平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


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正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い質問させていただきますが、その前に一言申し上げます。
 それは、昨年12月16日に執行されました第46回衆議院議員選挙において、県議会の先輩・同僚の皆さんも、それぞれの党派または立場によって御奮闘されたことを心より敬意を表する次第でございます。本当にお疲れさまでございました。(「よう頑張った、よう頑張った」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。
 私も、ただ1人の民主党所属の県議会議員として、また、民主党和歌山県連の幹事長として、党所属の3人の衆議院議員を支えるために、全力で選挙戦に臨む覚悟をしておりました。
 しかし、衆議院が解散した当日、11月16日に1人の代議士が突然、不出馬を表明し、また、3日後、11月19日には、県連代表である代議士が、突然の離党と他の政党から出馬するという表明をし、選挙どころか、私が中心となり、2人の選挙区での候補者探しまでしなければならないことになりました。
 人生には2つの坂があると。それは上り坂、下り坂。そして、もう1つ坂があるとすれば、それは「まさか」という坂であるということで、まさかの連続でありました。
 しかも、民主党劣勢が伝えられる中で、おまけに公示日まで日数も限られ、候補者選びではなかなか思うとおりにはいきませんでしたが、それでも、残り2つの選挙区のうち1選挙区から何とか新人を党公認で出馬させることができ、民主党を支持してくださる皆さんに対して、全てとは言いませんが、少しは責任を果たせたのではないかなと思います。
 そして、私自身、何としても候補者のいる2つの選挙区から1つを死守しなければいけないと思い、1区の岸本周平候補の応援に全力を集中した次第でございますが、私以上に岸本代議士と関係の深い長坂県議、藤本県議、片桐県議の力強い御支援をいただき、何とか、僅差ではありますが、議席を守ることができました。
 なぜ私はこの場でこのようなことを申し上げるかと言いますと、昨年の2月議会において、3人の衆議院議員の和歌山県に対する実績を、知事の評価は別といたしまして、私自身この場で強調させていただいただけに、結果としてたとえ負けていたとしても、堂々と当時政権与党であります民主党の代議士として県民の審判を仰いでもらいたかったし、それができなかったことが大変心苦しく、県民の皆様に深くおわびを申し上げなければならないと思ったからであります。どうもすみませんでした。
 それでは、本題の質問をさせていただきますが、まず、お手元に配付しております人口ピラミッドということについてであります。
 和歌山県の人口減少と少子高齢化問題、人口激減・超少子高齢社会問題とはっきり言ったほうがいいかもしれませんが、そのことにつきましては、私が平成15年に初当選して以来、前知事のときに本会議と予算特別委員会で計4回、また、仁坂知事にかわられてからも同じく計2回、合計6回質問させていただいております。しかし、抜本的な対応策というのが見当たりませんし、また、これは構造的な問題でもありますので、一朝一夕にいかないことは私自身よくわかっております。
 しかしながら、これは和歌山県にとって大変な問題ですので、今回は、過去と現在、さらに将来についてわかりやすく理解していただくために、2005年(平成17年)の国勢調査をベースにした5歳の年齢層別の人口構成を色分けさせていただきました。
 ちなみに、直近の2010年(平成22年)の国勢調査の実数についてはこの月末に出るということですので、2005年を基本とさせていただきました。
 また、これから25年後であります2035年(平成47年)の将来推計人口につきましては、右下に書いてあるとおり、国立社会保障・人口問題研究所のものであります。
 さて、ごらんのとおり、紺ラインの1975年(昭和50年)はいわゆるピラミッド型で、ただ、25歳から29歳の部分が男女とも突出をしておりますが、これは、昭和22年から24年生まれの第1次ベビーブームのいわゆる団塊の世代を含む人たちであります。そして、その世代の子供たちが昭和46年から49年生まれの第2次ベビーブーム、つまり団塊ジュニアの世代を含むゼロ歳から4歳ということになります。
 そして、2005年(平成17年)の緑のラインを見ていただくとわかるとおり、この時点で団塊の世代を含む人たちが55歳から59歳になり、団塊ジュニアの世代を含む人たちが30歳から34歳の突き出たラインになります。しかし、これは8年前のラインですので、現在では、団塊の世代は60歳を超え、普通は定年を迎えております。
 そして、22年後の2035年(平成47年)の赤いラインを見ていただければわかるとおり、完全にピラミッドは崩れ、逆ピラミッドといいますか、人間でいいますと逆三角形のボディーのようになったというふうに言えると思うんですけれども、それだけ高齢者、しかも75歳以上のいわゆる後期高齢者が大幅にふえ、子供や若者たちが極端に少なくなっていることは一目瞭然であります。
 和歌山県の高齢化率は、平成23年、27.5%で全国で6位ですが、平成47年では38.6%で、秋田県に次いで全国2位になると言われております。しかし、22年後といっても、遠い将来の話ではなく、皆さんも自分自身の人生を振り返っていただければわかるとおり、22年前というのはつい昨日のことのようであります。しかも、よく言われているとおり、どうも年齢が上がれば上がるほど時間のたつのが早く感じるのは、私1人ではないと思います。これは、決して私の個人的な感想を述べているのではなく、それだけ残された時間がないということであります。
 そして、今回、議場にいらっしゃる先輩・同僚の議員の皆さんにも我がこととして感じていただけるように、右に県議会の選挙区ごとの推計人口データを、2005年を100として、老齢(高齢)人口、生産年齢人口、年少人口とそれぞれ区分した数値を出しました。
 そこでまず驚いたのは、老齢人口は、全体的にふえはするものの、全体人口が2005年に比べて28.8%減少するので、──これは現在100万を切ったと言われておりますけれども──大体73~74万になると言われておりますので──これも秋田県に次いで人口減少率が全国で2番目だそうですが──高齢化率が先ほども言ったとおり大きくはね上がりますが、高齢者の人口がそれほど大きく増加するものではないということであります。これは、伊都郡選挙区や東牟婁郡選挙区では、逆に高齢者、老齢人口そのものが減少に転じています。しかし、岩出市選挙区のように2倍以上に増加するところもあります。山本議員、よろしいでしょうか。
 大変驚いたのは、年少人口については県全体では半分以下になり、伊都郡選挙区や東牟婁郡選挙区では3分の1近くまで減少するということであります。
 しかしながら、もっと驚くべきことは、県全体で生産年齢人口が4割以上減少してしまうということであります。
 皆さんもお読みになった方、多いと思うんですが、「デフレの正体」の著者である日本総合研究所の藻谷浩介氏の言葉に、「経済を動かしているのは、景気の波ではなくて人口の波、つまり生産年齢人口=現役世代の数の増減だ」という言葉をまつまでもなく、22年後が推計どおり生産年齢人口が4割以上も減少してしまうと、和歌山県全体の景気はよくなる道理はないと私は率直に感じております。
 そこで、仁坂知事、この人口ピラミッドを見て率直にどのように思われますか、御感想をお聞かせください。
 続けていきます。
 もちろん、仁坂知事は、初当選以来6年余り、全力を挙げて和歌山県の景気浮揚のため御尽力されていることは、県民の1人として私も十分承知をしております。
 また、子育て支援、雇用対策、高齢者福祉、地震・津波対策等々、県民が物心ともに豊かで安心して暮らしていけるように積極的な施策を実行されていると思いますが、もし推計人口どおりの人口構成になってしまったときどのような社会になるか、つまり2035年の和歌山県のイメージについて、やはり仁坂知事、お答えください。
 続けていきます。
 雇用の充実により、平成21年から人口の社会的減少が、それまでの年間4000~5000人が2000人まで減少したということもわかっておりますが、私が今回申し上げたいのは、超少子高齢社会の到来をどうやって食いとめるかというのではなく、このような社会が近い将来必ずやってくるという現実をしっかりと受けとめて、今からそれに備えた施策を講じていく必要があるということであります。私は、このような超少子高齢社会の到来は避けがたいものだと考えております。
 また、この問題は、決して楽観はできないことでありますけれども、しかし、必要以上に悲観することはないと私は思っております。
 一昨年の3月11日に東日本大震災が発生したことによって、それ以前より防災対策が本県でも飛躍的に前進をいたしました。それは、よい意味での危機感が行政にも県民にも生まれたからであります。
 この超少子高齢社会への対応についても、市町村や県民にもよい意味での危機感を持ってもらい、市町村や県民と一体となって超少子高齢社会に備えるための施策に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。それだけに、ここで県民の皆さんに、よい意味での危機感を持っていただけるような知事からの力強いメッセージを発信していただきたいと思いますので、その思いをぜひお訴えください。
 以上3点、よろしくお願いいたします。
○議長(山下直也君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 将来の人口ピラミッドについての3点の御質問について、一括してお答えさせていただきます。
 まず、感想ということでございますが、人口減少と高齢化の進展は全国共通の課題でありますが、和歌山県は、全国よりも発展がちょいと鈍かったものですから、その高齢化が全国に先行する形で進行しておって、ということが議員の配付資料を見ても明らかだと思います。
 特に、2005年と2035年を比較いたしますと、団塊ジュニアのところの2005年における減り方というのが団塊世代の減り方よりも激しく出ているわけです。というようなこともあり、和歌山県から多くの人口がむしろよそへ行ってしまったというところがこの図でも出ていると思います。
 2035年どうなるかという点については、議員御指摘のように、過去の趨勢をそのまま伸ばすと、和歌山というのは割合人口が多かった、相対的に今よりも多かったところから、相対的に、より全国に比べて減ってしまったようなところなもんですから、したがって秋田県に次ぐというような結果が当然数学的には出るんですけれども、現在の状況はちょっと違ってきておりますし、それから、将来はこれから我々がどういうふうにしてこの和歌山県を盛り立てていくかということによって変わってくることだと思います。
 ただ、順番とかそういうのは別にいたしますと、趨勢としては、日本全体と同じように、和歌山県もやはり高齢化は覚悟しておかないといけないということは、議員御指摘のとおりだと考えております。
 そうなりますと、働く世代の減少と高齢化の増加が、産業の衰退やコミュニティーの崩壊とか、あるいは地域の担い手減少による伝統文化の喪失とか社会保障制度の維持が困難になるとか、さまざまな問題が出てくるわけでございまして、これは大変な問題でございます。
 藻谷浩介さんの話は、実は成長論と、それから景気循環論を混同しているようなところがあるんです。ですから、デフレの正体というのを成長論で議論するというのはちょっとおかしいんですけども、アバウトに考えると、そういう点で警鐘を鳴らしていると考えればよろしいかと思います。
 このような状況を県民の方はどう考えているかということを考えますと、私は、賢い県民はよくわかっておられるけれども、しかし、逆にそれによって落胆をしたり、あるいは勇気を失っていないか、そういうところのほうが問題ではないかというふうに思います。したがって、県といたしましては、このような現実を受けとめるだけじゃなくて、敢然と対策を講じていかなければなりません。
 人口の減少や構成については、政策あるいは県民の頑張りによって、ある程度改善することが可能であります。このような人口減少、人口ピラミッドの変化に関して、その影響を、あるにしても最小限に抑えるために、あらゆる政策を県の長期総合計画に盛り込み、具体的に毎年毎年取り組みを進めているところであります。
 生産年齢人口をふやすためには、具体的には働く場がないといけません。そこで、企業誘致とか産業振興あるいは移住交流の推進など、さまざまな政策を展開することで働く世代をできるだけふやすように取り組むとともに、もう1つは子育て世帯の経済的負担の軽減とか、あるいは子育てと仕事の両立支援とか、あるいは今議会で提案しております婚活とか、そういう子供をふやすための施策も一生懸命取り組まないといけないと思っております。
 2035年ぐらいどうかという点については、既に申し述べたように、趨勢としてはやっぱりこのグラフにあるような形になっていくだろうけれども、現実には正確にそうなるというのは、これは数学の問題ですから、現実はそうならないようにしたいということだと思っております。
 と同時に、趨勢がそうなるとすれば、高齢者が地域で自立した生活を送ることができるように、介護予防とか、あるいは地域で支え合う体制づくりとか、あるいは地域医療の充実とか正しい生活習慣の推進などにも力を注いでいきたいと考えております。また、スポーツとか文化の振興など、高齢者の楽しみもふやしていかないといけないということでございます。
 メッセージとしては、人口減少もできるだけ食いとめ、高齢者生活も楽しく暮らせるように、県としてはそういう政策を一生懸命続けてまいりますので、県民の皆様も、希望を持って大いにそういうものに参加してほしいというふうに考えております。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうも御答弁ありがとうございます。
 知事の今のお話をずっとお聞きしていて、経済的な側面で和歌山県を何とかしなきゃいけないということを私も非常によく感じておりますが、後ほど述べますが、今回の趣旨は、もちろん経済のこともあるんですが、和歌山県の県民の元気ということについて若干テーマを絞らせていただきますので、ちょっとその辺も踏まえていただいて、今後ともに、これ、いずれにしろ和歌山県が元気をなくしてしまったら我々は責任を果たすことができませんので、その点よく御理解いただきたいと存じます。
 それでは、次の質問に移らせていただきますが、昨年の9月議会で質問いたしました健康長寿日本一わかやまということについてであります。
 これは、突然なんですが、ここに、この3月3日に、皆さんもごらんになったと思うんですけれども、「長野、男女とも長寿日本一」という記事が載っております。これ、各新聞ちょっと切り抜いてきたんですが、それは皆さんごらんになっていると思ってあえて資料提出しませんでしたが、長野県が男女とも日本一になったということと、そこに、──これは健康長寿と少し違います。平均寿命なんですけれども──和歌山県が、前回が男性が41位だったのが少し上がって37位、そして、前回も取り上げましたけども、特に女性が41位からさらに下がって45位になったという記事が載っておりました。私も非常に驚いたんですが、このことを踏まえてこれから質問に移らせていただきます。
 先ほどからしつこいほど言っております人口減少と少子高齢化が急速に進みつつある和歌山県において、もしそのようになったとしても、和歌山県は元気を保つにはどうしたらいいか。明確な答えはないかもしれませんが、和歌山県民そのものが元気であれば、少しは県全体の元気を保つことができるのではないかと私は思います。
 しかし、御案内のとおり、2020年の65歳以上の高齢者の介護認定率が和歌山県では全国で3番目に高いということであります。もちろん、介護を受けるのを悪いと言っているのではありません。今まで以上のスピードで人口減少と高齢化が進んでいく中で、介護のお世話になる方が急激な右肩上がりでふえていけばますます県そのものの力が衰えていくことは、私は火を見るより明らかだと思います。
 だからどうすればよいのか。答えは、簡単ではありませんが、平成20年4月作成の和歌山県長期総合計画の65ページと66ページに書いております。健康づくりの推進の項で、健康長寿日本一わかやまを本気で目指すことではないかと私は思います。
 しかし、ここに書かれていながら、5年がたとうとしているのに余りその成果が感じられていない。これは先ほど言いましたけれども、平均寿命ですけど、逆に全体的に全国と比べて落ちているということでありますが、私は、このことを県民の皆さんに直接お訴えしようとしまして、実は新しい名刺をつくりました。これは拡大版でありますが、(資料を示す)そこに書かれている文言は「和歌山を『本気』で元気に!」。これは皆さんも書かれている月並みなものだと思うんですが、しかし、本気なんですね。本気です。
 次に──次が問題なんです。健康長寿日本一わかやま宣言というのを、私、勝手に宣言をさせていただきました。長計から拝借したわけなんですけども、このスローガンを持って、この名刺をいろんな方に配りますと、必ずと言っていいぐらいこういう答えが返ってくるんですね。「えっ、和歌山県って健康長寿日本一なん」という問いが来るんですね。
 私、そこですかさず「違う違う。日本一どころか、びりから数えたほうがずっと早い短命で、おまけに介護期間も他府県に比べたらごっつい長い県なんやで」と言うと、やはり「やっぱり」とか「介護の世話になっている人多いし、仕事も介護関係の人が非常に多いもんな」という同じような答えが返ってきて、県民の皆さんも薄々このことを感じられているんだなといつも思う次第であります。
 そこでまた、すかさず、「だから日本一を目指すんですよ、だから日本一を目指すんですよ」と強調することにしておりますけれども、この健康長寿日本一わかやまの実現について、前回は知事にお聞きをいたしましたが、今回は、福祉保健部長、本気で取り組む意欲があるのかどうか、お聞かせください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 県では、健康長寿日本一わかやまの実現を目指し、運動習慣の普及や生活習慣病の予防、がん等の疾病対策について、県民参加型の健康づくりに取り組んでいます。
 来年度につきましては、がん検診対象者への受診勧奨の徹底による受診率向上対策や、運動習慣の定着を促進するためのリレーウオークの市町村単位での実施等の取り組みを重点的に行ってまいります。
 また、これまで実施してきた健康長寿のための地域・職域連携事業についても、より幅広く実行力のある組織、活動とすることにより、県民の生涯を通じた健康づくりを強い意志を持って推進してまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 山本部長、ありがとうございました。本気度がひしひしと伝わってくる答弁だと思います。
 因果関係ははっきりいたしませんけれども、恐らく、和歌山県民が体力的に少し劣る原因の1つは、やはり運動不足にあると私は思います。実際に私自身、以前、ウオーキングカウンターをつけて半年ほど自分なりに測定したことがありまして、健康のためには厚労省等では1日8000歩ないし1万歩ぐらい歩くことを勧めておりますけれども、和歌山で日常の生活において大体4000歩から5000歩ぐらいですね。よく歩いても6000歩、7000歩というぐらいで、意識的にこうやって歩かないと1万歩までなかなかいくことはありませんでした。
 ところが、東京や大阪に行くと、放っておいても1日大体1万歩から1万2000歩ぐらいは常に歩いております。もちろん、これは私自身の経験で、皆さんに当てはまらないかもしれませんが、しかしながら、どこへ行くのにも車、車というのが和歌山の特性ではないかな、そのように思います。
 そして、まだ今はいいんですが、65歳を過ぎてますます体が衰えてきたときに、運動の必要性を感じてやろうとしても、なかなか続かないというようなこともよく耳にいたします。
 そのような中、平成17年より、県の長寿社会課と和歌山大学の本山教授と共同で開発されましたシニアエクササイズの実践は、大変すばらしいものだと9月議会でも評価をさせていただきました。
 そのとき、あわせて、和歌山県の小学生から高校生までの体力が、学年が上がるごとに全国平均より劣っているということを取り上げさせていただきました。
 私のこの質問だけではないでしょうけれども、早速、県の教育委員会健康体育課では、平成25年度の新規事業として和歌山オリジナル「紀州っ子かがやきエクササイズ・ダンス!」の開発を上げられています。これはいわゆるジュニアエクササイズだと思うんですが、しかも、目標は3年後に本県児童生徒の体力が全国平均を上回るという、大変すばらしい画期的な目標まで掲げられております。
 そこで、今まだその必要性を本当に感じていないかもしれませんけれども、体力の衰えを徐々に感じ始める40歳ぐらいからのエクササイズ、つまり、あえて言いますとミドルエクササイズというものを、生涯教育の観点からつくり、運動を習慣化し、元気な高齢期を迎えることができるように考えてはどうかと私は思うのですが、教育長、いかがでしょうか、御答弁をお願いいたします。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高齢期の健康増進につながるための中高年層の健康づくりに関してお答えいたします。
 平成23年度に実施しました和歌山県民のスポーツ生活に関するアンケート調査によりますと、成人の週1回以上のスポーツ実施率は、40歳代が最も低く37.7%、続いて30歳代が39.5%、50歳代が41.9%となっており、いわゆる働き世代のスポーツ実施率が低いという結果となっております。
 こうした働き世代の健康づくりに関しましては、ワーク・ライフ・バランスとの関係もございますが、まずはみずからが健康の必要性、重要性を認識し、また、仕事の合間や休憩時間など、みずからが時間を見出し、意識的に体を動かす習慣づくりが重要であると考えてございます。
 そうした意味から、議員御指摘のとおり、新たにミドルエクササイズをつくることも一考ですが、ウオーキングやジョギングを初め、誰もが経験したことがあり、また、最近その効果が見直され、ブームにもなってきているラジオ体操などが、手軽にできるエクササイズとして有効だと考えております。
 県教育委員会といたしましては、各市町村のスポーツ推進委員等の協力を得るとともに、総合型地域スポーツクラブや職域団体等にも働きかけながら、県民全体の健康増進に努めてまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 西下教育長、ありがとうございました。
 ラジオ体操という固有名詞を出していただいて、大変うれしく思っております。
 実は、ここに大人のラジオ体操という本がございます。(資料を示す)「実はスゴイ!大人のラジオ体操」と、ちょっと意味深の言葉がありますが、非常にこれ、真面目な本で、要は中村格子さんという、これは整形外科医でスポーツドクターでもある方がお書きになった本なんですけれども、少しこれを紹介させていただきますと、最初に、私もこれ実は知らなかったんですけども、ラジオ体操というのは計算し尽くされた究極の運動だったということで、また、ラジオ体操の魅力とは、効率よく全身運動ができる、有酸素運動と無酸素運動が同時にできる、時間当たりのカロリー消費量が多い、3分10数秒でできる、誰もが一度はやったことがあるからすぐにできる、けがをしないなどなど、すばらしい体操であるというのが書かれております。
 しかし、幾らいい体操であっても実践しなければ宝の持ち腐れで、しかも、これだけ和歌山県民が、他府県に比べてですが、寿命が短く体力的に劣っているということがわかってきた中で、ぜひ、これを機会に、西下教育長が先頭に立って県民の皆さんをリードしていただくことを心より望む次第であります。
 次に移らせていただきます。
 次に、昨年10月、私が委員長を務めさせていただいております福祉環境委員会の県内視察調査で、前回の質問に関連してフォルテワジマで定期的に行われているシニアエクササイズのグループ、はっぴー会を見学させていただきました。そして、我々議員も一緒になって体験をさせていただきました。
 その後、先ほどもお話しいたしました県外調査については、男女とも健康長寿で有名な、平均寿命も長い長野県に行き、農協が経営している佐久総合病院や長野県の健康保険組合の事務所にお邪魔して、住民の健康管理についていろいろ話を伺ってまいりました。
 その中で特に興味深かったのは、保健補導員制度ということで、長野県下で、約1万1000人のボランティアが1人平均して約70軒の自分の地元の住民宅を訪問し、健康管理を保健師とともに推進しているということでありました。わかりやすく言いますと、民生委員の保健版ということになると思います。
 私は、住民の健康保持のためには運動と栄養、そして定期的な健康診断ということが特に大事ではないかと以前より考えておりました。例えば、国保の特定健診受診率も、平成22年度で長野県は40.0%ですが、和歌山県は25.7%でしかありません。
 がんはもとより、生活習慣病などの病気の早期発見、早期治療の大切さは誰もが認めているところでありますが、和歌山県の実態はこのような状態ですので、それを少しでも高める日常活動や、また、運動や栄養についても適切にアドバイスしていくというこの保健補導員制度は、大変すばらしいもんだと改めて思った次第でございます。
 もちろん、決して同じものでなくとも、そのような役割の方をそれぞれの地域に配置して、健康長寿日本一わかやまへの道を本気で歩むにはそのことが必要ではないかと、私は確信を抱いた次第であります。
 そこで、福祉保健部長、健康補導員とまでいかなくとも、まずは健康サポーターでもいいのですが、このような制度をつくることについてお考えをお述べください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 長野県では、地域で保健事業活動を行う自主的な住民組織として、保健補導員の制度が数十年にわたる活動実績により地域に定着しており、住民に健康づくりを働きかけるための中心的な役割を果たしています。
 和歌山県においては、保健所が中心となって地域・職域連携推進協議会を立ち上げ、本県における健康課題について、それぞれの地域の特性に応じた健康づくり事業を実施してきたところです。
 今後、各地域における健康づくりのリーダーの拡充と養成を通じ、地域・職域連携推進協議会をさらに実践的な活動ができるきめ細やかな組織に発展させ、長野県の保健補導員のような地域に密着した健康づくり活動を幅広く実行してまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、ありがとうございました。いろいろ福祉保健部も頑張られていることはよくわかるんですが、結果として、これ5年後同じようなのがまた出てきますから、長野県、健康寿命も、詳しくまた後ほど言いますけれども、出てくると思いますので、どうぞその点、十分御配慮いただきたいと思います。
 それから、次の質問に移らせていただきます。
 昨年の10月28日に、県が主催する「わかやま食と健康フェア2012」というイベントが和歌山市のパームシティであり、興味深くのぞいてみました。
 その中で特に目を引いたのは、公益財団法人わかやま産業振興財団の地域イノベーション戦略支援プログラム事業で、サブタイトルが「地域資源を活かした健康産業イノベーション」、さらに「県民健康力の向上と保健機能製品の世界展開」というブースで、これはここにパンフレットがございますが、(資料を示す)私、9月議会で健康長寿日本一わかやまの質問をした後だけに、担当の花王の執行役員をされていた花王のOBの中谷コーディネーターのお話をじっくりとお聞きして、さらに興味が湧いてきましたので、その後も何度かフォルテワジマにありますわかやま産業振興財団に中谷氏を訪ね、意見交換をさせていただきました。
 これは、県民の健康力を増進させるということだけではなく、それを産業化していくということでもあります。
 ところで、ちょっと話はそれますが、先ほどの健康長寿日本一わかやまということに関連しますが、静岡県のホームページでこのようなコピー、欄が出てまいりました。(資料を示す)それは、昨年7月に静岡県が健康寿命日本一になったということを川勝平太知事が大きくアピールしているんですね。
 そこに、知事いわくですよ、「山は富士 お茶と食材 日本一 いきいき長寿の ふじのくに!」とあります。まさに、食と健康ということ──地域イノベーションですね──についてもはっきりと述べられております。
 翻って、我が和歌山県を見ますと、「梅干しやミカンを食べているからこんなに元気です」とは、平均寿命や健康寿命の短さを知れば今のところ残念ながら言うことはできません。また、和歌山特産の梅やミカンや柿などの健康効果がここでたとえ証明されたとしても、もう1つ健康を支える大きな条件である運動について誰がどのような形で指導するのでしょうか。
 ここでは、この資料では元気社会推進リーダーの育成という項が挙げられておりまして、そこには健康マネジメントマスターやエキスパートインストラクターという横文字が並んでおりますが、具体的にどのような人材を育成していくのでしょうか。
 まず、この事業の概要と健康社会推進リーダーの育成について、商工観光労働部長、お答えください。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) まず初めに、事業の概要についてですが、今回の地域イノベーション戦略支援プログラムは、わかやま産業振興財団が実施主体となり、過去3年間の都市エリア事業において開発した梅酢ポリフェノールの製造法などの研究成果を生かし、今後5年間で地域特産果実の機能成分研究の取り組みと、食、運動、健康にかかわる人材育成プログラムの開発の取り組みの2本柱を推進することで、地域資源を活用した健康産業イノベーションと元気社会の創出を実現していくものです。
 第1の柱である地域特産果実の機能成分研究については、近畿大学や県立医科大学などの研究機関において、これまで解明が進んでいない胃腸の抗炎症に作用する梅酢ポリフェノールの機能性有効成分の効果、効能などを明らかにする研究に取り組んでいるところです。
 このような研究成果を生かした商品化への取り組みについては、現在、過去の都市エリア事業で得られた梅酢ポリフェノールの血圧降下作用などの研究成果を活用して、飲料などの商品化に取り組んでいるところです。
 また、今回の共同研究についても、梅酢ポリフェノールの機能性有効成分の効果、効能などが明らかになった段階で、その成果を活用した飲料、加工食品、サプリメントの商品化に向けて取り組んでまいります。
 第2の柱である食、運動、健康にかかわる人材育成プログラムの開発については、和歌山大学において開発した介護予防のための運動プログラムをもとに、体に有用と思われる食品の摂取と体力向上を組み合わせた実験に取り組んでいるところです。
 また、県立医科大学においては、高血圧抑制などの生活習慣病の予防について、体内からナトリウムを排出して血圧を下げるカリウムなどの食品成分を活用した、減塩を基本とした健康食メニュー考案に取り組んでいるところです。
 次に、元気社会推進リーダーの育成についてですが、先ほど第2の柱で申し上げたような和歌山大学と県立医科大学の取り組みを広く県民に普及させるためには、元気社会推進リーダーとして、生活習慣病予防の観点から、健康食を考案し利用促進する健康マネジメントマスターや、効果的に栄養を摂取するための運動方法を指導するエキスパートインストラクターの育成が必要であると考えております。
 具体的な制度設計につきましては、地域イノベーション戦略支援プログラムの実施主体であるわかやま産業振興財団の意見を踏まえ、県立医科大学などの研究機関との調整を十分に行いながら進めてまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 御答弁ありがとうございました。
 私も、そこへ行って初めてこの事業について知ったわけでございますが、これは文科省の補助事業なんですね。それで、県では担当しているのが商工観光労働部であるということで、また、先ほど来、ちょっと質問しておりますように、教育委員会も福祉保健部も関連していることでありますし、また、過去にいわゆる食物の効能といいますか効果というのは、もう農林水産部でもいろんな資料も出ております。
 それだけ、健康ということは、いわゆる行政の組織を横串を刺したような形でいろんなところが有機的に絡んでいかないと、それこそ健康長寿日本一というのは実現できないなと、そのように改めて感じた次第でございます。
 これから、年間1億円ずつ補助で、──いろいろまた県等もついて、──2億円ぐらいの事業で5年間続けられて10億円ぐらいかけられるということを聞いておりますので、ぜひとも、我々も注目していきたいと思いますが、どうぞ頑張ってください。応援させていただきます。ありがとうございました。
 改めて申し上げますけれども、平成20年4月の和歌山県長期総合計画で発表されている健康長寿日本一わかやまの実現ということについて、昨年9月議会で初めて質問する前から今回にかけて、今も言いましたようにいろんな部の方とお話をさせていただきましたが、特に、健康推進課の担当の方とも長時間にわたり議論をさせていただいております。
 その中で、それじゃ具体的に健康長寿日本一わかやまを実現するためにはどのような計画を持っているんだとお尋ねしたところ、ちょっと細かいですが、これ中に3枚入っておりますけれども、(資料を示す)このような3枚の健康長寿日本一わかやまを実現するについてペーパーが出てまいりました。
  そこでは、ちょっと簡単に御紹介させていただきますと、市町村や企業、学校、市民グループなどとの連携、地域に根差した生涯を通じた健康づくりの推進をすることによって、まさに目標とする健康長寿日本一わかやまを実現するんだと書かれておりますが、正直、これを一通りやったからといって、私は、これだけランキングが下がっている和歌山が本当に日本一を実現するとはとても思えません。
 この中で、3つの項目の最初に地域、職域、教育からのアプローチということがあり、二次保健医療圏地域・職域連携推進協議会の中で地域・職域リーダーの育成というのがございます。詳しくは、リーダー養成講習会、中央リーダー研修会、地域職域懇談会で健康推進のリーダーを育成していくということだそうです。
 これは、内容は少し違いますけれども、先ほどの地域イノベーションの中で健康社会推進リーダーと共通する部分が非常に多いと思いますし、また、そのスタンスは部によって違っても、共通の課題である健康長寿日本一わかやまの実現に向けて協働していかなければ、ともに作業を進めていかなければならないと思いますが、福祉保健部長、御答弁をお願いいたします。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 健康長寿日本一わかやま実現のためには、運動習慣の定着、生活習慣病の予防が重要であるため、県では、これまで、地域・職域連携推進協議会を中心に、地域における健康づくりの活動を実施してきています。
 地域イノベーション戦略支援プログラムで検討されている事業の中で食、運動、健康にかかわる人材育成プログラムの開発については、福祉保健部として、健康長寿日本一わかやまを実現する方策の1つとして制度設計に主体として取り組み、地域・職域連携推進協議会の活動に生かし、本県の健康づくりをより一層促進してまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 御答弁ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、最初にお示しをいたしました人口ピラミッドが示すとおり、我が和歌山県が、仁坂知事が新春の新聞インタビューで答えられているように、日本の中でも人口減少、超少子高齢化を初め課題先進県であるということでありますが、そういった中で、心身ともに元気な青少年から中高年、さらには高齢者をつくっていくことによって少しでも明るく生き生きとした和歌山県の未来をつくろうと、今回また健康長寿日本一わかやまについて質問させていただきました。
 今回の質問はこれで終わらせていただきますが、来るべき本格的な人口減少、超少子高齢社会に健全な危機意識を持って対処することは、大変重要なことだと私は思っております。それだけに、西下教育長のラジオ体操の実践という御発言を重く受けとめて──私はそのように捉えております──課題先進県である和歌山県に少しでも光が差すように、私も今後、注目をしてまいりたいと存じます。
 これからも、健康長寿日本一わかやまを目指し、知事を中心に和歌山県並びに和歌山県民の皆さん全員が立ち上がっていただけるよう、私も気合いを入れ直して頑張ってまいる所存でございますので、本気の取り組みに大いに期待しつつ、私の質問を終わらせていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。

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