平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成26年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成26年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成26年2月28日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第17号から議案第32号まで、議案第53号、議案第55号、議案第81号及び議案第88号、
    並びに報第1号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号
    から議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号まで(質疑)
 第3 一般質問
────────────────────
会議に付した事件
 第1 議案第17号から議案第32号まで、議案第53号、議案第55号、議案第81号及び議案第88号、
    並びに報第1号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号
    から議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(38人)
 1番 立谷誠一
 2番 濱口太史
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 18番 岸本 健
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 森 礼子
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 10番 欠員
 17番 欠員
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     塩崎 望
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     石原康弘
 会計管理者      植山 均
 教育委員会委員長   山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第33号から議案第37号まで、議案第71号、議案第72号及び議案第77号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時1分休憩
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  午前10時59分再開
○議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案議案第17号から議案第32号まで、議案第53号、議案第55号、議案第81号及び議案第88号、並びに報第1号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 文教委員会委員長服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(服部 一君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月21日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号は賛成多数をもって、議案第21号及び議案第88号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、一般会計補正予算における小学校費の減額についてであります。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 総務委員会委員長尾崎太郎君。
  〔尾崎太郎君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(尾崎太郎君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件、知事専決処分報告1件であります。
 委員会は、2月21日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第22号及び議案第26号から議案第29号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。知事専決処分報告報第1号は全会一致で承認すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、選挙管理委員会関係では、県議会議員補欠選挙の経費について、企画部関係では、地籍調査の進捗について、文化・スポーツ振興助成事業について、総務部関係では、住基ネットの活用状況について、減額補正の妥当性についてであります。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 福祉環境委員会委員長中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(中 拓哉君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、去る2月21日、第2委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第20号、議案第30号及び議案第81号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、福祉保健部関係では、緊急雇用創出事業臨時特例基金を活用した介護分野の人材確保及び介護職員養成の実施状況について、後期高齢者医療費支給事業と国保財政調整交付金事業の減額について、障害者支援施設整備事業及びグループホーム・ケアホーム充実支援事業の増額について、こころの医療センターにおける入院患者増加による医業収益増の背景について、風疹ワクチン接種に対する助成事業の今後の改善策、取り組みの強化について、環境生活部関係では、和歌山県地域グリーンニューディール基金活用事業の減額の内容と今後の取り組みについて、電気自動車導入促進に係る補助制度の利用状況についてであります。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 経済警察委員会委員長浅井修一郎君。
  〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(浅井修一郎君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案7件であります。
 委員会は、2月21日、第3委員会室において開催し、公安委員会、商工観光労働部・労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第19号、議案第23号、議案第28号、議案第31号、議案第32号、議案第53号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における質問項目を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、県営競輪事業の車券売り上げ減少の理由についてであります。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(山田正彦君) 農林水産委員会委員長山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(山本茂博君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案4件であります。
 委員会は、2月21日、第4委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、第18号、第55号及び第81号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目等を申し上げますと、試験研究費について、鳥獣害防止対策について、土地改良区への貸付金について、森林整備地域活動支援交付金事業について、災害関連緊急治山事業についてであります。
 以上をもちまして、農林水産委員会の御報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願いいたします。(拍手)
○議長(山田正彦君) 建設委員会委員長森 礼子さん。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(森 礼子君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月21日、第5委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第81号は賛成多数をもって、議案第17号、議案第24号、議案第25号及び議案第28号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、委員会審査における主な質問項目を申し上げますと、都市計画道路西脇山口線の各工区における工事進捗状況について、仮称・和歌山南スマートインターチェンジ整備事業に係る減額補正の理由について、国道311号の整備状況について、国道371号の整備状況について、道の駅自家発電設備事業の内容についてであります。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山田正彦君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 奥村規子さんから反対討論の通告がありますので、許可いたします。
 38番奥村規子さん。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 日本共産党県議団を代表して、議案第17号、23号、81号に反対する立場から討論を行います。
 議案第17号は、平成25年度和歌山県一般会計補正予算です。
 一般会計補正予算では、教職員費が大幅に減額補正されています。これは、国が予算化を予定していた小学校の少人数学級拡充やチームティーチング、習熟度別学級編制などの学級定数改善を突然中止したことによるものです。この中でも、学年進行で計画的に進めてきた少人数学級の推進などの施策は、県として予算を落とすことなく改善すべきであったのではないでしょうか。
 次に、民生費のうち、後期高齢者医療財政安定化基金についてです。
 後期高齢者医療の保険料の改定に当たっては、2010年、2012年の際には、いずれも財政安定化基金の取り崩しを計画し、保険料低減に充てましたが、今回の保険料改定に際しては、基金の取り崩し、投入が行われず、2014年度から2年間の保険料は値上げされます。年金が引き下げられるなど後期高齢者の生活実態を見るとき、せめて保険料は据え置くべきであり、そのために基金取り崩しを行うべきであったと考えます。
 国保財政調整交付金、後期高齢者医療費支給では、合計5億円近い減額となっています。これは、医療費を高く見積もったことによる減額です。医療費見通しに基づき国民健康保険や後期高齢者医療の保険料が決められることを見れば、医療費を過大に見通した財政運営は改めるべきであり、また、こうした多額の減額を行うのであれば、国民健康保険や後期高齢者医療の負担軽減に県として取り組むべきだと考えます。
 予防接種対策については、6月議会で風疹予防対策で9億円以上の補正が組まれたことは評価するものですが、今回の補正でその95%に当たる8億6000万円もの減額になりました。啓発の問題だけではなくて、予防接種対象者の拡大など、実効ある取り組みが必要ではなかったかと考えます。
 議案第23号は、公営ギャンブルに反対の立場から賛成できません。
 議案第81号は建設事業施行に伴う市町村負担金を求める議案であり、市町村負担金は一層の負担軽減を求める立場から反対です。
 以上で、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第17号、議案第23号及び議案第81号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(山田正彦君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第18号から議案第22号まで、議案第24号から議案第32号まで、議案第53号、議案第55号及び議案第88号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(山田正彦君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、知事専決処分報告報第1号を採決いたします。
 本件に対する委員長報告は、承認であります。
 本件を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(山田正彦君) 起立全員であります。よって、本件は承認することに決定いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時16分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第52号まで、議案第54号、議案第56号から議案第80号まで、議案第82号から議案第87号まで及び議案第89号から議案第100号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 22番冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○冨安民浩君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問を始めたいと思いますが、その前に、先ほど午前中の本会議で168億円余の25年度補正予算案が成立を見ました。この予算計上の目的は、我が国の社会保障制度を持続するために、その財源確保に向けて、この4月から第1弾として消費税3%が上乗せされるわけでありますが、その消費税上乗せによる景気の腰折れを防ぐために、国のほうで5兆5000億が経済対策として措置されたことに伴い、和歌山県で計上した予算であります。その目的をしっかり認識していただきまして、予算執行に当たる職員の皆様方には速やかなる執行をお願い申し上げまして、本議会に議案対象となっております平成26年度和歌山県当初予算案について、何点か質問を申し上げたいと思います。
 第2次安倍政権が誕生して1年余が経過いたしました。強い日本を取り戻すことを使命とした安倍総理のリーダーシップのもと、さまざまな思い切った諸施策を果敢に実行することにより、日本社会の空気は一変しつつあります。特に、経済の再生を最優先に取り組むため、3本の矢から成る経済政策を打ち出し、その結果、日本経済は1年前の危機的な状況を脱し、順調に回復しております。実質成長率は4四半期連続のプラスとなり──ちなみに、昨年の第1・四半期は1.2%、第2、1%、第3、0.3、第4、0.3と、4四半期連続のプラスとなっております──有効求人倍率は6年ぶりに1倍を回復、さらに業況判断指数が中小企業非製造業で21年ぶりにプラスに転換しました。
 ちなみに、民主党政権時代を見てみますと、毎年、GDPで10兆ばかり落ち込んだ、まさに数字に例えるならば大体2%、3年間コンスタントに落ちた。そうしたことを考えるとき、安倍政権の取り組みというのは、これ、まさに評価せざるを得ない。大いに評価されるところだと思います。
 日本を苦しめ続けたデフレからようやく脱却する道筋が見え始めつつあります。完全にデフレ脱却を図るためには、第3の矢である成長戦略をしっかりと実行することが大事であり、とりわけ、その柱となる産業競争力強化のため思い切った規制改革を行うことや、女性や高齢者を含め、あらゆる人が社会で活躍し、その可能性を発揮できるチャンスを創出することなどにより経済の好循環を生み出し、成長を持続発展させることが大切であります。
 リーマンショック以降、数年間に及ぶ日本経済の低迷は地方の活力を失わせる結果を招きましたが、政権交代を契機として、景気回復に対して県民の期待が高まってきていることは、私自身も強く実感しております。そして、その期待に応えるためにも、政府の施策とあわせて、県が地域経済の活性化に取り組んでいく必要があります。
 そして、いよいよ紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会が来年開催されます。昨年開催され、熱戦が繰り広げられた東京国体では、和歌山県は男女総合18位となり、当初の目標を達成し、これからの活躍が期待できるものとなりました。開催に当たっては、大会の運営に万全を期すことはもちろんのこと、県外から多くの人がお越しいただけるまたとない機会でありますので、和歌山の魅力を十分に伝えることができるよう、県民総参加で、まさにおもてなしの心で取り組んでいかなければなりません。その結果、大会が成功裏に終われば、県民一人一人にとって大きな自信につながるものと考えます。
 さらに、巨大地震への備えや少子高齢化、過疎化の問題、産業の振興等々、県が抱える課題は多岐にわたっております。特に防災対策については、これまでも地震や津波から県民の命を守るため、全国トップレベルの大規模建築物の耐震化支援や避難路の建設促進など、充実した対策が講じられておりますが、引き続き、県内外の自然災害を教訓とし、強靱な県土づくりを進めていただきたいと考えております。
 さて、知事が就任以来、厳しい財政状況への対応が求められる中、新政策プロセスに代表される新たな県政の運営手法を矢継ぎ早に導入し、さまざまな改革や施策を実行されてまいりました。加えて、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道などの高速道路ネットワークの整備や企業立地の推進など、県の発展に大きく貢献する成果も着実にあらわれてきております。そして、平成26年度当初予算は、知事就任2期目の集大成として取りまとめられたものと思いますが、知事は、「元気な和歌山」の実現に向けてどのような政策に重点的に取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。
 次に、県の財政状況についてお尋ねをいたします。
 アベノミクスにより経済活動が好循環に向かい、また、消費税の改定等もあって平成26年度当初予算においては県税の増収が見込まれるものの、社会保障関係経費は増加し続ける中、地方交付税は税収増を反映して縮減される見通しとなっております。幾らかは好転したと言えるかもしれませんが、県財政の状況はいまだ厳しいままであることには違いないと考えますとき、政策を推し進めるに際して財政の健全性が担保されているか考えなければなりません。
 知事は、就任当時、財政収支見通しを推計、このままでは平成21年度には財調、県債基金が枯渇し、それ以降も慢性的な財源不足のまま推移する見通しであることを明らかにされました。そして、持続可能な県政を目指して新行財政改革推進プランを作成し、財政構造を転換すべく歳出削減を推し進められてこられました。また、国体・大会の開催や水害の発生、それに地震・津波対策等、新たに生じた課題に対処するため、平成24年3月には新行革プランを改定した新行財政改革推進プランを策定して取り組むことにより着実に改善してきていると思われます。
 中でも、人件費総額の縮減を図るために、この間、全職員の8%弱に当たる1200人以上もの職員数を見直し、特に行政部門では10%を上回る職員数の削減を行うことで、これまで総額460億円程度の経費を削減するなど、増加する社会保障関係経費やさまざまな課題に対応するために取りまとめられた新政策を推進する財源は、まさに人員削減によって捻出できたと言っても過言ではございません。
 知事が取り組まれた身を切る改革により職員一人一人の負担はふえたとも考えられますが、職員みずからが知恵を絞り、業務に工夫を凝らすなど、効率化に努めたことにより、政策は停滞することなく、むしろ新たな行政需要に対しても的確に対応していただいていると感じております。職員の皆様方の頑張りに感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 平成26年度は、新行革プランの中間年度を迎えることになるわけですが、新年度予算において財政の健全性は担保されているのかどうか、お尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの冨安民浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、平成26年度当初予算についてでございます。
 毎年、議員御指摘のように、新政策で、全庁を挙げて、今何をしなきゃいけないか、来年度はどうしようかというようなことを議論しておりまして、それがようやくでき上がって、26年度当初予算として議会にお出ししてるわけでございますが、毎年、よういいのができたなあと思いながら、議会の厳しい御審査を待ちたいと、こういうふうに思ってるわけでございます。
 26年度当初予算では、安心して暮らせる社会を構築するための「安全と安心」の政策と、それから将来の成長に導くための「未来への投資」の政策の2つの柱に重点を置いて予算編成を行ったところでございます。
 まず、「安全と安心」の政策では、地震や津波による犠牲者ゼロを目指すために、大規模建築物や住宅の耐震化促進のための予算や制度を充実するとともに、津波避難困難地域解消に向け、避難場所の見直しや避難タワー、避難ビルの整備など、ソフト・ハード両面による総合的な対策を推進してまいります。
 また、災害に強い県土づくりを進めていくため、命の道である高速道路ネットワークの充実や、トンネルや橋梁の老朽化対策、とりわけ緊急輸送道路についてちゃんと確保できるようにする対策など、災害に備えたインフラの強靱化に引き続き注力をする所存でございます。
 次に、医療では、従前から注力いたしておりますがん対策について、肺がん検診の充実等により、予防から早期発見、早期治療まで総合的に取り組んでまいります。
 次に、福祉では、県民が健康状態や所得に応じて自分らしく過ごせるように、老後の暮らしに安心を届けるため、特に来年度の政策では高齢者対策の充実に取り組みたいと思いました。具体的には、地域における見守り活動の充実──これは大分進んでおりますけれども──2番目に、健康推進員制度の創設による健康長寿の実現を促進していくこと、さらに3番目に、介護施設の整備を計画的に進めることなどによりまして安心を確保すること、それから第4番目に、民間事業者が運営する有料老人ホームの誘致などを促進する、すなわち、いわゆる産業化に向けても取り組んでいく所存でございます。
 このほか、少子化対策では、従前からのこうのとりサポートや紀州3人っこ施策など、子育て世代への支援に加え、若者の婚活を応援するため、わかやま結婚サポーターを県で養成してまいります。
 次に、もう1つの柱でございます「未来への投資」の政策では、来年開催する紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会に向けて、開催機運醸成のための県民運動や花いっぱい運動などを県民総参加で進めていくとともに、競技力を高め、男女総合優勝を目指したいと思っております。また、多くの人がスポーツに親しめるように、2021年に関西で開催するワールドマスターズゲームズなど、マスターズスポーツにも力を入れていきたいと考えております。
 また、県経済の活性化のためには地域経済を支える産業の強化が必要でございますから、県内企業が大学等の研究成果を効率的に活用できる環境を整えるなど、企業の成長支援にさらに取り組んでまいります。
 さらに、農業分野では、競争力強化を図るため、野菜、花卉の施設園芸を一層振興するとともに、農業の生産性を高め、担い手への農地集約化を進めるため、県独自の農地流動化の仕組みを構築していく所存でございます。
 観光については、世界遺産登録10周年を迎えることを契機とした誘客キャンペーンを切れ目なく展開するとともに、ビザの免除や免税品目の拡大などの好機を捉え、外国人観光客の積極的な誘客にも取り組んでまいります。
 また、都市の再開発や都市計画の見直しについて、県が企画、提案をし、市町をリードしていきたいと考えております。
 さらに、近畿自動車道紀勢線や京奈和自動車道など幹線道路ネットワークを初めとした社会インフラ等の整備に取り組むことにいたしておりまして、特に、これは県の予算ではございませんが、このたび串本─すさみ間が国の次の事業化の候補として発表されたところでございまして、これはまた一段と進むということで高く評価したいと思っております。
 未来を担う子供を育むため、県独自の道徳の教科書を活用した道徳教育の徹底や、確かな学力の定着のため、優秀な退職教員を活用した教員の指導力の強化など、教育にも力を入れていきたいと考えております。
 次に、今度は財政の健全化の問題でございます。
 議員御指摘のように、新行財政改革推進プランで、大体、県が早期に破綻をしないというめどをつけました。さらに、このままでは人員削減を一直線にやりますと少し問題が起こるということなので、そのペースを少し緩めまして、しかも持続的な財政ができるかどうかということで同改定版をつくりまして、今これに沿った財政運営をしているところでございます。したがって、この改定版のプランに沿った財政運営をしている限り、県の財政は大丈夫ということだと考えております。
 財政の健全性については、県税は増収を見込んでおりますが、議員御指摘のとおり、地方交付税は当然減額してまいります。また、地方消費税の増収分につきましては、全額を社会保障の充実分に充てておりまして、決して全体として、もう大丈夫というか、安心というか、手放しで安心というようなことではない状態でございます。
 そこで、引き続き業務の効率化と簡素で効率的な体制の構築により人件費を削減するとともに、繰り上げ償還等を活用して公債費の抑制も行って、さらに事務事業の見直しを行うなど、一般財源の節減に努めることとしております。
 その結果、平成26年度当初予算における収支不足額は、先ほど御説明いたしました改定版の行革プランの目標額である6億円を堅持することができておりまして、財調・県債管理基金残高については目標額よりも27億円さらに積み増すと、改善できたということになっております。
 このように、未来に羽ばたく元気な和歌山の実現に向けた新政策の推進のために重点的な予算配分を図りながら、持続可能な財政構造の確立を達成できた予算に仕上がったものと考えております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 ただいま、26年度予算案、知事から説明がございました。財政規模、昨年度より少しふえた程度でありますし、それぞれ財政措置した目的があるわけであります。それがかなうように実行しなきゃいけませんし、特に、先ほども当初申し述べましたとおり、補正予算と絡めて、やっぱり経済の状況もしっかり考える中で、これを遂行していかなきゃいけない。そうしたことを考えると、執行できるものは当初予算におきましても速やかに執行して、この消費税増税に伴う景気の腰折れを防ぐためにそうしたことに心して、その執行に努めていただきたいということをお願い申し上げておきます。
 次に、本年10月実施予定の県津波災害対応実践訓練への米軍オスプレイの参加について、数点お尋ねをいたします。
 昨年12月20日、小野寺防衛大臣より、本年10月実施予定の県津波災害対応実践訓練への自衛隊の全面協力の旨と在日米軍MV22オスプレイの活用も県側に打診したところ、県の了解を得た旨の報道がなされました。そのことが各紙に、21日の新聞に報道されておりました。
 来るべき南海トラフの地震・津波の発生に備え、自助、共助に資する等々のさまざまな対策を措置し、また、あらゆる資源を活用して県民の命を一命たりとも失わない備えを構築したいと事あるごとに述べる、災害発生に備える日ごろの知事の県政への取り組み姿勢を考えるとき、東日本大震災発生時におおむね1カ月、延べ2万4000人の将兵、190機の航空機、24隻の艦艇が被災現場での災害救助・救援や復興支援に大きく寄与したいわゆる米軍のトモダチ作戦の実績や、昨年のフィリピンでの台風高潮災害時の際、救援物資の輸送やけが人の搬送に、従来機のヘリであるCH46に比して速力で約2倍、搭載量で約3倍、航続距離では約5倍という固定翼機並みの能力を持ち、かつヘリ同様の垂直離着陸やホバリングも可能なオスプレイが絶大な機動的能力を発揮した事象から、県津波災害対応実践訓練への米軍オスプレイの参加了解は当然のことであり、その了解を高く評価いたしたいと思います。
 米軍のトモダチ作戦については、自由民主党県議団所属議員20余名が、昨年11月25日、沖縄県糸満市で執行された、さきの大戦で沖縄や南西諸島で護国の華と葬られた県主催の県出身戦没者追悼式に参列し──公明党から多田議員と中議員も、たしか参加、参列されておったと思いますが──その後、門博文衆議院議員のお世話をいただき、普天間基地を訪問、視察し、基地の概要や、またトモダチ作戦の概要をお聞かせいただきましたが、参加議員の中から詳細な説明を聞いたらどうかという提案があり、12月3日、米国海兵隊太平洋基地政務外交部次長を務められているロバート・エルドリッジ氏に本県にお出向きをいただき、詳細に聞き及んだ経緯があり、一同トモダチ作戦をひとしく高く評価いたしたところでもあります。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 まず1点目、本年10月実施予定の県津波災害対応実践訓練への米軍オスプレイの参加了解に至った経緯について、つぶさに御説明をお願いいたします。
 2点目、また、オスプレイの安全性については、偏った一部マスコミ報道により、その安全性に不安を抱く県民もおられると推察いたしますが、そうした人々に対する安全性の説明についてお尋ねをいたします。
 3点目、米軍と聞くと条件反射的に反対アレルギー症状を起こす人たちの反対の声が高まっても、予定どおりこの訓練を実施するおつもりなのか否か、吐露願いたいと思います。
 以上3点について知事の答弁を願います。
 引き続いて、次に危機管理監に3点質問をいたします。
 10月実施予定の本県の津波災害対応実践訓練について、訓練の実施場所はどこを予定しているのか。また、訓練内容についてはどうなのか。さらにまた、オスプレイの離着陸地についてどうなっているのか。予定をお尋ねいたします。
 2点目、今回の訓練の実施については、関係市町村への説明はもとよりでありますが、広く能動的に県民への周知徹底を図るべきと考えますが、どのようにお考えなのか。
 3点目、今後、訓練実施に向け、どのように進めていくのか。
 以上、3点一括して危機管理監の答弁を求めます。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、本年10月の津波災害対応実践訓練の経緯でございます。
 和歌山県は、大規模災害に備えて実践的な防災訓練を常時行っております。従来は、実は実際には考えられないような形で、あらゆる関係者が一堂に会しまして、シナリオがもともと決まっとるというような形で訓練を行うのが──これは和歌山県だけじゃなくて、大体よその県でもそういう姿であったんですけれども、これでは実際に災害が起こったときにあんまり参考にならないということを考えまして、訓練を全面的に見直しました。
 大規模災害を想定すれば、訓練には和歌山県の固有の機関だけではなくて、さまざまな関係機関に参加してもらったほうがいいというふうに思っております。自衛隊もそうでございまして、自衛隊の参加もこれまでいただいておったんですけれども、実際に起こったときのことを想定すると、まだまだ小規模でありまして、県が行う最大規模の津波災害対応実践訓練でも、これまで陸上自衛隊のみの参加でございました。このため、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊と、自衛隊全体と連携した訓練の実施を防衛省に、これは私どものほうから打診をいたしました。
 その協議の中で、防衛省のほうから、在日米軍の協力も得てよろしいかというふうに言われました。私たちは、できるだけ多くの方面の協力を得られることは大変ありがたいわけですから、望むところであるというふうに申し上げました。
 また、その際、御指摘のオスプレイという機材の活用についても打診がありましたので、これは輸送力とか航続力について抜群に性能の高い機材でございますので、こういう機材の活用についてやっていただくのは大変ありがたいので、もちろん結構であるというふうに申しました。持てる資源を最大限活用して助けてもらいたいと思ってる状態でございます。
 それから、2番目にオスプレイでございますけれども、私は多少自分でも研究しておりますので、オスプレイが他に比して安全性の低い航空機とは思ったことはありません。誰がどんな根拠で、これは他に比べて危ないと言うとるのかと、非常に不思議でしようがないんですが、まあそんな状態でございます。防衛省を通じて入手した資料では、オスプレイのリスクは、大型の輸送能力を持つ他の代替機──これは大型ヘリコプターと比べるということだと思いますが──むしろ低いという状態でございます。
 昨年の台風でフィリピンの島々が深刻な被害を受けましたが、オスプレイは、その機動性を生かして緊急に救難出動いたしまして、多くの人命を救い、必要な救援物資を届けたと理解しております。東日本大震災の際には、オスプレイの前機種でありますところのシーナイトというのがあるんですが、これが東北地方に派遣されました。しかし、航続距離が短いということで、少しずつ休み休み行かないといけないんで、3日間、実際に可動するまで時間を要しております。オスプレイであれば、大体5時間ぐらいで東北まで行けるということなんで、これはかなり違ったろうなというふうに思います。
 大規模災害がこのように発生した場合、オスプレイの持っている高い機動力、航続距離、空輸能力に、私としては大変期待をしております。したがって、大変深刻な事態が予想される災害時に対する対応という意味での県の訓練へのオスプレイの協力参加は、極めて有用と考えております。
 県民の皆様には、県のホームページで実は安全性に関する資料をお示しして説明しているつもりなんでございまして、それを見ていただくとわかっていただけるものと思います。もちろん、何度でもそういう点については御説明したいというふうに思っております。
 それから、最後に3番目でございますが、予定どおり実施するかどうかということなんですが、それはもちろん予定どおり実施するわけで、県民の命を守るためには、できるだけ多くの協力を得て、持てる資源を最大限活用して助けてもらいたいと考えております。そのため、オスプレイの協力参加は極めて有効でございますので、米軍にも参加してもらって、これは訓練を実施していきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 危機管理監木村雅人君。
  〔木村雅人君、登壇〕
○危機管理監(木村雅人君) 4番目の訓練の実施場所や訓練内容について、またオスプレイの離着陸地についての予定についてお答えします。
 訓練の実施場所については、南海トラフ地震の津波による大きな被害が予測される県の南部で実施したいと考えており、田辺市、白浜町、串本町を予定しているところです。
 広域防災拠点である旧南紀白浜空港と現空港については、当然活用したいと考えておりますが、その他の訓練実施場所や防災訓練内容についても、今後、防衛省、自衛隊等の関係機関と協議し、決定してまいります。また、オスプレイの離着陸場については、旧南紀白浜空港と現空港を拠点と考えております。
 5番目、訓練実施について関係市町村の同意、それから県民への周知ですが、田辺市、白浜町、串本町とも、今回の訓練は非常に重要であると捉えており、各市町に対し、具体的な訓練場所や訓練内容等をよく説明し、訓練の実施について協力を求めてまいります。
 県民への周知につきましては、3月に防衛省近畿中部防衛局と共催で防災に関するシンポジウムを開催するほか、県、市町村での広報を実施するなど、さまざまな機会を捉えて周知徹底を図ってまいります。
 6番目、今後の実施訓練に向け、どのように進めていくかということでございますが、3月には防衛省による現地調査を行い、新年度に入って、防衛省、自衛隊を初め、田辺市、白浜町、串本町やその他の関係機関による連絡会議を設置し、協議を進めてまいります。7月ごろには訓練の概要をまとめ、その後、県民の皆様にお知らせしたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 知事より、不退転の決意でこの訓練目的を達するために行うという力強い宣言がございました。まさに、私は、どんなことがあってもやるべきだと思います。ただ、このオスプレイが参加しての防災訓練、これは和歌山県が1番だと思いますから、実施に向かって、いろんな角度からマスコミ報道がなされると思いますが、どうかそうしたことにお互いひるむことなく、大災害にはきちっと機能するんだと、そういうような実践訓練であり得るように、万全を期して、危機管理監におかれましてもその体制を整えていただくことをお願い申し上げたいと思います。
 引き続いて、野生鳥獣被害対策問題について質問をいたしたいと思います。
 野生鳥獣被害対策で初めて質問をしたのは、私は、記憶をたどってみますと20年前の9月議会だったと思います。その質問は、内容がどうであったかといえば、山村で和蜜を採取し、生活の糧の一部としている農家の住居近くに設置しているミツバチの巣箱にツキノワグマが夜ごと蜜をなめにあらわれ、追っ払おうとすると熊が威嚇を表し、生命の危機にさらされる懸念から、わなでその熊を捕らえたところ、県から放すようにという要請があり、その話を相談を受けましたので、まさに人間の生活権を脅かし、生命権さえ奪いかねないツキノワグマの保護とは山村に生きる者には断じて受け入れがたい、都会の動物園でこの寵児を見てかわいいと、そういう論理である趣旨の質問でありました。
 当時、県における野生鳥獣の所管課は今日の環境生活部自然環境室であり、保護中心の観点で、被害の観点は皆無でございました。担当課長にその理不尽さを訴え続けましたが、逆に、被害農家にツキノワグマを放すように頼んでくれと、こういうように逆に要請され、その放し方については、ツキノワグマの行動形態が探知できるよう首に探知機をつけるからとの話でございました。
 担当課長にとっては、鳥獣保護法に基づく措置であり、悪法もまた法なりで、彼は彼の任務を果たしていたと思いますが、その当時はシシや鹿の被害は散見程度であり、猿害に至ってはほとんど皆無であると言っても過言ではない程度でしたし、アライグマはその存在すら認知されていない状況だったと思っております。しかしながら、平成に入ってシシの被害が顕著になり、続いて鹿の被害もふえ、近年、猿の被害やアライグマの被害も広がりつつあります。
 こうした野生鳥獣被害の広がりにより耕作放棄地がふえつつあり、1次産業を主産業とする地域にとっては、被害を及ぼす野生鳥獣はまさに天敵であります。
 県の鳥獣被害対策が前進したのは、仁坂知事誕生により、この担当課を被害の観点に重きを置く農林水産部に移行されたことにより取り組みが積極化され、以後、年々財政措置が講じられ、鳥獣保護法のもと許される範囲内での規制緩和等も取り入れ、今日に至っているのが現状だと私は思います。
 そうした継続的な取り組み効果で、シシ被害については、少なくとも日高地方においては大幅に減少しつつあると農家の方から聞いておりますし、鹿についても一時のひどい被害状況に比して減少傾向にある、まさに効果が出ておると聞いておりますが、これは、しかし、対策を緩めるとまたふえていくわけでありますから、この対策を緩めるわけにはいかないと思います。
 また、鹿の背後にはカモシカが迫っておると言われております。まさに、野生鳥獣被害との飽くなき闘いを、これからは財政厳しい中でしなきゃいけない。さらに人員を配置する。まことに腹立たしい限りでありますが、これはまさに行政課題としてしっかり位置づけなければいけない問題だと思っております。
 この対策については、多くの同僚議員の質問や被害農家の訴え、また、県関係者の努力に応え、二階代議士が中心になって尽力いただいて、3年前、国会において鳥獣対策議連が結成されました。私も2回ばかり参画をさしていただきましたが、そうした議連活動により、今国会に、鹿、イノシシの生息数を10年後までに半減を目指す適正管理という言葉がようやく盛り込まれている鳥獣保護法の一部改正案が成立見込みのようであり、この問題解決にネックとなっていた法律にちょっとメスが入るんじゃないかな、また、そうしたことによって大きな前進だと私は思っております。
 この法律が実施されれば、先ほど申しましたように、10年後に鹿、イノシシは半分にするということでありますから、その基準をどこへ置くかという問題等も残りますが、鹿やイノシシの被害減少に向けて、私は、ある程度対策が担保されたと、このように思っておりますが、猿や外来種のアライグマは全く方向が見えないわけであります。
 私は、猿については、単に農作物被害にとどまらず、人間にも危害を及ぼすことを想定して取り組まなければいけないと思います。また、アライグマについては、外来種であり、日本古来の野生鳥獣の生態系を狂わすウイルスか何か持っておるんじゃないかなということも言われておりますし、その影響かどうかわかりませんが、最近、私はタヌキを見る機会が極めて少ないわけであります。そういうことを聞いてみますと、タヌキの毛が抜ける、これはアライグマの何か持ってるウイルスなのか、あるいは菌なのか知りませんが、その影響でタヌキが死んでおるという話を農家の人から聞きました。
 そこで、私は、農林水産部長にお尋ねをいたしたいと思いますが、手に負えない猿害対策について、その個体数の減少に特別緩和を設ける、例えば特区制度の創設を国に求めて、この制度のもとで個体数をちょっと抜本的に減らしていく。もちろん有期でしなきゃいけないです、地元同意が必要ですから。例えば、ある区で2カ月なり3カ月なり、この個体数の減少のやり方についてはちょっと抜本的にやっても結構だというような、そういう制度を設けるように要請していかないと、猿と人間との知恵比べ──なかなか猿も大変なもんでありますから、なかなか現行の中でやっていっても個体数の減少は追いかけっこで、むしろこちらのほうがおくれるぐらいの猿の知恵だと思いますから、それぐらいの思い切ったことを1回訴えて、そのことを訴えることによってこの猿害にどれだけ苦しんでおるかということが私はわかると思うんです。
 私は、この質問をするに際して、鳥獣害の対策室長、非常に頑張ってくれておりますが、1回この県の室長さんが中心になって、お互い地域でこの話をしてても都会の連中はわからないし、ましてや自然環境局、環境省、これは守るためにある役所ですから、ここを大いに揺すりまくらないことには、これは絶対変わらないと思いますから、こういう思い切ったことでも訴えていこうじゃないですか。その辺について、農林水産部長の見解をお尋ねいたしたいと思います。
 次に、環境生活部長に強く要望いたしたいと思いますが、アライグマはまさに外来種であります。日本古来の種の保護を目的とする鳥獣保護法、環境省自然環境局で管轄してるこの法律の対象外の鳥獣であり、日本古来の鳥獣に悪い影響を及ぼすウイルスを持つと言われてます。その個体数の減少、縮減に向けて引き続いて国のほうへ要望しておると聞いておりますが、要望するだけで──結果を出すのがまさに政治でありますから、結果を出せるように粘り強くちょっと運動しようじゃないですか。
 それとあわせて、先ほどのタヌキに影響が出ておる話を聞くにつけ、ウイルスなのか菌なのかわかりませんが、人体にもやがて影響が出てくるかもわからないわけでありますから、これ、環境省にもあわせて、セットで、1回ちょっと気がついたときにやっぱりやっておかないと。例えば5年先、10年先──10年先には私はもうこの任にあらないと思いますが──あのとき気がついておりながら、やっぱりその取り組みをしなかったばかりにこんなことになったということになったら、自分自身を責めることになるわけでありますから、ぜひそうした思いで、今申し上げた点にお取り組みいただきたいと思いますが、答弁を求めます。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長塩崎 望君。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 議員御指摘のとおり、アライグマは、農作物の被害のみならず、タヌキやニホンザリガニ、サンショウウオといった希少動物等、日本古来の生態系を脅かしているため、外来生物法で駆除されるべき特定外来生物に指定されております。
 そういったことから、本県では、平成24年度より、国直轄による防除対策並びに地方公共団体が実施する取り組みへの支援制度の創設を国に働きかけているところです。
 野生動物は何らかのウイルスに感染している確率が高く、アライグマも同様ですが、今のところアライグマ特有のウイルスというものは確認されておりません。当面は一刻も早い全頭駆除が先決であると考え、アライグマの駆除を進める上で必要な制度の創設等をこれまで以上に強く国に働きかけてまいります。
○議長(山田正彦君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 猿の被害対策については、これまで銃器による有害鳥獣捕獲を中心に取り組んでまいりました。さらに、県直営の大型囲いわな2カ所、市町村営の大型囲いわな12カ所を設置し、今年度から新たに管理捕獲を始めましたが、イノシシや鹿に比べ猿は警戒心が強く、目標頭数600頭に対して、きょう現在、約半分の326頭の捕獲にとどまっております。
 今、国で行われております鳥獣保護法改正の議論を踏まえつつ、既存の捕獲方法に加え、例えば猿捕獲専従者の育成など新たな手法を検討する中で、議員御提案の特区制度の創設も含めて幅広く考えてまいりたいと存じます。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 安倍総理は、「瑞穂の国」、「美しい国」、こういう言葉をよく使われます。まさに瑞穂の国の瑞穂が、野生鳥獣にもう、少なくても日高地方の至るところでこてんぱんにやられておるわけでありますから、こうした実態を知ったとき、安倍総理はそういう言葉を使えるんだろうかという思いがいたすわけでありますが、この鳥獣被害の対策というのは、これはもう先ほど申し上げましたように飽くなき闘いだと思いますが、やっぱり今までの不作為なのか、あるいは鳥獣保護法という作為なのかわかりませんが、結果として出てきておる。
 私は、山村で頑張っておる同じ年配の人と、これは農業で頑張っていただいておる方でありますから、その方といろいろ農業のお話をするわけでありますが、「農業ほどいいものはない。おかげで2人の子育ても終えた。大学も卒業した。農業ほどいいものはなかった」と言うんですね。「じゃあ、子供にも1回やらしてみたらどうか」と。「しかしね、冨安君、もう今の野生鳥獣のざまを見たら、こんなことをやっぱりやっておれん。そっちのほうへ労力がとられて農業どころじゃない」。そういう話を聞くにつけ、私はこの問題を質問のたびに取り上げるんですが、私は、日高郡の議席を今担当してる者として、このことを述べずして私の責任は果たし得ないんだと、そういう思いで質問をいたしておるわけであります。
 飽くなき闘いでありますが、知事のほうにおかれましても、ぜひよろしくお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、冨安民浩君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 18番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 政府が平成15年にビジット・ジャパン・キャンペーンを開始してから10年が経過し、平成25年は、12月20日、訪日外国人旅行者、いわゆるインバウンドが史上初めて1000万人を超え、前年比24%増の1036万人となりました。政府は、ビザ発給要件の緩和等のインバウンド対策を次々と打ち出してまいりました。
 県内においても、外国人宿泊者数は震災等の影響からほぼ回復し、平成24年には11万7359人となっており、平成25年はこれを大幅に上回る見込みであります。また、外国人旅行者向け消費税免税制度が10月から変わり、地方の免税店が拡大され、地方ならではの産品が買いやすくなります。これも、和歌山にとって大きなチャンスであります。
 和歌山県において、観光は重要な産業であります。紀伊山地の霊場と参詣道の世界遺産で国際的に注目を集める中、観光立県宣言を掲げ、積極的に各種政策に取り組んでいます。
 先日、国内観光活性化フォーラムが開かれ、1万2000人を超える方々が来場されました。本年7月7日には世界遺産登録10周年を迎え、9月からはJR等とタイアップした和歌山デスティネーションキャンペーンが実施されますし、平成27年には高野山開創1200年、2015年、紀の国わかやま国体・わかやま大会と続きます。また、生涯スポーツの世界大会であるワールドマスターズゲームズが、平成33年にアジアで初めて関西地域で開催されます。今後、和歌山を訪れる外国人旅行者がさらに増加すると考えられます。
 観光インバウンドは、これから成長が見込める分野であり、和歌山の豊富な観光資源を生かして海外からの観光客を多く和歌山へ取り込んでいかなければなりません。
 観光庁による平成23年度外国人旅行者に対するアンケート調査の調査結果を見てみますと、外国人旅行者が旅行中に困ったことの第1位に無料公衆無線LAN環境、いわゆる無料Wi-Fi環境が挙げられています。日本で不便を感じたことに関するコメントでは、「インターネットアクセスができるところが見つからない」、「無料Wi-Fiが少ない」といったコメントが数多く見られ、やはり日本のWi-Fi環境整備はおくれており、諸外国と比べても数も少なく、使い勝手が悪い状況にあります。
 一方、外国人からの無料Wi-Fi環境へのニーズは非常に高い状況で、入国前にネットで日本をよく調べてきている旅行者が多く、これをブックマークしておいて旅行中にこれらを参照したいということで無料Wi-Fi環境の問い合わせが多いとのことであります。スマートフォン、タブレットなど、個人向け情報端末の普及に伴い、メール等の送受信、旅行中の情報入手時のアクセス環境に対するニーズに対応していくことが必要であります。
 旅行者が自分の端末を持参し、訪日旅行中に無料Wi-Fiによってインターネットを多く利用しています。このようなスタイルは通例であります。このような外国人旅行者が常に情報アクセスを求める傾向に対応していく必要があります。
 平成25年10月の県企画部調査によりますと、県内の無料Wi-Fiスポット数は379カ所とのことでありました。外国人旅行者の使用環境として、この県内の状況をどう考えますか。商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 外国人旅行者の間にスマートフォンやタブレット等の携帯情報端末が急速に普及し、観光情報の入手や友人との通信等のため大いに利用されている現状から、これら携帯情報端末は快適な旅行にとって重要なものになってきていると認識してございます。
 しかしながら、県内の無料Wi-Fiスポットは、その整備数が少ないことに加え、外国人旅行者にとって使用を開始するための手続が煩雑であるなど、容易に利用できるものは極めて少ないと考えてございます。
○議長(山田正彦君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 無料Wi-Fiのアクセスポイントの普及状況は、大都市圏に集中して多くありますが、地方の普及率は余り高くないというのが、こういう傾向になっております。今、部長が言われましたとおり、県内のWi-Fiスポットの数は、私はこれでは非常に少ないというふうに感じております。必ずふやしていかなければならないという思いであります。
 昨年、「おもてなし」という言葉が流行語大賞の1つとなりました。和歌山では、各種のおもてなしで外国人旅行者を歓待していると思いますが、しかし、どれだけおもてなしを受けても、無料Wi-Fiが使えない、スポットもないというのはよくありません。
 外国人旅行者にとって無料Wi-Fiの提供は、その国を訪問する際に、水がきれいだとか治安がよいのと同じぐらいの重要な基準になっているというふうにも聞いたことがあります。私も、海外に行った際、情報収集やメールの送受信をするために、料金も気になりますので、まずホテルの無料Wi-Fiのサービスがあるかどうかを確認いたします。外国人旅行者の方も同様であると思います。
 平成24年の観光庁の訪日外国人消費動向調査によりますと、インバウンドの4分の3は個人旅行であると言われております。海外旅行は、楽しみであるのと同時に不安もあるものです。和歌山はすばらしいところだと、和歌山なら大丈夫、安心なところだよと、情報が入手しやすいところだし、そういうふうに感じてもらいたい。さらなるインバウンドの増加、新規客の獲得とともに、リピーターへとつながっていく。また和歌山に行こうと思わせるためにも、無料Wi-Fiが1つの手段であると思います。和歌山での滞在の魅力を高め、インバウンド推進のためのWi-Fi環境の充実を図り、そして世界的な流れになっています便利な無料Wi-Fi環境の整備を進めることです。
 ここで、山梨県における無料Wi-Fi整備の取り組みを御紹介させていただきます。
 山梨県のホテルで外国人旅行者から、スターバックスはどこにあるかと大変多くの方たちにたびたび聞かれることがあったと。外国人はコーヒーが好きなのかなと感心してたそうです。そうではなくて、スターバックスにあるWi-Fiを目的としたことに気づき、また、富士山の世界遺産登録への動きの中から、外国人旅行者が無料で利用できる無線LAN・Wi-Fiスポットの整備を全県的に推進するやまなしFreeWi-Fiプロジェクトを産官民協働で推進しています。
 県内観光案内所等でFreeWi-Fiカードを配布し、2週間無料で利用可能になっています。平成24年1月に230カ所であった無料Wi-Fiスポットが、平成25年7月に1135カ所に広がっています。また、山梨県と静岡県が富士山に隣接する自治体として協力体制を確立し、FujisanFreeWi-Fiプロジェクトも発足しています。
 和歌山でも、県内の宿泊施設、観光施設、店舗、街頭、駅、バス停、公共交通機関など、無料で利用できるWi-Fiスポットの整備を全県に進めていかなければなりません。
 平成26年度新政策と予算編成の方針に、「県内観光地にWi-Fiアクセスポイントを整備し、外国人旅行者の受入環境水準を向上」させるとありますが、どのような取り組みを行うのですか。商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) Wi-Fi環境を整備することは、快適な旅行だけではなく、災害時や緊急時における自国との通信や海外ニュースサイトからの情報収集を可能にするなど、外国人旅行者の安全・安心にもつながるものと考えています。
 平成26年度の取り組みといたしましては、観光事業者や市町村等に働きかけ、無料でWi-Fiを利用できる施設や場所をふやしていきたいと考えてございます。具体的には、アクセスポイントの新設や設定変更、ネットワーク名称の統一等の仕様について、外国人旅行者がよく利用する民間施設や市町村施設等の管理者と十分協議しながら、これらの施設により多くの無料Wi-Fiアクセスポイントを開設していきたいと考えてございます。また、市町村がアクセスポイントを整備する場合には、県の補助制度を活用し、支援してまいりたいと考えてございます。
 なお、整備されたアクセスポイントについては、ステッカーやポスター等により周知するとともに、ガイドブックやホームページ等へ掲載し、広報を行っていく予定です。
 県といたしましては、観光事業者や市町村と協働しながら、外国人旅行者が安心、安全、快適に周遊できる先進県を目指し、その環境づくりに積極的に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 無料Wi-Fi環境整備ですけども、先ほど部長も言われましたように、インバウンド、これはもちろんですけども、緊急時の利用、地域貢献とあわせて考えていただきたい。市町村の公共施設の整備、それから民間企業の参加も確保して取り組んでいただきたい。
 とにかく先進県となるように、先ほども言いましたけども、地方はかなり、どこでもおくれてると思います。しかし、「和歌山はやっぱり進んでるね」と言われるようになってほしいと、そういう思いであります。
 「和歌山FreeWi-Fiプロジェクト」ぐらいの名前で、本当に、和歌山駅でおりて、そこでカードをもらいました、そのカードを持って和歌山城へ行って、そしたらそこで和歌山城の調べてあったことを無料で見れる、そしてまた電車に乗って白浜の温泉へ行った、また白浜の観光名所も見れる、また明くる日は新宮へ、そして高野山へと、その滞在中、ずっと無料で──期限つきだと思うんですけども──やっぱり外国人に、ああ、よかったなと思ってもらえるような、そういう設備をつくっていただきたいと、そういうふうに要望いたします。
 次に、要望です。
 総務省の「大規模災害等緊急事態における通信確保の在り方について」の最終取りまとめによりますと、東日本大震災において音声通話の利用者が急増して、音声通話は固定電話で最大80~90%、それから携帯電話で70~95%の通信規制が行われました。これは、通常時よりも50倍から60倍の発信が発生したと言われております。
 これに対して、携帯電話におけるパケット通信の規制は、規制が行われなかったか、規制が行われた会社でも最大30%で一時的であったということで、音声通話に比べて、かなりパケット通信のほうがつながりやすかったと。
 そしてまた、インターネットの接続については、一部ホームページにアクセスが集中して閲覧が困難になったとこもあるようですが、比較的利用可能であったように聞いております。インターネットによるリアルタイムでの被災情報、安否確認等の情報は、大勢に対して同時に伝えられたことが有効であったとも言われております。
 実際に、東日本大震災の発生時の連絡手段では、連絡をとろうとして実際にとれた方法ということで、一番多いのが直接会って確認をした、次にSNS、ミクシィ、ツイッターなどのインターネット、続いて携帯電話のメール、その次がスカイプなどのインターネット通話、そして携帯電話の通話と続いております。
 また、総務省が2011年に委託して、東日本大震災発生後の通信状況に関するアンケート調査をとられております。電話やメール等を利用して連絡をとろうとした人を対象に行われたアンケートです。被災4県において約55%、関東5県において約41%が「電話が全くつながらなかった」という回答であります。また、「メールの送受信が全くできなかった」と回答した人の割合は、被災4県で29%、関東においては17%となっており、メール等のほうが非常につながりやすいという状況になっております。
 非常時でありますので、私たちにとって最も身近な通信手段である携帯電話やスマートフォンでのインターネットやメールを活用した連絡手段の有用性を高く感じますし、音声通話の代替としての活用もできます。
 現在、スマートフォン、タブレット等のWi-Fi通信機能が標準装備されたモバイル通信端末が普及しています。また、これらの増加とともに、国内の公衆無線LANサービスの2012年度末の利用者数は1269万人でありました。2013年度末には34%増の1702万人に拡大する見通しで、今後も利用者数は毎年400万人前後伸び続けるだろうと考えられております。2014年には2000万人を突破するとも予想されています。これは全国的な数字でありますが、県内の利用者も増加していくことは間違いないと思われます。
 スマートフォン、携帯電話等でのデータ通信を確保するために、地域のライフラインとしての役割を担うためにも、無料Wi-Fiスポットの整備は重要になると考えます。
 例えば、愛媛県では、2013年度から、大規模災害に備えて通信事業者1社と協定を結んでおります。愛媛県内20市町が指定する全ての避難所、それから対応拠点となる県庁や市町の庁舎に無線LANのWi-Fi環境の整備を進めています。愛媛県は、ほかの通信事業者にも同様の呼びかけをしていくようであります。
 和歌山県内では、無料の自治体公共スポットは県内6市町で10カ所であります。県有施設については、このうち1カ所のみであります。少な過ぎると思います。災害時においてインターネットの接続環境を確保することが重要であると考えます。
 実際、東日本大震災時に、体育館などの避難所で無線LAN・Wi-Fiが通信手段として有効に機能したと言われております。自治体の災害対策として、災害情報、避難所情報などの情報提供や避難所等への通信手段の多様化になると考えられます。
 和歌山県でも、災害対策として公衆無線LANや無料Wi-Fi環境を避難所へ整備すること、県の関係部局がさらに連携し、取り組まれますことを要望いたします。
 次の質問に行きます。
 来月30日、京奈和自動車道紀北かつらぎインターチェンジから紀の川インターチェンジの開通により、紀北東道路16.9キロの区間が全線開通をいたします。大変、完成をずうっと待ち望んでおりました。引き続き紀北西道路を完成させていただいて、国体までに間に合うように努めていただきたいというふうに思います。
 さらに望むものがございます。京奈和関空連絡道路でございます。2月の24日、知事に対して要望活動をさせていただきました。この道路を何とか実際に実現させたいという思いであります。この京奈和関空連絡道路については、平成20年5月8日、国土交通省より、関西国際空港・京奈和自動車道関連道路網調査の新規着手について、次の趣旨で発表がなされました。
 「和歌山県北部を横断する高規格幹線道路について、和歌山市から紀の川市を経由し橋本市に至る京奈和自動車道を、現在、鋭意整備中であります。しかしながら、和歌山県北部はもとより、五條市、御所市といった奈良県西部の活性化を図るためにも、この京奈和自動車道から関西国際空港へのアクセス性の強化を図ることが不可欠と考えられます。関西国際空港と京奈和自動車道とのアクセス道路については、現在、県道泉佐野岩出線、鍋谷峠道路等の整備を進めており、こういった各種道路計画を踏まえつつ、体系的な道路整備を行っていくことが必要と考えられます。このため、関西国際空港と京奈和自動車道とのアクセス道路の強化に向け、和歌山県、大阪府等の関係機関の協力を得つつ、平成20年度より新たに調査を進めることとしました」とあります。調査において、関西国際空港路線と京奈和自動車道紀の川インターチェンジとを結ぶ幹線道路を中心に検討を進めていくということであります。
 平成25年度からも引き続き調査が進められているようです。京奈和関空連絡道路は、この京奈和自動車道紀の川インターチェンジから阪和自動車道上之郷インターチェンジと約9キロを結び、この京奈和関空連絡道路が実現すれば、関西国際空港はもとより、阪和自動車道、阪神高速4号湾岸線への最短ルートとなります。連絡道を使いますと、紀の川インターチェンジからわずか15分程度で関空へ到着できます。本県が関西国際空港に非常に近い優位性を生かしていくためにも、充実した高速道路網と一体となった幹線道路網のさらなる整備が必要と考えます。
 関空等へのアクセスの向上は、観光産業の発展、企業誘致、雇用拡大、農産物等の輸送時間の短縮、和歌山県北部はもちろんですが、和歌山県、さらには隣接の奈良県まで大きな経済効果が期待でき、大きなチャンスが生まれるものと考えられますし、経路選択、交通の分散化にも役立つと考えられます。
 和歌山県にとって関空は、大規模災害時、空港は要員や災害物資の輸送の拠点として大きな役割を果たします。紀北地域は関空に近く、生命線の1つとして関空と結ぶ連絡道でつないでおくことは住民の安心につながります。災害、事故、工事等により一部不通区間が生じた場合に速やかな迂回が可能となりますし、災害に強い広域ネットワークの形成や防災、耐震対策など、災害リスクの低減等、国土強靱化にもつながるのではないでしょうか。
 関西国際空港の2013年の発着回数は、国際線旅客便が前年比102%で、開港以来最高となりました。国内線についても前年比117%、国際線、国内線ともに2年連続で前年を上回っています。同様に、旅客数でも、外国人客数は前年比129%、国内線旅客数は前年比123%と、2年連続で前年を上回っています。また、2014年4月からフェデックス北大平洋地区ハブが開設される予定で、北アジアから集約した貨物を米国向けに発送するための中継物流拠点となり、物流の活性化につながります。
 空港の発展は、和歌山県にとって大きな経済効果が期待されておりますし、大きなチャンスであると考えます。そして、和歌山県が関空をうまく使いこなすことが重要であり、そのためにも、この連絡道ができるということが非常に重要であると考えます。
 紀北地域は、関空から距離が近いですが、所要時間が長い地域であります。知事は、道路は行政の責任において整備する最も基本的な社会基盤であるとの持論のもと、厳しい財政状況にもかかわらず、就任以来、一貫して必要な道路の整備に力を注いでこられました。知事におかれましても、今後に向け、国の直轄事業として本事業を採択していただくためには、周辺市町村の御賛同のもと、ぜひとも京奈和関空連絡道路促進期成同盟会へと発展をしていただけるよう、一日も早い本事業実現のために特段の御配慮と御支援を賜りますようにお願いをいたします。ぜひともこの計画を推進していただきたく、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 京奈和関空連絡道路は、京奈和自動車道と一体となって関西国際空港と紀北地域や奈良県西部との連携を強化し、関西都市圏の活性化のため、また、現政権が進める国土の強靱化を図る上でも大変有意義な構想であると考えております。
 これまで、議員を初め、関係国会議員の方々や、あるいは地元紀の川市の働きかけ、さらに県からも要望した結果、国土交通省において、京奈和自動車道整備に関する道路調査の一環として、当該道路整備の必要性などの調査検討が進められております。
 県としては、京奈和自動車道や近畿自動車道紀勢線といった高速道路整備を、これは第一として国等へ働きかけているところでございますけれども、それに続くプロジェクトとしてこの構想を具体化できるように、大阪府や奈良県とも連携し、紀の川市や泉佐野市を中心とする地元の皆様方とともに広く必要性を訴え、国や関係機関にその実現を働きかけていきたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 本年1月の11日に和歌山放送の和歌山県出身の国会議員の座談会で、自民党の国会議員の先生方は、「京奈和関空連絡道路促進期成同盟会をつくっていかなければならないし、この道は本当に重要な道である」と、皆さんそれぞれ発言をされておりました。そして知事も、この間の要望活動の際に「大きな壁をともに打ち破っていこう」と2回ぐらい、多分議長も聞いておると思いますけども、ああ、ありがたいなあとちょっと思った次第なんですが、本当に大きな壁であると思います。やらなければならないことはほかにもたくさんあると思いますけども、これは中村市長が言うておりました、「この京奈和関空道は県の国土軸ぐらいに思ってやらなければならない」と──第2国土軸と言うたですかね。知事もそれを聞いてうんとうなずいてくれてたと思います。私は、それを信じて、また次の議会にこの質問もしたいと思いますけども、どうか計画を進めていただきますようによろしくお願いをいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、岸本健君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は、3月3日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時18分散会

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