平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成27年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成27年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成27年2月20日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第17号から議案第32号まで及び議案第74号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第17号から議案第32号まで及び議案第74号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾﨑太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 立谷誠一
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    溝端莊悟
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾﨑善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
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○議長(坂本 登君) 開議前でありますが、一言申し上げます。
 本日、傍聴席に、和歌山市立雑賀崎小学校の4年生の皆さんが、先生を含めて11名、こども県庁探検隊として議場に来ていただいております。
 雑賀崎小学校の皆さん、ようこそ県議会にいらっしゃいました。心から歓迎をいたします。(拍手)
 今、皆さんの下におります県議会議員は、県民の代表として、それぞれの地域や和歌山県の発展のために頑張っております。
 未来の和歌山を担う皆さん、県議会や県の行政に関心を持っていただき、未来の和歌山がもっとよくなるよう、しっかりと勉強してください。
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  午前10時1分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第37号から議案第43号まで、議案第64号から議案第66号まで、議案第68号及び議案第70号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。また、監査委員から監査報告がありました。いずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時2分休憩
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  午前11時35分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案議案第17号から議案第32号まで及び議案第74号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 農林水産委員会委員長鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(鈴木太雄君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月17日、第4委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査した結果、議案第17号、第18号及び第74号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、農作物鳥獣害防止総合対策事業の減額理由について、林業費・低コスト作業システム整備事業の減額理由についてであります。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(坂本 登君) 建設委員会委員長立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(立谷誠一君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告を申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月17日、第5委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第74号については賛成多数をもって、議案第17号、議案第24号、議案第25号及び議案第28号については全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、土砂災害防止法に基づく基礎調査箇所数の進捗についてであります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(坂本 登君) 文教委員会委員長森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(森 礼子君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、2月17日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号及び議案第21号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(坂本 登君) 総務委員会委員長花田健吉君。
  〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(花田健吉君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月17日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第22号及び議案第26号から議案第29号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、選挙管理委員会関係では、知事選挙費の減額理由について、企画部関係では、移住・定住大作戦の若年移住者への奨励金について、総務部関係では、市町村振興宝くじ収益金の交付額減額についてであります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(坂本 登君) 福祉環境委員会委員長谷口和樹君。
  〔谷口和樹君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(谷口和樹君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月17日、第2委員会室において開催し、環境生活部、福祉保健部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第20号、議案第30号及び議案第74号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、環境生活部関係では、消費者安全サポート事業に係る市町村交付金の減額の内容について、福祉保健部関係では、後期高齢者医療費支給の減額の内容について、老人医療費単独支給事業の減額の理由について、和歌山県立こころの医療センター事業会計補正予算に係る医業収益の減額の内容について、老人福祉施設整備における繰り越しの原因となった入札不調の経緯について、母子父子寡婦福祉資金貸付金の内容と償還についてであります。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(坂本 登君) 経済警察委員会委員長濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(濱口太史君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月17日、第3委員会室において開催し、商工観光労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第19号、議案第23号、議案第28号、議案第31号、議案第32号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、競輪事業での売り上げ増の理由について、緊急雇用創出事業臨時特例基金活用事業について、地域住民生活等緊急支援のための交付金について、プレミア和歌山ブランド化推進事業について、先駆的研究開発支援補助金について、最先端設備導入の内容について、公安委員会関係では、警察庁舎の解体・撤去工事に係る予算について、北河岸待機宿舎工事費予算について、パーキングチケットの廃止について、警察官をかたった詐欺事件への対策について、捜査・逮捕だけでなく治安維持につながる新しいソフト対策についてであります。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。ただいま議題となっております案件については討論の通告がありませんので、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第23号及び議案第74号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(坂本 登君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第17号から議案第22号まで及び議案第24号から議案第32号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(坂本 登君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時47分休憩
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  午後1時0分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第73号まで及び議案第75号から議案第92号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 35番谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕(拍手)
○谷 洋一君 今期最終となる平成27年2月定例会に質問の機会を与えていただき、感謝申し上げます。
 寒さはまだまだ緩みませんが、夜が明けるのは日に日に早くなってまいりました。季節も梅の花から桜の花へと移ってまいりますが、我々にとっては4年に一度の大切な季節を迎えます。
 一方、今期をもって勇退の決断をされました先輩・同僚議員がおられます。長年にわたる県勢発展の御労苦に心から敬意を表しますとともに、最初の質問者としてこの場に立つことをお許しいただきましたことに感謝申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、第1点目、平成27年度当初予算についてお尋ねします。
 昨年末に行われた衆議院総選挙では、これまで安倍政権が実施してきた経済政策・アベノミクスをさらに推し進めるのかどうかという、国民に問う、いわゆるアベノミクス解散でありました。当初、この解散についてはさまざまな批判もあり、大変厳しい中での選挙戦も覚悟をしておりましたが、国民の圧倒的な御支持をいただき、自民党で291議席を確保し、そして公明党との連立与党合わせて3分の2を超える議席を獲得し、引き続き政権を担当することとなりました。我が自由民主党和歌山県連も、擁立した3人の候補者を、県民の皆様の絶大なる御支援により全員を国政の場に送ることができました。
 この結果は、これまで15年間苦しんできたデフレからの脱却を目指し3本の矢から成る経済政策を大胆に実行することにより就業者数は飛躍的に増加し、有効求人倍率も22年ぶりの高水準となるなど、多くの経済指標に示されるように我が国経済は基本的には回復基調にあり、経済の好循環が生まれ始めたということが国民に十分評価されたものであると受けとめております。
 しかし、経済は、今まさに正念場にあります。円安などを起因とする物価上昇や原材料の値上がりが生活者や中小企業に強く影響を与えており、特に地方においてはアベノミクスの成果を十分に実感できておりません。経済の好循環を確かなものとするためには、個人消費、そして地方経済を底上げしていくことが必要であります。
 そういった意味では、国が地方重視の方針を明確に打ち出し、その象徴としての地方創生を最重要課題として取り組んでいることは、まことに時宜を得たものであり、大いに期待をしているところであります。
 国の支援が充実し、地方へ暖かい風が届いていくものと考えておりますが、当然ながら、地方創生の主役はあくまでも地方であります。
 これまでも、さまざまな取り組みにより地域活性化に成功した地域もありますが、成功例の物まねではなく、地域の個性やすばらしさを見詰め、これまでの枠にとらわれない、柔軟で、かつ大胆な発想で取り組む必要があると考えます。
 また、地域の課題、特に人口減少問題などは結果が出るまでには大変息の長い時間がかかる取り組みでありますが、国、県、市町村、そして民間や住民を巻き込み、地域が一体となって取り組むべき大事業であると思っております。
 さて、3期目の仁坂県政がスタートをしました。知事からは、和歌山の今とあすをもっと元気にするために、産業活動、災害対策、インフラ整備、都市の再生など、7つの政策に取り組むことを宣言されましたが、まさにこれらの政策の着実な実行そのものが地方創生ではないかと思われます。
 そして、平成27年度当初予算、新政策が取りまとめられ、今議会に上程されております。地方創生の実現のための政策がちりばめられているものと思いますが、知事としてはどのような政策に重点的に取り組んでいくつもりなのか、知事の考えをお尋ねします。
 さらに、地方創生については、単発の取り組みではなく、腰を据えて戦略的に取り組む必要があると考えますが、県としてどのように取り組んでいくのか、知事の考えをお伺いします。
 また、地方創生に腰を据えて戦略的に取り組むためには、健全な財政運営の確保が重要であります。
 知事は、予算編成において、新政策を着実に実行しつつ財政の健全化を行うため、平成24年3月に策定した新行財政改革推進プラン(改定版)を着実に実行し、既存事業の見直しや不要不急の事業の選別を徹底的に行い、また、国の経済対策などの有利な財源を有効に活用した予算編成を行っていくとのことでした。
 今回の新年度予算において、それらの取り組みがどのように成果としてあらわれているのか、財政の健全性は確保されているのか、知事の答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの谷洋一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、新政策についてでございますが、平成27年度当初予算では、安心して暮らせる社会を構築するための「安全と安心」の政策、将来の成長へと導くための「未来への投資」の政策の2つの柱に重点を置いて予算編成を行ったところでございます。
 まず、「安全と安心」の政策では、何といっても「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」に基づき、堤防の強化や避難路の整備など、津波による犠牲者ゼロを目指し、ハード・ソフト両面による総合的な対策を推進していく所存であります。
 また、風水害や土砂災害について、中小河川等の総合的な洪水対策やため池改修に加え、土砂災害警戒区域の指定の加速化などに取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、少子化対策では、従前から出会いから結婚、妊娠・出産、子育てまで切れ目のない対策を実施しており、新年度は、結婚や子育てのポジティブキャンペーンを展開するなど、対策を強化していく所存です。
 高齢化対策では、和歌山の老後に安心を届けるため、地域における見守りや健康づくりを進めるとともに、多様な生活サービス等の確保や介護・福祉産業の強化に取り組んでいく所存であります。
 このような介護と、それから医療の総合確保法が施行されたことに伴いまして、医療の面においては、地域が抱える医療や介護のニーズに対処し、入院から在宅医療、介護に至るまでの一連のサービスが提供されるよう地域医療ビジョンをつくり、これらに沿って医療提供体制の再編を進め、あわせて在宅医療提供体制の全県的な制度設計を行い、これらから成る地域包括ケアシステムが実現できるように努めていきたいと考えております。
 「未来への投資」の政策では、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会において、男女総合優勝をなし遂げるとともに、両大会を県政のさまざまな分野において次なるステージへと導く契機にしていきたいと考えております。
 現在、国の経済対策による景気回復の動きに加え、地方創生の取り組みの本格化、さらには県内インフラの急速な整備など、県にとって将来に向けた投資活動を促進する絶好のチャンスが訪れているところであります。和歌山の経済を支える県内産業を初め、魅力のある地域や人づくりのための民間の方々による将来のための投資が今や期待されておりますので、これを盛んにしていただくような政策を強化してまいりたいと思っております。
 まず、県内産業については、従来からの技術開発支援や販路開拓、企業誘致や雇用対策等の取り組みに加え、創業から成長、安定に有効な融資や国の施策なども総動員し、企業の投資活動を促進してまいります。
 また、農業分野においても、果樹の生産・流通対策の拡充や野菜、花卉などの施設園芸の振興とともに、農地流動化の仕組みを最大限活用し、農地の集積や新規参入を進めていくなど、力強い農林水産業づくりに努めてまいりたいと思っております。
 観光については、本年度は高野山開創1200年、国体・大会のある盛りだくさんの年でありますが、これに備えて、本県の魅力発信と国内外からの観光客の誘致活動に努めてまいりました。新年度は、エルトゥールル号の映画公開や来年の大河ドラマ「真田丸」の放映に合わせて、メディアを活用した誘客活動をこれまでの努力に加えて一層進めてまいりたいと思っております。また、国内外からの観光客が県内で快適に過ごし、そして、また和歌山に来たいと思ってもらえるように、案内表示やWi─Fi環境の整備など、おもてなしの完成度を強めていく所存でございます。
 次に、都市の拡散や空洞化に歯どめをかけるため、郊外における開発の抑制など土地利用の適正化を図るとともに、既存市街地の再開発を進め、あわせて都市計画道路の早期整備のために県と市町の役割分担を見直すなど、都市再生を本格化させる所存であります。
 また、地域の元気づくりのため、従来から過疎集落支援総合対策やわがまち元気プロジェクトなどを実施してまいりましたけれども、最近やや伸び悩む傾向のあります田舎暮らし移住・定住政策についても、移住希望者に対して思い切った支援策を講じて、その政策をうんとレベルアップしてまいりたいと考えております。
 次に、成長を支える社会インフラの整備については、命の道でありチャンスの道でもあります紀伊半島一周高速道路の実現や、京奈和道路や県内道路ネットワークのさらなる強化などに努めていく所存であります。
 このほか、未来を担う子供を育むため、従来からの学力の向上、体力の向上、道徳教育、郷土教育、国際人の育成、就職支援を柱とした施策に注力し、特に新年度では、英語教育の充実や海を舞台とする教育に取り組むつもりであります。また、国体・大会を契機としたスポーツ機運の盛り上がりを持続し、ワールドマスターズゲームズへつなげ、年長者も含め多くの人々がスポーツに親しめるよう取り組んでまいりたいと思っております。
 次に、地方創生についてでございます。
 これは、昨年11月にまち・ひと・しごと創生法が成立いたしまして、さらに、今後5年間の目標や施策の基本的方向、具体的な施策をまとめたまち・ひと・しごと創生総合戦略が、これは国レベルのものでございますが、12月に閣議決定されたところであります。
 この法律、創生法第9条では、都道府県においても地方版総合戦略の策定が努力義務とされ、さらに国の総合戦略では、基本目標として、地方における安定した雇用を創出する、地方への新しい人の流れをつくる、若い世代の結婚・出産・子育ての希望をかなえるなどが掲げられております。高齢化と人口流出が進んできた当県では、このことがもとより最大の政策課題でございます。
 そこで、これまで新政策プロセスを通じて産業振興や移住推進、少子化対策など、地方創生に資するさまざまな取り組みを行ってきたところでありますけれども、国の総合戦略の趣旨を踏まえ、改めて県においても地方版総合戦略を平成27年度中に策定していく所存であります。
 地方創生は、これまで同様、取り組みを積み重ねていくことが肝要でありまして、議員御指摘のように、一過性の取り組みに終わらせることなく、腰を据えてしっかりと進めていく所存であります。
 また、御質問の財政の健全性確保についてでございますが、これは、従来から取り組んできた新行財政改革推進プラン(改定版)に基づき、人件費の削減や事務事業の一層の見直し、特定目的基金や国の経済対策などの財源を有効活用し、一般財源の節減に努めてきたところであります。
 これらの結果、新行財政改革推進プラン(改定版)の目標どおり収支不足額を27年度ゼロにするとともに、財調・県債管理基金は、この年度を目標以上の残高218億円を確保する予定になっております。
 このように、平成27年度当初予算は、未来に羽ばたく元気な和歌山の実現に向けた新政策の推進を図るとともに、財政の健全化を両立させた予算に仕上がったものと考えております。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 新年度予算について、ただいま知事から答弁をいただきました。
 新年度の政策は、地域に必要なことを地域に必要な方法でやっていくということかと思います。国は地方創生を強力に進めておりますが、これに歩調を合わせ、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 そして、そのためにも、財政の健全化、これは本当に県庁全体で一生懸命に工夫しながらも取り組んでいただいているところでありますが、引き続き健全性の確保をしっかりとお願いしたいと思います。
 続いて、2点目の地方創生に向けた本県の取り組みについてお尋ねいたします。
 さきの質問において、地方創生への県の取り組み方針について知事に伺いました。国が地方を重視した方針を示す中、本県においても地方創生に資する取り組みを積極的に展開し、本県の活性化につなげていく必要があると考えます。
 特に、若者の県外への流出や少子高齢化などによる人口減少が激しい本県にとって、この地方への注目が高まるチャンスを活用し、若者が和歌山で働き、住み、安心して暮らせるように、地域の産業基盤を立て直していく必要があると考えます。
 中でも、本県にとって重要な産業である観光、そして農林水産業については、何よりその取り組みが期待されるところであります。
 観光振興において、伊勢神宮式年遷宮、世界遺産登録10周年、また高野山開創1200年や紀の国わかやま国体・大会の開催など、ここ数年、本県にとっての大きなイベントが続き、大々的に本県をPRできる機会であり、昨年にはJRグループとのデスティネーションキャンペーンが展開されることにより多くのお客様にお越しいただきました。
 今回、地方創生を活用した取り組みが行われ、国内外から、さらにより多くの方々に本県を訪れていただけるよう期待するところであります。
 また、農林水産振興については、本県の豊かな自然のもと、基幹産業として本県を支える分野でありますが、近年は、農林水産業への就業者の減少や従事者の高齢化、また農林水産物に対する需要の低迷など、さまざまな要因による環境の厳しさに苦しんでいるところであります。
 生産性の向上、新たな品種開発や販路の開拓など、農林水産業に従事する方々が安心して働くことができる基盤づくりに取り組むことが重要であるとともに、地域の特性を生かした取り組みが求められると考えます。何とかこの機会を生かして本県の農林水産業が活気づき、安定かつ継続的に発展できるものとなってほしいと願っております。
 そこで、商工観光労働部長及び農林水産部長にお尋ねします。
 この地方創生の政策が国によって示され、国民の間でも大いに関心が高まっているところでありますが、本県においても、この地方創生への流れの中で、地方・和歌山として具体的にどのような取り組みが行われるのでしょうか。国の交付金を活用した事業、新政策による工夫を凝らした事業など、地方創生に資するさまざまな取り組みが行われるかと思いますが、観光振興、農林水産振興における取り組みはどのようなものとなっているのでしょうか。両部長に回答をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 地方創生に向けた観光振興に係る取り組みでございますが、本県におきましても国の交付金を活用してさまざまな事業を展開することとしており、中でも本県の独自性が強い事業として次の事業を現在検討しております。
 まず、国内の誘客対策としては、「和みわかやまプレミアムキャンペーン」と銘打ち、旅行会社等が扱う本県向けのツアーや宿泊に対して期間を限定することで大幅な割引額を設定し、他府県との差別化を図り、本県への誘客と滞在を促進します。
 次に、海外からの誘客対策としては、団体旅行で県内に宿泊していただいたお客様に、梅酒やミカンジュースなどの県産品の提供や、平安衣装体験などの体験メニューの提供を検討しております。また、JR西日本が販売する外国人観光客向け周遊切符を購入されたお客様に、県内バス周遊券を提供することも考えております。
 なお、このキャンペーンにおいては、昨年秋の和歌山デスティネーションキャンペーンでお客様から好評をいただいた取り組みをあわせて実施することで、価格面だけでなく、和歌山の楽しみ方のプレミア感をつけ、和歌山にぜひ行ってみたいという具体的な旅行動機を喚起し、誘客に結びつけたいと考えております。
 さらに、ハード面においては、外国人観光客の受け入れ環境整備として、外国人観光客が行動するあらゆる場面で案内表示の多言語化が必要であることから、市町村の観光案内、公共交通、ジオサイト、自然公園や美術館等の多言語表記を一気に進めていきます。
 以上が国の交付金を活用した取り組みの一例でございますが、平成27年度は、御承知のとおり、高野山開創1200周年、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会、NHK大河ドラマ「真田丸」放送などといった観光振興にとってまたとないチャンスが続きます。国際的にも、ナショナルジオグラフィックのトラベル誌で2015年に訪れるべき世界のベスト20の場所に、日本で唯一、高野山が選ばれるなど、本県の世界遺産地域に対する注目は高まっています。
 これらに対応した観光誘客施策を効果的に実施し、プレミアムキャンペーンとの相乗効果で大幅な誘客増に結びつけたいと考えております。加えて、お客様から好評を得ている公衆トイレの整備を引き続き実施するとともに、大きくふえている外国人観光客の受け入れ環境整備として、さきに申し上げた多言語表記のほか、フリーWi─Fiの整備促進を行うこととしております。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 農林水産業の振興についてお答え申し上げます。
 農林水産業は、本県の地域経済や雇用を支える重要な産業であり、新政策を初めとしたさまざまな施策の実行により強い農林水産業を実現することが地方創生にもつながるものであると考えております。
 農業につきましては、競争力のある農産物、加工品づくりと国内外での販路開拓が重要です。このため、担い手への農地流動化による生産性の向上や6次産業化による高付加価値化、トップセールスや見本市への出展などの施策を積極的に展開するとともに、新品種の開発を加速化させてまいります。特に果樹については、高品質果実の生産から流通、販売の取り組みを総合的に支援するとともに、和歌山ミカンのブランド力をさらに強化するため、おいしいミカンを厳選出荷するシステムを新たに構築してまいります。また、農業用水の確保が難しい地域での水利施設の整備を支援し、施設園芸や畑作を一層振興してまいります。
 林業につきましては、森林資源が充実する中、いかに出材量を増加させるかが大きな課題です。このため、作業道の整備や高性能林業機械の導入支援、森林組合の体制強化や民間素材生産事業体との連携促進、低コスト造林の推進により紀州材の増産を図ってまいります。また、紀州材の需要拡大と販路開拓を図るため、公共工事での積極的な利用や県内民間住宅への利用促進、首都圏での製品展示会への出展支援や商談会の開催等に取り組んでまいります。
 資源減少や高齢化により漁業従事者の減少が著しく、極めて厳しい状況にある水産業につきましては、水産資源を適切に管理しながら生産性を向上させるため、減船による資源管理を推進するとともに、新たに漁業者の意見を聞きながら個別漁獲割り当て(IQ)の導入を進めてまいります。また、引き続き、魚礁設置や種苗放流、いそ根漁業の再生に取り組んでまいります。さらに、地域の活性化や漁業者の所得増大を図るため、漁協等が実施する朝市や漁業者の直販の取り組みを支援してまいります。
 こうした施策を積極的に展開することにより農林水産業の振興と担い手の確保を図り、地域の活性化につなげてまいる所存でございます。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 両部長から答弁をいただきました。
 この地方創生については、和歌山県においては、何より観光と農林水産が引っ張っていかなければならないと私は思っております。どんどんと県民の目に見える形でいろんな事業に取り組んでいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 続いて、3点目の国体を契機としたスポーツの振興についてお尋ねいたします。
 先月末から、群馬県において第70回国民体育大会冬季大会が開催されております。本県選手団は、前半終了時点で男女総合成績19位という報告をいただきました。昨年の同時期に比べ、大幅に順位を上げているとのことであります。本県選手団の活躍を誇らしく思うのと同時に、紀の国わかやま大会がいよいよスタートしたんだなあと実感したところであります。男女総合優勝に向けて、後半も全力を出し切って頑張っていただきたいと思います。
 さて、各市町村では、これまで国体開催競技を我がまちスポーツとして、その競技の普及や振興に取り組んでこられました。各市町村の努力のかいもあり、我がまちスポーツが地元住民の方々に浸透してきたことは、昨年、各地で開催されたリハーサル大会の盛り上がりにも見られました。
 スポーツが盛んになることは、競技力の向上だけでなく、青少年の育成や健康づくり、コミュニティーの形成など、さまざまな面で地域を元気にしてくれるものとなります。各地に根づきつつある我がまちスポーツを一過性のものとせず、国体本番はもとより、国体開催後においてもさらに盛んとなるようにしていただきたいと思います。
 そのためにも国体後を見据えたさまざまな取り組みが必要であると考えますが、一昨日、知事から、オーストラリアの陸上チームが8月に開催される北京世界陸上の事前キャンプを紀三井寺陸上競技場に決定したとの発表がありました。このような国際競技大会を初めさまざまなスポーツキャンプの誘致を県内の市町村においてもぜひ進めていただきたいと思います。特に、2020年に開催される東京でのオリンピックやパラリンピックにおける参加国の事前キャンプの誘致には、県と市町村が連携し、協力して取り組んでいただければと思います。
 そこで、地域のスポーツ振興を図るためのキャンプ誘致の取り組み状況について、教育長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) キャンプ誘致は、国体関連施設の有効活用とともに、地域の方々のスポーツ熱を高めることができます。国際競技大会や2020東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプなどでは、さらに地域の方々が海外ナショナルチームのレベルの高いトレーニングを間近で見たり、サポートしたりする機会が得られ、我がまちスポーツの振興にも大きく寄与するものと考えます。
 そのため、昨年から、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会やラグビーワールドカップ2019組織委員会、中央競技団体などから御助言をいただきながら、海外ナショナルチームに対し、本県のトレーニング環境の優位性をアピールしてきたところでございます。
 今般のオーストラリア陸上チームにつきましては、紀三井寺陸上競技場の設備や関西国際空港へのアクセス、サポート体制などが高く評価され、キャンプ決定に至りました。
 今後も引き続き、我がまちスポーツの振興に寄与するために、また地域の魅力を国内外に発信するために、各市町村がターゲットにしている国や競技種目を詳細に把握し、市町村とともに戦略的な誘致活動を行ってまいりたいと考えています。
 また、オーストラリア陸上チームのキャンプに関しては、2020東京オリンピックのキャンプ誘致につながるよう、関係団体やボランティアの方々とともにおもてなしの気持ちを持って万全のトレーニング環境を提供してまいる所存です。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 教育長から御答弁をいただきました。
 4年前ですが、私が議長を務めていたときに、千葉県で開催された国体の軟式野球会場を視察しました。印象的だったのは、1塁側、3塁側の両方のスタンドで、地元で野球をしている子供たちが、出場する各県──よその県ですね──のチームを一生懸命に応援していたことです。子供たちにとっても、実際に国体の開催に携わったことでスポーツにさらなる関心を持ち、競技に対する愛着を深めたことと思います。
 国体では、市町村がさまざまな競技の会場となり、そこには県や市町村だけでなく、地域の人々が参加し、連携することが必要となります。そして、その結びつきがあってこそ、本当の盛り上がりをもたらすものと思います。この結びつきを次の機会、その次の機会へとつなぐことで、地域のスポーツ振興、ひいては地域の活性化とつながってほしいと思います。
 今回のキャンプ誘致のように、国体後にもつながるようなさまざまな取り組みに期待をしまして、次の質問に入ります。
 最後に、4点目の紀伊半島一周高速道路についてお尋ねします。
 紀伊半島一周高速道路の整備については、昨年の6月定例会の場においてお尋ねしたところでありますが、改めて質問させていただきます。
 さきの質問において、地方創生をテーマに、地域の活性化へとつながるさまざまな取り組みについてお聞きしてまいりました。本県において、地方創生に向けたさまざまな取り組みを実行していくに当たっては、何より欠かせないのが高速道路による交通基盤の整備であります。
 紀伊半島一周高速道路の整備は、産業や観光の振興を展開していくに当たっても、また救急医療や災害時において県民の命を守るに当たっても、その根幹を担うものであり、早期の完成が望まれているところであります。
 本年秋の国体開催までに合わせて開通とされた近畿自動車道紀勢線の田辺─すさみ間は、我々の目に見える箇所においても、その具体的な姿があちらこちらで見えるようになりました。また、私の地元である那智勝浦道路の那智勝浦─太地間においても着々と工事が進められており、同じく国体開催までの開通に期待をしているところであります。さらに、平成25年度には新宮紀宝道路が、また平成26年度にはすさみ串本道路がそれぞれ新規に事業化されるなど、紀伊半島一周道路の実現に向け、着実に歩みが進められているように思います。
 いよいよ、県内においても残る区間はあとわずかとなってまいりました。この残る串本─太地、そして新宮─新宮北が事業化されることになれば、県民にとっての悲願であり、紀南地方にとっては待ちに待った一周道路の完成へといよいよ近づくことになります。明るい見通しが早期に示されることを期待するところでありますが、残る区間に対しての今後の取り組みについて、県土整備部長にお聞きしたいと思います。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 紀伊半島一周高速道路は、議員御指摘のとおり、企業立地や観光、農林水産業等の振興など、県民のチャンスを保障するため、また南海トラフの巨大地震や風水害などの大規模災害に備えて迅速な救助・救援活動を可能にする命の道として、その実現は不可欠かつ急務であり、県の重要課題として、これまでも機会あるごとに早期整備を強く要望してまいりました。
 また、地方創生には高速道路等の社会資本整備は必要不可欠なものと認識しており、和歌山県においても、これまでも高速道路の整備に合わせて、企業立地の増加や、なでしこジャパンを初めプロスポーツチームが合宿し、それに伴って民間消費も喚起されるなどの多くの効果があらわれております。
 紀伊半島一周高速道路のうち、田辺からすさみ間については、紀の国わかやま国体開催に合わせて開通する見通しであると昨年4月に発表がありました。また、那智勝浦道路については、現在、急ピッチで工事が進められております。さらに、25年、26年度に新規事業化された新宮紀宝道路、すさみ串本道路については、早期に用地取得や工事に取りかかれるよう、県としても積極的に取り組んでおります。さらに、湯浅御坊道路の4車線化についても、昨年より用地取得が開始されるとともに、御坊から南紀田辺間でも付加車線の設置が進められるなど、着実に進んでおります。
 これらの成果に関しましては、県選出の国会議員や県会議員の皆様、関係市町村長を初め、多くの皆様の御尽力のおかげであり、心から感謝を申し上げる次第であります。
 残る未事業化区間である串本から太地間及び新宮から新宮北間等につきましては、現在、実施環境整備として地質調査等が行われているところですが、事業中区間の早期完成とあわせて、これら未事業化区間についても早期に事業化されるよう、県会議員の皆様を初め関係者の御協力も得ながら、引き続き国に強く働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 谷 洋一君。
  〔谷 洋一君、登壇〕
○谷 洋一君 御答弁、ありがとうございました。
 この紀伊半島一周高速道路の実現は、重ね重ね質問をしてまいりました。半島性からの脱却を議員活動における課題として掲げる私にとっての悲願であり、また紀南の人々にとっての悲願でもあります。ここまで本当に頑張って進めてくれたなあという思いと、何とか残りも早くやっていただきたいという両方の思いであります。
 命を守る安心の道であるということはもちろんでありますが、地方創生として地方の活性化が強く求められる中において、この高速道路の整備は何よりも大事な基本であると思っております。
 重ねて、お願いではありますが、残る区間の早期事業化や、そして半島一周高速道路の完成へと引き続きの取り組みをお願いいたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、谷洋一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、こんにちは。きょうは私が最後でございますので、しばらく御清聴いただきたいと存じます。
 質問に入ります前に、御紹介したい本がございます。それは、この本でありまして、「全47都道府県幸福度ランキング」という本で、東洋経済新報社から出てる、去年出た本だそうです。(本を示す)実は、私の親しい友人が、東京の友人が、きのうちょうど送ってきていただきまして、これおもしろいから読んでみなということで、ずっと目を通しました。非常におもしろくて、ぜひ皆さんにもまた御参考までにお話しさしていただきますが、どの県が一番幸せかという、幸せの幸福度ランキングなんですね。
 それで、あの県だとかこの県だとかいろいろ想像できると思うんですが、ここに書いております──これ、参考まで、寺島実郎さんが監修された本なんですが──1番がやっぱり福井県なんですね。で、ワンフレーズで福井県のことを書いておるのは、「日本一の学びと育ちの場を提供する福井」ということでありまして、日本一ですね。教育長、ちょっと耳が痛いですね。こういうふうな形。2番目がどこかといいますと、東京都なんですね。東京都は、もうこれは言わずと知れた圧倒的な経済力と文化の基盤を有する東京都ということです。
 それで、我が県、和歌山県は何位になるかと、この本で。(「3番」と呼ぶ者あり)3番は、長野県なんです。もちろん4位以下なんですが、何とこれずっと調べますと、出てくるのは最後に近いんですね。47都道府県中41位なんです、総合得点が。まだ後ろありますが。これ、ワンフレーズで和歌山県のことを紹介してますが、いいように書いてるんです。評価してるんですよ。「安心して介護を行うことができる和歌山県」ということです。
 それで、この内容を少し読ましていただきますと、ホームヘルパーの数が日本一多いと。で、少し違う評価なんですけれども、気分、感情障害、つまり鬱などの受療者が非常に少なくて、悩みやストレスのある者の率が非常に低いと。余り和歌山の人は悩まないというか、ストレスがたまっていないということもここに書かれています。
 それで、きょうの私のというか、今までの私の質問とも関連するんでありますが、一方で健康診査受診率が全国で45位、平均寿命が43位と低く、健康に対する意識を喚起する取り組みが必要であるというふうにここに書かれてます。それとまた、これもこの場でいろいろと議論されておりますけれども、若者の完全失業率が全国で38位と、非常に高いそうです。それから、正規雇用者比率が全国で39位。逆にこれは低いということで、雇用面での対応が求められているということで、非常に的を射たことを書かれておりますんで、また御興味ある方、お読みいただきたいと存じます。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、質問さしていただきます。
 今回は、この4年間の総括として、これまで質問し、当局の皆さんから御回答をいただきましたことについて、その後の成果や今後の見通しについて御答弁をお願いいたしたく存じます。
 まずは「健康長寿日本一わかやま」についてでありますが、この言葉は、何度も申し上げますとおり、平成20年4月発行の和歌山県長期総合計画に載っているものであります。そして、なぜ私がこの言葉に目がとまったかといいますと、平成15年12月、私がこの場に初登壇したときから問題提起をいたしております和歌山県の急激な人口減少問題が根底にあったからであります。それから、この後も国勢調査の結果が出るたびに、それらをベースにして国立社会保障・人口問題研究所の示す人口推計に従い、和歌山県及び県下市町村の将来人口と高齢化率を提示し、その上での政策についてただしてまいりました。
 また、昨年の9月議会では、元岩手県知事で、第1次安倍内閣と福田内閣で総務大臣を務められた増田寛也氏が座長を務める日本創成会議によると、2040年には全国の市町村のうち約半分、896の市町村が「消滅可能性都市」、つまり市町村という名前が挙げられ、また、人口1万人以下で消滅可能性が高い市町村を加えると、我が県、和歌山県では、30市町村のうち何と25の市町村がそれに該当するということであり、衝撃的なデータを提示いたしました。もちろん、現実はそのように進むかどうかはわかりませんが、このことを十分念頭に置いて、今後の人づくり、地域づくり、そして和歌山県づくりを考えていくことは絶対必要であると私は思います。
 そこで、人づくりについて考えたとき、私たち現役世代を含めて元気で一生を全うすることができれば一人一人にとって幸せであり、また行政にとっても少しでも負担を減らすことができると思い、この県が目標とする健康長寿日本一わかやまを取り上げた次第であります。
 しかし、健康寿命について調べたことを平成25年9月議会で皆様にお示ししたとおり、和歌山県は、健康寿命が平成22年度、全国ランキングで男性42位、女性46位という低位であることがわかりました。ちなみに、そのときの65歳以上の介護認定率、平成22年ですが、全国で3位であるということでありました。
 それらの原因はいろいろと考えられますが、やはり健康の3つの要素である運動、栄養、休息のとり方に問題があり、特に運動面で和歌山県民は余り歩かないということがわかってまいりました。
 実は、先ほど御紹介したこの本にもそのことが載っておりまして、健康面で平均歩数というのが和歌山県が全国でやっぱり42位であるということであります。つまり、ふだん余り運動しないということがわかってまいりました。その原因は、公共交通機関が余り発達していないので車や単車での移動が多いということも指摘されております。
 そこで、まず子供のときからの体力はどうかと調べてみたところ、これも平成24年9月議会でお示ししたとおり、体力合計点数が平成19年度から平成23年度までの5年間で、小学校から高校まで全国平均を一度も上回ったことがなく、また、学年が上がるほど全国平均との差が大きくなっているということでありました。
 そこで、健康長寿日本一を目指すためにも、もっと子供のときから体力の向上を図るため、身体教育、つまり体育に力を入れるべきではないかと提案したところ、ロンドンオリンピック女子体操競技日本代表で本県出身の田中理恵さんや紀美野町のりら創造芸術高等専修学校の協力も得て、平成25年11月に本県オリジナルとなる紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスというものを創作されたことは、皆さんもよく御存じのとおりであります。
 それも含めて、現在までどのような取り組みをし、現状はどうであるか、そして今後の見通しについて、教育長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 幼少期から運動習慣を身につけさせ、体力を向上させることは、生涯にわたって健康を保持・増進し、豊かなスポーツライフを送る上で大変重要であり、議員御指摘の県民の健康長寿の基礎になるものと考えております。
 これまで、市町村教育委員会との連携のもと、積極的に学校訪問を行い、授業改善のための教員研修を充実させるとともに、各学校において体力調査結果に基づく体力アッププランを作成し、学校一丸となった計画的な取り組みを進めてきました。さらに、県内の小学校で取り組んでいるきのくにチャレンジランキングの活用は年々増加し、現在63%までになり、運動機会の拡大につながっています。
 その結果、平成26年度の全国体力調査においては、小中学校とも体力合計点が平成20年の調査開始以来最高となり、小学生では3年連続で全国平均を上回りました。
 課題といたしましては、運動する子としない子の二極化傾向、女子の運動離れ、さらに、中学校以降において学年が上がるほど全国との差が開く傾向が挙げられます。
 そのため、新たに幼児期の運動遊びを盛んにするよう取り組むとともに、現在、県内の約7割の学校で活用している紀州っ子かがやきエクササイズ&ダンスを全ての学校で活用するよう積極的に促進するなど、家庭や地域を巻き込んださまざまな体力向上の取り組みを進めてまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 大変この成果が出ているということで、うれしく思います。今後も、決して気を緩めることなく、せめて全学年で全国平均を上回っていただくように期待をしておりますので、引き続き頑張っていただきたいと存じます。
 それでは次に、ラジオ体操についてお伺いいたします。
 長寿社会を実現するに当たり、和歌山県では、高齢者について平成16年に県長寿社会推進課が和歌山大学の本山貢教授に依頼したところ、シニアエクササイズというものを考案し、県下でも実践され、高齢者の体力づくりに貢献していることは御存じのとおりであります。
 そこで、高校を出てから高齢者、つまり65歳になるまで、ミドル層に対して効果的な運動をということでミドルエクササイズを私が提案したところ、平成25年2月議会において教育長が、それなら県民、国民がなれ親しんでいるラジオ体操がいいということで、それをもって体力づくりをしようということになりました。
 平成25年9月議会では、具体的に、それでは26年度はラジオ体操の指導者を県下で200人、また正しいラジオ体操を15カ所程度で約1000人の県民の皆さんに体験してもらうということを明言されました。
 具体的な成果と今後の取り組みについて、教育長、お答えください。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今年度、県内22カ所で指導員養成講習会や体験会を開催し、目標を上回る726人の指導員を養成するとともに、1578人の方々に正しいラジオ体操を体験していただきました。また、地域婦人会や公民館の高齢者学級など12の団体やグループからの要望にお応えし、「出張!県政おはなし講座」を実施するなど、健康への意識啓発やラジオ体操の実技指導にも積極的に取り組んでまいりました。
 そうした取り組みが市町村にも少しずつ浸透し、新たに海南市に16カ所、新宮市に6カ所、住民の方々が定期的にラジオ体操を楽しむ拠点もできるなど、把握する限り、県内50カ所程度でラジオ体操が実践されており、県有施設におきましても、和歌山ビッグホエールや県立体育館、紀三井寺公園陸上競技場で定時に音楽を流し、エントランス等でラジオ体操を行う取り組みも始まるなど、地域での活動の輪も広がってきていると実感しております。
 今後とも、市町村教育委員会や総合型地域スポーツクラブなどと連携するとともに、役割を分担しながら養成した指導員の方々に御活躍いただく機会を提供できるよう、引き続き積極的に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、大変ありがとうございました。
 ラジオ体操の指導者、200人のところを726人という方が指導員の養成講座を受講して、そのうちNPO法人全国ラジオ体操連盟認定の資格を希望するという方が、402名の方が意向を示されたということで、実際に取得したのは227人であったそうですが、それでも200人を超えたということは大変な成果があったと思います。
 実は、私もそのうちの1人でありまして、ここの胸につけておりますのは、これ、ラジオ体操連盟の指導者のバッジでございまして(「教えてや」と呼ぶ者あり)教えますよ。
 しかし、これいつも──ちょっと今停滞ぎみなんですけど、それじゃ次にどうするんだと。これ、やっぱり次の課題ですね。地域や職場で実践し、日常化させていくためには、まだまだ先の長い課題でありますので、そのように認識をしておりますので、引き続き頑張っていただきたいと思います。
 私は決してラジオ体操の普及員ではないんですが、文教委員会では先輩の吉井議員から「浦口君はラジオ体操しか知らんのか」というようなやゆをされながらも、決してぶれることなく、このことをずうっと今まで言い続けておりますし、その結果、それだけ227人、それから1500人を超えるラジオ体操の経験、これは和歌山県にとっても大きな財産になると思います。
 これは、あくまでも県の長期総合計画に書かれている健康長寿日本一わかやまを実現させるための運動の一手段としてラジオ体操をということで、私、言っておりますので、その点、御認識いただきたいと思いますが。
 次に、健康長寿日本一わかやまは、今も申しましたとおり県全体の目標であり、ラジオ体操は県民の幸福追求の方法であるということを考えれば、単にこれは教育委員会だけの問題として捉えるのではなく、他の方法も考えてはどうかと思います。
 そこで思い出してほしいのは、平成25年9月議会、当時の塩崎環境生活部長の答弁で、和歌山におけるNPOの成功事例である紀州よさこい祭りの手法を生かし、市民力の向上を目指すということでありましたが、この手法をラジオ体操の日常化に生かすことを考えればいいのではないかなと私は考えております。
 もちろん、このよさこいのような同好の士が集うものと、ここでは保健体育的な目標を掲げるラジオ体操とでは意味合いが異なることも十分理解はしておりますけれども、環境生活部長、市民活動の知恵と力をラジオ体操に活用することができないのか、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) お答えをさせていただきます。
 議員御指摘のありました紀州よさこい祭りは、和歌山を元気にしたいという若者の思いから始まったお祭りでございます。行政の主導ではなく、地域を盛り上げていこうとする地域リーダーが中心となって運営をし、地域の活性化に多大の貢献をしているお祭りであると考えてございます。和歌山における市民活動の模範となるものと考えているところでございます。
 この紀州よさこい祭りのように、県民みずからが自発的に地域に存在するさまざまな課題の解決を図り、地域社会をより豊かにしていこうとするのが市民活動、そのように捉えている次第でございます。
 ラジオ体操の普及につきましては、運動、体力づくりのためという目的を持っていることであれば教育委員会が、また健康増進のためであれば健康づくりを担当する部門が、その任務を担って日々努力をしているというふうに考えているところでございます。
 今後、地域で活動している市民活動団体と連携を深めていくことも、これを進めていく上で非常に有効な方法であると思ってございます。市民活動の活性化が地域の元気につながるものであることは言をまちません。市民活動団体がラジオ体操の拡大に取り組んでいただければ、ラジオ体操の普及を通じて体力づくり、健康増進が一層推進できるものと考えている次第でございます。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 環境生活部長、ありがとうございました。
 部長の言われることはごもっともなんですが、先ほども申しましたとおり、このラジオ体操というのは、ラジオ体操のためのラジオ体操じゃないんですね。健康長寿日本一わかやまを実現するという県の大きな目標と認識していただけるならば、もっと環境生活部も積極的な対応を望むものであります。これは要望でございます。
 次に移らしていただきます。
 次に、健康推進員制度についてであります。
 これは、御案内のとおり健康長寿の先進県である長野県の保健補導員制度を学んで、平成25年9月議会で私が健康推進員を提案し、それを福祉保健部長は了解し、具体的には平成26年度で年間500人、5年間で2500人の健康推進員をつくると明言されましたが、この1年間の成果はいかがであったでしょうか。福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 今年度から開始しました健康推進員制度につきましては、現在、22の市町で578名の健康推進員の養成を行い、検診等の啓発チラシの各戸配布や呼びかけ、健康教室への参加、健康イベントのサポーターとしての協力活動、介護予防教室での健康講話など、地域に密着した活動を行っていただいております。
 県といたしましては、平成27年度において、全市町村で年間500名の健康推進員の養成を目指し、県民の健康づくりの草の根運動をさらに広げてまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、ありがとうございました。
 年間500人の目標に対して健康推進員578人を養成されたということで、引き続き来年度も頑張っていただくようお願いをいたします。しかしながら、仏つくって魂入れずというか、そういう言葉がございますので、ぜひこの名前だけではない、実働部隊、内容の濃い健康推進員を養成していただきたいと要望をいたしておきます。
 この項の最後に、健康長寿日本一わかやま推進会議についてでありますが、健康で長生き日本一の和歌山県を目指すのであれば、県庁の一部の部署だけではなく、広く庁内の総力を結集していかなければ到底これは実現できないということで、福祉保健部を中心に4部10課1室で平成26年2月に立ち上げていただきました。健康長寿日本一わかやま推進会議を立ち上げていただきましたが、その後、どのように協議会が進められているか、その内容について、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 健康長寿日本一わかやま推進会議につきましては、これまで3回会議を開催し、構成各課室における健康づくり関係事業について取りまとめ、関係課室が横断的な連携を行える事業について検討してきたところです。
 平成27年度においては、啓発、イベントの共同開催や、健康運動指導士やラジオ体操指導員等の人材の活用による健康教室の開催等、相互に連携することにより一層高い効果が得られる事業の推進に一致団結して取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、ありがとうございました。
 健康長寿日本一わかやま推進会議、これまで3回開会されたということで、たまたま偶然なんでしょうが、その3回とも私がこの議会で質問する直前に開会されているということでありますんで、いずれにしろ、やっていただいてることは大変ありがたいことですから、相互に連携しながら一層の高い効果を得られるように福祉保健部長のほうでリーダーシップを発揮していただくことと、もう1つ要望ですが、ぜひ御協議の上、先ほど答弁に立っていただきました環境生活部のNPO・県民活動推進室にも推進会議の中に入っていただけるように、ぜひ御協議をお願いしたいと存じます。これは要望であります。
 それでは、ここで質問の内容をがらりと変えまして、昨年9月議会で提案いたしました和歌山駅中心コンパクトシティーについての関連で、連携中枢都市圏構想について質問さしていただきます。
 この連携中枢都市圏構想というのは、実は総務省の地方中枢拠点都市圏と国土交通省の高次地方都市連合、さらに経済産業省の都市雇用圏という3つの構想がこの1月28日に1つになったものであります。
 私が登壇するたびに、和歌山県はこれから他府県より早く本格的な人口減少と高齢化が急速に進むということ、つまり、一言で言うと人口激減・超高齢先進和歌山県ということを枕言葉のように発言してまいりました。特に、先ほど申し上げましたとおり、増田寛也氏が座長を務める日本創成会議の発表によると、あと25年後、2040年には消滅可能性都市、消滅可能性市町村が、現在の和歌山県30市町村のうち、実に25市町村がその中に入ってくるというショッキングな予測を示さしていただきました。
 そのような中での対策として、若者に魅力ある地域拠点都市を中核とした新たな集積構造を目指すべきであるということで、政令指定都市及び中核都市で人口20万人以上、昼夜人口比率1以上の都市を中心に高次の都市機能を図るべきと増田氏は提言し、わかりやすく言うと、人材のダム機能づくりを集中的に行うべきであるという主張でありました。
 総務省でも、地方中枢都市圏構想として全国で中核都市を中心に61市を選択し、既に9つの地域で指定され、和歌山県内では唯一和歌山市がこの61市の中に入っているため、一日も早く指定されるよう国や和歌山市に働きかけるべきであると提言をし、県も中枢拠点都市構想の検討に積極的に支援していくということでありました。
 しかし、先ほども申し上げたとおり、政府で連携中枢都市圏構想として1つにするということでありますが、県としてはこれをどのように捉え、今後、国や和歌山市及び近隣市町に対して働きかけていくのか、総務部長、お答えください。
○議長(坂本 登君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 議員御指摘のとおり、地方中枢拠点都市圏構想につきましては、昨年12月27日に閣議決定されましたまち・ひと・しごと創生総合戦略を踏まえまして、国の省庁間で重複いたします都市圏概念を統一し、連携中枢都市圏構想として本年1月28日付で要綱が改正されたところでございます。
 県としましては、この構想を圏域の活力ある社会経済を維持するための有用な施策の1つというふうに捉えており、連携中枢都市の要件を満たす和歌山市と協議を重ねるとともに、近隣の市町に対しましては、制度の説明、情報提供を行うなどの支援を行ってきたところでございます。
 現在、和歌山市及び関係市町におきまして、この連携中枢都市圏構想を含めた広域連携のあり方について事務的な議論が行われているところであり、県としても、引き続き、活力ある経済、生活圏の形成に向けまして必要な支援を積極的に行ってまいりたいというふうに考えております。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 総務部長、ありがとうございました。必要な支援を積極的に行ってまいりたいということで、これも大変うれしく思っております。
 実際に、これはなかなか和歌山市さんだけでは難しいんではないかと私は直感するわけで、ぜひとも強力なサポートを要望いたしたいと存じます。
 以上でございます。ありがとうございました。
 次に、本題のJR和歌山駅中心コンパクトシティーについてですが、ここではそれに向けた都市政策について伺いたいと存じます。
 最近、全国的に人口減少が叫ばれる中、都市を広げないでコンパクトにまとめていくということが大変大事であるということが至るところで言われるようになってきました。しかしながら、コンパクトにまとめるといっても、何を基準に、また何を中心にまとめるのかということについては、余りはっきりとした考え方が伝わっておりません。
 私は、公共交通機関の中心になるところ、つまりターミナル駅を中核とすることが最適なコンパクトシティーと考えており、それは、和歌山市の場合、JR和歌山駅であると認識しております。特に、今後、人口減少と同時に起こってくる急速な高齢化を考えると、市民の足としての公共交通機関が非常に大事であり、JR和歌山駅の重要性ということは今後さらに大きくなってくるものと考えられます。
 そのようなことから、昨年9月議会で、JR和歌山駅のターミナル化をより進めるために南海本線のJR和歌山駅乗り入れを提案したところ、野田企画部長は、県としてもJRや南海電鉄に積極的に働きかけるということでありました。
 そこで、JR和歌山駅を中心とした町なか活性化によるコンパクトシティーの実現に向けた都市政策をどのように考えるのか、県土整備部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) JR和歌山駅は、大阪方面、奈良方面から県南部へつながる鉄道のターミナル駅として、また多くのバス路線の発着点として、人流、物流の集まる重要な交通結節点であるとともに、和歌山県経済の中心の1つとして町なかの活性化を図っていく上で重要な拠点であると認識しております。
 また、和歌山市においても、当該地区については、商業、医療、居住機能などから構成される市街地の再開発を計画する準備を進めております。
 このため、県としましては、今年度から県土整備部、企画部、商工観光労働部がJR和歌山駅前活性化協議会に参画するとともに、市、JR西日本と県との3者により情報の共有や意見交換を行う場を設け、事業の具体化が図られるように取り組んでいるところです。
 都市の再生に当たっては、都市の外縁部への拡大をとめて既存市街地などの拠点の再開発を行うなどによりコンパクトな町なか居住を進めていくことが大事であり、再開発を進める上では、拠点となる地区において、居住施設の集積とあわせて、教育文化施設、医療施設、福祉施設、子育て支援施設といった居住者の生活を支えるための都市機能施設の立地や集約などを図ることが肝要であります。
 県としましては、引き続き市とも連携して、郊外部での開発抑制とともに、JR和歌山駅周辺を初めとする町なかの再生に積極的に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 県土整備部長、大変ありがとうございました。
 今の御答弁で、県としてもJR和歌山駅を重要な拠点と考えていることは十分わかりました。それだけに、JR和歌山駅を中心としたコンパクトシティーの未来図を和歌山市とも協力してはっきりと描いて町なかの再生の起爆剤としてもらうことを私は要望をいたしておきます。ありがとうございます。
 次に移らしていただきます。
 次に、阪和35分通勤快速電車に関連した南海本線のJR和歌山駅への引き込みについてですが、平成25年9月議会で、和歌山の再生のためには大阪を和歌山に近づける、つまり、通勤時間を短くすることによって和歌山に若者を引き戻すという趣旨で質問をいたしました。
 そのとき、JRの紀州路快速ではJR和歌山駅から天王寺駅まで65分、また南海本線では和歌山市からなんば駅まで特急サザンでも63分かかり、これをせめて特急くろしお並みの40分程度で走らせることができないかという質問をさしていただきました。それに対して野田企画部長は、「利用者の利便性を損なうことから、現実的には困難」という答弁でしたが、また、「大阪と和歌山の時間距離の短縮は、本県にとって交流人口、定住人口の拡大や地域の活性化につながることが期待されますので、少しでも所要時間が短縮されるようJR西日本に働きかけてまいります」ということでした。
 しかし、平成26年9月議会では、JR和歌山駅中心コンパクトシティーの中で、南海本線をJR和歌山駅に引き込んだらどうかという私の提案に対して、「実現に向けて積極的に取り組んでまいります」という力強い御答弁を野田企画部長からいただきました。
 もしJR和歌山駅に南海本線を引き込むことが実現することによって、和歌山駅のターミナル化が進むと同時に利便性が高まり、連携中枢都市圏構想のところでも申し上げたように、高次の都市機能を持ったJR和歌山駅中心のまちづくりが可能になると私は思っております。
 また、単純に考えて、大阪の終着駅は天王寺となんばと違っていても、十分考えられるのは、このJR線と南海本線が並行して走ることによって、和歌山駅から発着で走ることによってサービス合戦により時間短縮も可能になり、結果として、将来的にですが、阪和35分通勤快速も不可能ではなくなると私は確信をいたしております。
 そこで、南海本線のJR和歌山駅への乗り入れについて、その後、どのように取り組んでこられたか、企画部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 議員御質問の鉄道路線の乗り入れの取り組みについてでございますが、南海本線がJR和歌山駅まで、また貴志川線が南海和歌山市駅まで、加太線がJR和歌山駅まで乗り入れるなど、鉄道の相互乗り入れにつきまして、鉄道事業者及び和歌山市との間で実現に向けた課題を研究する勉強会を立ち上げまして意見交換を行っております。また、県と和歌山市が相互に連携して解決を図るべき重要な政策課題について意見を交換し、連絡調整を図るために設けております和歌山県・和歌山市政策連携会議におきましても、和歌山市と協議を行っているところでございます。
 これまでの議論を通じて、勉強会において確認できた主な課題といたしましては、以前から把握しておりました自動列車停止装置など保安設備の相違、車両幅の相違のほかに、和歌山駅─和歌山市駅間には車両が対向できるスペースがなく、現行の運行本数を維持するためには車両が対向できるスペースを設ける必要があること、貴志川線、加太線が2両編成であるのに対し南海本線が4両以上の編成であり、駅ホームの改良が必要であること、JR和歌山駅において、紀勢本線が入線している8番ホームの線路位置の高さと貴志川線が入線している9番ホームでは約60センチの差があるため、その改良が必要であること、乗客が相互乗り入れをスムーズに利用するには貴志川線の全ての駅で自動改札機が整備されることが必要であること等の課題が出てまいりました。
 このように、克服すべき新たな課題も出てきているところではございますが、鉄道路線の乗り入れにつきましては、まちづくりと一体となった持続可能な地域交通ネットワークを再構築するためにも大変重要でありまして、これらの課題を1つ1つ克服すべく、今後も鉄道事業者及び和歌山市と一緒になって引き続き精力的に議論を進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、ありがとうございました。
 いろいろと難しい問題があることは私どもも重々承知しているんですけれども、ここで最後に、今後も鉄道事業者及び和歌山市と一緒になって引き続き精力的に議論を進めてまいりたいということで、これ、「精力的に」ということは、「積極的」以上に重い言葉であると私は受けとめておりますので、あとしばらくでありますけれども、ぜひとも1歩も2歩も前に前進さしていただきたいと強く要望いたしておきます。ありがとうございました。
 それでは、最後になります。
 先ほど来申し上げてますように、阪和35分通勤快速電車という発想自体、少しとっぴに聞こえるかもしれません。いらっしゃる方も多いかもしれませんが、ふだん私どもが和歌山市でいろんな方とお話しする中で、自分の息子さんや娘さんが東京や大阪の大学を出て和歌山にいないという方、そういった方にたくさん出会うことがございます。しかし、東京で今勤められている和歌山出身の方を和歌山へ戻して東京へ毎日通えと言うことはできませんけれども、京阪神、特に大阪の企業に勤めている場合は、通勤時間さえ短ければ和歌山から通うことができるのに、いいのにねというようなお話を、多くの方からそういったお話を聞くことがございます。
 これは、あくまでも私が接した方や私自身が感じていることですけれども、そこで一度、和歌山─天王寺間の通勤時間短縮のための意識調査について、県も市とも協力をして実施してはいかがでしょうか。もし客観的に見てそのような要望が多数ある場合、次の段階として、それこそJR西日本と交渉して、例えば実験的に特急くろしお号ぐらい、つまり、まず40分程度の和歌山から天王寺までのJR線を朝夕1本ずつでも走らせることは可能になるのではないでしょうか。企画部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 和歌山─天王寺間の時間短縮についてでございますが、県としても、通勤・通学利用者の利便性が向上するだけでなく、人口拡大や地域の振興につながるものであり、大変重要であると考えております。
 この件につきましては、平成25年9月議会で浦口議員から阪和線の時間短縮実現に向けての御質問をいただき、また、県民の皆さんからもたびたび要望もいただいておりますので、JR西日本に対し継続的に働きかけを行ってまいりました。
 しかしながら、和歌山─天王寺間の運行状況については、約20年前の関西国際空港開港前には快速列車の平日の運行本数が104本であったのに対し、現在は146本と約1.4倍に増加しており、中でも議員御指摘の通勤・通学時間帯については、現在、平日の午前7時から9時台では、特急列車が8本、快速列車が31本、普通列車が19本の合わせて58本に及ぶ速度や停車駅の異なる列車が運行しております。このため、阪和線は上下線及び普通列車を待避させる場所ともに過密状態であり、通常40分台前半で運行している特急くろしおも、この時間帯は57分を要しているのが現状でございます。
 このように、和歌山─天王寺間の大幅な時間短縮を実現するのは極めて困難な状況ですが、大阪までの時間短縮や座席の確保等による快適性の向上などにつきまして県民の強い要望があることは、県及びJR西日本とも十分承知しているところでございます。
 県といたしましては、本県からの通勤・通学利用者が多い阪和線について、快速列車の増便や新型車両の導入など、少しでも速く快適となり利用者の利便性が向上するよう、引き続きJR西日本に対しましてさらに強く働きかけを行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 企画部長、どうもありがとうございました。
 一言で言って、もう意識調査などするまでもなく、県民の和歌山─天王寺間の時間短縮の希望が非常に強いということがよく理解されました。
 しかし、現実にはいろいろと難しい問題があるということもよく理解いたします。特に朝のラッシュ時、本数の多さや、大阪府内に入ってとまる駅の多さ、そのことを、大阪府民の皆さんのことを考えるとなかなか前に進まないということもよく理解しておりますけれども、我々はあくまでも和歌山県の立場を強く主張するべきであって、和歌山ファーストなんですよ。和歌山が全てであるという思いに立ってJR西日本とも強く交渉を今後していただきたいな。そのことをあえて申し上げまして、私の質問とさしていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は2月23日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時32分散会

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