平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成25年2月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。


平成25年2月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成25年3月1日(金曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第17号から議案第31号まで及び議案第62号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号まで(質疑)
 第3 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第17号から議案第31号まで及び議案第62号(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号まで(質疑)
 第3 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
12番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       藤本陽司
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      半田和雄
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     米田和一
 福祉保健部長     山本明史
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      雑賀忠仁
 教育委員会委員    山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    大桑いく嗣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷  巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第33号から議案第39号まで、議案第55号、議案第56号及び議案第58号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前10時1分休憩
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  午前10時59分再開
○議長(山下直也君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第1、補正予算等議案議案第17号から議案第31号まで及び議案第62号を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長の報告を求めます。
 福祉環境委員会委員長浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(浦口高典君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、2月22日、第2委員会室において開催し、環境生活部、福祉保健部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第29号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、環境生活部関係では、微小粒子状物質の監視体制について、人件費の補正について、福祉保健部関係では、老人福祉施設整備事業の主な減額内容について、こころの医療センターの入院患者の減少と給食調理業務の外部委託について、子育て支援特別対策の繰り越しによる影響についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 経済警察委員会委員長平木哲朗君。
  〔平木哲朗君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(平木哲朗君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託された案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月22日、第3委員会室において開催し、商工観光労働部・労働委員会、公安委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第19号、議案第22号、議案第27号、議案第30号、議案第31号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、商工観光労働部・労働委員会関係では、緊急雇用創出事業の取り組みについて、ジョブカフェの運営状況について、県内の新規高校卒業生の就職内定状況について、競輪事業の今後の方向性について、最近の労働争議、労働相談等の状況について、平成24年度における企業立地に係る奨励金の実績について、公安委員会関係では、御坊警察署庁舎新築に伴う浸水対策についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 農林水産委員会委員長山本茂博君。
  〔山本茂博君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(山本茂博君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 委員会は、2月22日、第4委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査した結果、議案第17号、議案第18号、議案第62号は、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、果樹立国わかやま活性化事業の事業内容及び予算計上について、国の緊急経済対策に基づく事業の明許繰越について、木の国森林づくり事業の概要について、県土防災対策治山事業の財源更正についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 建設委員会委員長岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(岸本 健君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案5件であります。
 委員会は、2月22日、第5委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第23号、議案第24号、議案第27号については全会一致をもって、議案第62号については賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る委員の質疑項目を申し上げますと、流域下水道事業特別会計の減額補正について、木造住宅耐震化促進事業の状況と今後の課題についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 文教委員会委員長藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(藤山将材君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案2件であります。
 委員会は、2月22日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号及び議案第20号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、理科教育設備整備費等補助についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 総務委員会委員長前芝雅嗣君。
  〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(前芝雅嗣君) 総務委員会における審査の経過並び結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案6件であります。
 委員会は、2月22日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第17号、議案第21号及び議案第25号から議案第28号までは、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、付託案件等に係る各委員の質疑項目を申し上げますと、企画部関係では、地域経済循環創造事業について、過疎集落再生・活性化支援事業について、移住起業者受入支援事業について、地籍調査について、文化・スポーツ振興助成について、人口減少地域等交通活性化・再生支援事業について、総務部関係では、国の経済対策活用による県負担額について、ふるさと和歌山応援寄附の状況について、ヘリポート整備支援(孤立集落対策)事業についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、常任委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 奥村規子君から反対討論の通告がありますので、許可いたします。
 38番奥村規子君。
  〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、日本共産党県議団を代表して、議案第22号、議案第29号、議案第62号に反対する立場から討論を行います。
 議案第29号は平成24年度和歌山県立こころの医療センター事業会計補正予算ですが、この中で債務負担行為として給食業務委託が追加されています。
 県立こころの医療センターは、本県の精神科医療の中核を担い、精神科救急医療や他病院では対応困難な患者の受け入れ、認知症の専門治療など、民間ではできない不採算部門も含めて担っていく役割を果たしています。
 ところが、全国的に公立病院改革ガイドラインという効率性の追求を最優先にした指針が押しつけられ、県立こころの医療センターにおいても経営効率化計画が立てられ、給食の民間委託もその一環として具体化されてきました。
 地域医療体制の充実確保のために県立病院の役割が一層重要となる中、効率性優先の計画そのものを見直すことが求められると考えます。
 病院における食事は医療の一環であり、患者1人1人の症状に合わせ、きめ細かな対応が行われているものです。民間委託により、安全性と質的な面が後退しかねないと危惧されます。
 こうした点から、給食民間委託の債務負担行為を含む議案に反対です。
 議案第22号は公営ギャンブルに反対の立場から、議案第62号は市町村負担の引き下げを求める立場から反対です。
 以上で、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第22号、議案第29号及び議案第62号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(山下直也君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第17号から議案第21号まで、議案第23号から議案第28号まで、議案第30号及び議案第31号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
  〔賛成者起立〕
○議長(山下直也君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時15分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○議長(山下直也君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第32号から議案第61号まで及び議案第63号から議案第72号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 34番大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 今議会、トップバッターをさせていただきますので、よろしくお願いいたします。
 議長のお許しを得ましたので、通告に従いまして一般質問をさしていただきます。
 昨年12月16日に施行されました衆議院議員総選挙は、我が自由民主党が政権への復帰をかけ、日本を取り戻す戦いでありましたが、国民の圧倒的な御支持をいただき、自由民主党単独でも絶対安定多数を大きく上回る294議席を獲得し、与党第一党へと返り咲きを果たすことができました。
 我が自由民主党和歌山県連も、擁立した3人の候補者を、県民の皆様の絶大な御支援のおかげで全員国政の場へ送ることができました。
 また、連立政権のパートナーでもあります公明党も31議席と躍進を果たし、自民・公明合わせて325議席となり、念願の政権奪還を果たすことができたわけであります。
 この結果は、空白の3年間と言われる民主党政権に対する国民の失望や怒りと、何とかして日本を立て直してほしいという自公連立政権に対する期待のあらわれと受けとめております。
 そして、年末には、安倍自民党総裁を総理大臣とする危機突破内閣が発足をいたしました。
 安倍総理は、総理就任の記者会見において、この政権に課せられた使命は、まず強い経済を取り戻すことと同時に経済の再生に全力で取り組むことを強調しています。
 経済の再生は待ったなしの課題であり、長引くデフレ状況のもとで苦しんでいる国民の願いであるだけに、経済の再生にかける総理の意気込みは並大抵のものでないことが、その後の政府の働きからも見てとれるわけであります。
 まず、政権発足後間もない1月8日に日本経済再生本部を立ち上げると、3日後の11日には緊急経済対策が取りまとめられ、この対策を受けて13兆円にも上る異例とも言える大規模な補正予算が編成されたのは、御承知のとおりであります。
 また、デフレ脱却と持続的な経済成長の実現に向けて政府と日銀が協調して取り組むことを盛り込んだ異例の共同声明が出され、政府として経済の再生に本腰を入れて取り組む姿勢がアベノミクスとして国内外に示されました。
 さらに、月末には、復興・防災対策、成長による富の創出、暮らしの安心・地域の活性化に重点を置いた新年度の予算の政府案が取りまとめられ、補正予算と合わせた15カ月予算で日本経済の再生を図っていく方向性が示されました。
 このように、政権交代が実現してからわずか1カ月の間に矢継ぎ早に経済の再生に向けた対策が講じられ、民主党政権下での円高・株安も払拭されつつあります。
 安倍政権の発足から2カ月が経過いたしましたが、新政権の的確な現状認識と迅速かつ適切な対応によって我が国の経済が再生の道を力強く歩み始めていることは明らかであります。
 今後は、この流れをより確かなものにするために、成長戦略を早急に策定して、必要な施策を着実に実行し、一日も早く日本の再生をなし遂げていく必要があると考えているところであります。
 そこで、1つ目の質問をいたします。
 このように国が打ち出した経済対策を実のあるものにするには、地方が迅速に対応し、みずから積極的に取り組んでこそ十分な効果が発揮できるものと考えます。
 さらに、本県に目を向ければ、紀伊半島大水害から復興、東海・東南海・南海3連動地震や南海トラフ巨大地震への備え、長年の悲願である高速道路の南伸の問題、2年後には国体の開催など、取り組むべき課題が山積をしております。
 この経済対策を上手に活用して事業を進めることが極めて有効であり、絶好の機会でないかと考えますが、本県予算においてどのように対応されたのか、知事にお伺いをいたします。
 経済の問題についてはグローバルな視点で捉えなければならず、県だけでは解決が難しいことは十分承知をしておりますが、デフレ不況の克服や経済の再生がどうにかならないものかというのが県民の率直な気持ちであります。
 特に私の地元である田辺市は、主に商業が地域経済を支えておりますので、個人所得の伸び悩みによる個人消費の低迷が続き、年々地域の活力が低下しており、まさに安倍総理の言われる「デフレ社会からの脱却」「強い経済の再生」を何よりも必要としております。さらに、農林水産業の著しい落ち込みも拍車をかけています。このことは、行政報告会を初め紀南地方での行事にも精力的に出席をしておられます仁坂知事が一番よく御存じだと思うわけであります。
 また、紀南地域の経済の問題以外には、人口減少、過疎化の問題、観光や農林水産業や観光産業の振興等々、多くの課題が山積みされておるのであります。
 このような状況のもと、平成25年度の当初予算・新政策が取りまとめられ、数々の新政策が盛り込まれた当初予算案が今議会に上程をされています。
 そこで、国が日本の再生に向けて本気で取り組み、社会情勢も徐々に変わり始めた中で、本県の活性化を願う県民の期待も高まりつつある中で、知事は「元気な和歌山」の実現に向けて取り組まれた新年度の当初予算編成においてどのような政策に重点を置かれたのか、お尋ねをいたします。
 一方、厳しい県財政の現状を考えてみますと、健全な財政運営が確保できているのかという点も気になるところであります。
 昨年、持続可能な県政を目指し、新行財政改革推進プランが策定されましたが、今回の予算において財政の健全性はどのように確保されているのか。あわせて強い決意のある答弁をお願いいたします。
○議長(山下直也君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 第1の25年度当初予算・新政策、特に国の15カ月予算を受けた県の対応についてでございますけれども、議員御指摘のとおり、本県においては、大規模災害への備えとか、あるいは道路等の公共インフラの整備とか、あるいはもう国体も2年後に迫ってまいりましたので、それに対する準備とか、課題が山積しております。
 今回の国の経済対策は財源的にも極めて有利でありますので、この機会を捉えて積極的に活用いたしまして、これらの事業の進捗を図ることといたしました。
 そこで、国の経済対策を最大限活用した2月補正と当初予算を切れ目のない13カ月予算に編成いたしまして、そうすることで前年度を合計で309億円上回る6057億円の積極的な予算としたところであります。
 特に公共投資につきましては、対前年度17.3%増の約1488億円を確保いたしまして、真に必要な道路整備や河川整備等を一気に前倒しして整備することで一層の進捗を図ることとしたところでございます。
 次に、新政策・予算においてどこに重点を置いたのかということについてでございます。
 平成25年度当初予算では、昨年と同様に、柱書きといたしましては、「大規模災害に備えた『安全』の政策」、「県民の命とくらしを守る『安心』の政策」、そして「成長に向けた『挑戦』の政策」の3つの柱に重点を置いて予算編成を行いました。
 まず、「安全」の政策では、地震、津波、風水害など大規模自然災害から県民の命を守ることを最重点に、東海・東南海・南海3連動地震と南海トラフ巨大地震の2つのケースに対応した津波から「逃げ切る!」支援対策プログラムを策定し、ハード・ソフトの両面から対策を進めるほか、市町村においても積極的に対策を進めていただけるように、わかやま防災力パワーアップ補助金を大幅に増額したところであります。
 さらに、台風や集中豪雨への備えとして、和田川など47河川の浸水対策や国営総合農地防災事業などの風水害対策を強化するとともに、紀伊半島大水害からの復興対策についても全力で取り組んでいく所存であります。
 次に、2番目の「安心」の政策でございますが、がん検診の個別受診勧奨を支援する制度の創設など、がん対策を拡充するとともに、医科大学附属病院や地域の拠点病院の機能強化、日高看護専門学校設立支援など、医療体制の充実に取り組むほか、少子化対策としての若者の出会いの場の創出や障害のある方への支援など、県民が安心して日常生活を送れるようにするための取り組みに注力する所存であります。
 次に、3番目の「挑戦」の政策につきましては、議員御指摘のとおり、県民の富をふやすという視点が重要であると考えておりまして、県内企業が県外や海外に進出するための新たな支援策など、引き続き県内産業の競争力強化を図るとともに、農林水産業についても、実用化に向けた公募型の研究開発の推進や国内外への販路拡大の取り組みなど、生産者の所得向上につながる施策を強化いたしました。
 観光につきましては、25年の伊勢神宮式年遷宮から27年の紀の国わかやま国体にかけて重点的にキャンペーンを展開し、誘客促進を図るとともに、県外から来られた方が快適に過ごしていただけるように、国体までの2年間で観光施設等のトイレの改修に重点的に取り組むおもてなしトイレ大作戦を展開する予定でございます。
 このほか、将来を担う子供に対する教育の充実や道路ネットワークを初めとする公共インフラの整備、紀の国わかやま国体・紀の国わかやま大会に向けた体制の強化などに果敢に取り組んでいくつもりでございます。
 3番目に、これでもって財政の健全化はどうだということでございますが、この取り組みにつきましては、このたびの国の経済対策を積極的に活用して公共事業を前倒しで実施することで、交付税措置のある補正予算債や、あるいは事業の実施額に応じて交付される元気交付金を最大限有効に活用することとしております。
 さらに、引き続き事務事業の見直しを実施するなど、一層一般財源の節減に努めた結果、新行財政改革推進プラン──これ、改定後の改定版でございますが──改定版の新行財政改革推進プランにおける収支不足額の目標額9億円を堅持するとともに、財調・県債管理基金残高も目標額より17億円改善することができました。
 平成25年度当初予算は、元気な和歌山の実現に向けた新政策の重点的な推進を図りながら、公共事業を中心とした積極予算と持続可能な財政構造の確立を達成したものに仕上がったと考えております。
○議長(山下直也君) 大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 それでは、続きまして2問目に入らせていただきます。
 イノシシや鹿などが農作物などを食い荒らす鳥獣被害についてお伺いをしたいと思います。
 私は、昨年、親戚の法事に参列をいたしました。その後、一風変わった会話を耳にいたしました。兼業農家の会社員が、「この前、自宅裏の畑に芋を植えたが、間もなくしてミカンとともに猿か鹿にほとんど食われてしもた」というような話でありました。それを聞いた知り合いが、「今の時代、ここらで農作物を植えると大きな損をする。植えんほうがよい。植えるときには大きな柵をせなあかん」と諭すように話をしていました。
 この鳥獣被害、異常気象や山間部での開発整備などにより、イノシシや鹿などの餌場の減少から、新たな餌を求めて山合いから人家のある山里に、もちろん海岸近くまで出没をしております。
 本県でも、特産物でありますミカンや柿、梅、それに芋や野菜などを食い荒らす被害が続出しています。
 幸いなことに、県内では、ことしはシシによる被害が例年より少ないということでありますが、昨今の被害状況に大変厳しいものがあります。
 また、全国的には、これらの被害がここ10年近くにわたってふえ続けています。余りの被害の多さに、各都道府県では、イノシシや鹿などを捕獲できない、つまり狩猟が禁止される鳥獣保護区の削減に取り組んでいます。
 この削減面積は、過去6年間には30の道府県で合わせて7.2万ヘクタールに上っています。7.2万ヘクタールといいましても、ぴんとこない方が多いかと思いますけれども、これは琵琶湖や東京23区全体を上回る膨大な面積でもあります。
 本県でも、鳥獣による被害はイノシシや鹿、猿、アライグマやカラスなどが挙げられておりますが、その被害は農作物を初め森林の木の芽や樹皮に及んでおり、被害の割合は、農作物が9割、森林が1割となっているとのことであります。このうち、農作物への被害面積は、平成14年度の1955ヘクタールをピークに、平成19年度まで毎年1000ヘクタールを超え続けておりましたが、翌年度からほぼ減少傾向にあります。
 この一方で、被害金額を調べてみますと、平成16年度をピークに、その後、毎年3億円前後の被害が発生し続け、おととしの22年度は3億5000万円余り、昨年度は3億2800万円余りと、大きな被害が生じています。
 ここで話は少しそれますが、さきのミカン農家の知り合いは、シシが毎年のようにやってきて、甘いミカンだけを食い荒らすほか、追っ払おうと大声でどなっても逃げずに、人とシシのにらみ合いがしばらく続くとのことであります。この人いわく、「ここらのシシは年々人なれしてきて」と嘆いていました。さらに、この人は、「被害が出てもしょうがない」と諦めの境地であります。
 役所への被害の届け出は、近所の農家ともどもしていないとのことであります。この被害の届け出について行政の担当者に聞いてみますと、「被害の実態は届け出の件数よりも1~2割はふえるのではないか」と話しておりました。知り合いいわく、「届け出をする農家は、半分か、それを大きく上回るのでは」と指摘をしています。
 さきに鳥獣保護区の見直しが全国的に進められている点について触れましたが、本県でも、被害の発生に対応して、今年度から保護区の見直しが5カ年計画で本格的に行われています。これまで、県内の保護区は、ここ10年近くでは3万3000ヘクタールを超えていましたが、計画の見直しで10カ所で廃止または縮小されています。また、今年度は2地区が廃止され、1地区で縮小されています。この結果、指定箇所は100カ所を切り、96カ所となる見通しで、合わせて3173ヘクタールが減少されます。
 このように、県では被害への対応策を幾つか打ち出していますが、現状にはなかなか厳しいものがあります。
 例えば、ミカン農家が金網を張った柵を設けても、イノシシは悪知恵を働かせ、柵の下の地面を牙や前足で掘って穴をつくり、そこから侵入をしたり、簡単な木の柵では、体当たりをして柵を壊したりしてるとのことであります。
 この柵の設置、農家にとっては「苦肉の柵」でありますが、余り「よい策」にはなっていないようであります。
 また、シシなどは、ミカンや柿などを食べるだけではなく、野菜などの畑を走り回って農作物が収穫できないという被害も相次いでいます。
 このほか、鹿が川でアユが餌とする藻を食べ尽くしてアユ漁に大きな影響を与えたり、また山系では、鹿が山肌の下草を食べ尽くした結果、土砂の流出が発生し、山の荒廃や河川や海の漁場への影響、被害も報告をされています。
 さらに、市民生活への身近な影響といたしましては、JRの紀勢線を中心とする列車と鹿の衝突事故の多発であります。
 JRの話では、県内の衝突事故は昨年末の時点で384件にも上り、前年度の同じ時期に比べプラス36件とハイペースでふえ、年々深刻な問題となってきています。なぜなら、事故が発生すると、運転士が鹿などを線路外に移動させなければならず、最低20分から、ひどいときでは1時間近くも列車のダイヤが乱れ、通勤や通学客の足に大きな影響が出ています。
 JRでは、鹿が出没する夜間の時間帯に運転速度を落としたり、多発が予想される箇所の線路脇には柵を設けているほか、奥の手として、鹿が嫌がるライオンのふんや人の髪の毛を線路脇に置くなどして対応していますが、これも効果は一時的だとのことであります。
 さきのミカン農家の知り合いは、畑に柵を設けて効果が上がらなかったため、柵の針金に電流を流す電気柵を設置したところ、被害を軽減させる効果があったと話をしていました。しかしながら、これも設置費用がかなりかかるとのことであります。
 この柵の設置でありますが、県や国、市町村が電気柵やワイヤーメッシュ柵、金網柵などに設置の補助金を出して被害防止に取り組んでいます。
 そこで、補助金について調べてみました。近畿地方の中でも、本県と比較的人口面などで似ている奈良県と滋賀県を比べてみますと、平成23年度分の鳥獣予算は、本県での3億200万に対して、奈良県は4億3300万円、滋賀県は10億6200万円と多くなっています。
 その中身を見ますと、国庫の補助金予算額の差が大きく、本県の8900万円に対して、奈良県は3億8900万円、滋賀県は9億8300万円と大きな開きが生じているわけであります。
 引き続き、鳥獣の被害対策についてお伺いをいたします。
 私は、人間と野生動物との共存といった動物保護の観点も大切な1つであると思っています。しかしながら、野生動物が異常に繁殖をしたり、異常気象によって山のブナやコナラ、クヌギなどの実りが悪くなって餌不足が生じたりしますと、動物は山里や住宅地にもおりてきて農作物を食い荒らすという事態に至っております。
 悲しいかな、本県は少子高齢化が一段と進行し、山村地域の若者不足から有害鳥獣の駆除対策は進んでいません。逆に、高齢化を迎えた農家の人たちは、被害を減らすための捕獲対策として、わなを仕掛けての駆除に取り組んでいます。
 このわな猟、県内では免許を取得する人の件数が驚くほどに伸びています。猟友会のわな猟の会員は、平成10年度ではわずか77人だったものに対して年々うなぎ登りにふえておりまして、昨年度は約12倍の904名にも上っています。
 私の地元田辺市の農家の人は、「鉄砲を撃つハンターが年寄りばっかりになって、体力の要らない比較的に手軽なわな猟がふえるのは時の流れや」という話をしておりました。
 そこで、もう1つの大きな問題として、ハンターの減少と確保対策について伺います。
 散弾銃やライフルなどを扱う第一種狩猟免許を持つ県内のハンターの数は、平成9年には3288人と登録をされておりましたが、年々減り続け、昨年度は1724人と、ほぼ半減しています。
 あるお年寄りは、「昔はシシを求めて2山も3山も駆け回ったが、今では体力が落ちて1日3~4時間が精いっぱいや。うちのシシ撃ちのグループには、そんな人が多なったな」と話をしてくれました。
 そこで、銃による有害鳥獣の捕獲対策についてであります。
 本県では、イノシシや鹿、猿の捕獲補助として1頭1万円の補助金を出したり、ハンターの高齢化に伴う狩猟登録者の確保対策として、免許取得時の定額補助金4万7000円や義務づけられておる射撃訓練での費用の2分の1の補助金負担などに取り組まれております。しかし、ハンターの人口拡大には至っておりません。
 このほか、県内では射撃訓練用の射撃場は田辺市の1カ所のみとなり、ここも施設の老朽化が進み、さらに近年は周辺住民から騒音による苦情が寄せられ、運営には厳しいものがあるということであります。
 さらに、私は、次の点について提案を行うとともに答弁を求めたいと思います。
 被害の相次ぐ地域での保護区のさらなる見直しを推進するとともに、柵やわなの設置への補助の拡大について国に働きかけてはいかがでしょうか。それに、ハンターの確保対策として、狩猟に取り組むボランティア団体の育成などを促進する狩猟環境の整備、また捕獲に伴う補助金の増額など、ハンターの負担軽減にも取り組まれてはいかがでしょうか。環境生活部長並びに農林水産部長の答弁を求めます。
 続きまして、幾ら鳥獣による被害対策を講じても、捕獲した鹿やイノシシの食肉の販売や消費の拡大が図られていない点についてお伺いをしたいと思います。
 本県では、年間に捕獲されるシシや鹿は約2万頭に上っています。しかし、それらの肉は、地元のレストランや旅館などにジビエ肉として販売提供されていますが、これらの販売量は総捕獲量の1割にも満たず、また先日の新聞報道では、わずか3%だと紹介をされていました。
 ほとんどのイノシシは、猟師仲間らが自分らでさばいて消費しているほか、値段の安い鹿肉の多くは土の中に埋設処理されているのが現状であるとのことであります。
 さきにハンターの減少について触れましたが、猟をしても食肉が売れなければ狩猟人口がふえない点や、販路と消費拡大が促進されていない点が重なり、悪循環を起こしています。
 県では、ジビエ肉の消費拡大を図ろうと和歌山ジビエプロモーション事業を実施して、料理コンテストを開催したり、ハムやソーセージをつくり、よって消費拡大をPRしておりますが、消費拡大はごくわずかとなっています。
 そこで、私は幾つかの策について触れさせていただきたいと思います。
 紀南を初めとする県内の旅館やホテルで、シシ肉のボタン鍋を味わっていただける冬場限定の観光ボタン鍋キャンペーンを大がかりに展開したり、またハンバーガーの牛肉にかわってシシ肉を使ったボタンバーガーやボタンドッグ、さらにはかつて大ヒットしたボンカレーならぬボンにタを足したボタンカレーを御当地グルメとして全国に発信をしてはいかがでしょうか。
 このほか、和歌山ラーメンに使われている焼き豚チャーシューのかわりにボタン肉やシシ肉を使っていただくのも1つの方策であります。
 また、新しいハム・ソーセージづくりなどで、大手食品メーカーやコンビニチェーンとコラボをして新商品開発に取り組まれてはいかがでしょうか。
 そこで、農林水産部長にお聞きをいたします。
 シシなどの捕獲数に比べてジビエ肉の販売量が少ない理由と、ジビエ肉の販売・消費の拡大対策について御答弁をお願いいたします。
 続いて、3問目に移ります。いいですか。
○議長(山下直也君) ちょっとお待ちください。分割質問でありますので。
 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 鳥獣保護区の見直しについてでありますけれども、議員お話しのとおり、鳥獣による被害を軽減するため、平成24年度から5年間の計画におきまして、7カ所の鳥獣保護区を廃止し、3カ所を縮小することといたしております。
 今後、鳥獣保護区やその近辺で鳥獣による深刻な被害が発生した場合には、市町村等関係者の意見を聞きながら、さらなる鳥獣保護区の廃止や縮小を検討してまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 鳥獣害対策については、県では、捕獲を重点に、防護、環境整備を3本柱として対策を実施しております。
 議員御指摘のとおり、農林水産省の予算が伸びない中で、平成24年度の当初においては全国から予算額の倍近い要望があったと聞いており、大変苦労して本県の要望額を満額獲得いたしました。
 県の鳥獣害対策予算については、依然として鳥獣被害が深刻な状況を受けて毎年大幅に増額しており、25年度においてもさらなる増額をお願いしているところでございます。
 また、県対策予算の財源についても検討し、国庫補助金の積極的な活用に努めて、24年度は前年度に比べて約2倍の国費を獲得いたしました。
 国の25年度当初予算案では、24年度と同額の95億円ですが、昨年末の政権交代により、さきに成立した補正予算において129億円の鳥獣被害防止緊急捕獲等対策交付金が計上され、侵入防止柵の機能向上と緊急捕獲活動に活用できることとなっており、市町村に補正予算の活用を呼びかけているところです。
 今後も、鳥獣被害に苦しむ方々の要望にお応えできるように、政府要望等の機会を捉え、引き続き必要な予算額の確保を国に働きかけてまいります。
 次に、狩猟を行うためには、猟銃は当然として、そのほかにも弾丸や猟犬の飼育費用など、多額の経費が必要です。このため、県では、狩猟者で組織される和歌山県猟友会に対して射撃練習補助などの支援を行っております。
 また、鳥獣被害防止特別措置法において、市町村が設置する鳥獣被害対策実施隊という制度があり、その隊員に対しては、狩猟税が半額となる減免措置や猟銃の所持許可の更新に際して技能講習が免除されるなどの特典がございますので、県では、有害鳥獣捕獲体制の強化のため、市町村に鳥獣被害対策実施隊の設置を積極的に働きかけているところです。
 全国的な傾向ですが、ハンター人口の減少と高齢化は、今後のことを考えれば深刻な課題の1つと受けとめております。
 県では、これまで新たに狩猟に取り組もうとする方に狩猟免許や銃所持許可の取得を支援してまいりましたが、25年度から、狩猟に対するイメージアップを図るため、ハンターを育成する研修会を開催する等、狩猟の魅力の発信に取り組む所存でございます。
 今後とも、こうした施策を推進するとともに、国に対しても全国的な課題としての取り組みを働きかけてまいります。
 次に、シシ肉や鹿肉の販路拡大についてですが、捕獲数に比べてジビエ肉の販売が少ない理由として、牛肉や豚肉と異なり、流通が整備されていない点が挙げられます。
 ジビエ肉を広く流通させるためには、肉の品質に応じた規格の明確化と、それに基づく適正な価格の設定などが重要であります。
 県では、ジビエ肉の円滑な流通を図るため、平成25年度の新政策において獣肉の格付基準を策定し、一定の品質をクリアした処理施設を認定するわかやまジビエ認証制度を創設する方針です。
 また、獣肉の消費拡大については、和歌山ジビエプロモーション事業により、シェフを対象とした東京及び大阪での商談会の開催、県内ではジビエウィークや料理コンテスト等に取り組んでいるところです。
 販路については、大手外食カレーチェーンでの鹿肉カレーの販売、冬の和歌山ジビエプランとして、県内ホテル、旅館等でのジビエ料理の提供、また新たな商品としてジビエを利用したレトルトカレー、コロッケやジャーキーなどが開発されております。
 今後とも、議員からの御提案を参考にしながら、販路拡大に向けた対策の強化に努めていく所存でございます。
○議長(山下直也君) 大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 それでは、最後の質問の項目に移ります。
 太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーが注目を浴びる時代を迎えておる、そんな中で、私の地元田辺市本宮町では、温泉の熱を利用した温泉発電に向けての調査が先月2月6日からスタートをいたしました。
 この温泉発電、高熱の温泉を使用して、水よりも沸点の低いアンモニアの一種の液体を加熱して、その蒸気でタービンを回す仕組みで、経済産業省が全国の温泉地の中から静岡の熱川、富山の宇奈月温泉など6カ所を指定したものであります。
 本県では、近畿地方で唯一、湯の峰と川湯温泉が選ばれ、和歌山社会経済研究所が中心となり、国の補助を受けて調査を進めています。
 温泉発電は、従来の地熱発電に比べて開発コストが大幅に安くつくほか、温泉の枯渇問題も生じないなど、環境面の規制もほとんどないということであります。さらに、風力発電などに比べて安定して発電ができるというメリットが大きく、各方面から大きな注目を集めています。早ければ、調査開始から2年程度で稼働ができるとのことであります。
 関係者の話では、この発電の出力は小さいとのことでありますが、社会経済研究所などでは、今後、効果的な発電方法を取り入れて、稼働の実現に向けて取り組んでいるとのことであります。
 そこで、県といたしましても、今後、温泉地の知名度のアップや温泉発電の普及に向けてどのように取り組むのかについて、商工観光労働部長の答弁をお願いいたします。
 これで第1問を終わります。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君)  温泉地の知名度アップや温泉発電の普及についてですが、議員御指摘のとおり、温泉発電は、従来型の地下深くボーリングを行い、取り出した蒸気でタービンを回す地熱発電とは異なり、既に湧出している温泉の熱エネルギーを利用するものであり、源泉への影響がなく、また風力や太陽光のように気象条件に左右されない有効な発電方法と考えております。
 現在、田辺市本宮地域において、和歌山社会経済研究所が中心となり、温泉発電の可能性を検討するため、熱源温度や湧出量などを調査中でございます。その結果を踏まえ、発電に必要な一定熱量の確保が見込まれれば、旅館業者などの関係者により、発電容量や初期投資費用などの費用対効果を勘案の上、事業化の検討がなされるものと考えております。
 県としましては、観光関係者の理解も得ながら旅館業者などによる温泉発電へのさまざまな取り組みを支援していくとともに、今後も国の予算を活用しながら、田辺市本宮地域や県内の他の温泉地において温泉資源の活用事業の勉強会を開催するなど、温泉発電の普及に向け、積極的に取り組んでまいります。
 さらに、温泉発電は地域資源を活用した先進的な取り組みであり、また環境にも優しいことから、このような取り組みを効果的にPRすることで温泉地の知名度アップに努めてまいります。
○議長(山下直也君) 大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 知事初め関係部長から答弁をいただきましてありがとうございました。
 1つだけ要望をさしていただきたいと思います。
 デフレ不況のもとで、紀南地方では、農林水産業の低迷や観光産業の著しい落ち込みなど、経済面の明るい見通しにはほど遠いものがございます。
 これらの産業振興、また防災対策に、何をもちましても高速道路を含む道路整備が大きな生命線であります。この整備に向けては、行政、議会が一体となって取り組んでいかなくてはならないと思ってます。
 また、鳥獣被害対策では、とにかく高齢化社会を見据えた上での対策が必要であります。
 さらに、ジビエ肉の販売、消費の拡大については、ジビエ肉の流通公社のような大規模な機関の設置や大がかりな販路の拡大といたしまして、豚肉を食べないイスラム圏の国に対して、鹿やシシ肉を大量輸出する計画も1つの案として企画されてはいかがでしょうか。
 以上をもちまして、要望にかえさせていただきまして一般質問を終わります。(拍手)
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で大沢広太郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕(拍手)
○服部 一君 議長の許可をいただきましたので、通告に従いまして、提案を入れながらお聞きしてまいりたいと思います。
 まず、知事さんにアベノミクスについて和歌山県の期待できること、いや、そうでないものをお聞きしようと思ったんですけども、大沢議員が質問されるということでありましたので、残念ながら聞き逃すことになってしまいました。
 平成25年度の予算が提案されました。切れ目のない予算執行を目指すということで、13カ月予算を組まれております。歳出で6057億円の大型予算であります。この中には、予算拡大も含めて新政策が提案されまして、知事の前向きな姿勢がうかがわれると、このように私、思います。
 重点施策の説明を聞いたときに、和歌山県の財政は当分大丈夫やよというお話を聞きましたけども、こうした厳しい経済社会情勢の中で、やはり税収が減っておりますし、依存財源が多いように思います。
 そうしたことから、今後執行していくに当たりまして、できるだけ歳出を抑えながら、急ぐもんについては早急に対応、執行していくということが務めだろうと思いますし、我々も協力をしてまいりたいと、このように思います。
 では、質問に入りたいと思います。
 環境生活部長、最近マスクをかけた人が目立ってまいりました。特に、女性の方が目だけ出しておりまして誰かわかりにくいんで、きれいな顔もわかりにくい。「風邪引いたんかい」と聞きますと、「いいや」と、「花粉症かい」と、「うん、それもあんねやけど、あのね」ということで、中国大陸からのあの大気汚染でありますPM2.5、これが特に関西のほうへ押し寄せてきてるし、来るだろうと、こういうことなんです。
 人体にあんまり影響がないということでありますけども、特に幼児なり、あるいは気管疾患を持ってる人には影響が出てくると、こういうことが言われております。
 聞くところによりますと、和歌山県は海南にこの測定値をはかる施設があると聞いておりますけども、ほかにあるのかどうか、私、知りませんけども、今後、花粉とともに黄砂、そしてこの大気汚染が押し寄せてくる可能性があるわけなんです。
 報道で言われておりますけども、あんまり皆関心がないと思うんです。しかし、幼児や気管疾患の持たれた方については不安がつきまとうわけなんです。やはり早く対応したことにこしたことはないと思うんですけども、この大気汚染に対するPM2.5測定の設置の状況なり、あるいは県の今後の取り組み状況について御説明願います。
○議長(山下直也君) ただいまの服部一君の質問に対する答弁を求めます。
 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 大気汚染物質PM2.5に対する県の取り組みでございますけれども、県におきましては、平成24年4月から、海南市1カ所でございますけれども、PM2.5の測定を実施しております。
 測定結果につきましては、従来から環境省のほうに情報提供いたしまして、環境省のホームページで公表されているところでございますが、この2月上旬からは県のホームページにおきましても公表をいたしております。現状の測定数値につきましては、環境基準値を下回っているところでございます。
 また、さらに本年4月からは田辺市におきましても測定を開始する予定としておりまして、県として監視体制の整備を図っていきますとともに、環境省におきますPM2.5に関する専門家会合の結果に基づく注意喚起のための暫定指針等も踏まえまして、適切な情報発信に努めてまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 情報発信には極力素早くお願いしておきます。
 議長、ちょっと許可をいただきたいんですけども、通告で、私、結婚支援を3番目に上げてるんですけども、質問の流れ、答弁から行きますと、次にさしてもらうほうが適当だと思うんで、お許しいただけますか。
○議長(山下直也君) 許可いたします。
○服部 一君 はい。では、わかやま結婚支援について考え方をお聞きしたいと思います。
 いろいろと新政策を取り上げられました。私、幾つか新政策がある中で、この結婚支援政策というのが今回一番目玉だなあと、このように思ってるんです。
 そこで、この予算の査定について知事さんにお聞きしようと思ったんですけども、部長がやるよということであったんで──といいますのは、この結婚支援について、900万ほどの予算が計上されました。実質を見ますと、1円の端まで予算に計上されてるんですよね。これは、私、数字のマジックであると思うんです。
 ざっと900万。900万まで来るんだったら、こういう目玉政策をまあ100万上げて何で1000万にできやんだんかなと、このように私感じたんですけども、予算化されたことに大いに敬意を表したいと思います。
 最近、未婚の方と晩婚の方がふえてるような状況にあると思います。後ほどお聞きします過疎対策についても、大いにこれが寄与するというか役立ってくるんじゃないかと、少子化対策にも大変役立ってくると、このように、私、思います。
 テレビ番組、2時間番組で、お見合い大作戦というのをやられてますよね。特に、農村地域あるいはちょっと過疎化しているような地域を中心に展開されておりますけれども、男性20人に女性90人ぐらい応募してきて、出会いをつくるわけなんですね。これは番組でありますので、ある程度脚本的にやられてるという面があると思います。
 この和歌山県が新規にこれを取り組まれるということについて、これ、子ども未来課が中心になって展開されるだろうと思うんですけども、この支援の施策について、内容的にいろいろと計画をされております。
 まず、和歌山県が中心になって、他府県からも応募してもらえるような1つの大きなイベントにしていくのか、また、ここにも上げられておりますように、それぞれ企業なりいろんな団体を通じて委託したような形でそういった支援体制をとっていくのかということなんです。
 私、思うのに、エリアを小さくしたら集まってくる人も割合少ないと思うんです。ひとつ思い切って、これは例えばの話なんですけども、テレ和歌さんあたりと提携して大々的に他府県からでも募集をして、ちっと元が要りますけども、そういった形の展開方法もあるんじゃないかと、このように思います。
 我々、若いじゅうのときのように仲人さんがいてて、こんよう「あの子どうない」というような時代と今違うんです。できるだけ出会いの機会をつくってあげて、フィーリングが合うてゴールインするというのが、これは理想的な結婚だろうと思います。これは長続きするだろうと思うんです。
 そういった機会をつくるについて、どういうような展開をしていくのか。私は、まず紀南・紀北地域の農村地域を中心にした、特に嫁不足に苦慮してるというような地域を中心に展開されてもいいのになと、このように思うんですけども、この新政策の取り組みについて、ひとつ説明をしてください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 本県では、これまで少子化対策として紀州3人っこ施策を初めとした子育て支援施策を中心に取り組み、一定の成果を上げていると認識しております。
 しかしながら、少子化のもう1つの要因である未婚化、晩婚化は、本県においても急速に進みつつあります。30代後半では未婚者がおおむね4人に1人となっており、早急に対応すべき課題として浮かび上がってきております。
 わかやま結婚支援事業は、この課題の解決に向け、出会いの場を積極的に創出するものでございます。
 事業の内容といたしましては、まず、県主催の出会いイベントを県内各地で24回開催いたします。さらに、県全体で結婚支援の機運を高めるため、市町村、企業、NPO、商工・農業関係団体等、多くの団体に参加していただき、わかやま婚活応援隊を新設いたします。
 応援隊では、出会いイベントの独自開催だけではなく、議員から御提案のありました広報であったり、サービスの提供であったり、社員への周知であったり、それぞれが得意とする分野で応援していただき、相互の情報共有も行いながら県民総ぐるみで結婚サポート体制を推進してまいります。
 県といたしましては、さまざまな方に御協力をいただきながら、出会いから出産、子育てまでの総合的な支援を行い、地域の活性化に貢献できる少子化対策の充実を図ってまいります。
○議長(山下直也君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 100点満点の答弁でありました。
 24回開催するということでありますけども、これは24カ所に分けてやるんだろうと思うんです。24回といいますと、月に2回せなあかんのです。
 先ほど言うたように、あんまりエリアを狭めてしたら、知ってるもん同士というのはあんまり集まりにくい可能性があると思うんです。
 そこで、やはり年に1回ぐらいは大々的なというか、そのやり方、仕様にもよると思うんですけども、そういったのも組み入れてはどうかと、このように思います。初めての取り組みでありますので、あれやこうやの中で定着してくるもんだと思うんです。
 知事さんも、職員が一生懸命やってんねんから、ちょいちょい言うたら怒られると言わんと、アイデアがありましたら提案をしてあげていただきたいと思います。
 次に、過疎対策についてお聞きしたいと思います。
 和歌山県の人口が、いつか知らんうちに100万を切ってきたと。長期計画の中では、97万を目標になんですけども、これは、今の状況からして人口をふやしていくというのはなかなか難しいと思うんです。
 地域条件や環境のいいところには、おのずと人が集まってきて、その地域が発展してくると思うんです。片や、反対に中山間、農村地帯においては少子高齢化が進む、若者が仕事を探して都会へ向いて出ていく、戻ってこんと、こういうような状況の中で過疎化が進んできてると思うんです。
 それぞれ過疎に向いてる地域については、自分たちの地域が何で過疎化しているんだろうなということにも気づくし、将来このままじゃいかんなということも考えてると思うんです。
 ところが、こういうのは重症になったらなかなかもとへ戻せないんです。今のうちに手を打とうということで、22年を元年としてこの過疎対策課ができて、職員が取り組んでくれてるわけなんです。
 上手言葉やないけども、手を挙げて過疎対策に取り組んでいくという地域の夜の集会にも出向いていき、現地踏査もしてると、こういうふうな状況があると思うんです。しかし、なかなかこれ、手を挙げる人が今じゃ少ないように思うんです。
 過疎の地域の活性化を目指すためには、いろんな自分たちの地域の課題というのがあるんです。特に、自分たちの住んでる地域の特色を生かしたものに取り組んで活性化に向けていかないかんと、このように、私、思うんです。
 もちろん、リーダーシップをとる人の養成というのもありますけども、しかしリーダーというのは、はたから養成してできるもんではないと思うんです。その地域の中で、みんなが支援しながらその人を盛り立てていくということの中でリーダーが生まれてくると、こういうことだと思うんです。
 残念ながら、私たちの小学校区の地域も過疎化に向いてるんです。これ、10年したら高齢者率66%になるでと、こういうふうな状況が数字の上で出てるんです。
 この取り組みに向かって今スタートしてるわけなんですけども、そういった考え方の中で、ひとつお聞きしてまいりたいと思います。
 まず、県のほうでも対策をされておりますけども、この過疎指定の基準というのはどういうふうな考え方でいてるのか。
 もう1つは、和歌山県30市町村の中で指定を受けている市町村はどうか、そして、その中でこの過疎対策事業に取り組んでいる地区はどのぐらいあるのか、取り組んでいる中で、現状はどういうふうな状況になっているのかと、こういうことをまずお答えください。
○議長(山下直也君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 過疎集落支援総合対策の指定の基準とか、それから地域数、取り組み状況ということでございますが、本県の過疎集落支援総合対策事業につきましては、過疎集落の再生、活性化を目的として、昭和の大合併前の旧町村や中学校区を単位とした地域におきまして、人口減少率や高齢化率を基準に過疎生活圏というのを指定いたしまして、それに基づきまして日常生活機能の確保や地域の活性化といった総合的な取り組みを実施することといたしております。
 現在、12市町村18生活圏におきまして寄合会を設置いたしまして、地域住民が主体となって地域が抱える課題やニーズについて話し合いを進めておるところでございます。
 このうち、実際8市町9生活圏では、既に計画を策定して事業に着手しておりまして、地域資源を活用した産業振興や生活対策及び地域内外との交流の推進など、総合的な対策を実施しているところでございます。
 具体的な例を申し上げますと、日高川町寒川生活圏では、住民みずから運営する食堂「そうがわ茶屋」が多くの人々が集う拠点になっておりまして、地域住民の憩いの場となっております。
 また、紀美野町真国生活圏では、芸術を核にしたまちおこしのための施設「真国の荘」を中心に内外の交流を進めておりまして、併設したレストラン「ステラート」も連日予約がいっぱいになるなど、大変好評を博しております。
 地域の方々からは、本事業に取り組んだことにより地域が元気になったという力強い御意見もいただいておりますので、今後も県といたしましては、本事業を通して過疎地域に活気を取り戻していけるよう支援してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(山下直也君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 お答えいただきましたけども、過疎地域の指定を受けてない地域、例えば私とこのような紀の川市なんですけども、5町が合併しますと、それぞれの環境が違いまして、指定を受けてないけども過疎が進んでるという地域はそれぞれあるんです。
 県からこういう過疎対策支援をするからということで、「あんたとこ、過疎化に向いてるさかいにこの事業に取り組まんかい」というようなことを言っても、なかなかこれは──地元を考えながら自分たちで対策をしていかないかんという状況にあると思います。
 そういうことで、農村集落、過疎地域をそれぞれ眺めながら、それとなしに、「このまましたら限界集落になるで」というぐらいのことで。
 地域の行事ができないんです。文化継承というのもできないんです。年に1度の行事をしようと思っても、出た子供たちや孫が戻ってこん、見にこんというような状況が続いてくるんです。
 今のうちに、この過疎対策事業を展開しながら、まず過疎の人口を、少なくとも現状維持をするというようなことを考える中で、先ほどの結婚支援も含めて取り組んでいただきたいと、このように思います。
 次に、過疎対策に関連して、福祉の関係でお尋ねしたいと思います。
 我々の地域にも、かなり高齢者が多いんです。その中でも、おばあちゃんが元気なんです。「おばあちゃん、きょうはええふうしてどこへ行くんよ」、「例のとこよ」と、こう言うんです。「デイサービスかい」と言ったら「そうよ。大勢いてんねやで。方々から、おいしゃん、バス迎えに来てくれて、皆分かれていてんのよ」と、こういうことなんです。「これ、一とこで、地元でやってくれたらほんまにええのにな。服もね、そないええもん着ていかんだて、地元やったらうまいこといくし。そして、皆寄った中で世間話もできるしなあ」と。「今、家にいてたて、若い子らいろんなこと、情報や教えてくれへんねや。ちょっと聞いたら、何遍もおんなじこと聞くなて怒られるんや」と。「もうしゃあないさかいテレビ見てたら、懐メロの歌らいっこもない」と、こういうような状況で、だんだんと孤独化してくるというような、これは元気なおばあちゃんの話なんです。
 1カ所にそういった、特にデイサービスなんですけども、それを興してあげますと、地元初め近辺からも寄ってくると。そして、いろんな話をする中で、元気な人はちょっとした手芸をしながらでも時を過ごせる。用事ができたら、すぐ「ちょっといんでくらよ。また来らよ」というような状況ができる。こういうふうなことで、やっぱり地元でデイサービス的な福祉を取り入れてしてあげたら、今取り組んでる我々の地域も、もっとお年寄りがいろんな輪の中で元気に過ごしていけるだろうなと。
 ぜひ、私、これに取り組んであげたいと、このように思ってるんですけども、そういった事業についてどういうふうに対応されるか、お聞きします。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 過疎地域の福祉のあり方でございますが、過疎地域におきましても、訪問介護などの訪問系のサービスが提供され、高齢者の方には、それぞれの身体の状態に応じて必要なサービスを利用いただいているところでございます。
 一方、いわゆるデイサービスなどの通所系のサービスにつきましては、近くに事業所が少なく、利用するには通いに時間を要する場合があるなど、必ずしも十分な状況とは言えません。
 そのため、高齢者の方が身近に利用できるデイサービスや、地域住民が気軽に集える高齢者サロンなどの機能を地域において充実していく必要があると考えています。
 こういった機能を兼ね備えた施設といたしまして、市町村等が運営する生活支援ハウスがございます。生活支援ハウスは、自宅で生活することに不安がある高齢者に対して必要に応じて住居を提供することや、デイサービスなどの提供、さらには地域住民の交流の場を提供するなど、福祉サービスを総合的に提供する施設であり、現在、県内に20施設が設置されています。
 生活支援ハウスの整備には、国の基金を活用し、1施設当たり3000万円の補助制度もございますので、市町村に対して設置に向けた助言等を行ってまいりたいと考えます。
○議長(山下直也君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 我々、今、その対策に取りかかったとこでありますので、地元として具体的な考え方、あるいは市町村とも相談をしてまいりますので、ひとつバックアップお願いしたいと思います。
 質問は以上なんですけども、この過疎対策事業に関して、特に我々の地域を考える中で1つ対応してほしい問題があるんです。
 知事さん御存じかどうかわからんけど、我々の地域というのは、傘をこない差して、机の上に傘を立てた中の、この上の骨の部分に位置するんです。
 下は京奈和道路や県道、上は平成7年に県営で林道紀泉高原というのが葛城山の頂上へ、道路が神通から犬鳴山を通って来てるんです。6年かけて17億ほどかかってるわけなんですけども、葛城山の観光道路として大いに今、役立ってるわけであります。
 また、平成元年から4年かけて、旧の粉河町がふるさと特別対策事業ということで、岸和田、貝塚、泉佐野の道路の譲渡移管を受けて、観光道路として6メーターの道路がこの傘の上を走ってるわけなんです。
 片や、その下に昭和の48年に県営保全事業で承兼道路というのがついてるわけです。ところが、後継者不足とともに、融資の返済するころには、ほとんど廃園になってるわけなんです。
 下のこの傘の柄に当たるところは県道なんです。今後、この地域の過疎対策を進めていくということになりますと、過疎対策の元気を出す1つには、やはり地域間、特に都市部との交流というのが必要になってきます。
 シーズンなりが来ますと、この山頂がにぎわうんですね。その場所と地元が密着な交流ができるというような考え方、あるいはその上のほうの山がもう荒廃して、放任されて鳥獣害の生息地になってると、また、その活性化に向けた特産物をつくっていくために資源が残ってると、こういうふうな状況の中で、その区間を何らかの形でちょっとひっつけてくれたら、これ、うまいこといくんですね、大阪側とも。ちょっと山を越しますと、岸和田のいよやかの郷へつながります。片や、水間観音さんのほうへハイランドからつながるわけなんです。
 真上にそういった開けている地域があり、下で高速道路が走ってる、ちょうど傘の骨の地域が我々なんです。
 ひとつそこらを考えていただいて、地域の発展ができるようになったのを見届けて、私、生涯を終えたいと思うんです。ひとつ生きてる間に、元気な間に対策のほどをお願いいたしまして、ちょっと早過ぎましたけども、質問を終わらしてもらいます。
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で服部一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 次会は3月4日定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時20分散会

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