平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(中 拓哉議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」です。和歌山市選出の議員として、和歌山市民の幸せが和歌山県の発展となり、県勢の浮揚が市民福祉の向上につながるべく質問しますので、県当局の幹部の皆さんには県民、市民の心に伝わるような丁寧な御答弁をお願いします。
 23回目の登壇です。議長の指名により発言を許されましたので、順次質問してまいります。
 皆さんに選出をいただいて、かつて関西広域連合議会の議員として、何度か連合議会の議場におきまして橋下大阪市長や松井大阪府知事とも議論を交わしてまいりました。両名とも、広域連合委員として、担当する事務分掌の責任者として、誠実に答弁なさっておりました。
 折に橋下氏は、道州制のこと、権限移譲のこと、原発問題など、担当事務分野を超えて発言することがあり、ニュースとしてそのことが報道されます。知事や議員を前にして、「道州制ができると、今の県がなくなり、ここに座っている知事やあなた方議員の立場がなくなるから、あなた方は反対なのでしょう。自民も民主も公明も、公約に道州制を掲げているではないか」と彼が挑発する発言をすると、その発言だけ報道されるのです。連合議会では、議案の審議とともに重要な政治課題の審議も行っているのに、マスコミは橋下氏の発言にしか興味を示しません。
 確かに、国の直轄事業負担金の、彼のぼったくりバーの発言や知事会の会費の返納などの功績も、彼のオリジナリティーあふれるボキャブラリーのなせるわざなりと感心もいたします。
 平成20年1月、橋下氏が府知事となってから大阪維新の会を立ち上げ、府議会で過半数の勢力を築き、大阪市議会でも最大の勢力を占め、自身も市長に転戦、勝利する中で大阪都構想につながる大都市地域特別区設置法が成立したり、今国会にも、地方自治法の一部改正として、道府県と政令市の二重行政を防ぐ調整会議の新設や総合区制の創設などの審議が予定されております。
 昨年2月には、特別区設置協議会、いわゆる法定協議会もでき、堺市長選では敗北して堺市の参加がなくなったものの、大阪市の現在の24の区を5つの特別区に再編しようと協議が進む中で、この2月1日、市長を辞職して市長選挙に再出馬すると表明いたしました。新年度予算の審議が最優先だろうと反発する議会を歯牙にもかけず、法定協のメンバーも維新の会で固めると表明しております。
 否決されたわけでもない特別区設置案が、自分の思惑どおりでないから民意を問うのだとする橋下氏のこういった政治手法について、ひとり相撲、ひとり芝居、ピエロ、だだっ子、逆ギレ、けんか民主主義などとやゆされても、なおかつ進めようとする大阪都構想に対しての、関西広域連合副連合長でもあり、彼とも少なからぬ親交のある仁坂知事の所見をまず伺いたいと思います。
○議長(山田正彦君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 制度としての大阪都構想、すなわち府県庁所在地の政令指定都市と府県の権限関係をリシャッフルするということについては、以前から申し上げておりますように、私は賛成であります。
 大阪府の中において、府県並みの権限を有する政令指定都市とその他の部分が区分されている、まあ大阪市と大阪府が2つ並んでるということなんですが、客観的に見て、少なからず二重行政的なものが発生する可能性が高いなあというふうに思います。
 税源配分の面でも、政令指定都市を持つ府県はなかなかつらいものがあるというふうに思いますし、一方、府県側も、府県庁所在地に中心的な施設を投資しないというわけにも、これはまたいかんということで、どうしても仕事と財源のアンバランスが起こってくるわけでございます。
 大阪都構想が、管轄権をそれぞれ分担してというような意味で小さく分割するのではなくて、大阪市が担っている広域的な行政の部分は大阪府に統合して、住民に身近な行政サービスは住民に身近なところに集中していくということであれば、二重行政の解消につながると考えるから、私は賛成であると言っております。
 大阪都構想そのものは、大阪府民、大阪市民にとって大変重要なことなので、府民、市民がお決めになればいいということであろうかと思います。大事なことですから、民意を問うこと自体はおかしくはないと思いますが、どのような問い方がよいのかというのは、大阪市民あるいは大阪府民がお決めになるべきことであって、外部から口を差し挟むものではないと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 答弁ありがとうございました。ちょっと物足りんですね。大阪市民が決めること、大阪府民が決めること、それはもう優等生ですけど、和歌山市長の大橋さんが11月にやめると言うたら、ちょっと早いん違うかとか──早いん違うかとは言わなんだですね──ああいう形をとらなんだとか、そういう発言もありましたからね。
 やっぱり橋下市長が、やめてもう一遍出ると言うんですから、どっちかというと議会の解散を求めるようにリコールをやるとか──名古屋の市長がやったようなこと──そういうことをやって堂々とすべきであるのが今の自治法上の認められた民主主義のルールではないかなと思いましたんで、お尋ねした次第でございます。
 これからも顔を合わすことでしょうから、仲ようやっていただけたらと。また、府県間道路についても協力せんなんですから、またよろしくお願い申し上げます。
 それで、2期目の仁坂知事も、この12月16日には任期満了を迎えます。先日の所信表明では、その件には触れることもなく、「安心と安全」の政策、「未来への投資」の政策を力強くお述べになりました。
 一方、和歌山市長選が8月10日に行われます。3期務めた大橋市長が、11月16日の女性のつどいで引退を表明しました。レームダックの市長が新年度予算に責任を持てるのかといった批判から、早期退陣を迫る声もあるやに仄聞します。県では、かねてより県市政策連携会議を設け、都市計画道路の早期整備策など、さまざまな政策課題に協力しながら取り組んでおります。
 大阪の府と市の「100年の恩讐」とか言われるいがみ合い、「ふしあわせ」とか言われております。また、かつて和歌山でも、仮谷知事と旅田市長の対立のようなことがありました。そういったことがあっては、県民、市民の幸せにはつながりません。
 そこで、政治家として8年のキャリアを積んでこられた仁坂知事の県と和歌山市のリーダーに求められる人物像、そういったものをお述べいただけたらと思います。よろしくお願いします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 答弁の前に、ちょっと一言申し上げますと、先ほど和歌山市長のときはいろいろおっしゃったとおっしゃいましたけど、「大橋市長はそれぞれお考えがあってのことだったと思いますが」と言いつつ、聞かれたので、「自分だったらこうするなあ」というふうに申し上げただけでございますので、批判めいたことを申し上げたつもりはございません。
 それで、これまた和歌山市のリーダー像、県市全体のリーダー像についてというか、首長のリーダー像について申し上げますが、和歌山市の具体的なリーダーとしてのあり方については、半年ぐらい以内には選挙があるでしょうから、市民の方が御判断になって投票されるということだと思っております。
 それで、一般論として、首長としてどんなのがよろしいかということについて私見を申し述べますと、3つの要素が必要だと私は思っております。
 第1に、何よりも住民を大切に思って、住民の幸福のために、熱い心で情熱を持って一生懸命取り組むという、そういうことが必要だと思っております。
 第2に、基本的に必要なものとして、やっぱり行政知識もあるなあというふうに思います。これは行政手腕とか力量とかいうことがないといかんわけですけれども、それからスピード感のある、決断力のある運営が求められているんだろうと思うんです。しかし、行政技術がいろいろわかっていないと、勇気を発揮する、あるいは決断力を示す、そういう自信が出ないんではないかなあというふうに思います。これは経験をしていれば、一生懸命勉強をしていれば、わかることだと思いますが、初めは大変だろうなあというふうに思います。
 3番目は、やっぱり人柄がよくて、清廉潔白であるとか、温かみがあるとか、市民からやっぱり信頼を得て──市民あるいは県民ですね──好かれるような首長であるというのが大事だと思います。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 そういう要素をお持ちの仁坂知事が、そういう要素を和歌山市長に求めてると、このように理解いたしまして、市長選、市民の皆さんも参考にしていくんではないかなと。やっぱり知事さんの発言というのは重いもんですから、どこかでやっぱり政治家としてのリーダーシップを発揮すべきところもあるんではないかと思いまして、お尋ねしたような次第でございます。
 次に、和歌山市駅周辺の再開発・都市再生についてお尋ねします。
 先ほど、森さんの質問の答弁にも、和歌山駅のことの質問に対して、和歌山市駅中心街といった形で知事から答弁いただきました。
 去年の12月26日のことなんですけども、東京からニュースが飛び込んでまいりました。南海和歌山市駅の高島屋さん、和歌山店が、業績不振からこの8月に撤退するというのです。「551の豚まんが買えやんようになるなあ」という軽口を言う人もおりますけども、毎日の食材を調達している御近所の御高齢の方やここで働く従業員にとっては深刻な問題です。
 報道によれば、駅ビルの老朽化に伴い、建てかえ再開発となると協力金が求められるので閉店を決断したのではといった意見や、イオンモ-ル和歌山さんがこの3月16日に開業するからではといった記事もありました。また、1月12日の「毎日新聞」の「和歌る?紀になる!」という記事によりますと、和歌山市が昭和58年と平成7年に再開発案を立てたが、頓挫しました、平成24年には三たび再開発の話が持ち上がり、県、市、南海電鉄、和歌山大学で構想を検討中、バスターミナルを集積して、市民会館、市民図書館ももう古いので、こういったものの建てかえも取り込んだ、また、あるいは近くを流れる──私は「いちぼりがわ」と言うんですけど──市堀川を生かした景観づくりといった都市再生のデザインが今現在語られ、その新聞記事によりますと、市の都市整備課の方の発言として、駐輪場と駅前広場の再整備は、この26年度中に計画をまとめたいとありました。
 12月27日の新聞、「高島屋撤退」の記事が載った明くる日に、仕事納めが県庁でございました。そこで、知事の訓示でこのことに触れられて、「問題を直し、衰退を食いとめ、問題を摘出して直していく。安心して暮らせる環境をつくり、県民を励まし、陣容に加わってもらい、みんなで力を取り戻す。例えば高島屋の撤退、私はこれはいいんじゃないか。和歌山に2つの大きな百貨店は維持できない。残念と諦めていたら話にならない。実は決して諦めておりません。既に県土整備部や企画部の諸君が頑張ってくれて、実はあの市駅は再開発する一歩手前になっている。具体的な構想も、もうできております。その中で、あの高島屋ははまりません。はまらないときに、物すごく大きな高島屋をつくるのが無理だとしたら、それはあそこにいることはできない。早晩撤退せざるを得ない。まあ、そういうことであります。ただ、次は、その際、開発を一日も早く完成させて、そして、できることなら、商業的な意味でもにぎわいの場となるようなものをできるだけ多くあそこに持ってくるということを我々がどれだけ努力をして、南海や、あるいはX企業に説得することができるか。それが我々に今問われていることである」とお話しになりました。
 改めて、この議場で県民、市民に市駅周辺の都市再生のお姿をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) また、答弁に入る前に。
 前に申し上げたのは、実はそれは全て事実なんでございますけれども、そういうことを言いませんと和歌山市民や和歌山県民がまたがっかりするよねというような雰囲気があると思いましたので、そういう発言をさしていただいた次第です。全て事実なんです。
 それで、御質問にお答えいたしますと、一般に都市の再生には、土地需要に見合った土地供給をするということが大事でございまして、特に人口がばあんとふえていくような、そういう傾向になければ、都市の外縁的拡大はちょっととめて、それで再開発等々によって再活性をしていくということが大事だろうと思います。
 2番目にはその再開発というものが大事なんですけども、その際、駅があって人が集まってくるということは、それは、再開発にはとても便利、有利な点であると思います。和歌山市周辺は、大阪方面からの玄関口でありますとともに、教育・文化施設が集積された重要な拠点でもありますし、JR和歌山駅周辺や和歌山城周辺とあわせて活性化を図っていくことが重要だと考えております。
 こうしたことは、本来は市の仕事なんですけれども、しかし、市民は同時に県民でございますし、県庁所在地の市の活性化というのは県にとって大変大事なことでございますので、したがって県も一肌脱いでいこうというふうに考えております。
 26年度新政策では、都市空間の再構築戦略を推進するため1000万円の予算を計上しておりまして、ターミナル駅周辺の再開発などの都市の活性化に向けた調査を実施することにしております。
 現在、和歌山市駅周辺におきましては、その再開発に向けて、南海電鉄を中心に県や市などの関係機関も連携しながら、特に住宅の整備を初め、できれば集客施設整備などによるにぎわい空間の創出、駅前広場の再整備による交通結節点の強化などのさまざまな検討が進められているところでございます。
 今言ったような予算も使いながら、和歌山県としては、都市再生の実現に向けて、自分でもいろんな構想をしながら提案をしてまいって、権限などをたくさん持っている和歌山市に対して強く働きかけ、また関係事業者等との連絡も密接に連携して話を進めていきたい、そんなふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 だんだん仁坂さんも政治家になってきたんやなあと。要するに、職員さんの前ではそんだけ──はったりとは言いませんけども──あとは南海やX企業が来るだけやと。よう高島屋は出ていってくれたんやと。この先いろいろやってても高島屋は持ちこたえんから、出ていくお金を渡すよりは自分で判断して出ていってくれたんやと。こういう感覚で私は読みました。私は、ひょっとしたら間違うてるのかわかりませんよ。だから、職員さんに、これから頑張ろうなということで言うてくれたんやと思います。だから、僕は改めてここで聞きたいんです。
 というのは、私の知り合いなんかもあそこで働いてるんです。子供さんを抱えて、上の子が大学で、今度、下の子が大学に入ったと、もう一踏ん張り頑張りたいよと思うたところに職場をなくしてしまう。そういう私の知り合いなんかからすると、「中君、市駅ってどうなるのよ。高島屋はどうなるのよ。引き続き働きたいけど、どうよ。大阪へ転勤さしてくれたらまだええけど、首になったらどうよ」という心配があるわけですね。そういったときに、知事さんは職員さんに対して、もう1つ2つ頑張れと、こんなことで沈んだらあかんと、そういう意味の御発言だと思いますけども、やはりそうであれば、この議場でも同じように南海やX企業──もうここでX企業の名前を言うてくれるぐらいまでやってほしいなあと思います。
 また、先ほどの再開発、市駅、確かに市が中心になってやることでしょう。私も市会議員で何度かこの再開発の手法について質問もしてきましたけど、担当者は、「もういいところまで来てます。ある開発コンサルさんとええとこまでまとまってます。もうちょっと待ってください。ここで聞かんといてください。ここで聞いたら皆水の泡になってしまいますから」というふうなことで、市議会のときに何度か質問もしましたけども、そういうことでした。結局、その担当者はやめてしまって、何の成果もなしのまんまでございます。それが、先ほど言うたように「毎日新聞」が書いてくれたように、再開発が流れてきた経緯なんですよ。
 ところが、24年度にまたそういう形が始まって、ちょうど市民会館や図書館も老朽化してる。あるいは、この際、和歌山市の姿を全体に見直すということであれば、期待もしますし、県も、知事の冒頭の所信表明にもありましたように、県が主導的に都市計画に取り組むんだということだったもんですから、ここで発言してもらえればなあと、そんな思いで聞いた次第でございます。
 同じように、都市計画道路の次のことに移るわけですけども、過日、2月26日の「市報わかやま」──もう皆さんのお手元にも行ってると思いますけど──そこでは、15ページにパブリックコメント募集の告知がありました。都市計画道路の見直し案への意見を、3月20日から4月18日の間、市役所1階の資料コーナーで閲覧し、道路政策課に応募するようにという案内です。
 今議会冒頭の知事の所信表明では、「未来への投資」の中で、「景観や町並みのレベルアップにも一層磨きをかけていきます。とりわけ、都市の再生を目指すために、都市計画の活用と都市再開発を具体的に県が企画提案をして市町村をリードしていきたい」と表明なさいました。
 平成15年から毎年、県市政策連携会議の──これは副知事が行ってくれてるんですけども──議題でもあり、仁坂知事の和歌山県行政報告会の資料にも詳しい説明が載っておりますこの和歌山市内の都市計画道路、昭和40年1月28日建設省告示148号、35路線、延長約177キロ、現在46路線、延長約195キロ、これには街路事業と道路事業があり、都市計画税の充当や平成18年末の整備状況の資料と19年以降の供用・事業推進状況などの説明も丁寧にされております。つまり、仁坂知事になってからこの都市計画道路が進んだということがわかるような資料でございます。
 その最近の資料には、この平成26年1月末というクレジットもついてございました。それによりますと、布引本渡線は県の計画として赤四角中抜きの印、つまりこれから整備していきますよという印が打たれておりますし、新在家坂田線、有本田尻線の一部も市の計画として青四角の中抜き、つまりこれから整備していきますよという印が打たれております。仁坂知事就任以来、こういった和歌山市内の都市計画道路が推進していったことがわかるうってつけの資料でありますが、これは直近の県政報告会でいただいた資料でございます。
 改めて申すまでもなく、都市計画区域内に暮らす住民は、家を建てようとすると、予定区域内であれば、階数が2以下で、地階がなく、主要構造部分が木造、鉄骨造で、移転、撤去が容易なものと制限されます。つまり2階以上は建てるな、鉄筋は建てるなと、こういうことですね。また、道路、公園、下水道の都市基盤が整備されることをその区域内に住む住民は期待しつつ都市計画税を納めてきたのであります。こういった住民の期待に応えるべき今回の見直しであってほしいなあと思います。
 平成23年3月に県が策定した和歌山県都市計画道路見直し方針にのっとり、まとめたとする今回の方針の内容を、県土整備部長、お示しください。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 和歌山市の都市計画道路の見直しにつきましては、昨今の社会情勢の変化や厳しい財政状況、さらに選択と集中による計画的な道路整備の観点から、現在、和歌山市において見直し作業が進められているところです。
 見直し作業に当たり、県は広域的な観点から地域間道路の見直しを主体的に行う、市はまちづくりの主体として地域内道路の見直しを主体的に行うとする基本方針のもと、県としての意見をこれまで述べてきたところでございます。
 この結果、都市計画道路の見直し案は、計画決定された46路線、192.4キロメートルのうち、21路線、51.8キロメートルを廃止候補としたものとなっております。
 今後は、広く市民の意見を聞くために3月20日より実施するパブリックコメントにおいて個別路線を提示することとしており、寄せられた意見を踏まえた上で見直しが行われていくこととなります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 21路線、51.8キロを廃止候補としている、これは非常に重大なことですね。その区域の住民からすれば、今まで2世帯住宅を建てたいなあと思っても、いやいや、ここは都市計画の線が入ってますからだめなんですよということで我慢もしてきました。あるいは、例えば住んでる方が亡くなった後、相続のことも、そんな形で制限を受ける地区だということで、いろいろもめごとも起こっております。
 ですから私は聞きたいんですけども、こういったように、県の行政報告会で配っている、19年以降に供用、事業を推進してる都市計画道路、この中には、新在家坂田線のところは青く四角で残ってる。あるいは有本田尻線も青く四角で残ってる。県直接のことで言いますと、布引本渡線は赤い四角で残ってる。こういう案が示されてるわけですけども、これは今回する発表案の中で、そのとおりなんですか。そのことはどうでしょう。お答えいただけますか、部長。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 先ほど答弁させていただきましたとおり、今回の見直し作業に当たりましては、県は広域的な観点から地域間道路の見直しを主体的に行い、市はまちづくりの主体として地域内道路の見直しを主体的に行っております。
 個別路線につきましては、3月20日に実施するパブリックコメントにおいて提示するということでございまして、1つ1つの路線ではなくて全体として見ていただき、また御意見をいただきたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 全体として見ろということですけども、市民、住民からすれば、自分のところがどうなるかということが一番大事やと思います。
 例えば、具体的に言いますと、県立図書館から大浦街道に抜ける道は、今、現行は細いながらも道があります。そこで車が行き交いながらも、かわしながら何とか行っております。その水軒小雑賀線、これは、住民からすれば、「ああ、この狭い道もいつか都市計画道路で広げてくれるんだろうなあ」ということで使ってるわけですね。
 一方、今度は和歌山市内のことで細かく言いますけど、神明さんの神社のところで堀止の道はとまってます。しかし、その先に湊神前線ということで線は引かれています。しかし、現行の道路はありません。バイクで走っても突き抜ける道路はありません。そういったところはどうなるんかなあと。こういうことで、私は実はこの説明を受けたときに聞きました。そしたら、内環状道路で湊神前線は残るけども、先ほど申し上げた水軒の、要するに県立図書館の前は消えるという案になってますと。そんなら早く住民に言って住民に意見を聞かなだめじゃないかということで、今回、現に質問してるんです。そしたら、3月20日の住民のパブリックコメントを待つと言うんですね。ちょっとおかしないですか。
 もう既に、先ほど知事がおっしゃったように都市計画の見直しなんかも1000万も予算化されて、そういった予算の使い道のいいかどうかをここで私は議論さしてもらえるんです。住民から負託を受けて、来年度予算の使い道を県議会でただしてくれ、そういう形で負託を受けたから聞いてるのに、全体を見てくれ、個別のことは言えない、そういう御答弁では、私は納得できませんし、なおかつ県が出してる資料には布引本渡線は赤く残ってるんですね。でも、今回いただいた地図では、もう消えてなくなる方向の案だというんです。なくなるかどうかは、最後は都市計画審議会で決めるんですよ。そんなことを言い出したら全然議論になりませんけども、そういう案を住民に示すんであれば、ぜひここで私が聞いた具体的なこともお答えいただければと思いますけど、再度お願いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 何度も同じことで恐縮ではございますけれども、先ほど議員がおっしゃいますように、住民の方がどう考えていくか、これは重要なことだと思っております。それも含めまして、全ての検討される路線につきまして、3月20日のパブリックコメントで御意見を聞くというのが手続で和歌山市のほうからいただいておりますので、この意見を踏まえて、またその見直し案──今は案でございますから──それを再度検討されていくと思いますし、県としても、これに対して必要な意見は申し述べていきたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 どうもしゃきっとしませんね。県の方がこういうのを持ってきたんですね、「都市計画道路見直し、御意見を募集します」と言って。で、地図までくれてるんですね。この地図では、私、「わかりにくいから、大きいのをくださいよ」ということで申し上げました。県のほうも「用意します」とは言うたけども、すぐ、私、市の都市計画課に走りました。都市計画課へ行って、先ほどの大きな地図をもらおうとしたら、「また塗って届けます」と言うんですね、そのときにくれたらええのに。
 そしたら、また県の人が来て、「中さん、市へ行かれたんですか。うちでつくろうとしてるのに。これ、渡しますわ」と、これをくれるわけですね。そういう点では、市と県が協調しながら、打ち合わせしながら進めてるのはいいことなんですけども、既にこうやってもう見直しますよということで私どもに渡してきて、それを今議会で私が聞こうとしたらそういうことを言うというのは、おかしないですか。
 きょうでも和歌山市議会、行われてるんですよ。和歌山市の市会議員が市の都計部長に聞いて、そんなこと答弁できますか。住民に知らした後でないと議会で議論するなと、そんなおかしなこと、僕は民主主義上成り立たんと思います。
 再考を促しまして、ここで議長からもう一遍答弁を促してもうてもありがたいですけど、言うてくれやんのやったら、次の問題に移りたいと思います。
 次も、県道新和歌浦梅原線の整備状況についてお尋ねします。
 皆さんにも資料を配付しております、いわゆる大浦街道のことでございます。平成24年6月議会でも取り上げました通称・大浦街道で、舟津町から和歌山工業高校の西浜の交差点の区間についてでございます。
 舟津町の交差点の歩道橋の支柱が歩道を塞いでおりまして、曲芸師でもない限り通れなかった歩道は改良していただきました。感謝申し上げます。それは、このお渡しした資料の一番上の左側です。(資料を示す)大きな柱が立ってますけども、右手のほうの民地をちょっと買ってくれたんで、通れるようになったということです。
 一方、お向かいさんの同じように渡った先は、相変わらずこういう狭い状態でございます。この舟津町から和工までの2キロにわたる歩道は、相変わらず危険なまま放置されております。
 先ほど議論しました都市計画道路の路線名で言いますと──県道で言いますと新和歌浦梅原線ですが、都市計画道路としては新和歌浦中之島紀三井寺線です。引き続き整備路線として、先ほどいただいた資料には残ってるんです。だから、残ってるから都市計画道路としてこれからも整備するんですかと聞いたら、先ほど言うたように20日を待たなわかりませんと、そんなあほな話になってくるんですね。本来、これは都市計画道路の中央分離帯もつくって4車線にして、歩道分も5メーターとって、大方都合27メートルの立派な本格的なものにすると、こういうことを住民に今まで言うてきたんですけども、いつになるのか疑問です。
 20年後の将来のまちをつくるという都市計画の本来の使命、これをほんまに信じて、引き続き土地利用の制限を受けながら、本当に夢は実現してくれるんでしょうか。確信が持てません。そういうことを前にしてでも、毎日の生活道路として、けさも多くの学生が自転車でここを通学し、高齢者がお年寄りの車を押しながら買い物に通い、子育てのお母さんは自分の幼児を、自転車のハンドルにつける最近のああいう赤ちゃんシートに乗せて走っております。あるいは、ベビーカーを押しながら、このがたがたの道を、この恐ろしく狭い歩道を行き交っているのです。
 この歩道と車道の境目には、あたかも自転車のタイヤをぴったし挟み込むかのようなグレーチングの狭い鉄の側溝がありまして、これにハンドルがとられてしまいます。命を危険にさらしながら、毎日、市民の皆さんは使っております。この写真にはありませんけども、あるところでは警察の看板が立っておりまして、車と歩行者の事故があった、情報を寄せてくれというのが、こういった狭いところにも立っておりました。
 また一方、本来は自動車から歩行者を守るために設置されているだろう歩車道境界ブロック、いわゆる縁石ですね、これは、道路の構造上、規定されたルール、その守るべきルールどおりに並ぶこともなく──ルールでは乗用車で6メーターしか切りませんよ、トラックで12メートルしか切りませんよという空間を設けてるんですけども、そういった6メーター、12メーターの空間を超えてずうっと余白になっている箇所が幾つもあります。
 また、この狭い歩道に、意地悪でもするかのように電柱が立っております。また、そこに縁石がなかったら、まだ道へおりてかわせるのに、縁石が歩行者の行く手を遮っております。
 警察本部に問い合わせましたところ、この区間で3年間で、こういった自転車対車の人身事故が14件、物件事故が51件とのことでした。早急な整備を求めます。御回答をお願いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県道新和歌浦梅原線、通称・大浦街道の西浜交差点から舟津町交差点の間につきましては、歩道の段差修正や側溝ぶたの修繕のほか、隣接地の協力が得られる場合には電柱の移設や部分的な拡幅を行うなど、歩行者等の通行の安全確保に努めてきたところです。
 一方、抜本的な対策として、平成19年度に車道を狭め歩道を拡幅すべく社会実験を試みましたが、地元了解が得られませんでした。
 そうした中で、昨年9月に開催された和歌山市自治会連絡協議会において、地元自治会長から、部分的にでも歩道を拡幅できないかという御意見をいただきました。県としましては、改めて地元の皆様の御意見を伺った上で、沿道の住民、事業者の皆様の御協力が得られる方向で整備が進められるよう、検討を進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。これは本当にお願いします。
 ただ、今の話だけども、地元の自治会長の意見があったから検討するという御答弁です。それはそれで大事なことやと思いますけど、僕、24年の6月にここで聞いてるんですよね。住民の負託を受けた議員がここで聞いてやってるということも、もっと重きを持ってもらいたいもんですね。それは、私、ほんまに切に望みますわ。いろんなことを言うて、地元が反対してるんなら、それは幾ら議場で言うても事業は進みませんけども、議場で取り上げたことをもっと重く置いてくれというのが、ここの私の主張でございます。
 次に移ります。
 消費税3%アップの8%がカウントダウンに入りました。駆け込み需要もふえております。
 平成3年の3%導入時や平成9年の5%時には、低所得者対策として臨時福祉特別給付金が支給されました。今回の社会保障と税の一体改革の一環として、簡素な給付措置を求めた公明党の尽力で、低所得者への適切な配慮対策、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金が実現しました。新年度予算に盛り込まれており、準備に抜かりはないと思いますが、事務を行う市町村が混乱し、県内でばらつきがあっても困ります。期待して待っていらっしゃる方、あるいは対象になるかどうか不安な方、県民にわかりやすくその詳細をお示しください。お願いします。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 臨時福祉給付金につきましては、平成25年の所得に対する市町村民税の均等割が課税されていない、または市町村の条例で市町村民税を免除された方を対象に、1人につき1万円が支給されるものです。ただし、市町村民税の均等割が課税されていない方でも、均等割課税者の扶養親族である場合等は対象外となります。
 なお、老齢基礎年金や児童扶養手当等を受給されている方につきましては、1人につき5000円が加算されます。
 子育て世帯臨時特例給付金につきましては、本年1月分の児童手当を受給されている方のうち、一定所得以下で臨時福祉給付金の対象とならない方に、中学生以下の児童1人につき1万円が支給されるものです。
 給付を受けるためには、両制度とも本年1月1日現在で住民基本台帳に記録されている市町村への申請が必要で、受け付けは、それぞれの市町村において準備が整い次第、順次開始されることとなっております。
 なお、国で示された計算方法で算出すると、県内の臨時福祉給付金の支給対象者数は約22万人、子育て世帯臨時特例給付金の支給対象児童数は約10万人と推計されます。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 部長の答弁になるとそういうかたい答弁になるんかわかりませんけども、なるべくわかりやすく、また市町村から連絡を待ちたいと思います。
 県内で22万人の方が臨時福祉給付金がもらえる、あるいは子育て世帯の給付金は10万人がもらえるということでございますけども、一方、県の県民生活課や消費生活センターも取り組んでくれてますけど、いわゆる給付金詐欺が心配されます。市町村も対策を講じると思いますが、県としても詐欺事件に県民がひっかからないよう警察とも協力して取り組んでいただきたいと思いますけども、その点の方法はいかがでしょうか。お答え願います。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県としましては、支給対象者の申請漏れがないよう広報活動に努めるとともに、議員御指摘の給付金詐欺等の犯罪防止につきましても、警察等関係機関と連携を図りながら広報・啓発を行い、両制度の円滑な実施に積極的に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございました。
 ほんまに思いもよらんところで、「もう自分、絶対大丈夫や」と言うてる人がひっかかったりしてますんで、こういう詐欺を起こそうとする人にとっては絶好の機会やみたいなことになりかねませんので、和歌山県ではそんな被害者が出ないと、こういう覚悟でお願い申し上げたいと思います。
 一方、高校の授業料についても問い合わせを受けます。
 保護者の収入に応じて、授業料を負担する世帯と、課税証明書を提出することで就学支援金が支給されたり、なおその上に高校生等奨学給付金の給付が受けられる世帯もあるとのことです。就学支援金の支給といっても、別に県から振り込んでくれるわけではなく、授業料との相殺で相変わらず授業料が徴収されないということだけやと思いますけども、その点のことをまた御説明ください。
 また、高校生等奨学給付金は、支給要件も、金額も、対象者も、その条件によって細かく区分されているようでございます。全日制の公立の高校生を例に制度の詳細をお示しください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高校生等奨学給付金につきましては、県教育委員会では、来年度から、保護者が県内に在住し、国立高専及び公立高校に通う生徒がいる市町村民税の所得割額が非課税の世帯に対しまして、授業料以外の教科書費等の負担を軽減し、安心して教育を受けられるよう、高校生等奨学給付金の給付を行うものでございます。来年度の新入生から対象となり、7月の申請後、年1回給付するよう事務手続等を定めているところでございます。
 給付する金額につきましては、世帯の状況により異なり、全日制公立高校の場合、生活保護受給世帯では3万2300円、第1子の高校生等がいる世帯では3万7400円、23歳未満の扶養されている兄、姉がいる世帯で第2子以降の高校生等がいる世帯では12万9700円を予定しております。
 今後、対象となる世帯が円滑に手続を行えるよう取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 時間が押してまいりました。次に移ります。
 平成11年6月、私は、砂山消防分団に入団以来、紀の川河川敷での毎月の放水訓練、火災予防の広報パトロール、今回も春季全国火災予防で3月7日にパトロールしますけども、そういったこと、あるいはポンプ操法大会、港まつりの花火大会の警備、年末警戒、消防団出初め式、消防学校での研修、何より地区内で発生しました消火活動にと、いそしんできました。市長から永年勤続の表彰も受けました。
 あの東日本大震災の折、大津波警報のさなか、大勢の消防団員が殉職したニュースに心を痛めました。あの日、私も──分団員に招集がかかりました。砂山小学校に避難してきた市民の方々に接し、市民の方々が情報に接せられないその不安を聞き、ここ県議会議場から、避難所運営マニュアルにラジオ、テレビの設置も提言しました。
 このほど、石田代議士のブログや公明党の桝屋代議士のブログで、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が議員立法として成立し、消防団員の処遇改善や装備の充実、訓練の強化などが進むとの情報を得ました。消防庁内に消防団充実強化対策本部を設置し、入団の促進、報酬の改善などが図られるとのことです。
 3年前の紀伊半島大水害の折にも活躍した県下の消防団員です。さらなる強化・充実に資する今回の法律の概要やら、県内消防団の現況やら、立法を受けての県の取り組みをお示しください。
○議長(山田正彦君) 危機管理監木村雅人君。
  〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律は、昨年12月に施行され、消防団を地域防災力の中核と位置づけ、消防団員の確保や処遇の改善、装備・教育訓練の充実など、必要な措置を講じることが明記されました。
 本県の消防団は、全国的な傾向と同様に団員数が年々減少しておりますが、平成25年4月1日現在は1万1980人で充足率は95%と、全国平均を上回っている状況です。
 県といたしましては、消防ポンプ操法大会や定例表彰式、PR活動等を通じて団員の士気の高揚や県民への啓発を行うとともに、コスモパーク加太に移転する消防学校に新たな訓練施設も整備し、教育、訓練の充実に取り組んでまいります。また、市町村に対しては、消防団員の処遇の改善、消防団の装備の充実を働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 よろしくお願いします。
 今、現状でも、地方交付税措置、標準の地方財政力に応じたら、団員は3万6500円やというんですね。ところが、和歌山市は1万8000円しかくれてませんよね。高野町は4万円くれてます。湯浅町は7000円です。こういった差をやっぱりなくしてもらいたいし、出動手当も、古座川町なんかは1回7000円、ちゃんと交付税措置の基準額どおり出てますし、和歌山市なんかは2000円ですし、出てないところもあります。同じ消防団員で、条件は違うんでしょうけど、地方自治とはいえ、やっぱり均衡を図ってもらいたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、去る1月27日の夕刻、NHKのニュースで、3年前の豪雨水害で被災した県の名匠の受賞者がその表彰状をあの水害でなくしたため、県は改めて表彰状を贈ったとのことで、放送で知りました。人情味あふれる粋な計らいのほほ笑ましいニュースでした。
 ただ1点、その表彰状の発信者が木村良樹前知事の名前になっておりましたので、野田企画部長が渡す姿と木村前知事の名前に違和感を覚えまして調べましたところ、文化国際課内で検討し、再発行しようと結論して手続を進めたとのことです。事務の流れに矛盾もないようですし、むしろ県職員にありがちな前例踏襲主義や規則・要綱偏重に拘泥することなく、目の前の困っている県民の力になろうとの熱意を感じました。
 企画部内で事務を進めるなら問題はないかと思いますが、事は知事の表彰状の発行ですから、県の公印規程にのっとらなければなりません。その第8条には、知事印等事務取扱者に押印申出文書と原議書を提出し、押印審査を受けるものとするとあり、36ミリの正方形の表彰用知事印は、総務学事課長が管守責任者となっております。
 昨今、マスコミをにぎわしている架空人物への知事賞の授賞で、権威失墜、行政の威信が大きく傷ついております。今回のケースは、県内部の文書で被表彰者の名前も住所も確認できております。当時の決裁文書からも、事務手続に瑕疵はないようでございます。木村知事の花押まで確認できます。
 デンノッホ、それでもなお、今回の企画部長が木村前知事の表彰状を手渡すことに違和感は拭えません。現知事仁坂吉伸氏の公印を預かり、押印審査の事務をつかさどる総務学事課長は、木村前知事の名前の「ここに和歌山県名匠としてその業績をたたえます 和歌山県知事 木村良樹」の文書に和歌山県知事の印を押印することに疑義は持ちませんでしたか、お尋ねします。
○議長(山田正彦君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 本件につきましては、平成23年の台風12号で被災したことにより表彰状を破損された方に表彰状を再発行したものであり、今回新たに表彰を行うということではございません。
 前知事の当時に表彰を受けたという事実に基づきまして、被災者感情も考慮した上で、当時と同じものをお渡しするということの意思決定が担当課で行われました。知事印の押印につきましては、この意思決定に基づき、和歌山県公印規程にのっとり行ったものであり、問題はなかったものと判断しております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 さて、その1月15日の決裁の伺い書を見ますと、「平成16年度名匠表彰受賞者の表彰状の再発行について(伺い)」とあります。私も福祉環境委員会の委員長のお役を今務めるようになりましてから、県の各種行事にお招きをいただきます。知事賞の表彰式にもお招きを受け、正庁での式典では、受賞された皆さんの晴れやかなお顔に接し、うれしく思います。また、この正庁以外でも受賞の式典が行われております。
 今回のケースでは、言い出しにくいでしょうからということで、被表彰者からの申請は出ておりません。毎年多くの方が表彰状や感謝状を受けている現状に鑑み、この際、再交付といいましょうか、再発行といいましょうか、県の行う栄典制度の改善として明確なルールをおつくりになるべきと提案しますが、いかがでしょうか。
○議長(山田正彦君) 知事室長和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 知事名の賞状につきましては、個人や団体に対する表彰状や感謝状から展覧会やスポーツ大会等に係るものまで、多岐にわたり功績や成績をたたえるとともに今後の励みにしていただくためにも、毎年大変多くの件数を交付しております。
 これまでの長年にわたる交付の中で、諸般の事情により賞状の再交付を希望する方もおられると思います。自然災害等により賞状を亡失されるなど、真にやむを得ない場合には再交付を行うよう、ルールづくりを現在進めているところでございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 新しいルールをつくってくださると、うれしいと思います。その前に、今回なさったことは、僕はええことやと思うんですよ。前例がないとか何とかと言うてなかなか進まん中で、困ってる人を捜してでも助けようとすることには大賛成でございます。
 ただ、だからといって、例えば僕が昔、国体で大橋前知事の感謝状をもうてた。リレーに出ましたからね。その感謝状がないんで、もう一遍くれと言われても困るでしょう。そんなん一々再発行してるわけにいかんと思いますので、ぜひこの際、ルールをおつくりいただけたらと思います。
 また、今、和歌さんのお話で、大変多く交付しているとのことでございます。何人の方にお渡ししているのでしょうか。
 幸い、今回、新聞をにぎわしてます全日展書法会の公募展の架空事件に和歌山県は含まれていなかったようですが、知事名の表彰や感謝状の審査は、県に申し出たその団体にお任せしていることが多かろうと思います。その数量をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事室長。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 知事名の賞状につきましては、内容が多岐にわたるということもあって、年度によって変動がございます。
 平成24年度では、表彰式や展覧会など187件の行事に対し、1400枚余りの賞状を交付いたしました。これらは県民の皆さんの励みにもなるものであるので、交付に当たっては、今後も個々の内容を精査し、適正に執行してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 1400枚、年度によるんでしょうけど、多いなあと思います。多いから悪いというわけじゃありませんよ。ピグマリオン効果というんですかね、そうやってたたえることによって、なお頑張るわけですから、なおかつ知事からというのはうれしいことやと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、去る1月16日、元陸軍少尉の小野田寛郎さんが91歳のとうとい生涯を閉じました。4年前の東京での和歌山県人会でお目にかかり、その後、和歌山大学での講演にお見えになったときもお話を伺いました。背筋をぴんと伸ばしたお姿は、私が海南高校3年生、剣道部主将として、ふるさとに30年ぶりにお帰りになったときにお迎えしたお姿と相似形をなしておりました。
 春休み、あの小野田方面に住む友人宅で遊んでいた折、ヘリコプターの舞う音に小野田元少尉発見のニュースを知り、小野田さんの実家に向かいました。既に大勢のマスコミが来ていて、小野田さんの実家の野菜畑の中にカメラマンが脚立を立てて陣取り、小野田さんの家の中をうかがっておりました。今で言うところのメディアスクラムです。NHKの取材も初めて受けて、その指図のままに剣道の胴衣はかま姿でお出迎えしました。郷土の誇りと仰ぎ見つつ、陸軍中野学校卒、ルバング島での残置諜者等の任務を遂行した30年の姿に、畏敬の念やみがたしであります。
 全国から寄せられた2億円の寄附を何のちゅうちょもなく靖国に寄贈し、ブラジルに移住し、牧場経営で成功されました。日本の受験生が金属バットで親を撲殺するニュースに心を痛め、日本の子供たちに生きる力をと小野田自然塾を運営してました。「ひとりでは木綿針1つつくれないんだ。人は人の中で生きている」と和歌山大学でおっしゃった小野田さんの言葉に私の心は揺り動かされまして、今もその言葉は耳から離れません。平成17年には藍綬褒章をお受けです。「朝日新聞」の県版でも、旧臘16日から「紀のひと」シリーズで連載中です。
 この際、郷土の誇り、小野田寛郎さんの顕彰をお願いいたします。これは要望です。
 もう1点、同じく海南高校の関連です。
 我が母校、海南高校硬式野球部が春の第86回選抜で甲子園に出場します。海南校舎27名、大成校舎4名の野球部員が、決して恵まれたとは言えない練習環境の中でかち取った栄冠です。海南中学として7回、海南高校として7回、大成高校として2回、そして統合後の海南高校として都合17回目の出場であります。春の選抜としては県下最多出場なのであります。
 私の亡き父利恭は、旧制海南中学と新制海南高校の両方を卒業しました。私は、昭和50年卒業しました。私のせがれ、長男自由は、統合前の大成高校野球主将として、何年かぶりの初戦突破で小学生から続く野球生活を終えました。ついこの間のように私自身の高校生活がよみがえってまいります。
 高校を卒業して知らぬ間に40年がたちました。もう死ぬまで甲子園はないものと、半ば諦めておりました。3月17日に壮行会を県は開いてくださるとの由、大変感謝申し上げます。智辯学園和歌山とのアベック出場です。和歌山県挙げての今までにない、いまだかつてない異次元の応援をお願いしまして、質問を終えます。
 元気いっぱい、海南高校の野球部健闘を祈念して、フレー、フレー、海南、それ、フレー、フレー、海南、フレー、フレー、海南──私の尊敬する同級生、和歌さんが応援団長で私に教えてくれたフレーズでございます。ともどもに頑張りたいと思います。
 ありがとうございます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時39分休憩
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