平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(服部 一議員の質疑及び一般質問)


平成25年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(服部 一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第137号から議案第139号まで、議案第146号、議案第147号及び議案第151号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。また、監査委員から現金出納検査実施結果の報告がありました。いずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第136号から議案第162号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 11番服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕(拍手)
○服部 一君 おはようございます。
 12月定例議会の一般質問のトップバッターをやらしていただきます。
 大変日がたつのが早いもので、ことしもあとわずかとなってまいりました。人間、日がたつのを早く感じるというのは充実した日々を送ってる証拠だと言われますけども、本当でしょうかね。
 今12月定例議会も、開会前に議場演奏会が企画されまして、すばらしい演奏のもとに開会されました。恐らく、この県議会史上、記念に、そして歴史の1ページになることと思います。活気ある充実した議会になるよう期待する1人でございます。
 通告しております件について質問をしますけども、開会冒頭、知事が提案説明の中でも触れられました、26年度の予算編成についての新政策について、まずお聞きしたいと思います。
 政府は、長引くデフレからの早期脱却と経済再生に向け、3本の矢から成る経済政策であるアベノミクスを強力に推進してきております。内閣府が11月に公表した月例経済報告では、実質成長率で4四半期連続プラスとなり、景気は緩やかに回復しつつあるとされ、政策の効果が着実にあらわれてきております。
 しかしながら、地域経済に目を転じますと、多くの経済指標で改善傾向となっているものの、景気回復が十分に実感されるまでには至っていないのではないでしょうか。また、南海トラフの巨大地震や台風被害への対応など、災害対策は依然として重要であり、さらに、少子高齢化や過疎化の問題など、県が抱える課題はさまざまなものがあります。
 さて、このような状況の中、県では来年度の予算編成に向けた新政策と予算編成方針を発表されましたが、来年度はどのような政策に重点に取り組むつもりなのか、現時点での知事の考えをお伺いします。
○議長(山田正彦君) ただいまの服部一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 来年度当初予算編成につきましては、「元気な和歌山」の実現に向けて、「安全と安心の政策」、「未来への投資の政策」の2つを柱に政策体系を構築していくつもりで、今、考えてるところでございます。
 1つ目の柱である県民の皆様が安心して暮らせる社会を構築するための「安全と安心の政策」では、南海トラフ巨大地震等への備えとして、宿泊施設や病院などの大規模建築物の耐震診断や耐震改修を支援するとともに、住宅の耐震改修についても支援対象を非木造住宅に拡大するなど、県民の生命と財産を守るための施策に取り組みます。
 また、「健康長寿日本一わかやま」を目指し、がん検診を本格的に推進していくとともに、県民の健康づくりを草の根的に進めるための健康推進員制度を創設して頑張っていきたいと思っております。
 加えて、元気な高齢者の方々が地域の問題解決の担い手として活躍していただけるような仕組みづくりに取り組むとともに、中長期的な高齢者人口の推移等を踏まえ、健康状態や所得など、それぞれの状況に応じた施策を用意し、和歌山に住んでいれば老後は安心だという見通しが立てられるようにしていきたいものだというふうに考えております。
 2つ目の柱であるさらなる成長への道筋をつけるための「未来への投資の政策」では、施設園芸などの野菜、花卉の産地拡大に取り組むとともに、和歌山に適した農地流動化の仕組みを構築するなど、地域産業の強化に努めたいと思っております。
 また、国体開催を控え、タクシーや旅館などの接客や接遇能力の向上や、和歌山おもてなしトイレ大作戦の取り組みを加速していくなど、観光力の強化に努めます。
 さらに、都市計画について、これは市町村の権限のところが多いものでございますが、県も積極的に参加して見直しを図っていくことや、広域的な周遊観光の振興を図るため、紀の川サイクリングロードなどの整備を進めることなど、魅力的な地域づくりに取り組んでいきたいと思います。
 加えて、紀淡海峡ルートやフリーゲージトレインの早期実現に向けた機運醸成に取り組むとともに、優秀な退職教員が若手教員を指導することにより教育実践力を向上させる、学力の向上を図る、そういう取り組みを行うなど、将来の和歌山を支える社会基盤や人材の育成についても力を注いでいきたいと思います。
 このほか、開催まで残り2年を切った紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会について、全県を挙げて機運を高めるとともに、競技力を強化し、男女総合優勝を目指して頑張っていきたいと思います。
 現在、施策の具体化に向けた検討を進めているところでありまして、また、税収等々の見通しを立てながら予算づけをしていく事務作業も進んでおります。議会を初め県民の皆様からいただいた御意見を踏まえながら、来年の予算を編成してまいる所存でございます。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 新政策について伺いました。
 知事は、安全と安心、未来への投資の2つを政策の柱に据え、現在、新政策を含む来年度予算の編成中とのことですが、これらの政策がどんな姿で2月議会に予算案として提案されてくるかが楽しみでございます。私としては、これまで議会で取り上げてきた農業振興対策、鳥獣害対策、危険ため池対策、それに過疎対策などの取り組みが加速することを期待しています。
 しかしながら、一方で、本県の財政構造は地方交付税に多くの財源を依存しており、財源確保は非常に重要であります。知事は、県と県民を元気にしようとさまざまな新政策を打ち出し、これまでも実施されてきておりますが、財政運営には苦労されているのではないでしょうか。先ほどからの説明のあった来年度に向けた新政策はどんどんと進めていただいて、和歌山を元気にしてもらいたいのですが、そのために本県の財政の健全性が損なわれることがあっては、元も子もありません。
 そこで、新政策を推進しつつ、県財政の健全性を確保するため、新年度予算においてどのように財政運営をされようとしているか、お聞きいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 財政運営についてでございますが、議員御指摘のように、財政の健全性を損なわないようにしながら、先ほど申し上げました新政策を着実に進めなきゃいかんということでございます。
 このため、県では、私が就任してから1年かけてつくりました新行財政改革推進プランというのがございますが、それを24年度に改定いたしまして、現在、そのラインに沿って財政運営をしていこうということでございます。このラインに沿ってる限り、24年から始めまして28年度までなんですけれども、財政の健全性は失われないということになっております。
 そこで、来年度の予算編成についてでございますけれども、既存事業についてはマイナス5%のシーリングを実施しております。これでもってまず抑えて、それで原案を持ってこいというふうに思ってるわけです。来年4月から消費税が8%になることを考えると、昨年度を上回るこれはシーリングになりますけれども、これを機会に、各事業の効果とか緊急性等を各部局も含めて精査をいたしまして、既存事業の見直しや不要不急の事業の選別を徹底的に行ってまいりたいと考えております。
 また、これまで推し進めてきた持続可能な財政構造への転換に向けた取り組みを後退させずに、国の交付金の活用や県税の徴収確保対策の強化など、さまざまな財源の確保策を講じることはもちろん、新たな行政需要に効率的に対応できる組織体制を構築することによりまして、さっき申し上げました新行財政改革推進プランを堅持していきたいと思っております。
 一方、地方交付税については、本県の財政運営に大きな影響を与えております。したがって、これは地方税財源の充実確保とあわせて地方交付税総額の確保──県に入るものは全体の関数ですから──それを国に対して強く働きかけてまいりたいと思います。
 さらに、実は、経済対策などがありまして補正予算ができたときに、場合によっては大変有利な財政運営ができる、あるいはやりたいことがそれを機に要するに財政負担が少ない形でできるということもたくさんあるケースでございます。今回も、国の5.5兆円の経済対策や新年度予算の編成動向等も含めまして、有利な財源を有効に活用した予算編成のために機動的に動いていきたいと思っております。
 このように、来年度の予算編成においても新政策を着実に実行しつつも、御指摘のように、財政構造の健全性を確保しながら財政運営を行ってまいりたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 予算の提案を楽しみにしております。
 次に、人口問題に関してお聞きしたいと思います。
 資料によりますと、明治9年には和歌山県の人口が全国15位内に入ってたと、こう言われております。その後、時代の流れやら環境の変化によって、平成22年には東京を入れて22の政令都市が大きく発展していると、こういうことであります。1つにはインフラ整備、つまり新幹線の整備であります。整備された都市は発展し、整備されてない都市は低迷をしてるように思います。
 私は、人口がどんどんふえることが活性化にもつながり発展されると思いますが、和歌山県も100万人を切ってきました。将来、97万人を維持・堅持しようという計画で、我々ともに取り組むわけなんですけども、なかなかこの現状からして、人口増というのは大変、私、難しいと思うんです。和歌山県のように農山村の多い過疎化に向いてる地域において底上げをして元気にしていくことが、和歌山県の将来の人口増にもつながっていき、減少を食いとめると、こういう1つの手だてだと思います。
 後ほど知事に通告の件についてお聞きしたいと思うんですが、まず、それに関連して1つお話をしてみたいと思います。
 過日、11月の14日に、門国会議員と門県議のお世話で、太平洋国土軸構想と日韓トンネルの話を聞いてみませんかということで皆さんに働きかけがございました。当日は本県で近畿議員フォーラムが開催されておりまして出席者が少なかったんですけども、東京から早野勝さんという、これは一般財団法人国際ハイウェイ財団の次長をされているようでして、24年間、日韓トンネルの関係について広報担当され、資料も配られる中でビデオも拝見をしました。
 日韓トンネルの構想については、知事さんも情報が早いし勉強されてると思うんですけども、皆さんはあんまり知らないんじゃないかと、このように私、思います。話は大きけりゃ大きいほどおもしろいということもありまして、私、興味本位で出席をしたんですけども、大変有意義な、将来なるほどなというような話を聞かしていただきました。
 簡単に、いただいた資料によって話をしてみたいと思いますけども、これは長崎の壱岐と対馬列島を通って釜山への海底トンネルのルートだそうです。長さは235キロで、10兆円あったら10年間で完成するだろうと、このようにお話がございました。その資金はそしたらどうすんのよということを尋ねますと、「今、韓国と余り仲がええことないんで、七三か四分六で話がついたらなあ」と、こういうことでございました。
 フランスのナポレオンがイギリスとフランスの間のドーバー海峡にトンネルをつくろうということで提案をして、当時は笑われたそうでありますけども、ナポレオンの死後、見事完成をしまして、採算もとれてるし大変もう発展につながってると、こういうことであります。
 それからしますと、この11月の28日に東京で関空・紀淡・四国高速交通インフラ構想のシンポジウムがありまして、仁坂知事はこの1府9県の協議会長を務められたと、こういうことで、さきに聞いた話と関連性があるなということで私も話を聞かしていただきました。
 こういう両氏の話を総合して、将来これを本当に皆で力を合わして取り組んでいくということになりますと、早野氏いわく、東京一極集中から和歌山を中心とした関西2局集中の将来展望が開けてくると、こういうことで、私は、この構想を実現に向けていくならば、恐らく和歌山県の発展というのは間違いないだろうと、このように思います。しかし、いつまでかかるのかわかりませんけども、そのころに私はもういないと、こう思います。上の天の川のそばから皆さんの幸せを願うことだろうと、このように思うわけなんです。
 そこで、知事さんも大変リーダーシップをとって、今後、この件について意欲を燃やしてくれて推進をしていただけると思うし、我々もともに活動していかなあかんと、このように思っております。
 この間のシンポジウムを含めて、関空・紀淡・四国高速交通インフラ構想の推進についてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、かねがね、議員御指摘の趣旨にも通じると思いますけれども、インフラ、特に広域インフラについては、これは命の道とよく言われるんですけど、もう1つはチャンスの道だとずっと主張しております。それで、インフラがうまくいってないところはやっぱり経済活動その他の条件もあんまりよろしくないので、だんだんとチャンスが失われて、残念ながら総体的にはちょっと衰退していくという状況にあると思います。したがって、そのためにはチャンスをふやさなきゃいけないので、インフラについては熱心に推進しなきゃいかんと、こういうことだと思います。
 御指摘の関空・紀淡・四国高速交通インフラというのは、実は3つの案件が、関空の話、紀淡の話、そして四国高速交通インフラの話がそれぞれ独立でありました。
 四国高速というのは四国新幹線の話なんですが、これは基本計画までできておるんですけれども、淡路島からどこを通るかが決まっていない状態で、まだ整備計画まで至っておりません。
 それから、関空の高速鉄道については、新大阪から大阪の都心を通って関空までということなんですが、リニアにするかとか、あるいはそうでなくてもいいかとか、いずれにしても、実は当時の橋下大阪府知事等が提唱されていますけれども、まだ政府のほうで基本計画とかそういうことには全然なってないわけであります。
 また、同時に、関西外環、それから大阪湾環状道路、そういう構想もあるんですが、いずれもこれが紀淡海峡のところでぷっつり切れておりまして、これがつながって、全部今申し上げましたようなのが実は1つのプロジェクトとして構成されれば、これは関西にとって、あるいは日本にとって大変大きな問題になるんじゃないか。なぜならば、西日本は全部山陽線沿いにインフラが通っていて、ここにもしものことがあったら西日本と東日本が全体としてつながらなくなってしまう、こういうこともありますので、これが第二国土軸の大きな思想じゃないかと思います。
 そういう第二国土軸も実現できることになるので、これは合従連衡を図ってみんなで力を合わせてやろうじゃないかと、そういうようなつもりで各県を説きました。
 その結果、本年9月に関係10府県で関空・紀淡・四国高速交通インフラ協議会ができまして、これ、ちょっと景気づけもせないかんということで、みんなにわかっていただくために東京において設立記念シンポジウムを開催したわけで、県議会からも服部議員初め多くの皆様に御参加いただきまして、本当にお礼を申し上げたいと思います。
 このシンポジウムにおきましては、紀淡海峡ルートを初めとする高速交通インフラの整備が西日本地域の発展に必要であって、それがひいては日本全体の国土強靱化や成長戦略につながるということについて、熱い議論が交わされたところであります。
 私からは、過去30年間、この地域の人口や域内総生産の全国シェアが随分低下してるんだと。この要因としては、先ほどのチャンスの道としての高速交通インフラ整備のおくれによって工場立地も進展せず、地域の発展のチャンスが失われた。都市の人口の全国の推移を見ても、この130年間に高速交通網が整備されたところとそうでないところに大きな差が生まれていると。本県を含むこの地域にとってはこれらの高速交通インフラがぜひ必要だということを申し上げるとともに、それは、1つの国土軸に何でも収れんすると、そこで何か異変が起こったときに日本が麻痺してしまうんだから、それを防ぐ国土強靱化の観点からも、日本にとってこの構想が実現されることが必要だというようなことを主張したところでございます。
 実は、本件のプロジェクトはまだ形ができていないものもあります、関空のようにですね。それから、形ができてもどうも休眠状態になっているようなものもあります。したがってなかなか大変だ。それから、国土建設とか公共事業への風当たりも、例えば四全総のときなんかに比べると随分きつくなってると思います。ですから、困難は大いに予想されるんでございますけれども、今申し上げました趣旨は絶対に正しいことだと思いますので、和歌山のためにも、関西のためにも、あるいは日本のためにも、ぜひ推進してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 知事のいろんなお話を聞かしていただきまして、夢が開けてくると思います。できるだけ私も長生きをしてみたいと、このように思っております。
 知事さんは健康で元気で、まめに熱心に県行政に携わってくれてるということについて、私、感謝する1人でございます。この推進協議会の会長、リーダーとして、かなりの間「わしゃ元気な間やるよ」と言うて人に譲らんようにして、ひとつ和歌山のために頑張っていただきたいと、我々も一生懸命ついてまいりたいと思います。
 次に、人口問題の過疎対策についてお聞きしたいと思います。
 過疎対策室が設置されて以来、先ほど言いました過疎地域の活性化に向けて担当課も大変努力をされて、実績が上がってきております。
 この間、「朝日新聞」をちょっと読んでおりますと、「起業、空き家改修、県からの補助金」という記事が小さいけども載っておりました。私、勉強不足だったんですけども、田舎暮らし応援県わかやまのホームページを2007年に開設されてるそうです。その後、10年間で1000世帯の受け入れを目指して遠くからの移住者向けのセミナーを開いてると、こういうことが載っております。移住者の起業補助金、これについても上限100万円、住みついた空き家の改修費の補助、上限40万円と、こういうことだそうです。この現在の状況、そして移住者の起業というのはどういう形で現在あるのかということをひとつお聞きしたい。
 そういう形の中で、過疎対策に向けていろんな課題もあろうと思うんですけども、なかなか過疎が進んでいながら自分たちの地域の課題というのがはっきりわかってない、わかっててもなかなかリーダーシップをとる者が出てこないと、実際、こういう状況であると思うんです。
 そこで、県としてもいろいろと指導しながら過疎地域を活性化に向けることが、一番の底上げをしていく要素であると思います。過疎対策の現状について御答弁いただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎対策の取り組み状況についてでございますが、過疎対策につきましては、集落の再生、活性化や移住者の受け入れ施策が重要であると考えております。
 まず、過疎集落の再生、活性化を目的とした過疎集落支援総合対策事業につきましては、本県が全国に先駆けて事業を開始したもので、現在、10市町、それから12生活圏において取り組みが進んでおります。
 主な内容といたしましては、田辺市中山路生活圏では、大学生を受け入れ、地域住民とともに耕作放棄地を整備するなど、農作業を通した交流の取り組みを始めたところでございます。また、かつらぎ町四郷生活圏では、四郷千両太鼓を活用して地域内外との交流を図り、伝統文化として継承する取り組みを進めてございます。
 さらに、この事業をモデルとして国が全国展開しようと新たに創設した過疎集落等自立再生対策事業においても、本県の事業が優先的に採択され、現在、6町村6生活圏で取り組みが実施されております。
 次に、移住者の受け入れにつきましては、移住希望者を対象に都市部でのセミナーの開催やホームページなど多様な媒体を活用した情報発信などを行っておりまして、平成24年度の移住者数は90世帯156人となっております。
 なお、移住者にとって大きな課題である住まいと仕事の確保につきましては、空き家改修費用の一部を補助する空き家活用事業と、それから新たに事業を手がける移住者を支援する移住者起業補助金、この両方で支援を行っておりますが、いずれの制度も他の都道府県に先駆けて実施しているものでございます。起業支援制度の活用につきましては、例えば紀州材を使った木工製品の製造販売でありますとか、それから県内観光地の映像を制作するなど、現在までに10人の方が活用されておられます。
 過疎対策は本県にとって大変重要な課題でありますので、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 補助事業の基準にのっとって取り組んでいくというのが、やりかけても、アイデアも出てまいりますけども、なかなか進めにくいもんだと思うんです。ひとつ、取り組んでいる地域については、知事さん、ちょっとはたへ行ったら寄ってあげたら元気が出ると思います。そういうことで、今後、なお一層の取り組みを期待するところです。
 次に、人口問題についてのわかやま結婚支援事業の進捗状況についてお聞きしたいと思います。
 新しい政策で900万の予算でスタートして、今、執行中であります。私、この政策が提案された時点で、恐らくこれはうまく当たるだろうなと思ったんです。若者に希望を与えるとともに、大変活気が出てくる事業であります。主体は市町村なり、あるいは各種団体の協力を得て婚活イベントを開催すると、こういうことで、県としても、それなりにイベントを興す地域については支援を送ってると、こういうことであります。
 案内のパンフレットなりを見ますと大変な盛況というか、かなり実績が上がってるように思うんです。そこで、現状はどうなってるかということとともに、これ、うまくいきそうであるので、予算編成でちょっとまだゆとりがあったら、これ、もうちょっと積み上げしたったらもっと元気が出てくんの違うかなと、こういう気がするんです。県が直接手を下すんじゃなくて、市町村あるいはそれぞれの団体、企業あたりが力をかしてくれると、こういうことでありますので、そういった方法についても今後取り組まれたらと、このように思います。現在の進捗状況についてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 本県の少子化の状況は年々進行し、中でも未婚化、晩婚化がその大きな要因となっております。こうした少子化の流れを変えるため、今年度より本格的にわかやま結婚支援事業に取り組み、全県的な結婚サポート体制を推進しております。
 事業の内容は、結婚を希望する独身男女に出会いの機会を提供する婚活イベントを県内各地で今年度中に24回開催することとしております。
 なお、婚活イベントには事前に県への会員登録が必要ですが、現在、会員は1000人を超え、大きな反響をいただいているところです。
 次に、イベントの成果ですが、これまで16回開催し、カップル成立数は76組、成立率は約30%に上っており、結婚に結びつくことを期待しております。
 また、市町村や団体、企業や店舗などに登録いただくわかやま婚活応援隊制度を新設し、県内一円で結婚支援の機運醸成を図っているところです。現在、57団体に登録いただき、出会いを応援するサービスの提供や自主企画の出会いイベントを今年度中に約30回開催いただく予定です。
 今後とも、より多くの方々の協力をいただきながら、出会いから結婚、出産、子育てまでの総合的な支援を行い、少子化対策の充実を図ってまいります。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 結構でございます。一層のお力添え、よろしくお願いします。
 最後に、和歌山県立博物館施設の機能強化についてお聞きしたいと思います。その中でも、特に紀伊風土記の丘の拡大整備についてお聞きしたいと思います。知事さんは文化や史跡等については大変詳しいようでありますけども、この件については教育長から御答弁いただきたいと思います。
 特に、紀伊風土記の丘については、6月に多田議員が大変勉強して詳しい内容の質問をされまして、それに対して、前向きに取り組むという答弁をされております。
 10月の22日に仁坂知事の定例の記者会見がありまして、和歌山県立博物館施設の機能強化について発表がありました。これは、現在の博物館の機能を一段と強化して、県民を初め多くの人々にもっともっと訪れてもらって、学び楽しむことのできる教育文化の拠点になるようにということの思いであると私は思います。
 御存じのように、本県には博物館が4つあるわけなんですね。近代美術館、博物館、自然博物館、そして県立紀伊風土記の丘であります。この4博物館の年間の予算は、維持管理、運営を入れて計算したら3億余りだと思うんです。維持管理はもとより、問題はこの運営なんです。
 私も、こういったことについては勉強不足で余り訪れないわけなんですけども、それぞれ特別展や企画展を毎年数回ずつ行ってるようであります。しかし、興味があったり勉強する人は訪れるわけなんですけども、関心のない者は余り行きにくいということで、なかなか難しいように思います。恐らく、番外の中でもこの4博物館、全部行った人は少ないと思うんです。
 今後、これを充実していくということでありますけども、特に私、今、資料を──前回、多田議員のときも資料を配付されておりましたけども──配付しておりますけども、これは見た写真より割合ふできやなということで、埴輪はしっかり写ってるんですけども、紀伊風土記の丘の規模拡大と整備について、ひとつ今後どうするかと、こういうことをお聞きしたいと思います。
 写真にもあるように、大きなクスノキが昨年の夏、突如としてあらわれてきたと。流れてきたのか、埋もれてたのが表に出ていったんかということで、大変不思議なことや謎も多いということで、大変注目の高い遺物であります。
 私も、過疎対策の一環にならんかなということで建設省へもらいに行ったんです。ところが、はたへ行きますとかなり大きいし、当時そういった何も計画がなかったように思います。しかし、これを紀伊風土記の丘に持ってきて展示しようという発想をした者は偉いなという気がするんです。あれ、業者が欲しいと思って値をつけたら、恐らく億という値段がつくと思うんです。
 あの根元のシデというこぶこぶというのは、イチョウの木の乳根のように何百年もたたなんだらああいうのはなかなかできないもんだと思うんです。そうしたことから、大変値打ちのあるものを紀伊風土記の丘の──現在、この写真にあるように──入り口に今後展示していこうと、こういうことだと思うんです。2000万余り入れて4つに切ってあそこへ持ってきたということなんですけども、今後、この博物館の中で規模拡大して整備ができたら、恐らく4博物館の──小学校の高学年程度の歴史を学び出した中で──博物館周遊コースになる1つの社会見学の場として教育委員会としてぜひこれを推進していくべきだと、私、このように思います。
 地元の関係者が多くの署名を集めて請願を出してきました。議会でその採択をしてあります。規模拡大するについては私有地が多いということを聞いておりますけども、なかなかこれを公有地にするということを考えますと地元の協力と大変な資金がかかってくるだろうと、要ってくるだろうと、このように思います。
 そういった状況の中で、この拡大と施設の活性化に向けてひとつ──恐らく熱心に取り組むだろうと思うんですけども──どういった形で今後展開していくのか、教育長からお聞かせください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の紀の川のクスノキの件についてでございますが、紀の川から引き揚げられた古墳時代に生育していたと思われるクスノキの巨木は、紀伊風土記の丘に既に運搬済みで、現在、設置場所の基礎工事に着手しており、この後、現地での巨木の組み立て、防腐処理、上屋工事等を行い、今年度中に一般公開する予定です。
 また、紀伊風土記の丘では、これまでの発掘調査の成果を活用して、来年度には県内最大級の前方後円墳である大日山35号墳の上に復元した家型埴輪や動物埴輪の模型などを設置し、当時の姿を今に再現したいと考えているところでございます。
 今後も、クスノキの巨木を初め県内の出土遺物の収集と展示を行っていくとともに、天王塚古墳など周辺の重要な古墳の保存を図るために、追加指定による特別史跡の範囲拡大を行い、史跡公園である紀伊風土記の丘の一層の魅力向上や活性化に積極的に取り組み、広く県民の皆様に親しまれる施設になるよう努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 的確な答弁をいただきました。私の一般質問を終わります。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、服部一君の質問が終了いたしました。

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