平成26年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(全文)


平成26年9月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(全文)


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人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成26年9月
和歌山県議会定例会会議録
第5号
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議事日程 第5号
 平成26年9月19日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第132号から議案第148号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
 第4 請願の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第132号から議案第148号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案等の付託
 第4 請願の付託
 第5 休会決定の件
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出席議員(40人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 立谷誠一
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    溝端莊悟
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾崎善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
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  午前10時0分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第132号から議案第148号まで、並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 17番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、早速、一般質問を行います。
 近年、尖閣諸島や竹島を初め、日本の領土、領空、領海、これら領域をめぐる問題が頻繁に起きております。そんな中、文部科学省は、本年1月28日、中学校と高等学校の教員向けの学習指導要領解説書を改訂し、尖閣諸島と竹島を我が国の固有の領土と明記しました。中学校社会の地理的分野、歴史的分野、公民的分野において、また高等学校地理歴史・公民と、それぞれについて、尖閣諸島と竹島、また北方領土は我が国の固有の領土であり、それぞれの経緯や問題、課題について、分野別、段階を考慮しながら、子供たちが領土について理解を深めることができる内容となっています。
 例えば、尖閣諸島については、「我が国が有効に支配しており、解決すべき領有権の問題は存在しない」と記述され、竹島については、「韓国によって不法に占拠されているため、累次にわたり抗議を行っている」と追加しています。解説書は教科書作成の指針ともなるため、平成28年度から使用される中学校社会科と29年度から使用される高等学校の地理歴史・公民の教科書には、領土に関する充実した記述が盛り込まれるようになっています。子供たちが自国の領土について正しい知識を持つことは重要であります。しかしながら、これは当たり前のことでもあります。改訂後の領土教育について、教育長にお尋ねをいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 領土問題に係る御質問にお答えをいたします。
 グローバルに活躍できる人材を育成することが求められている中、将来を担う子供たちが自国の領土を正しく理解し、国際社会に生きる日本人としての自覚と誇りを持つよう、領土に関する教育を充実させることは大切なことだと考えております。子供たちが自国の領土について正しい知識を身につけ、世界的な視野に立ち、領土問題について考えていく教育は、大変重要であると受けとめております。
○議長(坂本 登君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 教育長が先ほど言われたとおり、グローバル化が急速に進む中、国際社会で活躍できる日本人、人材を育てていくということは非常に重要であります。例えば英語教育について、高い語学力、英語力を身につけるということで、小学校の英語の授業を5年生から3年生に前倒しするとか、小学校3・4年生で週1~2時間程度やるとか、5・6年では週3回、中学校では授業を英語でやろうじゃないかとか、高校では発表とか討論をするというふうな形に、語学力についてもそういうふうなことを取り組もうとされていると。大変これも重要でありますけども、それ以前に、我々日本人が自分の住む国の領土を正しく理解できるということは非常に重要であると思います。
 領土に関する教育、これについては歴史的なことが必ず関連してきますので、こういうことは今さら私が言うことではないかもしれませんが、現場で授業に当たられる先生方には十分に正しい歴史認識を持っていただいて取り組んでいただきたい。そして、魅力ある授業を展開していただきたいと。教育委員会においても研修等を行って、特に御指導をいただきたいと思います。
 次に、実際の教育現場で使用されている地図。地図全体の縮尺を大きくするために、沖縄県、それから尖閣諸島や小笠原諸島などの離島が切り張りされて分割された地図がよく使われてると。正しい形が非常にわかりづらくなっています。離島の位置が正確でないものではなく、正しい日本地図を教室で見られる環境をつくること、正しい領土、領海や、海の名前や島の名前を理解することが重要であると。
 手づくりでございますが、(地図を示す)例えばこれはまだちょっといいほうの地図なんですけども、大体この辺に離島を切り張りして、位置感がわかりづらいと。で、この辺へ沖縄なんかを表示してると。こういう地図ではなくて、このように全体を、距離感がわかる、こういう地図を掲示すべきである。
 多分、子供たちが日本地図を見るときに、こういうのを見てることが多い。こういうふうな地図を見ると、恐らく日本って小さいねと、小さい国やなって思うかわかりませんけども、例えば学校でこういう話ができるならば、「いや、違うんだよ。日本はこう見たら小さいけども、排他的経済水域と領海、領土を合わせたら世界で9番目に大きいんだよ。また、経済水域と領海だけなら世界で6番目の海洋国家なんだよ」、こんな話もできて、いろいろ使えると思うんですね。天気予報で使われているような位置関係を省略した地図ではなくて、こういうのを使わないと正確な理解ができないと。日本の東西南北の最端を明記して、日本の領域全体が表記された地図を活用するべきであります。これが、領土教育の第一歩ではないかと思います。
 2012年、2年前ですけども、「読売新聞」の記事であります。「領土に関心を。県立高全教室に日本地図を張る県」ということで、熊本県の記事があります。熊本県教育委員会は、日本の領土を正しく認識してもらうため、年度内に県立高校の全教室に日本地図を掲示する方針を決めた。県立の中学校、特別支援学校でも掲示を検討しているほか、各市町村教育委員会には小中学校でも同様の取り組みをできないかと呼びかけている。熊本県教育委員会高校教育課などによると、全日制59校、定時制10校の教室約950室が掲示対象で、現在、どのような地図がふさわしいか検討中と。高校では全員が地理を学ぶわけではなく、生徒全員が領土について理解を深められるようにしたいとしている。
 2年がたちまして、現在、熊本県では、高等学校59校に1016部、中学校3校18部、特別支援学校15校144部の各ホームルーム教室、また、2市1町で掲示が実施されています。ほかにも、岐阜県では、世界地図や日本地図を全県立高等学校等に平成25年5月20日までに配付されています。
 また、島根県、平成26年の6月に学習指導要領解説の一部改訂を踏まえ、まずは県内の県立高校37校、特別支援学校12校の教室に日本の領海全体が表記された地図を掲示されてると。我が国の領土の位置関係を正しく理解させると、領土教育に活用しているようであります。
 また、東京都では、小笠原諸島や南西諸島の区域も省略もしない日本地図を全都立高校に配付して、北方領土や尖閣諸島、竹島も1枚に入れた地図を新たにつくり、東京都独自の科目などで使う予定になっております。
 また、海外なんですけども、中国では、国土が東西に長いために、これまで横長の地図を使用されていたと。離島などは、やはり地図の右下に表示していたようでありますが、最近、縦長の地図が作成されたと聞いております。中国政府が主張している領域は、東西に5200キロ、南北に5500キロ余りとされ、南北に長い国としています。最南部は、フィリピンやベトナムとの係争地である南沙諸島となっています。これも、地理上の位置関係が直感的にわかるように、そして、海洋領土意識を培うための地図であると言われています。
 やはり和歌山県においても、我が国の正しい形をしっかりと教えなくてはなりません。我が国の領土に関する理解を深めるためには、日本の位置や隣国との距離を把握しやすい日本領域全体を表現している地図、どういうふうに領土、領海がなっているのかということを理解しやすい地図を活用することが最もよいのではないでしょうか。和歌山県において、日本の東西南北の最端を明記し、日本の領域全体が表記された地図、これを県立学校全学級数配付し、教室への掲示や教科書指導への活用をしなければならないと考えます。教育長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 学校における正しい日本地図の活用についてお答えをします。
 急速に進む国際化社会の中において、子供たちの国際感覚を養うとともに、我が国のことを深く知ることは大変重要であるというふうに考えております。領土を含め自国のことを正しく知る機会をつくるためにも、領土が正しく表記された日本地図を全ての教室に掲示できるよう、県立学校に配付します。また、市町村教育委員会に対しても、領土に関する教育の大切さを理解していただき、所管する小中学校及び高等学校においても県立学校と同様の取り組みを進めていただけるよう働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 しっかりと掲示をしていただく、これが領土教育の第一歩であると思います。近いうちには、県立学校、全日制、定時制、支援学校、県立中学校の全てのホームルーム教室に正しい日本地図を掲示していただける、これは大変よいことであると思います。各市町村教育委員会にも働きかけていただけるということですが、小学校、中学校が主であるかと思いますが、子供は、物事というか、地図のようなものを見るときに、直感的にイメージとか画像のような形で認識する、こんな能力が高いというふうに思います。早くから我が国の領土の正しい形を理解してもらう、これには非常に有効だと思います。そのためにも、小学校、中学校においても早急に取り組むようにお願いをいたします。
 先日、小学校、中学校、高等学校1校ずつ、それぞれお伺いして、それぞれの学校のほぼ全てのホームルーム教室の掲示板を見せていただいてきました。最近の教室の掲示板というのは前方と後方にあるんですけども、前方には余り掲示はしないと。子供の気が散らないようにということで、工夫をされているということでありました。
 後ろのほうには、小学校やったら小学校、中学校やったら中学校と、それぞれの特色がある、子供の作品なりクラス目標なりを、また高校では進路情報と、またこれ、ちょっとレベルの高いような掲示物が張られていて、それぞれに応じたものが張られていたと感心したんですけども、残念だったのが、地図を掲示していたのが小学校の3年生か4年生のクラス1クラスだけで、かなりの教室を見せていただいたんだけども、1つだけだったということが非常に残念だなあというふうに感じました。これからはそんなことがないと思います。
 私、子供が小学生と中学生いてますので、いつか授業参観に行けたなら、子供を見る前に、掲示板にちゃんと正しい日本地図を張ってくれてるかなと、それを確認してみたいなというふうに思います。配付しただけで学校現場でできなかったということは絶対ないようにお願いをしたいと思います。
 次の質問に入ります。
 平成26年3月30日に、京奈和自動車道紀北かつらぎインターチェンジから紀の川インターチェンジまで12.9キロの区間が完成しました。紀北東道路がこれにより開通いたしました。地域間の移動時間が短縮され、並行する国道24号の交通混雑の緩和がされたようにも感じています。周辺地域の発展には欠かすことのできない道路となっています。また、関西国際空港は、世界に向けた物流・交流の拠点として、着実にその機能が発揮されています。
 こうした中、京奈和自動車道と関西国際空港へのアクセスが喫緊の課題となっています。京奈和自動車道と関西国際空港方面を最短で接続し、京奈和自動車道紀の川インターチェンジから関西空港自動車道上之郷インターチェンジ方面へ直結する自動車専用道路が実現すれば、関西都市圏の拡大はもちろん、観光、物流、大規模災害等の緊急時の広域輸送ルートとして、また命の道となることを確信しています。
 先月行われました関西広域連合議会の8月定例会において、大阪府議会選出の新田谷議員が3重の環状道路について提案をされました。特に外環状について、新名神高速道路や京奈和自動車道から紀淡海峡ルートにつなげる、さらに京滋エリアと関空を直結させるために、京奈和自動車道紀の川インターチェンジと関西空港自動車道上之郷インターチェンジ間で連絡道路を建設する、これらの構想が実現すれば、首都圏に負けない、四国を含んだ関空を中心とした強い経済圏を目指した交通インフラが確立すると言われております。和歌山県のみならず、大阪府の議員も京奈和関空連絡道路の重要性を発言されています。
 ちなみに、知事は、副連合長として、京奈和関空連絡道路について「関西都市圏の活性化を図る上でも大変有意義である」と、連絡道路の重要性について答弁をされています。
 また、和歌山県において、平成25年6月に行った平成26年度政府提案で、初めて京奈和関空連絡道路の国による調査の推進を提案・要望されています。ことしも6月に、平成27年度国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望に、府県間部における直轄道路調査及び整備の推進が挙げられています。関西都市圏の拡大には京奈和自動車道と放射状道路の一体性が必要であり、さらなる観光振興には関西圏と世界遺産・霊峰高野山を最短で結ぶ広域観光ルートの形成が必要とされています。また、企業誘致や農産物の競争力強化には、大阪、関西都市圏への時間短縮が必要であると記されています。具体的な措置としては、仮称・京奈和関空連絡道路の国による調査の推進とされています。ようやくといいますか、ここ2年で和歌山県も少しずつ前進しているというか、エンジンがかかってきたのかなあというふうにも感じています。
 昨年の4月、紀の川市で行われました行政報告会での知事との意見交換会でも、市民の方からこの連絡道路について質問が出てきました。市民の期待というか、要望のあらわれであったと思います。9月12日──先週ですね──紀の川市役所で行われました京奈和関空連絡道路促進協議会の総会が行われました。山田議員、服部議員も、3人出席いたしました。仮称・京奈和関空連絡道路建設促進期成同盟会設立に向けた準備活動を実施していくことが決定いたしました。地域の要望、また期成同盟会へと新たな動きも踏まえ、今後に向けて国の直轄事業として事業を採択させるために、一日も早い事業実現のため特段の御配慮と御支援を賜りますようにお願いをいたします。
 ぜひともこの仮称・京奈和関空連絡道路建設を推進していただきたく、知事の御所見を伺います。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 京奈和関空連絡道路は、京奈和自動車道と一体となって関西国際空港と紀北地域や奈良県西部との連携を強化し、関西都市圏の活性化のため、また現政権が進める国土の強靱化を図る上でも大変有意義な構想であると考えます。これまで、議員を初め関係国会議員や、あるいは地元紀の川市長を初め、紀の川市の働きかけ、さらに県からも要望した結果、国土交通省において、関西国際空港・京奈和自動車道関連道路網調査の一環といたしまして、京奈和関空連絡道路の必要性等についての調査検討が進められております。今年度は、京奈和自動車道開通に伴う周辺道路の交通流動の変化について調査をする予定であるとお聞きしております。
 県といたしましては、京奈和自動車道や近畿自動車道紀勢線に続くプロジェクトとして本道路を具体化できるよう、今後、周辺の市町村により設立が予定されております京奈和関空連絡道路建設促進期成同盟会の皆様方とも協力しながら、大阪府や奈良県とも連携し、広く必要性を訴え、国や関係機関にその実現を働きかけていきたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 よろしくお願いをいたします。
 私は、京奈和関空連絡道路は決して無駄な公共事業ではないと思います。これから、東京オリンピックや首都外環状高速道路等、首都圏に国の公共事業の大半を使われてしまうんではないかなあと、そんなことを思うと、京奈和関空連絡道路など比較的実現性が高いと思う、こういうものから着実に進めていただきたいなあ、そういう思いがあります。
 昨日の中村議員の一般質問で、夢のある県政について、知事は、県民が希望を持ってあすに立ち向かうという元気を持てるような条件を整えることだと言われました。それを聞いていまして、知事が京奈和関空連絡道路について、今もそうですけども、さらにお力添えをいただければ、地域の人はもちろん、県民が希望を持ってさらに元気が持てるのではないかな、また、国に対しても非常に大きなアピールになるのではないかな、そんなことを思いました。ぜひ、3期目の具体的な公約の中には京奈和関空連絡道路の建設を挙げていただいて、我々も一緒に一生懸命頑張っていきたい、そんな思いであります。
 京奈和関空連絡道路は、真に必要とする道路であります。命の道であり、未来をつなぐ道であり、チャンスの道であります。特段の御配慮と御支援を賜りますようにお願いを申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、岸本健君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 26番角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 おはようございます。議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 さて、ことしの夏には日本各地で記録的な大雨を記録し、広島市では土砂災害により70人を超える方の命が奪われるという大惨事が発生いたしました。ここに改めまして、犠牲になられた方々に対し衷心より哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様方に対し、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
 また、平成23年9月3日から4日未明にかけて本県を襲った記録的豪雨により、たくさんのとうとい命が奪われたことも、忘れることができない出来事でありました。この紀伊半島大水害の直後に開会された平成23年の9月議会の一般質問におきましても、私は、土砂崩れに関する危険地域の点検等、土砂災害対策の重要性を訴えさせていただきましたが、今回の広島市の被害の報に触れ、改めてこの認識を強くしたところであります。
 ところで、先月25日の新聞報道によりますと、警戒区域の指定候補となる全国の52万カ所の土砂災害危険箇所について、32都道府県が法に基づく基礎調査を終えていないということでありました。そして、全て実施済みと回答した15県の中に和歌山県の名前はありませんでした。平成23年の紀伊半島大水害以降、県でも担当部局において全力で取り組んでいただいているところではありますけれども、早期に調査をし指定が完了するよう、より一層の御尽力をいただきますよう要望をさせていただきたいと思います。
 冒頭にも申し上げましたように、本年は全国各地で豪雨災害が発生しております。7月30日から8月の25日にかけて、台風第11号及び第12号並びに前線により甚大な被害がもたらされました。このため、今月の10日には、これらの災害が激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律に基づき激甚災害に指定されました。また、最近でも、北日本、東日本を中心に豪雨による災害が発生しております。そして、これまでにも、市町村の避難勧告の発令がおくれ、また、発令がなかったことにより人的被害が大きくなった事例がありました。
 そこで、本県の避難勧告等の情報を迅速かつ的確に提供するための取り組みについて、危機管理監にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 危機管理監木村雅人君。
  〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 豪雨災害の備えについては、気象情報や市町村が発令する避難勧告等の情報により早目の避難が大切であり、本県では、平成23年の紀伊半島大水害の教訓から、平成24年10月に、従来、市町村が経験に頼って発令していた避難勧告等の発令を、数値データ等により客観的に判断できる避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成のモデル基準を策定し、市町村に示したところです。さらに、平成25年9月には、最長51時間先の降水予測情報と3時間以内の詳細な超短時間予測がわかる和歌山県気象予測システムの運用を開始いたしました。
 このモデル基準と予測システムにより、市町村は、危険な夜間の避難を避け、明るい安全な時間帯に、地域ごとに避難準備情報や避難勧告等を的確なタイミングで発令することができるようになりました。ことし8月の台風11号による豪雨の際には、従前より早く避難準備情報等を発令する市町村が大幅に増加するなど、着実に効果が出ているところです。
 県と市町村は迅速かつ的確な避難勧告等の発令に取り組んでいくところでありますが、避難勧告等が発令された際には、県民一人一人が命を守るためのしっかりとした行動をとっていただくことが大変重要です。どうか、県民の皆様には、自分の命は自分で守るんだという強い気持ちで行動していただきたいというふうに思います。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 国土強靱化基本法が制定され、私ども公明党におきましても防災・減災ニューディールということを提唱している中、公共、民間ともに災害リスクコミュニケーションが非常に重要な時代に入ってきていると考えるところであります。また、県のホームページに8月27日付の県土整備部長のメッセージもアップされておりますが、そこにあるように、備えあれば憂いなしという、このことで県民の命を守るため、ハード、またソフト、両面からのきめ細かい防災対策を行っていただくことを要望しておきます。
 じゃ、続けて次に行きます。
 次に、人口減少問題につきましてお伺いいたします。
 まず、本県の人口はどのような状況にあるのでしょうか。確認の意味も込めて、ここ10年間における人口の動きを企画部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) ここ10年間における人口の動きについてでございますが、直近の県の人口調査による平成26年4月1日現在の県の人口は97万4368人で、10年前の平成16年4月1日現在の104万7047人と比較して、7万2679人の減少となっています。内訳は、社会動態で3万1101人、自然動態で4万1578人の減少となっています。最近の傾向を見ますと、社会動態は、10年前の年間5000人前後の減少幅から、近年は年間2000人余りの減少で落ちついた状態となっています。一方、自然動態は、高齢化の進展に伴い、10年前の年間2000人前後の減少幅から、近年は年間6000人弱と減少幅が拡大傾向にあります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 続きまして、合計特殊出生率と課題に対する取り組みにつきましては、福祉保健部長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 本県の合計特殊出生率は、平成22年から増加傾向となっていましたが、平成25年は1.52と、前年より0.01ポイントの低下となっております。全国的には平均を上回る19位ですが、人口維持に必要とされる2.07には届かない状況となっており、深刻な状況は改善されていないものと認識しております。
 少子化の大きな要因の1つが未婚化、晩婚化であることから、昨年度より婚活イベントに取り組んでおります。本年度からは、独身男女の縁結びをボランティアで応援していただくわかやま結婚サポーターを養成するなど、結婚支援事業を一層進めているところです。また、安心して子供を産み育てる環境を整備するため、来年度から施行予定の子ども・子育て支援新制度により、市町村とともに幼児期の教育、保育の量の拡充や質の向上、地域の子育て支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 ただいま各部長にお答えをいただきましたが、人口減少問題には、未婚化、晩婚化による出生数の減少、若者の県外流出など、幾つもの要因が複雑に絡み合っているのではないでしょうか。そして、人口の流出に歯どめをかけるためには、魅力ある地方都市をつくることが必要ではないかと考えるところであります。
 第2次安倍改造内閣におきましても、地方創生担当内閣府特命担当大臣というポストができ、地方創生に向けた具体策を練るまち・ひと・しごと創生本部が設置され、今月の12日には第1回の会合が開催されました。本県におきましても、婚活など新しい事業に取り組んでいただいておりますが、今後は、例えば企業を誘致するための府県間道路整備の促進など、まだまだ対策の余地は残されていると考えるところであります。
 そこで、魅力ある地方都市を構築し、人口減少を食いとめるための本県の施策のあり方について、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 人口減少問題は、社会保障制度の維持が困難となり、産業の衰退につながるなど大変深刻な問題であると、ずっと認識してきております。特に和歌山県は全国の中でもその程度が激しいというところでございますので、これは私の就任以来、最大の目標で、そのために自然減、社会減の両面からこの対策が必要であるというふうに考えてやってまいりました。
 自然減といたしましては、従来から不妊治療のこうのとりプランとか、あるいは紀州3人っこ施策などをやってまいったんですが、最近では、中川部長からお話をいたしましたように、結婚を希望される方への出会いの場の提供などなど、いわゆる婚活の支援も始め、結婚から妊娠、出産、子育てと切れ目のない少子化対策に取り組んでいるところでございます。しかし、さらに強化をするところはないかとただいま勉強中であります。
 また、社会減対策といたしましては、地域に雇用があることが最大の大事と考えております。企業誘致による新たな雇用の創出とか、あるいは販売促進、あるいは技術開発支援など、いろんな制度を使いまして産業の強化をし、観光振興や農林水産業の振興、あるいは1次産業への就業支援なども加味した移住交流の推進、こういうことをやってまいりましたし、また、これを裏で支えるものとして、社会インフラを整備することによって産業を盛んにし、雇用をふやしていきたいという政策を展開してるところでございます。
 これらの政策を講じても、正直に申し上げまして、まだまだ人口減少を押しとどめるには至っておりません。議員御指摘の企業誘致につながる府県間道路や、あるいは高速道路ネットワークの整備促進などを進め、現在の政策手段をさらに磨きをかけて若者の働く場をふやすことで魅力ある地方都市の構築に向けて引き続き努力をすることが必要であると考えております。
 先般、国において、議員御指摘のまち・ひと・しごと創生本部が創設されました。その基本目標として、地方が成長する活力を取り戻し、人口減少を克服することが明記されたところであります。国の動向を注視しつつ、県の施策のさらなる充実に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 ただいまの知事の答弁を受けて、1点だけ要望を申し上げます。
 昨日の一般質問において、知事からは3期目にかける熱い思いを聞かせていただきました。3期目は、長期計画の計画期間の10年目に当たる平成29年度を迎えることになります。人口減少問題の解決は、長期計画で掲げている少子高齢化への対策や産業の振興など、さまざまな施策の成果の積み重ねによって実現するものと考えております。3選された暁には、長期計画の目標達成に向け、国の追い風に乗りおくれることなく、さらなる施策の推進に取り組んでいただきますことを心からお願い申し上げる次第でございます。
 続きまして、地域包括ケアシステムの実現に向けてでありますが、本論に入る前に、まず和歌山県の高齢化の状況について、福祉保健部長の御説明をお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 本県の高齢化率は、総務省の平成25年10月1日現在推計人口によりますと、29.4%で全国5位となっております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 日本の高齢化は、他国に例を見ないスピードで進んでおります。現在、65歳以上の人口は国民の約4人に1人に当たる3000万人を超えており、2042年にピークを迎えると予想されております。このため、厚生労働省においては、団塊の世代が75歳以上となる2025年を目途に、高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで可能な限り住みなれた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、地域包括ケアシステムの構築を推進しております。
 そして、本県におきましても、高齢化率も高い中でいろいろな施策を行っていただいているところであります。しかしながら、今から10年後を予測したとき、概略的なものは見えてはきますけれども、それぞれの自治体の考え方には温度差が生じてくるのではないかと思われるところであります。
 例えば、現在の介護保険料を見ますと、和歌山県全体で平均5501円、和歌山市では5813円、太地町は3700円という数字が出ており、大きな地域差があることがわかります。加えて、このままの状態で何も手当てをしなかった場合には、2025年には7000円を超えると見られております。
 介護保険法の第5条第2項には、「都道府県は、介護保険事業の運営が健全かつ円滑に行われるように、必要な助言及び適切な援助をしなければならない。」という規定がありますが、このような状況を受けて、保険者である市町村に対して県としてどのような働きかけができるのでしょうか。福祉保健部長の御見解をお願い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県では、従来から、介護保険事業が健全かつ円滑に運営されるよう、各市町村の介護保険の状況を分析するとともに、実地指導や研修会、説明会等を行うなど、助言・指導に努めているところです。特に今年度は、市町村において介護保険事業計画の改定作業中であり、市町村と協議を進める中で、介護給付費や保険料等の将来予測を十分に行うよう助言しているところです。
 議員御指摘のとおり、市町村間で介護保険料には地域差があり、それは介護サービスの利用量の多寡によるものですが、その背景には、都市部や過疎地等の地理的条件や施設等の整備状況、住民の利用動向等、さまざまな要因が重なり合っています。
 そういった中で、県としましては、介護給付費や介護保険料の上昇の抑制につながるよう、市町村が実施する要介護認定事務の向上、ケアプランや介護報酬請求の点検支援等により給付の適正化に取り組んでいます。また、高齢者の自主的な健康づくりや地域での支え合い活動を通じた社会参加の促進による介護予防にも取り組んでいるところです。今後も、各市町村において介護保険事業が安定して運営されるよう、それぞれの地域の実情に応じたきめ細かい支援に努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 それでは、この項目の最後といたしまして、介護保険を含めた地域包括ケアシステムの構築に向けて和歌山県としてどのような取り組みを進めていくのか、福祉保健部長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 地域包括ケアシステムは、医療、介護、予防、住まい、生活支援サービスを切れ目なく一体的に提供していくことで、ひとり暮らしや要介護度の高い高齢者などがどのような状態となっても安心して住みなれた地域で暮らし続けられるようにしていくという考え方です。そのため、保険者である市町村が主体となり、地域の特性に応じて一定の介護サービスの整備や生活支援の仕組みを構築するとともに、医療や介護などの地域資源のネットワークを強化していくことが求められています。
 そのような中で、県としましては、市町村を支援するため、広域的な介護基盤の整備や24時間対応可能な在宅医療提供体制の整備を初め、各種介護予防の取り組みや見守り、生活支援サービスの充実を図ってまいります。さらに、地域包括ケアのネットワーク化を進める上で中核となる市町村の地域包括支援センターに対しても、各種研修の実施による職員のスキルアップや専門職の派遣等により、その機能強化を支援してまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 次に、県営住宅関連についてであります。
 まず、ペット共生住宅の導入についてであります。
 現在、本県の県営住宅におきましては、ペットの飼育は認められておりません。しかし、現実としてペットを飼っておられる入居者がおるというお話も聞こえてきております。私自身も、単身の高齢者の方でペットを飼われているという方がおられましたので、そこの部分まで一応確認もさせていただきました。私は、この問題につきましては、住民の方の生活形態の変化に合わせて、今後はペットと共生する県営住宅も必要になってくるのではないかと考えております。
 先般、関西広域連合の会議に出席をさしていただいた際に、兵庫県の方にお話をお伺いいたしましたところ、兵庫県では既にペット共生の県営住宅があるということでした。2カ所の県営住宅で合計99戸のペット共生住宅が整備され、昨年度途中のデータですが、そのうちの90戸が入居済みであり、実際にペットを飼育されているのは58戸ということでありました。また、大阪府でもペット共生住宅が相当数整備されております。
 兵庫県のペット共生住宅の設置の目的は、「高齢化、核家族化が進展する中で、近年、犬、猫などが高齢者等の精神的な支えとなってきており、阪神・淡路大震災によって住宅を失った被災者の中にも、ペットとの触れ合いを心の支えにして阪神・淡路大震災を乗り越えようとされる方がおられた。このような状況を踏まえて、県営住宅においてペットと共生を進めるための取り組みをモデル的に実施することとした」ということでありました。
 さて、本県に話を戻しますが、ペットを飼ってはいけないなどの県営住宅の入居に関する条例は、いつごろ制定されたものでしょうか。もし、その条例をもとにして県営住宅でペットを飼育することが規制されているのであれば、高齢化、核家族化等の社会情勢や県民の方の生活環境が大きく変化してきている今の時代の状況を鑑みると、もはや旧態依然とした規制になるので、見直す時期に来ているのではないかと感じるところであります。
 このような点を踏まえ、県営住宅の入居に関する条例が制定された時期と、今後の県営住宅のペット共生住宅に関する政策をどのように進めていくべきか、県土整備部長の御見解をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県営住宅におけるペットの飼育につきましては、平成4年3月に改正した和歌山県営住宅管理条例に基づきまして、入居時に配布する「住まいのしおり」の中で、迷惑行為の禁止の1つとしてペット飼育の禁止を明記しております。
 議員御指摘のように、兵庫県では、災害復興に伴う住宅建設でペット飼育可能な団地を導入し、ペットが単身の高齢者や震災被災者の心の支えになったと聞いております。一方で、モデル的に実施したものの、鳴き声やふんの不始末への苦情があったことや住民の反対意見も多かったことを踏まえ、他の団地への導入を見送った自治体もあります。
 県としましては、今後、このような状況も踏まえ、全国的な事例を研究するとともに、住民の方々の意見を伺いながらペット飼育について検討してまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 それで、今後とも一回検討して、お願いしたいと思うんですが、先般、貝塚市の王子住宅という大阪府営住宅のほうへ寄せてもらいました。大阪府下では各10カ所の共生住宅がございます。会則そのものもきちっとつくり、共生するという犬や猫やそういうペット、小動物になるわけなんですが──大きな犬というのはなかなか飼うというのは難しい。
 この王子住宅は、平成8年、今から18年前で中層型なんですね。約100戸。当時の中心になってくれた方が、それぞれ各同意の署名を集めました。大阪府の住宅の条例では、80%の同意の方があればそれをやってもいいんじゃないかなというふうな1つの基準を決めております。
 この王子住宅の動物愛護会というものもちゃんと見せてもらったんですが、99%。あとの1%は、たまたま入院をされておりましてできなかったということで、平成24年の11月5日から発足されております。この愛護会の名簿をきちっとまず列記する。そして、会則もあり、飼育ルールというのも全部こういう形できちっとされております。もし何か苦情が発生すれば直ちにおっしゃってくださいよと。その中にも誓約書というのがあります。この誓約書は、ルールを破った場合は、あなたはだめよという、こういうふうにもなっております。
 ここで、大阪府の住宅まちづくり部の推進グループの補佐にも立ち会っていただきまして、約40分間にわたり、今の現状についてのいろんなお話を聞かしていただきました。大阪府の総合募集の案内というところにつきましては、ペットの飼育については原則はだめよということでありますけども、一部の団地で動物飼育が可能となっているケースがありますが、一定の手続を経て飼育が可能となったものであり、原則は禁止されておりますというふうにきちっと書いております。だから、原則はだめなんやけども、社会情勢に伴い、生活のいろんなコミュニティーの変化に伴って、1つ1つ改善しながら、そして地元の自治会単位で、先ほども申し上げましたが、80%以上の方の同意があればいいんではないかなと、こういうふうな形でスタートされておるということを聞かせてもらいました。
 ここの中心者の方のお話を聞かしてもらいましたけども、非常に癒しの部分はあるんじゃないかなと。また、独居のこういう年配の方については、何々ちゃんと、動物に対して自分の子供のように、そういうふうにかわいがっておると。しかし、ルールの中できちっとそれが精査されてるというのが条件なんで、中心者になる愛護会のこの方も、私がしっかりとそういうふうにして目を光らしてるところもたくさんあるんですよと、こういうお話も聞かせていただきました。今後、またしっかりと、できれば御検討いただければなというふうに思っております。
 それでは、県営住宅に関連いたしましてもう1点お伺いを申し上げます。指定管理制度の導入についてであります。
 この件につきましては、私は何度か県議会において質問もさしていただいております。ぜひとも導入に向けた検討をお願いしたいという立場から、再度質問をさせていただきます。
 本県における県営住宅の現状は、入居者の高齢化、そして自治会役員の高齢化が顕在化してきております。このような状況は、今後も進行することが予想されます。将来的には、県営住宅におけるコミュニティー機能の維持が困難になることが予想されます。特に、県営住宅の自治会で実施されている共益費の徴収業務については、自治会役員の方にかかる負担が非常に多く、既に制度疲労の見通しが見受けられるのが現状であります。
 そこで、再三にわたり提案をさせていただいているところでありますが、県営住宅の共益費の徴収業務に関しましては、指定管理制度を導入し、住民のサービスの向上を図っていただきたいということを考えるものであります。この点につきまして、県土整備部長の御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県営住宅の共益費の徴収につきましては、議員の御指摘も含め、これまでも自治会ではなく県や指定管理者で徴収してほしいとの要望があり、入居者の利便性を向上するため、家賃と共益費を同時徴収する手法などを検討してまいりました。その結果、家賃徴収システムに共益費を組み入れる必要があり、システム改修にかなりの費用がかかる一方、規模の大きな団地を対象に、自治会役員へのヒアリングでは希望した自治会は少なく、費用対効果の面でシステムを改修することは合理的でないと判断したところです。
 県としましては、賛成をしている自治会の方と、そうでない自治会の方が相談をしていただき、家賃と共益費を同時に徴収してほしいという意見にまとまれば、システムの改修等、必要な措置を講じてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 自治会の役割の中で一番私が危惧するのは、これはインフラ整備のおくれが特にそういうふうな現象を起こしてるんではないかなと思いますが、浄化槽のこの徴収が何千万てなってくるんですね。やっぱり事故るケースがあります、今まで現実に。その方が、はっきり言って使い込んでしまったと。これは、それで浄化槽のところと、今、係争をされてるということを聞いておりますけれども、大都市、大阪のところの職員さんにも聞いたんですが、あそこは公共下水が行ってるんで、あんまり多額なそういうものを自治会で徴収するということがないんで、共益費の電灯代とか、そういうところの少額な部分でありますよという、こういう話でした。
 和歌山は、特に私は和歌山市の選出でありますので、聞かしてもらいます中で、まだまだ公共下水までつないでいないという、浄化槽のその部分があって非常に難しい部分があるんじゃないかなと思いますけども、その反面、やっぱり事故が起こるという可能性があるというのは非常に危惧をしております。どうぞ、その辺について、県のほうでしっかりと徴収業務をしていただければ、またそれを指定管理者というところでやっていただくならば、いわゆる事故を起こさない予防になるという、そういう思いがしてなりませんので、ひとつまた考えていただきたいというふうに思います。
 次に、認定NPO法人制度についてであります。
 NPOの法人のうち一定の要件を満たす法人は、所管庁から認定されることで税制上の優遇措置を受けることができます。この制度は、NPO法人への寄附を促すことにより法人の活動を支援することを目的としたものであります。
 そこで、まず、この制度がいつから導入されたものであるのか、環境生活部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 認定NPO法人制度は、NPO法人への寄附を促すことにより、その活動を支援することを目的といたしまして、平成13年10月に創設されたものでございます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 それでは、本県にはどれくらいのNPO法人があって、そのうちこの新たに整備された認定制度における認定NPO法人はどれくらいあるのでしょうか、お伺い申し上げます。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 和歌山県におけるNPO法人数は、本年、平成26年8末現在で372法人ございます。平成23年に法律が改正されて、この認定事務が国税庁から都道府県、本県に移管された後の実績でございますが、平成25年3月、昨年に1法人を認定してございます。
 以上でございます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 調べてみますと、認定NPO法人に認定されるための基準は幾つかあるようであります。実績判定期間における経常収入金額のうちに、寄附金等収入金額の占める割合が5分の1以上であることを求める相対値基準や、実績判定期間内の各事業年度中の寄附金の額の総額が3000円以上である寄附者の数が年平均100人以上であることとする絶対値基準がそれであります。関係者の方といろいろとお話をお伺いいたしますと、これらの基準を達成するのが大変で、認定を受けることができないというところもありました。このことが、先ほど御答弁をいただきましたが、認定NPO法人の数が仮認定を合わせてでも1法人であるという実績の原因になっているのではないでしょうか。
 ところで、この認定制度には条例個別指定という制度がありまして、この制度は、認定NPO法人としての認定申請書の提出前日までに、事務所の所在する都道府県等の条例により個人住民税の寄附金控除の対象となる法人として個別の指定を受けることを求める基準であります。この場合、ケースにより、先ほど申し上げましたが、相対値基準や絶対値基準を引き下げることが可能ということであります。
 これまで、県としましても、NPOの推進ということで、さまざまな支援をされてきたというふうに思っております。今後においても、魅力ある地域づくりのためにNPOの活動は重要な意義を持つものであると考えます。また、他府県では条例個別指定を行っている事例も見受けられるところでありますので、本県としましても、この制度を活用し、NPO法人を積極的に支援していってはどうかと考えますが、環境生活部長のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 条例個別指定制度の活用についての御質問でございますが、平成23年の法律の改正によりまして、認定NPO法人の要件が緩和されたところでございます。認定NPO法人以外のNPO法人に対する寄附につきましても、条例で個別に指定をすることによりまして個人住民税の寄附金控除が受けられ、その個別指定によりまして、その効果として、収入に占める寄附金割合や寄附金額という認定NPO法人への認定の寄附基準を満たす条例個別指定制度が設けられたということでございます。
 しかし、この条例個別指定制度は、この認定要件のごく一部、1つだけを満たすにすぎません。認定NPO法人は、そもそも税制上の優遇措置を受けられるということがございます。そのため、高い公益性の確保が求められておりますし、運営組織及び経理が適切かどうか、活動事業の内容が適正かどうか等の基準がさらに定められてございます。
 このため、県といたしましては、県内のNPO法人の多く、まだ事務運営基盤が脆弱である団体も多うございますので、法人の組織基盤でありますとか、会計事務の強化に取り組んでいるところでございます。
 一般に、設立初期、設立当初の時点では、各NPO法人は財政基盤が弱いという法人が多うございます。そのため、この認定NPO法人制度の中では、スタートアップ支援というふうな形で仮認定制度という制度がございます。この仮認定の期間に税制上の優遇措置を利用して寄附を集めることによって、本来の認定NPO法人へのステップアップを図ることができる仕組みがつくられてございます。県では、この仮認定制度の活用を通じましてNPO法人をさらに支援をして、認定NPO法人の取得の促進に努めてまいりたいと、そのように考えてございます。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 NPO法人、たくさんある中で、まだ1法人ということでありますけれども、スキルアップをさせていく。今後、いろんな事業分野でNPO法人が果たす役割というのが多岐にわたっているというふうに私は感じます。だから、それに従って、税制の分はもちろんでありますけども、会計の財務諸表のところとか、たくさんそれをしっかりとサポートしていただいて、NPO法人の新たな今度の分野に進んでいただくためにも、認定NPO法人をばしっかりと和歌山県でも育成をしていっていただきたいということをお願い申し上げる次第でございます。
 次に、最後の質問になると思いますが、いじめ対策についてであります。
 いじめの問題は、まだまだ大きく取り上げられております。相変わらず、この問題に関する報道の部分が後を絶ちません。最近では、春の甲子園での優勝経験もある強豪校の野球部で上級生による下級生のいじめがあったことが発覚し、1年間の対外試合禁止処分が科せられたという報道があったばかりであります。
 そこでまず、本県の県立学校におけるいじめの現状はどうなっているのでしょうか。教育委員会が把握している発生件数について、教育長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県立学校における平成25年度のいじめの認知件数は、速報値ではありますが、高等学校で277件、中学校20件、特別支援学校23件の計320件で、前年度と比べて45件増加しています。いじめが増加している理由としましては、教職員がいじめの定義をきっちりと理解をし、アンケート調査や面談を年3回以上実施することにより、子供が発するどんな小さなサインも見逃さず、子供としっかりと向き合い、いじめを積極的に認知した結果だと捉えております。
 なお、平成25年度のいじめの解消率については、教職員が学校いじめ防止基本方針やいじめ問題対応マニュアル等に基づいて迅速に対処したことにより99.7%となっていますが、引き続き解消に向けて、子供としっかりと向き合いながら、きめ細かく取り組みを進めてまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 御答弁いただきました。
 そのような状況の中で、文部科学省がいじめ対策として脳科学を活用するという報道がございました。いじめや自殺などの対策に脳科学や心理学の研究成果を生かすために、感情の動きである情動を研究する大学や教育機関をネットワーク化し、各分野の専門家と教育関係者が横断的に連携をする仕組みづくりを始めるということであります。
 最近の研究では、幼少期の虐待などの強いストレスが脳の発達に影響を与え、他人に対する暴力やいじめの一因となるとされておりますが、いじめや不登校などへの対応を教員の経験だけに委ねるのではなくて、脳の働きや心理学に基づき科学的なアプローチを行う方法の効果が注目されるところであります。
 ただいまの事例は文部科学省の取り組み例でありますけれども、和歌山県の教育委員会として、いじめ根絶のための今後の取り組みとしてどのようなことを考えられておるのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめの根絶のためには、教職員等による早期発見、早期対応はもとより、未然防止につながる子供たちのいじめを許さない心の育成が大変重要だと考えております。このことから、子供たちがお互いを大切にする心や社会の一員としての自覚、規範意識をしっかりと育むために道徳教育の一層の充実を図るとともに、体育大会や文化祭、ボランティア活動などの学校行事等を有効に活用し、他者と深くかかわる体験を積み重ねることにより相手を思いやる心を育み、よりよい人間関係を構築する能力を養っていくことが何よりも大切だと考えております。
 県教育委員会としましては、議員御提案のいじめ等の未然防止に有効とされる脳科学や心理学などの研究成果にも学びながら、道徳教育や体験活動等を充実させることにより子供の心を育む取り組みを積極的に推進してまいります。
○議長(坂本 登君) 角田秀樹君。
  〔角田秀樹君、登壇〕
○角田秀樹君 どうか、いじめ根絶に向けまして、今後とも御努力をされますことを要望いたしまして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時17分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○濱口太史君 こんにちは。議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず1つ目、南紀熊野ジオパーク、日本ジオパーク認定を受けてであります。今後の県の推進体制についてお伺いをいたします。
 ジオパークにつきましては、一般質問など、これまで機会あるごとに取り上げてきましたが、去る平成26年8月28日、日本ジオパーク委員会において南紀熊野地域が晴れて日本ジオパークに認定され、いよいよ正式に活動をスタートさせることとなりました。日本ジオパーク委員会から発表された南紀熊野ジオパークの認定理由について、「プレートの沈み込みに伴って生じた地層群を貫くマグマの活動や巨大地震と津波がつくり出した独特の景観、そしてそこから生まれた熊野信仰等、数多くのすぐれた地域の自然・文化遺産が体感できる。ジオパークの活用に熱意を持った地域住民や50名以上のジオガイドの解説を聞くと、自然、大地の成り立ち、災害、そして世界遺産にもなっている地域文化と人々との強いかかわりに気づくことができる」と述べられています。
 この日の夕方、私も関係者らと一緒に串本町橋杭岩の前に集まり、合否の結果を待っていますと、日本ジオパーク委員会から東川推進協議会事務局長の携帯電話に認定されましたとの知らせが届きました。田嶋串本町長の発声で声高らかに万歳三唱。その模様はマスメディアを通じて報道され、多くの県民を初め全国に知れ渡ったところです。
 当初から、南紀熊野の地質は、でき方の異なる3つの地質体が1つの地域を形成していることなど、学術的にも価値が高いとの専らの評判でした。また、7月に実施された現地審査においても調査に訪れた3名の現地調査員の反応も上々で、認定は濃厚との雰囲気ではありました。しかし、今年度は、申請のあった6地域のうち認定されたのは富山県の立山黒部、熊本県の天草と和歌山県の南紀熊野の3地域だけであり、あとの3地域については認定を見送られました。かなり厳しい審査の末の認定であったようですが、認定理由にもありましたように、熱意を持った地域住民やジオガイドの活躍が認定に向けて大きな役割を果たしていただいたおかげで認定をかち取ることができたのだと思います。これで、世界認定6地域を含め、36地域が加盟する日本ジオパークネットワークへの仲間入りも果たしたことになります。
 微力ながら私も、支援できることは何でも協力しようと考えていまして、現地審査にも同行させてもらい、3名の現地調査員に対し、民間団体を含む地域の取り組み、地域の事情、また世界遺産である熊野信仰との相乗効果などを訴えました。また、私だけではなく、県議会においても、積極的に各地域のジオパークを議員団で訪れたり、委員会などの県外視察や会合などで各地を訪れる機会にも、近辺にジオパークがあれば立ち寄り、現地の視察、事務局やガイドから内容を聴取するなど、ジオパークの見識を深めるための研究活動の様子や、この取り組みを地域再発見、地域おこしの軸にしたいという思いを先輩・同僚議員に地域を問わず共有していただき、推進の後押し役として協力を得ている状況などを話しました。
 直近の話では、7月に北海道の洞爺湖有珠山ジオパークを8名の有志議員団で調査を行ってまいりました。ここは、たび重なる有珠山の噴火により甚大な被害を受けた地域を活性化することを目的にジオパークに取り組み、日本で初めて世界ジオパーク認定された地域です。その日も、国内外を問わず、防災を学ぶ場所として多くの人がジオサイトや施設を訪れていました。
 我々を案内してくれたのは、現地調査員として南紀熊野を訪れた火山マイスターと称するガイドの方で、新宮市と那智勝浦町へ来られたときにいろいろと参考になる話を聞く中で洞爺湖有珠山ジオパークを視察先に決めたという経緯がありました。ちなみに、この方は、認定の決定権を持つ委員ではなく、申請地の特徴を委員に対してプレゼンテーションしてくれるという、我々にとっては味方となる方であり、和歌山県ではジオパーク推進に対し県議会も熱心に取り組んでいるという姿勢を理解していただくことができました。委員会において、より一層自信を持って南紀熊野をアピールしてもらえた今回の視察活動は、その原動力にもなったと思います。改めて、先輩・同僚議員の御協力、また知事を初め職員の皆様の御尽力に敬意を表し、感謝を申し上げます。
 さて、いよいよジオパークとしての活動がスタートしたわけですが、認定を果たしたこれからが大変だと考えます。立ち上げから認定までの時期は、環境生活部自然環境室が推進協議会の事務局を担当し、申請作業を初め、講演会、ツアー、ガイド養成など、さまざまな認定を目指すための企画を実施してきました。しかし、ジオパークの取り組みに含まれた要素は幅広く、他の部局にも関連性があり、ジオツアー、イベント、セミナーなどにとどまらず、観光はもちろん防災やふるさと教育、商品開発などへの汎用が期待できます。それを考えますと、商工観光労働部、県土整備部、危機管理局、教育委員会などにも加わっていただくなど、推進を強化するための体制づくりが必要かと考えます。
 そこで、今議会の冒頭で、知事はジオパークの取り組みについて県を挙げてさらに取り組みを強化しますと力強く述べられましたが、今後のさらなる推進に向けても県としてどのような推進体制で臨むのか、知事のお考えをお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの濱口太史君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ジオパークというのは、地質、地形上の価値はもちろんでございますけれども、地元の人々がそれにどうかかわるかというのがジオパークになるかならないかということに関して大変重要な側面であるというふうに理解されております。
 この南紀熊野ジオパークについて、現地審査のプレゼンテーションにおいて、私はそういうことを念頭に置いて──この構想に火をつけたのは私かもしれないが──地域の人々の中に燃え上がる素地ができ上がっていたということが今日の地域主体のジオパークにつながったというふうに説明を申し上げました。この認識は、今も変わってございません。あくまでも、ジオパークの主役は地域の人々だと思っております。濱口議員を初め皆様方のいろんな努力に、心から敬意を申し上げたいと思います。
 今後とも、地域の人々が自主的、自立的な活動を展開していく上で必要なことを私が先頭に立って県全体で支援していきたいと思っております。
 県は、南紀熊野ジオパークを世界に誇るものにしていくために、地元自治体や環境省等関係機関を含め、地域の人々と一体となって世界ジオパークを目指して頑張っていきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 次に、私が一番懸念している点でありますが、ジオパークの取り組みが県民や各関係機関に果たしてどれだけ周知されているのか、受け入れられているのかということに関して質問を行いたいと思います。
 例えば県の組織内で言いますと、推進協議会事務局は直接かかわっているので当然認識は深いのですが、他の部局の職員さんがどれだけジオパークの取り組みに関心を持って前向きに理解していただいてるのか、あるいは、ジオガイドの人たちや地質の専門家、また地域の一部の団体など積極的にジオパークにかかわっている人と多くの一般県民やかかわりの比較的まだ浅い関係機関等のジオパークに対する認識には、まだまだばらつきや温度差があるのではないかと感じます。
 それは、推進協議会に参加している自治体においても同じことが言えます。地質的に価値の高い一枚岩や虫喰岩などを擁する古座川町などは、もともと地質を地元の観光資源として捉えており、その一環として地質学的に見た日本の貴重な自然資源を選定するという日本の地質百選にも選ばれております。また、地域振興や防災対策、郷土愛を育むために学生を対象とした地域学習のテーマとして取り組むなど、他地域に比べ、より具体的な活動を行っているところもありますが、全体を見渡せば、そのような自治体はまだ一部であるとの印象が否めません。
 ジオパークの取り組みにおいて、活動の拠点になる施設や地質的な価値をわかりやすく示した看板の設置、ジオガイドの養成、ジオサイトの選定やツアーの実施といった基本的な事業は比較的理解されやすい部分でありますが、ジオパークの取り組み自体が型にはまったものではなく、各自治体や民間のオリジナルな取り組みを求められているがゆえに、果たしてどのような取り組み方が有意義で効果的なのかという答えにたどり着きにくく、ジオパークそのものが地域住民に浸透しにくい要因とも考えられます。このことにつきましては、既に世界ジオパークとして認定されている先進地であっても、いまだに課題となっていると関係者は口をそろえます。
 また、ジオパークの定義についての説明には、どこも苦慮しているようです。大地とその恵みに親しみ、楽しみ、学ぶことを目的とし、地域の発展のために活用していく取り組みということになるわけですが、このような言葉でも、なじみのない人にはなかなか伝わりにくいのです。また、ジオパークって何がどう認定されたのか、正確なところはよくわからないとの感想もたびたび耳にします。
 強調すべき点は、地質についての専門的、学術的な学習を行うだけのマニアックな取り組みではないということ、また、場所だけが認定されたわけでなく、地域の人々の活動が加わってこそ認められる取り組みであるということです。
 ジオパークの認定を演劇に例えて考えてみますと、大抵の人はホールやステージ部分がすばらしいから認定されたと理解しているのではないでしょうか。ホールやステージそのものがなければジオパークになれないのは確かですが、審査を受ける対象は、ステージやセットの部分だけではなく、そのステージの上で表現されるストーリーのおもしろさや役者の演技力、照明や音響の演出効果によっていかに見る人を楽しませているか、感動を与えているかというところを評価されるものだと思います。
 あるいは、野球やサッカーなどのスポーツ競技で例えてみますと、歴史あるすばらしいスタジアムが地域に存在するというだけでは認定は受けられず、レベルの高いチームや選手が熱戦を繰り広げ、観客を魅了しているか、また、一般レベルのプレーヤーが参加できる大会も多数開催され、多くの人がその競技を楽しめる状況にあるかどうかなのです。
 したがって、ステージやスタジアムが存在するということはあくまで条件であって、評価を受ける対象は、地域の価値を活用し、多くの人に体感してもらうことにより活性化につなげようとする人々の努力や取り組みそのものであり、先ほども申し上げましたように、ガイドの積極的な活動や、推進協議会や関係者によって綿密な計画が立てられ、それを遂行するための努力がなければ、発展どころか南紀熊野ジオパークの誕生さえなかったと言っても過言ではありません。
 ちなみに、ジオパークにおいては、伝道師とも言えるジオガイド、そのモチベーションやレベルの向上を図りながら活躍を維持するために、いわゆるプロ化を図るシステムを一日も早く確立させる必要があると考えます。ジオパークとして軌道に乗るまでの段階におけるガイドの活動は、ボランティア的な要素が強いと見受けられました。しかし、正式にスタートした今では、ガイドや講師としての仕事をした場合、それに見合った報酬や経費を受けられるよう、それと同時にガイドの活躍の機会をふやしてあげることも大事なことだと考えます。ジオガイドの待遇が適正かつ張り合いが感じられるものでないと疲れと負担だけが蓄積され、モチベーションが下がり、やがてジオガイドをふやすどころか失う結果となってしまっては、ジオパークは維持ができなくなります。
 以上のことを踏まえ、ジオパークを各自治体や関係機関、ひいては県民に広く周知するためには今後どのように強化していこうとお考えでしょうか。また、ジオガイドの育成やシステムづくりについて環境生活部長にお尋ねをいたします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 先月、8月28日に日本ジオパークに認定をされました。とは申しましても、まだ県内でも、県民や各関係機関にジオパーク並びにジオパークの活動を広く知っていただくこと、このことが今後の大きな課題であると今認識を新たにしているところでございます。
 まずは、ジオパークとは何かということを多くの人に知ってもらうために、自治会、企業や学校などに対する出前講座や講演会、それからセミナーを行っていくことを計画してございます。その上で、ジオパークに関心を持っていただけた方々には、次は実際にジオパークを体験してもらうことが必要ではないかと考えてございます。ジオツアーでありますとか、計画をしております、実施中のフォトコンテストなど、いろいろな各種のイベントに参加してもらうことで、その関心をさらに一層深めていただきたい、そのように考えてございます。
 さらに、こうした関心を持っていただいた、ジオパークに関心を持っていただいた方に、さらに組織としてのジオ活動に参加をしていただきたいなというふうにも考えてございます。今年度の募集は締め切って、既に講座を開始してございますが、この養成講座を受けてジオガイドとして活躍をしていただいたり、また地域の人々が主役であるジオパーク活動を運営する側に参画していただきたいなと、そのように考えているところでございます。
 次に、ジオパークの主役とも言うべきジオガイドのことでございますが、議員御指摘のとおり、ジオパーク活動を進めてまいります上で、このジオガイドの役割は極めて重要であると認識してございます。来訪者に対する南紀熊野の魅力のアピールのみならず、ジオパーク活動のすばらしさを広めるなど、この活動の中心として欠かせない存在でございます。
 このジオガイドの育成につきましては、県はこれまで推進協議会を通じてやってまいりましたけれども、さらに、より高いレベルのガイドを目指すためのスキルアップ講座を開催するとともに、ジオツアーのガイドや講演会の講師などといたしまして実際に活躍をしていただけるような場もこちらの側でも設定をしてこの活動を支援してまいりたいなと、そのように考えてございます。
 また、今後ジオガイドが存続をしていくために必要でありますガイド料金の設定でありますとか運用マニュアルなど、ガイドのシステムの詳細につきましては、現在、有料ガイドを目指す58名のジオガイドの皆さんにより設立されました南紀熊野ジオパークガイドの会において、そのガイドラインなり要綱なり、今後どのように進めていくかを検討していただいているところでございますので、皆さん方の結論を見て我々としても必要な助言をしてまいりたいなと、そのように考えてございます。
 以上でございます。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 どうぞ、よろしくお願いいたします。
 それでは、最後、3番目に、世界認定を目指すことについてで、1つ要望をさせていただきたいと思います。
 知事のコメントとして、世界ジオパークへの早期認定を目指すといった部分がクローズアップされ、マスコミ等によく取り上げられております。もちろん、目標を高く設定し、レベルアップを図り、世界からも注目が集まるように発展させようとすることには大いに賛成をいたします。それに、世界認定への目標を掲げることにより活動の充実を関係者に促す効果も見込めることにも一定の理解をしております。しかし、国内認定を果たしたばかりで、これから日本ジオパークとして取り組みを充実させ、地域住民の深い理解と協力をいただかなければならない現状において、その後の目標であるはずの「世界」という言葉がひとり歩きしている感が強く、認定を受けることだけが目標であるといった印象を与えているのではないかと少し心配になっております。
 ジオパークと対照的な取り組みとして、世界遺産登録が挙げられます。価値の高い文化あるいは自然遺産の保護を主な目的とする世界遺産では、登録後、顕著な普遍的価値を失うほどの大きな変化があった場合を除けば登録を抹消されることはまずないと聞きますが、ジオパークの場合は4年ごとに日本ジオパーク委員会の再認定審査を受けなければならず、認定後、取り組みが消極的になっていたり指摘箇所の改善が思わしくないと判定された場合は認定を取り消されることもあるという、非常に厳しいルールのもとに成り立っています。
 したがって、認定されたからといって手放しで安心できるものではなく、地域の価値を広めるジオガイドや協力者を1人でも多くふやし、ジオを活用しようという地域全体の盛り上がりがなければ、再認定だけでなく、期待される活性化も実現されません。
 まずは、日本ジオパークとして努力を重ね、万全な体制や仕組みを構築し、地域住民による実力と県民の認識が備わってきたころに、南紀熊野もいよいよ世界へという機運が県内や国内で高まり、1年に2地域だけとされる日本ジオパーク委員会からの推薦を受け、ようやく世界認定達成が見えてくるのではないでしょうか。
 したがいまして、南紀熊野ジオパークには、世界認定を目指すための取り組みと、内容を充実させ、地域住民に浸透させるための取り組み、その2本の柱が必要です。ジオパークは認定されてからの取り組みが大事であり、1人でも多くの参画が南紀熊野ジオパークの行方を左右すると思います。レベルアップや地域の活性化につなげようという認識を深めてもらうための活動強化を、知事を初め各市町村長、推進協議会に参加している行政や関係機関に携わる全ての皆さんに要望いたします。また、県議会や各市町村議会の皆さん、マスコミの皆さん、そして県民の皆さんに、ジオパークは地域を必ず元気にする取り組みであると確信している1人として、深い御理解と御協力を重ねて心からお願い申し上げます。
 次の質問に入りたいと思います。2つ目、アンテナショップわかやま紀州館についてであります。
 まず1つ目、観光情報発信機能についてお伺いをいたします。
 全国各都道府県のアンテナショップがひしめき合う東京有楽町にある和歌山県のアンテナショップわかやま紀州館が開設され、本年2月で10周年を迎えました。県産品の販売だけでなく、和歌山県の観光情報の発信という2つの機能を兼ね備えたわかやま紀州館、関東にも多く存在すると言われる和歌山ファンのよりどころ、そして和歌山県のショールームとして、年々知名度も上がり、県産品の販売額も上昇しているとお聞きしました。
 まずは、県の観光情報などの発信に関する機能について、果たすべき役割とその役割を遂行するためにどのような活動を行っているか、そしてどのようなPR効果を上げているのか、概略を商工観光労働部長にお尋ねします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) わかやま紀州館は、首都圏において、本県に対する認知度の向上、新たなお客様の開拓、そして具体的な誘客を促進する役割を担っております。
 わかやま紀州館の具体的な活動でございますが、メディアや旅行会社が集中する首都圏において、本県観光素材の露出拡大や商品造成を促進するため、積極的に旬の観光素材やトピックスを提案するとともに、担当者を招請した現地ツアーを定期的に実施しております。
 また、文化的意識の高い首都圏居住者に対して具体的な旅行動機づけを行うため、大学の公開講座やカルチャーセンターなどにおいて、熊野や高野山等の歴史、文化に関する講座を多数開催し、あわせて現地研修ツアー等を募集、催行しております。
 これらの活動に加えて、消費者に対する和歌山ブランドの意識づけや旅行動機を喚起するため、本県を代表する観光素材を露出したアドトレインやアドトラックを都心で走らせ、また街頭や旅行会社の店頭でサンプリングやアンケートを行うなどの「そろそろ和歌山に行ってみようキャンペーン」や「いよいよ和歌山に行ってみようキャンペーン」を5年間継続して実施しております。
 こうした活動の効果としては、平成22年と24年に実施したアンケートでは、「今後、和歌山にぜひ行ってみたい」が11ポイント、また、白浜のパンダの認知度も44ポイント上昇しており、平成25年観光客動態調査では、関東発の宿泊客数について前年比11%増となっていることにあらわれています。
 今後も、首都圏消費者のニーズに敏感に対応しながら、認知度向上と誘客促進に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 では、2つ目の県産品の販売に関する機能についてお聞きをいたします。
 優良な県産品を販売するだけでなく、商品開発の参考とするためのモニタリングの役割もあり、県内事業者の商品展開力の向上にも寄与しているとのことですが、出店からこれまでの売上高の推移など金額的な部分について、また和歌山の県産品の売れ筋傾向や今後の戦略について、概略を農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県産品の販売機能に関して、わかやま紀州館は、首都圏におけるショーウインドーとして、県産品のPR及びマーケティングがその主な役割です。具体的には、首都圏消費者のニーズを県内企業に伝えるとともに、県産品の商品評価を県内企業にフィードバックすることで、商品の開発やブラッシュアップ、販路開拓に役立てていただいております。
 売上高については、初めて年間を通じて営業した平成16年度は3400万円でしたが、生鮮農産物や少量パック商品をふやしたり、テレビ番組での商品紹介など販売方法や集客対策に工夫を凝らし、5年後には6000万円、10年目となる昨年度には9000万円を超え、過去最高となっております。売れ筋傾向としては、梅関連商品が一番多く、次いで生鮮農産物、お菓子類、果実飲料の順となっております。
 近年、自治体等のアンテナショップが銀座、有楽町周辺に集中立地しており、消費者の地域産品への関心が高くなる中で、県内企業の紀州館への関心も高まり、毎月平均8社から新たな出品の申請がございます。
 今後も、県内企業にわかやま紀州館の存在を一層周知することで新規商品をふやすとともに、情報発信の中心である東京に立地するという特性を生かし、メディアやソーシャルネットワーク等を活用して新規顧客やリピーターの獲得に努め、県内企業の販路開拓を支援してまいります。
 また、本年8月に県内の経済団体が東京駅前と関西空港で開設したわかやま紀州館の姉妹店につきましては、民と官が手を携えて県産品を広く全国にPRするという意味で、意義深い取り組みであると受けとめています。今後、有楽町のわかやま紀州館で得た販売戦略やメディアを活用した集客対策等のノウハウを姉妹店にも積極的に提供するとともに、販売情報等を共有し、県産品の販路拡大とPRに努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 ただいま農林水産部長にも御答弁をいただいた中で、最後のほうで触れていただいておりましたが、東京駅前店、そして関西国際空港店の姉妹店についての要望をひとつここでさしていただきたいと思います。
 ただいまの答弁の中にも、有楽町の本店、これが10年間の中で売り上げも3倍に伸び、それといろいろな情報発信の効果ということで答弁をいただいたわけですけども、そのことを踏まえて、この話を聞いていただきたいと思います。
 全国商工会連合会が公募した営業支援拠点、いわゆるアンテナショップによる地域産品等の販路開拓支援事業の補助金をもとに、県商工会連合会が東京駅前に、また県中小企業団体中央会が関西国際空港に、ともに「わかやま紀州館」の名称で、8月、ほぼ同時に姉妹店をオープンさせました。
 東京駅前の店舗は、JR東京駅八重洲口より徒歩2分、京都市アンテナショップ京都館に隣接する八重洲ビルの1階、間口はそれほど広くはないものの、奥行きのある46坪ほどのスペースに、梅干しを初めミカン、ジャバラ、柿や桃、まりひめイチゴなどの生鮮品と、それを使用したスイーツやサイダーなどの飲料品、近大マグロやシラス、干物など水産加工品、イノブタなど畜産加工品、それにしょうゆ、金山寺みそ、サンショウなどの調味料品、和歌山ラーメンなど、各コーナーに分類された多くの和歌山県産食料品を展示、販売しています。今後は、地酒なども販売する予定とのことです。
 また、そのほかにも、紀州備長炭、紀州漆器、高野紙ランタンキャンドルなど工芸品、熊野材から抽出されたアロマオイルやTシャツなど、多岐にわたる特産品も豊富に取りそろえています。関連企業177社の約1300品を展示し販売するとのこと。本店と同じように観光、特産品の情報発信のスペースも設けられており、年中無休で午前11時から午後8時まで営業しています。
 また、関西国際空港の店舗は、エアロプラザ2階に開設され、国内外から関西を訪れる旅行客等をターゲットに、首都圏のわかやま紀州館と連携しながら県産品情報を発信することを目的に、県内から食品と工芸品等の関連企業89社が参加し、約375品を展示、販売しております。こちらも年中無休で、午前6時30分から午後10時まで営業しています。
 さて、私は、平成26年8月1日に開催されたオープニングセレモニーに経済警察委員長として招かれ、東京駅前店を訪れました。会場いっぱいの県内からの関係者やマスコミ各社が集まる中、商工会連合会長の挨拶に続き、来賓である二階代議士が祝辞の中で次のような内容を述べられました。「国の補助金を活用して、商工会連合会の皆さんの尽力でアンテナショップが開設され、和歌山の魅力を東京の人たちにPRできるスペースができたことは、大変喜ばしいことである。私も、機会あるごとにPRに努めたいと考えている」と、ここまではお祝いムードでありましたが、この後の厳しい口調に会場の雰囲気は一変しました。「しかし、来年3月末までの期間限定、わずか8カ月のオープンと聞いた。果たして、そのような短い期間で効果が上がるのであろうか。それに、都会の真ん中で新しくお店ができて、存在を覚えてもらえたころにもう閉店してしまうというのはいかがなものか。もっと県や県議会を挙げて、和歌山県のPRのために頑張ろうとしているこのショップの取り組みを多くの県出身者や関係者にも広く知らしめ、限られた期間だが売り上げ向上に協力するなど、全面的に応援してあげるべきである」と、いきなり冒頭で叱咤激励を受けました。
 その言葉を受け、私も言われるとおりだと感じ、その後の自分の祝辞の中で、「県はもとより先輩・同僚議員にも、店舗への動員を図るための広報活動や、また、上京の折には来店してもらうなどの支援を呼びかけます」と誓いました。この場をおかりして、皆様の御協力をお願い申し上げます。また、関西空港店にも同様の引き立てをお願いしたいとお願い申し上げます。つきましては、このことに関して要望をさせていただきます。
 首都圏や特別な場所での出店には、かなりの費用がかかり、補助金がなければ運営は不可能です。来年度以降の国の補助金制度の有無、団体の意向にもよりますが、せっかく開設した2軒のアンテナショップ、何とか継続した事業となることを願ってやみません。しかし、それ以前に、売り上げや効果があらわれないと継続自体を断念することも考えられます。県が直接運営しているわけではないので資金の補助支援などは難しい話と認識した上で、両店舗に対し、本店で培ったノウハウを踏まえたアドバイスなど、さらなる支援をお願いいたします。
 以上、要望とさせていただきます。
 最後に、選挙における投票率の向上について質問をさせていただきます。
 1つ目、インターネットを活用した選挙運動についてであります。
 さきの参議院議員選挙より、インターネットを使ったいわゆるネット選挙運動が解禁になりました。いながらにして情報を閲覧してもらえることや、電子メールの活用、告示後も自身のホームページを更新できるなど、選挙運動のツールとして活用できることになったことは、候補者側にとりましても大変ありがたいルール改正と言えます。どの候補者を選べばよいかわかりにくい、どのような公約を掲げ主張をしているかなどをよく知らないとの意見をよく耳にします。
 もちろん、選挙カー、演説会、マスメディアを通じての広報など、情報を得る手段はあるわけですが、特に若年層に啓発や周知を促すことを考えるとき、やはりパソコンやスマートフォンなどを使用したインターネットを活用することは効果的と考えます。若年層に限ったことではありませんが、情報を取得する手段として利用頻度の高いことは事実であります。
 そこで、有権者にとっても情報取得の有効な手段であるインターネット選挙運動を推進するために、候補者を対象にした説明会を開催し、正しいルールや禁止行為についての認識を深め、それぞれの候補者が有権者にアピールし合うことによって選挙全体に関心を高める効果を期待しますが、選挙管理委員会としては制度を周知するためにどのような取り組みを行っていますか、選挙管理委員会委員長の答弁を求めます。
○議長(坂本 登君) 選挙管理委員会委員長上山義彦君。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 昨年5月、公職選挙法が改正され、7月に執行された参議院議員通常選挙以降の国政選挙及び地方選挙から、インターネットを利用した選挙運動ができるようになりました。
 内容としましては、有権者は、ホームページ、ブログ、ツイッターやフェイスブックなどのウエブサイトを利用した選挙運動が可能となり、また候補者、政党等は、ウエブサイト等に加え、電子メールを利用した選挙運動が可能となったところです。
 選挙管理委員会といたしましては、法改正後、チラシ、ポスターの配布等により広く有権者に周知を行うとともに、「ネット選挙はやわかりガイド」という冊子を作成し、選挙前に開催する立候補予定者説明会で制度の説明を行っているところです。
 今後、知事選挙、また来年春には統一地方選挙等が予定されていることから、引き続き、立候補予定者の方々に機会を捉えてこれらの制度の周知、説明を行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 次に、投票率向上のための県の取り組みについてお伺いをいたします。
 さきの和歌山市長選挙では、台風の影響があったとはいえ、30.84%という非常に低い投票率が話題になりました。また、統計を見ますと、高年層よりも若年層になるにつれて投票に行かない傾向が顕著にあらわれています。このままでは将来ますます投票率は下降をたどり、選挙における公正性が保たれず、民意を政治に反映させる力が失われていくことにもなりかねません。若者の政治離れ、政治不信による無関心傾向が招いた結果と言えるのかもしれません。
 そうであれば、有権者に政治を身近に感じてもらい、民意を反映したものにすることは政治に携わる者の責任であり、それを実現することが大きな解決方法であると、我々も肝に銘じて日ごろの活動を行うことは当然のことですが、県の選挙管理委員会では、この状況をどのように捉え、投票率を向上させるためにどのような取り組みを行っていますか。さきのインターネット選挙運動解禁も含め、インターネットを活用した啓発の状況についてもお聞かせください。同じく委員長に答弁をお願いいたします。
○議長(坂本 登君) 選挙管理委員会委員長。
  〔上山義彦君、登壇〕
○選挙管理委員会委員長(上山義彦君) 選挙は国民が政治に参画する最も重要かつ基本的な機会であり、投票率、とりわけ若年層の投票率が低下していることについては、議員御指摘のとおり、大きな課題であると認識しております。
 そのため、選挙管理委員会といたしましては若年層に向けた啓発に力を入れており、選挙時においては、コンビニのレジ画面広告、ヤフーのバナー広告や選挙管理委員会ホームページでの情報発信に取り組んでいるところです。
 また、若年層への対策は長期的視野に立った取り組みが重要であると考えておりまして、平成23年度から、県教育委員会を初め市町村の関係機関と連携を図りながら、将来の有権者である小学生を対象に、実際の選挙で用いられる投票箱や記載台等を利用した模擬投票などを体験してもらう「出張!県政おはなし講座」を実施しているところです。
 今後とも、こうした取り組みを一層充実させ、投票率の向上に取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 以上で、私の一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、濱口太史君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 20番浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○浅井修一郎君 9月定例会一般質問最終日、最後の質問ということでありますけれども、本来ならば我が会派からベテランの先輩議員がトリを務めているようでありますけれども、今回は私ということで大変恐縮をしておりますけれども、光栄の至りであります。
 大トリの質問にふさわしい格調の高いものかどうかわかりませんけれども、一生懸命努めてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、通告に従い一般質問をさせていただきたいと思いますけれども、その前に1つ、最近気になっていることがありますので聞いていただきたいと思います。
 それは、ミカンレンジャーを初めとする紀ノ國戦隊紀州レンジャーのことであります。紀州レンジャーは、一体どこへ行ってしまったんでしょうか。きょう、私は、タチレンジャーを連れてまいりましたけれども、戦いに敗れてどこかへ行ってしまったのでしょうか。つい最近まで、職員の皆さん方も紀州レンジャーの刺しゅうが入ったポロシャツを着ていましたけれども、国体が近づくにつれ、きいちゃん一色ということであります。
 このきいちゃんも、最初はシロクマと間違われていたようでありますけれども、最近やっと紀州犬と認識していただけるようになりました。では、このきいちゃん、国体が終わったら一体どうなるのでしょうか。
 ちなみに、熊本県のPRキャラクターであります「くまモン」、これの経済波及効果、試算によりますと、2011年11月から2013年10月の2年間で1244億円というふうに言われています。本県でも、ただいま充電中の紀州レンジャーや国体後のきいちゃんなどをPRキャラクターとして活用することが本県振興の観点からも大切ではないでしょうか。
 それでは、本題に入らせていただきたいと思います。
 まず初めに、ミカンの振興についてお尋ねいたします。
 本県の温州ミカンは、平成16年から10年連続で生産量日本一を誇る、まさに和歌山県を代表する農産物の1つであり、有田みかんを初め、県内各地からおいしい和歌山ミカンを全国へ供給しています。
 本年6月までの2年間、ミカン生産16県の県議会議員で構成する全国みかん生産県議会議員対策協議会の会長県として、尾崎要二議員が顧問、岸本健議員が事務局長、そして私が会長として、政府や関係省庁に対して、ミカン農家の所得向上や経営安定のための生産振興対策を初め、選果場等の施設整備、消費拡大対策、学校給食へのミカンの利用促進に対して積極的かつ柔軟に対応するよう提案するとともに、国内農業に大きな影響を与えると思われるTPP協定については慎重な行動を求めてまいりました。
 また、昨年の9月には、知事も御出席をいただいた和歌山県新品種同志会の和歌山みかん飛躍への研究会に、尾崎議員、岸本議員ともに出席し、ミカン農家の皆様方から生の声をお聞かせいただき、国へ届ける活動も行ってきたところであります。
 こうした活動により、先ごろ発表された農林水産庁の来年度概算要求には、果樹対策事業の拡充や選果場整備等に活用できる強い農業づくり交付金の大幅な増額、収入保険制度検討調査費の倍増など、我々の提案内容が反映されております。
 そして、今月6日、7日には愛媛県で現地研修会が開催され、私ども3名が参加してまいりました。愛媛県では、宇和島市にある県立の果樹研究センターみかん研究所及び松山市のJAえひめ中央の農産物直売所「太陽市」を見学するとともに、全国の先輩・同僚議員や愛媛県関係者の皆さんと果樹振興について意見交換を行ってまいりました。
 みかん研究所では、かんきつの新品種開発のため毎年約1000個体の交雑を行っており、40年間で4万個体、その中から品種登録に至ったのはわずか8個体とのことでありました。1つの品種を生み出すのに約15年かかっているとのことであります。みかん研究所が育成した代表的な品種としては、紅まどんなや甘平などがあり、現在、愛媛県の中晩柑を代表する品種となっています。愛媛県では、温州ミカンだけでなく中晩柑類の振興にも力を入れており、ミカンの不適地園では中晩柑類への転換を進めるなど、かんきつ全体として生産振興と販売戦略を展開していることを目の当たりにし、本県においても中晩柑類の新品種育成にも力を入れる必要があるのではないかと感じたところであります。
 また、愛媛県では、知事直轄で愛のくにえひめ営業本部を設置し、農林水産物から工業製品に至るまでの県産品の販路拡大等に取り組まれており、非常に興味深く感じました。
 本県産ミカンの販売単価は、昨年が1キログラム当たり213円、一昨年が204円と2年連続でキロ単価が200円を超えておりますが、昨年の全国10地域市場での平均価格は全国第6位に甘んじております。さらに、現在、正念場を迎えているTPP協定に万が一参加することになれば、ミカン農家にも大きな影響を与えるものと大変心配をしております。
 また、生産現場では、有田地域のミカン園のうち45%以上が40年以上の老木園であり、若返りが必要な状況であること、ミカン園の約2割が25度以上の急峻園地、半数以上が15度以上の傾斜地であり、生産者の高齢化とも相まって園内道の整備や傾斜緩和などの園地整備が急がれること、加えて、鳥獣による深刻な被害が続いていることなどが課題であります。
 そこで、農林水産部長にお伺いします。
 本県ミカンの生産・販売対策並びに中晩柑を含めたかんきつ全般の品種開発について現在どのような取り組みが行われているのか、お尋ねします。
○議長(坂本 登君) ただいまの浅井修一郎君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカンの振興について、まず生産対策では、農業緊急戦略アクションプログラムに基づき、県オリジナル品種の生産拡大を初め、高品質生産のためのマルチ導入や光センサー選果機の整備に加え、働きやすい園地づくり、鳥獣被害防止対策などを積極的に推進しております。
 また、販売対策では、県産ミカンのブランド力を高めるため、JAと連携した東京でのPRイベントや4大都市圏での販促フェアを開催するとともに、高級フルーツ店への提案のほか、台湾、シンガポールの高級百貨店等での和歌山フェアを開催しているところでございます。
 さらに、ミカン加工品については、国内大型見本市や高級百貨店に出店する県内事業者の商談や販売促進活動を支援するとともに、先週発表したバニラヨーグルト有田みかんのように、大手食品メーカーとの新商品開発にも取り組んでおります。
 品種開発については、温州ミカンでは、ゆら早生を親に持つ極わせ品種「YN26」、浮き皮の少ないなかて品種の「きゅうき」に続き、わせ品種の「田口早生」や、なかて品種の「向山温州」を親にした個体について、1次選抜を終了したところです。また、中晩柑では、現在、ポンカンや清見等を親にして交配したものの中から、有望な数個の個体を選抜しております。さらに、ジャバラにダイダイを交配し、機能性にすぐれたかんきつ新品種の登録に向け、取り組んでいるところでございます。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 先ほど御紹介しましたように、愛媛県では、新品種の開発に多くの労力を注ぐ一方で、知事直轄で営業本部を設置し、販路拡大等に取り組んでおられますけれども、国内のライバル産地や外国産果樹に負けないよう、本県ではミカンの振興に今後どのように取り組まれるのか、知事の抱負も含めた御所見をお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 温州ミカンは、有田地域の重要な農産物であり、梅、柿、桃などとともに、これまで本県農業を支えてきました。今後も、果樹王国和歌山の基幹品目であるということは変わりがございません。
 県内では品質のよいミカンが生産されてきましたけれども、議員御指摘のとおり、価格が低迷するなど販売面が弱かったことから、知事就任後、まずやったことは、農水産物の販売促進と、それから加工食品の拡充ということを考えまして、販売促進、輸出展開なども視野に入れて、力を入れて取り組んできたところでございます。
 特に、ちょっとキャッチフレーズも必要だというんで、これは「おいしい!健康わかやま」というのを健康にひっかけてPRすることにいたしまして、田中3きょうだいなどの応援も得て、今頑張ってるところでございます。
 また、試験研究機関のテーマ公募をすることを始めました。これは、議員御指摘のように、味や品質をよくしていくことが大事なんでございますけれども、どうも他県の──これはちょっと正確に比べたわけじゃないんですが──他県の頑張っている公設試に比べると、和歌山の公設試は少し成果が少ないんじゃないか。ミカンに関しては、梅もそうなんですが、どうも民間の方が開発されたとか頑張られたとか、そういうようなのも結構多いなあというように思いまして、これはちょっと刺激を与えて喝を入れないかんというふうに思ったわけでございます。
 そこで、生産者の意見とか、あるいは我々県庁の中で政策を担当してる者からするところの必要な研究項目ですね、こういうものを出してもらって、それでもちろん公設試の研究員の発意も大事にして、両方でそれを合わせて議論をして、専門家の意見も入れてやっていこうじゃないかと。ついては、やっぱり試験研究費も少ないので、特に重要なテーマについては多く出そうということで、県議会にお願いをして、全体として倍額をしてるということでございます。そんなことで、現在、増谷部長が御説明申し上げましたような個々の案件が努力されてるということではないかと思います。
 さらに、特に斜面などを使って苦労してミカンをつくっておられる、そういう農家の皆さんを支援するということは大事なことでございまして、生産面の支援、すなわち例えば選果場の充実や、あるいは選果機とか糖度計とか、あるいは斜面の作業路とか、そういうものに対する投資もこれを怠ってはいけませんから、これも支援を一生懸命やっていきたいと思いますし、それから鳥獣害対策も力を入れてるところでございます。
 今後とも、私自身が先頭に立って、産地や地元市町村等と一緒になって他県に負けないように頑張って、生産対策はもとより、国内外での有利な販路開拓に取り組み、和歌山の顔となるような新品種の開発も加速し、名実ともに日本一の産地づくりに向けて取り組んでまいる所存でございます。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、有田川の河川整備についてお尋ねします。
 最近の記録的な集中豪雨は、台風によるもののみならず、全国各地の広範囲で発生しています。8月の集中豪雨では広島において大規模な土砂災害が発生し、甚大な被害をもたらし、多くのとうとい生命が奪われました。亡くなられました方々の御冥福を心よりお祈りを申し上げます。
 本県では、さきの台風11号で県内の広範囲で24時間雨量が200ミリを超える大雨となり、河川の水位の状況に有田川など7河川で避難判断水位を、熊野川など8河川で氾濫危険水位を超過いたしました。また、有田川では、ふるさとの川総合公園が冠水し、支川においては西谷川では一部決壊、お仙谷川では氾濫、高山川周辺では床上浸水1戸、床下13戸の浸水被害がありました。支川につきましては建設委員会で対応策を尋ねたいと思いますので、一般質問では有田川本川に絞って質問をさせていただきます。
 有田川ふるさとの川総合公園では、設置以来5回の冠水を受けており、近年では平成23年、25年、26年と連続して発生しています。冠水被害もさることながら、沿川住民の皆さん方は水位の上昇による決壊の不安を抱いております。水位上昇の要因の1つとして近年の堆積土砂の増加が挙げられ、しゅんせつ等による河積の確保が喫緊の課題であると思います。
 その対策として、県では、民間業者の砂利採取を6河川で、5年間の期限つきでありますけれども、27年ぶりに全面再開いたしました。その試算によると、有田川では80万立米の砂利を採取可能とし、砂利業者にも一定の利益が出るとして、鳴り物入りで募集を開始しましたが、現時点での一般砂利採取の応募状況について県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 一般砂利採取につきましては、治水安全度の向上にもつながることを期待し、堆積土砂を効果的に撤去することを目的として、平成25年4月1日に、有田川を初めとする6河川において、27年ぶりに再開するとともに区域の拡大を行ったところです。
 応募状況につきましては、5河川で7者の応募があり、5年間の採取予定量は約67万立方メートルとなっております。そのうち有田川では1者から応募があり、5年間で約3000立方メートルの採取予定となっております。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 ただいまの答弁によりますと、5年間ではありませんけれども──とりあえず80万立米の砂利採取可能のうち、わずか3000立米の応募しかないということでありますが、これでは有田川の治水対策としてはその効果が見込めないのではないでしょうか。
 現在、有田川河口右岸で高潮対策の防波堤工事が行われており、その現場では埋め戻し土としての大量の土砂が必要ということであります。有田川を眺めてみたときに、保田橋付近には大量の堆積土砂が見受けられる状況であります。有田川のしゅんせつ土砂を流用すれば、工事費の削減とともに、早急に河床整正が図られるのではないか。それには、港湾整備課と河川課が連携を密にして取り組むことが必要であると考えます。
 そこで、有田川防波堤工事への有田川しゅんせつ土砂の流用について県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 有田川河口右岸防波堤等の工事につきましては、平成23年度より高潮・波浪対策としての護岸及び導流堤の改良と不法係留船対策としての防波堤及び係留施設の整備を、平成29年度完成を目途に進めております。
 議員から御指摘のあった有田川しゅんせつ土砂の防波堤等工事への流用につきましては、コスト縮減の効果が期待できることから、平成25年度から上中島工区で発生した掘削土砂において実施しているところです。
 今後、保田橋付近も含め、その他の掘削土砂についても港湾事業と河川事業の連携を図り、防波堤工事等への流用を積極的に進めてまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、有田川左岸安諦橋付近の不法係留船対策と河川敷整備についてでありますが、当初の計画では、安諦橋付近ではプレジャーボート等が無秩序に停泊していることから洪水や津波等による2次災害のおそれがあり、防災、減災の観点からも、不法係留船対策としてマリーナ建設を計画し、あわせて子供たちの遊び場、市民が憩う場としての河川敷の整備を行うというものでありました。
 ところが、調査の結果、予定地の一部に珍しい貴重な干潟底生動物が生息しており、また環境省の日本の重要湿地500に選定されていることからマリーナ計画を断念。改めて、安諦橋下流左岸約700メートル区間において、干潟の保全を考慮しながら、市立病院に来られた方々が車椅子でも利用できるスロープや遊歩道のほか、災害緊急時に利用できる芝生広場や駐車場等を整備するということに変更し、着手から5年目でおおむね完了するも、残る工事区域には沈船、廃船、不法係留船が集中している状況であり、工事を速やかに完了するためにはこれらに対する対応を早急に講じなければならないと思いますが、今後の当該場所の不法係留船対策と河川敷整備の予定について県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 有田川左岸安諦橋付近の不法係留船対策としましては、平成24年度より初島漁港に80隻収容可能な係留施設の整備を実施しているところであり、今年度中には完成する見込みです。係留施設が完成した暁には、当該地区の不法係留船の誘導を進めてまいります。
 また、当該地区の河川敷整備につきましては、平成22年度に着手し、平成25年度までに河川堤防の張り芝や遊歩道の整備はおおむね完了したところであり、今年度はスロープの整備を実施しているところです。残されている芝生広場等については、不法係留船対策の完了後、速やかに着手し、整備してまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 どうか、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、観光振興についてでありますけれども、真の観光立県を目指す観点から、我々議員提案による和歌山県観光立県推進条例が制定されてから4年が経過いたしました。その間、実施行動計画を立て、それぞれの年度のアクションプログラムを策定、和歌山を売り出す、和歌山へ招く、和歌山でもてなす、この3本柱で県を挙げて頑張っていただいているところでありますが、いよいよこれからが本番であると思います。
 本年は、紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産登録されてから10周年を迎え、来年は紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会、高野山開創1200年、さらに再来年のNHK大河ドラマ「真田丸」と続き、まさに今、和歌山を売り出す絶好のチャンスであります。
 この10周年記念事業として、本県、奈良、三重の3県で連携し、東京、名古屋、大阪において記念フォーラム等の事業を実施し、関係する県内各市町村においてさまざまなイベントが実施されております。また、本県独自事業として、県、県内市町村、観光関係団体及びJRグループが一丸となって進める和歌山デスティネーションキャンペーンが9月14日からスタートいたしました。期間中は、和歌山を存分に楽しむため、県内各地でさまざまな特別企画やイベントが実施され、和歌山ファンをふやし、将来にわたり持続可能な観光地を目指すと聞いています。
 このキャンペーンにおいて、特別企画として1万人のウォーク&トレッキングが実施されておりますが、この核となる熊野古道は、世界遺産に登録された中辺路を中心に大々的なPRがなされ、毎年多数の観光客が訪れ、にぎわっていますが、かつて熊野参詣のメーンルートであった紀伊路には、ルート沿いに多くの文化財がありながら、全く脚光を浴びていないという現状がございます。
 私の地元である有田市には、万葉集7巻、「足代過ぎて 絲鹿の山の 桜花 散らずあらなむ 還り来るまで」──これは有田市を過ぎるときに糸我峠で、余りにもその桜が美しいことから、私が旅から帰るまで、安全で帰ってこれるようにその桜が散らないでほしいという、そういった歌だそうでありますけれども。また、藤原定家の「熊野御幸記」にも非常に厳しい、険しいと記されている糸我峠を初め、貴重な古道や歴史文化資源が残されています。これらの多くは、国の文化財にも指定されていません。国史跡指定の取り組みがあると聞いておりますが、現在の状況はどうなっているのか、教育長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のように、有田市は古来より豊かな歴史、文化を育んだ地域であり、糸我峠を初めとする貴重な文化財が残されております。
 これらの中で熊野古道に関連する文化財につきましては、国史跡指定を推進するため、平成22年度から学識経験者の指導、助言をいただきながら、古道及び関連文化財の学術調査を進めてまいりました。現在は、調査結果をもとに文化庁と協議を進めており、今年度中に準備が整ったものから国史跡指定に係る意見具申が行えるよう手続を進めてまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 ただいまの教育長の答弁にありましたように、糸我峠等の国史跡指定に向けてしっかりと取り組んでいただきたいというふうに思います。
 改めて、かつて熊野参詣のメーンルートであった紀伊路について見ますと、特に海南市の藤白神社から有田市へ至る蕪坂峠、少し下って弘法大師が爪で阿弥陀さんと地蔵さんを描いたと伝えられている市指定文化財の爪書地蔵、さらに山口王子を過ぎ、有田川の渡し場、糸我町へ入って、天平時代の右大臣、藤原豊成の娘、中将姫伝説で有名な得生寺、この会式が県の無形民俗文化財に指定されています。
 そして、すぐ隣に、京都の伏見稲荷神社より約60年も古いと言われている糸我稲荷神社があります。天皇を退いて上皇になられた方々は、熊野三山へ参詣、参拝される途中、まず糸我稲荷神社に奉幣され、続いて糸我王子に詣でられたそうであります。
 それから、険しいと言われた雲雀山、その山頂に、先ほど教育長にお尋ねした糸我峠があります。この糸我峠では、後白河法皇が熊野御幸の道中、この峠で歌会を開いたと記されており、また、この峠茶屋では名産のミカンを貯蔵しておいて、夏になってから峠を行き来する人たちに売る。その味はすばらしく、中国の仙人が口にする金掌玉露にもまさるということで、よその地方から来た人は特に驚き、心を奪われたとも「紀伊国名所図会」に記されております。
 このような熊野古道紀伊路も熊野三山への立派な参詣道であり、私の地元有田市域にも、ただいま御紹介した多くの名所・史跡があります。今後、国史跡指定を契機とし、多くの観光客を誘致できるよう、地元有田市、市観光協会や地元団体等が協力して、例えば糸我峠茶屋を再現するなどの取り組みが必要であると考えます。県としても指定を契機とした観光振興に取り組んでいただきたいと思いますが、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 熊野古道紀伊路は、JRきのくに線に沿った部分が多く、京阪神からのアクセスがよいため、いわゆるレール・アンド・ウオークとして気軽に古道を楽しんでいただけます。また、海岸線に面した箇所が多く、海と山の双方の景観を楽しむことができます。さらに、かつて京都から熊野へのメーンルートであったことから、歴史的に貴重な寺社、史跡等の文化財が数多く残っており、訪ねる観光客のさまざまなニーズに応えることのできる道です。
 県では、この魅力あふれる紀伊路を重要な観光資源と捉え、観光客の誘引とリピーター化を促進するため、平成25年度に、地域における伝説や名所などを紹介した紀伊路スタンプの整備を行いました。
 また、9月14日にスタートした和歌山デスティネーションキャンペーンにおいて、1万人のウォーク&トレッキングに位置づけたイベントを紀伊路でも実施することとなっており、多くの観光客に訪れていただけるものと考えております。
 御質問の国史跡指定を契機とした観光振興ですが、指定の折には、有田地域においても、議員から御紹介のありましたとおり、いにしえの興味深い物語が数多く残る糸我峠を初めとした名所・史跡の付加価値がますます高まるものと考えます。
 県では、これらの魅力を県内外の方々にさらに知ってもらうため、熊野古道のブランド力を生かし、地元とも連携しながら、文化財や周辺の観光スポット、グルメ、地域の文化に触れる体験プログラムなどをパッケージ化して提案し、各種メディアを通じ積極的に情報発信を行うとともに、JR等が実施するウオークイベントとタイアップするなど、具体的な誘客につながる対策も行ってまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、要望でありますけれども、県無形民俗文化財第7号に指定されている有田川のウ飼いであります。
 このウ飼いは、ウ匠がみずから川に入り、ウを操るといった全国唯一の徒歩漁法として約700年の歴史があります。これを復活し、昨年まで観光ウ飼いとして実演をしてきましたけれども、後継者不足から継承の火が消えようと今しております。この問題につきましても、続けていけるよう、地元関係者の意見を聞きながら、後継者不足の解消に向けて御努力をいただきますよう要望いたしたいと思います。
 次に、防災・減災対策についてお尋ねします。
 近年、台風の来襲に関係なく全国各地で集中豪雨があり、水害や土砂災害が数多く発生しています。また、近い将来発生すると言われている南海トラフ大地震、それに伴う津波等に対する防災・減災対策が喫緊の課題であります。ハード面での整備もさることながら、何といってもかけがえのない生命を守ることが大切であります。
 先日の広島市での土砂災害では、もう少し早く避難誘導が行われていればあれほど多くの犠牲者を出さずに済んだのではないかと思うとともに、悔やまれるところであります。
 とりわけ、巨大地震における津波発生については、非常に短い時間での到達が予想されており、迅速かつ円滑に避難することが求められています。そのためにも避難路の確保が重要であり、その避難路を閉塞させる危険性がある建築物や樹木等への対策が必要であると思います。
 そこで、まず1点目に、津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例、いわゆる津波避難路条例が昨年度から施行されていますが、その後の条例の活用状況について県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 津波避難路条例は、地震により倒壊した建築物等が津波からの避難路の通行を妨げることを防止するため、避難路のうち特に重要なものを特定避難路として県が指定し、特定避難路沿いの建築物等に耐震性能を義務づけ、違反したものには是正を勧告、命令できることを定めたもので、平成24年7月に制定し、翌年4月に施行いたしました。
 特定避難路の指定につきましては、昨年度から関係市町と協議を重ねているところですが、本条例による避難路は市町村地域防災計画への位置づけが必要となっており、現在、市町において当該計画の見直しの作業を行っているところです。
 県としましては、今年度から来年度において、関係する全ての市町で特定避難路が指定できるように、引き続き働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、避難ビルとしての県営住宅の活用についてでありますが、津波から命を守るためには逃げていただくことが重要であり、先ほどの避難路の確保と避難場所の設定はセットであります。
 県内各市町では、高台などに避難場所を整備し、ハザードマップに位置を示すなどして住民に周知を行っていると思いますが、沿岸の多くの市町では津波が極めて短時間で到達することになるため、高齢者や障害のある方など避難速度の遅い方は避難場所まで逃げ切る時間がないおそれがあります。そういった方々や逃げおくれた方々の対策として、公共建物などを避難ビルとして整備し、高台へたどり着くまでの間、緊急避難先として活用することは非常に有効であると考えます。
 そこで、今回は、県内に多数存在する県営住宅に絞り、避難ビルとしての活用について、再度、県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 津波から命を守るため、現在、県では、「津波から『逃げ切る!』支援対策プログラム」を策定中であり、この中で津波避難困難地域の解消や避難の多重化の確保のため、既存の県営住宅に屋外階段や手すりを設置し、避難ビルとして活用することを考えております。
 現在、避難ビルとして活用する団地としては、避難困難地域内や浸水地域内にある団地の中から、市町の要望を踏まえ、優先して整備する6団地を選定し、今年度はそのうちの1団地について整備していく予定です。残り5団地につきましても、早期に整備してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、スポーツの振興についてであります。
 まず、国体に向けての指導力ある教員の有効活用についてでありますが、紀の国わかやま国体・わかやま大会の開催まで、あと1年となりました。先般行われた長崎国体の近畿ブロック大会では、本県選手団の本大会出場が23競技54種目となり、昨年より6競技13種目多くなりました。長崎国体の本大会も9月7日から会期前競技が始まり、目標である14位以上を目指して大いに頑張っていただきたいと思います。
 心配していました少年の部においても、13競技20種目が予選を通過し、昨年度より3競技5種目多くなっているとのことでありますが、さきに行われた全国高等学校総合体育大会においても8位以内入賞者数が個人、団体合わせて44と、今年度の目標である35を大きく上回りました。
 来年の和歌山国体開催まで残り少ない期間になりましたが、教員の中には、すぐれた指導力を持った人材が数多くおられます。こうした教員をさらに有効活用することで少年の部はさらなる競技力向上が図られると思いますが、この点について教育長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のとおり、教員の中には、競技経験が豊かで、すぐれた指導力を持つ人材がたくさんおります。各学校において、教員は、生徒一人一人に寄り添い、日々の変化や成長を見ながら、生徒の個性や能力を最大限に発揮させる指導が求められています。
 とりわけ、高等学校の運動部活動全体のレベルアップが紀の国わかやま国体の総合優勝に大きく寄与するとともに、国体後における本県競技力の維持・向上の土台となるものと考えております。
 今後も、教員が指導力を十分発揮し、さらに生徒の競技力が向上できるよう努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 最後に、箕島高校への学生寮設置についてであります。
 本県では、今、来年本県で開催される紀の国わかやま国体・わかやま大会を盛会裏に開催できるよう、また知事が言われる総合優勝を目指して総力を挙げて頑張っているところでありますが、国体は来年で終わりではありません。再来年は岩手県、3年後は愛媛県と続いてまいります。したがって、スポーツの振興、競技力の向上はずっと続けて取り組んでいく必要があります。
 本県ジュニアの育成という観点から、本県で、県立高校で和歌山北高にスポーツ科を設置、陸上競技、自転車競技、フェンシング等が活躍しています。当然、学生寮が設置されています。
 一方、箕島高校では、平成19年にスポーツコースを新設、平成22年には2クラスの80人に増員されています。相撲、柔道、空手道、剣道等、武道系を中心に、野球、ソフトボール、ホッケーと、多くの競技種目で活躍しています。
 県教育委員会もこの箕島高校を中紀のスポーツ拠点校と位置づけているが、スポーツコース設置後9年目を迎えるも、いまだに学生寮がありません。現在の高校入試制度では、試験に合格すれば県内どの学校へも入学できる全県一区制であり、特に箕島高校のように相撲、柔道、空手道部といった武道系のクラブのある学校は県内でも数が限られ、紀北から紀南まで広域での入学希望者があるものと思います。
 以上のような観点からも、箕島高校への一日も早い学生寮の設置が必要であると思いますが、教育長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 箕島高等学校は、普通科にスポーツコースを設ける中紀のスポーツ強化の拠点校であり、これまでも多くの国体選手を輩出するとともに、今年度のインターハイで相撲部、空手道部などが活躍するなど、すばらしい成果を上げてきています。
 今後、箕島高等学校に県内からスポーツを頑張りたいという入学生がふえることは、競技力を向上させる観点からも極めて重要だと考えております。
 議員から御提案いただいた寮の設置につきましては、箕島高等学校をスポーツ強化の拠点校として環境を整えていくためにも、御要望の趣旨を十分踏まえ、鋭意さまざまな対応策を検討してまいります。
 来年度につきましては、県内の遠方から入学する生徒が安心して学校生活を送ることができるよう、学校の対応をしっかりと支援してまいります。
○議長(坂本 登君) 浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 いろいろな方法があると思いますけれども、いずれにしましても、そういった特色ある学校で、またスポーツ拠点校と位置づけてる以上、やはりそこの学校へ来てやりたい子供を受け入れるだけの用意をしてあげるのが、これはあれだろうと。教育委員会にいろいろ言いますと、じきに「予算がないから、予算がないから」ということで、教育委員会がいつから総務部財政課になったんかなと思うほど予算がないからと心配、それだけ知事がまたプレッシャーもかけてるのかなというふうな、そういう感じもするわけでありますけれども、やっぱり必要なことは必要であるというふうに教育長のほうも総務部財政課のほうへ強く訴えていただければ、我々も必要であれば後方から支援をしっかりとさせていただきますので、必要なことはぜひともやっていただきたいと、こういうように思います。知事もよろしくお願いいたします。
 以上で、私の一般質問を終わりたいと思います。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、浅井修一郎君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第132号から議案第146号まで並びに諮問第1号を所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。9月22日及び24日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、9月22日及び24日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、9月25日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時35分散会

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