平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(全文)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(全文)


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平成26年2月
和歌山県議会定例会会議録
第4号
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議事日程 第4号
 平成26年3月3日(月曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号から
    議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号まで(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号から
    議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号まで(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(38人)
 1番 立谷誠一
 2番 濱口太史
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 18番 岸本 健
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 森 礼子
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 10番 欠員
 17番 欠員
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     塩崎 望
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      植山 均
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時1分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号から議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 23番森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 おはようございます。森礼子です。
 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 去る2月11日に、第10回国内観光活性化フォーラムin和歌山が、全国から1万人を超えるお客様をお迎えし、盛況に開催されました。知事の挨拶に、「最高のおもてなしをしなければ和歌山は廃る。全てのノウハウを交換し合い、改善すべきを改善し、楽しいひとときを過ごしていただけるおもてなしをする」と話され、とても力強く、うれしくなりました。
 和歌山県では、平成27年秋の紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会の成功に向け、さまざまな努力がなされています。国体・大会までには、ことしが紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産登録10周年を迎えるとともに、秋にはJR各社とタイアップしたデスティネーションキャンペーンが展開されます。また、来年春には高野山開創1200年記念大法会がとり行われるなど、全国的にも注目される行事が集中しています。この機会にたくさんのお客様が和歌山に来てくださることと期待しております。
 お客様でにぎわう和歌山を想像してみてください。一般観光客や修学旅行生、外国人、高齢者や障害者の方々など、全てのお客様に最高のおもてなしを提供すべきであると考えます。しかし、今の和歌山県の現状はどうでしょうか。高齢者や障害者など、いわゆる旅行弱者の方々への対応は十分なのでしょうか。
 日本では高齢化が急速に進み、現在、4人に1人が65歳以上となっています。特に団塊の世代は、経済的に豊かで行動的な高齢者になると言われています。また、昨今は、病気や事故で障害者になられた方も、車椅子や自動車などを使って積極的に外出する機会が多くなっています。そういう高齢者や障害者が旅行をするとき、入浴介護、食事介護、外出介護のヘルパーや看護師の派遣、リフトつきタクシーの手配、また特別な食事の用意、車椅子や電動ベッドの手配などが必要になります。もちろん、旅行弱者に配慮した施設整備だけでなく、行動支援や細やかな配慮まで求められることは言うまでもありません。
 来年10月には、第15回全国障害者スポーツ大会「紀の国わかやま大会」が開催されます。競技会場となるのは整備された競技場ですが、宿泊や和歌山県までの移動には民間の施設や公共交通機関が使用されます。そのとき全国から和歌山県に来られた障害者の方はどのような印象を持って来られるのか、今から気になるところであります。
 高齢者や障害者を対象とした旅行サービスを、以前は「バリアフリー旅行」と呼んでいました。今は違います。「ユニバーサルツーリズム」という言葉を御存じでしょうか。ユニバーサルツーリズムとは、生後すぐの赤ちゃんから御高齢の方々まで、全ての人が平等に変わりなく旅行を楽しむことを言います。既に京都市や神戸市などでは、こうした観光ニーズに対応するためのホームページを立ち上げたり、民間と協力体制を整えるなど、積極的に取り組んでいます。高齢者や障害者の旅行がふえてくる中で、数ある旅行先の中から和歌山県を選んでいただくためにも、また、和歌山県にお越しになった後、心から和歌山県に観光に来てよかったと感じていただくためにも、ユニバーサルツーリズムの普及促進を図っていくことが重要ではないでしょうか。
 和歌山県観光立県推進条例の基本理念には、「観光客一人一人が、安全に、安心して、快適に観光が楽しめるようおもてなしをすること」と規定しています。観光立県を宣言している本県にとって、誰もが安心して快適に旅行を楽しむことができる環境を整備し、おもてなし度を上げていくことが真に求められている施策ではないでしょうか。
 そこで、質問します。
 今後、ユニバーサルツーリズムを本県観光振興に生かしていくための地域の受け入れの環境の現状はどうなっていますか。ユニバーサルツーリズムに関しての知事のお考えとあわせてお伺いいたします。
 また、高齢者や障害者を和歌山へお迎えするとき、適した施設や観光コースなどの情報提供や支援できる旅行業者、ボランティアなどの紹介、一元的な相談窓口を整えることが重要であると考えますが、その整備について、商工観光労働部長の御所見をお伺いします。
○議長(山田正彦君) ただいまの森礼子さんの質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 障害者や高齢者の方々が安全・安心・快適に観光地で過ごしていただくためには、受け入れる地域の配慮が特に重要と考えております。また、いろいろな機能が必要なので、こういう機能を担う人たちの幅広い連携が必要だと考えております。
 県では、実は平成24年10月に、これはかなり力を入れまして、県身体障害者連盟との共催で全国障害者熊野古道交流会を、地元自治体、社会福祉協議会、観光協会、ボランティア等の協力を得て、白浜町、田辺市で開催いたしました。そこで、本宮で熊野古道の散策などをやっていただいたんですけれども、宿泊、バス移動、散策に際しまして、車椅子の補助とか手話など、きめ細やかな対応の必要性を再認識したところでございます。
 また、観光庁の旅行事業者に対する調査がございまして、これによりますと、ユニバーサルツーリズムの取り組みに消極的な方も結構いるんですね。そういう方の理由としては、「専門ノウハウがないんです」とか、あるいは「協力者が確保できない」とか、「事故などリスクが起こったらどうしようか」とか、そういう回答が多くて、必要性を感じててもなかなか着手しにくい状況にあるというふうに思われます。これらの課題を解決するためには、旅行事業者自身の対応、努力だけじゃなくて、地域の協力が不可欠であるということだと思います。
 具体的には、ホテル、旅館等の宿泊サービス、観光施設、飲食店の観光サービス、列車、バス、タクシーの移送サービス、介護機関等による福祉サービスといったサービスを連携させて、観光地の自治体、社会福祉協議会、観光協会との協力のもと、展開を図る必要があるわけであります。
 今後、ユニバーサルツーリズムに関して、観光関係者、福祉関係者、交通関係者等との調整を図りながら、これはぜひやっていきたいと思いますので、効果的な受け入れが可能となるように関係市町村と協議を重ねていきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 議員御指摘のとおり、目的地の観光施設や宿泊施設のバリアフリーの状況、車椅子や福祉機器の貸し出し、福祉タクシーや介護支援サービスの有無などを事前に確認するために総合的に相談できる地域の窓口が近年求められていることは、認識しております。
 全国的には、三重県の伊勢志摩バリアフリーツアーセンターなど、地域の福祉や観光に携わるNPO法人が相談窓口として活動していますが、本県では、一部の旅行業者が取り組んでいるものの、今のところ総合的な窓口はないと思われますが、今後、さらにニーズが高まることが予想されるため、その整備に向け、主要観光地の関係機関を通じ、総合窓口として地域サービス情報を提供し、それぞれのサービスをコーディネートできる機関、事業者があるかどうか調査を行うとともに、関係機関との協議を図ってまいります。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 続いて、JR和歌山駅東口エリアの整備と充実について質問いたします。
 観光シーズンを迎えると、和歌山駅東口付近には大型バスがあふれ返っています。交通量の多い通勤・通学の時間帯には、送迎車やタクシーでごった返す中、バスは車体が大きいので、ほかの交通の死角となり、子供がバスの間から飛び出すなど、多くの利用者がヒヤリハットの経験をしています。市民から、「何とかできないの」、「和歌山市にはなぜバスターミナルがないのか」と言われています。どうしてバスターミナルの整備が進まないのか。理由の1つは、バスの通行量が少ないからではないでしょうか。そして、その遠因として、高速道路などの道路整備のおくれがあると思います。
 幸い、和歌山県では、紀伊半島を一周する近畿自動車道紀勢線の整備、海南から紀伊田辺間の渋滞緩和等のための4車線化、さらには京阪神外環状と言うべき京奈和自動車道の早期整備について、知事を先頭に事業を促進しています。特に南紀田辺からすさみ間、京奈和自動車道の県内全線、第二阪和については、平成27年紀の国わかやま国体開催までの完成を目指しています。
 また、国では国土強靱化基本法が成立し、和歌山県の発展にとって不可欠であり、命の道と言うべき高速道路のミッシングリンクも解消していくと思います。同時に、高速道路の延伸は、観光バスの交通量を増加させ、高速バス路線も充実させるのではないでしょうか。そうなれば、和歌山市は高速3ルートの結節点となり、JR、南海、和歌山電鐵の結節点である和歌山駅東口は大変重要なポイントになります。
 このような高速道路という社会インフラの整備や今後の個人旅行のさらなる増加を見据えると、和歌山駅東口へのバスターミナル設置は重要度の高い施設整備であると私は思います。
 では、最初に、関西周遊バス乗り放題乗車券について質問します。
 昨年、訪日外国人が1000万人の大台を初めて突破したと報道されています。韓国、台湾、香港に加えて、東南アジアから訪日外国人がふえているそうです。関西でも、LCCの中でひとり勝ちと言われているピーチ・アビエーションの成長を受けて、関空にも活気が出てきているのではないでしょうか。ピーチ就航のソウル、釜山、香港、台北を初め、アジアを中心に多くの外国人が関空におり立っています。
 また、国内線でも、ピーチ就航の那覇、石垣、鹿児島、長崎、福岡、仙台、札幌などを初め、これまで飛行機を使わなかった人々がLCCの安い運賃に誘導されて、飛行機の利用が盛んになっているようです。
 さらには、東南アジアの所得水準向上によって、今後、海外・国内ともに個人観光客がどんどん増加するものと見込まれています。
 ところで、個人観光客の関空から先の交通手段は何でしょうか。それはレンタカーか公共交通機関ではないでしょうか。そこで大事になるのは、先ほどの高速バスネットワークではないかと思います。
 九州では、かつて高速道路の延伸等に伴い、バス事業者が高速バスを順次運行を開始し、今日では網目のようなネットワークが形成され、九州各地の主要都市を結んでいます。現在、九州各地のバス事業者が連携し、SUNQパスという全九州乗り放題バスチケットを販売しているそうです。例えば全九州3日間チケットは、九州全7県と山口県の下関市を回れて3日間で1万円です。
 関空に着いた個人観光客に関西を周遊できる乗り放題バスチケットの選択肢があったら、和歌山への観光客の呼び込みにも大きく貢献するものかもしれません。関西の中でも、都市部のほうが私鉄等のアクセスがいいので、このバスチケットによる効果は、和歌山県のような魅力的な観光地を抱えつつ公共交通アクセスの悪い地域のほうが大きいのではないでしょうか。
 仮に関西周遊が難しければ、奈良県、三重県と協力して、紀伊半島周遊バスチケットでもいいと思います。京奈和自動車道の全線開通を見据えると、高野山は北東の玄関口です。関空から和歌山市に入った後、和歌山市と高野山口を結ぶ路線が奈良市や伊勢志摩にも延びていきます。JRで和歌山市や南海で高野山に入った後、アクセスが向上すれば、バスと鉄道という公共交通機関の相乗効果で鉄道利用客も増加につながると思います。
 このように、関西周遊バス乗り放題乗車券は、外国人個人観光客が交通費を気にすることなく旅ができるようにするのみでなく、親子で小旅行、友達と温泉めぐり、気ままな一人旅など、国内の個人観光客のいろいろなニーズに対応できるものではないかと思います。
 関西周遊バス乗り放題乗車券の販売はバス事業者の経営判断によるところが大きいですが、今後増加するであろう海外からの個人観光客の交通手段の確保は、和歌山県の観光振興における大きな課題ではないでしょうか。
 関西周遊バス乗り放題乗車券は1つのアイデアですが、和歌山県における個人観光客の交通手段の確保策について、商工観光労働部長の答弁をお願いします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 個人観光客の交通手段の確保策についてでございますが、まず、複数の交通事業者間をまたぐ乗り放題乗車券や企画乗車券は、個人観光客の利便性を高め、旅行動機を喚起するものであり、観光振興における具体的な手段であると認識しております。
 現在、本県にかかわる乗車券としては、スルッとKANSAI協議会の3dayチケットやJR西日本の関西1デイパス、JR東海の南紀・熊野古道フリーきっぷ、また海外からの観光客に対しては、JRグループのジャパンレールパスなどがあり、県としても個人観光客向けに情報発信を行っているところでございます。
 さらに、ことし秋、世界遺産登録10周年を契機として、県内全域を対象に和歌山デスティネーションキャンペーンを実施いたしますが、JR西日本の取り組みの1つとして、鉄道とバスを絡めた広域の乗車券の検討・協議を進めていただいております。県としましても、当該乗車券が継続的な販売につながるよう利用促進を図るとともに、JR西日本を初め関係事業者に対し要望してまいります。
 次に、インバウンド誘致への対策ですが、県では、外国人個人観光客の県内周遊を促進させるため、鉄道事業者、県内バス事業者等と協議会を設置しており、平成24年3月から2年間の期限で県内主要観光地が周遊できる関西和歌山パスを開発、販売しているところですが、今後も公共交通機関を利用する個人観光客数の増加が見込まれることから、関西和歌山パスに続くパスの開発を研究しつつ、当面は各社の既存のパスやそれらを組み合わせた観光ルートの情報発信を行いたいと考えております。
 平成26年度の取り組みとしましては、個人旅行化が進む香港、台湾、韓国を対象として、JR西日本が外国人観光客向けに販売している関西ワイドエリアパスとタイアップし、バスと組み合わせた企画乗車券を販売する予定としております。
 以上です。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、和歌山駅東口エリアの整備に関して、和歌山インターとJR和歌山駅間のアクセス向上について質問します。
 慢性化している宮街道の渋滞の解消は、平成27年紀の国わかやま国体開催に向け、対策が急がれています。また、JR和歌山駅東口のバスターミナル整備に関しても、和歌山インターとJR和歌山駅のアクセス向上は極めて重要です。
 慢性化した交通渋滞は、住民の日常生活や企業の産業生活に大きな支障となります。また、観光客に魅力のある地域づくりは、「住んでよし、訪れてよし」と言われています。住民にとって住みやすい地域は、観光客にも魅力的であるということだと思います。
 都市計画道路市駅小倉線のJR和歌山駅と和歌山インター間は、進捗がおくれているので大変心配しています。当区間は和歌山市の担当区間であると聞いていますが、県と市でさらに連携を強化して事業の進捗を図ることはできないでしょうか。市駅小倉線について、事業進捗がおくれている要因及び今後の整備、見込みについて、県土整備部長の答弁をお願いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 都市計画道路市駅小倉線につきましては、和歌山市内を東西に結び、JR和歌山駅と和歌山インターチェンジとを連結する重要な路線です。この路線は、国道24号から東側、和歌山市井ノ口地内までの約2.5キロメートルにつきまして、平成10年度に県が事業着手し、平成25年3月に4車線道路として完成・供用したところです。
 残る国道24号から西側は市が事業を行っておりますが、用地交渉の難航により、思うように事業進捗が図れていませんでした。しかしながら、駅近くの出水工区につきましては、用地難航箇所もおおむね解決し、大門川を渡る橋梁の工事や道路改良工事を進めており、国体までに既供用区間から市道までの約600メートルを供用する予定です。また、次の鳴神工区で特に懸案であった大規模工場との契約締結に至っております。
 和歌山市からは、市施工区間の全線を平成30年代前半には供用できるように進めていると聞いておりますが、県としましても、関係機関との協議や調整に積極的に協力し、市と連携して事業進捗を図ってまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、JR和歌山駅東口におけるバスターミナル整備については、バス事業者や和歌山市の理解を得る必要もあると思いますが、東口の整備によって、地域の住民だけでなく、車椅子を使用される高齢者、障害者のバスの乗降を含め、東口を利用される方々の安心と安全の確保となります。
 このように、JR和歌山駅東口の整備は、当県にとって未来に向かっての大きな大切な挑戦ではないかと思います。
 こうした点を踏まえて、東口エリア整備と充実について、知事の答弁をお願いします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) JR和歌山駅は、大阪方面、奈良方面から県南部へつながる県内外からの人流、物流の中心であるとともに、和歌山県経済の中心の1つとして、また県 都和歌山市の玄関口として重要な拠点であることから、和歌山市駅周辺や和歌山城周辺とあわせて活性化を図っていくことが重要であると考えております。
 また、近畿自動車道紀勢線の延伸や4車線化、京奈和自動車道の全線開通により、観光客の増加、物流の活性化など、和歌山市を含めた県全体における交通環境は大きく変わっていくものと考えられます。
 このような中にあって、JR和歌山駅に関しては、先般、市で取りまとめられた和歌山市まちなか再生計画においても交通結節点の機能強化を図ることになっており、今後、県と市が連携を密にして、バス事業者、タクシー事業者など関係事業者や周辺住民の意見も聞きながら、今後のまちづくりや施設整備について検討してまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 次に、母子感染の予防について質問します。
 初めに風疹感染対策について、昨年、仁坂知事がいち早く補正で取り組んだ結果、子供を出産する世代からは安心を得られたと大きな喜びの声が上がると同時に、ワクチン接種が加速いたしました。知事の素早い英断に感謝をいたします。
 そこで、母子感染の予防について質問します。
 以前、あるお母さんから、お嬢さんが生まれつき難聴であることを聞きました。どうして難聴になったかといえば、お子さんがまだおなかの中にいるとき、サイトメガロウイルスに感染したためであるとのことでした。そして、もっと早く子供の感染に気づいていれば重症にならずに済んだのかもしれないと御自身を責めておられました。子供を授かる幸せは、実は大変な苦難とともにあるということです。
 そこで、サイトメガロウイルスについて私なりに調べてみると、いろいろなことがわかってきました。サイトメガロウイルスは、乳幼児期にほとんどの人が感染しており、約90%の人が抗体を持っていること、しかし、近年は若い女性の抗体保有率が70%程度まで低下しており、妊娠中に初めてサイトメガロウイルスに感染した場合は20~40%の確率で胎児に感染し、新生児が難聴や肝機能異常、知的障害などの重篤な症状になりやすいこと、また、生後も尿や唾液を介して感染するとのことです。現在、我が国では、推計で約1000人の子供がこのウイルスによって障害を起こしていると言われています。
 残念ながらこのウイルスを予防するワクチンはないので、対策としては、まず妊婦に抗体があるかどうかを検査し、抗体のない妊婦には、妊娠中にこのウイルスに感染しないよう指導することが有効です。例えば上に小さなお子さんがいる場合など、おむつ交換のときは手洗いを小まめにする、食事の際に子供が使ったスプーンを口に入れないことなど、細かな注意が必要です。
 新生児がこのウイルスに感染しているかどうかを診断する方法としては、尿から診断するのが一般的で、生後2~3週間以内におむつにろ紙を入れて検査をすることで簡単に感染の有無がわかります。
 啓発について、大阪府吹田市では、妊婦やその夫婦を対象に、両親学級で医師がサイトメガロウイルスなど母子感染症の予防講習を行っているそうです。
 また、先日、新聞で読みました。妊婦がヒトT細胞白血病ウイルス1型を持っていると母乳を飲んだ赤ちゃんが感染する可能性があり、妊婦が検査で感染しているとわかれば、直接母乳保育を避け、粉ミルクや凍結母乳を赤ちゃんにあげるという対策をとることで母子感染の割合を減少させることができると書かれていました。
 母子感染を防ぐために大切なことは、妊婦さんに予防の知識について啓発を行うことです。
 そこで、福祉保健部長に質問します。
 安心して子供を産み育てる環境づくりのため、妊婦への感染を防ぐため、普及啓発には一層力を入れていく必要があると考えますが、今後どのような取り組みをされるのか、お伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 母子感染を予防するため、県では、妊婦健康診査の実施主体である市町村や関係機関と協力して、ワクチン接種など、感染症予防策に取り組んでまいりました。
 主な取り組みといたしましては、妊婦健康診査は18の検査項目があり、ヒトT細胞白血病ウイルス1型については平成22年度から検査項目となっております。また、各保健所では、B型肝炎ウイルス、HIV等の検査も行い、早期発見に努めているところです。
 議員御指摘のとおり、母子感染の予防には正しい知識を身につける必要があり、サイトメガロウイルスなどの感染予防については、リーフレットを作成し、「母子健康手帳」配布時に直接妊婦さんに注意喚起を行ってまいります。また、母子感染症の最新の情報やその予防法について、今後とも市町村や関係機関と協力しながら、なお一層の取り組みを進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ありがとうございます。
 サイトメガロウイルスに関しては、ウイルスの予防やワクチンがなく、治療方法も難しいと言われていますが、生まれてくる赤ちゃんにとっては、どんな病気でも早くわかったほうがいいと思いますし、早く治療ができ、重篤になることを回避できるので、ぜひろ紙の検査について取り組んでいただけるように要望いたします。
 続いて、最後に食育について質問いたします。
 昨年の2月議会や9月議会において、食育に関しての質問をさせていただき、早ね・早おき・朝ごはんの実践、旬をテーマにした食育、学校給食における地産地消の推進が重要であると指摘させていただきました。
 子供たちが日々口にする食べ物は、子供たちの心や体を育んでくれるとても大切なものなので、食育をもっと推進しなければという私の考えについては、多くの保護者の方々から共感の声をいただきました。そして、こうした食育や地産地消の推進を求める声は、和歌山県だけでなく、全国に広がっていると感じています。
 こうした声を国も真摯に受けとめていただいたのでしょうか、うれしい話題が耳に届きました。現在、国会で審議されている平成26年度予算案には、学校給食における地産地消を推進するための学校給食地場食材利用拡大モデル事業や、学校給食における食育の底上げを図るためのスーパー食育スクール事業が計上されているということです。
 学校給食地場食材利用拡大モデル事業では、地元食材を生かしたメニュー開発や地元食材の生産・供給体制の整備などに係る費用を、スーパー食育スクール事業では、全国で24カ所程度を指定し、食事の大切さについての理解を向上させるための授業の充実や学校給食における地産地消の推進などに係る費用を1カ所当たり800万円程度を上限に補助がされるそうです。
 せっかく食育や学校給食における地産地消を推進するための国の事業が新設されようとしているのですから、情報収集のためのアンテナを高くして積極的に国に働きかけていただけるよう、そして和歌山県に十分な箇所づけがなされるように取り組んでいただきたいと思います。
 食育や学校給食における地産地消の推進については、保護者や学校関係者、生産者、加工業者など、多くの方々の御理解や協力が大切です。その点では、食育や学校給食における地産地消の推進は一朝一夕になされるものではなく、さまざまな課題を1つ1つ着実に解決していくことによって達成できるものだと思っています。
 このように乗り越えるべきハードルは決して低くないかもしれませんが、食育の底上げは、和歌山の子供たちが心身ともに健やかに成長するための大きな支えとなるものです。食育の底上げがなされれば、多くの子供たちは、食事の重要性を理解し、生活習慣を改善でき、食品を選択する能力を習得し、食に対する感謝の心を醸成することができるようになると思います。
 それに、和歌山は旬の果樹、野菜、魚介に恵まれています。これらは本当においしくて、新鮮で、体にいいものです。このように和歌山では子供たちへの食育の教材に事欠きません。だからこそ、さまざまな大切な課題にきっちりと取り組み推進できれば、食育王国和歌山と言われる日も遠くないのではないかと思います。
 そこで、知事に質問をいたします。
 先ほど要望させていただいた2つの事業は、国においても農林水産省と文部科学省が連携を図る省庁間連携事業とされているそうです。国から事業採択され、和歌山県で事業を進めることになった場合にも、農林水産部と教育委員会がそれぞれの所管分野のみを視野に入れて仕事を進めているようでは十分な事業効果は得られないと思います。農林水産部と教育委員会が連携を密にしていただくことはもとより、食育王国和歌山県に向けて、仁坂知事の手腕のもと、県庁全体でしっかりとスクラムを組んで、食育の底上げや学校給食における地産地消の推進に取り組んでいただく必要があると思います。関係部局が連携した食育の取り組みについて、知事のお考えを御答弁お願いします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 食育は、生涯にわたって健全な心身を養い、豊かな人間性を育むために重要なものでございまして、それを推進するためには幅広い分野での取り組みが必要であるということは、議員御指摘のとおりであると思います。
 こうしたことで、本県では、食育を総合的かつ計画的に推進するため、副知事をキャップに庁内の15課室で構成する和歌山県食育推進本部を、これは平成18年5月から設置しておりまして、関係部局が連携した取り組みを行うということになっております。
 具体的には、毎年10月を和歌山県食育推進月間と定めておりまして、健康づくりや朝御飯の大切さ、食の安全・安心など食育に関するラジオ啓発をシリーズで行うとともに、福祉保健部と農林水産部とで、わかやま食と健康フェアを開催しているところでございます。
 この中で、最近は特に給食に大いに注目をしておりまして、どうしても給食においては大量に集荷、取り扱う業者に頼る傾向があります。そういたしますと──これは採算面でどうしてもそういうことになってしまうんですが──海外産のものなどががばっと入ってしまうというようなことが考えられるわけでございます。そこで、地産地消という要素も入れまして、昨年度から、教育委員会と農林水産部が協働いたしまして、県内全ての小学校や特別支援学校へ、給食や家庭料理等の教材として、地場産のミカン、柿、魚などの県産の主な農水産物を提供しているところでございます。
 今後も関係部局の連携を密にし、家庭や教育現場、地域における食育を推進し、引き続き県民運動として展開してまいる所存でございます。
○議長(山田正彦君) 森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 これで、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、森礼子さんの質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」です。和歌山市選出の議員として、和歌山市民の幸せが和歌山県の発展となり、県勢の浮揚が市民福祉の向上につながるべく質問しますので、県当局の幹部の皆さんには県民、市民の心に伝わるような丁寧な御答弁をお願いします。
 23回目の登壇です。議長の指名により発言を許されましたので、順次質問してまいります。
 皆さんに選出をいただいて、かつて関西広域連合議会の議員として、何度か連合議会の議場におきまして橋下大阪市長や松井大阪府知事とも議論を交わしてまいりました。両名とも、広域連合委員として、担当する事務分掌の責任者として、誠実に答弁なさっておりました。
 折に橋下氏は、道州制のこと、権限移譲のこと、原発問題など、担当事務分野を超えて発言することがあり、ニュースとしてそのことが報道されます。知事や議員を前にして、「道州制ができると、今の県がなくなり、ここに座っている知事やあなた方議員の立場がなくなるから、あなた方は反対なのでしょう。自民も民主も公明も、公約に道州制を掲げているではないか」と彼が挑発する発言をすると、その発言だけ報道されるのです。連合議会では、議案の審議とともに重要な政治課題の審議も行っているのに、マスコミは橋下氏の発言にしか興味を示しません。
 確かに、国の直轄事業負担金の、彼のぼったくりバーの発言や知事会の会費の返納などの功績も、彼のオリジナリティーあふれるボキャブラリーのなせるわざなりと感心もいたします。
 平成20年1月、橋下氏が府知事となってから大阪維新の会を立ち上げ、府議会で過半数の勢力を築き、大阪市議会でも最大の勢力を占め、自身も市長に転戦、勝利する中で大阪都構想につながる大都市地域特別区設置法が成立したり、今国会にも、地方自治法の一部改正として、道府県と政令市の二重行政を防ぐ調整会議の新設や総合区制の創設などの審議が予定されております。
 昨年2月には、特別区設置協議会、いわゆる法定協議会もでき、堺市長選では敗北して堺市の参加がなくなったものの、大阪市の現在の24の区を5つの特別区に再編しようと協議が進む中で、この2月1日、市長を辞職して市長選挙に再出馬すると表明いたしました。新年度予算の審議が最優先だろうと反発する議会を歯牙にもかけず、法定協のメンバーも維新の会で固めると表明しております。
 否決されたわけでもない特別区設置案が、自分の思惑どおりでないから民意を問うのだとする橋下氏のこういった政治手法について、ひとり相撲、ひとり芝居、ピエロ、だだっ子、逆ギレ、けんか民主主義などとやゆされても、なおかつ進めようとする大阪都構想に対しての、関西広域連合副連合長でもあり、彼とも少なからぬ親交のある仁坂知事の所見をまず伺いたいと思います。
○議長(山田正彦君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 制度としての大阪都構想、すなわち府県庁所在地の政令指定都市と府県の権限関係をリシャッフルするということについては、以前から申し上げておりますように、私は賛成であります。
 大阪府の中において、府県並みの権限を有する政令指定都市とその他の部分が区分されている、まあ大阪市と大阪府が2つ並んでるということなんですが、客観的に見て、少なからず二重行政的なものが発生する可能性が高いなあというふうに思います。
 税源配分の面でも、政令指定都市を持つ府県はなかなかつらいものがあるというふうに思いますし、一方、府県側も、府県庁所在地に中心的な施設を投資しないというわけにも、これはまたいかんということで、どうしても仕事と財源のアンバランスが起こってくるわけでございます。
 大阪都構想が、管轄権をそれぞれ分担してというような意味で小さく分割するのではなくて、大阪市が担っている広域的な行政の部分は大阪府に統合して、住民に身近な行政サービスは住民に身近なところに集中していくということであれば、二重行政の解消につながると考えるから、私は賛成であると言っております。
 大阪都構想そのものは、大阪府民、大阪市民にとって大変重要なことなので、府民、市民がお決めになればいいということであろうかと思います。大事なことですから、民意を問うこと自体はおかしくはないと思いますが、どのような問い方がよいのかというのは、大阪市民あるいは大阪府民がお決めになるべきことであって、外部から口を差し挟むものではないと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 答弁ありがとうございました。ちょっと物足りんですね。大阪市民が決めること、大阪府民が決めること、それはもう優等生ですけど、和歌山市長の大橋さんが11月にやめると言うたら、ちょっと早いん違うかとか──早いん違うかとは言わなんだですね──ああいう形をとらなんだとか、そういう発言もありましたからね。
 やっぱり橋下市長が、やめてもう一遍出ると言うんですから、どっちかというと議会の解散を求めるようにリコールをやるとか──名古屋の市長がやったようなこと──そういうことをやって堂々とすべきであるのが今の自治法上の認められた民主主義のルールではないかなと思いましたんで、お尋ねした次第でございます。
 これからも顔を合わすことでしょうから、仲ようやっていただけたらと。また、府県間道路についても協力せんなんですから、またよろしくお願い申し上げます。
 それで、2期目の仁坂知事も、この12月16日には任期満了を迎えます。先日の所信表明では、その件には触れることもなく、「安心と安全」の政策、「未来への投資」の政策を力強くお述べになりました。
 一方、和歌山市長選が8月10日に行われます。3期務めた大橋市長が、11月16日の女性のつどいで引退を表明しました。レームダックの市長が新年度予算に責任を持てるのかといった批判から、早期退陣を迫る声もあるやに仄聞します。県では、かねてより県市政策連携会議を設け、都市計画道路の早期整備策など、さまざまな政策課題に協力しながら取り組んでおります。
 大阪の府と市の「100年の恩讐」とか言われるいがみ合い、「ふしあわせ」とか言われております。また、かつて和歌山でも、仮谷知事と旅田市長の対立のようなことがありました。そういったことがあっては、県民、市民の幸せにはつながりません。
 そこで、政治家として8年のキャリアを積んでこられた仁坂知事の県と和歌山市のリーダーに求められる人物像、そういったものをお述べいただけたらと思います。よろしくお願いします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 答弁の前に、ちょっと一言申し上げますと、先ほど和歌山市長のときはいろいろおっしゃったとおっしゃいましたけど、「大橋市長はそれぞれお考えがあってのことだったと思いますが」と言いつつ、聞かれたので、「自分だったらこうするなあ」というふうに申し上げただけでございますので、批判めいたことを申し上げたつもりはございません。
 それで、これまた和歌山市のリーダー像、県市全体のリーダー像についてというか、首長のリーダー像について申し上げますが、和歌山市の具体的なリーダーとしてのあり方については、半年ぐらい以内には選挙があるでしょうから、市民の方が御判断になって投票されるということだと思っております。
 それで、一般論として、首長としてどんなのがよろしいかということについて私見を申し述べますと、3つの要素が必要だと私は思っております。
 第1に、何よりも住民を大切に思って、住民の幸福のために、熱い心で情熱を持って一生懸命取り組むという、そういうことが必要だと思っております。
 第2に、基本的に必要なものとして、やっぱり行政知識もあるなあというふうに思います。これは行政手腕とか力量とかいうことがないといかんわけですけれども、それからスピード感のある、決断力のある運営が求められているんだろうと思うんです。しかし、行政技術がいろいろわかっていないと、勇気を発揮する、あるいは決断力を示す、そういう自信が出ないんではないかなあというふうに思います。これは経験をしていれば、一生懸命勉強をしていれば、わかることだと思いますが、初めは大変だろうなあというふうに思います。
 3番目は、やっぱり人柄がよくて、清廉潔白であるとか、温かみがあるとか、市民からやっぱり信頼を得て──市民あるいは県民ですね──好かれるような首長であるというのが大事だと思います。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 そういう要素をお持ちの仁坂知事が、そういう要素を和歌山市長に求めてると、このように理解いたしまして、市長選、市民の皆さんも参考にしていくんではないかなと。やっぱり知事さんの発言というのは重いもんですから、どこかでやっぱり政治家としてのリーダーシップを発揮すべきところもあるんではないかと思いまして、お尋ねしたような次第でございます。
 次に、和歌山市駅周辺の再開発・都市再生についてお尋ねします。
 先ほど、森さんの質問の答弁にも、和歌山駅のことの質問に対して、和歌山市駅中心街といった形で知事から答弁いただきました。
 去年の12月26日のことなんですけども、東京からニュースが飛び込んでまいりました。南海和歌山市駅の高島屋さん、和歌山店が、業績不振からこの8月に撤退するというのです。「551の豚まんが買えやんようになるなあ」という軽口を言う人もおりますけども、毎日の食材を調達している御近所の御高齢の方やここで働く従業員にとっては深刻な問題です。
 報道によれば、駅ビルの老朽化に伴い、建てかえ再開発となると協力金が求められるので閉店を決断したのではといった意見や、イオンモ-ル和歌山さんがこの3月16日に開業するからではといった記事もありました。また、1月12日の「毎日新聞」の「和歌る?紀になる!」という記事によりますと、和歌山市が昭和58年と平成7年に再開発案を立てたが、頓挫しました、平成24年には三たび再開発の話が持ち上がり、県、市、南海電鉄、和歌山大学で構想を検討中、バスターミナルを集積して、市民会館、市民図書館ももう古いので、こういったものの建てかえも取り込んだ、また、あるいは近くを流れる──私は「いちぼりがわ」と言うんですけど──市堀川を生かした景観づくりといった都市再生のデザインが今現在語られ、その新聞記事によりますと、市の都市整備課の方の発言として、駐輪場と駅前広場の再整備は、この26年度中に計画をまとめたいとありました。
 12月27日の新聞、「高島屋撤退」の記事が載った明くる日に、仕事納めが県庁でございました。そこで、知事の訓示でこのことに触れられて、「問題を直し、衰退を食いとめ、問題を摘出して直していく。安心して暮らせる環境をつくり、県民を励まし、陣容に加わってもらい、みんなで力を取り戻す。例えば高島屋の撤退、私はこれはいいんじゃないか。和歌山に2つの大きな百貨店は維持できない。残念と諦めていたら話にならない。実は決して諦めておりません。既に県土整備部や企画部の諸君が頑張ってくれて、実はあの市駅は再開発する一歩手前になっている。具体的な構想も、もうできております。その中で、あの高島屋ははまりません。はまらないときに、物すごく大きな高島屋をつくるのが無理だとしたら、それはあそこにいることはできない。早晩撤退せざるを得ない。まあ、そういうことであります。ただ、次は、その際、開発を一日も早く完成させて、そして、できることなら、商業的な意味でもにぎわいの場となるようなものをできるだけ多くあそこに持ってくるということを我々がどれだけ努力をして、南海や、あるいはX企業に説得することができるか。それが我々に今問われていることである」とお話しになりました。
 改めて、この議場で県民、市民に市駅周辺の都市再生のお姿をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) また、答弁に入る前に。
 前に申し上げたのは、実はそれは全て事実なんでございますけれども、そういうことを言いませんと和歌山市民や和歌山県民がまたがっかりするよねというような雰囲気があると思いましたので、そういう発言をさしていただいた次第です。全て事実なんです。
 それで、御質問にお答えいたしますと、一般に都市の再生には、土地需要に見合った土地供給をするということが大事でございまして、特に人口がばあんとふえていくような、そういう傾向になければ、都市の外縁的拡大はちょっととめて、それで再開発等々によって再活性をしていくということが大事だろうと思います。
 2番目にはその再開発というものが大事なんですけども、その際、駅があって人が集まってくるということは、それは、再開発にはとても便利、有利な点であると思います。和歌山市周辺は、大阪方面からの玄関口でありますとともに、教育・文化施設が集積された重要な拠点でもありますし、JR和歌山駅周辺や和歌山城周辺とあわせて活性化を図っていくことが重要だと考えております。
 こうしたことは、本来は市の仕事なんですけれども、しかし、市民は同時に県民でございますし、県庁所在地の市の活性化というのは県にとって大変大事なことでございますので、したがって県も一肌脱いでいこうというふうに考えております。
 26年度新政策では、都市空間の再構築戦略を推進するため1000万円の予算を計上しておりまして、ターミナル駅周辺の再開発などの都市の活性化に向けた調査を実施することにしております。
 現在、和歌山市駅周辺におきましては、その再開発に向けて、南海電鉄を中心に県や市などの関係機関も連携しながら、特に住宅の整備を初め、できれば集客施設整備などによるにぎわい空間の創出、駅前広場の再整備による交通結節点の強化などのさまざまな検討が進められているところでございます。
 今言ったような予算も使いながら、和歌山県としては、都市再生の実現に向けて、自分でもいろんな構想をしながら提案をしてまいって、権限などをたくさん持っている和歌山市に対して強く働きかけ、また関係事業者等との連絡も密接に連携して話を進めていきたい、そんなふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 だんだん仁坂さんも政治家になってきたんやなあと。要するに、職員さんの前ではそんだけ──はったりとは言いませんけども──あとは南海やX企業が来るだけやと。よう高島屋は出ていってくれたんやと。この先いろいろやってても高島屋は持ちこたえんから、出ていくお金を渡すよりは自分で判断して出ていってくれたんやと。こういう感覚で私は読みました。私は、ひょっとしたら間違うてるのかわかりませんよ。だから、職員さんに、これから頑張ろうなということで言うてくれたんやと思います。だから、僕は改めてここで聞きたいんです。
 というのは、私の知り合いなんかもあそこで働いてるんです。子供さんを抱えて、上の子が大学で、今度、下の子が大学に入ったと、もう一踏ん張り頑張りたいよと思うたところに職場をなくしてしまう。そういう私の知り合いなんかからすると、「中君、市駅ってどうなるのよ。高島屋はどうなるのよ。引き続き働きたいけど、どうよ。大阪へ転勤さしてくれたらまだええけど、首になったらどうよ」という心配があるわけですね。そういったときに、知事さんは職員さんに対して、もう1つ2つ頑張れと、こんなことで沈んだらあかんと、そういう意味の御発言だと思いますけども、やはりそうであれば、この議場でも同じように南海やX企業──もうここでX企業の名前を言うてくれるぐらいまでやってほしいなあと思います。
 また、先ほどの再開発、市駅、確かに市が中心になってやることでしょう。私も市会議員で何度かこの再開発の手法について質問もしてきましたけど、担当者は、「もういいところまで来てます。ある開発コンサルさんとええとこまでまとまってます。もうちょっと待ってください。ここで聞かんといてください。ここで聞いたら皆水の泡になってしまいますから」というふうなことで、市議会のときに何度か質問もしましたけども、そういうことでした。結局、その担当者はやめてしまって、何の成果もなしのまんまでございます。それが、先ほど言うたように「毎日新聞」が書いてくれたように、再開発が流れてきた経緯なんですよ。
 ところが、24年度にまたそういう形が始まって、ちょうど市民会館や図書館も老朽化してる。あるいは、この際、和歌山市の姿を全体に見直すということであれば、期待もしますし、県も、知事の冒頭の所信表明にもありましたように、県が主導的に都市計画に取り組むんだということだったもんですから、ここで発言してもらえればなあと、そんな思いで聞いた次第でございます。
 同じように、都市計画道路の次のことに移るわけですけども、過日、2月26日の「市報わかやま」──もう皆さんのお手元にも行ってると思いますけど──そこでは、15ページにパブリックコメント募集の告知がありました。都市計画道路の見直し案への意見を、3月20日から4月18日の間、市役所1階の資料コーナーで閲覧し、道路政策課に応募するようにという案内です。
 今議会冒頭の知事の所信表明では、「未来への投資」の中で、「景観や町並みのレベルアップにも一層磨きをかけていきます。とりわけ、都市の再生を目指すために、都市計画の活用と都市再開発を具体的に県が企画提案をして市町村をリードしていきたい」と表明なさいました。
 平成15年から毎年、県市政策連携会議の──これは副知事が行ってくれてるんですけども──議題でもあり、仁坂知事の和歌山県行政報告会の資料にも詳しい説明が載っておりますこの和歌山市内の都市計画道路、昭和40年1月28日建設省告示148号、35路線、延長約177キロ、現在46路線、延長約195キロ、これには街路事業と道路事業があり、都市計画税の充当や平成18年末の整備状況の資料と19年以降の供用・事業推進状況などの説明も丁寧にされております。つまり、仁坂知事になってからこの都市計画道路が進んだということがわかるような資料でございます。
 その最近の資料には、この平成26年1月末というクレジットもついてございました。それによりますと、布引本渡線は県の計画として赤四角中抜きの印、つまりこれから整備していきますよという印が打たれておりますし、新在家坂田線、有本田尻線の一部も市の計画として青四角の中抜き、つまりこれから整備していきますよという印が打たれております。仁坂知事就任以来、こういった和歌山市内の都市計画道路が推進していったことがわかるうってつけの資料でありますが、これは直近の県政報告会でいただいた資料でございます。
 改めて申すまでもなく、都市計画区域内に暮らす住民は、家を建てようとすると、予定区域内であれば、階数が2以下で、地階がなく、主要構造部分が木造、鉄骨造で、移転、撤去が容易なものと制限されます。つまり2階以上は建てるな、鉄筋は建てるなと、こういうことですね。また、道路、公園、下水道の都市基盤が整備されることをその区域内に住む住民は期待しつつ都市計画税を納めてきたのであります。こういった住民の期待に応えるべき今回の見直しであってほしいなあと思います。
 平成23年3月に県が策定した和歌山県都市計画道路見直し方針にのっとり、まとめたとする今回の方針の内容を、県土整備部長、お示しください。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 和歌山市の都市計画道路の見直しにつきましては、昨今の社会情勢の変化や厳しい財政状況、さらに選択と集中による計画的な道路整備の観点から、現在、和歌山市において見直し作業が進められているところです。
 見直し作業に当たり、県は広域的な観点から地域間道路の見直しを主体的に行う、市はまちづくりの主体として地域内道路の見直しを主体的に行うとする基本方針のもと、県としての意見をこれまで述べてきたところでございます。
 この結果、都市計画道路の見直し案は、計画決定された46路線、192.4キロメートルのうち、21路線、51.8キロメートルを廃止候補としたものとなっております。
 今後は、広く市民の意見を聞くために3月20日より実施するパブリックコメントにおいて個別路線を提示することとしており、寄せられた意見を踏まえた上で見直しが行われていくこととなります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 21路線、51.8キロを廃止候補としている、これは非常に重大なことですね。その区域の住民からすれば、今まで2世帯住宅を建てたいなあと思っても、いやいや、ここは都市計画の線が入ってますからだめなんですよということで我慢もしてきました。あるいは、例えば住んでる方が亡くなった後、相続のことも、そんな形で制限を受ける地区だということで、いろいろもめごとも起こっております。
 ですから私は聞きたいんですけども、こういったように、県の行政報告会で配っている、19年以降に供用、事業を推進してる都市計画道路、この中には、新在家坂田線のところは青く四角で残ってる。あるいは有本田尻線も青く四角で残ってる。県直接のことで言いますと、布引本渡線は赤い四角で残ってる。こういう案が示されてるわけですけども、これは今回する発表案の中で、そのとおりなんですか。そのことはどうでしょう。お答えいただけますか、部長。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 先ほど答弁させていただきましたとおり、今回の見直し作業に当たりましては、県は広域的な観点から地域間道路の見直しを主体的に行い、市はまちづくりの主体として地域内道路の見直しを主体的に行っております。
 個別路線につきましては、3月20日に実施するパブリックコメントにおいて提示するということでございまして、1つ1つの路線ではなくて全体として見ていただき、また御意見をいただきたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 全体として見ろということですけども、市民、住民からすれば、自分のところがどうなるかということが一番大事やと思います。
 例えば、具体的に言いますと、県立図書館から大浦街道に抜ける道は、今、現行は細いながらも道があります。そこで車が行き交いながらも、かわしながら何とか行っております。その水軒小雑賀線、これは、住民からすれば、「ああ、この狭い道もいつか都市計画道路で広げてくれるんだろうなあ」ということで使ってるわけですね。
 一方、今度は和歌山市内のことで細かく言いますけど、神明さんの神社のところで堀止の道はとまってます。しかし、その先に湊神前線ということで線は引かれています。しかし、現行の道路はありません。バイクで走っても突き抜ける道路はありません。そういったところはどうなるんかなあと。こういうことで、私は実はこの説明を受けたときに聞きました。そしたら、内環状道路で湊神前線は残るけども、先ほど申し上げた水軒の、要するに県立図書館の前は消えるという案になってますと。そんなら早く住民に言って住民に意見を聞かなだめじゃないかということで、今回、現に質問してるんです。そしたら、3月20日の住民のパブリックコメントを待つと言うんですね。ちょっとおかしないですか。
 もう既に、先ほど知事がおっしゃったように都市計画の見直しなんかも1000万も予算化されて、そういった予算の使い道のいいかどうかをここで私は議論さしてもらえるんです。住民から負託を受けて、来年度予算の使い道を県議会でただしてくれ、そういう形で負託を受けたから聞いてるのに、全体を見てくれ、個別のことは言えない、そういう御答弁では、私は納得できませんし、なおかつ県が出してる資料には布引本渡線は赤く残ってるんですね。でも、今回いただいた地図では、もう消えてなくなる方向の案だというんです。なくなるかどうかは、最後は都市計画審議会で決めるんですよ。そんなことを言い出したら全然議論になりませんけども、そういう案を住民に示すんであれば、ぜひここで私が聞いた具体的なこともお答えいただければと思いますけど、再度お願いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 何度も同じことで恐縮ではございますけれども、先ほど議員がおっしゃいますように、住民の方がどう考えていくか、これは重要なことだと思っております。それも含めまして、全ての検討される路線につきまして、3月20日のパブリックコメントで御意見を聞くというのが手続で和歌山市のほうからいただいておりますので、この意見を踏まえて、またその見直し案──今は案でございますから──それを再度検討されていくと思いますし、県としても、これに対して必要な意見は申し述べていきたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 どうもしゃきっとしませんね。県の方がこういうのを持ってきたんですね、「都市計画道路見直し、御意見を募集します」と言って。で、地図までくれてるんですね。この地図では、私、「わかりにくいから、大きいのをくださいよ」ということで申し上げました。県のほうも「用意します」とは言うたけども、すぐ、私、市の都市計画課に走りました。都市計画課へ行って、先ほどの大きな地図をもらおうとしたら、「また塗って届けます」と言うんですね、そのときにくれたらええのに。
 そしたら、また県の人が来て、「中さん、市へ行かれたんですか。うちでつくろうとしてるのに。これ、渡しますわ」と、これをくれるわけですね。そういう点では、市と県が協調しながら、打ち合わせしながら進めてるのはいいことなんですけども、既にこうやってもう見直しますよということで私どもに渡してきて、それを今議会で私が聞こうとしたらそういうことを言うというのは、おかしないですか。
 きょうでも和歌山市議会、行われてるんですよ。和歌山市の市会議員が市の都計部長に聞いて、そんなこと答弁できますか。住民に知らした後でないと議会で議論するなと、そんなおかしなこと、僕は民主主義上成り立たんと思います。
 再考を促しまして、ここで議長からもう一遍答弁を促してもうてもありがたいですけど、言うてくれやんのやったら、次の問題に移りたいと思います。
 次も、県道新和歌浦梅原線の整備状況についてお尋ねします。
 皆さんにも資料を配付しております、いわゆる大浦街道のことでございます。平成24年6月議会でも取り上げました通称・大浦街道で、舟津町から和歌山工業高校の西浜の交差点の区間についてでございます。
 舟津町の交差点の歩道橋の支柱が歩道を塞いでおりまして、曲芸師でもない限り通れなかった歩道は改良していただきました。感謝申し上げます。それは、このお渡しした資料の一番上の左側です。(資料を示す)大きな柱が立ってますけども、右手のほうの民地をちょっと買ってくれたんで、通れるようになったということです。
 一方、お向かいさんの同じように渡った先は、相変わらずこういう狭い状態でございます。この舟津町から和工までの2キロにわたる歩道は、相変わらず危険なまま放置されております。
 先ほど議論しました都市計画道路の路線名で言いますと──県道で言いますと新和歌浦梅原線ですが、都市計画道路としては新和歌浦中之島紀三井寺線です。引き続き整備路線として、先ほどいただいた資料には残ってるんです。だから、残ってるから都市計画道路としてこれからも整備するんですかと聞いたら、先ほど言うたように20日を待たなわかりませんと、そんなあほな話になってくるんですね。本来、これは都市計画道路の中央分離帯もつくって4車線にして、歩道分も5メーターとって、大方都合27メートルの立派な本格的なものにすると、こういうことを住民に今まで言うてきたんですけども、いつになるのか疑問です。
 20年後の将来のまちをつくるという都市計画の本来の使命、これをほんまに信じて、引き続き土地利用の制限を受けながら、本当に夢は実現してくれるんでしょうか。確信が持てません。そういうことを前にしてでも、毎日の生活道路として、けさも多くの学生が自転車でここを通学し、高齢者がお年寄りの車を押しながら買い物に通い、子育てのお母さんは自分の幼児を、自転車のハンドルにつける最近のああいう赤ちゃんシートに乗せて走っております。あるいは、ベビーカーを押しながら、このがたがたの道を、この恐ろしく狭い歩道を行き交っているのです。
 この歩道と車道の境目には、あたかも自転車のタイヤをぴったし挟み込むかのようなグレーチングの狭い鉄の側溝がありまして、これにハンドルがとられてしまいます。命を危険にさらしながら、毎日、市民の皆さんは使っております。この写真にはありませんけども、あるところでは警察の看板が立っておりまして、車と歩行者の事故があった、情報を寄せてくれというのが、こういった狭いところにも立っておりました。
 また一方、本来は自動車から歩行者を守るために設置されているだろう歩車道境界ブロック、いわゆる縁石ですね、これは、道路の構造上、規定されたルール、その守るべきルールどおりに並ぶこともなく──ルールでは乗用車で6メーターしか切りませんよ、トラックで12メートルしか切りませんよという空間を設けてるんですけども、そういった6メーター、12メーターの空間を超えてずうっと余白になっている箇所が幾つもあります。
 また、この狭い歩道に、意地悪でもするかのように電柱が立っております。また、そこに縁石がなかったら、まだ道へおりてかわせるのに、縁石が歩行者の行く手を遮っております。
 警察本部に問い合わせましたところ、この区間で3年間で、こういった自転車対車の人身事故が14件、物件事故が51件とのことでした。早急な整備を求めます。御回答をお願いします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 県道新和歌浦梅原線、通称・大浦街道の西浜交差点から舟津町交差点の間につきましては、歩道の段差修正や側溝ぶたの修繕のほか、隣接地の協力が得られる場合には電柱の移設や部分的な拡幅を行うなど、歩行者等の通行の安全確保に努めてきたところです。
 一方、抜本的な対策として、平成19年度に車道を狭め歩道を拡幅すべく社会実験を試みましたが、地元了解が得られませんでした。
 そうした中で、昨年9月に開催された和歌山市自治会連絡協議会において、地元自治会長から、部分的にでも歩道を拡幅できないかという御意見をいただきました。県としましては、改めて地元の皆様の御意見を伺った上で、沿道の住民、事業者の皆様の御協力が得られる方向で整備が進められるよう、検討を進めてまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。これは本当にお願いします。
 ただ、今の話だけども、地元の自治会長の意見があったから検討するという御答弁です。それはそれで大事なことやと思いますけど、僕、24年の6月にここで聞いてるんですよね。住民の負託を受けた議員がここで聞いてやってるということも、もっと重きを持ってもらいたいもんですね。それは、私、ほんまに切に望みますわ。いろんなことを言うて、地元が反対してるんなら、それは幾ら議場で言うても事業は進みませんけども、議場で取り上げたことをもっと重く置いてくれというのが、ここの私の主張でございます。
 次に移ります。
 消費税3%アップの8%がカウントダウンに入りました。駆け込み需要もふえております。
 平成3年の3%導入時や平成9年の5%時には、低所得者対策として臨時福祉特別給付金が支給されました。今回の社会保障と税の一体改革の一環として、簡素な給付措置を求めた公明党の尽力で、低所得者への適切な配慮対策、臨時福祉給付金、子育て世帯臨時特例給付金が実現しました。新年度予算に盛り込まれており、準備に抜かりはないと思いますが、事務を行う市町村が混乱し、県内でばらつきがあっても困ります。期待して待っていらっしゃる方、あるいは対象になるかどうか不安な方、県民にわかりやすくその詳細をお示しください。お願いします。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 臨時福祉給付金につきましては、平成25年の所得に対する市町村民税の均等割が課税されていない、または市町村の条例で市町村民税を免除された方を対象に、1人につき1万円が支給されるものです。ただし、市町村民税の均等割が課税されていない方でも、均等割課税者の扶養親族である場合等は対象外となります。
 なお、老齢基礎年金や児童扶養手当等を受給されている方につきましては、1人につき5000円が加算されます。
 子育て世帯臨時特例給付金につきましては、本年1月分の児童手当を受給されている方のうち、一定所得以下で臨時福祉給付金の対象とならない方に、中学生以下の児童1人につき1万円が支給されるものです。
 給付を受けるためには、両制度とも本年1月1日現在で住民基本台帳に記録されている市町村への申請が必要で、受け付けは、それぞれの市町村において準備が整い次第、順次開始されることとなっております。
 なお、国で示された計算方法で算出すると、県内の臨時福祉給付金の支給対象者数は約22万人、子育て世帯臨時特例給付金の支給対象児童数は約10万人と推計されます。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 部長の答弁になるとそういうかたい答弁になるんかわかりませんけども、なるべくわかりやすく、また市町村から連絡を待ちたいと思います。
 県内で22万人の方が臨時福祉給付金がもらえる、あるいは子育て世帯の給付金は10万人がもらえるということでございますけども、一方、県の県民生活課や消費生活センターも取り組んでくれてますけど、いわゆる給付金詐欺が心配されます。市町村も対策を講じると思いますが、県としても詐欺事件に県民がひっかからないよう警察とも協力して取り組んでいただきたいと思いますけども、その点の方法はいかがでしょうか。お答え願います。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県としましては、支給対象者の申請漏れがないよう広報活動に努めるとともに、議員御指摘の給付金詐欺等の犯罪防止につきましても、警察等関係機関と連携を図りながら広報・啓発を行い、両制度の円滑な実施に積極的に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございました。
 ほんまに思いもよらんところで、「もう自分、絶対大丈夫や」と言うてる人がひっかかったりしてますんで、こういう詐欺を起こそうとする人にとっては絶好の機会やみたいなことになりかねませんので、和歌山県ではそんな被害者が出ないと、こういう覚悟でお願い申し上げたいと思います。
 一方、高校の授業料についても問い合わせを受けます。
 保護者の収入に応じて、授業料を負担する世帯と、課税証明書を提出することで就学支援金が支給されたり、なおその上に高校生等奨学給付金の給付が受けられる世帯もあるとのことです。就学支援金の支給といっても、別に県から振り込んでくれるわけではなく、授業料との相殺で相変わらず授業料が徴収されないということだけやと思いますけども、その点のことをまた御説明ください。
 また、高校生等奨学給付金は、支給要件も、金額も、対象者も、その条件によって細かく区分されているようでございます。全日制の公立の高校生を例に制度の詳細をお示しください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高校生等奨学給付金につきましては、県教育委員会では、来年度から、保護者が県内に在住し、国立高専及び公立高校に通う生徒がいる市町村民税の所得割額が非課税の世帯に対しまして、授業料以外の教科書費等の負担を軽減し、安心して教育を受けられるよう、高校生等奨学給付金の給付を行うものでございます。来年度の新入生から対象となり、7月の申請後、年1回給付するよう事務手続等を定めているところでございます。
 給付する金額につきましては、世帯の状況により異なり、全日制公立高校の場合、生活保護受給世帯では3万2300円、第1子の高校生等がいる世帯では3万7400円、23歳未満の扶養されている兄、姉がいる世帯で第2子以降の高校生等がいる世帯では12万9700円を予定しております。
 今後、対象となる世帯が円滑に手続を行えるよう取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 時間が押してまいりました。次に移ります。
 平成11年6月、私は、砂山消防分団に入団以来、紀の川河川敷での毎月の放水訓練、火災予防の広報パトロール、今回も春季全国火災予防で3月7日にパトロールしますけども、そういったこと、あるいはポンプ操法大会、港まつりの花火大会の警備、年末警戒、消防団出初め式、消防学校での研修、何より地区内で発生しました消火活動にと、いそしんできました。市長から永年勤続の表彰も受けました。
 あの東日本大震災の折、大津波警報のさなか、大勢の消防団員が殉職したニュースに心を痛めました。あの日、私も──分団員に招集がかかりました。砂山小学校に避難してきた市民の方々に接し、市民の方々が情報に接せられないその不安を聞き、ここ県議会議場から、避難所運営マニュアルにラジオ、テレビの設置も提言しました。
 このほど、石田代議士のブログや公明党の桝屋代議士のブログで、消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律が議員立法として成立し、消防団員の処遇改善や装備の充実、訓練の強化などが進むとの情報を得ました。消防庁内に消防団充実強化対策本部を設置し、入団の促進、報酬の改善などが図られるとのことです。
 3年前の紀伊半島大水害の折にも活躍した県下の消防団員です。さらなる強化・充実に資する今回の法律の概要やら、県内消防団の現況やら、立法を受けての県の取り組みをお示しください。
○議長(山田正彦君) 危機管理監木村雅人君。
  〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律は、昨年12月に施行され、消防団を地域防災力の中核と位置づけ、消防団員の確保や処遇の改善、装備・教育訓練の充実など、必要な措置を講じることが明記されました。
 本県の消防団は、全国的な傾向と同様に団員数が年々減少しておりますが、平成25年4月1日現在は1万1980人で充足率は95%と、全国平均を上回っている状況です。
 県といたしましては、消防ポンプ操法大会や定例表彰式、PR活動等を通じて団員の士気の高揚や県民への啓発を行うとともに、コスモパーク加太に移転する消防学校に新たな訓練施設も整備し、教育、訓練の充実に取り組んでまいります。また、市町村に対しては、消防団員の処遇の改善、消防団の装備の充実を働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 よろしくお願いします。
 今、現状でも、地方交付税措置、標準の地方財政力に応じたら、団員は3万6500円やというんですね。ところが、和歌山市は1万8000円しかくれてませんよね。高野町は4万円くれてます。湯浅町は7000円です。こういった差をやっぱりなくしてもらいたいし、出動手当も、古座川町なんかは1回7000円、ちゃんと交付税措置の基準額どおり出てますし、和歌山市なんかは2000円ですし、出てないところもあります。同じ消防団員で、条件は違うんでしょうけど、地方自治とはいえ、やっぱり均衡を図ってもらいたいなと思いますので、よろしくお願いします。
 次に、去る1月27日の夕刻、NHKのニュースで、3年前の豪雨水害で被災した県の名匠の受賞者がその表彰状をあの水害でなくしたため、県は改めて表彰状を贈ったとのことで、放送で知りました。人情味あふれる粋な計らいのほほ笑ましいニュースでした。
 ただ1点、その表彰状の発信者が木村良樹前知事の名前になっておりましたので、野田企画部長が渡す姿と木村前知事の名前に違和感を覚えまして調べましたところ、文化国際課内で検討し、再発行しようと結論して手続を進めたとのことです。事務の流れに矛盾もないようですし、むしろ県職員にありがちな前例踏襲主義や規則・要綱偏重に拘泥することなく、目の前の困っている県民の力になろうとの熱意を感じました。
 企画部内で事務を進めるなら問題はないかと思いますが、事は知事の表彰状の発行ですから、県の公印規程にのっとらなければなりません。その第8条には、知事印等事務取扱者に押印申出文書と原議書を提出し、押印審査を受けるものとするとあり、36ミリの正方形の表彰用知事印は、総務学事課長が管守責任者となっております。
 昨今、マスコミをにぎわしている架空人物への知事賞の授賞で、権威失墜、行政の威信が大きく傷ついております。今回のケースは、県内部の文書で被表彰者の名前も住所も確認できております。当時の決裁文書からも、事務手続に瑕疵はないようでございます。木村知事の花押まで確認できます。
 デンノッホ、それでもなお、今回の企画部長が木村前知事の表彰状を手渡すことに違和感は拭えません。現知事仁坂吉伸氏の公印を預かり、押印審査の事務をつかさどる総務学事課長は、木村前知事の名前の「ここに和歌山県名匠としてその業績をたたえます 和歌山県知事 木村良樹」の文書に和歌山県知事の印を押印することに疑義は持ちませんでしたか、お尋ねします。
○議長(山田正彦君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 本件につきましては、平成23年の台風12号で被災したことにより表彰状を破損された方に表彰状を再発行したものであり、今回新たに表彰を行うということではございません。
 前知事の当時に表彰を受けたという事実に基づきまして、被災者感情も考慮した上で、当時と同じものをお渡しするということの意思決定が担当課で行われました。知事印の押印につきましては、この意思決定に基づき、和歌山県公印規程にのっとり行ったものであり、問題はなかったものと判断しております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 さて、その1月15日の決裁の伺い書を見ますと、「平成16年度名匠表彰受賞者の表彰状の再発行について(伺い)」とあります。私も福祉環境委員会の委員長のお役を今務めるようになりましてから、県の各種行事にお招きをいただきます。知事賞の表彰式にもお招きを受け、正庁での式典では、受賞された皆さんの晴れやかなお顔に接し、うれしく思います。また、この正庁以外でも受賞の式典が行われております。
 今回のケースでは、言い出しにくいでしょうからということで、被表彰者からの申請は出ておりません。毎年多くの方が表彰状や感謝状を受けている現状に鑑み、この際、再交付といいましょうか、再発行といいましょうか、県の行う栄典制度の改善として明確なルールをおつくりになるべきと提案しますが、いかがでしょうか。
○議長(山田正彦君) 知事室長和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 知事名の賞状につきましては、個人や団体に対する表彰状や感謝状から展覧会やスポーツ大会等に係るものまで、多岐にわたり功績や成績をたたえるとともに今後の励みにしていただくためにも、毎年大変多くの件数を交付しております。
 これまでの長年にわたる交付の中で、諸般の事情により賞状の再交付を希望する方もおられると思います。自然災害等により賞状を亡失されるなど、真にやむを得ない場合には再交付を行うよう、ルールづくりを現在進めているところでございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 新しいルールをつくってくださると、うれしいと思います。その前に、今回なさったことは、僕はええことやと思うんですよ。前例がないとか何とかと言うてなかなか進まん中で、困ってる人を捜してでも助けようとすることには大賛成でございます。
 ただ、だからといって、例えば僕が昔、国体で大橋前知事の感謝状をもうてた。リレーに出ましたからね。その感謝状がないんで、もう一遍くれと言われても困るでしょう。そんなん一々再発行してるわけにいかんと思いますので、ぜひこの際、ルールをおつくりいただけたらと思います。
 また、今、和歌さんのお話で、大変多く交付しているとのことでございます。何人の方にお渡ししているのでしょうか。
 幸い、今回、新聞をにぎわしてます全日展書法会の公募展の架空事件に和歌山県は含まれていなかったようですが、知事名の表彰や感謝状の審査は、県に申し出たその団体にお任せしていることが多かろうと思います。その数量をお示しください。
○議長(山田正彦君) 知事室長。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 知事名の賞状につきましては、内容が多岐にわたるということもあって、年度によって変動がございます。
 平成24年度では、表彰式や展覧会など187件の行事に対し、1400枚余りの賞状を交付いたしました。これらは県民の皆さんの励みにもなるものであるので、交付に当たっては、今後も個々の内容を精査し、適正に執行してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 1400枚、年度によるんでしょうけど、多いなあと思います。多いから悪いというわけじゃありませんよ。ピグマリオン効果というんですかね、そうやってたたえることによって、なお頑張るわけですから、なおかつ知事からというのはうれしいことやと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、去る1月16日、元陸軍少尉の小野田寛郎さんが91歳のとうとい生涯を閉じました。4年前の東京での和歌山県人会でお目にかかり、その後、和歌山大学での講演にお見えになったときもお話を伺いました。背筋をぴんと伸ばしたお姿は、私が海南高校3年生、剣道部主将として、ふるさとに30年ぶりにお帰りになったときにお迎えしたお姿と相似形をなしておりました。
 春休み、あの小野田方面に住む友人宅で遊んでいた折、ヘリコプターの舞う音に小野田元少尉発見のニュースを知り、小野田さんの実家に向かいました。既に大勢のマスコミが来ていて、小野田さんの実家の野菜畑の中にカメラマンが脚立を立てて陣取り、小野田さんの家の中をうかがっておりました。今で言うところのメディアスクラムです。NHKの取材も初めて受けて、その指図のままに剣道の胴衣はかま姿でお出迎えしました。郷土の誇りと仰ぎ見つつ、陸軍中野学校卒、ルバング島での残置諜者等の任務を遂行した30年の姿に、畏敬の念やみがたしであります。
 全国から寄せられた2億円の寄附を何のちゅうちょもなく靖国に寄贈し、ブラジルに移住し、牧場経営で成功されました。日本の受験生が金属バットで親を撲殺するニュースに心を痛め、日本の子供たちに生きる力をと小野田自然塾を運営してました。「ひとりでは木綿針1つつくれないんだ。人は人の中で生きている」と和歌山大学でおっしゃった小野田さんの言葉に私の心は揺り動かされまして、今もその言葉は耳から離れません。平成17年には藍綬褒章をお受けです。「朝日新聞」の県版でも、旧臘16日から「紀のひと」シリーズで連載中です。
 この際、郷土の誇り、小野田寛郎さんの顕彰をお願いいたします。これは要望です。
 もう1点、同じく海南高校の関連です。
 我が母校、海南高校硬式野球部が春の第86回選抜で甲子園に出場します。海南校舎27名、大成校舎4名の野球部員が、決して恵まれたとは言えない練習環境の中でかち取った栄冠です。海南中学として7回、海南高校として7回、大成高校として2回、そして統合後の海南高校として都合17回目の出場であります。春の選抜としては県下最多出場なのであります。
 私の亡き父利恭は、旧制海南中学と新制海南高校の両方を卒業しました。私は、昭和50年卒業しました。私のせがれ、長男自由は、統合前の大成高校野球主将として、何年かぶりの初戦突破で小学生から続く野球生活を終えました。ついこの間のように私自身の高校生活がよみがえってまいります。
 高校を卒業して知らぬ間に40年がたちました。もう死ぬまで甲子園はないものと、半ば諦めておりました。3月17日に壮行会を県は開いてくださるとの由、大変感謝申し上げます。智辯学園和歌山とのアベック出場です。和歌山県挙げての今までにない、いまだかつてない異次元の応援をお願いしまして、質問を終えます。
 元気いっぱい、海南高校の野球部健闘を祈念して、フレー、フレー、海南、それ、フレー、フレー、海南、フレー、フレー、海南──私の尊敬する同級生、和歌さんが応援団長で私に教えてくれたフレーズでございます。ともどもに頑張りたいと思います。
 ありがとうございます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時39分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(花田健吉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問続行いたします。
 42番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 けさほどからは、中議員から懐かしい海南高校応援エール「フレー、フレー、海南」を聞かせていただきました。私も実は、海南高校野球部の黄金時代の、野球部員ではありませんが、在校生でありました。その後の本当の野球部員である藤山県議と一緒にしっかり応援しなければならないなどと思ったところでございます。
 それでは、議長のお許しを得ましたので、質問に入らせていただきます。
 第1の柱は、紀北支援学校の改築にかかわる問題でございます。
 先日、紀北支援学校を訪問しました。和歌山県では、南紀支援学校に次いで開校して約40年になります。知的障害を持つ子供とともに肢体不自由な子供も受け入れ、一時は中庭にプレハブ校舎が並んでいたのですが、6期計画の校舎改築計画ができたとお聞きしておりました。
 第1期としては、生徒増に対応すると同時に、プレハブ解消のための新校舎が完成しておりました。古い校舎と新しい校舎を回らせていただきましたが、廊下の広さも新しい校舎は古い校舎の1.3倍ほどあり、快適です。校長先生は、「せっかく新しい校舎ができたので、中学部、高等部の生徒をここへ入れて、ここで卒業させてやりたいと思ったのです」と、生徒への思いやりを語っておられました。
 第1期工事が終われば第2期にかかると考えるのですが、実はそうはならない。次の工事にかかろうとしても、古い校舎が老朽化の基準まで来ておらないために、健全な校舎を壊したら、今後、建てかえる校舎に対して国の補助金を受けられないそうです。
 第1期工事のためにプールも撤去してしまった状態です。計画では、運動場に校舎を建てるため、工事中は運動場が狭くなります。近くのグラウンドを借りなくてはならないでしょう。
 校内を回って、これはと思ったのは、職員室の狭さです。小学部、中学部だけで1つの職員室があるのですが、普通より少し幅の広い机が入っている。それを2人の先生が区切って使っている。間にキャスターのついた引き出しを置いて区切りにしている。やっと膝が入るだけの空間が1人分です。職員朝礼するときは、高等部の先生が2階の職員室からおりてきて、机の間に立ったまま会議をするんだそうです。
 6期の工事まで完成したときにはこういう状態は解消するのでしょうが、いつまでこういう状態が続くのだろうか。一番大事な児童生徒は、工事完成までプールが使えない、建てかえ期間中は運動場が使えないという状態は、大変だろうと思います。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 すばらしい設計図ができて、改築に大いに期待するのですが、改築のタイムスケジュールはどのように考えておられるのでしょうか。まず、この点についてお伺いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) ただいまの雑賀光夫君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 改築のタイムスケジュールについてでございますが、紀北支援学校につきましては、施設全体の整備計画を平成20年度に作成し、平成22年度に教室不足解消のための校舎を増築しました。
 既存校舎等につきましては、既に耐震化や大規模改修を実施していることもあり、今後、既存校舎の全面建てかえについては、施設の状況を見ながら必要な時期に建てかえを行ってまいりたいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 それにしても、既存の学校の運動場に新しい校舎を建てて、古い校舎を壊していく。大変だなあと思いました。タイムスケジュールはいつまでというふうにはっきり言われませんでしたが、5~6年もかかるのでしょうか。
 まず、支援学校の子供たちにとって、身体の発達にとって大切なプールがなくなってしまっている。それについてはどのようにしていかれるのでしょうか、お答えいただきたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 紀北支援学校では、校舎等の全体配置計画上で、やむを得ず老朽化したプールを取り壊したところです。そのため、平成22年度から近隣の公共プールや高等学校等のプールを使用してきました。来年度からは、新たに秋葉山公園県民水泳場の室内温水プールの活用も予定しているところでございます。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 近くのプールを使うにしても、あるいは秋葉山のプールまで、スクールバスに乗って行かなくてはならない。それは時間的にも大変だろうと思います。秋葉山のプールは、温水プールがあるわけですから、年間を通じて使えるというメリットもあるのかなとも思います。
 ところで、スクールバスですが、かつては支援学校では、自前でバスを持ち、職員が運転をしておりました。それならいつでも学校の都合でバスを出すこともできるのですが、最近では、運転業務は民間会社に委託をしている。バスごと外注というケースもあります。関係者から、競争入札で価格が低下しているが、安全性は大丈夫かという問題提起を受けたこともございます。
 とりあえず、お伺いしておきたいんですが、土木事業などの発注では最低制限価格というものもありますが、スクールバスの外注競争入札では最低制限価格というものを設定しておられるのでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 最低制限価格の設定は、過度な価格競争、あるいは調達する業務について品質の低下が懸念されるような場合に考慮する必要があると考えておりますが、スクールバスの契約においてはそのような状況は生じていないことから、最低制限価格は設定しておりません。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 入札問題については、きょうはそこまでにしておきますが、過当競争で安全性が低下しないように十分に配慮をしていただきたいと思います。
 そのスクールバスは、子供の送迎だけでなく、学校行事やプールへの送迎も十分できるような体制になっているんでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 契約では、子供の登下校の送迎以外に学校行事やプールへの送迎についても規定しており、その中で対応できる体制となっております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 重ねてお聞きしますが、事前にスクールバスの運行委託会社との契約状況を見せていただいてチェックしたのですが、バス5台で各8回プールの送迎をしています。乗車定員いっぱい乗せれば延べ1840人を送れますという説明をいただきました。児童生徒数は237人、1人当たり7回余りということでした。
 ところが、実際は多くの職員が一緒に乗らなくてはなりません。車椅子の子供もいる。いろいろな子供を抱えて、そういうわけにはいかないだろうと思います。もちろん、学校の時間の配分もあるでしょうが、温水プールで1年中利用できるというメリットがあるなら、年に10回ぐらいはプールに送迎できるようにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 契約では、学校教育活動等で年間48回まで運行が可能となっていますので、その範囲内での対応は可能でございます。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 1台のバスについて、一応プールは8回としているが、年間48回使えるので、その範囲で対応は可能という答弁をいただきました。
 もちろん、何回使うかというのは学校の判断でございますから、学校が使いたいときには十分使えるようにお願いしたいと思います。
 次の質問ですが、心配なのは職員室などの狭さです。職員室などはどのようにお考えでしょうか。その上に、工事中は運動場も使えなくなる。工事にかかる6年間ほどの間、近くで土地を借りるということも含めて何らかの対応が必要だと考えるのですが、いかがでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 職員室等につきましては、校舎の建てかえの際に、必要な面積の確保に努めてまいります。
 また、工事期間中の運動場につきましては、可能な限り敷地内での確保に努めてまいりますが、困難な場合は御指摘のように近くで借地することも検討してまいります。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 和歌山県の支援教育は、全県各地域に支援学校を配置していること、高等部全員入学など、誇るべき到達点を持っていると思っています。このたびの紀北支援学校改築にも大きな期待を持っています。
 しかし、その改築期間にこの学校で学ぶ子供たちに不自由な思いをさせないように十分な配慮をお願いして、次に移りたいと思います。
 それでは、次の大きな柱、昨年9月の県議会で取り上げた盲学校の敷地に係る道路建設の問題です。
 あのとき、仁坂知事から、教育環境を保持できるよう全力を挙げて対策を検討するという答弁をいただきました。
 それをベースにした盲学校、盲教育関係者と県教育委員会、道路関係者との話し合いに私も何度か立ち会わせていただきました。
 いよいよ煮詰まってきていると思いますが、盲学校の教育環境を守る有効な対応はできるのでしょうか。県土整備部長からお答えいただきたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長石原康弘君。
  〔石原康弘君、登壇〕
○県土整備部長(石原康弘君) 和歌山盲学校に関する道路環境対策につきましては、知事から、教育環境を保持できるように全力を挙げて対策を検討することとの指示を受け、これまで教育委員会及び盲学校と10数回に及ぶ話し合いを重ね、検討してまいりました。
 話し合いの中で、音が視覚障害のある児童生徒にとって大切な情報源であることを重視し、グラウンドなど5カ所において昼間の騒音レベルを45デシベル、寄宿舎では夜間の騒音レベルを40デシベルとする目標を設定し、対策を講じることとしたところです。
 具体的には、道路と盲学校の境界、歩車道の境界及び中央分離帯に防音壁を設置し、あわせて低騒音舗装を行う予定であります。
 また、供用後におきましても、児童生徒の教育環境を保持できるよう、教育委員会及び盲学校とも十分に話し合いを行いながら適切に対応してまいります。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私も何度か話し合いに立ち会いながら、知事の答弁を受けて、真剣な検討をしていただいているというふうに思いました。
 しかし、盲学校関係者は、まだまだ不安を抱えています。今の答弁の中でも言われましたが、やってみて問題があった場合には、さらに対策をお願いできる、対策をするとお答えいただいたことを確認して、次の問題に行きたいと思います。
 第3の柱として、自然エネルギー開発についてお伺いいたします。
 1月末に行政改革・基本計画等に関する特別委員会の視察で伊方原発に行かせていただきました。再稼働を目指して準備中という伊方原発は、比較的高台にあります。したがって、静岡県の浜岡原発のように20数メートルの防波堤で囲む必要はありません。それでも1000億円近いお金をかけて再稼働に向けての準備をしていました。
 廃棄物の収容能力は、あと10年は大丈夫だということですが、案内の方も言われたとおり、10年というのはすぐですから、再処理施設が動き出さないとどうにもなりません。
 管理棟は、免震構造の上、事故が起こった場合、全ての職員を収容できる、食料の備蓄もある、中の気圧を高くして外から放射能は入らないようにするなどの機能を備えているなど、万一の事故に備えて労働者を守るために考えられているという説明でした。
 しかし、説明の方に「この原発再稼働のネックは半島部の住民の避難体制でしょうね。どうなっていますか」とお聞きしました。「それは県のほうで考えてくれています」という返事が返ってきまして、少し違和感も感じたところです。1000億円かけてもたくさんの課題が残る中、原発は本当に必要なのか。
 先日は、想定される東海地震の震源域の真上にある一番危険な原発と言われる浜岡原発を3000億円かけて整備し、安全審査の書類を提出したという報道を聞くにつけても、そんなことよりも自然エネルギーなどの研究開発、そして一日も早い普及に力を入れればと思った次第でございます。
 そこで質問ですが、平成26年度の当初予算新政策には、新エネルギーの推進とあります。メガソーラーは14メガワットが稼働中であり、76メガワットが計画中だといいます。風力は76メガワット稼働中で、142メガワット計画中と言います。
 まず、私が再々被害者救済を訴えてきた風力発電についてお伺いしたいと思います。
 実は、一昨日、風力発電の被害を考える会・わかやまの総会が開かれました。そこには、北海道から大学の先生がわざわざこの総会に参加するためにおいでになっていました。北海道でも風力発電が進められようとしているが、大丈夫なのか、和歌山の経験を吸収して帰りたいというお話でして、和歌山の風力発電と低周波・超低周波問題が全国的に注目されているわけです。
 そして、その場所で、ここに持ってきているものですが、「風力発電の羽根の下で」というDVDが発表されました。私がよく紹介する由良町の被害者の方、また、最初に私に訴えをされた下津町大窪にお住まいだった方などが風力発電の被害について淡々と語っています。
 ここに持ってきましたので、後ほど知事にも1枚お渡しをし、また担当の関係者の皆さんにもごらんいただきたいと思っています。
 これまで県内では、たくさんの風力発電が計画されているとお伺いしていました。昨年9月県議会で私が取り上げた直前に日高川町の2つの計画が撤退を表明しました。これまでの計画で中止になったもの、その後計画されたものなどを踏まえて、さまざまな計画の消長といいますか、変更があると思います。そして、現在の計画、その規模についてお答えいただきたいと思います。商工観光労働部長、お願いします。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 平成23年度末時点では、9カ所、90基、185.5メガワットの計画がありましたが、現在計画が進行しているものは、建設中を含め4カ所、56基、142メガワットとなっております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 たくさんの計画が中止になっています。これまで風力発電と体調異常の因果関係はわからないと何回もお答えいただいているんですが、1000キロワットから1500キロワットの風力発電から被害の訴えが目立っていると思います。
 それが、このたびで言うと3000キロワットの風車の建設を、一方では被害の訴えと風車の関係はよくわからないと言いながら進めようとしても、住民の皆さんの理解は得られないだろうと思います。被害の訴えへの対応をしっかりとしていただきたいということだけ、ここでは申し上げておきます。
 次に、メガソーラーと住宅等へのソーラーの発電です。
 メガソーラーについては、計画中のものが現行の5倍ということです。住宅等への補助は、国では廃止しても県は継続するということでございます。メガソーラーはどういう計画があるのか。太陽光発電システム、住宅用ソーラーの普及促進の現状と見通しをお聞かせいただきたいと思います。商工観光労働部長、環境生活部長から、それぞれお答えいただきたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県で把握しておりますメガソーラーの計画は、和歌山市の20メガワット、有田市の30メガワット、上富田町の15.7メガワットなど、建設中のものも含め10カ所、75.8メガワットとなっております。
○副議長(花田健吉君) 環境生活部長塩崎 望君。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 県内の住宅用太陽光発電設備の導入状況につきましては、国の調査資料や補助実績から、平成25年12月末までの累計で設置件数約1万4800件、発電能力約6万1500キロワットと推測され、ここ2~3年では毎年2000件から3000件の設置がございます。
 国の補助制度が今年度末までの申請で終了となる中、本県では平成26年度も引き続き住宅用太陽光発電設備導入補助の実施を提案しており、また、太陽光パネルの価格低下や再生可能エネルギー固定価格買取制度による支援、県民の環境意識の向上などにより、これからも太陽光発電の普及が図られていくものと考えております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 大型のメガソーラーが進んでいるようで、和歌山市の20メガワットの計画というものは、私も事前に和歌山市の議員から資料をいただきました。これはコスモパーク加太の和歌山市管轄部分にメガソーラーを募集したものですが、1平米350円で22年間に27億5000万円、地域貢献金と合わせて33億円払うと業者は言っています。
 何回も取り上げる問題ですが、県の場合は、20億円かけて造成した土地を1平米100円でカゴメ菜園として貸している。余りにも落差が大きいということは、本日は改めて指摘するにとどめておきます。
 海洋エネルギー開発は、まだまだ時間がかかりますが、期待いたします。太陽光発電システムの普及促進については、先日、知事と懇談した際、国の施策に合わせて廃止を検討しておられるかのような話があって心配したんですが、継続されることは結構でございます。さらに予算をふやしていくことを要望して、次に行きたいと思います。
 次に、少し変わったテーマなんですが、「話せる英語」の大合唱についてという表題をつけました。
 話せる英語、英語早期教育の議論が花盛りであります。和歌山県でも、高校生にディベートをさせよという試みがありますし、文部科学省は小学校3年生から英語教育を実施しようとしています。
 日本の中高校生は、英語学習に膨大な時間を使ってきた。それなのに話すことができない。役に立たない。これは、これまでの英文解釈や文法中心の受験英語教育が行われてきたからである。英文解釈や文法中心でなく、会話を中心にした生きた英語を学ばせなくてはならないという考えが、その基礎にあると思います。それも一理あることでございます。決して否定はいたしません。
 実は、私もかつては英語を話せない英語教師でありまして、英語教師に見切りをつけて、通信教育で社会科の免許を取って社会科に転向したという前歴を持っているわけでございます。したがって「英語を話せない英語教育」という言葉にはコンプレックスに近いものを持っておりまして、この種の英語教育批判には逆らえないという気持ちを持ってまいりました。
 しかし、話せる英語の大合唱を前にして、少し冷静になって考えてみる必要があるのではないかと思うわけでございます。
 そこで、少し古いことになりますが、1970年代に、日本の英語教育はこれでいいのかをめぐって英語教育大論争というものが行われたことがありました。ここに文春文庫で「英語教育大論争」という冊子を持ってきておりますが、こうした論争があったことを教育長は御存じでしょうか。和歌山県で考えられている英語教育改革と絡んで、この論争についてもきょうは皆さんと一緒に考えてみたいと思うんですが、教育長、何かお考えのことがあれば、まずお聞かせいただきたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いわゆる英語教育大論争というのは、昭和50年前後、参議院議員であった平泉渉氏と上智大学教授であった渡部昇一氏との間で、いわゆる使える英語という実学を重視すべきであるという論点と、もう1つは知的訓練としての教養英語をしっかりとやっていくべきだという、そういう2つの論点から、当時、日本の英語教育のあり方について意見が交わされたものであり、海外でも反響を呼んだものとして知られております。私も、その点につきましては承知をいたしております。
 過去の論争は論争として、グローバル化が急速に進んでいる現在、世界の国際共通語としての英語の重要性はますます高まってきており、英語教育の改善は喫緊の課題であると捉えております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 お答えいただきましたように、この論争は自由民主党参議院議員平泉渉氏と英語学者である渡部昇一氏との論争でした。渡部昇一氏というのは保守の論客でありまして、その歴史観については、私などとは全く相反する方なんですが、この方の本職は英語学者であります。この平泉、渡部のお2人が「諸君」という雑誌で英語教育大論争を繰り広げたわけであります。
 平泉参議院議員は、これまでの英語教育は成果は全く上がっていないとして、全ての中学生に教える英語は初歩的なものでいいとして、英語が必要な5%の生徒を養成するコースを設ける、全国的な外国語能力検定制度を設けるなど主張しました。つまり、英文解釈や英文法で多くの高校生が悪戦苦闘しても英語が使えないのは無駄だから、やめてしまおうということでした。全ての生徒にディベートをさせろ、小学校3年生から英語になれさせろというのとは、全く対極にあるように見える主張です。
 しかし、その根本にあるのは、話せない英語、使えない英語教育は意味がないということであり、この2つの主張には共通点があります。
 そこで、平泉氏の主張に渡部氏が反論している中で私が重要だと考えるのは、中学生になってから英語を学ぶことは、それを通じて母国語と格闘することであるとしている点です。英文和訳や和文英訳や英文法などは、ことごとく知力の極限まで使ってやる格闘技なのである、そして、ふと気がついてみると、外国語と格闘していると思ったら日本語と格闘していたことに気づくのだと渡部氏は述べています。つまり、英語学習を通じて日本語の能力が鍛えられるというわけです。私は、今日でも英語教育のあり方を考える上で、この観点も大変大事だと思います。教育長はどうお考えでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 英語教育のあり方につきましては、さまざまな考えがあることは十分承知いたしております。
 しかし、今日のグローバル化社会に対応する英語教育では、自分の意見を伝える、話せる、相手の言うことがわかる、使えるなど、国際化する社会で実際に英語が使える能力を育成することが求められております。
 こうした考え方から、本県では、現在、国際人育成プロジェクトを積極的に推進しているところでございます。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私も教育長が言われることを否定するつもりはありません。
 さらに、もう少しお聞きしますが、渡部氏は、子供が外国に連れていかれたとき、幼児はいともたやすく現地語を覚える、次の国に移ると、覚えた言葉をすっぱり忘れて新しい言葉を覚えるということを言っています。外国で生活した子供が日本に帰ってきて、しばらく外国語が話せるが、外国語を使わない環境に置かれるとすぐ忘れるということが言われる。
 前回の県議会で討論された方が、知事と一緒に外国に出張したが、知事は英会話が堪能で、自分ももっと英語の勉強をしておけばよかったとお話をされました。
 私は、知事の英語力は、学生時代に勉強されたことももちろんあるでしょうが、その後、外国の大使という英語を使う環境を経験されたことも大きいのではないかと思いながら、その討論をお聞きいたしました。
 それはさておき、今日の英語学者の中で、早期英語教育に疑問を持つ方も多いのです。小学校段階では、しっかり身につけなくてはならないこともたくさんある。英語の早期教育に時間を割く必要があるのかどうか疑問です。教育長はどうお考えでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 近年、急速に国際化が進んでいく中で、世界の人々とコミュニケーションできる生きた英語力を身につけるためには、小・中・高等学校と継続して、授業やさまざまな行事の中で広く英語を使う機会を取り入れることが必要だと考えております。
 特に、英語への抵抗感が少ない小学校段階では、本県が独自に策定した「英語版ふるさと教材」などをしっかりと活用しながら、英語の歌やゲームなども取り入れ、英語を身近なものとして親しませるとともに、外国の人と対話したり、外国の歴史や文化を受け入れていく態度を育成することが重要だと考えてございます。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 さらにお伺いしますが、和歌山県では、全ての高校生が英語でディベートできるようにするということをぶち上げています。
 相手をやっつけるディベートというものが教育の場にいいのかどうかという意見もありますが、日本語でも討論できない高校生が多い中で何がディベートかという意見もあります。
 今、どういう成果が上がっているのか、お伺いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高等学校の英語の授業において、全国的に見ても本県では早い時期からディベートやディスカッションを取り入れたり、今年度、県内の12校、18チームが参加した高校生英語ディベート大会を実施したりしてございます。
 このような機会を通して、英語を使って自分の意見を伝えたり、相手の意見を聞いたりする能力が着実に育成されてきております。
 また、こうした取り組みは、日本語による討論や論理的思考力を育む上でも大きな効果を発揮していくものと受けとめております。
○副議長(花田健吉君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 きょうの英語教育についての議論は、余り質問と討論、かみ合ったというふうに思わないんですが、もっと厳しくディベートをすべきだったんかわかりませんけども。しかし、きょうの質問は、私も、使える英語──ディベートが悪いというのではありませんで、使える英語の大合唱の中で、やはり批判的な意見もあるという一石を投じておいたほうがいいだろうと。そういうとこで歴史観が全く違う渡部昇一先生にも登場いただいて、きょうは英語教育をさまざまな面から考えてみたいということを申し上げたのであります。
 英語教育には、さまざまな面があります。母国語の格闘を紹介したのは、その大事な一面です。ただ、かつての私のように、英語を話せない英語の教師がいいとは決して思いませんので、話すことだけでなく、英語の先生がよい英語にしっかりと触れる機会を保障することも、また大切かなと思います。そのためには、教員にゆとりと研修の機会が保障されなくてはならないというのは前回の議会でも申し上げたところです。
 以上で、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時44分散会

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