平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(山本茂博議員の質疑及び一般質問)


平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(山本茂博議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時1分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第179号から議案第193号までを一括して議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました諸議案の提案理由を御説明申し上げます。
 議案第179号から第184号は、去る10月15日の県人事委員会からの職員の給与等に関する勧告に基づく給与改定等を実施するための補正予算であり、給与関係経費として、一般会計で6億1100万余の追加を行うほか、特別会計においても所要の補正予算を計上しております。
 また、議案第185号から第192号は、そのための給与関係条例の改正をお願いするものです。
 次に、議案第193号は、大阪地方裁判所損害賠償請求事件の判決に対して控訴するため、議決をお願いするものです。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第150号から議案第193号まで、並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 12番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、はえあることし最後の議会のトップバッターとして一般質問をさしていただきます。
 県知事選も終わりまして、衆議院選挙も終盤戦に入ろうとしております。議員の皆さんにとって非常に忙しい時期に入っていると思いますが、御清聴のほど、ひとつよろしくお願いいたします。
 まず、衆議院選についてであります。
 我が自民党は、デフレ解消はこの道しかない、景気回復はこの道しかないと、政権公約で訴えております。まさにアベノミクスの是非を問う選挙であると思いますし、経済再生、そして地方再生をなし遂げていくかの選挙であります。日本のかじ取りを左右する選挙であります。
 民主党政権下において、沖縄普天間基地の県外移設の迷走、そして尖閣列島の中国漁船領海侵犯、東日本大震災の原発事故の対応のまずさ等、日本人としてのアイデンティティーがずたずたにされた。そして、日本がだめな国だというレッテルを張り、日本人としての誇りを、自尊心を失わされてしまったのではないでしょうか。今、安倍政権になって、やっと日本人としての誇り、そして少しは強い日本になってきているのではないかと思います。
 従軍慰安婦の問題、そして尖閣列島、竹島についても、韓国、中国からの批判があり、外交にも支障を来す場面がありましたが、平和外交を進める日本の立場を主張され、そして、やっとAPECで首脳同士が握手を交わすことができたのではないかと思います。これは、安倍政権の成果だと思います。
 そこで、安倍政権に対する評価はどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
 そして、次に選挙戦、知事選挙についてであります。
 知事選挙、本当に知事、もう長い間、17日間、雨の日も風の日も県民の声をお聞きになったと思います。そして、和歌山を元気にするため、「あたたかい改革」を打ってこられたと思います。仁坂知事は、誠実で真面目で正義感のある知事で、また実行力、そして判断力のすぐれた知事であると思います。そして、すぐれたリーダーシップを遺憾なく発揮されている知事でもあります。
 県下全域で毎年行政報告会を開催され、そして県民との対話をされ、そして県民の思いをじかに感じ取っていただいていると思います。それこそ、顔の見える知事ではないかと思います。選挙期間中、私は、住民の方から「仁坂さんって、何て親しみやすい知事さんやなあ」ということを言っていただきました。本当にうれしかったです。
 また、本県は課題先進県と言われており、まさにそのとおりだと思います。清潔な県政実現のために、公共調達制度の改革、そして職員倫理規則の制定、行財政改革等も行われております。また、知事は、演説会の中で、「平成23年の台風12号の紀伊半島による大水害のとき、そのときびびっていた。そして、我を忘れていて、そのときは恐怖心があった。しかし、県民のために死に物狂いで頑張ろうと、そのように思った」と言われております。まさに和歌山県民のためにリーダーシップを発揮され、早い復興につながったと私は思います。
 また、7つの公約を上げて当選されました。仁坂知事の3期目県政において、知事の7つの政策の4番目のまちの再生と地域の活性化について、知事は、これまで過疎対策においては、都市住民の移住、空き家の仲介や住民による地域おこしである過疎集落支援総合対策に取り組まれております。
 一方、都市部の再生には、知事は、当選後の記者会見において「まだまだ特に手をつけていないと思うのは都市政策です。てこ入れを幾つか考えている」と発言されております。その中で、例として県立医大に薬学部をつくり、和歌山市街地に持ってくるのも1つの方法だと言われております。薬学部の設置については、我々自民党県議団において、県薬剤師会、高校関係者、受験生の親世代から薬学部の設置要望があり、再三要望をさせていただきました。
 本年8月、自民党県議団有志で、岐阜、静岡、名古屋の公立薬科大学3大学を視察いたしました。国立大学薬学部が京大、阪大しかない近畿地方では公立の薬学部が果たす役割は非常に大きいと、社会的にも大きいと、和歌山県の取り組みを評価していただきました。さらに、全国から優秀な学生が集まるということで、大変な勇気を与えていただきました。薬学部の設置を含め、都市再生についてどのように進めるのか、お伺いいたします。
 また、今回の知事選は、「仁坂さんでわかっているんやから、税金の無駄遣いやな」というようなことをよく言われました。こういう声が投票率にあらわれたように思います。投票率を上げるため啓発活動も熱心に行われ、私も地元岩出の投票率を上げようと努力いたしましたが、結果として、和歌山市に次ぐワーストツーでございました。投票率、前回は県全体43.37%、今回は39.65%で3.72%低いのですが、民意を問うということになれば50%の得票率が要ると思います。
 記者発表ではありましたが、所信表明演説の中ではなかったので、今回の投票率についてのお考えと2期8年を振り返っての思い、また、再度3期目にかける決意について知事にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの山本茂博君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 質問が多岐にわたりますので、まず、安倍政権に対する評価という点でございますけれども、現在、総選挙が行われておりまして、まさしく大きな争点と言われているものであります。このことから、国民が賢明な御判断をされるべきものと考えております。
 知事としての評価はということになりますが、あくまで県行政に関連する分野につきまして、思うところを述べさせていただきます。
 私は、ずっと前から、県議会のこの場などで、我が国の経済にとってデフレ退治はどうしてもしなければならず、そのためには政策としてはこれしかないというふうに申し上げていました。で、自民党のキャッチフレーズをパンフレットで見ますと、あれ、どっかで見たことのある言葉が出てきたぞというふうに思ったんでございますが、特にその中の金融政策によって円安・株高となり、輸出企業を中心に日本経済が明るい兆候が一部見えてきたというふうに思っております。
 だけど、2つの問題があると思います。1つは、円高が余りにも長く続いた。それは、1つの方向の金融政策が余りにも長く続いたというところがあると思いますけれども、それによって海外に生産手段が過剰にシフトされたというふうに思います。それが円安になったとしても、一旦つくられた生産手段というのは、やっぱりすぐには日本には戻ってこない。したがって、国内生産が拡大するには時間がかかり、その間は少し我慢をしなきゃいけないという問題があると思います。
 もう1つは、円安によって輸出企業が大いにもうかったわけです。その従業員の給与はかなり上がったようでございまして、東京などそういう企業の本社が多いところは、かなり景気がいいように聞いてるんです。ところが、下請企業や部品供給企業などに対する納入価格、あるいは購入価格と言ってもいいかもしれませんが、これを上げてもらえないわけです。まだ依然として大変厳しい状況にあると、大多数の企業は言っております。
 したがって、そのような産業が多く集積している和歌山県を初めとした地方は、そういう企業がもうからないもんですから、その企業の従業員の給料も上げられない。そうすると、給与が上がらないので消費が伸びるはずがないということが大問題だと私は思っています。
 これらの問題を解決するためには、この構えを変えてしまうとむちゃくちゃになりますので、価格転嫁をもっと進めてほしいというメッセージが大事でございます。そのためには、政府が強力に働きかけて財界を巻き込んでもらわないといけない、そういうふうに思っております。
 和歌山県も、この春以来、大いに努力をしてきたんですが、なかなかまだ道半ばしというところがありまして、もうちょっと政府で熱心に取り組んでもらいたいと、そんなふうに思っております。
 インフラ整備につきましては、政府は社会資本を重点政策としてくれましたんで、本県の高速道路の整備が格段に進む見通しが強くなってまいりました。また、防災・減災対策については、国土強靱化法などによって、耐震関係において本県を大いに後押ししていただいてると考えております。地方創生の取り組みをこれから進めていこうとする段階でございますが、地方の声を積極的に聞いてくれるということでございますので、大いに期待したいと考えております。
 以上、主な分野について申し上げましたが、今後とも、政府には地方の実情、立場をしっかりと伝え、本県の地域の活性化に向け、一層取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、都市再生の進め方でございます。
 都市を取り巻く状況は、都市の拡散と空洞化によって不動産の価格が下がりまして市民の資産価値が低下する、すなわち多くの市民が貧乏になるという問題、さらには、都市施設を広い地域に整備しなきゃいけないので、その整備費と維持費が増大しまして市町村の財政を圧迫するという問題、さらには、車社会でございますので、若いうちはいいんですけれども、分散したまちにそれぞれ住んでおられると車にだんだん乗れなくなったお年寄りなどが余りいい生活ができないという、そういう問題がございます。といっても、現在、例えば新しい市街地、郊外の新しい市街地に住んでいる人の生活は、これまた、ちゃんと守っていかないといけないわけでございます。
 このため、都市の再生は、都市の外縁部への拡大をもうこの辺でやめまして、それで中心部とか、あるいは過去の開発地で最近また時代の経過とともに元気をなくしているところ、そういうところを今度は再開発を行う、そういうことによって、そういうところへ居住を進めていくことが大事だと思います。
 再開発を進めていく上に当たっては、もちろん居住施設、それの集積というのが大事な要素なんですが、そのほか、学校などの教育文化施設、医療施設、福祉施設、子育て支援施設といった居住者の生活を支えるための都市機能施設の立地や集約などを図ることも肝要だと思います。
 議員御指摘の県立医科大学薬学部の設置については、さきの2月議会でもお答えしたとおり、学部新設の可能性について、ずっと真摯に検討を重ねてまいりました。10月に立ち上げました新市政連絡会議においても、和歌山市から提案があったところであり、引き続き前向きに検討していきたいと思っております。
 次に、今回の投票率についてでございますが、まず私は、選挙においては、できれば、なりたい人というよりもなってもらいたいという人を候補者に推して、そしてその中で、その候補者の中から1人に投票してリーダーを選んでいくというのが民主主義のルールでありまして、これを人類が獲得してきたのには随分の犠牲も払っているわけです。したがって、投票に行かないというのはよくないと考えております。
 私は、知事選挙において──今回の知事選挙ですが──県内をずっと回ってまいりましたときに、県民の皆さんから声をかけていただいたり、様子をうかがったりするわけでございます。そのときに「ありがとう」とか「頑張ってね」といったものが今回は圧倒的に多かったんで、実はもっと多くの、投票してくださった方よりももうちょっとたくさんの人に支持されているんじゃないかなあと自分を励まして、自信を持って県政を担っていきたいと考えております。
 ただ、有権者の中には、知事選挙を一種のゲームとみなす傾向があると思います。そうすると、決まっているようなゲームはおもしろくないので投票に行かないということになるわけでございまして、残念ながら、そういう方も結構いらっしゃるんじゃないかなと私もまあ感じたところです。それはあんまりよくないと思いますので、ぜひ今後、あらゆる選挙においてきちんと投票に行ってもらいたいと思っております。
 それから、2期8年を振り返った思いと3期目にかける決意でございますが、知事就任以来、県内をくまなく回りまして、県政報告会などもいたしまして、県民の皆さんの声をお聞きして、失われた県政への信頼を取り戻すべく努力を重ねてまいりました。
 また、破綻の危機にあった財政を立て直したり、あるいはそれらを踏まえて、和歌山を元気にするために、産業振興、観光の振興、医療・福祉の充実、少子化対策、高速道路や生活道路の整備、教育の振興など、多くの分野で新たな取り組みを進めてまいりました。東日本大震災、紀伊半島大水害を踏まえ、南海トラフ地震などの災害に備え、県民の命を守る決意を持って県政を進めてまいりました。
 このような私の8年間の取り組みは、本県の抱えるさまざまな課題をこれまで数多く解決してまいったとは思いますが、まだ道半ばであります。
 例えば、高速道路も、まだ完全に全部満足するところまでいっておりませんし、地域経済の活性化も、まだ産業活動でいえば積極的になってくださっている方が点だなあと、面ではないというふうにも思います。また、都市や過疎地域の再生もこれからでございます。それから、防災・減災対策も、まだまだ完成には至っておりませんし、一方、治山治水問題、これもまだやらなきゃいけないことがたくさんあります。少子高齢化対策、医療の充実、教育振興などの分野も大事でございまして、あれもまだだなあとか、これもやらなきゃいかんとか、まだまだ課題が残っております。
 今回の知事選挙では、そのような課題に対して、私が先頭に立って全力で取り組み、解決したいという県政の基本方針に多くの方が御支持をくださったというふうに思っております。したがって、その期待にたがわないように頑張ってやっていきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 知事、どうもありがとうございました。
 それでは次に、平成27年度の当初予算編成についてであります。
 安倍内閣の最重要課題である元気で豊かな地方創生については、先月、まち・ひと・しごと創生法が成立し、地方が成長する活力を取り戻し、そして人口減少を克服するための取り組みが本格化しております。安倍総理大臣から、今、地域の状況は非常に厳しい、そしてこのままでは消滅をする地域も出てくるだろうと予想されておりますというような発言がありました。まさに喫緊の課題、そしてまた、待ったなしの問題であります。これまで是正されることのなかった東京一極集中や少子化問題の解決に向けて、国の本気度と地方の覚悟が問われております。
 石破地方創生大臣の発言によりますと、地方がみずから考え、そして責任を持って取り組むという地方の主体性が重要であり、また、まち・ひと・しごと創生本部の基本方針では、基本姿勢として、個性あふれるまち・ひと・しごと創生のため、全国どこでも同じ枠にはめるような手法はとらないと言われております。そしてまた、地方自治体が主体的に取り組むことを基本として、そしてその活気あふれる発言を酌み上げ、民意の総意工夫を応援することが重要と言われております。
 県においても、これまでさまざまな分野で必死になって取り組まれていると思います。地方自治体によって創意工夫がさまざまであろうと思います。県においては、今までの経験を生かして、そして主体的にリードしていただきたいし、時期を逸することなく、引き続き地方創生に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 先般、和歌山県の津波避難困難地域と津波対策について公表されました。南海トラフ巨大地震等への備えは依然として重要でありますし、またさらには高齢化社会への対応や医療体制の充実など、県民の暮らしを守る政策を進めていくとともに、県内産業の強化やインフラ整備など、あすの和歌山を支える政策も引き続き取り組んでいく必要があると思います。
 そこで、県では、先日、来年度の新予算と予算編成方針を発表されました。「安全と安心の政策」と「未来への投資の政策」の2本柱で、元気な和歌山の実現に向けて財政健全化の妨げとならないよう、重点政策に沿った事業については積極的に予算配分を行うとあります。来年度は、どのような政策に重点的に取り組むのか、現時点での知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 来年度当初予算編成については、「安全と安心の政策」、「未来への投資の政策」の2つを柱に政策体系を構築していきたいと考えておりまして、その旨、皆様の議論を呼ぶために、さきに発表さしていただいてるところでございます。
 1つ目の柱である県民の皆様が安心して暮らせる社会を構築するための「安全と安心の政策」では、南海トラフ巨大地震等に備えるため、津波避難困難地域解消のための対策を策定したところでございまして、河川、港湾等の堤防の強化や、あるいは避難施設、避難路の確保、住宅や大規模施設の耐震化などを促進する対策に取り組んでいきたいと考えております。
 また、地方創生における最重要課題である少子化対策につきましては、これまでも結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目ない対策を講じてまいりましたけれども、来年度は、若い世代に結婚や子育てのすばらしさを認識してもらうための結婚・子育てポジティブキャンペーンを各地で開催したいと考えております。
 さらに、高齢化対策では、見守り、健康、安心、産業化の4つの柱により和歌山の老後に安心を届ける政策を推進してまいりましたけれども、とりわけ来年度においては、特別養護老人ホームなどの整備を着実に推進するとともに、住みなれた地域で生活できるよう在宅医療の充実を図っていきたいと考えております。
 加えて、医療提供体制については、地域医療ビジョンを策定いたしまして、医療を提供する病院等の体制の再編を、これは進めていかないといけないんですが、これをきちんとやりまして、高齢者の増加に伴う医療需要の増大等に対応していきたいと考えております。
 2つ目の柱であるさらなる成長への道筋をつけるための「未来への投資の政策」では、開催まで1年を切った紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会について、国体での男女総合優勝とともに、県民総参加で夢と感動を共有できる両大会を目指していく所存であります。
 また、企業の成長を後押しするための有益な情報をタイムリーに企業に届けることや、果樹王国和歌山の競争力を強化するため、高品質果実の生産・流通対策の拡充を図るとともに成長が期待される施設園芸を一層推進するなど、産業の強化を図っていきたいと思います。
 さらに、観光につきましては、わかやま観光リレーキャンペーンを切れ目なく展開するとともに、平成28年の大河ドラマ「真田丸」を活用し、戦略的に誘客を進めてまいりたいと思います。同時に、エルトゥールル号の映画も28年のお正月に封切りでございますので、これもあわせて戦略的に活用していきたいと思います。
 次に、都市の再生については、県が具体的な市街地の再開発プロジェクトを市町村に提案するなど、プロジェクトの立ち上げ期から事業完了までの各段階に応じた支援を実施していきたいと思います。
 また、移住交流を促進するため、田舎暮らし応援県わかやまとして実施してきました施策の充実強化を図るとともに、「大学のふるさと」を初めとした地域交流事業を促進することにより、地域間競争に打ち勝つ地域づくりを進めてまいりたいと思います。
 加えて、紀伊半島一周高速道路の実現に向けた取り組みや次世代を想定した紀淡海峡ルートや京奈和関空連絡道路の早期実現に向けた活動を推進するとともに、英語力向上を図るため、英語教員全員にTOEIC IPテストの受験を義務づけ、指導力、英語力を高めるなど、将来の和歌山を支える社会基盤整備や人材の育成についても力を注いでいきたいと考えているところであります。
 現在、施策の具体化に向けて検討を進めているところでありまして、また同時に、部内的に予算の編成作業も行っております。議会初め県民の皆様からいただいた御意見を踏まえながら、当初予算を編成してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 知事、ありがとうございました。
 次に、財政の健全化についてであります。
 本県の財政構造は地方交付税に多くの財源を依存しており、財源確保は非常に重要であります。知事は、県と県民を元気にしようとさまざまな新政策を打ち出してこれまで実施されてきておりますが、財政運営には、まあ苦労されているんではないかと思います。
 先ほどから説明のあった来年度に向けての新政策はどんどん進めていただきたいし、和歌山を元気にしてもらいたいと思っております。そのために、本県の財政の健全性が損なわれてはなりません。財政の健全性の確保にも十分配慮する必要があるかなというふうに思います。
 平成24年3月には新行財政改革推進プランを作成し、そして職員数や事務事業の見直し、そして未利用財産の売却等、歳入確保の推進などに取り組まれております。また、行財政改革を推進していると思いますが、新政策を推進しつつ県財政の健全化を確保するため、新年度予算においてどのような財政運営をされようと考えているのか、知事にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 元気な和歌山を実現していくためには、先ほど申し上げました新政策を着実に進めていかなければなりませんが、同時に財政の健全性を損なわないようにすることはもちろんであります。
 そのために、平成24年3月に策定した新行財政改革推進プランの改定版を着実に実施し、来年度の予算編成に際しては、既存事業についてはマイナス5%のシーリングを実施するとともに、各事業の効果や緊急性等を精査しつつ、既存事業の見直しや不要不急の事業の選別を徹底的に行ってまいりたいと考えております。
 また、これまで推し進めてきた持続可能な財政構造への転換に向けた取り組みを後退させずに、国の交付金の活用や県税の徴収確保対策の強化など、さまざまな財源の確保策を講じてまいります。
 一方、本県の財政運営にとって、地方交付税の動向が多大なる影響を与えるんでございます。したがって、地方税財源の充実確保とあわせて、地方交付税総額の確保を国に対して強く働きかけているところでございます。さらには、国の経済対策や新年度予算編成の動向等を踏まえながら、有利な財源を有効に活用した予算編成を行っていきたいと考えております。
 このようにして、来年度の予算編成においても新政策を着実に実行しながら、財政の健全性を確保しながら財政運営を行ってまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会についてであります。
 昭和46年に開催されました黒潮国体以来44年ぶりとなる国体開会式まで、いよいよ291日となりました。
 10月に開催されました長崎がんばらんば国体において、本県選手団は、目標であった14位以内には届きませんでしたが、昨年の東京国体の成績を上回る、男女総合で15位と健闘されました。選手及び競技関係者の皆さんの活躍と御努力に感謝、敬意を表したいと思います。
 また、県内市町村ではリハーサル大会が開催されており、優秀な成績をおさめている競技がたくさんあるとのことで、大変心強く感じております。来年の本番に向けて、全ての競技でさらなるレベルアップを期待したいなあというふうに思ってます。
 ほとんどの競技で本国体への出場ができますが、当然のことながら、出場するだけでは得点を得ることができません。男女総合優勝を目指して日々取り組んでこられているとは思いますが、さきの長崎国体の結果を踏まえて、好成績をおさめた競技は維持していただくとともに、もう少し一踏ん張りすれば伸びる競技があると思います。あと残された期間でどう強化されていくのか、そしてまた、競技選手の育成や競技団体の強化に対する切れ目のない現在の取り組みについて、国体推進監にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 紀の国わかやま国体男女総合優勝に向けては、指導者の養成や競技者の育成を図る強化育成・指導者専門委員会と、選手等への医科学面でのサポートや情報戦略等を推進するスポーツ医・科学・情報専門委員会で組織する県競技力向上対策本部の設置など、体制を整備し、総合的に競技力の向上に取り組んできたところです。
 主な強化の取り組みといたしましては、本番で戦うメンバーとなるターゲットエージの育成、本県の弱点とされる集団競技や女子種別の重点強化、またスポーツ医科学サポートの充実などを進めてまいりました。
 今後は、長崎国体において明確となった課題も踏まえ、これまでの取り組みをさらに充実させるとともに、全国の強豪チームとの対戦経験をふやし、国内外の優秀指導者から指導を受ける機会を増加させるとともに、地元開催のプレッシャーに負けない選手のメンタル面の強化などに取り組んでまいります。
 紀の国わかやま国体に向け、県競技力向上対策本部、県体育協会、各競技団体と一層連携して、男女総合優勝をかち取ることを目指してまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、児童生徒の応援等についてであります。
 国体の開催は、県を挙げてのイベントであります。県民のスポーツに対する意識向上にも寄与することはもちろんのことで、選手や競技関係者の全国的なスポーツ交流の場、そしてまた、スポーツを通じて世代間の隔たりや利害関係もなく純粋に交流できる場であると思います。特に地域での交流は、地域の情報や特徴等を全国に発信できる絶好の機会でもあります。県民の皆さんには、国体の開催期間中だけでなく、国体後を見据えた地域の発展も意識されながら参加していただきたいなあというふうに思います。
 さきの長崎国体では、競技会場を初め訪問した先では、地域の方々から大いに歓迎されました。もう一度訪れたいなあという気持ちになりました。特に競技会場では、小中学校や高校生の姿をよく目にしたことが印象にあります。地元選手への声援はもちろんのこと、他県からの選手、そしてまた競技関係者、そして声援を送る応援団のおもてなしや、何より競技を間近で観戦できる環境が整っていたのではないかなと思います。
 この競技場での経験が、これまでスポーツに全く興味のなかった子供たちが興味を持ってもらう絶好の機会となると思います。競技スポーツの関心から生涯スポーツへの意識醸成と、まさに生涯学習になるんではないでしょうか。また、保護者の皆さんにとって、きょう観戦したことを児童生徒から聞くことで他の競技の観戦に訪れる機会につながるんではないかなというふうにも思います。
 各学校の地元で開催される競技期間中、ぜひ児童生徒に、半世紀に一度の経験、無駄にすることなく、地元の選手への応援、そして他県選手のおもてなしも経験できる環境を整える、そういうことができないものか、教育長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会は、児童生徒のスポーツに対する興味・関心や意欲を大いに高めるとともに、ふるさとを愛する心を育み、障害者理解を深めるなど、その教育効果は極めて大きいものがあります。
 県教育委員会では、市町村教育長会や県立学校長会など、機会あるごとに、わかやま国体・大会の成功に向けて協力を依頼しているところです。
 郷土和歌山で開催される国体・大会を観戦、応援することは、スポーツや多くの人々との交流を通じて希望と勇気を持って努力することや、誰に対しても温かく真心を持って接すること、ふるさと和歌山を誇りに思う気持ちを持つことになるなど、児童生徒の豊かな心を育む上でも絶好の機会であります。各地域で開催される競技や興味のある競技を応援、観戦できるよう、市町村や各学校に柔軟な対応をしておりますが、今後とも、またとないこの機会を十分生かすよう一層働きかけてまいります。
 県、市町村、学校が一体となり、子供たちに夢と希望を与える紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会となるよう、全力で取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、おもてなし、ボランティアについてであります。
 児童生徒に負けず、大学生や大人もボランティアとして盛り上げていく体制も整いつつあると思いますが、来県者に和歌山に来てよかったと、そしてもう一度訪れたいと思うようなボランティアを含めたおもてなしについて、現在の体制と今後の取り組みについて国体推進監にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) さきの黒潮国体は、おもてなしの心など創意と工夫により参加者から好評を博したと日本体育協会のホームページで紹介されており、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会においても、心のこもったおもてなしで来県される方々を温かくお迎えしたいと考えております。
 このため、両大会を支える運営ボランティアについては、昨年9月から募集を開始し、延べ4900人の募集に対し、現在、延べ4100人を超える申し込みをいただき、順調に確保できている状況です。
 また、両大会に携わる職員はもちろんのこと、運営ボランティアとして御協力いただく県民の皆様についても、受付、案内、会場サービスなど、来場される方々と接する機会が多い業務をお願いすることから、ボランティア活動に必要な基本知識の1つとしておもてなしを盛り込んだ研修を実施しているところです。
 いずれにしましても、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が参加された全ての方の心に残るすばらしい大会となるよう、今後も市町村や関係団体と連携して、さらなるおもてなしの取り組み、意識の普及啓発に努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 最後に、国体・大会に対する知事の所見についてであります。
 国体の主役ともなる我々県民を代表する選手の皆さんには、競技時間や競技会場を離れても、常に代表選手にふさわしい行動をお願いしたいなというふうに思ってます。
 これまで、リハーサル大会等で本当にすばらしい成績をおさめられた競技に実力がついて、選手の育成強化が図られてきておりますが、幾ら好成績を上げられても、開会式とか表彰式での振る舞い、マナーが悪ければ台なしになってしまうんではないかなということで、規律が非常に大事ではないかなというふうに思います。
 好成績を残せなくとも、競技を離れた場面での行動が県選手としてふさわしく、そして誇れる行動であれば、我々は評価されると思います。他県からお越しになられた皆さんにも、さすが開催県の選手だなと言っていただけるように、例えば各競技場で、開会式において国歌斉唱を大きな声で歌うこと、そんなことが必要ではないかなというふうに思います。
 また、和歌山を代表する選手の皆さんにはもちろんのこと、指導者や競技団体の関係者の皆さん、そしてまた県民の皆さんにも浸透していただければと考えます。児童生徒が声援を送る選手には、競技以外でも誇れる選手であってもらいたいし、夢を与える選手であってほしいと思います。
 長崎国体も終わりました。いよいよ本県の出番、国体まで291日となりました。知事も、開会式、そして閉会式に出られております。いよいよ和歌山県の出番になったということで、長崎国体の経験を含めて国体に対する本県の課題、そしてまた、知事の紀の国わかやま国体に対する意気込み及び所見についてお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 長崎国体では、開会式の式典前演技に出演した地元の子供たちがはつらつと演技する姿が大変すばらしく、印象深かったと記憶します。また、町なかでも、県民の方が親切にお声かけをしてくださるなど、県民総参加のおもてなしが隅々まで行き届いた大会であったと感じました。
 本県も、和歌山県の魅力を全国に発信できるようなすばらしい式典にするとともに、県民総参加のおもてなしができるよう、一層身を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。
 一方、その長崎県でも、選手団、役員の配宿──宿の手配ですが──に関して一部で苦情が出ていたとも承っておりまして、せっかくの立派な大会の名声に水を差すなあというふうに思いました。他山の石として、本県ではそういうこともないように、全ての面で細心の注意を払って準備を進めていきたいと思います。
 とりわけ和歌山を代表する選手たちは、規律を守り、他の模範となるべきとの議員の御指摘は、まさにそのとおりでございまして、各種競技団体などに徹底してまいりたいというふうに思っております。
 紀の国わかやま国体では、県民の悲願である男女総合優勝を何としてもかち取れるよう、みんなで力を合わせて頑張るとともに、県民が一丸となって両大会の成功に向けて取り組むことで和歌山を元気にする国体・大会にしてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 どうも、知事、ありがとうございました。
 御清聴ありがとうございました。これで終わります。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、山本茂博君の質問が終了いたしました。

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