平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(片桐章浩議員の質疑及び一般質問)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(片桐章浩議員の質疑及び一般質問)


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 31番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。最後まで、どうかよろしくお願い申し上げます。
 まず最初が、和歌山南インターチェンジについての質問であります。
 昨年2月議会で、当時、仮称・和歌山南インターチェンジについての一般質問を行ったところ、和歌山インターチェンジ周辺の渋滞緩和、高速道路利用の利便性の向上、さらに防災機能の向上などの面から実現したいという答弁があり、このたび動き始めたということはうれしく思っております。
 ただ、克服しなければならない3つの課題がある、こういうお答えもいただいております。それらの3つというのはどういうものか、ちょっと示したいと思いますが、1つ目、接続する既存道路で交通量が賄えるかどうか。特に、和歌山市で担当している都市計画道路の進捗状況が問題である。これが1つ目です。
 2つ目、中心市街地活性化を進めるとしながら、郊外に新たな交通結節点をつくるということについての整理が必要である。
 3つ目、既に高速道路も含め重点的に道路整備を進めている中での優先順位の問題がある。この3点の課題が示されました。
 1つ目の質問になりますが、これらの課題は解決に向かっているのでしょうか。和歌山市の考え方を聞いて調整が必要だというふうに思いますから、現在までの対応状況をお聞かせいただきたいと思います。
 また、これまで和歌山市が主体的にこの計画というか構想を進めてきたように思いますが、記者会見や知事の定例記者会見からすると、県が主導的に設置に向けて動かすことを決めたような気もいたします。その理由はどういったものでしょうか。この点、知事の答弁を求めたいと思います。
○議長(山下直也君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌山南インターチェンジについて、私は、できればこれを実現したいとずっと思っておりました。
 少し前、大橋市長から相談がありましたので、実現に賛成ですよというふうに申し上げた上で、しかし、そのためにはクリアをしないといけない点があるということを3つ、課題を整理して回答を求めておりました。片桐議員が御指摘された、その3点であります。
 3点目の点については、ちょっと補足いたしますと、当時、なかなか和歌山は、特に国体をにらんで早くやってしまわなきゃいけない、国にお願いをしてやってもらってしまわなければいけない話がありまして、まだその終期についての決着がついておりませんでした。特に、政権交代後、それがえらい不利になるという状況になっておりましたんで、いろんなことをいっぱい言うと紛れてしまって、やってほしいやつをちゃんとやってくれないんじゃないかというような懸念があったので、タイミングはよく考えないといけませんよというようなことを申し上げた次第であります。
 これらについては、私の理解ですけども、市からは回答がきちんと示されないまま、あれよあれよという間に市長さんが発表してしまったということであります。
 それで、それぞれの問題がどうなっておるかという点については、第1番目の問題については、市で委員会をつくって税金を投入して検討して、その結果、何か聞こえてきてるんですが、従来の市道、県道などにインターチェンジを接続してやっていこうと。そうすると、どう考えても狭い道ですから、しかもその先にはクランクみたいなところもあって、これはどうするんだいというような考えを持っておりました。
 2つ目については、音なしの構えでありまして、余り具体的に回答はありません。
 3つ目については、ちょっとタイミングがまずいんじゃないのかなと思いましたけれども、しかし、実は事なきを得まして結果オーライでありまして、その後、国のほうで国体を終期にというか、正確に言うと国の発表ぶりでは27年度を終期にいろんな宿題を仕上げてやろうということが出てまいりましたので、それでは次のステップに移ってもよいということだというのが状況でございます。
 一番大事なところは、実はスマートインターチェンジでこれをやれば有利なんです。この制度を活用してやれば有利なんですけれども、これについては県で手を挙げないといけません。実は、いい制度なんですけども、最近ちょっと申請が減ってきているもんですから、なくなるのではないかという懸念がかなり濃厚になってまいりました。そこで、これはいかんと、なくなる前に先に認めておいてもらわないといけないということで、この間、発表をさせていただいたところなんです。
 依然として3つの問題は残っておりますが、まず3つ目の問題からすれば、先ほどのような懸念はなくなったということでございますし、むしろ次の目標を示すということが県益にかなうことだと、あるいは地元の人にも喜んでもらえるというふうに思っております。
 それから、1つ目の問題につきましては、これは都市計画道路の南港山東線というのがございまして、現在事業中のところは国体までに完成をするめどが立ってきております。その南北に交差する都市計画道路も、これも同様でございます。
 そこで、その次の計画として、4車線でこの都市計画道路南港山東線を東に延伸いたしまして、しかも、今までの都市計画では、これ紀の川市方面に和歌山橋本道路と並行してずっと延ばすということであったんで、これはいかにももったいない。しかも、これを本当に計画どおり実現しますと、吉礼団地の住民密集地を立ち退いてもらわないけないということになって、これも余り多分喜んでもらえないだろう。
 そこで、都市計画を変更して若干北に振って、人口が余りないところにこの道をつくり、そして和歌山橋本線に接続すれば全て問題は解決できるのではないかということで、現在考えているところでございます。
 それらの工事がちょうど同時期に完成するというのが一番よろしいんですが、今から準備をするとちょうどそういうふうになることができるなというふうに思っております。
 2つ目の問題につきましては、都市機能をさらに拡散させないような観点から、具体的な土地利用の方針や規制について市がさらに考えてもらう必要があるというふうに思っておりますが、これはどちらかというと和歌山市の主体的な問題になってくるので、ちょっとはらはらしながら見守っていきたいというふうに思っております。
 ということで、繰り返しになりますが、都市計画道路南港山東線と一体的に整備を行うため、また、国の制度を確実に適用するためにも、時期を逃すことなく、県が事業主体となって整備に取り組むということにした次第でございます。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 この和歌山南インターチェンジ、今、知事からも答弁いただきましたように、和歌山市内の幹線道路として都市計画道路南港山東線の整備、これがもう密接していると、関係しているということがよくわかりまして、この南港山東線が平成27年国体開催までの供用を目標に順調に進められるのかなというふうに思っております。
 知事からも一部触れていただきましたが、さらに南港山東線、東の延伸についての計画はどのようになっているのか。また、塩屋から国道42号の間、こちらの未整備区間、依然として課題として残っていようかと思いますが、これの進みぐあいはどうなっているでしょうか。続く西の大浦街道までの区間についての整備計画とあわせて、県土整備部長からお答えください。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 都市計画道路南港山東線のうち、昨年度、県で事業化した竈山神社から東の区間につきましては、地元の皆様に非常に御協力いただき、1年余りで用地取得率が95%に達し、平成27年の国体までの供用に向けて順調に進んでおります。
 さらに、この区間から東への延伸につきましては、和歌山南インターチェンジに接続した後、さらに貴志川方面に向けて県道和歌山橋本線とスムーズに連絡するよう計画し、インターチェンジの供用にあわせて整備を進めてまいります。
 今の南港山東線の都市計画ルートが、貴志川方面への人家の多い箇所を通過するとともに、2車線で整備されている県道和歌山橋本線と並行しているため、集落を避け、並行路線の無駄をなくすよう、計画を北側に振り、高速道路の東側でトンネルを抜いて県道和歌山橋本線に接続するようなルートに都市計画変更する予定でございます。
 また、御質問の塩屋から国道42号の未整備区間につきましては、平成24年度から和歌山市が事業化し、昨年11月に幅員縮小などの都市計画変更を行い、本年1月に事業認可を取得し、今後、測量と設計に着手していく予定と市から聞いております。
 続く大浦街道までの区間につきましては、市の都市計画マスタープランにおいて市内の外環状道路として重点整備路線に位置づけられており、現在事業中箇所の進捗を考慮して事業着手を検討すると市から聞いております。県からも、引き続き早期整備を働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 地区協議会の合意を得て作成する実施計画書、これは県で作成するものだと思いますが、和歌山市作成の──当時作成していたインターチェンジの入り口計画であれば、インターチェンジ付近の道路の混雑、これが予想されようかと思います。
 例えば、出入り口、進入路を同じ箇所に配置するとか、そういった計画変更、配慮も必要だと思いますが、インターチェンジ出入り口の設置に関する考え方について、県土整備部長からお答えください。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) もともと和歌山市では、既存の県道に2カ所で接続することを前提に独自にインターチェンジの計画をしていたところで、県では、御指摘のように、現状でも大渋滞が発生しているところにそのまま接続する市の計画では、さらに渋滞を悪化させるものと指摘していました。
 今回、県としては、インターチェンジ出入り口付近で渋滞が生じないよう、4車線の南港山東線に1カ所で直接接続するよう計画しております。
 また、利用者の利便性を高めるとともにコスト縮減にも配慮した構造として、上下線で利用できるフルインター形式で検討しております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 この質問の最後になります。
 県道和歌山橋本線、県道沖野々森小手穂線とのクランクになっている交差点部分が渋滞箇所ですが、今、知事、県土整備部長からのお答えにありましたように、都市計画道路の変更などによって渋滞緩和につながるものだというふうに思いますが、再度、この辺の地元が気にしている渋滞緩和につきまして、県土整備部長から答弁を求めたいと思います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県道和歌山橋本線と沖野々森小手穂線との岡崎交番前交差点については、議員御指摘のとおりクランクになっており、現状では、交差点を先頭として朝夕に慢性的な渋滞が発生しております。
 今回、インターチェンジの設置とあわせて南港山東線を東進し、さらに既存の県道和歌山橋本線とスムーズに連絡することで、インターチェンジの設置により新たに発生する交通は南港山東線で受け、従来の和歌山橋本線の交通もその大部分が南港山東線に転換することから、岡崎交番前交差点の渋滞は緩和されると考えております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 続きまして、和歌の浦の観光振興について質問をさせていただきます。
 平成22年8月5日、国の名勝に指定されたのが和歌の浦であります。
 現在、この地域で国の名勝指定を受けているのは、和歌の浦の干潟、片男波、妹背山、鏡山、奠供山を初めとする90万平米の範囲になっております。
 同年12月に刊行された「和歌の浦学術調査報告書」によると、名勝と史跡としての価値が認められる範囲として、現在はまだ指定されていない地域も含まれています。いわゆる天満宮、東照宮などがそうですが、これらの建造物は江戸時代につくられた重要文化財であり、近世の和歌の浦の景観を形成している重要な地域、価値があると、こういうふうにされております。
 この残された地域の国の名勝指定に向けての動きはどうなっていますか。教育長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 和歌山県教育委員会では、名勝和歌の浦の価値を後世に伝えていくため、平成24年3月に名勝和歌の浦保存管理計画を策定し、その計画に沿って文化的景観や歴史的建造物の保全を行っているところでございます。
 議員御指摘の天満神社や東照宮等の追加指定につきましては、保存管理計画の中で、これらの地域も国指定範囲に含まれるように所有者及び関係機関が追加指定に向けた協議を行っていく必要があるとしており、県教育委員会としても追加指定すべき範囲と位置づけています。今後、この方針に従い、関係者と協議を行い、追加指定の手続を進めていく予定でございます。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 この項目2つ目であります。
 国の名勝を受けようとしていた当時、つまり平成22年6月定例会において、この和歌の浦名勝指定についての一般質問を行わせてもらいました。このとき、和歌の浦を積極的に売り出してまいりたい、名勝指定はまさに和歌の浦を売り出す絶好のチャンスと捉えているという答弁をいただいております。
 それから2年が経過しました。国の名勝指定の観光地として十分に売り出せているのでしょうか。私も清掃活動等この地域に入っておりますが、余り観光客に会ったとか地元に人通りがふえたという話は聞きません。
 和歌の浦の売り出し方としては、歴史文化エリア、マリンレジャーが楽しめるエリア、グルメなエリア、この3本柱でマスコミ、旅行会社に積極的にPRをすると。和歌の浦の観光振興につなげる方法をとる、このように考えておられるようですが、その成果というのは出ているのでしょうか。商工観光労働部長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 和歌の浦の観光振興につきましては、国名勝指定を契機に、和歌の浦を全国にアピールするため、マスコミや旅行会社に積極的に働きかけてきたところです。
 まず、歴史文化につきましては、和歌の浦観光協会と協働し、来訪時の付加価値を向上する語り部のレベルアップに取り組み、平成23年度に、実地研修会の開催や各スポットをガイドするための語り部用進行台本を作成しました。
 また、妹背山、紀州東照宮などを散策する1泊2日のモニターツアーを3回、玉津島神社、和歌浦天満宮などをめぐりながらウオークする日帰りのモニターツアーを2回実施し、合わせて138名の参加を得ております。
 このモニターツアー結果を踏まえ、検証と研さんを行った後、モデルコースや和歌の浦語り部の会を旅行会社に対し情報発信してまいりました。その結果として、日帰り客や1泊2日の旅行で和歌の浦に立ち寄るツアーがふえたことを実感していると同協会から伺っております。
 次に、マリンレジャーでは、市、観光協会、民間事業者で実施する夏の「海百涼」キャンペーンで片男波海水浴場や浜の宮ビーチをPRしておりますが、県も協働して、京阪神のマスコミや旅行会社を訪問し、キャンペーンの情報発信や送客を依頼するとともに、JR西日本の主要駅で一般の方に対するPRを行いました。
 なお、平成26年に実施する和歌山デスティネーションキャンペーンにおいては、和歌浦湾をマリンレジャーのメッカとして位置づけ、ウインドサーフィン、シーカヤック、シュノーケリングなどの体験メニューの充実を図るとともに、今議会に上程しております平成25年度当初予算案における体験観光魅力アップ事業の補助金制度も活用しながら、地元観光協会や体験事業者と利用者の利便性向上に向けた協議を進めてまいります。
 最後に、グルメですが、和歌の浦を代表する食材「わかシラス」について、地元の宿泊施設や商店における食事のメニューやお土産としてモデルコースに組み込み、旅行会社にPRしてまいりました。
 また、シラス以外にも和歌の浦のグルメを紹介する試みとして、和歌の浦観光協会と共同で平成23年度に制作した和歌の浦ウオーキングガイドマップにおいて、ウオーキングコースとともに途中立ち寄り可能なグルメやお土産購入の個店情報を掲載し、旅行会社も含め、利用者から高い評価をいただいております。
 さらに、和歌浦漁港に昨年11月開設したおっとっと広場につきましては、土曜日、日曜日、祝日に鮮魚やかまぼこ等の水産加工品の販売で好評を得ており、和歌の浦の新たな誘客拠点の1つとなるようPRに努めてまいります。
 議員御指摘の成果についてでございますが、和歌の浦への観光客入り込み数につきましては、国名勝指定前の平成21年と比較しますと、災害の影響で去年全ての観光地で観光客が減った平成23年は別にして、平成22年では約7万2000人、集計中の平成24年推計値では約3万2000人増加しており、着実に成果に結びついていると考えております。
 今後とも、市や地元と協働しながら、この成果を継続するよう効果的な施策を展開してまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 次の項目、エネルギー問題につきまして質問をさせていただきます。
 和歌山県は、新しいエネルギーの適地として、私がかかわり知る限り、全国からの注目度が高い地域だというふうに感じております。現在取り組んでいる事業としては、コスモパーク加太の傾斜地へのメガソーラーの誘致、これはもう設置できて稼働中であります。企業と連携した地域振興としてのミニソーラー事業計画、また、小水力として島ノ瀬ダムに発電所の整備計画、農業用木質バイオマス、調査に入っているメタンハイドレートなど、新しい分野に挑戦しようとする積極的姿勢は頼もしく映っているところであります。
 新エネルギーによる発電量、これ、和歌山県が全国に占めるランキングを見ますと、それほど高い位置にはないというふうなデータもあり、適地であり県が積極的に推進しているにもかかわらず、取り組みの速度、成果というのはなかなかあらわれていないように感じております。この点、和歌山県内のメガソーラーの計画の現状はどうなっていますでしょうか。
 また、平成25年度も事業者の進出意欲、これは変わらず感じられますでしょうか。商工観光労働部長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) メガソーラーの取り組みについてですが、昨年7月からの固定価格買取制度を受け、本年2月現在で設置済み3カ所、施工中2カ所であり、着実な成果を上げているところです。
 そうした中、現在でも多くの事業者から県内のメガソーラー用地について問い合わせがあり、計画中のものとして、印南町の地域貢献型メガソーラー発電事業を初め、複数の計画が進められております。
 現在、国の調達価格等算定委員会において新年度の買い取り価格について検討されており、太陽光発電については30円台後半になるのではとの報道がされています。しかし、技術革新等によりパネル単価が引き下げられるなど、採算がとれるとの判断から、平成25年度においても事業者の取り組み意欲は衰えないものと考えております。
 県としましては、県内候補地の紹介や、庁内にワンストップ窓口を置きサービスを提供するなど、引き続き、メガソーラーの誘致に努めてまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 新しいエネルギーについての2問目であります。
 和歌山県では、新しいエネルギーを創出しようとする動き、先ほどお答えいただきましたように活発な動きがあると認識しております。これからの取り組みについてはどのように考えているのでしょうか。これに関しても商工観光労働部長から答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 新エネルギー創出に向けての取り組みについてですが、豊富な日照時間や森林資源、また海に囲まれた地勢特性を生かした海洋資源など、本県の持つ特性を最大限活用し、これまでも窓口を一本化して太陽光発電、風力発電、温泉発電、海洋エネルギー利用などの推進に取り組んできたところであり、平成25年度においても、これら新エネルギー等の推進に積極的に取り組んでまいります。
 特に、森林資源の活用については、温浴施設等への木質バイオマス利用促進に加え、来年度からは農業用ハウスへの木質ボイラーの導入を積極的に推進してまいります。
 価格変動の少ない木質バイオマスを使用するボイラーの導入は、木材需要の増大による林業の活性化とコスト負担軽減による施設園芸農業の振興に寄与するものと考えております。この結果、林業と農業とがつながり、地域内で森林資源とお金の循環が始まる和歌山方式とも言うべき仕組みが構築され、このことによって地域経済の活性化につながるものと期待しております。
 また、海洋資源の活用については、開発可能性が期待されるメタンハイドレート濃集帯と呼ばれる地層が本県沖合でも確認されていることから、メタンハイドレート調査にも積極的に取り組んでまいります。
 平成25年度当初予算案には、表層型と言われるメタンハイドレートについて、枯木灘から熊野灘沖合にかけて賦存状況調査の経費を計上しております。この調査は県の漁業調査船に搭載している魚群探知機を活用して行うものですが、今後、その存在の兆候が確認された場合には、国や関係機関に本格的調査の実施を要望してまいります。
 このような新年度における取り組みを支えるため、産業技術政策課にエネルギー政策に特化した班を再編設置するなど、体制を強化し、各地域での新エネルギーなどへの取り組みと十分に連携しながら、新エネルギー創出に向けたあらゆる可能性に挑戦してまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、4点目、学校教育の問題について質問を行わさしていただきます。
 まず、この分野の1つ目ですが、さきに和歌山市内で開催されました陸奥宗光シンポジウム、これを聞かさせていただきました。その中で、紀州に人材あり、天下国家のことを考えるスケールの大きな人材を期待したいという趣旨の発言がありました。天下国家を論じられる人材育成を目指す一環として、県内の学生には「わかやま何でも帳」、これで陸奥宗光を初めとする和歌山の偉人の生き方を学んでいる、こういうふうにも伺いました。
 この何でも帳による学習も大事ですが、やはり、その人物が当時活躍していた舞台を実際に訪れる、そういったこともその人物の心意気などに触れる大切な学習機会になると思います。
 中学生ともなると、ふるさとを誇りに思う気持ち、歴史観も醸成してこようという大切な年代であります。陸奥宗光が輝いた外務大臣時代の現場を訪れることは、よりふるさとへの誇り、天下第一級の人物になろうという気持ちを芽生えさせてくれるものだというふうに思います。
 シンポジウムで岡崎久彦さんが「間違いなくナンバーワンの外務大臣だった」と語ったように、外務省にただ1人銅像が置かれているのが陸奥宗光であります。
 1つ目の質問、中学校の修学旅行コースに外務省を訪れるべきだというふうなことは以前から提言しているところでありますが、果たしてこれは実現できているのでしょうか、教育長からお答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員から御提言いただいておりました陸奥宗光像のある外務省への訪問を修学旅行に組み入れることにつきましては、和歌山を誇りに思う心を育むためにも有効であることから、市町村教育委員会にも紹介し、前向きな検討を依頼してきたところでございます。
 しかし、外務省の訪問に当たっては、受け入れ人数が50人以下であることや訪問時間の制約等もあり、現時点では実現するに至っておりません。今後、こうした体験学習の機会を積極的に修学旅行にも組み入れるよう、引き続き、市町村教育委員会に働きかけてまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今答弁いただきましたように、制約条件があるということですね。これは、かねてから、例えば制約条件があるんだったら、学校単位は無理でも班編成とかして目的を持って学ぶという、今そういった修学旅行のコースもやっている学校もあろうかと思いますんで、ぜひ、少人数ででも、そういった気持ちのある生徒を先生に引き連れていただいて伺ってはどうかなと思いますんで、よろしくお願いします。
 続きまして、この項目の2点目であります。
 和歌山県では、教育長、それから知事もそうですが、子供たちに向かって、いじめられているあなたの声を届けてください、こういうホームページで呼びかけをしているところであります。知事もこの問題に強く関心を持っている、かかわろうとしていることが、姿勢がわかる対応であります。
 平成24年9月から以前にも増していじめを許さない覚悟でこの問題に取り組んでいることは、心強く感じております。平成25年度も、いじめ対策を総合的に推進する、この計画が計画されているところでありまして、いじめ問題の未然防止、早期発見、早期対応を図る仕組み、これを強化していこうと、こういう仕組み、考え方があるように伺っております
 ところで、いじめの実態を把握するためのアンケートに基づいて、市町村教育委員会などの協力を得ながら県教育委員会、市町村教育委員会、知事部局が学校に出向いた上で直接学校でヒアリングを行い、現場の実態を確認、対応方法などを指導、助言することで、いじめを許さない学校づくり、これも推進していこうというふうに思っております。この対策によって早期発見や未然防止につなげられていると思いますか。
 平成23年度の公立学校におけるいじめの認知件数、これは97件だったと思います。また、平成24年4月から8月までの公立学校におけるいじめの認知件数、これは236件となっておりますが、それ以降の認知件数を加えた平成24年度の状況はどうなっていますか。あわせて教育長からお答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめの実態把握アンケートに基づくヒアリングを県立学校と市町村教育委員会を対象に実施し、いじめの認知や適切な対応、組織としての取り組みなどについて指導の徹底を図ったところでございます。これにより、従前に比べ教職員のいじめ問題への意識が高まり、早期発見や未然防止につながっているものと捉えております。
 9月以降のいじめの認知件数につきましては、各学校が個々の事案について精査し、3月分までの分をまとめて報告するよう求めているところですが、こうした取り組みから、いじめの認知件数はふえる傾向にあります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 本年度のいじめの件数が増加傾向にあるということのお答えをいただきまして、どの程度ふえているかというのはまだわからないので集約結果を待ちたいと思いますが、今まで気づかなかった事象や、あるいは取り上げてなかった、気づかなかったような出来事を、いじめが潜んでいるかもしれない、こういう認識で捉えての件数増であれば、これは悪くはないのかなというふうに思っています。
 労働災害における経験則であるハインリッヒの法則と同一視できるかどうかわかりませんが、1つの重大災害が発生する陰には29の軽微な事故があり、その29の背景には300の異常が存在すると、この法則に類似しているような気もします。少しの異常も見逃さない、早期に対応する、このことが重大な事故を防ぐことになるのと同様に、小さな異常を見逃さない取り組みを強化してほしいと思います。
 次に移ります。
 いじめ対応マニュアルが整備され、活用されていると思います。いじめを認知した際、学校の管理職は所管の教育委員会に第1報を入れることになっています。教育委員会の指導のもと、学校は体制を整え迅速かつ的確に対応すること、そして、市町村教育委員会は県教育委員会と情報を共有し、県教育委員会は必要に応じて学校の支援に当たる、このようにマニュアルはなっていようかと思います。
 このように、情報共有と支援体制を整えることで迅速な対応をとること、これを定められているマニュアルでありますが、平成24年11月、このマニュアルが完成し運用が始まっているわけですが、それ以降、いじめ問題があると認識した場合に、この仕組みに基づいて迅速かつ的確に対応できているのでしょうか、教育長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめ問題対応マニュアルを県内全ての教職員に配付し、これを用いた校内研修の徹底や、マニュアルに基づく適切な対応を求めてきました。この結果、各学校は、子供の悩みや苦しみを見逃さないように誠意を持って向き合い、今まで以上に迅速かつ適切に対応されてきていると認識しております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 問題対処の方法、これを標準化することはよいことだと思います。ただ、いじめの問題にかかわらず、人の内心の変化の問題、これは標準化できないところもあろうかと思いますし、いじめの問題に心から向かい合うことなど、個人の資質にかかわるところもあろうかと思いますので、これが万能というわけではないとは思います。形としてあらわれている事象に対しては対応できるかもわかりませんが、精神的苦痛、助けを求める声にならない声、こういったものを発見し早期に対応するためには、経験値、気づく力、先生同士の連携、学校全体でいじめは許さない、そういった空気をつくることなど、学校現場の力、教育現場の力が非常に重要になろうかと思います。
 昨年12月にこのいじめ問題対応マニュアルに基づいた研修を実施しているようですが、この後触れさせていただきますが、同じ12月に事故が発生していることも事実ですから、ここに問題はなかったのか、改めて協議してほしいと思います。
 さて、いじめが一因だと思われるかもしれない自殺未遂が県内の公立中学校で発生しました。
 平成24年12月15日の午後、中学1年生の男子生徒が自宅で自殺を図った事故が発生しました。御家族の1人が発見をしたことから命はとりとめましたが、いまだ入院中、こういった状態が続いております。御家族の無念と悲しみを思うと言葉がありません。
 市教育委員会の説明資料によると、いじめがあったが、現時点で事故に直接つながる要因は見つけられていない、このように報告されております。御家族の見解と市教育委員会との間では、このいじめによる因果関係の認識について大きな隔たりがあるように思います。
 御家族によりますと、平成24年7月、いじめがあることを子供から聞き、我が子がいじめに遭っていることを認識した御家族が学校に相談に伺ったと聞きました。そして、生徒、御家族が学校に赴き、3者面談を行ったと聞いております。
 このときの学校にお願いした内容は、大津のことがあったので心配して強く相談をお願いした、こういう記録もいただいておりますが、克明に御家族の方が記録をしておりまして、こういったものをちょっといただいております。(資料を示す)
 事故が発生したのは同年12月ですから、相談から事故発生までの間、相当の期間があいているようです。これがその7月当時、単なるからかいとか、そんな簡単ないじめの問題という意識ではなくて、もっと感受性を上げて早期対応していればというふうにも思われますが、結果から見ると、いじめへの対応時期、認識の差、こういったところに問題がなかったのかなと感じるところがあります。生徒からいじめを受けているSOSが発せられていたのに、どうして未然防止に向けて適切な取り組みができなかったのか、残念に思います。
 いじめの早期発見は、生徒、それから御家族からの申し出によって把握できていたはずですが、痛ましい事故に至ったのは、初期対応、方法、こういったことに問題はなかったのかどうか、これは検証していただきたいというふうに思います。
 この生徒の御家族は真相解明を求めておりまして、2月26日、同じく市教育委員会から報告書が上がっておりますが、この内容には強い不信感を持っていて、この報告内容には納得できない、こういう気持ちを持っております。
 この事故の経緯と対応に至る問題点などについてお聞かせいただきたいと思いますし、加えて真相究明が重要だと思いますが、県教育委員会としてどのように究明にかかわっていくのですか、教育長、お答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県内の中学校で発生した自殺未遂事故の経緯と真相究明についてでございますけれども、このたび、子供がみずからの命を絶とうとした事故が発生したことは、まことに残念であり、生徒の一刻も早い回復を心から願っているところでございます。
 こうした事案では、子供のサインを見逃さないように、組織的な対応と発生後の迅速かつ的確な対応が極めて重要であります。この生徒が通学している学校では、4月から事故発生までに、いじめの実態がないか、迷惑調査と2者面談をそれぞれ4回実施するとともに、1学期、2学期末には振り返りの作文などで子供の状況を把握するなど、丁寧な対応に努めてきました。
 10月には生徒本人から担任にいじめについての相談があり、担任を初め学年所属の教員やクラブ顧問が組織的に対応し、解決に向けて取り組みをしました。
 また、事故発生後についても、田辺市教育委員会の指導のもと、それまでに実施してきた迷惑調査や面談等の内容を丁寧に再確認するとともに、2月13日には全生徒を対象にアンケート調査を実施し、その内容についても詳しく検証してきたと報告を受けております。
 県教育委員会としましては、田辺市教育委員会との連携を密にしながら、既に職員を派遣しているところであり、今後も真相究明に向け全面的に協力してまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 市教育委員会の報告書と、それから御家族が話している内容、御家族の記者会見をたしかしたはずなんですが、かなり、それぞれの事実に関する認識に隔たりがあるように感じております。そのため、第三者委員会を設置して調査といじめの事故の因果関係などについて究明する必要があろうかと思いますが、第三者委員会の設置の考えがあるでしょうか、教育長、お答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 第三者委員会設置についてでございますが、田辺市教育委員会からは、真相に向け、第三者委員会の設置を検討していると伺っております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 1人の人が自殺を図ろうとするのは、よほど追い込まれていたか悩みに押し潰されそうになった、抱え切れなくなった、そういった何か原因があるはずです。報告されているような理由で死を選ぶということは到底考えにくいような気がいたします。第三者委員会を設置して真相究明に向かうことを県教育委員会がぜひ求めてほしい。そして、早急な設置とともに人選面でも最大限のかかわり、支援をしてほしいというふうに思います。
 ところで、2月25日、中学校内で実施された保護者説明会、翌2月26日に行われた教育委員会の記者発表に関して、生徒の御両親に対して連絡はありませんでした。そして、その報告書も報告内容も御両親に渡されていないことから、強い不信感を抱いているところであります。
 いじめに関する生徒のアンケート結果に関しては、保護者説明会の前に御両親は説明を受けているわけなんですが、記者発表の内容までは知らされていなかったと伺いました。なぜ報告内容を事前に御両親に説明しなかったのか。なぜ保護者説明会や記者発表の日程を知らせなかったのか。御両親は疎外されたような感じを受け、このような対応のまずさが学校あるいは教育への不信感を招いているように感じます。
 これらの学校側の対応についてどう感じますか。御家族の気持ちを鑑み、真摯な対応をすべきだと思いますが、教育長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今回の事故の学校側の対応についてお答えします。
 田辺市教育委員会は、2月13日に実施したアンケート調査の結果を2月20日に御家族へ報告した際、数日後に保護者会を開催することや記者会見を行うことについて御家族に説明を行いましたが、日時、場所等の詳細まで連絡はしていませんでした。今後とも、御家族に対し丁寧な対応に努めていくことが大切だというふうに考えてございます。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 連絡は、こんな繊細な問題ですからきっちりしてほしいと思いますし、例えばその後の対応についても、彼は中学1年の在校生です。学校からの連絡とか書類というんでしょうか、連絡物、そういったものが実は届けられなくて、言って初めてまとめて持ってきたというふうに、その後の対応にも少し問題があるような気がしております。ぜひ、この辺、関心を持ってかかわっていただきたいと思います。
 この生徒は中学の1年生であります。卒業まで2年間、中学校に在籍することになります。1人の在校生として学校はかかわっていくことになりますから、御両親が、あるいは御家族がこのまま不信感を持ったままでいることは許されないことだと思います。生徒に対して、御両親に対してこれからどのようにかかわっていく考えなのか、心ある対応方針について教育長、お答えいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 生徒、御両親にどうかかわっていくかという方針でございますが、学校は、在籍する生徒に対して責任を持って対応することは当然であり、御家族の不安や心配されることに丁寧に耳を傾けながら誠意を持って取り組んでいくことが大切だというふうに考えてございます。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 少し事例が今回のと違うのですが、先ほど大阪府立高校を卒業した、久保田鈴之介君という方がおります。この生徒、何をしたかと言いますと、院内高校という制度、これを大阪府に依頼して、国に働きかけて、病院にいながら授業を受けられる、そういうふうな制度をつくった小児がんと闘う高校生がおります。
 この高校生の呼びかけが契機となり、高校生が病院で、入院して授業を受けられない状況にある生徒に対して院内高校制度というのを創設して、ベッドの中でも授業を受けられる、教育が受けられる、こういう制度が実現しております。
 この久保田さん、平成25年1月、大学センター試験に挑戦しましたが、残念なことに18歳の人生の幕を閉じました。しかし、ことしの3月1日、久保田さんの家族に高校の卒業証書を授与され、見事に高校を卒業することができました。1人の学生に真剣に向かい合った府教育委員会の姿勢に感動する事例だというふうに思います。
 生徒にも家族にも教育が信頼される行動をとっている。この事故に関して、御家族の話し合いの中から、入院中の生徒のためにかなえてあげる何か方法があるような気がします。生徒1人1人の思いに応えられる公教育であってほしいというふうな思いから、次の質問です。
 今回のような重大な、例えば命にかかわるような問題はほかに発生していませんか。今回の事故は、事故が発生してから発表するまで時間が経過しているようにも思います。水面下に深刻な問題があるようであれば、早期に関係者でいじめに遭っている生徒を救う対策が必要です。生徒がみずから命を絶とうとする行為は、絶対にあってはならないことです。再発防止策の考えについて、教育長からお答えください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 再発防止策についての見解でございますが、事故が発生してから発表がこの時期になったのは、当初、御両親はこの件について公にしてほしくない旨の意向を持っていたと聞いており、これに配慮しながら判断してきた結果であると受けとめております。田辺市教育委員会や学校が意図的に発表を控えていたわけではないと理解しております。
 現時点で把握している限りでは、他の学校においても意図的に隠している事案はないと考えています。
 いじめは、人権を侵害するばかりではなく、人間の尊厳にかかわる問題であり、絶対に許されない行為です。教職員は、日ごろからアンテナを高くして子供が発するサインをしっかりと受けとめ、丁寧に対応することが重要です。また、子供たちには、命の教育や道徳教育を通して、自他の命のとうとさや人を思いやる心をしっかり身につけられる教育を一層充実させていく必要があると考えております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 生徒が入院している病院で両親の方、御家族の方と話し合いをさせていただきました。残念なことですが、事故に遭った生徒は話すことができません。動くこともできません。しかし、耳は聞こえていると、このように伺いました。
 この生徒の前で今回の件について話し合いをしたわけですが、生徒の前で真実を話すのは当然のことであります。たくさんのことを聞かせていただきました。いじめに遭っていたその実態、ほかにもいじめと思われる問題が潜んでいること、調査説明資料で示されていないことがあること、御家族と向き合う学校の姿勢に関する疑問点、ここでは触れることは控えさせていただきますが、教育関係者の方々には御家族の意見をきっちりと聞く姿勢を求めたいと思います。
 今回の事故の保護者説明会の後、在校生の保護者の方からこの御家族の方に連絡が幾つかありました。どういう内容かといいますと、「いつ退院できるの」、「いつから学校に出てこれるの」、この御家族の置かれている事実を知らないで声をかけてきてくれたということです。
 こう捉えているのは全ての保護者ではないかもわかりませんが、説明会の受けとめ方として、もう解決した問題だと認識している、そう伝わっていることも事実だというふうに思います。一体どんな説明になっていたのでしょうか。このことに関しても御家族はとてもショックを受けております。
 命の大切さを感じる感度をもっと上げてほしいと思います。学校で、あってはならないことが現実に起きている、これは認識してほしいと思いますし、今回の事故についてもきっちりと調査をしてほしい、それが御家族の切なる願いです。
 最後に、知事にお伺いいたします。今回の問題に関してはどう捉えていますか。同じような出来事を再び繰り返さないための再発防止について見解をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 事が起こったときには、その事実と厳しく向き合い、どう取り組んでいくかということが大切であります。したがって、しっかりとそういう意味で、隠し立てなどしないで、ごまかさないで取り組むように、教育委員会には話をしてきたところであります。
 これまで私が調べた限りでは、大変な悲劇が起こって本当に遺憾に思いますけれども、田辺市教育委員会と学校は、隠したりかばい立てたりごまかそうとしたりするような不適切な対応は、どうもなかったように私は思います。
 ただ、お気の毒な家族への配慮もありますから、これからいろいろ第三者委員会などをつくって調べるようですが、真実と信じていることを法廷のように全て言い立てていいものでもありません。今後も、御家族と丁寧に向き合いながら誠実に対応を進めていってもらいたい、そんなふうに思っております。
 大事なことは、事件が起ころうと起こるまいと、いじめは絶対に許されることではないということであります。いじめに対しては、子供や保護者の訴えに敏感に反応し、迅速かつ的確に取り組むことが重要であります。そのためには、1人1人の教員に子供を守り抜くという姿勢を貫いてもらわなければならないと強く思っています。
 しかし、子供のことですから大変難しい面もあります。教師や学校管理職だけでは対応が困難なケースも起こり得ると思います。そのために、市町村教育委員会や県の教育委員会あるいは知事部局が一丸となって対応していくことが大切だと思います。そのため、知事メールなどのいわばネットワークも張って、訴えにはそのような意味で全力を挙げて対応しております。
 また、荒れた学校など教員の手に余るような場合は外部のスクールアドバイザーなども活用できるよう、その増員をする予算の手当てをしたところです。
 また、日常の教育活動の中で命の大切さや人を思いやる心、ひきょうなことを許さない正義感等をきっちりと身につけさせていくことが大切でありまして、各学校で道徳教育にしっかり取り組んでいってもらいたいと考えております。
○議長(山下直也君) 所定の時間が参りましたので、以上で片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時54分休憩
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