平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(森 礼子議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 1番森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕(拍手)
○森 礼子君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。
 最初に、食育についての質問です。
 今や、「食育」という言葉はいろいろな場面で取り上げられ、テレビや本屋さん等でも目にする機会がふえています。食育と一言で言っても、関連する分野の幅がとても広く、多岐にわたっており、私たちが生きていく上で欠かすことのできない食事を通して健康問題や教育問題にまで発展するという、生活に密着した、また地域の活性化にもつながるテーマだと思っています。
 先日の今定例会開会に際して、知事が、未来を担う子供を育む教育の充実の柱として、道徳教育、学力の向上、体力の向上、郷土学習、よき職業人の育成、国際人の育成という教育の6本柱に取り組んでこられたことを話されましたが、これらのいずれもが食育との関連性があり、食育を進めることが人づくりの土台となってくるのではないでしょうか。
 「いただきます」、「ごちそうさま」──お食事をいただくに際して生産者の方々への感謝の気持ちを教え、3食欠かさずいただけることへのありがたさを学ばせる習慣づくり。和歌山県内でとれた野菜や果物、魚介類などの食材を使うことを推進するとともに、子供たちの体を丈夫につくるため、幼い時期から栄養バランスのとれた食事を与える習慣づくり。食事の栄養バランスが充実することは、成長していく子供たちの心のバランスを培い、体の基盤をつくり、学力や体力の向上にも結びつきます。
 よき職業人、国際人といった将来我が国を支える立派な大人に育てるために、これら6本の教育の柱の充実はとても大切なことであり、それは、子供たちだけでなく、県民全体の役に立つように考えます。食事を充実させることの大切さを強く感じています。
 新年度の予算案に「早ね・早おき・朝ごはん」の実践が新規事業として予定されています。大変興味深く思いますが、具体的にどのように取り組まれていくのですか。また、こういった取り組みを実践することでどのような効果を期待されておりますか。教育長に御答弁お願いします。
 次に、食育への取り組みは我が国ばかりでなく海外でも熱心に行われており、アメリカやヨーロッパ、韓国等では、食育は健康維持、体のメンテナンス、健康促進のために取り入れられ、全世界的に食育の重要性を感じることができます。
 厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、朝食をとられない方は、20代、30代の若い、これからまさに子育てという年齢層に多く見られます。こうした生活習慣の方が親になった場合、子供たちはその姿を見ているわけですから、同じような生活習慣になることが考えられます。まず、こうした若い世代の方々に朝食をとることの大切さを知らせてほしいと思います。
 また、栄養バランスのとれた規則正しい食事習慣が健康の維持増進に直結することについて、県民の皆様にその大切さと効能やメリットを情報として発信していくことが望まれます。今、県では、県民に対して、このように注目され出した食育についてどのような発信ができているのでしょうか。
 他府県では、月に1度、食育についてのチラシを発行する取り組みを行っているところもございます。例えば、「県民の友」に毎月食育に関するコーナーを設け、1年間連載するという方法などでPRなどを検討されてはどうでしょうか。
 食育の意味とその実践方法について、もっと県民の皆様に関心を持ってもらう方法はないでしょうか。農林水産部長に御答弁をお願いします。
 さて、今定例議会の一般質問第1日目に、大沢議員が鳥獣被害の防止対策に関連しシシ肉や鹿肉の消費拡大について質問され、当局から回答があったところです。
 地産地消や和歌山ジビエの普及拡大を図る中で、学校給食や民間企業の社員食堂、もちろん県庁や市町村の食堂といったところで、県産品やジビエを使ったメニューの提供の推進に取り組むことも重要だと思います。先日実施されたジビエレシピコンテストやジビエウィークのようなイベントやキャンペーンを行うのも、県民のジビエに対する理解の促進や需要拡大策として効果があると思います。
 有害鳥獣として捕獲されたイノシシや鹿は、その命を無駄にすることなく、私たちの体の栄養となって役に立つことができれば、これ以上のことはございません。しかし、ジビエに対して、特に親が子供に食べさせる場合はまだまだ懸念がある状況であると聞いています。ジビエはきちんとした知識、料理方法で料理すれば安全で安心、おいしくいただけるということを、きめ細やかに県民の皆様に、さきに述べた食育の一環としても情報を提供していくべきではないでしょうか。農林水産部長に御答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) ただいまの森礼子君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県民の方にもっと食育を知っていただく方法についてですが、食育は、食に関する知識の習得により、県民1人1人が健全な心身を培い、未来に向かって羽ばたく力をつくり上げる基礎となるとの観点から、市町村や関係団体、企業と連携し、全庁挙げて取り組んでまいりました。
 毎年10月を県食育推進月間と定め、「県民の友」の特集号やラジオでの情報提供、食と健康フェアの開催等を集中的に実施するとともに、毎月第3週はふるさと和歌山食週間として、県下79の推進店で地産地消を通じた啓発を行っているところです。
 特に子供たちに対しては、小学校での梅干しや郷土食づくり実習を初め、学童農園での農作業体験、地元食材のミカン、魚などを活用した給食や授業を実施するなど、学校、家庭、地域においてライフステージに応じた推進に努めております。
 現在見直し作業を進めている県食育推進計画においては、啓発の軸足を周知から実践に移すこととし、親子料理教室や量販店と連携した店頭イベントなどで、地域特産物を使った栄養バランスにすぐれたレシピの提供や生活習慣病の予防・改善のための栄養指導を行うなど、幅広い世代により関心を持っていただき、実践に結びつく取り組みや広報紙などによる情報発信を重点に、引き続き、県民運動として展開してまいる所存でございます。
 次に、家庭へのジビエの普及について、一般消費者の食肉購入先としてはスーパーが最も多いのですが、ジビエについては、牛肉などの食肉と同様な安全及び品質基準が求められるため、ほとんど取り扱われていないのが現状です。
 県では、わかやまジビエ衛生管理ガイドラインを定めて、捕獲から解体、流通に至るまで衛生管理の徹底に努めているところですが、さらに平成25年度の新政策において、衛生面と品質面での基準に基づくわかやまジビエ認証制度を創設して、より円滑なジビエの流通に努めてまいります。
 一方、ジビエに対して、安全・安心面での不安以外に、においが強い、かたいといった先入観を持たれている消費者も多く、また、なじみがないため調理や料理法がわからないことが家庭での利用が少ない理由の1つと考えております。
 このため、一般家庭で手軽に調理できることを条件に、ことし初めてジビエレシピコンテストを実施し、優秀な作品については、県のホームページに掲載するほか、レシピ集を作成してジビエ取扱店で配布するなど、広く情報を提供してまいります。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 「早ね・早おき・朝ごはん」実践事業の取り組みと、その効果についてお答えします。
 議員御指摘のとおり、食育は、知育、徳育、体育と並び、子供たちが健やかに成長するための根幹をなすものであり、調和のとれた食事や十分な休養・睡眠、適切な運動等の基本的な生活習慣を身につけることが大切であると考えております。
 例えば、毎日朝食をとる児童と全くとらない児童とでは、本県においては、平成24年度全国学力・学習状況調査によりますと、平均正答率が、知識活用力を問う国語Bで25.5ポイント、算数Bでは19.8ポイントもの差が出ております。
 このようなことからも、「早ね・早おき・朝ごはん」の意義や学力、体力との相関を示すデータ、睡眠時間チェック表の使い方などを盛り込んだガイドブックを新たに作成し、各家庭と学校が連携して積極的に活用するよう進めてまいります。
 また、啓発DVDを作成し、保育所、幼稚園、小学校等での活用を促すとともに、広報紙やテレビ、ラジオ等を通じてその意義や重要性を伝えてまいります。
 こうした取り組みを進めていくことで、子供の望ましい生活習慣づくりに取り組もうとする機運が醸成されるとともに、子供の基本的生活習慣の乱れが改善され、子供の学習意欲や学力、体力の向上につながっていくものと期待をいたしております。
○議長(山下直也君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 続いて、2番目の質問です。
 少子化の大きな要因である未婚化、晩婚化の流れを変えるため、新年度予算でわかやま結婚支援として取り組んでいただき、全県的な結婚サポート体制づくりを推進することで和歌山の少子化への歯どめとなればと期待します。
 この事業を推進することで新たなカップルの誕生がふえ、そして子供を授かることとなれば大変すばらしいことなのですが、次に、今社会が抱えている問題に直面すると私は思っています。
 今は、結婚を機に仕事をやめる女性の方は以前と比べて少なく、結婚後も仕事を続けられるというライフスタイルが一般的となりました。同時に、働く女性の役割が高く評価されています。しかし、昔と変わらず働く女性にとって大きな不安となっているのが、仕事と子育ての両立です。
 子供が保育園や幼稚園に通い出すと、子供は、園での充実した生活の中で日々新しいことを学び、成長していきます。同時に、親は安心した気持ちで職場で自分の仕事に取り組むことができます。しかし、子供というのは集団生活の中ではよく風邪を引きやすいもので、体調を崩しますと重なってしまうことが多くあるのを私も振り返れば思い出します。
 子供が風邪などの病気のときはもちろん、病気が治った後にも、子供を預かってくれる保育施設が少ないために、子供の看護や世話のために休むことになってしまう状況です。
 子供の病気は1日で治るとは限らず、何日も仕事を休むことにもなり、職場では気まずい空気の中で精神的な負担さえも覚えることになります。場合によっては、これもパワハラの1つではと感じることさえあると聞きます。このような環境のもとでは、私たち女性は安心して働くことができません。ひいては、安心して子供を産むことができない世の中であるとさえ感じてしまいます。
 安心の政策の中、保育や地域の子育て支援の充実の中、結婚支援の推進はありましたが、その後に必ず直面する病児・病後児保育の充実や結婚後に安心して出産ができる環境づくりも、同時にアピールしていかなければならないのではないでしょうか。安心して働きながら子育てのできる環境の充実について目を向け、新政策と継続される政策とのリンクを密にして、さらなる充実をしていただきたいと思います。
 「イクメン」という言葉が流行語になるように、以前より男性、父親も子育てに参加するようになったとはいえ、やはり、子供が病気のときに職場を休むのは母親の役目であることがほとんどのように思います。また、一般的に仕事をする日は月曜日から金曜日という固定観念がありますが、働く女性の中にはシングルマザーとして頑張っている方々も多く、月曜日から金曜日までということに限らず、土曜日や日曜日に働く方も多くいらっしゃいます。ウイークデーに比べ、特に土日の保育環境の充実は薄いようで、私のところにも、このことに関してのたくさんの声をいただいています。
 少子化の歯どめ対策に早急に対応すべき今、さらには県の推計人口が100万人を切ってしまっている今、私たち女性が安心して出産できる環境の構築と、仕事、子育ての両立の充実のためのきめ細やかな対策について、当局はどのようにお考えでしょうか。
 次に、病児・病後児保育に関してですが、病気にかかっているときや病気が治った後の回復期にある子供を預かってくれる事業を行っている施設として、保育所が運営する保育所型と医療機関が運営する医療機関併設型の2通りがございます。利用者のニーズという面でいうと、保育所型の利用は非常に少なく、医療機関併設型の利用に集中しているのが現状です。その要因は、預ける親の安心にあると思います。病気や回復期の子供を預けることのできる施設を求めている一方、加えて安心も同時に求めているわけです。
 保育所型のほうも、受け入れ態勢は整っているものの、医師が常駐してない点が不安となり、利用者が少なくなっている原因であると考えられます。病児・病後児保育の充実が求められる中、せっかく受け入れ態勢を整えた保育所型の利用が進むような取り組みを図るべきであると思います。
 また、ニーズが高い医療機関併設型について、現在、数は少なく、各地域で利用できる状況ではないため、県内のどこにお住まいの方であっても、遠くまで子供を預けに行かずして利用できる体制が求められています。
 こうした点についての取り組みについて、どうなっているのでしょうか。私が述べさせていただいたことの充実が、今後、もう1人子供を産もう、出産しようというふうに必ずつながっていくと確信しています。病児・病後児保育の充実について、福祉保健部長の御答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 県におきましては、子供を持ちたい人が安心して子供を産み育てる環境づくりのため、延長保育や休日保育、病児・病後児保育などの多様な保育サービスや、地域の実情に応じたきめ細やかな子育て支援事業を進めているところです。
 病児・病後児保育事業については、現在、11市町9施設で実施されております。また、ファミリーサポートセンターでの病児・病後児の預かりは9市町で行われており、病児・病後児に対する保育サービスは年々充実してきております。
 県としては、さらに多くの方に利用していただけるよう、広域実施の促進や運営補助等の支援により事業の拡大に取り組んでまいります。
 なお、病児・病後児保育の実施施設は、医療機関併設型、保育所型にかかわらず、協力医療機関との連携体制を十分に整えることとなっております。安心して利用していただくために、このような事業内容のさらなる周知を図ってまいります。
○議長(山下直也君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 では、次の質問に移らせていただきます。
 花の消費拡大への支援について。
 季節は、今、梅の花が咲き誇っています。これから暖かさも増してくると、次は桜や桃の花の便りを待つこととなります。花は、季節の移り変わりを私たちに知らせてくれ、心を和ませてくれる大切なものです。
 和歌山県の中部、御坊市は、海沿いの温暖な気候を生かした花卉栽培の盛んな地域です。特に、スターチスの栽培は日本一の生産量を誇っています。スターチスは、ピンクや紫、白、黄色など、さまざまな色があり、色あせにくく花もちのよい花です。スターチスの鮮やかな色は、実はがくの部分だということで、花言葉は「変わらぬ心」だとされています。
 JA紀州中央青年部名田支部の青年たちは、この日本一のスターチスをもっともっと全国に広め、地場産業の活性化につなげていきたいと思案され、努力をされています。その活動というのは、彼らが職能教育の一環として地元の小学生を対象に野菜の栽培や収穫体験をした後の反省会で、ある青年部員の発言から始まったと言います。
 当時、親が子供を虐待死させる事件が相次いでいたこともあって、「おかしい。家族愛が足りていない」という一言に皆が反応し、さまざまな意見が交わされました。集まった若者の多くが野菜ではなくて花を栽培する農家であったことから、花を通じた花を愛する運動で社会を変えていきたいという目標を立てられたのです。
 この目標を達成するために、彼らは3つのことに着目しました。1つは、よりたくさんの人に理解し、共感してもらえるようなストーリー性を持たせること、2つ目は、自分たちだけでなく、花業界全体の活性化につながる活動であること、3つ目は、自分たちでできることだそうです。
 ストーリー性については、愛を語る日として母の日に着目し、「変わらぬ心」を花言葉とするスターチスが生きてくることと考えました。
 花業界の活性化については、母の日はこれまでもカーネーションを初めお花を贈る習慣のある日ですが、最近は、花のかわりにほかの品物を贈る人がふえ、花の消費が減少する傾向にあることから、墓参りをPRすることで花の消費拡大につながると考えたそうです。
 そして、自分たちの農家で栽培した花を持ち寄って自分たちの活動に使用することに決めました。
 彼らの活動方針は、消費者に花の配布を行いながら母の日の墓参りのきっかけを与える、そして配布活動から感じたことを花業界に伝える、きっかけを与え続けることによって、それが習慣となり、習慣が文化となっていくよう長期的に続けていくことを決めました。
 実際の活動として、一昨年の母の日の前日に、JR和歌山駅前でメッセージカードを添えた花束の無料配布が行われました。受け取った人からは、家族愛という視点での行動に興味を持たれた方が多かったそうです。また、花業界への情報発信についても、大手の花屋さんや花屋組合とのつながりができました。
 そして、昨年は、東日本大震災で被災し仮設住宅にお住まいの方々に小さなぬくもりを届けようということで、いろいろな方の協力を得ながら福島県の被災者の方に1000の花を届けることができました。
 こうした活動を行いながら、彼らは自分たちが変わってきたことに気づきました。それは、やる気です。自分たちが育てた花を使って社会に役立つことを行っていこうということで、大きなやる気へとつながったということです。
 こうした彼らの「花で愛を語り、社会を変えよう」という一言から始まった地道な活動がJAの組織の中で認められ、名田支部の野村直佑さんが、先月、2月14日、15日に東京で開催されたJA全国青年大会で、近畿代表としてこの母の日参りの活動実績を発表されました。
 農家の跡継ぎがいないという農業後継者不足問題を抱える昨今ですが、私は、彼らが最初に抱いた問題意識を自分たちの手で少しでも解決に向かうように努力し、それが多くの協力者を得るようにまでなったことに、とても共感します。青年部の活動は、もちろん自分たちの栽培するスターチスの花の消費拡大や花業界、そして地場産業の活性化を目指したものではありますが、今、悲しいニュースが多く報道される中、花を通じて家族のつながりを深め、伝えていこうとする考えは、私も共感するところが多くあります。
 毎年決まった日、決まった時期に贈り物をすることがいつの間にか国民生活に溶け込んだ例としては、古くはクリスマスや母の日が、また、最近ではバレンタインデー、プレゼントを贈る習慣ではございませんが、節分の日の恵方巻きなどがあります。このような贈り物の習慣が年中行事の中に組み入れられるようになるまでには、さまざまな関係者の長年にわたる努力が積み重ねられたことは想像に難しくありません。しかし、こうしたことを踏まえても、毎年5月の母の日にスターチスを手にお墓参りをする母の日参り運動が、和歌山が発祥の地となり全国に広がっていけば、どんなにすばらしいことでしょう。
 そこで、質問いたします。このような全国的な盛り上がりをつくっていくためには圧倒的な宣伝量が必要だと思いますが、県の支援について、知事の御所見をお願いします。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 花の消費量が減少する中で、需要拡大を目的にJAの青年部が母の日参り運動を独自に実施しておりますことは、大変すばらしいものだと思います。
 私も、御坊でこの話を直接お聞きしまして、これはすばらしいと。先祖を大事にするとか家族を大事にするとか、そういう道徳とか愛情とかいう点でもすばらしいし、それから、スターチスなど花卉生産で有力な地位を占めている当県の産業の振興という点からも、これは物すごくすばらしいというふうに思いました。
 そこで、ちょっと宣伝をしようと思いまして、早速その次の記者会見で私からも発表をさせてもらいました。こうした母の日参り運動を全国的な動きにぜひしたいと私は思っております。
 県といたしましては、今後、機会をうかがって母の日参り運動をマスメディアにうんと乗せること、それから活動の輪を広げることはもちろんでありますが、県内のスターチス生産者、JA等への参加の呼びかけを行って、また、消費者向けの効果的なPRの方法も、これはこれでまた検討してまいりたい、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 ありがとうございます。
 青年部の皆さんの花を通じた新しい提案が、和歌山が発祥の地となって地場産業の花業界の活性化につながることを願っています。
 先月のバレンタインデーには議場におられる男性の皆様もたくさんチョコレートをいただいたと思いますので、来週はホワイトデーですので、変わらぬ心で女性にお花を贈っていただけるとうれしいです。
 では、最後の質問に移らせていただきます。(「もろうてないもんおるやろ。森さんからもろうてない」と呼ぶ者あり)それは済みません。
 では、最後の質問です。紀淡海峡ルートについてお伺いします。紀淡海峡ルートにかける県の熱意について質問します。
 さきの衆議院選挙で、国土強靱化という政策を掲げ、多くの国民の支持を得て誕生した安倍政権ですが、この国土強靱化で大きくクローズアップされるのが、災害に強い多軸型の国土構造の構築です。
 今から約20年前、平成3年2月定例本会議において、私たちの先輩議員である浦武雄議員が、当時盛んに議論されていた第2国土軸の実現について当局に質問された内容を御紹介させていただきます。
 まず、関西空港、明石海峡大橋、関西学術都市に続く近畿圏の第4のプロジェクトとして「21世紀の近畿圏を考えた場合、3大プロジェクトの次の第4プロジェクトを何にするのかが重点課題と言えます。しかもそのプロジェクトは、和歌山県にとって、近畿圏にとって、さらには西日本にとって大きなインパクトを与えるものでなくてはなりません。私は、このプロジェクトは、仮谷知事が提唱している東京から伊勢湾口、紀伊半島を通り、紀淡海峡、四国、豊後水道を経て九州に至る第2国土軸になるのではないかと考えるのであります。そして、その中でも早期に必要なものが紀淡海峡連絡道ではないかと思うわけでございます」。続けて、「こういう構造物は経済性だけで判断するものではなくて、国際的に通ずるシンボルとしての役割、すなわち関西国際空港に入ってくる海外のお客さんが、まず眼下に見おろす紀淡海峡の美しさ、そしてその美しい紀淡海峡にかかる世界最長のつり橋に思いをはせるわけであります」、「これからの西日本を支えるプロジェクトはまさに紀淡海峡大橋であると強い信念を持って提言をいたすものであります」と、第2国土軸として紀淡海峡を架橋によって結ぶことと提唱されました。
 また、浦議員は紀淡海峡ルートの技術的実現可能性について当局に質問され、当局は、世界最長のつり橋は、工事中のものを含め、明石海峡大橋で橋脚間が1990メートル、紀淡海峡に橋をかけた場合は橋脚間が2500メートル程度と想定され、最近の技術力をもってすれば可能ではないかという専門家の考えもあると答弁がありました。
 本州と四国を結ぶ架橋は既に3本が完成し、現在の経済・財政情勢ではさらなる大規模なプロジェクトは難しいとの意見があるのは承知しています。しかし、18年前に起きた阪神・淡路大震災、一昨年の東日本大震災と立て続けに大規模な地震災害が発生し、歴史的に繰り返されてきた紀伊半島沖を震源とする東南海・南海地震についてもそう遠くない将来の発生の可能性が言われる中、第2国土軸の構築をいま一度検討するべきではないでしょうか。
 京奈和自動車道と近畿自動車道の和歌山市内での接続が、ようやく視界に入ってこようとしています。この京奈和自動車道の先に紀淡海峡架橋が接続し、淡路島から四国へとつながることで、大阪湾に面する地域だけでなく、近畿と四国が一体化して、経済の活性化だけでなく、大きな災害が発生した際のリダンダンシーの確保になるに違いありません。
 加太や友ケ島には、貴重な自然や歴史遺産があります。こうした貴重な資源は大切にしつつ、また並行する航路の存続を図っていく知恵を出すことも必要です。もちろん、建設費用の面での問題が大きいことは言うまでもありません。しかし、私たち現代に生きる者の夢と言うべき壮大なかけ橋を建設しようとする意欲は、関西全体の活性化を引き出すものですし、明石海峡大橋や瀬戸大橋の例を持ち出すまでもなく、京阪神や四国からの人の流れを呼び込むことは間違いなく、新たな和歌山の観光シンボルとなるべきものと考えます。
 和歌山県は、関係する府県及び府県の商工会議所連合会等をメンバーとする紀淡海峡交流会議の事務局を受け持ち、活動を続けていると聞きます。東京では、2020年のオリンピック招致に今、大きな力を注いでいます。ここ関西でも、10年後、20年後を見越した大きな目標を掲げ、それに向かって日本中の英知を注ぐことが、元気な日本、元気な関西を築くために必要だと思います。
 そこで、企画部長に質問いたします。紀淡海峡ルートについて、現在の状況と今後の取り組みについてお聞かせください。
○議長(山下直也君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 紀淡海峡ルートの現状と今後の取り組みについてでございますが、紀淡海峡ルートにつきましては、昭和62年の第4次全国総合開発計画におきまして位置づけられた大阪湾環状交通体系及び関西大環状道路、さらに平成10年に閣議決定されました21世紀の国土のグランドデザインにおける太平洋新国土軸、このいずれにおきましてもかなめとなるものでございます。
 この間、国におきまして技術的な可能性などを判断するための調査が行われてまいりましたが、平成20年の国土形成計画では、紀淡海峡ルートを含む海峡横断プロジェクトについて長期的視野から取り組むとされまして、これ以降、個別調査については行われておりません。
 県では、これまでも関係府県や経済団体で構成される太平洋新国土軸構想推進協議会や紀淡海峡交流会議等を中心に、国に対して、紀淡海峡ルートの実現につながる調査の再開や、現在、地域高規格道路の候補路線である紀淡連絡道路の計画路線への格上げなどについて、提案、要望を行ってまいりました。
 紀淡海峡ルート構想の早期実現につきましては、大変厳しい状況ではございますが、引き続き、構想の推進について国に対して粘り強く働きかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(山下直也君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 それでは、和歌山県として紀淡海峡への架橋は、安全・安心の社会実現や人の交流増加などによる経済波及効果も大変大きいと思われます。知事として、この構想実現に向けての思いをお聞かせください。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀淡海峡ルートにつきましては、本県のみならず関西全体の発展につながる関西大環状道路を形成する上で重要な路線であると考えております。
 また、この構想が実現すれば太平洋新国土軸が形成されることで、従来の国土軸に災害が発生したときの代替となるというリダンダンシーの確保の面でも、また産業振興や観光振興という面でも、非常に有用であると考えております。
 厳しい現状ではありますけれども、引き続き、関係府県等と連絡を密にしながら構想推進に積極的に取り組んでまいります。
○議長(山下直也君) 森 礼子君。
  〔森 礼子君、登壇〕
○森 礼子君 御答弁、どうもありがとうございました。
 これで、私の一般質問を終わります。御清聴どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、森礼子君の質問が終了いたしました。

このページの先頭へ