平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(鈴木太雄議員の質疑及び一般質問)


平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(鈴木太雄議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、一般質問に入りたいと思いますが、その前に、我々の自由民主党県議団の幹事長であります藤山将材さんが、きょうは38歳の誕生日ですので、本当におめでとうございます。心からお喜びを申し上げたいと思います。また、お酒はほどほどにして、これから公私ともに頑張っていただきたいと、このように思います。
 それでは、1項目のオーストラリア訪問についての小項目1として、シドニーにおける和歌山「食と世界遺産」セミナー参加及び豪州情勢調査に係る御報告から申し上げます。
 去る5月6日から5月10日までの5日間の日程で、山下直也前議長を初め、尾崎要二議員、大沢広太郎議員、前芝雅嗣議員、藤山将材議員、岸本健議員、そして私、計7名が、議員派遣によりオーストラリア、シドニーを訪問してまいりました。
 本年は日豪観光交流年に当たるため、これを絶好の機会と捉え、本県の食と観光の魅力を現地の食品・観光関係業者やメディアの方々に伝えるべく、知事と行動をともにして和歌山県を積極的に売り込むとともに、現地事業者の方々との関係を構築すべく、シドニーにおいて実施した和歌山「食と世界遺産」セミナー並びに在シドニー日本国総領事公邸で行われたレセプションにも参加してまいりました。
 また、今後の本県における施策のあり方の参考とするため、広大な国土を有するオーストラリアで実践されている航空機を活用した僻地医療の実態や世界文化遺産の活用状況、それからワインを核とした第6次産業と観光産業との融合の成功事例についても調査をしてまいりましたので、その概要をここに御報告いたします。
 まず、オーストラリアの経済その他の状況について、現地の財団法人自治体国際化協会シドニー事務所で受けた説明の内容を中心に述べたいと思います。
 日本経済が過去10数年に及ぶデフレに苦しんできたのとは対照的に、オーストラリアでは、1992年以来、20年間連続して対前年度プラスの経済成長を継続してきております。過去10年間のGDP実質経済成長率を平均しますと毎年3%を超えており、2008年のリーマンショックで世界の先進諸国において軒並み経済成長がマイナスに落ち込んだ時期においてさえ、豪州ではプラス1.4%の成長を達成しております。まさに、かつての我が国における高度経済成長期を思わせるような右肩上がりの状況であります。
 国の人口は約2300万人で、我が国の5分の1以下ですが、1人当たりの国内総生産は6万7722USドルと、世界第5位の高さであります。ちなみに日本は、第13位であります。
 オーストラリアは、石炭、鉄鉱石、金、銅、ウラン、ボーキサイト、原油などの豊かな天然資源に恵まれており、これらの資源を中心とする活発な貿易が、好調な経済を支えている要因の1つであります。最近まで、日本はオーストラリアにとって最大の貿易相手国だったのですが、残念ながら、現在その地位は中国に取ってかわられています。
 人口も順調に伸びており、これは我が国よりも高い出生率による自然増に加え、積極的に移民を受け入れる政策によるものであります。20世紀初頭にはわずか380万人だったのですが、2003年に2000万人を超え、2013年の累計人口は2305万人となっており、高齢化率は14%程度と日本よりかなり低く、労働者の人口割合が多くなっております。
 さて、我が国とオーストラリアは、先ほども申し上げましたが、2013年を日豪観光交流年に設定をし、両国の交流をより深めるとともに、双方からの観光客誘致につなげることとなっております。オーストラリアから和歌山県への宿泊客数は、近年着実に伸びており、最近は特に高野山を訪れる人々の伸びが顕著であります。
 このような中、今回、私たちは、シドニー市内のヒルトンホテルにおいて、観光関係業者、食品関係業者、政府関係機関職員及びメディア関係者等85人を招待して行った和歌山「食と世界遺産」セミナーに参加をいたしました。セミナーでは、仁坂知事によるプレゼンテーションを初め、県立医科大学や民間事業者の方々、それに高野山金剛峯寺の僧侶も参加し、さまざまな角度から和歌山の魅力をアピールいたしました。また、その日の夜には、総領事公邸においてセミナー参加者を招いてのレセプションが行われ、その様子がさまざまなメディアを通じて報道されました。
 さきに述べましたように、豊かな天然資源に支えられたオーストラリアの経済は極めて好調で、積極的に移民を受け入れようとする国の政策と相まって、現在、世界的にもトップクラスの成長を続けており、海外への旅行者数も着実に伸びております。このような状況の中で、オーストラリアの人々の耳目を和歌山県へ集めるための活動を行ったことは、まことに時宜にかなったものであると考えます。
 オーストラリア国民の間でも、ヘルシーな食生活への関心は非常に高く、すしや和食レストランはとても人気があり、本県で生産されている食材が受け入れられるチャンスは十分にあると思われます。今回の和歌山セミナー及びレセプションを契機として、1人でも多くのオーストラリアの方々に和歌山を訪れていただくことと、県内企業の販路拡大にも資することを大いに期待したいと思います。
 次に、ロイヤル・フライング・ドクター・サービスによる僻地医療活動について御報告をいたします。
 ロイヤル・フライング・ドクター・サービスは、我が国の20倍以上という広大な国土面積を有するオーストラリアにおいて、主に医療施設の充実していない僻地などでの航空機を活用した緊急医療サービスや、巡回診療による住民への健康管理サービスを無料で行う非営利法人であります。1900年代当初に宣教師のジョン・フリン氏によって創設され、その崇高な活動により、オーストラリア国民から非常に高い支持を受けております。
 オーストラリア全土に21カ所の基地を持つとともに、航空機を61機所有し、医療技術者と操縦士を中心とする1150名のスタッフで運営されており、その財源は、州政府等からの業務委託費等47%、州政府、連邦政府からの補助金25%、寄附金17%などとなっております。
 2012年の統計によりますと、患者との接触回数は年間約27万3000回、年間飛行距離は延べ約2660万キロメートルで、これは実に地球665周分に相当いたします。発着回数は延べ約7万4000回で、1機平均1200回以上となり、全ての航空機が毎日休みなく3回から4回出動している計算になります。
 日本のドクターヘリの場合は、広大な国土を有するオーストラリアに比べると随分飛行距離が短く、年間平均350回から400回程度であり、それと比較をいたしますと、彼らが驚くほど活発な活動を行っていることがわかります。このようなサービスは、世界でもほとんど類を見ないものであり、その実績数値は、私たちの常識からすると驚異的ですらあります。
 医師や看護師などスタッフの確保が難しくないのかと質問いたしたところ、ロイヤル・フライング・ドクター・サービスに対しては、国民から極めて厚い信頼と強い支持があり、ハードではあるが誇りを持ってできる仕事として、若い医療技術者の人気が高く、人材確保に困ることはないとのことでありました。活動資金ももちろん重要ですが、彼らの活動を最も力強く支えているのは、その誇りと使命感なのだろうと感じた次第であります。
 最後に、ハンターバレーにおける第6次産業と観光業の融合による成功事例について御報告いたします。
 我が国においては、オーストラリアのワインというと、安価なものが先行して流通したためか、残念ながら安物のイメージが定着してしまった感があります。実際はそんなことはなく、多くの高品質ワインが生産されております。
 シドニーから車で2時間から3時間の距離にあるハンターバレーは、国内で最も有名なワインの産地であり、その広大な地域には100カ所以上のワイナリーのほか、160カ所の宿泊施設、60カ所のレストラン、その他多くのアクティビティー施設、野外ライブができる広場や、小さな飛行場まであります。
 シドニーから比較的近距離にあるため、宿泊してワイナリーをめぐり、ゴルフや乗馬などのスポーツを楽しむといった観光客が多く、年間250万人以上の観光客が訪れるニューサウスウェールズ州の主要な観光地であります。多くの種類のワインを楽しむことはもちろん、さまざまなリゾートを満喫できる滞在型の観光地として、ハンターバレーという地域全体を売り出すことで成功をおさめており、観光立県を標榜する本県としても、学ぶべきところがあるのではないかと感じた次第であります。
 もちろん、同じことをそのまま本県に当てはめることはできませんが、160年前には、この地域がほとんど人の住まない原野であったことを考えると、彼らのフロンティアスピリットに感銘を受けると同時に、日本、殊に我が和歌山県は、多くの景勝地を含む豊かな自然環境、有史以来連綿と育まれてきた歴史、それに食を含めて、地域ごとの特色ある多様な文化に恵まれていると改めて思わざるを得ません。
 このほか、今回のシドニー訪問では、2007年、世界文化遺産に登録されたオペラハウスなどの施設も調査いたしました。その内容については、時間の都合により割愛さしていただきますが、多くのオーストラリア国民が自国のシンボルたる世界遺産を大きな誇りに思っているのだと伺いました。私たちが世界に誇るべき世界遺産は、間もなく登録10周年の節目を迎えます。これを機に、県民一人一人が心からふるさとを愛せるような、さらなる魅力にあふれる郷土づくりについて、みずからに問い直してみることが必要ではないかと感じた次第であります。
 最後になりますが、今回のシドニー訪問に当たり、多大なる御協力を賜った関係者の皆様に深く感謝の意を表し、その概要の御報告とさしていただきます。
 引き続いて、一般質問に入らしていただきます。
 小項目の2、和歌山県とオーストラリアの今後の交流について質問いたします。
 ただいま報告の中でも申し上げましたが、我が国とオーストラリアは、2013年を日豪観光交流年に設定し、両国の交流をより深めるとともに、双方からの観光客誘致につなげることとなっております。
 そういった中で、今回、シドニー市内のヒルトンホテルで、観光関係業者、食品関係業者、政府関係機関職員及びメディア関係者等を招待して行った和歌山「食と世界遺産」セミナーにおいて、本県の数ある魅力をアピールしてきましたが、このセミナーを1つの契機として、本県の観光振興や販路拡大等を含めた今後のオーストラリアとの交流のあり方について、知事の今後にかける思いをお聞かせいただきたいと思います。
 引き続いて、小項目の3として、海外へのトップセールスについてでありますが、知事におかれては、非常に過密なスケジュールで、オーストラリアのレセプションの後、我々議員団と別れ、タイへ向かわれました。その際の仁坂知事の行動力に驚くとともに、本当にタフな方だなあと思いましたし、全ては和歌山県の発展を願っての行動であると、よい意味で感銘を受けました。
 和歌山県の魅力を売り込むためには、さまざまな手法がありますが、その中でもやはり、県のトップみずからが宣伝マンとなって売り込む姿は、売り込み先に好印象と熱意を感じさせるものであります。
 そこで、トップセールスに対する知事の率直な思いをお聞かせいただきたいと思います。
 また、これまでの海外へのセールスといえば、特に欧米中心であったように思いますが、知事はブルネイ国大使を務められたこともありますので、特に今回のようなオセアニアを初め、東南アジアをターゲットにした今後の取り組みへの姿勢について、あわせて御見解をお聞きいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの鈴木太雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) オーストラリアにつきましては、和歌山県、特に熊野古道を訪れる観光客が年々増加するなど、本県への関心が高まりを見せております。
 今回、本年が日豪観光交流年に当たるということから、去る5月7日より、山下前県会議長を初め議員の皆様方とともにオーストラリアを訪問し、和歌山県が誇る豊かな観光資源、自然の恵みを受けた和歌山の食の魅力を伝えてきたところでございます。
 議員団におかれましては、私がタイに行くためにオーストラリアを離れた後も諸般の活動をされまして、和歌山県と豪州の諸機関との親善を深め、また県政に参考となる情報、今、鈴木議員が披露されましたけれども、そういうものをとってくださって、大変ありがたいことだと思っております。
 オーストラリアは、人口規模が2200万人と大きくはないものの──ただいまの鈴木議員の話をお聞きしてると2300万人かもしれませんが、ちょっと正確ではありません。その辺の、大きくはないものの、1人当たりの名目GDPは世界第5位と経済的に恵まれた国であるということから、今回の訪問を契機として、県産品のPR、観光関係者と連携したプロモーションを継続していくことで、県産品の販路拡大とさらなる誘客につなげてまいりたいと考えております。
 次に、トップセールスなどについてでございます。それとオセアニア、東南アジアへの今後の取り組みでございますが、知事就任以来、私みずからが現地に出向くことで、訪問先の方々のうち地位の高い人とか、あるいは影響力の大きい人々を巻き込んで、本県の魅力を直接伝えることができると考えまして、いわゆるトップセールスに取り組んでまいりました。
 しかし、実は私自身は、もっと力を入れておるのが県全体でアプローチを継続するということであります。県職員も、海外のさまざまな国々を訪問し、和歌山県を積極的にPRしてきておりまして、トップセールスで構築いたしましたコネクション、これをうまいこと活用しながら、和歌山県の経済活性化に資するべく、包括的、継続的な取り組みを行っております。そうすることで、初めてトップセールスがトップの1回限りの海外出張に終わらないで、実利が期待できると思っております。このための職員養成を始めまして、大分要員ができてきております。
 もともと一人前で、そういうことを1人でできる人を即戦力として、国土交通省とかジェトロとかからお借りしてきて、こういうチームのトップに据えて、和歌山県もこの6年の間に大分地力がついてきたというふうに私は思います。
 昨年度の実績といたしましては、海外からの観光客誘致、県農水産物及び加工食品の販路拡大、それから食品以外のものも含めて市場開拓調査、工業製品等の販売促進、青少年交流や姉妹都市交流の国際交流事業のため、観光交流課とか食品流通課、企業振興課、文化国際課等々いろいろありますが、そういうところを中心にした職員合計98名、延べ──何回も行きますので──126名が海外25カ国に出張して一生懸命やっとります。
 今回実施したオーストラリア、タイでのトップセールスでは、本県の食品事業者と現地の流通関係者あるいはテレビ通販事業者が、今後の取引につながるよい商談ができたと考えておりまして、それぞれ成果を期待してるところでございます。
 これらオセアニア及び東南アジア、これは1人当たりの国民所得、それから全体としての富裕層の急激な増加、そういうことを考えますと、本県にとって大きな経済交流の効果が期待できる地域と考えますので、引き続き積極的な取り組みを進めてまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 それでは、次に移ります。
 大項目の2といたしまして、災害時におけるラジオの役割について、東日本大震災や紀伊半島大水害の経験を踏まえて質問をいたします。昨日の冨安議員からの一般質問と内容が重複する点もありますが、御容赦をいただきたいと思います。
 まず、小項目の1として、災害時にラジオが果たす役割についてでありますが、東日本大震災の際、被災地では、停電等により、しばらくの間テレビが見れず、携帯電話やネットについても利用が集中したため、ふくそうして使用ができなくなったと聞き及んでおります。また、携帯電話を使ってのワンセグテレビで情報を得た方々もいたようですが、電池が長時間もたないなどの理由で、その役割は十分ではなかったと思われます。
 こういった状況下で、乾電池だけで長時間にわたり聞くことができるラジオが、被災地での災害情報を得る上で大いに役立ったとも聞いております。
 そもそもラジオは、電波で一斉放送することから、災害情報の一斉伝達手段として非常に効果的であります。また、特にラジオの受信機は、持ち運びが簡単であることから、豪雨や、地震による大津波などの災害時に命の情報ツールとして再注目されています。
 本県においても、災害時には極めて重要と思われるこうしたラジオの特性について勘案し、今年度からラジオ通じるプランに取り組んでいますが、まずラジオが果たす役割をどのようにお考えか、仁坂知事の御見解をお聞きいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のとおり、東日本大震災だけではなくて、紀伊半島大水害におきましても、ラジオは避難途中の避難情報の収集や、避難所内での安否情報や支援物資情報の収集などのための情報源として非常に大きな役割を果たしたと認識しております。
 また、紀伊半島大水害においては、暴風雨の音で防災行政無線などからの避難情報が聞き取りづらかったなどの課題も見受けられたことから、ラジオ通じるプランを推進し、災害時における情報伝達手段の改善に取り組んでいるところであります。
 今後も、災害時におけるラジオの役割を重視し、情報伝達手段の複層化やラジオを1局以上聴取可能に必ずするということを目標に、施策の一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 続いて、小項目の2、ラジオ通じるサポートセンターの状況について質問をいたします。
 先ほども申し上げましたが、ラジオは、災害時の最も有効な情報源の1つでありますが、それとまた同時に、昔から県民生活においても、娯楽性を含め、身近な情報端末として広く利用をされてきております。
 近年においては、テレビ、ネット等に押されて隅に追いやられてはいるものの、今なお耳から入るラジオの情報は、自動車での移動や家事の最中、また仕事中の人にとって手軽な情報源であることは確かでありますし、さらに言えば、そのラジオはテレビよりも記憶の残存率が高く、何かをしながらの聴取、つまり「ながら聴取」ができることから、脳の活性化にも優位性があると言われております。
 反面、ラジオの特性上、周辺環境等により難聴取が起こるため、県では、将来の大規模災害に備え、ラジオの利用環境の向上やその有効活用の推進を重要な課題と位置づけて、県民が必ず1局以上のラジオ放送を聴取可能とすることなどを目的に、ラジオ通じるプランを実施されております。きのうテレビで「あすのWA!」という、NHKでちょうどやられていたと思います。
 その一環として設置したラジオ総合相談窓口「ラジオ通じるサポートセンター」の状況について、5月から始まってまだ1カ月余りではありますが、どのような相談があり、また、どのように対処されているのか、そしてその結果として難聴取は解消されているのかどうか、企画部長にお伺いいたします。
○議長(山田正彦君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) ラジオ通じるサポートセンターの状況についてでございますが、きょう現在でラジサポ──我々で、このラジオ通じるサポートセンターのことを「ラジサポ」と呼んでおりますけども、このラジサポに21件の御相談がございました。その内訳でございますが、ラジオの難聴取及び受信改善についての御相談が19件、それからラジオの性能に関するお問い合わせが1件、送信所等ハード面の整備要望が1件となってございます。
 現時点といたしまして、ラジオの難聴取及び受信改善の相談19件のうち、電話相談の中で解決に至ったものが8件、それからラジサポの職員の現地調査により解決に至ったものが6件ございます。その他の夜間などに国外の放送局の電波と混信する3件、それから電波を遮蔽してしまうなど、建物の構造上の問題の2件につきまして、今、引き続き調査、検討いたしております。
 今後とも、災害時の情報伝達力の強化に向け、伝達手段の複線化など、さまざまな面において充実を図り、難聴取の解消に取り組んでまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 次に、小項目の3、ラジオの強靱化について、これは要望をいたします。
 今後発生が予想される東南海・南海地震による大規模災害、あるいは台風での災害が懸念される本県にとって、ラジオへの期待が高まる中、災害時の情報を確実に伝達するため、受信者側への難聴取対策はもちろんのこと、送信側への抜本的な対策、つまり送信設備の整備等が重要かつ喫緊の課題であります。このことは、同時に、現行の難聴取対策にも遠からずつながります。
 また、ラジオは有事の際に人々を動かす手段として極めて有効なツールの1つでありますが、現実にラジオを持っていない方や、持っていても利用の仕方がわからないなどといった方々がおられるのも事実であります。幾ら災害時に一番の情報源であっても、活用できなければ全く意味がありません。
 やはり、ふだんからラジオが利用されるような何らかの形での啓発や取り組みも重要でありますので、昨日、冨安議員の質問で答えられたラジオの基盤整備への推進、いわゆるラジオの強靱化とあわせて、この点につきましても御検討いただきたいと思いますし、ラジオ送信者側との連携もしっかりと深めながら、有事の際への万全の対策を行っていただきたいと思います。
 県民のとうとい命を守るために、この件は強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 次に、大項目の3として、紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会のあり方について、質問を2点いたします。
 まず、小項目の1として、国体開催に向けた県全体での機運の高め方についてでありますが、皆さん御承知のように、国体開催の目的とは、広く国民の間にスポーツを普及し、スポーツ精神を高揚して健康増進と体力の向上を図り、あわせて地方スポーツの振興と地方文化の発展に寄与するとともに、国民生活を明るく豊かにしようとするものであります。
 また、障害スポーツ大会については、障害のある選手が競技を通じてスポーツの楽しさを体験するとともに、国民の障害に対する理解を深め、障害のある方の社会参加の推進に寄与することを目的とした大会であります。
 紀の国わかやま国体については、本県で44年ぶりに、平成27年秋、9月26日から10月6日の11日間、また、障害者スポーツ大会につきましては、その後の10月24日から26日の3日間にわたり、「躍動と歓喜、そして絆」をスローガンに掲げ、開催する運びとなっております。
 そういった中、去る4月9日、県庁正面玄関側に国体開催900日前のモニュメントが設置されてから、カウントダウンが始まって、早いもので既に72日が経過をし、きょう現在では国体開催まであと828日となっております。これまでの間、施設整備、つまりハード面においては、本大会の開催に向け、市町村と連携を図りながら順調に進められているところであります。
 一方、ソフト面においては、県の組織としても、本年4月から国体推進監のもとに国体推進局が設置され、新たに障害者スポーツ大会課が加わって、現在、それぞれ5つの課が紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会に向けて着々と準備を進められておりますし、また、各種関係団体を中心に、企業を初めNPO等、それぞれの立場で御協力をいただいております。
 我々議員や行政に携わる者は、これまでも国体に係る準備や啓発等にかかわってまいりましたが、もちろん今後も、これまで以上にその役割を果たさなければなりません。
 両大会の目的を達成し、成功をおさめるためには、これまで以上に県民の皆さんの深い御理解と機運の醸成が必要不可欠であることから、今後、県として特に何を重点に置き、また、どのように機運の醸成を図られるのか、国体推進監にお聞きをいたします。
○議長(山田正彦君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会を成功させるためには、議員御指摘のとおり、これまで以上に県民の皆さんの御理解、御協力と、そのための開催機運の醸成が重要であると考えております。
 県実行委員会では、昨年9月の開催決定記念イベントのほか、マスコット「きいちゃん」の選定やイメージソング「明日へと」の決定、学生広報ボランティアによる広報活動など、両大会を身近に感じていただく取り組みを進めてきたところであります。
 今年度は、花いっぱい運動の中でも和歌山県の独自の取り組みとして、農業系高校などで育てた推奨花の苗が、小・中・高等学校や住民団体など、県民の手から手へと引き継がれ、育てられた花でまちや競技会場などを飾る花のリレーに新たに取り組むほか、開閉会式を大いに盛り上げ、和歌山の魅力を全国に発信するためのアイデアを広く県民から募集いたします。
 このほか、競技会場や道路、河川、海岸などをごみ1つない状態にして来県者をお迎えするクリーンアップ運動、全国から訪れる選手、監督を温かくお迎えし、大会を支え盛り上げるボランティアの募集などを含め、県民総参加による和歌山らしい大会に向けて、今後もより一層、機運の醸成を図ってまいります。
 特に、昭和46年に開催した黒潮国体では、県民総力の結集により和歌山県のスポーツ水準を飛躍的に向上させ、初の男女総合優勝をもたらしたほか、心を込めた県民運動など創意工夫を凝らした取り組みが多くの大会参加者から好評を博したところであり、今回も心のこもったおもてなしで全ての人の心に残るすばらしい両大会となるよう、県民の皆様と一丸となって取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 再質問を行います。
 国体を1つの契機にして、その後のスポーツ施設を活用した地域振興の取り組みについては、元気な和歌山を目指す上で非常に重要なことから、現在、さまざまな取り組みが推し進められております。
 そういった中でも、特に紀南地方においては、県と田辺・西牟婁地域の自治体が連携をして南紀エリアスポーツ合宿誘致推進協議会を設立し、経済を含む地域の活性化に結びつけるため、スポーツ合宿の誘致に向けた検討を始められております。
 一方、本大会の成功に向けた機運の醸成を図るための取り組みとして、本県の独自性を含んだ──今お答えいただいた花いっぱい運動やクリーンアップ運動並びにボランティア募集についてでありましたが、こうした県民総参加による活動は、大会のみならず本大会後の地域づくりにとりましても非常に大切なことではないかと考えております。
 「継続は力なり」と言いますが、本大会後の地域づくりについてどのようにお考えか、国体推進監の御見解をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 議員御指摘のとおり、両大会の開催準備や運営等を通じて県民一丸となって取り組むことで培われた地域の力は、大会後も、スポーツの振興はもとより、元気な和歌山づくりの原動力になるものと考えております。
 平成21年開催の第70回国民体育大会和歌山県準備委員会常任委員会で決定した基本構想におきましても、「活力に満ちたふるさとづくりに寄与する国体」を目標の1つに掲げており、「地域住民が、国体を契機として郷土の魅力を再発見し、国体後も自ら主体的にコミュニティ活動に取り組む気運を高めます」としております。
 今後の県民運動の展開に当たっては、多くの県民に御参加いただけるよう努力するとともに、その取り組みを通じて育まれた人と人のきずながつながるよう、両大会後の継続性を視野に入れて、市町村とも十分に連携を図りながら取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 「躍動と歓喜、そして絆」というスローガンに込められた思いのとおり、両大会を通して得られる全ての人と人のきずなを大会後においても育むことが、本県の地域づくりにつながると考えますので、さまざまな面からの御努力をお願いいたします。これは、要望といたします。
 次に、小項目の2、国体観戦について質問をいたします。
 和歌山県にとって、前回の黒潮国体は昭和46年開催なので、今回の紀の国わかやま国体は実に44年ぶりの開催となります。国体とは、我が国最大かつ最高のスポーツの祭典でありますので、37正式競技にわたり、レベルの高いわざや試合が本県においてじかに観戦でき、また、国体独自の雰囲気を味わえることは、県民にとって非常に有意義なことであるとともに、さまざまな意味での絶好の機会であります。
 特に、次代を担う子供たちにとって、スポーツのすばらしさを肌で感じることは何にもかえがたい経験になり、教育の観点からも、人間形成において大いに生かされるのではないでしょうか。
 しかし、県内各地で行われる各種競技は、土日の休日にのみ行われるものではなくて、授業のある平日にも行われるため、応援や観戦をしようにもできないケースが多くあります。せっかくの本県開催の国体でありますので、学校の授業や行事との兼ね合いもあろうかと思いますが、やはり子供たちには、県内各地で行われる自分の興味、関心のある競技についても、ぜひ応援や観戦をしてもらいたいと考えますので、長期休暇への授業の振りかえ等も含め対応できないものか、また教育の観点からも、授業の一環としての応援や観戦についてどう考えるのか、教育長の御見解をお聞きいたします。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 紀の国わかやま国体、紀の国わかやま大会は、児童生徒のスポーツへの関心や意欲の向上を図るとともに、ふるさとを愛する心を育み、障害者に対する人権意識を高めるなど、その教育効果は極めて大きいものがあります。
 議員御提案のとおり、半世紀に1度、郷土和歌山で開催される貴重な経験、機会を生かすため、県教育委員会といたしましては、教育活動の一環として、地元市町村で行われる競技を応援、観戦したり、児童生徒が個々に興味のある競技を県内全域で応援、観戦したりできるよう、柔軟に対応してまいります。
○議長(山田正彦君) 鈴木太雄君。
  〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 この件については、先催県におきましても、長期休暇への授業の振りかえ等を含めて実際に取り組まれていたことでもあり、子供たちにはもちろん、主催県や選手にとりましても非常に好評であったと聞き及んでおります。ぜひ実現に向けて御努力をいただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。
 以上で、私の一般質問を終了いたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、鈴木太雄君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時42分休憩
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