平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


平成26年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(全文)


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平成26年12月
和歌山県議会定例会会議録
第2号
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議事日程 第2号
 平成26年12月9日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第179号から議案第193号まで(当局説明)
 第2 議案第150号から議案第193号まで並びに報第3号(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第179号から議案第193号まで(当局説明)
 第2 議案第150号から議案第193号まで並びに報第3号(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 立谷誠一
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾崎善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
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  午前10時1分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第179号から議案第193号までを一括して議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました諸議案の提案理由を御説明申し上げます。
 議案第179号から第184号は、去る10月15日の県人事委員会からの職員の給与等に関する勧告に基づく給与改定等を実施するための補正予算であり、給与関係経費として、一般会計で6億1100万余の追加を行うほか、特別会計においても所要の補正予算を計上しております。
 また、議案第185号から第192号は、そのための給与関係条例の改正をお願いするものです。
 次に、議案第193号は、大阪地方裁判所損害賠償請求事件の判決に対して控訴するため、議決をお願いするものです。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第150号から議案第193号まで、並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 12番山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○山本茂博君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しを得ましたので、はえあることし最後の議会のトップバッターとして一般質問をさしていただきます。
 県知事選も終わりまして、衆議院選挙も終盤戦に入ろうとしております。議員の皆さんにとって非常に忙しい時期に入っていると思いますが、御清聴のほど、ひとつよろしくお願いいたします。
 まず、衆議院選についてであります。
 我が自民党は、デフレ解消はこの道しかない、景気回復はこの道しかないと、政権公約で訴えております。まさにアベノミクスの是非を問う選挙であると思いますし、経済再生、そして地方再生をなし遂げていくかの選挙であります。日本のかじ取りを左右する選挙であります。
 民主党政権下において、沖縄普天間基地の県外移設の迷走、そして尖閣列島の中国漁船領海侵犯、東日本大震災の原発事故の対応のまずさ等、日本人としてのアイデンティティーがずたずたにされた。そして、日本がだめな国だというレッテルを張り、日本人としての誇りを、自尊心を失わされてしまったのではないでしょうか。今、安倍政権になって、やっと日本人としての誇り、そして少しは強い日本になってきているのではないかと思います。
 従軍慰安婦の問題、そして尖閣列島、竹島についても、韓国、中国からの批判があり、外交にも支障を来す場面がありましたが、平和外交を進める日本の立場を主張され、そして、やっとAPECで首脳同士が握手を交わすことができたのではないかと思います。これは、安倍政権の成果だと思います。
 そこで、安倍政権に対する評価はどのように考えているのか、知事にお伺いいたします。
 そして、次に選挙戦、知事選挙についてであります。
 知事選挙、本当に知事、もう長い間、17日間、雨の日も風の日も県民の声をお聞きになったと思います。そして、和歌山を元気にするため、「あたたかい改革」を打ってこられたと思います。仁坂知事は、誠実で真面目で正義感のある知事で、また実行力、そして判断力のすぐれた知事であると思います。そして、すぐれたリーダーシップを遺憾なく発揮されている知事でもあります。
 県下全域で毎年行政報告会を開催され、そして県民との対話をされ、そして県民の思いをじかに感じ取っていただいていると思います。それこそ、顔の見える知事ではないかと思います。選挙期間中、私は、住民の方から「仁坂さんって、何て親しみやすい知事さんやなあ」ということを言っていただきました。本当にうれしかったです。
 また、本県は課題先進県と言われており、まさにそのとおりだと思います。清潔な県政実現のために、公共調達制度の改革、そして職員倫理規則の制定、行財政改革等も行われております。また、知事は、演説会の中で、「平成23年の台風12号の紀伊半島による大水害のとき、そのときびびっていた。そして、我を忘れていて、そのときは恐怖心があった。しかし、県民のために死に物狂いで頑張ろうと、そのように思った」と言われております。まさに和歌山県民のためにリーダーシップを発揮され、早い復興につながったと私は思います。
 また、7つの公約を上げて当選されました。仁坂知事の3期目県政において、知事の7つの政策の4番目のまちの再生と地域の活性化について、知事は、これまで過疎対策においては、都市住民の移住、空き家の仲介や住民による地域おこしである過疎集落支援総合対策に取り組まれております。
 一方、都市部の再生には、知事は、当選後の記者会見において「まだまだ特に手をつけていないと思うのは都市政策です。てこ入れを幾つか考えている」と発言されております。その中で、例として県立医大に薬学部をつくり、和歌山市街地に持ってくるのも1つの方法だと言われております。薬学部の設置については、我々自民党県議団において、県薬剤師会、高校関係者、受験生の親世代から薬学部の設置要望があり、再三要望をさせていただきました。
 本年8月、自民党県議団有志で、岐阜、静岡、名古屋の公立薬科大学3大学を視察いたしました。国立大学薬学部が京大、阪大しかない近畿地方では公立の薬学部が果たす役割は非常に大きいと、社会的にも大きいと、和歌山県の取り組みを評価していただきました。さらに、全国から優秀な学生が集まるということで、大変な勇気を与えていただきました。薬学部の設置を含め、都市再生についてどのように進めるのか、お伺いいたします。
 また、今回の知事選は、「仁坂さんでわかっているんやから、税金の無駄遣いやな」というようなことをよく言われました。こういう声が投票率にあらわれたように思います。投票率を上げるため啓発活動も熱心に行われ、私も地元岩出の投票率を上げようと努力いたしましたが、結果として、和歌山市に次ぐワーストツーでございました。投票率、前回は県全体43.37%、今回は39.65%で3.72%低いのですが、民意を問うということになれば50%の得票率が要ると思います。
 記者発表ではありましたが、所信表明演説の中ではなかったので、今回の投票率についてのお考えと2期8年を振り返っての思い、また、再度3期目にかける決意について知事にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの山本茂博君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 質問が多岐にわたりますので、まず、安倍政権に対する評価という点でございますけれども、現在、総選挙が行われておりまして、まさしく大きな争点と言われているものであります。このことから、国民が賢明な御判断をされるべきものと考えております。
 知事としての評価はということになりますが、あくまで県行政に関連する分野につきまして、思うところを述べさせていただきます。
 私は、ずっと前から、県議会のこの場などで、我が国の経済にとってデフレ退治はどうしてもしなければならず、そのためには政策としてはこれしかないというふうに申し上げていました。で、自民党のキャッチフレーズをパンフレットで見ますと、あれ、どっかで見たことのある言葉が出てきたぞというふうに思ったんでございますが、特にその中の金融政策によって円安・株高となり、輸出企業を中心に日本経済が明るい兆候が一部見えてきたというふうに思っております。
 だけど、2つの問題があると思います。1つは、円高が余りにも長く続いた。それは、1つの方向の金融政策が余りにも長く続いたというところがあると思いますけれども、それによって海外に生産手段が過剰にシフトされたというふうに思います。それが円安になったとしても、一旦つくられた生産手段というのは、やっぱりすぐには日本には戻ってこない。したがって、国内生産が拡大するには時間がかかり、その間は少し我慢をしなきゃいけないという問題があると思います。
 もう1つは、円安によって輸出企業が大いにもうかったわけです。その従業員の給与はかなり上がったようでございまして、東京などそういう企業の本社が多いところは、かなり景気がいいように聞いてるんです。ところが、下請企業や部品供給企業などに対する納入価格、あるいは購入価格と言ってもいいかもしれませんが、これを上げてもらえないわけです。まだ依然として大変厳しい状況にあると、大多数の企業は言っております。
 したがって、そのような産業が多く集積している和歌山県を初めとした地方は、そういう企業がもうからないもんですから、その企業の従業員の給料も上げられない。そうすると、給与が上がらないので消費が伸びるはずがないということが大問題だと私は思っています。
 これらの問題を解決するためには、この構えを変えてしまうとむちゃくちゃになりますので、価格転嫁をもっと進めてほしいというメッセージが大事でございます。そのためには、政府が強力に働きかけて財界を巻き込んでもらわないといけない、そういうふうに思っております。
 和歌山県も、この春以来、大いに努力をしてきたんですが、なかなかまだ道半ばしというところがありまして、もうちょっと政府で熱心に取り組んでもらいたいと、そんなふうに思っております。
 インフラ整備につきましては、政府は社会資本を重点政策としてくれましたんで、本県の高速道路の整備が格段に進む見通しが強くなってまいりました。また、防災・減災対策については、国土強靱化法などによって、耐震関係において本県を大いに後押ししていただいてると考えております。地方創生の取り組みをこれから進めていこうとする段階でございますが、地方の声を積極的に聞いてくれるということでございますので、大いに期待したいと考えております。
 以上、主な分野について申し上げましたが、今後とも、政府には地方の実情、立場をしっかりと伝え、本県の地域の活性化に向け、一層取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、都市再生の進め方でございます。
 都市を取り巻く状況は、都市の拡散と空洞化によって不動産の価格が下がりまして市民の資産価値が低下する、すなわち多くの市民が貧乏になるという問題、さらには、都市施設を広い地域に整備しなきゃいけないので、その整備費と維持費が増大しまして市町村の財政を圧迫するという問題、さらには、車社会でございますので、若いうちはいいんですけれども、分散したまちにそれぞれ住んでおられると車にだんだん乗れなくなったお年寄りなどが余りいい生活ができないという、そういう問題がございます。といっても、現在、例えば新しい市街地、郊外の新しい市街地に住んでいる人の生活は、これまた、ちゃんと守っていかないといけないわけでございます。
 このため、都市の再生は、都市の外縁部への拡大をもうこの辺でやめまして、それで中心部とか、あるいは過去の開発地で最近また時代の経過とともに元気をなくしているところ、そういうところを今度は再開発を行う、そういうことによって、そういうところへ居住を進めていくことが大事だと思います。
 再開発を進めていく上に当たっては、もちろん居住施設、それの集積というのが大事な要素なんですが、そのほか、学校などの教育文化施設、医療施設、福祉施設、子育て支援施設といった居住者の生活を支えるための都市機能施設の立地や集約などを図ることも肝要だと思います。
 議員御指摘の県立医科大学薬学部の設置については、さきの2月議会でもお答えしたとおり、学部新設の可能性について、ずっと真摯に検討を重ねてまいりました。10月に立ち上げました新市政連絡会議においても、和歌山市から提案があったところであり、引き続き前向きに検討していきたいと思っております。
 次に、今回の投票率についてでございますが、まず私は、選挙においては、できれば、なりたい人というよりもなってもらいたいという人を候補者に推して、そしてその中で、その候補者の中から1人に投票してリーダーを選んでいくというのが民主主義のルールでありまして、これを人類が獲得してきたのには随分の犠牲も払っているわけです。したがって、投票に行かないというのはよくないと考えております。
 私は、知事選挙において──今回の知事選挙ですが──県内をずっと回ってまいりましたときに、県民の皆さんから声をかけていただいたり、様子をうかがったりするわけでございます。そのときに「ありがとう」とか「頑張ってね」といったものが今回は圧倒的に多かったんで、実はもっと多くの、投票してくださった方よりももうちょっとたくさんの人に支持されているんじゃないかなあと自分を励まして、自信を持って県政を担っていきたいと考えております。
 ただ、有権者の中には、知事選挙を一種のゲームとみなす傾向があると思います。そうすると、決まっているようなゲームはおもしろくないので投票に行かないということになるわけでございまして、残念ながら、そういう方も結構いらっしゃるんじゃないかなと私もまあ感じたところです。それはあんまりよくないと思いますので、ぜひ今後、あらゆる選挙においてきちんと投票に行ってもらいたいと思っております。
 それから、2期8年を振り返った思いと3期目にかける決意でございますが、知事就任以来、県内をくまなく回りまして、県政報告会などもいたしまして、県民の皆さんの声をお聞きして、失われた県政への信頼を取り戻すべく努力を重ねてまいりました。
 また、破綻の危機にあった財政を立て直したり、あるいはそれらを踏まえて、和歌山を元気にするために、産業振興、観光の振興、医療・福祉の充実、少子化対策、高速道路や生活道路の整備、教育の振興など、多くの分野で新たな取り組みを進めてまいりました。東日本大震災、紀伊半島大水害を踏まえ、南海トラフ地震などの災害に備え、県民の命を守る決意を持って県政を進めてまいりました。
 このような私の8年間の取り組みは、本県の抱えるさまざまな課題をこれまで数多く解決してまいったとは思いますが、まだ道半ばであります。
 例えば、高速道路も、まだ完全に全部満足するところまでいっておりませんし、地域経済の活性化も、まだ産業活動でいえば積極的になってくださっている方が点だなあと、面ではないというふうにも思います。また、都市や過疎地域の再生もこれからでございます。それから、防災・減災対策も、まだまだ完成には至っておりませんし、一方、治山治水問題、これもまだやらなきゃいけないことがたくさんあります。少子高齢化対策、医療の充実、教育振興などの分野も大事でございまして、あれもまだだなあとか、これもやらなきゃいかんとか、まだまだ課題が残っております。
 今回の知事選挙では、そのような課題に対して、私が先頭に立って全力で取り組み、解決したいという県政の基本方針に多くの方が御支持をくださったというふうに思っております。したがって、その期待にたがわないように頑張ってやっていきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 知事、どうもありがとうございました。
 それでは次に、平成27年度の当初予算編成についてであります。
 安倍内閣の最重要課題である元気で豊かな地方創生については、先月、まち・ひと・しごと創生法が成立し、地方が成長する活力を取り戻し、そして人口減少を克服するための取り組みが本格化しております。安倍総理大臣から、今、地域の状況は非常に厳しい、そしてこのままでは消滅をする地域も出てくるだろうと予想されておりますというような発言がありました。まさに喫緊の課題、そしてまた、待ったなしの問題であります。これまで是正されることのなかった東京一極集中や少子化問題の解決に向けて、国の本気度と地方の覚悟が問われております。
 石破地方創生大臣の発言によりますと、地方がみずから考え、そして責任を持って取り組むという地方の主体性が重要であり、また、まち・ひと・しごと創生本部の基本方針では、基本姿勢として、個性あふれるまち・ひと・しごと創生のため、全国どこでも同じ枠にはめるような手法はとらないと言われております。そしてまた、地方自治体が主体的に取り組むことを基本として、そしてその活気あふれる発言を酌み上げ、民意の総意工夫を応援することが重要と言われております。
 県においても、これまでさまざまな分野で必死になって取り組まれていると思います。地方自治体によって創意工夫がさまざまであろうと思います。県においては、今までの経験を生かして、そして主体的にリードしていただきたいし、時期を逸することなく、引き続き地方創生に向けて取り組んでいただきたいと思います。
 先般、和歌山県の津波避難困難地域と津波対策について公表されました。南海トラフ巨大地震等への備えは依然として重要でありますし、またさらには高齢化社会への対応や医療体制の充実など、県民の暮らしを守る政策を進めていくとともに、県内産業の強化やインフラ整備など、あすの和歌山を支える政策も引き続き取り組んでいく必要があると思います。
 そこで、県では、先日、来年度の新予算と予算編成方針を発表されました。「安全と安心の政策」と「未来への投資の政策」の2本柱で、元気な和歌山の実現に向けて財政健全化の妨げとならないよう、重点政策に沿った事業については積極的に予算配分を行うとあります。来年度は、どのような政策に重点的に取り組むのか、現時点での知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 来年度当初予算編成については、「安全と安心の政策」、「未来への投資の政策」の2つを柱に政策体系を構築していきたいと考えておりまして、その旨、皆様の議論を呼ぶために、さきに発表さしていただいてるところでございます。
 1つ目の柱である県民の皆様が安心して暮らせる社会を構築するための「安全と安心の政策」では、南海トラフ巨大地震等に備えるため、津波避難困難地域解消のための対策を策定したところでございまして、河川、港湾等の堤防の強化や、あるいは避難施設、避難路の確保、住宅や大規模施設の耐震化などを促進する対策に取り組んでいきたいと考えております。
 また、地方創生における最重要課題である少子化対策につきましては、これまでも結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目ない対策を講じてまいりましたけれども、来年度は、若い世代に結婚や子育てのすばらしさを認識してもらうための結婚・子育てポジティブキャンペーンを各地で開催したいと考えております。
 さらに、高齢化対策では、見守り、健康、安心、産業化の4つの柱により和歌山の老後に安心を届ける政策を推進してまいりましたけれども、とりわけ来年度においては、特別養護老人ホームなどの整備を着実に推進するとともに、住みなれた地域で生活できるよう在宅医療の充実を図っていきたいと考えております。
 加えて、医療提供体制については、地域医療ビジョンを策定いたしまして、医療を提供する病院等の体制の再編を、これは進めていかないといけないんですが、これをきちんとやりまして、高齢者の増加に伴う医療需要の増大等に対応していきたいと考えております。
 2つ目の柱であるさらなる成長への道筋をつけるための「未来への投資の政策」では、開催まで1年を切った紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会について、国体での男女総合優勝とともに、県民総参加で夢と感動を共有できる両大会を目指していく所存であります。
 また、企業の成長を後押しするための有益な情報をタイムリーに企業に届けることや、果樹王国和歌山の競争力を強化するため、高品質果実の生産・流通対策の拡充を図るとともに成長が期待される施設園芸を一層推進するなど、産業の強化を図っていきたいと思います。
 さらに、観光につきましては、わかやま観光リレーキャンペーンを切れ目なく展開するとともに、平成28年の大河ドラマ「真田丸」を活用し、戦略的に誘客を進めてまいりたいと思います。同時に、エルトゥールル号の映画も28年のお正月に封切りでございますので、これもあわせて戦略的に活用していきたいと思います。
 次に、都市の再生については、県が具体的な市街地の再開発プロジェクトを市町村に提案するなど、プロジェクトの立ち上げ期から事業完了までの各段階に応じた支援を実施していきたいと思います。
 また、移住交流を促進するため、田舎暮らし応援県わかやまとして実施してきました施策の充実強化を図るとともに、「大学のふるさと」を初めとした地域交流事業を促進することにより、地域間競争に打ち勝つ地域づくりを進めてまいりたいと思います。
 加えて、紀伊半島一周高速道路の実現に向けた取り組みや次世代を想定した紀淡海峡ルートや京奈和関空連絡道路の早期実現に向けた活動を推進するとともに、英語力向上を図るため、英語教員全員にTOEIC IPテストの受験を義務づけ、指導力、英語力を高めるなど、将来の和歌山を支える社会基盤整備や人材の育成についても力を注いでいきたいと考えているところであります。
 現在、施策の具体化に向けて検討を進めているところでありまして、また同時に、部内的に予算の編成作業も行っております。議会初め県民の皆様からいただいた御意見を踏まえながら、当初予算を編成してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 知事、ありがとうございました。
 次に、財政の健全化についてであります。
 本県の財政構造は地方交付税に多くの財源を依存しており、財源確保は非常に重要であります。知事は、県と県民を元気にしようとさまざまな新政策を打ち出してこれまで実施されてきておりますが、財政運営には、まあ苦労されているんではないかと思います。
 先ほどから説明のあった来年度に向けての新政策はどんどん進めていただきたいし、和歌山を元気にしてもらいたいと思っております。そのために、本県の財政の健全性が損なわれてはなりません。財政の健全性の確保にも十分配慮する必要があるかなというふうに思います。
 平成24年3月には新行財政改革推進プランを作成し、そして職員数や事務事業の見直し、そして未利用財産の売却等、歳入確保の推進などに取り組まれております。また、行財政改革を推進していると思いますが、新政策を推進しつつ県財政の健全化を確保するため、新年度予算においてどのような財政運営をされようと考えているのか、知事にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 元気な和歌山を実現していくためには、先ほど申し上げました新政策を着実に進めていかなければなりませんが、同時に財政の健全性を損なわないようにすることはもちろんであります。
 そのために、平成24年3月に策定した新行財政改革推進プランの改定版を着実に実施し、来年度の予算編成に際しては、既存事業についてはマイナス5%のシーリングを実施するとともに、各事業の効果や緊急性等を精査しつつ、既存事業の見直しや不要不急の事業の選別を徹底的に行ってまいりたいと考えております。
 また、これまで推し進めてきた持続可能な財政構造への転換に向けた取り組みを後退させずに、国の交付金の活用や県税の徴収確保対策の強化など、さまざまな財源の確保策を講じてまいります。
 一方、本県の財政運営にとって、地方交付税の動向が多大なる影響を与えるんでございます。したがって、地方税財源の充実確保とあわせて、地方交付税総額の確保を国に対して強く働きかけているところでございます。さらには、国の経済対策や新年度予算編成の動向等を踏まえながら、有利な財源を有効に活用した予算編成を行っていきたいと考えております。
 このようにして、来年度の予算編成においても新政策を着実に実行しながら、財政の健全性を確保しながら財政運営を行ってまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会についてであります。
 昭和46年に開催されました黒潮国体以来44年ぶりとなる国体開会式まで、いよいよ291日となりました。
 10月に開催されました長崎がんばらんば国体において、本県選手団は、目標であった14位以内には届きませんでしたが、昨年の東京国体の成績を上回る、男女総合で15位と健闘されました。選手及び競技関係者の皆さんの活躍と御努力に感謝、敬意を表したいと思います。
 また、県内市町村ではリハーサル大会が開催されており、優秀な成績をおさめている競技がたくさんあるとのことで、大変心強く感じております。来年の本番に向けて、全ての競技でさらなるレベルアップを期待したいなあというふうに思ってます。
 ほとんどの競技で本国体への出場ができますが、当然のことながら、出場するだけでは得点を得ることができません。男女総合優勝を目指して日々取り組んでこられているとは思いますが、さきの長崎国体の結果を踏まえて、好成績をおさめた競技は維持していただくとともに、もう少し一踏ん張りすれば伸びる競技があると思います。あと残された期間でどう強化されていくのか、そしてまた、競技選手の育成や競技団体の強化に対する切れ目のない現在の取り組みについて、国体推進監にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 紀の国わかやま国体男女総合優勝に向けては、指導者の養成や競技者の育成を図る強化育成・指導者専門委員会と、選手等への医科学面でのサポートや情報戦略等を推進するスポーツ医・科学・情報専門委員会で組織する県競技力向上対策本部の設置など、体制を整備し、総合的に競技力の向上に取り組んできたところです。
 主な強化の取り組みといたしましては、本番で戦うメンバーとなるターゲットエージの育成、本県の弱点とされる集団競技や女子種別の重点強化、またスポーツ医科学サポートの充実などを進めてまいりました。
 今後は、長崎国体において明確となった課題も踏まえ、これまでの取り組みをさらに充実させるとともに、全国の強豪チームとの対戦経験をふやし、国内外の優秀指導者から指導を受ける機会を増加させるとともに、地元開催のプレッシャーに負けない選手のメンタル面の強化などに取り組んでまいります。
 紀の国わかやま国体に向け、県競技力向上対策本部、県体育協会、各競技団体と一層連携して、男女総合優勝をかち取ることを目指してまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、児童生徒の応援等についてであります。
 国体の開催は、県を挙げてのイベントであります。県民のスポーツに対する意識向上にも寄与することはもちろんのことで、選手や競技関係者の全国的なスポーツ交流の場、そしてまた、スポーツを通じて世代間の隔たりや利害関係もなく純粋に交流できる場であると思います。特に地域での交流は、地域の情報や特徴等を全国に発信できる絶好の機会でもあります。県民の皆さんには、国体の開催期間中だけでなく、国体後を見据えた地域の発展も意識されながら参加していただきたいなあというふうに思います。
 さきの長崎国体では、競技会場を初め訪問した先では、地域の方々から大いに歓迎されました。もう一度訪れたいなあという気持ちになりました。特に競技会場では、小中学校や高校生の姿をよく目にしたことが印象にあります。地元選手への声援はもちろんのこと、他県からの選手、そしてまた競技関係者、そして声援を送る応援団のおもてなしや、何より競技を間近で観戦できる環境が整っていたのではないかなと思います。
 この競技場での経験が、これまでスポーツに全く興味のなかった子供たちが興味を持ってもらう絶好の機会となると思います。競技スポーツの関心から生涯スポーツへの意識醸成と、まさに生涯学習になるんではないでしょうか。また、保護者の皆さんにとって、きょう観戦したことを児童生徒から聞くことで他の競技の観戦に訪れる機会につながるんではないかなというふうにも思います。
 各学校の地元で開催される競技期間中、ぜひ児童生徒に、半世紀に一度の経験、無駄にすることなく、地元の選手への応援、そして他県選手のおもてなしも経験できる環境を整える、そういうことができないものか、教育長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会は、児童生徒のスポーツに対する興味・関心や意欲を大いに高めるとともに、ふるさとを愛する心を育み、障害者理解を深めるなど、その教育効果は極めて大きいものがあります。
 県教育委員会では、市町村教育長会や県立学校長会など、機会あるごとに、わかやま国体・大会の成功に向けて協力を依頼しているところです。
 郷土和歌山で開催される国体・大会を観戦、応援することは、スポーツや多くの人々との交流を通じて希望と勇気を持って努力することや、誰に対しても温かく真心を持って接すること、ふるさと和歌山を誇りに思う気持ちを持つことになるなど、児童生徒の豊かな心を育む上でも絶好の機会であります。各地域で開催される競技や興味のある競技を応援、観戦できるよう、市町村や各学校に柔軟な対応をしておりますが、今後とも、またとないこの機会を十分生かすよう一層働きかけてまいります。
 県、市町村、学校が一体となり、子供たちに夢と希望を与える紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会となるよう、全力で取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 次に、おもてなし、ボランティアについてであります。
 児童生徒に負けず、大学生や大人もボランティアとして盛り上げていく体制も整いつつあると思いますが、来県者に和歌山に来てよかったと、そしてもう一度訪れたいと思うようなボランティアを含めたおもてなしについて、現在の体制と今後の取り組みについて国体推進監にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) さきの黒潮国体は、おもてなしの心など創意と工夫により参加者から好評を博したと日本体育協会のホームページで紹介されており、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会においても、心のこもったおもてなしで来県される方々を温かくお迎えしたいと考えております。
 このため、両大会を支える運営ボランティアについては、昨年9月から募集を開始し、延べ4900人の募集に対し、現在、延べ4100人を超える申し込みをいただき、順調に確保できている状況です。
 また、両大会に携わる職員はもちろんのこと、運営ボランティアとして御協力いただく県民の皆様についても、受付、案内、会場サービスなど、来場される方々と接する機会が多い業務をお願いすることから、ボランティア活動に必要な基本知識の1つとしておもてなしを盛り込んだ研修を実施しているところです。
 いずれにしましても、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が参加された全ての方の心に残るすばらしい大会となるよう、今後も市町村や関係団体と連携して、さらなるおもてなしの取り組み、意識の普及啓発に努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 ありがとうございました。
 最後に、国体・大会に対する知事の所見についてであります。
 国体の主役ともなる我々県民を代表する選手の皆さんには、競技時間や競技会場を離れても、常に代表選手にふさわしい行動をお願いしたいなというふうに思ってます。
 これまで、リハーサル大会等で本当にすばらしい成績をおさめられた競技に実力がついて、選手の育成強化が図られてきておりますが、幾ら好成績を上げられても、開会式とか表彰式での振る舞い、マナーが悪ければ台なしになってしまうんではないかなということで、規律が非常に大事ではないかなというふうに思います。
 好成績を残せなくとも、競技を離れた場面での行動が県選手としてふさわしく、そして誇れる行動であれば、我々は評価されると思います。他県からお越しになられた皆さんにも、さすが開催県の選手だなと言っていただけるように、例えば各競技場で、開会式において国歌斉唱を大きな声で歌うこと、そんなことが必要ではないかなというふうに思います。
 また、和歌山を代表する選手の皆さんにはもちろんのこと、指導者や競技団体の関係者の皆さん、そしてまた県民の皆さんにも浸透していただければと考えます。児童生徒が声援を送る選手には、競技以外でも誇れる選手であってもらいたいし、夢を与える選手であってほしいと思います。
 長崎国体も終わりました。いよいよ本県の出番、国体まで291日となりました。知事も、開会式、そして閉会式に出られております。いよいよ和歌山県の出番になったということで、長崎国体の経験を含めて国体に対する本県の課題、そしてまた、知事の紀の国わかやま国体に対する意気込み及び所見についてお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 長崎国体では、開会式の式典前演技に出演した地元の子供たちがはつらつと演技する姿が大変すばらしく、印象深かったと記憶します。また、町なかでも、県民の方が親切にお声かけをしてくださるなど、県民総参加のおもてなしが隅々まで行き届いた大会であったと感じました。
 本県も、和歌山県の魅力を全国に発信できるようなすばらしい式典にするとともに、県民総参加のおもてなしができるよう、一層身を引き締めて取り組んでまいりたいと思います。
 一方、その長崎県でも、選手団、役員の配宿──宿の手配ですが──に関して一部で苦情が出ていたとも承っておりまして、せっかくの立派な大会の名声に水を差すなあというふうに思いました。他山の石として、本県ではそういうこともないように、全ての面で細心の注意を払って準備を進めていきたいと思います。
 とりわけ和歌山を代表する選手たちは、規律を守り、他の模範となるべきとの議員の御指摘は、まさにそのとおりでございまして、各種競技団体などに徹底してまいりたいというふうに思っております。
 紀の国わかやま国体では、県民の悲願である男女総合優勝を何としてもかち取れるよう、みんなで力を合わせて頑張るとともに、県民が一丸となって両大会の成功に向けて取り組むことで和歌山を元気にする国体・大会にしてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕
○山本茂博君 どうも、知事、ありがとうございました。
 御清聴ありがとうございました。これで終わります。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、山本茂博君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」、こう言い続けてこちらへ登壇させてもらいます。かれこれ24回目になりますでしょうか。精いっぱい県民の声を皆さんにお届け──こっちの当局の方にお尋ねして、また一歩でも進むようにと思うて質問いたしますので、しばらくの間、お時間頂戴したいと思います。
 それでは、議長のお許しをいただきました。通告に基づきまして、順次、一般質問をいたします。
 まず、知事さん、選挙大変お疲れさまでございました。26万6083票、立派な成績でございます。先ほど来、投票率が低かったというお声もありますが、40%弱の投票の中で、多くの方が──対立候補との比率を考えますと、仁坂さんが83%で畑中さんが17%ということで、まあ圧勝ではなかったかな、かように思う次第でございます。行かなかった人も、黙認と申しましょうか、仁坂さんの県政に文句はないよ、こういう意味もあろうかと思いますので、その投票に行かなかった方、あるいは反対票を投じた方も県民でございますんで、県民の幸せのために頑張っていただければなと、かように思う次第でございます。
 また、昨日、私の友人から私の携帯に電話がありまして、何かいなと思うたら選挙の働きかけなんですね。「中、お前から仁坂さんのはがきもうたよ」と、「俺も入れたで」と、こういうことがございました。ところで、僕が公明党の県会議員で門さんの推薦頑張ってるんですけども、僕に──彼も何か団体の役員してるもんですから、「門さん頼むで」と、「わかってるよ」と、「じゃ僕も、公明党頼むで」、こういう形でやりとりしました。また、自宅にもはがきが届きました。門さんのはがきなんですね。
 何が言いたいかと言いますと、こうやって政治にかかわってて人に働きかけることが多いんですけども、自分も働きかけるというか頼られるというか、そういうありがたみというか、それを感じました。それぞれの陣営、精いっぱい頑張ってるんですけども、皆さん自分の意思で選挙公報を読み、テレビの政見放送を見て投票を入れる、それはもちろんでございますが、やっぱり親しい方から声かけられていけば票というのは固まっていくのかな、まあそんなことを思うた次第でございます。私も公明党の2区の担当で、石田先輩の応援に駈けずり回ってますけども、立派な成績で勝たしてもらえればな、こんなことを思う次第でございます。
 そうやって、和歌山へ石田さんの演説会を終えて帰ってきて、もう晩の10時ごろでしょうか、和歌山市内へ入りますと、地蔵の辻で、晩のもう10時で選挙運動、宣伝カーは終わるんですけど、宣伝カーを、自分の遊説カーを置いて、その前で岸本さんがぽつんと立ってるんですね。やっぱりそういう姿見たら、ああ頑張ってるなあと思ってじんときます。それぞれの陣営、大変でございましょうけども、この後残る選挙期間、精いっぱい頑張って、県民の、国民の審判をあと5日、ともどもに頑張りたいな、かように思う次第でございます。
 そこで、知事さんが投票を終えて、もう明くる日に登庁なさいましたですね。で、玄関で、お迎えする端っこに立っておりました。知事さん、颯爽とお見えになって、正面玄関で、1期目は、1回目のときは「さあ、仕事だ」、2回目は「また仕事だ」と、今回は「またまた仕事だ」、まあ仕事の好きな知事さんらしい御挨拶でございましたし、この9月議会の冒頭の挨拶でも、県政を新たに切り開く覚悟であると、公約の7つの政策、「あたたかい改革」を推進してまいると、こういう御発言でございました。
 改めて1期目の公約、選挙公報で確認させてもらいますと、ふるさと和歌山を元気にする5つの政策、5つの目標ということで公約を掲げ、1つは職づくり、人づくり、地域づくり、2つは、当時、木村さんの事件で談合のことが問題になってましたから、談合をなくし清潔で透明な県政、3つ目に安心・安全の確保、4つ目に和歌山の美しさを生かした観光の振興、5つ目に楽しい和歌山の実現、こういったことで公約を掲げてて、今度2期目のときは「和歌山を元気に」、ここで初めて「あたたかい改革」という言葉を使って訴えております。
 4年間の実績を通して、清潔で信頼される県政は確立できた、企業誘致も80社呼んでこれてインフラ整備もそこそこできた、3つ目に安全・安心を守った、医大の定員を60人から100人にふやした、改革はまだまだこれからで、100万県民とともに和歌山を元気にすると言って、公約として、働く場をもっとふやす、県民の安心・安全を守る、3つ目に和歌山の活力と品格を高める、4つ目に県勢進展のチャンスをふやす、こういう公約で再選されました。
 で、今回の3期目で、表題は同じく「和歌山を元気に あたたかい改革」、県民とともに和歌山を元気にする7つの政策と、こういう形になったんだと思います。それで、2期目からの「あたたかい改革」ということを標榜なさり、3期目もこの言葉をお使いでございます。2期8年の実績を踏まえても、なおまた「あたたかい改革」を心がけようとしているその姿のあらわれの表現だと思いますが、「あたたかい改革」という言葉がちょっと抽象的でございますんで、改めて御説明いただければと。
 あわせて、今次この総選挙で争点となっております消費税を10%に引き上げるのを延期して今回の選挙になったわけです。公明党は、低所得者の対策であるとか、あるいは逆進性の解消であるとか、あるいは、この8%のときに見られましたように駆け込み需要が大きかって、その反動も大きいということだったもんですから、そういったことの反省からも生活必需品に限っては低い税率のまんまで適用して10%には引き上げない、複数の税率、いわゆる軽減税率を導入すべき、こういうことを申し上げて、今、国民の審判を仰いでいるところでございますが、この知事がおっしゃる「あたたかい改革」にもこういった方針は符合するかと思いますので、知事さんの御見解を聞きたいなと。
 一方、アベノミクスだ、トリクルダウンだと難しい議論も続いておりますけども、この選挙におきまして軽減税率を支持されることを私ら目指して頑張るわけですけども、知事さんの御見解をお尋ねして、まず最初の質問といたします。御答弁、よろしくお願いします。
○議長(坂本 登君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私の3期目県政の抱負、特に「あたたかい改革」についての御質問でございますが、まず、今回の知事選挙におきまして、県民の皆様から、和歌山県の抱えるさまざまな課題をこれまで数多く解決してきた延長線上で、残された課題に対して、私が先頭に立って全力で取り組み、解決することについて御支持をいただいたと思っております。
 その上で「あたたかい改革」でございますが、一例を申し上げますと、課題の解決の中に例えば財政再建があります。そういうときに、例えば人口が少ない地域に対する投資とか、あるいはハンディキャップを幾つか持っておられるようなそういう方々に対する配慮とか、そういうことをどんどん切り捨ててまいりますと財政再建というのはかなり容易にできるものでございます。しかしながら、そういうことをやっていったら果たして何のための県政であるかなあという気がいたしますので、そういうふうにならないように頑張って配慮してまいりました。全ての県政に関して、そういうことをやっていきたいという気持ちでございます。
 選挙期間中、県内をくまなく回りました。都市部の商店街、山間の過疎地域、農業、林業、漁業、工場など、県民の皆様が働いておられる現場などで多くの方々とお会いいたしまして、励ましのお言葉をかけていただきました。
 その中でも、多くの高齢者の方々とか、あるいは中山間地で懸命に頑張っていらっしゃる方々とかからも励ましの言葉もかけていただきました。また、元気をなくしているかつての地方の中心街とか、そういう現状などを改めて目に焼きつけてまいりました。
 このような声を真摯にお聞きし、また現実を直視して、人口の多いところや、あるいは栄えてる人々だけではなくて、恵まれていない、あるいはつらい思いをしている人々、地域にも配慮をしてやっていきたいと考えてるわけでございます。
 消費税10%に増税する場合にいわゆる軽減税率の導入はどうかという御質問でございますが、これは社会的弱者に対する配慮を制度的に導入するということでございますので、私が唱えております、考えております「あたたかい改革」の精神に合致するものだというふうに思います。軽減税率も、そのような発想で与党で提案されているのではないかというふうに考えます。
 一方、税金はシンプルでなければならないという理論もありますし、軽減税率については何をどう軽減するのかという、あるいはそれがどう社会的弱者対策になるのかというような問題が残っております。今後、政府でこのような問題をしっかり議論して詰めていただきたい、そんなふうに考えてる次第でございます。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 知事さん、ありがとうございました。
 まさにそういうことも公明党もわかった上で、それで生活必需品、食べるもんぐらい、こういうことを申し上げておりまして、一方、じゃ、ややこしなる、不公平が生じる、機械的に難しい、いろんな議論があると思います。それも、また当然やと思います。しかし、ヨーロッパ諸国であり、あるいはお隣でもやってるように、コンピューターの進んだ時代で、昔みたいに数字を打ち込むわけでなし、バーコードを照らすだけで計算処理もできるし、いろんなソフトが計算をしてくれるとするんであれば、そういう難しさも解決していくであろうし、何より、そういった難しい点はあったとしても、やはり庶民の生活を守り景気を持続的に向上させていく上においてはこういう軽減税率という考えは必要であると、滑った転んだはあっても国民生活を守る上ではやるべきではないか、そういう決断をまあ公明党は迫ってるということで御理解いただければな、かように思います。
 次に、知事が兼務してらっしゃる日本赤十字社和歌山県支部長の職責についてお尋ねしたいと思います。
 先日、11月27日、知事選の最中でしたから知事さんはお見えになりませんでしたけども、近畿管区広域緊急援助隊合同訓練というのに警察本部からお招きを頂戴しまして参加させていただきました。訓練内容が当日まで参加者に知らされないまんまの訓練で大変だったと思いますけども、皆さんの訓練に挑まれている真剣さに心を打たれた1人でございます。
 中でも、日赤の特別救援隊のテント、ドラッシュシェルターテントと言うそうですけども、その訓練の模様を拝見しておりました折、担当者の方から、こういった野外の救援活動こそが赤十字社の使命であるということを力強くおっしゃってましたし、こういった空調のきく、ある面、手術もできるようなドラッシュシェルターテントを持ってんのはほかの機関にはないんだと、ほかの機関に貸し出してんのが日本赤十字であると、こういうお言葉がありましたし、和歌山の日本赤十字社は、医療センターという、センターという称号を使わしてもらってると、これは東京の広尾と和歌山だけだ、そういったことも誇ってらっしゃいました。
 皆さん、もう御存じかと思いますけども、赤十字社というのは、スイス人の実業家のジャン・アンリ・デュナンが設立しました。彼は、スイスの実業家でございましたけども、イタリア統一戦線の折、ソルフェリーノの戦いに遭遇しまして、戦傷兵の姿を見てこういった運動を初めとする契機となりましたし、そういった彼の活動が、また彼の著作が多くの感銘を呼び、後の赤十字社の結成となり、このアンリ・デュナンさんは第1回のノーベル平和賞を受賞されております。
 日本の赤十字社も、そういった運動を受けまして明治の初期のころから始まりまして、我が県とも関係のあります明治23年の串本のエルトゥールル号の遭難の事件の折にも日本の赤十字社は救護班を派遣されていると、こういった歴史と伝統を持つ日本赤十字社であります。
 私ども公明党も、国内外の災害が発生するその都度、市民団体の方と連携しながら、相手を携えて街頭募金を募ります。阪神・淡路大震災しかり、せんだっての3年前の東日本大震災しかり、あるいは外国のスマトラ島の大地震、フィリピンの台風、トルコや中国四川で起こりました地震、そういった悲惨な状況を目につけ、人道的見地から、寒い日も暑い日も街頭に立ち、募金活動を展開するわけでございます。私どもの男女の青年党員にも協力をお願いします。「暑い中、済まんな。御苦労やな」、こうやって青年党員に声かけますと、「何言うんですか、中さん。私ら、お手伝いできてうれしいんですよ。何かしたいと思ってたんですよ。そういったときによう声かけてくれました」、こうやって喜々としてこういった募金活動に参加してくれるんです。
 さて、そこで、皆さんのまちの市民の方の温かい真心のお金、計算しまして、さあ、どこに届けるか。まあいろんな団体があろうかと思います。マスコミさんのやってる文化団体もあれば、いろいろ取りまとめてくれるところがありますけども、衆目の一致するのは、やっぱり日赤やな、日本赤十字へお届けしようやないか。こういうことで私どもはお届けするわけですけども、残念なことに、その日赤の社員の方の横領事件が発覚したと。内部の検査でわかったらしいんですけれども、報道がございました。金額も160万ほどの着服とのことでございますが、本人は懲戒解雇され、事務局長のこちら県のOBの鈴木さんも自主退職なさいました。その後、支部長である仁坂さんに日赤さんから職員を派遣してくれというふうな依頼もあったということですけども、山本人事委員会事務局長が、今、日赤の和歌山支部の事務局長として派遣されて仕事に取り組んでらっしゃいます。
 認可法人でありますこの日本赤十字社というのは、理事だけでも61人いらっしゃいますし、とても立派な組織で、皇后陛下を名誉総裁にいただくような立派な団体でございます。こういう事件を踏まえて、仁坂知事、県知事のお仕事だけでもお忙しいでしょうし、まして日本赤十字の一々の事務職員さんの働き等に、まあグリップ握ってハンドルとれるわけでもないでしょうから支部長をお務めになるというのは重い役じゃないかな、こういった日本赤十字社自身が立派な方いらっしゃるわけですから、その方にお任せしたらどうかな、こういったことを今回の事件で思いましたもんですから一遍知事さんにそのことをお伝えして、そういう決断もいいんじゃないかな、かように思いますけども、知事の御見解をお聞きしたいと思います。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私が支部長をさしていただいております日本赤十字社和歌山県支部は、士気も高く、かつ多くの県民からも支持されているということで、私は大変誇りを持っております。
 ところが、その和歌山県支部の職員がこのような御指摘のような事件を起こし、また、その後の処理も適切ではなかったということで、寄附等をいただいた方々の信頼も裏切ることになっておりまして、当該職員の任命権者及び監督者として大変申しわけないというふうに思っております。大変な油断でありまして、深くおわび申し上げたいと思っております。
 再発防止のために、処罰もいたしまして、人事も一新して管理チェック体制の見直しを指示したところでございます。
 私は、就任の際に、いわば充て職でたくさんの職を兼務しておりましたけれども、かなりのものにつきましては、ちょっと引かしていただきました。しかし、赤十字の和歌山県支部とか、あるいは社会福祉協議会の理事長とか、そういうものについては、これはちゃんとやろうということで、自分がその職にとどまるということを意図したところでございます。
 日本赤十字社和歌山県支部は、病院・看護師養成事業、血液事業や災害救助業務など、県民の命と健康を守るためにさまざまな活動をしておりますが、県行政とも深い関係にあるわけです。
 今後とも、日本赤十字社和歌山県支部と連携した取り組みを進めていきたいということで、大変皆様に失態を演じまして申しわけないんですが、改めて心を新たにして、引き続きその役割を果たしていきたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 全国の支部長に知事さんがなってらっしゃることも知ってますし、ふさわしいという感じは確かに一方であると思います、肩書からすればね。しかし、プロパーの方も熱心に仕事をしてらっしゃるし、決してその人材がないわけではないと思いますので、また、知事さんおっしゃいました血液のこと、あるいは医療のこと、そういった連携も、何も知事が支部長やから県の職員はやりやすいとか、そういうことでもないようでございますので、まあ自分がグリップ握るの大変だということであれば、やっぱり赤十字の方にお任せしたほうがいいんじゃないかな。
 知事さん、お病気で手術なさったときも、まちの方の声ですけども、「医大で手術せえへんのやね」と、こういうお話でした。「いやいや、知事さんは日赤の支部長ですから」と、また「林先生も立派ですから」と、こういったことで口さがない庶民の中での話題になってたもんですから、この際、そんなこともお尋ねした次第でございます。
 もう1つ、次の問題ですけども、これも先ほど山本議員もお聞きになりました。知事さんが初登庁なさったときに、記者会見で同じように3期目の抱負を聞かれて、「別に選挙のときに訴えなくても、取り組まなければならないことはすぐにやってます。ただ、選挙で訴えてみて反応を確かめながら、期待されておればまた頑張る。そういうことで気力が高まる」と記者の質問に答えて、「それであえて言うと、まだまだ特に手をつけていないと思うのは都市政策です。もう既に水面下で幾つか考えているんです。例えば県立医大に薬学部をつくって都心に持ってくれば、それは市の中心部のにぎわいというのが、その学生さんや教授の人たちがそこに集まるということになります」と、こういうふうにお述べになって、翌日の新聞に、知事が都市再生積極ということとともに、県立医大に薬学部ということが報道されまして、リードでそういう見出しが出るもんですから、やはり見た方、県民の方からは、「あ、医大に薬学部できるんやね、中さん」と、こういう問い合わせを受けるわけでございます。
 それで、こういう質問の機会でもありますので、私は知事さんに直接聞ける機会が県民から与えられておりますから、先ほどの都市の中にできたらええ、町なか活性化したらええという類いの話のような答弁でございましたけども、やっぱりこうやって知事が口に出すと活字となり、県民に伝わり、期待も呼び、またいろんな効果があるわけですから、あそこで発言された限りは、この議場でもう少し詳しく知事さんの薬学部についての──そのことが、まあ都心部につくったら都市再生ということですけども、都市再生も、例えば伏虎中学の跡かえみたいな形の話にすぐなりますから、思いがあればお示しいただきたいなと、かように思います。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本件の問題は、根っこにある都市再生の問題と、それから薬学部の問題と2つあると思います。
 まず、全国どこの都市でも同じような傾向なんですけれども、都市計画があんまり厳正に行われていないところがほとんどでございまして、特に和歌山はそうだと思います。
 和歌山市に例をとって言いますと、DIDという人口集積地ですね、人がたくさん住んでるところ、こういうところが、私の子供のころなんかに比べると現在は3倍ぐらいに広がっております。そうしますと、供給が3倍ですから、地価が下がりまして、それで、皆さん少しずつ自分の土地を持っておられる人が多いんで、そうすると財産が目減りして貧乏になるということにもなります。
 それから、3倍の地域に都市施設、すなわち水道とか下水とか市道とか、そういうのをつけていきますと、なかなか大変でございますので市の財政がつらくなってまいります。それから、お年寄りについては、車がだんだん運転できなくなってくると、ばらばら住んでおると、これはなかなか生活がつらいということになるような、そういう問題点を抱えております。もちろん、中心市街地の問題もあります。
 そのためには、これを何とかしようとすれば、都市の外縁部への拡大をこの辺でやめて、すなわちもう住んでしまった方についてはその生活はちゃんと守ることにして、これ以上もうどんどん拡大するというのはやめて、それで中心部とか、あるいは過去の開発地で元気をなくしているところとか、そういうところの再開発を行うことによりまして町なか居住を進めていくことが大事だというふうに思ってる次第でございます。
 再開発を進めていくに当たりましては、居住施設、これの集積みたいなものが当然必要なんですけれども、そのほか、学校などの教育文化施設、医療施設、福祉施設、子育て支援施設といった居住者の生活を支えるための都市機能施設の立地や集約などを図ることが、これは肝要であるということで、先ほど山本議員に対しても答弁したとおりでございます。
 例えば、県立医大に薬学部を設置しましてまちの真ん中に持ってきますと、その周辺のにぎわいが、いつも学生や教授の皆さんがいるということですから、つくられてまいります。
 また、介護とか医療の分野で考えますと、高齢者に対するビジネスやサービスの施設が誘致されますと、町なか居住地がより便利になりまして、またその働いてる人たちがそこで集まってくるということになりますので、人々が集まってくるという効果も期待できます。
 都心部の再開発には、住宅のほかにこうした中心となる施設の誘致あるいは設置、そういうものが必要でありまして、今後も、県、市──和歌山市についてはですが、県・市政策連携会議などを活用しつつ、市とともに検討を進めていきたいと思っております。その際、この間、伏虎中学校のあたりどうだという話もありましたので、これも含めて具体的にどんどん話を詰めていきたいというふうに思っております。
 また、和歌山市以外も、同じような問題を抱えるか、あるいは将来抱えるという問題がありますので、この辺につきましては、それぞれの市当局とよく話をしてまいりたいというふうに思っております。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 前段お話しいただいたことは、もう山本議員の答弁でわかったんですけども、その上で、やっぱり知事さんがしゃべったとなると新聞記事にもなりますし、私ら、聞けば、コスモパーク加太も、もう長いこと、これ、借金まみれで大変なわけですし、せんなんと。おっしゃるように、和歌山市以外でもいろんなことはせんなん。そういうことがありながらも、知事があそこで言うたということで記事になると。
 中村先輩の質問でも、知事さんは、50年後に笑われないように考えるというふうな2月の答弁でございましたし、そういうことで研究もし、着々と手を打ってくださるのかと思いますが、ああやって記者会見で言われると、まあ進んでるんかな、できるんかなと思います。結局、薬学部はできるんですか。そこをここでちょっとお答えください。
○議長(坂本 登君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、ぜひつくりたいと思いまして準備を進めているところでございます。いろんな障害がありましたんで何かうまくいかないときは、また御説明をしたいと思います。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。本当にそういうことであれば、議会も一緒になって応援して頑張っていきたいな、かように思います。
 次に、ふるさと納税のことでお尋ねします。
 私、これで3回目なんですね。平成20年の6月19日のこの本会議の場所で、これが始まるときに、鹿児島県なんかは市町村と一体となってやると言うし、福井県でも市町村と共同で取り組みますと言うてますと、和歌山県も、坂本冬美さんや竹中平蔵さんみたいな有名な方ありますから一緒になって協力したらええですねということをここで、ふるさと納税のことで御質問させてもらいました。
 また、21年の6月22日にも、在京県人会へ行かしてもうたときに小野田さんのお話を聞いたりして、また、あのとき保田局長さんが納税のパンフレットを一生懸命配ったりしてくれたり、そういう県の職員さんも頑張ってるということも紹介しながらここで提案さしてもらいまして、そこそこ集まってるよと、こういうことでございました。
 しぼんでいかなんだらええなと思って今回このことを調べましたら、実はあっちこちで競争といいましょうか工夫合戦が始まっておりまして、鳥取県は、寄附してくれたことに対する特典でぐっと伸びたという報道もありました。和歌山県でも高野町なんかが頑張ってくれて、インターネットで検索しますと、ゴマ豆腐の取り組みであるとか、いろんなことがヒットします。
 そういうことで、お米やとか特産品とか商品券とか旅館の優待券とか、それぞれ工夫してあっちこっちでやってるんですけども、じゃ和歌山県の現状はどうよというと、どうもそういうことには消極的なようでございますんで、それでいいんかなと。こういったことも含めて、和歌山県の現状やら経緯やら、あるいはこの先のこと、そういったことを総務部長からお答えできればな、かように思います。
○議長(坂本 登君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) ふるさと納税は、地方と都会の税収格差を少しでも是正し、自分を育んでくれたふるさとへの感謝や恩返しへの気持ちを具体化させるもので、県にとっても、元気な和歌山実現のための施策に役立てることができる有意義な制度であると考えております。
 県では、この制度を活用するため、ふるさと和歌山応援寄附として取り組んでいるところでございます。
 平成25年度の寄附実績につきましては146件、1784万円余りで、制度が創設されました平成20年度からの総額では1億4000万円を超えており、正確な比較はできないものの、ホームページで公表されております都道府県の中では、近年、10位台前半で推移しておるところでございます。
 次に、取り組みにつきましては、仁坂知事みずからが先頭に立たれまして、県にゆかりのある方々への直接訪問や県人会等への広報を積極的に行うとともに、寄附者とのつながりを深めるため、時々の施策や県内の話題を掲載いたしました「和歌山だより」を毎月送付するなどの取り組みを継続して行っております。
 また、平成25年度からは、前年度に1万円以上の寄附をいただいた方々に対しまして、感謝の気持ちをあらわすため、実質的な自己負担となる2000円程度の県産品を贈呈しているところでございます。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございました。
 1億4000万もこうやっていただけるというのはありがたいことですし、前にお手紙なんかでも、和歌山のことをよう忘れんと、疎開したときのことうれしいと、そういうお気持ちからしてくださった方もあって、何か非常に心に打ついい制度やな、独自財源ない中でいい制度やなと。
 また、今、最後にお答えいただきましたように、2000円の県産品は送ってらっしゃると。年によって違うて、梅干しやったりジュースやったりするそうでございますけども、こういうことを県も、ささやかながらやってないわけではないということがわかりましたが、じゃ県下30市町村で数字見れば、田辺、かつらぎ、湯浅、那智なんかも、こういう制度を取り入れた、特典を取り入れた途端にぐっと上がったという傾向があるようですが、県下の30市町村の現状をちょっと教えていただければと思います。
○議長(坂本 登君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) ふるさと納税については、制度創設から平成26年度上半期までの県内全市町村におけます実績は、件数で約1万8000件、金額で約4億8000万円を超えております。
 各市町村におかれましては、それぞれの立場で、特産品等の送付を含めて自主的に取り組まれているところであり、昨今は、飛躍的に寄附件数と金額が増加している市町村もあるところでございます。
 なお、寄附者への特産品等の送付につきましては、国からの通知や全国知事会議における議論を受けまして、各市町村において、ふるさとや地域の応援、貢献といった制度本来の趣旨や寄附金控除という仕組みであることを踏まえて、適切に良識を持って対応するよう助言しておるところでございます。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 市町村でも4億8000万ほど集まって、独自財源ない中で非常にええことやと思うんですけど、今、総務部長は、最後のほうは、何かやったらあかんみたいな話になってきて、工夫してんのにええことやなと言うてくれるかと思ったら、ちょっと残念ですね。
 確かに、東京都が尖閣諸島を買うときに、これを利用して、どんどん寄附して14億ほど集まったんですか。最終的には国が買いましたけども、まあ多少、本来の趣旨にそぐわないところがあるかわかりませんけども、よそが一生懸命やって税金が集まって、またその集まったお金で県産品を買ってやっていくということであれば、県産品の消費、産業の振興にもつながりますし、私、そんなに悪いようには思わんのですね。
 じゃ、どんどんやってくれというと、今言うようなことで、多少本来もらえる市町村が割を食って、県まで割を食って、何か軽井沢で大金持ちが寄附したら、軽井沢町が返さんなんもんですから大変やったというお話も聞いたりして、そういう弊害もあるんかわかりませんけども、せめて本県は、そうやって2000円のお礼しているんであれば、その2000円の分だけでもプレミア和歌山の中から選んだらどうよと。もう今は、県の担当者が決めてくれてるようですけども、お礼の気持ちというんであれば、今、結婚式のお返しも、カタログで見せてもらって自分で選ぶような時代になってます。やはり県が、和歌山の梅干しはええんや、このジュースがええんやと言うて、それは悪いことではありませんけども、ほんまにお礼の気持ちというんであれば、和歌山県も、工夫してやってる中でもう一工夫したらいかがでしょうか、お尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 寄附に対します特典につきましては、議員御指摘のとおり、寄附獲得や地域の産業活性化を目指し充実させる団体がふえている一方で、団体間での競争が過熱していることから、制度本来の趣旨を踏まえて節度ある対応が必要との指摘が国や全国知事会においてなされているところでございます。
 このような指摘もあって、寄附に対する特典の見直しを行った地方団体も出てきているところでございます。
 本県では、寄附に対する特典としてではなくて、感謝の気持ちをあらわすために実質的な自己負担相当額の品物をお礼の品として贈呈することといたしまして、また、この機会を県産品のPR機会と捉え、プレミア和歌山の中から、その時々のえりすぐった品物をお送りすることとさせていただいております。
 今後も、引き続き、ふるさとや地域の応援、貢献といった制度本来の趣旨や寄附金控除という仕組みであることを踏まえながら、多くの方々に、ふるさと納税を通しまして和歌山を応援していただけるような取り組みを進めていきたいというふうに考えております。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ですから、そのプレミア和歌山の中からえりすぐりのものを選んでるのが総務部の方なんですね。それで真心になりますかな。プレミア和歌山の中から選ぶんであれば、カタログ渡してあげて、そこから選んでもうたらどうですかという、至って私、当たり前の問いをしてるんですけども、まあなかなかかたいようでございますんで、それぐらいの決断はしていただきたいなということをここで要望しておきます。
 次に、消費税の免税店のことについてお尋ねします。
 日本が今、全国、外国の方、お見えでございますし、私らも白浜、勝浦へ行ったときに中国語や韓国語の方と多く出くわして、にぎやかになってきていいな、かように思っています。
 去る10月10日、難波のスイスホテル南海大阪で、鶴保庸介さんの「明日の日本を語る会」という催しがございました。外国人旅行者向け免税制度に関する協議会、事務局長大本さんという方を御紹介されて、いろいろお話をお聞きしました。知事も、そのときの挨拶の中で、免税店をふやそう、頑張ろう、そういうスピーチがございました。1万店にしようと、こういうお話もございました。そういうことで、この10月の1日かららしいですけども、多少話題になっておりますんで、いいことやなと思いますんで、県内各地の取り組みの状況をお教えいただければと思います。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 平成26年度税制改正により外国人観光客向け消費税免税制度が改正され、本年10月1日から、これまでの家電、バッグや衣料品等に加え、菓子類、飲料品、医薬品等の消耗品が消費税の免税対象となりました。消耗品については、5000円を超える買い物が免税対象となります。
 県内への外国人宿泊者が平成25年には過去最高の21万人を記録する中、この制度改正は、さらなる外国人観光客誘致、そして外国人観光客による県内消費拡大の絶好の機会と考えております。
 これまで、県内の事業者がこの制度を十分に活用できるよう、県内各地での説明会の実施、事業者への個別訪問等により免税店の申請支援を行ってまいりました。
 こうした取り組みの結果、本年4月1日には8店舗であった県内免税店数が、10月1日には66店舗に増加いたしました。
 今後は、引き続き免税申請支援を行うとともに、免税店情報の外国人観光客向けガイドブックへの掲載や海外プロモーションでの露出強化等の情報発信に努め、外国人観光客に和歌山ならではのお土産を購入してもらえるよう環境整備に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 本当に久々に明るい話題かと思いますんで、頑張っていただけたらと思います。
 ただ、残念なことに、県内1万店にしたくても小売店8783しかないそうですんで、1万店には及びませんけども、知事からの覚悟で、行く先々でこの免税店のシールが張ってくれてるようなお店になるように私らも応援していきたい、かように思います。
 次に、県民交流プラザ和歌山ビッグ愛・和歌山ビッグホエール・武道・体育センター和歌山ビッグウエーブの関連でお尋ねします。
 国体道路を走ってますと、折に渋滞に遭います。折にと言いますか、ちょくちょく渋滞に遭います。ビッグホエールとかビッグ愛で行事をやるときに、そうなるんですね。入り口1個しかないからそうなるんですけども、何かえなと思っても、何の行事かわからんまんま、いらいらしたまんま通り過ぎます。あるいはまた、自分でビッグホエールやビッグ愛の行事があるときも、多少混雑して入り口で困るなあということがあります。ほんまに国民体育大会が行われて、ビッグホエールやビッグウエーブを使ったときに大丈夫なんかえな、こういう心配もするんですけども、きょうは主にビッグ愛のほうの駐車場のこと、あるいはその先の駐車場の開閉の門を出た後のさばきと言いましょうか、交通の最適化についてお尋ねしたいと思います。
 ビッグ愛で行事を終えて、ああ、ええ勉強したよ、楽しかったよ、ためになったよと思って表へ出ようと思ったら、その駐車場の開閉機の手前で混雑したらストップします。それはまあ一遍に出るんやから仕方ないなあと思って我慢するんですけども、今度出た後も、当然、国道の、あのケーズデンキさんのほうの1カ所しかありませんから、もう信号のたんびにはける台数が限られてますから、なかなか外へ出られません。
 一方、宮前駅のほうを向いてきれいな道がついております。道がついているのに、出口まで行ったら棒が立ってて出れないという意地悪されてるような形になるんですけども、この際、こういった出入り口も、国体もあることですから、もっとスムーズになるように改良していただけませんか。今から道つくれというわけじゃありませんので、至って簡単な方策やと思いますけど、これは教育長ですかね、お願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県民交流プラザ和歌山ビッグ愛・和歌山ビッグホエール・武道・体育センター和歌山ビッグウエーブの駐車場につきましては、出入り口が1カ所しかなく、大規模イベント開催時などは場内道路で渋滞が発生することがあります。
 そうしたことが予想される場合は、主催者と協議しながら、隣接する県有地を開放し、臨時に出口をもう1カ所ふやすなどの対応をしております。
 国体開催時は、これまで以上の渋滞が予想されることから、競技主催者である和歌山市と十分協議をし、宮前駅方面の出口を開放するなど、周辺住民の方々の御理解を得ながら、より柔軟に対応していきたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ですから、今、教育長が言うてくれたんは、ケーズデンキのほうへ行く手前のところも行けるという、何かの拍子には行けるということですけど、行ったところで、やっぱり同じ国体道路ですから、ぜひ宮前駅のほうの、今、既に道があるわけですから、開放していただくようにお願いしたいと思います。
 もう1点、今度は駐車場の車の置く場所なんです。
 もうできて10年ぐらいたつんでしょうか。皆さん、活発に利用なさるもんですから、大分アスファルトもはげて、ざらざらざらざらした路盤となっております。また、当初つくったときに、車できるだけたくさん入れたいよと思ってるのか、1台1台の駐車スペースがもう非常に窮屈でございまして、軽四輪であれば何とかさほど心の負担はありませんけども、5ナンバーの普通車ですら、あそこにつながって置くと、ドアをあけて乗りおりが非常にしづらいところでございます。いつまでもこういうことであれば、いずれドアとドアがぶつかったり、あるいは風の強い日なんか、お隣の車を傷つけてしまったり、そういったことも心配しますもんですから、もうあんだけ駐車場の路盤も傷んでるんですから、国体を機に路盤をやりかえるんであればやりかえてほしいし、その折に、1台1台の駐車スペースも、今の車にふさわしいスペースを確保していっていただきたいと思いますけど、御答弁、お願いします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 1台当たりの駐車スペースにつきましては、国土交通省の指針で示されている小型乗用車の幅員基準2.3メートルを満たしておりますが、普通乗用車の幅員基準2.5メートルは満たしておりません。
 平成9年の建設当時は収容能力等を優先し、小型乗用車の基準で十分と判断をしましたが、最近の車両の大型化に伴い、御不便をおかけしていることは認識しております。そのため、平成26年度に新たに駐車場を整備した際には、普通乗用車の幅員基準に基づき整備をしております。
 1台当たりの駐車スペースの幅員の変更については、今後も施設全体の修繕計画の中で、全体の優先順位を考慮しながら、舗装整備とあわせて順次可能なところから対応してまいります。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 おもてなしというのも、そういったところでやっぱりあらわれると思います。教育長や知事は、運転手さんおつきのお車で、お車寄せでおりて行くだけですけども、やっぱり県民は、駐車場へ置いて、そういう不便もかこうてるわけですから、そういったところも気配りしてほしいなと。
 もう1つ、次にささやかな問題なんですけども、せんだって知人の方から、「自分の息子が大学に受かったんや。それは非常にうれしいんやけども、親のふがいなさで、その入学金が不如意なんや。ついては、いろんな制度あるらしいから、中さん、どうよ」ということでした。「いや、そんなこと、学校の事務長やら進路指導の先生、詳しいと思うで。そこにまた聞いてよ。僕も調べるけど」ということで、県の教育委員会にお聞きしましたら、例の学生支援機構のことは、もうその学校の担当のところでやってくださっております。一方、県が独自でやっている助成金の制度は、生涯学習課でやっております。また、民間の、例えばオークワさんの育英の基金なんかは、また別の部署が掌握しております。あるいは、和歌山だけでなしに、東京で経営者として成功した方が和歌山の出身者にと、こういう制度もつくってくれてまして、いろんな育英会があるんですけど、そういったことをトータルでわかってくれるところが残念ながらないんです。
 もっと教育委員会の中で──まあ、縦割りやから仕方ないんかわかりませんけども、事学生あるいはその御父兄、親御さん、こういった方がもっと手軽にわかるように、相談できるような一工夫が必要かと思いますけども、そういった周知の方策について教育長に御答弁いただければと思います。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 現在、県教育委員会が所管する修学奨励事業といたしまして、自宅または自宅外から通学する高校生等のための月額奨学金の貸与及び大学・短大・専修学校専門課程の学校へ自宅外から通学する者に対して、一時金として最大50万円まで貸与する進学助成金の事業を行っております。
 また、本年度から実施しております奨学のための給付金につきましては、授業料以外の負担を軽減し、安心して教育を受けられるよう、要件を満たす高校生等がいる世帯に対して給付を行っております。
 これらの奨学金制度の周知につきましては、チラシやパンフレットを作成し、学校等へ配布しています。また、「県民の友」への掲載やメディアの活用、御協力いただける金融機関や小売店舗などに広報用ポスターを掲示するなど、さまざまな形で多くの方に周知を行っているところです。
 県内で実施しているその他の貸与や給付の奨学金につきましても、その制度の把握に努めるとともに、問い合わせ等に応じてより丁寧に情報提供するなど、奨学金制度の趣旨等を保護者に周知してまいります。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 それ、スーパーに張ってくれたり、いろいろ「県民の友」でやってくれたり、そういう努力は本当に御苦労やと思います。箇所もふえてんのやと思います。しかし、教育委員会に聞いて、あっちこち分かれてるというのと、その持ってくる費用も、おんなじこと書いてんのに何種類か──少なくとも、こういう県がつくったやつでも3種類の色が渡されるわけですね。じいっと読んだらおんなじ制度のことやしと思うて、結局わかりづらいもんですから、もっと──正確を期すという意味では正確に書かなあきませんけども、わかりやすくという意味においては、親御さんや生徒さんに伝わってこそ初めての奨学金だと思いますんで、聞けば、何か予算の締め切りのこともあって、予算上の事務の都合で締め切り早まってんのやというようなことがあるそうですけども、それは役所のルールでございますんで、もうちょっと運用の中で改めていただければなと、かように思います。
 最後に、金庫の問題についてお尋ねします。
 これも、ちょっと聞くのも恥ずかしいんですけど、去る6月の25日、有田振興局の健康福祉部内の据え置き型の金庫が破られて、7万円入った手提げ金庫、2個の中で合計で7万円らしいけども、盗まれたそうです。もう1個の金庫は無事やったらしいんです。そこしかお金多かったらしいですけどね。聞けば、夜間入退出記録を見れば、3時47分に機械が操作されてると、警備会社から確認してると、こんな報道でございました。で、湯浅署に被害届も出してる。残念ながら、まだ解決しておりません。
 また、そうこうしてたら、今度、12月1日に、県の動物愛護センターに送られてきた金沢からの匿名の方の10万円というお金が、これも金庫に入れてたのになくなったということです。海南署に届け出て捜査が始まってんのやと思います。
 一方、他の現金や証紙なんかはとられやんと、この送ってきた10万円だけなくなってるんですけども。で、記者会見では、「金庫入れてました」、「金庫入れてました」と言うんですね。きちっと管理してたかのごとく金庫に入れてたそうですけど、金庫に入れてても盗まれてるじゃないですかというのが私の疑問なんで、一体、県が管理する金庫の役割というのはどういったものなのか、一遍お示しください。
○議長(坂本 登君) 会計管理者岩橋良晃君。
  〔岩橋良晃君、登壇〕
○会計管理者(岩橋良晃君) 現金の一時保管につきましては、和歌山県会計職員に関する規則第8条の規定に基づき出納員に委任しており、適正な現金の保管が行われるよう、出納員研修を初めさまざまな研修会で指導し、かい等会計事務実地検査も行ってきたところでございますが、今般、有田振興局健康福祉部、動物愛護センターから現金が紛失という事態が発生しましたことはまことに遺憾でございます。
 今後、このような現金紛失が発生しないように金庫の鍵や暗証番号の使用方法を徹底指導するなど、より安全な現金の保管に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(坂本 登君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 どうも岩橋さんのお話では、反省が足らんというか、ようわからんですね。
 今回も、監査委員からこうやって監査の報告くれます。動物愛護センターも2年にわたって監査を受けて、切手の管理が悪いよとか、外の遊具の補修の仕方が見積もりとってないよとか、そうやってうちは内部的にも監査があり、そういう仕組みがあるんです。仕組みがあっても全然機能してないし、まさか今さら、金庫の鍵はどうなってますかと監査が聞くのも、これまた変な話かなと思いますけど、でも、それぐらいせんと直らんのですね。
 ちょうど駅のホームで車掌さんが、ドアが閉まった、これから出発やと、1個1個、指やってるごとく、それぐらい、金庫の鍵は閉めたか、閉めたらこの金庫の鍵はどこに行ったか。聞けば、担当者が自分の引き出しに入れるそうです。引き出しはどうなってるかと。引き出しに当然鍵かけます。で、その鍵はどうなった。実は僕の引き出しに行ってます。こういうことなんですね。だから、そこの引き出しあけたら、引き出しの鍵あって金庫の鍵がわかって、金庫までたどり着くんです。「いや、中さん、心配要りません。金庫にはダイヤルもありますし、暗証番号も要ります。ちゃんと番号も押さなあかんのです」、「じゃ、その番号あったら、この動物愛護センターとられへんなして」、「そこは違うんです。みんなしょっちゅうお金出し入れするもんやから、番号セットしてたら邪魔くさくてしょうないし、意味ない。意味ないというか、邪魔くさいから、もう番号セットしてないんです」。一体、金庫って何よと。幾ら立派な金庫買うてもうて暗証番号押して、幾ら立派なダイヤル式にしても機能してないじゃないですか。
 ちらちら見せてもうたら、もうガムテープ張って、ダイヤルさわらんようにしてる金庫もあるんですよ。そんなんも、職員さん知ってるじゃないですか。知っててそういうこと許してて、で、このたび10万円なくなって、ああ、残念やよと。自分で弁償できる金やからええかと思うてるんかわかりませんけども、もしこの金沢の方がワンちゃん、猫ちゃんが好きで自分がアパートで飼えないと、そういったときに、和歌山の動物愛護センター頑張ってくれてると、そういう一助にしたいと思って、なけなしの金、自分がバイトした金を、もしお子さんが送ってくれてたとしたら、その気持ちを踏みにじることになりますし、金額が少ないからええとか、そういう問題ではないと思うんですよ。
 もうちょっと真剣に、恥ずかしながら、そういう金庫、本来の役割の徹底からも含めて和歌山県は頑張ってもらいたいなと、かように申し上げまして私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時47分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(尾崎太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 質問に入ります前に、仁坂知事、3期目の御就任、おめでとうございます。
 開会日の御挨拶にもありましたように、県内のさまざまな現場で切実な声を改めてお聞きになってこられたことだろうと思います。知事におかれましては、県民全体の奉仕者として、県民福祉の向上、県勢の発展に尽力されるよう願うものであります。引き続き、県議会の場で県民生活のための真剣な議論に臨んでいきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に従い、一般質問に入らせていただきます。
 まず最初に、ミカン対策についてお伺いをいたします。
 2014年産のミカンは、極わせのスタートから価格の低迷が続き、11月のわせ最盛期には大幅に値崩れをし、有田産のミカン10キロ箱で市場の価格が1500円前後という厳しい価格形成となっておりまして、ミカン農家からは悲鳴が上がっております。
 先月末には、東京の大田市場に18万ケースもの大量のミカンが滞留していると言います。産地では、この12月に入って、各所で出荷ストップという調整が始まったと言います。市場関係者がここまで荷物が動かないと、こういうふうに言うのは、消費の落ち込みが最大の原因だとされ、そこには消費税8%への増税が大きく影響していると私は考えています。
 また、一方で、天候不順による品質への影響も毎年のように生産者を悩ませています。昨年夏の雨不足からは一転をして、ことしの8月は雨ばかりが続き、ミカンの生育と品質に影響が出ました。玉太りが進んだため、ことしは裏年に当たりますが、生産量は例年より多くなっています。秋には晴れの日が続いたので糖度などは回復したものの、比較的いつまでも暖かかった秋と初冬の気候は、ミカンの購買意欲という点でも、またミカンの保存という点でも、マイナスに働いたようであります。
 有田地方の経済は、このミカンの価格によって大きく左右されます。農家はもちろん、小売りの商売人さん、サービス業、勤め人にも、経済効果が何倍にもなって地元を回る生きたお金です。これまでも、関係者が一丸となって価格形成のために苦労されてきたわけですが、県として、ことしのミカン価格の深刻な低迷状況についてどう考え、どう対応されようとしているのか、御答弁を願います。
 続いて、ジュース等加工品の取り組みについてお伺いをいたします。
 和歌山県のミカン対策の重要なポイントとして、ミカンの生果だけに集中するのではなく、ジュースなどの加工品の裾野を広げ、その魅力を高めていくことが大切だと強調してまいりました。
 この間、JAのジュース工場でもバリエーションや生産量が大幅に拡大されたり、地元有田でも新規に農業法人による加工品生産施設の整備が進むなど、一定規模のものから個人のプライベートブランドまで、積極的な取り組みのニュースも聞くようになりました。これらの流れを一層強化すべきと考えるものですが、取り組みの進行状況はいかがでしょうか。
 3点目は、生産・流通対策の強化についてです。
 昨年9月議会の質問でこの点を取り上げました。加工食品の付加価値を上げて加工用ミカンの買い上げ価格を引き上げる、また一方で、加工用に回す比率を上げることで市場の出荷品質を高めて、また単価と農家収入を上げていく、こうした好循環を生み出していくために、県としても、生産から加工・販売に至る幅広く見通した政策強化をと求めてきたところです。
 これに対し、部長からは、厳選出荷による生果の市場価格の安定化と同時に、加工用果実の確保につながる仕組みづくりを引き続き検討していく旨の答弁がございました。きょうの質問の第1項目め、第2項目めともかかわって、大変大事な意味を持つものとなってきております。
 このほど示された来年度の新政策と予算編成の方針において、県として高品質果実の生産・流通対策の拡充を打ち出されておりますが、どのような方向性で進めていくお考えでしょうか。御答弁を願います。
 4つ目の質問として、農業における食料供給とエネルギー供給の両立についてお尋ねをいたします。
 私は、今年度からミカンの畑の上にソーラーパネルを設置し、農地として高品質なミカンの生産を続けながら発電事業に取り組む農家の方に、畑で実際にお話を伺ってまいりました。
 10アールの畑にパイプで骨組みを立ち上げ、一定の間隔をあけて点々とソーラーパネルを配備しています。合計すると、畑の約3分の1強の面積にパネルが設置された計算になりますが、常に陰になるところがないように非常にうまく配置をされています。
 この畑で栽培されているのはゆら早生という優良な極わせ品種ですが、収穫を終えて、収量や糖度といった品質も例年と全く変わらなかったということですし、そして、それどころか、この品種の弱点でもあった夏の高温障害はこのパネルの設置により克服され、樹冠部でも焼けが起こらずに、より高品質なミカンが収穫されたと聞いております。この畑でのミカンづくりは、これ、平たん地、水田転作園なんですが、園地内にも緩い傾斜をつけて、そして水はけをよくするなど、大変研究熱心に栽培をされていました。
 地元の太陽光パネルの施工業者の方、ここからもあわせてお話を伺いましたが、このパイプの骨組みについては、農家の方が御自身で施工をされたということで、ハウスなど施設栽培で培った農業施設の設置技術とともに、有田のミカン農家の技術力の高さを再認識し、感動いたしました。
 ソーラーパネルの設置費用は金融機関からの融資で、毎月の返済分を優に超える売電収入を上げているそうです。若い農家ですが、自分の子供たちの世代に引き継ぐ、そういう経営基盤をしっかりと考えておられました。私は、彼の農業の将来展望をしっかり見据えたお話に心を打たれた次第です。
 次に紹介するのは、NPO団体と生産者団体が共同した市民参加型の取り組みです。
 生産者団体の施設の屋上へ太陽光パネルを設置するんですが、それに賛同する出資を消費者に募って1口5万円で出資していただくんですけども、その出資していただいた方に5万5000円分の環境保全型農産物を10年間にわたってお届けする、「てんとうむしプロジェクト」という名前ですが、そういうお話、紀の川市でお伺いしました。
 消費者にとってみれば、出資を通じてエネルギーや温暖化問題への貢献、あわせて地域農業の維持に貢献する喜びとともに、出資金相当以上の安心・安全な農産物を受け取ることができるという、こういうお買い得感があります。また一方、生産者にとっては、消費者とこうした取り組みを通じて結びつき、長期間にわたって農産物をお届けするお客さんを得ることができる、そういうメリットと、農業収入に加えて売電収入も期待できるんです。これは大変魅力的なプロジェクトだなあというふうに感じました。
 生産者団体の代表の方が、「売電については先行き不透明な部分もありますが、このプロジェクトは、私たちがこの10年間、環境保全型の農業をこの地域で続けていくんだという決意のあらわれです」と、こんなふうにおっしゃっていたのが印象的でした。
 以上、2つの事例を紹介いたしましたが、まだまだ実験的な取り組みとはいえ、こうした魅力的な動きが現実のものとして広がってきていることに大きな期待を寄せるものであります。
 また、将来的には農業用のかん水事業の電力や水利施設の維持管理コストを売電収入により補うというような仕組みづくりも、農家戸数がだんだん減る中での農業基盤の維持という点で、県としても関係者と一緒に研究することを提案するものです。
 和歌山県農業の未来を考えるとき、狭い耕地面積ではあるものの、温暖な気象条件を生かし、高品質な食料生産と太陽光発電などのエネルギー生産が共存共栄していくことが未来への展望を切り開くことになるというふうに考えます。農地や未利用地、農業施設の屋上への太陽光発電やバイオマス利用など、農山村におけるエネルギー生産の広がりを県としてしっかりと応援していくべきだと考えますが、いかがでしょうか。
 以上4項目の質問について、農林水産部長より答弁を願います。
○副議長(尾崎太郎君) 松坂英樹君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカン対策4点について、一括してお答え申し上げます。
 まず、ミカンの価格についてですが、本年産極わせミカンは、8月の多雨による品質低下などにより低迷いたしました。その中で、県オリジナル品種であるゆら早生は、極わせミカン全体の平均価格より3割程度高い1キログラム当たり207円と健闘いたしました。その後、わせミカンに切りかわった際に一時的に回復したものの、昨日、12月8日までのミカン全体の平均単価は1キログラム当たり167円と、再生産価格を大きく下回っており、厳しい状況と認識しております。
 県といたしましては、極わせからわせ、なかての優良品種への改植やマルチ栽培などの高品質対策を引き続き実施するとともに、販売対策に取り組んでまいる所存でございます。
 次に、ジュース等加工品の取り組みについてですが、本県では平成21年度から国に先駆けて6次産業化に着手し、県独自の新農林水産業戦略プロジェクト事業により、ミカンについては、ヒット商品となったポン酢やストレートジュース、ゼリーなど、7つの新しい商品が開発されました。
 また、平成25年度からは、国の交付金を活用し、6次産業化サポートセンターを設置して、個別相談会や加工・流通業者との交流会などを開催するとともに、新商品開発や施設整備を支援しているところでございます。
 3番目に、生産・流通対策の強化についてですが、県産ミカンの市場評価を高めるために、JAグループと連携しての厳選出荷、完熟ミカンなど特色のある商品の生産拡大や光センサー選果機の整備などの支援策を来年度の新政策として検討しているところでございます。
 最後に、農業における食料生産とエネルギー生産の両立についてですが、県では従来から農業を重要な基幹産業と位置づけ、優良農地の確保や担い手への農地集積等を推進しているところであり、農村での自然エネルギーの活用に際しては、こうした施策に影響が出ないかということを考慮する必要があります。その上で、議員御提案のように、太陽光発電などのエネルギー生産を農業基盤の維持に役立てることはよいことであると考えます。
 県では、これまで、農業における小水力発電やバイオマスエネルギーの活用の推進に取り組み、事例は少ないものの、生産現場に導入され始めております。
 ただ、議員お話しのミカン畑での太陽光発電につきましては、ミカンは光を多く必要とする農作物であり、発電設備によってある程度光が遮蔽されることから、産地が高品質生産に取り組んでいる中で、高品質で安定した生産が継続できるかどうかという点で検討すべき課題があると考えます。
 今後も、生産、加工、流通、販売、それぞれの段階での施策を通じてミカン農家の経営安定を図るとともに、自然エネルギーを活用した農業・農村の振興に取り組んでまいる所存でございます。
○副議長(尾崎太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 部長から、ミカンの価格低迷の対策など、御答弁いただきました。
 これまでも、県や生産者団体、また流通関係者など、各方面の皆さんがそれぞれ力を合わせて、高品質なミカンの生産、販売促進、消費拡大、食育などに取り組んでこられました。その努力の積み重ねで、この数年間、キロ200円以上というのをキープしてきました。こうした御苦労を思うときに、ことしの価格低迷は非常にショックであります。それを何とか方向性を持って対策を強化しなければならないという思いです。
 10キロ箱で1500円といいますと、共選などで約700円の出荷経費が引かれるところもありますから、それを引かれるとキロ80円程度しか手取りがないわけでして、ここから肥料や農薬、人件費などの経費を払うと、もう生活が立ち行きません。再生産価格を大きく下回ってるという現状ですね。そして、ジュース用ミカンに至ってはキロ数円という世界ですから、軽トラックにどんどんいっぱい積んでいって1000円とか2000円とか、そういう世界ですから、これでは良質な加工用果実が集まりませんし、調整機能を果たすこともできません。
 機能性成分を生かした魅力的な新品種の育成など、各分野での取り組みもスピードアップしているわけですから、県としても、価格対策、加工品の育成、また農業の未来を照らすエネルギー生産との共存共栄など、きょうお尋ねしたそれぞれの課題で一層効果的な取り組みを進めていただきたいということを重ねて要望をさせていただきたいと思います。
 続きまして、2つ目の柱に入らせていただきます。
 次に、消費税10%増税について、今度は知事にお伺いをいたします。
 このほど、消費税増税を先送り実施すると安倍政権は判断をし、解散総選挙が戦われております。私ども日本共産党県議団は、これまでも、消費税の負担が県民生活に重くのしかかっている現状を示すとともに、増税不況と言える国・県経済の状況からも、消費税10%増税は中止をというふうに求めてまいりました。安倍首相は、1年半の先送りをした後は、景気がどうあろうと10%への増税を絶対に実施するというふうに断言しています。この増税先送り実施の是非が、今、鋭く問われていると考えます。
 私たちは、増税中止を主張すると同時に、それにかわる財源を示しています。負担能力に応じた税負担で20兆円、加えて、大企業の内部留保を活用して国民の所得をふやす、そういう経済改革で10年後には20兆円、合わせて40兆円の財源案も示し、社会保障を充実しながら財政再建を図ることは可能だとして政治の転換を訴えているところです。
 知事は、この間の県議会での消費税問題の質問に対し、社会保障制度の機能を維持するためには消費税を充てることは理解できると答弁をし、10%増税については、景気や財政運営の影響を考える必要があるが、政府が適切に判断するだろうとの考えを示してこられました。
 私たちは、消費税10%増税は、先送り実施ではなく、きっぱりと中止をすべきだと考えますが、9月議会以降、続々と発表されている各種の経済指標、安倍政権の判断、そして知事選挙を通じて感じてこられたであろう県内状況、県民意識について、知事の所見をお伺いいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、9月議会において、消費税の再増税についての御質問に対し、次のように申し上げたわけでございます。
 第1に、消費税の再増税を行う場合には景気に悪影響を及ぼさないかどうか、第2で、一方で再増税が行われなかった場合には、国の財政運営に対する信頼が失われ、国債の信任が低下し、ひいては金融市場及び経済に影響を与えないか、また、消費税増税分は福祉、医療、少子化対策等の社会保障の財源に充てられることになっていることから社会保障の維持可能性がどうなるのか、これら全てのことを考慮し、政府において適切に判断されることを期待したいと申し上げたわけです。
 今回、安倍総理におかれましては、景気の状況を見た上で、財政再建や社会保障制度等を総合的に判断の上、消費税の再増税を18カ月延期する決断をされたものと考えておりまして、現状では、私は、この判断は妥当であると思います。
 和歌山県の経済に与える影響でございますけれども、先ほど午前中の議場で申し上げましたとおり、地方に対して大いに利益を上げた大企業が余り製品の価格、あるいはサービスの価格に転嫁をしてくれてない、その問題が地方における賃金の上昇や、あるいは消費の勢いに水をかけているという問題があると申しまして、それには強力な政府ができて、そして財界に対して大いなるメッセージを発して、それで全体としてその利益分が地方に回るようにしてもらわないと困るというふうに申し上げたわけでございますが、これをぜひ新政権には期待をしたいというふうに思っております。
○副議長(尾崎太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 御答弁いただきました。
 知事からは、9月議会までの答弁、そういうものを示されながら、午前中の答弁にもありましたけども、安倍政権の評価や判断の妥当性とか、午前中には軽減税率への考えなども示されましたけども、全体としては、政府・与党の政策を歓迎するお話にとどまったのは残念であります。転嫁の問題にも触れられましたが、僕は、そこは本質じゃないというふうに思うんですね。
 私たちは、消費税8%への引き上げは深刻な事態を招くというふうに指摘しましたが、県民の事態、まさにそのとおりになってるというふうに思っています。消費税は、所得の少ない人に重くのしかかり、消費を直接に冷やす最悪の景気破壊税だというふうに思います。県民の皆さん、県内企業や中小業者の皆さんは、厳しい経済情勢の中でも必死に頑張っておられます。その県民の暮らしに心を寄せ、励ます県政でありたいと思います。今戦われております総選挙でも、大いに論戦を続けていきたいということを申し上げておきたいと思います。
 続いての質問に移ります。
 最後の3番目の柱であります産科医など医師不足対策の質問に移らせていただきます。
 先日、新聞報道で、「産科医不足、9県で深刻」というふうな記事が各紙で報道されました。これは、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会の報告によるもので、和歌山県などの9つの県が産科医不足が深刻だというんですね。これら9つの県では、お産を扱う産科医が不足し、若手が少ないことから早急な改善も難しいということで、現状と、そして将来についての項目で、いずれも厳しいという判断がされています。若手医師の半数を超える女性医師の勤務環境の改善も課題だとされ、支援の重要性が強調をされています。
 少子化対策が叫ばれる中ですが、安心して子供が産めない和歌山県の状況と、これらの分析を県としてどう受けとめ、どのような対策を考えておられるのでしょうか。
 その中でも、この間、何度か質問させていただきましたように、特に有田地方では、出産を扱う産科医が民間クリニック1カ所だけとなっていて、産科医不足問題は、住民の大きな不安の1つです。遠くの病院での健診、出産を余儀なくされる方、里帰り出産が困難だという方などの声もお聞きいたします。また、民間クリニックのベテラン医師にも相当の負担がかかっていることから、産科医師確保と養成の課題は急務であると考えます。
 有田保健医療圏での産科医不足への対応については、その後、どう進めておられますでしょうか。また、県立医大での定員増による効果が県内にあらわれるのを心待ちにしているわけですが、医師養成と医療現場への着任の見通しはいかがでしょうか。とりわけ、産科医養成の状況はどうなっているのかをあわせて御答弁を願います。
 次に、有田市立病院における医師確保策についてお伺いをいたします。
 県の提案により、県立医大と有田市立病院が連携し、指導的な医師の確保につながる寄附講座を設置することが発表されました。有田市立病院における緊急の課題であった指導的な内科医確保につながることを期待するものですが、その内容と今後の取り組みについてお示しいただきたいと思います。
 最後に、モデル事業として始まった産後ケアについてお伺いをいたします。
 厚生労働省の妊娠・出産包括支援モデル事業として有田市の事業が採択をされて、産後ケアを含む取り組みがこの秋からスタートをいたしました。妊婦を支援する今日的な取り組みとして、大いに期待をしているところです。
 私は、有田市立病院を訪ね、母子保健コーディネーターとして活動を始めた助産師さんからお話を伺ってまいりました。市立病院では、産科医不足により分娩は中止されていますが、妊婦健診は病院の産科で行い、分娩は圏域外の連携病院等で行うセミオープンシステムに取り組みながら、このほど、有田市としてモデル事業をスタートさせました。助産師さんがその専門性を大いに発揮されている元気な姿が印象的でした。利用料金なども、モデル事業に採択されたおかげで、より利用しやすいものとなっていました。
 マスコミからの取材もあり、新聞報道などでも「有田市、産科医不足で新制度」と紹介をされ、地元を離れた出産やその後の育児に不安を抱える母親をサポートする事業として注目をされています。助産師がコーディネーターであることや病院施設が中核となるモデル事業というのは全国的にも珍しくて、健診が行えるなどの専門性や、行政と病院の連携がとりやすいという、ここならではのメリットを大いに発揮していただきたいと期待をしております。
 産後ケアについては、これを一層進めていくよう、9月県議会でも意見書を採択しております。県としても、こうしたモデル事業の経験を生かして、一層妊婦と子育てへの支援、母親への支援が広がるよう積極的に取り組むべきと考えますが、いかがでしょうか。
 以上3点、あわせて福祉保健部長に答弁を求めます。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 産科医など医師不足対策について、一括してお答えいたします。
 産科医師数については、和歌山保健医療圏を除く医療圏では、全国平均を下回る医師不足状況にあります。御指摘のとおり、日本産婦人科医会の報告においても将来の産科医師の不足が見込まれておりますが、県では、従前から、産科、小児科などの特定診療科の医師不足への対応策として修学資金制度を設け、医療提供体制の維持に努めてきたところです。
 有田市立病院の産科医の退職に伴う分娩休止に対しては、妊婦健診は最寄りの医療機関で行い、分娩は圏域外の連携病院等で行うセミオープンシステムなど、周産期医療体制の確保に取り組むとともに、引き続き県の青洲医師ネット等を通じて医師募集に努めてまいります。
 また、医師不足の抜本的な解消策として県立医科大学の定員を大幅に増員しておりますが、ようやく初年度の入学生が本年4月から2年間の初期臨床研修についたところです。これら研修医や学生に産科の魅力を伝え、1人でも多くの研修医等が志すよう働きかけてまいります。
 次に、有田市立病院における医師確保策についてでございますが、寄附講座は、有田市立病院内に和歌山県立医科大学のサテライト施設を設置し、公募した教員である指導医等を2名配置し、研修医等を指導するとともに、不足する内科の診療にも従事するもので、県が有田市と和歌山県立医科大学に提案し、この11月に両者で協定が結ばれました。現在、寄附講座による大学での教員募集が始まっており、県としましても、各地の医育大学を初め、多くの医療機関や関係者に情報をお伝えし、意欲ある医師の応募を期待しているところです。
 次に、妊娠・出産包括支援モデル事業につきましては、県としても有田市が採択されるよう国に働きかけたものであり、平成26年10月から取り組んでいただいております。
 この事業は、妊産婦等のニーズに応じ、必要な支援につなぐための母子保健コーディネーターの配置や、妊産婦を孤立化させないために行う産前・産後サポート、また出産直後の母子への心身ケアや育児サポートなどを行うものです。
 妊娠から出産、子育て期までの支援につきましては、市町村が実施主体となり、妊婦健診、妊婦教室や新生児家庭訪問などが行われておりますが、当該事業がさらに県内の市町村に広がっていくよう周知してまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁いただきました。
 産科医確保の問題は、非常に深刻で、かつ簡単に解決することが難しい課題だというふうに思っております。
 報道されました数字、もう少し紹介しますと、人口10万人当たりの産科医数というのは、一番多い東京都の11人に対して、和歌山県は7.6人しかありません。人口密度が低く、広大な面積をカバーしなければなりませんから、数字以上に大変です。また、医師1人当たりの年間の分娩数、これも数字データが出てるんですが、最も少ない東京の年間66人と比べて、和歌山県は116人というふうになっています。約2倍という状況です。
 しかし、これを大幅に上回るのが有田地方です。ただ1カ所で頑張っていただいてる民間クリニックの待合室には、今月誕生した赤ちゃんというのが、かわいい赤ちゃんの写真が掲示されています。毎月30人近い赤ちゃんの写真が並ぶんですね。ですから、年間300人を優に超えてると思います。2倍や3倍どころではないんですね。それだけ頑張っていただいても、有田地方の年間の出生数、今、約500人ですから、多くのお母さんが遠く離れた医療施設での出産、健診などを余儀なくされております。
 若手産科医の養成には、時間と条件整備が必要です。100人に定員をふやした県立医大から産科医養成が実を結ぶように、一層の取り組みをお願いいたします。
 最後にもう一度強調いたしますが、この産科医不足問題、出産する施設がないという問題は、絶対にこのまま放置できない問題です。結婚や子育て支援、少子化対策、人口減少社会で出生率を上げる、地域の活性化と、さまざまな角度から、関係者の皆さん、県行政、努力されておりますが、この和歌山県、地元で安心して子供を生むことができないという状況は一日も早く克服すべき課題であり、有田市立病院も、一日も早い分娩再開に向けて現場も頑張っておられます。
 地域保健医療圏の医療体制確保は、県の責務であります。県として一層の取り組みを重ねて要望して、きょうの質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾崎太郎君) 以上で、松坂英樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 18番森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 こんにちは、森礼子です。どうぞよろしくお願いします。
 仁坂知事、3期目の当選、まことにおめでとうございます。
 和歌山県においては、少子高齢化が進む中の地域振興、高速道路などのインフラの充実、防災・減災対策の強化など、取り組むべき課題が山積しています。知事は、3期目の所信演説において、「県民の皆様の声を酌み取り、果敢に挑戦し」と決意表明いただきました。
 さて、私は、いつも生活者の目線で県民の皆様とともに課題への具体的な対応策を考え、それを県政に少しずつでも反映していこうと活動してまいりました。食育や道徳教育、働く女性の環境向上、老後の生活の充実など、県民の皆様の生活が日々充実していくよう、女性目線で取り組んでまいりました。
 本日は、私がこれまで幾度も提案したものも含まれておりますが、少子高齢化対策の一環として、働く女性が仕事と子育てを両立しやすくするための施策や県と和歌山市のにぎわい創出などについて質問いたします。
 まず、中国訪問について報告申し上げます。
 本年は、本県と山東省が友好提携を結び30周年を迎えました。8月の山東省訪問団の答礼として、去る10月21日から24日までの4日間、坂本議長、門議連会長、野田企画部長を初め、議員、県職員10名で山東省を訪問しました。私も、その一員として訪問団に参加してまいりましたので、その概要を御報告いたします。
 10月21日、往路は、関西空港から省都済南市を結ぶ直通便を利用しました。
 まず、この直行便を運航する山東航空本社を訪問し、苗留斌社長ら役員と意見交換を行いました。
 山東航空は、設立20年の若い会社ながら、現在、国内外に150路線、毎日450便を展開しています。両県省の友好のかけ橋として、平成22年3月に関空─済南間の直行便が就航し、現在は週2便が運航されています。しかし、日中関係が悪化し、毎年1000万元、約1億8000万円の赤字となっているそうです。その対策として、山東航空では、増大する中国のシニア層を対象としたメディカルツアーや日本の高齢者との交流などの訪日旅行プランを企画しています。
 日中首脳会談が実現し、関係が好転する中で、両県省の交流や高齢者の相互訪問は、観光立県を目指す本県にとっても好機と感じてまいりました。帰国後、早速、野田部長が庁内関係部局に取り次がれたと伺っておりますので、どうかよろしくお願いしておきます。
 翌日、山東師範大学を訪問し、和歌山コーナーの開幕式に出席した後、山東省博物館を訪問し、山東省人民代表大会の宋遠方副主任と会談しました。会談では、友好提携30周年を祝うとともに、日中関係が厳しい今こそ交流を重ね、相互理解を深めることで一致し、これを契機に、省エネ、高齢者産業、観光の分野で交流することを確認しました。
 会談終了後、同博物館で和歌山県観光写真展・回顧展の開幕式が行われ、在青島日本領事や山東省政府関係者ら約100名が出席し、日中両国代表者によるテープカットで祝いました。
 続いて、山東省人民代表大会主催による友好提携30周年記念レセプションが開催され、本県から山東省に派遣されている3名も出席し、大いに交歓を深めてまいりました。
 午後には泰安市に移動し、複合遺産として世界で初めてユネスコの世界遺産に登録された泰山を視察しました。泰山は、秦の始皇帝の時代から神聖な山として歴代皇帝によりあがめられてきた霊峰で、世界ジオパークにも認定されています。大地から岩盤がそびえ立つさまはいかにも大陸風情で、悠久の歴史と宗教文化、さらに絶景を一度に堪能できるすばらしい観光地であります。
 山東省には、自然や歴史、文化など、いいものがたくさんありますが、まだ日本では余り紹介されていません。ぜひ本県が山東省日本事務所となって紹介に努めるべきだと感じました。
 3日目は、泰安市人民代表大会の林華勇第一副主任と会談し、相互交流の促進に向け、双方が協力していくことを確認いたしました。
 その後、高速列車で青島市に移動し、山東航空彩虹国際旅行会社青島分社を訪問しました。本県はこの旅行会社を和歌山県観光プロモーションオフィスに認定し、県職員を派遣して、観光関連の調査や旅行商品の企画開発を行っています。劉宗徳副社長によると、東日本大震災と尖閣諸島問題の影響により訪日旅行者は一時大幅に減少しましたが、現在は回復基調にあるとのことです。山東航空関連の旅行会社として友好関係にある和歌山県を積極的にPRしていますが、残念ながら山東省では知名度はまだ低く、その対策として、本県紹介パンフレットに具体的なモデルコースを記載することなど、また山東省内の旅行業者を招くファムツアーの実施など、具体的な提案をしていただきました。
 また、中国人観光客の嗜好としては、実は神社仏閣を回る観光コースに人気がないことや、逆に中国にない清潔な町並みや高い文化レベルを実感できる施設、あるいは祭りやそば打ち体験など、日本独自の伝統や文化を体験できるものに引きつけられると助言いただきました。
 ここ数年、本県にも中国からの観光客が増加傾向にありますが、この旅行業者のような地道な努力が結実しているものだと評価します。
 今回、我々訪問団を迎えてくださった関係者の皆さんは、日中関係が良好でないこのようなときにこそ我々のような平和的な友好関係が大切であると述べられていました。この強固な友好関係を築いてこられた双方の先達のこれまでの努力に敬意を示すとともに、さらにこれを揺るがぬものにして後世に引き継いでいくのが我々の使命であると思います。
 最後になりますが、今回の訪問に当たり、尽力いただきました山東省政府外事弁公室初め、お世話になった関係者の皆様に改めて心より感謝を申し上げ、報告とさせていただきます。
 では、質問に移らせていただきます。
 和歌山市中心市街地の再生について。
 先日、奈良の正倉院展に行ったとき、近鉄奈良線を利用したのですが、花園ラグビー場のある花園駅など、最近まで平面交差だった各駅の多くが連続立体交差に整備されていることに気づきました。ほかの地域の発展を見るにつけて、寂しくなるばかりの和歌山市の中心市街地の衰退に心を痛めています。
 知事は、12月定例会初日に、3期目に臨む所信表明として、町なか再生として、これ以上の都市の拡散を見直し、コンパクトシティーを目指すと表明されました。
 去る10月30日の和歌山県・和歌山市政策連携会議でも、「和歌山市の再生のためには、中心部における再開発の促進などにより、町なか居住を含め、中心市街地活性化を図るとともに、郊外の開発を抑制するため、緩和条例を含めた郊外の土地利用のあり方を検討する必要がある」と述べられています。
 私も、JR和歌山駅周辺、ぶらくり丁を含めた和歌山城周辺など、地区の町なか再生の拠点となる地域の機能強化は喫緊の課題だと考えています。私は、県と市が協調して取り組もうとしているこの4年間が最も重要で、しかも、もしかしたら中心市街地活性化に向けた最後のチャンスのときになるかもしれないと思います。
 ぶらくり丁の活性化は、これまで、どちらかというと民間主導で行われ、わかやま城下町バルなどのイベント開催のようなソフト面中心の活性化にとどまっていたと思います。私は、県と市が協力する上で、公共交通ネットワークの再構築や核となる施設の整備計画を含めたまちづくり計画を策定し、民間ともしっかり連携し、にぎわい創出に取り組む必要があると思います。
 県・市政策連携会議では、和歌山県立医科大学の薬学部の新設などの大学誘致も取り上げられています。全国には、九州の武雄市の図書館を核としたまちおこしなど、さまざまな先進事例があります。町なか再生に向けた熱意を持ち、スピード感のある取り組みが必要です。和歌山市町なか再生についてどうお考えですか。知事の答弁をお願いします。
○副議長(尾崎太郎君) 森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 都市の再生のためには、都市の外縁部への拡大をそろそろこの辺でとめて、中心部などの再開発を行うことにより町なか居住を進めていくことが大事であるということは、先ほどの山本議員、中議員に対して答弁したとおりであります。
 これについて、先般、10月に開催いたしました尾花和歌山市長との第1回政策連携会議においても、尾花市長から、「まちを元気に」という方針の中で、和歌山駅周辺については、和歌山市の玄関口としてふさわしい顔となるような商業や居住機能から構成される市街地の再開発を、和歌山城周辺については、市の公共施設の建てかえも含めてお城周辺という魅力を高めていきたいというお話がありました。また、和歌山市駅についても、もう1つの和歌山市の玄関口として、図書館や市民会館等の公共施設の再編、商業施設の誘致、交通結節点の機能強化を図る必要があると発言がありました。
 加えて、郊外部の宅地開発等については非常に限定的に取り扱っていきたい、また、周辺市町とも開発の抑制について連携していきたいとのことでありました。
 和歌山市からこうした具体的な提案をいただいたのは初めてでありまして、県としては大いに歓迎するとともに期待もしております。せっかく県と市がともに力を合わせて取り組む仕組みができたのでありますから、これら施策がスピード感を持ってより具体化し、早く実施されるように県としても積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○副議長(尾崎太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ありがとうございました。
 次は、友ヶ島の振興について。
 昨年の9月定例会で友ヶ島観光振興について提案いたしました。前回の質問でも申し上げましたが、さらに友ヶ島人気を高めているのが宮崎駿監督の人気アニメ「天空の城ラピュタ」に友ヶ島とそっくりな島が登場したことからで、以来、テレビや雑誌によく友ヶ島が紹介されています。
 私は、非日常の世界を満喫できるのが友ヶ島の人気の秘密だと思います。県民の皆様からも、手紙や電話で「友ヶ島は、今、すごく観光客でにぎわっていて、本当にうれしい。どうか、一過性のにぎわいで終わらせないで、和歌山市のメーン観光スポットとなるようにしてほしい」と、たくさんの要望をいただきました。
 私は、ことしの9月に約100名の友達と一緒に、清掃活動を1つの目的として友ヶ島に行ってまいりました。島のあちこちを歩いたことにより、さらににぎわいを拡大するための改善すべき課題を見つけることができました。
 1つ目は、島内でのトイレ事情が非常に悪いということです。参加者の中には、トイレに行かなくて済むように飲み物を控えて活動した、これでは観光客もゆっくり散策できないのではないかという意見も出ました。
 観光地のトイレについては平成24年9月議会でも取り上げましたが、観光スポットとして脚光を浴びる友ヶ島のトイレを改善することについて、商工観光労働部長の答弁をお願いします。
 次に、いろいろな方が散策を楽しむには非常に道路環境が悪いため、足への負担が大きいのではないかということです。多くの方に友ヶ島を満喫し、より楽しく優しく滞在していただくための環境整備が必要であると思います。
 先日、天橋立と姫路市の家島の島内サイクリングの活用を見て、この自転車の活用は友ヶ島にも取り入れたいと感じました。どちらも、自転車を船に乗せ、島でのサイクリングによる散策が人気を呼び、観光客がふえているとのことです。
 ことしの6月議会で、自転車道の整備とインバウンド対策について質問しました。サイクリングロードの活用は、県民の健康づくりの促進に加えて、滞在型観光のツールとしても貢献し、しまなみ海道や富士五湖のようにインバウンド観光の集客手段としても大変有効です。
 10月30日の和歌山県・和歌山市政策連携会議において、和歌山市により、マリーナシティから加太に向けた海岸沿いのルートについて、風光明媚な海のサイクリングロードとして県市連携して整備してはどうかと提案がなされました。私は、友ヶ島のすばらしい環境をぜひサイクリストの方々にも味わってもらいたいと考えています。和歌山市の提案に加え、友ヶ島にも自転車道を延長し、サイクリングロードの終着点であってもいいと思います。
 仮に自転車道の整備が難しくても、少なくとも遊歩道を整備することによって、高齢者や障害者など、多くの人が快適に友ヶ島の非日常の世界を満喫できるのではないでしょうか。そうすれば、加太に自転車をとめ、友ヶ島を訪れようとするサイクリストもふえるはずです。和歌山の美しい沿岸沿いのサイクリングと友ヶ島観光がセットになれば、日帰りでは時間が足りません。それに、友ヶ島は関西空港に近いという利点もあります。友ヶ島の観光振興によって和歌山県の滞在型観光の裾野が広がることになると思います。
 このような友ヶ島のポテンシャルを踏まえた上で、友ヶ島におけるサイクリングは魅力的であると思います。サイクリングによる友ヶ島の振興について、企画部長の答弁をお願いします。
 最後に、友ヶ島の観光振興の一番の課題である船便について質問します。
 現在運航されている船は、友ヶ島が脚光を浴びる前の定員数のままの小型船です。友ヶ島人気が高まっている現状ではキャパが足りず、乗船待ちを余儀なくされるお客さんもたくさんいるそうです。さらには、船が小さいため、天気は快晴でも少しの波浪で欠航となり、せっかく宿を予約してくれた県外からの観光客に大変迷惑をかけています。それとともに、宿泊施設の経営にも悪影響をもたらしています。
 本年2月、県議会日華友好議員連盟で台湾を訪問したとき、スタジオジブリ制作の映画に登場する九ふんを視察しました。当日は、あいにく豪雨のような天気でしたが、大勢の観光客でにぎわっていました。
 同様に、友ヶ島も「天空の城ラピュタ」の島として人気が高まっており、乗船待ちの増加や自転車を船で運びたいサイクリストのニーズに応えるためにも、そして何よりも航路の安全のため、友ヶ島の船便の大型化や増加便は必要不可欠だと考えます。このことについて、県から事業者への働きかけなどを含め、友ヶ島、加太地域のさらなる振興をどのようにお考えであるか、企画部長の答弁をお願いします。
○副議長(尾崎太郎君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 友ヶ島のトイレ整備についてお答えします。
 友ヶ島には、現在、野奈浦、南垂水、池尻の3カ所の公衆トイレが和歌山市により設置されております。友ヶ島に残る砲台跡が有名なアニメ映画の雰囲気を感じさせるとファンに認知されるようになり、近年、観光客が増加していることから、そのトイレ事情に対応するべく、当該3カ所の公衆トイレについては和歌山市が今年度中に改修する予定となっております。また、閉鎖した第3砲台跡下公衆トイレも今年度中に改修し、供用する予定となっております。
 以上の計4カ所の公衆トイレにつきましては、和歌山おもてなしトイレ大作戦の一環として県が補助することとしております。
 清潔な公衆トイレは、観光地の印象をすばらしいものとし、おもてなしの向上につながるものです。トイレの適切な維持管理についても、管理者である和歌山市に働きかけてまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) サイクリング、汽船による友ヶ島の振興についてでございますが、近年、健康増進に寄与し、環境にも優しい交通手段として自転車の利用ニーズが高まっておりますことから、本県では、県全域にわたり、川・山・海の3つのサイクリングロードの整備と休憩や自転車の簡易な修理ができる施設の指定など、自転車愛好者に喜んでいただけるような環境づくりを推進しております。
 現在、和歌山市域の海のサイクリングロードといたしましては、具体的なルート選定を和歌山市と協議しているところでございますが、豊富な観光資源や新鮮な海の幸を満喫できる加太地区を北端として計画しておりまして、サイクリング振興に熱心な岬町とも協力することによりまして本地域への自転車愛好者の一層の来訪が見込まれると思っております。
 加太沖に浮かぶ友ヶ島につきましても、魅力的な自然や歴史をしのばせる砲台跡が点在し、自転車愛好者の周遊が期待できますが、一方、路面の状況、それから人と自転車の接触などの危険性があります。また、自転車道の整備には多額の費用を要することから、加太地区に自転車をとめ、友ヶ島を徒歩で散策いただくことが望ましいと考えております。
 また、友ヶ島は、「天空の城ラピュタ」などアニメの聖地として脚光を浴びている貴重な地域な地域資源ですので、観光客の方々に安心して旅を満喫していただくため、汽船の安定的な運航は大変重要であると考えております。友ヶ島の振興の重要性は十分認識しておりまして、島の遊歩道などの環境整備を所管する和歌山市、汽船の運航会社、地域振興に取り組まれている方々とともに、友ヶ島を含む加太地域の振興、活性化に向けて積極的に取り組んでまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 どうぞよろしくお願いします。
 では、最後の質問です。
 病児・病後児保育のさらなる充実についての質問です。
 私は、初当選直後の平成22年12月定例会で、和歌山県の子育ての支援施策、中でも病児・病後児保育の充実について質問しました。その後も、ほぼ毎年、進捗状況を確認するとともに、次なる施策展開について質問してまいりました。
 私たち女性が安心して仕事に打ち込めるため、また仕事を持ち続けるためには、病児・病後児保育の充実はとても大事な施策です。少子高齢化対策の推進のためには、知事のおっしゃるとおり、結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目ない支援を行うことが大切です。今年度の新政策でも、未婚化、晩婚化の流れを変えるべくわかやま結婚支援事業が充実され、女性の就業意欲の高まりを踏まえ、保育士人材確保対策が新設されています。
 結婚支援の推進も保育環境の整備も大切な取り組みですが、仕事と子育てを両立しようとする女性にとって、一番不安な予期せぬ事態への支援を充実することが重要だと思います。
 子供は集団生活の中では風邪を引きやすいもので、突然体調を崩してしまいます。子供が風邪などの病気のときはもちろん、病気が治った後にも子供を預かってくれる保育施設が少なければ、子供の看護や保育のために母親は何日も仕事を休まなくてはなりません。事前に予想できることなら仕事の都合もつけますが、子供は風邪などで突然体調を崩すものですし、子供の病気は1日で治るとは限らず、何日も仕事を休まざるを得なくなることもあります。
 病児・病後児保育の充実を求める切実なたくさんの声を伺いながら、私も、職場で気まずい雰囲気の中で精神的な負担を抱いたことや、仕事と子育ての両立の難しさを痛感したことを思い出しました。
 おかげさまで、平成22年度には5圏域7カ所であった病児・病後児保育の施設が今年度には7圏域11カ所となり、着実に拡充されてきました。今後、全県での実施に向け、東牟婁圏域にも働きかけていくとともに、県人口の約4割を占めるにもかかわらず2施設しかない和歌山市において、病児・病後児保育施設をさらに充実していく必要があると思いますが、このことについて福祉保健部長の答弁をお願いします。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 女性が輝く社会づくりを推進することは重要であり、そのためには、働く女性がより働きやすく、能力を発揮できるようにすることが必要と考えております。このような考えのもと、県では、安心して仕事と子育ての両立ができるよう、保育サービスの充実に努めているところです。
 現在、病児・病後児保育は、13市町11施設で実施されており、年々拡充されておりますが、東牟婁圏域では実施施設がない状況です。市町村におきましては、来年度から実施予定の子ども・子育て支援新制度に向けて、病児・病後児保育を含む子育て支援事業について、利用ニーズを把握した上で計画的な整備を検討しているところです。県におきましては、病児・病後児保育の開設準備経費や運営経費を支援するとともに、多くの皆様に利用していただけるよう、事業内容の周知を図っているところです。
 今後は、実施促進に引き続き取り組むとともに、県内全圏域での実施を図るため、東牟婁圏域での開設を働きかけてまいります。また、和歌山市におきましても、現在、医療機関と保育所の2カ所で実施されているところですが、住民ニーズを踏まえ、さらなる充実に努めるよう働きかけてまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 では、どうぞよろしくお願いします。
 これで、私の一般質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾崎太郎君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時2分散会

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