平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録

第4号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 議長の許可をいただきましたので、それでは一般質問に入らせていただきたいと思います。
 今朝来から、すごく密度の高い質問が続いておりましたので、ちょっと私はリラックスしていただけるような質問をさしていただいて、務めをさしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 まず、大津市の市立中学校の2年生だった男子生徒が自殺にまで至ったいじめ問題について質問をさしていただきたいと思います。
 このいじめ問題につきましては、9月議会、また今議会の議場でも、午前中においても同僚議員の皆さんよりたくさんの質問がされたところですが、命が失われている現実を考えると大変重要な問題ですので、よろしくお願いいたします。
 大津市内で、昨年10月、中学2年生、13歳がいじめで追い詰められ、みずから命を絶ちました。しかし、この事件を我々が耳にしたのは、ことしの春以降であったと思います。その後、毎日のように報道機関がもたらす情報のその内容に、驚きとともに大きな衝撃を受けました。どの映像や文面も、涙なしでは読むことはできませんでした。悪夢を聞かされているようでありました。
 その報道によれば、父親の訴えを学校や教育委員会は全く相手にせず、警察への訴えも、3回にわたって提出しようとした被害届を警察が受理してくれなかったとなっていました。
 これでは、大方の保護者はその他の対応のすべを知らず泣き寝入りである。報道がもたらす情報からは、いじめられていたという客観的事実が明白なのにであります。特に大津市教育長の発言の数々は、全く常軌を逸しているとしか考えられず、教育長発言の報道を耳にした国民は、怒りさえ覚えたと思われます。年端もいかない子供の死にむち打つかのようでありました。これでは、子供の死は浮かばれることはない、全く気の毒であると考えたところであります。
 しかし、こうした現象はなぜ起こり続けるのか、学校の先生方は、生徒の思春期のデリケートな感情を理解できていないのではないか、そこまでして学校を守らなければならない理由は何か、理解できないことばかりであります。
 この事件以降も、子供たちのいじめによると思われる自殺がとまりません。文科省のいじめ調査によると、ことし4月から9月までの半年間で、何と全国で14万4054件に上ったと報告されておりました。たった半年間のいじめの発生件数でございます。また、年間300人にもなんなんとする子供たちが毎年毎年自殺しているのだという。言葉も出ない。他山の石とすべきでありますが、和歌山県教育委員会、そして県内の教育委員会の現状と課題をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) いじめに対する県内の現状と課題についてお答えいたします。
 議員がお話しされたとおり、子供がいじめによりみずからとうとい命を絶つということは絶対にあってはならないことであり、1人の犠牲者も出さないよう、万全を期していじめ問題対策に取り組んでいるところでございます。
 本県のいじめの現状につきましては、文部科学省が実施した緊急調査の結果、本年4月から8月までの県内公立学校におけるいじめの認知件数は合計236件となり、わずか5カ月で前年度を139件上回る増加となっております。この背景には、各学校におけるいじめに対して教職員が軽微な事案でもしっかりと向き合う、そういう意識の高まりがあると感じております。
 県教育委員会といたしましては、このいじめの認知件数の増加を厳しく受けとめて、かけがえのない子供の命を守るという強い決意のもと、11月から市町村教育委員会と県立学校を直接訪問し、いじめアンケートの結果の状況やいじめ問題への対応についてヒアリングを実施してまいりました。
 課題といたしましては、そのヒアリングの中で、いじめの認知や個々の問題に対するばらつきがかなり見られ、実態把握や対応についても不十分さが明らかになったことから、各学校の実情を踏まえ「いじめ問題対応マニュアル」や知事メール、教育長メール等の積極的な活用、さらには県内のすべての児童生徒及び保護者に配布しているいじめ相談先を記したリーフレットやカードの活用等により、1人1人の子供が発する悩みや苦しみのシグナルを、アンテナを高くしてしっかりと学校全体で把握し、早期発見及び迅速かつ的確な取り組みの徹底を図るよう指導しているところでございます。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 丁寧な答弁をいただきました。
 今、教育長が御答弁いただきましたように、やっぱり学校で病んでる子供たちが大勢おる、これも揺るぎない現実じゃないかなと思います。ぜひ、そうした側面でお力添えをいただきたいと思う1人でございます。
 これで、少しだけ。
 このいじめのことで報道がすごく続きました。そんな中で、ちょっとこんなにまでの報道の状況が──これ、マスコミの報道ですので、それがすべて正しい報道だったんかどうかというのは検証ができていませんので、そこら辺のところは加減をしながら聞いていただいて、お許しをいただきたいんですが、例えば、この7月に、「読売新聞」に、「いじめ 先生は隠していた」というタイトルになってるんですよね、すごい大きなタイトルで。
 これ、現場の先生方、あるいは教育委員会の皆さん方からすれば衝撃的なタイトルだと思うんです。「いじめ 先生は隠していた」。隠しているような状況の中で、この問題がクローズアップするはずもなければ、子供たちの本当の叫びが解決のほうに行くこともない。こんなすさまじいタイトルの中、その中で子供たちの言葉が出ています。
 「市教育委員や学校への不信感も根強い。アンケートに無記名で答えた2年女子生徒は、こう打ち明けた。 『ほかにも小さないじめはたくさんあり、何とかしてと願いながら書いたのに無視され、がっかりし、むなしかった。この9カ月間、先生も生徒も何もなかったかのようにしてきたけれど、忘れてはいない。外の人だろうが何だろうが、やっと動いてこじ開けてくれると思うと、ほっとする』」。子供たちの正直な言葉の1つではないかと私は思ってしもうたんです。
 もう1~2点だけ御紹介させていただきましたら。2年生の女子のことで、「いまだに先生は事件のことを何も話してくれない。捜査が入ったからには徹底的に調べてほしい」。子供がこんな思いをするわけですよね。これは、こういう状態で先生方が気づかなかったとか、何とかかんとかということが、本当に申しわけないんだけど、信じられないというか。その生徒の言葉はまだ続くわけですけど、「私たちはいじめを止められなかったし、先生も止めなかった」。いじめをとめなかったと端的に書いてるわけです。
 その日に、校長先生が校内放送で、捜査を受けたことに触れて、こんな言葉を言うたというのを書いてるわけです。「大変心配をかけた。学校で安心して生活を送ってほしいと、先生たちも努力していることを分かってほしい。学校全体で頑張っていきましょう」と、これだけのコメントです。「先生たちも努力していることを分かってほしい」──僕、この校長先生のこのタイミングのこのコメントがほんまに適正だったんかどうか。子供たちが、この先生のアナウンスを聞いて、どういうふうに感じたやろかと。「大変心配をかけた」──心配をかけたというような話のレベルじゃなくて、子供の命を絶ったわけですよ。心配をかけたレベルの話でなかったと私は思うわけです。
 それを、子供やさかいという、生徒やさかいという、そういう思いの中での指導者の立場の中での言葉であったんだろうとは思うんですけど、「学校で安心して生活を送ってほしい」、「先生たちも努力していることをわかってほしい」と。「安心して生活を送ってほしい」というのは、そういう環境が整えられてこそ安心して生活が──これで生徒の皆さん、安心して生活できる環境が整えられたと自信を持って言えるときに「安心して生活を送ってほしい」という言葉を用意していただきたいなと。そういう環境でないときに、こういうことを学校長が校内放送でされても、果たしてどこまで子供たちの心を、校長先生がこんなにまで言うていただいてんねんから、これから安心してみんなで頑張っていこうという気持ちになったかどうかというあたりがすごく疑問だなあ、そんなふうにも考えました。
 もうこの新聞報道、御紹介させていただくと切りもないので、ここできょうは──いつも私、席が前ですので、教育委員会の委員長さんがお座りいただいてます。この問題というのは、教育長さんの1つ1つの判断が和歌山県内の子供たちのこの状況を改善していく。いじめがゼロでないという報告が今朝来からもありましたので、そういう思いで、一心同体で活動をしていただいてるというふうに思うわけですけども、一度、申しわけありませんが、教育委員会の委員長さんに思いをお聞きしたいと思いまして、私のほうからこういうテーマでお願いできないかということをちょっと朗読させていただきます。
 大津市中学校の自殺問題が終えんを迎えていないさなかにも、全国各地で子供たちが死に急いでいます。大好きなお父さんやお母さん、同級生との別れに小さな心を痛めながら、あるときは少しのメッセージを残して。わかっていることは、子供たちのだれひとりとして本当は早く死にたいのではないんです。生きていけないと考えるほど精神的に追い詰められているのであります。デリケートな子供たちの心を我々がキャッチできていないことに問題があると私は思います。
 ましてや、子供たちの責任にしてしまうようなことはあってはならないと思います。どうしたらいいのでしょうか。いじめで苦しんでいる子供たちへの思いを、和歌山県教育委員会委員長より一言お話を聞かせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(山下直也君) 教育委員会委員長山下郁夫君。
  〔山下郁夫君、登壇〕
○教育委員会委員長(山下郁夫君) ただいま議員御指摘のとおり、いじめによって子供がみずからの命を絶つという、あってはならない悲しい事件が他県で発生しました。本人の無念さはもとより、残された家族や親類など、自責の念に駆られ、言葉では言いあらわせないほどつらく苦しい思いをされていると推察いたします。
 いじめは、命にかかわる重大な問題であると、子供を含めみんなが認識し、それぞれの立場、いわゆる学校、家庭、地域社会の皆さんが、いじめは絶対に許さないという毅然とした強い姿勢でこの問題に立ち向かうことが大切だと考えております。
 県教育委員会としましても、すべての子供たちがいじめで苦しんだり悩んだりすることのないよう、全力を挙げて覚悟を持って取り組んでいく所存でございます。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございました。
 本当に大変僭越だったかわかりませんが、教育委員会の委員長のお言葉を直接県民の皆さんにメッセージとして発信をしていただけたらと思いましたので。
 そのお言葉の中に「覚悟」という言葉をいただきました。すごく大事な言葉だというふうに思います。ぜひ重責をお務めいただいております覚悟を持って、これからの未来を託す子供たちを健全に育てていける環境づくりに邁進をお願いしたいなと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 ここで、しつこいようなんですが、1つだけ。
 実は、私は学校の現場の先生の立場を務めたこともありませんし、そういう機会って少なかったんですが、もう今から10年ほど前なんですが、白浜の町のほうで務めをさせていただいたときに遭遇したことを御紹介して、この項を終わらさせていただこうと思います。どうぞよろしくお願いします。
 夜の、たしか8時か9時ごろです。7時ごろまでその役場のほうにおりまして、帰って1~2時間してから電話かかってきまして、電話のかけ主は白浜町の教育長でした。お電話いただいて、私に「すぐに、申しわけないけれども、役場に帰ってきてもらえんやろうか」というような内容でした。「先生、こんな時間に何」と言ったら、声が引きつってる、そういう思いがしたんで、もうくどいことを言わんと「わかりました」ということで、すぐに行かしていただいたんです。
 そしたら、その教育長室に御夫妻2人がおられて、50代ぐらいの──50ちょっとぐらいだったと思います──その御夫妻が教育長が向かってどなり散らしてる現場に入っていくことになったんです。それが朝方の3時ごろまで続いたと思うんです。3時ごろというのは、もっと朝まで続きそうだったわけですけど、私が途中で「お母さんの言われてることはよくわかりましたので、またきょう朝からの仕事もありますので、ここら辺でひとつお引き取りをいただいて、その問題はこれからの課題にさしていただけませんか。私も重く受けとめさせていただきますので」ということで、何とか帰っていただいたんですが、その中身なんです、中身。
 中身が、ちょっと失礼な表現やったらお許しいただきたいんですが、現場がこういう事態であるということをやっぱり我々は心に強く残しておかなきゃならんと思うからです。
 お母さんが教育長に向かっている、まず言うてる言葉が「おまえが悪いんや」と、こんな言葉なんですよ。「おまえのせいや」とこういうことです。これを何時間も続けてるわけです。御主人のほうは、横で座っておられたんですが、このお2人、実は公務員ではありませんが、準公務員のそういう職場におられて、収入は恐らくお2人でお勤めでしたので、豊かな収入だったんではないかと思います。
 大事な子供、男の子だったようで、育てていたのに、中学校ごろにいじめに遭うた。そのことを学校側がすごくあしろうてしもうた。きちんと取り上げてくれなかった。しかし、それでも子供たちって育ってはいくんですが、残念ながら、この子供さん、どういう事態を起こしたかいうたら、何とか中学校を出たんですけど、地元の高校へ行ったら、そのいじめられた対象の子供たちと別れられるやろうということですごく期待を持って地元の高校に入りましたが、どっこい、高校は離れたけども、それがそのまま続く、縁が切れなかったようで、それで今度は大阪のほうの専門学校に行かしたんですが、子供さんはもう精神的にダメージを受けてて、もとに戻らないんですよ。
 大阪でひとり暮らしを始めると、家の中をバッドで振り回してぐちゃぐちゃにしてしまうわけです。その気持ちが、お父さん、お母さんが守ってくれなかったという側面も子供としてはやっぱり持ってるんじゃないかな。というのは、その両親に向かっても暴力を振るい始める。それは、とんでもない暴力の状態で、生きていくことは不可能やというレベルの状態だったというふうに認識しています。
 それで、また定期的に役場のほうにその御夫妻が来られるようになりまして、困り果てるわけですけど、もう解決法はないんです。もう18、19に高校を出て、専門学校近くまでの年齢だったんですが、その後、突然解決することになりました。
 それは、解決と言うてええんかどうかとまだ思うんですけど、どんなことが起こったかというたら、お母さんが突然亡くなったんです。どうやらクモ膜下出血のような状態かなと思うんです。たしか53前後だったと思うんですが、そらお母さん、寝ることなく、大事な大切な子供が精神異常を起こしてしまってるわけです。
 私はここで知っていただきたいのは、全国でいじめられて何とか解決した、解決したという結論を得られた先でも、その家族の中の葛藤が続いてる家庭のほうが多いんではないかな。これは、やっぱり年間、きょうも14万なんなんとする、たった半年間の統計でそれやということだとしたら、ダブってもくるだろうと思いますので1年でトータルするとその掛ける2倍ということにはならないと思いますけれども、しかし、やっぱり青少年が健全に育たなかった、育たなかったことによる国家的損失というのは、もうはかり知れんもんがあるんと違うか。
 そういう側面で物を見るというのも不謹慎なとこがあるかもわかりませんけども、せっかくこの世に命をもらって生まれてきた子供たちが、そんな状態で精神異常を起こして、地域でも溶け込むこともできず、自分の命を絶ってしまわなければならないような事態に陥ってるということ自体が、どこに何の原因があったかというふうに単純に考えてみましたら、学校へ行ったからなんですよ。学校へ行ったから。学校さえ行かさなかったら、子供はこういうことにならなんだん違うんかということも考え方の1つとして。
 残念ながら、子供はそれでも、あんだけひどいいじめを受けても毎日行こうとする。義務教育──教育に義務をつけてるわけですね、国民に。「義務教育」という言葉の認識をどこまで子供たちが持って、その行動を起こすのかは知らないですけど、やっぱり友達とおりたい。勉強しておかなあかん。そういうけなげな思いの中で、学校にいじめ倒されて──せんだってもありましたよね。東京のほうで鉄道に飛び込んで女の子が自殺した。その直前まで学校へ行ってるわけですよね。そんなひどい状態でも、やっぱり学校は行かなきゃならんと、そういう思いをきちんと持って、健全に育とう、育とうと思い続けて、しかし、もうある日突然その線が切れてしまうんですよね。命を絶つという行動で社会に問題提起をしている。我々大人に対して、大きなSOSを、国家的SOSを発信してくれてるんではないかと私は思いたいんです。
 そういった意味で、申しわけありませんが、大変重たいテーマを教育委員会の皆さん方に持っていただいて、しかし、これはやっぱり我々の大事な宝である子供たちを預からさしていただいてる、子供たちにきちんと学力もつけ、社会性から「道徳」という言葉も今朝来からありましたが、やっぱりそうして一人前の人間として送り出していただく、そういう重要な、一番重要な役割を担っていただいてる。その上にこうしたテーマを持って、肩に置いていただくというのは、まことに申しわけない思いもするわけですけど、社会的にそういう大きな使命を持った現場であるということの認識をいただいて今後とも御尽力をいただきたいなと、そう思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に入らせていただきたいと思います。
 2つ目のテーマですが、災害支援活動を行っていただいてる自衛隊の活動部隊の誘致についての当局のお考えをお尋ねしたいと思います。
 昨年の東関東沖大地震とそれに伴う巨大津波の襲来の後、遺体の収容や膨大な瓦れきの整理と処理、避難した方々への生活支援など、派遣された自衛隊が多岐にわたって活動・活躍してくれたことは、国民の皆さんがひとしく知るところです。被災地を訪れた折にも、自衛隊の活動に対する感謝の言葉をどんだけ市民の皆さん方から聞かされたかわからないほどであります。
 震災直後から投入された自衛隊の組織力により、まず大切な一般道などインフラの整備を初め、市民活動のスピーディーな回復に大きな結果を残し、その存在が震災や津波で傷ついた市民の心の支えにもなったように思います。
 そこで、お尋ねいたします。
 現在、県内には美浜町に自衛隊の駐屯地と大島にレーダー基地など、由良のほうにも海上自衛隊の基地があるというふうに伺っていますが、近く来ると言われてる地震や津波に対する備えとして、紀南から新宮までの間にもう1カ所ぐらい自衛隊の駐屯地の誘致という表現が正しいんかどうかわかりませんが、駐屯地を設置してもらうというようなことができないものでしょうか。
 そのことについて、当局のお考えをお尋ねしたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(山下直也君) 危機管理監半田和雄君。
  〔半田和雄君、登壇〕
○危機管理監(半田和雄君) 本県における自衛隊の状況でございますけれども、陸上自衛隊304水際障害中隊が美浜町に、海上自衛隊由良基地分遣隊が由良町に、航空自衛隊第5警戒隊が串本町にそれぞれ配置され、我が国の安全保障、大規模災害時の救援活動などに活躍されてございます。昨年9月の紀伊半島大水害の際には、いち早く被災地に入り、人命救助活動を最優先に、物資輸送、河川・道路の応急復旧活動など、極めて大きな活躍をされました。
 近い将来、東南海・南海地震が発生する可能性が極めて高い本県にとって、地域に密着した自衛隊の存在は県民に大きな安心感をもたらすものであり、存在意義は大きいと考えてございます。
 県といたしましても、自衛隊に来ていただきたい気持ちは十分あるわけでございますが、現在では、国の防衛政策上の判断などもあり、難しいものと認識してございます。しかしながら、これからも機会をとらえ、誘致してまいりたいと考えてございます。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございます。
 この自衛隊の県内への誘致といいますか、設置をしていただけると、今度来ると言われている地震や津波、そのほかの自然災害がありますよね、県民の生命と財産を守る姿勢を県民に向かって伝える強いメッセージになるというふうに私はまず考えます。
 実際、そういう災害が来るか来んかというのは、統計学的な感覚でいえば30年後ぐらいに70%であるとか、そういう数字というのは科学的な見地から出ていますが、実際に来るんかどうかというのは横に置いたとしても、やっぱりこの自衛隊のそういう機動力の存在というのは、すごく県民に安心を高める。和歌山県の執行部自体も、災害自体は防げなくても、災害が起こった以降に必死になって県民の皆さんの生命と財産を守る、そういう意思を県が強く持っていただいてるという、繰り返しになりますが、大きなシグナルになるんじゃないかと思います。
 そもそも自衛隊自体は、基本的な成り立ちというのは、この災害復旧を目的として設置されたものではないと思うわけでありまして、これを目的に自衛隊の導入というか設置というのは、誘致というのは不謹慎な、あるいはひょっとしたらその目的から逸脱したことなんかもわかりませんが、やはり組織的にあれだけ規律をきちんとした中で、重大な成果というか結果を出していただける団体としては、我々としては、残念ながら自衛隊の組織とか限られた組織しかありませんので、ぜひそういった意味で、甘いかもわかりませんけれども──そしてまた、今まで災害が起こったところも、自衛隊の基地から遠ければ、依頼をお願いして来ていただくまで時間的タイムラグというか、時間がやっぱりかかりますよね。今回でしたら、仙台といったり、割と大都市に近かった、そういう場所でもありましたので、比較的早く来れた部類、駆けつけられた部類だったんではないかと思うわけです。
 今度来ると言われる南海・東南海道地震のことは、もう皆さん方、御存じのとおり、南のほうは壊滅的なダメージを受ける。道路から何からなくなってしまうんではないかというふうに考えられるわけです。そうしたときに、近くにその存在があれば、駆けつけていただくというよりは、その場所から直ちに人命あるいは財産を守るための活動を展開していただける。これほどスピーディーなタイミングはないんではないかと、勝手にそんなことを考えてしまいまして、そういった意味で、今御検討もいただけるということですので、ぜひそういった意味で御検討いただきたいなと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 3点目です。次に、JR紀勢本線の線路の改良についてお伺いをさしていただきたいと思います。
 去る11月19日でしたか、三重県津市で行政のシンポジウムがあり、議会のほうから派遣をいただきまして出席をしてまいりました。
 このときに、車で行こうか正直迷ったんです。私は今白浜町ですので、南まで行くと4時間ちょっと、電車でも4時間ちょっとと、ちょうどそういう同じ位置にありましたので迷いましたが、紀勢本線の利用促進のための取り組みももう長年叫ばれておるということもありまして、強いて電車で行くことにさしていただきました。
 片道4時間余りの乗車時間でございました。朝8時台のJRの白浜からの電車で大阪に向かいまして、近鉄に乗りかえ、三重県津市の会場に着きました。このとき、JR紀勢線の乗り心地と近鉄電車のそれとの余りの違いに正直びっくりをいたしました。わかってたつもりではあったんですが、びっくりしたんです。
 紀勢本線の場合、カーブが多いためか、レールのきしみ音や連結部分のガタンゴトンと体がずれ下がるぐらいの振動や音がそのまま乗客席まで伝わってきます。いわば体がその都度振り動かされているような状況でありまして、その上、横揺れがひどくて、正直気分が悪くなるほどでありましたけれども、近鉄電車はレールの上を滑っていくような、そんな感覚でした。もちろん、横揺れやレールのきしみ音や連結部分の音などはほとんどなく、お茶をゆっくり飲みながら新聞や雑誌を読んでいても酔いを覚えることはなく、快適な旅行気分でございました。一瞬、新幹線に乗ってるような錯覚に陥ったような状態を覚えました。
 このことは、きょう御出席をいただいております知事を初め、きょうこの議場に入っておられる方々は十分御存じのことなのではないかと思います。
 紀勢線の乗り心地の悪さは、残念ながら大変有名でありまして、時代をさかのぼって考えてみるに、紀勢線の白浜口駅ができましたのは、軍国主義が国に蔓延していた昭和8年12月と聞いております。思うに、その4年前の昭和4年6月1日に、海洋生物採取のため昭和天皇が戦艦長門に乗船され、田辺湾に入港し、白浜町桟橋に上陸をしています。
 当時は、まだ今日の白浜温泉までの鉄道はなくて、白浜へは大方のお客さんは船で来泉されていた時代が続いていたのであります。その4年後、国鉄紀勢線の白浜口駅ができたのでございます。恐らく、今日のような重機もなく、紀伊山地の地形そのままに平地を探しながら工事を進められたのではないかと考えられます。
 したがって、今日のような乗り心地を考えるという余裕は余りなく、ただ物を運ぶことに重点を置いた、列強国を意識し、富国強兵、国威発揚を一番に置いた事業ではなかったのではないかと考えてしまうわけでございます。
 ちょっと今回、一般質問をさしていただくのに私自身の時間が少なくて研究が十分できていないんですが、国鉄の紀勢本線の歴史という本を少し読んでみましたところ、その中に書いていたのが、ちょっと朗読をさせていただきたいと思います。
 「昭和7年に開かれた鉄道会議で、和歌山─相可間鉄道──これが和歌山から紀伊半島南端を巡って相可に達するまでのいわゆる紀勢線のことらしいです──がとりあげられ、『今回工事を繰り上げて新宮と大阪方面との連絡を速め、有名なる紀州木材の搬出を計り──ここなんですが──之に伴って全線の完成を速やかならんとするであります』(第7回鉄道会議議事速記録)」ということで、こういう記録をされています。
 木材を運ぶことを1つの大きなテーマにしてつくったのがスタート。やむを得なかったと思います。それでも、当時の和歌山県民の皆さん方は一日千秋の思いで──難工事だったらしいです──この鉄道を開通をさせていただきました。
 このことには、後の時代を生きる我々は本当に感謝を思い続けなければならない、そういう気持ちはあるわけですけれども、あれから80年、目的を達成されていたと思われますが、戦後の経済発展とともにモータリゼーションの波が押し寄せ、快適さや質を問われる時代に入ると、このひどい路線に対してお客様は1人減り2人減りと減少を続け、先月の三重県津市の帰り、白浜駅でおりたお客様は、私を含め10名ほどあっただろうかと思うほどの人数でございました。私はといえば、もう電車酔いをしておりまして、頭がふらふらして正直、全く気分の悪いものでありました。
 観光和歌山を標榜するならば、道路の整備だけではなく、他の観光地では、やはり底がたい需要のある電車の普及も考えるべきであると考えます。ましてや、超高齢化社会を迎えようとする今日、主体の比重は、高齢者の旅人が高いウエートを占める年月がすぐそこに来ていると考えます。年をとってから運転技術の要るマイカーに乗り続けるよりは、切符を買い、乗せてもらうだけで快適に目的地まで連れていってくれる電車の整備は、時代が必要としているのであると考えます。官民挙げて和歌山の発展のため、快適な紀勢線の創造に取り組もうではありませんか。知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 立谷議員がおっしゃられた紀勢線の快適性、あるいはもう1つ言えばスピードでございますね、これがもっとよければなという思いは、私も人後に落ちません。そういう意味では、機会を見つけて鉄道事業者であるところのJRに何とかしろと。ついては、逆にこちらも観光の振興をしたり、あるいは住民にいろいろPRをしたりして、それでお客をふやすようにも努力しようと、こういうようなことを言っておりますし、また、言っていこうというふうに思います。
 ただ、それで、じゃあ、かわりにこちらがやってあげるかということになると、それはちょっと違うというところもあります。鉄道事業というのは、事業者の責務がありまして、安全に運行するというのが一番大事でありますが、一面、商売ですから、快適であればお客さんがふえるはずだということで、快適にするのも本人たちの責任ということであります。
 県の都合で迷惑をかける、あるいは特別に別のことをやってもらいたいというときは、県のお金を出さないといけません。
 例えば、請願駅がそうでございますし、あるいは那智川の鉄橋というのは、実は次にかけかえをしなきゃいけませんが、これは川幅を広げるわけで、1回目に壊れたのを直すのは鉄道事業者の仕事ですが、かけかえを県の都合で川の管理上やるんで、もう一回かけてもらうというときは、これは県のお金で直さないといけません。そうするつもりであります。
 快適性については、増せば我々もうれしいわけですが、しかし、いいサービスをすればもうかるというのも商売の常識であります。それを全部やってしまったら、県内のあらゆる業者がサービスをよくしたいので、お金を出してくれということになるわけであります。
 したがって、やっぱりなかなかできないこともあるんですが、しかし、できることは全部やりたいと思っておりますので、このJRを大事にして、その中身もできるだけよくなるように働きかけをして、努力をして、そして和歌山を守り立てていきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございます。
 県当局におかれても、また和歌山県内の市町村においても鉄道に対する県民の思いと願いがやっぱりいろいろありまして、今はもう株式会社ですので、知事から今御答弁ありましたようになかなか難しいところはあると思います。
 その以前は、国鉄というそういう存在でもあって、どうしても我々は国鉄のイメージから離れ切れていないところが実はありまして、重要な公共性を帯びたインフラであるということであったりとか、そういうことで、できるだけJRのほうからの希望やとか要望、あるいは我々の考え方も含めて、トイレを直してみたりとか、県レベルでしたら電車の振り子電車であったりとか快適さを求めたいろんな取り組みを過去の時代にずうっと続けてきていただいたことに対しては私も理解をしておりますし、ありがたかったなと。
 当時は汽車で煙吐きながら走ったんですから、それから電車に移行になって、2車線になって、それからその上で振り子電車であったりとか展望のあるオーシャンビューであったりとか、ああしたいろんな新しい取り組みを続けていただいてきたことには先人の皆さん方に御礼を申し上げたいと、そんな思いが強いところがございます。
 きょうはちょっと資料を用意さしていただいたので、特にこの資料の説明をさせていただくというよりは、当局の皆さん、あるいは議員の皆さん方にお読みをいただけたらと思います。
 ちょっと紹介だけさせていただきましたら、黒く時々塗ってるところは、皆、これトンネルで、これだけの区間の中にトンネルがこれだけあって、河川がどれだけあって、25%とか書いてるのはトンネルの勾配なんです。
 これだけ厳しい地形に鉄道を入れていただいたということの読み取りぐらいしかできないんですが、そんな中で鉄道に詳しい人らの話では、カーブのきつい、我々が酔うてしまうというレベルのカーブは、アールが250メートルから300メートルぐらいのカーブのところ。地形学的にはやむを得ないわけですけど、それを500前後、500から600ぐらいまでのカーブにすると、この横揺れで酔うてしもうたりとか、いろいろそんなことが大幅に改善される、すごく快適性が向上していくと、そんなふうにアドバイスももうています。
 これから、また少しずついろいろJRのほうにも取り組みのお願いもさせていただきながら、我々もできることを一緒になって考えていく。そういった意味で、御検討をいただくという幅をいただいたということで、次に移らしていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
 それでは、時間のこともありますので次にいかしていただきまして、4つ目です。
 「深海ガニの生息実態調査について」ということで、これもペーパーを用意しました。ちょっとお目通しをいただけたらと思います。
 これは、和歌山県沖の海図というか、海底の等高線の、山でいうたらこれが等高線になったりとかするわけですけど、その図なんです。これをちょっと目通しをしていただきながら話を聞いていただけたらと思います。
 熊野灘海岸では、水深500メートルぐらいまでの海域の資源調査についてはかなり情報が得られているようですが、それ以上の深さについては、今日においても生態系を解明していくための基礎となる生物標本すら採用されていないのが実態のようでございます。
 静岡県に行くと、海岸沿いのまちでは観光客向けに海洋ガニが数多く販売されていますが、このカニは、今から35年ほど前の昭和52年ごろ、相模湾の深海で発見されたことが始まりだと言われています。
 昭和53年には三重県沖の熊野灘でも深海ガニの生息が確認されていて、それ以降、和歌山県沖にも深海ガニが生息している可能性があると言われてまいりました。
 深海ガニとは、その前の時代は北洋水域にしか分布していないと考えられていた北洋ガニと呼ばれるタラバガニの仲間でありまして、イバラガニモドキ、イバラガニ、ハリイバラガニ、エゾイバラガニ、イガグリガニ、ゴカクエゾイバラガニ、ツブエゾイバラガニ、コフキエゾイバラガニなどであるそうであります。
 最近では、水温4度から6度の海域があれば間違いなく熊野灘にも生息していると言われており、仄聞ですが、徳島県の漁師の方々は、「深海ガニは絶対にある」、「紀伊水道沖には絶対にある」、そう言っているとのことです。
 いずれにしましても、今漁業を取り巻く経営実態は大変厳しいものがありますので、その現実を見るとき、手つかずに眠っている資源の発掘は未来に対する希望であります。海洋県とも言われている和歌山県の目の前の深海の海洋資源の実態調査は、ほとんどできていません。せめて資源調査ぐらいはしていただいて、将来に対する可能性を研究してほしいと考えます。知事の御所見をお伺いしたいと思います。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいまお話のありました深海ガニ、8種だったと思いますが、4種は紀伊水道外海域で操業する本県の小型機船底びき網漁船により実際に採捕されております。
 三重県沖合では、8種類とも生息が確認されておりまして、水深200メーターより深いところで操業する沖合底びき網漁船でも数種類が採捕されているようです。そういうことで、希少種として水族館の展示物用に提供されておりますけれども、和歌山県、三重県ともに、水産物としては、つまり商業的な水産物としてはほとんど利用されておりません。
 本件については、従来から議員からお話もございましたので、職員をしていろいろサーベイをさせました。その結果、漁業関係者からは、深海ガニ漁についての作業性とか採算性について問題点がいろいろ指摘されておりまして、あんまり積極的でないということでありました。
 でありましたが、議員からの本日の貴重な提言でございますので、漁業資源としての可能性については、いま一度、漁業関係者等の意見をよく聞いて検討してまいりたい、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございました。御検討いただけるということで、本当にうれしい思いです。
 資源のない日本列島で、また資源のない和歌山県、資源は宝だと思うんです。今、知事のほうのお言葉にもありましたが、今日現在の漁業者の皆さん方のそういう御意見というのは、私も職員のほうから聞かしていただいておりましたので、そうだとしても、また今後、資源の実態調査がデータだけでもとっておれば次の時代に対してきちんと我々がそうしたこともやってきたという、そういうことを伝えることもできるようにも思います。ぜひ夢を見たいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは最後にですが、難しい話ばっかりをお願いして申しわけありませんでした。
 知事は、ミラクルフルーツという植物を御存じでしょうか。きょうは、議長にもお許しをいただいて、こんなもんを用意しました。(現物を示す)実は、こんなもんを用意したのはちょっと理由がありまして、これまで持ってくる気なかったんですが、県の職員の人にお話しすると、いろいろ言うてくれるんですけど、「見たことあるん」と言うたら、ないわけですよ。育てたこともないし。そんな中で、失礼ですけど、難しそうな話ばっかり言われてしまうんで、とりに帰ってきたんです。
 これ、軽いんです。これ、冬の間だけ、実は私のおふくろも寝たきりに近いんで、その部屋だけ冷暖房を加えてるんで、そこに置いてるんです。ちょっと暖かなったらもう外へ出すわけですが、いっぱいなります。いっぱいなります。
 ちょっと、なったのをみんなにあげてしもうたんでこんだけしかないんで(現物を示す)後でちょっと知事にも食べていただこうと思って、これだけだれにもあげやんと用意してるんですけど。済みません。
 それでは、ちょっと御紹介に入りたいと思います。
 原産地は西アフリカです。アカテツ科に属し、御存じのように常緑樹でございます。
 私は、この存在を知ったのは、厳密に言うたら10年ほど前に確かに聞いたことがあったんですけど、4年前に花卉栽培している私の友達から教えられました。そのときの驚きというのは、実際口に入れて、幾つも口に入れてからやりましたので、今でもはっきり覚えています。ミラクルフルーツ自体は、全く甘味がないんです。これ自体には甘味はありません。これを食べた後、ミカン、レモン、イチゴ、キウイフルーツ、ブドウなど、酸を含む食べ物を口にすると、約2~3時間余りにわたって大変おいしく食べられます。全く不思議なものなんです。
 私の今回の議場の発言の趣旨は、県の果樹試験場で研究テーマとして取り上げていただけないかなと考えたからでございます。
 現在でも、ミラクルフルーツの応用、利用はたくさんの可能性が考えられます。例えば、消費が低迷している、たしかきのうもありましたし、きょうもここ10年ほどミカンの販売低迷があって、我々は毎月給料いただけますが、ミカン農家の方々は1年に一遍しか収入がないんですよね。そのときに給料というか、入らないんです。
 それが、1年働いて、その瞬間にそのときの給料が実は価格低迷しててあんまりええことないんやと。それで、収入がすごく低く抑えられた事態にある。本当に働く意欲に次につながっていく、このことに対して、そらミカンの宮川早生やとか、いろいろミカンの品種改良自体はこれからも続けていただきたいなと。もっとよりよいもの、より消費者のニーズにマッチしたものにしていただきたいなと。
 しかし、それとあわせて、少し遊び心かわかりませんけど、こういうものもセット販売みたいなことにすることによって販路の拡大──これはひょっとしたら、その意外性が今の若者の生活スタイルを刺激しまして大ヒットするかもわかりません。と私は思うんです。
 御感想をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミラクルフルーツの栽培研究についてお答え申し上げます。
 昨日、私も試食いたしました。ミラクルフルーツには、果実に含まれるミラクリンの作用によりまして、食後しばらくの間、酸味を甘く感じさせる作用がございます。
 栽培につきましては、熱帯常緑果樹であるために和歌山県の気象条件では露地栽培は難しく、生産に取り組むためには、温室等の初期投資に加え、燃料費が必要となります。また、現在のところ生産量が少なく、流通業者や消費者のほとんどがその名前を知らないため、販売方法について検討する必要がございます。
 こうした課題がありますが、議員お話しのように、ミラクルフルーツはさまざまな可能性を持った作物ですので、栽培技術や活用方法について情報収集を行い、本県果実の消費拡大につなげることができればと考えております。
○議長(山下直也君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 部長のお考え、よくわかりました。いきなりの話なのでやむを得んというふうに思います。
 ちょっと補足させていただきましたら、実はこれ、ことし思い切ってちょっと100人ほどに食べてもろたんです。同じとこに100人集まって食べてもうたというよりは、それぞれのとこでこそっと出して、10人から20人ぐらいずつ、それをずっとメモしまして、100人全員が「うまい」と言いました。「これ、何なんな」と言いました。
 今、我々、ミカンの販売だけじゃなくて、やっぱりいろんなものが、そういう意外性とかそういうことを訴えて販路の拡大──有田のミカンというのは本当においしい。基本的なとこで全国でも1位やと思います。今までどおりのそういう販売の仕方もあるわけですけど、でも、それ以外に、それにプラスアルファ、こうしてちょっと遊び心を入れたパフォーマンスを加えることによって、もっと和歌山県のそういう農産物の販売に寄与してもらえるんでないかなと思います。
 それから、昨日の同僚議員の一般質問の答弁の中で、知事のほうから研究開発テーマを公募していく、そんなお話もありました。ぜひ、食わずもん嫌い的なことじゃなくて、何かどんなことにでも興味を示していただいて、これ何な、ちょっとさわってみてやろうやないか、そういう興味を持っていただくというのも大きな能力ではないかと思うんです。
 勝手なことをお話しさせていただきまして、一般質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。

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