平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第150号から議案第193号まで、並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 21番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 おはようございます。
 仁坂知事、先般の選挙では見事に3選されました。心からお祝いを申し上げたいと思います。ぜひ県民の期待に応えて、大いに頑張ってくださることをお願いしておきます。
 最初に、大学設置による産業振興について質問します。
 今秋、ノーベル物理学賞は、カリフォルニア大学サンタバーバラ校の中村修二教授ら3人の日本人が受賞の栄誉に輝きました。受賞理由は、中村教授が日亜化学勤務時代に今世紀中は不可能と言われた青色LEDを発明したことです。現在、安倍内閣では地方創生を提唱していますが、地方創生のお手本として私はこの中村教授の例を一番に挙げたいと思います。
 ノーベル賞受賞者の大方の人が大学の研究者であることから、地域発展には大学が不可欠と思っていますが、今回の中村教授の受賞で、さらに2つのことがわかりました。1つは、地方大学の出身でもノーベル賞はもらえるということ、もう1つは、ノーベル賞級の発明が1つあれば地方の中小企業でも大会社になれるということです。地方大学については改めて質問することとし、今回は発明が会社を劇的に成長させた実例について注目いたします。
 日亜化学は、徳島大学薬学部を卒業した小川信雄氏が、戦後、GEから蛍光体の日本での製造権を購入し創業した徳島県阿南市の会社で、中村教授が就任したころの従業員数はわずか110人、青色LEDを発明した1993年ごろでも200人足らずのどこにもある中小企業でした。それが発明以後は売り上げが倍々で伸びていき、現在は売り上げがおよそ3000億円、従業員数はグループ合わせて約8300人の大会社に成長しました。阿南市や徳島県の発展にも大いに寄与したと聞いております。
 同様に、和歌山にも大学をつくることができたら、研究者を集め、人材を養成することで産業や文化が興せるのではないでしょうか。
 最近、仁坂知事は、県立医科大学に薬学部をつくりたいと積極的に発言されておられます。新薬の開発は大資本でなければできないと言われる中、新薬の発明は25%が大学です。しかも、医学部や大学病院との連携は新薬開発に大変有効と言われています。知事の発言に大変頼もしく思うと同時に、早期の英断をお願いしておきます。
 しかし、私は、薬学部以外にも、誘致も含めて本県にもまだ設置の可能性があると考えています。
 例えば、世界の成長産業と言われる分野、すなわち医療系工学部の設置や宇宙・航空関連大学を白浜空港に誘致して宇宙航空機産業の振興を図ることや、海洋関連大学を誘致して海洋開発を行うこと、地場産業の発展に直結する化学、機械工学の増設を和歌山大学に要請すること、世界中で8億人が飢えている状況で食料を生産する農学などは大いに可能性があります。大学設置について県の取り組みを知事に伺います。
○議長(坂本 登君) ただいまの中村裕一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 大学は単に教育機関というだけでなくて、若者の進学機会の確保、専門的知識・能力を備えた人材の輩出、地域の学術・文化振興や産業振興という観点から地域活性化を図る上で極めて有意義なツールであると認識しております。
 本県では、これまで県立医科大学の定員増や保健看護学部の博士課程の設置、和歌山大学の観光学部の設置支援などを行ってきたところでありますが、学生の数が減って大学が──これは一般論でございます──全国で学生の数が減って大学が経営で大変な苦労をしている中、うまくいく可能性が高いのは専門職業人の育成校であると考えております。もちろん、民間でやっていただける可能性があれば何でも大いに歓迎でございますんで、誘致したいと思っております。
 そうしたことから、現在、県立医科大学の薬学部の設置の可能性について内部的な検討を前向きに進めているところでございまして、議員御提案の医療系工学や航空関連大学などについては、やっていただけるという主体があったらもちろん歓迎なんですけど、丸抱えというのであると、これは県財政への影響とか少子化の中での事業採算性等とか大変難しい課題もありますので、今後もチャンスをうかがってまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 以前にも申し上げましたが、一昨年、秋田県の国際教養大学というところに参りました。ここは授業を全て英語で行うということで大変有名でありますけども、和歌山と同じように地方で、しかも、公立で全国から優秀な先生、学生が集まって、しかも、できて10年ぐらいで偏差値もすごく高い大学になったと聞いておりますし、卒業生も立派なところに就職をされたと聞いております。私は、要はやり方だというふうに思っておりまして、ぜひ積極的な取り組みをお願いしておきます。
 次に、がん対策について3問質問します。
 私は、3年前、父を急速に進行する小細胞肺がんで亡くしました。その教訓から、第一は、がんにならない生活を送ることだと思いました。私は、たばこをやめて12年近くなりますが、もっと早くやめておけばよかったと思っています。
 県においては、議員提案でがん対策条例が制定され、条例に基づくがん撲滅計画が策定されています。肺がん初め、がん死亡率が異常に高い本県の汚名返上のためには、普通にやっていてはとても無理で、計画を画餅に終わらせないよう積極的な取り組みをお願いします。
 しかしながら、どうしてもがんになる人は出てきます。がんになった人をどう助けるか、これは県政の大きな課題です。
 10月初旬、県議会福祉環境委員会で兵庫県立粒子線医療センターを訪問しました。同センターは、兵庫県たつの市の播磨科学公園都市にあり、5.9ヘクタールの広々とした敷地に重粒子線、陽子線の2つの粒子線治療装置を備え、50床の入院施設を併設した建築面積1万6000平米、総工費270億円の先端医療施設です。
 粒子線のうち重粒子線は、がん細胞の増殖を抑えるため遺伝子を真っ二つに切断する威力があり、陽子線も遺伝子をかなり痛めつける力があるとされています。しかも、エックス線のように途中の正常細胞に悪影響がなく、治療も短時間で、体の負担が軽くて済みます。中身も外観も立派な施設に大変驚きました。
 「百聞は一見にしかず」と申しますが、訪問して初めてわかったことがありました。それは、同センターが世界に開かれた先端医療施設として世界中からがん患者を受け入れるとの方針を掲げていることです。しかも、兵庫県民だけではなく、全国民に対して治療費280万円余を貸与する制度も用意しています。以前は治療まで半年かかった待機時間も、最近では粒子線治療が全国的に普及した結果、約2週間に短縮され、病院などの紹介がなくても受け入れてくれます。
 何年か前に、友人の兵庫県議を通じて同センターへ知人を紹介していただいたことがあります。私は、それまで粒子線治療についてよく知りませんでしたが、裕福な兵庫県をうらやましく思うと同時に、本県でも何とか先進医療ができないものかと思いました。
 以来、京大原子炉実験所の小野公二先生からホウ素中性子捕捉療法の進捗状況を伺うなど、先進医療に注目し、どうすれば本県でもできるのかと考えております。そんな中、今回の訪問で、兵庫県立粒子線医療センターが治療費を貸与してでも世界中から患者を受け入れるとの説明を伺い、感激いたしました。
 幸い、同センターの初代所長で現在名誉院長の菱川良夫先生は和歌山市の御出身ということも伺い、ぜひ本県とも連携すべきであると強く感じました。本県や県立医科大学との連携について、県の考えはいかがでしょうか。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 兵庫県立粒子線医療センターでは、和歌山県立医科大学附属病院などの県内医療機関の主治医との連携により、県内から年間10人を超える患者が治療を受けております。
 県では、和歌山県がん先進医療支援事業において、がんの先進医療を受ける患者の支援を実施していることから兵庫県立粒子線医療センターとも情報交換を行っており、今後も連携を密にしていきたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 大体、質問をすると「やってる」と必ず答えるんでありますけども、県会議員である私が初めて行って知ったぐらいですから、大方の県民の皆さんは知らないと思うんです。大いにPRをして、混雑してしまうと困りますけども、ぜひ命を助けてあげていただきたいというふうに要望しておきます。
 続いて、質問を行います。
 3番目には、先進医療支援制度の継続とがん保険について質問します。
 私は、あるとき、いとこからがん保険に加入をするよう勧められました。しかも、2口ぐらいがいいとのアドバイスでした。その理由として、がんになったら家族はそのうち体よりもお金のことが心配になってくるというのです。「地獄の沙汰も金次第」と言いますが、幾ら医学が進歩してもお金がないばかりに命が救われないとは、まことに悲しい思いがいたします。
 そういう意味で、先ごろ創設された先進医療支援制度はまことにすばらしい制度であり、基金終了後は、ぜひ県費を支出してでも継続するよう要望しておきます。
 また、県費にも限界があることから、みずからの命はみずから守るという観点で、がん保険の普及も並行して推進すべきと考えますが、御所見を伺います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 国民健康保険等、公的な医療保険の対象となるがんの治療では高額療養費制度などが整備され、自己負担の軽減が図られておりますが、公的な保険が適用されない粒子線治療などを選択したときは医療費が高額になることがあります。そのようなリスクに備えるために、がん保険が民間の保険会社により提供されており、有効な手段の1つであると認識しております。
 県では、県民の皆様がより正しくがんを理解し、そのリスクに備えることができるよう啓発していきたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 済みません、1問飛んでしまったんですが、改めて2番目の質問をさせていただいてよろしいでしょうか。
○議長(坂本 登君) はい、どうぞ。
○中村裕一君 それでは、お許しをいただきましたので、2番目の質問を行います。
 先ほど連携について申し上げましたが、私は決して本県での先進医療を諦めたわけではありません。そこで、陽子線治療の本県への導入について質問します。
 最近では、粒子線のうち陽子線治療については30億円程度で買えるようになったと聞いておりますが、県内への導入についてはどのようにお考えでしょうか。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 陽子線治療につきましては、既に先進医療として認められ、全国で10施設が設置されており、3年以内に新たに4施設が設置される予定となっております。近隣府県については、兵庫県と福井県で稼働しておりますが、今後、大阪市や京都市、神戸市に建設が決まっており、計5施設になる予定です。
 県では、採算性や対象患者数などさまざまな角度から検討を加えたところ、現状では設置は困難と考えております。今後、運営コストや放射線治療における技術革新など、状況が変われば改めて検討してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 和歌山県は、残念ながらがんで亡くなる人の率がほかよりも高いわけでありまして、ほかと同じ程度であれば一向に改善しないわけでありまして、私はやっぱり特別に取り組んでいく必要があると思います。
 それで、先進医療のうち粒子線の治療の導入について、県のほうでもいろいろ御検討されたというふうに聞いておりますが、例えば、その計算の中には、患者は和歌山県内だけしか来ないというようになってるんではないかと思いますが、すばらしい医療であれば、当然隣の人口のいっぱい多い大阪府からも来てくれるでしょうし、また、先進医療を行うためには保険に入っている人が大勢いる、たくさんいる必要があるわけでありますけども、がん保険を勧めることで受診できる人も多くなるわけでありますし、今般創設された先進医療支援制度、こういうものを活用すれば、もっとたくさんの人が受けられるはずでありますから、大いに私は何とかこの汚名返上するというお考えで取り組むべきだというふうに指摘を申し上げておきます。
 続いて、質問をさせていただきます。
 次は、アジア高校生フォーラムについて質問します。
 10月15日、日高高校創立100周年の記念行事としてアジア高校生フォーラムが開催されました。姉妹校の中国・西安中学を初め、西はトルコから東の韓国までアジア各国16の国と地域から高校生ら48人が御坊市民文化会館に集合し、環境や防災、観光、文化などのテーマで意見発表を行いました。
 このフォーラムは全て英語で運営され、準備段階からJICAなどの支援を得て、生徒たちがメールで直接連絡を取り合うなど、積極的に運営にかかわりました。また、アジアからの生徒は在校生の家庭にホームステイし、高野山なども訪問しました。
 日高高校の卒業生でJICAの国際協力推進員の野村実里さんは、「終了後、生徒たちは、言葉や宗教、歴史を乗り越えてお互いに気をかけ、何年もの時をともにした同志のように感じた」と言っています。同じく卒業生の二階俊博先生は、経産大臣在任時に東南アジア版OECDとも言うべき東アジア・アセアン経済研究センターを設立するなど、アジアの発展を図りつつ我が国経済にも寄与する関係づくりに尽力されていますが、常々、本県でもアジアの発展を取り込んで県経済の成長を果たすべきだと提唱されています。
 私は、昨年6月、経産省主催のERIAシンポジウムで、本県でも取り組めるアジアとの関係づくりについて、観光交流に加えて高齢化や防災対策など、本県が大変な思いで取り組んでいる、ある意味では世界的先進分野において参加できること、また、海南市の和雑貨のように小資本でもアジアの地方に進出できる産業があることを説明しましたが、その主役となる将来世代が高校生ぐらいからアジアの人たちと交流し、相互理解を深めるとともに、英語で堂々と討論できる能力を磨くことは、まことに大切です。
 これまでも留学制度がありましたが、全員が留学できるわけではなく、今回のように全校生徒が参加できるシステムは大変有益です。フォーラムに対し知事や教育長から高い評価をいただいたと聞いておりますが、今後とも県内他校等でも継続的に実施できるよう支援制度を創設できないものでしょうか。教育長の御所見を伺います。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) ことし日高高等学校創立100周年記念事業で行われたアジア高校生フォーラムでは、日本を含めアジア17カ国の高校生が自然災害やリサイクルなどの環境問題や観光、文化をテーマに英語による意見交換等が行われ、大変大きな成果をおさめたと伺っております。これまでも、県内の各学校では、姉妹校交流や交換留学等、アジアの高校生との交流機会を設けてまいりましたが、グローバル社会が進展する中、海外の高校生との交流を進めていくことはますます重要になると考えています。
 議員御提案の県内の高校生とアジアの高校生との定期的な交流会の開催につきましては、今後、関係機関の御意見を伺いながら研究してまいります。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 次は、児童館と適応指導教室について質問します。
 本年の学力テストの結果を受けて、学力向上のために学童保育で補習をできないかという意見が多数寄せられたと聞きます。そこで、私も、御坊市内の学童保育所、さらに児童センター、適応指導教室メイトの3児童施設を視察してきました。
 学童保育所は、小学1年生から3年生までの児童を対象に市内4カ所で実施されていますが、私は御坊小学校に設置されている御坊子どもクラブを視察しました。その日は、偶然ボランティアの人たちが紙芝居や絵本の読み聞かせを行っていました。子供たちは、床にきちっと並んで座り、とても楽しそうに聞いていました。読み聞かせが終わると、子供たちは、元気よく運動場に飛び出していく子もいれば、ランドセルをあけて宿題を始める子もいて、まるで自宅にいるような雰囲気でした。
 次に視察した児童センターは、児童福祉法による児童館とのことで、児童に健全な遊びを通して健康なパーソナリティーの発達を援助するところです。御坊市では昭和63年に開設され、多くの子供たちが巣立っていきました。中には、市会議員に就任した人もいます。現在、平日は20~30人、土曜は40~50人の小中学生が通っています。そして、ドッジボールなどの球技や遊具など体を使う遊び、トランプなどのカードゲーム、テレビゲームといった室内遊び、さらに手芸や工作、料理など幅広く、子供たちを飽きさせないメニューが組まれています。また、休日には、釣りやテニス、餅つきも用意されています。私が視察したのは平日の夕方ですが、多くの子供たちでにぎわい、体育館や活動室には元気な明るい声が響いていました。
 次に、児童センターに併設されている適応指導教室メイトを訪問しました。メイトは、御坊市教育委員会が設置、運営する不登校の子供たちの学校復帰に向けた指導、支援を行う教育支援センターです。現在、メイトには市内外から7名の子供が通っており、心の居場所として子供たちの心に寄り添いながら、学習への援助やリラックスタイム、集団活動、野外活動、カウンセリングを行っています。
 私は、学力テストに関連して今回は視察しましたが、3施設について、それぞれの設置根拠となる法律や目的は違えども、学校や家庭以外で子供たちが生き生きと生活できる場所として、とてもよく頑張っていることを知りました。そのうち、児童センターやメイトは御坊市単独予算で運営されており、財政運営は大変と聞きました。当然、職員も臨時職員が頑張ってくれており、何とか国や県も支援できないものでしょうか。
 現在、児童館は県内に108館あり、そのうち36館は休館だそうですが、残りはそれぞれの特色を生かして頑張っています。また、適応指導教室も、12市町、13施設があります。それぞれ運営は、市町単独で頑張っています。ぜひとも国や県の支援ができないものか、福祉保健部長並びに教育長の御所見を伺います。
 なお、今秋の全国学力テストの結果を受けて県教育委員会では改革に取り組んでいますが、学校だけではなく、九九が言えないなど学力が低い子供を発見したときに、児童センターでも学童保育でも行政でも積極的にかかわるべきだと考えます。そういったこともできるようにお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 児童館は、地域における子供たちの健全育成の場として大切な役割を果たしていただいていると認識しております。児童館の運営費につきましては、市町が地域の実情に応じた活動ができるよう地方交付税により措置されております。県におきましては、児童館の創設や改修等に伴う施設整備への支援、児童館で遊びを指導する児童厚生員の質の向上を図るための研修会開催費用への支援を行っているところです。
 児童館では、子供たちの遊びを通して自主性や社会性を高める育成指導、さらには想像力や好奇心を豊かにするさまざまな活動が実施されておりますが、その中において、学力等、子供が持つ課題にも配慮したきめ細やかな活動が行われるよう、児童厚生員の研修に対して助言するとともに、市町にも引き続き支援を行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県内の適応指導教室の設置状況につきましては、現在、12市町、13学級が開設されています。御坊市立児童センター「メイト」を含む適応指導教室では、不登校児童生徒の学校復帰を目指し、相談活動や学習支援、体験活動等の自立支援の取り組みが進められています。
 県教育委員会におきましては、不登校問題を喫緊の課題と捉えており、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーによる教育相談活動を充実させてきたところです。また、各市町においても、地域の実態に応じた適応指導教室を設置し、不登校問題の改善に努めていただいています。
 今後、県が主催するきのくに子どもの自立と共育推進会議や市町村事務担当者会議の中で、適応指導教室の活動内容や運営方法等についてきめ細かな情報交換に努めるなど、当該の市町と連携を密にしながら積極的に支援してまいります。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 既に支援をしてるという御答弁でありますが、私が今回この質問するに当たりましていろいろ御説明を伺いましたが、児童館の運営につきましては、交付税も出てるということでありますが、県のほうで今のところは職員研修に県社協を通じて10万円支出してるのみでありますので、金額が少ないからだめだとは言いませんが、大いに今後とも応援をしてあげてほしいというふうにお願いをしておきます。
 続いて行います。
 最後に、県行事での生花、生の花の使用について質問します。
 ことしは、本県が中国・山東省と友好を結んで30年であります。去る10月22日、山東博物館において両県省の30年の交流をつづった写真展があり、その開会式に参加してきました。その際のテープカットは生花を使用して大変美しく印象的だったので、ここで御紹介し、本県行事でも参考にしていただきたいと提案する次第であります。そのときの模様は、議場に資料配付させていただいておりますので、ごらんくださいませ。
 日本では余り見たことがないのですが、生花のスタンドを幾つか置いて、その間に渡したテープをカットするというもので、スタンドにははさみかけもついていました。
 日本では、テープカットのときはバラのリボンを持ってカットしますが、終了後はバラのリボンがだらりと垂れ下がり、みっともなく思います。改めて考えてみると、山東省で見たテープカットのほうが正式で、生花を使わないように簡略化したのが現在の日本式かもしれません。また、日本では、行事の際に主催者や来賓がリボンのバラを胸につけますが、本来はリボンはプレゼントなどにつけるもので、滑稽に見えるのは私1人でしょうか。
 仁坂知事も、JA紀州の青年部が始めた母の日の墓参りを応援され、スターチスの販売促進が進んでいると聞いています。また、議員提案で制定された中小企業振興条例では、県内生産のお酒で乾杯する乾杯条項をつけて、梅酒などの販売促進に効果を上げています。
 そこで、提案します。県主催で行うテープカットや行事では、リボンのバラを使うのではなく、農業県らしい生花を使うように率先すべきと考えますが、農林水産部長の御所見を伺います。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、国庫事業を活用し、あるいは県単独事業により、省エネ機器や農業用ハウスの導入等への支援を通じて収益性の高い花卉生産を推進してまいりました。また、花卉の需要拡大を図るため、JA紀州青年部が提案した母の日参り運動を積極的に応援するとともに、本年8月には、県農協連合会、市場、県の関係者で構成する和歌山県花卉振興協議会を組織し、県内小学校での花に関する出前授業や東京都内での消費者を対象とした花と触れ合うイベントを実施しているところです。
 議員御提案の県公式行事での生花のテープカットやコサージュ使用についてですが、我が国には我が国なりの地域に根づいた習慣、風習があります。また、生花を用いるとなると、行事の準備において取り扱いに細心の配慮が必要となるなどの課題もございますが、県の花卉農業振興を真摯に考えていただいていることはありがたく、御提案を生かせないか今後研究してまいりたいと存じます。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 とても農林水産部長とは思えないような発言がありました。母の日の墓参りだったら一生懸命やれるのに、何でこれだったらできないのか、もっと明確に理由を述べてください。
 習慣を変えていくべきだというふうに率先して県がやるべきじゃないですか。それが販売促進じゃないですか。まず、そういうことをやらないみたいなことを言って答えて、とても県民のために働いてるという姿勢はないじゃないですか。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 生花を使うとなりますと、例えば、経費の問題もございます。コサージュであれば、調べたところでは大体1個当たり2000円ないし3000円ぐらい要ります。それから、イベントのときに、例えばその生花、花が仮に傷んでおったり、あるいは落ちたりしますと大変失礼になります。そういうことから、先ほど申し上げましたように、事務方としましては、非常にその辺にも配慮が必要になります。
 ですが、お答え申し上げましたように、県の農業にとりまして花卉というのは非常に重要です。大体県の農業生産の5%ぐらいを占めております。そういうことですので、例えばどういう方法でやればうまくいくのか等を研究してまいりたいと、かように感じております。
 以上です。
○議長(坂本 登君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 やれない理由を考えるよりも、ぜひやれるように、どうしたらできるかということをお考えいただいて実行をお願いしておきたいと思います。
 以上で、質問を終わります。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。

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