平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(高田由一議員の質疑及び一般質問)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(高田由一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○副議長(花田健吉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 まず、1点目の県防災訓練への米軍オスプレイ参加についてです。
 昨年の12月20日、知事は、和歌山県の防災訓練に米軍オスプレイが参加することを歓迎する表明をされました。それに対し、日本共産党県議団はオスプレイの参加撤回を求める申し入れを直ちに行わせていただきました。
 知事は、年末の発表の中でも、また今議会一般質問への答弁でも、MV22オスプレイは他に比して安全性の低い航空機とは思っていないという考えを示されています。
 一方で、全国知事会議では、平成24年の7月19日、「MV-22オスプレイの配備及び飛行訓練に関する緊急決議」を発表いたしました。その中では、「政府からは、米側から提供された情報として、事故に関して機体に機械的な不具合や設計上の欠陥はなかったとの説明があったが、これで十分な説明がなされたとは言えず、関係する自治体や住民が懸念している安全性について未だ確認できていない現状においては、受け入れることはできない」と述べ、また、「沖縄県への配備、全国各地で行われる飛行訓練等については、その具体的内容を明らかにするとともに、関係自治体の意向を十分尊重して対応するよう強く求める」と述べています。
 全国知事会議の決議の「安全性について未だ確認できていない現状」というくだりは、私は、いまだに解決していない問題だと考えます。また、「関係自治体の意向を十分尊重して」というくだりも、沖縄の現状を見れば、そのようなことは決して言えないと思います。
 沖縄県では、昨年1月、県内41市町村全ての首長、議会議長、県議会の全ての会派、民間団体などが東京まで出向き、安倍総理に対して、オスプレイの配備を直ちに撤回すること、米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念することなどを盛り込んだ建白書を手渡しております。私たち日本共産党県議団が昨年7月に沖縄調査に行ったときに、現地の県議会で、その建白書の原本のコピーをいただいてまいりました。このことをとっても、オスプレイの配備の問題は、従来のCH46という米軍のヘリコプターがオスプレイに置きかわるだけと納得している沖縄県民はいないということのあらわれではないでしょうか。
 そこで、知事に伺います。
 全国知事会の決議にある「安全性について未だ確認できていない現状」という問題は、既に解決されているとお考えでしょうか。答弁をお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) ただいまの高田由一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 高田議員がただいまオスプレイの参加撤回を申し入れるというふうにされましたけれども、実際に大地震が起こったときなど、大量の被災者を早く安全なところに輸送したり、それから救援物資を大量に、しかも早く持ってきてもらったりするには、それでは、それにかわるどういうやり方でやるのか、そういう対案を示さないと天下の公党とは言えないのではないかと思う気持ちもあります。
 全国知事会では、平成24年7月19日、軍事訓練等を対象にした、そういうときの議論でしたので、「MV-22オスプレイの配備及び飛行訓練に関する緊急決議」を発表いたしました。
 その後、我が国政府は、米軍に任せるだけじゃなくて、平成24年のオスプレイの沖縄配備に先立ちまして、同年4月にモロッコ、6月にフロリダで事故があったことから、航空安全や事故調査の専門家から成る防衛省の分析評価チームを立ち上げ、オスプレイの安全性に係る確認を行っています。この結果、平成24年9月19日、両事故については、機体自体に問題があり事故になったとは認められないと評価し、公表しております。
 また、公表と同日、日米合同委員会において、十分な再発防止策が既にとられていることを確認し、地域住民に十分な配慮がなされ、最大限の安全対策がとられていることを両国間で合意しております。
 また、私は、軍事訓練の飛行モードと、それから巡航飛行とは、まあ違うんだろうなあというふうにも思います。
 これらを踏まえ、政府として総合的に検討した結果、オスプレイの安全性が確認されたと判断しているため、県としても政府同様の認識を持っている次第でございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 対案を示せということですが、それはもちろん私個人で考えるわけにはいきませんけれども、しかし、今まで米軍に対する駐留経費への思いやり予算や、また、さまざまなSACO合意に関しての日本側の負担、そういうことも考えれば、そういう予算をしっかり防災対策のほうに回しておけば、そうした問題についても十分対応できる防災予算が組めるのではないかと私は考えております。
 それで、知事は、県としても政府と同様の認識を持たれているというふうに最後におっしゃいましたけれども、私は、仲井眞沖縄知事はいろいろ今問題になっておりますけれども、同じ知事同士、沖縄と同様の認識を持っていただきたいと考えております。
 沖縄の仲井眞知事は、昨年9月に日本共産党国会議員団と懇談した際、「よく落ちる飛行機で話にならない。安全性の確認を求めてきたが、払拭されないまま持ち込まれた」と批判をされました。安全性の確認はできていないという認識です。
 先ほど、昨年のオール沖縄で提出をされた建白書のことに触れましたけれども、沖縄の全市町村長と議長、県議会の全ての会派は、オスプレイの安全性について誤解しているのでは、私は決してないと思います。現実は、政府が安全宣言を出した後もオスプレイのクラスAと言われる事故は続いています。「琉球新報」の報道によりますが、昨年の6月にはアメリカ・ノースカロライナ州で、また8月にはネバダ州で事故が起きましたが、いずれもクラスAの事故というふうに報告されています。この2件の事故を加えて計算すれば多分事故率はかなり上がるでしょうから、この機体は、アメリカ海兵隊の中でも最も事故率の高い機体の1つになるのではないかと思います。
 那覇市長になっておられる翁長さんは、「安保に賛成だからこそ、オスプレイには反対だ」と言っておられます。アメリカとの友好関係を保ちたいから、沖縄県民に危害をもたらすおそれのあるオスプレイ問題では絶対に譲らないという構えです。
 今、沖縄では、日米安保に対する立場の違いを超えて、オスプレイの配備を撤回せよという点では、自民党も共産党も全く一致しているのであります。そんなときに和歌山県が防災訓練とはいえオスプレイを受け入れることで、米軍とは「トモダチ」になれるかもしれませんが、同胞である沖縄県民とは逆のことになるのではないでしょうか。いざというときは防災に役立つからといって、オスプレイの存在を容認するのであれば、結局、それは、今、沖縄にしか配備されていないのですから、沖縄にオスプレイを押しつけ続けることになるものです。
 沖縄の普天間基地のすぐ近くには、普天間宮という神社があります。ここには熊野権現が祭られています。なぜかというと、かつて熊野・那智山を中心に栄えた補陀洛渡海信仰で船出をした僧侶が流れ流れて沖縄にたどり着き、そこで熊野信仰を広めたからだと言われています。
 いにしえからの交流があった和歌山と沖縄が平和の点でも末永く交流できるようにするためにも、また私の地元白浜町民の心配の声に応えるためにも、改めてオスプレイ参加の防災訓練には反対だということを申し上げて、次の質問に移らしていただきます。
 2つ目、印刷物の入札制度についてです。
 1番目、低価格落札の現状、県の印刷物の入札について伺います。
 印刷関連業界は、大手2社を中心とする上位27社で市場の95%を占めており、残り5%、3000億円の市場に3万社余りの中小企業が激しい競争をしていると言われています。電子媒体の普及で民間需要も縮小し、官公需における競争はますます激しくなっています。
 その過酷な競争のしわ寄せが労働者に来ています。3月2日付の「しんぶん赤旗」には、安値を競う印刷通販業界の最大手、プリントパックの記事が掲載されています。この会社は、年間140億円を超える業績を上げているものの、過酷な労働条件で知られています。そこに労働組合が結成されたという記事なのですが、この労働組合は印刷業界の労働者でつくる全印総連という組合で、以前から、労働者の生活を守るだけでなく印刷業界の発展に対しても政策提言を行ってきました。その中で、地方自治体などの発注する官公需での激し過ぎる競争の問題点を指摘しております。また、印刷工業組合など業界団体からも官公需に対する政策提言が出ているようです。
 このような中で、和歌山県の発注する印刷物はどうなっているでしょうか。県の印刷物の入札でも、10年ほど前と比べると3分の1以下に下落しているものもあり、最近でも信じられないような値段で落札されている印刷物がたくさんあります。業者の間でのダンピング競争が起こっています。
 例えば「県税のあらまし」という県が発行しているこういう雑誌がございます。(資料を示す)この小冊子は──ちょっと写真はついておりませんが──この平成15年版では、今と同じ1500部の発行部数でしたが、56万7000円という値段でした。ところが、同じものが10年たって、カラー写真もついて、よりきれいになってるんですが、この平成24年版では、何と11万5000円で落札をされています。印刷に詳しい方に見てもらいますと、どう見てもかつての50万円程度が妥当な値段だろうというお話でした。このような事例が、調べただけでも多数あります。
 そこで、物品調達の責任を担っておられる会計管理者に伺います。
 印刷物の低価格での落札の現状をどのように考えておられるのか。昨年12月議会では中小企業振興条例が成立しましたが、県で発注する契約で、こうした値引き合戦のような現状で果たして中小企業の経営が成り立っていくとお考えなのか、答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者植山 均君。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 本県の印刷物の調達は、10万円以下の少額なものが多い状況でございます。また、その印刷物の入札については、従前から県内、振興局管内の登録業者の方々を特に入札参加の機会において優先して実施しております。登録業者の方々についても適切な価格で見積もりいただいているものと認識してございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 余り詳しく状況を話していただけないようなので、もう少し幾つか例を挙げたいというふうに思います。
 「県土整備の概要」というこの冊子ですが(冊子を示す)、平成21年版、これが1300部で121万円で落札をされましたが、平成22年版、ほとんど変わりませんけれども、同じ部数で、何と半額以下の52万円です。
 「統計年鑑」です。(冊子を示す)これは、県で毎年発行しているやつですが、平成15年版は発行部数が750部で54万円、1冊当たりの単価は730円弱だったものが、平成22年版では400部で15万円弱、1冊当たり362円と、半額になっております。ここまで単価が減っておりますけれども、この冊子は、歴史と伝統によるかどうかわかりませんが、ずっと2100円という値段で売られております。随分県がもうける仕組みになっております。
 「環境白書」です。(冊子を示す)こちらは、平成23年版では700冊で114万円弱、これが平成24年版、これもほとんど変わりませんけれども、ほぼ同部数で62万円と、6割の値段になっております。この冊子は原価で売られておるということで、情報公開をのぞきますと、ほとんど何も変わらないこの本が横に並んでいて、片一方には1600円という値段、片一方には950円という値段がついていて、県民の方から見ると、ほとんど同じ本なのにどう見てもおかしいと思われると思うんです。
 このように、印刷物の適正な価格とは、あってないような状況になってはいないでしょうか。こういう状況にあるということをぜひ県当局の皆さんにも認識していただきたいというふうに思います。
 では、次の質問に移ります。2番目の入札制度の改善の提案です。
 印刷の契約については、物品の売買か請負か明確な規定がなく、両方の性質を兼ね備えていると考えられ、官公需の契約、特に地方自治体でさまざまな取り扱いがされております。
 このような中、2002年3月の地方自治法施行令の改正で、167条の10というところで定められていた最低制限価格を設定できるとする根拠である「工事又は製造の請負契約」というふうに限られていた文言が、「工事又は製造その他についての請負の契約」とされました。この「その他についての請負」という範疇に印刷の契約を含める地方自治体が出始め、これにより、最低制限価格制度や低入札価格調査制度の採用が可能となり、全国に広がってきています。また、北海道のように、物品の売買契約のままで最低制限価格制度を採用した事例もあります。
 お隣の三重県の例を紹介します。三重県では、印刷物は一般競争入札かオープンカウンターという公開の見積もり合わせによる随意契約の2つの方法で入札をされています。どちらのやり方でも、100万円以上の予定価格の案件については最低制限価格を設定しております。予定価格の7割を切る入札だと失格になるそうです。
 また、全国的に見ても、昨年の状況ですが、先ほども述べた全印総連という労働組合の調査では、全国で18の道県で最低制限価格制度を導入しております。
 和歌山県でも、印刷物の随意契約の限度額は250万円になっています。これは、印刷が単に物品の納入ということではなく請負に該当するから、一般の物品の限度額である160万円ではなくて、この250万円という額を当てはめていると思うのです。それならば、いっそ印刷物は物品扱いではなく請負に位置づけ、その上で最低制限価格を設定するべきではと私は思います。
 そこで、伺います。
 印刷物を請負契約に位置づけること及び最低制限価格の導入を和歌山県でも検討されてはどうでしょうか。答弁をお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 印刷物については物品調達制度の中で処理していますが、既に製造その他の請負に位置づけて入札を実施しております。
 現在の印刷物においては、その予定価格についての統一された積算基準がなく、過去の契約実績等から標準的な市場価格を積算している状況であるため、最低制限価格の設定を行っておりません。
 以上です。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 できないという御答弁でしたが、隣の三重でできることがなぜできないのかと思います。
 実は、三重県では、平成12年度の包括外部監査で指摘があったことが大きなきっかけになっています。その中で、監査人の意見として次のように書かれております。「予定価格を算定できる職員を育てる必要がある」、「少額な印刷業者まで競争させるのはやり過ぎではないか」、「質の低下を防ぐために最低価格制限の導入が必要ではないか」などなどです。こういう監査意見を踏まえて三重県では、印刷物の積算ができるように職員を年に1~2回は東京へ行かせて業界団体の研修会に参加をさせたり、最低制限価格の導入を図っていったと、この間、電話で聞きましたら言っておられました。やればできると思います。
 次に、簡易公開入札制度の改善の問題について伺います。
 具体的な入札方法ですが、印刷物については、県の入札の要領によりますと、250万円以下の入札については、簡易公開入札といって、パソコンを利用した公開の見積もり合わせによる随意契約が行われております。250万円以上は一般競争入札になっております。
 そこで、伺います。
 決算の出ている平成24年度の印刷物の入札件数のうち、事務集中課が取り扱った一般競争入札、それから簡易公開入札の件数は、それぞれ何件になっているでしょうか。御答弁をお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 平成24年度の印刷物の入札件数については、本庁及び海草振興局管内で、一般競争入札が4件、簡易公開入札が794件となってございます。
 以上でございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 私は、今御答弁いただきましたこの簡易公開入札794件の結果を調べてみました。私は、この簡易公開入札というやり方は、パソコンを使っての電子入札で、入札者の負担を減らし、より多くの中小業者に県の仕事を受ける機会をふやすのが目的の1つではないかと考えておりました。
 しかし、結果が公開をされている平成24年度の印刷物の簡易公開入札を見てみますと、525件ある入札の中で、1社だけでその4割以上、2番手の業者も合わせると6割近くが落札をされております。印刷業者の登録は100社以上あると思うんですが、たった2社で、その簡易公開入札の6割近くを落札されています。これは、簡易公開調達を導入した趣旨から外れ、一部の価格競争力のある業者だけが落札をしているという結果につながっていないでしょうか。問題はないでしょうか。御答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 簡易公開入札制度は、公共調達改革の一環で、競争性、公平性、透明性を確保した上で、物品の円滑かつ適正な調達が可能となる制度として導入したものでございます。競争入札参加有資格者名簿に登録されている業者を対象に幅広く参加を呼びかけた上、公募型見積もり合わせ方式による見積もり合わせを行っており、地方自治法上は随意契約となりますが、実質的な競争入札だと考えてございます。
 簡易公開入札制度の実施に当たり、広く入札参加を呼びかけておりますが、入札参加者が少ない案件も相当あります。その中で、積極的に参加される業者の方々がみずから積算した適正な価格で見積書を提出し、落札されているものと認識しております。結果的に一部の業者に落札が集中する場合もありますが、公正な競争性が確保されていることから、問題があるとは考えておりません。
 以上でございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 問題がないという御答弁だったんですが、続いて、私は一般競争入札も簡易公開入札も全て入札結果がホームページで公開・閲覧できると思って調べてたんですけれども、いろいろ調べてみると、印刷物の入札に限ってですが、入札結果が公開されていないものがあることがわかりました。
 簡易公開調達の中でも比較的予定価格の高い入札でやられているやり方ですが、県のほうであらかじめ業者を指名して見積もりを出させて、その中から随意契約の相手を決定するという、昔はあったと思うんですが、こういうやり方です。見積もり依頼というそうですが、いわば指名型の随意契約というようなやり方です。
 私は、この間の県の入札制度改革の中で、基本的に指名入札というのはなくなったという認識をしておりました。県土整備部で発行している「建設工事にかかる《新公共調達制度》の手引」という本の中でも、この制度改革の中で、物品においても、平成19年からは基本は一般競争入札になっていると書かれております。なのに、現実は簡易公開入札という随意契約のうちのかなりの部分が見積もり依頼という、県のほうから指名をしてそれに応札するという、こういう運用になっておるようです。
 そこで、伺います。
 なぜ印刷物に限ってこのような指名型の随意契約が残っているのでしょうか。また、どのような根拠に基づいて実施をされているのでしょうか。答弁をお願いします。
 あわせて、このような仕組みは廃止の方向で見直すべきではと考えるのですが、いかがでしょうか。また、今はホームページで公開されていない入札結果の情報をすぐにでも開示するべきではないでしょうか。御答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 印刷物の入札に当たりましては、地図や音声つきパンフレットなど専門技術や特殊な設備、優良品の納入実績を必要とするもの、選挙用印刷物など印刷内容について注意を要するものや迅速な対応が必要になるものなどについては、適切に対応できる登録業者の方々に入札参加していただく必要がございます。
 そのため、あらかじめ物品の競争入札参加資格申請書類等により専門技術や特殊な設備などを持つ業者を把握し、個々の案件ごとに必要な技術、能力を持つ登録業者の方々に呼びかけまして、見積書提出の形式で簡易公開入札への参加をいただいているものであり、指名型の随意契約というものではございません。
 また、現状では、落札結果を閲覧できる状況となっておりませんので、その点については検討してまいります。
 以上でございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 指名型の随意契約というものではないというお話ですが、指名型の競争入札というの自体がもう廃止をされているのですから、それは理由にならないと私は思います。
 私が思うに、この見積もり依頼という指名型の随意契約も、当初は、ある程度業者を絞り込むことによって印刷物の品質を確保して、ダンピングのない適正な価格での落札ということを意図されていたんではないかなというふうに思うんです。しかし、既に現実にはそうなっていないんです。
 最初に幾つか例を紹介した「県税のあらまし」、「県土整備の概要」、「統計年鑑」、「環境白書」、また加えて「商工観光労働行政の概要」や「和歌山県の農林水産業」というパンフレットなど、全ての部局にわたる印刷物が、この指名型の随意契約で契約をされております。こうした冊子は、私は印刷業の基本的な業務があればどの社でもできるものではないかと思うんです。専門技術を要するから随契でもいいというのは、当たらないというふうに思います。
 当初意図した狙いから外れ、また入札制度改革の中でも、もうやめようとなっている指名型のこの入札のあり方は見直すべきだということを申し上げたいと思います。
 次の質問です。少額の契約についてです。
 先ほど、一部の競争力のある業者がほとんどの落札をしていると紹介しました、登録業者なら誰でもパソコンによって参加ができる簡易公開入札ですが、見てみますと、ほとんどが10万円以下の発注なんです。平成24年度の数字をいただいて見ましたら、525件のうち55件しか10万円を上回るものがないんですね。その他の小さな入札が多いんです。
 このような10万円以下のものについては、近隣の登録業者から順番に購入するようなやり方でもいいのではないかと思います。実は、これも三重県でそのような方法をとっているようなので、やれないことはないと思うんですけれども、ぜひ研究をしていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 会計管理者。
  〔植山 均君、登壇〕
○会計管理者(植山 均君) 先ほども申し上げましたとおり、本県の印刷物の調達は10万円以下の少額なものが多い状況でございますが、それを順番制で発注するということについては、入札参加の機会の均等や競争性、公平性、透明性を確保する観点からは適切でないと考えております。
 したがって、現在行っているように、県内、振興局管内の登録業者の方々を優先する簡易公開入札で行うことが適切であると考えております。
 以上でございます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 この問題の最後に、印刷物の入札制度改革についてのお考えを知事に伺いたいと思います。お願いします。
○副議長(花田健吉君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県の公共調達におきましては、県内企業優先のもと、競争性、公平性、透明性を確保するため、条件つき一般競争入札や簡易公開入札を導入しております。印刷物についても、地元企業優先に配慮した制度にしながら、その内容に応じた専門技術や設備、実績等を考慮した入札を実施しておりますし、これからもしてまいりたいと思います。
 なお、議員御発言の中で、指名型とか指名競争入札というのが、答弁はしておるんでございますけれども、実は違うんですけれども、その違いをきっちり認識されないで、あるいは混同して、または、させて議論しておられると思いますが、それは違いますので、どうぞ御理解のほど、よろしくお願い申し上げます。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 知事の最後の御答弁は、ちょっとよくわからなかったんで、私もさらに研究をしていきたいと思います。
 公共調達の改革をやはり徹底していくなら、さっき言われた指名型の随意契約というような、このことはやめていくべきだというふうに思います。実は、三重県では、県が指名する、私が言う随意契約というのは、既になくなっています。和歌山県でも、最低制限価格も設定をして、印刷業界で働く労働者と中小業者の経営を守る県政にされるよう要望して、次の質問に移りたいと思います。
 3つ目、南方熊楠記念館についてです。
 白浜町の円月島のある臨海という地域にある公益財団法人南方熊楠記念館が運営する同記念館が、来年で開館50周年を迎えます。この県議会議場でも、先輩議員がバリアフリー化などの問題で取り上げてこられたこの記念館も、老朽化が激しく、このたび県の新年度予算で再整備へ向けての予算を盛り込んでいただきました。地元にいるものとして、歓迎をする次第であります。
 この記念館は、昭和40年の開館当初は、同じ敷地内に番所山植物園というレジャー施設もあり、お配りしている縦長の資料にもありますように、来館者はすぐに年間6万人を突破しました。しかし、その後、植物園の経営が傾き、昭和50年に入り口が完全に閉鎖されるという事態が起こりました。以来、昭和57年3月の記念館再開までは、来館者はほとんどいない状態でした。ただ、再開されてからは、関係者の努力もありましたが、そこにあるように年間1万人前後という数字が続いておりました。
 これが転機を迎えましたのが、平成2年です。記念館開館25周年記念特別展が開催をされ、期間の入場者は1万1000人を超えました。田辺市でも南方熊楠賞制定などがあり、年末にはテレビで取り上げられ、平成3年には東京と大阪で「超人南方熊楠展」が開催をされ、ともに3万人以上の来客となったそうであります。
 その影響もあり、平成3年4万8000人、平成4年6万人の突破というふうに続き、その後はどんどん減っていってるんですが、平成11年までは年間3万人を超える来館者数でありました。その後、2万人台がずっと続いております。現在の来館者数は、ただ2万人前後とはいえ、この種の施設としては、紀伊風土記の丘が約2万人、県立博物館が3万人前後ですから、来館者は多いのではないかと思います。
 地元に住む者にとって、かつて閉鎖をされた番所山植物園というのは、今のアドベンチャーワールドのようなレジャー施設だったと思います。クジャクやニシキヘビ、オウム、アシカへの餌やり、動く歩道などなどありまして、私も楽しい思い出が残っております。しかし、その番所山植物園が閉鎖されてからは、地元の人も余り行かない、知らないスポットになっていて、熊楠記念館も地元の人は余り行っていないという実情があります。
 しかし、今度、このたび白浜町のほうで番所山公園が整備をされ、4月にオープンする予定です。風景はいいし、また記念館からの眺望は抜群によいものがあります。
 歴史もあります。近くには、かつて紀州藩の屋敷があったそうです。幼いころ、あの暴れん坊将軍吉宗もちょくちょく来て鍛練をしていたそうで、テレビのあの海岸を馬で駆けるシーンは、臨海の浜を駆けているイメージなのだそうです。これは館長さんの受け売りです。
 また、円月島など、ジオの見どころでもある。京大の水族館とあわせて、自然を学べる場でもあります。
 先日は、台風で荒れる中、わざわざオーストラリアから記念館を見るためにやってきたという老夫婦がおられたそうであります。今後、私も地元民の1人として大いに宣伝をしていきたいと考えております。
 そこで、知事に記念館の再整備の概要、狙いについて答弁をお願いしたいと思います。また、3年後の開館へ向けて、今のうちから熊楠のテレビドラマ化など、かつてもテレビが一役買って来館者数が急激にふえたわけですから、マスコミへのアピールも考えておいてほしいと思ってるんですが、いかがでしょうか。答弁をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御指摘のように、番所山というのはすばらしいところで、実は最近、ちょっと整備がおくれるというか、ちょっと荒れていたということを、私が知事になりましてから白浜に参りまして、地元の人と話をしていて、なるほどというふうに思いまして、それで復活をすべくいろいろ努力をして、県のお金も投入しているんですが、そういうようなことをやりました結果、ことし、それができまして、これはまさに高田議員御指摘のように、いろんな要素をあわせて白浜の武器がもう1つできるということになろうかというふうに期待しているところでございます。
 その中の大変重要な要素である南方熊楠記念館なんですが、昭和40年に建築されまして、築後50年近くが経過しとるわけです。耐震性能も心配でございますし、バリアフリーでもありません。老朽化も進んでおります。そこで、新館建設構想を公益財団法人南方熊楠記念館とともに進めているところでございます。
 新館のコンセプトとしては、周囲の景観に配慮したデザインとしたいと考えております。また、機能面では、バリアフリー化や貴重な遺品、遺稿、標本などの資料の保存機能を高めるとともに、特に展示スペースの拡大や展示方法に工夫を凝らすなど、展示機能の強化に力を入れたいと考えております。そういう意味で、スペースは少し広いほうがよろしゅうございますので、現在の建物も利用していこうというふうに考えております。
 また、自然公園内という立地を生かしまして、新館を白浜町が整備を進めてくれております番所山公園の中核的施設として位置づけまして、本県が生んだ世界的な博物学者であります南方熊楠さんのすばらしい功績を紹介し、次世代にその魂を伝える社会見学の場、あるいは環境学習の場として積極的に活用していきたいと考えております。
 建設に当たりましては、単に県費をぽんと出すというだけではなくて、やっぱり全国にアピールをしたい、新たな熊楠ファンにも呼びかけたいというふうに思っておりますので、全国に幅広く寄附を働きかけまして、多くの皆様に御支援、御協力をお願いしたいと考えております。
 今回の新館建設構想の推進を機に、地元白浜町や田辺市にある南方熊楠顕彰館との連携強化を図りまして、熊楠さんの魅力を全国に強く発信していきたいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 最後に、要望させていただきます。
 記念館が新しくなりましても、交通アクセスという点で大変わかりにくいという実情があります。これを改善することや、今、知事もお話しされました田辺市にある南方熊楠顕彰館との連携というのをぜひという声を地元でも聞いております。
 また、周遊観光コースの設定や京大臨海実験所との連携、さらに地元住民や小中学校へのアピールなど、町と県、財団が一体となって進めなければならない課題もあります。これらへの対応も要望しまして、私の一般質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、高田由一君の質問が終了いたしました。

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