平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


平成25年9月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(全文)


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平成25年9月
和歌山県議会定例会会議録
第2号
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議事日程 第2号
 平成25年9月17日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第97号から議案第126号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第97号から議案第126号まで並びに諮問第1号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 立谷誠一
 2番 濱口太史
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 鈴木太雄
 10番 岩田弘彦
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 平木哲朗
 18番 岸本 健
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 森 礼子
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 36番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       市川靖之
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     塩崎 望
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      植山 均
 教育委員会委員長   山下郁夫
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    溝端莊悟
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分
○議長(山田正彦君) 開会に先立ち、申し上げます。
 このたびの台風18号に伴い、初の特別警報が発令され、京都府、福井県、滋賀県を初め、全国的に大きな被害が発生いたしました。本県におきましても、突風や浸水による家屋の損傷等、多大な被害が発生しております。
 被害に遭われた方々に対し、心からお見舞い申し上げます。
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  午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第97号から議案第126号まで、並びに諮問第1号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 4番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○藤山将材君 おはようございます。
 本県に大きな爪跡を残した紀伊半島大水害から2年が経過をしました。改めて、お亡くなりになられた方の御冥福をお祈り申し上げます。いまだ仮設住宅でお住まいの方も多くいらっしゃるということですので、一日も早く落ちつきを得られるよう、県においても引き続き支援に取り組んでいただきたいと思います。
 また、この日曜日から月曜日にかけて日本列島を縦断し、広い範囲にわたって記録的な大雨をもたらした今回の台風18号では、県内でも、突風によるけがや土砂災害、浸水被害、停電など、多くの被害が出ました。被害に遭われた方々に対しまして、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。
 まず初めに、大規模建築物の耐震診断結果の公表の時期などについて伺います。
 耐震改修促進法が改正され、昭和56年以前に建築されたホテルや病院など、不特定多数の方が利用する大規模な建築物について、耐震診断とその結果の公表が義務化されることになりました。東海・東南海・南海3連動地震など大規模地震により大きな被害が予想される和歌山県では、建築物の耐震化は喫緊の課題でありますが、耐震診断を受ける期限が平成27年末になっており、また、その結果を県が公表しなければならないとの説明を聞き、余りにも余裕がなさ過ぎるのではないかと感じました。
 県では、今議会に、耐震診断や設計、改修工事に係る経費を支援するための補正予算を計上しています。国が27年度までの3年間、追加補助を行うのを活用するということですが、この支援策は3年間の推計で最大75億円も県費が必要ということですから、思い切った支援については評価できると思います。
 一方で、和歌山県は、ことしの伊勢神宮式年遷宮を皮切りに、来年度の世界遺産登録10周年、27年度には高野山開創1200年と和歌山国体など、大きなイベントが続き、観光立県として大々的に売り出そうとしている時期であり、旅館やホテル関係者にとっては稼ぎどきになるわけです。
 そんな時期に耐震診断を受けた結果、耐震改修が必要な状況であった場合に、県や和歌山市がその結果を公表するとすれば、宿泊客が減るということになりかねません。事業者も早急に耐震改修に取りかからざるを得ないと思いますが、経費を考えると資金繰りの問題もあります。また、耐震改修の工事期間がどれぐらいかによっては、観光客の受け入れもできないことになりかねません。県としても、国体運営を考えると、この時期に宿泊施設が制限されるようなことがあっては運営が成り立たないのではと心配してるところであります。
 県として、診断結果の公表のあり方についてどのように考えていますか。また、平成27年度までという国の追加補助についても、事業者の都合に配慮できるよう強く要望すべきではないですか。知事の見解と今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの藤山将材君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の耐震改修促進法の改正は、観光立県である和歌山県にとって非常に影響の大きい内容であると認識しておりまして、ホテル、旅館にとっては診断結果の公表による風評被害などが特に懸念されるため、その支援策について、これまで検討を重ねてきました。
 支援策については、国の補助を最大限に活用し、耐震診断から耐震改修までを支援する補助制度を全国に先駆けて本議会に提案をさしていただいております。
 若干経緯を申し上げますと、正直に申し上げまして、本県について、情報入手についてはやや後手に回った感がございました。制度ができてしまっちゃったということでございます。その後は迅速に行動して今日に至っているというふうに言ってもいいと思います。
 まず、趣旨からいって、宿泊客の安全を確保するということについては、なかなかあらがえないし、大事なことだと思いますので、一日も早く耐震強化をするという方針を決めまして、御指摘のように、それでは経営もかつかつの和歌山県のほとんどの企業にとって大変でございますので、そこは助成をしようと。
 しかし、それを迅速にやるにしても、公表していじめるというのが別に法律の趣旨でも何でもないと思いますので、その公表はできるだけ早くやって、それでやりましたということを言うべきじゃないかというふうに思いまして、6月の政府提案において、この辺はそういう考え方で柔軟にやったらどうでしょうかというようなことを国交大臣に申し上げたところでございます。
 そしたら、国交大臣から、それは地方の判断を尊重してやるので、国は無理やりそういうことをして風評被害を誘発するようなことは考えておらんということでありました。かつ、国も助成策を十分用意してるから県も頑張って一緒にやろうよというようなことでございまして、今回の提案に結びついてるわけでございます。そういうことで、公表時期については、風評被害を招かないように適切にやっていきたいと考えております。
 また、平成27年度までとされております国の耐震対策緊急促進事業につきましては、既に期間の延長を国に要望してるところでございまして、今後も引き続き、実際の耐震改修に要する期間、これはできるだけ早くしたいわけですが、それを踏まえた実施期間の延長を強く国に働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に2番目として、和歌山南インターチェンジの整備にあわせた海南市からのアクセス道路の整備について伺います。
 現在、海南市や紀美野町において、国道370号を初め、国道424号の木津バイパスや日方大野中藤白線などの整備事業を進めていただき、進捗が図られていることは、大変喜ばしい限りであります。
 一方で、これら東西の路線が整備されたとしても、南北の路線は、現状では国道42号に流れ込むしかないわけでありますので、そういった観点から、将来的にも和歌山と海南を結ぶ幹線道路を国道42号1本に頼るのは非常に無理があるという認識のもと、和歌山市と海南市とのこの南北の間の道路整備の必要性について、これまで訴え続けてまいりました。
 その国道42号においても、平成23年の2月議会で、県からも強く働きかけていた紀三井寺交差点の改良事業が国のほうで進められており、今後、渋滞緩和が少しは図られるものと期待しているとの答弁をいただきましたが、その後、2年以上たちましたが、何の説明もないまま現状のとおりであります。
 和歌山市と海南市を結ぶ道路整備については、地域住民の利便性を初め、産業面や観光面、昨年は防災面から、その必要性について自分なりに思いつく限りの切り口で求めてまいりましたが、今回は和歌山南インターチェンジの整備に絡めて質問をさせていただきます。
 和歌山南インターチェンジが整備されますと、都市計画道路南港山東線に接続し、和歌山市の中心部や和歌山下津港へのアクセスが将来的にスムーズになり、県内産業の振興にも寄与するものと思っております。
 海南市の北東部に多く立地する日用雑貨や漆器業界にとっても、わざわざ海南東インターに回ることなく高速道路が利用できることになると言いたいのですが、現行の道路ではどうしても狭隘で、利便性が向上するとは言い切れません。早期に都市計画道路の松島本渡線の南伸を初め、海南市小野田と和歌山市黒谷を結ぶ県道沖野々森小手穂線や海南市多田付近から和歌山市安原に通じる県道秋月海南線について、拡幅及びバイパス整備をすべきであると考えますが、知事の考えをお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山南スマートインターチェンジにつきましては、和歌山市はもとより、紀の川市や海南市北東部からの高速道路利用の利便性向上が期待されておりまして、連絡する道路として都市計画道路松島本渡線や南港山東線の整備を進めているところであります。
 ただ、松島本渡線の東西の線の北側はこれでまず完璧だと思いますけれども、御指摘のように南のほう、海南に向かうところは、ずっと回って42号1本というような感じがあります。もちろん、道はあるんですけれども、県道秋月海南線とか県道沖野々森小手穂線とか、どうも狭い、これはやっぱりまずいということは重々承知してるところでございます。特に交通の支障となるようなところを直そうとしておるんでございますけれども、それで、南スマートインターチェンジの供用に向けて、最も狭隘なところは直すつもりでございます。
 ただ、周りが、実は家が建て込んでるところでございまして、全部満足できるような広い線にするというのは、広範な人々の立ち退きということを要しますので、なかなか難しいと。むしろそれよりも、都市計画で決められております抜本的な対策としては、松島本渡線の南伸をきっちりやっていこうというふうに考えておりまして、平成27年度の和田工区の完成に引き続き着手していきたいと考えております。
 特に南インターができますと──かなり長い線でございますので簡単にはできませんが、南インターができますと、早速その辺がちょっと混雑しそうなので、ついては、県道三田海南線がありますけれども、これはまだ先ほど申し上げました道よりもうちょっとよろしいかというふうに思いますので、それに松島本渡線をタッチさして、それで南スマートインターチェンジの供用に合わせていこうと、そんなふうに考えているところでございます。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 ようやく具体的なめどのお答えをいただきました。
 抜本的な対策として、松島本渡線の南伸を進めていただくのはもちろんのことでありますけれども、和歌山市と海南市の間には県道が7本走っております。先日、その全ての路線の事業費を過去にさかのぼって確認さしていただきましたが、申しわけ程度についている路線ならまだしも、過去5年間見てみても、1円も事業費が計上されてない路線も3本ありました。
 沖野々森小手穂線は、せっかく和歌山市内の一部がきれいに2車線で整備されているのに、海南市側は車1台が通るのもやっとであります。和歌山市側も、安原方面に抜けるところでは極めて狭隘で、せっかくの2車線区間の効果が半減してしまっております。
 秋月海南線も、海南市多田付近と和歌山市の安原付近の一部が狭隘で、朝夕のラッシュ時には大混雑しています。こうした状況を知事は御存じだと思っておりますけれども、40フィートのトレーラーも立ち往生してしまうことが、もうしばしばであります。
 南インターができるのにあわせて、ぜひともスムーズに通行できるようにしていただきたいと思いますので、こちらもどうぞよろしくお願いを申し上げておきます。
 それでは、3番目の質問に移ります。
 現在、NEXCO東日本は、東北自動車道上り線の羽生パーキングを江戸をテーマにした商業施設にリニューアルしようと考えてるそうで、池波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」とのコラボレーションとして作品が描く江戸が再現されるそうで、江戸後期の町並みを忠実に再現し、店舗には1760年創業の老舗の料理屋「玉ひで」が出店し、利用者を現在の280万人から300万人以上にふやす目標とのことであります。特定のテーマで統一された世界観をエリア全体で表現するテーマ型エリアの第2弾で、第1弾は関越自動車道寄居パーキングに童話「星の王子さま」とコラボした施設を展開、売り上げが1.2倍になっているとの記事が掲載されていました。
 和歌山県であれば、京奈和自動車道や近畿自動車道紀勢線南伸にあわせて、世界遺産高野・熊野の平安や徳川吉宗の江戸の雰囲気を醸し出した施設などが考えられると思いますが、NEXCO西日本に働きかけて、サービスエリア、パーキングエリアだけを目的に来県してもらえるぐらい特色のあるテーマパーク風のものを整備し、誘客につなげてはどうかと考えますが、どうでしょうか。
 また、県内の道の駅でも同じことが考えられると思います。中辺路にある民間施設などは、平安調で、つい寄ってみたくなります。県内にも多くの道の駅がありますが、どれも画一的で、果たして魅力的と言えるでしょうか。
 今後、整備するものについては、県と市町村が協力して特色を出すようにしていくなどして、観光立県としての魅力アップにつなげてはどうですか。県土整備部長にお尋ねをします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県内の高速道路のサービスエリア、パーキングエリアにつきましては、これまで県も協力して西日本高速道路株式会社とともに、県内広域の観光PRやイベント開催による地元産品の販売促進、トイレの改修による快適性の向上などに取り組んできたところです。
 また、道の駅につきましては、県内25カ所において市町村がそれぞれ工夫をしながら運営し、観光情報の提供や地元産品の販売を行うことにより、地域振興に重要な役割を果たしております。
 県としましては、観光振興や地域活性化の観点から、議員御提案の趣旨を踏まえ、より地域の特色を生かした魅力あるSA、PAとして活用できるよう、今後も西日本高速道路株式会社に働きかけるとともに、道の駅につきましても、市町村と協力しながら地域ごとに特色ある施設整備や運営を行い、観光客の誘致にもさらに効果が上がるよう取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 次に、県内のIT環境を活用した過疎地域への企業誘致の促進について、徳島県神山町での取り組みを御紹介しつつ、当局の考えをお聞きしたいと思います。
 神山町は、山間部の人口約6300人と徳島県内では最も人口の少ない町で、公共交通機関は1時間に1本のバスだけ、高齢化率は48%という過疎化の進んだ町でありますが、企業誘致をきっかけに若者が移住し始めたということで、全国から注目を集めています。
 徳島県の山間部といえば、葉っぱ産業の上勝町が有名であります。80を過ぎられた高齢者の方が、パソコンやタブレット端末を見ながら相場を見ておったりする光景が印象的でありましたが、こちらのこの神山町の注目すべき点は、光ファイバーの世帯普及率が全国1位という徳島県の強みを生かし、IT企業などの呼び込みに成功したことであります。
 インターネットさえつながればどこでも仕事ができるIT企業からすると、都会より回線があいている徳島県のほうが仕事をする上での環境がよく、東日本大震災以降、リスク分散を進め出した首都圏企業と地元の思惑がうまくかみ合った結果であろうと思いますが、今では東京や大阪に本社を置くITベンチャー企業とその関連企業の約20社が、古民家をリフォームした支社(サテライトオフィス)を開設、中には本社を移転させてきた事業所もあり、2011年には町として史上初の社会移動数が増加に転じ、地域に活気が戻りつつあります。
 先般、岸本健議員、濱口太史議員とともに現地を訪れ、企業誘致を主導したNPO法人グリーンバレーの大南理事長やその関係者に、その取り組みについてお話を伺ってまいりました。その中で感じたのは、神山町での取り組みが成果を上げた大きな要因は、地元が一体となって受け入れモードをつくったこと、キーマンとなる仕掛け人の存在、誘致を主導したNPO法人が町の将来にとって必要な働き手や企業家を逆指名するなど、今までと違うアプローチの仕方があったことであると強く感じました。
 働く人がふえれば、ビジネスチャンスもふえます。町には次々と飲食店がオープンしていて、イタリアンレストランやカフェ、国産小麦にこだわったパン専門店、先月にはフレンチの店までオープンしたそうであります。
 私たちが昼食に入ったのは、この商店街再生プロジェクトの地域からは少し離れた場所でしたが、東京にあるミシュランのガイドブックの三つ星店でシェフをされていた方が地元の徳島に戻ってきて始められたお店だと伺いました。落ちつきのある店内で、食器などもこだわりが感じられ、ランチは1050円と昼食にしては決して安くはありませんでしたが、あっという間に店内は、地元の方ではないであろう御婦人方で満席になる繁盛ぶりでありました。人がふえて便利になれば、また人も企業もやってくる。まさに過疎対策のお手本になる取り組みだと感じて帰ってきた次第です。
 和歌山県もブロードバンドがかなり整備をされており、インターネット回線の整備率も95%ということですので、売り込み次第ではIT企業も魅力を感じてくれるのではないでしょうか。神山町のような新たなアプローチ、地元が一体となり地域に必要な働き手や企業家を逆指名するといった思い切った視点で過疎地域への企業誘致に取り組んではどうかと思いますが、県の考え方をお尋ねいたします。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 議員から御紹介のありました徳島県神山町の事例につきましては、過疎地域への企業誘致が本県にとって重要な課題であったことから、早期に現地での聞き込み調査を実施し、その結果を参考に、県内過疎地域の廃校を活用したきのくにサテライトオフィス事業を立ち上げ、これまでオフィス系企業300社以上の企業訪問を行うとともに、業界団体等を通じた誘致活動を行っております。
 これまで、日高川町にCGクリエーターが、田辺市近露にデザイナーがIターンで事務所を開設した実績もありますが、議員御指摘のとおり、今後さらに過疎地域への企業誘致を進めるには、受け入れ地域での意識の盛り上がりや環境の整備が必要です。このため、今後、庁内過疎対策関係課室や地元市町村との連携を密にし協力することにより、地域の特性に応じた誘致活動を積極的に展開してまいります。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 初め、神山町のこの取り組みを聞いたときに、地域おこしを応援する過疎対策と企業誘致のコラボだというふうに思いました。IT企業の誘致についても、答弁にありましたように、早くからきのくにサテライトオフィス事業を立ち上げて取り組んでいただいておりますが、どうも単発で終わってしまってるような気がします。
 最も企業の共感を呼ぶのは、住民一体で受け入れモードをつくったことだとグリーンバレーのこのカリスマ理事長さん、おっしゃっていました。この言葉を聞いて頭をよぎったのは、私の地元でいえば、県も力を入れていただいている紀美野町にあるりら創造芸術高等専修学校を中心とする真国地区や毛原地区ならそういう可能性があるのかなあと思ったんですけれども、よくよく考えたら、残念なことに旧の美里町はいまだにADSLなんですね。
 先日、和歌山県の過疎集落支援事業が全国知事会の先進政策バンクで6年連続優秀政策に選ばれたと資料提供で拝見をしました。Iターンなどの受け入れなどに積極的で、なおかつブロードバンドの環境が整っている地域は県内にもたくさんあります。ITベンチャーといえば、六本木ヒルズのような場所でオフィスを構えてというのがイメージとしてありましたが、快適なブロードバンドの環境で自然に囲まれてクリエーティブな仕事をするというのが彼らにとってある意味最先端なのかなあと、今回、神山町を訪れてみて思いました。
 どうか、新たな地域活性化の戦略を持って今後とも取り組んでいってほしいと思います。要望であります。
 では、5番目、青少年のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の利用について、まずは児童生徒の利用実態といじめの存在把握についてお尋ねをいたします。
 「ほかの携帯電話よりも5年は進んだ革命的で魔法のような製品だ」、今から6年前、当時アップルのカリスマ経営者だった故スティーブ・ジョブズ氏が新商品の発表会でこのように述べ、iPhoneを世に送り出して以来、スマートフォンは世界中で瞬く間に普及しました。日本でも、スマートフォンの先駆けとして一気にシェアを拡大し、ことしの6月には、スマホの普及率は従来型の携帯電話に並んだそうであります。
 スマホの普及とともに、ツイッターやフェイスブックなどのSNSが広がりを見せてきましたが、その中でも、最近ではLINEやカカオトークといった無料通話アプリが、特に若年層を中心に急速に浸透をしています。これまでも何度か青少年のインターネットにおける有害情報対策を求めてきましたが、今や高校1年生でのスマホの所有率が8割を超え、トラブルの舞台も以前の出会い系サイトからコミュニティーサイトへと移行し、さらに現在では無料通話アプリへと移行している中で、改めて当局の考えをただすものであります。
 その急増しているSNSによるトラブルの最たるものとして、ことし7月に広島県で起こった少女らによる暴行死体遺棄事件や、3月に奈良県橿原市の中学生がLINE上でのいじめを苦にして自殺した事件など、衝撃を受けた人も多いと思います。
 自分自身はLINEを使用していませんが、50代の知り合いでも、家族とのやりとりに気軽に使えると話すなど、コミュニケーションの手段として活用されています。
 一方で、LINEは、通常のSNSと異なり、標準設定でインストールすると電話帳に登録されている全ての友人とつながるため、それがトラブルのもとになったりもしています。多くの子供たちが利用しており、社会的な経験が少ないがゆえに出会い系サイトなどのトラブルに巻き込まれたり、児童買春などの事件も後を絶ちません。
 平成24年の7月1日から県青少年健全育成条例が改正をされ、携帯電話のフィルタリングの普及が図られたところですが、現状の約50%という利用率にしても低いと言わざるを得ませんし、購入後に親が子供にせがまれフィルタリングを解除してしまうというケースも多いようでありますから、実際にはもっと低いと推測されます。
 県でもネットパトロールに取り組んでいますが、学校裏サイトなどのネット上の掲示板やブログとは違い、LINEなどのSNSは仲間内にしかオープンではなく、閉じたコミュニケーションのため、楽しくやりとりをするだけなら問題ありませんが、それが裏サイト化するような事態になれば、ネットパトロールも役に立たないのではないですか。SNS内でいじめが行われていても、本人が教員や家族に打ち明けない限りわからないので、中傷やいじめが潜在化しやすいと考えています。
 こういった状況の中で、県としてSNSの児童生徒の利用実態やいじめの存在について把握できているでしょうか。お尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のとおり、児童生徒がLINEなどのソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)を利用し、いじめにつながる書き込み等の事象がふえてきていると捉えております。
 県教育委員会では、現在、ネットパトロールを実施し、いじめにつながる内容を含め、昨年度は1562件の不適切な書き込み等を確認し、市町村教育委員会や学校を通して児童生徒に情報モラル等を指導したところです。
 なお、SNSの中には、仲間同士がつながって閉じられた世界でやりとりするケースもあり、ネットパトロールでは発見することが困難な状況も出てきています。このため、いじめアンケートや児童生徒との面談等、さまざまな機会を通して、こうした外からは見えにくいSNS等の利用実態の把握に努めております。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 今、御答弁いただきましたが、こうしたSNSを通じたいじめなどの問題について、学校現場のみならず、保護者などに今後どのように対応していくのか、環境生活部長と教育長にお尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長塩崎 望君。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 青少年のインターネット有害情報対策といたしましては、青少年が安全に安心したインターネットを利用できる環境を整備するため、平成24年7月1日に施行した和歌山県青少年健全育成条例の改正条例に基づき、青少年が使用する携帯電話のフィルタリングの普及促進に努めているところです。
 LINEやフェイスブックなどのSNSは国際的に広く利用され、非常に有用で利便性の高いサービスである反面、利用者側のモラルの欠如やインターネットの危険性についての理解不足などに起因して、議員御指摘のような事件が発生していると考えております。こうしたことから、県では、県内各青少年センターや警察と連携して「インターネットに潜む危険」や「有害環境と浄化対策」をテーマとする出前講座を実施し、児童生徒や保護者などの情報モラルやインターネットリテラシーの向上に努めているところです。
 また、知事部局、教育、警察、各携帯電話会社、学識経験者などで構成する和歌山県青少年インターネット有害情報対策会議において課題を分析するとともに、対策の検討を行っているところです。
 今後とも、関係機関との連携・協力のもと、青少年を有害情報から守るため、より有効な対策に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 情報機器が子供たちの生活に大きな影響を与える社会にあって、情報機器の危険性や家庭内でのルールづくりなどをしっかりと啓発し、不適切な書き込み等をさせない環境づくりを進めることが重要であると考えております。
 そのため、県教育委員会では、ネット上のいじめ問題の実態等について、小・中・高等学校、特別支援学校の教員を対象にした研修を行うとともに、ICTの専門家が学校を訪問し、児童生徒や保護者にネット上のトラブルなどを周知する情報モラル講座を年70回程度実施しているところです。
 また、こうした取り組みだけでなく、児童生徒には命の大切さや相手を思いやる心を育てることが極めて重要であることから、各学校における人権教育や道徳教育のさらなる充実を図ってまいります。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 出前講座により取り組んでいただいてるとのことでありますけれども、県内で400校も学校があるのに、年間40回程度では限界を感じませんか。子供が小学校1年生のときに講座を受けることができればいいですけれども、高校3年生で初めて受けることになる人もいるはずです。
 教育委員会の情報モラル講座もICTの専門家に頼るだけではなくて、教員一人一人が問題と向き合って、みずからの知識で常日ごろから児童生徒に危険性を教えていくことが必要と思います。
 その啓発についても、今、この問題を理解されてる親御さん、両極化してきてると思います。なかなか理解されてない親御さんからすると、運よく講座を受けたとしても、なかなか1度の講座で理解するというのは難しいと思います。
 そういう中で、例えばその講座の模様をYouTubeとか、そういうところに画像をアップして、子供に持って帰らすプリントにでも、予習の意味で見といてください、また当日意見を伺います、わからないところがあれば、また後日戻ってきてからでも、いつでもどこでも復習できるというぐらいのことは簡単にできると思いますので、その辺についてどうですか。お答えください。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 子供や保護者等への啓発を充実していくことは、大変重要であると認識しております。
 今後とも教育と連携しながら、議員から御提案のありました動画での配信を含め、より効果的な対策に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 今、観光振興についても、YouTubeを活用されて県でも取り組んでおられます。ITのことをされてるのにローテクだけやっててもなかなか浸透していかないと思いますので、ぜひともこういったことを活用して啓発の充実を図っていっていただきたいというふうに思います。
 インターネットというのは大変便利でありますけれども、好事魔多し、現実の世界よりもそういうトラブルや落とし穴を見つけるのがなかなか難しいわけでありますので、子供たちを守っていくために一層の取り組みを期待して、私の一般質問を終わります。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、藤山将材君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。
 まず、冒頭、議長からの御発言もございましたが、きのう、おとといの台風18号で全国的な被害が拡大しておりました。映像を見ましても、2年前の和歌山県の台風12号のあのときの被災の状況がよみがえってまいりまして、心も痛む次第でございます。
 また、和歌山県でも、串本で竜巻のような突風があった、こんなニュースもございました。復興に向け取り組んでいる中で、またつらい目に遭わんなん。本当に心を痛める次第でございます。被災者の方々にお見舞い申し上げまして、一般質問に入りたいと思います。
 「なかなか頑張る中拓哉」と申しまして19回目の登壇でございます。県民の幸せにつながり、県勢の発展に資するよう質問いたします。当局の皆さんにも、県民に喜んでいただける内容となる御答弁をお願い申し上げます。
 議長の指名を受けましたので、通告に基づいて順次質問いたします。
 まず、仁坂知事の政治姿勢について伺います。
 既に記者会見でも聞かれてお述べのようですけども、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催が東京に決まりました。ちょうど高松市で開催された瀬戸内海環境保全特別措置法制定40周年記念式典というのに県議会の福祉環境委員長として参加し、滞在しておりましたホテルで、9月8日午前5時ごろ、ニュースの配信をスマホで受けました。そういったスマホの画面を見てこのニュースを知るという、やはり時代ならではの現象でございました。
 つけたテレビでは、どこの局もこの話題を放送しておりまして、感動した1人でございます。山中伸弥京都大学教授のiPS細胞でのノーベル医学・生理学賞受賞以来の明るいニュースで、号外の新聞まで配られる出来事でございました。
 昭和39年の東京オリンピックの思い出は、日方小学校の2年生でして、担任の松尾先生──女の先生ですけども──「学校内でくじ引きをして中古のテレビ当たったから、教室で見られるんですよ」、こう言って教えてくれたことがいまだに脳裏に残っております。また、今は亡きおやじが、「拓哉、新幹線に乗せてやろう」と、開通間もない新幹線で東京へ連れていってくれて、デパートで真新しい運動靴を買ってもらった思い出がよみがえってまいります。
 競技の模様は、その後のテレビなどで繰り返し流されるから恐らく私は知ってるのであって、当時の小学校2年生の記憶として覚えているわけではありません。市川崑監督の記録映画や三波春夫の「東京五輪音頭」も、折々に目に触れ、耳に入るので、覚えております。
 首都高速が整備され、東京では川が消え、下水道が完備され、ビルで彩られる町並みの一部では、あのお江戸日本橋の麒麟の翼に象徴されるがごとく、景観が破壊されるとの危惧も顕在化してまいりました。「山谷ブルース」の一節、「だけどおれ達いなくなりゃ、ビルも、ビルも道路も出来ゃしねえ」、こういったフレーズもリフレーンされてまいります。
 往年の高度成長は望むべくもありませんが、成熟した社会の姿を示しつつ、落ちついた雰囲気の中で醸し出す平和の祭典、この東京オリンピックに感動を期待するのは私1人ではございません。昭和39年以来56年ぶり、2度目の夏季五輪が日本・東京で開催されることで、東日本大震災の復興に拍車がかかり、景気回復の第4の矢としての期待もかかるこの東京五輪の決定に対する知事の見解をお述べください。
○議長(山田正彦君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 世界的なスポーツの祭典、オリンピック・パラリンピックの開催が東京に決定し、大変うれしく思っております。心が浮き立つような気がいたしました。日本もいろいろと失点をしたところがあると思いますが、IOCの方々の多くが日本を信頼して選んでくれたということで、日本人として大変うれしく、誇らしく思っております。みんながうれしいと言ってるこの元気を、東日本大震災からの復興とか、経済や社会保障の立て直しとか、そういうものに国民一丸となって取り組んで頑張っていけばよろしいと思います。
 オリンピックの5年前は国体でございますので、これはもうオリンピックだけじゃなくて国体も頑張らにゃというふうに思っております。
 また、前回のロンドンオリンピック・パラリンピックでは、和歌山県の選出選手が随分活躍をいたしました。田中きょうだいとか湯元兄弟などの選手が出場して多くのメダルも獲得してくれましたし、和歌山県民は大いに元気をもらったと思います。
 オリンピック・パラリンピックの開催は、そういう意味で人々に夢と感動を与えるものであると実感しているわけですが、和歌山国体でも、県民一丸となって頑張って総合優勝を目指して日ごろ努力しているわけですが、そういう本県の競技者にとっても、その5年後に東京オリンピックがあるということで、国体後の大きな目標としてまた頑張っていくことになるんじゃないかなということを期待してる次第でございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。私も本当に心浮き浮きわくわく、7年後に元気でおりたいと思ってるんですけども、オリンピックに出会えるというのはうれしいことでございます。
 また、国体のことも後ほど触れますけども、皆さんそれぞれにオリンピックでの思い出をお持ちのことと思います。何かしら関連するグッズがないかと、私自身、自分の宝物を探しましたら、記念の百円銀貨と当時の記念切手が出てまいりました。残念ながら千円銀貨は私の手元になかったんですけども、東京から遠く離れた和歌山の片田舎の小学生坊主が自分の小遣いから記念硬貨と記念切手を買ったんだなあと。そんなことでお金も使ってるんですね。
 早くも日本政府は、金メダル30個、総メダル数80個との目標を掲げて、タレント発掘・育成コンソーシアム構想やスポーツ庁創設なども話題となっております。観光立国への取り組みにも拍車がかかり、空港、駅、道路といった交通網の整備やホテルなどの旅行業、語学の塾など、経済面はもちろんのこと、当時の一校一国運動──1つの学校で1つの国のことを調べて文化理解、世界平和につなげる、こういう運動でございますけども、そういった運動、あるいは体育からスポーツへ、日本でちょいちょい問題になってますいわゆるしごきと申しましょうか、暴力・暴行事件、そういったことからスポーツへの進化、こうったことも叫ばれておりますし、ボランティア精神の普及など精神面も含んだ「おもてなし」──もうすっかりプレゼンテーターの彼女の発言で有名になりましたけども、おもてなしが進むことでしょう。
 また、昨年のロンドンオリンピックで、知事もお触れになりましたけども、本県ゆかりの選手の活躍に私どもは興奮し、あの夜中のパブリックビュー、そういったことにも心躍りました。そのようなごとく、7年後にも郷土の選手の活躍を期待する次第でございます。
 産業、経済、教育、文化など、森羅万象にわたって本県とオリンピックについての効用、メリット、そういったものの具体的なものがあれば知事の発言からお示しいただけたら、かように思います。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) オリンピックの効果でございますけれども、まず、先ほど申し上げましたように、国民みんなが元気になって頑張ろうということによって、いろんなプラスのところが出てきて、それが和歌山にも来るんじゃないか、そういうふうに思います。また、波及効果というのもありますから、そういう点でも和歌山の産業にとって出番がいろいろあるんじゃないか、そんなふうに思います。
 もっと端的な例で言うと、東京オリンピックとかパラリンピック開催を契機として、外国人観光客が大いにふえると思います。そういうときは、関東のみならず関西にも多くの観光客が訪れることが期待できるわけで、これを絶好の機会と捉えて、和歌山のいいところを味わってもらえるように、本県へも誘致をするということを積極的にやっていくべきだと思います。
 また、これを機会に、我々はオリンピックでスポーツを見るということ、あるいはスポーツに親しむということが一種のブームになると思います。そういう意味でスポーツが盛んになる、それを機会と捉えて、関連するさまざまな大会とか、あるいは合宿の誘致も期待できると思いますし、また、見るほうも含めて「する、見る、支える」というスポーツに対する関心が高まって、本県のスポーツ振興にもつながるものと考えております。
 一例として申し上げますと、ゴールデンキッズ発掘プロジェクトがあります。これは7年前から始まったんですけれども、国体はもちろん、世界の舞台で活躍できる競技者を育成するために、じっくり小学生の後半から育てていこうというふうになっておりまして、既に1期生から7期生まで認定して──今、1期生は高校1年生になってるわけでございます。
 これの一番初め、すなわち世界で活躍できる選手だというんで、ロゴにもオリンピックマークをつけることを許してもらっていたんです。そのぐらいのプロジェクトだと思っております。その後、ちょっとマーク使用が厳しくなって、直接以外のやつはだめですということになったんで遠慮してるんですけれども、我々の気持ちは、将来はオリンピック選手もこの中からつくっていくんだという──つくると言うたらちょっとあれですけど、育てていくんだという気持ちでやっとります。
 レスリング競技とかボート競技など、全国大会でこの卒業生が優勝とか上位入賞を果たしておりまして、国体のときにはターゲットエージ、すなわち少年の部として活躍してくれる、そういう選手になると期待しとるわけです。それがまた今度は大人になりまして、2020年には競技者として最も活躍できる時期だと考えられますので、成果も期待しております。
 こういうプロジェクトを続けるのも、一例でございますけども、県民に元気を与えられるようなことだと思いますので、競技者の育成も一生懸命、そのほかの手段も加えて頑張っていきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 本当に国体が2年後で、それでまたその5年後にオリンピック、そういう機会を切らすことなくスポーツを通じて和歌山県を元気にしていきたい、そういう知事の思い、私も共通するところでございますんで、ともどもに頑張っていきたいな、かように思います。
 さて、次ですけども、「皇帝の新しい着物」というアンデルセンのお話、御存じかと思いますけども、おしゃれの大好きな皇帝が、部下の役人たちがその役目にふさわしいかどうかを見きわめるために、世にも珍しい効用を持つ織物で服をつくれるという男に服を調えさせました。
 ばか者や自分の役目にふさわしくない者にはその美しさが見えない効用を持つこの世にも不思議な服を皇帝がお召しになり、臣下がことごとく、「見事なお召しでございます。おきれいですばらしゅうございます」と称賛します。王様は、臣下を携えて行列に行きます。行列を見に来た町の人たちも、世にも不思議な効用を持つこの服が見えないということになると、自分がばかか役目にふさわしくないことのあかしとなることから、口々に「何と立派なお召しでしょう。よくお似合いのこと」と評価し合います。「だけど何も着てないよ。王様は裸だよ」と小さな子供が言いました。アンデルセンのお話でございます。
 それで、6月11日の「朝日新聞」の和歌山版を読みましたところ、和歌山版の記事には、「知事が記者会見で6月3日の会見の折の知事御自身の発言のミスを認め、陳謝した」と報道されておりました。県のホームページの記者会見の画像を確認したところ、くだんの発言も、それとおぼしきシーンも見当たりません。新聞記事でも、「3日の定例会見の画像を6分間削除している」と確かに載っておりました。
 6月3日の会見を編集しているだけならこの朝日の報道でわかるわけですけども、10日のこの会見のやりとりまで削除しているものですから、この朝日さんの記事が真実かどうかがわからず、誤報かいな、捏造かいな、こんなことになってしまいます。
 真実やいかにと、情報公開の申請をすべく広報課に尋ねると、知事と記者とのやりとりでエキサイトした場面があったんで、誤解を招くので編集した、こういうことでした。内容を知りたいので、テキスト版と画像のデータの提供を受け、確認しました。見せてもらった私の感想は、何も隠すような内容でもないのに何で削除までしてしまうんかなあといったところでございます。
 この朝日の記事で今回の経緯を知ったわけですけども、ここには見過ごせない問題を含んでいます。県民は、記者会見の模様を伝えるホームページの画像に編集加工されているとはつゆ思いませんし、知らされておりません。また、県の広報課の判断だけでこういった編集ができるのでしょうか。記者クラブとの合意も必要やと思います。
 報道するかどうかはメディア側の判断でしょうが、記者会見の内容を見るのはホームページからアクセスして知ろうとする県民側なのですから、編集加工されたら、当局の都合の悪いものは全て隠されてしまうじゃないですか。行政の隠し事は許さないとする情報公開の理念にももとる行為です。時として公序良俗に反したり人権侵害の発言といった懸念もあるでしょうから、字句の訂正までするなとは言いませんが、今回のようなことは放置できません。
 そこで、この公表の前に加工編集したいんであれば、ルールを定めたらいかがでしょうか。御答弁願います。
○議長(山田正彦君) 知事室長和歌哲也君。
  〔和歌哲也君、登壇〕
○知事室長(和歌哲也君) 記者会見の模様は、県のホームページにテキスト版──文字版ですけれども──これを掲載するとともに、平成19年5月から動画の配信を行っております。
 ホームページの公開につきましては、基本的にそのまま掲載あるいは配信することとしておりますが、わかりやすい内容とするため、記者クラブと協議の上、修正を加え編集することもあります。
 議員御指摘のとおり、配信に際しての考え方については、今後検討してまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今のお話では、わかりやすくお伝えするために整理するということですね。また、記者クラブとの協議の上だから合意を得てるということなんでしょうか。
 私、平成11年に市会議員に通ったときも、一番最初の一般質問で記者クラブのあり方について疑問を呈しました。公務員でない人が庁舎内の1等の部屋で仕事をしている。勉強しましたら、当然根拠がありまして、京都地方裁判所で争われて、結局、記者クラブというものは県の広報の一翼を担ってると。県のいろんな施策、あるいは大きな事件が起こったときにとる対策、そういったものを「県民の友」を待ってたり、「県民チャンネル」ですか、知事さんの買ってる番組、こういうのを待ってたりしたら追っつかんと。そういうときに、いち早く記者クラブを通じて県民に知らせなあかん。こういった大きな公益があるから、決して目的外使用でもなければ何でもない。ただ、提供の仕方に華美の度合いといいましょうか、便宜供与に華美があってはならん、こういった判決だったと思います。
 そういう意味で、和歌山県でも記者クラブの方が一室を占め、折に記者会見の模様をお伝えしてる。だといって、記者クラブが広報機関にはなっていきませんから、折々の批判なりなんなりというものがあってしかるべきやと思います。
 それで、今回のことで考えたんですけども、そうやって協議の上で知事さんの発言を6分間削除した。普通に見たら、ほんまに上手に編集されてるから加工の跡も見れません。それはそれで、当局からしたらよしとしたんかわかりませんけども、そのことを知った私は、きょうここで取り上げました。この模様は、今、同時中継で配信もされてますし、日を置かず県議会のホームページにアップされてるわけですから、何かあったんだなあ、こんなことになるわけですね。幾ら隠しても隠し切れない、隠したと言うつもりはないんか知りませんけども、そういうことやと思います。
 ですから、きょうの場面は議事録にも載るわけですから、そういう下手な加工といいましょうか、ちょかちょかした小細工はせずに、堂々とおったほうが知事さんのためになるんじゃないか、こういうふうに思うわけでございます。
 知事さんも御存じでしょうけど、あの佐藤総理大臣が引退のときに記者会見で、「新聞記者の諸君は出ていってくれ」、こう言うて、ひたすら首相官邸の空っぽの部屋でテレビに向かって佐藤栄作がしゃべってるのが象徴的でした。何と惨めな終わり方やなあ、これが私の感想でございますけども、当然いろいろ弁解もせんなんこともある。
 例えば、この前のオリンピックのことも、和歌山市議会では大橋市長が後ろ向きなことを言うた、東京に一極集中であんまりうれしないようなことを言うたという発言を受けて、知事は、「そういう後ろ向きなことを言うやつは腐ってる」と、こういう発言をしたらしいですね。ところが、この「腐ってる」という発言が、じゃあ大橋市長は腐ってるんかと言われたら、そんなことは言ってないじゃないかと、先ほどの答弁のように、いいことはどんどんいいほうへ進めていくのが日本人の気質じゃないか。全くそのとおりやと思います。
 それぐらい記者会見のやりとりの中でそういったことはありがちなことですけども、そういったことも含めて発言するのが公選の公務員、選挙で選ばれた和歌山県の指導者たる知事の仕事やと思いますんで、ここはどうでしょう、知事さんの今回の措置──知事が命令したんじゃないと思いますよ。知事が命令したんではないと思いますけども、こういった事態に陥ってることに──もし知事さんが通産省のそんな官房の役人でおって、通産大臣にそんなことがあったからといって訂正はしないと思うんですけども、知事の所見をお伺いして、もとへ戻したらええのになと思うんですけど、御所見をお述べください。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 質問にお答えする前に、ちょっと先ほどの別の記者会見の、「腐っている」というのは言うておりません。一般論として、「そういう後ろ向きのことばっかり言ってると人間が腐ってくるよね」というふうに言いました。それで、「決して特定の人のことを言ったわけじゃなくて一般論で言ったんですよ」と言って、慌ててというか、質問を受けたんで、「特定の人のことを言ってるんですか」と言うから、「冗談じゃありません」と、「一般論ですよ」と言って一生懸命否定をいたしました。ちょっとつけ加えさしていただいておきます。
 それで、例の話は、何か知事室長が勝手にやったような感じでございますが、企画をしたのはそうなんですけど、私のところへも相談がありました。そういう意味で、この問題の結果責任は私にありますので、そう了承していただきたいと思います。
 次に、どんな経緯があったかというと、実はかなり記者会見の中身と関係のないことで、私が記者のことを誤解して、それでちょっと興奮したもんですから、それについては何度もいろんな場で事情を説明して陳謝をしているわけです。本人は、本当にすばらしい記者だったと思います。指摘もすばらしかったのが、ちょっと行きがかり上、誤解をしてしまったということでした。
 ですから、私は、それは謝れば済む話だから、別にいいのになあと思ってたんですが、記者会見と関係ないことですから、だから、「あんまりこんなことで長々と残しとくのもいかがですかねえ」というような話があったんで、「まあそんならええけどね」とかなんかいうことでありました。
 しかし、どちらかというと、私は何でも公表してしまえばいいのにというふうな気持ちでいますので、過去のことについての責任は私にありますけど、基本的には、ちょっとその辺の気持ちをあらわしつつ、また記者クラブなんかともよく相談をして決めていったらいいんじゃないかと、そんなふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 そういうことかいなあとは思いますけども、原則はやっぱり加工しないでやっていくと。もし加工してるんであれば加工編集ありと、あるいはノンフィクションそのものじゃないというふうなことがわかるようにしていただけたらなあ、このように思う次第でございます。
 これも例え話で、中国の故事でございますけども、殷という夏を滅ぼした国の大昔の話です。箕子という臣下が、その殷の皇帝が象牙の箸を使い出したと。象牙の箸を使い出した一事をもって、ああ、この国は滅びるな、象牙の箸でぜいたくし出したら、そのうち玉の器をつくるやろ、玉の器をつくったら、そのうち普通の食事では満足できんやろ、こういうことで、1つのあらわれなんですね。
 まあそんなことで仁坂さんがしくじるということではないかわかりませんけども、例を出したら、木村さんの知事の事件でも、木村さんが直接指示したんじゃないけども、それをおもんぱかって部下が動いて事件が起こった。こんなことにもなりかねませんので、知事の大好きな「今そこにある危機」という話でございます。CIAの副長官はやっぱり国民に仕えるのであって、そのときの「俺の目を見ろ。何にも言うな」、無言の指示に従うんではない、こういう形だったと思いますので、そうやって回復していってもらえたらなあ、このように思いますんで、これは要望といたします。
 さて、この夏、8月の21日に田辺市の秋津野ガルテンで公明党和歌山県本部の夏季議員研修会を開きました。参院選を終えて新人議員となったばかりの杉久武さんや3期目の中堅議員として活躍が期待される山本香苗さん、衆議院議員近畿ブロック選出の浮島智子代議士も参加しての会議でございました。
 その政策の研修に、一般財団法人地方公会計研究センター・青木孝憲氏の講演も受講しました。
 平成18年6月、北海道夕張市財政破綻のニュースを御記憶の方も多いでございましょう。夕張市は、財政再建団体に指定されて大混乱に陥りました。和歌山市の監査委員も務めた経験から申しまして、地方自治体の会計上、破綻の前に再建に取り組む仕組みがございます。にもかかわらず、こんなことがどうして起こるのかなあと不思議に思ってましたところ、要するに5月31日で出納を締め切らんなんときの一時借り入れを悪用して、そのときだけ借りてまたすぐ返すと、こんなことの繰り返しでごまかしが顕在化して頓挫したとのことでございました。
 地方公共団体の財政の健全化に関する法律も整備されて、今9月議会にも「平成24年度健全化判断比率及び資金不足比率報告書」も上程されておりますし、それに対する監査委員の意見書も添えられております。
 一方、日本の仕組みは、明治の維新政府以来継承されてきました公会計の単年度・現金主義の帳簿では今日限界があるとして、複式簿記・発生主義に基づくモデルでの連結ベースのバランスシートなど、財務書類4表を作成して公表しようという時代へと進化しつつあります。
 ところが、この作成すべき貸借対照表、行政コスト計算書、資金収支計算書、純資産変動計算書の作業に取りかかるにも、今までの取得原価主義の総務省方式を今の公正価値の評価へと見直さなければなりません。にもかかわらず、そのモデルとして、基準モデル、あるいは総務省方式改訂モデル、あるいは人によっては従来の総務省方式と、こういったモデルの方式が示されております。一方、東京都、大阪府、愛知県、新潟県では、独自の方式を採用しております。
 税金の使い方の透明度が増して無駄な支出が見つけやすくなったり、使う側もコスト意識が高まると期待される今回のこういった新たな地方公会計への本県の取り組みをお示しください。
○議長(山田正彦君) 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 新地方公会計への対応につきましては、本県では、平成18年に総務省から発生主義及び複式簿記の考え方をより推し進めた新たな作成方法として示された総務省改訂モデルを採用し、平成20年度決算から貸借対照表などの財務書類4表を作成、公表しているところでございます。
 この方式の平成23年度決算における各都道府県の採用状況は40道府県となっており、新地方公会計導入のメリットの1つである他府県との比較が最も平易なモデルとなっております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今の取り組みはそんなことのようでございますけども、また、民間企業の方式に近くて国際公会計基準にも準拠してると言われる東京都方式で、東京都では、多摩ニュータウン事業の2272億円の累積欠損などを初め、総額1兆円もの隠れ借金がこの方式で顕在化してきました。また一方、隠れ資産なんかもわかってくるわけですから、そういった遊休地の活用などで、借金の解消だけでなく、将来の税収減に備えた基金1兆円の積み増しに成功して今回のオリンピックの招致なんかにも見事成功しました。
 今回、9月議会に提案されました健全化判断比率に和歌山県は問題ないと、このように安心してしもうたり、あるいは財政健全化計画、仁坂知事誕生のもとで取り組まれた計画は、台風12号の被災に遭いながらも頓挫することなく進んでいると、こういったことで評価しとりますけども、そういったことでのんびりしてるだけじゃなしに、いいところは早く見習って取り入れてもらいたいな。就任間もない総務部長のフレッシュな目で、この和歌山県の財政を見たときの公会計制度への取り組みの見解をお述べください。
○議長(山田正彦君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 議員御指摘のように、東京都方式は、民間企業で一般的に使用されている会計基準を準用し、より精緻な財務書類を作成することが可能となっており、本県が採用している総務省改訂モデルよりも国際公会計基準に近いものであるというふうに言われております。
 一方、総務省におきましても、現在、国際公会計基準等を踏まえた標準的な基準を設定するため、有識者による今後の新地方公会計の推進に関する研究会において検討がなされているところであり、今年度内にも最終報告が発表される予定となっております。
 本県としましては、独自に新たなシステムを導入した場合には他府県との比較も困難になることから、今後、国の動向を踏まえながら、財務書類の作成、公表のあり方につきまして迅速に検討してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 いや、総務部長、他府県との比較が困難と言いますけどね、私、勉強したこの青木さんの話によりますと、そういう従来の決算から交換するだけで最初はスタートした、しかし、それでは不正確だということでいろんな方式をとられたということで、いろんな方式が出てきたわけですけども、一定の目で見れば、決して違う方式でやってるのも、結局はバランスシートをつくっていくという意味においてはそんなに困難ではないんですよ、ですから早く取り組んでやっていきなさいよというのが講師の方のお話でございましたし、地方議員もしっかりしろよと、こういうことでございましたんで申し上げときますと、もう1点、お願いなんですけど、この和歌山県の財務諸表、つくってくださってるやつです。あなたの前任者のもとでつくったんかわかりませんけども、これを見まして、数字の専門的なことはまた勉強せなあきませんけど、まず気になるのは、数字が細こうて、とても見えない。エクセルの表なのでしょうか、何でしょうか、もうほんまに虫眼鏡で拾うても、欄が横に長いもんやから欄も間違うてしまう。こういうことですから、せっかく数字の上では見えやすくして可視化、見える化してるのに、物理的な紙に上がった途端にまた見えやんと。こんなことにならんように、そこも一工夫お願いしたいな。これは要望でございますんで、お願い申し上げます。
 次に移らせてもらいたいと思います。
 冒頭、オリンピックのことでお尋ねしました。昭和39年の東京オリンピックでは8歳でしたこの中拓哉も、昭和46年の黒潮国体では15歳で、海南市内の中心部を走る炬火リレーの一員として参加いたしました。そのときに記念にと、走るときに白い運動靴をいただいた思い出があります。
 44年ぶりの国体も、正味あと2年後に開催と、着実に時は進んでまいります。知事も今議会の提案理由でお触れのように、県民総参加、この成功に向け、私も協力を惜しみません。
 のぼり旗も我が家の玄関に掲揚し、県政報告の街頭演説の折にもあの旗を活用さしてもらっております。ところが、きのうの台風で、えらい風で、旗が飛んでしもうたんですけど、いただいておった新しいのにまたつけかえて活用さしてもらっております。
 また、準備委員会発足時には、啓発用にとあほほど用意したとおっしゃってるあの手提げ袋も、デザインの進化とともに人気も高まってまいりました。つい先日も、市民の方から、所属する文化団体の大会で参加者に差し上げたいので調達できますかとの相談を受け、お願いしましたところ、分けてくれましたんで、お渡しして、喜ばれております。この胸につけるピンバッジも好評ですし、啓発の看板もちらほらあちこちで目に入るようになりました。
 また一方、イメージソング「明日へと」という歌の手話バージョンもできたということで、私も覚えようと、今チャレンジしております。広報紙「きいちゃんNEWS」も楽しみにしておりますし、秋葉山のプールもできました。つつじが丘の和歌山市が整備するテニスコートも間もなく使えるようです。県下各地でハードの整備も着々と進んでいる様子、何よりうれしく思います。
 一方では、開会式、閉会式のアイデア大募集やら、和歌山おもてなし宣言を募集しますとやら、何かおもてなし宣言の証書を渡すとか、もうひとつ要領を得ない資料も目にします。
 ワッショイ、ワッショイ、お祭りですから、何やかんやと思いつくまま取り組まれるのもいいわけですけども、大会の成績も、当然大事でございます。県外のお客さんには、和歌山の文化の深さ、自然の美しさ、県民気質の温かさなど、歓待の質、おもてなしの魅力にも満足してもらいたいものです。ボランティアの募集も始まり、「応募したいよ」、「パンフレット、中君、どこにあんのよ」、こういった相談も今受けてるところでございます。現状の取り組み、これをお示しください。
○議長(山田正彦君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 議会冒頭に知事から御説明いたしましたとおり、花いっぱい運動や国体・大会ダンスの普及啓発、クリーンアップ運動など、県民総参加の両大会に向けて取り組んでいるところです。
 花いっぱい運動では、県民の手から手へと引き継がれ、育てられた花で競技施設やまち等を飾る花のリレーを展開しており、予想を上回る多くの県民の御参加をいただき、現在、全ての市町村で取り組みが進められております。
 国体・大会ダンスにつきましては、県内各地で指導者講習会を開催してきたところであり、既に小中学校での運動会に児童生徒によるダンスを取り入れてるところもあります。
 また、今月3日から両大会の開閉会式や大会の競技会の運営等を支えていただくボランティアの募集を開始したところ、既に数十名の登録申し込みをいただいております。
 今後も引き続き、より多くの県民に御参加いただけるよう努力してまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 その今後も取り組んでいく上において、ちょっとお話しさせてもらいます。
 きいちゃん人気も非常に高まってまいりまして、それに比例しまして協賛金を下さる企業もふえて、ノベルティーグッズもどんどんふえてるようでございます。ここで提示させてもらいますけども、私の家内も、「スーパーで見かけた」と、このきいちゃんが入ったトイレットペーパー、これを買ってきてくれました。(現物を示す)これ買うと、売れた会社は3%県に寄附すると、こういう仕組みだそうです。だからこのマークが使えるんですけど、こういうのがございました。明るい話題ですね。
 また、生命保険会社は、ボールペンに、自分のノベルティーで販促グッズというんでしょうか、それにこのわかやま大会のマークを入れてやってくれてます。(現物を示す)このマークにもいろいろ規制があって、勝手に色を変えたり倍率を変えたりしたらあかんと、こういう厳しいそうでございますけども、こうやってやってくれております。
 あるいは、もっといろんなところでこのグッズがあるんですけども、キティちゃんやくまモン、これは勝手にもう売れてるわけですね。キティちゃんはサンリオのあれで。あるいはくまモンも、今、サービスエリアへ行くと表のところへかけて売ってます。そういったものに負けないようなきいちゃんのグッズにしていきたいな、こういうことを思うておりますんで、私も私なりにアイデアを出しますけども、国体推進監の御活用策をお示しいただけたらなあと、かように思います。
○議長(山田正彦君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 国体・大会の啓発については、平成21年3月から手提げ袋やクリアファイル等の配布を通じて両大会の開催に向けた機運の醸成に努めてきたところであり、マスコットの決定以降は全ての啓発グッズにきいちゃんを活用し、手提げ袋はこれまでに約16万袋を配布したところです。
 また、両大会の開催を企業・団体の皆様に支えていただくために、昨年9月から本格的に募集を開始した企業協賛制度においても、きいちゃんのデザインの使用を認めているほか、両大会の標章及びマスコット等使用取扱規程に基づく使用許可により、これまでに数多くのきいちゃんグッズが開発され、販売されているところです。
 今後も、きいちゃんのデザインを活用した商品開発をより一層促進してまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 より一層開発してくださるそうです。
 今、ここの席で、先ほど森礼子さんから、「うちもふりかけを用意してるで」と。きいちゃんのふりかけを用意してるそうです。あるいはトイレットペーパーも一心さんでは使うてくれてるようですけども、そういった形でいろんなところで普及していくことをこいねがう次第でございます。
 それでもう1点、若宮さんがいてるときに申し上げときますけども、この国体の基本構想というのを読んでますと、この国体は低炭素国体へ取り組むと。当然、ユニバーサルデザインの促進とともに地球に優しい大会、ごみ減量・分別化、こういったことも理念に掲げてるということなんで、ちょっと申し添えておきます。
 そのことを申し添えて、次の質問と関連してくるわけですけども、平成20年12月議会で、私、ここに質問に立ちまして、その12月議会の翌月、1月23日から始まるノーレジ袋の運動について質問いたしました。
 そのときの井口環境生活部長の答弁は、ノーレジ袋推進協議会に参加していない事業者にこの取り組みへの参加を引き続き働きかけてまいりますと。マイバッグ持参率80%としたら、ごみが880トン、二酸化炭素4000トン、原油換算で1600キロリットル、ドラム缶で8000本節約できると試算し、身近にあるレジ袋を削減するという小さな取り組みではありますが、県民のごみ減量意識の高揚を図り、大量消費・廃棄を基調としたライフスタイルを見直すことで廃棄物削減への大きな前進につなげ、さらには環境への負荷をできるだけ低減し、持続可能な社会、いわゆる循環型社会への構築を目指すとのことでした。
 その折、ノーレジ袋で浮いたお金で県下の学校の環境教育に使うということでしたけども、5年を経過した今日の現況をお示しください。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長塩崎 望君。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) ノーレジ袋の推進につきましては、レジ袋無料配布中止に御協力いただける事業者の賛同を得て、平成20年8月にわかやまノーレジ袋推進協議会を設立し、平成21年1月から取り組みを開始したところですが、その後の活動を展開する中で、関係者の皆様からさまざまな御意見をいただき、それらを勘案して、平成23年2月から、無料配布中止だけではなく、ポイント付与、マイバッグ持参の声かけなど、各事業者の実態に応じたさまざまな手法によるレジ袋削減に取り組んでいただけるよう、取り組み方針を変更したところです。
 具体的な活動内容としましては、毎年6月の環境月間におけるマイバッグ配布の店頭キャンペーンや10月の環境に優しい買い物キャンペーンにおける啓発活動のほか、各事業者の取り組み内容の県ホームページでの広報等の活動を展開しているところです。
 参加事業者数につきましては、レジ袋無料配布中止の取り組みが、開始当初の31事業者192店舗から、直近では10事業者66店舗となりましたが、その他の取り組みを行う事業者を含めると、合計で55事業者574店舗にふえ、コンビニや電器店などにも活動が広がっているところです。
 また、無料配布中止事業者のレジ袋販売収益金の寄附として、平成21年度から795万円、579万円、45万円、66万円と、4年間にわたり合計1400万円を超える寄附金を県にいただいており、これまでに県下の128校の環境学習や環境活動の支援のために活用させていただいております。
 今後とも、できるだけ多くの事業者の皆様の御協力をいただき、事業者の実態に応じたさまざまな手法によるレジ袋削減の取り組みを推進してまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 塩崎部長の、上手な答弁やと思います。よう聞いてましたら、「無料中止だけでなく」とか「取り組み方針を変更した」、非常にきれいな日本語になってるわけですけども、数字で見ましたら31事業者が10業者に減ってるわけですね。お金も795万円やったんが66万円に減ってるんですね。これは、もう和歌山市の方は皆お気づきやと思いますけど、和歌山市の各スーパーは皆やめてしまいました。ある業者が参加しないもんですから、結局ノーレジ袋を続けるとしんどいということでやめました。
 ところが、その大手スーパー関連は、紀南方面では相変わらず有料でレジ袋を販売しております。その中で、先ほどいただいたような66万円というようなことになってくるんやと思いますけども、ダブルスタンダードなんですね。同じ県民でありながら、和歌山県で買い物したときに、県の進める行政が紀北と紀南では違うという一例がここにございます。
 また、このノーレジ袋で、和歌山でも新しくできたディオさんというスーパーなんですけども、鳴滝団地のところにあります。そこでは、やっぱりレジ袋は3円で売ってました。和歌山市にスーパーを構えながら有料袋を買うてもうて、買うのが嫌やったらマイバッグを持ってきてもらうと、こういう運動をやってます。ところが、このディオさんは、まだ県の協議会には入ってないようです。そうやって自分ところの会社の方針として取り組んでるところもあれば、一方、そうでないところがあると。
 また、これはええことなのかどうなのか、ぜひ聞きたいところですけども、今回のこのノーレジ袋を推進する一方で、国体の宣伝にということで、ある業者さんがきいちゃんを使ったレジ袋を配っております。(現物を示す)非常にかわいいもんですから、このレジ袋自身が悪いわけではないんですけども、先ほど申し上げました低炭素の国体を目指すと、あるいは県全体でも低炭素社会、CO2削減、そういったことに、小さな取り組みであるけどもマイバッグを進めていくと、こう言うてる中にあって、このようなきいちゃんをかりて──きいちゃん自身は宣伝してほしいんですけども──レジ袋がやまっていかないという現状がありますけども、このレジ袋の無料配布は好ましいことでしょうか、できれば避けてもらいたいことなんでしょうか、塩崎さんからちょっとお答えいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 環境生活部長。
  〔塩崎 望君、登壇〕
○環境生活部長(塩崎 望君) 国体マスコット「きいちゃん」を印刷したレジ袋の配布につきましては、不必要なレジ袋配布を増加させているものではないことから特に問題があるとは認識しておりませんが、レジ袋削減は循環型社会形成や地球温暖化防止の観点から取り組みを進めていくべき課題でありますので、各事業者の実態に応じたさまざまな手法によるレジ袋削減が進むよう、今後とも粘り強く取り組みを推進してまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ぜひ取り組んでもらいたいと思います。
 私もあのとき質問しましたけども、学者によっては、レジ袋がどんだけCO2の削減につながるかという疑問の声も一方でありました。そういったことも紹介しながら、県はそれでもやるんだと言うてやるんですね。ところが、循環型社会推進課から、仕事は総務課に移っておる。先ほどみたいな下火があったからか知りませんけども、県の中でも後ろ向きになってる。ちょっと残念やな、かように思います。
 それで、県が配布しているいろんな販促グッズといいましょうか、キャンペーングッズ、献血や健康診断を促進せえ、あるいはドラッグやめろと言うて駅前で配ってることがあります。同じく部長のところでは、マイバッグ推進のために、これは県のお金で買うてくれて、こういうマイバッグを使いませんかと住民の方々に言うてくれてます。(現物を示す)ここに、「未来に残そう、きれいな環境」と書いて配ってくれてます。ここにきいちゃんを印刷して宣伝したらいいんじゃないかという私の提案でございますんで、一遍検討してもらえたらなあと思います。これは要望でございます。
 次に移ります。
 去る8月27日、文部科学省は、4月に実施した全国学力・学習状況調査の結果を公表しました。4年ぶりの全国参加方式なので、全国的な比較が可能となり、秋田、福井、石川といった上位の固定化が明確になった点や、地域間格差が改善されたとの評価でございます。
 全科目で全国平均以下とされる本県の成績の分析と、その評価をお示しください。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 平成25年度の全国学力・学習状況調査の結果に対する分析と評価でございますが、本年度の全国学力調査における本県の都道府県別順位は、知識を問う問題については、小学校国語が29位、算数31位、中学校国語44位、数学24位、活用力を問う問題については、小学校国語が37位、算数が33位、中学校国語45位、数学31位となっています。調査が始まった平成19年、20年度時点と比べて全国平均との差が小さくなってきているものの、知識や技能を活用する力に課題が見られ、本県の児童生徒の学力はいまだ厳しい状況にあると受けとめております。
 一方で、教育研修などによる授業改善の取り組みを意欲的に進めてきた結果、同時に行われた学習状況調査において、「授業の内容がわかる」、「授業の内容が将来役に立つと思う」と回答した割合が増加するなど、児童生徒の学習に対する意欲や姿勢に前向きな兆しも芽生えつつあります。
 県教育委員会といたしましては、学力向上対策を最重点課題の1つとして一層の充実に努めており、「動く!和歌山の教育の創造」と題した行動計画において、平成27年調査で全国平均を上回ることを目標に取り組みの強化を図っているところでございます。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 時間も迫ってまいりましたんで、どんどん行きます。
 仄聞するところ、19年度以降の成績で常に下位に低迷していた高知県が、教育長の首をかける、そういう覚悟を示して改善に取り組んだ結果、小学校6年で今回は大幅に改善し、高い評価を受けているようです。テレビの報道で知ったことですけども、沖縄県では秋田県に若手教師を派遣して教員の力の向上にも取り組んでいるようです。
 本県でもいいところは取り入れて、生徒の学力を向上させてほしいんですけども、取り組んでいただけますか。先ほどの27年度で全国平均を上回るだけではちょっとぬるいと思いますけども、よろしくお願いします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の高知県では、授業や家庭学習で活用できる教材の作成・配布、放課後を利用した補充学習の充実、学力調査の実施による授業改善などの取り組みを行っています。
 本県におきましても、これまで補充学習の徹底や学習教材の提供など、同様の学力向上対策を積極的に進めてきておりますが、今後も、成果を上げている高知県を初め、他府県等の取り組みの情報を収集し分析を行い、本県の取り組みの一層の充実に生かしてまいります。
 今後の学力向上対策につきましては、何よりも授業力を高めることが必要であることから、今年度から全ての小学校の教員や中学校数学科教員を対象とした研修を県内各地で始めています。さらに、12月には県独自の学習到達度調査を実施し、個々の児童生徒の課題を明らかにして、わからないところはわかるまでしっかりと教え、また活用力を伸ばす指導にも力を入れ、学力を確実に身につけさせるための手だてを講じてまいります。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 教育長の覚悟を聞きました。できたら高知みたいに「首をかける」と、これぐらい言うてほしいんですけども、そこはかけてください。生きる力でね。親はやっぱり学力向上さしてほしいんですよ。親の責任もありますけど、教える側の責任もあると思うんで、お願いします。
 それでは、最後の質問です。
 提供される県の資料を丹念に見ておりますと、起業家支援策としてスタートアップ・オフィスの入居者募集の資料がございました。海南市南赤坂にある和歌山リサーチラボの部屋を月4万円で貸して、3年のうちに成長することを支援する事業です。事務事業評価によれば、わかやまビジネススクエアや田辺の情報交流センターも含めて、入居者、卒業者の事業率70%を超えて順調に推移している、おおむね当初の目標を達成している、こういう評価でございました。
 産業高度化施設・和歌山リサーチラボを設置して、研究者、技術者の知的生産に適した環境を提供する海南インテリジェントパークを整備することで新産業を創出するのだとしてきて、毎年配当の利益まで出している和歌山リサーチラボを海南市役所に譲るとの動きがございます。海南市役所の資料を見ますと、5億円で建物を取得して2億5000万で土地を取得とあります。県の方針をお示しください。
○議長(山田正彦君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 株式会社和歌山リサーチラボは、地域産業の高度化、高付加価値化への支援、並びに海南インテリジェントパークの中核的施設として、立地する企業への支援を行うことを目的に、国、県、海南市、民間が出資し設立された第三セクターでございますが、所期の目的はおおむね達成できていると考えております。
 しかし、和歌山リサーチラボを取り巻く環境変化や会社の経営状況と今後の見通し、海南市の庁舎移転という公益目的を踏まえ、海南市から市議会の議決を経て、社屋を庁舎として活用したいという正式な申し出があれば、県としては、関係者の一定の理解が得られることを前提に、できる限り協力してまいりたいと考えております。
 また、和歌山リサーチラボは県有地に立地してございますが、海南市から取得の申し出があれば、適切な対応をしてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○議長(山田正彦君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 これ、通産省の政策で、仁坂さんらも関係したんやと思いますけど、海南インテリジェントパーク、すごい構想やったんですね。先ほど、藤山さんの質問にもありましたけど、徳島県では田舎でもインターネットが整うたら会社が来ると、こういうことやったんですね。和歌山県は用意してて、やってて、評価はええのに、どういうわけかもうひとつ、もうこの際やめてしもうて海南市に売ると、こういうことなんで、ちょっとちぐはぐなような感じがします。
 そういった点、申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(花田健吉君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、通告に従って、3項目にわたって一般質問をさせていただきます。
 その前に、台風18号で被災された皆さんに、心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、まず最初の1項目めです。和歌山地方税回収機構の問題についてお尋ねをいたします。
 和歌山地方税回収機構――以後、「機構」と呼ばせていただきます──は、市町村から徴収困難な滞納事案などが移管され、滞納整理を進めるものです。滞納者全員の財産調査を行い、約8割の滞納者に差し押さえなどの滞納処分を実施しています。
 この中で、「機構のやり方はむちゃくちゃや。血も涙もない」ということを聞くことがあります。私は、徴収に当たって行き過ぎの部分があるのではないかと思います。
 最近相談を受けた例ですが、47歳の男性Oさんは、某市に住所を置いたまま和歌山市に住み、働いていました。某市から何度か封書が来ましたが、勘違いをして余り気をとめずほっていました。そうすると機構から納税催告書が来たのでびっくりし、早速、機構に出向きました。県・市民税5年分の滞納になっており、本税約65万円、延滞金約25万円にもなっていました。毎月の給与から税金が引かれているものと思い込んでいましたが、所得税だけで、住民税が引かれていないことがわかりました。全く気がつかなかったようです。そして、大変反省して、機構には分割納入にさせてほしいと頼み込みました。このとき、私も同行しましたが、本人が合意しても立ち会いを認めてもらえませんでした。私は別室でずっと待たされたままで、お話を聞いていただくこともありませんでした。大変残念な思いをしています。Oさんは、機構の担当者に囲まれ、分割納入は認められないということで、「身内の人に相談してでも一括で払ってもらわんと」と言われました。その後、機構から職場に給料調査の文書が来ました。
 また、ある人は、給料が口座に振り込まれた途端、預貯金の金融財産として差し押さえが執行された方もあります。
 ある町のことですが、町の職員の引き継ぎの際、間違いから、機構に移管された後、滞納者が町に相談して納付することを約束していました。町が機構にその案件の返還を求めましたが、なかなか応じようとしないという例もありました。
 もう1つの例は、弁護士さんが債務整理を行っていた件です。抵当権がついた任意売却の話がありましたが、「不動産どおり100万円全額返さなければ差し押えは解除しない。嫌なら競売だ」と一歩も譲らず、結局、他の債権者が競売を行って処分され、機構には1円も入りませんでした。一旦差し押えすれば状況は勘案しない。これでは納税者をいじめるだけのことになってしまうのではないでしょうか。
 そこで、総務部長にお尋ねいたします。
 この機構は、どんな法律に基づき、どんな目的になっているのでしょうか。機構の概要、設立目的についてお答えください。
○副議長(花田健吉君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 総務部長市川靖之君。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 和歌山地方税回収機構は、市町村から徴収困難な滞納事案を引き受けて専門的に滞納処分を行う組織として、県内全市町村が構成団体となり、地方自治法第284条第2項に基づき、平成18年4月に設立された一部事務組合でございます。
 機構では、市町村において徴収困難な滞納事案等を引き受けて、徹底した滞納処分等を通じまして税負担の公平及び税収確保に努めるとともに、市町村職員への研修を通じて、市町村への滞納整理のノウハウの蓄積とスキルアップを図ることを目的としております。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、お伺いいたします。
 市町村から機構へは、どのような基準で移管しているのでしょうか。総務部長にお聞きいたします。
○副議長(花田健吉君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 市町村から和歌山地方税回収機構への移管事案につきましては、滞納税額が高額な事案や相続等権利関係が複雑で財産調査が十分に行えない事案等、市町村にとって整理困難な事案について、滞納額や滞納者の状況等を踏まえて市町村が選定しており、適切に移管されているものと認識しております。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に3番目ですが、機構に移管する前に市町村の段階において、納税者に対して電話や訪問などで相談に乗るなど、きめ細かい対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。総務部長、お答えください。
○副議長(花田健吉君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 市町村においては、滞納処分の厳正な実施だけでなく、個々の滞納者の状況に応じて納税緩和措置を講じるなど、適切に対応されているものと認識しておりますが、今後ともさらに適切に対応するように、職員研修等の支援、それから助言などを行ってまいります。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今、総務部長のほうから答弁をいただきました。「市町村においては、滞納処分の厳正な実施だけでなく、個々の滞納者の状況に応じて納税緩和措置を講じるなど、適切に対応されているものと認識している」というお答えでした。ということは、そういった対応を県としてはしているという、そういうことを考えているということで受けとめさせていただきました。
 続いて、4番目の質問をさせていただきます。
 機構として分割納付の相談に応じるなど、納税により生活が成り立たなくなる方へのきめ細かい対応が必要と考えます。
 先ほど申し上げた方の例でもそうでしたが、給料は、国税徴収法76条にある差し押さえ禁止額を除いて差し押さえられます。しかし、家賃や借金返済がある場合、実際はそれでは生活ができません。地方税法15条の7、徴収法153条には、生活を著しく窮迫させるおそれがあるときは、滞納処分の執行を停止することができるとあります。こうした事情で実際に生活保護水準以下に陥るような場合、滞納処分の停止などの措置が必要と考えますが、総務部長、いかがでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 総務部長。
  〔市川靖之君、登壇〕
○総務部長(市川靖之君) 分割納付につきましては、自主納付という形で滞納税額の一部を納付することはできますが、これは法に基づく猶予措置ではないため、法律上は、完納されるまでは財産調査や滞納処分は継続されることとなります。
 しかしながら、和歌山地方税回収機構においては、財産調査を通じまして滞納者の個別的、具体的な実情を踏まえた上で滞納処分を行うこととしており、生活困窮者と判明した場合などは、市町村に連絡し、市町村において滞納処分の停止など納税緩和措置を適切に講じているものと認識しております。
 県といたしましては、機構に対して、今後とも引き続き地方税の徴収事務を適正に執行するよう、支援、助言してまいります。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 生活困窮が考えられる場合は市町村に戻すということをしっかりやっていただきたいと思います。
 最後に、部長から答弁もいただきましたが、今までお話をさせていただいたような納めたくても納められない方への税の徴収のあり方について、知事のお考えをお聞かせください。
○副議長(花田健吉君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま奥村議員の御質問をいろいろお聞きしておりましたら、1つ欠けてるところがあるなあというふうに思うところがありました。それは何かというと、何でそんな前に税金払わなかったんだろうかということでございまして、それによって滞納がふえていったということですから、やっぱり市民の義務なんで、それは不当な課税をされてるんなら、それはそのときに必要な措置をとったらええと思いますけど、そうじゃなくて、本人の責めに負うべき過失によって発生しているならば、その過失を少なくするということも市民の義務ではないかというふうな感がしました。
 加えて、今度はそういうことが起こったときに、負担の公平の観点から、税金は必ず納めていただかなきゃいかんということでありまして、これの原則を余り理由もなく曲げますと、きちんと納付している大半の県民の皆様に説明がつかんということになるわけでございます。したがって、厳しくとも滞納処分は必要不可欠なものであると思います。
 しかし、総務部長が言いましたように、滞納者の生活を著しく窮迫させるおそれがあると客観的にちゃんと説明できるというときは滞納処分の執行を停止できることもありますし、また、例えば滞納者といっても、それは憎むべき人ではないわけですから、社会保障の救済を訴えるということをその方がやったときに、それは差別するというわけではないということも言えると思います。
 こういうふうに、滞納者の個別的な、あるいは具体的な実情を踏まえて、適切に対応されていると考えているところでございます。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 私は、質問として、やはり納税の前提には公正に税を納入するということは当然のことであるし、そういう立場で、本当に払えるのに払ってない人にはちゃんと公正に納税するようにということはもちろんなんです。私が質問して問題にしてるのは、やはり国税法とか法律に沿ってですが、そういったことで生活が本当にできない事態になる場合がある、そういったところで、納税して、しかも生活が成り立つということがやはり必要ではないかという、そういうことで質問をさせていただいたんですけど、最後に要望をさせていただきます。
 財産調査で、滞納者の個別的、具体的な実情を踏まえて生活困窮と判明した場合は、市町村において滞納処分の停止など、納税緩和措置を適切にしているという御答弁でした。適切というのは、実情に応じて、生活困窮に陥る場合は市町村に戻して滞納処分停止の措置をするということだと考えています。
 ぜひ県民に寄り添った行政を切に要望して、この問題についての質問を終わらせていただきます。
 次に、雇用問題について、2つ目の項目についてお尋ねいたします。
 皆さんのお手元に資料を配付させていただいています。ごらんいただきたいと思います。これは、毎月勤労統計調査によるもので、労働者の給与の月平均の動向です。常時5人以上の常用労働者を雇用する県内約540事業所の集計をしたもので、常用労働者とは、期間を決めずに、または1カ月を超える期間を決めて雇われている人ということで、一般労働者とパートタイム労働者に分けられています。この給与額は、一般とパートタイムを合計した平均であり、所定内給与と残業代など超過労働給与、夏季・年末賞与なども含めた額を月平均したものです。1997年から全国的にも労働者の給与が下がり続けてきましたが、グラフにあらわれているように県内の給与も下がり続けています。
 その中身を見ますと、一般労働者の給与も下がっていますが、パートタイム労働者比率が、2005年は26.5%だったのが2011年では32.3%に上がっており、このことで全体の平均給与が下がっています。この6年間で月3万4000円も減っているのですから、年収にすれば約40万円減ったことになります。
 また、ピーク時の1997年の同じ調査では月34万1819円でしたので、そこから約6万5000円、年収にすれば78万円も減っています。2012年就業構造基本調査によれば、和歌山県においても雇用者35万9200人のうち非正規雇用者は13万8200人と38.5%を占めており、2007年の前回調査の35.5%から3ポイント上昇しています。
 今、アベノミクスで景気は回復するかということが問題になっています。その中で、給料が上がらなければ冷え込んだ消費が回復しないし、景気回復もない、まず国民にその実感はないというのが共通した見方ではないでしょうか。
 これだけ、働く人の賃金が下がってきたのです。デフレ不況を打開するには、賃金を上げることなしにはできません。それは、正社員の賃上げとともに、この間、労働法制の規制緩和でふやしてきたパートタイムやアルバイト、派遣労働や期間社員という低賃金の非正規労働者を減らして正規雇用化すること、また、非正規労働者の賃金も底上げしていくことが求められています。そのためには、労働者派遣法の抜本改正、非正規雇用への不当な差別をなくし均等待遇を図る、最低賃金を引き上げる、こうした政治の力が必要だと考えます。
 県としても、雇用問題への取り組みが、県民所得をふやして県経済の振興を図る上で重要な課題となっていると思います。
 そこで、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
 和歌山県の非正規労働者の現状についてどのように認識されていますか、お答えください。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長藤本陽司君。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 企業における雇用形態については、従来の正規雇用に加え、アルバイトや最近増加してきた派遣労働、有期契約労働など、人材活用の面で多様化しており、全国と同様に本県においても非正規労働者の増加傾向が見られます。
 雇用形態が多様化したことにより、雇用総数の下げどまりなどに一定の効果があったものと考えますが、給与や雇用が安定しない非正規雇用の増加する雇用環境は、正規雇用を望む求職者にとっては厳しいものと認識しております。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 2番目は、とりわけ深刻な若者の雇用環境についてです。
 民主青年同盟やわかやまローカルユニオンの方が、ハローワーク前などで求職中の皆さんから雇用と暮らしの実態についてアンケートで聞き取り調査を行っています。私も一緒に話を聞かせていただきました。(資料を示す)これまで66人から回答を得ることができました。その中で、前職を離職した理由を項目ごとにグラフで示しています。
 この中で、その他というのが12人と一番高いんですが、それは聞き方にもよるかと思いますが、転職したいとかやりたいことがある、またキャリア・スキルアップしたい、そういった理由が含まれています。それ以外では、解雇が8人、退職勧奨が3人、一方的に契約更新終了された、延長を希望したが通らなかったなど、契約期間終了が3人、合わせると20%がこうして離職を余儀なくされており、デフレ不況が労働者を直撃いたしております。
 また、結婚、出産が10人となっています。そのうち、ほとんどの人が働き続けることを望んでいましたが、出産して働き続けようと思うともう一度面接から受け直さないとだめだったなど、前の職場では結婚、出産で働き続けられる条件がなく、離職を余儀なくされていることがわかりました。
 賃金、残業代の未払いや長時間労働という劣悪な労働条件のため、働き続けることができないと答えた人も20%いました。
 介護職員だった方は、「昼3時30分から翌朝9時30分まで18時間勤務。1人のときもあった。サービス残業が多かった。介護はやりがいのある仕事だと思うが、続けられなかった」と話しました。「前の職場で鬱になる人をたくさん見てきた。そこまでして働かないといけないのかと思う」、20代の方が答えてくれました。過酷な長時間労働の実態があります。また、パワハラ、セクハラがあったと答えた人も3人いました。
 前の職場の年収では、100万円未満が15%、200万円未満と合わせれば46%、半数近くの人が働く貧困層と言われています。200万円以下の収入しかありませんでした。そして、皆さんが切実に訴えていたのが、何とか正社員になりたいということでした。デフレ不況対策とは、こうした県民の深刻な状況を解決するものでなければならないと痛感をしました。
 アンケートであらわれているのは、正社員が減らされる一方で、サービス残業や長時間労働が横行している実態、働いても低賃金です。若者が安定した雇用につき、人間らしく生活し働くことは、日本の将来、県経済のこれからにとっても非常に大事なことです。
 そこで、県独自の若者の雇用促進対策でどういった取り組みをされているのか、商工観光労働部長にお尋ねいたします。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 若者の雇用促進対策についてお答えします。
 まず、和歌山市ぶらくり丁内に若年者就職支援センター「ジョブカフェわかやま」を設置し、個別カウンセリングや就職セミナー等を実施しているところです。併設の若者向けハローワークとともに、就職相談から職業紹介、定着支援までの一連の支援を行い、平成24年度実績では656人の若者を就職に結びつけています。
 そのほか、本県出身大学生のUターン就職を支援するために、県内企業の採用情報を収集し、近畿圏の大学を初め大阪等で開催するUターン就職セミナーで学生に情報提供するとともに、県内各地などで企業面談会を実施しております。
 また、県内5つの工業高校において、県内企業の協力を得て熟練技能者による技術指導や、生徒、教員による企業現場の体験などを通じて、物づくり人材の育成に取り組んでいるところです。
 県としましては、引き続き、こうした取り組みにより若者の就業支援を進めてまいります。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 次に、先ほど挙げたような解雇や一方的な契約終了、また過酷な労働条件などについて、労働者が相談できるところが必要です。県の労働相談にも、こうした問題が持ち込まれていますか。その状況はどうなっているでしょうか。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 県の労働相談では、専門の相談員が労働条件や職場の人間関係など、労使間のトラブルで困っている方からの相談を受け付けております。
 相談内容としましては、労働条件が50%、職場の人間関係が10%、福利厚生が10%程度となってございます。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 これは要望をさせていただきたいんですが、県の労働相談で違法な解雇やサービス残業などの相談が寄せられた場合、労働監督署につなげる支援をするべきだと考えています。この点では、ぜひ県民の立場に立った労働相談を進めていただきたいなと思います。
 4番目に、引き続いて質問させていただきます。
 さらに過酷な労働環境や極端な長時間労働、高い離職率など、いわゆるブラック企業が社会問題化してきています。こうした企業では人材の使い捨てが行われていて、これは重大な問題だと考えます。
 いわゆるブラック企業に対して、県は何か取り組みを考えられていますか、お答えください。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 国では、過重労働や賃金不払い残業などにより、若者の使い捨てが疑われる企業等の実態を把握するため、9月1日に全国一斉の無料電話相談を実施した結果を受け、9月を集中監督月間に指定して、労働基準法など関係法令違反が疑われる企業への立入調査を予定しているとのことです。
 県では、和歌山労働局からの依頼を受け、無料電話相談の実施について周知広報を行うとともに、県の労働相談室でも各種相談を受け付け、国の窓口を紹介するなど、適切な指導助言を行っているところでございます。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 県も労働局と連携して、このブラック企業の実態をつかんで、なくしていくように、ぜひ取り組んでいただきたいと思います。これは要望させていただきます。
 この問題の最後に、これまで御紹介してきたとおり、非正規雇用の増加、低賃金、長時間労働、職場でのいじめ、嫌がらせなど、若者を取り巻く労働環境は大変厳しい状況です。こうした現状を少しでも改善するためには、労働関係法規の内容や国の各種助成制度を広く周知していくことが大切だと思います。特に中小企業の賃金引き上げへの国補助金、中小企業最低賃金引上げ支援対策費補助金は、広く事業者に知らせて活用を支援すべきだと思います。
 それから、アンケートの回答にもありましたが、結婚、出産しても働き続けられる環境づくりが必要です。育児・介護休業法に基づき子育てしながら働けるよう、例えば県の男女共同参画基本計画では、企業での育児休業制度の整備率を2010年度末は66.4%だったが、2016年度には80%にするという目標値を決めています。2010年の労働条件等実態調査報告書では、育児休業が適用されているのは一般労働者では75.9%ですが、パートタイム労働者では42.3%となっています。
 この制度を事業者に広げることに取り組むということですから、パートタイム労働者も含めて適用されるよう取り組みを強めていただきたいと思います。この分野でも育児休業取得への国の支援事業と助成金があると思いますので、こうした制度も周知してください。
 また、病院に「働きながらお母さんになるあなたへ」というパンフレットを置くというような点も、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
 この点での県の取り組みをお尋ねいたします。
○副議長(花田健吉君) 商工観光労働部長。
  〔藤本陽司君、登壇〕
○商工観光労働部長(藤本陽司君) 従来から県のホームページや「県民の友」などの広報媒体を通じて、国が実施する労働関係法の説明会や各種助成金の活用促進に向けた周知広報を行うとともに、県の労働セミナーでの講習や、県職員の企業訪問時における情報提供などを行っているところでございます。
 今後も、関係機関との連携を図りながら、労働関係法令の遵守を広く呼びかけ、良好な労働条件の確保に取り組んでまいります。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 この雇用の問題は非常に多岐多様な課題の問題であると思いますし、商工観光労働部だけではなかなか解決つかないという問題もあるかと思います。これは、若者の雇用だけでなくて、やはり全体の雇用がよくなるように県挙げて取り組んでいただきたい。また、非正規雇用が正規雇用に拡大できるような取り組みをぜひよろしくお願いしたいと思います。これは要望して、この質問は終わらせていただきます。
 次、3項目めです。県の体力開発センターの存続についてお尋ねいたします。教育長にお尋ねさせていただきます。
 今議会に、県体力開発センター──以下「センター」と呼ばせていただきます──このセンターの設置及び管理条例を廃止という提案がされています。センターは、これまで多くの県民の皆さんに利用されてきました。昨年度の利用者数は延べ12万1741人でした。利用者の方々から知事宛てに、センターの存続を求める要望書が1万5000筆以上届けられているとお聞きしています。私と同世代の周りの人からも、残念、寂しいという声が上がっています。
 私たち日本共産党県議団は、先日、センターと新しくオープンした秋葉山公園県民水泳場の視察に行ってまいりました。センターでは、ちょうど視察させていただいた時間帯が幼児と児童の体操・水泳教室であったので、大変活気に満ちていました。プールの観覧席では、お母さん方がずらっと横並びに座り、子供の泳ぐ姿を見守っていました。また、ロビーではプールの映像が流れ、画面を見ながらお母さんたちが楽しそうにお話をされていました。ロビーは、お母さん方の交流の場にもなっています。幼児の体操教室では、オリンピック選手の田中3きょうだいのお母さんが指導に当たり、子供たちの飛び切りの笑顔が印象的でした。
 また、3人の子供を育てているあるお母さんは、子供が小さいころからセンターを利用し、難しい思春期を教室だけでなく職員さんの励ましなどで乗り越えられてきたこと、またPTAの機関紙に子供に尊敬する人ということを尋ねる企画があり、そこに子供が「センターの先生」と答えていることなど、とても子育ての上でも心強かったことを語ってくれました。跳び箱を跳べるようになって自信がつき、学校も楽しく行けるようになったこと、水泳も体操も利用できるので、2人目、3人目の子供があっても喜んで利用できると言われました。
 あるお母さんは、高齢の方も利用され、和歌山駅に近いので近隣のまちからも通っている人もいて、何よりもいろんな世代の年代の人との交流もでき、利用しやすい料金も大変魅力的と話してくれました。
 そこで、教育長に4点についてお尋ねいたします。
 これまでのセンターの活動と役割をどのように考えていらっしゃるでしょうか。
 2つ目に、利用者や関係者の皆さんからのセンター存続の要望をどのように受けとめておられますか。
 3つ目に、県下においても、身近で誰もがスポーツに親しむための施設は重要です。今まで御紹介してきた皆さんの声として、センターはなくてはならないものとして必要であると考えますが、いかがでしょうか。
 最後に4番目に、センターに隣接する県立体育館も含めて地域スポーツの振興の拠点にするお考えはありませんか。
 以上、4点についてお尋ねいたします。
○副議長(花田健吉君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県体力開発センターにかかわって4点の御質問にお答えいたします。
 第1点目ですが、この体力開発センターの活動と役割についてでございますけれども、体力開発センターというのは、昭和50年1月に供用が開始されて以降、水泳教室や体操教室を初めとする各種スポーツ教室を開催し、県民の健康と体力づくりに寄与するとともに、長年にわたり、誰もが気軽にスポーツや体力づくりを楽しめる施設としての役割を果たしてきたと認識いたしております。
 2点目ですが、存続の要望についてでございます。
 体力開発センターの存続の要望につきましては、当センター利用者の有志で構成される会や地元自治会からも要望書が提出されており、こうした県民の方々の同センターへの思いについては非常に重く受けとめております。
 しかしながら、体力開発センターは、設備の老朽化や耐震基準を満たしていないこと、また、同等機能を有する秋葉山公園県民水泳場が今月1日に供用を開始したことから、今年度末をもって廃止する条例を今議会に上程をしているところでございます。
 3点目ですが、誰もがスポーツに親しむための施設としても必要ではないかということでございますが、体力開発センターは廃止することといたしておりますけども、誰もがスポーツに親しむための施設の必要性は十分認識しており、これまで当センターが担ってきた役割につきましては、新しく機能が充実している秋葉山公園県民水泳場や県立体育館等で対応していきたいと考えております。
 4点目でございますが、体力開発センターや県立体育館を含めて地域スポーツの振興の拠点についてはどうかということでございますが、体力開発センターにかわるものとして、先ほど申し上げましたけども、新しい秋葉山公園県民水泳場を有効に活用するとともに、県立体育館は平成27年開催の紀の国わかやま国体における体操、柔道、バスケットボール競技の練習会場であり、また紀の国わかやま大会でも卓球、バレー競技の会場となっていることから、両大会に備えて活用してまいります。
 さらに、国体終了後につきましても、引き続き県立体育館を地域スポーツ振興の拠点として活用していきたいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 施設の必要性を十分認識しているということで、誰もがスポーツに親しむための施設ということでおっしゃってくださいました。
 この当センターが担ってきた役割について、新しい県営プールと県立体育館が対応するということですが、具体的にどのような対応を考えられているのか、御説明をお願いします。
○副議長(花田健吉君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 具体的には、これまで体力開発センターで行っていた水泳教室につきましては、既に秋葉山公園県民水泳場で開設が予定をされております。また、先ほど御紹介にあった体操教室などにつきましては、県立体育館やビッグホエールなどで実施できるよう取り組んでまいります。
○副議長(花田健吉君) 奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 今の体力開発センター存続は無理やということでの答弁だったんですが、非常に残念なことだなあと思います。
 最後に、要望をさせていただきます。
 センターについては、地元自治会からも存続の要望が提出されているということからも、センターが開設から38年余りで、地域の中にスポーツに親しむ施設として根づいてきたと思います。
 平成23年度社会教育調査によると、県内の屋内プールの設置数は全国平均34カ所を大きく下回って9カ所しかありません。これは、全国最下位の数ではないでしょうか。本来ならこうしたセンターは、私は県下に広げていくという考え方が大事だと思うんです。発展させていく方向で検討すべきところが――今、提案なんで決まったわけではありませんが――そういったことが提案されるということは、非常に残念なことです。秋葉山公園に県民水泳場が新しくオープンしたからよいというものでは、私はないと思います。耐震化など必要な改修をして存続、充実させることを要望して、私の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 それでは、議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入らしていただきます。
 その前に、今朝来から議員の皆さん方からも御発言がありましたが、昨日、そしてまた一昨日の台風18号が、和歌山県沖合を通ってああした大きな暴風となりました。このことで被害を受けられました皆さん方に、この場をおかりいたしまして心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
 それから、もう1点です。ちょっとこれは当局の皆さんにお礼を申し上げときたい、そう思いました。
 昨日になりますか、朝の2時25分、警報が出ていましたので、ずっと起きて待機をしておりましたところ、日置川が危険水位を突破した、もう洪水の一歩手前と、こういう事態になりました。それで、恐らくもうあと20~30分もああした豪雨が続いておれば、また2年前のああした災害に近い被害が起こったんじゃないかと。かなり広範囲のところで、日置川の広範囲のところで危険水位を突破した状態になっておりました。
 間一髪で助かったわけですけれども、それでも下流のほうの田野井という地域があるんですが、そこではやはり外の日置川の水位のほうが高くて、水門をつくってもらったわけですが、高くて、中で内水面のほうの水位が上がってきて、田畑が10ヘクタール前後水没してある状態にありましたが、今度は住宅のところまで行く一歩手前で──実はここからお礼の話なんです。ことしの春に移動式の排水ポンプをお願いしておりましたところ、設置をいただいて、たしかあれ、3月ごろに現場で排水ポンプの実施演習をお願い申し上げまして、やっていただきました。このことが効果がありまして、田辺のほうに保管していただいてるわけですけれども、移動式ですので、そのポンプ車を夜中に、朝方に持ってきていただいて、排水作業に入りました。おかげさまで、そういうことがありまして、日置川地域ほぼ全域で、床上あるいは床下の冠水になるという事態が防げたんじゃないかなと、そう思います。
 そういった意味で、ひとつ御礼を申し上げておきたいと思います。ありがとうございました。
 それでは、一般質問に入らしていただきます。
 今回、4点の一般質問の項目を当局のほうに提示をさしていただいています。
 まず、1点目です。
 今、全国の市町村が観光産業の振興をうたい、全国の観光地は農業でいう産地間競争のような様態となり、過去の時代に経験したことがない生き残りをかけた戦いが続いています。
 まず、白浜温泉のその現状と課題を1~2点簡単にお話しすれば、労働集約的産業である「旅の宿」的な旅館の人件費などの経費はそのままなのに対して、1人当たり宿泊単価が下降線をたどっているため、損益分岐点が赤字基調となっている。
 2点目として、自然環境としての見せ場は、テレビジョン映像や写真等の紹介により、多くの国民は、行ったことはないけれども既に疑似体験をしている、そんな時代に入っておりまして、過去の時代のような初めて遭遇したときのような感動は弱い、そういう時代に入ったと思います。したがって、最近は海水浴やパンダを見に来るなど、目的を持った遊びに移っていっているように感じています。
 さらに、長引く不景気により、税法等の改正もあり、最盛期には100数十軒もあった寮や保養所も一部の施設を残してほとんど閉鎖あるいは解体撤去されてしまい、たくさんの人々の職場が消失してしまいました。こうした負のスパイラルがとまらず、旧温泉街地区の人口は激減し、空きアパートや空き店舗ばかりが目につく現況であります。
 その上、外資とも言われる町外の資本が経営にあえいでいる旅館やホテルを安値で買い取り、安い宿泊料を売りにした経営を始めています。そうした経営手法が、数え切れないほどあった民宿の経営を大きく圧迫させ、年月の経過とともに民宿の経営は立ち行かなくなり、多くの民宿が閉めざるを得なくなってしまったのが現状でございます。
 白浜温泉の来泉客数は、県当局を初め関係者の皆さんの御尽力により、ここ10数年、実数としては現状を維持していますが、前述のように白浜温泉の経済や経営実態の中身は大きく変わってしまいました。いわゆるストロー現象です。そんな中でも、町民は生き延びていかなければなりません。70歳半ばの年齢の方々でも元気なら働かしてもらえるなど、地域の総合産業とも言われ、地域の雇用を守ってくれているのが旅館なのです。白浜と周辺地域で生活を続ける人々にとっても、この産業が大変重要で必要なものでございます。
 そんな中、今回の法改正です。重立った経営者にお伺いしますと、「どんな好条件の提示であっても、融資を受けて使ったお金は返さなければなりません」、しかし、「過去の負債を持った上に新たな投資をしたお金を返済する力が出てこない」と言います。また、ある経営者は、「2年後に経営が行き詰まると思います」とも言います。このままの法の施行は、観光白浜に大きなダメージを与えることが透けて見えてきます。法改正で取り組まなければならないこと、取り組むことの重要性は皆さんわかっているのですが。
 資源の少ない紀南地方で新しい事業を起こすことは、今日においては大変難しいことです。視点を変えると、元気であれば高齢者やゆえある人々でも快く雇用してくれる白浜の旅館は、いわば就職先としての福祉事業をしていただいているようなものだと私は思います。
 働く場が少ない紀南地域の住民の職場を守るためにも、もう一ひねり、もっと優しい施策の用意はできないものでしょうか。補助金だけでなく、他の支援策についても何か手だてはできないでしょうか。県土整備部長からの御答弁をお願いしたいと思います。
○副議長(花田健吉君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県では、耐震改修促進法の改正に伴い耐震診断が義務化された施設のうち、避難所に位置づけられる施設や災害時に避難弱者が存在する施設について緊急に安全性を高めていく必要があると考えており、それらの施設に対して、国の耐震対策緊急促進事業を活用しながら支援してまいります。
 また、事業者負担につきましては、国、県の補助を合わせた補助制度だけでなく、県融資制度の安全・安心推進資金を最優遇に拡充することとしており、補助制度と融資制度の両面で支援してまいります。
 さらに、耐震相談窓口を設置し、個々の施設に適した耐震改修工法や総合的な観点からコストダウンにつながる手法の情報提供など、個別の事情に応じた技術的支援を行ってまいります。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 コストダウンにつながるそうした情報提供をいただけるということです。
 それから、今回ここで発言をさしていただくということで、町内の施設の方々にいろいろ話を伺ってまいりました。何とかこの局面を打開して、紀南の重要な産業である観光産業がこれからも存在し続けていただいて地域の雇用を守っていただきたいと、そういう視点でいろいろ話を確認してまいりました。そのときのやりとりの言葉の一端だけ御紹介をさせていただいて要望させていただきたいと思います。ちょっと愚痴的な話にもなりますが、声ということで聞いていただいたらと思います。
 ある人は、建設時にその当時の建築確認の許可をもらってやった。その当時、「これで結構です」と。建築確認を申請して許可をして──建築当時の確認の、当時の国の法律の基準ですよね──それに従うてやってきた。時代が変わってこうした事態になってるというのは、ちょっと解せんといえば解せんと、そんな言葉がありました。
 それから、何で3年で公表かと。その時間が短いんじゃないかと、そういう思いだと思います。何とかこの局面を生き延びろ、改善策を模索していこうと、そういうことを思いながらですけれども、「3年って短いよな」、そんな話でもありました。
 それから、どうやら、東京都の話が出まして、耐震診断料、東京都は全額都が持っているらしいんです。申しわけありません、これ、きのうの情報ですので、私自身の目と耳で確認したわけではありませんが、東京都は財源的にもよその県に財源を譲れるぐらいの余力のある都ですので、そことの比較とはなかなかいかないと思いますけれども、また、ただ一方、事業者自体は東京都にあろうが地方にあろうが、同じ環境の中で競争を強いられてると、そういう側面で考えたときに「東京都は全額出してくれるという話になってるよなあ」と、こんな話でありました。
 それから、先ほどのコストダウンにつながる手法の話ですけれども、例えば補助金をいつ出していただけるやろかと。建築に入ったときに、地元の施設は26.6%の自己負担だけれども、あとの金額は国・県の補助をいただいて改修工事をすると。その補助なんですが、正直なところ26~27%になる。総額1億円でしたら2660万ですよね。先に要る金がなかなか用意できやん。補助金を出していただくけれども、でき上がったものに対して補助の給付になっているので、これ何とか改善策を講じてもらえんだろうか。無理なことはわかりながらの発言ですのでお許しをいただきたいと思います。そんな言葉がありました。
 それから、あと心配事としては、どうしても改修工事の期間は減収になってしまう。減収になるというのは何で、経営しながらしてもうたらええのにと、そう思うわけですけども、どうしても入り口周辺、いろんなところに柱や何かと大きなそういう造作をするための工事が入っているので、観光産業というのは見た目が物すごく重要な側面もあって、それが、そういう重機やとか機械が長期間にわたって稼働してる状態の中で、お客様が安心して泊まっていただけるんやろかと、そんなことであります。
 それから、恐らくそれ以外にも休館という日にちをとらなければならないことが相当あることが想定されると。休館しましたら、その間は本当にお客さんを入れるわけにいかないので、入れてない状態が休館ですので、それなりに大きな減収になるだろうと。そんな心配であったりとか、いろいろそんなお話がありました。
 それから、もう1点です。これもまた要望にさせていただこうと思いますが、数日前、「日本経済新聞」に載ったらしいですが、国は固定資産税の減免を考えていることが報じられていたと、こういうことを訴えられまして、こうした考え方も可能ならば一考していただけんやろかと、そんな話でした。ただ、固定資産税自体は地方の市町村の税収になってきますので、これを減免するとなると、また大幅にいろんな多方面に検討しなきゃならん問題があるんじゃないかなと、そんなことは私のほうからも開示をさしてもらったんですが、いずれにいたしましても、そうしたことも検討していただけるようだったら考えていただけないかと、こういうことがあります。
 最後にですが、そしたら、これ全体を、法律ですので、受け入れていかざるを得ない。このことに対して、ほかに、あなたの施設あるいはお客さん対応の中で支援策で、現場の皆さん方から、お金の多寡はさておいて、じゃ、こんなことにならないかという話があれば聞いておきたいと、こう言いましたところ、最近は支援策も考えていただけるようだったら一例としてこの場で発言をお願いしたいと、こう言われております。
 海外のお客さんが多うなりまして、それで各部屋にコンピューターを設置していると。このコンピューターを設置するには配線を各部屋につけていかなきゃならんと。このこと自体もなかなかできていなくて、我々も東京あたりのホテルに泊まりまして、各部屋にコンピューターにアクセスできるような線をつくっていただいてるんで、このことやなというふうに確認をして聞いたんですが、例えばですが、そうしたことの支援策というのはできんもんだろうかと、そんなふうなことの申し出がありましたので、この場でお聞きいただいて、今お話しさしていただいたようなことの中で、何かこちらの当局のほうで前向きに取り組んでいただける案件があればお願いしたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、2点目に入らしていただきます。
 2点目は、県当局から、今取り組みをいただいています、白浜町内に建設が進んでおりますフラワーライン線のことであります。
 フラワーライン線の提案が県当局から白浜町に提示されてから、はやもう17年余りが経過いたしました。当時、きれいに圃場整備をされた完成間なしの富田平野の農業振興地域の真ん中を通過するという県からの提案に、一時は賛否両論もありましたが、年月の経過とともに地域住民の方々も、県、そして町の発展のため協力的な姿勢で対応をしていただいてまいりました。
 その後、2巡目の和歌山国体の開催が決まり、高速道路や関連する施設なども「国体までに完成」という合い言葉のもと進められるようになってまいりました。当然、フラワーラインも2年後には供用開始となることと考えていました。
 先日も、当時白浜町議会議員を務めておられましたお2人が見えられて、「高速のインターができたとき、そのまま白浜空港まで行くとなっていた」、「高速と同じ条件の道をつくるとなっていた」、「約束どおりしてほしい」、「南紀を浮上するのに核となるものが南紀白浜空港以外ありますか」、「その空港と高速道路がつながってなくてどうするのですか」、「国体で全国より和歌山に来るのに空港へのアクセスがこれでは」などなど、ほかにももっともっと厳しい言葉をいただきました。地元の皆さんの願いは、一日も早い空港までのフラワーライン線の完成でございます。
 なお、この案件につきましては、大江元参議院議員ほか大勢の皆さんから、それぞれのお立場の中で御尽力をいただいてまいりましたことをも、あわせて御報告させていただきまして、政治家仁坂知事の御所見を改めてお伺いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 何か、質問のときに「政治家仁坂」と言われましたが、いつも選挙で選ばれた知事として行動しております。
 議員から、つながっていないとどうするのだというのが基本でございます。これは、近畿自動車道の紀勢線が白浜までずっと来る、それで白浜インターチェンジができると、そうすると南紀白浜空港を結んで、それで現在でも渋滞してるわけですけれども、白浜の温泉街なんかと、いい道でつなぎたいということで、周辺地域の産業、経済の発展に欠くことのできない重要な路線であるし、防災上も意味があるなあということで、もともと重点的に整備しようと思っているところでございます。
 ただし、いろいろ工事の進捗とか、それから既存の道もあるもんですから、コストを縮減しようというような意図もあって、いっとき、現存の道を大いに使うような、ちょっと北回りの道といいますか、そういう形にしてはどうかということを我々も考えまして、それでよろしいと白浜町とか町議会の全員協議会の同意を得たので、それでいこうということで準備をしておりましたら、地元の──地元というのはどうもよくわからないんですが──地元の方々が反対ということで、一旦同意された白浜町から、あれは撤回と、もう一回考え直してくれというような話がありまして、それではと、結構時間がかかったんですが、いろいろ議論をして、それで現在の計画を立てているところでございます。
 少し時間を空費したというところもあって、それから国体に間に合わせないかんということもありますので、もとの計画を尊重しながらも、少し現道を最後のところは使わしてもらって、それで現在の計画ができてるところです。
 これで、改めて白浜町の全員協議会を経て、町当局もこれでよろしいということで、よかったよかったと思って、それでさっさとやらないかんというふうに思っておりましたら、最近になって、やっぱりあれはいかんということになって、どういうことだというふうに私なんかは当惑をしているところでございます。
 現在の計画は、近畿自動車道紀勢線の仮称・白浜インターチェンジから才野ランプまでの間を同時期に供用させるということで、その後、少し現道も通るということで、県道の栄岩崎線とか白浜町道を利用して南紀白浜空港までのアクセス時間の短縮を図ると、まあその辺は割と道がいいもんですから、そういうふうにしようというふうに思っているわけです。
 ただ、先ほどもお話がありましたように各方面からいろいろ要望もあって、過大なことを言ってはいけませんので、今の計画をちゃんと完成さして、国体には支障ないようにきちんとしながら次のステップとして、それじゃ考えましょうというふうに今お答えしてるとこでございまして、できるだけバイパスとしての全体が完成できるように──国体のときにいろいろいじり回していたらかえって邪魔になりますけども、それが済みましたら速やかに完成できるように努力したいと、そんなふうに思っております。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 知事のほうから、そういうお話でした。
 二転三転したような経過があったことは事実でして、ちょっと残念だなと、正直なところ思います。地元の考え方が一枚岩になってて、不退転の覚悟で臨める体制が整っておれば、知事からああいう言葉をいただかんで済むのになあと思いながら聞いた次第であります。
 もう一度、ちょっと復習をさせていただいたら、でも本当に年月かかってるんです。平成8年に、私もちょうど町議会議員1期目の後半でして、すばらしい提案を町議会の部屋に――そうですね、5メートルぐらいの長い法線のそういう図面をいただいて、皆さんで食い入るように見たことを覚えています。なかなか我々の地域にそうした大きなプロジェクトの事業があるというのは、そうそうあることでもありませんので、先ほどお話しさせていただきましたが、「圃場整備終わったとこやけどな、あの道の真ん中、あのぴかぴかに光ってる田んぼの中行くんかい」という話もありましたけども、トータルで考えて、白浜町、そしてまた県土の発展のために、地主の皆さん方がほどなくして、大勢の皆さん方から御了解をいただき、今日の日を迎えたわけですが、それにしても17年経過いたしました。で、あと国体までというのが、実は2年ですので19年です。それから、今、知事の御答弁でしたら、あと1年ぐらいでやってもらえるんかしらんということで思ってるんですけど、日にちがわからん状態です。こんな状態です。
 本当にないもんねだりみたいな話になってるようでもあるんですが、ぜひ地域の振興に大いに──これが完成時には白浜の町の皆さんこぞって頑張っていきたいと、こういう覚悟でもございますので、ぜひ一日も早くこれが完成にお力添えをいただけますよう要望させていただきまして、次の質問に移らしていただきます。
 それでは、通告の3つ目です。地籍事業についてお伺いをいたします。
 この案件については総務委員会でも私も少し触れていますので、再度執行部の御所見をお願いいたします。
 こうさしていただくのは、私も含めてなんですが、この地籍事業の重要性という側面から見たときに、案外当局の皆さん方でも担当の部署が違うたらなかなかわかっていただいてないところがあるんと違うかな。それは何か責める話でもありませんで、市町村に下りましてもやっぱりそういう傾向がすごく強くて、それはちょっと置いといて、それ以外にちょっと急ぐやつを先に予算化しようないかと、どうしてもこういう傾向にあることは、その現場にもおりましたので、よくわかっていますので。そういった意味で、ぜひまたここで私も学習もしながら、このことをお聞きいただきたいと思います。
 あの東日本大震災とそれに伴う津波で三陸地方全体が大変な被害を受け、特に海岸沿いのまちは大被害を受けたことは、記憶に新しいところでございます。
 その後、ぶち壊された住宅や立ち木、自動車などのたくさんの資産や資源が瓦れきとなりました。直ちに、自衛隊やボランティア、そして大勢の皆さん方の御協力によりまして、御支援によって復旧作業に入り、まず幹線道路などインフラの回復が優先され、瓦れきの撤去も進みましたが、せっかく回復した道路が1年余り使用できなかった箇所が多々あったとお伺いしているところです。それは、地籍作業ができていなかったため官民境界がわからず、使用できなかったんです。
 これは、県のほうからもいただいています「和歌山県の地籍調査」(資料を示す)、この本の中にもそのようなことが書かれておりまして、そのほかにも経済新聞であったりとか、昨年でしたらいろいろそうした、日経新聞、国交省あたりからもそういうふうなシグナルが出ていますので、これ、周知のとおりだと思います。
 戦後、国策として進められてきた地籍作業の完成度の高い県は、沖縄県の――47都道府県で完成度の高いところは沖縄県の99%。こういう県があります。和歌山県の進捗率は、ちなみに平均で32%となっており、低いほうの県となっております。
 地籍調査が進んでいないと産業の振興に悪影響を与えることは、皆さん御存じのとおりです。道1つつくる場合でも、未実施地域は、まず膨大な時間のかかる地籍作業から入らなければなりません。この関係の業界の皆さんに聞くと、おおむね3年から4年。そこに何かしたいと、まずは地籍ができていなければ3年から4年、そのことだけでとまってしまうわけですね。直ちに事業に入ることができん。このことがあるからなんです。
 「国家百年の大計」という言葉がありますが、和歌山県の発展に欠かせない地籍作業は目で確認できるような物的な事業ではありませんが、県土の発展のため、そして次の世代のためにも我々の世代でやり終えておく必要があると私は考えています。企画部長からの御答弁をお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 地籍調査につきましては、市町村主体の事業でありますが、迅速な災害復旧や円滑な公共事業の実施に不可欠であることから、県としても連携して取り組んでおります。
 東日本大震災の復旧・復興作業において地籍調査の重要性が改めて認識され、本県も津波浸水被害が想定されることから、地籍調査の早期実施が重要な課題となっております。
 本県では、平成23年9月に県独自の津波浸水区域における地籍調査事業5箇年計画を策定しまして、関係市町と連携を図り、津波浸水予想区域の地籍調査を優先的に進めており、平成27年度までの5カ年で進捗率を54%に引き上げる計画となっております。
 また、現在、各市町村で南海トラフの巨大地震を想定した津波ハザードマップの見直しを行っているところであり、変更後、速やかに5カ年計画も見直すことにしており、その際に調査区域のさらなる前倒し、追加が行えるよう、関係市町と協議してまいります。
 公共事業の実施予定区域や津波被害の想定区域の調査を推進するとともに、事業進捗に応じた確実な予算の確保に取り組むなど、今後とも事業主体である市町村と連携を図り、できる限り早期に完成できるよう、さらに積極的に推進してまいります。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 5カ年で54%程度に引き上げる計画となってるというふうなことから含め、前向きな御答弁をいただきましたが、ちょっとここで、ほかの国がどうなっているかというあたりのところ、そんなにたくさんの国のことを調査したわけでないんですが、我々日本に一番近いと言われてる国の韓国なんですが、韓国は地籍の進捗率は100%らしいです。100%。このデータをもろうて、さすがやなあと思いました。韓国は、やっぱり同じように小さな国で、人口密度が恐らくすごく高い。日本より高くて、そういう限られた国土を有効に活用していこうとすれば、やはり地籍というものの重要性は我々以上に認識があったんじゃないかなと思います。
 ただ、韓国の場合は、かなり以前にそれが完成しているということからもあわせ考えて、精密度の度合いというのは今のGPSや何かを使った時代ではなくて少し前の時代だというので、そういう少しのぶれはあるんかもわかりません。かもわかりませんが、でも100%の、全ての国土の地籍作業を終えてると、すごいと私は思いました。
 それから、実はこの進捗率をいろいろ調べてみたんですよ。和歌山県内のことですけど、何と自治体で進捗率0.7%。昨年のデータです。0.7%というたら1%行ってないんです。1%行ってない。それから、3%、3.6%、5.2%、7.5%、7.4%、7.9%、それから8.6%とか、軒並みこんな自治体があるわけですよ。その自治体が、先ほど部長から答弁いただきましたような数字まで上げていこうとすれば5年ぐらいで行くんかなと、60何年かかってこの状態であるのに5年ほどでそんなに行くやろうかと、ちょっと素人の心配をいたしました。
 ここで、ちょっとお尋ねをしたいと思います。
 今のお話も聞いていただいた上で、地籍事業がこうして和歌山県内で進まなかった──おくれたという表現でええんかどうか、進まなかった原因をどのように捉えられておられるかというあたりのところをひとつ御質問したいと思います。
○副議長(花田健吉君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 地籍調査事業が進まなかった理由ということでございますけれども、先ほど議員の質問のところにもありましたけれども、総じて私ども県や、それから県内の市町村が、この地籍調査に対して理解や関心が低かったと考えております。
 実は、着手時期が物すごく遅かったということでございまして、平成元年時点で全国の着手率というのが64.5%あったんですけれども、県内の30市町村においては8市町村だけでした。その時分は県内50市町村ありましたので、10市町村が着手していたということになります。
 そういうことが原因かと思っておりますけれども、そのおくれを取り戻すということで、実は平成15年から全国で1位の事業費を確保して、それを取り返そうということで頑張っているという状況でございます。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 部長から、自治体の意識の問題というか、そういったお話をいただきました。それは、私もそのとおりだというふうに思うんです。思います。その立場におったとき、なかなか地籍に対する地方自治体の職員の意識というのもやっぱり弱かったなあと思うんです。過去の時代のことは、もうやむを得んです。そういう実態がわかったわけですから、0.7%なんていうのは、失礼ですけど、ほとんどしてなかったに近いと思うんです。
 これからですが、そんな中でも、例えば一昨日も、あした大雨が降って、先ほど冒頭で少しお話しさせていただきましたが、また2年前の大洪水が起こるん違うかというほどのレベルの、警戒水位を突破したわけですから、そういう心配をいたしました。
 これ、我々、南海・東南海道地震の海岸べりに大津波が来て、道や田畑や山やわからんようになったときにどうするんやと、なかなか復旧工事が――先ほども東関東沖のことをお話しさせていただきましたが、道できてるのに、道が見えてるのに、瓦れき取ったらそこにあるのにと。でも、官民境界がわからんから1年以上にわたって次の作業に入ることができん。あれだけやっぱりマスコミ等でも追及されて、何でこれがいかんのなえと。そこに道があって、そこの上をこう道路を通って使用さしてもうて復旧作業にすぐに入ったらいいのにと思うわけですけど、残念ながら、先ほどからお話しさせていただきましたが、地籍調査ができてないと。どこからどこまでが官の土地で、どっからが民間の土地であるかということが特定できんわけです。このことが日本経済に大きくマイナス要因として立ちはだかってる大きな原因の1つでもあると私は思うわけです。
 部長から先ほど答弁いただきましたが、本当にやっぱり自治体がもっと積極的に、不安定な気候の時代に入りましたので、もっともっと考えていってもらわなあかんと思うんですが、ただ、県当局のほうからも予算つけてもうて、もっと頑張ってよと言うていただくだけでは、やっぱりなかなか今までと変わらんの違うかなと。そう体質が極端に変わっていって、そしたらイの一番に地籍からやろうやないかと、予算はイの一番に地籍やでと、そういうふうにはなかなかなるようにちょっと感じられない。今の現時点ではですね。
 それで、少しでも早く進めてもらうための方策を、やっぱり上部機関である県あたりから、もっともっと市町村に対して進めていくためのそういう提案をしていただきたいと、こう思うわけですけども、このことに対して何か腹案でもお持ちでしたら──50何%に5年でするということですから、何かなかったらそうはいかんのではないかなと思いますので、あればちょっとお聞かせをいただきたいなと思います。
○副議長(花田健吉君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 地籍調査を早く進める方策ということでございますけれども、先ほど申し上げましたように、今、和歌山県は全国一の事業費をかけて事業量を実施している。これは、実は平成24年度段階で28億円の事業費を確保しております。2位の高知県が17億ですんで、断トツだと思っております。
 それだけ一生懸命になってやってるわけなんですけれども、今、議員おっしゃるように、まだ平均まで行っていないということでございますので、事業主体である市町村と協議を行いながら、1つは、例えば作業の外注化ということも、今、国土調査法によって認められておりますので、できるだけ外注化を進める、それから市町村の職員の研修、そういうこともさらに強化いたしまして、効率化に努めて、できるだけ早期に完成できるようにさらに積極的に推進してまいりたいと考えております。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 今、部長のほうから外注化というお話いただきました。私も、その考え方、大賛成です。ぜひこの局面を打開していく1つの大きな方策の柱になるんではないか。
 ただ、このことを進めていこうとすれば、私もそういうことを過去に提案もしたことあったんですが、なかなか自治体の公務員の皆さん方が、個人情報というような名前のそんなもんを持ってきたりとか何ぞして、なかなか外注は難しいという考え方を持ってる方が多いように思います。それは、公務員でなかったらできんかのような考え方に陥ってしまってるんだと思うんです。
 国もいろいろ資料を出してまして、外注化のことも、たしか10条の2項でしたか、そこで触れておったように思うんです。最近はそうした外注のことなんかも積極的に推進をしているというふうにも聞いていますので、ぜひそうした手法もとっていただいて。何といいますか、地籍調査事業をするためだけに新たに職員を、小さな町でも5人、10人と雇って、一旦職員として雇えれば、定年まで雇用し続けなければならない責任もあると思うんです。そういう無駄も、失礼ですけど民間の方々にやっていただくと。そのときだけの仕事で、しかも納期というものを決めれば、その納期内に必ず完成品として納品をしてもらえると、スピードというか年限が見えてくるわけですよね。そういう高い効果もあるというふうに私も思いますので。
 ぜひそういう視点を配下の市町村の皆さん方にも教えていっていただいて、指導していただいて、これが推進にぜひ積極的にお力添えをいただきたいと。このことが、やっぱり我々、いろんな仕事がたくさんありますけど、次の世代に対する我々の今の世代の大きな責任であると、そのように思うところです。
 どうもありがとうございました。終わります。
○副議長(花田健吉君) 第4問目、ありますが。
 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 済みません。最後の4点目です。
 次に、個人の土地からはみ出してきた樹木等の伐採に関する条例の制定についてでございます。
 個人の権利が強く守られる時代となりました。県民にとってよい時代を迎えていると思いますが、一方、権利の濫用となってる場合も数多く見受けられます。
 例えば、ごみ屋敷と言われるほどに、居宅やその屋敷の中に長い年月にわたって拾い集めたごみのようなものを積み重ね、外見だけではなく、発生する異臭被害を周辺の住民に訴えられても、有益な財産だと言われれば、ほとんどなすすべもない実態が時々マスコミ等で報道されているところです。
 一人一人の価値観の違いがあり、一概に悪いとも断定できないところに難しいところがありますが、狭い国土に多くの国民が生活している日本列島です。昔はお互いの常識で判断され対応してきたと考えますが、多様化された今日では常識論では難しいところがあります。
 その一例で困っていることの1つに、道路に樹木等がはみ出してきても、土地所有者が刈り取りなどの伐採をしてくれないばかりか、時には騒動になったりいたします。特に道路にはみ出している樹木は、交通安全上も大変危険です。県独自の条例の制定等により、より快適な県民の生活の向上を考えていただきたいと考えます。県土整備部長からの御答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(花田健吉君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 民有地の樹木等が道路交通に支障を及ぼしている場合につきましては、通常、所有者に伐採を要請する、あるいは所有者の了解を得た上で道路管理者が伐採をすることにより処理してきたところです。
 また、所有者の了解が得られない場合であっても、道路法第71条の規定により伐採の命令を行うことができ、これに従わない場合は行政代執行による対応が可能です。
 今後とも、道路交通の安全を確保するため、道路法等関係法令に基づいて適切な道路管理に努めてまいります。
○副議長(花田健吉君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 正直、これ、道路法第71条の規定ということで、道路法にこのことが位置づけられてるということをちょっと知りませんで、何せ法律って1800余りあるらしくて、ちょっと気がつかなんだんですが、その道路法を読んでみました。全くのところ、ちょっと職員の皆さんにお話しさせてもうても、どこの法律がこの道路にはみ出してくる樹木の伐採に対して対応できるんかというのを御存じない方も結構おられて、それは無理ないというふうに私は思ってるんですけど、そういう実態です。
 それで、私のお願いは、この道路法も読んだら読むほどわからんなあと、本当にこのことでこれかいなあと思うほど難しい。私が思いますのは、我々県民が快適な生活を営むために、道路法という、拡大解釈しなきゃならんほどわかりにくいこの法律を盾にとって伐採の作業に入るということよりは、どうしても個人的に対象者に寄せてもらうと小さなトラブルになってくる。そのときに道路法の何条でというような話よりは、「実は県のほうで皆さんが快適な生活をするためにこうした条例があります。ついては、はみ出してる部分について切り取りをお願いできませんか」と、こういうことのほうがスマートで、近くの人同士のトラブルにならんで済まんかな、地主の皆さんとのトラブルにもならんで済まんかな、そんなに思うわけです。
 実はちょっと一例出さしていただいたら、私は白浜に住んでおりましたので、白良浜にポイ捨て禁止条例をつくったんです。これもいろいろほかの法律で対応できる方法もあったかもわからんですけど、やっぱりその条例を制定することによって、すごく軽い雰囲気で、「白良浜もたばこのポイ捨て禁止になっていますので、皆さん、御協力お願いします」ということがすうっと入っていく。しまいに、1~2年もすると、そのことがもう一般的になって、白良浜でたばこを吸いながら、そうでない方々に邪魔したり迷惑したりやけどを負わしたりと、そういうことがほとんどなくなってきました。それも別の難しい形の法律があって、その法律の第何条に実はこんなことがあるんですというような話というのは、そういう形であるとしたら、ここまで条例も行けた形になったかなあとちょっと思うわけです。
 屋上屋を重ねるようなものをつくり続けるというのも私も気にもなるんですけれども、こうして価値観の多い時代になりましたので、県民の皆さん方が快適で過ごせる和歌山県土のそういう環境づくりというのも我々としてもやっぱり積極的に──時代が以前の時代とまた違って、いつも進化をしていってると思うわけです。その進化の度合いに合わせて物というのは考えていただけたらなと思います。
 要望さしていただきまして、終わらしていただきます。失礼いたしました。(拍手)
○副議長(花田健吉君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時39分散会

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