平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問))


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 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 本日5人目となりますので、なるべく簡潔に頑張ってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問させていただきます。質問項目は、大項目4点、一問一答方式、分割質問方式併用にて質問させていただきます。
 まずは1項目め、高野山開創1200年を起爆剤とした高野山周辺地域並びに紀伊半島の活性化についてであります。
 直近に高野山で行われました大きな行事といたしましては、1984年、弘法大師御入定御遠忌大法会があります。このときには、4月1日から5月20日の期間中に、和歌山県警調べで約104万人強の参拝客でにぎわったそうです。何せ世界の総本山高野山でございますので、言葉が悪かったら許していただいて、ほっておいても高野山には人が来る力があるということだと思います。
 本県といたしましては、この機会をとらえて、周辺地域並びに紀伊半島、県内全域により大きな波及効果を巻き起こすことが大切との思いで質問をさせていただきます。
 まず、(1)高野街道周辺地域の活性化についてであります。
 資料のほうをお配りさせていただいておりますので、資料を見ながら、これ、伊都振興局管内の道路地図でございます。北側は大阪、東側は奈良県ということになっておりますので、これを見ていただいてお聞きいただけたらと思います。
 高野山周辺地域には、高野山とともにはぐくんできた歴史、文化、食の魅力が、また磨けば光る魅力が数多くそろっています。何せ、1200年の歴史を誇る地域でございます。特に、本県が重点整備してきた、参考資料のほうにあります府県間の高野街道──371でございますが──そして川筋ネットワーク、X軸ネットワーク、この3つは和歌山県の誇る整備でございますので、このネットワーク周辺には、語れば質問時間が足りませんので省略しますが、語り尽くせぬほどの魅力があります。
 また、このコースを通りますと、橋本市、九度山町、かつらぎ町、高野町を網羅しておりますので、伊都管内の全部の市町村を上手に魅力のある地域を通っていくということになります。
 このコースを1つのモデルコースとしまして──よく聞かれるんです。「高野山へ行くときに、じゃあどこを通って行ったらいろんな楽しいものがあるのよ」と言われたときに、「まず、ここ、まあ行ってみたら」というふうに声をかけれるような、そういう伝えやすいような1つのモデルコースが要るんではないかと、私はそのように思っております。
 ですので、ここをお薦めすると周りにいろんな楽しみがある、そういうふうなシチュエーションをつくっていければいいんではないかなと考えております。まあ言いますと、楽しみながら高野山、どうですかというふうな感じの取り組みというのがいいんではないかと考えております。
 楽しみながら高野山、これを上手に発信していくと、私はディズニーランドにまさるとも劣らない、そのぐらいの地域になると思います。点で考えるのではなく、高野山の周辺地域全体で考えて、ワンダーランドのように仕上げていくというのがいいのではないかなと思っております。
 ただ、1つ心配なのが、魅力が多過ぎで、このままいきますと1日、2日で高野山に着かないかわからない、そのぐらい楽しい地域になるんではないかなと思っております。
 まず、高野街道周辺地域の活性化について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 高野街道周辺地域の活性化についてでございますが、高野街道周辺地域には、高野山とともにはぐくんできた歴史、文化はもちろんのこと、温泉、食、特産品や高野七口ウォークなどの体験といった地域活性化を図るための魅力ある観光資源がそろっております。
 平成27年の高野山開創1200年を機会に、高野山を訪れた方々に対する高野街道周辺地域への効果的な誘客対策につきましては、これらの資源を網羅的に情報発信するのではなく、年齢層や交通手段など、お客様のニーズや都合に合わせて必要とされる情報を整理し、議員御提言のコースを中心に、社寺、体験、食事、物産品販売所などを組み合わせた幾つかの具体的で魅力的なモデルコースを提案していくことが効果的であると考えております。
 このため、橋本・伊都広域観光協議会や関係団体等と連携しながら、具体的なモデルコースをわかりやすく掲載したパンフレットの作成や工夫したホームページを整備するとともに、行ってみようかなと思う動機づけの仕組みづくりや地域のおもてなしの向上にも取り組んでまいります。
 このような取り組みにより、高野山に参詣されるできるだけ多くの方々に高野街道周辺地域にも観光に訪れていただき、地域の活性化につながるように努めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな答弁いただきまして、本当にありがとうございます。50年に1回ということだそうです、開創何年祭というのは。50年に1回のチャンスということですので、もう情熱を持って取り組んでいただけたらと思います。
 それでは、(2)番に移らせていただきます。和歌山の玄関口における農産物直売所と海産物直売所の連携について質問いたします。
 高野山周辺地域、伊都振興局地域になるんですが、大阪と奈良県に接する和歌山県の玄関口であり、大きなかなめであると考えております。県外から人、物、お金、情報を和歌山県に引き込む大きな役割を持っているのではないかと思っております。
 現状を一般商業ベースで考えてみますと、県内商業者の皆さんが頑張って県内消費の流出に歯どめをかけていただいている、そのようなことはよくわかるんですが、どうしてもベクトルはやや大阪府、奈良県のほうに向いているように思います。
 そんな中、この地域にある農産物直売所・やっちょん広場、これは知事もよく御存じやと思うんですが、組合長さんとお話をしてますと、ここの売り上げの約40%は県外からの集客だそうであります。60%は地産地消で40%は県外からの集客ということですので、和歌山県のほうに人、物、お金の流れを向かわしてる力があるんではないか、そのように考えております。
 しかし、最近では農産物直売所、いろいろ数ふえてまいりまして、直売所のほうが増加傾向なので、やや売り上げのほうが下降ぎみであるということで、ちょっと心配しておられたようですが、玄関がやっぱり魅力的でないと、人、物、お金の流れがなかなか入ってこないということがありますので──和歌山県には海の魅力があると思います。お隣の奈良県には海がございませんので、和歌山県の山の幸、海の幸を生かした新たな魅力ある取り組みといたしまして、海産物直売所を併設してはどうかなと思います。単純計算で、先ほども言わしていただきましたが、60%は農産・海産、地産地消になりまして、40%は県外からの取り込みが期待できるのではないか、そのように思っております。
 和歌山県の玄関口における農産物直売所と海産物直売所の連携について、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、プレミア和歌山を活用したブランド化や県産品商談会の開催など、さまざまな形で県水産物の販路拡大に取り組んでおります。特に直販は、漁業者がみずから小売価格を決定し、流通経費の削減もできるため、漁業関係者の所得の向上に大変効果があるものと考えております。
 また、消費者にとりましても、直販は鮮度のよい多種多様な魚を購入できるというメリットがございます。
 御提案のように、農産物直販所で県産の水産物を直販することは、施設自体の魅力を向上させ、また本県の農水産物を県外にアピールするという効果も期待されます。いずれにしましても、採算の問題もありますが、いい提案でございますので、県としましては、関係団体にこうした考え方のあることをお伝えし、アドバイスや両者のパイプ役など、支援できることがあれば行ってまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 民民同士的なところもあるので、最大限の御答弁いただいたということで、ありがとうございます。
 ただ、1つ思うことがありまして、実施主体がまずございまして、そこから、それを磨き上げて支援していくというのが一番大切なことやと思うんですが、ただ、なかなかその実施主体の芽が出にくいのが地方でございますので、できるだけ県のほうでも精いっぱいの御支援していただいて、私はもう県外からやっぱり人、物、金を流し込むようにしないと、これから消費税が上がっていくということでございますので、やっぱり県内で消費していただく分をふやしていくというのが大事かなと思っておりますので、精いっぱいの取り組み、どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、(3)についてであります。
 これにつきましては、和歌山県、紀伊半島の魅力ということで、高野山に訪れた方につきましては、言葉悪かったら許してください、そのままただで帰ってもうたら困りますと。紀伊半島のいいところをずっとめぐって、一番、私、日ごろから思ってんのは、あのパンダのことなんです。パンダ2匹で全国は大騒ぎしてますが、和歌山は8匹から9匹いてるんやという、それ自体も非常に思いがありますが、串本へ行きますと300キロのマグロが泳いでるわけですよ。そういうのもやっぱりこの高野山に来たついでに寄っていただいて、もう3日ぐらい、4日ぐらいかけて紀伊半島をめぐってもらう、そういうふうに引っ張り込んでいくというのが一番大事と思います。
 これにつきましては、私がごたごた言わなくても、仁坂知事は熱い思いをお持ちと思いますので、高野もうでと連携した熊野、紀伊半島への誘客について、知事にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成27年の高野山開創1200年を機会に、高野山に来訪される多数の信徒や一般参詣者の方々には、高野山だけではなくて魅力ある県内のそれぞれの観光地にも訪れていただき、より一層和歌山を満喫していただくことで、熊野などの県内各観光地の活性化に努めていくことが大変重要と認識しております。
 来年は伊勢遷宮でございますが、その客もこっちへ連れてこようということで今頑張っとるんですが、今度は、高野山には、おっしゃるように自然に客がお見えになると思いますので、すっと帰らないで県内のいろんなところへ一緒にお回りいただいたらどうでしょうかというようなことを申し上げたいと思っております。
 このために、県内観光地の食、温泉、体験などの魅力、期間中に催される催事の情報、交通手段や道路に関する情報などをわかりやすく提供していくとともに、県内各観光地に行ってみようかなと思ってもらえるような仕組みづくりをし、それぞれの地域におけるおもてなしの向上に取り組んでまいりたいと思います。
 加えて、平成26年には和歌山デスティネーションキャンペーンというのが、これは全国のJRグループを束ねて、全部行き先は和歌山県──これは秋ですが──ということでキャンペーンをしていただきます。そのときにも、その次の高野山開創1200年もあるぞというようなことを大いにPRをして、高野山を訪れた観光客を県内の各観光地に誘導するような、そういう戦略的な施策を展開してまいりたいと思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事、答弁ありがとうございました。
 何せ、和歌山県に一たん来てくれた人は、もうほんまに一周するまで帰さないぐらいの思いでやっていただけたらと思います。
 私自体もいろいろ考えてるわけです。だれもがそうですけど、自分の住んでる市町村に来てほしい、これはもうもちろんあると思うんですが、そこへ来ていただいたときには、必ずお隣とか紀南のいいところを1つでいいから紹介するという、この県民総参加口コミ大作戦的なこともやっぱり大事かなというのがありますので、その辺もリーダーシップとっていただいて、私もそこらでしゃべってこいというなら何ぼでもしゃべりますので、そういうふうに頑張りたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、大項目2番ということで、関西都市圏の拡大に重要な道路ネットワークについて質問いたします。
 1番、紀見トンネルの安全・安心の確保についてですが、昨日、答弁のほうで、きちんとしたチェックをしていただいて安心ですよと安全宣言を出されたということで、一応、私、地元でございますので、県民の皆さんも危ないものが天井に乗っているんではないかというか、心配がありました。さしずめ当分の間はきちんと安全が確保されているという答弁でございましたので、その辺は安心しております。それにつきましては、きちんとお伝えさせていただきます。
 ただ、1個気になるのが、笹子トンネルと類似したという表現、新聞に出ているんですが、県民の皆さんとしたら、この「類似した」という中途半端な表現されると、類似してまだ構造的にましなのか、悪いのか、中途半端でわからないと思いますので、この際、その類似の部分について、まずきちんと説明していただきたいというのが1点あります。
 もう1点、42年経過していると思うんですよ。ですので、42年後から、これから何10年、今後、維持管理をされていくということになりますので、先日も補強もしながら長寿命化もしながらというお話でしたが、最近、車の排ガス規制ということで排気ガスのほうも減ってきてる。そして、1つ心配するのが、長寿命化するにしても工事はしていくということになりますので、新たな投資かけらんなん。一番気にするのは、日ごろのチェックするときに、検査するときに、複雑な構造であればあるほど手間はかかるし、ミスが出やすいと思うんです。
 この際、もうシンプルに天井を外して、全国的には、ほかでももう天井を外して今の技術で換気をしているという事例もございますので、一応天井を外すということも考えて、やっぱりシンプル・イズ・ベストで、トンネルのままでどないか維持管理をしていく、案外それのほうがライフサイクルコストを考えますとね。
 報告書を見ますと、1000近くの打音検査、箇所にしたらしてあるということでございますが、これが5年に1回、2年に1回、1年に1回ぐらいせんなんようになっていかないと、なかなか天井の不安を払拭するというのはできないと思いますので、そのトータル面を考えると、この際、将来的に安全・安心の確保を図る場合に、1つの方法としてもう天井板を撤去すると、そういうことも考えていただけたらと思うんですが、あわせて答弁、よろしくお願いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 中日本高速道路株式会社管理の笹子トンネルは、2枚の天井板を中央のつり金具でつり、左右の受け台に固定する構造となっております。
 一方で、県管理の紀見トンネルは、直接天井板をつるのではなく、まず左右の受け台にしっかりした天井ばりを渡し、さらにそれを左右各2本のつり金具でつった上で、そのはりとはりの間に天井板を設置する構造となっております。
 今後も、安全・安心の道路交通を確保するため定期的にトンネル点検を実施し、必要な修繕を行うとともに、換気装置の維持管理の観点から、天井板等の撤去の可能性につきましても検討してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 検討していただけるということなので、ありがとうございます。
 さしずめすぐどうこうというのは、まずもって工事ができないと思います。というのは、全面通行どめにあのトンネルをしてしまいますと、和歌山県の北部は全滅してしまうと私は思っております。
 そうなりますと、やっぱり県民の皆さん、何をおっしゃるかといえば、これは次の質問にもつながるんですが、平成元年から工事をしまして、もう24年もたってるのに、新しい紀見トンネルが抜けていたら不安なくそこを通れたのにという、こういう声がやっぱりどうしても出てきます。
 それも含めまして、2番の質問であります。
 毎回もう知事とは、これ、やらしていただいてますが、私はもう和歌山県の命がかかってると、高野街道でございますので、そない思って質問をしております。
 県民の直接の声は先ほどの声でございます。現実的には、大阪側の予算を見てみましても、昨年、ことしと2億前後。一方、和歌山県の予算は20何億かけて頑張ってやってるという現実がありますので、地域高規格大阪橋本道路の新紀見トンネル(仮称)の早期開通に向けての取り組みについて、県土整備部長にお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 国道371号の府県境部を含めた大阪府側の整備については、これまでも仁坂知事が直接、松井知事初め橋下前知事など、歴代の大阪府知事に強く働きかけてまいりました。特に、府県間トンネルについては、早期整備に向け、和歌山県側から先行して着工できないかなど、大阪府に対して具体的な提案も行ってきたところですが、大阪府の財政状況が厳しく、実現には至っておりません。
 国道371号は、本県にとって京阪神地域と連携強化のため不可欠であり、重点的に整備を進めるべき道路であることから、国で進めていただいている直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府に対しては、大阪府側の予算確保と府県間トンネルの早期着工に重点的に取り組むよう粘り強く働きかけてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 粘り強くということで、よろしくお願いします。
 ただ、もういつも言わしていただいておるんですが、関西広域連合のことなんですが、一番、僕が気になるのは、やっぱり関西広域の中心になるところが、地方が困ってるときに手を差し伸べない状態でなかなかうまくいかない。これは、感情的かわかりませんけどね。やっぱり和歌山県がこんだけ一生懸命やってるときに手を差し伸べないというのは私には理解できないんで、知事、機会がございましたら、大阪府の知事さんに、そんなに若くないんですが、地元の県会議員が「そういう気持ちがなかったら関西広域連合はできないよ」と言うてますとお伝えいただけたら、ひとつよろしくお願いいたします。する、しないは知事のお考えでございますんで、ひとつよろしく。
 次、大きな3番、いかしていただきます。
 11月は、子供虐待防止月間でした。日本放送協会(NHK)でも、「子どもを守れ!キャンペーン」としていろんな番組が組まれておりました。先日は、「増え続ける児童虐待、どう減らすのか」という、そういう題名で、和歌山県のお隣、奈良県の現状や、30年先を行くと言われるアメリカの現状などが放送されておりました。
 内容としましては、本年10月に広島県で11歳の少女が母親にゴルフクラブで殴られ死亡した悲惨な事件、また、子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが増加し、対応に追われる奈良県の児童相談所、もう1点は、アメリカでは人口26万人を87人の職員で対応しているのに対し、奈良県の児童相談所では85万人を8人の職員で対応しているなどが大きく取り上げられておりました。
 和歌山県の児童虐待相談件数は、平成12年160件から平成22年度640件と10年間で約4倍、平成23年度709件、今年度9月末現在で422件と、年々増加の一途をたどっております。この現状を踏まえて質問をいたします。
 まず、1番です。
 平成24年6月5日付厚生労働省虐待防止対策室の資料を見てみますと、増加の一途をたどる児童虐待相談件数、また、相次ぐ児童虐待による死亡事故、児童相談所、市町村における相談体制の不足、社会的養護体制の不足などの現実が示されております。
 課題といたしましては、発生予防では、虐待に至る前に、気になるレベルでの適切な支援が必要である(育児の孤立化、育児不安の防止)、虐待が深刻化する前の早期発見・早期対応の必要性、さらに、子供の保護・支援、保護者支援では、子供の安全を守るための適切な一時保護の必要性、親子再統合に向けた保護者への支援、社会的養護体制の質と量の拡大などが示されております。
 児童虐待防止対策の現状と今後の取り組みについて、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 分割方式じゃないですか。
○岩田弘彦君 失礼しました。
 続いて、2番です。
 提言を踏まえた児童相談所職員配置の充実についてであります。
 子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが年々増加の一途をたどっている、これが現実であります。
 一時保護機能や措置機能などの権限を有し、早期対応、保護、指導、アフターケアにおいて中心的な役割を担っているのは児童相談所であります。児童相談所の充実が必要なことは言うまでもありません。今年度、積極的な体制の強化が行われていますが、しかし、子供たちのより身近な地域への児童相談所職員の配置は行われていません。
 虐待防止策の推進に関する重要事項の調査、審議を目的に平成20年7月に設置されました和歌山県子どもを虐待から守る審議会から、ことし3月26日に「子どもを虐待から守るための提言書」が提出されています。
 提言内容は、当面取り組むべき施策と中長期的に取り組むべき施策にまとめられています。その当面取り組むべき施策において、児童相談所での勤務経験の豊富な複数の職員を伊都振興局に児童相談所職員として配置し、所管市町村の日常的な虐待対応のレベルアップを受け持つとともに、当該職員が市町村と連携し、安全確認及び一時保護を行うようにと示されています。
 はっきりとした箇所づけがされている提言書というのは、私は余りないと思います。こんなにはっきり箇所づけをされているというのは、委員の皆さんの必要性の高さであると思います。
 子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが年々増加の一途をたどっています。全県的に子供たちのより身近な地域への配置を行っていただきたいのですが、まずは提言を踏まえた配置をしていただきたい。提言を踏まえた伊都振興局への児童相談所職員の配置について、あわせて福祉保健部長にお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 児童虐待防止対策の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
 児童虐待防止対策の現状につきましては、まず虐待の発生予防のため、市町村による乳児家庭訪問、乳幼児健診から得られた養育環境や健康状態に関する情報、保育所、学校から得られた子供の毎日の様子など、こういった情報に基づき、保護者への必要な助言を行っております。
 また、虐待の早期発見と早期対応のため、本年4月に子ども・女性・障害者相談センターに虐待対応課を設置するとともに、県民の皆様から児童虐待通告をちゅうちょせずにいただけるよう、テレビ、新聞などによる周知啓発を行っております。
 次に、子供の保護、支援といたしましては、関係機関で情報を共有し、子供の状況が看過できないときは一時保護を行い、適切に児童の処遇に当たっております。
 また、保護者の支援といたしましては、平成24年度の新政策として、子育て技術、養育環境のあり方、ストレス管理などを集中的に学習いただくためのプログラムの提供を行っております。
 さらに、今後の取り組みといたしましては、引き続き保護者を支援するためのプログラムの充実に力点を置きつつ、子供の支援として、里親の拡充や、児童養護施設等において、より家庭に近い環境づくりを推進してまいります。
 続きまして、和歌山県子どもを虐待から守る審議会の提言を踏まえた児童相談所職員配置の充実についてお答えいたします。
 現在、児童相談所と関係機関がそれぞれの地域性と専門性を生かして迅速な安全確認などに当たっておりますが、議員御指摘のとおり、近年の児童虐待相談件数の増加や同審議会からの提言を踏まえ、伊都振興局への児童相談所兼務職員配置に向けて体制整備を進めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 1番目につきましては、僕、この質問に際しまして政務調査さしていただいたら、和歌山県、積極的にいろいろ、結構対策に頑張ってるというほうになりました、私の調査の結果ですけれども。
 ただ、身近な地域への職員の配置がないので、対応に時間がかかった場合、一番心配されるのがやっぱり子供の命でございますので、それが一番ありましたので、体制を進めていただけるということで、本当にありがとうございます。
 逆になりましたが、1番につきましては、一番心配するのは、先ほど言わしていただいたように、テレビを見ますと、30年後には26万人を87人の職員で対応しているというのは、これ、いいことじゃないんですよ。日本が30年後には26万人を87人で対応せんなんような状態になるかもわからないという僕は警報だと思いますので、積極的に取り組んでいただいて、そんな26万人を87人の職員で対応しなくても和歌山県は大丈夫やと、虐待はもうほんまにほとんどないんだと、子育てしやすい和歌山県になるんだという思いで取り組んでいただけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、大項目の4番に移らしていただきます。
 子育て家庭の経済的負担の軽減について質問いたします。
 まず1番、紀州3人っこ施策における育児支援助成制度の充実について質問いたします。
 この制度は、仁坂知事が就任して以来、実施している少子化対策、紀州3人っこ施策でありますが、これにつきまして政務調査をさせていただきました。
 少子化対策関連データを調査しましたところ、合計特殊出生率では、平成17年度、全国34位、それが平成23年度には18位と上昇しております。また、第3子以降の出生割合では、平成17年度15.41、これに対して平成23年度17.77と増加傾向を示して、全国平均を上回っているということでございましたので、その紀州3人っこ施策、割と効果を上げており、もう実績出てきてんのかなと私は解釈しております。この紀州3人っこ施策により磨きをかける思いで質問をさせていただきます。
 紀州3人っこ施策には、保育料助成制度と育児支援助成制度があります。しかし、対象家庭はほとんど同じなのですが、保育料助成制度の実績が増加しているんですが、それに比べて育児支援助成制度の実績が少な過ぎると私は思います。せっかくいい制度なのに、これについてはなぜなのか、まずこれをお聞きしたい。
 また、より活用していただいてこそ育児支援と考えますので、私の案といたしましては、対象事業を延長保育、預かり保育、病児・病後児保育などに活用できるように拡大してはどうか。もう1点は、限度額は世帯ごとに今はなってるんですが、子供ごとにしてはどうか。その辺、提案も含めまして、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 紀州3人っこ施策の育児支援助成事業は、3人以上の子供を養育する保護者が利用する一時的な保育サービスの利用料の負担を軽減するものです。
 本事業の助成対象となるファミリー・サポート・センター事業や一時預かり事業、子育て短期支援事業といった保育サービスが提供できていない地域があることや、事業の周知が十分行き届いていないことなどから、今年度の実施市町村は9カ所にとどまっております。
 県といたしましては、育児支援助成事業の実施について市町村に働きかけるとともに、当該事業が積極的に活用されるよう事業の周知に努めてまいります。
 また、議員から御提案をいただきました育児支援助成事業の対象事業の拡大や限度額のあり方については、次世代育成支援対策地域協議会等の意見も聞き、検討してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 サービスを受けようと思うても、市町村にサービスを受けれるところがないんではないかというところやと思うんですが、それにつきましては市町村さんの事情もございますと思いますが、これから大事なことなんで、そのサービスが実施できるように御指導いただいて、また幅を広げていただいて、そして制度の充実につきましても、実績が出てるやつはもっともっと磨き上げたほうがいいと思いますので、どうか御検討、よろしくお願いいたします。
 それでは、2番に移らしていただきます。
 乳幼児医療費助成制度の充実について。
 県と市町村が同等の負担を行い、力を合わせて実施している乳幼児医療費助成制度は、子供の安全・安心、子育て世代の経済的負担の軽減、受益者が多いなど、少子化対策として受給対象年齢の拡大が取り上げられることも多く、子育て世代の注目も高いようであります。
 先日、私の地元の橋本市、お隣は五條市ということで、両方に住宅開発されたところがあるんです。その中で、たまたま橋本市のほうを選んで住んでいただいたお母さんが、私が何にも聞いていないのに──橋本市は小学校卒業まで医療費の無料化をやってるんですよ──「五條市さんよりもはるかにその制度がいいという理由でこっちに住みました」と、私が聞かなくても向こうから言っていただけたので、やっぱりそういうところも注目してるんかなというふうに思ったので、注目も高いというふうに表現さしてもらっております。
 一方、県内の市町村の動向を見てみますと、厳しい財政状況の中、やりくりを工夫して、一般財源100%を充当してでも子育て世代のために受給対象年齢の拡大を図る市町村が広がりを見せております。
 これは、私の資料2を見ていただけたらと思います。昨年12月議会で提言さしていただいて以来、今年度も広がりを見せております。30市町村中25市町村にも及んでおります。市町村の広がりは、私は県民の必要性の広がりを示しているんではないか、そのように思っております。
 前回の答弁では、全国知事会等の場を通じ子供の医療費負担の軽減について要望しており、今後も引き続き働きかけますとのことでしたが、国の動向はどうですか。
 また、本年9月に和歌山県市長会から提出された平成25年度予算編成等に関する要望書にも、受給対象年齢の小学校卒業時までの拡大が強く求められています。特に和歌山市、御坊市、有田市、海南市、紀の川市、橋本市、岩出市であります。受給対象年齢の小学校卒業までの拡大についてはどうでしょうか。
 また、別の考えとして、一体どこまで拡大する必要があるのということも私はあると思います。
 実は先日、ことしの「ガバナンス」2月号に仁坂知事の特集が載っておりまして、表紙を飾っておったんですが、その中に、「国がナショナルミニマムを保障し、住民を含む地方の自己責任を制度化すれば、地方分権はきちんと進むのではないかと思う。どの地域に住んでいてもナショナルミニマムは日本国民として保障されることが、いわば安心材料になると考える」と「「地方主権」へのビジョン」ということで書かれておりました。いや、私はもうほんまに賛同でございます。
 この考え方で考えてみましたら、この制度は県単独事業ですので、和歌山県ミニマムということを考えますと、1つの考え方で、今は就学前までは県と市で半分ずつやってるんですが、市町村の財政状況がどういう状況であれ、やっぱり抵抗力が低くて自己健康管理能力も低い就学前までの子供たちについては、そこの部分は和歌山県ミニマムで県が100%面倒見るんで、それ以上は市町村の自己責任で、独自性でという考え方というふうになるんではないかと思うんです。
 どっちかの方法をやっていただけないか。
 一番、市町村さんからの要望で、僕は市会議員しとったんで気持ちがわかるんですが、県と市と力合わしてやってる制度、市町村が30もある中で、ほとんどの市町村が頑張ってたときには、やっぱりたまには県も助けるよという理屈ではない部分の気持ちもあると思いますので、その辺も含めて、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 県が実施している乳幼児医療費助成制度は、就学前までの児童を対象に市町村とともに医療費の自己負担分を助成するもので、近年、対象年齢を拡大する市町村が増加していることについては認識してございます。
 制度の拡充については、和歌山県市長会等から要望をいただいておりますが、県としては、財政状況の好転がない中、将来にわたり持続可能な制度とするためには、対象年齢を拡大することは困難と考えております。
 また、県と市町村が対象者を区分し、就学前児童については県がすべて負担を負うという御提案につきましても、結果として県の負担を大きく増加させるものであり、難しいものと考えます。
 次に、国の動向ですが、国はこれまで、未熟児や難病の子供に対する医療費の公費負担の実施に加え、医療保険の自己負担割合を3割から2割に軽減する措置を平成20年度から就学前の児童まで拡大し、医療費負担の軽減を行ってきています。
 県としては、これまでも国に対して乳幼児の医療費負担の軽減策等の強化について要望してきており、今後も引き続き国に働きかけを実施してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 結局は難しいということで、前回も今回もあるんですが、国に働きかけを実施するのは続けてください。これは続けてください。
 ただ、私、これ、思うことがありましてね。理由は、まあいえばお金がない、お金がないという理由ですわな。お金がない、お金がないという理由であるんであれば、消費税が上がってきて一般財源がふえると──これ、私も試算してますが、経常一般財源、大体7~8億でできると思うんですが、消費税が上がりますと、まあいえばそれ以上入ってくるんですね。試算によると最終的には100億ぐらいふえるんではないかと財政課が言うてましたけども、ということはお金があったらできるという解釈させていただいて、一般質問を終わります。
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後3時7分散会

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