平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(中村裕一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 21番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 通告に従い、一般質問を行います。
 まず、国体施設周辺の渋滞対策についてであります。
 去る9月1日、県営あきばさんプールの竣工式が行われ、私も参加させていただきました。県産材を多用した近代的な、プールは内外ともにゆったりした斬新な設計で、今後50年はもつと思われる大変すばらしい施設と感心いたしました。とりわけ、県産杉のトラスが支える大空間の50メータープールは圧巻です。この立派なプールを見て、やはり国体はみんなで力を合わせて県内で実施し、天皇杯優勝を目指すことにより、みんな元気になるのだと思いました。一旦決まった方針を覆す大きな決断をした仁坂知事に敬意を表します。
 さて、立派な施設に比べ、私が気になったのは進入路のお粗末なことであります。特に和歌浦方面からの進入に際しては、国道42号線には右折レーンがないため大変危険で、国体でなくても渋滞が予想されます。開催までまだ2年の猶予があるので、何とか今のうちに改修できないかと考えます。
 また、5月26日、県障害者スポーツ大会が紀三井寺陸上競技場で開催されました。当日は少年野球大会の開会式と重なり、駐車場は満杯でした。知事もたしか出席をされておられたので、状況をよく御承知かと思いますが、同僚の県議の話では、国道42号交差点付近は退出車両で高校野球県大会中はずっと混雑し、近所からいつも苦情が寄せられているとのことでした。
 現在、県では、大店立地法という法律により、民間の大型店の出店に際しては渋滞対策への配慮を求めています。それゆえ、県はみずからの施設整備において、当然ながら範を示すべきであると考えます。
 国体開催のため大変物入りですが、紀三井寺やあきばさんプールといったメーン会場の渋滞対策について知事の所見を伺います。
○副議長(花田健吉君) ただいまの中村裕一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 昨年6月に紀三井寺の公園野球場が、また、ことし3月には国体のメーン会場となる紀三井寺の陸上競技場がそれぞれ完成いたしまして、さらに今月1日には秋葉山公園県民水泳場がオープンしたところでありまして、今後多くの利用者が見込まれております。
 御指摘のように、国道42号から秋葉山公園県民水泳場に進入する交差点の渋滞及び安全対策については、今後、公園施設の利用状況とか周辺交通量を十分精査した上で配慮していきたいというふうに思っております。
 それから、紀三井寺公園のほうがもうちょっと深刻でありまして、道が狭いもんですから、その周辺道路の渋滞対策については、これはもっと切実な問題としてすぐ考えないかんということであります。公園から国道42号へ進入する車線数の増設を検討するなど、交通渋滞の緩和に努めていきたいと思っております。
○副議長(花田健吉君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 どうぞよろしくお願いします。
 2番目に、駅の安全対策について伺います。4点伺います。
 まず、黒江駅プラットホームの転落防止対策についてであります。
 JR黒江駅を利用する小学生から、電車とホームのすき間に転落して大変怖かったという手紙をいただきました。要約を紹介します。
  私は去年、登校時に海南行きのホームで電車とのすき間に落ちかけました。そのときは、先生や車掌さんは気づかず、友達は唖然と見ているだけでした。幸い私は学年では体が大きいほうなので、ランドセルがひっかかって助かりました。もしそのまま進んでいたら私は今ごろどうなっていたのだろう。地球上にいるのかな、天国にいるのかな。私は今もそのことを思うと電車からおりるのが怖くなります。ことし7月に2年生の子が、席を争うみんなに押されて和歌山方面のホームで落ちかけ、みんなで引き上げたそうです。私はそれを聞いて、電車の乗りおりは慌てないようにしなければと思いました。黒江駅のホームは危ないです。どうかみんなが安心して学校に行けるよう力をかしてください。お願いします。
 私は、今回の質問に先立ち、9月12日の朝、登校時の黒江駅の様子を視察してきました。そのときの模様は資料で配付させていただいておりますので、ごらんをいただきたいと思います。
 大勢の小学生が乗車した和歌山駅8時5分発の各駅停車は、下りホームに8時16分に到着しました。既に教職員2人と上り電車で先に到着した児童が、ホームの端に待機しています。到着後、数人の教職員と数百人の児童は、下車するとホームの端に沿って整列しました。そして電車が発車し、さらに他の降車客がホームからいなくなるのを待って、待機した児童と合流し、ホームの北端にある専用出口から順に登校していきました。
 また、ホームには海南駅長みずからが毎朝出張してきており、児童生徒の安全確保に努めている姿も見えました。一見して下車、登校風景は整然としており、とても転落事故が起きるとは思えませんでした。
 ただし、電車とホームの間には確かに約20センチのすき間がありました。手紙のように体の小さい小学生ならすっぽりと落ちる可能性があります。連結の蛇腹部分にはさらに大きなすき間があいています。
 現在、ホームからの転落事故は全国的に多発しており、大人でも危険です。したがって、黒江駅のように1日の乗降客数が県内第9位の約5200人あり、そのうち3000人が児童生徒という特殊な駅では、転落しないように注意することも大切ですが、間違っても転落しないハード対策を講じることが必要だと考えます。事故は幾ら注意しても起こるものです。現に、大きくありませんが、起きています。この際、JR並びに県の現状認識と対策について伺います。
 続けて、2番目に、特急電車通過時の安全対策について伺います。
 黒江駅では特急電車はとまりません。当たり前のことでありますが、特急電車はホームを通過します。しかし、何の仕切りもないホームを特急電車が猛スピードで駆け抜ける光景は、大人の私たちにとっても身震いする恐ろしさであります。一歩間違えば大事故になります。
 黒江駅では、下校時、児童生徒で混雑するホームを特急電車が通過するそうです。JRや県当局はこのような状況を把握されているのでしょうか、その対策について伺います。
 3番目に、県内主要駅の安全対策について伺います。
 2番目と同様に、県内の主要駅のプラットホームの安全対策はどうなっているのでしょうか。現状と対策について伺います。
 4番目に、駅のバリアフリー化について、進捗状況について伺います。
 平成18年にバリアフリー新法が施行され、高齢者や障害者のお出かけしやすい環境整備を行うことが強化されました。法施行後6年が経過しましたが、その後、駅のバリアフリー化は進展しているのでしょうか。エレベーター設置状況も含めて現状を伺います。
○副議長(花田健吉君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘の黒江駅は、県内でも乗降客数が多い主要駅でございまして、特に智辯の小学校ができてから、御指摘のように多数の児童生徒も含めて多くの方々が利用するということから、県とかJR西日本ともにプラットホームなどの安全対策は大変重要であると認識しております。
 黒江駅プラットホームの転落防止対策及び特急電車通過時の安全対策でございますけれども、平成18年度から22年度に実施したバリアフリー化整備によりまして、電車とホームとの段差、すき間を解消するための工事とか、あるいは警告ブロックなどの設置、こういう対策を講じていて、特急電車通過時には構内放送による注意喚起を行っておるわけであります。関係者の皆さんも、御指摘のように随分努力をしてくださっているということだろうと思います。
 ただ、さらなる安全対策があったほうがよろしいわけでありますので、特に私個人的には、特急電車通過時のほうが、子供はすぐほたえたりいたしますんで、危ないなあと思います。
 そういうところでは、転落防止柵の設置なんていうのが大変有効であるということは論をまたないわけでございますので、鉄道事業者にとって利用者の安全対策が最重要事項であるので、これやっていただけませんかねというようなことを、ぜひ熱心にJR西日本に働きかけをしていきたいというふうに思っております。
○副議長(花田健吉君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 県内主要駅のプラットホームの安全対策についてでございますが、JR西日本では、電車とホームとの段差やすき間が生じている駅について、それらを解消するための施設整備としてホームこう上対策を実施するとともに、電車に近づかないための警告ブロックを設置しております。また、駅員による安全確認や構内放送による注意喚起等の対策も同時に実施しております。
 県といたしましては、まだ電車とホームとの間に段差やすき間がある駅について、国のバリアフリー事業も活用しながら、JR西日本とともに整備の促進に取り組んでまいります。
 また、駅のバリアフリー化整備につきましては、誰もが安心して鉄道を利用できるよう県も支援し、バリアフリー化を促進しているところでございます。
 1日当たりの平均的な利用者数が3000人以上である鉄道駅及び地域拠点駅につきましては、平成32年度までに、原則として全てについてエレベーターまたはスロープを設置することを初めとした段差の解消など、移動等の円滑化を可能な限り実施することが国の移動等円滑化の促進に関する基本方針で定められております。
 平成25年3月末現在、県内にある鉄道駅で1日当たりの平均的な利用者数が3000人以上の駅は16駅ございますが、このうち11駅がバリアフリー化整備済みとなっております。未整備駅のうち、今年度は3000人以上の駅では箕島駅を整備し、3000人未満ではありますが紀伊勝浦駅では、26年度の整備に向け、現在、JR、町と協議を行っているところでございます。
 県といたしましては、今後とも引き続き、鉄道駅のバリアフリー化が推進されますよう、鉄道事業者及び地元市町と連携しながら取り組んでまいります。
○副議長(花田健吉君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 3番目に、海岸整備について伺います。
 3の1として、海岸の津波対策であります。
 本県の海岸線は約650キロあり、港湾や漁港、建設海岸、耕地海岸など、利用状況により県や市町村で管理しています。
 私が県会議員に当選して間もないころ、当時の玉置御坊市長より、「県から『漁港を県で管理するので、希望市町村は申し出よ』と言ってきた。しかし、漁港整備の負担金は関電からの寄附金があり、整備後の交付税を考慮したら市で持っているほうが有利と判断した」との御報告を聞きました。以来、御坊市では約20年かけて市営で漁港整備を行い、現在ではほぼ完成しています。
 この夏、御坊市名田町の野島区長から漁港視察の要請があり、行ってきました。漁港はずっと以前に完成しており、さらに防波堤は改良延長されていました。しかし、予想される津波に対して防波堤や漁港集落間の防潮堤は低いので、かさ上げ強化を御坊市に要望しているとのことでした。
 これまで漁港整備は、長い年月をかけ、ぼちぼちと整備していればよかったのですが、津波対策ともなれば、予算のかかる大事業を短期間に実施する必要があり、とても市町村では簡単に実施できるものではないと思いました。
 また、御坊市では、南海トラフ地震の際に、市街地に浸水する津波に対しては西川河口に水門を設置することが有効だと津波工学の専門家は指摘しています。ただし、水門の事業費は100億円程度必要と言われ、県では多額の出費を覚悟しなければなりません。
 以上のように、来るべき南海トラフの巨大地震に備えて、県内各地で防潮堤や水門を急ピッチで整備する必要がありますが、予算や技術、人員を考えると、果たして県や市町村だけで整備できるのか。国、県、市町村の実力に見合った管理区域の見直しを行うなど、総合的な津波対策を実施しなければならないと考えますが、県土整備部長の所見を伺います。
 続いて、要望を申し上げます。
 先般、テレビで大変おもしろいものを見つけました。クロアチアのザダルという港町に戦争からの復興プロジェクトでつくられた海のオルガン――シーオルガンであります。その仕組みは、岸壁の下にパイプをつくり、波や風で音が鳴るようになっていて、普通の波では音は小さく、近くを大きい船が通ると波が高くなり、大きい音が鳴ります。自然が奏でる音楽で、地元の人や観光客の心を癒しています。2006年、海のオルガンは、都市公共空間におけるヨーロッパ大賞にも選出されたそうであります。
 我が県が誇る熊野信仰は、よみがえり、癒しの信仰であります。本県においても、岸壁整備の際に海のオルガンをどこかに実現していただければ幸いであります。この際、要望しておきます。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県では、ことしの3月28日に、南海トラフの巨大地震及び東海・東南海・南海3連動地震による新たな津波浸水想定を公表しました。これを受けて、地震・津波対策のソフト対策や海岸堤防等のハード整備の見直しを行っております。今後、県としましては、防災計画を策定する市町と調整を図り、整備目的を整合させ、必要な海岸堤防等の津波対策を講じてまいります。
 また、海岸の管理区域は海岸法等に基づき定められているため、見直すことは困難ではありますが、海岸の津波対策につきましては今後とも、国、県、市町で協力して進めてまいります。
○副議長(花田健吉君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 4番目に、ガイドの養成について伺います。
 一昨年、県議会の有志で栃木県の世界遺産「日光東照宮」を視察しました。市役所での説明聴取の後、東照宮では市役所の紹介でガイドをお願いいたしました。料金は1時間5000円でしたが、ガイドブックでは得られない丁寧な説明を聞くことができました。東照宮には、江戸時代から続く2つのガイド組合が存在し、何代も続くガイドの家系があるそうです。見るだけでも息をのむ立派な日光東照宮に、ガイドの説明がつくことによってさらに理解は深まり、何倍も旅が楽しくなります。
 私自身、かつてルーブル美術館で、演劇のせりふのように語ってくれるガイドに感動した思い出があります。旅なれた議員をうならせるバスガイドの話もありました。はとバスには、外国人観光客を喜ばせるカリスマガイドがいると聞きます。
 ガイド業は、観光産業の中で豊富な知識や高度な話術などを要する、高額所得が期待できる職種で、高学歴者の雇用が少ない本県にとって有望な雇用先に成長すると期待します。ぜひ雇用確保と観光立県推進の観点から、県においても独自に養成すべきではないでしょうか。また、ガイド業が成立する環境整備を行う必要もあると考えますが、知事の御所見を伺います。
 次に、シナリオづくりと支援についてであります。
 ガイド業が成立する環境整備の1つとして、県内統一、地域限定版の観光案内シナリオが必要だと考えます。
 例えば、ディズニーランドのジャングルクルーズのようにすばらしいシナリオがあれば、にせもののジャングルでも、誰でも訓練すればすばらしいガイドができます。現在、県内には約360名の語り部がおられますが、個人の努力に負うところが多く、人や地域によって言う内容が違うことも予想されます。今後、観光振興のために各種のシナリオ開発やその支援を行うべきだと思いますが、あわせて知事の御所見を伺います。
○副議長(花田健吉君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ガイドの養成については、和歌山県が誇る歴史、自然、文化等を情報発信する上で、その役割は大変重要であると思っておりますし、また、広い意味での雇用という点でも大変大事なことではないかというふうに思っております。
 一番初めにそう思いましたのは、世界遺産も10周年に近くなりますが、その世界遺産の指定を契機にして、特に熊野古道などで語り部がたくさんできました。それで、その方々とお話をしてると、これは大変いいことだというふうに思いますし、自分自身もちょっと個人的にもお1人お雇いして、一緒に歩いてもらったら物すごく賢くなるわけで、これはええこっちゃというふうに思いました。
 現在、語り部を一般化した観光ガイドということになりますと世界遺産だけじゃないと思いますが、紀州語り部登録制度のもとで、団体で23団体、個人で57人が登録されておりまして、登録者に対して県では講演を中心とした県内研修会や県外の先進地を訪問し、さまざまな意見や情報交換を行う県外研修会を実施し、養成に努めております。
 また、外国人も世話せないかんというふうに思うわけでありますが、これについては通訳案内士というのが、資格制度になってまして、なかなか簡単には取れないんでございます。これはいかんということで、平成23年12月に高野・熊野地域を特区認定していただきまして、その特区の中では通訳案内士の県としての認定ができるというような形にいたしました。
 昨年度の養成事業なんかを受けていただいた結果、59名の特区通訳案内士、これは和歌山県だけで商売できるわけですが、そういう方が登録されて、既存の通訳案内士――これは全国オーケーなんですが――とともにスキルアップを行いながら、高野・熊野地域への外国人の来訪の増加を図っております。
 今後とも、この通訳ガイドの資質の向上も図っていくつもりでございまして、議員御提案の雇用確保につながる独自の養成ということについては、現在の研修制度を見直して、レベルに応じたカリキュラムを作成して、スキルアップにつなげるとともに、ガイド業が成り立つような需要を創出するために、市町村と連携したり、あるいは観光プログラムでそういうようなプロジェクトをつくったり、そういう努力をしてまいりたいと考えております。
 それから、資質向上あるいはシナリオづくりということでございますが、観光ガイドの資質向上のために、語り部さんなどの団体が実施するガイドに要する知識、あるいは技術及びホスピタリティーの習得のための事業に係る費用の一部を支援する観光ガイドレベルアップ支援事業を、現在、県は実施しております。
 ガイドのシナリオ作成というお話でありましたが、この事業の拡充により、ひとつ挑戦をしてみようということでシナリオ開発に取り組む団体を支援していきたいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 子供に「何になりたいんよ」と聞いたら「ガイドになりたい」と言われるような、そういう職業に和歌山県でなればいいなというふうに思っております。ぜひそれぐらい県のほうでも頑張っていただきたいと思います。
 5番目に、観光トイレの美化促進について伺います。
 知事の新政策、トイレ大作戦が好評であります。御坊市においても、9月定例市議会にトイレ改修の補正予算が提出されたことを地元紙が報じていました。9月14日、汚いトイレの代名詞だったJR和歌山駅のトイレが新装なりました。
 しかし一方では、女性を中心に、公衆トイレでは洗浄機つきトイレは洗浄ノズルの衛生状態を心配して使用できないという声があります。確かに、和式トイレは汚くても使用できますが、洋式の場合、便器が汚れていたら使用できないときがあります。また、洗浄ノズルの衛生状態が確認できない機種もあります。
 しかし、そうは言っても、高齢化や家庭での洋式トイレの普及を考えたら、今さら和式には戻れません。したがって、観光地のトイレに洗浄機つきトイレを普及するに当たり、洗浄ノズルはもちろんトイレ全体を衛生的にするとともに、使用する側も汚した後は自分でお掃除するぐらい、きれいに使用するマナーを普及しなければと思います。
 国体開催を2年後に控えて、県民運動としてきれいなトイレマナーを普及するとともに、きれいな状態を保っているトイレに関して、ミシュランガイドのように認証や表彰する制度を考えてはどうでしょうか。そういう制度はトイレの管理者が自発的に管理しようとする意欲を高め、美化向上につながると考えます。
 今回の東京オリンピック決定に際し、「おもてなし」がキーワードになったと言われております。私はトイレのきれいさこそが、その店舗や地域のおもてなしのレベルを示すバロメーターだと思います。景色はきれいだが、トイレもきれいな紀州と言われるよう、観光トイレ、特にトイレ大作戦で整備した市町村トイレの美化促進について商工観光労働部長の所見を伺います。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 観光トイレをきれいかつ快適に保つことは、本県に来訪された方々へのおもてなしという観点から大変重要であると認識しております。市町村の観光トイレの整備に当たっては、市町村が工夫を凝らして維持管理を徹底していくことを約束した上で助成しているところです。
 県といたしましては、市町村に対して、自治会や地元ボランティアによってトイレが清潔に保たれている好事例を紹介することとしております。また、県が市町村と協力し、清掃や設備の状況を定期的にチェックする体制をつくっていきたいと考えてございます。
 議員から御提言のありました表彰制度につきましては、観光トイレの美化に協力するグループ等を表彰する制度の実現に向けて取り組んでまいります。
○副議長(花田健吉君) 中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕
○中村裕一君 最後に、6番目の県ホームページの見直しについて伺います。
 県ホームページ――トップページのことでありますけれども――の整理整頓。
 県ホームページは私もよく利用します。しかし、最近のトップページのイメージは、転んでかばんの中身をぶちまけたような感じです。なぜそう感じるのか、他府県と比較してみました。どの府県も構成や掲載事項はよく似ていますが、山梨、兵庫、山口、長崎、鹿児島の各県はきれいにまとまり、大変見やすいと感心しました。
 そこで、私が気づいた本県の問題点は以下のとおりです。
 まず、見た目から言うと、ページや文字が小さいので、超高齢化の現在、ページや文字を大きくすることが必要です。次に、場所や大きさ、色使いを工夫すること。例えば、緊急情報は上部でも目立ちにくい右側にあり、色はピンクですが、赤色の結婚式場のバナー広告のほうが目立っています。緊急情報は上部の真ん中の目立つ場所に赤色で表示し、ほかに赤色は控えるべきです。
 内容についてであります。全国で唯一、ホームページを「和歌山県情報館」と表示しています。これについては、初めて見たときから思っていますが、県のホームページでありながらサングラスをかけたようなイメージで、責任逃れのような感じがしました。ぜひ「情報館」は削除すべきだと思います。
 特にごちゃごちゃしている原因は、不要なものが多いことです。例えば、和歌山県のホームページと認識して閲覧しているので、わざわざ「和歌山」と表示する必要がないのに「和歌山」という文字があふれています。わかやま観光情報、わかやま県政ニュース、和歌山県民の友、和歌山県インターネット放送局、和歌山県フォトライブラリー、和歌山県公式フェイスブック等々20カ所もあり、全て省略してすっきり大きな文字にすべきです。
 それから、別にきいちゃんに恨みはありませんが、きいちゃんは狭いホームページの目立つところに3匹も出てきます。ちなみにゆるキャラの代表選手「くまモン」は熊本県のホームページに4匹出てきますが、目立つところは1カ所です。逆に、本県には他府県にある重要な情報を告知する場所はなく、新着情報も隠れています。
 暇に任せてホームページをのぞきに来る人もいるかもしれませんが、大方の人は情報を探しに来るので、効率よく探せるように改善すべきだと思います。情報化時代の県の顔である県ホームページの見直しについて知事室長の所見を伺います。
 続いて、バナー広告の廃止であります。
 県民やお客様に情報をわかりやすく伝えるためには、バナー広告のスペースはもったいないと思います。都道府県では財政力のある東京都が唯一バナー広告をとっていませんが、県民に伝えるスペースを削ってでも広告する必要はあるのか、バナー広告の費用対効果の検証と今後の継続について所見を伺います。
 以上で、私の質問は終わりです。
○副議長(花田健吉君) 知事室長和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 県のホームページについてでございます。
 県のホームページは、平成8年に開設以来、より見やすく利用しやすいページとなるよう、情報のユニバーサルデザイン化や音声読み上げ機能の導入など、リニューアルに努めてきたところでございます。
 また、バナー広告につきましては、平成18年度に導入し、県の歳入確保にも一定の貢献をしていると思っております。
 議員から御指摘をいただいた点も十分参考にしながら、今後とも一層見やすいホームページづくりに努めるとともに、広い年代層に優しいホームページのあり方を検討してまいりたいと思います。
○副議長(花田健吉君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。(拍手)
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時8分散会

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