平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成25年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成25年6月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成25年6月19日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第89号から議案第95号まで(当局説明)
 第2 議案第75号から議案第86号まで、議案第89号から議案第95号まで並びに報第1号から報第4号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第89号から議案第95号まで(当局説明)
 第2 議案第75号から議案第86号まで、議案第89号から議案第95号まで並びに報第1号から報第4号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 立谷誠一
 2番 濱口太史
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 鈴木太雄
 10番 岩田弘彦
 11番 服部 一
 12番 山本茂博
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 平木哲朗
 18番 岸本 健
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 森 礼子
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
36番 欠員
39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       和歌哲也
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      木村雅人
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     塩崎 望
 福祉保健部長     中川伸児
 商工観光労働部長   藤本陽司
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      植山 均
 教育委員会委員長   山下郁夫
 教育長        西下博通
 公安委員会委員長   片山博臣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 上山義彦
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山田正彦君) これより本日の会議を開きます。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第89号から議案第95号までを一括して議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました諸議案の提案理由を御説明申し上げます。
 今回、追加提案をいたしました議案は、いずれも職員の給料等の減額に伴う補正予算及び関係条例の制定であります。
 国の給与減額支給措置の要請に伴い減ずることとされた地方交付税の額に相当する人件費を削減するため、本年7月1日から平成26年3月31日までの間、知事及び職員の給料等の額を減ずるものであり、予算案件といたしまして、一般会計で37億2800万円余の減額、特別会計で5300万円余の減額の補正予算を計上いたしております。
 給与関係条例につきましては、議案第95号をもってお願いいたしております。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山田正彦君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第75号から議案第86号まで、議案第89号から議案第95号まで並びに知事専決処分報告報第1号から報第4号までを一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 22番冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕(拍手)
○冨安民浩君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告順に質問を進めさせていただきます。
 安倍政権が誕生して半年が経過しようとしております。デフレから脱却し、強い経済を取り戻すべく、政権発足当時、10兆とも15兆とも言われた需給ギャップ解消に向け、昨年度の補正予算並びに本年度当初予算に大幅な財政措置を講じ、本年第1・四半期における経済成長率はおおむね年率換算で4%上昇し、加えて、日銀の大胆な金融緩和策がそれまで塞ぎ込んでいたマインドの改善につながり、いわゆる財政金融政策の相乗効果で各種経済指標に大幅な上昇改善が見られるようになりました。ここ1カ月足らず、金融市場は乱高下を繰り返していますが、経済上昇の確かな過程にあるのは紛れもない事実であり、各種経済指標が示すとおりであります。
 昨年、前政権当時、まさに経済対策を初めとする無為無策の中で、国内の著名なシンクタンクが、このままでは2030年には日本のGDPは2分の1になると予測しておりましたし、さらに英国の経済雑誌の「エコノミスト」が、2060年の世界の主要国の経済状況を予想する記述に日本の記述がないと言われていました。まさに日本は記述するに足りない国であるという調査でありました。
 そうした予測や記述を振り返ると、前政権に比して現安倍政権は、経済再生に向け確かな歩みを続け、大きな成果を上げているのは事実であり、それゆえ国民の高い支持率につながり、実体経済が目に見えて上昇に向かう日もそう遠くないと見込まれていますし、期待をするところであります。
 さらに、先週末、政府は、経済再生に向けての3本目の矢と位置づけている成長戦略を閣議決定し、公表いたしました。その成長戦略の中にTPP協定参加が明文化、位置づけられております。TPP協定参加に向けての政府の強い不退転の意思表示であります。
 TPP問題は、前政権当時から賛否両論相まっての議論の中で決定が先送りされてきましたが、現政権は、本年2月の日米首脳会談において例外品目を認めるという米側の言質を得、与党内のTPP交渉参加の同意にこぎつけ、3月25日、政府はTPP交渉参加を正式表明いたしました。
 その後、TPP問題は余り議論されませんが、先日の成長戦略への位置づけから考えますと、極めて高い確率で、多少の障害を乗り越えても参加するだろうということが予測できます。2月の日米首脳会談において、普天間問題、北鮮の核問題とあわせて、主要テーマとしてTPP問題が論じられたのは容易に推測できます。TPP参加に向けての日本の環境づくりがなされたのであります。もちろん、米側にとっても、GDP世界第3位の日本が参加しないTPPは余り意味がないし、日本の参加のもとでのアジア戦略であろうと思います。
 いよいよ7月の交渉から日本が参加することになりますが──マレーシアで行われるようでありますが──交渉過程での情報や、それに基づく各省、とりわけ経産省や農水省の対応等が出てくると思われます。
 本県としても、TPP問題の重要性やその大きさに鑑み、その情報収集に努める必要があると思います。仁坂知事は、知事自身、独自の情報収集のルートもお持ちだと思いますが、情報収集体制の強化策を進めるべきだと思います。
 また、県において、TPPに参加した場合の本県農業への影響試算が以前に公表されておりましたが、これは23年の5月だったと思いますが、その当時は、日本を含めて10カ国での中、その後、カナダ、メキシコが加わることを表明しておりますから、ちょっともう一度その影響を精査、検討の上、負の影響の大きい分野への対応策や、そしてTPPが導入された後の本県の農業振興に向けての対応について、知事に一括して御答弁をお願いいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの冨安民浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 県では、これまで競争力の高い農業を目指すため、農業緊急戦略アクションプログラムに基づき、生産対策、担い手対策、農地対策などの具体的な施策を実施するとともに、農水産物、加工食品の販売促進アクションプログラムによる販売力の強化にも努めてきたところであり、高品質なオリジナル品種の開発、普及や新たな加工食品の開発、国内外への販路拡大など、一定の成果も出てきております。ただ、もっと一生懸命やっていかないかんというふうに思っております。
 TPPの件につきましては、従来、参加する場合、参加しない場合のプラス・マイナスを考えて、利害得失を考慮して考えるべきだと私は何度も申し上げてきました。政府としては、そういうことを全部考えて、全体として参加するほうがプラスと判断したと思われますが、その際には、これも何度も申し上げましたけれども、マイナスとなる分野、あるいは交渉の結果、どうしてもそういうことが余儀なくされる分野、そういうところに対しては必要な対策は講じていかないかんというふうに思っております。
 現在、TPP関連情報については、農水関係、それから商工業関係、貿易関係、いろいろあるもんですから、企画部を総合窓口といたしまして収集に努めているところでありますが、御指摘のように、ふんどしを締め直して、これも強化していかないといかんというふうに思っております。
 今後、これらの情報をもとに本県への影響について十分精査をいたしまして、マイナスの影響が想定される農業分野については──特に農業分野については、その支援策を国に働きかけるとともに、県としても対策を検討する必要があると考えております。
 特に、成長戦略の中で示された農地集積の促進、6次産業化の推進、農産物の輸出拡大等については、本県にとっても、当初申し上げましたように、重要かつ緊急的な課題と考えておりますので、今後、国の具体的施策を注視、研究するとともに、県としても攻めの農業に積極的に取り組んでいきたい、そんなふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 今、知事から答弁をいただきました。私は、TPP、これはもうある意味では、通商国家として今日まで歩んできた我が国にとって、グローバル化の変化の激しい中で避けて通れない問題であろうと思いますが、ただ、参加した場合、あらゆる分野が予想以上に私は激変してくると思います。そうした中で、やっぱり和歌山県というのは、まさに農業も大きな産業でありますから、この分野を次なるステージでどういうふうに持っていくか、もう一度やっぱりフラットなステージで考えて、次なる展開をしっかりと描きながら、本県農業が確かな成長を遂げれるような対策、指針をぜひつくっていただけますことを要望しておきたいと思います。
 次に、建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律が成立いたしました。この法律の施行に伴う点、いろんな施行を進めていく上での数点についてお尋ねをいたしたいと思います。
 平成17年に中央防災会議が定めた地震防災対策目標に、住宅及び不特定多数の人々が利用する建築物の耐震化率を平成27年までに9割にすることが定められておることや、南海トラフの巨大地震等の被害想定で、最大クラスの規模で地震が発生した場合、東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害の発生が確実視されることに鑑み、本年5月、国会において、大規模な地震の発生に備えて建築物の地震に対する安全性の向上を一層促進するため、地震に対する安全性が明らかでない建築物の耐震診断の実施の義務づけや耐震改修計画の認定基準の緩和等を骨子とする建築物の耐震改修の促進に関する法律の一部を改正する法律が成立し、いよいよ本年11月より施行されることになります。
 この法律が施行されますと、平成27年までに、不特定多数の人々が利用するホテル等の宿泊施設や病院等の大規模建築物の耐震診断の実施と診断結果の報告が罰則つきで義務化され、県に診断結果の公表が求められることになり、本県の観光業を営むホテル、宿泊業者の皆様方にとって、長引くデフレ下でもう経営体が大変傷んでおる中で、その存続に向けて越えなきゃいけない大変大きいハードルになります。
 そこで、担当部長にお尋ねをいたします。この法律の周知徹底に向けての取り組みをどう進めていくのか、まずお尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 法律の改正につきましては、議員御指摘のとおり、耐震性の向上を促進するため、規制強化などを目的として行われたものですが、県としては、庁内に関係部局から成るプロジェクトチームを組織し、法改正への周知や対応を検討しております。中でも、大規模な宿泊施設につきましては、観光部局と連携して施設の所有者などを個別に訪問し、意見交換を実施しているところであります。
 今後は、政令及び省令の施行を待って対象施設を確定した上で、所有者に対して耐震診断の義務化対象施設である旨の通知を行う予定となっております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 今、法律の周知徹底の仕方について、担当部長から説明をいただきました。
 次に、この法律の対象となる県内の建築物はどれくらいあるのだろうか。例えば、業種別的に現在把握している範囲内で結構でございますから、公表願いたいと思います。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 現時点で、国の説明をもとに県が想定している対象施設は、県内に約60棟ございます。そのうち、ホテル、旅館は約30棟、物販店舗は約10棟、病院、幼稚園、老人ホームを含むその他の施設は約20棟となっております。今後は、国の動向を踏まえて、できるだけ早期に対象施設の把握に努めてまいります。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 ホテル、宿泊施設が30棟ぐらいあるという報告をいただきました。この施設は、本県の観光業振興に向けて資する施設であります。これを何とかやっぱり存続させる方策を講じていくことが和歌山県の観光を推進していく上で極めて大事であると思いますが、事業体はもう本当に経営が大変傷み切っておると思いますので、そこで、この耐震診断並びに耐震改修に要する費用に対して、県の助成を知事はどのように考えておるのか、あるいはもう全くしないというのか、その辺を御答弁いただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回の法律改正は、観光立県である和歌山県にとって非常に影響の大きい内容であると認識しております。とりわけ、どちらかというと古くからの観光立県でございますので、耐震基準のないときのホテル、旅館なんかも結構あるということで、しかもそれが大変な集客施設になってるわけですから、大変な影響があると思います。
 そのために、地域経済に大きな影響があるホテルとか旅館などについて、国に対して診断結果の公表時期とか、あるいは方法の柔軟な対応とか、あるいは国の補助制度の期間延長などの要望を行ったところなんです。すなわち、まだ対策も進んでないときに無理やり過酷に公表を迫るなど、そんなことはやめてもらいたい、それから、経営も大変苦しいので大変な出費を強いられる業者さんをぜひ助けてほしいと、そういうようなことを申し上げております。
 その結果、国土交通大臣からは、公表の方法とか時期については地方の判断を尊重すると、それからまた、国も助けるから県も助けてやってくれというような御意見もいただきました。
 今後、ホテル、旅館などの施設の所有者からいただいたさまざまな意見も踏まえ、国の制度を活用しつつ、県としても積極的に支援してまいりたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 知事から、積極的に支援していくという答弁がございました。観光を推し進めていく上で、こういった施設の存続というのはまさに不可欠であります。ぜひ、センシティブに対応していただきますことをお願いしておきます。
 県では、木造住宅については、早い時期からその耐震化への取り組みが、促進計画等を立てて目標を設定して、また補助制度等を充実したり、あるいは市町村と一体となって普及啓発活動を展開して、かなりの効果を上げていると私も聞いておりますが、現時点での達成率というのはどれぐらいなのか。この機会に担当部長にお尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 和歌山県耐震化促進計画において、平成27年に耐震化率84.2%を目標にしており、平成20年の推計値では70%となっております。
 これまで、県では、耐震診断、設計、改修に対する補助制度を設けるとともに、高齢者の方などへ無料で専門家を派遣するサポート事業を実施するなど、制度拡充に努めてまいりました。あわせて、県内各地で県政おはなし講座や耐震説明会を実施し、制度の周知も進めた結果、昨年度、耐震改修の実績は過去最高の181件となっております。
 今年度につきましては、国の制度拡充に伴い、従来の耐震改修補助に加え、今年度に限り、さらに最大15万円を上乗せし、県内の設計士や工務店向けのセミナーにおいて制度を周知することで一層の耐震化促進を図っているところでございます。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 ぜひ、担当部におかれましては、100%達成に向けて──100%は無理かもわかりませんが、さらなる御精励をお願いしておきます。
 次に、ラジオの強靱化についてお尋ねをいたします。
 この問題については、明日、鈴木議員からも大体同趣旨の質問がされると思います。それほど、この問題は、やっぱり災害対策として重要だということを御認識いただきたいと思います。
 一昨年の東日本の大震災、津波の発生により、配電設備はずたずたに壊され、各種通信機能が途絶える中、被災者への情報伝達手段として携帯ラジオの優位性が再認識されたところであります。近い将来、南海トラフで地震の発生が懸念される中、東日本の大震災発生時の教訓に学び、防災対策の一環として、大規模災害発生時の被災住民の皆様方への情報伝達手段としてラジオの位置づけが必要だと思います。
 防災対策としてのいわゆるラジオの強靱化についての知事の所見をお尋ねいたします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ラジオは、停電のときでも乾電池で動きますし、避難時に容易に持ち運べることから、実際に東日本大震災とか紀伊半島大水害でもラジオは情報源として高く評価されたところであります。
 災害時に重要なことは、県民の生命、財産を守るための情報を伝えることでありまして、ラジオ通じるプランの中で、情報伝達の複層化や1局以上のラジオが必ず聞けるように取り組んでいるところでございます。
 そのような中、中継局などの送信ネットワークの整備など、防災対策としてのラジオ強靱化は非常に重要であると、議員御指摘のように考えております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 時折しも先月、我が国の放送行政の、実質、事務方の最高責任者ともいうべき総務省情報流通行政局長の吉崎さんの講演会に参加させていただく機会がございました。ちょうど知事も御出席されておりましたし、同僚の中議員も出席されておりました。
 吉崎氏は、おおむね1時間余りにわたって、「放送のこれから」というタイトルで、現下の放送を取り巻く環境や国の放送行政の今後の取り組み方針等について講演されましたが、その中で、東日本大震災の発生当時、住民の皆様方が情報取得に利用した手段はラジオだったことも明らかにされました。
 また、災害発生時、平時利便性に大きく寄与する携帯電話やインターネット等の情報伝達手段としての限界についても言及され、あわせて、また近年、インターネット等の急激な普及でメディア形態が激変する中で、広告収入減によるラジオ放送事業者の経営の厳しさというものも数字で説明、示されました。ラジオの強靱化に向け取り組むには、財源対策として、国、県、市町村の協力の必要性を強調せられ、ラジオの強靱化推進の先進県として本県の取り組み提案もございました。
 国におけるラジオの強靱化に向けての取り組み状況を調べましたところ、既に二階代議士が会長を務める自民党国土強靱化調査会では、防災・減災インフラ整備とともに、放送ネットワークの整備の必要性を大きく位置づけており、当調査会の位置づけを受けて、総務省内に放送ネットワークの強靱化に関する検討会が2月に設置され、数回に及ぶ検討会での議論の結果、5月末に中間報告が取りまとめられ、公表済みであります。
 その取りまとめられた中身の骨子は、難聴対策、災害対策として、AMラジオ放送のFM波利用を可能とする送信所整備の必要性と、ラジオ放送事業者の厳しい経営状況も踏まえ、自治体とラジオ放送事業者の連携強化であり、具体的には、県においては、県域ラジオ放送による自治体情報提供の一層の推進等によるラジオ放送事業者が事業展開を行いやすい環境整備を進める観点から、関係者のコンセンサスが得られたものについては、特定の地域を対象としてのラジオ強靱化に向け、モデル事業として国が支援することになっております。
 この中間取りまとめが、先週末に閣議決定され公表されている骨太の方針に盛り込まれており、来年度予算に計上される見込みが私は大きいと思います。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 難聴解消に向け、新たな中継局の整備が必要となりますが、これを進めていくとなれば、その財源対策をどのように考えておられるのか。もう事業体にはその能力がないということが、この間、吉崎さんの説明でもわかりましたので、その点について知事に答弁を求めます。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 中継局の整備には、御指摘のように多額の費用が必要であります。地震に強い、あるいは老朽化に対応する、そういうAM局をつくり直すと、えらいお金がかかります。FM局でFM波を利用した場合は、もうちょっと費用が少なくなると思いますが、それでもAM局がFM局にかわるためには、たくさんの電波を送る装置が必要になってまいります。
 そのため、放送事業者がみずから中継局の整備に取り組むことが困難な場合には、何らかの観点、特にこの場合は防災・減災の観点から、行政による一定の支援も必要ではないかと思われます。
 そのため、国に対して、平成26年度国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望を実施し、中継局など送信ネットワーク整備におけるラジオ放送事業者の負担軽減を図るため、財政措置を含む支援制度の創設を国に要望したところでございます。
 今後、国による支援制度が創設された場合は、県としても、県内のラジオ放送事業者と調整を行いながら市町村とも連携して、支援制度を積極的に活用し、検討していきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 来年度の予算要望にも位置づけられておりますんで、知事、県としてはこれを推し進めるという姿勢だと私は捉えますし、そのとおりだと思います。
 ただ、県が進めていく中で、やっぱり市町村の意識というのも、これはもう防災対策も同じであります。まさに、フロンティアの地域の意識というのも一緒に持っていかないと効果が上がりませんので、来年度予算にこの概算要求、いよいよ夏から始まるわけでありますが、そうした見込みがつき次第、やっぱり関係市町村との連携強化をしっかりして、防災対策としてラジオの強靱化に向けて進んでいただきますことを要望しておきます。
 引き続いて、近年、原油価格が随分高騰しております。私の議席を担当する日高地方というのは、施設園芸農がもう長い間、ずっと盛んであります。そして、この施設園芸業に従事する人というのは、まさに中核農家、日高農業の屋台骨を背負っておる方々ばかりでありますし、この人たちが健全に経営が成り立ってこそ、やっぱり地域コミュニティーも健全に機能しておる。そういうことに鑑みまして、今日の原油価格の高騰というのは、施設園芸農家の経営を大変圧迫しておるわけであります。
 この当初の2月議会の予算委員会で、知事に、これは従来の補助基準あるいは公平性等々を土台にして考えれば多分成り立たん話だから、政治家としての知事の決断を求めたところ、知事は「一回検討してみます」という御答弁をされました。通常、政治家の「検討する」というのは、そっとおいておこうという答弁でありますが、知事の性格からしますと、これは必ず検討していただけるもんと私は確信をいたしておるところでありますが、昨年の年末、12月ぐらいから、もう温度が下がって需要期に差しかかりました。いよいよ、ことしも12月から、昨年と同じような気候状況であれば需要期に差しかかるわけであります。
 もうそろそろ、この議会で決断をしていただかないことには、制度設計もありますし、財政措置も必要だと思いますんで、その点について、知事に懇願を込めて県単の助成制度創設を求めたいと思いますが、御答弁をお願いします。
○議長(山田正彦君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 燃油価格の高騰は、コスト上昇分を農産物価格に転嫁できない状況の中で、経営費に占める燃料費の割合が高い施設園芸農家に深刻な影響を及ぼしていると承知しております。
 このため、国の24年度補正予算で創設された施設園芸セーフティネット構築事業における農家負担割合の軽減や燃油使用量15%以上削減要件、こういうものの緩和などを政府に対して要望しているところであります。また、県単独事業でございます野菜花き産地強化事業により、多重カーテン装置とか循環送風機等の省エネ機器導入費用に対し、3分の1を補助しているところであります。
 今後も、引き続き国に対する要望活動を行うとともに、農家の経営状況やニーズ等を踏まえて、県が行っている支援のほうももう少し強化すべきかどうか、よく検討してまいりたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 冨安民浩君。
  〔冨安民浩君、登壇〕
○冨安民浩君 知事には、少し踏み込んだ答弁をいただきました。私は、今御答弁いただいた内容では十分でないと思いますし、今まさに激変する中で、過去の補助基準とか、あるいは公平性を論じて、これがうなだれてしまったんでは、もう何の県政かということを鑑みますとき、もう少し踏み込んでいただきたいなという思いもいたしました。
 しかし、先週末、閣議決定された骨太の方針に、非常に県の財政を圧迫するようなことも書かれております。2015年までには赤字幅を半分にする、2020年には黒字化する、いわゆるもう国債を出さないようにしていくということを考えますと、来年度ぐらいから大幅に交付税も切り込まれるんじゃないかなということを考えますとき、県の財政も本当にそうゆとりもあるわけじゃないんですんで、私もお願いする立場でありながら、知事の気持ちを考えますとこの程度かなと思いますが、今後の展開次第によっては、さらなる踏み込みをまたお願いすることになると思いますので、その点もあわせてお願いをしておきまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、冨安民浩君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 1番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 議長の許可をいただきましたので、一般質問を始めさせていただきます。
 今回も、昨年の12月議会に引き続きまして、子供たちに対するいじめ問題についてお伺いをいたします。
 まず、昨年12月19日の一般質問で、大津市のいじめの事件を踏まえて、和歌山県の教育行政の考え方を質問させていただきました。そして、県下の状況をお尋ねし、答弁をいただきましたが、まさにそのさなかの12月15日に、今度は、田辺市内で13歳の中学生の男の子が自宅の2階で空手着の帯で自殺を決行していたことが、ことしの3月になって発覚をいたしました。幸いにも一命を取りとめましたが、半年たった今も、残念なことに意識は戻っていません。全く残念でなりません。取り返しのつかない事態となりました。
 現時点において私が確認している当局からの情報は、いじめが原因ではなく、家庭に問題があったということでした。私は、この見解は大きなミスがあると考えています。そして、名指しされた家族が2次被害をこうむっている現状を考えるとき、当局のその責任は大変重いと思います。
 まず、ここで、市内の同じ中学校の3年生であった女生徒の作文を朗読させていただきたいと思います。彼女は、13歳の男子生徒の自傷事故発生の1年4カ月前、JRの線路内に入り、鉄道自殺未遂事件を起こします。幸いにも生還して、この春の卒業式に、学校内の出来事や葛藤を作文という形で残してくれました。おつき合いをお願いいたします。
 では、朗読をさせていただきたいと思います。
  私は中2の夏から冬にかけてクラブ内でのいじめを受け大変な5ケ月を過ごしました。とにかく自分がいじめに合っていることを、学校の先生たちに相談しても、とりあってくれるまで、すごく時間がかかりました。いじめの事実をクラブ顧問に訴えても、「誤解かもしれない」などと、逃げるばかりでした。学校の先生には、普通に言うだけでは絶対に相手にしてもらえないということを本当に痛感しました。私は学校での辛い事を家で話をしていたので、両親、特に母がことあるごとに学校へ出向いてくれました。それでも普通に言うだけでは、ただ聞くだけで、何をどうするとか具体的な話や助言はまったくなく、話はいっこうに前に進まず、その話をしに行った日の最後、母は担任・主任・顧問に対し「もう学校には行かせない」とまで言いました。それを言うと、やっと、顧問が「自分たちにさせてほしい」と言ってきました。そこで母は、「絶対に失敗は許さない。先生の指導を試すところじゃないと思いませんか」と言うと顧問は「絶対大丈夫」と言い切りました。その後、クラブのミーティングを行い、学年の先生全員とクラブ生徒で話し合いの場を持ちましたが、すでにクラブでいじめを行っている子たちは、そのことで呼ばれたのを分かっていたので、ミーティング前に、わざと私に聞こえるように「何もしゃべらないでおこう」と言い合い、結局その場は失敗に終わりました。絶対に失敗はしないと言い切った顧問はその後、失敗したことを認め、私と母に謝りにきました。でも私と母は、「謝ってもらっても、どうしようもない」と言い、学校をやめる覚悟で、「今までありがとうございました」と言い、担任に上ばきを取りに行ってもらい、学校を出ようとしました。そこまで言うと、やっと先生たちも真剣に考えようとしてくれようとなったのか、「そんなこと言うな、少し返事を待って」と言って、私と母は帰宅しました。そうして次の日、学校から電話があり、クラブの2年生だけで、保護者会を開くと連絡がありました。その後、行われた保護者会には、私と両親の三人が行きました。その保護者会のはじまりで当然のように私がいじめられているからその話でと名前を出されました。悪い子たちの名前は何も出ず私の名前だけを出されました。その会は私たち親子にとってはとても残念なものでした。いじめのボスの親は黙っていましたが、ある子の母は、私の両親の事を過保護のように言って、いじめはどこにでもある、一人で耐えていくしかない、姉の時もそうだった、あって当たり前、頑張っていくしかない、と言いました。まるでみんな無反応でひとごとのような話ばかりでした。あまりにみんながひとごとなので次のターゲットは決まってると母が言ったら少しその場だけ「次は誰?」と反応したことがありました。その会では、上の先生が自分より下の立場の先生に目で合図をしてしゃべらせないようなこともありました。一人だけ、あるお母さんが私の方の味方になって、弱い子は強い子が守ってあげればいいと言ってくれました。でもそこで、校長先生の話が始まり、校長先生は、「子供の話をうのみにしないで。子供の話をうのみにしてこんな会を開かなくても。開かないでほしい。」というような言い方をし、そこで他の母親たちは笑いながら校長先生をたたえるように、ほんま校長先生いい人やみたいな事を言いだしました。そこで校長先生は、「私は来年の三月で定年なので何事もないよう静かに終わらせてほしい。子供の話は話半分に聞いといた方がいい。子供同士のいざこざは子供同士で解決した方がいいんです。」というような内容の事を言いました。そこでもう、そこにいる保護者たちのテンションは、校長先生、いいこと言うわ、そうねそうねとみんなが言いだしそういう方向にいってしまったので、両親はここで何を言ってもしょうがないとあきらめて、何も言わず終わりました。その後、両親と私の三人は、その時の保護者会で唯一、味方になってくれたお母さんの子供と、もう一人私をいじめることをしないでいてくれた子の、二人のお母さんたちに、時間をかけて、私がいじめを受けている内容をくわしく説明しました。その後、その二人のお母さんは、自分の子供に私が本当にいじめに合っていることを確認してくれ、私たちにはだまって、二人で学校へ行ってくれました。(その事はずっと後になって知りました。)それからもいじめの状態は変わらず、10月15日の新人戦の日も、「何しに来たんな」「あいつ試合に出すわけないやん」などと辛い言葉を言い続けられました。その時に辛かったことは、そういうことを言われ泣きくずれている私に対し、顧問までもが、私がどういう理由で泣いているかも知っているのに、親や兄弟もいる前にもかかわらず、「はよめし食え!」と後ろからベルトを引っ張り上げ、暴言をはきにきました。もちろんそういう場を見たら、私をあざ笑う子達は面白かったはずです。そんな中で、私の話を聞いてくれて味方になってくれていたお母さんの一人が、その場で、「こんないじめで死ぬ子もおるんやで、責任とれるんか」と叫んでくれました。あまりにそのお母さんの言ってくれたことが怖かったのかそのお母さんの前だけでは一瞬みんな、すごく私に対して優しくなりました。でも結局その後、部室で「何言ってんの」とみんな爆笑していました。その新人戦の夜、何しても無駄だと、初めて死にたいと思いました。その後、県大会前の練習で、大会に出してもらえるようになり、大会で私は大活躍して試合にも勝ちました。そうすると今度は、私のせいで試合に出れなかったと泣きだす子がいて、結局また更に私へのいじめが多くなりました。その後のいじめは、部室で制服を踏まれる、スパイクで踏まれる、踏まないでと言ったら置いていた足をぐっと回して立ち去る、汚れた制服を、私がはたいているのを見て笑う、部室に私の物を置く場所はなし、などでした。人前で見て分かることは、ボールをぶつける、などでした。一発なら、たまたまと思うけれど三回連続でぶつけられたりしました。このことは顧問は、はじめは知らないと言っていましたが、かなり時間がかかってから、知っていたと言いました。そういう毎日の中、雨の日に体育館で練習があった時、10人が2人ずつペアになってランニングをすることになりました。その時、私とペアになる子は、みんなに「わーかわいそー」と言われ、その子も「代わってよー」などと私に聞こえるよう言いさがしていました。その日、もう何もかもが嫌になって、死にたくなり、家とは反対方向の会津川の無人の線路へ行き線路に入りました。線路で泣きくずれてしまい今までのいろいろ言われ辛かったことが次々と映像としてよみがえり、雨と涙でいっぱいになりました。でもその後、腰が抜け、線路から、はい出てきたのを今も覚えています。その時は、私のために一生懸命になってくれた両親のことなどは考えられず、とにかくもう嫌だということしか考えていませんでした。もちろん遺書なども書いていません。今思えば、あの時、電車が来なくて本当に良かったと思います。その後、また母は学校に行き、先生にいじめのボス的存在の子の親にどうして言わないのかと言ったりもしましたが、先生は、「指導してきたんです。これからも指導していきます」と言うだけでした。普通に話しても何も進まず母は先生に親呼べと言いまくりました。それでも、まあ、そのうち話するなどと、あいまいな返答しかなく最終、母は明日言えんのかと、つめよりました。しつこく、しつこく言ったら、またちゃんとしてからと、そこでは、まだはっきりとした返事なく終わりましたが、やっと母の怒りが届いたのか、次の日、親と子を呼んでくれていました。そこで、その親に「先生がひいきするからいじめがあるのとちがいますか」と言われました。子供が家で私が先生にひいきされてると言っていたみたいです。そこで先生は、私に対して特に言うことがないから、ひいき的になっていたかもと言いました。そこでも、まだ話はどうにもならず、最終、母が「先生の上へ行ったろか」(市ではなく県へという意味で)と言うと急に先生の対応が変わり、「どうさせてもらったらいいか」と言ってきました。その後、冬休みに入り、母は新学期から学校へ行けるようにしてくれと言い、1月4日のお正月明け、クラブ顧問は、私と母、いじめる主犯格の子とその母を呼びました。それまで私には何もしていないと言っていた主犯格の子は、そこでも制服のことなどの言いわけをしましたが、そこでやっと先生は、その子の母の前で、そんな言い訳、とおらないときつくしかりました。やっと先生が私のことを信じてくれたと思いました。これまで本当に長かったと思いました。その時、相手の子に、私はいつもびくびくして顔を下向けて、おそるおそる、周りを見ていたところがあったのですが、それをにらんでる。あと、いろんなことで体調が悪く、薬を飲んだりしていたのですが、そういうことが見せつけてるみたいだったと言われました。先生に下から見るのはやめるよう、言われました。それから先生に二人、呼ばれました。そこで、その主犯格の子に、今までつらい思いさせてごめんな。と言われましたが、その時は反省というより言わされている感じでした。でもそこで私も、にらんでるみたいに思わせてごめん、と言ったら、いいよと返ってきました。その後、顧問の、頑張っていこうなという言葉でその場は終わりました。それから二人で戻る機会があったのですが、そこで親も先生も誰もいないところで、また同時に二人で謝り合いをしました。それで本当に終わることができました。その誰もいないところで二人で謝り合うことがなかったら、私のいじめは終わらなかったんじゃないかと思います。私のいじめはクラブの大半からのものでしたが、どの時も主犯格の子になる子がいて、みんな、そこに気に入られよう、手がらを立てよう、というような中で、やられていました。なので、主犯格の子になる子とそう言い合えたおかげでそれからはもう大丈夫になれ、それからは前の辛かったことも笑って話せるようになりました。本当に長い長い戦いでした。いじめの相談をしている最中にも、しょっちゅうアンケートもありましたが、楽しいとは書いていないですが、ふつう、ふつうにしました。──これ、いじめに遭ってるか遭ってないかと、そういう質問に対して、普通、普通と当たりさわりのないことを書いたということの意味です──その時、私をいじめるボスが同じ教室にいましたし、みんな家来になっている状態で、でも、みんな私をいじめてるから、私が何か書くんじゃないかと監視しているし、何か書きたくてもみんなより長いから書いてたらすぐバレる。そんな中でのアンケートには何の意味もないと思います。本当に辛かったら書けません。このことは本当に大人な先生たちに分かってほしいです。あと、先生に私以外にもいじめにあっている子がいるから助けてあげてと言ったらSOS送らない子には言わない。──助けないという意味らしいです──分かってても。と言われたことがあります。先生たちも先生なのだから私たちがこんな大人になりたいと思えるような先生になってほしいです。今回本当に言いたかったことは、本当に辛いことはアンケートには絶対書けません。先生の前ではなく本当に誰もいないところでいじめ、いじめられる双方が謝ったり言いあったりできる、ということがない限り、いじめが終わったとは言えないと思います。あとクラブでいじめられていた時、一番怖かったのは部室に行く時でした。部室のドアを開ける時が一番怖かったです。部室はせまくて暗くて内緒の話ができる唯一の場所だと思います。いじめる相談、悪口などはきっと部室があるからだと思ってしまうこともあります。部室の必要性も考えてもらえたらまた何か違ってくれるのではと願いたいです。自分がいじめに合った経験をした分、いじめている子にはとことん向き合い、いじめられている子を、どこまでも助けてあげられる人間になりたいです。最後に、自分が死にたい、死のうと思ったからこそ書けるのですが、衝撃的なことがあって、死のうとはしていません。いじめる子たちにしてみれば、いつも言っているような、言い慣れた、あびせる言葉、そういう言葉で、もう何もかも嫌になってあきらめの感情が私を線路に向かわせたのです。今は、死ななくて本当に良かったです。いじめをなくすのは難しいことだと思いますが誰か一人でもくいとめてあげられる人がいればきっともっと助かる人ができると思うので、私はそういう一人になりたいです。
 この作文は、目に届きにくいベールに包まれてる学校内部の実態を克明にあらわしていると思います。これを読んだとき、たくさんの涙があふれ出ました。これほど子供たちが叫んでも、訴えても、学校には届かない。悔しかったと思います。大人の世界の非情さを思い知らされたと思います。私は、女子生徒の命が助かって本当によかったなあと思いました。
 ここで、質問に入らせていただきたいと思います。
 まず、今、長い時間、朗読をさせていただきました。作文を聞いていただきまして、この作文に対する御感想を教育長のほうからお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今、作文を聞かせていただきました。また、私自身も、この作文を本当に丁寧に読ませていただきました。
 この作文には、いじめは決して起こしてはいけないという強い訴えが、あるいはいじめられた日々のつらい思いが、悔しい届かない思いが切々と書かれてありました。こうしたいじめが学校であったということに対しまして、本当に私自身も心が痛んでおります。
 このような訴えを非常に重く受けとめて、改めて、いじめを絶対に許さないという毅然とした厳しい姿勢に立ち、クラブ指導やクラスでの友達関係を初め、先ほどアンケートのことも出ましたけども、学校生活全般にわたり、きめ細かく心配り等を行い、いじめに対しまして迅速かつ適切に対応しなければならないという思いを強くいたしております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁をいただきました。いつも教育長のほうから気迫あふれるそういう答弁をいただいて、正直、心強く思うところも多いんです。
 しかしながら、現場はもっと深刻な事態になってる。このことに対して、今のお気持ちを本当に配下の市町村あるいは県立の学校に対して堂々と、改革をするというふうな話のレベルじゃなくて、革命を起こすぐらいのことで取り組んでいただきたいなあとも思えて仕方ございません。
 泣き叫んでる子供たちが余りにも多いと。私が少し聞き回っただけでも、すごく多いです。先生方が把握されてる数字ではありません。もっと多いです。そのことを真剣に考えていただきたいとお願いを申し上げておきたいと思います。
 次に、田辺市の今病気療養中状態にある13歳の男の子のことで教育委員会に相談させていただいたときは、家族に問題があるといった話を聞かしていただいてます。作文を聞いていただいた今でも、そういう捉え方に変わりがないかどうかをお尋ねいたしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県教育委員会としましては、家族に問題があるという認識はこれまでもいたしておりませんし、現在もそうした捉え方はいたしておりません。
 この事案につきましては、自殺を図ろうとした直接的な原因がいまだ確定できてない状況にあり、当該市においても、第三者委員会を設置し、その判断を委ねることとしております。県教育委員会といたしましても、この第三者委員会における判断結果を待ちたいというふうに考えております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 この家族に問題があるという発言をしたか、してないかというのは、また話し合いさしていただいたらと思います。僕は、ここのことに力点を置いてるということではありませんので。
 ただ、いろいろ問題を調べてる中で、1つ、相談員制度というのが設置されています。この相談員の皆さん方が学校に1人設置されているということをお伺いしてるわけですけど、この相談員の制度自体が形骸化してないかというあたりのところを少し、通告できていないことでもありますけれども、お話を聞かしていただきたいと思います。
 実は、複数以上の子供たちにお伺いしましたら、まずこの存在自体を知らないことが圧倒的に多くて、その相談員の先生とコミュニケーションがまるっきりできていない。これでは、いざそうしたときに子供たちが──平素、コミュニケーションというか、相談員の方がもっと子供たちのそばに寄り添っていただけてる、そういうことがあれば足も運びやすいし、「ちょっとおっちゃん、相談あんねんけど」、そういう話のことができていないんであれば、この相談員制度自体、つくっただけになっていないか、そこらあたりを私は危惧していますので、御答弁いただければありがたいなあと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 御指摘の相談員の制度が十分活用されていないということでございますけども、県としましては、いわゆる課題のある学校にはスクールカウンセラーを配置したり、あるいはソーシャルワーカーを配置して、各学校の状態を踏まえて生徒の心にしっかりと寄り添う、そういう相談に乗るよう指導しておるところでございます。
 ただ、それが議員御指摘のように周知されてない、子供たちが実際知らないという実態の御指摘でございますので、県としては、この周知の徹底について、今後とも真剣に努力をしてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ぜひお願いいたします。予算をかけて設置をしてることでもありますので。
 それから、ちょっと提言というか、要望だけをその件についてさしていただきたいと思います。
 この相談員の先生方の選ばれ方なんですが、私はもう一工夫をしていただきたいと思います。
 学校の先生方の天下り先みたいなことになっていないか。大方は、その元先生方というような立場の人が就任しているかのようにちょっと聞いております。もっともっとやっぱり本当に知りたいのは、本当にこの相談員制度まで設置して我々が求めてることは、子供たちの叫びを真摯に受けとめて、それを一日も早く改善策の方向に持っていく、そういう機能を果たしてもらわなければ置いただけになってしまうんじゃないかと、そんなふうに実は感じています。
 次に行かしていただきたいと思います。
 知事や教育長が、たしか昨年の9月だったと思いますが、設置をしていただいた、いじめ問題に対して、できるだけいろんなシステム、相談員の皆さんであったりとかあるわけですけど、その上にメールを、ホットメールみたいなものですよね、入れてくださいと。その情報の中でいじめの問題についてキャッチをし、きめ細かい対応を組んでいくと、そういう趣旨であったろうと思いますが、このメールには今回の情報が入っていたのかどうか、お伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 先ほど来、議員から御指摘いただいておりますけども、この案件に関しまして議員が深く心を痛めて、何とかしてあげたいとの熱く温かい思いを抱かれてることに対しましては、私も全く同じ思いをいたしております。
 昨年末、いじめに関する情報を知事及び私が受け付けると発表してから、本当に数多くの情報が寄せられております。そもそも、この制度は、いじめを受けながら、その悩みや苦しさ、つらさといった、まさに心の叫びを身近な家族や友人、先生に相談することができない子供たちやその家族が安心して相談できるように、他人に知らせない、秘密を守るということを前提としてつくられたものでございます。実際に情報を寄せられた多くの方々が、そのように望んでおられます。
 教育委員会並びに県においても、この趣旨から、情報の事実関係を調査するに当たっては、相談者の意向に沿って細心の注意を払い、慎重に行っているところでございます。
 このようなことから、本事象に関して、当該家族等から教育長ポスト等にいじめ相談があったかどうかにつきましては、この相談メールの制度を維持するためにも、内容のみならず、その存否を含めてお答えすることは控えさせていただきたいというふうに思っております。
 ただ、議員御指摘のこの事案につきましては、県教委としましては、事象が発生した当初から、その重要性に鑑み、これまで当該市町村教育委員会と協力しながら最大限の対応をしてまいっておりますので、御理解のほどお願いしたいというふうに思います。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 教育長からただいまそういう答弁をいただきましたが、私は納得ができません。理由は、相談が、こういう重大な案件が起こったときの、このときのこれをみんなでやっぱり真剣に考えて解決策の方策を考えていかなければならないのが、我々、この議場に出席しているみんなの責任だと思います。
 年端もいかない13歳の子供が、こうしたことで社会に抗議を発した。このことで私が納得いかないのは、中身を尋ねてるんではないんです。相談のそういうメールがあったんかどうかだけのことを尋ねてるわけです。このことさえ、我々、100万県民からここに出席さしていただいてる42名の議員は、その負託を受けて──一人一人が、県民が立ち上がることはできないと思います。その代弁を私たちはしなければならない立場にあるわけです。その立場の私たちに対して、あったかどうかも言えないような、そういうシステムというのは適当かどうかというのを感じます。いま一度、御答弁をいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 先ほど申し上げましたけども、この制度を活用するに当たっては、その訴えてきてる子供たちの苦しみや悩みをしっかりと踏まえて、総力を挙げて教育委員会として対応していく、あるいは学校として対応していくべきものだというふうに受けとめております。
 ただ、その内容を、いろんな方々から情報公開があったにしても、それを安易に公表すると、情報開示するということは、この制度自体が本来の機能を果たしていけないのではないかというふうに捉えております。そういう意味で、今後、御指摘の点につきましては、さらに子供たちや保護者の願いに応えるべく、いろんな方策を考えてまいりたいというふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 もうこれ以上のことを確認するというてもあれなんですけど、でも私は思います。ちょっと過ぎた言葉になるかわかりませんが、情報公開、個人情報という名のもとに、何もかもこうして包み込んで、本当に必要な情報さえ出さないことの弊害、このことの視点も十分考えていただきたいと思います。
 私たちは本当に──私は、これを教えていただくと、次に、やっぱりそうしたことを踏まえた、より掘り下げた対策を、取り組みを進めたいな、そのための参考資料としては極めて重要であると考えたからです。
 それは、せっかく設置していただいた、くどいですが、このホットメールというかメールのシステムが機能しておれば、このことがここまでいかずに済んだ可能性はなかったんかと思うわけです。もうこの子は、残念ながら社会復帰は不可能だと思います。頭脳の大部分がダメージを受けておって、もう本当に社会復帰は難しい。ここまでして、この子が抗議の意思をあらわしたと、こういう視点で我々が考えなければ、この子供さんの行動が浮かばれない、そんなふうに思うからです。
 ぜひまた一度、十分教育委員会の中でも、こうしたことに対するそういう考え方というのは研究をしていただきたいと思います。
 次に、月並みなことなんですが、学校とは、本来、生徒にとって安全で安心した生活を送る場所でなければならないと考えるわけです。これ、誰もが思うてるわけです。まさか学校現場に行って恐ろしいことが起こって、子供が命さえ投げ出そうとするような事態がそこで頻繁に起こってるというようなこと、よもや保護者も子供さん方も考えて登校してることではないと思います。
 こうした現状があることに対して、教育長の御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) このことに関しましては、まさに議員の御指摘のとおりでございまして、子供が生き生きと笑顔で学べる学校というのは、安全で安心して過ごせる場所であるということが何よりも大切であると受けとめております。
 このことは、教育活動を行う上での大前提であり、まさに子供の笑顔がはじける、子供のはじける笑顔というのが地域社会の輝きにつながるものと考えております。そのため、教職員は、小さなサインを見逃すことなく、一人一人の子供を大切にするとともに、問題が起こったときには、子供の心に寄り添い、丁寧に対応するなど、全力で取り組んでいきたいと思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございます。
 県の教育委員会の配下の市町村に指導できる限界というか、そうしたこともあって、なかなか教育長御自身も、十分そうした中での指導というのは限界を感じておられて、歯がゆい思いをされておられるんじゃないかと、一方的にそういうふうに思うたりもするわけです。
 ところで、今の答弁のことで大変──もうきょうはこういう場所でもありますので、お互い、私自身も勉強したいという意味で質問をさせていただいてます。その御答弁の中で、小さなサインを見逃すことなく、一人一人の子供を大切にするとともに、問題が起こったときに子供の心に寄り添い、丁寧に対応していくなど、全力で取り組んでいきたい旨の御答弁をいただきました。まさにそうでなかったらあかんと思います。
 でも、皆さん、お考えください。私がここでこういう発言をさせていただくこと自体、そうではない現場があるということを踏まえて話をさせていただいています。教育委員会の皆さん方が発信する、そうした言葉というのが現場では空回りをしている。実際の問題は、そうした実態にないところに大きなやっぱり問題点がある。そういう課題に対して、もっと掘り込んだ対応をしていただく、そういう新しい視点で物を見ていただく、もう我々が育った時代の子供ではないというふうに考えるべきだと思うんです。
 よくこんなことがありますよね。我々もいじめはあったんや、あがらのときもあったやろなと、もうそんな物わかりをしたような言葉をまき散らさないでほしいな。あの時代と今の時代は一緒ではない、そういう視点で、教育行政のトップにおられる、例えば県の教育委員会の皆さん方は、もう思いっ切り考え方を変えていただきたい。それでないと、泣き叫んでる子供たちの命を救ってあげることはできない、私はそう思います。お願いいたします。
 次に、関連するんですが、この当該中学校で、学校へ来れない、来ていない生徒がたくさんいるとお伺いをしています。この実態を御報告いただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 不登校にかかわってでございますが、特定の学校の不登校の生徒数は公表いたしておりませんが、当該中学校は、県平均に比べて極端に多いという状況ではないと受けとめてございます。しかしながら、こうした状況を踏まえながら、不登校生徒の本当にさまざまな苦しみやつらさ、悩み等をしっかりと受けとめて、全ての生徒が楽しく生き生き通える学校になるよう、当該市町村教育委員会と連携をして指導を強めてまいりたいというふうに思っております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういうことで、内容を御報告いただけませんでしたが、実はこれ、私は警察の組織の権限を持ってるわけでもありませんが、訴えてきてくれる方々がおって、今、在校している、そしてまた卒業して高校1年生になった生徒の皆さん方5~6人には聞いたと思います。保護者の方にも聞きました。
 そしたら、3年生の生徒がこう言いました。3年生で、今、いじめに遭うて精神的ダメージを受け、学校に行けない状態の子供が8人はおります。「8人もおんのか」と聞いたんですよ。「じゃあ2年生は。誰か2年生のこと知ってる子ない?」と言うたら、「2年生は11人あると思います」。この話なんですが、足したら19人ですよ。
 1年生は、ようやく学校に入学してきた当時、まだ日にちはそうたちませんよね。だから、その数字というのはそんなにないんだろうというふうに感じられるわけですけども、3年生に仮に8人、2年生に11人、この数字が、今、教育長からお話がありました、「極端に多いという状況ではないというふうに認識しています」ということなんですが、僕は思います。1人でもあれば多い。みんな平等に学習する権利がある。これは憲法に定められてる。
 いとおしいことに、そのことを子供たち自身もわかってるんだろうと思うんです。どんなにいじめられようが、どんな事態が起ころうが、その帰りしな、精神的ダメージを受けて自分の命を捨てることになるようなことがあるかもわからん。それでも、朝起きたら学校に行こうとするんですよ。
 その子供が8人も11人も来ない。このことを極端に多くないというような表現で答弁をされるというのは、僕は問題があると思います。1人でもあれば、我々は立ち上がらなきゃならんはずです。それが、この程度はしようない、社会の最近の時代のコストやろうと、そういうふうにもしお考えをされているようなことがあるとしたら、僕はそのことが重大な問題だと思います。
 ちょっともう一度、御答弁をいただけないかと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のような認識は、私自身、持っておりません。子供の命というのは、たとえ1人であっても和歌山県から失うことがあってはならないというふうに強く思っております。
 とりわけ、先ほど申し上げましたのは県平均と比べての話でございまして、個々の学校については、本当にそれぞれ悩み、苦しみ、必死になって頑張っている子供たちがたくさんいる、またそれに耐えられずに学校を休んでる、不登校になってる子供もいるということは承知いたしております。
 その子供たちに対して、どういう形で学校に来て生き生きと学べるようにするのか。その施策について、さまざまな形でこれからも創意工夫を凝らした取り組みをしながら、市町村教育委員会と連携をして指導を強めてまいりたいというふうに思ってございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁いただきました。教育長の気迫に迫った言葉、それを胸に置いときたいと思います。
 本当に我々も、この議場で、何かけんかのような言葉をやりとりするようなことが目的ではなくて、やっぱりこのことを、現場で泣き叫び、救いの手を求めてる、その子供たちに届けてほしいと、その一念でありますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 次に入らせていただきます。
 この事件が発生してから、かなりの日数がたちます。半年以上たってくるわけですが、県独自の調査をしていただけたんかどうかということをお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) この事件が発生してから独自の調査はしているかということでございますけども、県教育委員会といたしましては、本事案が発生した当初から、学校指導課、教育センター学びの丘の担当者が、本当に再三再四にわたって当該教育委員会や学校に出向き、事実の確認を行うとともに、迅速かつ適切な対応ができるよう指導・助言を行ってきたところでございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういう答弁を教育長からいただきました。
 大変失礼ですが、ちょっとそこの中身のことを一度お伺いできませんか。その取り組んでいただいた内容の一端をこの議場で披瀝をいただけないでしょうか。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 具体的な内容にかかわってですが、いわゆる学校指導課の局長、それから指導主事、班長、それから教育センター学びの丘のカウンセラー担当の職員等が実際に出向いていって、具体的に学校あるいは市町村教育委員会がどういう対応をしてるのか、あるいは何が問題であったのか、これからどうしていくのかというようなことを含めて、具体的な話を聞きながら助言をしてきているというのが現状でございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういうことかなと思います。ただ、失礼だったかわかりませんが、強いて確認をしてみたい、聞いてみたいと思いましたのは、その作業をしていただいてるその結果が目に見えんからです。目に見えていないからです。本当にしていただいてるんかな。
 といいますのは、先ほど朗読させていただいた子供さんは、12月の15日に空手の帯で自殺未遂をして、今、意識不明の、死のふちをさまよってる状態ですよね。この1年3カ月前に鉄道自殺未遂事件を起こしてるわけです。このときにきちんとしたことの検証ができておれば、この子の命はこういう事態にはなっていなかったんではないかと、そこに物すごく残念な思いもするわけです。
 せっかく、学びの丘にもあれだけ大勢の職員の皆さん方がおられて、こうしたことを高いアンテナで感知をいただいて、そうしたことに対して1人でも真剣な取り組みをして学校現場にアドバイスを届けてあげていただければ、もちろん市の学校のほうがそれを取り上げる度量というか、能力というか、そういう気持ちがなければなっていなかったかわかりませんけれども、そのことをしてあげていただければ、この家族がこういう悲惨な日々を暮らさなければならない事態が起こっていなかったんではないかと思えば、残念でならんのです。ありがとうございました。
 次に、7つ目のことに入らせていただきたいと思います。
 子供たちの記憶が薄れる前に、早く第三者委員会を設置し、全容を解明し、今後の教育現場に生かすべきだと考えますが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の熱い思いを受けまして、私ども教育委員会としても、みずから命を絶とうとし、現在も入院中の生徒に対しまして、改めて心からお見舞いを申し上げますとともに、子供を持つ親として御両親の思いを推しはかりますと、本当に胸の痛む思いがいたしております。
 本事案の全容を解明するためにも、公平、中立の視点で事実調査をすることが重要であり、県教育委員会としましても、一刻も早く第三者委員会を設置するよう当該市に再三要請をしてきておりましたが、6月17日、当該市から委員決定の発表が行われたところでございます。
 この第三者委員会による事実確認、検証がまとめられた際には、その調査結果を踏まえ、今後の指導にしっかりと生かして、1人もこうした子供たちが出ないように全力を尽くして当たっていく所存でございます。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 はい、ありがとうございます。ぜひどうぞよろしくお願いいたします。
 今、御答弁の中で、1つすごく私はうれしいなと思ったことがあります。それは、教育長みずからのお言葉で、みずから命を絶とうとし、現在も入院中の生徒に対し、心からお見舞い申し上げますとともに、子供を持つ親として御両親の思いを推しはかると本当に心が痛みますと、初めて私、聞きました。
 これ、もう3月から、ちょっと私、担当課のほうに相談をさせていただいていましたが、申しわけありませんが、お見舞いの言葉一つ聞いたことなかったです。本当に血の通う行政という、そんな言葉を聞いて久しいような、何十年前から聞いたかなと思いましたけれども、こうして社会に問題提起をし、もう二度と我々と同じような姿で生活もできなくなってしまったこの子供さんに対して、せめて一言、我々この立場にある者、そして特に管理監督権の立場にある頂点の、そのてっぺんに座ってる方々、心からのお見舞いの言葉を言うてあげてほしいなと、そんなふうに思うてたからです。
 この言葉を言うていただいたからというて、子供が元気になるわけではありません。でも、やっぱり支えてる家族とか地域の周りの皆さん方が、少しは行政の血の通ったその言葉をいただくことによって勇気づけられるんじゃないかなと思い続けてまいりました。
 次に、いじめ防止対策条例について、本県でも取り組むべきであると考えていますけれども、お考えをお伺い申し上げます。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめ防止対策条例の制定にかかわってでございますが、本県では、既にいじめ問題に対しまして、知事部局、教育委員会、学校が一体となって、また関係機関とも連携しながら、その解消に向けて組織的に取り組んでいるところでございます。
 議員御指摘の条例に関しましては、現在、国会において行われているいじめ防止対策推進法案の審議を踏まえながら、総合的に判断してまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 たしか、きょうはもう19日で、昨日、順調にいっておれば国でこの議案が審議され、制定される可能性が高いという報道が以前載っておりましたので、まずは国がやっぱり、我々の県だけでこういう事態が起こってるわけではありませんし、国が立ち上がって、一日も早くこのことの制定をし、子供たちの人権や人格を守る、そこからスタートしてほしいと思いますので、まず法律ができるということはありがたいです。
 ただ、我々の県の姿勢を出す意味からも、法律を踏まえまして、県も生徒や子供たちに向かって安心して学習できる環境を守るために条例を制定するということは、子供たちに対して大きなメッセージになるようにも思いますので、今、法律がまずできてから、それからまた御検討いただくということですので、それはそれで了とさせていただきますので、こうした我々独自の──よその県はどうあろうが──我々の県の、県民の大事な子供たちの命は、我々が、法律があろうがなかろうが条例を制定してでも守っていくんだという強いメッセージを出していただくことができれば、多くの方々が勇気づけられるんじゃないかと思います。
 時間が余りなくなりましたので、最後ですが、昨年12月議会において教育委員長から特に発言をお願いいたしまして、その発言の中で、るる言葉がありましたが、「覚悟」という表現の答弁をいただいています。まさに、私も同意見でございまして、こういう事態を踏まえまして、再度その覚悟をお伺いしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめというのは、もう既に御承知のとおり、人権を侵害するばかりじゃなくて、人間の尊厳そのものにかかわる大変重要な問題であり、絶対に許されない行為でございます。全ての子供たちがいじめで苦しんだり悩んだりすることがないよう、県教育委員会としましては、総力を挙げて総がかりで取り組む覚悟であると改めて申し上げたいと思います。
○議長(山田正彦君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 あと1分あるんで、全部いただきたいと思います、時間。
 ありがとうございます。ぜひそういう覚悟で臨んでいただきたいと心から思います。よくあるのに、話の話、言葉遊びにならないように、具体的な結果が目に見える形で取り組んでいただけることを要望したいと思います。
 それから、私、ちょっと考えてみたんです。社会で、今、毎年300人になんなんとする子供たちが自傷事故で寿命を閉じています。ひょっとして、これが、我々はもうこの感覚が麻痺してしもうて、社会人に成長していく中でのこの1億2000万人在職する国で、コストと考えてるんじゃないかと。これは、そのぐらいのことはやむを得んの違うか、コストという意識を持って考えてる節があるとしたら、我々は大いに反省をしなければならないと思うんです。
 それから、この「いじめ」という表現ですが、気に入らんのです。何だか、ちょっとこそこそっと何かして、ちょっと叱ったら許してもらえる範疇に考えられる、そういう意識にどうしてもなってしまうんです。
 私、今度、この内容について、もっと啓発をしていきたいという思いから、私はこのこと自体は悪意を持った人権と人格のじゅうりん事件であると思います。できましたら、一度そうしたことも教育委員会の中で議論いただいて、これから「いじめ」なんて表現じゃなくて、このことは悪意を持った人権と人格のじゅうりん事件を起こしてるんやと、こういう思いと願いで子供たちにも進めていただき、教育現場でもそうしたことを一度御検討いただきたい。このことが、ひょっとしたらこれからの時代に新しい福音をもたらすことにならないかと、そんなことを思えてなりません。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時40分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(山田正彦君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 30番多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕(拍手)
○多田純一君 こんにちは。
 一般質問に入ります前に、過日、本議会におきまして、先輩・同僚議員の御配慮をいただき、関西広域連合議会議員に御推選をいただきました。もとより微力ではございますけども、しっかり責務を果たしてまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
 それでは、通告に従い、一般質問に入らせていただきたいと思います。
 最初に、紀伊風土記の丘・特別史跡岩橋千塚古墳群の整備計画についてお尋ねをしたいと思います。
 御存じの方も多いかと思いますけども、地図を用意させていただきました。この赤い丸が古墳群。先ほども話が出てましたように、たくさんの古墳がある。それを称して千塚古墳ということでございます。上の資料館から始まる黄色い線が、ちょっと薄いですけども、山道となっております。濃淡になっておりますけども、濃い部分が特別史跡の範囲ということでございます。
 5月の25日の土曜日、紀伊風土記の丘・大日山35号墳公開見学会がありましたので、参加をしてまいりました。お天気にも恵まれ、標高141メートルの頂上からは和泉山脈や紀の川周辺の和歌山平野、澄んだ日には、これが紀伊水道や淡路島まで眺望でき、大変すばらしい場所となっております。この古墳群の分布図の詳細図では、左下の大きな古墳がその35号墳でございます。
 数年前、「大王の埴輪・紀氏の埴輪─今城塚と岩橋千塚─」という企画展がありました。大阪府高槻市にある今城塚古墳、ここは継体天皇陵とされ、出土品などからも有力視されております。大和朝廷時代の第26代天皇とみなされております。風土記の丘、岩橋地域を治めた者がその朝廷の軍事部門の有力豪族の1人として活躍し、大国和歌山を治め、生産力を維持するため豊かな森林で船をつくり、紀の川を利用し、海上交通の要衝として紀の川河口のこの地に君臨し、紀伊水道や瀬戸内、太平洋などにも活躍したのじゃないかと想像してしまいます。
 大日山35号墳の公開は、ことしはこの日だけということもあり、学芸員の方の御説明やボランティアの方々の説明に集った見学者の方々が熱心に耳を傾けておられました。
 この大日山35号墳は、長さ約86メートルの県内最大規模の前方後円墳で、岩橋千塚古墳群を代表する古墳となっております。翼を広げた鳥形埴輪、両面人物埴輪、胡ろく形埴輪等、日本で初めての発掘例となります。大型の家形埴輪も見つかり復元されましたが、その大きさは、140センチから150センチはあっただろうと推定されております。日本で最大のものは、継体天皇の真の陵墓と言われる今城塚古墳から発掘された170センチですが、全体を3分割して作成したものは全国に2例しかなく、大王墓と地方首長墓の埴輪から見た関連性について興味深い問題を提起していいます。
 公園内1周約3キロ、徒歩で約80分、ほとんど舗装されていない山道を、大日山35号墳を過ぎ、東に向いて郡長塚古墳、知事塚古墳、将軍塚古墳を見学して、山頂の展望台から眺めを堪能して、初夏の日差しを浴びながら麓へとおりて帰路に着きました。いにしえの遺跡にも触れ、気持ちのよい充実した楽しい1日となりました。
 この紀伊風土記の丘は、昭和43年度から土地の公有化と整備が始まり、黒潮国体開催の年、昭和46年の8月に開園いたしました。ことしで42年が経過します。考古資料、民俗資料を収集・保存し、その活用を図る博物館施設としてだけではなく、総面積65万平米の園内には、万葉集に詠まれている植物を栽培した万葉植物園や花木園など樹木が茂り、四季折々の植物に包まれた史跡公園として年間20万人以上の人が訪れ、広く親しまれております。
 県立図書館の書庫にありました紀伊風土記の丘建設概要を確認しますと、昭和42年に大橋正雄知事が会長、笹野勇県議会議長と宇治田省三和歌山市長が副会長、御寄附をいただいた松下電器産業株式会社・松下幸之助会長ほか総勢30名の建設調査委員会が設置されたことや、テープカットの模様、そして、黒潮国体に合わせて天皇皇后両陛下行幸啓、常陸宮御夫妻のお成り等が記録されておりました。
 この建設概要には、昭和27年に文部省から特別史跡の指定を受けた全国にも類例のない一大古墳群集地域で、我が国の歴史の流れを知る上に極めて貴重な遺跡であること、この貴重な史跡周辺にも開発が及び、祖先が残したこの文化財を保護するため、この地域一帯を県が買い上げ、環境を整備して、永久に後世に伝承する目的のもと、5カ年の歳月と約8億8000万の建設費をかけて史跡公園紀伊風土記の丘を建設したと記されております。
 風土記の丘としては、宮崎県の西都原古墳群、埼玉県・埼玉古墳群に続いて、全国3番目。特別史跡の指定としては、全国に2カ所しかない貴重な文化財となっております。地方拠点史跡等総合整備事業として、本県では、紀の川緑の歴史回廊推進事業の拠点施設の1つとして紀伊風土記の丘再発見に努めておられます。しかし、施設そのものは、耐震工事は施したとはいえ、ほとんど昭和46年のままとなっております。
 この特別史跡紀伊風土記の丘既存施設の整備について、まず最初にお聞きしたいと思います。
 資料館入館者の大半を占める小学生、中学生、高校生の学校教育として、また、和歌山の歴史を学ぶ郷土史教育、古代史など歴史教育の施設整備、来館者が音や映像などを通して学べる設備なども充実させ、歴史のまち和歌山にふさわしい古代歴史ミュージアム館としてリニューアル整備をしてはどうでしょうか。出土品もふえ、その管理、保存、そして展示・調査費などもあわせて検討していくべきと考えます。施設整備計画について、西下教育長にお伺いをいたします。
○議長(山田正彦君) ただいまの多田純一君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のとおり、紀伊風土記の丘は、昭和46年8月に開園して以来、42年間が経過しており、附属する資料館も老朽化が進行し、展示スペース及び収蔵スペースも不足しています。今後、資料館のあり方について総合的に検討してまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 総合的に取り組んでいただけると、こういうことでございますんで、その資料館と密接に関係のある公園整備について、引き続き質問を続けさせていただきたいと思います。
 紀伊風土記の丘の利用者は、公園内を散策する人が多く、年間20万人を超えるのが現状です。平日でも500人、休日には1000人もの人が訪れております。その中で、資料館の利用者は公園内散策者の10%、約2万人になっております。公園を訪れた人に、古墳群への興味とその魅力を理解していただく工夫が必要と考えます。特に、園路から支線園路への散策者の誘導、歴史的価値の高い文化遺跡に身近で触れることで知的満足感を高め、史跡文化を楽しんでいただくことを紀伊風土記の丘の特色にしていくべきです。
 紀伊風土記の丘にもう1つ貴重な財産がふえました。写真の上のほうにありますクスノキの巨木です。2011年9月の台風12号による紀伊半島水害の直後に、紀の川で古墳時代のクスノキの巨木が見つかり、このたび紀伊風土記の丘資料館の前に展示、保存されることになりました。推定樹齢は約350年、幹周り約12メーター、高さ約7メートル、重さ約40トン。西暦700年前後まで生育していたそうですから、その後1300年間、どのような状態に置かれていたのか。紀の川上流から流されてきたのか、川底に眠っていたのが出現したのか、自然が育んだ歴史的モニュメントとして貴重な史料となります。
 早速、クスノキ効果があらわれました。今月12日、紀伊風土記の丘行きバス鳴神線の廃止届が撤回され、存続が正式に決定されました。公共交通を担当する県企画部や路線バスの活用を促していただいた教育委員会にも、地元を代表してお礼を申し上げたいと思います。
 平成24年10月からバス路線廃止の対象になりました。ことし4月には、和歌山バスが廃止届を国土交通省に提出、岩橋地区や鳴神団地地区及びその連合自治会挙げての利用促進の呼びかけで存続運動になり、周辺住民の方々にも御協力をいただき、利用者が徐々にふえてまいりました。県教育委員会も、紀伊風土記の丘への施設見学を働きかけていただき、貢献していただきました。和歌山バスの担当者は、クスノキがもたらす今後の期待感も話していたそうでございます。公共交通機関、バス路線廃止を食いとめた住民運動は、クスノキ効果とともに大いに賞賛されるものと思われます。
 県民、市民に親しみが深まる古墳公園として工夫を施した紀伊風土記の丘の公園の整備を速やかに進めていく必要があると思われます。公園整備について、そのお考えを教育長にお尋ねいたします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 紀伊風土記の丘の整備につきましては、近年では平成15年度から毎年、文化庁の国庫補助事業で、古墳の発掘調査と保存事業を計画的に実施するほか、里山としての地形を生かした園路や展望所の整備を初め、来訪者のための説明板や案内板などのガイダンス設備も整備を行っております。
 このほか、昨年、紀の川で発見された古墳時代の生育と推定されるクスノキの巨木を園内で展示できるよう準備を進めております。
 今後、古墳を中心とした史跡公園として、さらに県民の皆様にわかりやすく学んでいただけるよう、事業を進めてまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁をいただきました。
 今度は、その中身というんでしょうか、ソフト面というんでしょうか、発掘された文化財についてお聞きしたいと思います。
 大日山35号墳からは、先ほど申し上げましたように翼を広げた鳥形埴輪や両面人物埴輪、胡ろく形埴輪など、日本で初めてと言われる歴史的な埴輪が出土しております。発掘後、十分な調査も行われてきておりますし、重要文化財としてのその価値が認められると学術的意味合いも変わってまいります。紀伊風土記の丘への関心も全国的に高まることと容易に想像できます。
 文化庁に申請する準備とその見通しについてお聞きしたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 大日山35号墳は、長さ約86メートルで、6世紀前半の紀伊国の首長級の古墳と考えられており、その古墳から埴輪や土器など多種多量の遺物が出土しております。その中には、議員御指摘のとおり、両面に顔を持つ人物埴輪や飛翔する鳥形埴輪など、国内でも大変貴重な遺物が含まれています。
 これらの出土遺物は保存状態もよく、当時の祭礼の様子を示す考古資料としてほかには類のない文化的価値を有するものであり、今後、県においては重要文化財として指定されるように積極的に取り組んでまいります。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 ぜひその気持ちで進めていただいて、できれば紀の国わかやま国体開催までに何とか形ができるように期待をしていきたいと思っております。
 そして、4点目でございますけども、先ほど詳細図を見ていただきましたらわかりますように、この岩橋千塚古墳の岩橋というのはこの地の地名ですけども、岩橋を中心として私の住んでいる鳴神や日前宮のある秋月、そして井辺、和佐、岡崎ほか10地区にも及ぶ史跡の宝庫となっております。昭和58年から測量を開始し、平成19年からは地上3Dレーザーで測量調査も行い、平成23年5月、航空ヘリによるレーザー測量解析を行い、その測量図も完成していると伺っております。
 岩橋千塚古墳群は、5世紀から7世紀にかけて築造され、現在、前方後円墳が約30基、そのほか、円墳や方墳を含めると800基を超える規模となっております。分布図で言いますと、この濃い部分だけが特別史跡として認められ、この濃い部分だけで約430基が園内に確認をされております。園外には、例えば大日山25号墳の一部が残っていますし、天王塚古墳も大変重要な史跡として存在することも確認をされています。
 中でも今の天王塚古墳は、分布詳細図で言いますと右端の位置になります。特別史跡から東に約500メートル離れたところに存在し、墳丘86メートル、天井部まで高さが5.9メートル。横穴式石室は岩橋式と呼ばれ、日本で2番目に高い石室の前方後円墳とされております。
 明治40年、東京帝国大学人類学教室の大野雲外氏の調査報告にも記載され、その後、明治44年、イギリス人・N・Gマンローが岩橋千塚古墳群の石室を海外に紹介したことでも知られております。昭和39年には、関西大学考古学研究室による発掘調査が行われた際、天王塚古墳がいっとき一般公開される機会もあったようです。多くの方が見学したものの、石室が封鎖され、約50年間、今日に至っても日の目を見ない状況となっております。広く県内外の方にも公開されるよう取り組むべきではありませんか。
 同古墳の保護及び周辺地域を含む特別史跡の拡充について、その方針をお示しください。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 特別史跡の拡充についてお答えします。
 岩橋千塚古墳群では、平成7年度から11年度にかけて周辺の指定地外の古墳の分布調査と発掘調査を実施し、特別史跡内の古墳と遜色のない貴重な古墳が多数存在していることが判明しております。このうち、天王塚古墳については、昭和40年ごろの学術調査によって、大日山35号墳と比肩する首長級の墓であることがわかっています。
 このような周辺に存在する貴重な古墳についても、今後、できるだけ国の文化財として保護されるよう、県としても積極的に働きかけてまいりたいと考えています。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 私、本当に地元にいながら、改めてこの紀伊風土記の丘をいろいろ自分なりに勉強させていただきました。本当にすばらしい文化財が近くにあったということに驚きと、そしてこれをもっと全国に広めるべきだと、こんなふうに思った次第でございます。
 御答弁は全て前向きですし、本当に取り組んでいただけるということですけども、42年間、あの資料館も含めて老朽化してきてるというお話でございましたけども、今まで放置してきたという部分もございますんで、しっかりその辺をお願いしたいと思います。
 また、知事におきましても、今私が取り上げましたこの問題につきましても十分御存じだと思いますし、しっかり全国に誇れる文化財として生かしていただきたいと、このように思う次第でございます。
 また、できましたらというか、計画ができた段階で、先ほどのバスの問題もございました、やっぱり地元の住民の方々の御協力なしに活性化できるものはあんまりないと思います。そういう意味では、計画ができた段階で結構ですけども、地元にもしっかり説明をしていただいて、いろんな形で御協力いただけるように、郷土の文化財、全国に誇れる文化財として大いに宣伝をしていただきたいと思いますんで、これは要望とさせていただきます。
 引き続いて、教育問題に移りたいと思います。
 和歌山県の教育の現状とその対応についてお伺いをしたいと思います。
 資料を配付さしていただいております。最初にいじめの問題、それから右のほうに不登校の問題、それから暴力行為の問題、高校生の中途退学者の問題、それから大学の進学率、そして最後に、高校生の就職を希望しておきながら3月末時点でまだ未定の方々のリスト、こういうことで図をつくらしていただきました。
 先ほど午前中にいじめの問題、本当に切実に立谷議員が取り上げておりましたけども、このいじめの問題に、大きく不登校の問題や暴力行為、また中途退学者の問題もかかわりがあるんじゃないかというふうに思います。
 特に、この表を見ていただきましたら、これは文部科学省が毎年各県の教育委員会に報告を求めているものでございますけども、平成19年度から23年度の5年を比較してみました。全国と和歌山、それぞれの年度ごとに小学生、中学生、高等学校という形で比較できるようにしてみました。
 不登校の児童生徒数は、平成22年度の小学生と高校生は全国平均を下回ってるんですけども、それ以外、毎年小学生、中学生で1000人を超えている、これが和歌山県のこの5年間の現状だと思います。特に、中学生の比率は3%と、非常に高い比率が続いております。
 高校生の中途退学者も全国平均を上回っております。特に、全日制と比べ、定時制の生徒に中退者がふえているというのも現状だそうです。
 中学生の不登校が目立つ中で、暴力行為も中学生が顕著になっております。昨年の決算委員会でこの点を指摘し、警察本部にも御協力いただき、今年度から学校支援サポーターの増員もお願いしておりますけども、不登校と暴力行為を起こす中学生の数値を見ると関係が非常に深いと言わざるを得ません。
 また、高校生の大学進学率は、ここ数年、下がり続けております。それも、全国平均と比べると、その差が開いてきているのが気になります。あるときは、和歌山県は全国平均に比べても高い時期をずっと維持しておりました。ところが、最近、これの差が逆に開いてきている。その原因の1つに経済的影響が懸念をされております。
 最後に、高校生の就職者。就職希望者のうち卒業時の3月の時点の未定者数は、ことしの数値も出ていますけども、一昨年からふえておりますし、ことしの3月時点では213人、就職希望者の10.1%の高校生が就職が決まっていない、こういう現状になっております。
 「動く!和歌山の教育の創造 10年後の姿-教育立県和歌山をめざして-」にお取り組みいただいて2年目になっております。3つの重点目標、学力の向上、体力の向上、国際人の育成、大事な視点であることは間違いありません。しかし、学校の教育課題をしっかり見詰めないと教育立県とはなり得ない。そんな現状だと指摘いたします。
 現状の認識とその対応について、教育長の御見解をお聞きします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 本県公立学校の問題行動につきましては、最近5年間の調査結果を見ますと、中学校、高等学校における不登校や暴力行為、中途退学の数は全国平均を上回っており、大変憂慮すべき状況であると認識しています。特に、中学校の暴力行為については高い割合で推移していることから、喫緊の課題と捉えております。
 これらの要因としては、基礎的な学力や基本的生活習慣が身についていないことや、コミュニケーション能力が十分に育っていないため、人間関係において不安や悩みを抱えていることなどが考えられます。
 こうした課題を解決するためには、何よりも子供たちにとってわかりやすい授業、力のつく授業が大切であり、そのための教職員研修や補充学習による個に応じたきめ細かな指導の充実に取り組んでいます。また、道徳教育や体験活動などを通して規範意識を高め、思いやりや自分を大切にする心を育んでいます。
 さらに、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーの配置を拡充するとともに、教育相談体制の強化や警察などの関係機関との連携を図っているところです。
 大学等への進学率につきましては、ここ数年、全国平均との差が広がってきております。この背景としては、議員御指摘のように、経済状況の悪化により、就職希望者や資格取得を目指して専門学校へ進学する生徒が増加していることなどが関係しているものと考えられます。大学等への進学を希望する生徒に対しましては、進路希望をかなえるのに十分な学力を伸ばすとともに、目標をしっかり持たせ、それを実現するための粘り強い指導が重要であると考えております。
 また、就職につきましては、依然厳しい状況にあり、各学校では教職員が企業訪問を行うなど、就職先の開拓に力を入れています。県教育委員会においても、知事部局を初め、ハローワークなどの関係機関との連携を強め、生徒のインターンシップや職場見学をさらに推進するとともに、企業と就職希望者をつなぐ合同説明会を実施するなど、雇用拡大に向けたさまざまな対策を講じているところでございます。
 議員から御指摘いただいたことは、「動く!和歌山の教育の創造」の行動計画を進めるに当たって、まず解決しなければならない大切な課題であると認識しております。今後とも、教育立県和歌山を目指して、こうした課題を解決するための取り組みを一層推進してまいります。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 段々の御答弁をいただきました。不登校生徒の3人に1人が高校に行けば中途退学に至っている、高校中退者の約65%が誰にも相談しないで中退を決断しているなど、専門家の方々は分析をされております。
 また、問題が起こりやすいのは、中1ギャップ、小1プロブレムと言われ、新しい環境に適応できないことにより生ずることが多いというのも指摘されているところでございます。ぜひ、こういう重点的な取り組みもお願いをしたいと思います。
 不登校や中途退学の問題は、青少年健全育成にも大いに関係をするところでございます。昨年12月に発足した自公政権では、自民党、公明党の政権合意事項の8項目の1つに、教育の再生、いじめ対策、不登校対策、通学路安全対策等を充実させるというのを柱にしております。不登校の定義として、何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因、背景により登校しない、あるいは登校したくてもできない状況にあるため、年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的理由によるものを除いた者、こういうふうになっております。社会的損失にもなっております。有効性が示されている認知行動療法を大人だけでなく学校現場にも広く応用すべきと考え、質問をさせていただきます。
 私が認知行動療法を本議会で紹介さしていただいたのは、平成22年12月定例県議会です。それから2年半がたちます。その際、知事が、認知行動療法は、鬱病はもちろん、不安障害やストレス障害など精神疾患に効果のある心理療法であると聞いており、今後この治療法の普及、人材育成など、環境整備を図っていくと答弁をされました。
 翌年8月には、県立こころの医療センターで専門外来を開設し、延べ124回実施。県立医科大学でもこの5月から外来診療で取り組んでいただいております。わずか2年半で大きく実現していただきましたのも、知事並びに県当局の御英断と、感謝を申し上げたいと思います。また、裏返せば、それだけ心の病に対し、県としても喫緊の課題として取り組まざるを得なかったということでもあります。
 不登校対策としては、心理的、情緒的背景により登校しない、あるいは登校したくてもできない状況にある児童生徒の理解を進めることが何より大事なことは、御存じのとおりです。
 暴力行為がふえた理由として、感情のコントロールができないコミュニケーション能力不足が挙げられております。これらのことから、児童生徒一人一人の感情をコントロールできる仕組みが喫緊の課題であると考えます。怒りの感情のコントロール力を高め、適切な自己主張、外部刺激への対策、問題解決手段訓練、ロールプレーなどを取り入れた手法として認知行動療法の導入を検討してはと提案し、質問をさしていただきます。教育長に御答弁をお願いします。
○議長(山田正彦君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) さまざまな心の問題を抱えた子供たちに対しましては、教職員は、日ごろから児童生徒としっかりと向き合い、心に寄り添うことが大切だと考えております。このため、現在、各学校では、児童生徒とのコミュニケーションのとり方や教育相談や健康相談などに関する知識、技能を学ぶとともに、スクールカウンセラー等と連携しながら組織的に支える取り組みを推進しております。
 議員御指摘の認知行動療法の手法につきましては、これまでの県の取り組みを踏まえ、専門家の意見を伺いながら、学校での教育活動に生かせるよう検討してまいります。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁いただきました。
 この認知行動療法を学校現場にということで、教育委員会の担当者の方にいろいろ説明もさしていただきました。なかなか理解をしていただけない状況がございました。専門学会で学校現場の取り組みや、和歌山県内でも、ある中学校の取り組みなども御紹介をさせていただいたんですけども、やはり初めての取り組みとしてなかなか前に進もうとしない、そんな感じを受けたんですね。
 「動く!和歌山」というんですから動かない和歌山にならないように、これはぜひ前向きに取り組んでいただきたいなあと思うんです。認知行動療法だけではないと思います。いろいろ、心療療法というんでしょうか、あると思いますけども、それも1つということで取り上げていただきたいなあと思います。
 認知行動療法では、前向きな考えは気持ちに影響し、前向きな考えによって気持ちによい影響が出ると、それが今度は行動につながるということを学んでいくと思います。感情と行動をコントロールできる、そういうこともぜひ学んでいって学校現場で活用していただきたいなあと、こういうふうに思いますんで、重ねてお願いを申し上げたいと思います。
 この教育問題の最後に、青少年の問題行動への対応についてということで、仁坂知事にお聞きしたいと思います。
 るる御説明さしていただきましたように、現在の和歌山教育の現場、本当に大変な状況だと思います。不登校問題や高校中途退学者問題、そして中学生などの暴力行為が目立つ中、青少年の育成として、教育委員会だけでなく、福祉保健部や環境生活部など知事部局としても総がかりで取り組む課題とも考えられます。不登校や中退、そのことが引きこもりやニートにも及んでいるとさえ言われております。社会的損失に大きくつながっております。仁坂知事の御見解をお願い申し上げたいと思います。
○議長(山田正彦君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘の、青少年問題は大変重要であるから県全体で総がかりで取り組めという御指摘については、全く同感であります。
 不登校や高校中途退学者などへの対応は、次代を担う青少年の育成という観点からも非常に重要な課題であり、知事部局、教育委員会、警察などの関係機関が、それぞれの役割と責任を果たしながら、相互に協力しながら一体となった取り組みを進めていく必要があると思います。
 そのため、青少年の問題行動に対しては、教育現場での対応はもとより、相談窓口を設置し、就労、福祉、医療など、相談者のニーズに応じた最適な支援機関につなぐとともに、専門家によるカウンセリング、居場所の提供、就職支援など、関係機関が総がかりで問題解決に当たっているし、また一生懸命やらなきゃいかんというふうに思います。
 今後も、知事である私が主導いたしまして、目を光らせながら、関係機関はもとより、市町村や民間事業者など、地域との連携を強化しながらも、効果的な政策に取り組んでまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 それでは、3番目の質問に移らしていただきたいと思います。
 難病対策についてということでございます。
 国の難病対策が開始されたのは、昭和47年にさかのぼります。県の指定特定疾患医療費助成は、2年おくれの昭和49年からとなっております。このときの対象疾患は、国が難病指定した24疾患のうち医療費補助対象から外れた14疾患、劇症肝炎や潰瘍性大腸炎、白血病など、県が助成する治療研究事業を開始されました。以来40年、国の医療費補助対象が広がり、県の対象は4疾患のみとなっております。
 現在、国の難病指定は130疾患に広がり、そのうち56疾患が医療費助成対象とされております。県も、最初の県独自指定の考え方を素直に取り入れれば、最初の対象14疾患を外すだけでなく、国の制度を補完する上で対象を見直すこともできたのではないかと考えております。
 毎年、国に対して予算や施策要望を行っていますが、平成20年から続けてこられた難病対策の推進という要望が、ことし外れております。国への予算要望に難病対策を入れた年に難病・感染症対策課、難病対策班と感染症対策班を新設されたわけですが、その課も昨年3月で解消し、健康推進課難病対策班を疾病対策班と変更されております。要するに、「難病」という字が「疾病」という形に変わったわけでございます。
 今後、県としての難病対策をどのようにお考えか、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長中川伸児君。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 県としての難病対策につきましては、難病患者の社会参加を支援し、難病にかかっても地域で安心して生活できる社会の実現を目指すことが重要であると考えております。
 県では、これまで、特定疾患治療研究事業による医療費助成のほか、難病患者及びその家族に対する相談事業、居宅生活支援事業など、難病患者やその家族の生活の質の向上に取り組んできたところです。
 また、国に対し特定疾患の拡大など難病対策の充実について働きかけを行ってきたところ、現在、対象疾患の拡大も含めた難病対策の抜本的な見直しが国において検討されております。県といたしましても、地域の難病の実態を踏まえながら、難病対策のなお一層の充実を図ってまいりたいと考えております。
 なお、平成24年4月の組織体制の変更につきましては、県民の健康・疾病対策に一元的に取り組むため、健康づくり推進課と難病・感染症対策課を統合し、さらに子ども未来課の母子保健班を移管し、健康推進課を設置したものでございます。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 御答弁いただきました。また、御説明もいただきましたけども、まず、国の動向というのは動き出してるだけで、まだ決定してるわけではございません。組織編成も、先ほど申し上げましたように「難病」という字を外したわけでございますし、要望ぐらい、やっぱりこれからは県民のそういう難病を抱えた方々の意見なんかも含めて、国に対する要望もきちっと活動として続けていただきたいなあと、こんなふうに思った次第でございます。
 実は、和歌山県にお住まいの方で、VHL病(フォン・ヒッペル・リンドウ病)という患者さんの家族の方の御相談を受けました。この病気は、常染色体優性遺伝性疾患で、脳や脊髄、網膜、腎臓や副腎、そして膵臓などに腫瘍が発症し、どの腫瘍も多発し、再発し、一生かかる可能性のある病気ということになっております。VHL病患者の会ほっとChainによると、国内の患者数は約1000人くらいと言われております。
 私が相談を受けた患者さんは、6歳のときに血圧が異常に上がり、手足が赤くなり、検査の結果、腎臓の近くに腫瘍があることがわかり、VHL病という聞きなれない難病と診断されたそうでございます。その後、小学校6年生、中学3年生と3回発症し、その都度手術を行い、ことし成人を迎える女性です。早期発見、早期治療しか今のところ手だてがないために、3カ月に一度PETやMRI、エコー検診を受け続けなければなりません。
 このVHL病は、難病の指定はされておりますけども、難治性疾患克服研究事業の中に臨床調査研究分野130疾患と研究奨励分野234疾患があり、VHL病は研究奨励分野の中にあります。現在、厚生労働部会医療委員会・難病等に関するプロジェクトチームにおいて、対象疾患について検討中ですけども、情報が開示されていません。そのため、その動向がつかみにくい状態です。難病治療は、その情報が正しく伝わっていない可能性もあり、VHL病で腫瘍だけでなく臓器そのものを摘出された例も少なくないそうです。
 このほかにも、まだ難病指定もされていない希少疾病を抱えた患者さんもおられます。
 県として、今後、難病支援についてどのようにお考えか、お聞かせいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 福祉保健部長。
  〔中川伸児君、登壇〕
○福祉保健部長(中川伸児君) 医療費助成の対象となっていない疾患の方々に対しましては、和歌山県難病・子ども保健相談支援センター、各保健所において、日常生活や療養に関する相談、患者の方々の交流会の開催など、社会的に孤立しないよう支援しているところでございます。
 今後、県といたしましては、関係機関と連携し、保健所を中心とした地域での支援ネットワークの構築を図るなど、一層の支援を行ってまいりたいと考えております。
○議長(山田正彦君) 多田純一君。
  〔多田純一君、登壇〕
○多田純一君 最後に、要望を言わしていただきたいと思います。
 今の難病対策ですけども、やはり国の動向というのも大きく左右するんでしょうけども、和歌山県にそういう難病を抱えた患者さんがいらっしゃるのか、こういう病気の方はいらっしゃるのか、そういうデータがまずないんですね。だから、和歌山県として、国の動向を見ながら、その患者さんにどういうふうに手を差し伸べるかということについては難しいと思います。
 だから、少なくとも行政としてほっとけんという部分で体制をしっかり組んでいただきたいと思いますし、そういう情報もしっかり提供していただきたい。これを要望さしていただいて、私の一般質問を終わらせていただきたいと思います。大変にありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で多田純一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 5番新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕(拍手)
○新島 雄君 一般質問の初日、それも4人目でありますので、大変お疲れのことと思いますが、いましばらく御辛抱いただけたら、そのように思います。
 私は、我が家で毎日2つのことを必ずやっております。これは、夜中何時に帰っても、朝幾ら早くてもやっていることなんですが、1つはお風呂の掃除です。なぜ笑われたのかな、不思議でかないません。夜中に帰ろうと、最後のお風呂に入って一生懸命そのお風呂を洗います。次の日、家内が気持ちよく入れれば、そう思って続けております。(「偉いな」と呼ぶ者あり)偉いでしょう。
 2つ目、毎朝、我が家のトイレに日めくりがあります。この日めくりを毎日毎日めくるんです。時たま家内から、「お父さん、きょうは忘れてたな」と、叱られます。それにもめげず、忘れないように、きょうも日めくりをめくってまいりました。きょうは19日なんです。その日めくりにトークの日と書いてあった。これは、きょうは長いことしゃべらなあかんなあと思って、この壇上へ立たせていただきました。
 議長のお許しをいただきましたので、やっと質問に入らせていただきます。
 私自身、歴史には余り興味がない部分が多いです。熱心に勉強した覚えもなければ、ただ単に点数をとるために数字を覚えたかな、その程度の覚えしかありません。その私が、今回、このような歴史に関する質問をすることになりました。興味のある方から考えれば当然の話も多いと思いますし、ひょっとしたら間違いが多くあるかもしれません。そのときは、寛容な心で、この場で指摘するのではなく、後でそっと私に御指摘をいただければうれしいなあ、そのように思っています。
 紀州徳川家創設400年祭。徳川家康公の10男、たしか14番目の子供さんだと思います、徳川頼宣公が、紀伊の国55万5000石、紀州藩藩主として紀州徳川家の家祖となり、1619年、この地、和歌山に入られました。そのときより数えること、2018年には丸々400年を迎えることとなります。
 それまでの間、伊勢神宮の式年遷宮や高野山開創1200年、世界遺産登録10周年、紀の国わかやま国体・わかやま大会などなど、盛りだくさんの大きな行事、イベントが続きます。この大きな盛り上がりを続けていくために、和歌山のよさ、すばらしさを国内外に知らせていくことを継続していかねばならない、そのように思いますし、和歌山へ来ていただく仕掛けが必要と考えます。そこでの紀州徳川家創設400年祭の企画案であります。
 紀州和歌山の歴史を広く多くの方々に知っていただくのはもちろんのこと、来県をしていただき、自然あふれる日本の美しさ、温故知新の再確認、紀州の特産品や文化遺産、そこから生まれる活力と健康、新しい社会の構築を育む一環として提案をするものであります。
 和歌山城は、和歌山市の、また紀州徳川家のシンボルであります。近ごろは、お城を中心とした行事も多く行われております。ぶんだら祭りや紀州よさこい、にぎわいの中心にもなっていることも事実であります。
 2015年、和歌山で国体が開かれた翌年、2016年は徳川家康没後400年となり、全国の東照宮を中心に行事が行われると聞いています。日光市はもちろんのこと、静岡商工会議所が中心となり、静岡県及び静岡市、浜松市、岡崎市の3市が協力して、徳川家康公顕彰400年記念事業推進委員会をもう設立しております。
 初代紀州藩主徳川頼宣公は、実父徳川家康を祭る日光東照宮から正式に勧請を行って、和歌浦にある紀州東照宮をつくりました。和歌山城と紀州東照宮の2カ所を中心として企画を行うこととし、その上、高野・熊野の世界遺産登録から15周年を迎える年でありますので、あわせて盛り上げていければ観光和歌山を全国に知らしめることになると考えます。
 企画構成に関しましては、専門家の意見が必要と考えますが、大名行列は北から南まで参勤交代を模して実施できるでしょうし、田辺の安藤や新宮の水野においては、付家老に関するイベントもおもしろいと考えます。この付家老という言葉、御三家だけに許された要職で、普通の家老とは一段違う役職だそうです。
 それ以外にも、各市町村でイベントを打てるのではないかと考えます。県下全域には、徳川頼宣公ゆかりの神社仏閣がたくさんあると聞いています。その神社仏閣において記念の行事などを開催していただくのも、有意義なことと考えます。当然、全国各地から、徳川家にまつわる関係者の方々には紀州和歌山の地にお越しいただくことも大切なことと考えますし、これを機会に御三家との関係も再構築する必要があると思います。
 和歌祭りのような伝統文化も、全国へお披露目をするよい機会でもあります。県立博物館などでは関係の展示物も多くあると思いますし、ゆかりの人を招いての後援会や文化会、そんなものも開催できるでしょう。
 400年祭は2019年が正しいのでしょうか。多分、2019年が正しいんだと思います。それならば、2018年、平成30年はプレイベントを実施することを企画いたします。2018年から2019年にかけての約2年間、この期間を徳川一色で和歌山県が塗り潰されるぐらいの企画を考えたらいかがでしょうか。世界遺産登録も15周年です。
 それと並行して、私は思うのですが、大河ドラマに挑戦をしてほしいなあ、そのように思います。知事がいろんな偉人を大河ドラマにするべく頑張っておられるのは、よく存じております。
 実は、ことし年賀状をいただいた中に、ある人が「ことしは新島の当たり年ですね」と書いてくれてました。最初、何のことやらわからず、ぴんとこないんです。正直申し上げて、大河ドラマ、一度も見たことないです。ふと家で家内と顔を見合わせて、あっ、新島八重かあと思いました。(「そうか」と呼ぶ者あり)そうなんです。やっぱり歴史に疎いなあ、そう思ったんですが、ここで大河ドラマといえばやはり14代将軍家茂かなあ、そのように思います。
 徳川家には紀州藩から2人の将軍を輩出しております。1人は、皆さん御存じの暴れん坊将軍。第8代でしたかね、徳川吉宗であります。そして、もう1人が第14代将軍徳川家茂であります。この人は13歳で将軍となり、21歳の若さで亡くなっています。井伊大老が将軍に家茂を推挙した。そして、大変な名君であったと言われております。
 ちょっと調べましたので、知識を披露します。恥ずかしいですが、逸話を1つ紹介したいと思います。多分御存じの方も多いんやと思います。
 家茂の書道の先生が70歳という高齢の方でありました。書道の指導中に、家茂が突然その先生に墨と水を頭からかけて、「きょうはこれまで、またあした」と言い残し、その場を立ち去っていきました。これに驚いた家臣たちは、いたずらにもほどがある、そうして怒っていたところ、書道の先生をふと見ると涙を流している。泣いておった。なぜかと聞くと、高齢ゆえ大変な失態をしでかした。将軍様のこの部屋で失禁をしてしまった。当時としては、このような失態は大変な罪で、それを不問とするため、家茂が一計を案じたのであります。
 また、勝海舟が将軍に願い出ていた神戸の海軍操練所も家茂がつくらせたもので、家茂が死んだときに、この勝海舟が「きょうで幕府が終わった」と言ったそうです。
 この家茂、NHKの大河ドラマになっても不思議ではないと思うのですが、いかがですか。そのためにも、県を挙げて400年祭を頑張って企画する必要があると考えます。
 2010年、奈良県が開催をした遷都1300年祭記念事業、せんとくんというゆるキャラが随分と世間をにぎわせました。大きな収益を生んだと聞いております。経済波及効果は、奈良県内で750億円、近畿圏域では1100億円、全国で見ると2150億円という数字も出ております。この収益金の中から、奈良県は、東北大震災に遭った3つの県に対して大変多額の寄附をしたというふうにも聞いております。また、この事業に味をしめたのか、JR東海が「ふたたびの奈良」などといってテレビCMも流しています。あのにぎわいが何ともうれしかったのでしょう。
 我々も、和歌山へ和歌山へと、次から次へとアイデアを打ち出していくことが必要で、今の流れをとめることなくつないでいくことが大切と考えます。国体が終わればしぼんでしまうのではなく、国体を契機に、エキサイティングに、アクティブに和歌山を売り出していこうではありませんか。
 そこで、知事に質問をいたします。
 この企画案に対する知事の感想をお聞きしたいと思います。大変不安であります。また、和歌山県の景気回復のためにも継続的なイベントが必要と考えますが、この企画をどう捉えますか。
 当然、民間の協力は不可欠です。しかし、民間だけではできない企画なので、県下市町村の協力が大いに必要と思います。県としての姿勢をお聞きしたいと思います。
 最後に、大河ドラマを申し上げました。何としてでもNHKの大河ドラマにならないもんだろうか、そう思います。いかがですか。お答えをいただきたいと思います。
 第1問を終わります。ありがとうございます。
○議長(山田正彦君) ただいまの新島雄君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のとおり、徳川頼宣公が紀州徳川家の家祖として1619年に和歌山に入り、2019年に400年を迎えることとなることは御指摘のとおりであります。徳川頼宣さんは、吉宗さんがとっても尊敬をした、おじいさんとして尊敬をしていた人でございまして、実は私は、見識とかスケールとか、それから物の見方が偏ってないとか勇気があるとか、そういう点で吉宗さんよりもずっと上だというふうに私は思っております。
 和歌山へ和歌山へというアイデアを次々と生み出すという議員の御提案というか御指摘については、全くそのとおりでございまして、私たちも改めて常にそういうことを考えていかないといけないというふうに思います。
 その上で、議員御提案の紀州徳川家創設400年祭を開催するということは、これは和歌山のすばらしさを全国に発信することになると思いますし、これは単に観光振興だけではなくて、和歌祭りなど本県が有する伝統文化とか歴史とか、そういうものの情報発信という観点からも大変意義のあるものだと思います。
 その中で、今申し上げました和歌祭りでございますが、これは毎年開催されております。これも、徳川頼宣さんが和歌山へ来たということをきっかけとして行われたもので、そろそろ同じようなころに400年、ちょっと後ですけど、迎えることになって、これも盛り上げていかないかんというふうに思います。これは毎年ございますので、毎年毎年、どんどんどんどん盛り上げていかないかん。もともとは大変格式のある全国的にも有名なお祭りだったんですけれども、最近、有名さがちょっと昔ほどじゃないということになってるのは大変残念で、昔のようにしたいというふうに思います。
 そういう意味で、一層の活性化のために、実行委員会の方々ともいろいろと実は打ち合わせをしております。その1つが全国へアピールすること、もっと端的に言うと人を連れてくることということで、それは観光の観点からも非常にいいことだということだと思います。
 そう考えたときに、和歌祭りもそうですが、ほかの和歌山のお祭りも、比較的、実は参加者、実演者が多いんだが、観客のことはあんまり考えてないというのが圧倒的に多いわけです。これじゃあ観光の観点からあんまり望ましくないので、ぜひこの和歌祭りというすばらしい素材を多くの人に見てもらうような見物人に対する配慮をもっとやっていったらいいんじゃないかということを今はちょっと持ちかけているところであります。
 ちょっと話がその方向へ行きましたが、一般に申し上げますと、ことしの伊勢神宮式年遷宮から始まりまして、世界遺産登録10周年、それから高野山開創1200年、紀の国わかやま国体・大会、その前に高校総体もありますが、3年連続で大きなイベントが続くことから、現在、積極的かつ戦略的な観光プロモーションを展開し、誘客拡大に取り組んでいるところでありますが、こういうのが終わりましたら、次の目標として、議員御指摘のとおり、やっぱりまた和歌山へ和歌山へということをいろいろ考えてやっていかないかんというふうに思うわけで、その点、紀州徳川家創設400年祭の開催については、ぜひ私としては積極的に考えて、和歌山市を初めいろんな方に話を持ちかけていきたいなあというふうに思っております。
 次に、大河ドラマでございますけれども、徳川家茂さんというお話がございました。徳川家茂さんは、歯にきぬ着せずに申し上げますと、私は実は物すごく立派な将軍だと思っております。私と同じ名前の将軍が有名でございますが──読み方だけですが──はるかに家茂さんのほうが立派だというふうに思います。早く亡くなられたのは大変な──徳川家にとってというふうに限定することが正しいのかもしれませんが──残念であるというふうに思います。ただ、余りにも人生が短いので大河ドラマらしくないような、大河ドラマで1年間引っ張るには物すごい脚本家の能力が要るなあという感じがして、そこが若干欠点かなというふうに思います。
 しかし、それのみならず、大河ドラマにふさわしい多くの偉人がまだございます。ちょっと呂宋助左衛門とか徳川吉宗とか、使い果たしてしまったところがあるんですが、まだたくさんありますので、歴代NHK会長とか副会長にお会いして、これまでも懸命に売り込みに努力をしてまいりました。そのときに必要なのは、種本が要るということを言われまして、この種本をつくってもらう、例えば陸奥宗光についての小説の種本をつくってもらうということも大事だというんで、津本陽さんにお願いして小説を書いてもらったり、いろんなことをいたしました。そしたら、書いていただいたのが、当時やっていた大河ドラマの坂本龍馬との接点のところだけの小説になっていて、これじゃちょっといかんなという感じはするんですが、そういうことを今後とも粘り強く、まだうまくいっておりませんが、努力をして頑張ってまいりたいと思います。
○議長(山田正彦君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 思った以上に知事がしゃべってくれました。時間は十分あったはずなんで、まだしゃべり足りなかったらしゃべっていただいても結構なんですが、大変意欲的な答弁であったと私は思います。
 後で聞いた話なんですが、300年祭というのが1919年に和歌山城周辺で行われた形跡、経緯があるというようなことであります。どんなことがあっても、300年をやってあるんですから、400年を知らん顔するわけにはいかんということだと思って、市町村を巻き込んで、紀州和歌山ここにあり、これを全国に意気込みを見せようではありませんか。よろしくお願いいたします。
 続いて、きょうは大変出番が多くてお疲れやと思います。教育長とちょっとやりとりをさせていただきたい、そのように思います。
 次は、打って変わって、ちょっとスポーツの話をさせていただきたいと思います。
 平成27年、わかやま国体・わかやま大会が開催をされます。せっかく大きなイベントがこの和歌山で開催されるんですから、さっきと同じようにこれをつないでいかないかん、そして根づかせていかないかんという思いでの質問であります。
 1つの切り口には、教育委員会には我がまちスポーツという切り口もあるんですが、それではなしに、ちょっと角度を変えて質問をしたいと思います。こういうような話をすると、何のことやらわかりにくいところがあると思うんで、1つ具体例を挙げて質問をしたいと思います。
 北海道上川郡和寒町字三笠103番地、和寒町総合体育館で開催される選手権大会を皆さん御存じでしょうか。毎年行われています。この和寒町、関空から出発をして一番早い時間を計算してみました。それでも4時間かかります。関西空港から飛行機で旭川へ飛びます。そこで空港バスに乗りかえて旭川駅へ行きます。旭川駅から和寒駅へという流れで4時間です。札幌から北東のほうに167キロの距離にあります。人口は3700ちょっと、そんなちっちゃな町であります。特産品は雪の下でおいしくなると言われる越冬キャベツ、またカボチャなんかも有名だそうであります。
 この町で、毎年9月の第1日曜日、和寒町総合体育館で開催されているのは、全日本玉入れ選手権であります。主催は全日本玉入れ協会、この組織は和寒町観光協会の中にあります。問い合わせも申し込みも、この協会が受け付けをしています。電話をして詳しく聞きました。お答えをいただいたのは、全日本玉入れ協会の事務局長の合田菊夫さん。この方は民間人です。
 毎年どれぐらいの人が参加をするんか聞いたところ、約600名の選手が参加をするそうであります。応援を含めると大変な数になるそうであります。内訳は、北海道内から85%、そのほか北海道以外から15%の参加であります。一番遠いのは九州から、熊本、宮崎、そこからも参加しておりますし、大阪、神奈川、東京からも参加チームがあります。
 ルールは、100個の玉をどれだけ早くかごに入れるか、そのタイムレースであります。1チーム6名で、最高記録は、皆さん、どれぐらいだとお思いですか。10秒91です。町から補助金は出ておるんですが、ほん少しだそうです。言えませんということでした。でも、それだけでは全然運営が不可能なんです。チャンピオンシップの優勝賞金が去年で50万円、レディースで10万円、シニアの部で3万円。ジュニアはお金は出ません。賞品が出ます。
 過去の大会を調べてみますと、優勝賞金が100万円のときもありました。参加費は1チーム8000円です。企業からの協賛や、商店街や小さなお店屋さんなんかも協賛をして副賞を出してくれたりしているそうです。北海道庁の振興局の後援をいただいていると、後援をいただくと同時に、たくさんの職員さんのチームが出てくれるそうであります。
 なぜ和寒と玉入れなのかということを尋ねてみました。答えは何もありません。何の関係もありません。たまたま平成2年に商工会の青年部の夏祭りのイベントとして始まったのがきっかけで、ことしで18回です。
 玉入れだけの話をしてるんではなしに質問に移っていかないかんのですが、表題に戻って、全国大会を和歌山で開催することのメリットです。
 和歌山で全国大会が毎年毎年開かれている競技はたくさんあると思います。それをもっともっとふやそうではないか、そういう話でありますし、ましてや、小学校のときに運動会でやった玉入れが、ここではスポーツとなって競技性を持たせ、全国に発信をしているんであります。そんなことを考えていく、見つけていく、そんなことも必要じゃないか。中には、珍しいスポーツや日の当たらない競技もあるでしょう。それらにスポットを当てる、そんなこともおもしろいと考えます。
 では、和歌山で生まれたスポーツは何ですかという問いをしたいと思います。ゲートゴルフ。これは旧美里町で生まれたスポーツだと聞いています。今は紀美野町ですね。それからバスケットピンポン。何よそれと言われそうですが、これは和歌山市出身の方が考えた、考案したというふうに聞いています。
 それから、私は1つちょっと解せんのですが、女子野球。昔に和歌山中学のグラウンドではかまをはいた女性の野球チームが日本で初めてできたんだという話を聞いたことがあるんですが、ネットで調べると和歌山じゃないんですね。どことは言いませんが、これは不思議に思ってるんです。私は、和歌山やと思ってます。それから、マスターズ陸上、寿野球、ほかにもあるんかなあと思います。
 これらの競技を全国大会、和歌山で開催してもいいんじゃないか、毎年毎年、和歌山が開催地になったっていいんじゃないか、そう思うわけです。時期が来れば、この全国大会があって、その参加する人たちがことしも和歌山へ行くんや、ことしもあの全国大会へ出るんや、そう思って、合い言葉は「和歌山へ行こう」、そうしてもらえる大会を開催していくんはいかがかな、そう思うわけであります。
 近ごろの競技スポーツを見ていると、女子サッカーはちょっとメジャーになり過ぎました。ところが、きょうも新聞に載ってましたラグビーの女子。7人制ラグビーなんかも、香港か何かで世界大会があったときにすごい観客が集まった、そのように聞いています。その7人制のラグビーなんですが、ラグビーそのものは「花園へ花園へ」という合い言葉があるようですが、じゃ中学生の7人制のラグビーできやんかな、全国大会は和歌山でできやんかな、そんなことをふっと思ったりします。
 また、綱引きはどうかなと思いました。綱引きを探してみると、いろんなところでやってます。だから、これをルールを変えるか何か考えればおもしろいかな。
 それから、先日の国体の実行委員会でティーボールというのをデモスポにしていただきました。このティーボールって何よと議員の人からたくさん聞かれました。このティーボール、毎年8月に西武ドームで全国大会がやられています。だから、和歌山でこのティーボールの西日本大会をやろうとか、近畿大会をやる。毎年和歌山でやるというのも可能性はないわけではないんです。
 競技団体によったら、持ち回りで全国大会を開催している競技団体が結構あるんです。じゃあ、なぜ定着せんかというたら、大変なお金が要るし、運営に費用がかかり過ぎるという後ろ向きの考えになって、1年やったらもうお疲れさん、次どっかやってよというのが本音だと思います。そんなんを、「よっしゃ何もかも和歌山へおいで」というわけにはなかなか言いにくいんですが、それぐらいの勢いで和歌山で何でも引き受けたらよというぐらい、それも毎年ですよ、やっていくという方法は何かないやろか、こう思うわけであります。
 いろいろ聞きたいことがあるんですが、現在、和歌山県内で開催されている全国大会、どんなもんがあるかということをまず教えていただきたい。そして、これやったら和歌山でできるん違うかというような全国大会の競技はないやろか。それと、さっきの玉入れのようなちょっと変わった、これ競技にしたらおもしろいん違うか、誰でもができて誰でもが参加できるような競技ないやろか、そのような全国大会を一回考えへんかというようなことを質問させていただきます。
 今回、1問目は、単発的な徳川家の400年祭という大きなぶち上げるイベントであります。もう1つのイベントは、継続的に地道にやっていく。この2つのことを提案させていただきました。何でな。和歌山を知ってほしい、和歌山に来てほしい。ここにいる皆さんが思っていることだと私は信じています。元気にダイナミックに、県民の皆さんの知恵をいただきながら力を合わせて汗をかいていきたいと考えています。
 そして最後に、4番目として、平成26年度、まあ25年度もそうでしたけれども、国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望の中に、スポーツに関することというのは、施設の整備だけはちょこっと載っておるんやけども、本当に1行もないわけであります。県としてスポーツに関しての要望はきちっとできているのかどうかということをお答えいただきたいと思います。
○議長(山田正彦君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 和歌山をダイナミックに、和歌山を元気にという観点からのスポーツ大会に係る御質問にお答えしたいと思います。
 現在、本県で定期的に開催されている全国大会は、毎年5月に県営相撲競技場で開催され、ことしで51回を重ねる全国選抜大学・実業団対抗相撲和歌山大会、7月に和歌山市で開催される第31回LCCカップ争奪ジュニアソフトテニス大会、8月に高野町で開催される第18回高野山旗全国学童軟式野球大会等、多数の大会が開催されております。また、平成27年度以降、おおむね10年間は、全国高等学校総合体育大会のヨット競技が和歌山セーリングセンターで開催されることが決定いたしております。
 次に、今後、和歌山で開催できそうな全国大会の競技についてでございます。また、誰もが参加できるスポーツの全国大会の開催という御質問でございます。
 議員御提案の本県発祥のスポーツであるゲートゴルフやバスケットピンポン等の全国大会の開催などを初め、生涯スポーツ振興の観点から、今後、関係団体や関係市町村と連携を図り、各種全国大会や県内外から多くの方々が参加しやすい大会を本県で開催誘致できるよう努めてまいります。こうした大会を開催誘致することで多くの方々が来県し、本県の魅力に触れ、交流の輪を広げることによって夢と感動と生きがいのある元気な和歌山をつくり出していきたいと考えています。
 国の施策及び予算に関する和歌山県の提案・要望についてでございますが、このことにつきましては、毎年、国に対して県政の重点項目を提案・要望しているところでございますけども、スポーツに関することにつきましては、この政府提案・要望とは別に、全国都道府県教育長協議会等を通じて、体育・スポーツの振興を図るための予算要望活動を継続して行っているところでございます。
○議長(山田正彦君) 新島 雄君。
  〔新島 雄君、登壇〕
○新島 雄君 今回、切り口がスポーツと、私もどない質問したらいいのかなあという、ちょっと思いがいろいろあったんですが、スポーツというから教育委員会へ行くんだと思うんですね。ところが、ねんりんピックなんていうのはスポーツなんですけど、そっちじゃないんですよね。こっちなんですね。じゃ、玉入れはどっちなのということなんですよ。だから、これを取り上げたんです。どっちが窓口なん、ひょっとしたら商工かい、企画かいって、ないわけですね。
 だから、こっちの話ししてても関係ないんですから、縦割りだけでいかんよというのは知事がいつも考えていらっしゃることなんで、受けて立てよと。何でも受けて立てよというようなことやと思います。だから、僕はそういう思いで、何でも和歌山は受けて立とらいよというような、まあ、そら、できやんことが中にあるかもわからんが、後のことやと、後で考えよらと、とりあえず手挙げよらということも大事やと思うんで、その辺、俺は知らないよというようなことにならんようにだけはしていきたい。
 何でもかんでもええと思うことはオール和歌山で頑張るんや、そんな思いを皆さん方に要望して、質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山田正彦君) 以上で、新島雄君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時31分散会

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