平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 皆さん、おはようございます。
 逆境にもめげず、爽やかにたくましく頑張っております浦口高典でございます。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従い質問させていただきますが、その前に一言言わせていただきたいことがございます。
 実は、昨日の午前中でありますが、多田議員と片桐議員の和歌山市のまちづくりということを大変興味深く拝聴いたしました。私も和歌山市選出の議員でありますので、その中で、多田議員が言われたように、和歌山市が今、40万人以上あった人口が36万5000人ということでありまして、まさに、私がいつも申し上げておりますように、人口が本格的な激減時代に入ってきた。調べてみますと、あと10年、20年で和歌山市の人口が27万から28万人になるというようなデータもございます。
 それで、私は、持論なんですけども、やっぱり人口が減ってる時代、また高齢者がどんどんどんどん、これは30数%から40%になると言われてるんですが、そういった時代は、やっぱりまちをどんどん広げるべきではないというのが私の持論であります。
 ニュータウンも結構なんですが、ニュータウンというのは、そのときはいいんです、入ったときは。しかしながら、やはり歴史、文化というのがございません。商店街もありません。それだけに、衰えてくる時間も早いということで、これは和歌山に限らず、大阪の千里や東京の多摩ニュータウンもそうですが、和歌山においても、これから市長選を迎えます橋本市の城山台も、きのうの「朝日新聞」に書いておりましたけれども、高齢化率が和歌山県は今28%だそうでありますが、この城山台がもう29.6%まで高齢化が進んでいるということで、きのうのお2人の考え方の中にありましたが、やっぱりまちをコンパクトにまとめていかないかん。いわゆるコンパクトシティーというのは、もうこれ必然であると思います。
 それと同時に、駅を中心としたまちづくり、コンパクトシティーづくりということが大事ではないかなと、そのように思っておるんですが、やっぱり高齢化が進む中で、私は青森市にも行って、あそこは非常にコンパクトシティーが進んでるんですが、駅の前に大きなマンションを建てて、いわゆる郡部のほうから高齢者をたくさん集める。それも1つの考え方であると思いますが、まちというのは、都市というのは生き物でありますから、やはりそこに老人だけではなく老壮青、もちろん少年も入れて住まいする地域づくりをつくっていかないかんのではないかなと。
 特に、生産年齢人口というのをこれはやはり確保していかないかんと思うんですが、片桐議員のお話を聞いてびっくりしたんですが、特に和歌山市駅が、もう半減するぐらいに非常に乗降客が少なくなっているという現実を見たときに、これは手前勝手なんですが、私、去年の9月議会でもお話ししたように、企業誘致も大事ですけども、やっぱり大阪を和歌山に近づける。そのためには鉄道時間というのを、通勤時間を短くする、決してこれは無理な話ではないと思います。35分から40分で市駅─難波、もしくはJR和歌山から天王寺まで行くことによって、和歌山は十分通勤圏になりますし、それと同時に、単なるベッドタウンではなしに、そこにはこの和歌山市という歴史文化のある、しかも商店街ももともとたくさんあったところでありますので、私は、そういったことをすれば、この都市の再生というものが可能であると思います。
 しかし、きょうは、まちではなしに人にスポットを当てて質問させていただきたいと思います。
 それでは、本題のほうに入らせていただきます。
 今回は、健康長寿日本一わかやまに絞り集中的に質問し、深掘りをすることによって、より一層日本一が現実のものになることを心より望む次第であります。
 何度も申し上げるとおり、この健康長寿日本一わかやまというのは、私が勝手に言い出した言葉ではなく、平成20年4月に発表されました和歌山県長期総合計画の中に2回使われている言葉であります。
 しかし、議会事務局で調べたところ、仁坂知事は、年4回の定例県議会の冒頭行われる知事説明要旨の中で、この長期総合計画が発表される前の平成20年2月議会で一度「健康長寿日本一わかやま」を口にされただけで、あとは何事もなかったかのように、それ以降、知事説明要旨では一言も口にされておりませんでした。
 しかし、私が、平成24年9月定例会から25年2月、同じく9月定例会と過去3回にわたり、しつこいほど「健康長寿日本一、健康長寿日本一、健康長寿日本一」と訴えたところ、ようやく昨年の12月定例会の知事説明要旨の前段で「大規模災害への備え」と並べて「健康長寿日本一を目指す取り組み」と述べていただき、大変うれしく思った次第でございます。知事、本当にありがとうございます。
 しかし、仁坂知事、昨年9月の議会で私が述べたとおり、この長期総合計画は平成30年3月を期限といたしておりますが、それを作成した平成20年のベースになった平成17年度の国勢調査時は、和歌山県の健康寿命は男性で75.06歳で全国42位、女性で78.45歳で全国45位でしたが、その後、平成22年度の国勢調査では、男女とも健康寿命は延びているものの、男性で76.52歳で全国42位と同順位でしたが、女性で79.46歳で全国46位とさらに落ち、あと4年間で日本一の健康長寿県になることはどう考えても難しいと言わざるを得ません。
 また、あえて言いますが、この健康長寿日本一わかやまを実現することの難しさは、県や市町村が幾ら制度を設けて予算をつけても、肝心の県民の皆さんが、それに心から賛同し、ともに運動してもらわないと、絶対と言っていいほど実現できるものではないということであります。
 それだけに、私は、お手元にお配りをいたしておりますこのチラシ、(資料を示す)決してこれは私の後援会の入会申し込み用紙ではございません。まず、自分の周りから和歌山県の健康寿命についての現状を1人でも多くの皆さんにお伝えし、さらに意識改革をしてもらうために、ことしに入って「健康長寿日本一わかやま」学習会を開いております。もちろん私1人では県民の皆さん全員に伝えることは到底できませんので、以前から関係のあるNPOの方たちにもお声がけをし、つい先日、「健康長寿日本一わかやま」実行委員会の準備会も開いていただきました。
 さらに、昨年11月19日から25日までの5回にわたり、「読売新聞」の朝刊の「くらし」のページに「医療ルネサンス 脱・短命県」という特集が掲載されており、大変興味深く読みました。それは、内容をかいつまんで言いますと、和歌山県以上に寿命の短い──ここではいわゆる平均寿命なんですが──青森県の取り組みについて書かれたものであります。
 少し紹介をさせていただきますと、青森県は、5年ごとの発表で、男性は8回、女性は4回連続の最下位、つまり男女とも全国で最下位、47位であります。ちなみに和歌山県は、平均寿命が平成22年度で男性で37位、女性45位でありますが、特に女性は青森県とさほど変わらない平均寿命なんです。ここが本当に不思議なんですね。
 議員の皆さんは一度は行かれたことがあると思いますが、冬になると雪が5メーターも6メーターも毎年積もる青森県と、年に1度積もるか積もらないか──ことしは今まで2回ほど積もりましたけれども、それもわずか数センチ積もっただけで大騒ぎするこの温暖な和歌山県と、女性の平均寿命がほとんど変わらないということ。実は、健康寿命で見ますと、平成22年度は、先ほども御紹介したとおり和歌山県の女性は全国で46位ですが、青森県は45位ですので、もう既に青森県に抜かれているという、このような状況であります。
 もし、青森県が今後、ここにもいろいろ書かれているんですが、脱・短命県、つまり全国最下位、びりを脱出すれば、和歌山県は放っておくと「健康長寿日本一わかやま」どころか「不健康短命日本一わかやま」になりかねませんので、何としても全県を挙げて取り組んでいかなければならないと、私も決意を新たにした次第でございます。
 それだけに、仁坂知事におかれましては、決して現状にめげずに、懲りずに、ひるまずに、健康長寿日本一わかやまの実現に向けて強力なリーダーシップを発揮していただくことをまず強く要望しておきます。どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、昨年9月議会において、当局より大変重要な御答弁を幾つかいただきました。そのうちの1つが、健康長寿という健康政策は、総合政策であり、1つの部や課で達成できるものではないだけに、部や課を超えてというか、横串を刺して、健康長寿日本一わかやま推進会議を県庁内に設置して、連携して政策実現のための方法を考えるべきではないかと提案したところ、福祉保健部長は、設置するとはっきりと御答弁くださいました。
 そこで、まず改めまして、この推進会議設置の目的と組織の内容について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(山田正彦君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 推進会議設置の目的と組織の内容ですが、「健康長寿日本一わかやま」を目指し、県民の健康の増進と元気で健やかな生活の実現に向け、健康長寿日本一わかやま推進会議を設置いたしました。構成課室としては、健康推進課が中心となり、知事部局、教育委員会の9課1室となっております。
 この会議では、子供から高齢者までの健康づくり、心の健康づくりなど、県民の健康づくりに関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るため、関係団体との連携、調整を行い、総合的な事業の推進に一致団結して取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、御答弁ありがとうございました。
 推進会議、本当に設置していただいて大変感謝いたしております。
 念のために言いますが、9課1室とは、福祉保健部では健康推進課、子ども未来課、長寿社会課、障害福祉課、高齢者生活支援室、県教育委員会では生涯学習課、スポーツ課、健康体育課、農林水産部では果樹園芸課、商工観光労働部では労働政策課であると聞いておりますが、今後、予防医療とか、また公衆衛生の観点から、ぜひとも医務課も入れていただきたいと存じます。これは要望でございます。
 次に移らせていただきます。
 この推進会議が2月14日に初会合を持たれたと聞いておりますが、健康長寿日本一わかやまの実現の最終期限とその可能性についてお答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 長期総合計画においては、県民が生涯を通じて健康で活動的に暮らせるよう「健康長寿日本一わかやま」の実現を目指しており、その目標年限は、長期総合計画の計画期間である平成29年度となります。
 これまで、その実現に向け、健診受診率の向上や生活習慣病対策などの施策を推進してきたところです。
 しかし、健康長寿日本一わかやまの実現の可能性については、現在、各種健康指標を見ると、厳しい状況にあります。そのため、これまで議員からいただいた御指摘は、大変重要な視点と考えております。
 県としては、平成34年度を目途とした第3次和歌山県健康増進計画において、県民の健康づくりをさらに推進するため、新たに健康推進員制度を創設するなど、健康長寿の実現に向けた取り組みを充実させることとしており、少しでも目標に近づけるよう強い意志を持って取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 平成34年度、健康長寿日本一を達成するということでありますが、先ほども部長もおっしゃったように、長期総合計画、あと4年間残っておりますので、現実には、なかなかこの4年間で、本当にびりに近い状況から日本一の健康長寿県になることは大変難しいと思いますが、とにかく平成30年3月、つまり平成29年度まで全力で頑張っていただきたい。
 前にも言いましたけれども、平成27年度の国勢調査で平均寿命、健康寿命の数値がこの時点ではもう既に出てくると思いますので、ぜひとも今お言葉にあったような強い意志を持って貪欲に1つずつでもランクアップできるように強く要望をいたしておきます。
 次に移らせていただきます。
 また、昨年9月議会において、平成22年度の平均寿命、健康寿命とも日本一の長野県の取り組みについて、お話をさせていただきました。これは、一昨年、私が福祉環境委員長のときに、同委員会のメンバーと当局の皆さんとで長野県に調査に行き、77市町村で約1万1000人の保健補導員の存在がこの日本一という基盤を確かなものにしていると確信し、同じような制度をつくるべきだと強く提案いたしましたところ、健康推進員という名称で来年度から年間500人、5年間で2500人の方を選び、地域で活動してもらうということでありました。大変頼もしいお言葉で、この先に光が見えてきたなと喜んでおりますが、そこで質問であります。
 まず、どのようにしてこの健康推進員を選び、その方たちにどのような研修をするのか、具体的にお答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 健康推進員の人選につきましては、自治会、老人クラブ、婦人会などの地域活動の中心となって活躍している方の中から、市町村に推薦していただくことにしております。
 研修につきましては、保健所が主体となって、県民の健康状態と生活習慣病、県健康増進計画、食育、身体活動・運動の理論と実践、そして地域の健康と各種健診等の実施を予定しております。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 健康推進員を提案した私が言うのはちょっとおかしいんですけども、人選年間500人、5年間で2500人、本当に大丈夫ですか。私も地元今福で保護司や消防団員、スポーツ推進員など長くボランティアをさせていただいておりますけれども、なかなかなり手がないんですね。どこも、どの会も困っているということをよく耳にいたしております。
 それだけに、先ほどから部長が強調されているように、これは保健所単位でつくられるということでありますけども、そこに任すことなく、県庁も本当に一致団結して強い意志を持って取り組んでいただかなければ、私は現実は厳しいんではないかと思いますので、ぜひとも、部長、本気度を示してください。
 それでは、次に移らせていただきます。
 それでは、この健康推進員の方たちは一体どのような活動をするのか、具体的にお答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 健康推進員の具体的な活動内容につきましては、各家庭を訪問しての各種健診の受診勧奨、健康教室やリレーウオークへの参加呼びかけ、健診や健康教室のサポート活動、地域でのラジオ体操やウオーキング等の自主活動を想定しており、県民の健康づくりの草の根運動を進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 この活動については、非常に難しい問題も幾つかあると思うんですが、実は、保健補導員については、これは、私、知り合いからちょっとお借りしたんですが、(冊子を示す)これは長野県の「須坂の母ちゃん頑張る」という保健補導員の歴史的な奮闘ぶりというのを書かれた本があるんですね。これを読んでびっくりしたんですが、もう本当に、ただ単に健康を保持するというだけではなしに、伝染病や風土病にも保健補導員、まさにボランティアの方たちが立ち向かっていくんですよ。もちろん、その中核には保健婦さん、今で言う保健師さんがあるんですけども、それぐらいの覚悟を持ってされているということ。それが結果として健康寿命でも平均寿命でも日本一の長野県をつくっているということをぜひ御認識いただきたいと思います。
 それでは、次の3番目に移らせていただきます。
 そこで、地域の保健ということについて、もっと身近な存在であるべき専門家には、今も少しお話ししましたけれども、保健師や栄養士、さらに今、運動の指導ということで、これは専門職になってきてますけれども、健康運動指導士さんというのがありますが、これらの方との連携について、どのようにしていくのか。また、対象である住民個人個人の健康情報をどのような形で生かしていくのか、お答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 健康推進員は、地域の健康づくりの中心的な担い手として、市町村の保健師や栄養士、健康運動指導士などの専門職と連携して活動していただくことになります。
 また、個々人の健康情報につきましては、地域における健診の受診状況や地域の生活習慣状況として、整理、分析した上で、その情報をもとに活動していただくこととしております。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございます。
 実は、私も保健師さんや栄養士さん、さらに、つい先週の日曜日も健康運動指導士さんの会合にお邪魔をいたしまして、いろいろとお話を聞かせていただきました。皆さん、大変お忙しい方たちばかりで、特に市町村の保健師さんは、日常の仕事量が大変多くて、なかなか本来の保健活動以外はできないという状況であるということを耳にしました。これらの方たちと、どううまく連携して生かしていくのか、今後の大きな課題であると私は思います。
 また、これは長野に行ったときも大変びっくりしたんですが、長野県は非常に保健補導員さんに個々の自分の受け持つ地域のそういう健康状況、もっと踏み込むと、お一人一人がどんな病気にかかっているか、どういう病気の可能性があるかということまで提供しているようなこともお聞きしましたけども、これは一歩踏み込むと、やはり今、問題になります個人情報のことにもひっかかってくると思いますので、そのことをうまく県としてもリーダーシップをとっていただいて、いかに、健康推進員さんに提供していただいて、やっぱり的を射た活動をできるようにお願いをいたしたいと思います。
 以上でございます。ありがとうございました。
 それでは、次に移らせていただきます。大きな4番目です。
 さて、一昨年9月の県議会で、和歌山県の児童生徒、つまり小学1年生から高校3年生までの体力について取り上げました。これ、あえてパネルは出しませんけども、こういうのを出させていただきました。(資料を示す)それは、子供の体力不足もいろいろと問題になってるんですけども、それだけではなしに、私は、健康寿命を延ばすためには子供のときから体力づくりは必要ではないかという観点からですが、平成19年から23年までのデータを見る限り、これなんですけれども、(資料を示す)あえてもう一度言わせていただきますが、和歌山県の児童生徒の体力というものは、見事なぐらい全国平均を下回っているんですね、全てにおいて。
 そのことをただしたところ、県教育委員会はすぐに対応してくれて、ロンドンオリンピックの女子体操日本代表の田中理恵さんらに依頼し、紀州っ子かがやきエクササイズ・ダンスというのを制作し、昨年11月24日に和歌山城の西の丸公園広場で発表され、現在、県内各地の児童生徒に教員が指導し、体力づくりに励んでいるということは、大変私は高く評価いたしておりまして、また、うれしく思っております。
 そこで、先ほど御紹介をいたしました「脱・短命県」の中で、「読売新聞」の平成25年11月25日付の記事に、一番最後のとこなんですが、「中学で『生活習慣病』予防」という見出しで「危険な兆候は3歳児から表れている」という青森県立保健大学助教の栄養学の熊谷貴子さんの警告コメントがありました。
 さらに、弘前大学準教授(地域看護学)の古川照美さんからは、子供のときから健康や生活習慣について考えることが大切という指摘があり、県南東部に位置する南部町では、古川さんも協力して、中学1・2年生に若年生活習慣病予防健診を実施して、身長や体重、血圧、体脂肪率、骨密度の測定のほか、血液検査も行ったそうであります。
 中学生用の独自の基準で、血糖値やコレステロール値、血圧などA(正常)からD(要医療)まで判定し、血圧とコレステロール値がA以外だった生徒は、中学1年生では18%、中学2年生では23%いたということであります。大変高い数字であると思います。
 そこで、教育長にお尋ねをいたしますけれども、本県では、このような児童生徒を対象にした検診事例はあるのでしょうか、お答えください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 児童生徒を対象とした検診事例についてでございますが、学校では、毎年、定期健康診断を行い、肥満傾向など生活習慣病につながるおそれがある子供に保健指導を行っております。
 学校外での検診につきましては、本県の場合、海南医師会が管内の公立小中学生を対象に肥満児検診を29年にわたって実施されています。
 この検診は、学校での定期健康診断で肥満傾向にあった児童生徒のうち、希望する者に対して行われているものです。検診の内容につきましては、事前に発育歴や日常生活等についてのアンケートを実施し、当日は血液検査や血圧測定等を初め、生活習慣病に関する講演や個別栄養指導を行っていると聞いております。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 これは教育長だけではなく知事初め県幹部の方にもぜひ聞いていただきたいんですが、私は、この質問を考えていたときに、県の教育委員会の担当者の方にお尋ねしますと、自分たちの所管でないので答えられないと、大変つれなかったです。しかし、私は学校のことなんだからとしつこく食い下がり、何度も押し問答が続いたんです。
 そこで、その間、今言われるとおり、福祉保健部の担当者にも聞いてみました。そしたら、知らないと言うんですね。と言うものですから、とにかくその福祉保健部の担当者の方に一度調べてくれと言って調べさせたところ、後ほど連絡があり、海南市が海南医師会に依頼している事業であるということがわかりました。
 そして、海南市の福祉保健部の担当者に聞いたところ、自分たちも知らないと言うんですね。それで、その海南市の福祉保健部の上司の方に言って、海南市でやってるということを聞いてるんでとにかく一遍調べてもらえんかということで調べたところ、何とこれ、海南市の教育委員会の学校教育課というところがやっている事業なんですということがわかったんですね。しかも、今の答弁にあったように、29年間も続けているという。
 確かに、これは青森県のように全員ではなしに希望者だけで、サンプルの少なさというのはあるんですけれども、実に、ここに24年度の結果、(資料を示す)角田先生という方が書かれた、やっぱりさすがにお医者さんだけあって、科学的な非常に精緻な分析をされています。これは我々和歌山県民にとっても、今やっているところは海南市及び海草郡だけのようですけども、こういうデータというのは、今後の健康長寿日本一を目指す上では大きな財産になると思うんですね。
 私は、この海南市教育委員会及び海南医師会の御尽力に本当に心より敬意を表する次第でありますので。ただ、ここで勘違いしていただいたらいかんのは、私は県の教育委員会の担当者を責めておるわけでも、また福祉保健部の担当者を責めておるわけでもありません。本当に、これ、日本一を目指すのであれば、もっとこういった市町村の独自で頑張っている事例というのを積極的に収集して、それを県も生かしていくということは絶対だと思いますので、あえて言わせていただきました。
 何度もしつこいようですが、もちろん、今後は健康長寿日本一わかやま推進会議が一致団結して強い意志を持ってやっていただけると私は期待いたしておりますけれども、本当に自分たちの部や課のセクショナリズムにとらわれることなく、意欲的に頑張っていただきたいと存じます。
 次に移らせていただきます。
 それでは、同じく教育長にお聞きしますが、通常行われている本県の児童生徒の定期健康診断の結果状況は全国と比べていかがなのでしょうか、お答えください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 定期健康診断結果の本県の状況についてでございますが、本県の定期健康診断において、生活習慣病につながる最も大きな要因となる肥満度につきましては、10歳までは全国平均並みですが、それ以降はややふえる傾向にあります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 児童生徒の定期健康診断は、これも教育委員会が法律的には学校保健安全法に基づいてきちっとされているということで、ただ、10歳を超えると肥満傾向の児童生徒の割合が10%を超えるということもお聞きしておりますし、やや高くなると。また、ちょっと海南市でも学校教育委員会の課長にお聞きしたんですけども、肥満だけの問題ではなしに、特に高学年になってくると、女の子がやっぱり痩身、スタイルを気にしたりするので、いわゆる痩せ身ということで余り食べなくなったりするということも、先ほど言いました和歌山県の体力、特に女性が小学校の高学年から中学、高校にかけて、体力が物すごく全国と開くんですね。そういったことも、今後の課題としてですが、これはそういった痩身だとか肥満だとかいうことと関連してるんではないかということも推察できると思いますので、ぜひ御認識をいただいて、今後いろんな形で、それこそ県庁内の部署だけではなしに、いろんな知恵を出し合って、健康長寿日本一わかやまを目指していただきたいと存じます。
 それでは、そのことにも関連いたしまして、健康診断で問題になった児童生徒に対してどのような指導をしていくのか、できるだけ具体的にお答えください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 健康診断後の児童生徒への指導についてでございますが、学校では、定期健康診断後、その結果を速やかに本人と保護者に伝え、健康状態を把握させるとともに、治療が必要な場合は早期に医療機関で受診するよう促しております。
 議員御指摘の生活習慣病対策につきましては、調和のとれた食事、適切な運動、適切な休養と睡眠を基本とし、繰り返し指導しているところです。
 特に、運動を活発に行う意欲と姿勢を育むことで、運動面から生活リズムを改善させることにつなげたいと考えております。また、規則正しい生活習慣を身につけるためにも、家庭と連携し、「早ね・早おき・朝ごはん」運動を展開しているところでございます。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 教育長、どうもありがとうございました。
 特に、今、教育長のお答えにありました運動面から生活リズムを改善させることにつなげたいというのは、私、本当にいいことだと思います。ぜひ、せっかくこの紀州っ子かがやきエクササイズ・ダンスというのをつくったわけですから、これを徹底して指導していただいて、名実ともに和歌山の子供たちは輝いているというような評価を受けるように、不断の努力をお願いいたしたいと存じます。
 以上でございます。
 次に移らせていただきます。
 最後に、第3次和歌山県健康増進計画(案)についてであります。
 皆さんのお手元にも送ってきたと思うんですが、この計画(案)は、昨年12月27日から本年1月26日まで、広く県民の皆様にパブリックコメントを求め、まだ正式なものはできていないと思いますが、それを承知の上で質問させていただきます。
 ここで、最初にお断りをしておきますが、この第3次計画(案)では、健康寿命の算出方法が平成20年度の県長期総合計画をつくった時点と異なり、アンケートの回答により、個人の主観も入っております。それによりますと、平成22年度は男性70.41歳で全国で25位、女性73.41歳で30位でありますが、私の提示しておりますのは、平成20年の長期総合計画と同じく、平均寿命から要支援、要介護期間を引いたものを引き続き使っておりますので、その点、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
 本題に戻りますが、実はこれが送られてきたときにじっくりと2回読ませていただきました。特に2回目に読んだときは、いろいろと疑問に思うところにアンダーラインを入れますと、気がつけば30カ所ほど疑問点がありました。
 それをここで1つ1つ質問してまいりますと、とても時間がありませんので、事前に当局とは質疑応答いたしましたけれども、以下の2点について集約して質問をさせていただきたいと存じます。
 まず、平成20年3月にできました第2次和歌山県健康増進計画というのがありますが、第2次計画においての反省はどのようなものがあるのでしょうか。
 例えば、健康づくりの重要な要素である運動、栄養、さらに健康診断について見てみると、まず、和歌山県民は車に乗る機会が多いんでしょう、余り運動をしない、特に歩かないということがよくわかります。
 また、栄養についていうと、一部に偏っていて、意外なんですけれども、これだけ農作物のたくさんあるところでありますけれども、意外と野菜の摂取量というのが和歌山県民、少ないんですね。さらに、健康診断の受診率が少しずつ上がってきたとはいえ、まだまだ低いということであります。
 そこで、この第2次計画で目標に掲げたことが、じっくりとこれを見てみますと、61.2%を計画で目標としているんですけども、変わらないとか、悪化したとか、評価困難ということで、端的にそれがこの第3次計画の中にも書かれております。
 そこで、これら第2次計画の反省点を踏まえた上で、第3次計画では特にどのようなところに力を入れるのか、福祉保健部長、お答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 第2次和歌山県健康増進計画の重点目標について評価を行ったところ、議員御指摘のとおり、身体活動・運動、栄養・食生活、健診につきましては、「変わらない」や「悪化している」項目も見られます。
 そのため、第3次計画では「健康を支え守るための社会環境の整備」を計画の基本的な方向の1つに定め、健康教室への参加呼びかけや受診勧奨等といった草の根運動を進める健康推進員制度を計画の柱として、地域コミュニティーを活用した健康づくりを進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。
 栄養・食生活、身体活動・運動、健診の受診、いずれも私は、意識以前に知識として、和歌山県民がそれらの点に──全国的に見てですよ──劣っているということさえ認識がない、認識している人がはっきり言って少ないんではないかと、そのように思うんです。そのことは書いておりませんけれども、これもその一環としてつくったチラシなんですけども、それだけにはっきりと、県といたしましても、野菜を和歌山県民は余り食べない、和歌山県民は歩くのは嫌だと、健診受診率が本当に低いんだということをもっとはっきり言ってキャンペーンを張るぐらいの覚悟をして発信をしていかないと、私は県民の意識改革というものを促すことはできないと思いますので、その点ぜひとも十分御配慮をいただきたいと存じます。
 次に移らせていただきます。
 ここで考えなければいけないのは、先ほど来申し上げたとおり、健康長寿日本一わかやま推進会議のしっかりした方向性を示すとともに、県といっても和歌山県下に30市町村があるわけですね。やはりこの30市町村の健康増進についての個々の力の入れ方が大変大事だと思うんです。
 中には、かつらぎ町のように、御存じの方もいらっしゃると思いますが、健康長寿日本一を宣言されている町もあります。しかし、いまだに30市町村のうち橋本市、九度山町、高野町、有田川町、すさみ町、串本町、古座川町、那智勝浦町、太地町、北山村など10の市町村では、健康増進計画さえ作成されていないんです。
 これをこの第3次健康増進計画(案)では、この中に書いておりますけれども、平成34年度まで全ての市町村で作成させるとなっておりますが、これでは余りにも遅過ぎます。第一、先ほど来言ってますように、長期総合計画の期限というのは平成30年3月までなんですよ。これでは、例え話、当たっているかどうかわかりませんが、試合が終わって、もう既に負けが決まったにもかかわらず──平成34年までにつくると言ったらですね──その試合に、さあどうやって勝とうかと作戦を練っているようなもんであって、まさに笑止千万であります。
 それだけに、市町村で未作成の健康増進計画は、平成26年度中に作成することはもちろんですが、いかにそれによって県と市町村が連携して、もちろん私はこのことについては、まだまだ市町村の皆さんの御認識も非常に低いというか、薄いところがあると思うので、県がリーダーシップを持って事業を行っていただきたいと思うのですが、その点についてお答えください。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 市町村健康増進計画の策定は健康増進法では努力義務とされており、未策定の市町村につきましては速やかな策定を促してまいります。
 計画の推進に当たりまして、県としては健康づくりの企画や指導的な役割を担う人材を対象にした研修の実施やさまざまな情報の提供など、県民の健康づくりのための取り組みを住民の健康づくりを担う最も身近な行政機関である市町村と一体的に推進してまいります。
○議長(山田正彦君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 部長、速やかな策定ということでありますが、前回、第2次健康増進計画ができてから、もう既に6年がたっております。もちろんこれは強制的にできないかもしれませんけれども、和歌山県が先ほど来言っておりますように本気で健康長寿日本一を目指すのであれば、市町村での策定はもちろんでありますけれども、ぜひそこを十分御認識いただいて、ねじを巻いていただきたい。そのように思います。
 大変厳しい要望もさせていただきましたが、せっかく和歌山県挙げて日本一を目指そうと長期総合計画に掲げたのですから、決して言葉だけではなく、本気で県民の皆さんを巻き込んでいこうじゃありませんか。くどいようですが、これから和歌山県は本格的な人口激減と超高齢社会に突入し、大変な社会になってくると、想像するにかたくありません。
 しかし、決して悲観することはありません。年をとっても、県民そのものが日本一健康で長生きできれば、悲観することはないと私は思います。それだけに「健康長寿日本一わかやま」という大きな目標に向かって本気で県民の皆さんが動いてくれて、平成34年日本一、いや、それ以前の平成30年3月中に大きくランクを上げることを祈念いたしまして、私の質問とさせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時36分休憩
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