平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(新島 雄議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○副議長(尾﨑太郎君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 5番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 皆さん、おはようございます。
 雨で、きのう、きょうと、本当に春を思わせるような暖かい日でありますが、実は、私の母校に53年ぶりに春がやってきました。大変なことでありまして、その春も、3月の21日が開会式なんですが、ひょっとしたら早く終わってしまうのかなあ、そんなことを思いながら、今、寄附金を集めてます。
 皆さん、御浄財をいただければ、若者たちが元気よく甲子園でプレーをいたしますので、どうか御協力をいただきたい、そのように思います。
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 最近の新聞紙上、また、テレビ、ラジオのニュース、大変驚くような事件が、ましてや世界的にもテロという考えられないような集団がいる。これは、世界はどういうふうに動いてるのかということを大変不安になってきますし、私たちのこの日本にも、そして和歌山でも悲しい事件が起こっています。世界的にも治安のよさはナンバーワンであると自負をいたしておりましたが、それが少しずつ少しずつ崩壊をしているのかな。大変心配をいたしております。
 そこで、きょうは安全・安心のまちづくりという観点より、まず最初に県警本部長にお尋ねをさせていただきたいと思います。
 もう随分前であります。平成11年のころであったかと思います。私が経済警察の常任委員会の委員長をさせていただいてたころ、アロチやJR和歌山駅周辺の環境浄化、それに取り組もうという話がありました。
 和歌山駅・アロチ周辺の環境浄化を考える会というのがありまして、参加をさせていただいておりました。この地域は県下最大の歓楽街であり、けんか、口論、また電話ボックスのピンクビラ、そして荒れた事件が多々あったように聞いていました。暴力団事務所がアロチ地区を取り囲み、そして威圧的に闊歩する人たちもいたように思い出しています。
 この地区の治安環境が社会問題化していたようにも記憶しています。その対策として、我々も市民の人たちを巻き込み、警察と一緒に環境浄化に取り組みをいたしました。
 最近は随分よくなったと聞いていますが、現在のアロチ地区の治安情勢と治安対策についてどのように取り組むのかをまず第1問として、県警本部長に質問をいたします。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島雄君の質問に対する答弁を求めます。
 警察本部長下田隆文君。
  〔下田隆文君、登壇〕
○警察本部長(下田隆文君) 平成11年当時の県下の治安情勢については、刑法犯認知件数が2万件を超え、増加の一途をたどっていた時期であり、議員から御質問のございました県下最大の歓楽街である和歌山市のアロチ地区につきましても、暴行、傷害等の多発、違法風俗店や悪質な客引き、暴力団問題、違法駐車の蔓延など、治安上のさまざまな問題が複合し、治安悪化を招いている状況にございました。
 県警察といたしましては、アロチ地区における治安の改善について重点的な対策を講じるため、平成11年10月、警察本部内に和歌山駅・アロチ周辺環境浄化総合対策本部を設置するとともに、同年12月からは和歌山駅・アロチ周辺の環境浄化を考える会を発足し、官民一体となった防犯パトロールや少年補導、暴力団排除活動等、総合的な対策を推進してまいりました。
 また、風俗環境浄化対策として、平成15年及び平成24年にいわゆる迷惑防止条例を改正し、ピンクビラの配布規制や客引きの規制強化などを行ったほか、犯罪抑止対策として、アロチ地区における街頭防犯カメラの設置拡充を行ってまいりました。
 この結果、アロチ地区の刑法犯認知件数につきましては、アロチ地区に限定した統計が残っている平成17年以降は、平成17年に102件であったのが、平成26年には55件と46%の減少となっております。また、暴力団事務所については、平成11年当時、アロチ地区及びその周辺に13組織の組事務所が存在していましたが、現在は1組事務所のみとなっております。
 歓楽街については、犯罪抑止対策及び違反取り締まりの手を緩めると風俗環境が悪化し地域の治安悪化につながることから、今後も引き続き違法風俗店や客引き等の取り締まりを推進するとともに、関係機関・団体と連携を図りながら、官民一体となって同地区における環境浄化対策を推進してまいります。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今、お答えをいただきました。
 しかし、まだ暴力団事務所はある、そして事件も起こっているということですから、手を緩めることなく今後も頑張っていただきたい、そのように思います。
 引き続き、安全・安心の観点から質問を続けます。
 続いては、交通死亡事故についてのお尋ねであります。
 交通事故は年々減少しているということは、新聞、テレビ、ラジオの発表でも大きく取り上げられ、皆さんが知っているところでありますが、ただ、私が気になるのは、高齢者、交通弱者と言われる方の事故の問題が大変気になります。
 和歌山県の統計史上、初めて30人台になったということも聞いています。最も多かった昭和40年代、これと比較いたしますと、まあ県警察の努力が実っているということが言えるのかなあ。大幅に減少していることは大変うれしいことであります。しかし、これも、いまだに年間、昨年も40名近い方がとうとい命を落とされています。で、それ以上に多くの方がけがをされています。死者数の中身では、先ほども申し上げましたように高齢者の割合が高いと聞いています。我が県にとっては、高齢化率が高いわけですから、これは極めて大きな問題として捉えるべきではないか、そのように考えています。
 県民として願うのは、交通事故のない安全・安心な和歌山であると考え、もっともっと事故を減らし、死者を減らす必要があります。
 本年は、国体の開催年であります。道が新しくなったり、改良されたり、交通環境が大きく変化をいたしています。これに伴って交通事故を防ぐ必要もありであります。
 私は、常々思います。この道は事故が起こるよねって思う道がある。この道は事故が起こりにくいなあ、ああ運転しやすいなあと思う道があります。その辺のことも含めまして、和歌山県警察として、交通事故をなくすために、交通死亡事故をゼロにするために、今後どのような取り組みをしていくのかをお尋ねいたします。
○副議長(尾﨑太郎君) 警察本部長。
  〔下田隆文君、登壇〕
○警察本部長(下田隆文君) 昨年中の人身交通事故の発生件数は4115件。平成14年から13年連続して減少し、死者数は39人で、県警察が統計をとり始めた昭和29年以降最も少なく、初めて30人台となりました。しかしながら、1年で40人近い方がお亡くなりになられ、5000人を超える方が負傷されていることも事実であり、さらに事故抑止に向けた取り組みが必要であると考えております。
 また、昨年の交通事故者数の半数以上の20人が高齢者であること、当県の高齢化率が今後さらに上昇すると推計されていることから、当県の交通事故総量、死亡事故抑止を図っていくためには高齢者安全対策が何より重要であると考えているところであります。
 今後も、警察といたしましては、飲酒運転、速度違反などの交通事故に直結する悪質性、危険性の高い違反の取り締まり、被害軽減に最も効果のあるシートベルト全席着用に向けた取り締まりや広報啓発活動のほか、高齢者に対する交通安全教育の充実、街頭指導の徹底等の交通事故抑止対策を継続強化し、安全・安心な交通社会の実現を目指してまいります。
 また、紀の国わかやま国体開催に向けての道路新設、改良工事により利便性の向上が期待される一方、速度上昇による重大事故等の発生も懸念されるところであります。新設道路等につきましては、計画段階から道路管理者と協議を行うなど連携を図りながら、信号機の設置、交通規制等の安全対策を進めておりますが、供用開始後も交通の実態把握に努め、都度、情勢に応じた対策を講じ、より安全で円滑な交通環境の整備に努めてまいりたいと考えております。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 2点、お答えをいただきました。
 私たちは、毎日平和に暮らしたい、そのように思っています。多様な事案が発生する中、警察の責任はますます重く、大きくなります。そして、領域が広くなってくる。そのように私は考えています。さらなる御活躍をお願いするとともに、県民の安全・安心を守ってほしい、そうお願いいたします。
 大きな2問目に入らせていただきます。
 仮称「国際観光サミット」の開催ということを書かしていただきました。こんなことができるかなという思いで質問をさせていただきます。
 先日、「プロフェッショナル」というテレビ番組を見ていました。ここでは、あるホテルのコンシェルジュのことを取り上げていました。大変おもしろく、楽しく見ました。
 そこで、この番組を見終わった後、コンシェルジュ、この職種は観光そのものだな、そのように感じたのを今思い出しています。1つの職種なんですが、こんな本当のおもてなし、あるんだなあ、そんな姿を見せていただきました。国体でのおもてなし、難しいなあ、そんなに感じるきょうこのごろであります。
 まず、観光立県としての和歌山の現状を質問いたします。
 知事は、就任当時より「観光立県を目指す」と声高らかに言ってこられました。そして、そのように行動もしてこられました。その上で、商工労働部を商工観光労働部へ名称変更し、また、観光課を観光局に改組しました。
 それは、どういうことなのかなというふうに考えてみました。和歌山県の資質の中には、他府県には負けない資源が豊富にあり、気候もよい、温泉もある、食べ物もおいしい、人もよいなどなど、取り上げる条件は多いと思いますし、知事もそう考えたのだろうと推察いたします。
 しかし、いろんな意味で、小手先だけではなかなか観光立県になるには難しいなあということを私は今でも考えています。一遍に観光客がふえるわけではありません。私も、和歌山県の観光を売り物にしたいと考えている1人であります。しかし、他府県との競争が大変厳しいように感じます。
 今、和歌山はチャンスに恵まれている、そう思います。国体から高野山、そして真田丸へと続いてるときに、次の何かを、次の手を打たなくてはならないと思います。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 現在、観光立県を標榜する都道府県はどの程度あるのでしょうか。私は、ほとんどの都道府県が標榜しているのかな、そのようにも思います。教えていただけたらありがたいと思います。
 また、他府県に比べて和歌山県の劣っている点、ここらが弱いよなと思える点があったら何と考えているか、そして、それを克服するにはどうするかということをお示しいただけたら、そのように思います。
 そして、その上で、和歌山県にしかないもの、他府県に負けないもの、それは何かとお尋ねをしたいと思います。それを前面に押し出すことが必要と考えます。
 第1問として、3点、お答えをいただきたいと思います。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 第1点でございますが、観光立県を目指し、観光振興を主たる目的とする条例を制定している都道府県は、観光庁の調べによると、本県を含めて23ございます。県議会で観光立県推進条例をつくっていただいたということは、少なくとも時代におくれていないということではないかというふうに思って感謝しております。
 2番目は、劣っている点でございます。
 私は、世の中ではどこが劣ってるなんとか、あんまり言いたくはないんですけれども、議会の御質問でございますので、正直に考えてるところを申し上げます。
 1つ目は、主要マーケットであるところの大都市圏から本県観光地、特に観光資源が多い紀南地域までの時間距離が大変長い。これについては、これじゃいかんということで、京奈和自動車道とか近畿自動車道紀勢線とか府県間道路とか、県内幹線道路の整備に注力してまいりました。そういう意味でだんだんと整備されてきましたので、克服されつつあるんじゃないかなというふうに思っております。
 2つ目は、情報発信において、全国と直接つながっているテレビとか雑誌とか新聞などの県内に拠点を置くメディアが少ないと思います。例えばテレビ局に関しては、全国に発信できるキー局系列、これのローカル局がありません。そのため、職員が──私もそうですが──むしろ外側に出かけていってPRをせないかんということで、各都市に出向き情報発信に努めております。
 3つ目は、全国に向けた独自の情報発信や誘客の展開を行っている民間事業者が少ないんじゃないかなあと。何といっても、やっぱりビジネスですから、御自身でどんどんPRをしたり発信したりしていただいたら一番効くわけでございますけども、テレビなんかで、よその県の旅館とかあるいはお店とか、そんなん、がんがんやっておりますが、そういうのがやや少ないかなあというような感じがいたします。県も、そこは補って、地域とか民間業者と協働したPR作戦を展開しているところでございます。
 4つ目は、これ、観光業者に関してでございます。これは、評価が大変分かれます。一般には、人懐っこく親切な和歌山県だから感じよかったという人が圧倒的に多いんですが、中には、まあ悪いほうの人がわあわあ言ってきますんで、サービスが悪いとか、むやみに高いとか、愛想がないとか、サービス内容が昔と同じで少しは考えろとか、そんな話がたくさん参ります。
 そういう意味で、克服すべきところはあるわけですから、例えばタクシーなどなどですね。例えば、こういうふうに接客したらいいんじゃないですかというような研修、そういうものをやったり、いろんなセミナーをしたりして、業者の方々にいろいろ考えてくださる材料を提供していきたいと思っております。
 次に、他府県に負けないものでございますけども、まずやっぱり聖地高野山と熊野古道という世界遺産があります。これは世界でも珍しい立派な世界遺産でありますので、これが世界に認められて、参詣道、道も含めて世界遺産に登録されたというのは大変な資産だと思います。で、それらの中心である熊野とか高野とかは、ミシュランの「グリーンガイド・ジャポン」でも3つ星に──ジャポンと別につける必要はないんですが、ミシュランの「グリーンガイド」でも3つ星に選定されております。
 次に、半島であるがゆえの長いリアス式海岸、また温暖な気候、それから太陽、そういうものがもたらす緑豊かな山々や、そこから流れ出る清流が、都会の人々が憧れる大自然の姿として残っております。瀞八丁とか和歌の浦、円月島、橋杭岩、那智大滝とか、挙げるに、枚挙にいとまがございません。ジオと、それから景色と、それから生物的な意味での自然というのに大変恵まれているというふうに思っております。
 また、奈良や京都といった古都の文化圏に接しておりましたんで、近畿圏にあるがゆえのメリットもあります。で、歴史が古い。それで、高野山とか熊野三山を初め、あるいは根来寺とか粉河寺とか道成寺とか、全国的に名が通った歴史・文化に関する観光資源が豊富であります。その証拠に、国宝では全国6位の指定数を誇っております。
 次に、海とか山とか川とかバラエティーに富んだ温泉がいっぱいありまして、白浜温泉は日本三古湯だそうですが、龍神温泉は日本三美人湯だそうでございまして、大変有名であります。世界でも珍しい入浴できる世界遺産の温泉「つぼ湯」──これは湯の峰温泉ですが──もありますね。そこには特色のある食材もいっぱいで、山の幸、海の幸にも恵まれております。
 また、中国を除いて、世界で最多の7頭の飼育数でございますアドベンチャーワールドのパンダとか──パンダでございますが、昨年12月には双子の赤ちゃん、桜浜、桃浜というかわいらしい名前がつきましたが、元気に育っております。それから、海外でも大人気でございますが、団体ツアーがどんどんやってきている和歌山電鐵のウルトラ駅長・たま駅長──これは、和歌山県の勲功爵、貴族になっていただきましたが──パンダファミリーとたま駅長がそうでございますが、そういうものもあります。
 最後になりましたが、何といっても県民の大変温かいおもてなしの気持ち、これが、本県での田舎暮らし体験とか、ほんまもん体験などを通じて、あるいは一般的な観光客の感じを通じて和歌山ファンやリピーターをふやすことにつながっていると信じておりますので、これにぜひ磨きをかけていくべきだというふうに思います。
 それからさらに、例えば真田丸とかエルトゥールル号とか漫画とか、いろいろチャンスがすうっと通り過ぎるわけでございまして、そういうときには、そのチャンスを積極的につかまえて、それで観光誘客につながるように頑張ってまいりたいと思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 随分と時間を使っていただいて、長い答弁をいただきました。それぐらい知事は観光というものに対して熱い思いを持っているんだということの一例なのかな、そのように思います。
 私は、この第1問の中に劣っていることを質問したことを、大変、自分自身はどうかなと思いながら質問しました。あえて質問をしたという思いであります。それに対して、よく本当に答えていただけたなと思ってます。ここにもおもてなしのよしあしというものは随分と出てくるんだなという思いであります。ここで、観光業の売り上げに直結してる部分だと思いますんで、その辺、これからブラッシュアップをしていかないかんかなと、そのように思います。
 それでは続きまして、今、知事がおっしゃっていただいた、いろんな歴史やとか温泉とか空気や景色、そんなもの、ここにもう1つ、私はいつも思います。物語をつけるということが必要であろうと思っています。何事にも、滝1つについても、道1つについても、ここに物語をつくることによってこれがずっとつながっていくんだ、そのように思っていますので、できればそんな点も配慮していただけたらありがたいなと思います。
 次は、私の提案であります。和歌山県の観光の魅力を全国に知らしめるために、先駆けて国際観光サミット──これはもう単に私がつくった名称でありますんで、名称は変わろうといいんですが──そんなのを開いたらどうだろうか、開催していったらどうだろうかということであります。
 私にも、いろんなチャンネルがあります。海外から専門の教授にもお願いをする。日本の方で、海外でこの観光というものを深く勉強された方もたくさんいらっしゃいます。そんな人たちと和歌山大学、または県立医科大学、そして和歌山にある私学も巻き込んで観光立県和歌山に向けた大きなうねりをつくる必要があるのかな、そのように思います。
 例えば切り口は、観光と宗教であるとか、観光学をきわめるとか、観光と医学・健康、観光と世界遺産、経済学と観光学、観光学と経営学等々、もっともっといろんな切り口が考えられます。
 その上で、和歌山大学の観光学部の学生には、4年のうちに必ず最低でも半年は留学をして学んでくる、そんなシステムをつくる必要があるんではないだろうか、そのようにも思います。
 この国際観光サミットというものを開くとならば、多少の予算が必要になってこようかと思います。今すぐに答えをということはなかなか難しいことかもわかりませんが、全国へ向けて和歌山が1つの道筋を立てる、方向性を示す、そんな意味では大きなアピールになるんではないか、そのように思います。
 27年度補正予算を組んでいただけるのであればありがたいし、それがだめなら28年度の新年度の予算にという検討する価値ありと思いますが、知事の考えをお尋ねいたします。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘の国際観光サミットについては、それ自体としての理論的なメリットが当然その中身なのであると思うんですけれども、いい意味で目立つもの、アピールできるものは何でもプラスなんで、そういう意味では評価をしていきたいと思っております。
 例えば、実は昨年9月に高野山で、ちょっと違いますけども、全国世界遺産観光地サミットというのが開催されたんです。それで、これ、見ておりますと、やっぱり有識者とか実務者が活発な意見交換をされて、交流もされて地域における課題を解決するというきっかけになっているんじゃないかと思うし、また、高野山でそれをやってもらったんで本県の魅力を広く発信することができたと思います。
 また、ちょっと味をしめまして、ことしの秋には、世界遺産地域のさらなる連携と魅力発信をテーマに世界遺産サミット、これの開催を予定しております。このサミットは、観光庁を初め日本観光振興協会等と取り組む全国レベルの大規模な催しでございます。そういう学術・教育関係者、さまざまな立場の参加者が本県に集いまして意見交換と交流を行い、世界遺産の魅力を広く国の内外に発信して次世代にその価値を継承するためのさまざまな提案をこの際やっていきたいなというふうに思っております。
 そういう意味でございますので、これに限らず、いろいろなチャンスをうかがって、いいのがあると飛びつくということにしていきたい、そんなふうに思っております。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 続いて、特定複合観光施設のことについてちょっとお尋ねをいたします。
 観光産業は大変裾野の広い産業であると、私は思っています。1つのことで経済波及効果が大きく見込まれる産業でもあると考えています。
 ただ、今の状態のままでは単なる観光産業であるんですが、まだまだ異業種を巻き込むところまでは力になっていないなあ、そのようにも感じます。その理由は何なんだろうと考えたんですが、1つは、クラスター効果といいますか、はじけ飛んでいろんなところへ影響を及ぼす、それができていないなというような感じもしないではないです。それを、クラスター効果が得られるとなれば、もっともっと大きな力になっていくなあ、そのようにも思っています。
 その1つの方法は、先ほど申し上げた特定複合観光施設の法律だと考えています。現状を見ると、その中のある部分だけがひとり歩きをしているようで、新観光産業である法律の中身を適切かつ有益に、そしてオープンに議論し、多くの人たちに理解をしていただくことが必要であるように感じています。
 この件に関しては、和歌山県は手を挙げております。ですから、国際観光サミットとリンクをする状況の中で和歌山県の考えを全国に知らしめる、そのように思っていますし、これを大都市に設置するということになると、地方創生の観点からも、これは大いに問題ありだなあというようなことも感じてしまいます。
 地方の活性化のために必要な事業であるということをアピールしていかなくてはならない、そのように考えています。そうすれば、和歌山県が真摯に取り組んでいる姿勢が見えて、多くの県民が理解を深めていただける。地域から、地方から盛り上がらなければ力にはならないように思っています。これに関しての知事の考えをお聞きいたします。
○副議長(尾﨑太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 特定複合観光施設──これは、まだ法律ができておりませんで、カジノを含む概念であるとともに、言葉を捉えますと一般的な複合観光施設なんですね。いわゆる統合型リゾートについては、誘客効果とか雇用創出効果が期待され、県の活性化の手段として有効であるから、できれば導入したいなあというふうに考えております。
 この要素としてカジノも入っているということになると、この中身のバラエティーが広がりますから、さらにいいんではないかなというふうに思っております。
 一方、このカジノが入っておりますと、ギャンブル依存症などの懸念される面もあるわけです。それから、子供さんへの影響をどうするかとか、さまざまな問題を考えて、悪影響を除去しないといけないと思います。それについては、規制を十分厳しくすることによって県民生活を壊さないようにできると私は思っておりまして、管理と隔離の方法なども含め、議員御指摘のように、広くオープンに議論を行っていけばいいというふうに考えております。
 本県では、平成19年に複数の県内市町と経済団体を構成団体とする和歌山県カジノ・エンターテイメント研究会をつくりました。それから、平成22年には、神奈川県、沖縄県とともに──熱心3県だったんですけど、このときは──3県カジノ・エンターテイメント研究会を設立して、統合型リゾートの導入に関する共同研究を行ってまいりました。
 昨年には、議員御指摘のように、実は大都市だけじゃなくて、地方には地方のやり方があるんだから、自然の景観や既存の観光資源を活用した地方型の統合型リゾートに関する提案を行ってまいりました。それで、どんな型のものであろうとも、企業者のほうで企画があればお聞きするのにやぶさかではないと考えております。
 今後とも、さまざまな機会を捉え、県の統合型リゾートに関する考え方や取り組みについて効果的な発信に努めてまいるとともに、本県にふさわしいあり方について検討する所存でございます。
○副議長(尾﨑太郎君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 御答弁をいただきました。
 私は、常々、和大に観光学部ができた当初から、この若者たちが日本の各地、また世界で活躍する姿を夢見ています。それも、リーダーとして頑張っているんだというのが。「あんた、どこから来たんよ」、「私は和歌山大学で学びました」という人がたくさん世界にあればいいな、そんなに思っています。
 和歌山で育った若者が世界へ羽ばたいていくこと、それを想像すると、何とも楽しいことではないでしょうか。そんな日を願っていますし、我々も観光というものに真摯に取り組んでまいりたい、そのように考えています。
 最後に、1点だけ、この質問には関係のない要望をさせていただきます。
 先日、ある女性から私に電話がありました。「実は、私は高齢者です。秋葉山のプールの料金の中にシルバー料金がないんです。私たちは、3時間も4時間も5時間も、そんなに長いことプールで遊ぶ体力もないんや。ほん1時間でも2時間でも気楽にそこへ行けたらええんや。何かそんな料金設定できやんかの」と言うてきたんで、「23日に一般質問します。その場で最後に要望だけ言うときます」と言いつつ、「御意」と申し上げたのを今思い出しました。
 どうか、これはどこの担当になるのかはともかくとして善処いただけたらありがたいな、そんな思いを持って一般質問を終わらせていただきます。
 御清聴、ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾﨑太郎君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。

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