平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から現金出納検査実施結果の報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号から議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 おはようございます。
 議長からお許しをいただきましたので、一般質問に入らせていただきます。
 まず、去る2月7日からロシアのソチでソチオリンピックが開催され、2月23日、閉会式を迎えました。
 大活躍をした日本選手と入賞は逃したけれども力いっぱい頑張り感動を与えてくれた日本選手団の皆さんに、この場をおかりし、心からお祝いと感動をいただいた感謝と御礼を申し上げます。選手団の皆さん、コーチ以下関係者の皆さん、御苦労さまでした。
 そのソチから目と鼻の先のウクライナ国のクリミア半島へロシアが軍事介入したとの情報が世界を駆けめぐっています。再び地域紛争という名の戦争の発生が懸念されています。若人のすばらしかった冬季オリンピックの祭典の舞台が人々の血で染まることのないよう願うものであります。
 次に、2月県議会で冨安議員の一般質問に、知事は、ことし10月、白浜空港周辺で米軍とオスプレイ参加の防災訓練を実施すると答弁いたしました。そして、オスプレイが参加するという、その内容にのみ注目が集まりました。
 知事としては、かなり踏み込み、明確な意思を示されたと考えます。知事の言うマスコミの偏った報道に県民の方々も大きな影響を受けている中での発言です。私は、評価をいたします。トップに立つ者の発言は慎重であるべきであり、かつその内容は風評や思い込みや見込み等ではなく科学的であるべきであり、首長の仕事は住民福祉の向上と位置づけられています。大災害から県民の生命と財産を守らなければならない使命から考えると、万難を排してその使命を遂行すべきは知事の仕事であると考えます。
 さて、昨年、普天間の米軍基地を20数名の議員の方々と訪問し、司令官より直接普天間基地の現状と課題の説明をいただく機会がありました。その司令官は、3年前の東日本沖巨大地震発生時にトモダチ作戦を実施して、被災地の真っただ中で茫然自失状態の日本人の救出に大きな役割を果たしてくれた、その方です。
 司令官の話では、オスプレイはアメリカ大統領の移動に使われるエアフォースワンとしても使われている。アメリカ大統領は世界一重要な方です。危険なものなら使えません。そして、私たちは若い米軍兵士の命は大切です。危険なら使いませんとのことでした。そして、車の交通事故より事故率は低いとも言っていました。だとすれば、マスコミ主導の「オスプレイは危ない」は科学的ではなかったのではないかと考えられます。
 さらに、非公式の場で、今後オスプレイがその有益性の高さから活用の範囲が広がり、軍では主力はヘリコプターに取ってかわっていくかのような話もありました。アメリカがオスプレイに絶対的な信頼を置いていることが感じられた次第であります。
 一昨日、昨日の議員の一般質問を聞いていて感じたことの1つに、もっとオスプレイの安全性について国が国民に向かってきちんと説明をすべきである。そのことができていないことが問題なのではないかと強く感じた次第でございます。
 本題に入ります。
 2011年、年末押し迫った12月20日に、自民党和歌山県連の勉強会が東京で行われました。講師は、その後退任されました財務省事務次官の真砂靖さんでした。
 講演の内容は、2050年の日本の姿でした。真砂さんによると、少子高齢化が今後さらに進み、2050年の人口は8000万人台になるだろうと分析しており、現在の国の力を保つには何らかの方策を考えなければならない等々の内容でした。
 スピーチの終わった後、質疑時間になり、私は「今の話を聞くと人口の輸入が必要なのではないでしょうか」と質問いたしましたところ、大きくうなずき「そうです」と言い、再び私からの「それも相当数の輸入が必要なのではないですか」との問いに「そうです。今、政府はそのストレスに日本人が耐えられるかの研究をスタートしています」との話でした。
 日本は、アイヌ民族や琉球民族を含めて、ほぼ単独民族で数千年という長い年月にわたり生活を重ねてきましたので、現在の国力を維持するために今の人口規模を必要とするならば、数千万人を諸外国から移民として受け入れなければならないと思考しているようで、少子化の今後は、日本人の日本人たる生活スタイルや文化面など広範囲にわたって大きな影響を与えることになりそうです。それも、あとわずか36年後のことであります。
 現在を生きる我々は、東アジア諸国との第二次世界大戦という負の遺産から続く緊張関係や世界の諸国が過去に経験したことのないほどの国や地方公共団体の負債、そして国の根幹を危うくすると思われるほどの人口減少社会の到来、どれ1つとってみても大変難しい案件ばかりであるが、日本人一人一人が自分の問題として、英知を持って、そのいずれも解決していかなければならない責任と義務があります。
 知事の雑感を御披露いただきたく思います。
 さらに重ねて質問をいたします。
 先ほども触れましたが、全国各地で少子化、少子化と言われていますが、この言葉が使われ出してもう何年経過したのでしょうか。少なくとも20年も30年も前に言われていた言葉ではない。少子化とは一体何なのでしょうか。安易に使われ出したこの言葉、安易に使ってしまうこの言葉、我々日本人が思っていた、考えていた以上に、その中身は重要で、国の根幹を破壊してしまうほどのエネルギーを持っていることが、遅まきながら私たちにもわかってまいりました。
 次の子孫が生まれない。例えば、それは日本の近い将来に3年前の東日本大震災で発生した被害をはるかに超えるダメージを与えるのではないか。それほど重要な政治的・行政的課題となってきた少子化対策の現状についてお伺いをいたします。
 3点目に、我が和歌山県においても1兆円をオーバーした県債残高を持ち、県の力を示す財政力指数も平成19年度の0.329から平成24年度で0.297と下降を続けています。そこに南海トラフ地震の再来が予想されており、日本国と日本経済が再生不可能なほどのダメージを受けてしまうのではないかと大変心配している方々もいます。どうすればよいのでしょうか、どうしなければならないのでしょうか、御見解を御教示いただきたいと思います。
 次に、4点目です。介護保険制度のあり方についてです。
 介護保険法が施行され、はや10数年が経過いたしました。発足当時、高齢者福祉事業が保険制度となる戸惑いが社会福祉関係の皆さんから数多く聞かされ、私自身も心配いたしましたが、10年以上経過する中で保険制度のシステムもようやく国民に浸透してきたように思いますが、事業所側に介護保険を悪用するケースによるトラブルが相次いでいます。
 最近の新聞報道によりますと、ケアパッケージ等を作成する立場のケアマネジャーが施設の御用ケアマネジャーになっているとの事例の指摘がありました。施設の売り上げに貢献できるケアマネジャーは施設にとり有益で、利用者の立場で考えるケアマネジャーは敬遠されているとのことのようです。これらは介護保険制度のルールどおり実行すると施設側の経営が厳しくなることに起因しているのではないかと考えるところです。
 いずれにしましても、老人福祉の現場は厳しく、そこで働く方々の報酬が上がらないために、やめていく職員も多いのが現状と聞いています。
 さらに、介護保険は市町村の各自治体が保険者となる位置づけから、住民が受け取るサービスは、居住している自治体が高齢者福祉に積極的かそうでないかなど、いわゆる自治体の取り組み姿勢に大きな影響を受けています。したがって、老人ホームやグループホームなど高齢者福祉の充実している市町村の介護保険料はおおむね高く、そうでない市町村は低いことなど、保険料にばらつきがあることから、マスコミに、保険料が高い、安いといった単純な比較をさせられ、地域住民の要望を踏まえ自治体の行政が推し進めようとするより高い福祉施策の推進に水を差されてきた側面があったことも事実でございます。
 老人ホームやマンパワー等、全ての社会福祉資源は、県民共通の財産であるべきです。福祉の取り組みは、自治体の仕切りで対応すべきではなく、行政枠を超えて県内全域で公平公正に高齢者処遇を実施すべきであると考えます。高齢者が安心した老後を過ごせるためにも、市町村ごとに介護保険料が高い安いの競争をさせないためにも、私は国が保険者になるべきだと考えていますが、一足飛びには無理だとすれば、せめて県が保険者になって県民に公平な高齢者処遇の実施を考えていただきたいと考えますが、当局のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
 次に、5点目です。
 地籍事業のスピードアップについて、再度発言をさせていただきます。
 過日、議場で取り上げさせていただいたときには、国道や県道の地籍作業が終わっていないため、境界が曖昧なままでとまっている箇所の割合のデータを持っていませんでした。その後、国がつくった国道や和歌山県がつくった県道の地籍調査作業の実施率が半分にも満たないことがわかってまいりました。町道に至っては論外なのではないでしょうか。市町村では実態がわからないまま、個人が所有地のままの町道に課税して、所有名義人である町民に支払わせている箇所がたくさんあるのではないかと考えられます。
 6~7年前のことですが、知人の土地に町道が設置されていることがわかりましたので、その土地は町に寄附をしていただきました。当然、その土地は長年にわたり課税をされていたのであります。こうした状況の土地が随所にあるのが実態であると考えられます。
 産業の発展にとって地籍作業が重要なことは前回も申し上げました。さらに、住民間のトラブルを防ぐ意味からも、スピーディーな対応で一年でも早く地籍作業が終了できますようお願いを申し上げる次第です。担当部局の御意見をお聞かせください。
 6点目の質問です。
 田辺市以南の紀南地方で生活する県民の悲願でありました紀伊半島一周の高速道路の建設が進み、紀南地方で唯一の幹線道路である国道42号線を今11トンのダンプカーがひっきりなしに行き交っています。私の人生の中で、紀南地方に11トントラックが数え切れないほど行き交う、こんな光景は見た覚えがありません。まさに、高速道路建設により小さな紀南地方の経済がバブル状態になっているのではないかと感じられるほどであります。
 完成までもう少しです。高速道路の早期の完成を願い、熱っぽく語り、夢を見続け、その寿命を終えられた多くの先人の思いを考えるとき、本当に熱いものを感じます。知事、同僚議員初め関係者の皆さん一人一人に御礼を申し上げたい心境でございます。
 今後は、ないものをねだったことだけに終わることのないよう、地域の発展に、また住民福祉の向上につなげていかなければならないと強く思う次第でございます。
 さて、高速道路の完成を見据え、早くから地域の生き残りをかけた活動をスタートさせた民間団体も少なからずあります。その1つに、日置川地域の一般社団法人南紀州交流公社という団体があります。
 過日、第10回目の総会がありました。過疎地域の生き残りと生活に潤いを求めて、その目的を「和歌山県における体験交流型観光の振興を図るとともに、地域の発展及び地域振興並びに教育文化と福祉の向上に寄与することを目的とする」としています。
 設立後、はや10年の年月が経過いたしました。一般の主婦が理事長で、農業をなりわいにしている主婦が副理事長、民宿の経営者の男性も副理事長という陣容で頑張ってきました。教育旅行及び一般旅行の体験型旅行の受け入れという大変難易度の高い分野の、それも一般家庭へ宿泊させるという事業をスタートさせてきたのであります。
 昨年の実績は、約3000人の受け入れでした。それは、10人あるいは20人、30人、そして100数十人と、そういった受け入れの総計ですので、苦労の連続であったことが推測されます。事業の目的を理解し、協力、参加してくれ、民泊受け入れを了解してくれている一般家庭数も、農家の皆さんを中心に100軒余りに広がりました。日置川は小さな町ですので、この数は大変大きな比率となっており、日置川地域の皆さんの力の入れ方が推しはかれます。
 さらに、一般家庭に年の若い子供たちを受け入れることは、大変難しく、困難を伴う事業でもあり、そのほかにも営業活動や各学校への連絡、調整など、コーディネーター役を務める事務局の存在は欠かせませんが、その事務局等を支える資金の捻出に今なお苦労を続けているのが現状です。
 一方、民泊を経験した子供たちからは感動の輪が広がり、かつて我々が経験したことのない、都市と地方のきずなの輪が大きく広がっています。これはお金で手に入れられるものではありません。この実態を知った方々からは、この取り組みは、むしろ行政が力を入れてすべきではないか、行政がすべき仕事だ等々と言われているほどでございます。
 さらに、今日では、有識者からは、日置川でこの事業、取り組みがなくなれば、日置川にはほかには何もないとまで言われています。
 県当局の息の長い支援と、この取り組みに対する御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 人口減少社会に対する考え方について申し上げたいと思います。
 人口減少問題は、産業の衰退とか、あるいはコミュニティーの崩壊による伝統文化の喪失、社会保障制度の維持が困難になるなど、我が国にとって大変深刻な問題であると認識しているところでございます。
 人口減少を食いとめるためには、経済成長を力強く持続させ、しかも、それについて誰もが将来に希望を持って確信を持って暮らしていける社会づくりが必要でありまして、現在、国において、産業競争力の強化とか、大胆な規制改革とか、経済政策を柱にさまざまな施策を推し進めようとしているところであります。
 とりわけ重要性が増す少子化対策につきましては、国の成長戦略の中核として、仕事と子育てが両立しやすい環境整備、全ての女性が活躍できる社会の創出を位置づけ、待機児童解消加速化プランの推進等、子育て支援の充実などが図られることになっております。
 また、県においても、結婚から妊娠、出産、子育てと切れ目のない少子化対策に注力しているところでありますけれども、人口減少問題は、行政の取り組みだけで解決するものではありませんで、議員御指摘のように、国民一人一人が自分自身の問題として捉まえ、ひるむことなく果敢に立ち向かうことが必要であると考えているところでございます。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 本県の少子化の現状についてですが、平成24年の合計特殊出生率は1.53と、平成21年から上昇傾向にあります。しかしながら、出生数は年々減少傾向にあり、少子化対策の取り組みがなお一層重要であると認識しております。
 そのため、不妊に悩む夫婦への支援として、こうのとりサポートや子育て世帯を経済的に支援する紀州3人っこ施策などの実施とともに、保育環境の整備や地域における子育て支援事業への支援等を行っているところです。また、今年度から、婚活イベントの開催など若者の結婚を支援するわかやま結婚支援事業を実施しており、来年度に向けて結婚サポート体制をさらに充実してまいりたいと考えております。
 今後とも、結婚、妊娠、出産、子育てまで切れ目のない支援を行うとともに、他部局とも連携を図りながら、社会全体で子育てを支えていく体制づくりに努めてまいります。
 次に、介護保険制度のあり方についてですが、議員御指摘のとおり、仮に県が保険者となった場合には、保険料が県内一律となることや保険財政の安定などのメリットが考えられます。
 しかしながら、そのためには、現在、介護サービスの整備状況や地域特性、住民ニーズ等に応じて市町村間で異なっているサービス内容や保険料の違いを全県的に平準化する必要があり、事実上困難と考えます。
 いずれにしましても、県としては、介護を必要とする高齢者が県内どこに住んでいようと質の高い介護サービスが提供されるよう、施設整備や介護人材等の充実に努めるとともに、介護予防の推進や給付の適正化を図り、介護保険制度の円滑な運営につなげてまいります。
 あわせて、昨年、介護保険料の軽減のため、国に対し負担割合の引き上げを提案したところですが、引き続き市町村が介護保険制度を安定的に運営できるよう、国に働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 県財政の将来について申し上げます。
 議員御指摘のとおり、平成26年度予算案において、年度末の県債残高が1兆円を超える見込みとなっておりますが、このうち、将来交付税で措置される臨時財政対策債が約3500億円あり、それを除いた県債は約6600億円と横ばいで推移しているところでございます。
 しかしながら、議員が憂慮されております地震、津波の発生が近い将来と予想されていることもあり、その対策も進めていかなければなりません。国のほうでも、国土強靭化基本法や南海トラフ巨大地震への備えに対しまして国が自治体に財政的な支援を強化する南海トラフ巨大地震対策特別措置法を制定するなど、取り組まれておるところでございます。
 県といたしましても、県民が安心して暮らせる社会を構築するために、安全と安心の政策などの新政策を一層進めていかなければなりません。このような新政策を推進するためには、強固な財政基盤が必要となることから、平成20年3月には新行財政改革推進プランを、また平成24年3月にはその改定版を策定して、持続可能な県政を目指して、全庁を挙げて行財政改革に取り組んでおるところでございます。
 これまでの取り組みによりまして、平成26年度予算案では、財調・県債管理基金の残高は新行革プランより27億円上回る額を確保することができているところであり、今後も新行革プランに基づいて財政運営を行うことにより、県財政の健全性を確保してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 地籍調査のスピードアップについてでございますが、地籍調査は、市町村主体の事業でありますが、土地の境界の明確化による所有権の保全のみならず、迅速な災害復旧や円滑な公共事業の実施など、本県の発展に不可欠であることから、市町村と連携して積極的に取り組んでおります。
 現在、本県の地籍調査の進捗率は、平成25年度末で34.8%の見込みであり、全国平均の50%に満たない状況ではございますが、最近の10年間は、全国でも一番の事業費、事業量を確保いたしております。
 議員御指摘のとおり、県道の地籍調査については約49%程度の進捗であると推量いたしておりますが、国道、市町村道も含めて公共性が極めて高く、県民の皆様の生活にとって大きな効果が得られると考えております。
 地籍調査は大変重要な事業であると認識いたしておりまして、今後とも予算の確保に努めるとともに、優先的に実施している公共事業実施予定区域や津波被害の想定区域に加え、国道、県道、市町村道の区域などの地籍調査も計画的に推進し、早期に完了できるように取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 一般社団法人南紀州交流公社の取り組みに対する見解についてでございます。
 県では、平成14年度からほんまもん体験を活用した体験交流型の修学旅行誘致に取り組んでいるところであり、誘致実績も上がってきております。
 現在、県外での誘致活動は、白浜町修学旅行誘致協議会を初め、受け入れ地域の地元組織と協力しながら実施しておりますが、一般社団法人南紀州交流公社の活動する白浜町日置川地域は、主たる受け入れ地域の1つとして、紀州備長炭作業体験やカヌー体験、そして民泊体験での多くの受け入れ実績がございます。
 特に、民泊の受け入れには多数の地元の方々の御理解と御協力が必須であるところ、県の現在までの誘致活動は、同公社を初めとする地元を挙げての体制があってのものと考えてございます。
 県としましては、今後とも、公益社団法人和歌山県観光連盟と連携して、県外での誘致活動の際に日置川地域を受け入れ地域として紹介するとともに、県外からの視察者に係る費用や受け入れ体制の整備に係る研修会の開催を支援してまいります。
 日置川地域への誘客が、ひいては同公社の円滑な運営に資するよう、取り組んでまいりたいと考えてございます。
○議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(山田正彦君) 再質問を許します。
 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁をいただきました。
 答弁に対して、1問だけ再質問をさせていただこうと思います。それ以下、他の御答弁いただいたことに対して、私の意見もちょっと御披露させていただきまして、また参考にしていただけないかと、そのように考える次第であります。
 まず、少子化対策のとこなんですが、答弁を聞かせていただいて感じたことは、答弁から見えてくることは、子供を産んでくれたら、こんなサービスがありますよ、こんなサービスがありますよと、我々の子育ての時代からすれば、ある意味、至れり尽くせりなのですが、なかなかよい結果に結びついてないのも現実です。これって、もしかして女の人から見た問題は実はそこにあるんではないということなのではないかと、私は考えてみたわけです。
 施策をいただいている内容がミスマッチしていないかと、こういうふうに思うわけです。自分だったらどうしたいかと考えた、その施策となっていないか。私たちは往々にして自分自身の目線から解決策を出そうとします。私たちがどうしたいんかではなくて、行政の側の立場の皆さん方がどうしたい、こうしたらいいんじゃないかというような話じゃなくて、相手がどうしてほしいかという視点のところが要るんじゃないかと。女性の皆さん方がどうしてほしいと考えているところにもっと切り込みが入れていないところに問題がないんかなと、そんなふうに考えます。案外、そしたら視点が見えてくるんではないかというふうに思います。
 産んでくれたら育てられますではなくて、くどいですが、女性の方がどうしてほしいのかという視点での考えを、一遍そういう視点で考えていただけたらどうかなと思います。
 それから、介護保険の御答弁なんですが、法律をつくっているわけですから、法治国家であり、我々地方自治に存在する者は、やっぱり法律に定められた延長線上で取り組んでいくというのは基本中の基本です。しかし、法律も、失礼な言い方をすれば、時々国民感情とミスマッチしている、そんなことも往々に感じることがあります。
 今回の介護保険に関する質問は、失礼ですけど、急づくりではありましたけれども、思いつきではありません。個人的なことを言わせていただきましたら、高齢者福祉は、私は二十ぐらいのときからかかわりを持ち始めて、もう40年以上になります。
 その間、民生委員や福祉委員長、社会福祉協議会の理事やとか副会長、民間の障害者福祉やボランティア団体の立ち上げなど、そういうことをずっとやってまいりました。精神障害の施設の立ち上げにも参画をしてまいりましたし、10数年前には白浜町内で知的障害者の法人化の取り組みもし、現在、その2期目の理事長を務めている、そういう立場であります。
 それから、3年ほど前には、その延長線上の障害者雇用のホテルのオープンにも参画をしています。その顧問という立場を務めているんですが、全て、ただ見てきただけではありません。自分で汗をかいて、その現場に入り込んでやってきたものであります。その上での今回の提言です。
 そして、この間、首長としても3期近くにわたってその全体を見続けてまいりました。したがいまして、3年や5年のかかわりから来る発言ではありませんでしたので、せめて研究や検討ぐらいはしていただけないかと。全体を見た中で、今の介護保険の制度、このことに対して、私はすごく大きな改善策を求める立場です。それは、市町村の区切りで、最近はかなり平準化されてきている側面もありますけれども、同じ県民がサービスの質に違いがある。
 今の高齢者の皆さん方は、あの厳しい戦争に参画をして、青春時代は本当に戦争で人殺しを教えてもうた。帰ってくると、国土は荒廃をしておりまして、それで、今の我々は、私らでもそうなんですが、車に乗せていただいたりとか、その時代の人は車を手に入れるなんていうようなことは大変難しい時代だったと思うんです。一生懸命、それこそ額に汗して働き続けて、我々のこうした時代をつくってくれている。その方々が寿命を終えようとしている。介護保険のお世話にならざるを得ないような年齢に達している。このときに、やっぱり公平な、同じ、少なくとも県民同士の中で、サービスに違いがある、差がある、区別がある。寿命を終えようと、その瞬間までそんな仕打ちを受けなければならない。そういうことであってはならないと、私は強く思います。
 法律がある、法律があるという話を聞かされてしまいますので、だったら、せめて和歌山県あたりが保険者になるべく、そういう研究をしていただけないかなと。広域連合を組むという方法も少し残されていますけれども、そうしたことも含めて、もっと広範囲で、どこの町から、ここの町の区切りからはちょっと違うんやというような話、やっぱり同じ国民あるいは県民という立場から考えたときに、公正公平で同じサービスが受けられる、そんな環境を早く整えてあげていただきたいと思うからであります。
 それから、南紀州交流公社の取り組みの発表をさせていただきました。一般社団法人という法人格を取得した団体ですので、ここでこうしたことをお聞きいただくことが妥当かどうかというのは少し考えてみましたが、基本的には、この団体全てがボランティア団体で、NPOだけではやっぱりいくことができない。そういう限界を感じた中で、一般社団法人という法人格を取得して、その事業を継続していると。そういう立場から、ここの席で発言をさせていただきました。
 ちょっと前回、10回目の総会がありまして、そこに行ったときにいろいろ感じたことがあります。それは、この10年前に進められた皆さん方のお考えと取り組みの姿勢が、県の支援をいただいている県の皆さん方と少しミスマッチしているような側面がある。
 例えば、こんなことをちょっと聞かされました。県内でも、かなり最近は、民泊、民泊ということで進んでいますけれども、あるときに、ある地域の民泊を実践された方が、日置川のほうにお見えになって、こんなふうに言うたらしいんです。生徒に、子供さん方にカレーライスを提供したと。子供たちが、おいしいおいしいと3杯も4杯もおかわりをしてくれたと。そのことにすごく、受け入れた農家の皆さん方は、食べてくれたらうれしさで、よかったんですというふうな話があったというんですが、地元の皆さん方、日置の地域の先にスタートした皆さん方は、ちょっと違うんですと。
 カレーライスはインドの文化でしょう。我々は日本人の家庭料理、日本人の文化を感じることが少なくなった時代の子供たちに、日本人の食文化を知ってほしい。だからやっているんです。そのことが何だか違ったものになってきて、本物の体験ではなくなっているように思える。
 額に汗して働く喜びも提案したい。だから田植えの作業があったりとか、いろいろしてるんです。それを軽く民泊だったらええかのような状況で、どんどん民泊に来てくれたらうまくいく、そんなふうな流れに最近はなってて、それがちょっと悲しい。ほんまもんだけしか生き残っていかれない。そうした取り組みは恐らく先に淘汰されていくんではないかと、こういうふうな心配事を言われておりました。
 最後に、その発言の中に、この民泊の取り組みに教育という側面が位置づけられていない民泊は、やっぱり我々の目指している民泊ではないんだと。そんな話もありまして、そうしたことも含めて、また県の当局の皆さん方も一度ゆっくり声を聞いていただいて、ほんまもん体験と言われているこの民泊について、もっともっと掘り下げた、長い年月にわたって、これからも中長期的にほんまもんの民泊が和歌山県下で推進されますように、そんなふうな思いと願いを伝えてほしいと、そういうことでもありましたので、御披露をさせていただいておきます。
 そしたら、1つだけ。地籍調査について御答弁をいただきました。このことにつきまして再質問を1点だけさせていただきたいと思います。
 地籍調査は計画的に期限を設定して実施しているとお伺いしておりまして、現時点での進捗率に対する数値目標を御披露いただけないかと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(山田正彦君) 再質問に対する答弁を求めます。
 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 地籍調査の進捗率に関する数値目標ということでございますけれども、計画的に地籍調査を実施するという観点から、平成22年から平成31年までの10年間の第6次国土調査事業十箇年計画におきまして、平成31年度末までの目標を48.7%と定めて、現在、順調に進捗させているところでございます。
 いずれにしましても、市町村、国と緊密に連携し、県民の皆様の御理解をいただきながら、早期に完了できるように努めてまいります。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○議長(山田正彦君) 再々質問を許します。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁をいただきました。ありがとうございます。
 この地籍の関係について、ここで質問させていただくのは2回目になっているんですが、2回もすることについて、かなり自分自身も考えてみたんですが、この地籍というのがなかなか理解いただけない。きょうは、この席で御参会の当局の皆さん方にも、やはりこの地籍事業の重要性というのを、失礼ですが、深く理解をいただきたいという、そういう側面で再度この席に立たせていただいた次第であります。
 地籍事業のないところに、地籍事業の完成ができていないところに、県土の発展はない、国土の発展はないと、そんなふうに考えています。
 データを見せていただきましたら、先進地ではもう80%以上、地籍が終わった県は7つ8つあります。以前にも言いましたが、沖縄の99%には遠く及ばないとしても、我々の地域はまだ30数%です。かなり出おくれ感があるように思います。
 進め方の幾つかは、考え方としては、やはりもう県は、今御答弁もいただいたようなことの延長線を考えましたら、県道や国道や公共のそういう施設というか、敷設されている道路、市町村道も含めてですが、せめてそこぐらい、「地籍は全て終わっております。さあ、皆さん方、市町村の県民の皆さん方も、このことについてもっともっと協力をいただいて、早くみんなでやり終わりましょう。これが我々の世代の責任である」と、そのぐらいの気負いと覚悟で、もっともっと推進をお願いしたいなと思います。
 勝手なことを申し上げまして、一般質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。

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