平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 18番森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 こんにちは、森礼子です。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 花のおもてなしについて。
 いよいよ、この秋に紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が開催されます。私は、そのときに、選手団へ花を使った和歌山らしいおもてなしができないかと考えています。
 花は、眺めて、ただきれいというだけでなく、香りや手ざわりが優しく、人の心を和ませてくれます。好きな花を買ってきて生活空間に飾る、それだけでも花は生活に潤いを与え、心を優しく癒してくれます。特に女性にとって、花を贈られるということは本当にうれしいものです。
 医学的にも、花が交感神経活動を静めることでストレスを抑え、副交感神経活動を活発にしてリラックスする効果のあることが証明されています。また、50万年から30万年前のネアンデルタール人は、死者に花を手向けたと言われており、花をめでるということは人間らしさの象徴でもあります。
 和歌山県は、温暖な気候に恵まれ、古くから花卉栽培が盛んです。特に切り花の出荷額は、近畿地方では1番です。
 私は、平成25年2月定例会で、日高のJA紀州青年部が取り組む母の日の墓参り運動を紹介し、知事の支援をお願いさせていただきました。
 県でも、花の消費拡大のため、昨年11月22日に、県やJAなどで構成する和歌山県花き振興協議会が東京・有楽町で、スターチス、スプレー菊を初めとする県産花卉のPRと、花を使ったパフォーマンスを全国で披露している花男子による新たな花文化の発信を行っていると聞いております。
 一方、国では、生産や流通・販売、新品種の開発など花卉に関係する産業の振興と生け花やフラワーアレンジメントなど、花を使った文化の振興を図ることで国民の生活や心の豊かさを実現しようと、平成25年から自由民主党のフラワー産業議員連盟・河村建夫会長が中心になって立法化を進めた結果、昨年6月に花きの振興に関する法律が国会で可決・成立し、12月1日から施行されました。
 この法律の第16条第2項には、「国及び地方公共団体は、児童、生徒等に対する花きを活用した教育及び地域における花きを活用した取組の推進を図るため必要な施策を講ずるよう努めるものとする。」とうたわれており、花や緑に親しみ育てる機会を通して優しさや美しさを感じる気持ちを育む、いわゆる花育が規定されています。
 早速、今年度から、農林水産省や全国の花育活動推進協議会などが連携し、小中学校などにおいて花育の取り組みがなされています。
 また、本県においても、昨年11月に和歌山市内の小学校4校で、花の花壇づくりの花育推進活動として、児童が先生と一緒にパンジー、ビオラ、ナデシコなどを校庭に植栽しました。春になり、卒業式や入学式にきれいな花で学校が飾られることを子供たちは楽しみにしています。
 さて、紀の国わかやま国体開会まで数カ月となりました。開会式のセレモニーの準備など、全国から和歌山を訪れる選手の方々へのおもてなしの具体的な段取りも最終の詰めが行われていると思いますが、知事も、炬火のトーチなどは和歌山らしい演出をしていきたいと述べられていました。
 そこで、1つ提案があります。
 オリンピックの表彰式では、勝者にメダルとともにビクトリーブーケが贈られます。多くの勝者は、メダルとともにブーケを掲げ、応援してくれた観客に感謝の気持ちをあらわしているシーンが見られます。前回のロンドン大会では、このビクトリーブーケがバラでつくられていましたが、2020年に開催される東京大会ではどんな花を使ってこのビクトリーブーケをつくるのか、花卉産業に携わる方の間では今から話題になっているようです。
 一方、国体では、オリンピックのように表彰式にビクトリーブーケを用いる習慣はないようですが、昨年開催された長崎国体では、閉会式で地元長崎選手団がブーケを手に持って行進し、後に他府県選手団にプレゼントしたという前例があります。そのブーケの数は1000束で、小学生が長崎県産の花を使い、花屋さんの指導でつくったそうです。これこそがまさに花育ではないでしょうか。
 昭和46年の黒潮国体の開会式では当時の小学校6年生の児童が鼓笛隊やマスゲームを演奏し舞演したことを、40年以上たった今でも鮮明に覚えているとの話を伺いました。このように子供が国体の開会式や閉会式に直接かかわることは、最高の教育の場を与えると同時に一生の思い出にもなると思います。
 今さら私が申し上げるべきでもありませんが、本県は、御坊市から印南町を中心に栽培されていますスターチスやカスミソウ、ガーベラ、さらには紀の川市や有田川町でも栽培されているスプレー菊などは、日本有数の花卉産地です。
 紀の国わかやま国体でも、和歌山の特産品の花卉を活用し、長崎国体に倣い、和歌山の未来を担う子供たちに一生の思い出を残すとともに、情操教育の一環として閉会式等でお花のブーケを活用した取り組みを展開されてはどうでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本年の秋に開催される紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会に向けて、全国から来県される方々を心のこもったおもてなしでお迎えするために、「県民総参加」を合い言葉に県民運動を展開してるところでございます。
 特に、花いっぱい運動の花のリレーでは、既に多くの幼稚園や学校等に参加いただいておりまして、子供たちが心を込めて育てた花で競技会場や道路などを飾り、花いっぱいの和歌山で気持ちよくお迎えしたいと思っております。
 議員御提言のとおり、子供たちが花のブーケづくりに携わることは、花に親しむことによる美しさや優しさを実感する心を育むと同時に、そのブーケが全国の選手たちにプレゼントされることになれば、子供たちの一生の思い出になるものと考えます。
 こうしたことから、国体の閉会式等における花を使ったブーケの活用について、関係団体等の御協力をいただきながら、ぜひ積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、和歌山市内の渋滞箇所、危険箇所対策について質問いたします。
 議員に当選させていただいて4年半、おかげさまで、以前では気づかなかったことがだんだん見えてまいりました。その1つが、道路の渋滞や危険箇所です。今回の質問では、そのうち特徴的な箇所を取り上げます。
 まず、危険箇所対策について質問します。
 1番目は、有功小学校付近交差点です。
 県道粉河加太線が拡幅整備され、人口14万人が住む紀の川右岸地区にもようやく幹線道路が整備されつつあります。どうか、一刻も早い全線開通を期待いたします。
 しかしながら、粉河加太線は、法線が完全なバイパスではなく、新道の敷地に旧道を取り込んだところは問題がないのですが、旧道が新道に平行に残った箇所が何カ所もあります。その旧道と新道の交差点は、新道の線形を優先した余り、逆に危険な交差点になっています。
 当交差点は、その典型例です。旧道の両端の交差点は信号がなく、上り車線にしか進入できないので、大方の交通は中間にある信号つきの交差点に集中しますが、新道と旧道の間隔はおよそ15メートルしかないため、信号待ちの車両が2台も停車すると、3台目以降は旧道や北の天理教教会方面からの市道に停車しなければなりません。それが理由で渋滞するばかりか、優先順位がはっきりしないので、既に2件の交通事故が発生しています。御近所の人は、バイパスが完成してかえって不便になったと言っております。付近には小学校もあり、通学道路として大変危険な状態です。何とか工夫ができないものでしょうか。
 2番目は、国道42号の高松交差点では、北進する場合、旧道への右折車があると左の1車線しか通行できず、さらに線形が悪いので、私自身も大変窮屈です。同所は、鋼管を運搬するトレーラーの通行も多く、一歩間違えば、狭い道路を通行する歩行者を巻き込んでしまう危険性があります。対策として、線形の改良と歩道の拡幅が必要と考えますが、対策についてお尋ねします。
 次に、渋滞箇所について質問します。
 まず、紀の川大橋について。
 国道26号は、西汀丁交差点から孝子峠の手前まで4車線に拡幅されていますが、西汀丁から大阪方面に向けて紀の川大橋の南側は片側1車線で、渋滞の原因であるばかりか、大変危険です。この影響により、西汀丁交差点を越える渋滞が発生しています。
 この交差点の大阪方面直進車線に入るためには、公園前交差点付近から右車線を通行しなければならず、ドライバーのストレスの原因となっています。加えて、西汀丁交差点が近くなると、いきなり左レーンから直進レーンへの進路変更をする危険な割り込みも見かけられます。
 以上のことから、西汀丁交差点から紀の川大橋までの渋滞対策として、車線をふやすなど、抜本的な対策が必要だと考えます。
 2カ所目は、宮街道花山交差点です。
 宮街道の渋滞の原因は、インター、花山、田中町の交差点の3つの信号待ちであることは明白ですが、インター交差点は立体交差のせっかくのチャンスを逃してしまい、田中町は物理的に困難であり、残る花山交差点については、何とか右折車線の立体交差化により渋滞が緩和されるのではないかと思います。
 一部国道もありますが、県民の安全を守る立場から、以上の質問に対する県土整備部長の見解をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 和歌山市内における御指摘の県道粉河加太線の有功小学校付近の交差点につきましては、新しくできたバイパスの交差点と旧道の交差点との間隔が15メートル程度と非常に近接した状態となっており、日ごろは車が円滑に流れていますが、通勤時間帯は南向きの交通が多く、交差点から北側に車が連なる状態となっております。この交差点の安全対策としましては、旧道の交差点部にカラー舗装を設置することで優先方向を明示することや、信号待ち車両がある場合の進入の防止などについて、公安委員会とも協議しながら検討してまいりたいと考えております。
 次に、国道42号の高松交差点につきましては、平成22年から25年の間に、特に交差点内での右折車と直進車の接触事故が8件も発生するなど、県内40カ所の事故危険箇所の1つとなっております。このため、当該区間の安全対策としては、右折車両を滞留させ直進車を安全に通行させるような対策や歩行者の安全確保について、国土交通省に対して要望してまいりたいと考えております。
 続きまして、渋滞対策については、平成24年度に県内の道路管理者や県警本部等から成る和歌山県道路交通渋滞対策協議会において、県内で18区間、和歌山市内では11区間が主要渋滞区間となっており、御指摘の2カ所も含まれております。このうち紀の川大橋付近の渋滞対策としては、第二阪和国道和歌山岬道路の整備を進めることにより、和歌山市中心部と大阪方面を結ぶ交通が分散され、紀の川大橋付近の渋滞緩和が図られるものと考えております。また、割り込み防止等のための安全対策として、既に通行区分標識や行き先別の地名を表示する路面標示が設置されておりますが、さらに必要な対策等について国土交通省とともに検討してまいります。
 次に、花山交差点の渋滞対策につきましては、現在、都市計画道路市駅小倉線の整備を県市連携して進めており、このうち国道24号から東側の県施工区間は、平成25年3月に供用しました。残る西側の市施工区間につきましては、市が早期供用に向け、整備を推進しているところです。市駅小倉線が完成すれば、現在、宮街道に集中している市内中心部から市東部方面へ向かう交通が分散されるとともに、花山交差点を右折し、県道井ノ口秋月線等を経由して市東部方面に向かっている交通も市駅小倉線に転換されるものと考えております。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 おいしい病院食について。
 残念なことですが、病院食は余り食が進まなく、寂しい気持ちになるとの声を耳にします。一日中病院で過ごす入院患者にとって、特に1人でいただく3度の食事は至福の時間であります。お食事は、目で楽しみ、味わい、幸せをいただき、心から元気になる源です。
 病院給食は、入院患者一人一人への対応の必要性から、かつては管理栄養士の指導により病院内で調理されていましたが、調理法の改善やコストの点から、外部のセントラルキッチンへの移行や外部委託が進んでいます。厚生労働省の調査では、病院給食の外部委託率は、現在、約60%と言われています。
 さらに、平成19年12月、総務省は公立病院改革ガイドラインを打ち出し、公立病院の経営改革を促しました。そもそも、公立病院については、人件費比率の高さや高額での医薬品購入など、放漫経営が問題視され、必要とされる地域医療に十分応えられていないという実態があったので、ガイドライン自体は時宜を得た施策であったと思います。
 しかし、その結果、全国の公立病院では、経営効率化の最も容易な方法として、病院給食の外部委託が進展しました。しかも、入札の結果、ほとんどの公立病院の委託業務は、全国大手給食会社が受注しています。落札の決め手は価格であり、その食材は、中国初め全国の工場で生産された冷凍加工食品が多く使われています。また、大手の中には、利益を追求する余り、過去には事故米や汚染食品問題を起こしたこともありました。今回の改革ガイドラインは、大手食品会社のための支援かと思ってしまいます。本当に安ければいいのでしょうか。
 私は、これまで食育について取り組んでまいりましたが、食事は、単にカロリーを補給するだけでなく、生活そのものです。しかも、入院患者の中には、緩和ケアなど余命幾ばくもない人も多くいて、食事という大きな楽しみを失っています。効率、採算が追求される余り、行き過ぎではないでしょうか。そのことについて、実態と対策について伺います。
 病院給食の外部委託と県内受注について。
 病院改革ガイドラインの実施以降、県内公立病院でも大手給食会社が受注していると聞きますが、県立病院及び県立医科大学病院について、外部委託や県内業者の受注状況を福祉保健部長に伺います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 現在、本県における県立病院はこころの医療センターのみですが、同センターにおける給食については、調理員の人員等の状況を見ながら、一部業務を外部に委託しております。
 平成26年度の業者選定においては、県内業者を優先する本県の一般競争入札制度に基づき、治療の一環としての給食を安定的に提供するため、直近5カ年において同種同規模の契約実績があることなどの要件を適用したところ、支店等を県内に有する準県内業者を入れてもなお要件を満たす業者が5者未満となることから、競争性を確保するため、県外業者も参加させたところです。結果として、県内1社、県外1社の計2社による入札となり、県外業者が落札いたしました。
 また、公立大学法人の和歌山県立医科大学附属病院の給食業務の外部委託についても、県に準じた取り扱いの結果、県外業者と契約しております。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 地産地消について質問します。
 昨今、県内各地でも地産地消の取り組みが行われていますが、病院給食ではどうなっているのでしょうか。また、外国の食材や冷凍食品の使用状況はいかがでしょうか。福祉保健部長に伺います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県立こころの医療センターにおける給食についてですが、業者選定における仕様書で原則として国産を使用することを明記し、公募しており、材料購入においては、地元業者から購入することの配慮や地産地消等に努めることも記載しております。
 なお、冷凍加工品については、使用することもありますが、厚生労働省による微生物規格基準及び通達等の基準をクリアしているものとすることとしております。
 次に、県立医科大学附属病院の給食業務にあっても、食材の調達について、受託者に対し、可能な限り食品の原料や出荷後の流通経路等が明確な給食材料を使用し、食の安全に取り組み、地産地消に心がけるよう求めているとのことです。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 おいしい病院給食の取り組みについてお伺いします。
 最近、病院によっては、おいしい病院給食に取り組むところも出てきました。
 福岡市の伊都の丘病院では、おいしい給食により食事をとる喜びを感じてもらうことで体の健康を図り、さらに心の健康を維持するという考えで、旬の素材を使用した献立や行事食の提供、個人の嗜好に合わせたメニューや温冷配膳車を導入し、患者に喜んでもらっているそうです。
 また、長野県の小諸厚生総合病院では、「病院給食だから…なんて言わせない」をキャッチフレーズに、安全でおいしい家庭の味を患者さんに提供し、満足してもらっているそうです。
 具体的には、毎日の選択メニュー、月に2回以上のお楽しみメニューなど、たくさんのサービスを行うほか、地産地消に25年前から取り組んで、平成元年には厚生大臣賞を受賞しました。地元の旬の食材は患者の治癒力を高めるので、できるだけ地元の化学肥料や農薬を使わない食材を使用し、生産者とも援農という形で、毎年、ジャガイモ掘り、タマネギ植え、キビ・白菜の収穫などをお手伝いをしながら信頼関係を築き、食材の品質や安全性を確保しているそうです。
 他県に先駆けて高齢化が進む本県の優しく丁寧な医療を提供する意味において、また農業県として学ぶべきことが多いと思いますが、おいしい病院給食の提供に対して、県の取り組みを福祉保健部長に伺います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県立こころの医療センターにおける病院給食については、管理栄養士の指示による献立を作成しますが、ただ食事をするだけでなく、季節感を感じられるように、仕様書において委託業者に四季別メニューの提供を工夫することと明記しております。また、残食や嗜好の調査を行うとともに、温冷配膳車を導入した適時適温での食事の提供や好きなものをとれるバイキング形式など、患者さんがおいしく給食をいただけるように心がけております。
 次に、県立医科大学附属病院でも、温冷配膳車を使用した給食提供の実施や行事食の提供、週3日の夕食における2種類から選択できるメニューの用意などを行うほか、県立こころの医療センターと同様にアンケートによる嗜好調査も実施し、食事量や温度、彩りや盛りつけ等について意見を伺い、改善に向け取り組んでいると聞いております。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 病院給食外部委託の地元発注について伺います。
 県発注の公共工事では、件数、金額ともに90%以上を県内業者に発注して、県内の雇用、地域経済の活性化を図っています。医療費のほとんどの支払いは公的保険組合が行っている現状から、今や第2の公共事業とも言われる医療においても公共事業同様に県内業者が受注できるよう配慮すべきであると考えますが、知事の御見解をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御指摘のとおりであります。問題は、その御指摘のとおりにするためにどういうテクニックでやるかということなんでございます。
 和歌山県では、病院給食などの役務の提供等の契約に係る一般競争入札に参加できる者は、原則として県内に本店を有する者としているわけです。そもそも、そういう意味では県内業者を優先する制度になっております。さらに、業務の種目に応じて、登録要件とか、人材要件とか、実績要件を適用することにしておりまして、病院給食については、取り返しがつかないことになるとまずいので、治療の一環として安心・安全な食事を安定的に提供しなきゃいけない。したがって、直近5カ年において同種同規模の契約実績があることなどを要件としているわけでございます。
 県内業者だけでこれらの要件を満たす入札参加業者がいればいいんですけども、それが余りにも少ないと競争性がなくなってしまいますので、そういうときは、まずは県内に支店等を有する準県内業者を入札に参加させまして、それでもまだ足りないと県外業者を参加させることができるようにしております。これは、数は5者ということになってるわけでございます。
 県立医科大学附属病院の給食業務の外部委託も、初めは、県と一緒だと言って、全然違うことをしてたんですが、その後、強力に指導いたしまして、実は、現在は県に準じた取り扱いとなっております。
 部長がお答えしたように、こころの医療センター及び県立医科大学附属病院における給食業務の委託業者が結果的に県外業者となったのは、先ほど申し上げました要件を満たす県内業者が5者に満たなかったためにそうなってしまったわけでございます。考え方としては、今でも議員御指摘のとおりだと思っておりますので、ちょっと別のテクニックがないかなあということも含めて、さらに検討していきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 丁寧に御答弁をいただいたので、要望を用意してたんですが、やめときます。
 では、これで終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後5時57分散会

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