に宿泊していただいたお客様には、梅酒やミカンジュースなどの県産品の提供や精進料理の中食体験などの体験メニューを提供するほか、JR西日本が販売する外国人観光客向け周遊切符を購入されたお客様には県内バス周遊券を提供することも考えております。加えて、団体観光客に対するツアーバス代の支援や南紀白浜空港へのチャーター便運航の支援を実施いたします。
 このような内容で国内外の観光客の方々にじかに和歌山県の魅力を感じていただき、再び訪れていただけるよう取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 海外観光客のリピーター増加数に期待を申し上げる次第でございます。
 次に、市町村を支援するという立場から、同じ消費喚起・生活支援型を活用した市町村事業分についてお伺いをいたします。
 県下のほぼ全ての市町村においてプレミアムつき商品券の発行が行われると伺っておりますが、これにより消費の拡大が期待できるところであります。
 しかし、1点懸念を挙げるとすれば、当事業の実施内容等が各市町村の判断に委ねられているため、居住地域により消費者ニーズが満たされない場合が出てくるのではないかということであります。
 簡単な一例を挙げさせていただきますと、県内各地に所在するスーパーがプレミアムつきの商品券の取り扱い店舗になるかどうか、これが市町村ごとに異なるケースが生じてくると考えられます。同じスーパーで買い物をしているにもかかわらず、居住市町村によって商品券を使用できる方とそうでない方ができてしまう現象が起こるのではないか。
 そこで、この事業については、市町村が消費者ニーズを勘案して事業を行うよう県から助言を行うことはできないものでしょうか。総務部長に御答弁をお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 今回の消費喚起・生活支援型の交付金につきましては、回復のおくれる地方の消費の喚起を目的としたものであり、地域の実情に応じて各地方自治体の判断により事業を実施することが特徴となっておるというふうに認識しております。
 市町村におきましては、域内消費の喚起策としましてプレミアムつき商品券を発行することが基本となっておりますが、その執行につきましては、各市町村がそれぞれの地域に合った形で発行枚数やプレミアム率、対象店舗等を検討し、実施することとなっております。
 消費喚起効果を出すためには、地域の事業者等の状況を考慮するとともに、それぞれの地域内の消費者ニーズを踏まえた制度設計が必要になるというふうに考えております。県としましては、県内市町村の取り組み状況などの情報提供等を通じまして各市町村において消費者ニーズ等を勘案し、消費喚起効果が発揮される制度設計がなされるよう助言を行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 できる限り情報の提供といったものを、どうかよろしくお願いを申し上げます。
 最後に、全国的に問題となっております人口減少問題についてお伺いをいたします。
 まず初めに、過疎地域の多い本県にとりましては特に大きな課題であります過疎対策について質問をいたします。
 昨年5月には、民間の研究機関である日本創成会議が、全国の市区町村のうち896の自治体が人口減少によって消滅の可能性があると言及し、大きなニュースになりました。本県におきましても、平成22年度に過疎地域の再生、活性化を図るとともに和歌山県への移住、交流を促進することを任務として過疎対策課が設置されました。
 そこでまず、これまでの5年間でどのような取り組みが行われ、どのような実績があったのか、企画部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎対策につきましては、昭和45年に法律が制定されて以来、国、県、市町村が一体となって地域の生活環境の改善や産業基盤の整備などに取り組んでいるところであり、現在、県下で18の市町村が過疎地域に指定されております。
 過疎地域の自立促進を図るためには、従来からの取り組みに加え、きめ細やかなソフト施策や移住施策を充実させる必要があるとの認識のもと、県では平成22年度に過疎対策課を設置し、これらの課題に重点的に取り組むこととしたところでございます。
 特に昭和の合併前の旧町村や中学校区を単位とした過疎生活圏という新たな概念を取り入れ、全国に先駆けて実施した過疎集落支援総合対策事業は、国においてもこの事業をモデルとした過疎集落等自立再生対策事業が創設されたところでございます。
 これまで県と国を合わせて18市町村、27生活圏において事業が実施され、買い物支援など日常生活機能の確保や地域資源を活用した産業振興といった地域の自立に向けた取り組みにつながっております。
 また、過疎地域の人口減少対策としての移住推進につきましては、移住を推進する17市町村にワンストップ相談窓口や受け入れ協議会を設置するなど、体制の整備を図るとともに、空き家改修への助成、移住者の起業や農林水産業就業への支援など、他府県に先駆けた取り組みを行ってきた結果、平成22年度から5年間の過疎地域への移住者は、累計で340世帯、574人となってございます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 これまでの実績について御答弁をいただきました。
 それでは、今後を見据えた場合はいかがでしょうか。前述の日本創成会議の報告も、何も対策をせずにこのままのペースでほっておけば人口減少が続いていくという前提のものであります。これまでの経緯を踏まえた上で、過疎対策における課題と、そして今後の取り組みに関するお考えを企画部長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎対策における課題と今後の取り組みについてでございますが、議員御指摘のとおり、日本創成会議の発表を契機として人口減少問題が大きくクローズアップされ、国においても地方創生に向けた取り組みが本格化しております。このような状況の中、地域の実情に合った集落の維持、活性化については、引き続き積極的に取り組む必要があると考えております。
 一方、移住推進につきましては、移住者の受け入れを推進する自治体が全国的にふえ、地域間での競争が激しくなってまいりましたので、施策をさらに充実させたいと考えております。
 具体的には、新年度から東京に専任の移住相談員を配置し、首都圏に対する情報発信を強化したいと考えております。また、県内に地域しごと支援センターを設置し、UIJターン者や地元人材向けに仕事と生活の情報を一元的に収集・提供する体制を整えるとともに定住支援住宅管理機構を設置し、空き家の掘り起こしを行い、空き家バンクを運営するなど、あらゆる施策を総動員し、人口減少対策の1つとして移住の推進を強力に推進してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 過疎対策への取り組みについての今後の御答弁を聞かせていただきました。課題意識を持ちながら対策に取り組まれていることが伝わってまいりました。また、今後につきましても、これまで以上に成果を上げることに対しまして期待ができる内容であるというふうに思っております。そして、こうした取り組み姿勢を持つことは人口減少問題の解消のためには不可欠であると考えます。
 しかしながら、この課題に対しては、過疎対策だけではなく、人口動態に対応したさまざまな対策をミックスしていく、こういう必要があるのではないかと思います。
 そこで、県政のかじ取り役であります仁坂知事に、人口減少問題に対するお考えと今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 人口減少問題は、社会保障制度の維持が困難となり、産業の衰退につながるなど大変深刻な問題であると以前から認識しているところであり、特に和歌山県は、全国の中でもその程度が激しいことから、最近、増田レポートなどで大変この問題が取り上げられておりますけれども、それ以前から、すなわち就任以来、最重要課題として社会減、自然減の両面からの対策を実施してまいりました。
 社会減対策といたしましては、地域に雇用があることが最も大事でありまして、雇用を創出するためには企業活動を盛んにすることが必要であります。
 現在、国の地方創生の取り組みが本格化しておりますけれども、国の経済対策による景気回復の動きに加え、県内インフラの急速な整備など、県にとって将来に向けた投資をする絶好のチャンスが訪れております。民間の方々による将来のための投資が盛んになるように、従来からの技術開発支援などの取り組みに加え、創業から成長、安定に有効な融資や国の施策を総動員し、企業を支援する施策を実施してまいりたいと思っております。
 また、これまでトップセールスの実施や奨励金制度の充実などにより、133社の企業を誘致いたしましたが、新年度では、企業誘致の開発やICT企業の誘致など、引き続き企業誘致の対策も強化していく所存です。さらに、観光振興や強い農林水産業づくりに努め、産業を盛んにし、雇用を創出していきたいと思っております。
 加えて、地域の魅力を高めることにより移住を促進し、地域の人口をふやす施策にも取り組んでまいりたいと思っております。
 一方、自然減対策といたしましては、従来から不妊治療のこうのとりプランや紀州3人っこ施策を実施してまいりましたが、また、県版の婚活支援を始めましたが、新年度では結婚や子育てのポジティブキャンペーンを展開するなど、結婚から妊娠、出産、子育てと切れ目のない少子化対策を強化していく所存であります。
 今後とも危機感を持って人口減少を食いとめる対策に注力していく所存でございますので、角田議員におかれましても、議員の立場をお離れになりましても御指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 特に過疎、また人口減少等々につきましても、仁坂県政になってから多くの企業誘致、また平成22年度の過疎対策課が設立するもっと前、平成18年からもう既にスタートして、先進的な取り組みに対して敬意を表するところでございます。
 特に移住、交流の促進に当たりましては、各地におられる和歌山県人会などの御意見をお伺いしていただいて積極的に進めていっていただきますようお願いを申し上げます。
 通告をさしていただいた質問項目は以上でありますが、今回は和歌山市において検討中ということでしたので質問はいたしませんが、先日、和歌山市の2015年の一般会計予算案が発表されております。その中に、伏虎中学校の跡地利用基本構想の作成のため、予算が組み込まれておりました。伏虎中学校の跡地に市民会館の移転や県立医科大学の薬学部の誘致を検討するということでありますけれども、全体的なものはまだはっきりわかりません。これからの話であろうかと思います。
 また、南海和歌山市駅周辺の再開発の検討に係る予算も組まれております。県内人口の約3分の1以上の方が暮らされている県庁所在地和歌山市の特に和歌山城周辺、JR和歌山駅周辺、南海和歌山市駅周辺のまちづくりへの取り組みは、将来の和歌山県の発展に向けて非常に意義のあるものだと思います。
 昨年来、県と和歌山市の間で県市連携会議が設置され、活発な意見交換が行われておりますが、県といたしましても、どうぞ和歌山市の都市計画、まちなか再生の取り組みを力強く御支援をいただきたいと思います。これは、あくまでも要望でございますので、どうかよろしくお願いします。
 議長、済みません。引き続いて議場の皆様に一言御挨拶をしたいと思いますので、よろしいですか。
○議長(坂本 登君) どうぞ。
○角田秀樹君 議長のお許しをいただきましたので、一言御挨拶を申し上げます。
 私ごとで恐縮ではございますけれども、私は今期をもちまして県議会議員を退任することになりました。
 振り返りますと、平成3年から和歌山市議会議員を3期務めさしていただいた後、平成15年、この和歌山県議会議員に立候補さしていただいて、初当選さしていただきました。そして、同年の6月の23日に本会議におきまして初めてこの議場において一般質問をさしていただいて、ちょうど20回目の一般質問になりました。
 この間、非常につらいんですけれども、平成21年の11月の8日に、ともに和歌山県の県勢発展のための一翼として力を尽くしておりました江上柳助先輩議員が59歳という若さで逝去されるという悲しい出来事もございました。
 江上先輩議員とは、市議会議員の当時から県都和歌山市の発展と県、特に北部地域の活性化に必要な交通大綱の改善を目指し、ともに話し合い、また、ともに現場を歩き、署名活動もさしていただき、そして、ともに力を尽くしてまいりました。待望久しかった和歌山北インターの供用も開始をされ、その喜びは忘れることができないものであります。
 私は、12年にわたる県議会議員在任中において、生活者優先をモットーに常に県民の皆様のお声を聞かせていただきながら、その御意見の実現に向けた活動に努めてまいりました。特に人工透析で大変難儀をされておりますNPOの腎友会や、また交通事故等々で脳脊髄液減少症、いわゆる頸椎損傷、そういった患者の支援会の皆さんとともにも勉強をさしていただいたその経験、私の議員活動のある意味では礎になったというふうに思っております。
 在任期間におきましては、県民の皆さん、そしてまた先輩・同僚議員の皆さん、そしてまた仁坂県知事初め県当局の皆様のお支えをいただきながら、無事に議員の職務を全うすることができるのではないかというふうに思っております。厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 今後は、微力ながら、これまでとは違う形で県勢の発展のために一生懸命取り組んでまいりたいと思っております。どうか、皆様方におかれましては、引き続き御支援、そしてまた御指導、御鞭撻を賜りますことを心からお願いを申し上げます。
 そしてまた、いま一度、皆様方に心より御礼を申し上げ、最後になりましたが、皆様方の今後のますますの御健勝と御多幸をお祈りさしていただきまして、御礼の御挨拶とさしていただきます。本当に皆さん、ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 8番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 それでは、順次、一般質問をさせていただきます。
 まず、1番目の通告にあります京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸についてであります。
 これは、昨年も当初議会で先輩・門議員がこの件について質問されました。また、一昨年には私も同じような内容で、京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸についてということで質問もさしていただいたんですけど、私も門先輩がもう勇退されるというのを聞きまして、この件、続いて私もこの事業着手まで見守っていけるかどうか、なかなか今度の4月にまた難関がありまして、これ、私も最後の演説になるかもわからんので、本当に心を込めて知事にもお願いしたいと思います。
 まず、県の国への働きかけにより、紀の国わかやま国体を目標にして京奈和自動車道や第二阪和国道が早く開通してもらいたいということでいろいろお骨折りいただき、現在も、現場の工事状況を見ますと、大変一生懸命現場の方がやってくれております。最近はある程度のめどがついてきたようでありまして、ですけど、なかなか間に合わないというような話も聞かされそうであります。
 きょうは、議連のほうで、この議会が終わったらそのことについての説明会、紀南の高速道路延伸のことも含めて第二阪和とか説明会があると聞いておりますが、京奈和自動車道は京都、奈良、和歌山、第二阪和国道は大阪から和歌山の交通が非常によくなりますが、京奈和自動車道から第二阪和国道へ、また第二阪和国道から京奈和自動車道への車の流れが大きな流れとなってくることは明らかであります。
 この間の接道となる西脇山口線の改良工事が進んでいるが、非常に交通量の多い道路であります。
 このことについて、ちょっと配付資料、皆さんのお手元へ届いていますかね。カラーでちょっとつくらしてもらったんですけど、これを見ていただきますと、京奈和自動車道から第二阪和国道、ことし、来年あたりに開通してくると、大谷ランプ──左側の第二阪和国道が下へおりてきたところで大谷ランプ──ここから今度、京奈和自動車道へ行き来する場合には、右側のほうに北インターチェンジがあります。この大谷ランプから北インターにかけて、今でも大変な交通量です。この交通量がますますふえて停滞するようなことが明らかであると私は考えます。また、地元の皆さんも心配しております。
 京奈和自動車道、第二阪和国道の開通により確実に停滞する道路となるこの西脇山口線、以前から議会において、京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸することを要望してまいりました。京奈和自動車道と第二阪和国道のめどがついてきたので、次のプロジェクトとして、京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸について真剣に取り組んでいかなければならないと考えます。
 6年後には、関西ワールドマスターズゲームズ2021開催が決定しています。そしてまた、この道路が開通したら、京奈和道が開通したら、この料金について、京奈和は有料か無料かというのをよく聞かれます。岩出で乗りおりしたら無料や、そやけど、和歌山の皆さんが北インターで乗りおりするとお金が要りますということを言う。そしてまた、いろいろ調べていただきましたら、このNEXCO(日本・エクスプレスウェー・カンパニーリミテッド)の有料道路の料金算出式では、290円になるような計算式でございました。往復で580円。これ、通勤に使うと毎日580円。そやけど、これ通らんと、なかなかまた下を走っても大変やしね。
 こういうこともありますので、料金のことは知事もなかなか、安いか高いかと思うあたりがあれやけど、まず私の配付させていただいたこの道路の地図で和歌山ジャンクション、これ、仮称ですけど、私が場所を示すためにこの図面、これから左のほうへ平井ランプという、これも仮称ですけど、この①というの、これについて本当に今から、ことしからやろうと言ってもなかなか当分は完成まで時間がかかると思います。
 ですから、ぜひこれは第二阪和まででも京奈和道延伸ということを、門先輩議員とともに私も、あるいは自民党県議団の皆さんや和歌山市内の県議団の皆さん、必ずこれはお願いしたいと私は思います。知事の所見、またこのことに対しての御意見をいただきたいと思います。
○議長(坂本 登君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 京奈和自動車道は、関西大環状道路の一部を形成し、関西都市圏の拡大に寄与する道路でありまして、平成26年3月に紀の川インターチェンジまで供用し、国道24号を初めとした周辺道路の混雑の解消や沿線の企業立地の増加等の効果があらわれているところであります。
 京奈和自動車道の第二阪和国道への延伸については、和歌山市内から京奈和自動車道へのアクセス向上、特に有料区間を通過せずに京奈和自動車道への利用が可能となることなど、利便性が向上されるものと考えておりまして、京奈和自動車道が阪和自動車道へ接続した後の次のプロジェクトとして最重要課題と認識しております。
 また、和歌山市としても、京奈和自動車道と第二阪和国道を結んで中央インターチェンジを設けることで市中心部から高速道路への乗り入れが早くなり、地元地域の産業経済の活性化が期待できるものと考えております。
 県としては、昨年6月の政府要望時にも直轄道路調査の着手を要望しておりますけれども、当該区間の計画の具体化に向けて、引き続き国等へ働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 なかなか知事から前向きな、そしてまた、地元の状況あるいは将来の考え方を示していただくのに本当にきちんとした答弁をいただいたので、ぜひ国のほうに──我々議連とかいろんな形で県議会もこのことについては支援させていただきたいので、またリーダーシップをとっていただいて、事業が早く承認されて事業着手まで頑張っていただきたいと思います。我々も、ともに頑張ります。
 それから、続いて2番目の項目に移らしていただきます。
 川辺橋というのが、この私の資料配付の中の②というところ、右の真ん中あたりの②というところのちょっと上に、カワナベバシと読むんですけど、川辺橋から県道岩出海南線──これもちょっと書き込んでなかったもんですから、この②というのが川辺橋から突き当たり、突き当たりのところの左から右に、左右に通ってるこの道路、この右のほうからずっと四季の郷のほうへ行くのが県道岩出海南線という路線です。それで、JR和歌山駅、その向こうに和歌山市駅とある、この左右にある和歌山インターと書いたその下あたりをずうっと通って右のほうへ、同じまた重複するこの道路ですけど、これ我々一般的に都計道路の市駅小倉線と言っとる道路です。この道路についての接続についての質問をさせていただきます。
 川辺橋から県道岩出海南線に行くには──市駅小倉線にも同じなんですけど──西も東も相当な距離、また狭い道を迂回しなければ真っすぐには行けないわけです。随分大回りをして迂回しなかったら。それで、川辺橋から南下し、県道岩出海南線、都計道路市駅小倉線に接続する道路を整備することで、海南への利便性、また和佐とか下和佐あるいは四季の郷のほうへ行く、そういう関係の利用道路として大変利便性が高い道路であります。
 県道井ノ口秋月線を通り、現在、和歌山市が整備を進めている都計道路の市駅小倉線が完成すれば──これももうすぐ完成するということで、出水のところの工事をやっておりますけど──市街地への利便性も格段と向上されますので、川辺橋から県道岩出海南線、都計道路市駅小倉線への接続道路については以前から地元からの強い要望があり、私も必要であると考えています。このことについて、現在、和歌山市長になられた尾花前県土整備部長も大変必要な道路と理解をしてくれてたと思います。
 それで、私はこの機会──市長に尾花部長が行かれたんで早い機会にこのことについて県がどのように考えるか、県としての見解を県土整備部長にお伺いします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 川辺橋と県道岩出海南線を接続する都市計画道路和佐山口線については、和歌山市東部地域における紀の川北部地域と南部地域の連携を強め、地域住民の利便性に資する道路であるとともに、大阪府南部地域と和歌山市を結ぶ都市間連絡機能を有する路線の一部であり、現在、和歌山市内の都市計画道路の見直しにおいても存続候補路線となっております。
 当該道路は、和歌山市都市計画の用途区域内に存する道路であり、こうした道路を整備する場合には、原則、市町のまちづくり計画に基づき市町みずから実施することとしております。
 県としましては、今後、市から国の交付金事業等を活用した新規事業化の要望があれば、事業採択に協力してまいります。
○議長(坂本 登君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 ぜひそのように和歌山市と緊密な連絡をとって、できるだけ早い機会に着手に向かって決定していただきたいと思います。
 続いて、3番目の七瀬川、和田川流域の浸水対策に係る国営総合農地防災事業の進捗状況についてお伺いします。
 過去に幾度となく七瀬川、和田川の流域で冠水被害を受けており、七瀬川、和田川の浸水対策は喫緊の課題であり、議会において要望してきた結果、河川改修に関しては目に見えてきた整備が進んでいることがわかります。地域も早期完成を非常に期待しております。
 確かに河川改修も重要でありますが、河川につながる地区内の農業用幹線水路や排水機場を整備して河川に排水するようにしなければ、この問題は解決いたしません。
 そしてまた、紀の川の大堰の排水時期、その時期がなかなか、去年、おととしの大雨が降ったときも、もっと早くあけてくれたらよかったのにとか、あるいはマニュアルどおりやってるとかいろんなことがあって、また、紀の川のほうが水位が高かったら、農業用水路から出ていく、あるいは支流の川から出ていくゲートを閉めて、樋門を閉めて逆流しないようにしなければならんということで、水位がだあっと上がってくると、閉めると、今度は自分のところの山のほうから流れてくる、あるいは田んぼへたまる水が下へ、水門を閉めとるからもうあふれやんとしようがないと、こういうようなことも考えると、やはりなかなか排水機、ポンプ場も設置しなかったらだめじゃないかというようなことを随分地元でも言われてるところが多いです。
 そして、そのためには、やはり国営総合農地防災事業が平成26年度より着手されているが、事業の進捗状況、本当に目に見えてこないと、地元の人は本当にやってくれとるんかというのがわからんわけです。あるいは用地買収がここまで終わったとか、そういうことも地元の皆さんにわかるようにできるだけしてやらんと、我々でも、予算とかに載っとるからやっとるというのは感じますけど、目に見えてこんと──本当に用地買収が終わった場所は言ったりできないんかわからんけどね、できるだけ地元に十分説明してやってもらいたいということであります。このことについて農林水産部長にお伺いします。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 和歌山市、紀の川市、岩出市にわたる紀の川流域の農業地帯を対象に、排水ポンプや農業用水路を改修、新設して排水機能を回復させ、農業の発展と地域の安全を確保することを目的に、近畿農政局和歌山平野農地防災事業所が平成40年度まで15年間の工期で国営総合農地防災事業和歌山平野地区を行っています。
 工事は事業の効果が早期に発現できる箇所から順次に着手されることになっており、現在、県土整備部が改修を進めている七瀬川、和田川においては、事業効果の早期発現を目指して、河川改修の工程にあわせて工事が行われることになっております。
 平成26年度は、次年度の工事着手に向けて、六箇井幹線水路から高川に排水を放流するためのバイパス水路である六箇井高川排水路や和田川に排水する米田排水機場の機能増強などの設計が行われています。
 また、次年度、平成27年度には、六箇井幹線水路から七瀬川に放流するためのバイパス水路である六箇井七瀬排水路の設計に着手するとお聞きしております。
 地元地域に対しては、県と関係市で平成25年12月から翌平成26年2月にかけて事業説明会を開催して計画概要を説明していますが、今後、詳細な設計が進められる中で、国営事業所、県及び関係市で、地元に対して改めて十分に計画を説明申し上げる予定です。
 県といたしましては、事業を円滑に進めるため、関係者間の連絡調整に努めるとともに、引き続き国に対して必要な予算の確保等を積極的に働きかけていく所存でございます。
○議長(坂本 登君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今の部長の答弁、そしてまた、この地域、特に私は詳しくは七瀬川のことはよく地元にも見に行ったりしておりまして、知事が2回前の、この前のもう1個前の選挙のときに、地元の皆さんにこの七瀬川、10年以内に被害を出んようにしてほしいという要望に頑張ると、10年以内を目指して頑張ると言うてくれたやつが本当に、本当にと言ったら失礼やけど、着々と──最初は2~3年、目に見えてこなかった。用地買収とかいろんなことで。だけど、最近現場でどんどん目に見えてきて、あと5年半ぐらいでまず全線が第1工区はでき上がる。そして、第2工区、次の工区のところも特に先にやらなあかんところはやってくれ始めた。だけど、この今の問題の農業に関しての農業用水路のことは、いつやって完成するんかなと。大雨が降るたんびにもうつくったやつが出荷できなくなって、そんなことをいつまで繰り返すんか。めどとして何かそういうようなお話を、何か15年以内とかというようなことを聞くけど、それまで、そしたらなかなかこんなことを繰り返されるんかなというようなことが地元では問題となっております。これについては、年月といいますか年度、15年というような話は、それはどんなぐあいになっていますか、ちょっとお聞きしたいんですけど。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 事業の早期着工、早期完成に向けて、私どもは常に農水省近畿農政局に対してお願いをしているところでございます。
 現在のところ、事業計画は15年間とお聞きしておりますけれども、とにかく少しでも早く事態が解決されるように早期着手、早期完成に向けて要望を重ねていきたいと存じます。
○議長(坂本 登君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今の答えで、やはり農水省にお願いせないかんこともあるので、それで15年とたしか聞いて、予算のことも、随分400何十億とかというのを聞いておるんですけど、やはりみんな地元の関係者は見えてこないんで、そういうようなこと。たしか15年って言って、もう1年たって、あと14年で本当にできるんかと。あるいは、14年でも長いと皆言うとるわけですよ。自分らが生けっとる間に、百姓でいろいろつくったりとかいろんなことをやっとる恩恵が我々にいただけるような時期には長過ぎると。
 ですから、今、部長も努力と言うてましたけど、本当に10年以内とかそのくらいの期限を切って完成するようなこととかをやっぱり国に働きかけしていただきたいという要望をしておきます。
 次に、4番目の期日前投票における宣誓書の記載について。
 この選挙、私も、知事も選挙を経験されている人ですから、投票率、まあ本当に悪いなというか、みんな投票に行ってくれたらええのにと。それで、この前みたいに行かなんだ人はもう皆知事に賛成やったと開き直って私らも言うとったんやけど、やっぱり投票にもうちょっと行ってもらうために──私も今でも「投票に行ってくださいよ」ということを、もう去年から選挙が3回ほどあったから、「投票に行ってよ」といつもお願いするんやけど、そのときに、最近もですけど、「期日前投票というのに行ってください」というのを私ども言うんですけど、これに行くと、期日前投票宣誓書というやつに書かなあかんわけですよ。それで、「投票所入場券と一緒に御持参ください。受け付けの際に本人確認のため、口頭にて生年月日を確認させていただきます」。
 それで、なぜ期日前投票をするのかということに丸をつけてくださいということで、アというのが「仕事、学業などの職務又は業務に従事」、イは「本人又は親族の冠婚葬祭に従事」、ウは「その他」と書いて、これはその他の理由も括弧の中に書かなあかん、エが「用事又は事故のため投票区外に外出・旅行・滞在・入院」、オが「疾病、負傷、妊娠又は出産、身体障がい等のため歩行困難」、カとして「刑事施設等に収容」されている、キ、友ヶ島に「居住・滞在」のあれがあるから、ク、「住所移転のため、他の市町村に居住」している、こういうふうに、それで「真実であることを誓います」と書いて、名前からいろいろ書かんなん。ある程度、向こうで書いてくれるのかわからんけどね。
 そしたら、これ、なかなか、「行ってくれたらええわいしょ」と言ったら、旅行へほんまは日曜日に行けへんのに、「旅行」とか言うから旅行としようかとか、何か出勤とかとしようかとかと言うて。そやけど、あれ何とか「期日前投票に来た」と言ったら投票さしてくれやんのかと言ったら、何かそれだけやったらあかんのやってね。何か法律で、こんな理由やから期日前投票を認めようというその理由に該当せなんだら、期日前投票としての法律の足かせがあると。この足かせの部分というか、そこの部分を先に1回説明していただけますか。何か法律。それか、ある程度、僕も読んだんで、もう私から答えると、国会のほうで、これは期日前投票という概略をまず申し上げますと、選挙活動の9日間──我々の場合は9日間──いろいろ街頭宣伝、個人演説会場、ポスター、選挙公報、ああいうようないろんなものを見て、そして、そういう期間を経た上で投票日に投票するというのが原則らしいです。法律で決まっておるのがね。それで、それ以前にこの期日前投票に行く場合は、この宣誓書を書いたら投票できますという法律らしいんですよ。
 それで、私が選管委員長にこんなことを、あんまり無理なことを質問したらいかんのやけど、こういう期日前投票に来たんでさしてくださいという理由で、さしてあげたら今はあかんらしいです。法律で決まっとるから。こういうことを書いてもらわんとあかんと。だけど、もうちょっと何かの方法で期日前投票がしやすくなるようなことを──これ、決めたのは上部団体なり国の法律で決めたんやと思うけど、だんだん緩やかになっていくんじゃないかと思うんですけど、できるだけ早くこの辺のことをお伝えしていただきたいと思うんですよ。
 国の上部団体のほうへ、できるだけ期日前投票、宣誓書提出ということになってるけども、できるだけ期日前投票がしやすくなるように。期日前投票に来たというだけでさしてあげたらええん違うかなと思うけど、それはできないというんやから、そういうことをちょっとお願いしたいと思います。
○議長(坂本 登君) 選挙管理委員会委員長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 選挙における投票について、公職選挙法第44条では、「選挙人は、選挙の当日、自ら投票所に行き、投票をしなければならない。」とされております。その例外の1つとして、お話の期日前投票制度があります。この期日前投票を行う場合は、選挙人が選挙の当日投票できない見込みであり、その投票できない事由を申し立てるとともに、その申し立てが真正であることを誓う旨の宣誓書を提出しなければならないと、議員御指摘のとおりの制度となっているところでございます。
 県選挙管理委員会といたしましても、お話の1人でも多くの方に投票に行っていただくため、期日前投票を含め、投票環境の向上を図ることは必要であると考えており、議員御指摘のような有権者の声があることも踏まえ、市町村選挙管理委員会に対し、選挙人の精神的負担の軽減に努めるよう助言していくとともに、お話の選挙人が投票しやすい環境を整える方策について、さまざまな機会を捉えて関係機関に伝えてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 なかなか選管委員長、心のこもった名答弁をしていただいて。確かに私も、旅行へ行けへんのに旅行って、そんなやつをやっぱり(発言する者あり)違う、違う。それが、やっぱり本人の心の負担の軽減と今言われてましたから、非常に理解してくれてるなと。やはり会社へ仕事で行けへんのに、そやけど、どれかにせなあかんということになると、本当に本人は、何か真面目な人は、もうちょっと何とかならんのかなあという相談やと思いますんで、またそういうようなことを、できるだけ軽減をということを伝えていただけると聞いたんで、ぜひ機会がありましたらそのようなことをお伝えいただきたいと思います。
 以上で終わります。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時13分散会

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