平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

人名等の正しい表記については「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 議長の許可をいただきましたので、一般質問を始めさせていただきます。
 今回も、昨年の12月議会に引き続きまして、子供たちに対するいじめ問題についてお伺いをいたします。
 まず、昨年12月19日の一般質問で、大津市のいじめの事件を踏まえて、和歌山県の教育行政の考え方を質問させていただきました。そして、県下の状況をお尋ねし、答弁をいただきましたが、まさにそのさなかの12月15日に、今度は、田辺市内で13歳の中学生の男の子が自宅の2階で空手着の帯で自殺を決行していたことが、ことしの3月になって発覚をいたしました。幸いにも一命を取りとめましたが、半年たった今も、残念なことに意識は戻っていません。全く残念でなりません。取り返しのつかない事態となりました。
 現時点において私が確認している当局からの情報は、いじめが原因ではなく、家庭に問題があったということでした。私は、この見解は大きなミスがあると考えています。そして、名指しされた家族が2次被害をこうむっている現状を考えるとき、当局のその責任は大変重いと思います。
 まず、ここで、市内の同じ中学校の3年生であった女生徒の作文を朗読させていただきたいと思います。彼女は、13歳の男子生徒の自傷事故発生の1年4カ月前、JRの線路内に入り、鉄道自殺未遂事件を起こします。幸いにも生還して、この春の卒業式に、学校内の出来事や葛藤を作文という形で残してくれました。おつき合いをお願いいたします。
 では、朗読をさせていただきたいと思います。
  私は中2の夏から冬にかけてクラブ内でのいじめを受け大変な5ケ月を過ごしました。とにかく自分がいじめに合っていることを、学校の先生たちに相談しても、とりあってくれるまで、すごく時間がかかりました。いじめの事実をクラブ顧問に訴えても、「誤解かもしれない」などと、逃げるばかりでした。学校の先生には、普通に言うだけでは絶対に相手にしてもらえないということを本当に痛感しました。私は学校での辛い事を家で話をしていたので、両親、特に母がことあるごとに学校へ出向いてくれました。それでも普通に言うだけでは、ただ聞くだけで、何をどうするとか具体的な話や助言はまったくなく、話はいっこうに前に進まず、その話をしに行った日の最後、母は担任・主任・顧問に対し「もう学校には行かせない」とまで言いました。それを言うと、やっと、顧問が「自分たちにさせてほしい」と言ってきました。そこで母は、「絶対に失敗は許さない。先生の指導を試すところじゃないと思いませんか」と言うと顧問は「絶対大丈夫」と言い切りました。その後、クラブのミーティングを行い、学年の先生全員とクラブ生徒で話し合いの場を持ちましたが、すでにクラブでいじめを行っている子たちは、そのことで呼ばれたのを分かっていたので、ミーティング前に、わざと私に聞こえるように「何もしゃべらないでおこう」と言い合い、結局その場は失敗に終わりました。絶対に失敗はしないと言い切った顧問はその後、失敗したことを認め、私と母に謝りにきました。でも私と母は、「謝ってもらっても、どうしようもない」と言い、学校をやめる覚悟で、「今までありがとうございました」と言い、担任に上ばきを取りに行ってもらい、学校を出ようとしました。そこまで言うと、やっと先生たちも真剣に考えようとしてくれようとなったのか、「そんなこと言うな、少し返事を待って」と言って、私と母は帰宅しました。そうして次の日、学校から電話があり、クラブの2年生だけで、保護者会を開くと連絡がありました。その後、行われた保護者会には、私と両親の三人が行きました。その保護者会のはじまりで当然のように私がいじめられているからその話でと名前を出されました。悪い子たちの名前は何も出ず私の名前だけを出されました。その会は私たち親子にとってはとても残念なものでした。いじめのボスの親は黙っていましたが、ある子の母は、私の両親の事を過保護のように言って、いじめはどこにでもある、一人で耐えていくしかない、姉の時もそうだった、あって当たり前、頑張っていくしかない、と言いました。まるでみんな無反応でひとごとのような話ばかりでした。あまりにみんながひとごとなので次のターゲットは決まってると母が言ったら少しその場だけ「次は誰?」と反応したことがありました。その会では、上の先生が自分より下の立場の先生に目で合図をしてしゃべらせないようなこともありました。一人だけ、あるお母さんが私の方の味方になって、弱い子は強い子が守ってあげればいいと言ってくれました。でもそこで、校長先生の話が始まり、校長先生は、「子供の話をうのみにしないで。子供の話をうのみにしてこんな会を開かなくても。開かないでほしい。」というような言い方をし、そこで他の母親たちは笑いながら校長先生をたたえるように、ほんま校長先生いい人やみたいな事を言いだしました。そこで校長先生は、「私は来年の三月で定年なので何事もないよう静かに終わらせてほしい。子供の話は話半分に聞いといた方がいい。子供同士のいざこざは子供同士で解決した方がいいんです。」というような内容の事を言いました。そこでもう、そこにいる保護者たちのテンションは、校長先生、いいこと言うわ、そうねそうねとみんなが言いだしそういう方向にいってしまったので、両親はここで何を言ってもしょうがないとあきらめて、何も言わず終わりました。その後、両親と私の三人は、その時の保護者会で唯一、味方になってくれたお母さんの子供と、もう一人私をいじめることをしないでいてくれた子の、二人のお母さんたちに、時間をかけて、私がいじめを受けている内容をくわしく説明しました。その後、その二人のお母さんは、自分の子供に私が本当にいじめに合っていることを確認してくれ、私たちにはだまって、二人で学校へ行ってくれました。(その事はずっと後になって知りました。)それからもいじめの状態は変わらず、10月15日の新人戦の日も、「何しに来たんな」「あいつ試合に出すわけないやん」などと辛い言葉を言い続けられました。その時に辛かったことは、そういうことを言われ泣きくずれている私に対し、顧問までもが、私がどういう理由で泣いているかも知っているのに、親や兄弟もいる前にもかかわらず、「はよめし食え!」と後ろからベルトを引っ張り上げ、暴言をはきにきました。もちろんそういう場を見たら、私をあざ笑う子達は面白かったはずです。そんな中で、私の話を聞いてくれて味方になってくれていたお母さんの一人が、その場で、「こんないじめで死ぬ子もおるんやで、責任とれるんか」と叫んでくれました。あまりにそのお母さんの言ってくれたことが怖かったのかそのお母さんの前だけでは一瞬みんな、すごく私に対して優しくなりました。でも結局その後、部室で「何言ってんの」とみんな爆笑していました。その新人戦の夜、何しても無駄だと、初めて死にたいと思いました。その後、県大会前の練習で、大会に出してもらえるようになり、大会で私は大活躍して試合にも勝ちました。そうすると今度は、私のせいで試合に出れなかったと泣きだす子がいて、結局また更に私へのいじめが多くなりました。その後のいじめは、部室で制服を踏まれる、スパイクで踏まれる、踏まないでと言ったら置いていた足をぐっと回して立ち去る、汚れた制服を、私がはたいているのを見て笑う、部室に私の物を置く場所はなし、などでした。人前で見て分かることは、ボールをぶつける、などでした。一発なら、たまたまと思うけれど三回連続でぶつけられたりしました。このことは顧問は、はじめは知らないと言っていましたが、かなり時間がかかってから、知っていたと言いました。そういう毎日の中、雨の日に体育館で練習があった時、10人が2人ずつペアになってランニングをすることになりました。その時、私とペアになる子は、みんなに「わーかわいそー」と言われ、その子も「代わってよー」などと私に聞こえるよう言いさがしていました。その日、もう何もかもが嫌になって、死にたくなり、家とは反対方向の会津川の無人の線路へ行き線路に入りました。線路で泣きくずれてしまい今までのいろいろ言われ辛かったことが次々と映像としてよみがえり、雨と涙でいっぱいになりました。でもその後、腰が抜け、線路から、はい出てきたのを今も覚えています。その時は、私のために一生懸命になってくれた両親のことなどは考えられず、とにかくもう嫌だということしか考えていませんでした。もちろん遺書なども書いていません。今思えば、あの時、電車が来なくて本当に良かったと思います。その後、また母は学校に行き、先生にいじめのボス的存在の子の親にどうして言わないのかと言ったりもしましたが、先生は、「指導してきたんです。これからも指導していきます」と言うだけでした。普通に話しても何も進まず母は先生に親呼べと言いまくりました。それでも、まあ、そのうち話するなどと、あいまいな返答しかなく最終、母は明日言えんのかと、つめよりました。しつこく、しつこく言ったら、またちゃんとしてからと、そこでは、まだはっきりとした返事なく終わりましたが、やっと母の怒りが届いたのか、次の日、親と子を呼んでくれていました。そこで、その親に「先生がひいきするからいじめがあるのとちがいますか」と言われました。子供が家で私が先生にひいきされてると言っていたみたいです。そこで先生は、私に対して特に言うことがないから、ひいき的になっていたかもと言いました。そこでも、まだ話はどうにもならず、最終、母が「先生の上へ行ったろか」(市ではなく県へという意味で)と言うと急に先生の対応が変わり、「どうさせてもらったらいいか」と言ってきました。その後、冬休みに入り、母は新学期から学校へ行けるようにしてくれと言い、1月4日のお正月明け、クラブ顧問は、私と母、いじめる主犯格の子とその母を呼びました。それまで私には何もしていないと言っていた主犯格の子は、そこでも制服のことなどの言いわけをしましたが、そこでやっと先生は、その子の母の前で、そんな言い訳、とおらないときつくしかりました。やっと先生が私のことを信じてくれたと思いました。これまで本当に長かったと思いました。その時、相手の子に、私はいつもびくびくして顔を下向けて、おそるおそる、周りを見ていたところがあったのですが、それをにらんでる。あと、いろんなことで体調が悪く、薬を飲んだりしていたのですが、そういうことが見せつけてるみたいだったと言われました。先生に下から見るのはやめるよう、言われました。それから先生に二人、呼ばれました。そこで、その主犯格の子に、今までつらい思いさせてごめんな。と言われましたが、その時は反省というより言わされている感じでした。でもそこで私も、にらんでるみたいに思わせてごめん、と言ったら、いいよと返ってきました。その後、顧問の、頑張っていこうなという言葉でその場は終わりました。それから二人で戻る機会があったのですが、そこで親も先生も誰もいないところで、また同時に二人で謝り合いをしました。それで本当に終わることができました。その誰もいないところで二人で謝り合うことがなかったら、私のいじめは終わらなかったんじゃないかと思います。私のいじめはクラブの大半からのものでしたが、どの時も主犯格の子になる子がいて、みんな、そこに気に入られよう、手がらを立てよう、というような中で、やられていました。なので、主犯格の子になる子とそう言い合えたおかげでそれからはもう大丈夫になれ、それからは前の辛かったことも笑って話せるようになりました。本当に長い長い戦いでした。いじめの相談をしている最中にも、しょっちゅうアンケートもありましたが、楽しいとは書いていないですが、ふつう、ふつうにしました。──これ、いじめに遭ってるか遭ってないかと、そういう質問に対して、普通、普通と当たりさわりのないことを書いたということの意味です──その時、私をいじめるボスが同じ教室にいましたし、みんな家来になっている状態で、でも、みんな私をいじめてるから、私が何か書くんじゃないかと監視しているし、何か書きたくてもみんなより長いから書いてたらすぐバレる。そんな中でのアンケートには何の意味もないと思います。本当に辛かったら書けません。このことは本当に大人な先生たちに分かってほしいです。あと、先生に私以外にもいじめにあっている子がいるから助けてあげてと言ったらSOS送らない子には言わない。──助けないという意味らしいです──分かってても。と言われたことがあります。先生たちも先生なのだから私たちがこんな大人になりたいと思えるような先生になってほしいです。今回本当に言いたかったことは、本当に辛いことはアンケートには絶対書けません。先生の前ではなく本当に誰もいないところでいじめ、いじめられる双方が謝ったり言いあったりできる、ということがない限り、いじめが終わったとは言えないと思います。あとクラブでいじめられていた時、一番怖かったのは部室に行く時でした。部室のドアを開ける時が一番怖かったです。部室はせまくて暗くて内緒の話ができる唯一の場所だと思います。いじめる相談、悪口などはきっと部室があるからだと思ってしまうこともあります。部室の必要性も考えてもらえたらまた何か違ってくれるのではと願いたいです。自分がいじめに合った経験をした分、いじめている子にはとことん向き合い、いじめられている子を、どこまでも助けてあげられる人間になりたいです。最後に、自分が死にたい、死のうと思ったからこそ書けるのですが、衝撃的なことがあって、死のうとはしていません。いじめる子たちにしてみれば、いつも言っているような、言い慣れた、あびせる言葉、そういう言葉で、もう何もかも嫌になってあきらめの感情が私を線路に向かわせたのです。今は、死ななくて本当に良かったです。いじめをなくすのは難しいことだと思いますが誰か一人でもくいとめてあげられる人がいればきっともっと助かる人ができると思うので、私はそういう一人になりたいです。
 この作文は、目に届きにくいベールに包まれてる学校内部の実態を克明にあらわしていると思います。これを読んだとき、たくさんの涙があふれ出ました。これほど子供たちが叫んでも、訴えても、学校には届かない。悔しかったと思います。大人の世界の非情さを思い知らされたと思います。私は、女子生徒の命が助かって本当によかったなあと思いました。
 ここで、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、今、長い時間、朗読をさせていただきました。作文を聞いていただきまして、この作文に対する御感想を教育長のほうからお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今、作文を聞かせていただきました。また、私自身も、この作文を本当に丁寧に読ませていただきました。
 この作文には、いじめは決して起こしてはいけないという強い訴えが、あるいはいじめられた日々のつらい思いが、悔しい届かない思いが切々と書かれてありました。こうしたいじめが学校であったということに対しまして、本当に私自身も心が痛んでおります。
 このような訴えを非常に重く受けとめて、改めて、いじめを絶対に許さないという毅然とした厳しい姿勢に立ち、クラブ指導やクラスでの友達関係を初め、先ほどアンケートのことも出ましたけども、学校生活全般にわたり、きめ細かく心配り等を行い、いじめに対しまして迅速かつ適切に対応しなければならないという思いを強くいたしております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁をいただきました。いつも教育長のほうから気迫あふれるそういう答弁をいただいて、正直、心強く思うところも多いんです。
 しかしながら、現場はもっと深刻な事態になってる。このことに対して、今のお気持ちを本当に配下の市町村あるいは県立の学校に対して堂々と、改革をするというふうな話のレベルじゃなくて、革命を起こすぐらいのことで取り組んでいただきたいなあとも思えて仕方ございません。
 泣き叫んでる子供たちが余りにも多いと。私が少し聞き回っただけでも、すごく多いです。先生方が把握されてる数字ではありません。もっと多いです。そのことを真剣に考えていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、田辺市の今病気療養中状態にある13歳の男の子のことで教育委員会に相談させていただいたときは、家族に問題があるといった話を聞かしていただいてます。作文を聞いていただいた今でも、そういう捉え方に変わりがないかどうかをお尋ねいたしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県教育委員会としましては、家族に問題があるという認識はこれまでもいたしておりませんし、現在もそうした捉え方はいたしておりません。
 この事案につきましては、自殺を図ろうとした直接的な原因がいまだ確定できてない状況にあり、当該市においても、第三者委員会を設置し、その判断を委ねることとしております。県教育委員会といたしましても、この第三者委員会における判断結果を待ちたいというふうに考えております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 この家族に問題があるという発言をしたか、してないかというのは、また話し合いさしていただいたらと思います。僕は、ここのことに力点を置いてるということではありませんので。
 ただ、いろいろ問題を調べてる中で、1つ、相談員制度というのが設置されています。この相談員の皆さん方が学校に1人設置されているということをお伺いしてるわけですけど、この相談員の制度自体が形骸化してないかというあたりのところを少し、通告できていないことでもありますけれども、お話を聞かしていただきたいと思います。
 実は、複数以上の子供たちにお伺いしましたら、まずこの存在自体を知らないことが圧倒的に多くて、その相談員の先生とコミュニケーションがまるっきりできていない。これでは、いざそうしたときに子供たちが──平素、コミュニケーションというか、相談員の方がもっと子供たちのそばに寄り添っていただけてる、そういうことがあれば足も運びやすいし、「ちょっとおっちゃん、相談あんねんけど」、そういう話のことができていないんであれば、この相談員制度自体、つくっただけになっていないか、そこらあたりを私は危惧していますので、御答弁いただければありがたいなあと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 御指摘の相談員の制度が十分活用されていないということでございますけども、県としましては、いわゆる課題のある学校にはスクールカウンセラーを配置したり、あるいはソーシャルワーカーを配置して、各学校の状態を踏まえて生徒の心にしっかりと寄り添う、そういう相談に乗るよう指導しておるところでございます。
 ただ、それが議員御指摘のように周知されてない、子供たちが実際知らないという実態の御指摘でございますので、県としては、この周知の徹底について、今後とも真剣に努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ぜひお願いいたします。予算をかけて設置をしてることでもありますので。
 それから、ちょっと提言というか、要望だけをその件についてさしていただきたいと思います。
 この相談員の先生方の選ばれ方なんですが、私はもう一工夫をしていただきたいと思います。
 学校の先生方の天下り先みたいなことになっていないか。大方は、その元先生方というような立場の人が就任しているかのようにちょっと聞いております。もっともっとやっぱり本当に知りたいのは、本当にこの相談員制度まで設置して我々が求めてることは、子供たちの叫びを真摯に受けとめて、それを一日も早く改善策の方向に持っていく、そういう機能を果たしてもらわなければ置いただけになってしまうんじゃないかと、そんなふうに実は感じています。
 次に行かしていただきたいと思います。
 知事や教育長が、たしか昨年の9月だったと思いますが、設置をしていただいた、いじめ問題に対して、できるだけいろんなシステム、相談員の皆さんであったりとかあるわけですけど、その上にメールを、ホットメールみたいなものですよね、入れてくださいと。その情報の中でいじめの問題についてキャッチをし、きめ細かい対応を組んでいくと、そういう趣旨であったろうと思いますが、このメールには今回の情報が入っていたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 先ほど来、議員から御指摘いただいておりますけども、この案件に関しまして議員が深く心を痛めて、何とかしてあげたいとの熱く温かい思いを抱かれてることに対しましては、私も全く同じ思いをいたしております。
 昨年末、いじめに関する情報を知事及び私が受け付けると発表してから、本当に数多くの情報が寄せられております。そもそも、この制度は、いじめを受けながら、その悩みや苦しさ、つらさといった、まさに心の叫びを身近な家族や友人、先生に相談することができない子供たちやその家族が安心して相談できるように、他人に知らせない、秘密を守るということを前提としてつくられたものでございます。実際に情報を寄せられた多くの方々が、そのように望んでおられます。
 教育委員会並びに県においても、この趣旨から、情報の事実関係を調査するに当たっては、相談者の意向に沿って細心の注意を払い、慎重に行っているところでございます。
 このようなことから、本事象に関して、当該家族等から教育長ポスト等にいじめ相談があったかどうかにつきましては、この相談メールの制度を維持するためにも、内容のみならず、その存否を含めてお答えすることは控えさせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、議員御指摘のこの事案につきましては、県教委としましては、事象が発生した当初から、その重要性に鑑み、これまで当該市町村教育委員会と協力しながら最大限の対応をしてまいっておりますので、御理解のほどお願いしたいというふうに思います。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 教育長からただいまそういう答弁をいただきましたが、私は納得ができません。理由は、相談が、こういう重大な案件が起こったときの、このときのこれをみんなでやっぱり真剣に考えて解決策の方策を考えていかなければならないのが、我々、この議場に出席しているみんなの責任だと思います。
 年端もいかない13歳の子供が、こうしたことで社会に抗議を発した。このことで私が納得いかないのは、中身を尋ねてるんではないんです。相談のそういうメールがあったんかどうかだけのことを尋ねてるわけです。このことさえ、我々、100万県民からここに出席さしていただいてる42名の議員は、その負託を受けて──一人一人が、県民が立ち上がることはできないと思います。その代弁を私たちはしなければならない立場にあるわけです。その立場の私たちに対して、あったかどうかも言えないような、そういうシステムというのは適当かどうかというのを感じます。いま一度、御答弁をいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 先ほど申し上げましたけども、この制度を活用するに当たっては、その訴えてきてる子供たちの苦しみや悩みをしっかりと踏まえて、総力を挙げて教育委員会として対応していく、あるいは学校として対応していくべきものだというふうに受けとめております。
 ただ、その内容を、いろんな方々から情報公開があったにしても、それを安易に公表すると、情報開示するということは、この制度自体が本来の機能を果たしていけないのではないかというふうに捉えております。そういう意味で、今後、御指摘の点につきましては、さらに子供たちや保護者の願いに応えるべく、いろんな方策を考えてまいりたいというふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 もうこれ以上のことを確認するというてもあれなんですけど、でも私は思います。ちょっと過ぎた言葉になるかわかりませんが、情報公開、個人情報という名のもとに、何もかもこうして包み込んで、本当に必要な情報さえ出さないことの弊害、このことの視点も十分考えていただきたいと思います。
 私たちは本当に──私は、これを教えていただくと、次に、やっぱりそうしたことを踏まえた、より掘り下げた対策を、取り組みを進めたいな、そのための参考資料としては極めて重要であると考えたからです。
 それは、せっかく設置していただいた、くどいですが、このホットメールというかメールのシステムが機能しておれば、このことがここまでいかずに済んだ可能性はなかったんかと思うわけです。もうこの子は、残念ながら社会復帰は不可能だと思います。頭脳の大部分がダメージを受けておって、もう本当に社会復帰は難しい。ここまでして、この子が抗議の意思をあらわしたと、こういう視点で我々が考えなければ、この子供さんの行動が浮かばれない、そんなふうに思うからです。
 ぜひまた一度、十分教育委員会の中でも、こうしたことに対するそういう考え方というのは研究をしていただきたいと思います。
 次に、月並みなことなんですが、学校とは、本来、生徒にとって安全で安心した生活を送る場所でなければならないと考えるわけです。これ、誰もが思うてるわけです。まさか学校現場に行って恐ろしいことが起こって、子供が命さえ投げ出そうとするような事態がそこで頻繁に起こってるというようなこと、よもや保護者も子供さん方も考えて登校してることではないと思います。
 こうした現状があることに対して、教育長の御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) このことに関しましては、まさに議員の御指摘のとおりでございまして、子供が生き生きと笑顔で学べる学校というのは、安全で安心して過ごせる場所であるということが何よりも大切であると受けとめております。
 このことは、教育活動を行う上での大前提であり、まさに子供の笑顔がはじける、子供のはじける笑顔というのが地域社会の輝きにつながるものと考えております。そのため、教職員は、小さなサインを見逃すことなく、一人一人の子供を大切にするとともに、問題が起こったときには、子供の心に寄り添い、丁寧に対応するなど、全力で取り組んでいきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございます。
 県の教育委員会の配下の市町村に指導できる限界というか、そうしたこともあって、なかなか教育長御自身も、十分そうした中での指導というのは限界を感じておられて、歯がゆい思いをされておられるんじゃないかと、一方的にそういうふうに思うたりもするわけです。
 ところで、今の答弁のことで大変──もうきょうはこういう場所でもありますので、お互い、私自身も勉強したいという意味で質問をさせていただいてます。その御答弁の中で、小さなサインを見逃すことなく、一人一人の子供を大切にするとともに、問題が起こったときに子供の心に寄り添い、丁寧に対応していくなど、全力で取り組んでいきたい旨の御答弁をいただきました。まさにそうでなかったらあかんと思います。
 でも、皆さん、お考えください。私がここでこういう発言をさせていただくこと自体、そうではない現場があるということを踏まえて話をさせていただいています。教育委員会の皆さん方が発信する、そうした言葉というのが現場では空回りをしている。実際の問題は、そうした実態にないところに大きなやっぱり問題点がある。そういう課題に対して、もっと掘り込んだ対応をしていただく、そういう新しい視点で物を見ていただく、もう我々が育った時代の子供ではないというふうに考えるべきだと思うんです。
 よくこんなことがありますよね。我々もいじめはあったんや、あがらのときもあったやろなと、もうそんな物わかりをしたような言葉をまき散らさないでほしいな。あの時代と今の時代は一緒ではない、そういう視点で、教育行政のトップにおられる、例えば県の教育委員会の皆さん方は、もう思いっ切り考え方を変えていただきたい。それでないと、泣き叫んでる子供たちの命を救ってあげることはできない、私はそう思います。お願いいたします。
 次に、関連するんですが、この当該中学校で、学校へ来れない、来ていない生徒がたくさんいるとお伺いをしています。この実態を御報告いただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 不登校にかかわってでございますが、特定の学校の不登校の生徒数は公表いたしておりませんが、当該中学校は、県平均に比べて極端に多いという状況ではないと受けとめてございます。しかしながら、こうした状況を踏まえながら、不登校生徒の本当にさまざまな苦しみやつらさ、悩み等をしっかりと受けとめて、全ての生徒が楽しく生き生き通える学校になるよう、当該市町村教育委員会と連携をして指導を強めてまいりたいというふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういうことで、内容を御報告いただけませんでしたが、実はこれ、私は警察の組織の権限を持ってるわけでもありませんが、訴えてきてくれる方々がおって、今、在校している、そしてまた卒業して高校1年生になった生徒の皆さん方5~6人には聞いたと思います。保護者の方にも聞きました。
 そしたら、3年生の生徒がこう言いました。3年生で、今、いじめに遭うて精神的ダメージを受け、学校に行けない状態の子供が8人はおります。「8人もおんのか」と聞いたんですよ。「じゃあ2年生は。誰か2年生のこと知ってる子ない?」と言うたら、「2年生は11人あると思います」。この話なんですが、足したら19人ですよ。
 1年生は、ようやく学校に入学してきた当時、まだ日にちはそうたちませんよね。だから、その数字というのはそんなにないんだろうというふうに感じられるわけですけども、3年生に仮に8人、2年生に11人、この数字が、今、教育長からお話がありました、「極端に多いという状況ではないというふうに認識しています」ということなんですが、僕は思います。1人でもあれば多い。みんな平等に学習する権利がある。これは憲法に定められてる。
 いとおしいことに、そのことを子供たち自身もわかってるんだろうと思うんです。どんなにいじめられようが、どんな事態が起ころうが、その帰りしな、精神的ダメージを受けて自分の命を捨てることになるようなことがあるかもわからん。それでも、朝起きたら学校に行こうとするんですよ。
 その子供が8人も11人も来ない。このことを極端に多くないというような表現で答弁をされるというのは、僕は問題があると思います。1人でもあれば、我々は立ち上がらなきゃならんはずです。それが、この程度はしようない、社会の最近の時代のコストやろうと、そういうふうにもしお考えをされているようなことがあるとしたら、僕はそのことが重大な問題だと思います。
 ちょっともう一度、御答弁をいただけないかと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のような認識は、私自身、持っておりません。子供の命というのは、たとえ1人であっても和歌山県から失うことがあってはならないというふうに強く思っております。
 とりわけ、先ほど申し上げましたのは県平均と比べての話でございまして、個々の学校については、本当にそれぞれ悩み、苦しみ、必死になって頑張っている子供たちがたくさんいる、またそれに耐えられずに学校を休んでる、不登校になってる子供もいるということは承知いたしております。
 その子供たちに対して、どういう形で学校に来て生き生きと学べるようにするのか。その施策について、さまざまな形でこれからも創意工夫を凝らした取り組みをしながら、市町村教育委員会と連携をして指導を強めてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁いただきました。教育長の気迫に迫った言葉、それを胸に置いときたいと思います。
 本当に我々も、この議場で、何かけんかのような言葉をやりとりするようなことが目的ではなくて、やっぱりこのことを、現場で泣き叫び、救いの手を求めてる、その子供たちに届けてほしいと、その一念でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に入らせていただきます。
 この事件が発生してから、かなりの日数がたちます。半年以上たってくるわけですが、県独自の調査をしていただけたんかどうかということをお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) この事件が発生してから独自の調査はしているかということでございますけども、県教育委員会といたしましては、本事案が発生した当初から、学校指導課、教育センター学びの丘の担当者が、本当に再三再四にわたって当該教育委員会や学校に出向き、事実の確認を行うとともに、迅速かつ適切な対応ができるよう指導・助言を行ってきたところでございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういう答弁を教育長からいただきました。
 大変失礼ですが、ちょっとそこの中身のことを一度お伺いできませんか。その取り組んでいただいた内容の一端をこの議場で披瀝をいただけないでしょうか。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 具体的な内容にかかわってですが、いわゆる学校指導課の局長、それから指導主事、班長、それから教育センター学びの丘のカウンセラー担当の職員等が実際に出向いていって、具体的に学校あるいは市町村教育委員会がどういう対応をしてるのか、あるいは何が問題であったのか、これからどうしていくのかというようなことを含めて、具体的な話を聞きながら助言をしてきているというのが現状でございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういうことかなと思います。ただ、失礼だったかわかりませんが、強いて確認をしてみたい、聞いてみたいと思いましたのは、その作業をしていただいてるその結果が目に見えんからです。目に見えていないからです。本当にしていただいてるんかな。
 といいますのは、先ほど朗読させていただいた子供さんは、12月の15日に空手の帯で自殺未遂をして、今、意識不明の、死のふちをさまよってる状態ですよね。この1年3カ月前に鉄道自殺未遂事件を起こしてるわけです。このときにきちんとしたことの検証ができておれば、この子の命はこういう事態にはなっていなかったんではないかと、そこに物すごく残念な思いもするわけです。
 せっかく、学びの丘にもあれだけ大勢の職員の皆さん方がおられて、こうしたことを高いアンテナで感知をいただいて、そうしたことに対して1人でも真剣な取り組みをして学校現場にアドバイスを届けてあげていただければ、もちろん市の学校のほうがそれを取り上げる度量というか、能力というか、そういう気持ちがなければなっていなかったかわかりませんけれども、そのことをしてあげていただければ、この家族がこういう悲惨な日々を暮らさなければならない事態が起こっていなかったんではないかと思えば、残念でならんのです。ありがとうございました。
 次に、7つ目のことに入らせていただきたいと思います。
 子供たちの記憶が薄れる前に、早く第三者委員会を設置し、全容を解明し、今後の教育現場に生かすべきだと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の熱い思いを受けまして、私ども教育委員会としても、みずから命を絶とうとし、現在も入院中の生徒に対しまして、改めて心からお見舞いを申し上げますとともに、子供を持つ親として御両親の思いを推しはかりますと、本当に胸の痛む思いがいたしております。
 本事案の全容を解明するためにも、公平、中立の視点で事実調査をすることが重要であり、県教育委員会としましても、一刻も早く第三者委員会を設置するよう当該市に再三要請をしてきておりましたが、6月17日、当該市から委員決定の発表が行われたところでございます。
 この第三者委員会による事実確認、検証がまとめられた際には、その調査結果を踏まえ、今後の指導にしっかりと生かして、1人もこうした子供たちが出ないように全力を尽くして当たっていく所存でございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 はい、ありがとうございます。ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
 今、御答弁の中で、1つすごく私はうれしいなと思ったことがあります。それは、教育長みずからのお言葉で、みずから命を絶とうとし、現在も入院中の生徒に対し、心からお見舞い申し上げますとともに、子供を持つ親として御両親の思いを推しはかると本当に心が痛みますと、初めて私、聞きました。
 これ、もう3月から、ちょっと私、担当課のほうに相談をさせていただいていましたが、申しわけありませんが、お見舞いの言葉一つ聞いたことなかったです。本当に血の通う行政という、そんな言葉を聞いて久しいような、何十年前から聞いたかなと思いましたけれども、こうして社会に問題提起をし、もう二度と我々と同じような姿で生活もできなくなってしまったこの子供さんに対して、せめて一言、我々この立場にある者、そして特に管理監督権の立場にある頂点の、そのてっぺんに座ってる方々、心からのお見舞いの言葉を言うてあげてほしいなと、そんなふうに思うてたからです。
 この言葉を言うていただいたからというて、子供が元気になるわけではありません。でも、やっぱり支えてる家族とか地域の周りの皆さん方が、少しは行政の血の通ったその言葉をいただくことによって勇気づけられるんじゃないかなと思い続けてまいりました。
 次に、いじめ防止対策条例について、本県でも取り組むべきであると考えていますけれども、お考えをお伺い申し上げます。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめ防止対策条例の制定にかかわってでございますが、本県では、既にいじめ問題に対しまして、知事部局、教育委員会、学校が一体となって、また関係機関とも連携しながら、その解消に向けて組織的に取り組んでいるところでございます。
 議員御指摘の条例に関しましては、現在、国会において行われているいじめ防止対策推進法案の審議を踏まえながら、総合的に判断してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 たしか、きょうはもう19日で、昨日、順調にいっておれば国でこの議案が審議され、制定される可能性が高いという報道が以前載っておりましたので、まずは国がやっぱり、我々の県だけでこういう事態が起こってるわけではありませんし、国が立ち上がって、一日も早くこのことの制定をし、子供たちの人権や人格を守る、そこからスタートしてほしいと思いますので、まず法律ができるということはありがたいです。
 ただ、我々の県の姿勢を出す意味からも、法律を踏まえまして、県も生徒や子供たちに向かって安心して学習できる環境を守るために条例を制定するということは、子供たちに対して大きなメッセージになるようにも思いますので、今、法律がまずできてから、それからまた御検討いただくということですので、それはそれで了とさせていただきますので、こうした我々独自の──よその県はどうあろうが──我々の県の、県民の大事な子供たちの命は、我々が、法律があろうがなかろうが条例を制定してでも守っていくんだという強いメッセージを出していただくことができれば、多くの方々が勇気づけられるんじゃないかと思います。
 時間が余りなくなりましたので、最後ですが、昨年12月議会において教育委員長から特に発言をお願いいたしまして、その発言の中で、るる言葉がありましたが、「覚悟」という表現の答弁をいただいています。まさに、私も同意見でございまして、こういう事態を踏まえまして、再度その覚悟をお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめというのは、もう既に御承知のとおり、人権を侵害するばかりじゃなくて、人間の尊厳そのものにかかわる大変重要な問題であり、絶対に許されない行為でございます。全ての子供たちがいじめで苦しんだり悩んだりすることがないよう、県教育委員会としましては、総力を挙げて総がかりで取り組む覚悟であると改めて申し上げたいと思います。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 あと1分あるんで、全部いただきたいと思います、時間。
 ありがとうございます。ぜひそういう覚悟で臨んでいただきたいと心から思います。よくあるのに、話の話、言葉遊びにならないように、具体的な結果が目に見える形で取り組んでいただけることを要望したいと思います。
 それから、私、ちょっと考えてみたんです。社会で、今、毎年300人になんなんとする子供たちが自傷事故で寿命を閉じています。ひょっとして、これが、我々はもうこの感覚が麻痺してしもうて、社会人に成長していく中でのこの1億2000万人在職する国で、コストと考えてるんじゃないかと。これは、そのぐらいのことはやむを得んの違うか、コストという意識を持って考えてる節があるとしたら、我々は大いに反省をしなければならないと思うんです。
 それから、この「いじめ」という表現ですが、気に入らんのです。何だか、ちょっとこそこそっと何かして、ちょっと叱ったら許してもらえる範疇に考えられる、そういう意識にどうしてもなってしまうんです。
 私、今度、この内容について、もっと啓発をしていきたいという思いから、私はこのこと自体は悪意を持った人権と人格のじゅうりん事件であると思います。できましたら、一度そうしたことも教育委員会の中で議論いただいて、これから「いじめ」なんて表現じゃなくて、このことは悪意を持った人権と人格のじゅうりん事件を起こしてるんやと、こういう思いと願いで子供たちにも進めていただき、教育現場でもそうしたことを一度御検討いただきたい。このことが、ひょっとしたらこれからの時代に新しい福音をもたらすことにならないかと、そんなことを思えてなりません。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
────────────────────

このページの先頭へ