平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(井出益弘議員の質疑及び一般質問)


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  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 8番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 皆さん、おはようございます。本会議も最終日になりまして、専念していただいとる議員の皆さんも(「まだあるで。一般質問や」と呼ぶ者あり)ああ、一般質問や。一般質問最終日で、お座りになって聞いてる人ももうなかなか疲れが出てきとるん違うかなと思いますけど、当面、きょう、まず一般質問、ひとつ御清聴をお願いしたいと思います。
 当局のほうも、なかなか疲れが来てるかと思いますけど、できるだけ誠意を持って、そしてまた県民に夢のある回答をできるように、ひとつお願いしたいと思います。
 まず、議題に関係がありますが、私、県会議員になって今8期目ですけど、きょうは傍聴席へ初当選以来のたくさんの方が来てくれております。きょうの一般質問のことの答弁を心配して来てくれておりまして、少しお話しさせていただくと、和歌山県の猟友会、尾上会長、岩橋事務局長ほか幹部の皆さん、それから和歌山県クレー射撃協会から宮本理事長、そして幹部の皆さん、和歌山市紀伊地区──以前、知事も知事選挙のときに特に要望大会というのがありました紀伊地区の湯川連合自治会長、それから元水利組合長で、雨降ったときに紀伊の駅前あたりが池みたいになるという、あそこの北野地区の自治会長の深井さん、それから現水利組合長のまた深井さん──別の方ですけどね──そしてまた和歌山市楠見地区、第2阪和の橋がかかって向こうへ延伸していく地元の、また水利の池とかも民家の上のほうにある関係で、きょうは山本連合自治会長、それから山路連合副会長もお見えになっております。そして、地元の関係の皆さん、たくさんお見えになってます。それから、和歌山市貴志地区からも、水利の関係で西山自治会長と地元の関係の皆さん、これはため池の関係とか特に心配して来られております。
 本題に入ります。
 まず、1番目の有害鳥獣対策についてであります。
 有害鳥獣対策については、昨年9月、吉井和視議員もかなり深く質問していただき、また今議会も自民党県議団の大沢広太郎会長も有害鳥獣対策について、そしてまた去年、おととしあたり、ずっと有害鳥獣のことで県議会の本会議や委員会でもたくさん、何か対応せんとあかんのじゃないかということが議論されてますが、なかなか結果が見えてこない。
 特に、この銃の問題でいろいろ、射撃場をやっぱりつくらんとあかんの違うかと。そしてまた、国のほうも予算をつけていただいたようなことがありまして、3~4年前には、有害鳥獣捕獲対策の一環として、狩猟の安全研修や、狩猟肉の処理の仕方の講習場や、おいしく食べられるジビエ等の普及開発のための講習場の施設等にも使えるというような目的で、当時、農水省からは3億円余り、そして県からも3億円の予算をつけていただいて射撃場の建設ということに取り組んだんですけども、しかし、残念な結果となったわけであります。
 オリンピックのメダルの数では、この射撃というのは、知事は多分御存じやと思うんですけど、私も最近ああっと思って感心して。数値をちょっと言わせていただくと、陸上関係が一番多いんですけども、その次に、射撃関連の種目でのメダルは27種目81個のメダルの数になります。ですから、本当に、ひょっとしたら我々和歌山の県民からオリンピックのメダリストが出るんじゃないかというような夢を持てる、陸上に次いで一番近い、そういう種目であります。
 国体やオリンピックは今後とも開催されますから、今回の和歌山国体に使用できなくても──本当は和歌山国体に使える射場をつくってほしいと思ったんですけど。有害鳥獣としてつくっても、ほかの射撃にも使えるわけですよ。今、和歌山国体に使用できなくても、狩猟射撃練習場は、国体選手の練習場としてつくりさえすれば、あとはもう和歌山国体が終わった後の国体、その後ずうっといろんな練習場に使えるわけですよ。もちろん、有害鳥獣対策の研修としては非常に大切な施設ではないかと思います。
 この射撃場というのは、最近、特に難しい難しいと言われておるのが、鉛を使う散弾を撃ったその鉛が、鉛害といって鉛が溶けて井戸水とかそういう飲み水のところに、あるいはいろんな農作物に影響を与えたりするんじゃないかというようなことで、ここ3年ほど前に、特にそんな射撃場の鉛対策、施設改善ということで、どんどん鉛対策を──撃った鉛を全部回収するわけです。で、山の中に撃ち込んだり、谷へ撃ち込んどったりしとったやつは、もうそういうことができないから閉鎖になっていく。あるいは、何十億というお金を投入してそれをやりかえたところもあります。だけど、閉鎖に向かっていくのが多かったと。
 だけど、新しいこの環境省の射撃場の建設要綱、ガイドラインというのは、最初からもう鉛を回収できるような場所へシートを張って、撃った弾がそこへ当たって下へ落ちて回収できるように、そしてまた、その下流ではスポット的に鉛が溶けて何か症状が出てないかというようなことを全部チェックできるような機能を持った射撃場でなかったら許可がおりない、環境省のガイドラインをパスしないというようなことになってるんで、本当に心配のないような形で建設されております。
 ですから、この3年ほど前からでき上がった射場は、全部いろんなチェックをやっても全くそんな問題が発生してない。鉛のことで「あかんぞ、あかんぞ」と言われるだけで──それは対策してないだめな射場のことばっかりですから、ぜひ御理解いただきたい、そしてまた、そういう施設改善あるいは新しい鉛対策をした射場も見に行っていただきたいなと思うわけであります。
 今のままでいくと、和歌山国体クレー射撃会場にどうも間に合わないということでいくと、ほかの射場を借りてやる場合、鉛対策というのをせなあかんから、シート張ったりいろんなことをせなあかん。あるいは、現在対策しないままで撃っとる鉛を一旦回収して、そしてそこへシート張るというようなことをしてくださいと。それ、使わせてもらうだけでも何億、何十億というようなことを言ってくるんじゃないかと。
 長瀞というとこは、その回収に20何億要りました。シート張ってやって、その後回収するの、20何億要りました。ですから、ほんまにそんなに要るかなと思うぐらいですけど、撃ち込んだやつを全部拾い集めるというふうなこと、本当に大変なことです。
 ですから、あとは対策をやったとこでやるというと、和歌山国体の射撃種目を九州とか関東でやることになる可能性が大きくなっております、今のままでしたらね。それもまあ仕方がないかなと。
 そしてまた、この議会が始まってからわかったんですけども、近畿2府4県の中で国体できるような施設がないので、和歌山が断念する、あるいは和歌山がつくらないんだったら滋賀県につくってほしいというようなことを私が申し入れられまして。といいますのは、私は現在、日本クレー射撃協会の常務理事をしておりまして、特にことしから国体委員長というポストを麻生会長から命じられました。去年までは資格審査委員長と倫理委員長というのだったんですけど、今度、国体委員長。非常につらい立場と。
 だけど、和歌山がつくらんのやったら滋賀県に、2府4県の中でいろんな、国体とかアジア大会とかそういう順番が来たときにできるような射場つくるのを、国や射撃協会の麻生会長のところへお願いに行かなあかん立場になってきて、その辺、知事にも──今回初めての話なんですけど、私も非常に窮地に陥っております。
 和歌山の国体──射撃の種目、本当に残念ながらいつも47都道府県中ずっと下のほうで、45位か46位みたいなとこ。だけど、最近本当に頑張ってくれて、真ん中あたりまで来て、だけどやっぱり限度があります。練習場がないとね。それで遠くへ通っていく。あるいは、行っても、地元で大会とかいろんなことをやっとったらやっぱり優先されますからね。和歌山であれば、和歌山で練習日は優先的にとらしていただけるんじゃないかと思うんですけど。
 あと、和歌山県の猟銃・射撃銃所持者の数がだんだん減ってきております。それで、猟友会の皆さんも、やはりそういうような施設として、有害鳥獣を捕獲したときの、ジビエとかそんなもんに何とかもっと活用できないのかと。
 とった肉をおいしく食べるためには、すぐに血を抜いてというようなことをする料理の処理の仕方というのがあるんですよ。それ、最近わかってきた。いただいた肉を見ても、大分血が残っとるなあと思うやつは、ほんまにおいしくないですよ。食べてたら、もう炊いとったら血が出てくるぐらいの、そういう味が出てくる。そういうこともあって、研修施設。
 そしてまた、特に警察本部長にも答弁お願いしとることもありまして、銃の所持者の数とかそんなもんの推移、現在の数とか、あるいは、特に和歌山では不名誉というんか、射撃により人間を撃ってしまったというやつがかなり多いんで、そういうふうな事故の数とか、そんなことについてもお聞かせいただきたいと思います。これは警察本部長からお答えいただきたい。
 今、射撃場というのは、有害鳥獣対策の中でもこの射撃場という話になると、何か反対されるような施設というふうにとられがちで、どっちかというたら市町村、地元がぜひ来てくれというような歓迎する施設、ぜひ来てほしいと言われるような場所ではないような、一面誤解を受けてるようなとこもあると思うんですけど、やはり私は全国猟友会の大会とかいろんなもん見てますから、和歌山につくれば非常に──12月の日に次の1年間の分、土日祭日の大会の日がもう決まるんですよ。射場の日をとり合いするぐらいの。
 ですから、本当にそういう人らが何10人、何100人単位で和歌山へ来てくれたら、宿泊とかお土産とか、いろんなことについてもいい面がたくさんあるんじゃないかと。ですから、そのようなこともぜひ県からも理解を求めていただいて、この話を何とか物になるようにしていただけないかと思います。
 以前、何とか予算つけていただいてというとこまで来たんですけど、残念やったんですけど、もう1回挑戦をしていただけないかということで、知事に答弁をお願いしたいと思います。
 次に、2番目の京奈和自動車道と第2阪和国道の建設に……
○議長(山下直也君) 井出議員に申し上げます。分割質問ですので。
○井出益弘君 では、1回目の質問はこれで。次から向こうの席でやらせていただきます。
○議長(山下直也君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 分割のルールでございますので、多分私のほうが先に答えるべきだと思いますので、やらせていただきます。
 鳥獣による被害は依然として深刻な状況にある中で、銃による捕獲は必要であります。猟銃では、安全性の確保が第1なわけですが、全国で猟銃を使った不祥事が起こりまして、これを背景に銃規制がえらい厳しくなりました。これはコスト高要因でございまして、ただでさえ高齢化で苦しいハンターがさらに減るおそれが出てきております。
 そのため、県では、平成23年度から射撃練習における射撃施設の利用料に対する補助などの支援を始めたわけでございます。
 練習施設としての射撃場もあったほうがよいに決まっとるわけであります。ただ、住民の理解や採算が合わない等の問題が議員指摘のようにありまして、全国的に減少傾向になっております。
 県内には、田辺にちょっと小規模なやつが1カ所で、県外の施設も利用しているということを認識しております。そこで、現在は個々のハンターへの助成で対応しているわけでございます。
 射撃場の整備には地元市町村の積極的な協力が不可欠でありまして、手を挙げていただく市町村があれば、整備が可能かどうか検討させていただきたいと思います。
 そもそも、議員御指摘のように、この射撃場問題というのは和歌山国体の会場として発想された話でございましたが、現状では、国体開催の障害とか選手強化のさわりにもなるので、そこでもう国体はとりあえず既存の他県施設を借りて行うけれども、和歌山国体の問題が終わっても本件の検討はなくさないということで、井出議員、クレー協会会長と合意ができたのは大変建設的だったと思います。
 これからも、本県は鳥獣害の問題として真摯に検討してまいりたいと、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 警察本部長植田秀人君。
  〔植田秀人君、登壇〕
○警察本部長(植田秀人君) 射撃場の必要性についてでありますが、本年2月末現在、県下の猟銃等の所持許可者数は、ライフル銃が228人、235丁、それから散弾銃が1825人、2762丁であります。
 猟銃事故については、過去5年間で4件発生しております。いずれの事故も、ベテランハンターが基本的な遵守事項を怠り、十分な安全確認をしないで発砲した不注意から、死者2名、傷者2名の事故が発生しているものであります。
 このような事故を防止するため、警察では、所持許可に係る初心者講習、経験者講習等におきまして具体的な事例を挙げて教育の徹底を図るとともに、一方で、今申し上げたような猟銃事故だけではなく、日常生活において傷害事件等を犯した者に対する所持許可の取り消し処分を公安委員会に上申するなど、そういう不適格者の排除にも努めているところであります。
 また、平成21年の銃刀法改正によりまして、更新時の射撃技能講習の義務化、さらには、狩猟期ごとの射撃練習を行う努力義務が規定されたことから、政令基準に適合する公安委員会指定の射撃場で、基本的な銃の取り扱いや点検、射撃姿勢、動作などの技能講習を行っているところであります。
 このように、法に定められている射撃の講習等を行う教育訓練施設の存在は必要であると考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 御答弁いただきまして、知事も射撃場については、国体のことも触れていただいたんですけど、なかなか難しい施設建設のことでもあるけども、できれば地元の協力とかそういうようなこともあればつくっていく必要があると答えてくれたように思います。
 私は、射撃のことでいろいろ役員もしとる関係もあってか、あるいは県会議員しとる関係もあってか、この射撃場のことも、田辺のほうどうか、あるいは白浜のほうへどうなえと、あるいは龍神とかあっちのほうでどうなえというような、あっちやったらもう山寄附するでというような話もたまにあって、あるいは紀の川筋でも話がありまして、見に行かしてもらったとこもあれば、検討させてもらって、そらもうちょっと無理やというのをお答えさせてもらったことがあります。
 といいますのは、知事も多分、ここはつくった後、運営がちゃんといくか、あるいはそのために、運営の補助金というか助成金というんですか、県からずっと毎年何千万というような金を助成せなあかんような経営になってしまうような場所、あるいはそういうものであったら重荷になるなあということも考えてるんじゃないかと。
 それは、私も、つくる以上は、やはりいろんな方が、多くの方が利用してくれて、そして安全のためにも、あるいは有害鳥獣、いろんな捕獲のためにも、この施設ができて大変よくなったという施設をつくらないかんと思うわけですけども、そのためには、やはり場所が──銃を持った人が泊まりに来たりする関係で、銃を置いといてお風呂へ入っとって、お風呂から出てきたら銃がなかったと、あるいは、「この銃をちょっと見といてよ」と言うてお風呂へ入るようなことをしたら、預かったほうも違反になると。
 とにかく、銃の管理というのは個人、本人の責任ということでやらないかんので、やはり宿泊施設、ホテルとかそういうのが多い地域であって、かつ、例えば近畿2府4県でクレー射撃の大会とか猟友会のいろんな大会、新家というところで今やっとるのを見ましても、やはりあんまり近畿2府4県の中心部から外れて端のほうに行ってしまうと──京都にすばらしい射撃場があります。あったんですけど、今、閉鎖中です。それ、日本海に近いところにあります。
 ですから、私たちも、大会を向こうでやるといったら行かない人が多い。行けない。私もなかなか、そこまで行こうと思ったら泊まりがかりで、1日撃ちに行くのに、1回試合行くのに泊まり込みで行かんなん。そしてまた、遠過ぎます。日本海のはたまで、同じ京都といっても、こっちのほうとね。
 ですから、やはりつくった以上、私らもクレー射撃協会の役員として、近畿2府4県の大会──和歌山の市あるいは第2阪和、京奈和自動車道ができて、国体ができて、そのころには道も整備できてというときに、そういうことも考えた場所につくらんと、なかなかあと──一部の人だけが免許の更新とか許可とるときとか、そんなときだけ使うんだったら使えると思うんですけど、やはり黒字経営していこうと思ったら、いろんな大会をやっぱり年間にたくさん入れてもらい、そしてまた参加してもらえるような場所へつくらんと、なかなか経営がうまくいかないんじゃないかと。
 ですから、そういうこともあって、今まで相談にお見えになった人にも、やはり和歌山市あるいは和歌山市周辺とかそんな場所でなかったら、後々、つくった後、みんなが来てくれにくいと。そしてまた、私らも役員としてこの大会を、西日本の大会とか全日本選手権とか、あるいは近畿2府4県の公式大会をここでやりましょうと言うのに、紀南のほうに、あんまり遠くへ行ってしまうと、それはもう、何でやと、行けへんわと、勝手にせよということになるんで、そんなこともあって場所の選定も大変。
 そしてまた、立地の場所についても、安全とか騒音とか迷惑施設みたいに思われるぐらいのもんですから、誤解を受けてるようなもんですから、いろんなことをやっぱり啓発、理解を求める勉強をしていただかなあかんなと。
 そしてまた、今は本当に、先ほど申したように環境省のガイドラインに従って射場建設がこれからやられていっとるんで、大変いいものだと思いますんで、いま一回御理解してほしいと。
 そしてまた、そんなことは業者にばっかり聞きに行くんじゃなくて、私らにも県の皆さん、幹部の皆さん、相談してほしいなと。予算つけてもらって、できなくなりましたという報告を受ける3年の間、何も私ら連絡、会議とか、そんな様子を教えてほしいと言うても、これは有害鳥獣の関係で国体に関係ないんやと、そやから一切会議へ来てもろたら困るみたいなことやったんですよ、本当に。だから、県議会の議員の皆さんも、猟友会の顧問していただいてる吉井議員、坂本議員、山田議員、皆さん代表の顧問なんですけど、みんな、予算ついてからだめになりましたという間、本当に何でかさっぱりわからんままで終わってもうたんですよ。
 ですから、ぜひそんなことも御理解いただきたいということで、これは要望させていただいて、あと、詳しいことについては農林水産委員会でまた、特に終わってからどうしても聞きたいことがあってとか煮詰めたいことがあってということになったら、委員会でやらせていただきたいと思います。
 続いて、京奈和自動車道と第2阪和国道の建設について。
 現在の整備状況と今後の見込みについてということで、まず県土整備部長に概要を答弁願います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 京奈和自動車道につきましては、紀北東道路では、高野口インターチェンジから紀北かつらぎインターチェンジ間が平成24年4月に供用され、残る仮称・打田インターチェンジまでは、平成25年度の供用に向けて全線で本線工事が推進されております。
 また、打田インターチェンジから仮称・和歌山ジャンクションまでの紀北西道路では、全域で用地取得が進められ、現在、紀の川市では取得が完了し、全体では7割を超える用地を取得しております。
 残用地の取得については、土地収用制度の適用に向けた手続を進めており、早期完了に向け、県、和歌山市、岩出市挙げて国に協力し、鋭意推進しているところであります。
 工事につきましては、岩出市域や紀の川市域で事業が推進されており、平成25年度には和歌山市域も含め、長大トンネルや橋梁などの大規模工事が発注予定となっております。
 次に、第2阪和国道については、平成23年3月に淡輪ランプまで供用されており、残る区間についても全線で事業が推進されております。
 現在、県内では、大谷ランプから府県境までを和歌山岬道路として和歌山市が用地取得を進め、1月末時点で約5割の用地を取得するとともに、国が大谷高架橋や工事用道路に着手しております。
 また、一部難航用地に対しては、京奈和同様、土地収用制度の適用に向けた手続を進め、国、県、市が一体となって事業進捗を図っているところです。
 京奈和自動車道及び第2阪和国道については、引き続き、事業進捗に必要な予算の確保はもとより、円滑に事業が進むよう県としても最大限協力し、平成27年国体開催まで供用できるよう国に対し強く働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 部長の答弁、なかなか丁寧に、また、自民党政権になってから、国へ行っても、あるいは県と話ししても、腹を割って話しできるというか、相談したことが返ってくるということになってきて、本当に第2阪和も京奈和自動車道も、知事が言ってくれてる国体までにできるだけ開通さす努力しようということがだんだん現実化しつつあると思います。どうもありがとうございます。
 次に、2番目の2ですけども、京奈和自動車道と第2阪和国道がいよいよ3年後ぐらいに開通できて、非常に流れがよくなるんじゃないかなと。それは和歌山までの、京都─奈良─和歌山あるいは大阪─和歌山の流れがよくなってくるんですけど、あと、これができ上がりますと、京奈和自動車道と第2阪和と通り抜けする車、第2阪和から京奈和へ乗る、あるいは京奈和から第2阪和へ乗るというような、一般国道とかそういう国道への接道として、西脇山口線の道路へ全部おりてくるわけです。
 ですから、楠見のオーストリートの前あたりも、今でもたくさんですけど、これがこの通り抜けの車もずうっとここを通るようになってくるのは間違いなく、そのころを考えると確実に停滞道路になると。
 それで、このことは私、3年前にも議会で、ここで取り上げさせてもらったことがあるんですけど、そのとき、まだ第2阪和、京奈和のことが進み始めたとこなんで、あんまり先のことを言われても、もうちょっと待ってくれやんと答弁のしようもないということも私は察しましたので、そろそろ質問させてもらってもいいんじゃないかと。
 今まで私がこんなことを質問させてもらったことは──射撃場だけちょっと懸案事項に残っとんのやけど、ほかのことは全部、何年後にはそのとおり、やっぱり必要なものとして進んできてると思うんで、これもぜひ早く検討課題──検討課題と言ってるんやなくて、できるだけ具体的に、どのような取り組みなり検討なりというような考え方を持たれてるんかというのをお尋ねしたいと思います。県土整備部長にお答え願います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 京奈和自動車道や第2阪和国道への延伸部分は、関西大環状道路の一部を形成し、関西都市圏の拡大に寄与する道路であり、市内の交通の円滑化にも必要な道路であると考えております。
 現在は、京奈和自動車道や第2阪和国道を平成27年国体開催までに供用することに全力で取り組んでいるところであり、両路線の事業の進捗や高規格幹線道路に係る国の動向を見ながら、今後、国に対して計画の具体化を要望していきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今度はぜひ、今、部長から答弁いただいたように、その方向に向かって──できる、できやんというのは今答えられないと思うし、当然だと思うんですけど、そろそろそういうようなことに取り組んでいただく、あるいは検討していただく時期に来てると思うんで、今そういう答弁いただいたんで、あとまた関心深く皆さん動いてくれるか、また、場合によったら県議会のほうも一緒になって行動させていただきたいと思うんで、そのときはお声がけいただけたらと。まあ、知事が動いてくれたら、まず進むと思います。よろしくお願いします。
 次に、2の3番目ですけど、京奈和自動車道を3年後にいよいよ開通さそうという努力目標で具体化しつつある中で、非常に地元でも、我々県民でもうれしいことですけど、あれができることによって七瀬川の上流、あるいは紀伊地区の水で今困ってるという水被害のことで、上流でそういう工事をやることによって──紀ノ川サービスエリアの大阪向けのサービスエリアつくるときにも、紀伊の駅前の上のほうの池を補強、大きくしてもらって、水路も改修してもらって、向こうの反対しとった地元の皆さんに、工事をやってもらうということでやったんですけど、やはりそれは正解やったと思います。
 ですから、今度は京奈和自動車道の完成ということが、七瀬川のほうの上流の水についても、一部水量の変化とかあったり、思わぬ水が流入してくるというようなことも心配しておりまして、そのようなことで、これは河川の予算ではなくて京奈和のほうの予算でぜひ何とかしていただけないかというのを、以前、茅野部長のときから要望活動しとったんですけど、それについて動きがあったと、最近はよい方向に決まってきてるということで聞いておりますんで、部長にちょっとその辺の御答弁、御紹介をお願いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 和歌山市域における京奈和自動車道からの道路排水対策につきまして、国は既存ため池の活用や新たな調整池の設置を行い、調整機能を持たせて整備する方向で進めております。
 現在、その整備に向け、測量や地質調査を終え、設計を行っており、引き続き関係機関や地元の水利組合、地元の自治会などと十分調整を行いながら進めていくと聞いております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 どうもありがとうございました。
 七瀬川のことで随分困っとったのが京奈和の予算でというようなことで助けてもらえるような方向に向かったというのは、その話も前から時期を待っておったら、やっぱりちゃんと県のほうでも対応してくれるようになったなと、これは感謝しております。どうもありがとうございます。
 続いて、この第3番目の大雨による洪水対策についてということで、これは昨年9月に森礼子議員が和田川の改修、今後の取り組みというようなことで発言されて、我々自民党の議員あるいは党としても、これは早期に改修に取り組んでいく必要があるということで活動しておるんですけども、このことも、去年9月の答弁を今ちょっと見させてもらったら、今期内に、あるいは来年度になるかわからんとか、そういうことも含めていろいろするということですけども、去年の9月にそういう答弁いただいてからですんで、どんなことをされておるんか、あるいは今後どのようなことをされるのかというのを──七瀬川についてとか和田川について、ちょっと予算を見せていただいたら、24年度が当初3億3600万、七瀬川3億3600万、和田川が3億6540万、それから24年度の補正で和田川が6億2100万ついて、そして今度は、当初で6億3000万つけていただいとるようですけども、この辺のこともちょっとまず一度報告いただきたいと、答弁いただきたいと思います。県土整備部長に。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 和田川流域では、昨年6月の集中豪雨により、内水氾濫や支川の氾濫による浸水被害が発生しました。
 県では、和田川本川の治水上最もネックとなっている伊太祁曽神社前の農業用取水堰を含めた区間の局所改修に直ちに着手するとともに、国、市と連携を図り、河口から前代川合流部付近の約6キロにおける抜本的な改修を進めるため、床上浸水対策特別緊急事業の平成25年度採択を国に要望したところです。
 さらに、本年度の災害対策等緊急事業推進費や国の緊急経済対策に係る補正予算等6億2000万円の配分を受け、改修の推進を図っております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 和田川のほう、そういうことで早速やっていただいとるということで大変──見通しがなかなかね。和田川というのは、海まで続く水流がいつよくなるんかというのは非常に心配ですけども、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先ほどもちょっと触れたんですけど、七瀬川の改修と今後の見込みについて。
 これ、七瀬川というのは、私、もう20年ほど前からずっと言うとって、だんだん──おととし、知事がいろんな地元の大会、この七瀬川の改修の要望大会のときに来てくれて、それから非常に進んできたかなと思う。
 最初は用地買収のことで予算を使われとったんで、なかなかやってくれへんなあと言うとったのが、最近やってくれ出したんかなと。そうなってくると、できれば10年以内ぐらいに──いつできるんよと、これ言われるんよ。
 実際、1年か2年に1回ぐらい、雨でお百姓さんの農作物がつかってしまいます。そしたら、そのときに、軽四へ乗せて、「売れやんので食べて」ってくれるんですよ。それ、僕ももろて配ったら選挙違反て言われるかわからんけど、ようけくれるしね。
 初め、ありがたいよと思とったのが、このごろ気の毒で、もらうんにほんまに。買うて配ったら余計に選挙違反と言われるしなと思って。ほんまに気の毒な、あんまりやけど、軽四へいっぱい買うてもなかなかそうはいかんのでね。ですから、やはり10年以内ぐらいに何とか改修を──国体までにと言って道路を知事にもあれしてもうたけど、今度は七瀬川の改修、10年以内に完成目標で努力してほしいというふうな心も込めて、ちょっと七瀬川の改修状況、今後の見通し、県土整備部長にお願いします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 七瀬川につきましては、紀の川合流部の鴨居樋門が流下能力不足となっていることから、平成26年度を目途に国が改築を進めております。
 国の鴨居樋門の工事と並行して、県では河川の用地取得を進めるとともに、下流の負担にならないよう、上下流のバランスを考慮しながら改修工事を実施しております。
 鴨居樋門から鴨居川合流点までの1期工区では、2月末現在で約8割の用地を取得済みで、下流から順次護岸工事を進めており、国道24号までの区間については平成29年度までの完成を目指しております。
 また、残る区間につきましても、用地取得の御協力を得ながら、議員御質問のように、10年以内にできるよう頑張ってまいります。
 また、鴨居川合流点から七瀬川橋までの2期工区についても、1期工区完成後に速やかに工事に着手できるよう事業化し、用地取得を進めています。
 中小河川の改修予算は、ここ数年増額しており、七瀬川については、本年度においても国の緊急経済対策に係る補正予算等約3億7000万円の配分を受け、改修の推進を図っています。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 目標として、10年というのを努力目標として出していただいたんで大変ありがたいですけど、ぜひ頑張ってほしいと思います。
 次に、3番目の和田川、七瀬川流域の国営総合農地防災事業。
 なかなか川だけ改修しても、用水路とか水路の関係をいろいろやっていかんと水被害のことが解決しないということで、昨日、山本議員もこのことについては触れられておりました。このことについて、農林水産部長から答弁いただきたい。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 国営総合農地防災事業和歌山平野地区は、和歌山市、紀の川市、岩出市の都市化が進む農業地域における湛水被害の軽減を図ることが目的であります。
 現在進めている地区調査の結果、和田川流域においては低地で傾斜が小さいため、排水機の機能増強や排水機場までの水路の改修が必要であると考えております。
 また、七瀬川流域では、六箇井水路からの溢水に対して、バイパス水路により直接七瀬川へ放流することで被害の軽減を図ることとしております。
 和田川流域、七瀬川流域ともに、県の河川改修等との調整、連携を図りながら地域全体の排水対策を行う計画であり、県としては平成25年度の全体実施設計に協力し、平成26年度から事業着手できるよう国に働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 次に、ため池。
 県内にため池がたくさんあります。そして、和歌山市内にもたくさんあります。このため池、今、防災とかいろんなことで特に問題になっておりまして、このため池の管理、安全対策についてお尋ねしたいんですけど、まず1点目に、ため池の点検状況について農林水産部長に答弁いただきます。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 平成17年度に、農林水産省指導のもとに農業用ため池の緊急点検を実施し、これに基づいてため池整備をこれまで計画的に実施してまいりました。さらに、ため池整備の加速化を図るため、今年度に受益面積2ヘクタール以上のため池1357カ所を再点検し、現時点でのため池の状況を調査したところでございます。
 再点検では、堤防の高さや堤防の長さなどの基礎的なデータに加え、クラックや漏水の有無など、劣化の状況を確認いたしました。
 そのほか、底樋を利用して緊急放流ができるかどうか、あるいは道路などを通じて周辺からため池の堤防の上に雨水が流入しないかなど、周辺の状況を含めた点検調査を行いました。
 また、ため池決壊時の下流への影響を把握するため、浸水想定区域図の作成に着手しており、完成後は市町村に情報を提供する予定です。
 現在取りまとめを行っているため池改修加速化計画では、規模が大きいため池については、県及び市町村が国庫補助を活用し、地域の実情に応じて全面改修あるいは部分改修による減災対策を行い、改修のスピードアップを図ります。
 なお、小規模なため池等については、県、市町村による単独事業での改修、市町村から管理者に対して管理の強化などの働きかけを行ってまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 点検については、本当に丁寧に、そしてまた現場のほう、できるだけ見ていただいて、書類的なもんだけに終わらずに、本当に安心・安全ということを県の幹部の人も確認をしていただいて責任を持って進めていただきたい。点検、やってくれているということで。
 それで、私も特に、県内全部のため池というわけにいかんのやけど、住んでおります和歌山市の楠見地区あるいは和歌山市の貴志地区、特に私が住んでおる関係もありまして、ため池整備についてはどのような──みんな地元では心配しておりますんで、私も見には行かしてもらったんですけど、状況についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 和歌山市楠見、貴志地区のため池数は17カ所と把握しており、うち総貯水量1000トン以上、受益面積5ヘクタール以上のものが14カ所です。
 再点検を行いました結果、全面改修を必要とするものは1カ所、部分改修が必要であるものは5カ所、残りの11カ所については、当面、改修は不要であると考えております。
 議員お話しの当該地区は市街化区域内で、農林水産省の国庫補助事業の活用は困難ですので、対策の進め方については、事業手法を研究するとともに、ため池ハザードマップなどのソフト対策を含めて和歌山市と協議してまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 次に、4番目の3の最後の項目ですけど、小規模な受益者不在のため池についてということであります。
 元農業用水の池として使用されていたけども、市街化がどんどん進んでいくというようなことを今部長も言われたけど、そんなようなことの関係で今は不要となってるこのため池、このようなもので、全くどこの責任所在になる池かなと。非常に管理とか、人が落ち込んだりするような──私も本当にこれ不気味な池やなと。あるいは、中へ何か事故で水没者でもおるんと違うかなというような池とか、そんなもんから、あるいは何か地震とかの災害のときにだーっと出る、あるいは雨が降って続いたときの災害、地震とか来たときの震災のおそれがあるような池やとか。だけど、この責任管理とか整備責任が不在となっているため池があります。
 それで、もちろん県にもこれを確認さしていただいたんですけど、このような池は今後どうなさるおつもりか、対応策をお聞きしたい。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 高齢化や後継者不足などにより、ため池の利用者がいなくなった小規模なため池につきましては、平成25年度の県の新政策で危険ため池廃止事業を創設し、市町村がため池を安全に廃止するために必要な費用の2分の1を支援していく方針でございます。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 なかなか一生懸命やってくれるような答弁いただいたんですけど、本当に努力目標というのも、それでいいと思うんですよ。
 だけど、いつかわからんというのは、やっぱり我々も、間へ入ってる県民の代表の1人として──このごろ仁坂知事になってから、非常に努力目標を具体的に言うてくれ出したんで、いろんなことが私らも県民にもわかりやすくなってきつつあるんじゃないかなと思います。
 だけど、その反面、県の幹部の方も関係者の方も、しんどいというか、努力せなあかん面があるんじゃないかなと。以上に努力せないかん。だけど、それはお互い、我々県議会のほうも──そんなことも、ぜひ日ごろいろんな連絡とか密にしていただいて、我々も応援できることがあったら、仁坂県政が県民のためによくなっていくように、ぜひ我々も応援なりいろんなことをお手伝いさせていただきたいと思うんで。そしてまた、腹を割っていろんなことを話しさせてもらったら、必ずいい結論になるんじゃないかと思います。
 どうかひとつ、今後ともよろしく御尽力お願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。

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