平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(岸本 健議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 23番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 おはようございます。元気よく頑張っていきたいと思います。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従って一般質問を行います。
 和歌山県は、果樹王国と称することがあります。果樹王国とは、ほかからの称賛の意を込めて与えられた称号ではなく、特に果樹栽培の盛んな地域がみずからブランド力を高めて対外に発信するPR目的でそのように名乗っているのであります。
 とはいえ、和歌山県における最新の果樹産出額は平成23年で604億円となっており、これは青森県に次いで全国2位でありますが、和歌山の場合、ほぼ1年を通して何らかの果樹を生産していますので、果樹は本県農業産出額の6割を占めています。日本で最も農業における果樹比率が高い県の1つと言えます。
 品目ごとでは、ミカンやハッサク、柿、梅の生産量は日本一であり、スモモ、キウイフルーツ、イチジク、ビワ、ブドウなども盛んに栽培されており、新たな特産品となっています。
 また、北山村を中心に栽培されているジャバラは、生産量こそ圧倒的に少ないものの、花粉症などの症状改善に効果がある機能性成分を多く含んでおり、近年、全国的にも大きな注目を集めています。
 このように、今までも和歌山県は、果樹栽培に適した気候や園地条件を生かしながら、生産者を初めとした関係者の努力により、全国有数の果樹の産地としての地位を維持してきたわけでありますが、裏を返せば、果樹以外の品目の適地は限られているということであります。それだけに、これからも和歌山県は果樹振興に対して並々ならぬ取り組みを行っていかなければならないし、自他ともに果樹王国と認められるように努力をしていかねばなりません。
 県内果樹農業の課題については、鳥獣害対策、老木園の更新、後継者の確保、高齢農家への作業委託体制の整備、消費拡大など、さまざまな課題が山積しております。
 そこで、ミカン選果場における光センサー選果機の整備等の状況についてお尋ねをいたします。
 平成24年産ミカンについては、裏年で、生産量は前年に比べて約9割の16万トン、果実は小玉であったものの、酸はやや低目で食べやすい食味でありました。販売単価は、極わせで低迷し、11月からのわせ品種の出荷以降は持ち直したものの、キロ当たり204円と、再生産価格をやや下回ったと聞いております。
 こうした中、私は、全国みかん生産県議会議員対策協議会・浅井修一郎会長、尾崎要二顧問のもと、事務局長として、これまでも国に対して、選果場施設の経費削減や農家経営の安定を図るため、既存の共同選果機械施設の改修や光センサーの入れかえを進める強い農業づくり交付金など、果樹の生産、流通体制整備に必要な財源確保と補助金上限額の撤廃などを要望してまいりました。
 これまで、米等の戸別所得補償制度の実施に伴い、果樹の生産や競争力を高める予算が減少していましたが、昨年、総選挙において自公政権が誕生し、果樹に使える施設整備費は、平成24年度補正予算では275億円、平成25年度当初予算では306億円となり、両予算合わせた対前年度比は365%と大幅に増額されており、果樹生産県、果樹生産者の皆さんの要望が反映された内容となっております。
 和歌山県においては、光センサー選果機が登場して10年以上が経過し、各選果場で老朽化が課題となっています。和歌山県下の選果場ではこうした課題に対応できているのか、心配であります。
 そこで、和歌山県におけるミカンの光センサー選果機の整備や更新状況についてどうなっているのか、農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカンの光センサー選果機は、味を重視する消費者ニーズを受け、県内28選果場の約7割に当たる20選果場で整備されております。
 こうした選果機のうち、整備から10年以上経過したものを中心にこれまで順次更新を支援してまいりましたが、近年、選果機整備のための国庫補助事業の予算額が減少するとともに、補助金の上限額が1億円に設定されたことから産地からの要望に十分応えられず、県といたしましても国に対し必要な予算の確保をお願いしてきたところでございます。
 今般、全国みかん生産県議会議員対策協議会の皆さんを初め多くの関係者のお力添えをいただき、国の施設整備予算が24年度補正も含め前年比365%の581億円と大幅に増額されたことを大変うれしく、かつ心強く感じております。
 今後、こうした予算を活用し、光センサー選果機の整備・更新を計画的に進めてまいる所存でございます。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 整備状況について答弁をいただきましたが、光センサー選果機の導入や更新は、実際に農家所得の向上につなげていかないと産地にとって意味のあるものではありません。
 そこで、光センサー選果機を活用した価格向上への取り組みが重要となってくると考えますが、具体的にどのような取り組みがなされているのか、農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 光センサー選果機を活用した価格向上策については、品質のそろったものを出荷するだけでなく、各地域のJAにおいて独自の糖度基準を設けて個性化商品として販売に取り組んでおり、県下統一ブランドである味一みかんについては、平成24年産でキロ当たり356円と、県平均価格の約1.7倍で取引されております。
 また、選果データは、マルチ栽培導入など、生産対策のための技術指導に活用されております。
 今後も、光センサー選果機を活用し、品質の向上を有利な販売に結びつけて生産者の所得向上に努めてまいる所存でございます。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 光センサー選果機を有効活用した厳選出荷は、和歌山県産ミカンのブランド向上に大変重要であります。
 一方で、市場出荷できない格外品をどうするかまでトータルで考える必要があると思います。現在、ジュースなどの加工用原料果実はキロ当たり8円と安いと聞いています。厳選出荷の取り組みを徹底するためにも、加工用原料果実についても何らかの支援がないと生産者の理解が得られないというふうに考えております。今後、JAとも協議をして対応策を考えていただきたいと思います。
 次に、中晩柑オリジナル品種の育成についてお尋ねをいたします。
 和歌山県では、競争力強化のために、ミカンについては以前からオリジナル品種のシリーズ出荷を目指して、極わせの「YN26」や、なかて「きゅうき」などの産地化に取り組んでいると聞いておりますが、一方で、ミカン以外の中晩柑については、県オリジナル品種の育成や産地化について余り話を聞いたことがありません。
 ほかの県の例を挙げますと、愛媛県の農林水産研究所果樹研究センターで育成した「紅まどんな」は、1月17日付の「日本農業新聞」によれば──資料で配らしていただいております──ことしのその調査によりますと、果実の売れ筋ランキングで、かんきつ類では「せとか」に次いで5位となっております。贈答用としても、市場でも非常に好評と聞いています。
 今回の調査結果によると、味に加えて、手を汚さない、ごみが出にくい、食べやすい、手軽さのある果実の人気が高いと分析されております。
 また、「紅まどんな」は、愛媛県が育成した品種であるため、栽培が愛媛県に限定されているということであります。
 和歌山県でもこうした県独自の中晩柑品種の開発が必要と考えますが、県の試験研究の進捗状況とあわせて、県で育成された品種について、県外での栽培に制限をかけることについて県の方針を農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 議員お話しのとおり、和歌山県では、中晩柑品種について、現在のところ登録された品種はございませんが、産地にとって必要であることは十分認識しております。そのため、果樹試験場では、平成16年から中晩柑の品種開発に取り組み、食味に加え、むきやすさや食べやすさにも注目して選抜を行ってきた結果、例えば清見とポンカンを交配した有望系統を絞り込んでいるところであります。
 今後、これらの系統については、生育特性や現地適応性を調査した上で数年後に品種登録を行い、県内果樹農業の振興につなげたいと考えております。
 なお、県が育成した品種については、県と契約した種苗業者のみに苗木や穂木を配布するとともに、種苗の販売先については県内生産者に限ると制限を行っており、今後もその方針でございます。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 これは中晩柑や果樹に限りませんが、和歌山県は、果樹栽培に対しての品種改良、新ブランドの育成などに力を注いで果樹王国を支える基礎を築いていただきたいというふうに思います。
 品種の育成は長年にわたる研究課題で、そのため、品種育成は恒久的な予算と人員が必要かと考えます。こうした中で、長期的な予算確保のために、これまで県が育成した優良品種について、苗木などの販売量に応じて次世代の優良品種開発のための予算確保のためパテント料を上乗せするのも1つの案かと考えますが、県予算の仕組みとしてはできないのでしょうか。農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県オリジナル品種については、品種利用料を設定して試験場予算に計上しており、品種登録出願料など、品種開発に必要な経費の一部に充てております。
 品種開発は重要であると認識しており、十分な開発ができるよう、平成24年度から新政策として取り組んでいる農林水産業競争力アップ技術開発事業の予算増額を今議会にお願いしているところでございます。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 平成24年産のミカンの状況等を見ますと、全国的に極わせの量が多くて、価格も低迷しています。
 和歌山県は、長期総合計画の中で、「温州みかんでは中生種の新品種の育成により、極早生─早生─中生─晩生の和歌山オリジナル品種によるシリーズ出荷に努め、安定して供給できる産地づくりをめざします」とうたわれております。これについては着々と進んでいると思うのですが、今後ともオリジナル品種の育成並びに産地化に取り組んでいただきたいと思います。
 次に、特産果樹の振興についてお尋ねいたします。
 私の地元、紀の川市では、ミカン、柿、桃はもとより、全国市町村別生産額でイチジクは全国1位、キウイフルーツは4位であります。和歌山県でも、イチジク生産量は全国で2位、キウイフルーツは3位と、特産果樹についても全国有数の産地になっております。
 しかしながら、最近では、株枯れ病や根腐れ病など、産地の存続が危ぶまれる病気も徐々に広まっていると、私のところへ産地の方から声が届いております。
 こうした特産果樹の試験研究については、研究予算や研究員の人員も十分でない中、一生懸命現場対応をしていただいていると思いますが、現場の状況は待ったなしであります。すぐに集中的な対策を講じることが求められています。
 そこで、イチジク株枯れ病やキウイの根腐れ病に対する試験研究について、どこまで進んでいるのか、また対策のめどはどうなっているのでしょうか。農林水産部長にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) お話にございましたイチジク株枯れ病とキウイフルーツ根腐れ病は、主な原因が土の中にあり、薬剤での防除が困難な病害であります。県では、最新の病害対策情報を収集して現場へ提供するとともに、生産者及びJAと連携して現地試験に取り組んでいるところです。
 イチジクでは病害抵抗性の強い台木ネグローネ、キウイフルーツでは病害抵抗性台木として研究されているシマサルナシの現地試験を進め、防除効果の高い台木の選定を行ってまいります。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 今回はイチジクやキウイについて取り上げましたが、ほかにも全国有数の特産果樹が県内にはございます。ミカン、梅、柿、桃が重要な果樹であることはもちろんですが、それ以外の品目についても、産地を揺るがすような課題が発生した際には、迅速かつ柔軟な体制でしっかりと研究や対策を講じるようお願いをいたします。
 とにかく、求められているのは生産者の所得向上。そのために和歌山県は全力投球をするべきであります。そうすることが、ほかから認められる果樹王国和歌山と言えるのではないでしょうか。これからのさらなる取り組みに期待をいたします。
 次に、仮称・京奈和関空連絡道路についてお尋ねをいたします。
 平成20年5月8日、国土交通省より、関西国際空港・京奈和自動車道関連道路網調査の新着手について発表されています。
 和歌山県北部を横断する高規格幹線道路について、和歌山市から紀の川市を経由して橋本市に至る京奈和自動車道を現在鋭意整備中であります。
 しかしながら、和歌山県北部はもとより、五條市、御所市といった奈良県西部の活性化を図るためにも、この京奈和自動車道から関西国際空港へのアクセス性の強化を図ることが不可欠と考えられます。
 関西国際空港と京奈和自動車道とのアクセス道路については、現在、県道である泉佐野打田線、泉佐野岩出線、鍋谷峠道路等の整備を進めているとともに、紀泉連絡道路についても地域高規格道路の候補路線として調査を進めているところですが、こういった各種道路計画を踏まえつつ、体系的な道路整備を行っていくことが必要と考えられます。
 このため、関西国際空港と京奈和自動車道とのアクセス道路の強化に向け、和歌山県、大阪府等の関係機関の協力を得つつ、平成20年度より新たに調査を進めることとしました。
 調査において、関西国際空港連絡道路と京奈和自動車道打田インターチェンジとを結ぶ幹線道路を中心に検討を進めてまいりますという内容でありました。
 その後の関西国際空港・京奈和自動車道関連の道路網についての調査を見ますと、地域の特徴として、医療面では紀北地域──ここでは岩出、橋本の保健医療圏域──の10万人当たりの医師の数は、和歌山県平均よりも少なく、このエリアからの救急出動回数は年々増加をしています。
 また、紀北地域は、第3次救急医療施設から距離圏でおおむねカバーしていますが、時間圏でカバーできていない医療空白地が存在しております。紀北地域の消防署による第3次救急医療施設への搬送のほとんどは、和歌山市内の医療施設に集中しています。
 消防関係者へのヒアリングでは、距離は大阪府下の病院のほうが近いが、峠の線形が悪いため、患者への負担、医療行為の影響を考慮し、時間がかかっても線形のよい和歌山市内への病院へ搬送することが多いと言われています。
 次に、観光について、紀北地域は魅力的な観光資源が多数存在しています。代表的なものに高野山がありますが、高野山はミシュランで3つ星観光地として評価をされております。外国人観光客の伸び率は京都を上回っています。しかし、近畿の主な観光施設の中でも高野山への移動は比較的に時間を要しますし、主な交通手段が自動車ということであります。
 農業については、和歌山県全体の農業生産額が減少傾向にありますが、紀北地域は回復傾向であります。全国有数の果樹生産地でもあります。大阪府を中心に全国に発送され、近年では海外輸出も行われています。
 紀の川市にありますめっけもん広場の休日の客数の約5割は大阪府から来店され、かつらぎ町では、世界遺産と観光農園ツアー等により1年間の観光客が100万人を突破している年もあります。
 JAの関係者によると、生産物の付加価値を高めるためには、形、味など商品価値以外に鮮度を保持したまま消費地に届けることが重要であると、最短である府県間道路では、道路の幅員が狭くカーブが多いため、ほかの府県間道路を利用しているということであります。
 これらを考えますと、阪和自動車道を除くほかの府県間道路は、和泉山脈の存在により線形が悪く、交互通行不能区間が存在している状態でもあります。現在の状態で府県間道路への不満は、利用頻度が高いほど不満が高くなっているのが現状であります。
 次に、大阪府との府県間道路について、大阪府と隣接する京都府、兵庫県、奈良県、和歌山県とを比較してみました。
 まず、京都府は、高速道路で名神高速等3路線、それから国道で6路線、府道で15。兵庫県は、高速は、名神や阪神等、6つの路線があります。それから、国道で6、府道で11。次に、奈良県。高速道路は事業中のものも含めて4路線、国道が8、府道が8。和歌山県は、高速道路は阪和道が1つ、国道が3路線、県道が6路線となっております。
 これら県道以上をトータルで見ますと、府県間道路について、京都府は24路線、兵庫で23、奈良県で20、和歌山県で10となっております。
 例えばですけども、和歌山は和泉山脈、奈良は生駒山地がそびえていますが、高速道路が、4路線の奈良県に対して、和歌山県は阪和道のみであります。他府県と比べても、府県間道が少ないことと高速道路等の本数が和歌山県は異常に少ないということを感じます。半島であることもあるかもしれませんが、それならばなおさらのこと、この道は重要になってくると。高速道路にかわる道路があるべきではないかと思います。
 平成21年2月28日に、泉佐野市と紀の川市が一体となって推進すべく、現在の京奈和関空連絡道路促進協議会が設立されました。
 京奈和自動車道は、新名神高速道路、山陽自動車道、神戸淡路鳴門自動車道、紀淡連絡道路とともに、関西の外側を結んだ関西大環状道路を形成します。京奈和自動車道は、その中核的な役割を果たす道路であります。
 県内の京奈和自動車道の中間地点には、仮称・打田インターチェンジが位置しております。この京奈和自動車道打田インターから阪和自動車道上之郷インターを約9キロで結び、京奈和関空連絡道路が実現すれば、関西国際空港はもとより、阪和自動車道、阪神高速4号湾岸線への最短ルートとなります。例えば、連絡道を使いますと、紀の川市からわずか15分で関空へ到着すると推測されています。紀の川市はもちろん、高野・熊野の世界遺産へのより近いルートとして大いに注目されます。
 そして、その関西空港ですが、2007年8月には、4000メートル級複数の滑走路と完全24時間運用というグローバルスタンダードにかなった関空として新たな一歩を踏み出しました。
 また、2012年、新関西国際空港株式会社の運営となり、第2ターミナルの建設により、各地のLCCから就航要望を受けて国内線、国際線の発着回数は増加し、合計で117%と前年を上回り、開港以来3番目の水準となりました。また、第3ターミナルの建設もするように聞いております。
 現在、関空には、国内外合わせて約1600万人の流動があります。特に、外国人旅行客は開港来最高の約360万人を超えています。交通の便をよくしていくことで、県内の観光客のさらなる増加につながるのではないでしょうか。
 和歌山県にとって、関空は、大規模災害時、空港は要員や災害物資の輸送の拠点として大きな役割を果たします。生命線の1つとして関空と結ぶ連絡道をつないでおくことは、住民の安心につながります。また、柿、桃等、関空を利用した輸出も年々増加をしております。
 関空等への交通拠点へのアクセスの向上は、企業誘致、雇用拡大、農産物等の輸送時間の短縮、観光産業の発展、また経路選択、交通の分散化、災害、事故、工事等により一部不通区間が生じた場合に速やかな迂回が可能となりますし、災害に強い広域ネットワークの形成や防災・耐震対策など、災害リスクの低減等、国土強靭化につながるのではないでしょうか。
 しかし、紀北地域は、関空から距離が近いが、所要時間が長い地域であります。和歌山県が関空に非常に近い優位性を生かしていくためにも、充実した高速道路網と一体となった幹線道路網のさらなる整備が必要だと考えています。
 以前、関西国際空港に関する本を読んでいますと、和歌山県は扇風機の裏側になってしまうと言われたときがあったと書いてありました。関空を扇風機に例えて、和歌山県はその裏側だというのです。空港から人、物、金、情報は表側の大阪、神戸、京都方面へ流れていくということであります。もう、初めての言葉に大変ショックでありました。絶対にそんなことはないんやと、そういう思いにもなりました。
 この流れを和歌山に向けていくこと、風の流れをよくするためにも、京奈和関空連絡道路は絶対に必要であると思います。
 先日、公明党県本部代表の角田議員の御紹介で、直接太田国土交通大臣に京奈和関空連絡道路を国の直轄事業として位置づけていただけるように要望をさせていただきました。
 知事におかれましても、今後に向け、国の直轄事業としての事業採択により本事業を採択させるためには、周辺市町村の御賛同のもと、ぜひとも京奈和関空連絡道路促進期成同盟会へと発展いただけるよう、一日も早い本事業実現のために特段の御配慮と御支援を賜りますようにお願いをいたします。ぜひともこの計画を推進していただきたく、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 京奈和関空連絡道路は、関西国際空港と紀北地域や奈良県西部との連携を強化し、和歌山県だけではなくて、関西都市圏の活性化のため、また新政権が進める国土の強靭化を図る上でも大変有意義な構想であるというふうに思っております。
 これまで、議員初め関係国会議員、紀の川市長の働きかけ、それから我々もお願いをいたしまして、国土交通省において、京奈和自動車道整備に関する道路調査の一環として当該道路整備の必要性などの調査検討が進められております。
 県としては、今、差し当たっての喫緊の課題であります京奈和自動車道が完成いたしまして、その上で、条件が整えばこの構想を具体化できるよう、大阪府とも連携し、紀の川市や泉佐野市を中心とする地元の皆様方とともに広く必要性を訴えて、国や関係機関にその実現を働きかけていきたい、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 京奈和自動車道が完成し、その上で条件が整えばということですが、私は、それでは遅いと思うんです。
 完成すれば、恐らくかなりの交通量がふえると思いますし、渋滞等々、下手したら事故も多発するかわかりません。この辺は、以前にも言ったことがあるかわかりませんけども、広域農道、粉河加太線、24号、県道和歌山橋本線、これを1本の道でつないで打田インターチェンジに南北につながっていきます。そっから先が県道の泉佐野打田線であります。これらも本当に道の重なりが多いところで、とにかく一日も早く我々はこの道を完成させたいと。
 もちろん、京奈和自動車道を国体までにつなぐというのは、これはもう当然でありますけども、それと同時に、また並行してこの京奈和関空連絡道路についても取り組んでいかなければならない。その取り組みが早ければ早いほど地域の発展が必ず早くなるし、つながっていくものと考えております。
 地域の願いは、本当に一日も早い完成でありますし、それに向けての取り組みであります。決してこの道路は無駄な公共事業でもないし、本当に必要な道路であります。命の道であり、将来のチャンスの道であると思っております。
 知事におかれましても、これを何とか実現に向けて早期に取り組んでいただけますように御配慮と御支援をお願いいたしまして、私の一般質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で岸本健君の質問が終了いたしました。

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