平成26年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成26年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成26年9月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
────────────────────
議事日程 第3号
 平成26年9月17日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第132号から議案第148号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
会議に付した事件
 第1 議案第132号から議案第148号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
出席議員(39人)
 1番 濱口太史
 2番 鈴木太雄
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 中本浩精
 10番 上田良治
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 岸本 健
 18番 森 礼子
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(1人)
 23番 立谷誠一
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
────────────────────
説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     栗山隆博
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      岩橋良晃
 教育委員会委員    竹山早穂
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      下田隆文
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
────────────────────
職務のため出席した事務局職員
 事務局長       江川和明
 次長         上坊 晃
 議事課長       糸川 徹
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            尾崎善亮
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主任      保田良春
 議事課主任      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     西原龍也
────────────────────


  午前10時0分開議
○議長(坂本 登君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第132号から議案第148号まで、並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 10番上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕(拍手)
○上田良治君 皆さん、おはようございます。一般質問2日目のトップバッターということで、大変緊張してございますけども、どうかよろしくおつき合いのほどお願い申し上げます。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まず初めに、本年8月20日に発生した広島市北部の土砂災害において犠牲になられました方々に対しまして、心から追悼の意を表するとともに、被害に遭われました方々へ心からお見舞いを申し上げます。被災地の復興、復旧の動きが加速する中、生活に不可欠な水道が断水しており、水のない生活がこんなに不便とは思わなかった、早く修復してほしいと訴えております。このたびの災害で被害を受けた皆様が一日も早くもとの生活に戻れるよう、心からお祈りを申し上げます。
 それでは、質問項目に従いまして、一般質問を行います。
 最初に、水道管の耐震化についてお伺いをしたいと思います。
 平成7年に発生した兵庫県南部地震は、近代化された大都市における直下型地震で、戦後、我が国が経験したことのない未曽有の被害をもたらし、阪神・淡路大震災として我々の記憶の中にも今でも鮮明に植えつけられております。それ以降も、国内で多くの大規模地震が発生しております。平成23年3月に発生した東日本大震災は、水道管などの被害を受け、約257万世帯が断水をし、水道事業に大きな課題を残しました。現在、我が国の水道普及率は97%を超えており、国民生活に欠くことのできない極めて重要な命の源であるこの水道水の供給が寸断されることは、市民生活や社会・経済活動に多大な影響を与え、ライフラインの重要性を極めて認識させられました。
 県内においても、老朽化した水道管は、更新時に合わせて順次、接続部分が屈曲・伸縮する耐震管に交換している市町村もございますが、財政が厳しい市町村は事業着手が困難となっており、耐震化がおくれているのが現状であります。県内の耐震化率について、環境生活部長にお聞きをいたします。
○議長(坂本 登君) ただいまの上田良治君の質問に対する答弁を求めます。
 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 県内水道管の耐震化率についてお答えをいたします。
 本県における上水道の基幹管路の耐震化率は、21.1%となってございます。全国平均の33.5%よりは低い状況となってございます。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 今、部長からお答えをいただいたんですが、県内の主要な水道管の耐震化率というのは21.1%、そして、このことは全国平均の33.5%を大きく下回っております。都道府県別による順位は43位となっております。この現状を踏まえ、今後とも耐震化率を高めていただきますよう要望をいたしたいと思います。
 次に、水道管の耐震化計画について質問をいたします。
 近い将来発生すると想定される地震に対し、浄水場や配水池、それに避難場所となっている施設を重点に水道管の耐震化を行い、地震後も水道を供給できるような対策が必要であります。南海トラフ地震による水道管の被害は、和歌山県内で86万人が断水の影響を受けるとの試算もあり、耐震化の取り組みは急務となっております。一方、全ての水道管を耐震化するには多大な費用と期間が要ることから、各市町村も一気に進められる事業ではなく、計画的な整備が必要であります。環境生活部長のお考えをお聞かせください。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 大規模地震に備え、水道管を初め、浄水場、配水池などの耐震化を進めることは、水道事業者である市町村の責務であると考えてございます。こうした水道施設の耐震化には多大の経費と時間を要することも認識をしているところでございまして、市町村に対しましては、中長期的な経営の視点に立って、病院や避難所等の重要拠点への供給を優先的に確保するなど、水道管を計画的に耐震化するよう指導しているところでございます。
 県といたしましては、市町村とともに、災害時に命の源である水が確保されるよう、水道施設の耐震化の促進に努めてまいりたいと考えてございます。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 御答弁をいただきました。
 この水道事業というのは、利用料金での運営が原則となっておりますが、人口減少などにより徴収額が落ち込んでいることから耐震化のための事業着手がおくれていることが原因ともなっておりますので、今後については、国にも働きかけをしていただきながら、市町村に対して指導や助言をしていただきたくお願いいたします。
 また、知事は、このたび紀伊水害から3年を迎え、死者ゼロを決意されました。地震などに備えて県は飲食や理美容組合などと協力協定を結ばれましたので、避難所で暮らす方には、入浴や散髪を行ってもらうことで、身をさっぱりして、これからもやっていこうという気持ちになってもらえたらいいなと、このことについては大変ありがたいことでありますので、このことが多くの避難所で実現できるように要望しておきたいと思います。
 2点目は、空き家対策について質問をいたします。
 総務省は、2013年の住宅・土地統計調査の結果、全国の空き家の数は820万戸、そのうち利用されてない空き家が320万戸にふえ、過去最多と発表されました。空き家率が最も高かったのは山梨県で、最も低かったのは宮城県。この宮城県が低くなった理由は、東日本大震災で家を失った人たちが空き家に入ったことなどが理由だそうです。和歌山県は18.1%、47都道府県でワースト3位となっており、空き家は、高齢化や人口減少などに伴ってふえ続けており、治安や防災面などで社会問題化しております。
 空き家増加の背景として、撤去に伴う費用が高額なことや、家屋を解体して更地にすると固定資産税の軽減措置が受けられなくなる点も指摘されております。こうした背景をもとに、2012年、和歌山県は、周囲の景観に不調和な空き家の所有者に知事が撤去や修繕を勧告、命令できる景観支障防止条例を都道府県で初めて施行されました。
 本年4月に、県内にある空き家の外壁が大きく崩れて周辺の景観を損なってるとして、持ち主に撤去するか、あるいは改修するか、持ち主に勧告をされましたが、その後の経過を県土整備部長にお尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 景観支障防止条例につきましては、県民の生活に密着した景観の保全を図り、生活環境の向上に寄与することを目的として、平成24年1月に施行されたものです。本条例では、建築物の所有者に景観に支障となる廃墟とならないよう建築物の維持保全の努力義務を課し、破損、腐食等を生じた景観支障状態にある建築物の所有者に対し、住民要請に基づき知事が必要な措置の実施について勧告、命令できる制度となっております。
 議員御指摘のように、本年4月に県内の1棟の空き家について、建築物を除却または周辺景観と調和した外観に改善するよう県として初の勧告を行ったところです。勧告前からも、当該空き家の所有者に対しては再三指導し、勧告後も引き続き指導を行っておりますが、現時点におきまして除却または改善されておりません。今後、勧告に従わない場合には、所要の措置を行う旨の命令を実施することも考えております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 答弁をいただきまして、再質問したいと思います。
 除却勧告をして命令を出しても、従っていただけない場合は行政代執行の手順となりますが、除却などの費用は原則所有者の負担となっております。このことに応じていただけない場合はどのようにされるのですか、お尋ねいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 景観支障防止条例に基づく除却等の命令に従わない場合には、行政代執行法の適用を検討することとなります。
 行政代執行法第6条第1項には、代執行に要した費用について、国税滞納処分の例により、これを徴収することができると規定されております。なお、具体的な手続につきましては、個々の物件ごとに定めてまいります。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 この条例は、建築物の100メーター以内に住んでいる二十以上の住民の3分の2以上の署名が必要であったものを、それぞれ70メーター以内、3分の1以上と規則を改正し、既に8月から施行されておりますので、付近住民の方の負担が減ることにより、ますます要請がふえると思われます。そこで、困っている付近住民の声を真摯に受けとめ、住民の方から相談や要請があった場合には、その声を十分お聞きして対応していくよう要望したいと思います。
 また、ふえればふえるほどいろんなケースも出てまいります。例えば、生活が困窮している所有者に対してはどう対応していくのか等、きめ細かなルールづくりも今後必要になってくると思いますので、さらなる検討をしていただきますよう重ねて要望をしたいと思います。
 次に、廃墟とならないような取り組みについて質問をいたします。
 景観支障防止条例は、廃墟となった建築物を除却することを勧告、命令する手続を規定しているものですが、あわせて、建築物の所有者が適切な維持管理を行うことによって廃墟とならないようにしていくことも重要と考えますが、県土整備部長のお考えをお聞かせください。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 景観支障防止条例においては、建築物の所有者の責務として、建築物を適切に維持保全するよう努めなければならないと規定しており、まず、この条例の周知や啓発に努めなければならないと考えております。加えて、空き家対策につきましては、既に国土交通省の空き家再生等推進事業を活用し、空き家の改修や除却に取り組んでいる市町村もあります。
 県としましては、こうした制度や事業の周知、啓発を図ることも必要ではありますが、そもそも空き家を廃墟としないためには、まず空き家をつくらないことが最も重要であると考えており、都市計画の観点からいえば、都市の外縁部の拡大を抑え、町なかの再活性化を図っていく中で、空き家の活用、再生、更新といった総合的な観点から検討を行っていく必要があると考えております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 この廃墟とならないような取り組みについては、各市町村でもいろんな取り組みを実施しております。空き家バンクであったり、また、空き家をカフェとかの触れ合いサロン等に活用してるところもございます。そういったこともありますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 3点目は、農業について質問をしたいと思います。
 第2次安倍内閣において、元気で豊かな地方の創生が最大課題の1つとして挙げられました。本県においても、農業の就労人口減少や超高齢化といった構造的な課題に真正面から取り組み、若者が将来に夢や希望を持つことができる魅力あふれる農林水産業をつくり上げていかなければなりません。そのため、地産池消や食育の取り組みはもちろんではありますが、本年から来年度に向け、国内外から来県者が見込まれる今こそ、新たなる農林水産加工品の創生が和歌山の地域力再生の柱となり得ると考えます。
 今、世界に評価され、始まった和食、このムーブメントを世界に届ける農林水産物の加工品として重要なことは、安心・安全であります。そのため、6次産業化の取り組みは重要であり、施設整備の推進においてはHACCPやISO22000の認証加工場の促進が海外へ売り込むために重要であります。知事は、日ごろより、ことし、来年が観光の好機とおっしゃっています。世界に向け、魅力ある和歌山の特産品として、農林水産加工品の奨励、促進について、知事のお考えをお聞かせください。
○議長(坂本 登君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員お話しのとおり、農林水産業者みずからが加工、流通、販売を手がける6次産業化は、所得の向上と雇用創出につながるなど、農林水産業の振興を図る上で重要であると認識しております。
 本県では、国に先駆けて積極的に6次産業化を推進してまいりました。平成21年度から24年度に実施いたしました新農林水産業戦略プロジェクト推進事業では、数多くの商品が開発され、例えばミカンを使ったポン酢とか、あるいは完熟トマトに漬け込んだ梅干しとか、地元の新鮮な卵を使ったロールケーキ、柿シロップを使ったカステラなどの人気商品が生まれております。
 また、わかやま農商工連携ファンドというのも──これはたしか平成19年度からだと思いますが、これを活用いたしまして、地元特産のショウガを使ったジンジャーエールというヒット商品が開発されております。さらに、昨年度からは国の制度を活用して6次産業化ネットワーク活動推進事業をスタートさせまして、農林水産業者へのアドバイスや商品開発、販路の拡大、大規模な水産加工施設の整備など、幅広い支援を行っているところでございます。
 今後とも、6次産業化を志す農林水産業者を積極的に支援し、魅力あふれる和歌山の農林水産業をつくり上げていきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 今、知事から力強い答弁をいただきました。今後とも、世界に発信できる農林水産加工品の支援に御尽力を賜りますようお願い申し上げます。
 4点目は、県道橋本五條線について質問をいたします。
 県道橋本五條線については、恋野地区から上田地区の間において、平成25年度に拡幅工事を完成していただきました。今後は、上田地区から向副地区の間における未整備区間について拡幅工事を実施していただけるとお聞きしておりますが、今後の事業計画を県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県道橋本五條線の橋本市恋野地区から向副地区までの延長2050メートル区間につきましては、恋野小学校や清水小学校の通学路となっておりますが、道路幅員が狭隘で歩道が未整備であることから、交通安全対策として片側2メートルの歩道整備とあわせて車道拡幅を行っているところです。このうち、恋野地区から上田地区までの延長1050メートル区間につきましては、平成17年度から事業化し、平成25年度に完成いたしました。
 また、残る上田地区から向副地区までの延長1000メートル区間につきましては、平成24年度に事業化し、既に地元説明を終え、現在、用地測量や関係機関等との協議を行っているところです。今後、用地測量が終わり次第、用地取得に取りかかりたいと考えており、引き続き、地元の皆様の御協力を得ながら整備を進めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 この県道橋本五條線については、今後とも早期に事業が実施できるよう要望しておきます。
 5点目は、山内恋野線(恋野橋のかけかえ)について質問をいたします。
 恋野橋のかけかえについては、平成24年度の2月補正予算で事業化をされ、橋梁の測量調査設計業務費が予算化され、地元並びに関係機関との調整を図りながら早期完成に向け進めていただいておりますが、橋梁の位置と接続ルートについてはどのように決定をされたのか、県土整備部長にお伺いをいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県道山内恋野線の恋野橋につきましては、幅員が4.5メートルと狭小であり、普通車同士のすれ違いが困難な状況であったこと、また、昭和29年に架設され、建設後60年以上経過し、老朽化している状況でした。加えて、地元区長などで構成される恋野橋かけかえ促進協議会等からは、平成17年より繰り返し要望をいただいておりました。
 県としましては、こうした状況を踏まえ、平成23年5月に恋野橋かけかえ促進協議会に対して説明し、9月に隅田町芋生地区で地元説明会を行った上で、平成24年度補正予算から恋野橋かけかえについて事業化したところです。
 恋野橋かけかえ位置と接続ルートにつきましては、周辺の道路状況や地域住民の利用実態、工事期間中の通行確保等を勘案した上で、現橋梁の直上流部にかけかえ、現道に接続するルートとし、平成25年10月に隅田町芋生地区で地元説明会を行いましたので、地元の方々にも十分理解を得られていると考えております。また、本年中には用地取得に関する詳しい説明を関係する方々に行う予定です。今後とも、地元の方々に対して十分に説明を行いながら、円滑な事業執行に努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 恋野橋のかけかえについては、今後とも、決定された意向を順次説明していただくとともに、誠意を尽くした対応をしていただきたく要望をしておきます。
 次に、新橋梁のタイプ、ネーミングについてお伺いをいたします。
 恋野橋のかけかえは、どのような形の橋梁になるのか、あるいは、新橋梁になるのだからネーミングも新たにすればとの住民の意見がございます。今後どのように決定をされていくのか、県土整備部長にお尋ねを申し上げます。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 恋野橋のかけかえにつきましては、先ほども述べましたように、平成24年度補正予算より事業化したところです。
 橋梁の種類につきましては、平成25年度の橋梁予備設計において、鋼製の連続箱桁橋と決定いたしました。一般的に、橋梁の種類の選定に当たっては、河川にかける橋梁であれば、当該河川において計画された洪水時の流量を安全に流せるように橋脚の数や位置を決める必要があります。また、河川形状や堤防の高さなどの地形条件、住宅の立地状況などの土地利用の状況、さらには橋梁の材料や構造、施工方式等について、経済性、施工の効率性等を総合的に勘案して最もすぐれているものを決定することとしており、恋野橋についても、こうした検討を行った結果、決定したものです。
 また、橋梁名につきましては、旧橋と同じ恋野橋を予定しております。一般的に、かけかえをする場合には、現在の橋の名前が地域に親しまれていること、ドライバー等にとって通行の目印となっていることなどから、新しい橋にも同じ名称を用いることとしております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 この事業というのは補助事業をいただいて県が事業主体となっておりますので、管理上のコストや予算のこともありますので、こういうものにしてほしいとまでは言えませんが、その都度、決定する前に住民の意見も聞き入れていただきながら、地域の意見が反映された新しい橋梁が生まれることを要望しておきたいと思います。
 最後に、山内恋野線についてお伺いをいたします。
 橋本五條線の県道改良がおおむね完了し、恋野橋のかけかえも事業化され、動き出した中で、橋本市として、外線といいますか、外回りの道路が、三石台垂井線から京奈和の橋本東インターを経て24号を通り、恋野橋を渡って河南の県道を通る、外線として位置づけられる道路ネットワークを考えますと、国道24号から河南県道までの区間は、隅田中学校の生徒の安全性を確保することも含め、非常に重要な区間となっております。また、今申し上げました区間にはJRの踏切がございまして、現在4メーターの幅員ということで交互交通ができない状況であり、朝夕の通勤時には大渋滞を引き起こしております。県は、この区間について今後どのような計画をお考えなのか、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 恋野橋から国道24号の間につきましては、これまで芋生地区の110メートルの区間において、平成17年度から平成19年度の間で道路を拡幅する工事を行っており、また、隅田中学校前の30メートルの区間においても、平成22年度から平成24年度の間で道路の拡幅と視距の改良を行ってまいりました。今後も、地元の方々の御意見も伺いながら、特に交通の支障となる箇所について対策を検討してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 上田良治君。
  〔上田良治君、登壇〕
○上田良治君 この区間については危険な箇所から順次拡幅工事をしていただいておりますので、今後については地元住民の方や保護者の方と話し合いながら要望等してまいりたいと思いますので、今後ともよろしくお願いを申し上げます。
 以上をもって、私の一般質問を終わります。どうも御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、上田良治君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 皆さん、おはようございます。9月の一般質問を、議長のお許しをいただきましたので、させていただきます。
 今回は、女性に対する差別発言について少しお話を伺いたいと思っておりますが、女性に関する施策について、何点か、まずお伺いします。
 日本は、1979年の第34回国連総会において、女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約を採択し、1985年6月に批准をしています。この条約の第24条には「締約国は、自国においてこの条約の認める権利の完全な実現を達成するためのすべての必要な措置をとることを約束する。」という条文があり、批准国は、必要な措置がとられているかどうか、その進捗状況を報告する義務を果たさなければなりません。
 女性差別の撤廃条約を批准して30年が経過しようとしていますが、日本国内の現況はどうでしょうか。東京都議会において塩村議員が女性の妊娠、出産をめぐる都の支援体制について質問をしていたときのやじ発言は、今さら述べるまでもありませんが、その後、東京都議会議長宛てに処分要求書を提出するも受理されず、謝罪した鈴木議員以外の他の議員に関する調査が行われないということでありました。都議会でのやじ発言は、これに限ったことではなく、私たち女性が日常生活のさまざまな場面で遭遇することでもあります。たまたま議会で発言されたことで問題となりましたが、「自分が早く結婚したほうがええで」、「産めやんのか」といった発言は、制止されることもなく、議場では笑いさえ起きたということです。このような状況が日常的であるということが問題なのです。ましてや、都民の代表として発言を許されている政治の世界にいる者として、こういった発言が繰り返されることは本当に恥ずかしいことです。
 これまでも何度も述べさせていただきましたが、石原慎太郎元東京都知事の「女性が生殖能力を失っても生きているのは無駄」と述べたいわゆる「ババァ発言」や、柳澤伯夫元厚生労働大臣の「女性は子供を産む機械」発言など、日本の政治家による女性差別発言はこれまでも再三繰り返されており、それに伴う社会的制裁や罰則が科せられたことがないと記憶しております。
 日本の政治家による一連の女性差別発言は、先進諸国からは奇異な目で見られています。同じような発言を他の先進諸国の議会で行ったとすれば、その議員は議員を続けることはできないと思います。国連の女性差別撤廃委員会は日本政府に対し60項目にも及ぶ見解を述べており、その中の第21項には、日本では憲法に男女平等の原則が正式に定められているにもかかわらず、明確に国内法に盛り込まれていないと指摘しています。また、第23項に、女性の人権の保護及び促進を含む幅広い権限を有する独立した国内人権機構がいまだに設立されていないなど、法的整備も不十分であることを指摘しています。
 このように、女性差別が議会でも公然と行われる社会、当の発言者が何ら罰則も科せられない社会を変えていかなければなりません。
 そこで、後を絶たない政治家による女性差別発言とこの都議会での差別発言への対応について、知事の感想をお伺いします。また、女性の人権だけではなく、差別された人たちを救済するための人権機構がいまだに設立されていない問題についても、あわせて見解をお伺いします。
○議長(坂本 登君) ただいまの藤本眞利子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 東京都議会における一連のやじを初めとする政治家による女性差別発言は、女性の権利を侵害し、未婚の女性や子供を産まない、あるいは産めない女性をやゆ、蔑視するもので、決して許されるものではありません。
 このような発言をするのは、言葉の使い方を間違うたとか、あるいは失言ということだけではないのではないかと私は思います。性別で差別してはいけないと心の中で思っていないから、思わず言葉が出てしまうのではないかなあというふうに私は思います。これではいかんのではないかと私は思っております。
 言葉の問題ではなくて、政治家は男女平等を基本に置いて活動をしていかなければならないという意識をちゃんと持っていないといけないというふうに思います。
 東京都議会は、今回の事態を受けて、「信頼回復及び再発防止に努める」との決議を採択いたしました。都議会に限らず、あらゆる議会においても、性別による差別意識を払拭するとともに、あらゆるハラスメントを断固として許さない姿勢を持って自浄作用を働かせてほしいと考えております。と同時に、県庁でも、そのように県政を運営していきたいと思っております。
 また、この女性差別発言以外にも、さまざまな人権侵害が依然として発生している現実がございます。これらの人権侵害を受けた被害者の救済については、国において早期に人権救済機関を設置し対応していくべきと考えておりまして、そのための法制度の整備を国に働きかけているところでございます。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 御答弁をいただきました。
 知事のおっしゃることは本当に私もそのとおりだというふうに思いまして、言葉というのは意識を反映させるものでありますので、大変私もそのとおりだというふうに共感をいたしました。
 21世紀が始まったときに、21世紀を人権の世紀にというふうなことが言われまして、もうはや14年が経過しようとしているんですが、昨今の状況というのは、人権の世紀というよりも、そういったすばらしい未来から何かどんどん遠ざかっていってるんじゃないかと、そういうふうな思いをしておりまして、今回は女性のことについて言わせていただいたんですが、知事もおっしゃったように、女性の差別だけではなくて、近年は、在日の韓国人の皆さんに対して、もう聞くにたえないようなヘイトスピーチによる人種差別街宣行動が頻繁に行われております。差別することを堂々とするというふうな状況であります。
 国連の人権委員会の勧告でも、この人種差別的な街宣行動に懸念を示し、差別をあおる街宣行動の禁止を勧告しています。この問題は、国連の人権規約委員会に勧告されるまでもなく、早急な対応が求められています。それに対して、今の日本の政府は、まだ有効な手だてを講じられていないというふうな状況です。
 人権侵害の定義云々と言っている間にも、差別によって多くの人々が心を傷つけられ、苦しんでいるわけです。私は、差別をするというふうな、人権侵害をするというふうな、そういった表現の自由というのはないというふうに思います。憲法でも、人権は本当に尊重されるべきものだというふうに規定をされております。
 先ほど、知事の答弁では、女性差別だけではなく、あらゆる差別を許さないためにも、人権侵害を救済する法的整備を国に働きかけていただけるということなので、強く要望して、次の質問に移りたいというふうに思います。
 次は、女性の働く環境についてお伺いします。
 雇用問題です。これまでも再三にわたり指摘させていただいておりますが、なかなか改善されない状況を踏まえ、改めてお聞きをします。
 少子高齢化が社会問題として取り上げられるようになって久しいんですが、少子化にはなかなか歯どめがかかっていません。少子化というのと高齢化とが同じように論じられているところもありますけれども、少子化はちょっと高齢化と少し意味合いが違うというふうに思います。少子化が問いかけるものとして、女性の雇用に大きな問題があるというふうに考えています。
 これも国連の人権委員会ですけれども、日本政府に対して、雇用の問題については、性別に基づく賃金格差が、フルタイムの労働者では賃金で32.2%と非常に大きく、パートタイム労働者では、その格差がさらに大きいという現状が根強く続いていると指摘しています。また、有期雇用及びパートタイム雇用の多数を女性労働者が占めていることと、並びに妊娠、出産を理由に女性が違法に解雇されていることを懸念する指摘をしています。
 和歌山県の働く女性の現状は、では一体どうなっているのかということですけれども、総務省就業構造基本調査によると、平成24年度の女性の潜在的有業率を見てみると、全ての年齢層で80から90%の高い率を示しております。女性の高い就業意欲を示しているわけですけれども、この有業率を見てみると、出産・育児年齢の30代から40代の有業率が60%台に落ち込み、相変わらずM字カーブとなっています。このことは、女性の雇用の抱える問題が出産・育児期に集約されているということをあらわしており、ひいては少子化問題にも大きく関係すると考えます。女性の就業継続や再就職を取り巻く状況は依然として厳しく、第1子出産を機に約6割の女性が離職しています。
 また、働く女性の妊娠、出産に関して、さまざまな法律で権利を保護されていることを知っているかという問いに、50.3%の女性が、産休、育休の権利は法律で守られているということを知らなかったというふうに答えています。これは、日本労働組合総連合会のアンケートであります。半分の女性がその権利を知らない。知らなければ、権利は守れません。
 女性の職業の中でも、教員は離職率が大変低くて出生率が高いといった統計があります。教員というのは、大変な仕事ではありますが、働き続けられる環境にあるということだと思われます。例を言うと、産前産後休暇、育児休業と、出産に関する制度も整っておりますし、女性が安心して出産し、育児休暇の後は職場復帰ができるということが、この出生率の高い大きな要因となっていると思われます。
 女性は誰もが安心して出産し、子育てをしながら仕事ができる環境を望んでいます。しかし、現実は、そういったことからはほど遠く、妊娠すればやめざるを得ない状況になり、就業を継続できたとしても、育児中は女性に大きな負担がかかっているという現状であります。少子化、少子化と騒いで危機感を持っているのであれば、この部分にしっかりと厚い支援をすべきだと思います。
 具体的には、第1に、女性が子育てをしながら働き続けられる職場環境をふやすことが重要だと考えます。厚生労働省では、子育て支援企業に「くるみんマーク」というのを認定する取り組みを行っておりまして、和歌山県においても現在14社が認定されています。「くるみんマーク」は、子育て支援に積極的に取り組む企業に対して認定するものでありますが、全ての企業になかなか浸透していないというのが現状です。
 「くるみんマーク」も1つの取り組みではありますが、子育て支援は全ての事業者がしっかりと取り組む必要があると思います。そのために、子育て支援に積極的に取り組む企業に対して、税制上の優遇措置を導入する、あるいは優良支援事業者を顕彰する、支援補助金を創設するなど、子育て支援企業がさらに発展するような動機づけが必要だと思います。県として、女性が安心して働き続けることを応援する企業をふやすためにどのような対策を講じてきたのか、また今後、子育て支援企業をふやすためにどのような対策を講じていくのか、商工観光労働部長にお聞きします。
○議長(坂本 登君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県では、女性が働きやすい職場環境づくりを進めるため、企業の経営者や人事労務担当者に対し、ワーク・ライフ・バランスやパワーハラスメントについて研修する労働セミナーなどの機会を通して、育児休業制度や子育て支援の助成等、仕事と子育てを両立する支援策の周知、啓発に努めているところです。
 また、今年度から、企業に労務管理の専門家である社会保険労務士を派遣して、育児休業制度や短時間勤務制度などの就業規則の整備や雇用の継続、復職に係る相談に助言、指導を行うなど、女性の定着につながる支援を行っております。
 さらに、企業で活躍する女性や職場環境づくりに積極的な経営者を招いて、働く女性や、これから働こうとする女性を応援するシンポジウムを10月8日に開催するとともに、育児に関するお役立ち情報等を発信する専用のホームページの制作も進めております。
 こうした取り組みの充実に加えて、先進的な企業の取り組みをホームページや商工観光労働部が配信しているメールマガジン「商工通信」で広くPRするなど、仕事と子育ての両立に積極的な企業を応援してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 御答弁をいただきました。
 女性が就業意欲があるのに、第1子を出産する際に6割がやめていっているという状況を何とか改善する。その受け皿になる企業の意識改革とか、それから支援が非常に重要ですので、今お答えいただいたようなことも有効な取り組みではあるとは思います。
 中小企業の──和歌山県というのは中小零細企業が大多数を占めておりまして、M字カーブですね、この出産期に就労人口が減るという、この改善をするために、もっと大きな動機づけとかアクションが求められていると私は思うんですね。
 御答弁いただいた内容では、今の状況を改善するために少し取り組みとしては弱いかなというふうな感想も持ちまして、来年度に向けた新政策、検討されていると思いますので、子育て支援を進めるためにも、企業への働きかけを強めていただくように要望したいというふうに思います。
 続けますが、第2は、女性が働き続けられるような周辺の環境整備が必要というふうに考えるわけです。第1子を出産する際に、何遍も言うようですけど、6割の女性がやめていくという理由には、子育ての負担が大きく女性にかかっているという現実があるわけです。
 子育て期にある男性の家事・育児時間、そういうのを調べた調査、あるんですね。この調査を見てみると、米国では2時間51分、英国では2時間46分、フランスでは2時間30分という中で、日本では1時間7分というふうなことで、最下位であります。また、育児時間というふうに限れば39分ということで、まあ子育てにはほとんどかかわっていないという日本の男性の姿が浮かび上がっております。
 育児の負担を女性だけのものとせず、男性もともに子育てに参加する、いわゆる育パパの取り組みは、これからの子育てにとって大変重要な取り組みだというふうに思います。
 先ごろ、大分県における男性の子育て参画「躍進日本一」の取り組みを調査してまいりました。大分県は、平成18年の総務省社会生活基本調査、6歳未満の子供を持つ男性の家事・育児関連時間という調査があるんですが、この調査において大分県が36分ということで、全国最下位でした。
 大分県では、このことを受けて、こらいかんと「子育て満足度日本一を目指す大分県」の実現に向けて、いろんな具体的な取り組みですね、各種子育て支援策を実施して、特に男性の子育て参画推進の取り組みを進めてきました。
 パパの子育てステップアップ事業として、おおいたパパクラブ(パパ講座)の開催であったり、パパの子育て応援セミナー、男性の子育て参画日本一フォーラムの開催、パパの子育て応援月間の設定、父親向け子育て応援サイトの創設、男性の子育て支援事業費補助金の創設など、意識啓発はもちろんでありますが、企業へもしっかりと働きかけを行ってきたとのことでした。
 そのかいあって、平成23年度の調査では36分から86分と50分も時間が伸びまして、伸び率で日本一に輝いています。このように、行政が本気を出せばそれに見合う数字があらわれるということがわかったんです。
 和歌山県は、この平成23年度調査において、育児時間が44分で、全国最下位となっております。平成18年度調査では59分ですので、15分の減少、大変残念な結果であります。県としては、この23年度の調査を受け、どのような対策を講じられてきたのか、今後どのような対策を考えているのか、福祉保健部長にお聞きします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県では、これまで子育て家庭の負担軽減策として、地域における相談の場である地域子育て支援センターや育児疲れの解消の際にも利用が可能である一時預かり事業等の拡充により、子育て家庭を支援する体制の整備を行ってきたところです。
 核家族化や地域の子育て力の脆弱化により、子育て家庭の負担や不安が高まる現状においては、議員御指摘のとおり、男性が家事、育児に積極的に参加していくための意識啓発や働きかけは一層必要となるものと認識しております。
 県におきましては、男性が子育てに参画し、責任をともに担うよう、関係部局が連携して、その促進に取り組んでまいります。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 答弁いただきました。
 大分県がこりゃいかんと思って取り組んだのと、ちょっと違いがあるなあというふうに思うんですが。男性が家事、育児に積極的に参加していくための意識啓発とか働きかけは一層必要となるものと認識しているという御答弁をいただきました。認識してるけれども、そのために、具体的な取り組みについてはこれからだというふうな、そういった答弁でありますね。
 県としては、これ23年度調査なので、もうことしは26年度です。家事、育児時間が最下位という結果ですので、そのことを重く受けとめていただいて、本気で取り組んでいただくように要望をしたいというふうに思います。
 続けます。それを受けまして県においても男性の育児休暇というふうなこと、あると思うので、そのこともちょっとお聞きしたいんですが、男性の育児休業の取得もなかなか進まないわけです。国のほうでは、育児休業を取得した父親に対して6割の給与保障を行っています。6割では生活できないなあという若い世帯の姿もあるわけです。
 育児休業の取得がなかなか進まないため、国ではさらに、パパ、ママで半年ずつ育児休業を取得すれば、1年間割り増し給付が受けられるといった動機づけをするための制度が開始されています。このような制度の周知とともに、まず県が率先して男性の育児休業を取得するような取り組みが求められています。
 そこで、男性の育児休業取得を促進するための県における取り組みについて、総務部長にお聞きします。
○議長(坂本 登君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 県庁における男性職員の育児休業取得率向上のための取り組みについてでございますが、本県では、「仕事と子育ての両立支援ハンドブック」というものを作成いたしまして、育児休業や育児休業期間中の給付制度等の周知を行っております。
 実際に男性職員に子供が生まれました場合につきましては、育児参加のためのプログラムを作成させまして、所属長が本人と面談を行いまして、このプログラムを実践しやすい職場環境づくりを行っているところでございます。
 また、育児休業取得者に対しましては、代替職員を配置しまして、育児休業を取得しやすい環境づくりに努めているところでございます。
 しかしながら、男性職員の育児休業取得者は、これまで6名にとどまっておるところでございます。一方で、国では平成32年までに男性公務員の育児休業取得率を13%までに高めるという目標を立てていることから、今後とも、子育て世代の男性職員、それを取り巻く職場におきましての啓発を進めてまいりたいというふうに考えております。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 子供を育てるということは、もう大変大切な経験というか、それが仕事に生かされるというふうにも思いますので、ぜひ育児休業を進めていただきたいというふうに思います。
 女性施策で最後なんですけれども、男女共同参画基本計画の取り組み状況について最後にお聞きしたいんですが、県では、平成11年に制定された男女共同参画社会基本法を踏まえ、平成14年3月に男女共同参画基本計画を策定して、男女共同参画を推進するための基本理念というのを明らかにしています。
 また、県では、平成22年度に実施した男女共同参画に関する県民意識調査から、男女の平等感について、社会全体でいまだに男性優位と感じている割合が高く、固定的性別役割分担意識についても、いまだ根強く残っているということがわかったとしています。
 知事も、一人一人が個性と能力を発揮できるふるさとの実現を目指していくということで、「今後も、性別にかかわらず、男女が安心してあらゆる分野で生き生きと活躍できる環境整備を県民の皆さんと協働して一層進めるとともに、県民の皆さん、事業者の皆さんも、それぞれの立場で個性と能力を十分に発揮していただきたいと思います」というコメントを出されております。
 基本計画が策定され、12年が経過しようとしていますが、状況が改善されている部分もあれば、まだまだ取り組んでいかなければならない部分も多々あるというふうに認識しています。
 県では、それぞれの施策についてそれぞれの数値目標を設定し、取り組みの進捗状況を発表しています。この中では、先ほどから申し上げている働く場での男女共同参画の推進や仕事と家庭の両立についての項目も含まれているところでありますが、関係各課の取り組みの中で、目標に達していない項目については、どのような働きかけを行い、具体的にどのような取り組みを取り組まれているのか、これも環境生活部長にお伺いします。
○議長(坂本 登君) 環境生活部長栗山隆博君。
  〔栗山隆博君、登壇〕
○環境生活部長(栗山隆博君) 男女共同参画基本計画に関する取り組みの状況についてお答えをいたします。
 男女共同参画基本計画に基づく事業につきましては、毎年度、関係部局に報告を求め、事業の進捗状況を把握しているところでございます。
 議員御指摘の働く場での男女共同参画の推進や仕事と家庭の両立につきましては、関係部局と連絡会議を定期的に開催し、情報の共有を図るとともに、進捗状況の思わしくない項目につきましては、関係部局に一層の取り組みを働きかけているところでございます。
 また、家庭と仕事の両立を図るためには家庭における男女共同参画が極めて重要であるため、引き続き意識啓発に取り組んでまいっていく所存でございます。
 さらに、職場における女性の活躍を促進するには、家庭との両立支援に加え、女性の登用や職域の拡大に向けた取り組みが必要であると考えてございます。今議会におきましても、女性の活躍促進事業の補正予算案の御審議をお願いしているところでございます。本事業は、庁内関係部局、経済団体、労働局と連携をいたしまして、女性登用に向け企業トップの意識改革を図るとともに、女性管理職養成等の支援を行うものでございます。
 今後とも、関係部局及び関係団体と協働いたしまして、本計画の推進に鋭意取り組んでまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 男女共同参画基本計画に基づいて施策を進めていると私も認識しておりまして、でも、重要なことは、それぞれの施策について関係各課がどんだけ予算づけを行って、それがどのような結果になっているのかということを把握していくということだというふうに思うんですね。結果が伴わなければ取り組んでいるというふうには余り言えないわけでありまして、働く場での男女共同参画の推進とか仕事と家庭の両立についても、1つの課室で進められる問題ではなくて、それこそ、あらゆる場において男女平等を推進するための行動を起こさなければならないというふうに思います。
 常に、政策が予算化されて施策として有効に展開されていくか、具体的な事業として取り組まれているかという振り返りを常にしていただいて、男女平等を一日でも早く実現できるような取り組みをお願いしたいというふうに思います。
 次の質問に移ります。学力テストの結果を受けてということです。これも同僚議員からも質問がありましたけれども、私の視点で質問をさせていただきます。
 先ごろ、全国学力テストの結果が公表されました。和歌山県は、残念ながら小中学校とも芳しくない結果となりました。私自身、学力を点数だけで考えるつもりはないんですが、これも1つの指標でありまして、今まで取り組んできたことの反省と今後の目標になると考えます。
 私は、以前より、全体の子供の学力をつけさせるためには、よくできた一部の子供を引き上げるような施策ではなくて、底辺の学力的に問題のある子供たちの支援こそ必要だというふうに訴えてきました。親の収入が子供の学力に影響があるということはもう過去からの統計でも証明されておりますし、子供の家庭環境は学力に大きな影響を与えます。そして、どのような中でも、子供たちが将来に希望を見出せる環境整備をする必要があります。学力的に課題を抱えた児童生徒への支援充実が求められていると思います。
 教育委員会は、今回の結果を受けて学力向上対策本部というのを設置され、過去2年間の全国学力テストの結果を分析するほか、これまでの授業などの改善状況や補習学習などの対策について効果的な方法を検討するというふうにしていますが、学力テストに限った狭義の対策をしてもあんまり意味がないと私は考えます。
 秋田県では、以前より実施している少人数学級の実施や、子供のやる気に働きかけるような取り組みを行っているというよい事例もありますので、教育長に、見解と今後の取り組みについてお伺いしたいというふうに思います。
○議長(坂本 登君) 教育長西下博道君。
  〔西下博道君、登壇〕
○教育長(西下博道君) 今回の全国学力・学習状況調査の結果が2年続けて全国平均を大きく下回り、その差が拡大したことにつきましては、大変厳しく受けとめておりまして、その責任を痛感しております。県教育委員会の総力を挙げ、和歌山の子供たちにこれからの社会をたくましく生き抜くための学力を確実に身につけさせるという強い決意で取り組んでまいります。
 学力については、私も議員と同じような考え方を持ってございます。こうした学力を向上させるためには、まず学校において、子供によくわかる授業、それから、子供の力をしっかりと伸ばす授業、それから、学ぶ喜びを実感させ、意欲を高める授業、子供一人一人の実態に合わせた補充学習の一層の充実に取り組むことが極めて大事だというふうに考えております。また、それと同時に、子供の生活習慣だとか学習習慣の実態を踏まえた取り組みも必要であるというふうに捉えております。
 県教育委員会としましては、今回のこの厳しい結果を踏まえて、早速、指導主事を高い学力を維持している先進県に派遣をして、目標の提示と学んだ内容の確認を必ず行う授業の徹底、あるいは家庭学習の手引や土曜学習などを活用した学習習慣の確立、あるいは保護者や地域と連携をした学校づくりなど、学力向上に効果的な取り組みの実態を把握してまいりました。
 同時に、学校教育局長を本部長とした全庁的な組織である学力向上対策本部を立ち上げて、学力を十分に伸ばせていない本県の原因の究明と子供の学習習慣の改善について協議を始めております。今後、集中的にスピード感を持って検討を行い、11月中をめどに具体的な対策を示すこととしております。こうした対策のもとに、各学校がそれぞれの課題と改善策を保護者や地域に説明し、ともに協力して取り組むことができるよう、市町村教育委員会と力を合わせながら、学力向上のさらなる充実に努めてまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 今回のこの学力診断テストの結果を受けて、関係者というんですか、それぞれが、その学力の問題について危機感を持って真剣にこれは取り組まなあかんぞという共通認識を持たれたということは、これは私は大きな意味があるというふうに思うんですね。
 それを具体的にどんなふうに子供たちに返していくかというふうなところなんですが、教育委員会の今の体制で進めるということは、それで学力が伸びていないということもありますので、外部講師であったりとか、TTをふやしてきめ細かく授業をしたりとか、少人数の学級を配備、導入していくとか、やっぱり抜本的な、和歌山県として独自な対策を講じていかなくちゃいけないんじゃないか。ここで、議場でもこういうふうに議論をさせていただけたことは、もう全庁が聞いておりますので、教育長のその意気込みというのは伝わっておると思います。
 人はやっぱり人で育てられるわけですので、その優秀な人材の確保ということも必要です。いろんなあらゆることを考えていただいて、取り組んでいただきたいというふうに思います。
 それから、学力向上委員会の委員さんに外部の有識者というか、いろんな有識者がたくさんいらっしゃいますので、そういった方にも御意見をいただくというのも有効な方法かというふうに思いますので、要望をしておきたいというふうに思います。
 次に行きます。学校図書館の活用についてというふうなことです。
 文部科学省では、平成24年度より新学校図書館図書整備5か年計画というのを発表し、5年間で学校図書館図書標準の達成を目指すとして、毎年200億円の財政規模で、5カ年で約1000億円の財政措置を行っています。この予算は、各都道府県に地方交付税として措置をされています。ざっと考えると、和歌山県はおよそ100分の1程度というふうに措置されていることになります。
 図書標準を達成するための、これは100分の1ですから2億円、それから、新聞配備のために1500万円、それから、学校図書館に関する業務を行う学校司書の費用として1億5000万円と試算しますと、およそ3億6500万円余りが措置されていると見積もることができます。県内では、幼稚園から小中高、特別支援学校を含めて、およそ5000学級ということですので、1学級4万円程度の図書購入費用と見積もることができます。
 私の地元の宮前小学校は28学級でありますので、1学級につき4万円で28学級ということですので、112万円の予算ということになります。これを学年で割りますと──大体、学年に配備されるんですね、図書費用は──1学年大体19万円程度の予算となるんです。絵本なんかは割と高額ですので、19万の予算で購入してもそれほどの冊数にはならないんですけど、現在の学校図書費と比べれば、もう何倍もの予算であります。子供たちにとって新しい図書というのは大変魅力的で、学習意欲を大いに刺激するものです。
 さて、このように交付税で措置されているこの学校図書館への予算は、適正に運用されているのでしょうか。
 また、学校司書の予算として、和歌山県には1億5000万円が予算措置されています。和歌山県は、小学校、中学校を合わせて約400校ですので、高校は司書さんがおるところが多いんですが、1校につき37万5000円ぐらい、文科省は2校に1人の程度と試算されているようでありますので、非常勤であったとしても75万の予算で学校司書を置くことができるという計算になります。75万の予算があれば、午前中だけでも非常勤で職員を配置することができると考えます。
 先日、宮前小学校を含め、幾つかの学校にお邪魔をしまして、図書館を拝見してきました。授業中でしたので、鍵がかけられており、中に入ると、ぷっとカビ臭いにおいがしました。整理はされていましたが、大方の図書は古く、傷んでいるものも目につきました。もちろん学校司書もおりませんし、ふだんは鍵がかかっているという状況でした。昼休憩には図書委員が図書の貸し出しをしているということでしたが、それも各学校に任されているという状況です。
 子供たちの知的好奇心を刺激し、学習への意欲を育む学校図書館の改革が、学力を高めるための豊かな土壌となります。学校司書がいて、いつも開放されている図書館がある学校は、本を読みなさい、勉強しなさいと押しつけなくても、子供たちが集まってきます。いつも開かれた図書館、新刊本や推薦図書が並び、子供たちが自由に本を選び、わからないことを調べ、楽しみながら知的好奇心を満たす場所が求められています。
 そこで、教育長にお伺いします。
 文科省からは、学校図書館図書標準が示されていますが、学校図書館の状況はどうなっていますか。また、学校司書の配置についても、現状と今後の計画についてお伺いします。
○議長(坂本 登君) 教育長。
  〔西下博道君、登壇〕
○教育長(西下博道君) 学校図書館は、子供の想像力や豊かな心を育むとともに、調べ学習などの自発的な学習活動を行う重要な場であると考えております。また、全国学力・学習状況調査の結果から読書と学力には相関関係があることも明らかになっており、学校図書館を利用した読書活動に力を入れている学校もございます。
 しかし、一部の小中学校の図書館では、利用時間が限られていたり、子供が気軽に本の世界に入れるような工夫がなされていなかったり、あるいは百科事典や図鑑が古いままだったりするなど、その役割が十分果たせてない現状がございます。
 直近に行われた平成24年度の調査では、国が定めた蔵書基準を達している小学校の割合は63.5%と全国平均を6.7%上回り、中学校では41.6%と全国平均を5.9%下回る結果となっております。
 また、学校司書の配置につきましては、平成24年度は全ての市町村で未配置でしたけれども、現在は5市町と増加傾向にあります。しかしながら、この点につきましては、全国に比べ大変少ない状況にあり、解決をしなければならない課題だと受けとめております。
 県教育委員会といたしましては、本年度、文部科学省の研究指定を受け、学校司書の活用と資質向上について研究を行っているところです。今後は、その研究成果を県内に普及するとともに、地方財政措置が講じられていることも踏まえ、学力向上に大きく寄与する観点からも、全ての小中学校に学校司書が行き渡るよう市町村教育委員会に強く働きかけてまいります。
○議長(坂本 登君) 藤本眞利子さん。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 教育長、図書館に学校司書が配置されているのは5学級ですか。(「5市町」と呼ぶ者あり)5市町。そうですか。(「ふえてきつつある」「きちっと整理せえよ、発言」と呼ぶ者あり)済みません。それにしても少ない実態であります。
 学校図書館は、子供たちの知的好奇心を刺激する本当に貴重な場所でありますので、ちょっともう少し頑張っていただきたいなというのと、学力というのは、昔は詰め込み教育の弊害とよく言われたこともあるんですが、子供たちがみずから学習しようという意欲に支えられてこそ、学力、生きた力になるというふうに思いますので、そのためにも学校図書館の充実が求められているというふうに思います。
 和歌山県の子供たちの学力を学習状況調査だけではなくて、その学力を保障するためにも、具体的な計画を持って学校図書館を充実していただくように、これは強く要望したいというふうに思います。
 最後に、定数内講師についての要望を述べさせていただきます。教員採用に関する要望でございます。
 団塊の世代が退職となり、急激な教員の減少を補うために教員を大幅に採用し、結果、学校現場は、今、大変若返っています。一時、教員の平均年齢が50歳以上と言われた時代が懐かしく思えるほどであります。
 地元の小中学校にお邪魔しても、少数の50代の教員と多数の20歳代の教員ということで、中堅ベテラン教員が少ないという現象が起こっています。年齢によるバランスの悪さも問題でありますが、正式採用されている教員以外に臨時で定数内講師が各学校に配置されており、その割合が見過ごすことのできない状況になってきています。
 小中学校においては、過去5年間を見てみると、教員定数は、平成21年度は4915人、22年度は4876人、23年度は4840人、24年度は4800人、25年度は4731人と、児童生徒の減少に伴い減少をしています。にもかかわらず、定数内講師の人数は逆に増加しているんです。平成21年度は311人、22年度が329人、23年度は334人、24年度は343人、25年度は391人であります。割合でいっても、6.3%から毎年上昇し、26年度では8.3%にもなっています。
 この定数内講師とは、産休や育休、病休、介護休暇などの代替の教員ではなく、最初から教員定数としてカウントされている教員であります。当然、担任も持ちますし、中学校ではクラブも持ちます。正式採用の教員と何ら変わらない勤務を求められています。違いはその待遇だけであります。
 数年前、この問題を議会で指摘したことがありました。そのときの答弁では、退職する教員に加え、早期に退職する教員が増加しているため、採用人数では計算できない部分を定数内講師で補わざるを得ないという状況であるという答弁でありました。そのときは、ちょうど団塊の世代が大幅に退職期を迎えていることもあり、いたし方ないかなあという部分もあり、理解をしたわけです。
 定数内講師の先生方の中には10年近くこの講師をされている方もおられまして、私の知っているその方々では、土日も出勤し、クラブ活動で一生懸命生徒の面倒を見ています。しかし、そういった努力がなかなか採用の条件に加味されず、定数内講師の先生方は、何年勤務されていても頭打ちの給与ですし、将来に不安を感じながら働いているといった状況です。
 定数内講師の問題については、本年に限ると、採用数を大幅にふやしているにもかかわらず、相変わらず早期退職者の増加に追いつかなかったという実情をお聞きしました。教育委員会は、今後、こういうことでは──数がやはり少し多過ぎると思いますので、正式採用をしっかり進めていっていただきたいと強く要望します。
 また、定数内講師の先生方の待遇を改善していただきたい。頭打ちというふうなことではなくて、もう少し給与を上げていけるようなことも要望したいというふうに思います。
 さらに、教員の資質では、児童生徒の学力にも大きな影響を及ぼしますので、教員採用に当たっても教師経験等が生かされるよう要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、藤本眞利子さんの質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時30分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(尾崎太郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、4つの項目について質問をいたします。
 まず最初に、子供の医療費無料化の拡充について、知事にお尋ねいたします。
 昨年の6月、子どもの貧困対策の推進に関する法律が制定され、ことしの1月に施行されました。この法律の目的は、子供の将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないよう、貧困の状況にある子供が健やかに育成される環境を整備するとともに、教育の機会均等を図るため、子供の貧困対策を総合的に推進するというものです。
 貧困層の子供が非貧困層の子供より入院やぜんそくで通院する割合が高くなっていることが、国立社会保障・人口問題研究所の分析で明らかになりました。分析した研究者は、「日本においても、親の所得によって子供の健康に格差が生まれていることが確認された」と述べ、貧困層のほうが入院の発生率が高い背景について、貧困層は通院が困難な環境にあると指摘し、「例えば母子家庭では、母親が仕事を休むと減収になるので、売薬を与えて済まさざるを得ない状況が生まれていること。子供をケアする経済的、時間的余裕がなく、子供の病気が悪化する要因となっていると考えられる」と述べられています。
 こうした状況から、子供の健全育成のためには貧困対策が極めて重要になっていますが、同時に、経済的に大変な家庭でも子供が必要な医療を受けられるよう、せめてその部分を援助することが求められているのではないでしょうか。
 現在、県下30市町村のうち1町を除く全ての市町村で、県制度を超えて助成が拡充されています。市長会、町村会からも、来年度の県予算編成等に関する要望書には、乳幼児等医療費助成制度の対象年齢を小学校卒業まで拡充するよう要望されています。
 都道府県段階では、福島県が高校卒業まで、中学校卒業までは、群馬、東京、静岡、鳥取、小学校卒業までは、兵庫、京都、三重、徳島、栃木、秋田の6府県、小学校3年までは、茨城、千葉、福井の3県と広がってきました。県においても、ぜひ乳幼児からさらに対象を広げ、子育ての支援を強めていただきたいと思いますが、知事の御答弁をお願いいたします。
○副議長(尾崎太郎君) ただいまの奥村規子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 少子化が進行する中、子育て家庭への総合的な支援は、重要な課題であると認識しております。
 乳幼児医療費助成につきましては、乳幼児の健康保持増進及び子育て世代の経済的負担の軽減を図るため、乳幼児医療費を支給する市町村に対して補助を実施しております。就学前の乳幼児を対象としているのは、病気にかかりやすく、病気にかかった場合に重症化しやすいために、早期に医療機関で受診してもらえるよう、自己負担分を無料にしたものでございます。
 近年、市町村が対象年齢を拡充していることは認識しておりまして、また、そうしていない市町村もあり、やり方もばらばらであります。その面で手当てが手厚くない、そういう市町村は、別のやり方で支援を手厚くしておるということで、まさに地方分権、地方主権のあらわれであると思います。
 議員御発言の助成対象の拡充については、ベースになる部分、先ほど言いましたように、どんなときでももう必ずすぐに医療手当てをしてもらいたいと県が思ってる部分は県が下支えをし、上乗せの部分については、それぞれの必要性でそれぞれの趣旨を考えて、それぞれの地域の実情に応じ、施策の特色を出すために実施しているものでございます。県として、市町村において差があるものを全部そろえなきゃいけない、そういうものではないのではないかというふうに考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、御答弁いただきました。
 各市町村では、総合的に施策を進めて、人口減少に対応したり、子育て世代への支援を図ってるということで言われましたが、再度お尋ねします。この市長会や町村会、そこでやはりこういった県への要望が上がってきているというのをどのようにお受けとめでしょうか。再度、御質問させていただきます。
○副議長(尾崎太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) もとより、県も、子育て支援施策を充実していきたいという思いはございます。市町村から、もういろいろばらばらだから、いろいろ選挙民なんかに、自分とこはよそに比べると手厚くないと言うんで、もう県で全部やってくれというようなことを結構言われているということはよく認識しております。議員御指摘のように、市長会とか町村会でもそういう議論があることはわかっております。
 そのときに私が申し上げておりますのは、やっぱり先ほど申し上げましたように、県は一律、そういうことは絶対必要だというところはちゃんとやるけれども、それぞれの市町村民とのコンセンサスでそれぞれがやってるところ、これは、一部は高いが一部は低いというのがあるんですね。そういうところを全部高いところに合わせ、かつ県がそれを肩がわりしてくださいというのはやっぱりどうでしょうかねというようなことを、私はいつも申し上げてるわけです。
 県民の立場、あるいは当該市町村の立場からすれば、市町村民の立場からすれば、市町村の負担が県の負担になるということなもんですから市町村にとってはいいことかもしれませんけれども、県民、市町村民からすれば、それは選択の問題ではないかというふうに思うわけでございます。
○副議長(尾崎太郎君) 議場の品位を保つため、携帯電話の電源はお切りいただきますようお願いを申し上げます。
 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、知事のほうから御答弁いただいたことで、私は市町村や町村会からというのは、選挙民というようなことで──ここのまちはやってるけど、こっちのまちはなかなかそういってないと、そういうことで言われてるんではないかというようなことを言われたことに対しては、私は、やっぱり住民の皆さんの切実な意見だと思うんです。それを町村や市長会を通して上げられてるということでは、本当に真剣に県としても受けとめていただきたいなあというふうに思うんです。
 以前、この議会で、23年の12月に他の議員が子供の医療費の拡充を求めたときがあったんですが、そのとき、県として必要性等を検討していくということで、答弁の中であったんですよ。それで、そのときは財政状況が非常に難しいと。拡充していくのは難しいとか、今後も財政状況を考慮しつつ引き続き検討していくということで、議員への措置状況という、そこに載せられてるんですけど、その後、本当に検討をしていただけたのか、そういったところをぜひお聞きしたいんです。
 せんだって、国民要求実現和歌山県大運動実行委員会ということで、いろんな要求を掲げて県当局と交渉するという機会をつくってくださってて、その中で私も同席させてもらったときに、やはり子供の医療費は少なくとも義務教育終了まで無料にしてほしいという話があったんです。それに対して、やはり財政が大変厳しいんでということで言われていました。
 私は、知事にお伺いしたいんですけど、財政が厳しいからということなのか、それとも──それに対しては国に対して毎年、医療費負担の軽減について要望を行っていると言われてるんです。だから、財政が厳しいのか、財政ももちろんあるけれども、県の施策として子育て支援をしていく中で総合的に考えていく部分として、やはり今、市町村の要望を聞いてもっと上乗せしていくということになかなかならないというようなことを言われてるのか、そこの点、もうちょっと詳しく、よろしくお願いしたいと思います。
○副議長(尾崎太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) もちろん、財政は厳しいんです。厳しいんですけれども、もちろん財政は、収入がゼロではありませんので、何らかの支出を県議会の皆さんと相談をしてやっていくということになるわけです。その中で、子育て支援というのは大変重要な政策目標だということは変わりはないと思います。だけど、その中で何をやるか。その子育て支援ということに分類されたらもう何でもとにかく全部やっちゃうんだというわけにはいかんと思うんですね。
 したがって、県としては、県全体を見たときに、例えば市町村が消極的でも、やってもらわないといけないというふうにもう考えてることについては積極的に乗り出し、それで残りの部分は、その市町村のそれぞれの政策のバランス、そういうものに任せてもいいんじゃないかと、そんなふうに思っているわけです。
 無尽蔵に予算があるならば、それはもちろんやればいいというふうに思いますが、そうでない限りにおいては、今のような配慮をして、それで何が必要か、県としてはこれだけはやらなきゃいけない、あとはお任せして、市町村の肩がわりみたいなことをやる必要はないんじゃないか、あるいはあるか、そういうことを常に検討をしているということでございます。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 県との交渉の中でお母さんが子供に熱が少しぐらいあってももう我慢させてるというようなことを言われたり、3人っこ施策で3人目の保育料無料とか、そういったところは、子育て支援の中で皆さんにとっても大変いいことだなあと思うんですけど、やっぱり3人目とかいうことになると、非常にいろいろと経費が要ったり、そういったお医者さんにかかりたいときでも我慢させてしまうというようなことが言われてます。そういう子供の命にかかわることをやはり未然に防いでいくということで、こういう施策をもっとやっていくべきではないかなあというふうに思うんです。
 今、いろいろとお話を聞く中で、特に問題が、もう歯医者さんになかなか──学校の中で健診がありますよね。健診があっても、その受診率が本当にどうなのかということになれば、半数以上になってるところというのも、──ちょっとばらばらだと思うんですけど、30%ぐらいとか、そんな状況もあったりして、なかなかそうならない。私の知り合いのある方が、子供さんが歯がもうぼろぼろになってると、そういった状況なんかも言われてるんです。それが、そういう子供の医療費が、負担があるからとかいうことで一概に言えるのかどうかも含めてですが、やはり受診するのに一定の費用がかかると、そういうようなことが大変負担になってるという声も聞いてます。
 また、私も御高齢の方とお会いする機会が多いんですけど、息子さんの事情で子供さん3人を育ててるという高齢の女性の方がいらっしゃったんですけど、もう年金と少しお仕事をして足してやってる中で、子供にはぼろぼろになってももう靴が買えないと。上着とか衣類とかは何とか都合をつけてということができるんですが、子供の体の成長に沿って靴がなかなか買えなくてということで、涙を流されて訴えてる方がいらっしゃるんですけど、そういった状況というのは、今、先ほど貧困の問題も言うたように、大変暮らしへの負担が多くなってる中で、やはり県として、命にかかわることを検討していこうというようなことを少しでも考えていただきたいなと思うんです。
 この間、答えていただいた、県として必要性等を検討していくとか言われた中で、本当に県民にとって、皆さんに要求を出させていただいても、それが検討されてどんなふうになってるのかというあたりもなかなかわからないんですが、その点で検討していただけたのか、そうでないのか、そこら辺もいかがでしょうか。
○副議長(尾崎太郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) そこに出ておりました者が、検討した、検討すると言ったことについては、私の発言でございますと、当件と同じでございますので、それはもう検討しなきゃいけないということでございます。
 和歌山県はどういう検討をしてるか。毎年毎年、新政策というプロセスがありまして、そこで、ことしはやっぱりどういう重点にしていこうじゃないか、この部分は欠けてるんではないか、この部分もお金があったらやりたいけどどうだろうか、そういうような政策の重みづけみたいなこと、あるいは新しい着想についての議論、そういうことをやってるわけでございます。したがって、常に、ほとんど毎日検討してると言ってもよろしいかと思います。
 また、奥村議員が、例えばきょうこういうような御質問になるというときも、どういうような経緯で我々は答えたらいいのかというようなこともまた検討して、それで私はここで答弁をしている次第でございます。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 とにかく、皆さん、子育てする中で医療費の負担があるということにぜひ心を寄せていただいて、引き続き検討をしていただきたいなと思うんです。
 最後、要望させていただきますが、知事から、やっぱり今の暮らしや子育てしている経済的負担が大変だということに共感していただけるのかどうか、そういった中でなぜそういう願いが出てるのかということをやっぱりしっかり聞いていただきたいなと思うんです。
 県の長期総合計画では、人口減少や急激な少子高齢化社会の進展に伴い、活力の低下が懸念される、これはもうほかの方も言われてるように、そういった状況の中で、子供を持ちたい人が安心して子供を育てることができる社会を実現することが重要だと思うんです。そういった中で、計画の中では、子育て環境ナンバーワンという和歌山を実現しますとしていますので、ナンバーワンと言うなら、和歌山の子供の医療費無料制度において県としてしっかり力を入れていく姿勢をぜひ示していただきたいなということを要望して、この質問は終わらせていただきます。
 引き続いて、2番目に子ども・子育て支援新制度について。2つ目は、子育て・保育の新制度について、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 来年4月から、子ども・子育て支援新制度──以下、「新制度」と申し上げます──が本格的に実施されます。新制度は、これまでの保育所、幼稚園の制度を大きく改変する改革であるにもかかわらず、保護者の皆さん初め県民の皆さんから、よくわからないと不安の声が聞かれます。中には、保育制度が変えられようとしていることを御存じない方もいらっしゃいます。
 現在の保育は、戦後の1947年に制定された学校教育法により、幼稚園は学校の一種とされ、3歳以上の幼児を保育するものとされました。同年、児童福祉法が制定され、保育所は児童福祉施設の一種とされ、乳児、幼児を保育するものとされました。児童福祉法は、保育に欠ける子供には市町村が保育の実施義務を負うことを定めました。
 共働き家庭やひとり親家庭がふえる中、保育に対する要求が拡大していますが、国は、保育所不足対策として、公的保育の拡充を進めるのではなく、民間活力の利用や規制緩和でそれに対応しようとしています。
 そこで、新制度とはどういったものなのか、何が変わるのか、財源の確保はどうなるのか、僻地保育所はどのようになるのか、保育料はどのようになるのか、保育士の働く環境の改善への取り組みはいかがですか、県の役割と市町村への支援はどういったものか、以上6点についてお尋ねをいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 子ども・子育て支援新制度につきましては、幼児期の学校教育や保育、地域の子育て支援の量の拡充や質の向上を進めていく制度であり、待機児童の解消や認定こども園制度の改善が図られるほか、子供が減少傾向にある地域でも、小規模な保育等を支援することができるようになります。
 新制度の実施には、消費税が10%に引き上げられた場合には毎年7000億円程度が充てられますが、量・質の向上には1兆円程度必要とされており、国において予算編成過程で確保に努めることとされております。
 県内の僻地保育所の状況ですが、21カ所あり、新制度では、小規模保育事業や地方裁量型認定こども園への移行が選択肢として考えられます。現在、市町村において、地域の実情を踏まえた施設形態の検討が行われているところです。
 次に、新制度における保育料につきましては、世帯の所得の状況等を勘案して定められますが、現行の保育料の水準をもとに国が定める基準を上限として実施主体である市町村が定めることとなっており、現在、各市町村において検討されているところです。
 また、保育士の働く環境の整備については、処遇の面では、現在実施されている職員の勤務年数に応じた給与加算へのさらなる上乗せが図られることとなっております。
 県としましては、新制度の実施主体である市町村が新制度の給付や事業を円滑に運営できるよう、情報提供や必要な助言、広域的な調整等を行ってまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 御答弁をいただきました。子ども・子育て支援新制度が、幼児期教育や保育などの量の拡充や質の向上を進めていく制度だという説明がありました。
 しかし、新制度の最大の特徴は、児童福祉法24条1項でこれまでどおり市町村の責任で保育するという施設・事業と、24条2項に位置づく保育所外の認定こども園、小規模保育など、基本的には利用者と事業者が直接契約し、保育料も事業者が徴収する、この2つが併存するという問題です。
 この直接契約では市町村は施設などをあっせんするとしていますが、あくまであっせんです。施設に対してあっせんしても、保護者の希望どおり入所できるのかどうか、また、障害があるなど特別に対応が必要な子供が入所を希望しても、直接契約でそれが保障されるのかどうか、希望がかなわなかった場合に市町村はどうするのかなど、市町村の保育の責任が後退するもとで、こうした問題が危惧されます。
 また、子供が減少傾向にある地域でも小規模な保育などを支援することができるようになるという説明もありました。これは、新制度で新たに導入される地域型保育の各事業類型のことですが、これは、定員規模が小さいことを理由に、保育所などに比べて保育者の資格要件の緩和などが国基準に盛り込まれ、その結果、施設、事業によって保育に格差が持ち込まれることになってしまいました。小規模保育のC型については、国基準で研修を修了すれば無資格者でも可などとしています。
 どんな施設、事業でも子供の保育を等しく保障するために、本来、全ての事業で保育者は保育士資格とするべきではないでしょうか。僻地保育所は、新制度でこの小規模保育事業や地方裁量型認定こども園への移行が考えられているということですが、現在は全て保育士が保育をしているという状況が後退する心配はないでしょうか。
 そこで、再質問いたします。
 まず、新制度そのものについての問題です。
 市町村に認定を申請することになりますが、この認定については申請からどの程度の期間で行われることになるのでしょうか。緊急に保育が必要になった場合は、どう対応されるのでしょうか。
 また、市町村が利用調整、あっせんすることになっていますが、希望に応えた保育所などへの入所が保障されるのでしょうか。保育所を希望したけれど、認定こども園のあっせんになるということはないのでしょうか。
 また、保育料は、現在、市町村が国基準より低く抑えており、全国的には国基準の73.6%です。この保育料が新制度で上がらないのかどうか、この点をお答えください。
 もう1つは、今議会に提案されている議案第133号、認定こども園の認定の要件に関する条例の一部を改正する条例案に関係することです。
 これは、これまでの幼保連携型認定こども園を新しい単一の施設とするこども園の認定基準を定めるものです。認定こども園には、3歳以上の教育時間4時間の子供──1号認定とされるものです──と、3歳以上で8時間ないし11時間の保育を必要とする子供──2号認定です──を一緒に教育、保育することになります。もちろん、3歳未満の8時間ないし11時間の保育を必要とする子供──3号認定──も保育をします。この4時間、8時間、11時間という子供たちを集団保育することは大変負担が大きく、この場合、国基準で学級定数が35人となっており、県条例もそのままとなっていますが、こうした子供たちを一緒に保育する学級が35人というのは多過ぎるのではないでしょうか。
 また、国基準では、1号認定の子供の食事提供は園の判断、2号認定の子供の食事は外部搬入を容認するとなっていますが、全ての子供に自園調理方式による給食を提供すべきではないでしょうか。この点について、福祉保健部長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 子ども・子育て支援新制度についての御質問で、認定についての期間等でございますが、支給認定に係る結果通知につきましては、子ども・子育て支援法で、申請日から30日以内に行うこと、また30日を超える場合には、処理見込み期間及びその理由を通知することとされております。なお、緊急に保育が必要になった場合には、支給認定を待たずに保育所等を利用できる扱いとなっております。
 希望する園への入所につきましては、保育所等を利用するに当たっては、市町村が申請者の希望や保育の必要性、施設の利用状況等に基づき調整し、施設に対して利用の要請を行い、施設としては受け入れすることが前提となっております。
 また、保育料につきましては、市町村が現行制度の保育料の水準をもとに現在検討されているところですが、最終的には、市町村の予算編成の過程を経て決定されることとなります。
 次に、認定こども園に係る条例案についてでございますが、1学級が35人以下の基準につきましては、国の基準を準用しております。
 一方、職員の配置につきましては、3歳の子供に対しておおむね20人につき1人、4歳から5歳の子供に対してはおおむね30人につき1人の職員が従事することとなっており、これは現行の認定こども園より高い基準であり、適切な人数と考えております。
 なお、在園時間の違う中での教育、保育については、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の中で配慮すべき事項として示されており、県としましては、要領に基づき、1日の生活リズムを整え、保育内容を工夫していけるよう、従事職員に対する研修等を行っていきたいと考えております。
 また、自園調理による給食の提供についてですが、幼保連携型認定こども園には、基本的に調理室を備えなければならないとしております。満3歳以上の園児に対する食事については、衛生面、栄養面等、業務上必要な体制及びアレルギー等への配慮がされていることなど、一定の条件を満たせば園外で調理し搬入することができるとしたものであり、問題はないと考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 答弁をいただきました。
 新制度が始まって、いろいろな施設、事業が複雑になるし、保育料もなかなかまだ決まっていないというようなことで、もう来年から実施されるという中では、本当に保護者の皆さんや県民の皆さんにとって混乱をしているのではないかなあと思います。
 そういうもとで、やはりいい保育を願うものなんですが、児童福祉法24条1項に基づく保育所──公立も私立も含めてですが、市町村の保育実施責任のもとでの保育所をもっと太く貫くことこそが私は大事ではないかと思います。さまざまな施設、事業の中でも保育の格差を持ち込まず、子供の権利を保障することこそ、この点から制度への対応を考えることが大事ではないでしょうか。
 また、条例案については国基準でよいという答弁でしたが、しかし、これは県条例で決められるわけで、幾つかの政令市などでは基準を上乗せした条例、例えば3歳児の1学級を20人以下とか25人以下とかと定めるところ、また食事の外部搬入は認めず自園調理とするというところがあります。こうした条例にすべきだと考えます。この条例については、また委員会の中でも議論をしていきたいと思いますので、この質問については要望にさせていただきます。
 次、3つ目は、地域包括ケアシステムの構築における高齢者向け住宅の確保についてお尋ねをいたします。
 地域包括ケアは、住まいを基本に、医療、介護、予防、生活支援サービスが切れ目なく提供される体制と定義をされています。住みなれた地域で最後まで暮らし続けたいという願いを実現するために、2025年まで中学校区を単位に整備する課題とされています。
 この地域包括ケア構想には、二面性があると考えています。自助や互助の考え方を基本に、脱施設・在宅偏重型のシステムとして設計されているのではないでしょうか。今、高齢化の進展、貧困、社会的孤立の広がりのもとで、地域の自助・互助の機能そのものが弱体化して、住みなれた地域で暮らし続けることそのものが困難になっています。医療、介護、社会保障の充実があってこそ、安心して住み続けることができるのではないでしょうか。
 そこで、先に県土整備部長にお尋ねをいたします。
 地域包括ケアシステムの中で、住まいの1つとしてサービスつき高齢者向け住宅が位置づけられていますが、それはどういったものでしょうか。入居すれば、月々、費用はどれくらい必要でしょうか。また、サービスつき高齢者向け住宅に入居できない所得の少ない方への対策について、どのように考えられているでしょうか。県土整備部長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) サービスつき高齢者向け住宅は、床の段差解消や手すり設置など、バリアフリー構造を備え、安否確認や生活相談のサービスを提供する高齢者向けの民間賃貸住宅等で、一定の基準を満たすものが登録されており、県内には83施設、2100戸あります。
 費用については、民間事業者によって運営されるため各事業者によりさまざまですが、県内の登録施設では、家賃、共益費と必須のサービス費を含めて約3万円から12万円となっております。
 サービスつき高齢者向け住宅に入居できない所得の少ない方々については、公営住宅としてバリアフリー化されたものや高齢者に特化したシルバーハウジングがあり、低廉な家賃で入居が可能です。また、自宅をバリアフリー化するための住宅金融支援機構の融資制度もあり、入居される方々の事情に応じて選択できるようになっております。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、高齢者施策から見て、サービスつき高齢者向け住宅に入りたくても入れない場合、どのような支援があるでしょうか。介護保険制度改正で、要介護1・2の方の中で今後入所できなくなる人への対応をどのようにお考えでしょうか。福祉保健部長にお尋ねします。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 高齢者施設には、低所得の方が入所できる施設として、特別養護老人ホームのほかに、社会福祉法人等が運営する軽費老人ホームや、経済的理由及び環境上の理由により自宅での生活が困難な方が市町村を通じて入所できる措置施設の養護老人ホームがあります。
 議員御指摘の特別養護老人ホームの入所要件から外れる要介護1または2の方は、現在、入所者全体のうち1割未満であり、やむを得ない事情があれば特例的に入所が認められることから、影響はほとんどないものと考えております。
 また、今後、介護が必要なひとり暮らしや認知症の高齢者の増加が見込まれることから、県としましては、高齢者が引き続き安心して暮らせるよう、経済条件や個々の希望等に沿った高齢者施設等の計画的な整備を進めてまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 最後に、要望をさせていただきます。
 高齢者施設を計画的に進めていくということで福祉保健部長が答えていただいたんですが、住まいというのは施設だけでなくて在宅も含めて、この地域包括ケアシステムの中で住まいをどうしていくかと考えた場合、先ほど県土整備部長が答えてくださった中で、シルバーハウジングとか公営住宅を高齢者の皆さんも利用できたりするように、今後、そういった面も含めて、やっぱり住まいを、安心して低い所得の場合でも入居できると、そういったことをぜひ施策の中で広げていただきたいと思います。
 ほかにも、地域包括ケアシステムは、住まいのことだけじゃなくて、やはりこれを市町村が中心にやっていくという中では、非常に心配するのが、いろんなサービス提供ができたりできなかったり、いろいろその市町村によって状況があると思うんです。例えば、訪問介護事業所というのはなかなか人手不足で大変だったり、経営の問題もあります。また、ずうっと議会でも問題になっておりました介護職員の待遇の問題も、再々問題になってきたところですが、そんな深刻な人手不足が横たわっている中で、このケアシステムが本当に機能していくのか、そういったところが非常に心配なところです。
 そういう中で、24時間の定期巡回サービスなんかが本当にやっていけるのかとか、そういう問題で、国の予算削減ありきの在宅化ということでなくて、住まいの確保のため、そういったサービスが十分提供できるためにも、市町村と一緒になってぜひ進めていって取り組んでいただきたいということで、最後に、絵に描いた餅にならんように、やっぱり終わることのないようにしていただきたいなということを要望して、この質問は終わらせていただきます。
 最後に、4点目です。生活困窮者の自立支援についてお尋ねします。
 2013年12月に生活困窮者自立支援法が成立しました。保護に至る手前の困窮者に就労支援を行い、生活保護からの脱却を促す仕組みです。厚労省は、「生活保護に至る前の段階の自立支援策の強化を図るため、生活困窮者に対し、自立相談支援事業の実施、住居確保給付金の支給その他の支援を行うための所要の措置を講ずる」としています。
 生活保護からの追い出し、水際作戦にならないか、不安の大きいところです。県としてどのようにお考えでしょうか。福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 生活困窮者自立支援法につきましては、生活困窮者に対し、生活保護に至る前の段階で自立支援策を強化し、自立相談支援や就労支援等を実施することで困窮状態からの早期脱却を図るものであり、平成27年4月1日から施行されることになっています。
 こうしたことから、県では、来年4月からの円滑な制度の施行に向けたモデル事業を実施するなど、体制整備を進めております。具体的には、各振興局に相談員を配置し、町村にお住まいの経済的にお困りの方への相談対応を行うとともに、就労支援が必要な方には、就労支援員がハローワークに同行するなど求職活動を支援しております。
 県としましては、町村や社会福祉協議会、民生委員等関係機関との連携を強化することで、生活困窮者の自立に向けた支援が確実かつ適正に実施されるよう取り組みたいと考えております。また、各市に対しては、制度の円滑な実施に向け、担当者会議等、さまざまな機会を通じて助言、指導を行っているところです。
 なお、生活が窮迫している方が相談窓口に来られた場合は、速やかに生活保護につなぐよう、また、その際は生活保護の申請権を確保するよう、保護の実施機関に指導を徹底しているところです。
○副議長(尾崎太郎君) 奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 各振興局に相談員を設置するというようなことで、これを進めて取り組んでいかれるということですが、聞いたところ、その相談員が振興局で1名ずつで、また週4日で非正規の方というようなことになってるので、そういった点ではなかなか、本当にその方を中心に親身な相談をしていくということでは大変な仕事になっていくんじゃないかなあと思いますので、その点も今後、実際にする中でぜひとも考えていっていただきたいなというふうに思います。
 最後に、要望ですが、滋賀県の野洲市の資料で、こういう立場でやっていただけたら大変いいなあということで、御紹介を含めて要望させていただきます
 この生活困窮自立支援法の意義ということでは、生活保護に至っていない生活困窮者に対する第2のセーフティーネットを全国に拡充し、包括的な支援体制を創設するものと、野洲市の資料の中でありました。
 制度の目指す目標というのは、本人の内面から湧き起こる意欲や思いが主役となり、支援員がこれに寄り添って支援すること、本人の自己選択、自己決定を基本に、経済的自立のみならず、日常生活自立や社会生活の自立など、本人の状態に応じた自立を支援すること、生活困窮者の多くが自己肯定感、自尊感情を失っていることに留意し、尊厳の確保に特に配慮する、そして、生活困窮者の早期把握、見守りのための地域ネットワークを構築し、包括的な支援策を用意するとともに、働く場や参加する場を広げていく、生活困窮者が社会とのつながりを実感しなければ、主体的な参加に向かうことは難しい、支える、支えられるという一方的な関係ではなく、相互に支え合う地域を構築すると、その資料の中で書かれています。
 県としても、このような立場で取り組まれていると思いますが、ぜひ県民へのさらにわかりやすい周知徹底をよろしくお願いして、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾崎太郎君) 以上で、奥村規子さんの質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕(拍手)
○中本浩精君 ただいま議長より御指名賜りました中本浩精です。よろしくお願いいたします。
 伝統と歴史のある和歌山県議会におきまして、私は、ただいまから初めての一般質問をさせていただく機会を与えていただきました。質問させていただけるのも、ひとえに先輩・同僚議員の皆様の御配慮、そして、ことし3月の和歌山県議会議員補欠選挙橋本市選挙区におきまして、市民の皆様の温かい御支援をいただいたおかげでございます。この場をおかりいたしまして、厚く御礼申し上げます。
 県民の皆様の負託に応えられるよう、上杉鷹山公の「なせば成る、なさねば成らぬ何事も、成らぬは人のなさぬなりけり」という言葉を心に刻み、一歩、そしてもう一歩前へと強い信念を持って、我がふるさと和歌山県発展のために、微力ではございますが、日々努力、精進してまいりたいと思います。これからも、皆様方におかれましては、より一層の御指導、御鞭撻賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に従いまして質問に入らせていただきます。元気よくさせていただきたいと思います。夢が持てるような前向きな答弁をいただけたら非常にうれしく思います。よろしくお願い申し上げます。
 1項目め、本県の競技力向上に向けたジュニア層の育成について、1点目、国体後も見据えたジュニア層の育成についてお尋ねいたします。
 いよいよ、本県で開催される紀の国わかやま国体まで丸1年となりました。男女総合優勝という大きな目標に向け、選手の皆さんも厳しい練習を積み重ねていると聞いております。和歌山選手団の皆さんは、「チーム和歌山」を合い言葉に、心を1つにして目標に向かってぜひ頑張っていただきたいと思います。期待しています。
 さて、21世紀を担う子供たちが夢と希望を持って社会へ大きく羽ばたいてほしいと思うのは、誰もの願いであります。私は、少年野球の指導者をさせていただいておりましたが、このジュニア期というのは非常に難しい時期でございます。理論を言っても、なかなか体力面とか精神面でついてこれない、これが現状であります。
 その経験上、ジュニア期の指導は本当に重要だと思います。それは、子供たちは無限の可能性を秘めており、やる気を引き出してあげなければならない時期がジュニア期だと私は思います。そのためには、指導者や練習環境の確保など、課題も多くあると思いますが、国体後も見据えたジュニア層の育成についてどうお考えか、教育長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) ただいまの中本浩精君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 来年、和歌山で開催される紀の国わかやま国体に対する県民の期待や関心が高まりつつある中、ぜひとも男女総合優勝をかち取りたいと思っております。
 また、国体以降の競技力の維持向上とともに、本県スポーツのより一層の活性化に向けて、議員御指摘のとおり、ジュニア層からの指導は大変重要となってきます。そのためには、まず指導者の指導力を高めていく必要があると考えております。
 県教育委員会では、地域におけるジュニア層からの指導の充実を図るため、県体育協会とも連携を密にし、指導者の資質向上に向け、スポーツ少年団や総合型地域スポーツクラブなどの育成・支援に努めるとともに、現在実施している日本トップクラスの指導者からコーチングを学ぶチーム和歌山コーチ塾などの研修会をより一層充実させ、資質向上に取り組んでまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 御答弁いただきました。国体後も前向きなお取り組みをいただけるということがよくわかりました。
 私は、少年野球の指導を通して、多くのことを子供から学ばさせていただきました。その中でも、ジュニア期においては、子供たちと同じ目線で子供の立場を理解し、子供たちに負けないぐらいの明るく、楽しく、元気な姿勢で子供たちと一緒に取り組むことが、子供たちのやる気と可能性を引き出すことができると、私は体験上、実感しました。あくまでも私の体験ですので、一概には言えないかもわかりませんが、県教育委員会におかれましても、無限の可能性のある子供たちのやる気を引き出していただけるような今まで以上のお取り組みをよろしくお願いいたします。
 1点目、終わらせていただいて、2点目に入らせていただきます。
 2点目は、ゴールデンキッズ発掘プロジェクトについてであります。
 競技力向上に向けたジュニア層の育成については、指導者の資質向上が大切だと私も思います。と同時に、すぐれた運動能力を持った子供を発掘、育成することも、競技力向上を考えた場合、大事だと思います。2020年東京オリンピック・パラリンピック開催を契機に、各都道府県では、ジュニア期からのタレント発掘、育成を始める動きが出てきています。
 和歌山県では、ずっと以前から、ゴールデンキッズ発掘プロジェクトというすばらしい事業を積極的に進めていただいております。私が少年野球の指導にかかわった子供の中にも、ゴールデンキッズに選ばれた子供がいました。その子は、その後、中学校、高等学校でも中心選手として活躍しています。
 ゴールデンキッズは、発達段階に応じたさまざまな育成プログラムを実施していると聞いていますが、具体的にどのような取り組みをしているのか、またこのプロジェクトの成果について、教育長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) ゴールデンキッズ発掘プロジェクト事業は、ジュニア層の競技力向上施策として、和歌山から世界の舞台で活躍できる競技者を育成する目的で実施しております。
 本プロジェクトは、各種の体力測定により県内のすぐれた素質を有する子供たちを早期に見出し、関係団体と連携協力を図りながら、身体能力を高めるプログラムだけでなく、すぐれた競技者に求められる栄養管理のあり方を学ぶプログラムなど、小学校4年生から6年生まで実施しております。
 本事業は、平成18年度から始め、ことしで9年目を迎えております。昨年度は、ゴールデンキッズの修了生の中から、日本代表として4名が国際大会に出場を果たしました。また、国体や全国高校総体等においても多数出場し、活躍をしました。
 本県からすぐれた競技者を輩出することは、県民に夢と感動を与えるとともに、彼らが競技生活を終えた後も、すぐれた指導者としてジュニア層を指導、育成するという好循環の確立につながります。今後とも、スポーツ振興及び競技力向上という観点から、ジュニア層の育成を重視した計画的、継続的な取り組みを進めていきたいと考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ゴールデンキッズ発掘プロジェクトのお取り組みの内容、そして成果について御答弁いただき、よくわかりました。ありがとうございます。
 ジュニア層が明るく、楽しく、元気よく、目標に向かって一生懸命取り組むことで、和歌山県全体が元気になります。スポーツには、人々やまちを元気にするパワーがあります。先ほども触れましたが、6年後の2020年には、東京でオリンピック・パラリンピックが開催されます。世界中の200以上の国と地域からトップレベルの競技者が集まり、力とわざを競い合う最高の舞台です。その舞台に和歌山県の出身者がたくさん出場してくれることは、私を含めた多くの県民の喜びであり、また誇りでもあります。ぜひとも、今後の本県の競技力向上を含めたスポーツ振興を図るため、ハード・ソフト面での取り組みをより充実させていただきますよう、要望といたします。
 最後に、今回はスポーツ分野での質問をさせていただきましたが、エリート集団をつくってくださいという意味ではございません。お願いしたいのは、子供たちにとってジュニア期は、さまざまな分野において非常に大切な時期です。子供たちの明るい将来に向けて、ジュニア期に1人でも多くの子供が夢と希望が持てるよう、県教育委員会におかれましても、各教育分野で御指導、御尽力いただきますように、よろしくお願いいたします。
 以上で、1項目めを終わらさせていただきます。
 次に、2項目め、道路整備について。
 まず、1点目、国道371号バイパスの進捗状況と今後についてお尋ねいたします。道路に関しましては、できるだけ早期に完成していただきたいとの思いだけですので、お聞きすることは極めてシンプルです。
 国道371号バイパスの仮称・新紀見トンネルにつきましては、大阪府と合意がなされ、今年度から事業化されたところです。また、新紀見トンネルの完成に合わせて大阪府側の残る区間も完成するよう大阪府に対し働きかけることが、これから最も重要であると考えます。
 このような中、新紀見トンネルと大阪府側の進捗状況や今後の取り組みについて、また、和歌山県側の橋本バイパスが暫定2車線で供用が開始されましたが、残る4車線完成に向けた進捗状況について、県土整備部長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 国道371号仮称・新紀見トンネルにつきましては、橋本市柱本から河内長野市天見までの府県境をまたぐ2.1キロメートルを和歌山県側から一連で施工することとし、府県間の費用負担や役割を定めた基本協定を本年3月31日に締結するとともに、今年度より事業化しました。今年度はトンネル設計を進め、平成27年度の本体着工を目指したいと考えております。
 一方、河内長野市の石仏から新紀見トンネルを含む府県境までの6.1キロメートルにつきましては、大阪府において平成4年度に石仏バイパスとして事業化され、平成15年3月に石仏から岩瀬間の1.8キロメートルが供用されております。続く岩瀬から天見までの1.9キロメートルにつきましては、これまでに4本のトンネルのうち既に2本が貫通し、橋梁につきましては9橋のうち7橋が完成しており、今後、平成20年代後半の供用を目指して残る工事を進めているところです。
 さらに、天見からの約1キロメートルにつきましては、新紀見トンネルの完成におくれることのないよう、引き続き大阪府に対して事業推進を強く働きかけてまいります。
 また、橋本バイパスにつきましては、本年6月16日に、御幸辻から京奈和自動車道橋本インターチェンジ間の1.7キロメートルは4車線で、三石台から御幸辻間の1.3キロメートルは暫定2車線で供用を開始しました。現在、残る橋梁工事やのり面工事等を進めており、今年度末の全線4車線完成に向け、鋭意努力してまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 ありがとうございます。
 この質問に関しましては、先輩議員が幾度となく質問していただいております。また、知事のほうからも、毎回、前向きな御答弁をいただいております。そのおかげをもちまして、橋本バイパスの供用開始、仮称・新紀見トンネルの平成31年度をめどに完成と、事業を進めていただいております。本当にありがとうございます。
 皆さんも御存じのとおり、和歌山県の東の玄関口、橋本市の将来にとって、とてもとても大事な府県間道路です。答弁でもいただきましたが、トンネルの開通と同時に大阪府側も供用を開始できるよう、地元住民は完成を心待ちにしています。この5年間の中で何とか大阪府側へ供用を開始できるよう、もしよろしければ知事の熱い思いをいただけますか。
○副議長(尾崎太郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 熱い思いを語らしていただきます。
 国道371号を初めとした府県間道路の整備については、これは和歌山にとって大事なことであるとともに、大阪にとっても大変大事なことで、ひいては関西圏復権の重要な武器であるというふうに思いまして、その旨も含めて、太田知事、橋下知事、松井知事に繰り返し直接働きかけをしてきたところであります。
 この371号については、橋下知事の時代に、優先順位をつけてきたらやってあげるという話があって、私どもで工夫をして、こうすればいけるじゃないかと、同じ予算でといって提案というか、回答をしたところなんですが、そしたら「うっ」と言って、「やっぱりお金がないのでごめん」という話になりまして、それで大変不愉快な、あるいは残念な思いをしたところもありました。
 その後も、怒っていてもしようがないので、今のようなことをずっと説いてきたところでありまして、かつ、私だけじゃなくて、県の担当の県土整備部の諸君も、それぞれのつかさつかさでカウンターパートにいろいろ働きかけをしてくれました。橋本市も、もちろん頑張られたところであります。
 その結果、御指摘のように、ようやく和歌山県側から紀見トンネルを掘ろうということで合意ができました。非常に喜ぶべきことだと思っております。これは大体いつごろまでというようなめどが立っておるんでございますが、問題は、その向こうの大阪府側、今、部長から答弁いたしましたが、途中まではできるとして、特に天見からトンネルまでの間、これがきちんとできてしまわないと、この道路の持つ意味が少し減殺されるわけでございます。
 したがいまして、今後とも、ぜひ早く完成するように、これはどうも大阪府の意思決定によるもんですから、こちらとしては説得をするしかないんでございますが、考えてみますと、実は京奈和道路が先に完成します。そうすると橋本のほうは、例えば大阪へ行くときに京奈和道路を使って河内長野をバイパスして行くことすらできるわけでございます。河内長野のほうは、逆にここがネックになってるとせっちん詰めになるということになります。
 そういうことがどうしてわからんかなあというふうにも思うところはございましたけれども、そういうことをお話しすれば、わかっていただいて、早くやってくれるんじゃないか、そういう期待のもとに、今後とも頑張って説得をしてまいりたいと考えております。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 知事、どうもありがとうございます。よろしくお願いしたいと思います。本当にトンネル完成、先には道があったと言えるように、これからもよろしくお願いいたします。
 次、2点目へ入らせていただきます。
 2点目は、県道山田岸上線及び県道山田御幸辻停車場線の進捗状況と今後についてお尋ねいたします。
 県道山田岸上線及び県道山田御幸辻停車場線については、順次整備されていることと思いますが、これらの道路は、橋本市西部地域の重要な生活道路であり、地元では西部地域幹線道路と呼び、整備促進協議会をつくって熱心な活動をしていただいております。そのため、協議会など地元の方々の意見を十分に聞いていただいて整備を進めていただきたいと思っています。
 そこで、この2路線の整備の進捗と未整備区間の整備方針について、県土整備部長にお尋ねいたします。よろしくお願いします。
○副議長(尾崎太郎君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県道山田岸上線の整備につきましては、JR和歌山線の北側から京奈和自動車道の側道までの510メートルの区間において平成22年度から事業着手しており、既に用地取得がおおむね完了し、現在、工事を進めているところです。また、京奈和自動車道の側道から北側の220メートルの区間につきましては、既に用地取得は完了し、現在、道路拡幅等の現道対策の工事を進めています。
 県道山田御幸辻停車場線の整備につきましては、菖蒲谷地区の340メートルの区間において平成23年度から事業着手しており、現在、用地取得を進めながら一部工事に着手しています。
 いずれの区間につきましても、残る用地取得と工事を進め、早期完成を目指してまいります。
 また、残る未整備区間につきましては、地元の方々の御意見も伺いながら、狭隘な箇所の早期整備に努めてまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 どうか、地元では西部地域幹線道路と呼んでおりますが、本当に地元の皆様と協議していただいて、よろしくお願いいたします。
 以上で、2項目めを終わらせていただきます。
 次に、3項目め、大河ドラマ「真田丸」の決定を受けた観光振興について。
 1つ目、大河ドラマ「真田丸」に向けた認知度向上策についてお尋ねいたします。
 平成26年の世界遺産登録10周年、平成27年の紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会、高野山開創1200年と、和歌山県が注目されるイベントが続きますが、引き続き多くの方に来県いただくような手だてが必要だと思います。
 そのような中、平成28年のNHK大河ドラマが「真田丸」に決定しました。地元九度山町は、大いに盛り上がっています。来年、国体等で和歌山にお越しいただいたとき、真田幸村ゆかりの地を知っていただいた上で大河ドラマを見て盛り上がって、再度御訪問いただき、周辺地域もあわせて観光いただければと思います。
 前6月議会、また今議会でも、知事も、大河ドラマ「真田丸」を取り上げ、和歌山の魅力を大いに売り出したいと述べられ、県もいろいろ対応を進めていただいていると思います。
 ただ、懸念しているのは、真田幸村という武将や幸村が活躍した大坂冬の陣・夏の陣の認知度は高くても、幸村が高野山や九度山で、彼の49歳と言われる人生のうち14年余りという長い年月を過ごしたという史実を知っている方は、歴史に興味があり詳しい方は別として、大河ドラマの視聴者にはほとんど認知されていないのではないかと思います。
 認知度が低ければ、当然、地元への誘客効果にも大きな影響が出てくると考えますが、大河ドラマ「真田丸」放映に向けた認知度向上策について、商工観光労働部長にお尋ねします。よろしくお願いします。
○副議長(尾崎太郎君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 議員御指摘のとおり、県といたしましても、幸村ゆかりの地が九度山町や高野町にあることの認知度を高めることが重要であると考えております。
 最も効果があるのは、ドラマ本編や本編に続くゆかりの地紹介のコーナーで多くの時間を充てて放映してもらうことであり、これについては、ドラマ決定の発表がなされた直後の7月初旬に、知事がNHK会長を初め役員を訪問し、依頼を行ってきたところであり、今後も、NHKやドラマ制作関係先に対する依頼活動を継続して行ってまいります。
 また、先日、9月14日から始まった和歌山デスティネーションキャンペーンに係る情報発信に際し、発表以降、大都市圏の旅行会社やメディア訪問時にトピックスとしてドラマ決定や幸村ゆかりの地を紹介するとともに、8月中旬に実施した雑誌、新聞等のメディアを対象としたプレスツアーにおいては、幸村が最初に隠棲した真田家菩提寺の蓮華定院をコースに組み込むなど、既に認知度向上に努めております。
 加えて、来年の高野山開創1200年に係るさまざまな情報発信に際しても、高野山や周辺地域の魅力にあわせて幸村ゆかりの地を継続してアピールしていくことで、大河ドラマ放映に向けた認知度向上を積極的に図ってまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 今後も、認知度向上に向けてよろしくお願いいたします。
 次に、2点目、大河ドラマ「真田丸」を活用した現在の取り組み状況、今後の計画についてお尋ねいたします。
 大河ドラマを活用した具体的な誘客策ですが、現在放映されている「軍師官兵衛」に関しては、姫路市などで構成される事業推進主体が誘客拠点として姫路城前の公園内に仮設構造物を建ててドラマ館として運営し、多くのお客さんでにぎわっていると報道されておりました。また、姫路市を初め、中津市や長浜市などの自治体においても、集客拠点とゆかりの地を結んで周遊を促進するさまざまな取り組みがなされていると聞いております。
 真田幸村に関しては、ゆかりの地である九度山町や高野町が誘客の中心となるのは当然とは思いますが、そこだけで完結するのではなく、周辺地域も含めて広くお客様を誘導していくような仕組みづくりが必要なのではないかと考えております。また、知事も、記者会見などで、広域的な観光振興を図っていくとの方向性を述べられています。
 そこで、大河ドラマ「真田丸」を活用した観光振興策について、現在の取り組み状況や今後の計画について商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○副議長(尾崎太郎君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 大河ドラマ「真田丸」を活用した観光振興策でございますが、県では、ドラマ発表後、直ちに、大河ドラマを活用した誘客に取り組んでいる自治体に対し、調査を実施しております。具体的には、現在放映中の「軍師官兵衛」における姫路市、福岡県庁など5カ所、来年の「花燃ゆ」における萩市、山口県庁など5カ所を訪問し、事業推進主体、事業内容、あるいは実施に伴う課題など、ヒアリングと現地調査を行い、現在、事業の基本計画を策定しているところです。
 計画策定に当たっては、集客拠点の必要性についても検討しているところですが、議員御指摘のとおり、県の取り組みにおいては、幸村ゆかりの地である九度山町や高野町だけに誘客をとどめるのではなく、根来寺、和歌山城など、戦国時代の歴史に登場する資産を結びながら、さらに周辺観光スポット、体験プログラム、食といった魅力を絡め、また京阪神からのアクセスが便利なことや京奈和自動車道の延伸などの利点を強くアピールしていくことで、紀の川流域エリアを中心とした広域的な誘客と消費の促進を図ることとしております。
 今後、関係市町村、経済団体、交通事業者等とも十分協議しながら事業推進主体を立ち上げるとともに、来年度当初から本格的な事業実施が可能となるよう、準備を遅滞なく進めてまいります。
○副議長(尾崎太郎君) 中本浩精君。
  〔中本浩精君、登壇〕
○中本浩精君 非常に前向きな答弁をいただきました。ありがとうございます。
 本当に、周辺地域、伊都・橋本地域の魅力を十二分に発掘していただいて、今後も県が全面バックアップしていただき、地域発展の起爆剤になるよう事業を進めていただきますことをお願い申し上げまして、3項目めを終わらせていただきます。
 前向きな御答弁、たくさんいただきました。本当にありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(尾崎太郎君) 以上で、中本浩精君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時28分散会

このページの先頭へ