平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(全文)


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平成25年2月
和歌山県議会定例会会議録
第7号
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議事日程 第7号
 平成25年3月7日(木曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第73号(当局説明・質疑)
 第4 議案の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第73号(当局説明・質疑)
 第4 議案の付託
 第5 休会決定の件
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出席議員(40人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
12番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       藤本陽司
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      半田和雄
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     米田和一
 福祉保健部長     山本明史
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      雑賀忠仁
 教育委員会委員    山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員  森本明雄
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷 巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 8番井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕(拍手)
○井出益弘君 皆さん、おはようございます。本会議も最終日になりまして、専念していただいとる議員の皆さんも(「まだあるで。一般質問や」と呼ぶ者あり)ああ、一般質問や。一般質問最終日で、お座りになって聞いてる人ももうなかなか疲れが出てきとるん違うかなと思いますけど、当面、きょう、まず一般質問、ひとつ御清聴をお願いしたいと思います。
 当局のほうも、なかなか疲れが来てるかと思いますけど、できるだけ誠意を持って、そしてまた県民に夢のある回答をできるように、ひとつお願いしたいと思います。
 まず、議題に関係がありますが、私、県会議員になって今8期目ですけど、きょうは傍聴席へ初当選以来のたくさんの方が来てくれております。きょうの一般質問のことの答弁を心配して来てくれておりまして、少しお話しさせていただくと、和歌山県の猟友会、尾上会長、岩橋事務局長ほか幹部の皆さん、それから和歌山県クレー射撃協会から宮本理事長、そして幹部の皆さん、和歌山市紀伊地区──以前、知事も知事選挙のときに特に要望大会というのがありました紀伊地区の湯川連合自治会長、それから元水利組合長で、雨降ったときに紀伊の駅前あたりが池みたいになるという、あそこの北野地区の自治会長の深井さん、それから現水利組合長のまた深井さん──別の方ですけどね──そしてまた和歌山市楠見地区、第2阪和の橋がかかって向こうへ延伸していく地元の、また水利の池とかも民家の上のほうにある関係で、きょうは山本連合自治会長、それから山路連合副会長もお見えになっております。そして、地元の関係の皆さん、たくさんお見えになってます。それから、和歌山市貴志地区からも、水利の関係で西山自治会長と地元の関係の皆さん、これはため池の関係とか特に心配して来られております。
 本題に入ります。
 まず、1番目の有害鳥獣対策についてであります。
 有害鳥獣対策については、昨年9月、吉井和視議員もかなり深く質問していただき、また今議会も自民党県議団の大沢広太郎会長も有害鳥獣対策について、そしてまた去年、おととしあたり、ずっと有害鳥獣のことで県議会の本会議や委員会でもたくさん、何か対応せんとあかんのじゃないかということが議論されてますが、なかなか結果が見えてこない。
 特に、この銃の問題でいろいろ、射撃場をやっぱりつくらんとあかんの違うかと。そしてまた、国のほうも予算をつけていただいたようなことがありまして、3~4年前には、有害鳥獣捕獲対策の一環として、狩猟の安全研修や、狩猟肉の処理の仕方の講習場や、おいしく食べられるジビエ等の普及開発のための講習場の施設等にも使えるというような目的で、当時、農水省からは3億円余り、そして県からも3億円の予算をつけていただいて射撃場の建設ということに取り組んだんですけども、しかし、残念な結果となったわけであります。
 オリンピックのメダルの数では、この射撃というのは、知事は多分御存じやと思うんですけど、私も最近ああっと思って感心して。数値をちょっと言わせていただくと、陸上関係が一番多いんですけども、その次に、射撃関連の種目でのメダルは27種目81個のメダルの数になります。ですから、本当に、ひょっとしたら我々和歌山の県民からオリンピックのメダリストが出るんじゃないかというような夢を持てる、陸上に次いで一番近い、そういう種目であります。
 国体やオリンピックは今後とも開催されますから、今回の和歌山国体に使用できなくても──本当は和歌山国体に使える射場をつくってほしいと思ったんですけど。有害鳥獣としてつくっても、ほかの射撃にも使えるわけですよ。今、和歌山国体に使用できなくても、狩猟射撃練習場は、国体選手の練習場としてつくりさえすれば、あとはもう和歌山国体が終わった後の国体、その後ずうっといろんな練習場に使えるわけですよ。もちろん、有害鳥獣対策の研修としては非常に大切な施設ではないかと思います。
 この射撃場というのは、最近、特に難しい難しいと言われておるのが、鉛を使う散弾を撃ったその鉛が、鉛害といって鉛が溶けて井戸水とかそういう飲み水のところに、あるいはいろんな農作物に影響を与えたりするんじゃないかというようなことで、ここ3年ほど前に、特にそんな射撃場の鉛対策、施設改善ということで、どんどん鉛対策を──撃った鉛を全部回収するわけです。で、山の中に撃ち込んだり、谷へ撃ち込んどったりしとったやつは、もうそういうことができないから閉鎖になっていく。あるいは、何十億というお金を投入してそれをやりかえたところもあります。だけど、閉鎖に向かっていくのが多かったと。
 だけど、新しいこの環境省の射撃場の建設要綱、ガイドラインというのは、最初からもう鉛を回収できるような場所へシートを張って、撃った弾がそこへ当たって下へ落ちて回収できるように、そしてまた、その下流ではスポット的に鉛が溶けて何か症状が出てないかというようなことを全部チェックできるような機能を持った射撃場でなかったら許可がおりない、環境省のガイドラインをパスしないというようなことになってるんで、本当に心配のないような形で建設されております。
 ですから、この3年ほど前からでき上がった射場は、全部いろんなチェックをやっても全くそんな問題が発生してない。鉛のことで「あかんぞ、あかんぞ」と言われるだけで──それは対策してないだめな射場のことばっかりですから、ぜひ御理解いただきたい、そしてまた、そういう施設改善あるいは新しい鉛対策をした射場も見に行っていただきたいなと思うわけであります。
 今のままでいくと、和歌山国体クレー射撃会場にどうも間に合わないということでいくと、ほかの射場を借りてやる場合、鉛対策というのをせなあかんから、シート張ったりいろんなことをせなあかん。あるいは、現在対策しないままで撃っとる鉛を一旦回収して、そしてそこへシート張るというようなことをしてくださいと。それ、使わせてもらうだけでも何億、何十億というようなことを言ってくるんじゃないかと。
 長瀞というとこは、その回収に20何億要りました。シート張ってやって、その後回収するの、20何億要りました。ですから、ほんまにそんなに要るかなと思うぐらいですけど、撃ち込んだやつを全部拾い集めるというふうなこと、本当に大変なことです。
 ですから、あとは対策をやったとこでやるというと、和歌山国体の射撃種目を九州とか関東でやることになる可能性が大きくなっております、今のままでしたらね。それもまあ仕方がないかなと。
 そしてまた、この議会が始まってからわかったんですけども、近畿2府4県の中で国体できるような施設がないので、和歌山が断念する、あるいは和歌山がつくらないんだったら滋賀県につくってほしいというようなことを私が申し入れられまして。といいますのは、私は現在、日本クレー射撃協会の常務理事をしておりまして、特にことしから国体委員長というポストを麻生会長から命じられました。去年までは資格審査委員長と倫理委員長というのだったんですけど、今度、国体委員長。非常につらい立場と。
 だけど、和歌山がつくらんのやったら滋賀県に、2府4県の中でいろんな、国体とかアジア大会とかそういう順番が来たときにできるような射場つくるのを、国や射撃協会の麻生会長のところへお願いに行かなあかん立場になってきて、その辺、知事にも──今回初めての話なんですけど、私も非常に窮地に陥っております。
 和歌山の国体──射撃の種目、本当に残念ながらいつも47都道府県中ずっと下のほうで、45位か46位みたいなとこ。だけど、最近本当に頑張ってくれて、真ん中あたりまで来て、だけどやっぱり限度があります。練習場がないとね。それで遠くへ通っていく。あるいは、行っても、地元で大会とかいろんなことをやっとったらやっぱり優先されますからね。和歌山であれば、和歌山で練習日は優先的にとらしていただけるんじゃないかと思うんですけど。
 あと、和歌山県の猟銃・射撃銃所持者の数がだんだん減ってきております。それで、猟友会の皆さんも、やはりそういうような施設として、有害鳥獣を捕獲したときの、ジビエとかそんなもんに何とかもっと活用できないのかと。
 とった肉をおいしく食べるためには、すぐに血を抜いてというようなことをする料理の処理の仕方というのがあるんですよ。それ、最近わかってきた。いただいた肉を見ても、大分血が残っとるなあと思うやつは、ほんまにおいしくないですよ。食べてたら、もう炊いとったら血が出てくるぐらいの、そういう味が出てくる。そういうこともあって、研修施設。
 そしてまた、特に警察本部長にも答弁お願いしとることもありまして、銃の所持者の数とかそんなもんの推移、現在の数とか、あるいは、特に和歌山では不名誉というんか、射撃により人間を撃ってしまったというやつがかなり多いんで、そういうふうな事故の数とか、そんなことについてもお聞かせいただきたいと思います。これは警察本部長からお答えいただきたい。
 今、射撃場というのは、有害鳥獣対策の中でもこの射撃場という話になると、何か反対されるような施設というふうにとられがちで、どっちかというたら市町村、地元がぜひ来てくれというような歓迎する施設、ぜひ来てほしいと言われるような場所ではないような、一面誤解を受けてるようなとこもあると思うんですけど、やはり私は全国猟友会の大会とかいろんなもん見てますから、和歌山につくれば非常に──12月の日に次の1年間の分、土日祭日の大会の日がもう決まるんですよ。射場の日をとり合いするぐらいの。
 ですから、本当にそういう人らが何10人、何100人単位で和歌山へ来てくれたら、宿泊とかお土産とか、いろんなことについてもいい面がたくさんあるんじゃないかと。ですから、そのようなこともぜひ県からも理解を求めていただいて、この話を何とか物になるようにしていただけないかと思います。
 以前、何とか予算つけていただいてというとこまで来たんですけど、残念やったんですけど、もう1回挑戦をしていただけないかということで、知事に答弁をお願いしたいと思います。
 次に、2番目の京奈和自動車道と第2阪和国道の建設に……
○議長(山下直也君) 井出議員に申し上げます。分割質問ですので。
○井出益弘君 では、1回目の質問はこれで。次から向こうの席でやらせていただきます。
○議長(山下直也君) ただいまの井出益弘君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 分割のルールでございますので、多分私のほうが先に答えるべきだと思いますので、やらせていただきます。
 鳥獣による被害は依然として深刻な状況にある中で、銃による捕獲は必要であります。猟銃では、安全性の確保が第1なわけですが、全国で猟銃を使った不祥事が起こりまして、これを背景に銃規制がえらい厳しくなりました。これはコスト高要因でございまして、ただでさえ高齢化で苦しいハンターがさらに減るおそれが出てきております。
 そのため、県では、平成23年度から射撃練習における射撃施設の利用料に対する補助などの支援を始めたわけでございます。
 練習施設としての射撃場もあったほうがよいに決まっとるわけであります。ただ、住民の理解や採算が合わない等の問題が議員指摘のようにありまして、全国的に減少傾向になっております。
 県内には、田辺にちょっと小規模なやつが1カ所で、県外の施設も利用しているということを認識しております。そこで、現在は個々のハンターへの助成で対応しているわけでございます。
 射撃場の整備には地元市町村の積極的な協力が不可欠でありまして、手を挙げていただく市町村があれば、整備が可能かどうか検討させていただきたいと思います。
 そもそも、議員御指摘のように、この射撃場問題というのは和歌山国体の会場として発想された話でございましたが、現状では、国体開催の障害とか選手強化のさわりにもなるので、そこでもう国体はとりあえず既存の他県施設を借りて行うけれども、和歌山国体の問題が終わっても本件の検討はなくさないということで、井出議員、クレー協会会長と合意ができたのは大変建設的だったと思います。
 これからも、本県は鳥獣害の問題として真摯に検討してまいりたいと、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 警察本部長植田秀人君。
  〔植田秀人君、登壇〕
○警察本部長(植田秀人君) 射撃場の必要性についてでありますが、本年2月末現在、県下の猟銃等の所持許可者数は、ライフル銃が228人、235丁、それから散弾銃が1825人、2762丁であります。
 猟銃事故については、過去5年間で4件発生しております。いずれの事故も、ベテランハンターが基本的な遵守事項を怠り、十分な安全確認をしないで発砲した不注意から、死者2名、傷者2名の事故が発生しているものであります。
 このような事故を防止するため、警察では、所持許可に係る初心者講習、経験者講習等におきまして具体的な事例を挙げて教育の徹底を図るとともに、一方で、今申し上げたような猟銃事故だけではなく、日常生活において傷害事件等を犯した者に対する所持許可の取り消し処分を公安委員会に上申するなど、そういう不適格者の排除にも努めているところであります。
 また、平成21年の銃刀法改正によりまして、更新時の射撃技能講習の義務化、さらには、狩猟期ごとの射撃練習を行う努力義務が規定されたことから、政令基準に適合する公安委員会指定の射撃場で、基本的な銃の取り扱いや点検、射撃姿勢、動作などの技能講習を行っているところであります。
 このように、法に定められている射撃の講習等を行う教育訓練施設の存在は必要であると考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 御答弁いただきまして、知事も射撃場については、国体のことも触れていただいたんですけど、なかなか難しい施設建設のことでもあるけども、できれば地元の協力とかそういうようなこともあればつくっていく必要があると答えてくれたように思います。
 私は、射撃のことでいろいろ役員もしとる関係もあってか、あるいは県会議員しとる関係もあってか、この射撃場のことも、田辺のほうどうか、あるいは白浜のほうへどうなえと、あるいは龍神とかあっちのほうでどうなえというような、あっちやったらもう山寄附するでというような話もたまにあって、あるいは紀の川筋でも話がありまして、見に行かしてもらったとこもあれば、検討させてもらって、そらもうちょっと無理やというのをお答えさせてもらったことがあります。
 といいますのは、知事も多分、ここはつくった後、運営がちゃんといくか、あるいはそのために、運営の補助金というか助成金というんですか、県からずっと毎年何千万というような金を助成せなあかんような経営になってしまうような場所、あるいはそういうものであったら重荷になるなあということも考えてるんじゃないかと。
 それは、私も、つくる以上は、やはりいろんな方が、多くの方が利用してくれて、そして安全のためにも、あるいは有害鳥獣、いろんな捕獲のためにも、この施設ができて大変よくなったという施設をつくらないかんと思うわけですけども、そのためには、やはり場所が──銃を持った人が泊まりに来たりする関係で、銃を置いといてお風呂へ入っとって、お風呂から出てきたら銃がなかったと、あるいは、「この銃をちょっと見といてよ」と言うてお風呂へ入るようなことをしたら、預かったほうも違反になると。
 とにかく、銃の管理というのは個人、本人の責任ということでやらないかんので、やはり宿泊施設、ホテルとかそういうのが多い地域であって、かつ、例えば近畿2府4県でクレー射撃の大会とか猟友会のいろんな大会、新家というところで今やっとるのを見ましても、やはりあんまり近畿2府4県の中心部から外れて端のほうに行ってしまうと──京都にすばらしい射撃場があります。あったんですけど、今、閉鎖中です。それ、日本海に近いところにあります。
 ですから、私たちも、大会を向こうでやるといったら行かない人が多い。行けない。私もなかなか、そこまで行こうと思ったら泊まりがかりで、1日撃ちに行くのに、1回試合行くのに泊まり込みで行かんなん。そしてまた、遠過ぎます。日本海のはたまで、同じ京都といっても、こっちのほうとね。
 ですから、やはりつくった以上、私らもクレー射撃協会の役員として、近畿2府4県の大会──和歌山の市あるいは第2阪和、京奈和自動車道ができて、国体ができて、そのころには道も整備できてというときに、そういうことも考えた場所につくらんと、なかなかあと──一部の人だけが免許の更新とか許可とるときとか、そんなときだけ使うんだったら使えると思うんですけど、やはり黒字経営していこうと思ったら、いろんな大会をやっぱり年間にたくさん入れてもらい、そしてまた参加してもらえるような場所へつくらんと、なかなか経営がうまくいかないんじゃないかと。
 ですから、そういうこともあって、今まで相談にお見えになった人にも、やはり和歌山市あるいは和歌山市周辺とかそんな場所でなかったら、後々、つくった後、みんなが来てくれにくいと。そしてまた、私らも役員としてこの大会を、西日本の大会とか全日本選手権とか、あるいは近畿2府4県の公式大会をここでやりましょうと言うのに、紀南のほうに、あんまり遠くへ行ってしまうと、それはもう、何でやと、行けへんわと、勝手にせよということになるんで、そんなこともあって場所の選定も大変。
 そしてまた、立地の場所についても、安全とか騒音とか迷惑施設みたいに思われるぐらいのもんですから、誤解を受けてるようなもんですから、いろんなことをやっぱり啓発、理解を求める勉強をしていただかなあかんなと。
 そしてまた、今は本当に、先ほど申したように環境省のガイドラインに従って射場建設がこれからやられていっとるんで、大変いいものだと思いますんで、いま一回御理解してほしいと。
 そしてまた、そんなことは業者にばっかり聞きに行くんじゃなくて、私らにも県の皆さん、幹部の皆さん、相談してほしいなと。予算つけてもらって、できなくなりましたという報告を受ける3年の間、何も私ら連絡、会議とか、そんな様子を教えてほしいと言うても、これは有害鳥獣の関係で国体に関係ないんやと、そやから一切会議へ来てもろたら困るみたいなことやったんですよ、本当に。だから、県議会の議員の皆さんも、猟友会の顧問していただいてる吉井議員、坂本議員、山田議員、皆さん代表の顧問なんですけど、みんな、予算ついてからだめになりましたという間、本当に何でかさっぱりわからんままで終わってもうたんですよ。
 ですから、ぜひそんなことも御理解いただきたいということで、これは要望させていただいて、あと、詳しいことについては農林水産委員会でまた、特に終わってからどうしても聞きたいことがあってとか煮詰めたいことがあってということになったら、委員会でやらせていただきたいと思います。
 続いて、京奈和自動車道と第2阪和国道の建設について。
 現在の整備状況と今後の見込みについてということで、まず県土整備部長に概要を答弁願います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 京奈和自動車道につきましては、紀北東道路では、高野口インターチェンジから紀北かつらぎインターチェンジ間が平成24年4月に供用され、残る仮称・打田インターチェンジまでは、平成25年度の供用に向けて全線で本線工事が推進されております。
 また、打田インターチェンジから仮称・和歌山ジャンクションまでの紀北西道路では、全域で用地取得が進められ、現在、紀の川市では取得が完了し、全体では7割を超える用地を取得しております。
 残用地の取得については、土地収用制度の適用に向けた手続を進めており、早期完了に向け、県、和歌山市、岩出市挙げて国に協力し、鋭意推進しているところであります。
 工事につきましては、岩出市域や紀の川市域で事業が推進されており、平成25年度には和歌山市域も含め、長大トンネルや橋梁などの大規模工事が発注予定となっております。
 次に、第2阪和国道については、平成23年3月に淡輪ランプまで供用されており、残る区間についても全線で事業が推進されております。
 現在、県内では、大谷ランプから府県境までを和歌山岬道路として和歌山市が用地取得を進め、1月末時点で約5割の用地を取得するとともに、国が大谷高架橋や工事用道路に着手しております。
 また、一部難航用地に対しては、京奈和同様、土地収用制度の適用に向けた手続を進め、国、県、市が一体となって事業進捗を図っているところです。
 京奈和自動車道及び第2阪和国道については、引き続き、事業進捗に必要な予算の確保はもとより、円滑に事業が進むよう県としても最大限協力し、平成27年国体開催まで供用できるよう国に対し強く働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 部長の答弁、なかなか丁寧に、また、自民党政権になってから、国へ行っても、あるいは県と話ししても、腹を割って話しできるというか、相談したことが返ってくるということになってきて、本当に第2阪和も京奈和自動車道も、知事が言ってくれてる国体までにできるだけ開通さす努力しようということがだんだん現実化しつつあると思います。どうもありがとうございます。
 次に、2番目の2ですけども、京奈和自動車道と第2阪和国道がいよいよ3年後ぐらいに開通できて、非常に流れがよくなるんじゃないかなと。それは和歌山までの、京都─奈良─和歌山あるいは大阪─和歌山の流れがよくなってくるんですけど、あと、これができ上がりますと、京奈和自動車道と第2阪和と通り抜けする車、第2阪和から京奈和へ乗る、あるいは京奈和から第2阪和へ乗るというような、一般国道とかそういう国道への接道として、西脇山口線の道路へ全部おりてくるわけです。
 ですから、楠見のオーストリートの前あたりも、今でもたくさんですけど、これがこの通り抜けの車もずうっとここを通るようになってくるのは間違いなく、そのころを考えると確実に停滞道路になると。
 それで、このことは私、3年前にも議会で、ここで取り上げさせてもらったことがあるんですけど、そのとき、まだ第2阪和、京奈和のことが進み始めたとこなんで、あんまり先のことを言われても、もうちょっと待ってくれやんと答弁のしようもないということも私は察しましたので、そろそろ質問させてもらってもいいんじゃないかと。
 今まで私がこんなことを質問させてもらったことは──射撃場だけちょっと懸案事項に残っとんのやけど、ほかのことは全部、何年後にはそのとおり、やっぱり必要なものとして進んできてると思うんで、これもぜひ早く検討課題──検討課題と言ってるんやなくて、できるだけ具体的に、どのような取り組みなり検討なりというような考え方を持たれてるんかというのをお尋ねしたいと思います。県土整備部長にお答え願います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 京奈和自動車道や第2阪和国道への延伸部分は、関西大環状道路の一部を形成し、関西都市圏の拡大に寄与する道路であり、市内の交通の円滑化にも必要な道路であると考えております。
 現在は、京奈和自動車道や第2阪和国道を平成27年国体開催までに供用することに全力で取り組んでいるところであり、両路線の事業の進捗や高規格幹線道路に係る国の動向を見ながら、今後、国に対して計画の具体化を要望していきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 今度はぜひ、今、部長から答弁いただいたように、その方向に向かって──できる、できやんというのは今答えられないと思うし、当然だと思うんですけど、そろそろそういうようなことに取り組んでいただく、あるいは検討していただく時期に来てると思うんで、今そういう答弁いただいたんで、あとまた関心深く皆さん動いてくれるか、また、場合によったら県議会のほうも一緒になって行動させていただきたいと思うんで、そのときはお声がけいただけたらと。まあ、知事が動いてくれたら、まず進むと思います。よろしくお願いします。
 次に、2の3番目ですけど、京奈和自動車道を3年後にいよいよ開通さそうという努力目標で具体化しつつある中で、非常に地元でも、我々県民でもうれしいことですけど、あれができることによって七瀬川の上流、あるいは紀伊地区の水で今困ってるという水被害のことで、上流でそういう工事をやることによって──紀ノ川サービスエリアの大阪向けのサービスエリアつくるときにも、紀伊の駅前の上のほうの池を補強、大きくしてもらって、水路も改修してもらって、向こうの反対しとった地元の皆さんに、工事をやってもらうということでやったんですけど、やはりそれは正解やったと思います。
 ですから、今度は京奈和自動車道の完成ということが、七瀬川のほうの上流の水についても、一部水量の変化とかあったり、思わぬ水が流入してくるというようなことも心配しておりまして、そのようなことで、これは河川の予算ではなくて京奈和のほうの予算でぜひ何とかしていただけないかというのを、以前、茅野部長のときから要望活動しとったんですけど、それについて動きがあったと、最近はよい方向に決まってきてるということで聞いておりますんで、部長にちょっとその辺の御答弁、御紹介をお願いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 和歌山市域における京奈和自動車道からの道路排水対策につきまして、国は既存ため池の活用や新たな調整池の設置を行い、調整機能を持たせて整備する方向で進めております。
 現在、その整備に向け、測量や地質調査を終え、設計を行っており、引き続き関係機関や地元の水利組合、地元の自治会などと十分調整を行いながら進めていくと聞いております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 どうもありがとうございました。
 七瀬川のことで随分困っとったのが京奈和の予算でというようなことで助けてもらえるような方向に向かったというのは、その話も前から時期を待っておったら、やっぱりちゃんと県のほうでも対応してくれるようになったなと、これは感謝しております。どうもありがとうございます。
 続いて、この第3番目の大雨による洪水対策についてということで、これは昨年9月に森礼子議員が和田川の改修、今後の取り組みというようなことで発言されて、我々自民党の議員あるいは党としても、これは早期に改修に取り組んでいく必要があるということで活動しておるんですけども、このことも、去年9月の答弁を今ちょっと見させてもらったら、今期内に、あるいは来年度になるかわからんとか、そういうことも含めていろいろするということですけども、去年の9月にそういう答弁いただいてからですんで、どんなことをされておるんか、あるいは今後どのようなことをされるのかというのを──七瀬川についてとか和田川について、ちょっと予算を見せていただいたら、24年度が当初3億3600万、七瀬川3億3600万、和田川が3億6540万、それから24年度の補正で和田川が6億2100万ついて、そして今度は、当初で6億3000万つけていただいとるようですけども、この辺のこともちょっとまず一度報告いただきたいと、答弁いただきたいと思います。県土整備部長に。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 和田川流域では、昨年6月の集中豪雨により、内水氾濫や支川の氾濫による浸水被害が発生しました。
 県では、和田川本川の治水上最もネックとなっている伊太祁曽神社前の農業用取水堰を含めた区間の局所改修に直ちに着手するとともに、国、市と連携を図り、河口から前代川合流部付近の約6キロにおける抜本的な改修を進めるため、床上浸水対策特別緊急事業の平成25年度採択を国に要望したところです。
 さらに、本年度の災害対策等緊急事業推進費や国の緊急経済対策に係る補正予算等6億2000万円の配分を受け、改修の推進を図っております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 和田川のほう、そういうことで早速やっていただいとるということで大変──見通しがなかなかね。和田川というのは、海まで続く水流がいつよくなるんかというのは非常に心配ですけども、しっかり取り組んでいただきたいと思います。
 次に、先ほどもちょっと触れたんですけど、七瀬川の改修と今後の見込みについて。
 これ、七瀬川というのは、私、もう20年ほど前からずっと言うとって、だんだん──おととし、知事がいろんな地元の大会、この七瀬川の改修の要望大会のときに来てくれて、それから非常に進んできたかなと思う。
 最初は用地買収のことで予算を使われとったんで、なかなかやってくれへんなあと言うとったのが、最近やってくれ出したんかなと。そうなってくると、できれば10年以内ぐらいに──いつできるんよと、これ言われるんよ。
 実際、1年か2年に1回ぐらい、雨でお百姓さんの農作物がつかってしまいます。そしたら、そのときに、軽四へ乗せて、「売れやんので食べて」ってくれるんですよ。それ、僕ももろて配ったら選挙違反て言われるかわからんけど、ようけくれるしね。
 初め、ありがたいよと思とったのが、このごろ気の毒で、もらうんにほんまに。買うて配ったら余計に選挙違反と言われるしなと思って。ほんまに気の毒な、あんまりやけど、軽四へいっぱい買うてもなかなかそうはいかんのでね。ですから、やはり10年以内ぐらいに何とか改修を──国体までにと言って道路を知事にもあれしてもうたけど、今度は七瀬川の改修、10年以内に完成目標で努力してほしいというふうな心も込めて、ちょっと七瀬川の改修状況、今後の見通し、県土整備部長にお願いします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 七瀬川につきましては、紀の川合流部の鴨居樋門が流下能力不足となっていることから、平成26年度を目途に国が改築を進めております。
 国の鴨居樋門の工事と並行して、県では河川の用地取得を進めるとともに、下流の負担にならないよう、上下流のバランスを考慮しながら改修工事を実施しております。
 鴨居樋門から鴨居川合流点までの1期工区では、2月末現在で約8割の用地を取得済みで、下流から順次護岸工事を進めており、国道24号までの区間については平成29年度までの完成を目指しております。
 また、残る区間につきましても、用地取得の御協力を得ながら、議員御質問のように、10年以内にできるよう頑張ってまいります。
 また、鴨居川合流点から七瀬川橋までの2期工区についても、1期工区完成後に速やかに工事に着手できるよう事業化し、用地取得を進めています。
 中小河川の改修予算は、ここ数年増額しており、七瀬川については、本年度においても国の緊急経済対策に係る補正予算等約3億7000万円の配分を受け、改修の推進を図っています。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 目標として、10年というのを努力目標として出していただいたんで大変ありがたいですけど、ぜひ頑張ってほしいと思います。
 次に、3番目の和田川、七瀬川流域の国営総合農地防災事業。
 なかなか川だけ改修しても、用水路とか水路の関係をいろいろやっていかんと水被害のことが解決しないということで、昨日、山本議員もこのことについては触れられておりました。このことについて、農林水産部長から答弁いただきたい。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 国営総合農地防災事業和歌山平野地区は、和歌山市、紀の川市、岩出市の都市化が進む農業地域における湛水被害の軽減を図ることが目的であります。
 現在進めている地区調査の結果、和田川流域においては低地で傾斜が小さいため、排水機の機能増強や排水機場までの水路の改修が必要であると考えております。
 また、七瀬川流域では、六箇井水路からの溢水に対して、バイパス水路により直接七瀬川へ放流することで被害の軽減を図ることとしております。
 和田川流域、七瀬川流域ともに、県の河川改修等との調整、連携を図りながら地域全体の排水対策を行う計画であり、県としては平成25年度の全体実施設計に協力し、平成26年度から事業着手できるよう国に働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 次に、ため池。
 県内にため池がたくさんあります。そして、和歌山市内にもたくさんあります。このため池、今、防災とかいろんなことで特に問題になっておりまして、このため池の管理、安全対策についてお尋ねしたいんですけど、まず1点目に、ため池の点検状況について農林水産部長に答弁いただきます。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 平成17年度に、農林水産省指導のもとに農業用ため池の緊急点検を実施し、これに基づいてため池整備をこれまで計画的に実施してまいりました。さらに、ため池整備の加速化を図るため、今年度に受益面積2ヘクタール以上のため池1357カ所を再点検し、現時点でのため池の状況を調査したところでございます。
 再点検では、堤防の高さや堤防の長さなどの基礎的なデータに加え、クラックや漏水の有無など、劣化の状況を確認いたしました。
 そのほか、底樋を利用して緊急放流ができるかどうか、あるいは道路などを通じて周辺からため池の堤防の上に雨水が流入しないかなど、周辺の状況を含めた点検調査を行いました。
 また、ため池決壊時の下流への影響を把握するため、浸水想定区域図の作成に着手しており、完成後は市町村に情報を提供する予定です。
 現在取りまとめを行っているため池改修加速化計画では、規模が大きいため池については、県及び市町村が国庫補助を活用し、地域の実情に応じて全面改修あるいは部分改修による減災対策を行い、改修のスピードアップを図ります。
 なお、小規模なため池等については、県、市町村による単独事業での改修、市町村から管理者に対して管理の強化などの働きかけを行ってまいります。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 点検については、本当に丁寧に、そしてまた現場のほう、できるだけ見ていただいて、書類的なもんだけに終わらずに、本当に安心・安全ということを県の幹部の人も確認をしていただいて責任を持って進めていただきたい。点検、やってくれているということで。
 それで、私も特に、県内全部のため池というわけにいかんのやけど、住んでおります和歌山市の楠見地区あるいは和歌山市の貴志地区、特に私が住んでおる関係もありまして、ため池整備についてはどのような──みんな地元では心配しておりますんで、私も見には行かしてもらったんですけど、状況についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 和歌山市楠見、貴志地区のため池数は17カ所と把握しており、うち総貯水量1000トン以上、受益面積5ヘクタール以上のものが14カ所です。
 再点検を行いました結果、全面改修を必要とするものは1カ所、部分改修が必要であるものは5カ所、残りの11カ所については、当面、改修は不要であると考えております。
 議員お話しの当該地区は市街化区域内で、農林水産省の国庫補助事業の活用は困難ですので、対策の進め方については、事業手法を研究するとともに、ため池ハザードマップなどのソフト対策を含めて和歌山市と協議してまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 次に、4番目の3の最後の項目ですけど、小規模な受益者不在のため池についてということであります。
 元農業用水の池として使用されていたけども、市街化がどんどん進んでいくというようなことを今部長も言われたけど、そんなようなことの関係で今は不要となってるこのため池、このようなもので、全くどこの責任所在になる池かなと。非常に管理とか、人が落ち込んだりするような──私も本当にこれ不気味な池やなと。あるいは、中へ何か事故で水没者でもおるんと違うかなというような池とか、そんなもんから、あるいは何か地震とかの災害のときにだーっと出る、あるいは雨が降って続いたときの災害、地震とか来たときの震災のおそれがあるような池やとか。だけど、この責任管理とか整備責任が不在となっているため池があります。
 それで、もちろん県にもこれを確認さしていただいたんですけど、このような池は今後どうなさるおつもりか、対応策をお聞きしたい。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 高齢化や後継者不足などにより、ため池の利用者がいなくなった小規模なため池につきましては、平成25年度の県の新政策で危険ため池廃止事業を創設し、市町村がため池を安全に廃止するために必要な費用の2分の1を支援していく方針でございます。
○議長(山下直也君) 井出益弘君。
  〔井出益弘君、登壇〕
○井出益弘君 なかなか一生懸命やってくれるような答弁いただいたんですけど、本当に努力目標というのも、それでいいと思うんですよ。
 だけど、いつかわからんというのは、やっぱり我々も、間へ入ってる県民の代表の1人として──このごろ仁坂知事になってから、非常に努力目標を具体的に言うてくれ出したんで、いろんなことが私らも県民にもわかりやすくなってきつつあるんじゃないかなと思います。
 だけど、その反面、県の幹部の方も関係者の方も、しんどいというか、努力せなあかん面があるんじゃないかなと。以上に努力せないかん。だけど、それはお互い、我々県議会のほうも──そんなことも、ぜひ日ごろいろんな連絡とか密にしていただいて、我々も応援できることがあったら、仁坂県政が県民のためによくなっていくように、ぜひ我々も応援なりいろんなことをお手伝いさせていただきたいと思うんで。そしてまた、腹を割っていろんなことを話しさせてもらったら、必ずいい結論になるんじゃないかと思います。
 どうかひとつ、今後ともよろしく御尽力お願いします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、井出益弘君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 32番藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕(拍手)
○藤本眞利子君 皆さん、おはようございます。少しずつ春めいてまいりました。本日、もう最終日ということで大変お疲れのことと思いますが、御清聴よろしくお願いいたします。
 議長にお許しをいただきましたので、一般質問を行います。
 本日は、まず、観光振興にSLを走らせようというふうな提言をしたいというふうに思います。
 地域とJRグループの連携による全国大型観光キャンペーン「和歌山デスティネーションキャンペーン」が平成26年度の秋に展開される予定になっています。世界遺産10周年という記念すべき年でもあり、県としてもかなり力を入れているとお聞きをしています。
 このデスティネーションキャンペーンは昭和53年から開催されており、第1回はこの和歌山県で行われ、「きらめく紀州路」というフレーズでの開催でありました。このフレーズは、今でも和歌山に根づいており、懐かしく思われる県民の方も多いと思います。
 今回のキャンペーンは「和み」がテーマとお聞きしています。本日は、このキャンペーンにぜひともSL(蒸気機関車)の運行を盛り込んでいただくよう提言するものであります。
 SLは、現在、日本全国11カ所で運行されており、西日本では、SL北びわこ号が北陸線の米原から長浜、木の本間を季節運行しています。また、先月、名古屋市のあおなみ線でも試験走行が行われ、多くの人でにぎわったと聞いています。
 この2カ所で運行されたのは、C56型、愛称「シゴロク」または「ポニー」と言われている小型軽量テンダー式蒸気機関車と呼ばれる機種であります。現在は、京都梅小路蒸気機関車館で動態保存され、現役で活躍しています。
 本日、ちょっと議場のほうにお持ちしたのは、これはその北びわこ号が運行している様子であります。(写真を示す)こういう写真を撮るのが大変好きな方がたくさんおられるようで、これもお借りをしてまいりました。ちょうど、こういうふうに琵琶湖の山を背景に走行しているのがよく撮られていると思うんですが。
 北陸線を走るSL北びわこ号の運行に伴い、どのような経過や経済的効果があるのかを滋賀県庁に、名古屋市の試験走行の取り組みについて名古屋市に調査に行ってまいりました。
 この北びわこ号については、もう大変歴史が古くて、平成7年から運行されており、当初は30日間の運行であったものが徐々に形を変え、現在は季節運行ということで、ここ5年間はほぼ1万人程度の乗客数ということであります。しかし、これはあくまで北びわこ号の乗客数で、北陸線全体の数をお聞きしたところ、運行当時、1日当たり8165人の乗客数であったものが、その後、平成23年度には9366人ということで、毎年増加をしているとのことでありました。
 また、観光客の入り込み数も、この湖北地方は滋賀県内の各地域に比べ突出して増加しており、SL運行前は500万人程度の観光客であったものが、現在およそ1000万人前後で推移しています。
 江・浅井三姉妹博覧会が開催された平成22年度には、1200万人を超える観光客を迎えたということで、このSL北びわこ号の経済的効果は存分に発揮されていると考えます。
 次に、名古屋市を走るあおなみ線のSL調査をいたしました。今回は試験走行ということで、2月16日から17日の2日間に5往復の日程で運行されました。乗客1200人の募集に、何と12万人もの人が応募をしたということで、SLの人気と関心の強さがうかがえます。
 走行の様子も見てまいりました。ささしまライブ24という駅近くの広場が観覧場所となっており、ステージや鉄道グッズの販売もあり、鉄道写真家の皆さんや家族連れで大にぎわいでありました。名古屋駅周辺のビル群の間を白煙とともに汽笛を鳴らしながら走ってくるSLを見たときには、私も胸がどきどきするような興奮を覚えました。新聞によれば、2日間で観客数は1万5000人であったと発表されていました。
 和歌山県は、おととし、紀南地方を中心に大きな災害に見舞われました。その復興には、知事を先頭に県当局も頑張っていただきましたし、市町村や地元の皆さんにも大変御努力をいただいております。ボランティアの皆さんの活動にも頭の下がる思いでありました。しかし、今はまだまだ復興には課題もあると考えています。
 来年の地域とJRとの連携によるデスティネーションキャンペーンは復興への大きな起爆剤になると確信しているのですが、世界遺産10周年という時期に合わせてSL走行が実現できれば、倍以上の大きな効果を上げられると考えます。
 ただ、SLの走行の実現には、JR等関係者に伺ったところ、安全面や経費の面でも多くの課題があるとのことでしたが、SLのような鉄道に関連するイベントは、本県においては和歌山電鐵貴志川線の例でも明らかなように、周辺地域を広く巻き込んで地域の活性化に大きな効果をもたらすことは証明されています。ぜひ、地域活性化の切り札として、SLの試験走行に取り組んでいただきたいと考えます。
 また、現時点での走行が難しいのであるならば、継続的に検討していただきたいと考えますが、商工観光労働部長に御見解をお聞きしたいと思います。
 さらに、先ほど述べたように、今回のデスティネーションキャンペーンでは、さまざまな鉄道の魅力を活用したインパクトのある内容を進めていただきたいと考えますが、現在の取り組み状況について、同じく商工観光労働部長にお伺いします。
○議長(山下直也君) ただいまの藤本眞利子君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 初めに、和歌山デスティネーションキャンペーンに合わせたSLの試験走行についてですが、SLの試験走行について、JR西日本と協議を行ったところ、試験走行には、まず車両の確保、さらに車両を所定の場所からディーゼル車等により牽引する必要がありますが、その前にレールや橋梁が走行に耐え得るかといった事前調査が必要であり、調査の結果、問題があれば問題箇所を改修しなければならず、改修の程度によれば多額の費用がかかる場合もあるとのことです。
 また、走行が可能になった場合も、安全対策として走行区間内での多数の警備員の配置などに要する経費も多大と聞いております。
 SLの試験走行によって、議員御指摘のとおり地元に及ぼす経済効果は見込めると思いますが、多大な経費がかかることが予想され、費用対効果などの面から、短期間のイベントとしての試験走行は難しいと考えておりますが、引き続きJR西日本とその可能性について協議してまいります。
 次に、和歌山デスティネーションキャンペーンにおける鉄道を活用したイベントについてですが、SLの試験走行は先ほど申し上げたとおりですが、現在、SL以外の特別列車の運行についてJR西日本と協議を行っているところです。
 具体的には、他府県の例を見ますと、サロンカーや御当地をイメージさせるイラストなどが描かれたラッピング列車といった内装、外観がユニークな列車や、引退した懐かしの列車などを運行した実績があり、こうした特別列車は、鉄道ファンや旅好きの方にとっては人気のイベントで、発売直後完売の列車も数多くあるとJR西日本から聞いております。
 本県でも、和歌山デスティネーションキャンペーン期間中における特別列車の魅力ある運行を実現するため、引き続きJR西日本と協議を重ねてまいります。
 また、特別列車の運行を周辺地域の活性化につなげるため、市町村や観光団体はもちろん、地域住民の方々とともにさまざまな企画や事業を練り上げていくことによりイベントの機運を盛り上げ、インパクトのあるものにしてまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 当局としては特別列車の運行を考えているということで、SLの試験走行については、可能性について協議していくというふうな答弁でありました。
 鉄道ファンというのは議員さんの中にもおられますし、知事も鉄道ファンというふうに御挨拶で聞いたことがあるんですが、皆さんが思っているよりも大勢いらっしゃるようであります。
 先ごろ、新宮駅で行った旧国鉄時代のくろしお号を走らせるイベントも大いに盛り上がったと聞いております。来年秋に行われるデスティネーションキャンペーンにおいて、どのような列車をどの区間に走らせるかといった県のコンセプトをしっかり主張していただいて、県下各市町村や関係団体、それから旅行者や地域住民を巻き込んだ精力的な取り組みを要望しておきたいと思います。
 次に、福祉の視点を導入した行政施策についてお伺いしたいと思います。
 日本の社会の中には、労働市場から排除されやすい、また、働くことの困難さを抱えた方が多くおられます。障害をお持ちの方々、その中でも知的障害や発達障害、自閉症などで対人関係がうまくいかない方もいらっしゃいます。また、ひきこもりやニートなど、社会に適応できずにいる方々や、母子家庭など働きたくても子供を抱え思うように就職ができないといった方々もおられます。
 高齢者の方々や障害者手帳を持たないけれども日常生活を送る上ではさまざまな支障を来してしまう方々など、働きたいけれども働く場から締め出されてしまうといった方々がたくさんいらっしゃるわけです。
 今までは、それぞれの問題として個別に考えられてきたことに対し、人権や福祉の視点を取り入れながら、行政の中で雇用や就労の機会を創出し、自立を支援する取り組みが今こそ求められていると思います。
 私は、これまでも障害者や社会的に弱い立場にある方々の自立支援について、以前より強く関心を持ち、議会でもたびたび取り上げてまいりました。
 まず、障害者の就労状況について言うと、平成20年1月に厚生労働省から発表された身体障害者、知的障害者及び精神障害者就業実態調査結果、これは平成18年7月1日現在で、就労可能年齢が15歳から64歳までで、身体障害者手帳、療育手帳または精神保健福祉手帳所持者において調査を行ったものですが、これによると、身体障害者134万4000人のうち就業率は57万8000人で43%、知的障害者35万5000人のうち就業者は18万7000人で就業率は52.6%、また、精神障害者35万1000人のうち就業者は6万1000人で17.3%でした。障害者全体では40%しか就労しておらず、その内訳も福祉就労、内職などとなっており、企業等の常用雇用は全体の16%という実態であります。このように、障害者の就労率は2割に満たないものになっています。
 また、知的障害をお持ちの就業者は、特に作業所や授産施設などの福祉施設に通所する方が60%を占め、1カ月働いても賃金が5000円にも満たない作業所や授産施設などもあります。福祉施設から一般就労への移行も、なかなか進まない状況であります。このような実態は、なかなか改善されません。
 法定雇用率を見てみると、厚生労働省が発表している和歌山県労働局管内民間企業の平成24年度6月1日現在、障害者実雇用率は1.89%、法定雇用率達成事業者は60.6%であります。法定雇用率を達成しているとはいえ、平成21年6月の2.02%に比べると減少傾向であり、達成割合も60%前後とほぼ横ばいで推移しています。
 このように、障害者雇用に限ってみてもさまざまな施策に取り組まれておりますが、効果が実感できる状況になっておりません。法定雇用率が本年4月から2%に改定され、対象事業所の範囲も拡大されることから、県としてもう一歩踏み込んだ取り組みが求められています。
 例えば、本県においては、障害者問題は障害福祉課で、高齢者問題は長寿社会課で、母子家庭支援は子ども未来課でというように、縦割りの施策にはおのずと限界があるということだと思います。
 行政の全ての分野に福祉や人権の視点を取り入れ、行政が主体となって雇用を創出しているという大阪府の行政の福祉化推進プロジェクトについての調査を行ってまいりました。これだけではどういったことかわかりにくいと思いますが、一言で申し上げるなら、行政の持っている権限を福祉のために最大限に活用するという、そういう感じでございます。
 大阪府では、雇用情勢が厳しさを増し、とりわけ障害者や就職困難者をめぐる雇用状況が切迫する中で、平成15年度より、官公需発注の大規模施設の清掃等業務発注の評価項目に障害者や母子家庭世帯の雇用を盛り込んだ総合評価入札制度をモデル的に導入してきました。官公需発注の大規模施設の清掃では、当初は2施設だったものを順次追加し、現在、10施設について適用しています。障害者雇用数も、知的障害者14人から現在は58人となり、就職困難者──母子家庭や高齢者など──の雇用も、最初は9人だったものが現在は70人から100人程度を雇用しているといった状況であります。
 平成15年度にモデル事業として導入された福祉の視点を考慮した総合評価制度というのは、入札制度の評価の中に福祉への配慮という公共性を盛り込み、価格や技術点と同じように福祉への配慮を点数化し、総合的に評価、入札したものであります。障害者を何人雇用しているのか、就職困難者を雇用しているのか、母子家庭世帯であるのか、常勤か非常勤か、勤続年数なども含め、福祉点として評価点に反映させる仕組みであります。
 導入当初、清掃業務等の発注に導入された施設は大型施設の2施設だけでありましたが、その後、総合評価制度による入札を行う施設を拡大しています。
 平成24年度3月時点では、大規模から小規模まで21施設に150人の雇用、指定管理者制度に64施設168人の雇用など、具体的な成果を上げております。これは、公共性評価の中でも福祉への配慮を点数化していく仕組みが全庁挙げてつくり上げられてきたことが大きな要因であります。
 また、その後、総合評価制度は、清掃業務だけではなく、公共事業発注、物品購入の際などにも適用・拡大されています。
 現在もなお、大阪府における府政のあらゆる分野において、福祉の視点からさまざまな施策を総点検し、住宅、教育、労働などの各部局の連携のもと、施策の創意工夫や改善を通して、障害者や母子家庭世帯、高齢者、就職困難者の就労機会の創出や自立支援に取り組む、いわゆる行政の福祉化が進められています。
 また、官公需発注に際しての障害者雇用、就労支援の検討、緊急雇用創出特別基金の活用、既存施設の福祉活用、公務労働分野における障害者等の就労支援、今後の推進体制について、積極的に取り組みを進めるとのことであります。
 本県では、人権施策基本方針で、同和問題を基本にあらゆる人権侵害について、啓発や相談体制についての施策は詳しく示されているのですが、最も困難な就労については、行政の果たすべき役割や具体的な取り組みが示されていません。
 自立支援と就労を保障する取り組みの中へ福祉への配慮を取り入れ、具体的な形で施策に反映するような取り組みが求められています。県政の施策に創意工夫や改善を行い、障害者を初めとした社会的に弱い立場にある方々の自立を支援していくための仕組みづくりが必要だと考えます。
 そこで、お伺いします。
 和歌山県では、施策を福祉の視点でもう一度総点検し、全庁で障害者や母子家庭世帯、高齢者など、社会的に弱い方々の自立と就労への政策を検討するための検討会を立ち上げていただきたいと考えます。
 この中において、それぞれの部局で取り組んでいるさまざまな施策について、全庁で認識を共有しながら、総合評価の検討なども含め話し合うことで、和歌山県として自立と就労につながる福祉、そして人権への取り組みを進めていただきたいと考えるものでありますが、福祉保健部長に御見解をお願いします。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 本県では、これまで障害のある人や母子家庭の母など、就職困難な方々の経済的自立を支援するため、関係部局や和歌山労働局と連携してさまざまな事業に取り組んでまいりました。
 具体的には、障害のある人については、障害者就労支援計画に基づき、一般企業等への就労意向や障害者就労施設における工賃水準の向上を支援してきたところです。
 また、母子家庭の母については、母子家庭等就業・自立支援センターを設置し、就業相談や職業紹介の実施、資格取得や高等技能訓練に関する支援を行ってまいりました。
 そのような状況の中、本年4月から障害者優先調達推進法が施行され、地方自治体に障害者就労施設等の受注機会の増大を図るための努力義務が課されることになりました。
 県としても、働く場や仕事の確保に向けた支援の充実が必要であると認識してございます。
 今後は、これまで実施してきた取り組みの充実強化を図るとともに、議員御指摘の公共発注等にかかわる分野を含む関係部局との検討の場を設け、就労困難な方々の就労機会の拡大に努めてまいります。
○議長(山下直也君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 御答弁ありがとうございました。
 今後の取り組みの充実強化を図るとともに、公共発注等にかかわる分野を含む関係部局との検討の場を設け、就労困難な方々の就労機会の拡大に努めていただくという答弁であります。
 公共発注等にかかわる分野も含め、検討の場を設けていただくことは、全庁的な取り組みの第一歩になると考えます。
 今後は、入札契約業務に人権の視点を検討していただき、障害者や就職困難者の雇用や就労機会の創出、自立支援につながる取り組みをぜひとも進めていただきたいと思います。
 また、障害者優先調達推進法も、25年度、もうこの春からスタートします。それも含め、今後の取り組みの進捗状況については次の質問の機会にしたいというふうに思います。
 次に、風力発電の影響による健康被害についてお尋ねをしたいというふうに思います。
 昨年の2月議会でも、この議場で低周波音被害の質問がありました。
 私が同じようにこの低周波音被害の問題に関心を持つようになったきっかけというのは、小学校のころから知っている知人が風力発電による低周波音の被害を受けて、その相談に来られたからであります。
 彼女は、結婚して海南市下津に住まれておりまして、果樹園を営みながら3人のお子さんを育て上げました。自宅から1キロ先に風力発電が設置され、それから体調の不良を感じるようになったとのことでした。目まいとか倦怠感とか脱力感などにさいなまれて、普通の生活ができなくなるぐらいの症状に苦しめられたとのことです。
 お医者さんに行っても原因がわからずに、対症療法として薬を処方してもらっても、体調のほうは一向によくならなかったそうです。余りのしんどさに家族に訴えましたが、わかってもらえず、最後には怠け者のように扱われて、いたたまれず、結局、実家のほうに帰ってきたと話されていました。
 実家で暮らすようになってからは体調も戻り、元気に生活できていると話していましたが、夫とはその後、離婚に追い込まれ、それまでの生活を全て捨てなければならなくなってしまいました。
 原因がわからないため、医者に行っても治療ができず、苦しみ抜いた末、どうも風力発電が原因ではないかとの結論に至ったと話されていました。
 風力発電は、自然エネルギーの利用ということで、将来に期待が持てるエネルギー資源であります。私も、その推進には期待しているところでありますが、そのためにも風力発電が原因であろうという被害に対してきちんと向き合い、対策を講じていく必要があると考えます。それは、今後、自然エネルギーの利用を最大限に行っていくためにも必要なことであります。
 行政というのは、1人1人の訴えには、個人の問題であると、なかなか耳をかさない面もあります。
 それは私の知人の例でしたが、もう1つ、ほかの地域の状況を紹介いたします。
 これ、本日提出している地図であります。(資料を示す)これは、風力発電の所在を星印で、被害が出ているといったおうちを丸印で記したものであります。これは体調が悪いと被害を訴えている方が自分で調べたというふうな、すごく個人的に調べた調査でありますが、こういうふうな被害状況が出ております。
 これは由良町の風力発電による被害者宅の分布図ということで示させていただいたんですが、風力発電を考える会・わかやまの皆さんというか、実際に被害に遭われた方が実際に聞き取りを行って、体調不良を訴える方々の自宅を地図に落としたものだというふうにお聞きしています。
 広川明神山風力発電所1000キロワット16基に加えて、2000キロワット5基の由良風力発電所が尾根に設置されていますが、この麓にある谷に沿った形で被害が出ていることがわかると思うんです。おととしの12月に2000キロワットのこの5基が稼働されるようになって以降、被害が顕著になっているとのことでありました。
 環境省のほうも、ようやく風力発電施設による騒音・低周波に係る検討を始めました。平成25年度に新設する場合のガイドライン、既設も含めた法制度の検討が行われることとなっています。特にアセス時の評価値について、中央環境審議会騒音振動部会に諮問されるという段取りであります。
 しかし、ここで注意しなければならないことは、その参照値の閾値であります。
 2004年6月、環境省から「低周波音問題対応の手引書」が発表されています。この中では、G特性の参照値は92デシベルだとし、これ以上の場合は低周波音の問題があるとされています。
 ちなみに、このG特性というのは聞きなれないんですが、音圧を測定する際に使われている値で、低周波音の評価をするための測定値の1つだということです。
 しかし、さきに述べた海南地域における被害を訴えている皆さんの測定値は、それ以下の数字であり、手引書の言う参照値を適用されると、被害を訴えたとしても個人の苦情であるという扱いになってしまいます。この92デシベルというのが、それ以下だったら被害はないだろうということになってしまうということであります。
 本末転倒だというふうに思います。参照値によって被害者の救済が左右される、しかもその参照値の根拠は科学的、医学的な治験をしたものではなく、参照値以下では被害はないと証明されたものでもないようです。また、ある関係者からは、被害地域のG特性には、ほかにはない特徴があるとの情報も得ました。
 このようなさまざまな情報が存在するというのも、この風力発電施設からの低周波音被害は今までに経験したことのない新たな分野だからであります。それだからこそ、具体的に被害を訴えている場所で測定したG特性の測定値も十分勘案した実効性の高いものを参照値にすべきだと考えます。
 国の法制度が整わないからといって、県として手をこまねいていては困るわけです。県は県民の命を守る責任があります。ことしの主要施策が安全・安心ということからすれば、特に県民の被害状況調査をいま一度しっかりと行い、対策を講じなければならないと思います。
 まず、今、被害に遭われている方の声を真摯に聞くことだと思います。次に、その原因は何なのかといった観点で調査を行うべきだと考えています。
 そこで、本日提示している地図にあるような健康被害の実態をどの程度把握されているのか。また、私には、被害を訴えている皆さんの声はうそとか虚言とは思えません。まず、実態調査を早急に行う必要があると思いますが、いかがですか。福祉保健部長にお伺いします。
 さらに、風力発電に由来する被害は、これまでもマスコミ等でも取り上げられ、低周波音がどうも原因であるだろうと考えられています。県では、海南地域において、既に低周波音の調査をしていると伺いました。その調査結果を国にデータとして示し、新たに示されるであろう何らかの基準が被害者の皆さんの救済に使われるよう働きかけていただきたいと考えます。
 また、由良地域においては日本気象協会が既に調査を行ったと聞いておりますが、低周波音の実態調査は、地点数が多ければ多いほど原因の解明が容易になると考えられます。稼働中、停止中、低稼働中、昼間、夜間など、比較対象項目を一定した上で、県としても本格的な調査を行っていただきたいと考えますが、環境生活部長に御見解をお伺いします。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 健康状態の実態把握についてですが、風力発電に関し、頭痛や不眠等の体調不良を訴えられている方の健康相談については、海南保健所及び御坊保健所で対応しております。
 今後も引き続き保健所のクリニック等で対応を行うとともに、地元市町が行う健康相談にも協力してまいります。
 また、地元や事業者等が地域住民の方々の健康状況に関する調査等を実施する場合は、関係機関、関係部局と連携し、協力してまいります。
○議長(山下直也君) 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 低周波音の実態調査ということでございますけれども、環境省は、風力発電等から発生する低周波音の人への影響を明らかにすることを目的とする研究を平成22年度から3カ年かけて行っており、本県においてもヒアリングや低周波音の測定が実施されたところでございます。
 今後、これらの結果をもとに、中央環境審議会騒音振動部会において風力発電施設に係る低周波音の基準化に向けた審議が行われると聞いておりますけれども、その中で本県のデータにつきましても提供をしていきたいと考えております。
 また、由良町での測定につきましては、これまでも由良町、地元区及び事業者との話し合いに基づき、事業者において実施されてきたところでありますけれども、今後、由良町、地元区及び事業者とよく相談した上で必要な対応について検討をしてまいります。
○議長(山下直也君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 健康被害については、地元、町が行う健康相談に協力していく、また低周波音の実態調査についても、地元事業者に協力を求められた場合には必要な対応について検討するといった答弁でありました。
 かつて、高度成長の時代、日本は多くの公害病に悩まされました。その中でも、水俣病を例にとると、水俣病に対するその当時の行政の対応は冷たく、因果関係がわからないとの理由から被害者を救済する手だてを後回しにしてまいりました。
 今さらですが、そのときに被害者の出た全ての地域の調査を実施し、その結果から原因を究明する手だてを早急に打てていれば、これほどまでに水俣病という被害が大きくなっていなかったのではないでしょうか。
 新たな問題として、風力発電所に由来するであろう被害に対しては、因果関係がわからないから何もできないというのでは、これまでの公害病に対する取り組みの教訓が全く生かされていないということになります。
 由良町においては、区と事業者と町長が協定を結んでおり、その中には低周波、電磁波等により地区住民に苦痛を与えないというふうな協定がされまして、そういうふうに明記をされています。
 県としては、この3者協定が速やかに遂行されるよう助言するとともに、実態調査が行われる場合には支援・協力を惜しまぬよう強く要望します。
 また、環境生活部には、今あるデータは速やかに国のほうに提供していただくと同時に、低周波音の基準化が被害者の切り捨ての言いわけにならないよう注意していただきたいと思います。
 最後の質問に移ります。小中学校の学級編制についてお伺いします。
 ことしの文部科学省が示した予算案に、県当局、学校、保護者など、関係者は一様に落胆をしたのではないでしょうか。私もその1人であります。
 昨年発表された平成25年度から平成29年度の教職員定数改善計画案では、子供と正面から向き合うための35人以下学級の推進と、国の責任において教職員定数を確保するとの内容が明記されておりました。
 その背景・趣旨には、「学校が抱える様々な課題を解消し、きめ細やかで質の高い世界最高水準の教育を実現するため、教員が子どもと正面から向き合うことができるよう、少人数学級の更なる推進と個別の教育課題に対応した継続的な教職員定数の改善が不可欠」と書かれておりました。また、「今後5年間で、中学校3年生までの35人以下学級を実現」する、さらに「改善総数2万7800人」とも書かれていました。
 現在、小学校1年生と2年生で35人学級が実施されており、これらの改善が順次されていけば、1学級の児童生徒数が先進諸国の世界水準並みになり、それこそ学校現場では1人1人に目が行き届く、きめ細やかな指導ができると期待されていました。
 それが何と、ふたをあけてみれば、平成25年度の教職員定数改善計画はすっぽりと抜け落ちており、来年度は40人学級に逆戻りという状況であります。
 県内では、現在、38人学級が実施されていますが、国の決めた40人という枠の中で何とかやりくりをしている状況です。
 これは一体どういうことなのか。文部科学省には理念のかけらもないのかと言いたいぐらいです。
 政権が変わったからといって、児童生徒にきめ細かな教育を行うという基本は変わりません。政府が世界トップクラスの学力をと言うのであれば、世界トップレベルの学級編制が保障されて当然であります。世界水準のOECD平均では、小学校で16人、中学校では13.5人であります。
 「教育は百年の計」と申しますが、教育の方針が政府の意向によりころころ変わって、一番被害に遭うのは何より児童生徒であります。
 今回も、小学校2年生が3年生になるに当たり、県内では和歌山市、有田市、新宮市、印南町などで10学級程度の児童に影響が出ます。具体的には、1学級当たりおよそ20人前後の生徒数が36~37人になってしまいます。この影響は大変大きいと考えます。
 納得できませんので、来年度にもう一度35人以下学級を何としても実施していただくよう、教育委員会から文部科学省に強く要望していただくとして、ことしの影響分の教職員の手当てをどうするのか、教育長にお伺いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 小中学校の学級編制についてお答えします。
 文部科学省が概算要求しておりました小学校3年生以上の35人以下学級の実現については、平成25年度予算政府案には反映されず、国において継続して教職員定数のあり方について検討することとなりました。
 県といたしましては、これまで小学校3年生から6年生の35人もしくは38人以下学級、中学校の35人以下学級とするために必要な教職員定数を確保してきたところであり、これを堅持するとともに、引き続き国に対しても35人以下学級の早期実現を要望してまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 藤本眞利子君。
  〔藤本眞利子君、登壇〕
○藤本眞利子君 教育委員会として35人以下学級の早期実現を要望していきたいということです。本年度は不足分が10学級程度なら、県として35人を堅持する方向を示していただきたかったのですが、難しいとのことであります。
 今後、35人以下学級が全ての学年で実現されるよう、この問題は何としても国に働きかけていただきたいと思います。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、藤本眞利子君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時45分休憩
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○議長(山下直也君) 再開前でありますが、一言申し上げます。
 今も傍聴席に多くの皆さんがお見えでございますが、この後、1時20分ぐらいから2回に分かれて和歌山市立和歌浦小学校の児童の皆さんがこども県庁探検隊として本会議場に傍聴に来られます。未来の和歌山を担う皆さんに県議会に関心を持っていただくいい機会でありますので、引き続き、議員の皆様、県当局の皆様、実のある議論をよろしくお願い申し上げたいと思います。
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  午後1時0分再開
○議長(山下直也君) それでは、休憩前に引き続き会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 42番雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 議長のお許しを得ましたので質問に入らせていただきますが、その前に、昨日、米軍機オスプレイの低空飛行訓練の問題で中村議員から緊急質問が行われ、知事からてんまつの報告がありました。中身は別として、私たち日本共産党県議団は、欠陥機であるオスプレイの飛行訓練には反対であること、知事も飛行訓練中止を訴えるべきであるという申し入れを昨日させていただいたことをここに報告させていただきます。
 では、通告に従って質問に入らせていただきます。
 第1の柱は教育問題です。
 まず、体罰問題についてお伺いいたします。
 体罰を苦にして自殺した高校生の問題。どうしてこの国では子供が死をもって抗議するまで教育問題がまともに論議されていないんだろうかと、暗たんとした気持ちにもなるわけでございます。
 しかし、和歌山県では、教職員は、そんな事件が起こる前に、体罰は教育ではない、体罰をやめようという論議をしてきました。その中心になったのが、和歌山県国民教育研究所事務局長をなさっていた岩尾靖弘という先生でした。
 私が和教組書記長だった1980年代に、教職員組合を中心にした議論をまとめたものが遺稿集「ロマンを語る」というものに収録されています。1984年8月25日から翌年2月まで、教職員組合の機関紙「和教時報」に連載したものです。それをパンフレットにして皆さんにお配りしています。
 そのころも、学校現場では、体罰なしに荒れた子供を押さえ込めるのか、ある程度の体罰は愛のむちと言えるのではないかなど、いろいろな意見もありました。私も、体罰をしてしまった未熟な教師の時代の経験を振り返りながら、皆さんと議論したものです。私が体罰をしてしまった経験については、2007年9月の県議会本会議の場で申し上げたことがございます。
 さまざまな議論を踏まえながら、岩尾先生は、なぜ体罰など力で押さえ込むやり方が教育とは言えないのかを説得的に書いています。例えば、この30ページを開いてみますと、体罰をしたことによって子供が立ち直る場合もあると。よく経験したことです。そこで教師が陥ってしまう落とし穴というようなことについても書いているわけでございます。
 このパンフレットを配って、皆さんとお話をしたら、年配のある先生が言い出しました。「あのころ、わしのいた中学校で体の大きい体育の先生が子供を殴ろうとしたとき、体の小さい女の先生がその腰に取りついて『体罰はいけない』ととめたことがあったよ」。
 その女の先生の勇気、その女の先生がとめに入れた学校の民主的な空気。体罰否定の職場論議があったからです。それこそが子供が生き生きと育つ学校だと思います。
 ところが、今に至るも、ある程度の体罰は必要だという俗論があります。
 2月2日に御坊市で教育研究大会が開かれました。その集会で知事が挨拶されて、教育委員会が体罰否定の通達を出したことに「少し異議を申し上げます」と御発言になった。教育的情熱の余り体罰をしてしまった先生もいるのではないか、その情熱をそぎはしないかと心配するということのようです。
 少し誤解を生みやすい発言ですが、体罰を容認しているわけではありません。私は、知事がそんな心配しなくてもいいような教育論に立った体罰否定の指導を教育委員会がしなくてはならないと思います。
 そこで、教育長にお伺いいたします。
 第1点、和歌山県内の体罰の実態をどう捉え、体罰についてどういう立場で通達をお出しになったんでしょうか。また、どういう調査をなさっているのでしょうか。まず、この点についてお伺いいたします。
○議長(山下直也君) ただいまの雑賀光夫君に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 体罰の問題にかかわりまして、体罰の実態認識、あるいはその調査に対してどういうふうに取り組んできたかということについてお答えいたします。
 体罰の実態につきましては、大変遺憾なことではございますけれども、悪質な体罰事案として県教育委員会に報告され、懲戒処分を行った事案がこの5年間に3件ございます。
 県教育委員会では、今回の大阪市立高校の事件を受け、本県でこのような痛ましい事件を決して起こさせないという強い思いのもと、事件公表日の翌日の1月9日に、県内全ての公立学校に対し、体罰の禁止について通知いたしました。
 また、体罰の実態を把握し、体罰の禁止を徹底するために、県内全ての公立学校の児童生徒、教員及び保護者を対象にした調査を実施しております。
 現在、各学校では、調査や寄せられた相談をもとに、体罰についての事実確認を行い、その結果を3月8日までに県教育委員会に提出することといたしております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 すぐに体罰否定の通達は出されたようですが、体罰について、愛のむち論というものがある。こうした中で、教育論的にも法律論的にも、なぜ体罰はいけないのかということを明らかにしなければ体罰容認論が復活することになりかねないと思います。
 教育委員会として、教育論も含めた、体罰は許されないという指導文書を出されたことがありますか。また、お配りしたパンフレットを読んでどういう感想をお持ちでしょうか。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘のような性質の指導文書については出していませんけれども、県教育委員会といたしましては、子供に対して、絶えず愛情と情熱を持って指導に当たるとともに、さまざまな指導をした後にきめ細かな手だてを行うことを念頭に置き、子供としっかりと向き合うよう、県立学校長会や市町村教育長会等の機会を捉えて指導しているところであります。
 議員御提示のパンフレットにつきましては、体罰によらず、子供との間に温かい人間的なつながりをつくり上げていく必要があるなど、共感する部分もあると感じております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 体罰を見過ごさない教育現場というものが大切だと思います。
 強い運動部で、指導者がやっていることに口出しができないとか、あるいは生徒指導も体力のある先生に頼っているからその先生の体罰に口を出せないとか、そういう状況も私はたくさん知っています。だから、小柄な女の先生が大きな先生に取りついて体罰をとめたという話を聞くと、私には感動的であるわけです。自由で民主的な学校現場でこそ、体罰をなくすことができると考えます。
 教育長も、学校現場におられたころ、自分自身で体罰をしてしまったり、学校内での体罰があるのを知りながらとめられなかったというようなつらい経験はないのでしょうか。体罰を見逃さない教育現場づくりのために、どういうことが必要だとお考えでしょうか。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 私も、学校現場に勤務しているときには、体罰の場面に遭遇した経験がございます。
 ある高等学校の生徒が、修学旅行を直前に控え、注意していたにもかかわらずバイクに乗り、事故を起こし、亡くなりました。クラス全員でその生徒のお葬式にお参りに行く日、ある生徒が喫煙をしたことがわかりました。そのことで、担任教諭は、その子に涙を流しながら、なぜこの事態を理解できないのかと思い、体罰を加えました。体罰をした教員も、受けた生徒も、また周囲の生徒も、皆、互いに泣いていました。これも体罰には違いないのですが、つらく複雑な思いをする場面でした。
 体罰の問題を解決するためには、子供といかに向き合うかをみずからに厳しく問い返しながら、どこまでも子供に深い愛情と熱い思いを持って指導に当たることが重要であり、教職員がこうした共通理解を持ちながら日々指導に当たることが体罰を見逃さない学校につながると考えております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 私は、教師というものは、若いころたくさん失敗しながら成長してきていると思います。
 岩波新書に金沢嘉市の「ある小学校長の回想」という有名な本があるんですが、若いころ一生懸命やった、しかし、それはできる子を上の学校に行かせる教育であったということを悔恨を込めて書いています。
 体罰を含めて、自分の未熟なときのことを隠してきれいごとを言っては、教育論議は深まりません。教育長が今お話しになったような話、もちろんそれはいいんですが、恐らく長い教師生活をしていれば、運動部活動や生徒指導でやむにやまれぬ気持ちで体罰をしてしまったという、枠を超えたような、もっと見るにたえないような体罰に胸を痛めたことも実際は恐らくあるんだと思うんですが、ここで語れというのもちょっと酷ですんで、ここまでにしておきたいと思います。
 それで、体罰問題である会合でお話ししましたら、あるお母さんから話が出ました。「体罰でないんやけどね、うちの子が少年サッカーに入ってたころ、合宿へついていった。指導者は、笛を吹いて、暑い中で走らせてばっかりしている。親は、この暑い中で心配やが、口出しもできずにつらかった」というお話をされました。
 私は、かつて運動部活動のあり方を取り上げたとき、教育委員会保体課が中心になってつくった運動部活動指導資料というものを紹介したことがあります。角谷整形の先生なども加わってつくったもので、スポーツ界でも体罰が問題になったこともあって、改めて読み返してみました。
 例えば、高校の強い運動部に入ると、1年生は早く来てグラウンド整備とボール拾いをする。それに耐える根性のある者だけが残ればいいという考え方がある。下級生は、グラウンドの向こうを先輩が通ると「おはようございます」と大声で叫ぶ習慣がある。こういう問題をどう考えるべきかということまで説得的に書いておりました。
 合宿で走らせるというお母さんの話に引きつけて言えば、合宿で走らせても急に体力がつくわけではない、合宿の機会はスキルの向上を図るべきであると書いておりました。なるほどと思いました。
 大変よくできたものだとよく申し上げるんですが、もっとお使いになってはいかがでしょうか。教育長、どうですか。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 運動部活動の指導の改善ということにかかわってお答えします。
 議員御指摘の運動部活動指導資料につきましては、部活動を指導する上で大変役立つものであると考えています。現在、その資料をもとに、新しい指導の観点も加えながら、より効果的な指導ができるよう、新たな指導の手引書を作成しているところであり、その活用を徹底してまいります。
 さらに、部活動の活性化を図るとともに、生徒が安心して自分の目標に向かうため、保護者や地域の方々にも見守ってもらえるような開かれた部の運営を行うよう、各学校を指導してまいります。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 次に、知事にもお伺いいたします。
 初め、御坊で話を聞いたときは、一瞬あれっと思ったんですが、教育的情熱をそぐことにならないのか心配だということを考えられたそうです。
 知事の発言を善意にとれば、私がパンフレットを配って、教育論としても、なぜ体罰がいけないのかを明らかにしなくてはいけない、一片の通達ではだめだと言っていることとも思いは重なり合うかなとも善意では考えるんですが、知事の思いを、お配りしたパンフレットへの感想も含めてお伺いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 体罰は、決して許されない行為でございます。
 教育には、教えよう、あるいは子供をよくしようという情熱で子供に向き合うことが必要であると思います。しかし、幾ら情熱があっても、よくしてやろうと思っても、無理やり体罰で子供に言うことを聞かせるということは愚策であると私は思います。やはり、子供たちが心の中で納得し、それから共感するということがないと教育の効果は上がらないと私は思います。
 教育委員会の点につきまして、議員御指摘のあった点については、体罰はいけないということを通達するだけで過ごしていないか、それで事態はよくなるのか、ひょっとしたら「ああ、俺は処分されちゃう」ということで子供に情熱を持って向き合うことから逃げる教師が出てきやしないかというようなことをやっぱり考えとかないといけないんじゃないか、そんなふうに思ったわけです。
 教育委員会は、単に通知文書を出すだけで終わらせずに、体罰に頼らない教育をするにはどうしたらいいかと日ごろから教師に対して指導していくことを大切にしてもらいたいと考えております。
 体罰はいけないのですよということとともに、どうやって子供たちを高めていくか、体罰などに頼らないで立派な教育をやるにはどうしたらいいか、そういうことを皆で追求しなきゃいけないというふうに思います。
 さらに、それでも事が起こったときには、形式的に、例えば体罰をした教師を処分して終わりということではなくて、何でそんなことが起こったのか、あるいは再発はどうしたら防止できるのか、県教育委員会や市町村教育委員会、それから県当局も、学校と一緒になって総力を挙げて取り組まきゃいけないというふうに思います。
 パンフレットの件ですが、以上のようなことを唱える意見は多数あります。本パンフレットも、そのような種類だと思います。
 しかし、終わりのほうで、一発殴られたほうがすっきりする云々と書いてあるところがありまして、そういうのは、先ほどの私の発言が誤解されかねないような、発言の一部をつまんで報じられることがよくある現在の世相から見ると、危ないなあというふうに思いました。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 こうした問題では、教育論議が職場でも至るところで自由に行われることが大切です。そういう立場から、私も発言の一部をつまんで批判するようなことはやめて、きょうはこの問題をお話ししたわけでございます。
 次の問題へ入りますが、当初予算で県独自の学習到達度調査を行おうとしている問題です。
 県学力調査は、私が県議会に出させてもらった直後から始まりました。当時、高校通学区撤廃に続いて、中高一貫の県立中学校導入とあわせて、この学力調査の問題をめぐって当時の教育長と論戦を闘わせたのを思い出します。
 今、高校通学区撤廃は、これでよかったのかという声が広がり始め、中高一貫の県立中学校についても、特に地方では、周りの公立中学校へのマイナスの影響が指摘されています。
 学力調査は、その後、文部科学省による学力調査が始まり、県の調査は一休みしていたのですが、再開するということでございます。
 まず、県の学力調査については、これまで国の動向を見ながらと表明されてこられたと思うのですが、国の学力調査とはどういう関係にあるのでしょうか。教育長にお伺いします。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県の学力調査にかかわってお答えします。
 今回計画しております学習到達度調査は、小学校4年、5年、6年生と中学校1年、2年生を対象に、12月の実施を予定しております。
 この調査は、今年度までの全国学力テストにおいて、本県の子供たちの学力が全国平均を下回る状況にあり、この結果を県教育委員会として厳しく受けとめ、その責任をしっかりと果たす意味で実施するものです。
 したがって、この調査は、本県の子供たちの学力を向上させることが目的であり、これにより児童生徒1人1人の学習状況を正確に把握した上で、個々の課題に合わせた指導を行い、その学年で学習する内容を確実に身につけさせたいと考えております。
 変化の激しいこれからの時代を担う和歌山の子供たちに生き抜く力の根幹をなす学力を身につけさせることは県教育委員会としての責務であり、こうした狙いを持った本調査は、学力や学習状況の実態調査を主たる目的とした国の調査とは異なると考えております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 手元に、平成22年の2月に出された「平成23年度及び平成24年度以降──以降というのは来年も含めて以降ですが──の和歌山県学力診断テストの在り方について(報告)」という報告文書があります。委員長は、当時和歌山大学教育学部長だった松浦善満先生であり、この報告書は、3ページにこう書いています。「全国学力・学習状況調査が、本県の目的とする学力調査として十分活用できるのであれば、まずその活用を検討することが必要である」と書いている。つまり、国の学力調査のデータで目的を達せられるならば、新たに費用もかけて、子供への負担もかけて独自の調査をしなくてもいいという立場でこの報告書は出されています。
 教育長にお伺いいたします。政策変更に当たって、この検証委員会に諮られたのかどうか、お答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県の学力調査再開に当たってお答えします。
 本県では平成15年度から県学力診断テストを実施してきましたが、これと同様の目的を持った全国学力テストが始まったことから、これらの2つのテストのあり方等を検討するため、議員御指摘の検証委員会を設置したところです。
 今回新たに実施する学習到達度調査は、先ほど申し上げました目的で行うものであることから、検証委員会を改めて設けることはしておりません。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 今度の県の学力到達度調査は、かつての県の学力調査とも国の学力調査とも性格や目的が違うと言われたいようですが、子供の学力を向上させる調査と、学力や学習状況の実態を把握するための調査と、そんなものが区別できるはずがありません。言葉のごまかしであることを申し上げておきたいと思います。
 22年に報告を出した検証委員会は、学力診断テストという特定のテストでなく、もっと広い意味での学力調査の検証を課題としていました。しかも、今度、国の学力調査は、従来の30%抽出じゃなくて悉皆調査で行われるということとお聞きしました。それならなおさら、県独自の調査は必要ないというのがこの検証委員会の立場じゃないでしょうか。
 検証委員会は確かに1年任期のものですが、報告では24年度以降のことについて報告し、さらに引き続き検証したいというふうに委員会が言っています。そういうものを全く無視してやるというのは、いかにも失礼ではないかと思います。
 さらに、6年生の場合は国と県のテストが重なります。学校現場の意見を聞いて、よく検討されるように要望しておきたいと思います。
 それでは、次へ行かしてもらいます。
 体罰、いじめ、学力の問題、たくさんの問題がある中で、大変大事な問題は、何といっても教育委員会がなすべき最大のことは人的配置だろうと思います。
 朝からも、藤本議員からもお話がありましたが、35人学級のための予算措置がなされない、現場に混乱が起こるのではないか、大変心配しています。定数内講師の問題もあります。また、文教委員会でも議論したいと思いますが、教育行政が力を入れるべき最大の課題は、何といっても教職員定数の確保であることを申し上げて、次に行きたいと思います。
 それでは次に、大きな柱で、風力発電低周波問題について、私からも申し上げたいと思います。
 私は、2010年の9月県議会以来、何度か風力発電に伴う低周波被害について取り上げてまいりました。最初は、海南市下津町の大窪という地域での被害の訴えでした。その後、由良町での被害の訴えを聞き、昨年2月の県議会で取り上げました。その後、何度か由良町にも出向き、住民の皆さんとお話しする中で被害の深刻さを実感いたしました。
 低周波被害というのは個人差がありますから、感じる人と感じない人がいます。私などは、なかなか感じられません。
 下津町大窪では、被害を訴える方が少数です。下津町で、私が取り上げたことをきっかけに、何度か低周波の測定をしていただきました。ところが、由良町へ行ってみると、至るところで被害の訴えを聞くわけです。
 そこで、質問いたします。
 第1点は、下津町大窪で少数の被害があり、由良町畑地区では被害の訴えが多発しているわけですが、それぞれの地域については、いつからどれだけの大きさの風車が稼働し始めたのでしょうか。商工観光労働部長からお答えください。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 海南市下津町大窪地域、由良町畑地域のそれぞれの地域での風力発電の稼働についてですが、海南市下津町大窪地域では、株式会社ユーラスエナジー有田川が平成21年10月から有田川ウインドファームとして1300キロワットの風車10基で稼働し、由良町畑地域では、株式会社広川明神山風力発電所が平成20年10月から広川明神山風力発電所として1000キロワットの風車16基で、また、由良風力開発株式会社が平成23年9月から由良風力発電所として2000キロワットの風車5基で、それぞれ稼働しております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 では、健康被害の訴えがいつから出始めたのか、お伺いいたします。
 下津町大窪、由良町畑地区、健康被害はいつから何件ありますか。また、県内の他の地域で風車にかかわる被害の報告はありますか。福祉保健部長からお答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 風力発電に係る健康相談については、保健所が実施するクリニックなどで対応しております。
 具体的には、海南保健所で平成22年9月以降、海南市下津町にて体調不良を訴えられている2名の方の健康相談を実施しています。
 また、御坊保健所でも、平成24年3月以降、由良町畑地区の方など3名の方からの騒音、低周波についての健康相談を実施しています。
 その他の地域につきましては、現在のところ、体調不良を訴えている方の報告は受けておりません。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 普通、健康被害を感じても、調子が悪かったらお医者さんに行くわけです。保健所には行きません。ですから、保健所というところは、なかなか待っていても健康被害の実態をつかめるわけではないわけです。
 そこで、私のほうからちょっと、この風車の建設と健康被害の実態を整理して報告いたしますと、下津町大窪でユーラスエナジーの風車が稼働し始めたのが平成21年10月、報告のとおりです。最初に被害を訴えた女性は、翌年1月には耳鳴りを感じるなどして2重サッシを入れましたが、かえって苦しくなり、半年後には転居しています。もう1人の方、和歌山市に転居された方のお話は、藤本議員からもお話がありました。少人数であっても、被害を感じる方は大変な苦しみでございます。
 由良町畑地区の場合は、平成20年10月に広川明神山風力発電所が稼働し始めました。最初に訴えをされたTさんは、その年の11月から胃が重いような異常を感じたと言います。さらに、平成23年9月に2000キロワットの由良風力発電所が稼働いたしました。Tさんの症状は激変しました。その年の11月からヒューンヒューンヒューンの騒音で耳が痛くなる、ズンズンズンズンという振動を畳の下から、天井から感じるようになったと言います。そして、翌年の1月8日に畑地区集会が開かれ、そこで被害の声が複数の方から上がるわけです。
 そして、私が2月県議会で、この由良の話をこの県議会の場でさせていただきました。今、福祉保健部長より3人の方から被害があったというのは、その後の3月でありまして、3月に初めて保健所が問題をキャッチした。これが今お答えになった事態でございます。
 しかし、その前からたくさんのことがあるわけです。しかも、騒音被害、低周波被害を含めて異常を訴えている方が10名から20名近くおられるという、藤本議員が朝から資料の地図をお配りになられたとおりでございます。
 保健所は、地域の隅々まで健康異常をキャッチするネットワークを持っていませんから、私は、キャッチが遅くなったことは責めません。しかし、そういう問題が今明らかになったわけですから、放っておいてはいけない。特に、由良町の畑地区では状況は深刻です。何をしなければならないのかは、追って申し上げます。
 そこで、公害問題の歴史を振り返ってみれば、そこには長い闘いが必要でした。国の基準によって規制するには時間がかかります。それでも、必要なデータを積み重ねなくてはなりません。
 もう1つは、国の基準をまつことなく、住民が協定などを武器に業者を規制することを目指します。そのために、県などの行政は住民の便宜を図らなくてはなりません。
 国の基準がない中で、測定というものも、測定したら直ちに風車をとめられるような数値が得られるかということでなくて、そういうことでなくても測定値を積み重ねなくてはならない。その立場から、測定方法についての質問や提案をいたします。
 まず第1は、由良町の風力発電業者が日本気象協会に委託して行った調査が町民の間に不信感を生んでいるという問題があります。
 日本気象協会というところは、測定機器を持っていて測定の専門家ではありましょうが、低周波の身体への影響を判定するところではないと思います。ところが、住民に配られた測定結果報告には、「身体への影響はありません」という判定のようなコメントがつけられておりました。
 まず、環境生活部長にお伺いしたいのですが、日本気象協会という組織は、測定結果が身体に影響があるかどうかまで判定するような組織なんでしょうか。
○議長(山下直也君) 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 日本気象協会というのはいかなる組織かとの御質問にお答えいたします。
 一般財団法人日本気象協会は、気象関係の業務に加えまして、音圧レベルや濃度レベル等、環境に係る計量証明事業の登録を受けまして、全国で測定業務を行っている組織でございます。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 おっしゃるとおりだと思います。
 ところが、風力発電会社から依頼された気象協会は、風力発電会社の意を酌んで、住民への説得まで買って出たわけでございます。つまり、測定数値だけじゃなくて、健康への問題がないということまでコメントをして住民に配ったわけです。これでは、住民の皆さんの不信は当然です。
 ところで、下津町では、県と業者が共同して、風車をとめたり動かしたりして測定を行っています。先日、3月3日の区民集会には、県の職員においでいただいて、過去8回の測定結果が報告されたと聞いています。
 そして、その下津よりさらに被害が激しい由良町畑地区では、2つの風力発電会社、2000キロワットの5基と1000キロワットの16基がずらっと並んでいます。それなのに県が測定にかかわっていない。由良風力発電所が気象協会に依頼した測定では、広川明神山風力発電所は関係ないですから、自分の風車をとめたり動かしたりして測定に協力するというようなことはしていないわけです。
 地元では、せめて由良町でも、県が加わって下津大窪並みの測定をしてほしいという声があります。ぜひ、この声に応えてほしいと考えますが、環境生活部長、いかがでしょうか。
○議長(山下直也君) 環境生活部長。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 由良町での調査につきましては、これまでも由良町、地元区及び事業者との話し合いがなされ、また測定につきましても、現に事業者において実施されている状況でございます。
 なお、本来は当事者である事業者が実施すべきものであると考えておりますけれども、由良町、地元区及び事業者とよく相談した上で、必要な対応について検討してまいります。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 県としても協力することにやぶさかではないということでしょう。しかし、由良町、地元区及び業者で話し合いがされているので頭越しにやるわけにはいかない。県からも地元に話もして、一緒に測定も含めて検討していただけるということをお答えいただいたと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次の提案は、低周波の測定は、体調異常を感じるときと感じないときのそれぞれについて行って、体調異常との因果関係を検出する必要があると思います。
 被害の訴えの多い地区に測定機械を持ち込み、住民の健康異常と低周波の関係を検証できるような測定を行うべきではないかと思うんですが、そうした測定をやっていただけないでしょうか。環境生活部長、お願いします。
○議長(山下直也君) 環境生活部長。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 住民の健康異常との関連をつかむ測定をとのことでございますが、被害を訴えている方のお声をよく聞きまして、専門家とも話し合って、最も合理的な方法で実施すべきものと考えております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 ぜひ、よろしくお願いしたいと思います。
 低周波測定と違った面からの問題解明の方法の1つは、住民の健康調査であります。
 住民から健康異常の訴えがあるのを待っているという受け身じゃなくて、保健所からこの問題に焦点を当てて、一定の低周波被害とおぼしき訴えのある地域では、特に住民からその希望が出された場合には積極的に住民の健康について聞き取り、血圧などの検査をされてはどうかと思います。調査項目は、私は素人ですから、専門家の皆さんが住民の皆さんの声を聞いてやっていただければいいと思うんですが、福祉保健部長、いかがでしょうか。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 由良町では、風力発電に係る健康問題について、町で相談を受ける旨、地域住民に説明されております。保健所としては、引き続きクリニックなどで対応を行うとともに、町が行う健康相談に協力してまいります。
 なお、地元や事業者等が地域住民の方々の健康状況に関する調査などを実施する場合は、関係機関、関係部局と連携のもと、協力してまいります。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 今の時点では、保健所は待ちの姿勢ではだめだと思います。
 ですから、私は先ほど、いついつ風力発電が稼働して、そしてそれにかかわる被害の訴えはいつの時点でどう変わったのかという話を詳しく話をして、その上で保健所に訴えがあったのはいつだったかという、いかに遅かったかということを申し上げたわけです。それは、現在の保健所の機能からいうとやむを得ないから、決して私はそれを責める気はない。しかし、ここまで被害が明らかになった中では、待ちの姿勢ではだめだというふうに思っています。
 ただ、今のお答えの中でも、地元がそういう健康調査をやる場合には一緒にやるんだという、そういうことが表明されておりますから、ぜひともよろしく、出ていってつかんでくるということを地元と協力してやっていただけるようにお願いしておきたいと思います。
 そして、今度は知事への質問なんですが、今、由良町の畑地区というのは、全国的にも注目される風力発電低周波被害地域になっていると思います。
 私も、この風力発電というものは自然エネルギーとして期待してきたものですし、今後も被害さえなければ期待をするものですが、しかし、これだけ被害があるとなると、原因究明が進められ、その原因を取り除く技術進歩がない限り、新しい風車の建設は控えるべきだし、現行の風車をとめることも必要だというふうに思います。
 今、被害者を救済するために、また、被害を大きくしないために何ができるのか。知事のところへも、地域住民の方から要望が届いていると思います。知事の御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 電源の確保という観点から、自然エネルギーへの取り組みは大変重要だと認識しております。その中でも、風力発電は、原子力発電はやめるべきだという意見の人からは救世主のように思われておるわけでありますが、ところが、これもまた不都合な事実、あるいはリスクがあるかもしれないというのは議員御指摘の例でも語られてるところであります。
 事業者が環境影響評価法や自然公園法など関係法令を遵守し、地元の理解が得られるよう十分な説明を行った上で事業を実施すべきものであるということは当然でありますが、しかしそれでも、そのようないわゆる不都合な事実があってはいかんということで、風力発電に係る健康相談については地元市町と連携し、保健所において対応してきたところであります。
 風力発電施設からの低周波音、あるいはそのほかのいろいろな音とかそういう点について、私は早期に科学的に客観的な基準を設定することが必要と思っておりますが、多くの知見を集めてこれを行う必要がありますから、これはそうなると国しかできません。そこで、平成23年度と24年度の2カ年にわたり政府提案を行ったところでありまして、検討もかなり進んでるというふうにも理解しております。
 現状では、風力発電に係る課題については、地元区、町と事業者が協議の上で対応すべきものと考えておりますが、県としても、よく調べて、よく考えて、地元自治体等に対しては必要な協力を行っていきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 雑賀光夫君。
  〔雑賀光夫君、登壇〕
○雑賀光夫君 先ほども申し上げましたように、現在、この由良の畑地区というのは、本当に全国的にも注目されるような風力発電の被害の大変な地域になってきていると思うわけです。
 それで、もちろん国しかできないこともあるのはよくわかっています。しかし、県民が現に苦しんでいる。苦しんでる者にとっては、もう一日でも我慢できない、そういう状況に追い込まれています。
 今、地元の由良町の風力発電を考える会から出されている県に対する要望書というのは、すぐに風車をとめてしまえということでなく、とりあえず夜間停止、低速運転の試験実施と、それに合わせた騒音・低周波の測定や健康状態の把握という極めてささいな要求です。ぜひとも誠実にお応えいただきたいと思います。
 そして、風力発電被害について、地元、業者あるいは国の責任だということだけでは、やはり困ると思います。現に県民が苦しんでるわけですから、場合によっては、知事も低周波被害に苦しむ方に直接会って御意見をお聞きするというようなこともやっていただきたいと思います。
 そういうことも含めて、ぜひともこの大変な問題に県として立ち向かっていただけますように要望いたしまして、私の質問を終わります。どうもありがとうございました。
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で雑賀光夫君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 16番尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○尾崎要二君 まず、一般質問に入る前に、午前中の藤本議員、また先ほどは雑賀議員と、私のふるさとでございます地域のことに大変御心配いただいて、御指摘もいただいたこと、心から御礼を申し上げたいと思います。
 県の当局の皆さんも、実は地元の皆さんと、そして代表もたくさんお見えになられて、市役所の公害の担当の部署の皆さんもおいでいただいた。そして私も入らせていただいて、今回のこの測定について十分打ち合わせをした上で、なぜ8回になったかといいますと、風向きというのは、南もあれば北もある。時間もある。詳細な資料を集めて、また国へも要望していこうというような努力を重ねて、県も一生懸命、事下津町大窪地域については頑張っていただいてることに感謝を申し上げたいと思います。
 今議会最後の一般質問となりますが、私からは、関西広域連合の報告と医大の津波対策、紀の国わかやま国体に向けて、高校生の競技力向上及び市町村合併の3点について質問をしてまいりたいと思います。
 まず、関西広域連合についての報告でありますが、関西広域連合は、平成22年12月1日に設立され、2年3カ月がたちました。
 私は、吉井県議とともに平成22年12月県議会で連合議会議員に選出され、今日まで二足のわらじを履きながら、広域連合の運営や連合議会のあり方について、意見や、時には苦言を言ってまいりました。これも、広域連合の発足時に、本県議会で大きなところに振り回されるのではないかといった懸念がありましたので、そうならないように本県の県益を常に念頭に置きながら行動してまいりました。
 本日は、これまでの状況を報告させていただきたいと思います。
 同年2月20日には初めての定例会が開催され、平成23年度予算案と広域計画を審議し、決定してまいりました。
 しかし、広域連合議会が発足したとはいえ、議員活動を行うにしてもまだまだ不十分でありましたので、各府県1名の理事から成る理事会を設置して議会機能の強化について協議を行うことになり、私が本県の理事として参加をいたしました。
 協議の結果、議員全員をメンバーにした総務常任委員会を平成23年9月から毎月第2土曜日に開催し、予算や決算、国出先機関対策など、広域連合運営全般について議論をすることになりました。
 さらに、各分野の活動の本格化に合わせて、平成24年10月からは、総務常任委員会に加え、産業環境常任委員会と防災医療常任委員会を設置し、分野ごとの議論の深掘りを行っています。
 私と中村議員は産業環境常任委員会に所属し、中村議員は委員長を務められております。また、中議員は防災医療常任委員会に所属をしております。
 また、専任の事務局職員の設置や各府県市議会事務局職員の併任など、事務局機能の強化も図られ、さらに平成24年度から本会議の年4回開催など、連合議会の充実がやっとこの2年間に行われてまいりました。発足当時と比べると、やっと議会としての型と中身が整ってきたという感がいたします。
 次に、連合議会の議員定数の見直しについて報告します。
 連合議会への政令市参加に伴う議員定数の見直しについて、平成23年12月10日から平成24年2月8日まで、理事会で5回、全員協議会で2回協議を重ね、最終的に現行定数に加え、政令市分として大阪市2名、その他の市1名を追加し、さらに政令市のない県に各1人を追加するという案で合意に至りました。議員総数は20名から29名とし、本県は2名から3名の増員となりました。
 引き続き検討を進めた議員定数の抜本的見直しについては、基本方針として、地方分権の推進や国出先機関の移管実現に向けて国へ働きかけを強めていくことや、広域連合の事業も本格化していく中、議会の機能強化に取り組むために体制を整えることとし、議員定数検討部会を設置して、平成24年10月13日から現在まで6回にわたり協議をしています。
 部会の議論を踏まえ提示された正副議長案は、1、定数20名の考え方を基本としつつ総数を2倍程度にする、2、政令市の有無で地域のバランスが左右されないよう府県域ベースで議員数を設定すること、3、政令市を有する府県域での団体別議員数は府県と市で協議すること、4、鳥取県や徳島県は部分参加や国出先機関管轄外のため定数を減じることというような内容であり、最終的に政令市を含め了解が得られ、現在、政令市を有する府県の中で配分調整が行われています。
 そして、最終定数は総数37名、うち和歌山県は4名となり、現行3名から1名増となります。新議員の選出については、規約変更等の手続を経て、9月県議会になる予定と聞いております。
 議員定数の検討について、政令市参加の暫定措置を含めると1年3カ月の議論を経て連合議会としての最終意見をまとめることができました。
 その間、私は、人口のダブルカウントなど、大都市圏に議員が偏重することなく、地域間のバランスを大切にするような配分を一貫して主張してまいりました。また、新島議長や山下議長とも常に相談し、仁坂知事とも意見交換を行いながら、本県の理事として意見を申してまいりました。最終的には、ほぼ本県の主張に沿ったものになったと思います。
 次に、広域連合での農林水産振興への取り組みについて報告いたします。
 広域連合では、来年度から農林水産振興について取り組むことになりましたが、きっかけは、平成23年1月、連合議会定例会での吉井県議の一般質問であります。
 しかし、その後、何ら取り組みの気配がなかったので、平成24年5月の総務常任委員会において、吉井議員、そして私から、産業振興が商工だけにとどまっている、農業を初め第1次産業への取り組みを明確にすべきとの指摘を行いました。
 その指摘を受け、連合議会の総意として、「産業振興分野において第1次産業を位置づけることや、域内での地産地消運動の展開など、広域連合という大きな舞台での新しい連携の具体策を検討すること」との要望を連合長に行いました。
 その結果、同年7月に広域産業振興局の中に農林水産部を設置し、仁坂知事を担当として、和歌山県が中心になって農林水産振興に取り組むこととなりました。本格的な取り組みは来年からとなりますが、ようやく取り組んでくれるのかという思いとともに、やるからには地に足をつけてしっかり取り組んでほしいと思います。
 ただ、域内2000万人の人口を抱える広域連合での地産地消の取り組みに対して、なかなか各府県の理解、協力が得にくいということも耳にしておりましたので、今月の2日、連合議会において質問をするとともに、定例会が終わった後、私は、井戸連合長や山田京都府知事、飯泉徳島県知事に対して、広域連合全体の発展にも必要であり、また、地産地消への取り組みで苦労している仁坂知事のことを考えて、もっと協力するようにとの話を申しておきました。また、滋賀県選出議員に対しても、滋賀県当局の協力を要請しました。
 広域連合の運営を設立からずっと見てきて、大都市に関することは非常に熱心でありますが、周辺の振興に対しては不熱心ではないかと思っておりました。こうした地域バランスを正す意味でも農林水産業の振興は大事であると考えますので、これからの取り組みに大いに期待をしております。
 また、広域連合全体に目を向けますと、従来から参加している知事や市長の中に目立ちたがり屋のパフォーマンスが目についていましたが、特に最近は政党の代表や幹事長がおられますので、余計にその傾向が強くなったのではないか。特に、原発再稼働の問題や節電対策、衆議院選挙の前は目に余る意見や行動が報道されていたと思います。
 しかし、そういった中でも、仁坂知事は、例えば、節電対策では産業活動に支障がないよう節電を呼びかけることや、首長と参議院議員との兼職禁止規定の見直しには反対といったように、そのとおりだと思えるような意見を言われてきております。余り褒めたことはありませんけれども、目立ちたがり屋の意見にくぎを刺したりする知事の姿は、連合長を助け、まさにいぶし銀の存在であると報告をいたします。
 新たに広域連合が道州制のあり方研究会を立ち上げましたが、先月9日の総務常任委員会で井戸連合長から、広域連合がそのまま道州に転化することはないが、政府が道州制の検討を予定していることから、道州制の課題や問題点を指摘するためにも研究会を設置し、積極的に提言するとの説明がありました。
 私からは、平成22年9月県議会で広域連合の設置と和歌山県の参加のための規約案を決議する際、「広域連合は、そのまま道州に転化するものではないこと。」との附帯決議をしている。連合長からは、広域連合が道州制に直接つながるものではないと明確に説明されたので一安心はしているが、万が一、広域連合が道州制を進めることになれば、和歌山県が参加している前提が壊れることになりかねないと指摘をいたしました。
 また、先月2日の連合議会においても、一般質問で登壇した際、同じ意見を申し述べております。
 私は、これまでずっと、和歌山県議会から選出された連合議員として、県議会での附帯決議の重さを踏まえて、連合議会本会議や常任委員会等において意見を言ってきたつもりであります。和歌山県議会で選ばれて出席しているとの重責を常に自覚し、主張すべきは主張し、行動してまいりました。
 以上が、広域連合についての報告であります。
 それでは、質問に入りたいと思います。
 まず、市町村合併についてであります。
 いわゆる平成の合併では、基礎自治体の行財政基盤の確立のため、全国的に市町村合併が推進され、全国の市町村数は、平成11年の3232から平成22年には1727となりました。
 本県の市町村においても、平成16年10月の南部町と南部川村の合併を皮切りに、平成18年3月の橋本市と高野口町の合併及び白浜町と日置川町の合併まで、12の市町村合併が行われ、現在に至っています。
 このような取り組みが行われる一方で、世界でも類を見ないほどのスピードで進展する少子高齢化、国民の価値観やニーズの多様化、新興国の台頭による産業・就業構造の変化など、市町村を取り巻く環境が大きく変化をしております。
 本県の合併市町においても、人口減、過疎化の進展等、さまざまな課題を抱えており、当時合併を推進してきた私自身においても、果たして合併して本当によかったのか、デメリットのほうが大きかったのではないかという思いが強くなり、平成23年2月の議会において市町村合併について質問をさせていただきました。
 知事や総務部長から、合併市町において、市町村建設計画に基づく道路の整備や複合文化施設などの事業実施などにより一体的なまちづくりが進んでいくこと、県においても合併市町と一緒に努力をしていくとの答弁をいただきました。
 改めて市町村合併について感じることは、確かに合併による財政メリットがあったことは否定しませんが、一方で、役場やそれを取り巻く商店や食堂、銀行といった地域を担ってきた機能やきめ細かいサービスが失われ、まちがますます寂しくなり、過疎化を加速させているのではないかと思わざるを得ません。
 以前も指摘させていただきましたが、地域が衰退せずに維持されていくためには、地域に核が必要であると考えております。地域を構成する最小の単位は家族であり、御近所を含む自治会が次にあり、それを束ねて細かな要望に対して地域の施策を実施している重要な核が町役場であると言えます。
 かつては、規模は小さいけれども、生活になくてはならない集会所、公園、道路や橋などは、地域や自治会がみずから清掃や補修を行い、暮らしを守ってきました。こういった自助・共助の力が急速に衰えてくれば地域はますます住民に身近な市町村に頼らざるを得ませんが、少子高齢化、人口の減少の日本において、とても持続可能とは思えません。
 やはり、地域の自助・共助を支えていくためには、一定の公助、つまり市町村のサポートが必要であり、分庁舎や支所として活用されている旧役場庁舎こそ、そこで働く、顔の見える市町村職員の活躍が地域の最後のとりでとなり、その役割を果たしているのが現状ではないでしょうか。
 そこで、前回指摘させていただいた懸念や今まで申し上げた観点を含め、合併市町が現在抱えている課題はどのようなものと認識をされているのか、また、市町村合併を推進してきた県の責任をどう果たされようとしているのか、知事にお伺いをいたします。
 次は、2点目の医大の津波対策についてであります。
 平成24年8月29日に、内閣府から、南海トラフの巨大地震による津波高・浸水域等及び被害想定が発表されました。その津波の大きさ、甚大な被害予想は衝撃的なものでありました。発生率は極めて低いと言われていますが、確実にやってくることを想定して万全の備えをしていくことが大切であります。
 医大は、風光明媚な和歌浦湾に面し、最上階から見た景色は大変すばらしく、闘病中の入院患者さんも心が癒されると思います。しかし、自然が牙をむき、大津波によってそのすばらしい景観が一変する事態が予想されます。和歌浦湾の前に立地する医大の姿を見て、本当に大丈夫か、津波に流されるようなことはないかなどとの声があるのも事実であります。
 医大の玄関は2階でありますが、津波が来れば1階が浸水することが考えられます。そのときの電源機能としての自家発電装置は大丈夫か、燃料の確保はどうか、また排水溝の逆流はどうか、エレベーターの浸水対策はどうか、救急患者の受け入れなど、いろんな想定を考えると、津波対策は多岐にわたります。
 災害拠点病院として医大に対する県民の期待は大変大きく、安全・安心の対策が重要であります。平成25年度当初予算において、新規に医大の津波対策が計上されておりますが、あらゆる想定をし、やる限りは万全の津波対策を行う必要があると思いますが、知事の考えをお尋ねいたします。
 次、3点目は国体についてであります。
 紀の国わかやま国体の開催まで、いよいよ残すところあと2年余りとなりました。昨年の岐阜国体の男女総合成績については、一昨年の山口国体に比べ、43位から21位へと躍進しましたが、まだ20都道府県が上位にいることを考えると、今後さらに選手強化を推し進める必要があると考えております。
 県議会におきましても、平成17年9月に本県のスポーツの振興と競技力の向上を目的にスポーツ振興議員連盟を立ち上げ、国体開催に向け、全面的にバックアップをしているところでございます。
 いよいよ、ことしの4月に高校へ入学する新1年生が紀の国わかやま国体の年に高校3年生になる中心選手で、いわゆるターゲットエージとなります。国体を開催する県にとって、成年種別の活躍はもちろんのこと、地元で育成した高校生の活躍が大会や開催地を盛り上げる大きな要素となります。
 県では、従来、ゴールデンキッズや中学校の強化指定事業などによりターゲットエージの強化を図ってきているところでありますが、これから高校生の強化の正念場となります。
 県として、男女総合優勝を目指す紀の国わかやま国体に向けた高校生の強化策について、国体推進監にお伺いいたします。
 以上で、1回目の質問を終わります。
○議長(山下直也君) ただいまの尾崎要二君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 市町村合併の動機といたしましては、単独では財政がもたないということとか、あるいはスケール拡大によって分業ができて機動性が高まったり専門化ができるんじゃないかとか、そういう期待があったと思います。
 現実にはどうかということなんですが、合併特例債が使えたということはあると思いますし、市町村合併によりまして専門部署の新設が可能となって、例えば橋本市で企業誘致室ができたりとか、あるいは紀伊半島大水害において、田辺市で、甚大な被害が発生した旧本宮町などに対して、被害が軽微であった田辺市の本庁舎から応援部隊がかなりスムーズに派遣できたとか、もとの小さい単位であったら困難であったと思われる機動性ができた部分もあると思います。
 ただ一方、合併によって行政組織の効率化がどんどん行われたわけでありまして、本庁舎に職員が集中することになりました。御指摘のように、それぞれの旧町村地域のにぎわいがそれによって低下したことは確実だと思いますし、それから広大な面積に点在する集落に以前と比較して行政上の配慮が十分に行き届いていないんじゃないか、そういうような批判もあり、さまざまな問題を抱えていると承知しております。
 県としては、このようないろいろなマイナスの点、こういうところを別の意味で埋めていくという必要があると思っております。
 正面からの話としては、合併市町の道路整備等の市町村合併支援プランに基づく支援施策、これはもともとある話なんで積極的に進めておりますが、引き続きしっかりと取り組む所存でありますが、側面から支えるという点では、生活圏単位での日常生活機能の確保や地域の活性化を総合的に支援するための過疎集落再生・活性化支援事業、それから地域資源を活用した産業の創出を支援するわがまち元気プロジェクトなどの施策を、これは従来からでございますけれども、25年度の当初予算案にも計上させていただいております。こういう事業を熱心に行っていって、旧町村地域の活性化にできるだけ取り組んでいきたいと考えております。
 それから、和歌山県立医大の附属病院の津波対策をこの予算原案に出させていただいておりますが、現在の浸水予想、これは南海トラフの巨大地震のときもそうでございますけれども、医大の玄関口からの浸水ではなくて、裏からじわじわと浸水する可能性のほうが高いというふうに考えられます。
 そこで、医大全体を守るためには、敷地開口部がありますけれども、まずこの開口部に防潮ゲートを設置して浸水を防止しようと。それでも、万一水が入ってきた場合は、病院としての機能を維持しなきゃいけませんから、特に電源機能を守る必要がございます。そのため、最も大切なエネルギーセンターへの浸水を防水扉などにより防止いたしますが、配線も、念のため高層ルートに直接エネルギーセンターから持っていくということもやりたいと考えております。
 また、そういう対策をしながら、地震、津波が起こったときということでございますけれども、まず入院患者の安全を最優先に確保しなきゃいかんと。
 当然、津波ですから水が引いていきます。引いていきますと、今度は当然、救急患者などを受け入れることをできるだけ早くやらないといけません。そういうことをやり得るように、今のような対策及びソフト対策も含めて、県としても万全の対策をとっていきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 国民体育大会には成年種別と少年種別があり、特に高校生を中心とした少年種別の活躍は開催年における男女総合成績を左右するものであり、県民が一体となり大会が盛り上がる大きな要素であると認識しております。
 これまで、県におきましては、高校生の強化について、ハイスクール強化校の指定やスポーツ国際交流員の配置を初め、選手の発掘・確保、強化選手の指定や優秀指導者の強化拠点校への配置などに取り組んでいるところであり、昨年の岐阜国体では、少年種別において、アーチェリー、ウエートリフティング、レスリングの各競技での優勝やソフトボール競技での準優勝など、その成果も徐々にあらわれてきています。
 今後さらに、これらの取り組みに加え、紀の国わかやま国体の年に高校3年生となるいわゆるターゲットエージに特化した強化練習、合宿、県外遠征の活動支援等を行い、開催年に高校生が持てる力を全て発揮し、大活躍できるよう、競技団体及び指導者と連携しながら積極的な強化策を進めてまいります。
○議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 再質問を許します。
 尾崎要二君。
  〔尾崎要二君、登壇〕
○尾崎要二君 今、知事のほうから、まず市町村合併についての答弁をいただきました。
 ちょうど知事がお答えになられたようなことを、当時、合併が是か非かというような議論をしているときにも承ったような感じがするなという思いがするわけでありますけれども、私もこの4月で県議会議員にならせていただいて丸26年。今まで各施策において、これは是か非かというようなことで随分悩んで考えたこともございますけれども、この26年間で一番失敗したのは、市町村合併の推進に協力の気持ちを持って喜んで賛成したということ。もとへ簡単に戻るようなものではないわけでありますので、その反省の意味も大変大きいわけであります。
 もとの町役場周辺の状況を見たら、見る影もないというような状況となっております。小さいながらも、地域の核として住民の声に応えてずっと頑張ってきたというのに対して、平成の合併以来、サービスの低下や過疎化、顔の見える行政がなくなってしまったというようなこともよく聞かしていただきます。
 世の中には、なくなっても構わないもの、決してなくしてはならないものという、この2点があろうと思うわけでありますけれども、私は、もとの市町村の姿というのは、決してなくしてはならなかったものではなかろうかなという思いを強くしております。
 今、テレビで、よくリフォームというのが──もうこんなに汚かったおうちがこんなにきれいになってというて、ああって手たたいて喜んでるようなテレビでありますけれども、このリフォームに関してもそうであります。切ってもいい柱もあれば、切ったらその建物が壊れてしまうという柱もあるわけであります。市町村合併というのは、決して切ってはならん柱を切ったのではないかなと、もう私は自戒の念を持っているようなところであります。
 そんな中で、国の「改革、改革」というのがはやりの言葉になっている。このはやり言葉というのは耳ざわりがいいわけでありますけれども、その陰には、予算で締めつけて、小さい規模だったら交付税や補助金を締め上げる。やっていけませんよと。そしてまた、その反面、県からも強力に合併を推進しましょうという音頭取りもあった。県議会で私も賛成したと。そんなことで、結果的には冷たい合理化しか残らなかったなあというような思いもあるわけであります。
 それゆえに、合併を推進した県当局においても、その責任において、特に合併して役場がなくなったような地域に関しては、今後も特段の配慮と、そして施策に取り組んでいただきたいということを要望しておきたいと思います。
 過ちは二度と繰り返してはならないということでありますので、同じような危険性をはらむ道州制については強い警戒感を持って私なりに対応していきたいと、こう思っているような次第であります。この点も要望でございます。
 それから、医大の津波対策。ただいま、これも知事から答弁をいただきました。
 きょうのお昼から、気象庁では津波情報に対して新しい表現をすると。「巨大」とか「高い」とかいうような名前も使うようです。
 案じておりますのは、医大の前の旭橋という橋があるんですけど、以前はよくあそこから釣りざおを出して下の川で魚を釣ってました。簡単に釣れるぐらいの高さです。その旭橋よりも、医大の救急自動車がいざとなったときに駆け込む1階というのは随分低いわけでありますので、多分海抜2メートルか、あっても3メートルぐらいじゃないんかなと。
 ちなみに、海南警察署、海南消防署も大体3メートルと玄関のとこへ書いてますけれども。いいか悪いかは別にして、その状況を見たときに、やっぱり県民の皆さん、いざ病気になったり何かあったときに医大に対する期待というのは、ドクターヘリもひっくるめて大変高いわけであります。
 本当に大きな病院、大丈夫かなというような心配を随分聞くわけでありますので、特に今、知事から対応も、こうして今議会で考えていくということでありますけれども、ついこの間も話題になりました御坊警察署、ちょっとしたミスかもしれませんけれども、29センチ低かったというような感覚で医大のそういう対策をされたらたまったもんではないということでありますので、ひとつ知事からも、全く間違いで──試しに1回水入れてみよかというぐらいの、大丈夫やというぐらいの方向でひとつ進めていただきたいと思います。
 それから最後に、国体のほうも、今、御答弁を賜りました。
 ちょっと心配してますのは、一生懸命頑張って、紀州犬もなかなかかわいらしいと。初めソフトバンクの犬と間違われたぐらいの紀州犬でありますけれども、今、本当に人気も上がってきたと。ああ、いいのをつくったな、よかったなという思いもあるんですけれども、県民の中に「よし、2年後に国体やるぞ」というような盛り上がりが、前回の国体と比べたらまだ少し低いような感じがします。
 県も挙げて、市町村にも呼びかけ、みんなで成功さそうかという気持ちになってこそ最終的に成功だと思いますので、そういう県民に対する呼びかけということも、これ、議会のきょうお座りの議員も全て議連のメンバーでありますから、同責任を背負ってますんで、ひとつ議会も当局もスクラムを組んで頑張っていければと、成功に向けていくために、また最大限の御努力をお願い申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で尾崎要二君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第3、議案第73号を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第73号は、附属機関の委員その他の構成員について、特に高度の識見を有すると認められる者に対する報酬限度額の引き上げを可能とするため、改正をお願いするものです。
 何とぞ、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山下直也君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 これより質疑に入ります。本案について質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 質疑なしと認めます。
 次に日程第4、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第1号から議案第16号までは予算特別委員会に、また議案第63号は行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第32号から議案第61号まで及び議案第64号から議案第73号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。3月8日及び11日から13日までは委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 御異議なしと認めます。よって、3月8日及び11日から13日までは休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月14日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時34分散会

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