平成26年6月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


平成26年6月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


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  午後1時0分再開
○議長(坂本 登君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 通告に従いまして、一般質問をさしていただきます。議長のお許しをいただきました。議長、ありがとうございます。
 きょうは、私、まず知事に、県と県下コミュニティーFM局5局との災害協定を結ばれたんですが、そのことについて少しお聞きしたいというふうに、また、知事の考え方を確認さしていただきたいと、こういうふうに思います。
 県と県下コミュニティーFM局5局との災害協定について。
 昨年11月18日、県下5FM局との間で災害協定がなされました。この協定は、災害対策基本法並びに和歌山県地域防災計画に基づくものでございまして、大きなくくりのものでございました。
 これが11月18日に協定された協定書の写しでございますが、(資料を示す)私は、今回交わされた災害協定は、具体的に行動に移すための双方の決意を示したものだというふうに理解さしていただいております。県がFM局に積極的に協力を求めた、こういうことであろうと思います。第6条に、「災害放送に要する費用は、乙の負担とする。」ということは、FM局の負担でやってくださいということですから、FM局は、この協定に基づいて県民に情報を伝えるという責務が発生したわけでございます。
 日ごろから、いつ起こるかわからない災害に備えておくことが非常に大事でございます。災害が起こったとき情報を得る手段は、テレビでもなく、携帯電話でもありません。持ち運びが便利で電源の要らない携帯ラジオが、まさしく災害情報を伝えるための大きな手段であるということでございます。このことは、阪神、また東北大震災において声高に言われたことでございます。誰もが、災害が起こったときはラジオや、こういうふうに思うわけでございますが、しかし、人間のさがというのは悲しいもんで、時が過ぎていきますと、この災害が起こったときはという感覚がだんだんだんだん薄れてまいります。過ぎ行く歳月が、あの緊張感を忘れさしてしまうわけでございます。
 今、非常用持ち出し品を用意している御家庭は何軒ありますか、ラジオを身近に置いている人は何人いますか、そのラジオを聞けるようにしている人は何人いますか、いつもラジオを聞いている人は何人いますか、こういうふうに私は自問自答するのでございます。これらを考えていくと、私たちの、FM局の果たす役割というのがおのずと見えてくるのでございます。
 ふだんからラジオを聞いていただく習慣をつけていただく、これが災害時の情報を得る最も大切なものであろうと思っております。ふだん何もラジオを聞いてない、ラジオすら持ってない人が情報を得ようとしても、それは無理な話でございます。特にお年寄りの場合は、ラジオを持っていても、FM局に、また、その局の周波数に合わすということはまあできないと。
 私どものほうにも、よく来られる方がおられます。ラジオを持ってくるんです。「ラジオが出てきたんやけども、うちのラジオ、FM局、入れへんのよ」と、こない言うて来てくれるんですが、よく見たらAMになっとるんです。AMで一生懸命、周波数を──私ところは81.6ですが──81.6に合わそうとするんですが、「AMでは無理です。FMにやってくださいよ」と。それで合わしていただいたら、「ああ、聞こえるわ、このラジオ」と、こういうことなんですね。ですから、ふだんからラジオを聞く習慣をつけていただく。
 もう1つは、FM局としての責務は、より大勢の人にラジオを配布する、または買っていただく。身銭を切って補助金を出してでも、より多くラジオを持っていただく、こういう仕事をやっていかなければならないと。これは、FM局はもちろんのこと、自治体の責務ではないか、こういうふうに思うわけでございます。災害時に、県、FM局は、あらゆることを想定して二重、三重に事に備えなければなりません。
 そこで、私はお聞きしたいのですが、災害協定締結で、県は、コミュニティーFM局に何を期待していただいてるのか。
 私どもFM局県下5局は、相互協定をしております。災害時にどういうふうにするんか。特に、和歌山から始まって、紀伊半島、紀南のほうに向けてある4局は、津波の被害を受ける可能性のある地域にあります。そういう意味では、私ども、橋本にありますFMはしもとは、内陸にあるためにそういう心配がない。いざというときには、ひょっとしたら橋本からいろんな情報を流すことになるかもわかりません。そういう意味で、相互協定をさしていただいております。
 まず1点は、知事から、災害協定締結で県はコミュニティーFM局に何を期待していただけるのか。何をせえというふうに言っていただけるんかと。
 もう1つは、県とコミュニティーFM局のそれぞれの役割についてお伺いしたいと思うのでございます。
 以上が、知事に対する質問でございます。よろしくお願いします。
○議長(坂本 登君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 災害時に重要なことは、県民の生命、財産を守るための情報を伝えることでありまして、あらゆる手段を使って情報伝達することが必要不可欠だと思います。
 このため、県では、ほかにということなんですが、防災わかやまメール配信サービスとか、エリアメール、緊急速報メールの配信とか、防災情報の地上デジタルデータ放送などにより防災情報伝達の多重化を図っており、この一環として、コミュニティーFM放送局とは、防災情報発信の多重化のための災害時における放送要請協定を締結したところであります。
 災害時においてコミュニティー放送局に期待するところでございますが、何せコミュニティーFM放送局は機動性や即応性が高い、それから地域性が高いということでございますから、住民に対して、地域に特化したきめ細かな情報を小まめに発信する地域密着型の媒体としての役割を期待しております。
 それぞれの役割なんでございますが、議員御指摘のように、何せ今回の協定は、費用は乙、すなわち放送局負担でございます。つまり、ただで協力していただくわけでございます。それならば、機嫌よく協力してくださいますように、日ごろからケアをしていかないといけません。すなわち、ともすれば、行政でこんなことをいたしますと、協力者のケアを忘れて、何かいざとなったときまでほっとくということがあるかもしれません。そういうのはいけないわけでございますから、日ごろから情報提供、実施のための技術的相談が必要だと思っております。
 現にそういうことをやっておりますが、県としては、コミュニティーFM放送局が災害時にその機能を発揮できるよう、日ごろから今のような十分な意見交換を行いながら、災害時の効果的な情報発信について取り組んでいくつもりでございます。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 ありがとうございます。
 今、知事からお答えいただいたんですが、知事の口からこういうふうにやってもらうんだというふうに言っていただいたことで、私ども、具体的に行動できると思うんです。
 これは要望でございますが、災害協定の中に、連絡者というのは、広報課長を県は決めます。また、FM局は代表取締役社長をその責任者にしますよという、協定の中の条項としてございます。それはもう当然のことでございますが、一朝事あるときは、情報というのはどんな流れ方をするんかというふうに考えました。
 県は、災害が起こったときに、災害対策本部なるものが設置されます。そこで集まってくる情報は県下一円のものでありまして、各コミュニティーFM局にその情報を選別して渡すというのは、とても大変なときに、これはもうできないだろうというふうに考えます。
 しかし、その情報を、それじゃ、無理だということで県が握ってしまうという格好では県民に情報が伝わらないのでございまして、その握った情報をどういうふうな出し方をしていくのか。仮に振興局へ、振興局単位にその情報を渡すのか。集約してしまった情報を全部振興局へ渡して、振興局が自分のところの管内の関係のある情報を集約してFM局へ渡すようにするのか。その辺のところがまだはっきりしておらない。組織的にもできておらないわけでございます。
 そういうことでございますので、私ども不安に思いまして、振興局とコミュニケーションをしっかりととっていかなければならないということでございまして、振興局の広報課と接触をしておりました。私どもの──また直接来ていただいて、放送の仕方を覚えていただくということで、毎週1回、振興局の広報から県の広報、お知らせ等をする番組を1つ持っていただいております。そういうことでなれていただくということが大事でございますし、お互いにコミュニケーションをとることによってそれぞれの情報が伝わりやすくなるんではないか、こういうこともやっとるわけでございます。
 私、きょうのこの質問は、あくまでも私どもの局の事情をお話ししとるんで、FM局5局を代表しての質問ではございません。それぞれの局に違った事情があると思うんですが、共通してるとこも持ち合わしてる。特に、海辺に面してる、海岸に面している4局、エフエム和歌山、FM湯浅、FM TANABE、FM白浜、この4局につきましては、津波という問題もございます。そういう意味では、私どもとまた違った緊迫感というのはおありだというふうに考えております。
 そういう今申し上げましたようなことで、振興局とのコミュニケーションをしっかりとりながら、私どもやってまいりたいと思いますので、県におかれては、その辺のところの事情を考慮していただいて、後押しをひとつよろしくお願いしたいと思います。
 引き続いて、がん対策についてお伺いしたいと思うんです。
 がん検診受診率の向上対策についてでございます。
 まず1点は具体的な対策について、2点目に県下市町村の取り組み方の改善について、それから県民への広報の工夫についてということで、3点お伺いしてまいりたいと思います。
 まず、1点目の具体的な対策についてお伺いします。
 戦後しばらくは結核が死因の第1位だったわけでございますが、有効な化学療法が開発されましたのと、生活環境が大きく変わり、栄養状態等の改善もあり、近年の特徴としては、生活習慣病の中でも、脳血管疾患の低下の中で、がん──悪性新生物──と心疾患の死亡率が非常に高くなっております。
 その中で、がんは早期発見・早期治療が最も有効な手段として、厚労省は、がん検診受診率50%──胃がん、肺がん、大腸がん、子宮頸がん、乳がん──の目標を掲げて推進しております。にもかかわらず、受診率が低調で、中でも胃がんの全国平均は、目標50%に対して受診率が10%でございます。和歌山県も11.1%と、全国平均を上回ってると言うたら上回ってるんですが、1.1%。御多分に漏れず低調でございます。
 ちょっとその数値を紹介さしていただきます。これは平成24年度の受診率の厚労省が取りまとめたものでございますが、和歌山県11.1%、近畿では1番です。そやけど、近畿で1番やからというても、50%目標値に対する11.1%です。しかし、東北のほうは非常に受診率が高いわけで、とりわけ山形県が33.2%、こういう高い受診率になっておりますし、また、肺がんも全国1位で42.2%、また、大腸がんにしたって41.7%、それから乳がん55.6%。
 しかし、この受診率を見ると、女性が関係する子宮頸がん、乳がんの検診率は、どこも高いです。ということは、女性は自分の健康に、体に非常に気を使ってる。その点、男はあかんもんです。男がまざるから、ずっと受診率が低くなるんですね。そういう意味では、男性の受診率を上げることも近々の大きな問題であろうかと思うんです。
 そういうことで、私は第1問として、県は、具体的な対策について、どのようにしたらこの受診率がアップするんかということをお答えいただきたいと。福祉保健部長にお伺いします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 受診率向上に向けての具体的な対策でございますが、がんによる死亡率を減少させるためには、検診を実施することにより、がんを早期に発見し、早期に治療することが大切です。
 県内のがん検診受診率は上昇し、全国平均を上回っておりますが、議員御指摘のとおり、目標の50%には届いておりません。
 そのため、県では、がん検診の大切さを理解し受診していただくために、全てのがん検診対象者一人一人に受診を呼びかける案内文を送付する事業を平成25年度より開始したところであり、今年度は県内全ての市町村で実施されることとなっております。
 さらに、県民一人一人が健康意識を高く持ち、積極的にがん検診を受けていただけるよう、健康推進員制度を創設し、隣近所への受診勧奨を行うとともに、市町村、企業や関係団体と連携し、さらなる受診率の向上を図ってまいります。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 具体的な対策について今お答えいただいたんですが、続いて、県下市町村の取り組み方の改善について質問さしていただきたいと思います。
 最近の検査分野での進歩は、日進月歩でございます。そういう意味から、新しい検査方法というのも出てきております。なぜ新しい検査方法を使っていただきたいなあというふうにこれからお話ししたいと思うのは、この検査方法が割合簡単なんですね。血液から5ミリリットル採血して、男性の場合は5種類の中から4種類を選べる。また、女性の場合は6種類の中から5種類を選んで数値を出してがんのリスクを出すというふうなことでございまして、非常に有効な手段だそうでございます。そういう意味で、私は、こういうのを取り入れることによって受診率のアップにつながっていくんやないかなと、こういうふうにも思うわけでございます。
 ちなみに、県下の市町村の取り組んでいる中での数値を少し御紹介さしていただきたいと思うんですが、胃がん、これ、和歌山県は11.1です。全国は10%です。しかし、胃がんの検査に比べ、肺がん、大腸がん、子宮がん、乳がんというのは、平均が全国的にも高うございます。
 その中で、ずっと表を見ていきますと、非常に受診率の高いところ、34.7%という胃がんに関して出てるところがございます。日高川町です。それから、市のほう、6市ある中で見ますと、紀の川市が突出しておりまして、16.8%。ところが、パイの大きな和歌山市が3.1。和歌山県の平均よりも3分の1やと、こういう数字が出とるんですね。
 ただ、受診率のアップというのを、私、話しとるんじゃありませんで、これは命に関係することです。私の周辺で、「市の検診で命、拾ったよ。命、拾わしてもうたよ」と言う人がちょいちょいおりますが、反対に、「受診率が非常に低かったために、命、落としたよ」と言う人はおりません。しかし、実際、おると思うんです。
 紀の川市に住んどったら16.8の受診率がある、和歌山市に住んどったら残念ながら3.1やったら、この差、どないなるんやろうなと。多くの人ががんの危機にさらされとん違うんかなというふうに思います。
 市長選やら、とにかく首長さんの選挙のときに、私はここへ道路をつけます、ここへ体育館をつけます、市民会館をつけますという公約は、よくある話でございます。これ、向こう受けのする公約でございまして、住民はそれに拍手を送るわけでございますが、仮に「私は、受診率のアップを図ります」と言って公約にした市長さんが果たして当選するやろうか。あんまり向こう受けのしない話でございますが、しかし、反対に「私は、受診率を上げて市民の皆さん方の命を救います」と仮に言ったら、市民はどんな反応を示すのかなというふうに思うわけでございます。
 ここで少し、今紹介いたしました市の中で突出して受診率の高い紀の川市の例について申し上げたいと思うのでございます。これは、山田さんの知らなかった話ですね。紀の川市、御存じ名物市長・中村眞司さんです。この市長、やっぱり日ごろから受診率に関心を持っておられたということです。
 私、この受診率の低いところの首長さんは関心を持ってなかったんかと言われたら、そやないと思うんですが、知らなかったんやと思う。こういう数字を担当が見せないで、市長さん、町長さん、村長さん、これではあかんの違いますかと言うのが市の職員、行政の職員のあり方と思うんやけども、何も言わんから、やっぱり全部見らんなんから、そういうとこまでは目が行き届かんと思うんですよ。
 しかし、中村市長は、新たにがんの検診の対象になる40歳になられた方に手紙を送っとるんですね。900数十通送っとるらしいです。それで、私は、市民の中で、「ああ、市長から手紙もろた。検診、行かなあかん」と思うて行った人が、この16.8%の中に多く含まれとるというふうに思います。
 紀の川市のホームページを見ましたら、実際、こんなやっとる写真まで入ってやっとるんです。(資料を示す)ただ、住民の意識、これが残念なことは、わかっとる。行って、がんや言われたら怖い。そやけど、ほんまにがんになったら、「私、怖いさかい入院せえへんねや」と言う人はおらんわな。やっぱり入院して手術を受けるわけ。そしたら、そんなことをせんでもええように、先に早期発見・早期受診、治療、これをするために、何でもなかっても一遍は診てもらうと、こういうことが大事かなと。それを、住民に行かなあかんと思わせる対策──後にまたお伺いしますが──を打つことこそが、住民の命を救う大事な首長としての務め、また担当者としての務めであろうと思うんですが、この辺について、ひとつ部長にお伺いしたいと思います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 議員御指摘の血液による検査は、アミノ酸濃度による検査であろうと考えておりますが、そのアミノ酸濃度による検査につきましては、今のところ、国のほうで指針として定めている検査項目等には入ってございません。今後、国の指針で市町村の実施する住民検診に位置づけられれば、受診率の向上につながるものと考えられますので、国の動向を把握し、情報を市町村に提供してまいりたいと考えております。
 また、市町村では、がん検診と特定健康診査との同時実施、夜間、土日の実施、それから未受診者への再勧奨などを行っておりまして、県といたしましても、住民ががん検診を受けやすい環境づくりを市町村に働きかけるとともに、他の市町村で取り組んでいる事例等もお示しをして、受診率の向上につながるよう周知していきたいと考えてございます。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 私、中村市長のやってた手紙を出してもらうという方法について、物すごいええ方法やなというふうに思います。このすり合わせというんですか、打ち合わせしてるときに、県の担当の方とも話しましたら、年に1回ぐらいは担当者を呼んで受診率のアップについていろいろお願いをしとるんやと、こういう話でございました。
 首長だけの集まりというのが、知事さん、あるんでしょう。その中でも、知事の口から、こういうことをお願いしたいんやと、アップすることによって住民の命が救われるんやということも、ひとつコメントしていただいたらありがたいなあというふうに思うんです。
 ここで、私から反対に提案ですが、中村市長の話からヒントをいただいたんですが、幾ら担当者を呼んでやっても、担当者に危機感がなかったら、その受講したというんか、勉強したことがそこの行政で反映されないというふうに思っております。そういうことから、私は、ひとつ部長、あなたから県下の首長さん、30人しかおりませんので、直筆で──コピーしたらあかんで──直筆で、受診率アップについて協力してもらいたい、あなたところの数値はこんなんですよということでお願いしてもらいたい。これがどれだけ効果があるかはわかりませんよ。しかし、気づかなかった首長さんが、ひょっとしたら「ああ、そうや」というふうに気づいてくれるかもわからん。そこを期待して、部長さん、出していただけますか。どうですか。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県内の各市町村では、今までもがん検診の重要性というのは認識していただいておりまして、受診率向上に取り組んでいただいているところですけれども、各市町村長さんがより積極的に取り組んでもらえるよう、私からもお願いをしていきたいと思っております。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 やっていくというふうに言っていただきましたので、来年、この受診率がアップしてくるように期待しとるわけでございます。
 続いて、県民への広報の工夫についてということでお伺いしたいと思うんですが、毎年、国が発表するこの検診受診率の数値というのは、和歌山県、そんなに変われへんねんね。徐々にアップしてきとるんかわからんけども、大幅に変わった、よくなったということはないように思います。ずっと数値を見てまいりますと。
 そういう意味から、私は広報のあり方について、今までどおりやっとったら、今までどおりだけの数値しか出ないん違うかと。県民への広報は、もっとインパクトのあるものでなけりゃいかんというふうに思います。「検診を受けましょう」と、これでは私は検診に行く気にならん。これは、もう自分のことは自分で対処せないかんのですよ。自分が病気になって、「県が積極的に言うてくれへんだから、私、病気になった」と、そんなことは言えないわけでございますが、行政として県民の命を救うんだという危機感があれば、もっと違った広報のあり方というのがあるんではないかということを申し上げたい。
 ここで、県民への広報の工夫について御答弁いただきたいと思います。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県民への広報の工夫についてでございますが、県では、「県民の友」の特集記事やテレビ・ラジオの県広報番組でがん検診の受診を呼びかけてまいりました。また、パンフレット「みんな受けようがん検診」を作成し、がん検診受診促進企業の協力を得て、顧客、従業員等へ配布するとともに、県内事業所約4万カ所に対し、広報を実施しております。
 さらに、スポーツ番組の中継時に合わせたテレビスポットやパネル展示、講演会を実施するなど、がん検診の広報に努めるとともに、本年3月には、新たにインターネットサイト「わかやまがんネット」を開始し、県民によりわかりやすくがん情報を提供しているところです。
 また、先ほど議員から御質問のありましたコミュニティーFMの関係の中で、そういった媒体を利用しての広報というのもやっていただければというふうなことも考えてございます。
 また、このような広報に加えまして、本年度、がん検診対象者一人一人の受診意識を高めるために、県内全ての市町村とともに、がん検診対象者に個別受診案内文を送付する予定です。
 今後とも、さらに工夫を重ね、がん検診受診率の向上に努めてまいります。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 お答えいただきまして、ありがとうございます。
 さらなる県民への広報を工夫していただいて、ことしよりは来年、来年よりは再来年がよりよいものになっていくように、ひとつよろしくお願いいたしたいと思います。
 次に、認知症対策についてお伺いしたいと思います。
 人の寿命が伸びることにより、いろんなことが起こってまいります。かつて何十年前は寿命が短かったもんですから、認知症というのが科学的にまだわからなかったんかもわかりませんが、認知症という人が余りおらなかったんじゃないか。もう今、日本、100歳を超える人が、昔は数人しかおらなかったのに、物すごい大勢の人がおられる。
 人が年をとっていけば、いずれ、みんな認知症になっていくわけです。「俺だけはならんで」と言うとっても、それは無理な話です。長生きすればです。途中で事故で死んでしまう場合は別にしまして、長生きすれば、そういう過程を踏んでいかなければならないというふうに思うんですね。高齢による認知症、また若年であってもアルツハイマーになる可能性は高いです。
 しかし、最近、医学の進歩によって、治すことはできなくても、進行をおくらせるというふうなことが投薬によりできるようになってきたようでございます。これから御紹介さしていただくのは、この質問に当たっていろいろ調べておりましたら、こんなことができるんかということがありましたので、少し紹介さしていただきたいと思います。
 フランス生まれの認知症の、医学的なというよりも、触れることによって劇的に治る、全快はしなくてもよくなるということが、先日、NHKテレビでやっておりました。私は、それを見て、うそやろうと思いました。しかし、NHKさんがまさかやらせやらんやろうと、そういう意味でこの画面を注視して見さしていただいたんですが、その方法が、フランス生まれのユマニチュードという方法です。それで、インターネットでこれを検索しますと、「ユニマチュード」というふうに書いてあるのもあります。日本で訳するとそういうふうな読み方になるんでしょうけども、ここでは「ユマニチュード」というふうに申し上げたいと思います。
 このユマニチュードの方法は、道具とか薬とかは不要なんですね。それで、ただ4つのポイントを心がけてするだけで、介護される人は快適に穏やかになると。また、介護する人は驚くほど、介護する人がよくなると。奇跡的なやり方やなあというふうに思うわけでございます。
 ケアの柱は、1つは見る。同じ目線で見る。もう1つは、話しかける。しっかり話しかける、同じ目線の位置に立って話しかける。もう1つは、触れる。手を握りながら同じ目線に立って話しかける。それから、2人で抱き合いながら立つ。立って体を触れ合う。この4つだそうです。これが体育学系のフランス人によって考案された方法だそうですが、もう既にフランスでは35年の実績、歴史があるし、フランス国内では、400の医療機関、また特別養護老人ホームで実施されてる方法だそうです。
 私は何でこれを紹介さしていただくかというと、今、認知症の方をお世話さしていただいてる病院はもとより、特養、非常に多いです。その中で、そういう技術を持った人が特養に1人ずつおったら、認知症の方が快方に向かっていく。もう1つは、介護さしていただいてる方が非常に楽になる。こういうメリットがあるわけですね。デメリットは全然ありません。
 もう1つは、医学的な、お医者さんでないとできないというような方法じゃありませんので、これは講習さえ受けてその技術を習得すれば、誰だってできるわけでございます。
 私は、和歌山県でこういうことを広めてもらえれへんやろうか。ということは、何でこんなことを言うかというと、これを広めることによって──認知症を抱えた御家族が非常に苦労してる。自分もノイローゼになるほど苦しんでる。もう1つは、認知症になった方も非常に苦しまれとる。これを軽減するだけではなく、経費──健康保険等々、今、赤字になっております。こういうことから見ると、それをやることによって県は大きなメリットがあるんじゃないかなと。ひとつ研究をしていただきたいと思うんです。
 認知症の初期と診断された人、どのようになるのか。家族の顔も名前も、いつまで覚えておられるんかなあ。本人が不安を抱えたままの状態でいると落ち込み、意欲の低下、被害妄想と、厄介な症状になるそうでございます。肉親が認知症と診断されたとき、御本人はもちろんのこと、家族も厳しい環境に置かれます。認知症の1つの救いの手じゃなかろうかと思うので、今御紹介さしていただいたことをやっていただけないのか。認知症初期患者の対策について、福祉保健部長にお伺いします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 認知症の原因となる病気は多数あり、原因疾患によっては治る場合があることや薬で進行をおくらせることができるため、早期発見は非常に重要です。また、早い段階からの支援は、本人の不安を軽減し、自分らしい生活を少しでも長く続ける上で必要な取り組みであると認識しております。
 このため、県としましては、地域のかかりつけ医の認知症対応力の向上を図るとともに、かかりつけ医に助言等を行う認知症サポート医の養成を進めています。また、さらに詳しい鑑別診断が行える認知症疾患医療センターの整備を図るなど、必要な診療体制づくりに努めているところです。
 認知症の本人や家族の支援については、電話相談窓口の設置や認知症の介護経験のあるピアカウンセラーの派遣、家族交流会の開催などの取り組みを行うとともに、市町村の地域包括支援センターに認知症の専門医を派遣し、対応力の向上を図ってまいります。
 次に、ユマニチュードを広められないかということでございますが、認知症高齢者の方の周辺症状である興奮や不安の対応に関係者が苦慮している中で、ユマニチュードによるケアは、患者の尊厳が保たれ、介護される人は穏やかになり、介護する人も楽になるという非常に興味深い取り組みでございますので、県といたしましても、医療・介護の専門家の意見も聞きながら研究してまいりたいと考えております。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 続いて、認知症の行方不明者の数と県の対策についてお伺いします。
 認知症行方不明者が、全国で今1万人を超えとると言われております。自分の名も住所も忘れてしまった肉親が突然行方不明になったときに、家族の心労はいかばかりかなというふうに思います。
 私が子供のときには、実は大分前ですけども、胸に氏名、それから住所、連絡先、血液型を書いた布を親が服に縫い込んでありました。戦争中でありましたので、万が一のときにということだったと思うんです。私は、こういうことが、認知症の方が行方不明になった、どこのどなたやらわからんということの1つの手段になるん違うかなと。また、GPSもあります。
 そういうふうなことで、こういうやり方が──ごくごく簡単なやり方でございますが──効果があるんではないかということで、ちょっと提案も兼ねて申し上げたんですが、認知症行方不明者の人数と県の対策についてお伺いします。
○議長(坂本 登君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 認知症行方不明者についてですが、認知症またはその疑いのある方の行方不明の届け出件数は、県警察本部によると、平成25年で23名、平成24年で34名です。
 県としましては、認知症高齢者が仮に徘回しても地域で早く見つけられる体制づくりが重要と考えており、認知症の正しい知識を持ち、認知症の人や家族を支援する認知症サポーターの養成や、市町村が警察、消防、社会福祉協議会、民生委員など関係機関と連携し、行方不明者を早期発見するために組織する徘回・見守りSOSネットワークなどの取り組みを一層促進してまいります。あわせて、地域見守り協力員や民間事業者による地域見守り体制についても、より一層の充実を図ってまいります。
○議長(坂本 登君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 ひとつよろしくお願いいたします。
 続いて、県土整備部長にお伺いしたいと思うんです。道路行政についてでございます。
 3月30日に、京奈和自動車道紀北東道路高野口インターチェンジから紀の川インターチェンジまでの16キロ余りが開通いたしました。橋本インターチェンジからのドライブは非常に快適なものでございまして、紀の川を眼下に見ながら緑の田園地帯を、この地のすばらしさを改めて実感しながら、大勢の方々の努力でこういうふうないい道できたんやなあという思いで和歌山まで来させていただいております。
 また、6月16日には、371号バイパスの和歌山県側が開通して、橋本インターチェンジ付近は大変な混雑でございます。生活する上で、大変便利になりました。行き交う車が喜んでんのかなあと思うほどでございます。
 私は、道路をつくって便利になるということはもちろんのこと、環境もよくなることが重要だと思っております。したがって、道づくりには街路樹も付随したもん違うんかいな、こういうふうに思うんですね。家を建てても庭ができてなかったら、まだ半分やなと、こういうふうに思うんですね。
 したがって、道路に街路樹の植樹についてお伺いしたいと思うんですが、紀見峠のトンネルを抜けますと、この371のバイパス、まだ改修前でございますが、桜シーズンになりますと、幹周り1メートルにもなる巨木が木いっぱいに花をつけて、遠来の客を迎えておりました。
 ところが、371号、このバイパスをつくるときに、「いよいよ伐採せなどうにもならんねや」、こういう話がありまして、「そらしゃあないな」と。「そやけど、これ、伐採したら、あと、どないするんよ。ちゃんとまたもとどおり、街路樹、植えてくれるんやろな」というふうにお願いしました。これは地元の声でもありました。そしたら、私のところへ来た担当の方は、「そら、もちろんです」、こういうふうに言っていただいたんですが、バイパス完成しました。しかし、街路樹は1本も植えられていませんが、いつになったら植えてくれるんかいなあというふうに心待ちにしております。
 街路樹の植栽についてお伺いしたいと思います。県土整備部長、よろしくお願いします。
○議長(坂本 登君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 道路の街路樹や植樹帯は、自動車と歩行者の分離や緑陰の形成など良好な道路交通環境を確保する箇所や、自動車の騒音の低減など沿道における良好な生活環境を確保する箇所、あるいは景勝地など風致・美観を守る箇所において、必要に応じて設置するものとしております。また、樹種については郷土樹種を使用することとしております。
 議員御指摘の国道371号橋本バイパスにつきましては、緑が多い区間を通過することなどから街路樹を設けておりませんが、地元から要望のあった植樹につきまして、樹種や場所、管理方法について地元の方々に提案をしており、今後、調整がつき次第、設置したいと考えております。
○議長(坂本 登君) この際、申し上げます。
 所定の時間まで残りわずかでありますので、質問を簡潔にお願いします。
 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 はい、簡潔にいきます。
 最後に、既存の道路改良に当たっての考え方ということでございますが、時間がございませんので、要望にとどめさしていただきたいと思いますが、議長、よろしゅうございますか。
○議長(坂本 登君) はい。
○向井嘉久藏君 それでは、了解いただきましたので、私の意見を申し上げて終わらしていただきます。
 既存の道路の改修につきましては、歩行者の目線から改修するということはもちろんのことでございますが、運転者の目線にも立つことが大事かなと、こう思います。運転していて、もう少し気遣いのある工事がなされていたらなあということが再三あります。「誰や、こんな工事したのは」と車の中で思わず声を出してしまうと、そういうこと。ガードレールをもうちょっと中へ曲げといてもうたら、こないハンドルを切らんでもええのになあというふうに思うことが再三ございます。
 ちょっと油断しとったら、そこで事故が起こる、事故が起こったら歩行者に迷惑をかけると、こういうことを考えたら、歩行者を守るという意味で、細かい気遣いをしながら、ひとつ既存道路の改修に当たっていただきたいと、これを要望して、終わりとさしていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(坂本 登君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案等の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第101号から議案第120号まで並びに知事専決処分報告報第2号は所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。6月24日及び25日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(坂本 登君) 御異議なしと認めます。よって、6月24日及び25日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は6月26日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時3分散会

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