平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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平成24年12月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成24年12月18日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第148号から議案第176号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第148号から議案第176号まで並びに報第3号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(40人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
 12番 欠員
 39番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       藤本陽司
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      半田和雄
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     米田和一
 福祉保健部長     山本明史
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      雑賀忠仁
 教育委員会委員    山本 哲
 教育長        西下博通
 公安委員会委員長   片山博臣
 警察本部長      植田秀人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     保田栄一
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼議事班長
            中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷  巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から現金出納検査実施結果の報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第148号から議案第176号まで、並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 14番坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕(拍手)
○坂本 登君 皆さん、おはようございます。議長のお許しをいただき、質問をいたします。
 本日は、国体の開催、農業の振興の2点について質問し、当局の考え方を伺うものであります。
 まず最初は、平成27年開催の和歌山国体についてであります。
 昭和46年、「明るく・豊かに・たくましく」をスローガンに黒潮国体が開催され、県内は、その準備段階から県内挙げてのビッグイベントとなり、フィナーレには天皇杯獲得に狂喜乱舞したものであります。後に固有名詞ともなった国体道路や花いっぱい運動などは、長く県民に親しまれ、思い出とともに今は重要なインフラとして機能しているところであります。宿泊施設が少ないという弱点も、県内各地、各層に民泊の協力を求め、県内の一体感演出に大きな役割を果たしました。
 黒潮国体が開催された昭和46年という時代背景を考えるとき、我が国の経済成長は成熟期を迎え、本県も先進県への躍進という視線の先を明確にとらえている時代でした。お年寄りから子供まで、北から南まで、県民こぞって国体の成功に邁進した、よき国体でした。若かりしころの思い出と感激で、私は国体とはかくあるべしといまだに思っております。
 目を今回の国体開催に転じますと、ややもすれば競技の成績、天皇杯の獲得のみに目を奪われて、県政にとって国体の意義ともいうべき本当に大切なこと、すなわち、国体開催を契機とした県づくりの方向とか新しい公共ともいうべき行政に対する県民の参加とか関連するインフラの整備といった、国体後の県政にとって真価が問われる県政全般の取り組みがどこまで議論され、検討されているのか、いささか危惧を覚えるものであります。
 もとより、競技の結果は大切であります。県民の一体感、高揚感を高めるためにスポーツがどれほどの効果があるのか、オリンピックやなでしこジャパン、甲子園の高校野球の活躍など、既に私たちはその効用を痛いほどわかっています。平素は国旗、国歌などに何の関心を持たない若者が、オリンピックではセンターポールの日の丸に涙を流し、サッカーの国際試合では遠く外国にまで出かけて国旗を打ち振っている姿に、スポーツの真髄を見る思いがいたします。県を代表する、あるいは県出身の選手諸君の活躍は、まさに心躍るものがあり、私なども新聞のスポーツ欄で、いつも国体の成績を真っ先に探すほどであります。
 さきの岐阜国体では、男女総合成績が21位と前年の43位から大きく躍進したことは本当に心強いものがあり、和歌山国体への期待を大きく膨らませてくれました。県民の期待と関心は日に日に高まってくるものと思われます。
 そこで、今回は、この国体開催に向け、何点か質問をし、当局の取り組みの現状をただすものであります。
 第1点は、本年の岐阜国体での成績が山口国体の43位から21位へと大きく躍進したことにかんがみ、競技力の強化という観点から何がよかったのか、どの競技種目がうまくいったのか、どの競技種目がうまくいかなかったのか、和歌山国体に向けて何が課題として残ったのかといった点について、まず国体推進監に伺うものであります。
 国体を開催し運営する施設には、大きく分けて2つの領域があります。
 1つは、競技を開催するための直接の施設、例えば紀三井寺競技場や秋葉山プールの改修、あるいは県下各市町村、会場となる競技場の整備であります。
 もう1つの分野は、公共事業であります。県内に広く分散して開催する各種競技や選手団の移動など、いわば国体の運営を支える舞台装置であります。具体的には県内をネットワークする高速道路や主要幹線道路の整備、JR輸送力の強化、情報通信基盤の整備などが頭に浮かんでまいります。
 順を追って伺いたい。
 まず、最初の競技会場の整備についてであります。
 近年、国体の競技レベルの向上は目をみはるものがあり、また、参加種目も一層多様化してきています。これまで考えられなかったような種目もたくさん取り入れられてまいりました。当然、こうした種目に対応した施設は、新たに整備するか、これまでの施設を改築、改装するか、いずれにしても、現在の競技レベルにたえられる施設整備が必要になってきます。このことは、県や体協が直接整備、運営する施設にとどまらず、市町村の施設も同様であります。
 そこで、県の主要な施設の整備状況について、国体推進監に現状をお聞きし、課題があれば説明を願いたい。
 あわせて、市町村の施設整備はどうですか。聞くところによれば、市町村の施設整備については何の財政的援助もなく、自前での整備が求められているとか。市町村の財政事情厳しい折、どうお考えですか、ちょっとでも助けてやろうという気がありませんか、あわせて答弁を願います。
 2点目の公共事業についてであります。
 県内とりわけ紀南地方の県民には、国体の開催、成功とあわせて、国体までにはどこまで高速道路が整備されるのかなという、国体というビッグイベントを契機とした基盤整備の推進に対する期待もまた大きいものがあります。
 今の時代、高速道路ができるかできないかといったレベルの議論を県議会で質疑すること自体、私にとってもつらいものがあります。全国から来県される選手団にとって、高速道路がない県のほうが驚きなのではないでしょうか。何とか平成27年の国体開催を契機として抜本的なインフラ整備が進まないものか、無理を承知で質問をしております。
 昭和46年の黒潮国体は、和歌山駅と紀三井寺競技場を「国体道路」として直線で結びました。黒潮国体の成功に十分な役割を果たしたものと思いますし、その後の沿線の開発、発展ぶりは先見の明ありと思わせるものがあります。
 現在の交通事情は、さらに1段も2段もレベルアップした交通体系の整備を要求しています。せめてメーン会場である和歌山市と紀の川沿いの各会場を直結する京奈和道路の全通と、和歌山市と県南部の各会場をネットワークする高速道路の県内整備ぐらいは欲しいところであります。
 国体とは分野が違いますが、平成6年に和歌山市で開催された世界リゾート博では、会場となった和歌山マリーナシティの大規模な造成が行われ、あわせて会場までのアクセス道路が新設されました。平成11年の南紀熊野体験博では、田辺─本宮間の国道311号線の全線改修が行われました。加えて、特におくれが目立っていた紀南地方の携帯電話の通話不能地域の解消が、NTTの配慮により前倒しで整備をされました。
 大がかりなインフラの整備には、こうしたきっかけと大義名分が必要ということを、私たちはこれらのことから学ぶことができます。国体開催という大イベントを、こうしたきっかけと大義名分にしてはどうですかというのが私の言いたいことであります。
 幸い、国の政権が自民党主導になりました。自民党の看板政策の1つは国土強靱化法であります。災害に強い国土をつくっていこうという趣旨ですが、県内にあって高速道路や情報通信網の整備はこれと軌を一にします。この際、強い政治力と国体開催という大義名分を掲げて、道路整備や情報通信基盤の整備という積年の課題解決に全力を傾けてはどうでしょうか。知事の決意を伺いたい。
 第3点は、県民参加であります。
 政治や行政の流れは、参加と透明性を求めています。このことは、国、地方を問わず同じ流れであります。県民は行政に参加したい、自分もその一端を担ってみたいと思っております。行政も、どうしたら県民の参加がうまくいくのかと試行錯誤の段階だと思います。私は、今回の国体がその絶好のチャンスだと思っております。
 開会式や閉会式でのセレモニーでの県民参加は当然でしょうが、そのほかでも花いっぱい運動や来県者向けのグルメ開発、おもてなし運動、民泊の依頼など、県民参加の形態は多種多様に展開しています。県民の方たちが、今回の国体を自分たちの国体だと思ってこぞって参加し、協力してくださってこそ、国体開催が成功だと言えるのではないかと私は確信をしております。
 県民参加の取り組みについて、国体推進監の答弁を求めます。
 第4点は、国体の意義についてであります。
 これまで申し上げてきましたように、私は、国体というものは単に競技の点数を競い合う大会にはとどまらない、とどめてはいけないということを申し上げてきました。県民総参加で分厚い取り組みを展開し、国体というビッグイベントを通して必要なインフラ整備をすることが大事だと思います。
 さらに大切なことは、その先にある和歌山県をどういう県にしたいかという知事のビジョンであります。
 最後に、今回の和歌山国体を県政推進上、どう位置づけ、県づくりにこの国体をどう活用しようとしているのですか、知事の所信を伺って質問といたします。
○議長(山下直也君) ただいまの坂本登君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、公共事業についての面について、御答弁申し上げたいと思います。
 国体開催時には、県外から大勢の方が来訪されるため、近隣府県からのネットワークとして、また、県内各地の会場を円滑に連絡するネットワークとしても、高速道路を初めとする幹線道路の整備は不可欠であると思います。また、そうした幹線道路や、あるいは情報通信網の整備は、大規模災害に備え、強靱な国土をつくるためにも不可欠であるとともに、また、さまざまな産業活動を支えて、県民にチャンスを与えるものであるということは言うまでもございません。
 ただ、議員御指摘のように、何か大義名分をつくって、それで早くやってもらうということは、戦略的に大変大事でありますので、実はそれを大義名分にして努力をしてまいりました。
 御承知のように、現政権は、非常にこのネットワークづくりには当初は特に冷淡であったんですけれども、いろいろなところに話をして、だんだん理解をしていただきました。特に事務方及び後半の大臣の方々なんかは理解をしていただきまして、27年度までということで、随分多くの予算手当てがなされることになりました。
 例えば、近畿自動車道紀勢線のすさみまで、それから京奈和自動車道、それから第2阪和、480号線の全改良、それから第2奥瀞、こういうものについては27年度完成ということで予算手当てがついてるんですが、27年度というと28年の3月までありますので、ここまでやられたらたまらんということで、ぜひ27年の8月までにやってくれということで、今一生懸命働きかけをしているところでございます。
 と同時に、これまで努力してまいりましたX軸、それから現在頑張っております川筋ネットワーク、それから特に和歌山市を中心とする都市計画道路、こういうものも、実は国体をねらって、国体までにある程度のところまで概成しようということで現在努力をしてるところでございます。
 自分たちも努力をしますし、引き続き国に働きかけてまいりたいと思いますが、1つの障害が、どうしてもいろいろちょっとたくさん見返りをもらおうとして頑張っている人とか、あるいは、そういうことはちょっと論理的にできないんですけど、それからいこじになってる人とか、土地手当てに協力なさらない人がいて、これは県としても断固とした態度で臨む方針でございますけれども、県議の方々も各地のリーダーでいらっしゃいますので、特に地元の方々の意見が効きますので、ぜひ御説得に御協力いただきたいと思います。
 また、情報通信網についても、現在、携帯電話や光ファイバー網の整備率が99%まで進んでおりますが、早期の100%整備達成を目標に、引き続き、国、市町村、通信事業者と協力して格差是正に取り組んでいきたいと思います。
 このように一生懸命取り組んでおりますけれども、坂本議員の御議論に触発されるものも多うございます。国体を目指すネットワークがどうなるのか、わかりやすく県民に説明して、さらに希望を持ってもらうようにしたいと考えております。
 次に、国体の意義についてでございますが、国民体育大会は、国内最大かつ最高のスポーツの祭典であり、国体を契機として、スポーツ実施人口の拡大と競技力の向上を図ることは、これはもちろんでありますが、県内の施設が整備充実されるという側面、それから先ほどのネットワークが整備されるという側面、それからさらにすべての県民がスポーツをする、見る、支えるといったさまざまなかかわり合いを通じて夢と感動を共有し、和歌山を元気にするということに大きな意義があるというふうに思っております。
 紀の国わかやま国体という、まさに半世紀に一度のビッグイベントで郷土の選手をともに応援し、来県者に心温まるおもてなしで接すると、そういうことで県民の心が1つになり築かれる県民のきずな、これは実は大目標に、スローガンに掲げておるんですが、今後の社会経済情勢の変化を乗り越えていくために、国体が終わってもさらに大きな力になるというふうに思います。
 国体の後、国体を機に整備された道路、施設を有効に活用した経済活動とか、あるいはスポーツに親しむ健康的な県民によるスポーツを通じたまちおこしなどが県内各地で展開され、県民の皆様が幸せを実感できる、豊かで活力がある元気な和歌山の実現につなげていくように、紀の国わかやま国体の成功に向けて、総力を挙げて取り組みを進めていきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 国体の開催について、3点、お答えいたします。
 初めに、本県の岐阜国体での成績についてですが、岐阜国体において本県選手団が好成績をおさめた要因は、年度当初に各競技の目標得点を設定したことや競技ごとにトレーナーを派遣したこと、スポーツ国際交流員を初め優秀な指導者を招聘したことなどが挙げられます。
 今回、見事優勝をおさめた競技種別は、フェンシングの成年女子、ウエイトリフティングの成年及び少年男子、カヌーの成年男子、アーチェリーの少年男子、レスリングの少年男子であり、男女総合成績の躍進に大きく貢献いたしました。また、成績が振るわなかった競技種別は、ボールゲームの集団競技や射撃競技、得点割合が少なかった女子種別などが挙げられます。
 今回の結果を踏まえた課題としては、ふるさと選手を含めたチーム練習の不足や本来の実力を発揮できなかったメンタル面での弱さが挙げられますので、男女総合優勝に向け、これらの課題を解決し、さらに競技力の向上を加速させてまいります。
 次に、関連する施設整備についてですが、国民体育大会の競技会場については、日本体育協会が定めた国民体育大会施設基準に基づき、県及び市町村において計画的に整備が行われており、主な県施設では、既に武道・体育センター和歌山ビッグウエーブ、紀三井寺公園野球場及び補助競技場が供用を開始し、平成24年度末に紀三井寺公園陸上競技場、県営相撲競技場が完成予定となっています。市町村施設においても、九度山文化スポーツセンターが完成し、平成25年度末には和歌山市に新設のテニス場が完成する予定であり、県内競技施設の整備が順調に進められているところです。
 また、市町村施設の整備については、平成19年の県準備委員会第1回総会において、国体を開催するに当たっての基本方針を定め、その方針に基づいて実施競技や会場地の選定の考え方とともに施設整備の考え方を決定し、県の施設は県が、市町村の施設は会場地市町村が行うこととし、これを前提に市町村や競技団体と協議を重ね、施設の整備について合意した経緯を踏まえながら、現在、それに従って進めているところです。
 なお、国体開催のための一時的に必要となる特殊競技施設や競技運営等の経費については、一定の支援を行ってまいりたいと考えています。
 次に、県民参加についてですが、紀の国わかやま国体は、開催基本方針を定めた平成19年度から県民総参加による開催を目指して取り組んでいるところであり、国体開催の正式決定を記念した本年9月のイベントにおいても、県議会議員の皆様、市町村長の皆様を初め、競技団体はもちろんのこと、日ごろから花いっぱい運動やおもてなし活動に取り組んでいる多くの県民の方々に参加をいただいたところです。
 また、国体へ県民だれもが参加していただけるよう、県民運動基本計画を策定し、県民のアイデアとエネルギーを生かし、県民全員が参加するみんなの国体を基本目標とした取り組みを進めているところであり、今年度は児童生徒等を対象とした絵画コンクール、大学生を対象とした広報ボランティア、幅広い年代層を対象とした国体ダンス教室などへの参加者を募集したところです。
 さらに、今後、総合開会式会場を初め、県内各地を花で飾る花いっぱい運動への参加者の募集や、開催を支え盛り上げていただく運営ボランティアの募集を行うなど、県民1人1人が自発的に一役を担っていただけるよう、開催機運を盛り上げながら県民の参加機会を創出してまいります。
○議長(山下直也君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 国体に関して答弁をいただきました。幾つかの要望と再質問をしたいと思います。
 まず、岐阜国体の成績についてであります。
 フェンシング、ウエイトリフティング、カヌー、アーチェリー、レスリング、見事優勝した選手諸君の健闘をたたえ、指導してくださった監督、コーチの皆さんに対しても心からお祝いを申し上げたい。この勢いが紀の国わかやま国体までさらに確実なものとなるよう頑張ってください。
 また、本県は、昔より野球王国とも言われ、野球などのボールゲームに非常に関心が高い県であります。加えて、最近は、オリンピックにおける田中きょうだいの活躍のおかげで、体操にも大きな関心が寄せられております。
 全種目にわたって、選手の育成に一層の御努力をお願いし、関係者や選手諸君、笑顔で万歳で終われる国体となるよう、国体推進監を中心に、皆さん、頑張ってください。
 次に、施設整備についてであります。
 施設整備のうち競技に関する施設については、計画どおり順調に取り進められているものと受けとめました。市町村の財政に対する配慮も検討されているとのこと、頑張っていただきたいと思います。
 関連する公共事業分野については、答弁のあった近畿自動車道田辺─すさみ間や京奈和道路など全線供用については、国体開催までの供用について、何が何でも実現をしていただきたい。国体への県民参加についても、県民の気持ちが1つになった盛り上がりがある国体が本当の成功であります。一層の努力を期待します。
 国体の持つ意義について、知事にもう一度お尋ねしたい。
 答弁にもありましたように、都道府県にとって国体は半世紀に1度のビッグイベントであります。スポーツの面から見た国体については、知事の答弁どおり、元気な和歌山づくりは大いに意義のある思いがいたしますが、私が言いたかったのは、せっかくの半世紀に一度のこの国体を単にスポーツだけの面でとらえることなく、もっと広く大きく、例えばインフラ整備、産業振興、観光振興、教育など、県政全般の振興のきっかけにしてはどうか。そのためには、例えば国土強靱化法など国の大きな動きも積極的に取り組み、この際、和歌山が抱えてきた積年の諸問題の課題を解決し、やっぱり和歌山でよかったと言える県政の推進を図っていくという意気込みを見せてほしかった。
 いま一度、知事の国体開催に取り組む決意と意気込みのほどをお聞かせしていただきます。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私も常に国体には選手団長として出席しておりますけれども、ことしは、ぎふ清流国体においては、近く和歌山で開かれるということもございまして、実は、行進をしないで全体を見ようと思って観客席で状況を見ておりました。その結果、坂本議員御指摘のように、もうすばらしい演出もあって、それで県民の方々がみんな盛り上がってるということがよくわかりました。
 こういうぎふ清流国体に負けないような、もっと立派な国体をこの和歌山で開いて、その開いたことをうまくきっかけにして、議員御指摘のように、その後の和歌山の発展がばっと一段と加速するような、そういうものにしたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(山下直也君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 以上で、第1点目の質問を終わります。
 次に、農業問題について質問をいたします。
 私は、これまでも再三、農業問題を取り上げ質問をし、当局の方針をただしてまいりました。
 私の選挙区、日高郡は、県下はもとより全国的に見てすぐれた農業地域であると確信をしております。梅を初め、ミカン、野菜、花卉、温暖な気象条件と勤勉な農家に支えられ、後継者の問題もさして大きな問題にもなってこなかった地域でございます。しかるに、最近の状況を見ますと、農産物の低迷がもたらす農業所得の減少は、後継者の問題にまで及ぼうとしております。
 このため、私は、これまでも県議会の場において、農業を取り巻く生産、流通・加工、新分野開発といったそれぞれの段階に応じた質問をし、ややもすれば生産面での対策に偏りがちな国の農政に対し、果樹、野菜、花卉といった商品化農産物への取り組みが進む本県農業は、国の農政とは一線を画した取り組みを進めるべきであるとの認識に立った質問を繰り返してきたところであります。
 また、最近は農業の6次産業化などといった言葉だけが飛び交っていますが、私は、さらにこれをもう一歩進めて、健康産業へと引き上げることも提案してまいりました。
 平成22年9月議会におきましては、2回目でございましたが、和歌山県長期総合計画において位置づけられた基本的な農業政策について、所得目標やその具体化のための戦略について知事の答弁を求め、知事からは、中核的農家の所得目標を勤労者並みの550万円と設定し、その実現のため加工、販売を重視した新農林水産業戦略プロジェクトを立ち上げる、日高地方についていえば、南高梅とミニトマトを組み合わせた加工品の開発プロジェクトを推進する、さらに、生産面での強化を図るため、法人化の推進や樹園地の整備などの課題に取り組む農業緊急戦略アクションプログラムを打ち出し、平成26年度まで具体的な行動計画を作成したとの答弁をいただきました。
 流通問題については、昨年、農産物のブランド化という面からこの問題をとらえ、南高梅栽培の歴史、カツオ梅製造の苦労、これを全国ブランドまでに押し上げた問屋と流通業者の苦労話を紹介し、ブランドは一夜にしてならずと、この演壇で力説いたしました。具体的には、ブランド化推進のための人材確保や宣伝広告、重要性などについてただし、ブランド強化作戦プロジェクトの展開を求めました。知事からは、国内主要大都市でのトップセールスやアジアを中心とする海外展開の必要性について答弁がありました。
 また、農業の新しい可能性への挑戦といったことで、機能性食品の開発という視点で県当局の考え方をただしました。
 低迷する農業分野の中で比較的優等生とも言われてきました梅農家にとっても、最近の価格低迷は農業経営を圧迫し、後継者の数もかつての約半分という現状を訴え、こうした窮状を打開するため、梅の画期的な付加価値化を求め、県立医科大学チームの間で取り組んでいる梅の機能性食品に関する研究開発を紹介しました。
 研究成果も上がり、医大の研究チームは、アメリカにおいてがん対策としての論文も発表を行い、国内にあっても、皆さんよく御存じのテレビ司会者、みのもんたさんの番組で取り上げていただきました。マスメディアの情報は、生産者サイドまで大きな反響があります。各地の講演会に出席されている知事は、この効果のほどをよく御存じのことと思います。
 梅が健康産業として認知されるためには、もう一歩のところまで来ています。そして、もう一歩の支援を待っております。
 先ごろノーベル賞を受賞した京都大学の山中教授のテレビのお話を聞きました。最初は全く見通しが立たないiPS細胞の研究というテーマに対し、当時の奈良先端科学技術大学院大学の学長が思い切って研究室の提供などの環境を整備してくださった、その後、研究が上向きそうだという段階では国が大幅な研究費を出してくれた、こうしたことが今回の画期的な研究成果に結びついたものである、国や関係者に感謝したいとのコメントを発表されました。
 およそ新しい研究などというものは、こんなことなんでしょう。最初は皆が「そんなこと本当にできるの」と言うぐらいのテーマでないと新しい研究とは言わないでしょうし、どこかの段階でだれかが背中をどんどん押してやらないとその先がわからないというのが現実だろうと私なりに推測するところであります。
 そのだれかが問題です。梅の機能性食品の開発は、これまで日高郡の5戸の農家が寄附を続け、研究開発を支えてまいりました。先ほども申し上げましたが、研究成果はもう一歩のところまで、大きな山を越えようとしています。
 山中先生のノーベル賞受賞の後押しをしたような研究費が必要なのです。梅全体の景気が先行きが不安な中でも、いつまでもこの負担とリスクを農家の厚意と熱意にのみに任せていていいものなのか、私は、こうした地道で息の長い、そしてその成果が大きく県民にはね返ってくるような研究テーマこそ、県や県議会議員の頑張りが求められてくるのではないかと思っております。県の支援を声を大きくして求めたい。
 知事は、これまでも県議会の答弁を通してその必要性と重要性を明確に答えていますが、肝心の県からの研究費の支援には結びついておりません。
 以上、本県農業をめぐる厳しい現実を説明し、これまでの知事の答弁をおさらいしながら問題点を整理してまいりました。きょう今日に至っても、この状況は何ら変わっておりません。むしろ、私に言わせれば、事態はもっと厳しくなってきているのではないかとさえ危惧いたしております。
 我が国の食料自給率がカロリーベースで40%を切っている現状や、農産物が世界戦略の中で大きなウエートを持ってきている状況などをかんがみますと、農業政策は極めて重要な政策分野であると私は確信をしております。政府も、成長戦略において医療や環境と並んで農業を成長戦略の対象としていますが、意気込みと現に行っている政策との間のギャップについて、私はどうしても納得がいきません。
 県は、この政府の方針をどうとらえているのか、和歌山県としてどう対応しようとしているのですか。後継者が兼業せざるを得ない状況に追い込まれ、現に農作業に携わる従事者は65歳、70歳以上の高齢者となっている現状に対し、和歌山県の農政はどう対応しようとしているのですか。
 以下、4点について、知事3点、関係部長1点の答弁を求めます。
 第1点、知事の和歌山県の農業における基本姿勢を改めて伺いたい。できるだけ現場の農業者にわかるような、具体的で明確な答弁を求めます。
 第2点、和歌山県長期総合計画で目標と設定した農業所得550万円の実態と、今後、実現に向けての取り組みについて、知事の答弁を求めます。
 第3点、農林水産部長から、農産物のブランド化の取り組みの実態を具体的に説明されたい。
 第4点、県立医科大学で取り組んでいる機能性食品の開発に関する研究費の予算化について、知事の方針を伺いたい。
 以上、4点について御答弁願いたい。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、第1の基本姿勢でございますけれども、これは、和歌山県にとっては農業は地域を支える基幹産業であるということは、疑う余地がありません。農業を中心とする産業振興は、本県の重要施策であります。特に、御指摘のように梅産業は、生産、加工、販売、そして観光が一体となった複合的な産業の代表的な事例であり、るる御指摘のあったように、これからさらにその機能性を開発していくことによって用途が拡大していく、そういう見通しのある産業だと思っております。
 農業の振興については、担い手、農地、生産、この3つの対策を重点的、戦略的に進めるということにしております。
 まず、担い手対策では、農家子弟等の農業後継者を確保することを基本といたしまして、多様な担い手確保のため、例えば法人化、JAも含めて法人化の推進や、あるいはIターン等の新規就農者の育成にも力を入れております。
 農地対策では、まず、優良農地の確保に努めるということが大事だと思います。同時に、作業性の向上を図るため、園内道や、あるいは圃場の基盤整備を推進するとともに、担い手への農地集積を促進するということだと思います。この点については、最近、国が随分政策を変えて、むしろ政策をやめるという方向へ行っとるのに対して、和歌山県は、まさにここに力を入れて、それで生産性を上げていくんだということを頑張っておりますが、国の政策変更を待ちたいというふうに思っております。
 生産対策では、低コスト化や高品質化を図るため、優良品種への改植や園地整備を促進するとともに、近年増加している鳥獣害の対策についても重点的に取り組んで、毎年強化をしているところですけども、なかなか敵もさる者というところがまだまだでございます。
 また、農業関係者のニーズにこたえるため、研究開発のテーマを公募する、つまり、研究者が勝手にやってるというんじゃなくて、農業関係者がやってほしい研究をするというところへ持っていこうと現在しております。
 さらに、農産物の品種改良、加工品開発や販売促進などにも取り組み、引き続きブランド力の向上を図って、もうかる農業を目指していきたいと思っております。
 本県は、果樹や野菜、花卉を中心とする園芸県でありまして、米や麦、大豆等を戸別所得補償制度の対象品目とする国の施策とは、どうも相入れません。このため、国に対しては、省力・低コスト化と生産性を高めるための園芸農業の基盤整備や施設整備の予算を充実させるように強く要望をしているんですが、今後どんどん要望していきたいと思います。
 議員御指摘のように、長引く不況のもとで農家経営というのは大変厳しいのであります。しかし、まさに農業が我が県にとっての基幹産業であるということを常に忘れないようにして、全力で農業の振興に取り組んでまいりたいと思います。
 次に、和歌山県長期総合計画に書いてある件についてでございます。特に所得の件です。
 これについては、この計画では、収益性の高い農業づくりを目指して、国内外への販売促進と生産、加工、販売の連携によるアグリビジネスを構築する取り組みを進めて、認定農業者などの担い手農家1戸当たりの年間農業所得を、平成17年は377万円だったんですが、10年間で勤労者並みの550万円にしたいというふうに目標を設定しました。
 果樹が中心の本県では、農業所得が変動するというところが結構あります。担い手農家の年間農業所得が過去5年間で少しずつ上がっているんですが、500万円を超えた年もありますけれども、最も新しい22年の農林水産統計調査では、ミカンは好調でしたが、梅と柿が不作で494万円、ちょっと足らないということになっております。
 長引く不況のもと、デフレ傾向により、ますます販売環境は悪化しており、それに打ち勝つためには、まず販売力を強化する、この方針は変わっておりません。そのため、トップセールスや大手カフェバーとのコラボ企画など、各種販売促進プロジェクトの強化を図るとともに、本年度からは、JAと共同で、これキャッチフレーズですが、「おいしい!健康わかやま」をキャッチフレーズにしたキャンペーンなどを実施しております。
 また、その基礎となる新品種育成に力を注ぎ、梅ではNK14、ミカンではYN26などの県オリジナル品種の登録を行ったところであります。これからどんどん普及を図っていきたいと思います。
 また、21年度からは、6次産業化の対応を先取りした生産、加工、流通、販売対策を総合的に行う新農林水産業戦略プロジェクトをスタートさせるとともに、農商工連携により新商品等を開発するわかやま農商工連携ファンドを創設するなど、これまでさまざまな取り組みを行ってきました。さらに、22年度は、26年度までの行動計画である農業緊急戦略アクションプログラムを策定し、担い手、農地、生産の3つの対策を柱に、緊急プロジェクトとして5つ、重点プロジェクトとして10設定しました。その結果、1例を挙げると、新規就農者産地育成プログラムとか、果樹産地再生緊急対策とか、農林水産業競争力アップ技術開発等の新しい政策を実施しております。
 今後も、大いに農業の振興のために力を用いて、こうした施策を総合的に推進して、県の長期総合計画の目標達成に向けて取り組んでいきたいと考えております。
 それから、議員御指摘の和歌山県立医大、特に宇都宮先生と、それからみなべを中心とする梅企業のコラボによるところの研究はすばらしいものがあります。これは寄附講座としてお金を出していただいて行っているわけですが、この寄附講座というのは、本来自分たちの利益にもなるようなものを研究してくれということでお願いをするところなんですが、この梅企業の寄附講座については、それを超えるような貢献をこれまでしてきてくれたというふうに思っております。
 その結果、実はこれを進めなきゃいけないと。もう一歩の研究とおっしゃいましたけど、まさにそのとおりでありまして、これを進めるために、県は全力を挙げて国の地域イノベーションによる研究をとりに行きました。その結果、梅酢ポリフェノールが生体内脂肪細胞に与える生理機能解析などなど幾つかありますが、それをまとめた地域イノベーション戦略プロジェクトの1つにようやくなったところなんでございます。
 県のお金なんでございますけれども──これは国のプロジェクトなんですけれども、事業仕分けで随分不十分なプロジェクトになってしまいました。その結果、研究費、実験費など、必ずしも国がくれませんが、それは県が補ってやっていきたい。さらには、技術開発プロジェクト、あるいはわかやま元気ファンドなども利用していただいて、企業の方々が御利用いただいたら少しはいいかな、そういうふうに思っております。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 農産物のブランド化についてお答え申し上げます。
 私たちが誇る農産物を消費者に認めていただくには、さまざまな工夫とともに継続的に取り組む努力が必要であると認識しております。
 県では、紀州南高梅を例にとれば、大手飲料とのコラボレーションで南高梅と冠した商品の開発、販売、大手外食チェーンでの青梅の甘露煮を使ったハイボールのメニュー化、マラソンランナー等のアスリートに梅干しの機能性を認知していただくためのPRなど、さまざまな取り組みを展開しております。
 桃につきましては、和歌山の桃とLCCのピーチアビエーションを関連させたPRイベントを実施いたしました。
 日本一の生産量を誇るサンショウは、専門アドバイザーの助言を得て完熟紀州赤山椒という新たなブランドでの販売を開始いたしました。
 紀州うめどりは、首都圏の高級レストランへの提案を通じて、外食業界に浸透しつつございます。
 また、11月には、「おいしい!健康わかやま」というキャッチフレーズのもと、県産品の機能性にスポットを当てるシンポジウムなどを東京で開催いたしました。
 農業以外に水産の分野でも、香港の高級レストランに那智勝浦産のマグロを通年供給しようという取り組みが進められております。
 ブランドは一夜にしてならずという議員の御指摘のとおり、さまざまな分野の方々からアドバイスをちょうだいし、引き続き農作物等のブランド化等に取り組んでいく所存でございます。
○議長(山下直也君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 再質問、3点ございます。
 第1点は要望であります。
 農産物のブランド化に関して、知事はみずから先頭に立ってトップセールスに頑張っていると言われておられます。確かに、市場や各地に知事自身が出向いて県産品の販売促進に頑張ってくれている姿はよく存じております。ありがたいことであります。
 しかしながら、その実態をよく見ますと、せっかく知事が朝早くから市場の関係者に声を枯らしてお願いしても、忙しいこともあるでしょうが、その説明は聞き流され、試供品を配るときだけ人が集まってくるようなトップセールスの姿は、反省の余地大いにありと思います。
 せっかくの知事のトップセールス、形だけに終わってはもったいない。真に県内の農産振興に結びつくようなトップセールスであってほしい。トップセールスのあり方をいま一度検討いただきたい。要望であります。
 次に、再度知事に答弁を求めます。
 さきの本会議での質問の際、知事は、新農林水産業戦略プロジェクトの立ち上げに関し、日高地方では南高梅とミニトマトを組み合わせた加工品の開発プロジェクトを応援すると答弁されました。いま一度お聞きします。県が応援する事業主体はだれなのか、御説明願いたい。
 再質問の2点目は、梅の機能性食品の研究開発に関してです。
 この研究に、県立医科大学の研究チームが長年御苦労をいただいております。あと一歩というところまで研究成果を高められ、また、この研究を通じて各方面に梅の効能を幅広く啓発してくださっていることは、先ほど来申し上げたところであります。
 知事の答弁によりますと、県は今回、機能性食品の開発に対し、大幅な支援をなされるとか。大変ありがたいことであります。これまでこの研究に頑張ってこられた研究チームも、さぞかし喜んでいるものと思います。
 知事も、梅の機能性食品の開発、研究については、県にとって大切なことであり、決して研究の灯を消してはならないと、これまでも大変意欲的に取り組んでくれました。先ほどの答弁にもあった研究開発費の分配については、最終的には県立医科大学で決定されることでしょうが、私は、こうした予算の執行にあっても県の意向も反映させるべきと考えています。皆さん、いかがですか。(「そのとおりや」と呼ぶ者あり)これまで、この研究を支えてきた梅農家の立場も考え、再度明確な県の支援を求めるものであります。知事の方針を伺います。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、第2点のほうの──質問の第1点でございますが、これは事業主体はJAみなべいなみであります。平成21年からスタートをしたプロジェクトでございまして、ミニトマト、これは赤糖房とか優糖星とか、それの高品質生産と、それから加工開発、販売促進、これに取り組んでおりまして、順調に成果も上がっていると考えております。
 それから、梅の機能性の研究開発、これには県を挙げて取り組んでいきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 坂本 登君。
  〔坂本 登君、登壇〕
○坂本 登君 再質問、加工品開発プロジェクトの事業主体が農協との答弁がありました。私は疑問であります。新しい加工品の開発を農協だけに任せていいものでしょうか。こうした分野こそ、広く県民の知恵とアイデアを結集してはどうでしょうか。支援の対象は農協だけではなく、広く農業団体や農家グループまで広げられることを要望するものであります。
 これで終わります。
○議長(山下直也君) 以上で、坂本登君の質問が終了いたしました。(拍手)
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 31番片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○片桐章浩君 おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして、本日は3点の一般質問をさせていただきます。よろしくお願いしたいと思います。
 まず1点目が、紀の国わかやま国体についてでございます。
 3年後に迫ってきたこの紀の国わかやま国体に関して、国体競技のうち14競技16種目、これだけが和歌山市で開催される、こういう予定になっております。
 国体開催によって、スポーツだけではなく、観光や人の交流機会の増加など、和歌山市を活性化するため多くの競技を和歌山市が受け入れてくれてる、これは歓迎すべきことだと思いますし、これから開催が近づくにつれて盛り上がりが出てくる、こういうことも期待したいところであります。
 多くの選手や応援者が会場入りする、和歌山県入りする開催期間中は、予想していないような問題が発生することもあろうかと思いますから、事前準備の段階において不安のないように万全を期してほしいと思い、競技日程と配宿に絞って、今回は、この国体に関して質問をさしていただきます。
 少し不安感を持っているのは、感じているのは、和歌山市内での宿泊の問題であります。
 和歌山市内の宿泊可能施設は50施設、宿泊可能人数は約5000人と想定されているようであります。しかし、これまでの国体開催県の状況やホテル関係者の話などを伺ったところ、提供可能数、収容可能人員の安全サイドを見ると大体約70%ぐらい、宿泊ロスを30%ぐらいということなんですが、想定することも必要なのではないか、こういう意見をいただいております。
 もちろん、施設関係者にとってはお客さん、いわゆるここでいうところの選手とか競技関係者に対して安全で快適なお部屋を提供したい、こういうことを思っていることから、トラブルが発生しないように安全率の高いロス率を見込んでいるというふうには思うわけですが、仮にこのロス率を勘案した場合の和歌山市内における宿泊人数は約3500人と大きく減少することになります。
 宿泊施設が不足している理由として、和歌山県の実行委員会が決めている、こういう一文がございます。競技場から遠隔地を宿舎とする場合でも、競技会場までの所要時間はおおむね60分以内であること、これを確保した配宿を検討していることが1つの要因と思われます。
 競技日程の組み方にもよりますが、和歌山市で開催される競技の中で、宿舎から会場までの移動時間内にホテルの宿泊ができない選手が出てくる、こういう可能性もあるとお聞きしております。
 和歌山市の場合、宿泊施設との兼ね合いから、既に決定している14競技のうち3競技程度は、国体開会式前に競技を行う、こういうことも視野に入れているというふうに聞いておりますが、開会中の競技種目を11種目を前提としたとしても不足するおそれがある、こういうことも言われていると、これは聞いている話なんですが、おそれがあると聞いております。
 競技日程が正式に決定していない段階での推測は非常に難しいわけですが、11日間の中で競技を行うためには、特に選手、大会役員、招待者などの参加人数の多い開会式前後、それから前半日程と後半日程が重複する7日目あたりの日程で宿泊施設が不足するのではないか、こういう不安感が感じられます。
 和歌山市内に数カ所想定されている民間施設を転用施設として利用可能だというふうに考えたとしても、宿泊施設不足はやはり解消されることなく、関西空港エリアまで宿泊可能施設に拡大しても、どうしても宿泊施設が不足すると、こういうふうに思われる状況だと聞いております。
 しかも、これらの宿泊施設の足らないという前提に関しては、選手、監督、役員のみの数字で、応援のために他府県から和歌山市に来てくださる応援者の宿泊を見込んでいない数字がこの数字になっております。
 一方、宿泊施設の不足の対応策の1つとして民泊という話も出ておるわけなんですが、なかなか昨今の状況からすると、民泊の手配、非常に難しいんではないかなというふうに思います。この件に関しては、既に昨日の質疑の中で、知事からも、仮に民泊が確保できたとしても、会場までの移動時間、こういうものを考えると、それなりの人数を受け入れるのは難しいという見解もございましたが、ここもなかなか人数を大きく受け入れることは難しいかというふうに思います。
 そこで、この宿泊に関する前提として、競技日程、この点について最初の質問をさしていただきたいと思います。
 競技は、基本的に会期内で行うことが原則ですが、事情によっては水泳を含めた3競技までは、会期より前に開催することも可能だというふうに聞いております。逆に言えば、水泳を含めた3種目を除いた競技を会期内で実施しなければならないわけです。仮に和歌山市で宿泊施設が不足するとした場合、原則にのっとった3競技以外の競技を会期前の日程に組み込むことを検討する必要もあるかと思います。
 宿泊施設の問題がネックとなり競技日程が確定していない状況があるわけですが、本来であれば、まず競技日程を決めてから、それぞれの日にちの宿泊者数予測を出して、宿泊施設が不足するところはホテルなど配宿ロスを減少させる方向の話し合い、こういったものをする必要があろうかと思います。
 まず、競技日程の決定を先にしなければならないと思いますから、競技日程の決定時期、そしてどこがどのようなプロセスを経て決定するのか、この点に関して国体推進監からまずお答えをいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) ただいまの片桐章浩君の質問に対する答弁を求めます。
 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 競技日程の決定時期につきましては、平成19年9月に開催された県準備委員会第1回総会において、平成24年度中に決定するものとして承認されています。
 また、競技日程決定までのプロセスについては、会場地市町村が県競技団体及び中央競技団体の意向のもと競技日程案を作成し、県実行委員会の承認を経て日本体育協会国民体育大会委員会で決定されることとなっており、紀の国わかやま国体の競技日程については、平成25年3月に開催予定の同委員会に報告するための準備を進めております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、競技日程は24年度中、具体的に言いましたら平成25年3月までには決定しなければならないということで、残すところ、年末は少し時間がありますが、3カ月程度のところまで来ておりまして、これは早急に、最終決定、日体協まで行くわけですから、事務手続を含めてそろそろ速度を加速させる必要があるのかなというふうに思ってます。この日程が決まらない、決めていかないことには、この後、問題提起をさせていただく宿泊に関しても、なかなか決まっていかないという問題になろうかと思います。
 さて、紀の国わかやま国体におきまして、一般の応援者の話ですが、和歌山市で宿泊することは、競技日程にももちろんよるわけなんですけども、選手、関係者、そういった人を競技会場に近いところを優先させるという原則からすると、和歌山市内に宿泊することは難しい状況があるのではないかというふうに思っております。
 国体に期待する盛り上がり、経済効果、それから応援者による宿泊によるいろんな影響等々考えると、なるべく競技会場に近いところで、応援者も含めて泊まっていただきたいというふうに思ってるわけです。
 そこで、競技日程を関係機関と調整した上で、極力、和歌山市で開催する競技に関しては、和歌山市内で宿泊できるように検討をしてほしいと思います。
 また、これはどうしても無理だというのであれば、県内での宿泊を優先させて、大会への盛り上げと競技終了後の観光誘致などを含めて県内宿泊の誘導を図ってほしいと思いますが、この一般の応援者の宿泊の考え方について国体推進監からお答えをお願いします。
○議長(山下直也君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 応援者等の宿泊についてですが、和歌山市は14競技を実施することから、選手、監督だけでなく多くの応援者が訪れ、大きな経済効果が期待されます。そのため、県内宿泊の空き情報をきめ細やかに提供することや、観光事業者と連携して紀南地域への誘客を図るなど、国体開催の効果を県内にとどめるための取り組みが必要と考えています。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 和歌山市内の宿泊、先ほど言いましたように、キャパの問題でなかなか実際は難しいというところもありまして、調整にも結構手間取ってるというふうなこともわかるわけですが、市内を優先さしつつも県内、それがだめだったら関空エリアというふうな形で、これから調整を進めていただきたいと思います。
 そこで続いて、選手団の宿泊についてなんですが、和歌山市で競技が行われる選手団の宿泊調整、これは開催地である和歌山市が担う、こういうことになっていようかと思います。しかし、宿泊ロス率の見込みによっても違うわけですが、宿泊可能は最低ライン、先ほど言いましたように3500人、最高でも5000人ぐらいということでありますから、開会式、それから大会の中日前後において選手ですら宿泊できなくなる、こういう危険性がやはり先ほど言いましたようにあろうかと思います。
 競技日程を決めた後は、速やかに宿泊調整に向けた取り組みが必要だと思います。どうもこれらの調整が遅延しているように思うわけですが、足りない足りないと、日程が組めないと言うばかりではなくて、和歌山市とともに行動に移して、この配宿の問題に関して解決に向けてほしいと思うわけですが、この点について国体推進監からお答えいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 選手、監督、競技役員などの配宿については、県実行委員会が定めた宿泊基本方針において会場地市町村が行い、県内外の広域配宿を行う場合は会場地市町村と県が協議を行うものとなっています。
 和歌山市では宿泊不足が懸念されていることから、宿泊施設に対する客室提供の促進や競技日程の平準化、近隣市町への県内外配宿など、配宿主体である和歌山市から宿泊不足解消のための具体的な提案があれば、対応してまいりたいと考えています。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 そしたら、配宿決定までの進め方について、引き続き質問を続けたいと思います。
 和歌山市内の宿泊に関しては、特に解決すべき課題がたくさんあろうかというふうに思っております。そのことを踏まえて、各府県の代表として大きな期待を背負った選手、それを盛り上げるための応援者、こういった方々が紀の国わかやま国体に来てくれるわけですから、ぜひ一層盛り上げるために、県内を中心とした宿泊のあり方について、場合によっては関西空港エリアまで含めた配宿の調整が必要になる、このことを繰り返して提言したいと思います。
 今後の配宿の調整については、幅広く議論を行い、開催市と考え方を一致さして取り組みを行ってほしいと思います。そして、平成24年度中、競技日程を決定する必要があり、競技日程が決定した後に配宿予定を確定させる、これも時間的にそれほど残されていないというふうに思うわけですが、おおむねこの配宿に関して、いつまでに決定していかなければならないものなのか。そのために和歌山市との調整が必要だというふうに思いますが、決定までの進め方について、再度国体推進監からお答えをいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 配宿については、競技日程確定後、決めていくこととなりますが、平成25年度には県と会場地市町村で構成する合同配宿本部を立ち上げ、客室提供の促進など充足対策にも取り組みながら、旅行業者による配宿シミュレーションを重ね、平成27年の開催時には、来県者がよりよい環境で宿泊できるよう配宿を決定してまいります。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 配宿の問題については、時間に限りがある、それから組織がそれぞれ大きくて分かれてるということもあって、コミュニケーションというんでしょうか、協調してこれから仕事を進めていくというふうな関係が必要かと思いますので、今時点で、実際キャパも決まってるし、日程も決まっていない段階であれこれ言うのは難しいんですが、ぜひ、調整をしていただくよう、努力をしていただくようにお願いしたいというふうに思います。
 続きまして、2点目の和歌山県とフロリダ州との姉妹提携について、質問に移らさしていただきます。
 この姉妹提携は、平成7年10月4日、和歌山県とフロリダ州との間で姉妹提携を行っております。この協定書によりますと、「日米間の伝統的な友情と誠意ある関係を基盤として両者は相互理解と友好を深めるため様々な交流を推進し、双方が利益と繁栄を享受できるように、互いに協力しながら活動を進めることに同意する。両者はこの提携が和歌山県民とフロリダ州民との間を深い友情と尊敬の絆で堅く結び、同時に和歌山県とフロリダ州の経済、貿易、社会・文化的発展に大きく寄与し、その一里塚となることを信じて提携する」とうたわれております。
 先般、西フロリダ大学から、当時の状況を知り、そして今も両州県の交流を図ってくださっている大学の関係者の方が、和歌山県を訪れてくれました。これは、フロリダから東京に入り、東京で県関係者との交流も行ったようですが、東京の交流会が終わって和歌山市まで来ていただきました。来ていただいたのは午後の6時、それから帰るのが午後の8時、最終の新幹線に乗るためということで、和歌山市の滞在時間はわずか2時間だったわけなんですが、この間、フロリダ州と和歌山県との交流、もっとやってほしいという熱い期待を込めたメッセージをたくさん実はいただいております。
 その中で、今までの交流機会が悪いというわけじゃないんですが、なかなか民間レベルでの交流機会まで今のところいっていないんじゃないのかなと。もっとやれば両者にとってメリットがあるので、そんな関係づくりの契機をつくってほしい。
 その1つの中で、オレンジパートナーシップ、これを活用してほしいという要望もいただきまして、この西フロリダ大学の先生に伺ってオレンジパートナーシップのことを知ったので、早速聞いてみる、調べてみると、平成23年11月、ちょうど1年ぐらい前なんですが、仁坂知事がフロリダ州を訪問した際に、フロリダ州と経済関係の活性化に向けたオレンジパートナーシップ協定、これを交わしていることを知りました。
 このことに触れまして、仁坂知事、熱心に来てくれたと。協定を交わしてから来てくれたのは余り今までなかったようなんですが、来てくれたということに熱心に触れ、この協定を発展させてほしいと、こういう思いも伝えてくれたわけであります。
 この協定では、両州県の特性を生かして経済関係を促進、拡大していく、これを目的としていまして、当時の和歌山県の発表資料によると、締結に関して次のようになっております。「双方の特性を生かし、未来志向で野心的な経済交流を実施すべく、観光分野における協力、県産品等の貿易関係における協力、県州内企業間の相互投資促進にかかる協力、数学・科学技術分野における教育交流の促進を柱とする協定に署名しました」となっております。
 「全米第4位のGDPを誇るフロリダ州と未来志向で野心的な経済交流を展開していくことに合意できたことは、新たなビジネスチャンスの拡大、本県経済の活性化につながるものと期待しております。今後は、本協定に従い、各協力分野における種々の取り組みを具体的に実施し、双方の交流を更に深化させていきたいと考えています」と、こういうふうな内容であります。
 仁坂知事が締結を果たしたこのオレンジパートナーシップ締結から、約1年が経過いたしました。西フロリダ大学の先生が期待しているのは、この協定に基づき、民間交流あるいは大学間の交流、ビジネス面や観光面で成果があらわれることを期待しているわけです。
 締結後、この活動はどのようになっているのでしょうか、また、今後の活動計画についてはどのようになっていますか、知事から答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) フロリダ州との関係は、御指摘のように、姉妹県州でございます。これは、いろいろ経緯を調べておりますと、国からいろいろ姉妹州県関係をつくったらどうだというお話があって、お見合い話みたいなのがあって、それで結構昔にそういう関係をつくったようであります。ただ、少し手に余ったのか、あんまり熱心に具体的な交流をしてなかった面もあります。
 一般に、姉妹州県といって、首長が行ったり来たりして乾杯だけして帰ってくるというのが世の中にごまんとあるんですけども、こういうのは時間と費用の無駄なんで、ちょっと制限的に運用しようというふうにも思っているんです。
 ただ、フロリダのイメージというのは、これは日本の中では抜群でありまして、アメリカで、いろんな50州ある中で知ってる州の名前を挙げろと言ったら、まず3つのうちの1つぐらいには出てくる。そこと大いに仲よしでいろんなことをやってるというのは、日本の中でも和歌山の地位を、あるいは名声を高めるには非常にいいかなというふうに思いまして、そういう観点からちょっとこの立て直しをしようと思いました。
 両方ミカンの産地でもありますので、オレンジパートナーシップという名前をつけようと。それで、ディズニーワールドというのがありますが、こちらにはアドベンチャーワールドというのもありますし、ダブルワールドだとか、州政府の代表部が実は日本にないもんですから、こういう関係も代替してあげていいぞとか、そのかわり、フロリダ州がワシントンとかニューヨークで何かやるときは和歌山のほうも入れろとか、人事交流なんかもしようとか、いろいろ具体的な話を言いつつ提案をして、それで昨年11月、リック・スコット州知事と、姉妹提携を発展させた実質的な交流を目的とするオレンジパートナーシップ協定を締結したわけです。
 ただ、ちょっと正直に申し上げますと、まだ乗りがあんまりよろしくございませんで、爆発的な効果を上げているかと言われたら、そこまで行っとらんということでございます。ただ、こちらはずっと継続的にもっとやろうという話をしておりまして、事務的なレベルでの働きかけを続けておりましたところ、本年9月にフロリダ州のケン・デッツナー総務長官──これはナンバーツーでございますね──これが来日された際に、知事室長をして協定を具体化するための具体的な意見交換を行わせました。
 この中で、双方が今後、経済交流に積極的に取り組むことを確認して、具体案として、デッツナー総務長官からは、フロリダ州で開催される全米最大の観光イベントでの和歌山県の観光地の紹介とか、そういうのを世話しようかとか、あるいは大手スーパー等への和歌山県の産品の紹介などをしようかとか、そういうような具体的な提案もされているところでございます。
 県といたしましては、フロリダ州からの観光客の誘致、あるいは県産品の輸出などを具体化するとともに、先ほど言いましたように、フロリダと組んでやっとるということで和歌山県のイメージアップにもなるかと思いまして、県内企業等に働きかけを行うとともに、本県が行う観光キャンペーンなどにおいてフロリダ州の観光PRもやってあげるとか、そういうようなことを具体的に積み重ねて、相互に利益のあるような実質的なそういう関係にして、これからどんどんまいりたい、そんなふうに思っております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今の件については、藤本室長も東京で交流されたということと、それから民間レベル、大手スーパーということも僕も聞いたんですけども、ここへ和歌山産品のものを流通さしたいというふうな意見も聞いております。ただ、本気でと言うたらおかしいですけど、本気でどんどん持ってきてくれなければ、なかなか民間レベルで展開することはできないということもおっしゃっておりましたんで、ぜひ本気で乗っかっていっていただけたらというふうに思います。
 それでは、3点目、主要幹線道路の渋滞対策に移らさしていただきます。
 和歌山市内の主要幹線道路、この中に慢性的な渋滞箇所というのが何カ所かあるわけなんですが、その中の1つ、現在計画が進捗中の市駅小倉線、これは和歌山市東部、それから中心市街地を結ぶ主要幹線道路になっております。この道路は、和歌山市中心部と国道24号、阪和自動車道和歌山インターチェンジ、そして県道井ノ口秋月線を連携する要所であり、中でも区間終点部の国道24号は、朝夕に限らず慢性的な渋滞が発生している道路であり、和歌山市においては第3次渋滞対策箇所、ここに位置づけられている道路にもなっております。
 渋滞緩和を行うことで、朝の通勤時間帯における和歌山市中心部への所要時間が短縮されますし、夕方の逆方向への渋滞緩和にもつながるかと思います。また、渋滞時に抜け道となっている生活道路へ車が進入すること、これが減少することで、通学の子供たちの通学時の安全確保、こういった面でもメリットがあろうかと思います。このようなことを前提として、この付近を初めとする主要幹線道路整備の早期実現を図ってほしいと思います。
 現在、県道井ノ口秋月線は事業中であり、この区間と同時に工事進行中の東西幹線道路を設置することにより交通分散ができること、これは期待できるわけです。
 そこで、最初の質問であります。
 慢性的な渋滞道路での解消が必要だと思いますが、まず、県土整備部長に、国道24号のこの工事進行中付近の現在の1日の交通量についてお示しをいただきたいと思います。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 阪和自動車道和歌山インターチェンジ付近での国道24号の1日の交通量につきましては、平成22年度道路交通情勢調査によりますと、直近の観測地点である和歌山市田屋地内で3万4560台となっております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 それでは、この道路、計画中の平面交差にした場合の1日の計画交通量をお示しください。これも県土整備部長からお願いします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) この交差点の計画には平成42年の将来交通量を用いており、その際の国道24号の計画交通量は、交差点北側で日3万5900台、交差点南側で日3万1200台となっております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 この東西幹線道路、この国道24号とクロスする東西幹線道路のことなんですが、当初、立体交差で計画をしていたのではないかなというふうに思います。交通量、ただでさえ慢性的に渋滞しているこの国道24号の付近なのに、新しいこの4車線の幹線道路が平面交差するというのはなかなか考えにくいからです。
 ただ、今の答弁からすると、平面交差にしたところで、それほど交通量がふえない見込みであるか、むしろ将来予測では減少傾向にあるようなので、今以上の渋滞になるということはなさそうな感じも見受けられます。
 もう1つ、この点に関して、最近知ったことなんですけども、平成21年の12月に、先ほど言いました立体交差で計画していたこの東西幹線道路が平面交差に計画変更になっておりました。当初の計画では、平成15年にこの井ノ口秋月線は立体交差で事業計画がたしか決定していたかというふうに思います。
 基本的に、4車線道路同士の交差点の場合、立体交差が原則だというふうに思います。道路構造の手引き「交差点の計画基準」によると、「4車線以上の道路が相互に交差する場合は立体交差を原則とする。ただし、交差点の交通量、交通の安全、道路網の構成、交差点の間隔からみて、平面交差が許容される場合または地形その他の理由により立体交差が困難な場合にはこの限りでない」と、こういうただし書きが記載されてるわけですが、前提は立体交差であります。
 言うまでもなく、立体交差は一方の路線を通行する車両がもう一方の通行を妨げないため、路線の容量の増加、渋滞の解消、交通事故の防止などにも役立つものですから、この渋滞区間の交差点は立体交差にすべきではないかなというふうに思っております。
 特に、国道24号のこのあたりのように交通量の多い道路同士の交差点では、信号機によって交通が遮断される時間の分だけ渋滞がひどくなる。やはり、和歌山市においては中心市街地を活性化させるまちづくりを志向していることや、県にとっても人口減少に歯どめをかけるという計画に沿って将来のことを考えていることによりますと、この道路は立体交差にすることが好ましいというふうに思います。
 安全対策、それから渋滞緩和、それから基準にあるように立体交差でそもそも計画は進められてきたのに、なぜ立体交差から平面交差に計画が変更になったのか、理由がわかりにくいかと思います。安全対策の面からも道路渋滞緩和の必要性があるにもかかわらず、当初計画を変更して平面交差にした理由をお聞かせいただきたいと思います。この点、県土整備部長の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 都市部の道路整備においては、安全で円滑な交通の確保だけでなく、まちづくりも考えて行う必要があります。道路を整備しても、通過交通になってしまえば、町並みが衰退してしまうおそれがあります。特に、この交差点付近は、地元の方々から、沿道の土地利用の観点より立体交差から平面交差にしてほしいと強く要望されており、事業の進展がとまったままになっておりました。
 こうした状況を踏まえて、改めて人口減に伴う将来交通量の減少及び和歌山北インターチェンジが新設されること等を加味し、交差点計画の再検討を行った結果、平面交差が可能であることが確認できました。これらのことから平面交差に変更し、事業を推進しております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 将来の交通量の計画の推計、それから和歌山市は人口が減っていくんではないかというふうなことも踏まえて、それから地元からの諸事情というのも勘案した上で変更したというふうに一部答弁があったわけなんですが、当面はここがT字交差点、それから開通後は4車線、こういった道路の交差点になるというふうに思いますんで、ぜひ安全対策、それから渋滞に関しては県警本部等々とも調整をしながら確保を図っていただきたいかというふうに思っております。
 そこで、この計画が21年度にこういうふうに変更になってるということをかんがみて、和歌山市内の主要の幹線道路の全体像について、最後1点、確認をさせていただきたいというふうに思います。
 渋滞緩和の必要性、安全対策上、これらの観点から、ここに流入する車をほかの道路に誘導していく、こういう道路網整備も必要かというふうに思います。和歌山市内の主要幹線道路の渋滞緩和対策ももちろん必要なわけなんですが、国体開催に向けて道路はこれから整備をどんどん進めていくというふうに思っておりますが、阪和自動車道和歌山インターチェンジ、この出口付近でいきなり渋滞になるという事態は避けてほしいというふうに思います。
 和歌山市内の道路整備による渋滞緩和に向けた知事の考え方、これをお聞かせいただきたいのと同時に、国体開催までに和歌山市内で計画している主要道路の整備計画の見込みについて、あわせて知事の答弁をお願いします。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 和歌市内の渋滞緩和、それから全体的な、特に主要道路のネットワーク、そういうことについて御説明申し上げたいと思います。
 特に、議員御指摘のように、和歌山市にある道路というのは、どっかがネックになっておって、ちっとも流れないというのがたくさんあります。主に、周辺から和歌山市の中心に向かう交通の交通量が非常に大きいもんですから、そういうものの渋滞の緩和を図り、かつまた、そこをきっちり流れるようにすることによって、従来、整備はされてるけど渋滞が多過ぎるというところの緩和も図るというのが大事だろうというふうに思います。
 そこで、全体でございますけども、国では、第2阪和道の和歌山岬道路、それから、県とか和歌山市では、東西の幹線として都市計画道路の西脇山口線、あるいは南港山東線、それからもうちょっと外側でいくと和歌山橋本線、これは、和歌山市以外のところのネックの解消も大事なんですけれども、そういうところもきっちりやっていくと。さらに、南北の幹線としては松島本渡線の整備を重点的に推進するということを、現在、一生懸命やってるところでございます。
 これらは、国のものを除きますと都市計画道路という位置づけでございます。実は、都市計画道路というのは都市施設であって、都市計画税を徴収している市町村がやらないといけないんですけども、県道ともダブっているし、余りにも和歌山市の仕事が多過ぎるというんで、はるか昔に県と和歌山市で分担を決めて、和歌山市のほうの仕事を助けてあげるというか、ちょっと言い過ぎですけど、分担さしていただくということを決めました。
 両方とも、実は大変進んでなかったんですけども、これではいかんということで、少なくとも県のところはこの6年で猛烈に進み始めたと認識しておりますし、人からもそう言われております。
 和歌山市の担当のところのおくれが気になるところでございまして、実は先ほど具体的な例として言われた市駅小倉線、あれも実は県の担当のところは宮街道に接続したら一応終わりなんですけど、あと今度、市駅まで、向こう側が全く手がついてないわけです。(「しりたたいたれ」と呼ぶ者あり)ええ、そのようにしたいと──そっちに答えちゃいけませんね、今のは……。ということでございます。
 県といたしましては、27年の国体開催までに渋滞緩和に資する市内の骨格あるいは環状道路が、完全というわけではありませんが、最大限できるように、地元の御協力を得ながら、それからまた市にも大いに元気になってもらいながら、住民の方々の御協力も得ながら、国、県、市が連携して取り組んでいきたいと思っております。
○議長(山下直也君) 片桐章浩君。
  〔片桐章浩君、登壇〕
○片桐章浩君 今、答弁いただきましたように、都市計画道路の中でT字になりましたし、さきの議会でも言いました県道の秋葉山方面もとまってるということで、どちらの担当区間が遅いか早いかというのは別として、おくれがあるのが事実であります。ぜひそっちへも協力というか、手を差し伸べると言うたらおかしいですけども、お誘い合わせの上、早く開通できるように、そういうふうに持っていってあげたいと思います。
 それから、和歌山市内のこの県内の主要幹線道路の整備、知事が力を入れている府県間道路、それから川筋ネットワーク道路、これらについても重点的に整備を進めて国体開催に間に合わせいただけますようにお願いを申し上げまして、一般質問を終わらしていただきます。ありがとうございます。
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で片桐章浩君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時43分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(浅井修一郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 40番松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕(拍手)
○松坂英樹君 通告に従い、一般質問に入らせていただきます。
 まず、ミカン対策についてお伺いをいたします。
 以下、5つの項目について、順次、農林水産部長にお尋ねをいたします。
 ことしは、ミカンの裏年に当たります。一昔前までは表年は安値で裏年は高値だと言われましたが、この10年ほどのミカンの価格を振り返ってみますと、残念ながら価格は安値安定の傾向が続いています。
 ある農家の方は、「よかったのは10年のうち2年だけ。あとの6年は採算ぎりぎり。2年は採算割れだ」、こんなふうにおっしゃいます。苦労してミカンづくりをしている生産者の期待にかなわず、再生産に見合う価格にはなかなかおぼつかないという厳しい状況です。
 安値が続く背景としては、長引く消費不況、国民生活の厳しさが大きく影響しているのに加え、全国的には極わせの量が大きくなってきていて価格でも足を引っ張るなど、出荷時期や市場の流通量の変化に伴い、価格形成の要因も変わってきていると考えます。
 そこで、まず第1点目の質問です。
 県として、和歌山県産ミカンの販売価格、価格形成の状況をどう考えているか、ことしのミカン生産販売状況とあわせて、農林水産部長より御答弁を願います。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの松坂英樹君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカンの価格形成についてでございますが、平成24年産ミカンは裏年に当たり、生産量は対前年比88%の16万トンを見込んでおります。
 価格は、極わせ、わせ、なかてを合わせた12月14日までの平均でキロ当たり196円と、残念ながら再生産価格を下回っている状況です。特に9月、10月出荷の極わせミカンは、ブドウやナシなどのほかの果樹との競合や九州産地の出荷量がふえたことにより、需給バランスが崩れて、キロ当たり170円と昨年同様に安値となっておりますが、県のオリジナルの極わせ品種であるゆら早生は、それよりも20円高いキロ当たり190円で取引されております。
 県では、これまで極わせの不良系統をゆら早生や田口早生に転換するなど、極わせの比率を下げて優良なオリジナル品種への改植を推進しているところでございまして、今後もこれら品種の産地拡大を通じて市場価格の向上を図ってまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁をいただきました。
 裏年であることしでさえ再生産価格を下回る状況であるという厳しい報告がされたわけですが、これでは農家が経営の展望を持てません。出荷のおくれとか、その他の果物との競合という結果になったりと、何かしらの要因がことごとく安値の引き金になっているというのもつらい状況です。
 では、どうやってこの状況を好転させていくのか。デフレ不況の克服、国民生活の向上という国政の課題とともに、産地としても、こういう状況を打ち破るべく懸命の努力を続ける必要があると感じています。和歌山県オリジナル品種のお話もありました。こうした数々の打開策を積み重ねて、価格形成につなげていかなければなりません。
 この問題意識から、以下の質問に移らせていただきます。
 2問目の販売促進強化の取り組みについてお伺いいたします。
 去る11月23日から25日にかけて取り組まれた首都圏での和歌山県産農産物のキャンペーンに参加をさせていただきました。これまで、こういったトップセールスなどの取り組みは、県が主催をした年、生産者団体が主催をした年など、いろいろ試行錯誤や工夫を続けてこられたわけですが、今年度からは、県、生産団体が協議会をつくって共同で取り組むようになっています。ことしは、有楽町の駅前広場というよい立地条件でのイベントとなっていました。
 また、午後に開催された果物の機能性食品としての価値に注目したフォーラム、パネルディスカッションにも参加しましたが──いい資料も県のほうでつくったようです──これまで5大栄養素と言われていたものに加えて、果物にはすばらしい機能性食品としての役割があることが専門家の皆さんからも紹介をされました。こういった取り組みを一層広げていくことが、このミカンを初めとする和歌山県産の果実の消費拡大、販売強化に大きな役割を果たすものだと期待をするものです。
 私は、これまでも、ミカンの販売強化の取り組みとして、お世話になってきた京阪神市場を大事に、基本にしながらも、加えて首都圏にも果敢に攻めていくことが全国区でのブランド力アップに欠かせないと、このことを議場で初質問以来、訴えてまいりました。
 和歌山県産ミカンの販売強化の取り組み状況はどうか、また首都圏、特に首都東京での和歌山県産ミカンのシェアは上がってきているのか、これらの点について御答弁を願います。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、JAグループとも協働して、さまざまな趣向を凝らして首都圏を中心にPR活動を行ってきましたが、今年度につきましては、双方それぞれの強みを発揮しやすいよう、新たに和歌山ブランド向上対策推進会議を立ち上げ、タッグを組んでPRや販路開拓に取り組んでいるところであります。
 質問にございましたように、11月23日から3日間、東京有楽町周辺における首都圏イベントでは、果物の機能性に関する第一人者をお招きしてフォーラムを開催するなど、おいしさだけでなく機能性にもスポットを当てる切り口でPR活動を行いました。
 また、直接消費者に訴えかける和歌山フェアを東京、大阪、名古屋の3大都市の百貨店や大型スーパーで開催し、梅、ミカン、柿を中心にしゅんの食材をPRいたしましたが、フェアにおいては、わかやまポンチづくりや「わかぱん」との撮影会などの消費者参加型イベントも行い、より和歌山県の食材を身近に感じていただける販売促進活動を展開したところでございます。
 こうした取り組みもあって、東京都中央卸売市場での取り扱い実績による和歌山県産ミカンのシェアは、平成19年の21億6000万円、7.9%から、平成23年には27億8000万円、10.5%と2.6ポイント上昇したところでございます。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 販売強化の取り組み、また、首都東京の市場でのシェアが7.9%から10.5%へと、4年間で2.6ポイントアップという答弁でした。割合でいうと3割アップということになると思います。
 この東京都の市場の扱い量、たくさんあるわけですが、その半分を占める首都東京の台所、大田市場、ここでも和歌山県産ミカンの取り扱いが、9年前と昨年との比較では5.7%から9.8%へと1.7倍の伸びを示しているそうです。
 ミカンの生産日本一と言いながら、東京のど真ん中ではわずか5%のシェアでしかなく、探さないと見つからないという程度だったものが、ようやく一角に食い込んできたという状況だと思います。大田市場でも、東京全体でも伸びてきている。この間の県や生産者の努力に敬意を表するとともに、果樹王国和歌山としてもっともっと露出を大きく、注目を集める戦略的な販売促進の強化に一層取り組むよう求めるものです。
 次に、気象変動や自然災害による被害への対応をお尋ねいたします。
 地球温暖化や異常気象の問題などが指摘され続け、雨はなかなか降らないと思えば、降るときには集中豪雨のような雨が降ります。今や平年並みという年はないというぐらいの状況です。
 昨年は、6月の生理落果が物すごく多くて大玉傾向でした。ことしは一転して小玉傾向で、収穫を進める農家からも「何と細かいミカンばっかりやのう」というため息が聞こえてまいります。
 また、収穫最盛期のこの間、三日に上げず雨が降り、収穫が随分ずれ込みました。こうした雨の降り方の変化は、特に気になるところです。ことしは4月から6月にかけて雨がほとんど降らず、「夏のかん水やなくて、何と5月に水やりせんなんとはな」、こんなふうに生産者は大変苦労されました。気温にしても、降水量にしても、篤農家の皆さんでさえ過去の経験が通じないほどの気象変動が顕著になってきています。
 また、先日、収穫直前の11月という季節外れのひょうによる被害が出ました。広川町を初め、有田川町、日高川町、御坊市にかけて1億2000万円ほどの被害が報告をされています。
 私は、最も被害のひどかった広川町の前田地区の畑へ早速伺い、状況をお聞きしましたが、10円玉より小さいぐらいという大きなひょうが強風とともに大量に降ってきたそうです。農産物はもとより、ひょうによって、農業用ハウスや、また駐車場の屋根に穴があいたりする被害、また、雨まじりに大量に降ったために倉庫のといがひょうで詰まってしまってあふれ、屋根から雨漏りして倉庫の中の米が水浸しになったりと、大変な被害であったことをお聞きいたしました。
 収穫前で色づき始めていたミカンは、穴があいたり、こすれて傷が入ったりと大打撃で、伺った畑はほぼ全滅状態でした。先日、その畑に再度調査に出かけましたが、農家の方は、「収穫しててぼに入れられるミカンはほとんどない。大方、はさみで落として畑へ捨てやんなん」と嘆いておられました。ひょうに当たったすぐにはわからないそういう傷も、後から影響が出てきたり水腐りになったりと、ひょうが降った畑のミカンは収穫後に選別にも大変苦労しているそうです。
 このひょう被害を受けた農産物への被害については農業共済での対応しかないという話なんですが、その農業共済も加入している畑の割合は大変低く、また加入していても給付金は翌年からの掛け金に充てているところも多いなど、「共済も実際は当てにならんのよ」と、こういう声をお聞きしていました。
 ただでさえ低価格に悩むミカン農家ですが、こうした温暖化や降雨量など気象変動への対応、また自然災害による被害対策を県としてどう考えているのか、御答弁願います。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 気象変動や自然災害に強い産地づくりを推進するため、県では、これまで防霜ファンや防風ネットなどの施設整備を初め、マルチ、点滴かん水の導入に対し支援をしてきたところであります。
 災害への備えとして農家の減収を補てんする農業共済制度がありますが、加入率が低いので、今後、より一層の加入推進に努めてまいる所存でございます。
 また、災害の発生時には共済金が迅速に支払われるようこれまでも働きかけは行ってまいりましたが、今後も農業共済組合に対し働きかけるとともに、被害が広範囲かつ甚大な場合は既存の融資制度に工夫を凝らすなど、農家の経営安定のための支援を行ってまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁をいただきましたが、この問題、今後のミカンづくり、県内果樹農家にとってもかぎとなる問題だと考えています。1年1作しかない作物が被害を受けると、本当に経済的ダメージは大きいんですね。共済制度はもっと入りやすく、おかげになるものとなるよう改善を求めるものです。そして、災害時の支援策を市町村や生産者団体などとも力を合わせて、ますます、一層検討していただく要望をしておきたいと思います。
 4点目の質問に移ります。ミカンの高品質化、厳選出荷の取り組みについてです。
 和歌山県産ミカンのブランド力アップと価格形成、高単価をかち取るには、高品質化、厳選出荷の取り組みは欠かせないものです。他県でもこの点ではさまざまな工夫や努力がされているようですが、和歌山県としてどのように取り組み、今後取り組んでいこうとしているのか、御答弁を願います。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) ミカン農家の所得向上には、高品質生産や厳選出荷が必要不可欠であると考えております。
 高品質化対策として、優良なオリジナル品種への改植を初め、マルチ栽培や点滴かん水装置の導入に支援してきたところで、引き続き今後も推進してまいる所存でございます。
 また、厳選出荷につきましては、味を重視する消費者ニーズに対応するため、光センサー選果機の導入を支援し、現在では系統出荷量の91%にまで普及しております。全国果実生産出荷安定協議会が定める時期別糖度の目標である9月9度以上、10月10度以上、11月以降11度以上の基準に基づく出荷の徹底をJAに指導しているところでございます。
 今後、こうした高品質化、厳選出荷の取り組みに加え、JAとの連携を密にし、適地での栽培や優良品種への転換をさらに促進させてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 先ほど、ひょうの被害の話もしました。また、暖冬のときには果実の傷みが出たり、気象条件や病害虫など、こういったさまざまな要因を乗り越えて、消費者の皆さんから、やっぱり和歌山のミカンはおいしいと、すばらしいと言ってもらえるものをお届けすることが大切です。
 厳選出荷については、愛媛県などは選別の強化に取り組んだ歴史も長いと聞いております。畑でいいミカンをつくるのはもちろん、選別や出荷体制などについても広く生産者の皆さんと十分に相談をして、その支援を強めていただくよう強く要望をさせていただきます。
 ミカン対策の最後に、新品種の普及状況と今後の展望、課題について質問いたします。
 この間、ミカン生産農家の皆さんと県果樹試験場が力を合わせて、和歌山らしい魅力的な新品種の開発に取り組んでこられました。その幾つかが成果となり、次々と芽を出そうとしているのを大変うれしく思います。
 出荷が集中し、価格が低下する時期を避け、どかすかなくコンスタントに魅力的なミカンが出荷できる産地づくりが大切です。
 これまで11月のわせの時期に市場がだぶついていたのが、今は10月に九州産の極わせが集中してだぶつきが出ています。この極わせの時期には、和歌山のおいしい極わせをアピールする。また、主力であるわせの品種、これに続いて12月の主力となる浮き皮の少ないなかてのミカンを育てる。そして12月末から年明けにかけても、じょうのうの薄い袋ごと食べられる、わせの完熟のようなしっかりとした味の、こういうおいしい和歌山のミカンが出荷できれば、年が明けたら静岡ひとり勝ちというこの昨今の状況も打ち破れます。すぐれた品種のリレー出荷により、こうした展望を開いていくことが期待をされています。
 新品種の普及については、品種の特徴や適地適作、販売戦略をよく踏まえながらも、スピード感のあるアピールや丁寧な普及が大事だと考えますが、新品種の普及状況と今後の展望、課題についてどう考えているのか、御答弁願います。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、他産地との差別化を図り、農家所得を向上させるため、極わせ、わせ、なかて、おくてのオリジナル品種によるシリーズ出荷に向けた取り組みを展開してまいりました。
 現在、極わせミカンのゆら早生は226ヘクタール、わせミカンの田口早生は148ヘクタールで栽培されております。
 また、ゆら早生から育成されたYN26は今春から苗木の供給が始まり、需要の高まる12月以降の販売が可能ななかて品種のきゅうきは、平成26年からの苗木販売に向けて、現在、鋭意増殖を進めてるところであります。
 おくて品種についても、県果樹試験場で優良系統の選抜をしているところです。
 今後も、県単独事業である果樹産地再生緊急対策事業などによりまして、これら品種への改植の支援を行い、早期の産地化を図ってまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 味の決め手の8割は品種だと、こんなふうに言われているそうです。他県に負けない和歌山らしいオリジナル品種のリレー出荷を目指し、お話にあったYN26やきゅうきへの農家の期待、また市場関係者の期待も大変高いようです。
 また、おくて品種の研究についても触れられました。今後一層、県として、研究機関、普及、そして生産者のチームワークが生かされるよう、ミカン対策の強化に努めていただくよう要望するものです。
 おいしい和歌山産のミカンの栽培は、熱心な篤農家と呼ばれる皆さんから兼業農家の皆さんまで、農業をやりたい方はみんな和歌山県の農業の担い手です。こういう厚みのある農業の展望を和歌山県の農業でも、日本農業にも切り開いていく、そんな支援ができるよう県としての役割を果たしていただくよう要望して、ミカン対策の質問を終わります。
 次に、2つ目の柱である河川とダムの防災対策についての質問に移らせていただきます。
 以下3点について、順次、県土整備部長にお伺いいたします。
 このほど県は、河川に堆積した土砂撤去により防災対策効果を上げようと、砂利採取事業の許可範囲の見直しを発表しました。この間、私どもも、堆積が進んで危険な河川の土砂の撤去とともに、採取された砂利を台風災害からの復興と防災対策工事の骨材として活用することを求めてきたことから、この事業が効果を発揮できるよう大いに期待をするところです。
 そこで、今回の見直し内容と方向性を御答弁いただきたいと思います。
 また一方で、この砂利採取の事業に関しては、過去には利権の温床となったり、もうけ優先で過度な採掘が行われたりなどの問題があったために、一部区域を除いて原則禁止の制限措置がとられた歴史があります。
 今回の制限見直しによる事業開始に当たっては、事業者に採取を許可する際には、公明正大な仕組みで、かつ県がしっかりと砂利採取をコントロールできるようなものになるようあわせて求めるものですが、いかがでしょうか。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 今回の許可方針の見直しは、治水安全度の向上にもつながることを期待し、堆積土砂の効率的な撤去を目的としております。新しい許可方針の運用に当たっては、採取計画等を総合的に評価して採取業者を選定するなど、公平性や透明性の確保に向けた仕組みを検討しております。
 採取方法につきましては、河川構造物等から十分な保安距離を保ち、水面から50センチメートル以上の高さで掘削させるなど、河川の維持管理上の支障が生じないよう規制していきます。あわせて、騒音防止や粉じん対策、汚濁水対策等の公害防止対策も求めるなど、十分な策を講じてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 答弁をいただきました。
 この砂利採取による防災対策前進が、絵にかいたもちに終わらないようにすることが大切だと思っています。県内の河川で12号台風による堆積土砂撤去事業の業者を募集しましたが、富田川などで事業化がうまくスタートできた一方で、日高川では応募業者があらわれませんでした。
 砂利採取によって製品化された川砂利が災害からの復興と防災対策工事の骨材として大いに利用されるよう、この川砂利を使ったら有利になるというようなインセンティブを働かせるよう検討を求めるものです。和歌山県は災害からの復興と防災対策を地域経済も含めてしっかり組み立てたと、そんなふうに評価されるよう、この点は強く要望をしておきます。
 次に、昨年の台風12号被害を踏まえたダムの操作改善についてお伺いしたいと思います。
 昨年の台風災害では、県営ダムで一番設計の新しい椿山ダムでさえダム湖が満水になり、洪水調整ができなくなる事態となりました。私自身の認識も、有田川の二川ダムのような発電優先で水をためがちなダムと比べれば、設計の新しい椿山ダムは治水能力も比較的高いと思っていただけに、ダムの設計を超えた超過洪水というものは必ず起きると衝撃を受けた大災害でした。
 歴史的な豪雨だった12号台風災害ですが、この大雨がこの先100年、めったに起こらないというものではありません。この先こうした豪雨がいつ起こってくるかわからないし、その確率が飛躍的に高くなっているのが昨今の気象条件です。深刻な被害が出た日高川流域ですが、今回の災害を契機に、日高川町を初め住民からは、この椿山ダムの操作改善を求める声が出されています。
 この間、県は関西電力との間で発電用利水容量を事前に放流するというダム操作改善に合意し、早速、ことしの出水期から適用されています。しかし、二川ダムや七川ダムと比較すれば、椿山ダムにおいては、この利水容量を活用した能力向上は限定的であるがゆえに、これに加えて操作規則そのものの改善を求めるというものです。
 具体的に言うと、ダムの設計を超える、そんな豪雨が予想されると、こういう場合には、平常時から非常時にシフトするべきだと。あらかじめ計画した放流量までは貯水せずに放流をして貯水容量を温存し、それ以上の洪水を、一番しんどいところをカットするように操作を変更すべきだと、こういう考え方なんですね。そういう提案も県にも伝えられていると思いますが、県はどう考えますか。
 私は、これまでも議場の場でダム操作規定の改善を訴えてまいりました。県は、大雨が予想されたとき、ダム水位をあらかじめ操作規定よりも低くして洪水に備えるという、そういう運用改善を七川ダム、二川ダムでも実施してきました。また、先ほど申し上げた電力会社との合意による利水容量の活用もやりました。しかし、これらは操作規則そのものではなく、例外的な運用の一部として位置づけをしました。
 これらダム水位や放流タイミングの改善は、治水能力を上げるためにはプラスになる積極的なものです。しかし、肝心の操作規則、ダム設計時の雨量の想定、ゲートの操作、これは依然としてそのままなんですよね。どの程度の雨でダムがいっぱいになってしまい、ただし書き操作と言われる非常時の操作になってしまうのか、この肝心のところを見直してはいないんです。
 ダム設計時の洪水パターンは、単純な、あくまでも限定的なシミュレーションです。その雨量や降雨パターンも、近年の気象状況の変化によりさま変わりしているわけです。設計どおりの洪水調整で今日的な気象条件に見合ってるのかどうか、設計時の想定を超える雨量が気象予想されたときの操作のあり方はどうあるべきか、今のままでいいのか、また、単純な1山パターンの雨だけでなく、2山目が来るとわかったときには操作はどうするのか、こういったことをきちんと操作規定として検討し、位置づけていくべきだというのが私の考えです。
 このような観点から、操作規則のあり方、これを根本的に再検討するよう求めるものですが、部長、いかがでしょうか。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) ダムの洪水調節方法は、下流の河川改修の進捗状況や背後地の利用状況等を勘案し、確実に効果が発揮されるよう定めています。
 御提案の方法では、大規模洪水が予測されたときには、ダム下流で被害が発生する流量となった場合でも洪水調節されることなく、洪水初期の段階から被害が発生することになります。したがって、避難時間が確保できなくなることや、大規模洪水にならなかった場合に本来ダムで守られるはずの生命、財産を危険にさらすことになるなどの理由により、現状では、御提案の方法を採用し、操作規則に位置づけることはできません。
 県としては、これまでの操作方法に加え、6月から始めた計画の規模を超える洪水が予測されたときに、利水部分も含め、あらかじめ可能な限りダムの貯水位低下を図り、治水機能の向上を図る新運用や早期避難を促す情報伝達等による対応が適切であると考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 住民からのダム操作改善の提案については論外だと、難しいという考えのようです。操作規定本体の見直しそのものについても、必要に応じて見直すという従来の答弁の域を出ていないと感じました。私は、それじゃだめだと思うんですね。
 答弁にありましたように、大きな洪水に焦点を絞れば中小の洪水が起きてしまう、中小の洪水に照準を合わせれば、今度は大洪水を防ぐことができない。あちらを立てればこちらは立たずというジレンマがある。これは、今までの操作規則に対する考え方だと思うんです。
 しかし、このまま立ちどまってしまって思考停止してはいけないんだと思うんですね。大災害の経験をしっかり生かし、気象予測など今日的な知見を生かして、この壁を超えないといけないと思うんです。1本の操作規則で対応できないなら複線化をするとか、知恵を出すべきだと思います。
 この問題では、県庁内部での検討はもちろん大事ですが、ダムの果たすべき役割、あり方をめぐる全国的な問題もあり、かつ流域の特性、ダムの形状など、個別の条件が違う課題でもあります。
 ここはぜひ提案ですが、大学の研究者や国とも連携をとりながら、調査研究のための予算もつけて、しっかり研究されるよう提案をし、要望とさせていただきます。
 この質問の最後に、県管理河川の河川整備計画見直しについてお伺いをいたします。
 日高川の椿山ダムのすぐ下流となる旧美山村地域では、多くの橋や護岸が被災をいたしました。これらの災害は、急峻で曲がりくねった川の形に加え、ダムのただし書き放流によるエネルギーが合わさって引き起こされた災害だと考えています。
 また、中流域の旧中津村地域でも、破堤や越流など大きな被害が続出しました。住民の中からは、ダム建設により安全神話が強調された結果として、ダム建設後はダムの直下や中流域の河川整備が遅々として進んでこなかったという声が上がっています。
 河川の整備計画では、おおむねこの下流部の築堤区間の整備に焦点が当たっています。洪水が起こった際の被害想定からすれば、堤防の強化はもちろん重要でありますが、だからといって中上流部の弱い部分の整備がおろそかになってはいけません。
 今回の台風災害を受けて、那智川では河川整備計画を全面的に見直すこととなりました。この際、県管理河川の河川整備計画を総点検、再検討し、下流の築堤区間だけでなく、中流部やダム直下、ダム上流部も含めて、全体を見通した整備計画となるよう見直すべきではないでしょうか、答弁を求めます。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 河川整備計画は、河川の下流から上流までの県管理区間すべてを対象にしております。このうち、現況の流下能力や背後地の利用状況、過去の浸水実績等を考慮し、おおむね20年から30年間で計画的に工事を実施する区間を設定しております。
 既に整備計画を策定している河川については、昨年の台風12号被害に対する改良復旧事業等を踏まえ、必要に応じ計画的に工事を実施する区間の変更等、整備計画の見直しを行ってまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 松坂英樹君。
  〔松坂英樹君、登壇〕
○松坂英樹君 部長からは、河川整備計画は、本来、流域全体を見据えたものであると、そして見直しを図っていくという答弁でした。
 河川の予算のボリュームの関係もありますから、そら全部一遍に進まないのは百も承知の上ですが、中流域での河川や堤防改修の要望を県に伝えても、これは河川の堤防ではありませんからというようなことで、なかなかこの事業がされてこなかった、進まなかった現実もあるんです。
 日高川、有田川についても、既に河川整備基本方針ができています。これに基づき、これからどう整備を進めるのかという整備計画を住民の意見も取り入れて策定していくのが新河川法の精神です。12号台風災害を踏まえ、流域住民の意見をしっかりとくみ上げるような十分な議論の場を設けて整備計画を練り上げていくよう要望いたしまして、今回の質問を終わらせていただきます。
 ありがとうございました。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、松坂英樹君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○濱口太史君 去る11月4日、新宮市から那智勝浦町間の自動車専用道路、那智勝浦新宮道路を使用し、天空ハーフマラソンが開催されました。全国各地から2742人もの参加があり、そのうちの985名は新宮市以外の県内から、他府県からの参加は1305名にも上りました。ちなみに、私も10キロメートルコースに出場いたしました。また、県の職員さんも多数参加をしていただきました。
 大会前日も含め、この2日間は、新宮、勝浦とも宿泊はほぼ満室、飲食店街についても大変なにぎわいであったとのこと。土産の購入、また交通機関の利用など、地域にとって大きな経済効果があったとされています。新宮市において、他地域からの参加者がこれほど大勢集まったイベントはまれであり、大会のテーマにも掲げられた災害復興という目的も、にぎわいと活気によって達成され、多くの新宮市民を勇気づけるものとなりました。
 供用中の自動車専用道路を使用してのマラソン大会は、全国で2カ所目とのことです。全国的に地域を発信していくためにはメディア等の力をかりなければなりませんが、メディアに取り上げてもらうためには、このようなインパクトのある奇抜な企画が必要であり、また、それを実現するための地域の人たちの努力と協力が不可欠であります。それにより、インパクトのあるアイデアや趣旨に関心を持った全国の人たちに熊野へ訪れていただき、よさを知ってもらえる機会となることは、リピーター、いわゆる熊野ファンの増幅など、今後の観光活性化に向けて大いに期待できることと考えます。
 話は変わりますが、マラソンのステージとなる那智勝浦新宮道路、前民主党政権に「紀南のような人口の少ない地方にふつり合いだ」といわれなき批判を受け、すさみから太地間並びに新宮から三重県熊野市大泊間のミッシングリンクをそのまま放置されたまま、いたずらに年月が過ぎてしまいましたが、平成25年度の事業化決定に向けて、新政権の発足を契機とし、県におかれましても、これまでのおくれを取り戻すべく、知事を筆頭に力強い要望を行っていただき、地域の悲願達成に御尽力をお願いいたします。
 それでは、議長のお許しをいただきましたので、質問をさせていただきます。
 大きな項目1番、河川の治水対策と復興についてであります。
 1つ目、熊野川の堆積土砂と流木、倒木の撤去についてであります。
 昨年の台風12号により、熊野川に面した三重県側の山々に20数カ所にも及ぶ山崩れが発生し、その結果、大量の土砂が川の中に堆積したままになっています。三重県においては、災害復旧事業の最終年度である平成25年度中に、崩壊した山ののり面の補修や崩落した道路を復旧させる計画であると聞き及んではおりますが、堆積した土砂の撤去はどのような対策を検討されているのか、いまだに不明です。
 熊野市、紀宝町の熊野川流域に面した地域には住家や施設等も少ないという三重県の事情から推察しますと、熊野川の堆積土砂撤去作業の優先順位は低いのではないか、まして大量の土砂や岩石を撤去するには膨大な工事費、労力、時間を要するので、容易な話ではないと思われます。
 しかしながら、このまま放置ということになれば、流域住民や他地域から訪れた方に、見た目にもいまだに復興が進んでいないというイメージを与えるだけではなく、再び豪雨に見舞われることがあれば、和歌山県側に再び甚大な洪水被害が起こる可能性があるのではないかと懸念されています。国や三重県に理解を求め、流域住民の安心のために一日も早く土砂の撤去に取りかかってもらえるよう強く働きかけをお願いしたいと思います。
 治水面だけではなく、観光地としての観点からもマイナス要素であります。
 8月28日から29日にかけて実施された経済警察委員会の県内視察の折にも、安全運航対策の調査という目的で熊野川川舟下りに乗船しました。台風12号大水害による大きな傷跡を見てもらう、そういう結果ともなりましたが、和歌山県、三重県両岸には、災害から1年以上が経過しているにもかかわらず、川に堆積した土砂、残されたままの流木や倒木が至るところで目につきました。
 この件に関しましても、すべての箇所を取り除くということは、多額の費用、土木業者の人手も限られた中で非常に困難な状況であることは理解できます。しかし、熊野川町の道の駅など観光客がよく立ち寄る場所から見える箇所は、痛々しいイメージを与えてしまうため、早急に撤去を行う必要があるのではないかと考えます。自然の脅威や被災状況を把握してもらうためには、それはそれで意義もあるとは思いますが、そろそろ原形復旧に向けた取り組みを進めていくことのほうが重要ではないかと考えます。
 そこで、この現状について本県としてはどのような認識を持たれているのか、また、問題視してもらえているとすれば国や三重県側への働きかけを望みますが、どのような交渉をしていただいているのでしょうか、知事にお尋ねをいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの濱口太史君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 熊野川に関してでございますが、緊急的に土砂撤去が必要な箇所については、田辺市、新宮市の協力も得ながら、さまざまな方法で撤去を進めております。また、最下流で国直轄による撤去が進む予定というのが決まっております。
 さらに、来年度からは、砂利資源の有効活用にも資する手法として、民間事業者による砂利の一般採取も再開、拡大し、より効率的に撤去を進めたいと考えております。
 議員の御指摘にもありましたように、熊野川は向こう側が三重県であります。紀南に災害復旧・復興を兼ねて観光にも行ってあげようというような、特に和歌山市の方々が随分いらっしゃいまして、私もお勧めしたもんですから、お話を、帰ってこられてお聞きしましたら、「全然直ってへんわ、大変やな」、こういうふうに言われまして、「えっ、どこですか」と言ったら、大体はあの168号線、熊野川沿いの道路を走りながらの感想なわけであります。全部三重県側が見えるわけであります。
 これはまずいと、いろんな意味で悪影響もあるということで、三重県知事にも私も申し入れ、再三言い、それから事務的にも何度も何度も早くやれといってお願いをしましたところ、三重県側の道路災害復旧工事については、これからでありますけれども、平成25年度中に完成するというふうに聞いております。その際に、河川内の土砂も一部撤去されるというふうに聞いております。
 残る河川堆積土砂や、あるいは流木、倒木の撤去は、治水面のみならず景観面からも当然必要でありますので、今後も国、県、流域市町村が集まる場等、さまざまな機会を通じて強く働きかけを行い、我々も努力したいと思っております。
 また一方で、県としては、熊野川の直轄管理区間の拡大、あるいは堆積土砂撤去のための予算の確保についても、これは従来から国に対して提言をしてるところでございますので、今後ともそれもやっていきたいと思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 土砂撤去や流木、倒木の撤去について、本県側ではできる限りの河床整備に取り組んでいるとのこと、そして、対岸の三重県の範囲につきましては、再三の働きかけにより、一部で土砂の撤去を実施されるとの答弁をいただきました。
 御承知のとおり、熊野川は、上流部の広範囲で降った雨が支川も含めたたくさんの河川を経由し、最終的に熊野川本流に流れ込みます。したがって、豪雨のときには想像を絶する水位の上昇となります。そればかりか、昨今の異常なほどの大雨により山腹も崩れやすい状態になっていることから、いつまた河川に大量の土砂が流れ込み、はんらんを引き起こすかわかりません。また、そのたびに三重県、奈良県とまたがった熊野川を整備しようとすれば、各県相互の調整に時間を費やし、また、規模が大きいために、それぞれの県予算だけでは対応も追いつきません。
 現在、河口から約5キロメートル付近までが国直轄の管理区間となっておりますが、このような問題を早期に解決し、対応するためには、やはり国の直轄で管理をしてもらうべきです。熊野川全体をとなればベストですが、それが困難なら、せめて本県、三重県両県が相互に管理している上流20キロメートル付近の指定区間を解除して、国の直轄管理区間を拡大してもらう方法しかないと考えます。
 しつこいようですが、どうか国のほうにも深い御理解と御協力をいただけるよう、引き続き国直轄管理への働きかけをお願いします。以上、要望とさせていただきます。
 続いて、次の質問に移らせていただきます。
 2つ目、高田川の流木の撤去についてであります。
 先日、高田地区を訪問した際に、熊野川同様、新宮市管内の高田川にも、至るところに残された流木を目にしました。高田地区の区長さんらと新宮市を交えて現地を視察し、既に東牟婁振興局建設部には撤去の要望を申し入れていますが、なかなか進んでいないようにも見受けられます。来年の出水期を迎えますと、その流木が流れ出す懸念もあります。
 この地域は本県の管轄になりますので、ぜひ早急な対応をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか、県土整備部長にお願いします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 河川内の流木については順次撤去を行ってきたところであり、高田川では、これまでおおむね1000立法メートルの流木を撤去しております。河川内に残っている流木につきましては、引き続き、治水上支障のある箇所から早急に撤去を進め、年度内に完了するよう取り組んでまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 答弁いただきました。
 次に、熊野川の清流を取り戻すためにはということでお聞きをいたします。
 熊野川の宮井付近、十津川水系と北山川水系が合流する地点から下流にかけて、大水害の影響も大きいのだとは思われますが、いつまでも泥水で濁った状態が続いています。かつては清流が地域の誇りであり、川の世界遺産として登録された熊野川ではありますが、現在の姿は余りにもほど遠い状態であります。
 熊野の神秘的なイメージや世界の人々の心のよりどころとしての貴重な自然環境を保つため、熊野川の清流を取り戻すことは必要不可欠な要素だと考えます。
 ダムからの放流に濁水がまじっていることは一目瞭然でありますが、その事実や原因を県はどのように把握していますか。そして、どのような運用がなされているのでしょうか。また、河川管理者としての本県からは、ダム管理者側に対策を申し入れることはできないものでしょうか、県土整備部長にお尋ねします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県は、過去からダムの管理者である電源開発株式会社に対して、濁水軽減対策の実施について強く申し入れを行っています。その結果、電源開発株式会社は、貯水池のできるだけきれいな層から取水する措置や、出水時に貯水池にたまった濁水を早期に排出し、濁りが軽減した後の流入水を貯留する措置、さらに休日の発電放流の停止などの濁水軽減対策を実施しています。
 しかし、上流で大規模な山腹崩壊が発生した台風12号以降は濁水の発生傾向が変化し、小規模な出水でも高濃度の河川水が貯水池に流入し、濁度の低減にも相当な日数を要する状況が継続しているとの報告を電源開発株式会社より受けています。このため、電源開発株式会社では、出水後の貯水池の濁水排出を以前より長期間行うなど、対策を強化しております。
 県としては、清流を取り戻すための十分な対策が講じられるよう、引き続き国や関係機関に対して働きかけてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 答弁をいただきました。
 次に4番目、大津波の遡上を防ぐためにはということでお聞きをいたします。
 東北の大津波の様子を振り返ると、広い範囲の浸水被害を引き起こした原因に、津波が河川を遡上したケースが多く見られます。
 東南海・南海大震災が発生した場合、紀伊半島の沿岸部でも同じことが起こり得ると考えられますが、河口からの津波の侵入を防ぐための対策はどのようにお考えでしょうか。
 例えば新宮市では、熊野川、市田川、佐野川などが海とつながっているわけですが、その河口付近において、水門などの設置や整備による万が一の備えを検討する必要があるのではないでしょうか、県土整備部長の所見をお聞かせください。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 現在、県では、国が公表した南海トラフの巨大地震の新しい想定を受け、和歌山県地震・津波被害想定検討委員会から助言をいただきながら被害想定の見直しを行っているところでございます。
 熊野川、市田川、佐野川周辺では、これまで県が想定してきた東海・東南海・南海の3連動地震に対する津波シミュレーション結果では浸水被害は想定されておりませんが、今回の想定の見直し結果を踏まえ、必要な対策を検討してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 答弁をいただきました。引き続きよろしくお願いいたします。
 次に、大きな項目、観光の話でありますけども、コンベンションの誘致についてお尋ねをいたします。
 和歌山県の観光客の入り込み客数を見てみますと、平成19年の3208万人をピークに減少傾向にあります。特に、地域経済への波及が大きい宿泊客数を見ますと、平成23年度は紀伊半島大水害の影響もあり434万人にとどまり、平成22年度においても509万人と、近年減少傾向にあります。
 一般的に、個人旅行者の動向は景気に左右されやすい傾向にあります。しかしながら、誘致戦略によっては、厳しい観光地間競争の中、その特色を生かして健闘している地域も見られます。本県においても、熊野古道などの歴史を感じつつ過去から現在を体感できる文化的素材や、和歌山が有する豊かな自然素材は、特に都市住民に魅力を感じていただけるものとして、これをうまく利用しない手はありません。
 新宮市地域においても、さきに紹介いたしました天空ハーフマラソンの開催や旧新宮鉄道の開業100周年記念行事の開催など、趣向を凝らした誘客イベントを展開しておりますが、コンベンション、すなわち全国大会や会議、学会、それに、藤山議員のきのうの質問にもありましたが、スポーツ大会などの誘致は、一度に多くの誘客を図れるものと考えます。紀の国わかやま国体の開催は、その最たるものであります。
 そこで、質問に移らせていただきます。
 自民党和歌山県連会長である二階俊博代議士の話によると、代議士が会長を務める全国旅行業協会主催の平成26年国内観光活性化フォーラムの和歌山市内での開催を計画しているそうであります。しかも、全国から会員である旅行業関係者をたくさん集めて盛大に行いたいとのことであります。そして、大会終了後には、参加していただいた旅行業者の皆さんには、県内各地の観光地、宿泊地に分かれて連泊をしていただき、和歌山県の魅力を身をもって体験してもらうという観光企画を検討しているとのことです。県からも、いろいろな面からの多大なバックアップをお願いしたいところであります。
 このような大規模な他地域からの大会や会議を誘致し開催していただくことは、地域にもたらす経済効果はもちろん、全国への情報発信などの観点からも大いなる活性化が期待されます。また、コンベンションに観光コースを絡めていくことにより、和歌山のよさを体感してもらうきっかけとなることは言うまでもありません。
 今後も、さまざまな団体や組織に働きかけることになると思われますが、コンベンション等の誘致、開催への支援と受け入れ体制について、商工観光労働部長にお尋ねします。
○副議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) コンベンション開催に当たっての支援と受け入れ体制についてでございますが、まず、コンベンション開催に当たっての支援につきましては、県観光連盟が県外からの宿泊者数に応じて開催経費の一部を助成するコンベンション開催助成金制度を平成18年度から設けており、近年では関係者への誘致活動が実を結び、助成実績は平成22年度が14件、平成23年度が17件、今年度は現在20件と増加傾向にあります。
 次に、受け入れ体制につきましては、県観光連盟をワンストップ窓口とし、主催者に対し、会場のあっせんや調整、エクスカーションと体験観光を活用した現地研修の案内などを行うことで、参加者の利便性の向上を図っているところでございます。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 ただいまコンベンションの現状と受け入れ体制について答弁をいただきましたが、誘致実績も上々で何よりです。さらに、受け入れ体制も整っていることに心強く感じるところですが、最も重要なことは、誘客対象の選別や手法等に係る県の誘致方針であると思います。
 コンベンション誘致については、施設の整った都市部を初め、全国津々浦々において誘致合戦が展開されている中、他地域との差別化や工夫を凝らした受け入れ体制の整備、国際会議における海外を含めた団体等に対し、趣向や日程などのニーズに沿った観光コースの提案、加えて効果的な誘致手法が必要であると思われますが、今後の誘致の方針について、知事にお尋ねをいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) コンベンションの誘致は、大規模な誘客により、受け入れ地域の知名度の向上や地域経済の活性化が期待されますから、部長から申し上げましたとおり、積極的に推進してまいりました。
 今後も、世界遺産観光や、あるいは体験観光、参詣道の保全活動など、和歌山県の観光プログラムがいろいろありますけれども、そういうものをエクスカーションといたしまして、それでコンベンション本体と上手に組み合わせて、本県の特色を生かした提案を携えて、県内の大学などを通じて、それぞれの主催者への誘致活動を積極的に展開するとともに、旅行会社の担当部門への提案活動も強化していきたいと思っております。
 加えて、経済誌とか、あるいは医療専門誌とか、そういう主催団体にコネないしは訴求力のある媒体の活用とか、あるいはコンベンション関係の展示会への出展などを通じて、本県の特色ある取り組みを全国に向けて効果的にPRをして誘客をしていきたい、そんなふうに思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 答弁をいただきました。
 コンベンションについては、年々実績も増加傾向にあることはまことに心強い限りではありますが、より多くの大会等の誘致に向けては、さらに魅力とおもてなし精神あふれる受け入れ体制の構築、官民一体となった戦略的な誘致活動も必要であると思われますので、引き続き積極的な展開をお願いいたします。
 また、宿泊が伴いますと、ホテルや旅館だけでなく、観光施設や飲食店、交通機関、土産物の購買など、さらなる波及効果も見込まれます。
 開催に係る支援金についても、年間1000万円の予算を年度初め早々に消化してしまうとのことですので、その経済的な実施効果を検証いただき、事業費の増額をお願いしたいと要望しておきます。
 続きまして、3つ目の世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の活用についてに移らしていただきます。
 1つ目、式年遷宮に合わせた誘客についてであります。
 和歌山県にとって伊勢式年遷宮を皮切りに、来年から3カ年は記念すべき行事がメジロ押しであり、観光客の増加に地元も期待に胸を膨らませています。伊勢神宮の式年遷宮は、20年に1度の一大イベントとして長期にわたり開催されます。伊勢神宮のお伊勢参りは、日本人、特に庶民の旅の原点と言われているようです。
 伊勢神宮の参拝者の推移は、過去2回、式年遷宮の年になるといきなり入り込み客がふえ、翌年は激減するというパターンでしたが、今回は式年遷宮の5年ぐらい前から参拝客がふえてきているとの報告が財団法人日本交通公社から出されております。
 昨今、熊野古道を歩く女性ハイカーもふえてきた感があります。霊魂や神などの超自然的存在との見えないつながりを信じる、または感じる場所として、特に女性を中心として誘客数を伸ばしているとも言われており、和歌山県にとっても千載一遇のチャンスであることは間違いありません。早期の誘客が、必ずや本県への経済波及効果を生むものであると思われます。
 この件については、平成24年6月定例会において質問させていただきましたが、式年遷宮関連行事への観光客を熊野へと呼び込む取り組み目標として、来年は全国から1100万人を超える人々が伊勢神宮に参詣すると予測される中、このうち約700万人が伊勢周辺に宿泊すると推計し、その5%の35万人以上を本県に誘導し、宿泊していただくことを目標としているとのことでありました。
 なお、過去の式年遷宮における参詣客の動向を見ても、その翌年も遷宮年の約9割程度の方が参詣されているとされており、引き続き誘客対策を行うことで30万人以上の宿泊客を取り込み、結果として約165億円以上の直接消費を見込んでいるとの答弁をいただいておりますが、その後、半年が経過し、どのような手ごたえを感じているか、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 式年遷宮に合わせた誘客についてでございますが、現在までは、参詣に向けた計画づくりが早いとされる神社関係者への誘客対策を主に実施してまいりました。具体的には、4月に全国の神社2000社余りに知事名の案内状を発送するとともに、6月からは全国の主要神社並びに神社庁を職員が順次訪問し、11月末までに41都道府県、414カ所を訪問したところです。
 訪問の感触としては、訪問を約束するとか前向きに検討するといった回答をいただく神社関係者も多くあり、おおむね良好な感触を得ております。
 また、福岡県、熊本県、群馬県の神社庁等では、地道なセールス活動に共感し、加盟する神社への情報発信など、積極的な協力をいただいており、神社関係者への誘客対策としては相当の手ごたえを感じております。
 さらに、一般の参詣者や団体に対する誘客対策については、11月に聖地熊野をPRするポスターを全国のJR主要駅等に掲出したところです。現在は、お伊勢参りと熊野もうでをテーマにした情報発信を企画し、各種メディアと協議を進めております。
 また、旅行会社に対しましては、伊勢からの自動車道が南伸するメリットを強力にアピールするとともに、熊野三山による宝物殿の特別展や参拝記念品の授与といった特別企画の提案などにより、伊勢参りと熊野もうでをセットにした商品造成を働きかけております。
 加えて、受け入れ対策として、例えば周辺施設の割引特典や「伊勢から熊野」周遊ガイドブックの作成などの企画を進めており、今後、地域が主体となって行うおもてなし企画とも連携して取り組んでまいります。
 今後は、このような取り組みを積極的に展開することで、掲げた目標の実現に努めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 答弁をいただきました。
 メディアや旅行会社の発信力を活用させていただいて、また三重県、奈良県とも連携して、紀伊半島を訪れた旅行者を1日でも1時間でも多く足をとめさせるという早目の仕掛けに引き続き努力していただきたいと思います。
 続いて2つ目、企業のCSR活動についてでございます。
 世界遺産を活用した誘客の1つとして、近年盛んになりつつあるCSR活動についてお尋ねします。
 企業が、利益を追求するだけではなく、組織活動が社会へ与える影響に責任を持つ意思を示すこと、また、それに基づいてさまざまな社会貢献をすることをコーポレート・ソーシャル・レスポンシビリティーの頭文字をとってCSRというそうであります。
 本県は、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」が平成16年7月に登録されましたが、総面積が約500ヘクタールと広範囲にわたり、特に参詣道の総延長は300キロメートルを超えています。紀伊半島は年間を通して雨量が多く、参詣道の土砂が流れ落ちるなど、保全に対する配慮が必要な世界遺産であります。
 特に、昨年発生した紀伊半島大水害の際にも、熊野古道の一部に被害が発生し、不通になった区間もあり、現在は修復されているものの、適正に管理するための保存対策は欠かせません。私の住む新宮市の高野坂においても被害が発生し、これを機会に一層熊野古道を守っていく必要性を強く感じました。
 このような状況の中、県では、世界遺産を次の世代に良好な状態で引き継いでいくという考えのもと、平成21年7月から世界遺産登録5周年を契機に参詣道環境保全活動をスタートさせ、特に最近の企業のCSR活動の高まりを受け、世界遺産の保全と活用の両面から、熊野古道の道普請を企業に働きかけているとお聞きしています。
 世界遺産の保全と活用は、ややもすれば相反するテーマとも思われますが、企業のCSR活動などとの連携は、本県への誘客促進と古道の保守管理の軽減の点において一石二鳥の施策であると思われます。
 これらの取り組みの現状と今後の展開について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 企業のCSR活動についてでございますが、現在、県では、一般の方々やCSR活動に熱心な企業を対象に、10万人の参詣道環境保全活動を実施しているところです。
 本来、世界遺産の修復は、専門家が作業を行い、一般の方々が携わることはありませんが、参詣道環境保全活動の魅力は、関係市町の立ち会いのもと、参加者が直接保全に携われる世界遺産であり、これをセールスポイントとして誘客に取り組んでいるところです。
 特に近年、企業の社会貢献への機運の高まりを受け、企業のCSR活動の一環として誘致を推進しており、今年度は既に23団体に保全活動に参加していただいております。
 参加企業には、保全活動とウオークや周辺観光施設への立ち寄りを合わせたプランを実施していただくとともに、みずからの広報活動により世界遺産の認知度向上に貢献していただいております。
 今後とも、企業訪問や経済誌等への掲載などを通じて、参加企業をふやしてまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 続きまして4番目、ジオパーク認定についての質問をさせていただきます。
 1つ目、進捗状況についてであります。
 本県においては、ジオパーク認定に向けての取り組みが進められているところであります。対象と考えられる紀南地域市町村において、ジオパークの内容を広く関係機関や一般の方に知ってもらうことを目的とした講演会やツアーを開催するなど、この事業が地域にもたらす効果などの認識を深めてもらうために、県が主体となって日々努力がなされているところであります。
 今年度、委員会や議連の県外視察活動の訪問先にも取り入れてもらっており、現地の視察や関係者からの認定までの苦労や経緯の話、認定後の活動について、我々も認識を深めているところであります。
 私も、北海道の白滝、高知の室戸を視察してまいりました。このほかにも、先輩議員の尾崎要二議員は鳥取・山陰海岸、大沢議員は熊本・阿蘇を訪れるなど、各地のジオパークの内容報告や資料の提供をしていただいております。このように、先輩や同僚の議員の皆さんにもジオパークの認識を深めていただき、認定に向けての活動に支援をいただいていることに大変心強さを感じているところであります。
 そこで、紀南地域市町村の反応や当局の手ごたえも踏まえ、現在の進捗状況について、環境生活部長にお尋ねします。
○副議長(浅井修一郎君) 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) ジオパーク認定に向けての進捗状況ですが、本年度は5月の第5回ジオパーク国際ユネスコ会議において国内外のジオパーク関係者から情報を入手するとともに、地質の専門家の方々の協力を得ながら、ジオサイト候補の選定やジオストーリーの組み立て方について検討等を行ってまいりました。
 また、推進協議会については、関係市町村及び関係団体とも事業計画等について協議を行い、設立に向けた準備を進めているところであります。
 あわせまして、ジオパークの認知度を高めるための講演会やジオパーク推進の関係者を対象といたしましたフィールドワークを各地で実施し、機運の盛り上げに取り組んでいるところでございます。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 次に、今後の取り組みについてお尋ねをいたします。
 平成25年度新政策と予算編成の方針の中で、地域を生かした魅力の創造ということで、ジオパーク認定に向けてガイドの養成やジオツアーの開催など、地域を盛り上げる取り組みを実施したいとの考えが示されましたが、その実現に向けて、今後どのような準備計画を進め、組織の立ち上げなどを行っていくのでしょうか。また、世界ジオパーク認定まで最短4年との目標がありましたが、現段階の見通しなどについて、環境生活部長にお尋ねいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 環境生活部長。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 今後の取り組みについてでございますが、今年度中に推進協議会を設立してまいります。平成25年度は、引き続き講演会やフィールドワークを各地域で開催するなど、ジオパークの認知度を高める活動に取り組んでまいりたいと考えております。
 また、パンフレットやガイドブックなどの作成やホームページの開設、ジオツアーの実施などの活動実績を重ね、まず、平成26年度の日本ジオパーク認定を目指してまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕
○濱口太史君 視察や資料からいろいろと学んでいる中で、日本や世界のジオパーク認定を達成するための基本として、テーマの設定は重要であると考えられます。つまり、ジオパークとして設定する範囲の地質的成り立ちをわかりやすくストーリー化し、現在受け継がれている文化や歴史や、そこに住む人々の生活様式、また、観光資源との結びつきを明確にし、既にジオパークとして認定されているほかの地域とは異なるテーマ設定が必要であると聞いております。
 熊野といえば、火山活動によってできた地質資源が御神体として信仰されているところもあります。世界遺産との融合もジオサイトの1つとして成立するのではないかと考えます。さらには、よみがえりやいやしというイメージを生かし、温泉や料理などを堪能してもらって疲れた体と精神をいやしてもらえるコースなども喜んでいただけるのではないでしょうか。
 既に展開されている当地域の観光に、さらに統一感と体感という深みや厚みを加え、今まで以上に滞在型、体験型の観光を実現できるよう、今後の取り組みに大いに期待をいたします。
 県民の皆様、各市町村、そして先輩・同僚議員におかれまして、さらなる御理解、御協力をいただき、知事を初め県当局におかれましても、成長に向けた新たな挑戦の政策であるジオパーク認定に総力を挙げて頑張っていただきたいと思います。
 私も協力を惜しまないことをお誓いし、質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、濱口太史君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 本日5人目となりますので、なるべく簡潔に頑張ってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問させていただきます。質問項目は、大項目4点、一問一答方式、分割質問方式併用にて質問させていただきます。
 まずは1項目め、高野山開創1200年を起爆剤とした高野山周辺地域並びに紀伊半島の活性化についてであります。
 直近に高野山で行われました大きな行事といたしましては、1984年、弘法大師御入定御遠忌大法会があります。このときには、4月1日から5月20日の期間中に、和歌山県警調べで約104万人強の参拝客でにぎわったそうです。何せ世界の総本山高野山でございますので、言葉が悪かったら許していただいて、ほっておいても高野山には人が来る力があるということだと思います。
 本県といたしましては、この機会をとらえて、周辺地域並びに紀伊半島、県内全域により大きな波及効果を巻き起こすことが大切との思いで質問をさせていただきます。
 まず、(1)高野街道周辺地域の活性化についてであります。
 資料のほうをお配りさせていただいておりますので、資料を見ながら、これ、伊都振興局管内の道路地図でございます。北側は大阪、東側は奈良県ということになっておりますので、これを見ていただいてお聞きいただけたらと思います。
 高野山周辺地域には、高野山とともにはぐくんできた歴史、文化、食の魅力が、また磨けば光る魅力が数多くそろっています。何せ、1200年の歴史を誇る地域でございます。特に、本県が重点整備してきた、参考資料のほうにあります府県間の高野街道──371でございますが──そして川筋ネットワーク、X軸ネットワーク、この3つは和歌山県の誇る整備でございますので、このネットワーク周辺には、語れば質問時間が足りませんので省略しますが、語り尽くせぬほどの魅力があります。
 また、このコースを通りますと、橋本市、九度山町、かつらぎ町、高野町を網羅しておりますので、伊都管内の全部の市町村を上手に魅力のある地域を通っていくということになります。
 このコースを1つのモデルコースとしまして──よく聞かれるんです。「高野山へ行くときに、じゃあどこを通って行ったらいろんな楽しいものがあるのよ」と言われたときに、「まず、ここ、まあ行ってみたら」というふうに声をかけれるような、そういう伝えやすいような1つのモデルコースが要るんではないかと、私はそのように思っております。
 ですので、ここをお薦めすると周りにいろんな楽しみがある、そういうふうなシチュエーションをつくっていければいいんではないかなと考えております。まあ言いますと、楽しみながら高野山、どうですかというふうな感じの取り組みというのがいいんではないかと考えております。
 楽しみながら高野山、これを上手に発信していくと、私はディズニーランドにまさるとも劣らない、そのぐらいの地域になると思います。点で考えるのではなく、高野山の周辺地域全体で考えて、ワンダーランドのように仕上げていくというのがいいのではないかなと思っております。
 ただ、1つ心配なのが、魅力が多過ぎで、このままいきますと1日、2日で高野山に着かないかわからない、そのぐらい楽しい地域になるんではないかなと思っております。
 まず、高野街道周辺地域の活性化について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 高野街道周辺地域の活性化についてでございますが、高野街道周辺地域には、高野山とともにはぐくんできた歴史、文化はもちろんのこと、温泉、食、特産品や高野七口ウォークなどの体験といった地域活性化を図るための魅力ある観光資源がそろっております。
 平成27年の高野山開創1200年を機会に、高野山を訪れた方々に対する高野街道周辺地域への効果的な誘客対策につきましては、これらの資源を網羅的に情報発信するのではなく、年齢層や交通手段など、お客様のニーズや都合に合わせて必要とされる情報を整理し、議員御提言のコースを中心に、社寺、体験、食事、物産品販売所などを組み合わせた幾つかの具体的で魅力的なモデルコースを提案していくことが効果的であると考えております。
 このため、橋本・伊都広域観光協議会や関係団体等と連携しながら、具体的なモデルコースをわかりやすく掲載したパンフレットの作成や工夫したホームページを整備するとともに、行ってみようかなと思う動機づけの仕組みづくりや地域のおもてなしの向上にも取り組んでまいります。
 このような取り組みにより、高野山に参詣されるできるだけ多くの方々に高野街道周辺地域にも観光に訪れていただき、地域の活性化につながるように努めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな答弁いただきまして、本当にありがとうございます。50年に1回ということだそうです、開創何年祭というのは。50年に1回のチャンスということですので、もう情熱を持って取り組んでいただけたらと思います。
 それでは、(2)番に移らせていただきます。和歌山の玄関口における農産物直売所と海産物直売所の連携について質問いたします。
 高野山周辺地域、伊都振興局地域になるんですが、大阪と奈良県に接する和歌山県の玄関口であり、大きなかなめであると考えております。県外から人、物、お金、情報を和歌山県に引き込む大きな役割を持っているのではないかと思っております。
 現状を一般商業ベースで考えてみますと、県内商業者の皆さんが頑張って県内消費の流出に歯どめをかけていただいている、そのようなことはよくわかるんですが、どうしてもベクトルはやや大阪府、奈良県のほうに向いているように思います。
 そんな中、この地域にある農産物直売所・やっちょん広場、これは知事もよく御存じやと思うんですが、組合長さんとお話をしてますと、ここの売り上げの約40%は県外からの集客だそうであります。60%は地産地消で40%は県外からの集客ということですので、和歌山県のほうに人、物、お金の流れを向かわしてる力があるんではないか、そのように考えております。
 しかし、最近では農産物直売所、いろいろ数ふえてまいりまして、直売所のほうが増加傾向なので、やや売り上げのほうが下降ぎみであるということで、ちょっと心配しておられたようですが、玄関がやっぱり魅力的でないと、人、物、お金の流れがなかなか入ってこないということがありますので──和歌山県には海の魅力があると思います。お隣の奈良県には海がございませんので、和歌山県の山の幸、海の幸を生かした新たな魅力ある取り組みといたしまして、海産物直売所を併設してはどうかなと思います。単純計算で、先ほども言わしていただきましたが、60%は農産・海産、地産地消になりまして、40%は県外からの取り込みが期待できるのではないか、そのように思っております。
 和歌山県の玄関口における農産物直売所と海産物直売所の連携について、農林水産部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、プレミア和歌山を活用したブランド化や県産品商談会の開催など、さまざまな形で県水産物の販路拡大に取り組んでおります。特に直販は、漁業者がみずから小売価格を決定し、流通経費の削減もできるため、漁業関係者の所得の向上に大変効果があるものと考えております。
 また、消費者にとりましても、直販は鮮度のよい多種多様な魚を購入できるというメリットがございます。
 御提案のように、農産物直販所で県産の水産物を直販することは、施設自体の魅力を向上させ、また本県の農水産物を県外にアピールするという効果も期待されます。いずれにしましても、採算の問題もありますが、いい提案でございますので、県としましては、関係団体にこうした考え方のあることをお伝えし、アドバイスや両者のパイプ役など、支援できることがあれば行ってまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 民民同士的なところもあるので、最大限の御答弁いただいたということで、ありがとうございます。
 ただ、1つ思うことがありまして、実施主体がまずございまして、そこから、それを磨き上げて支援していくというのが一番大切なことやと思うんですが、ただ、なかなかその実施主体の芽が出にくいのが地方でございますので、できるだけ県のほうでも精いっぱいの御支援していただいて、私はもう県外からやっぱり人、物、金を流し込むようにしないと、これから消費税が上がっていくということでございますので、やっぱり県内で消費していただく分をふやしていくというのが大事かなと思っておりますので、精いっぱいの取り組み、どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、(3)についてであります。
 これにつきましては、和歌山県、紀伊半島の魅力ということで、高野山に訪れた方につきましては、言葉悪かったら許してください、そのままただで帰ってもうたら困りますと。紀伊半島のいいところをずっとめぐって、一番、私、日ごろから思ってんのは、あのパンダのことなんです。パンダ2匹で全国は大騒ぎしてますが、和歌山は8匹から9匹いてるんやという、それ自体も非常に思いがありますが、串本へ行きますと300キロのマグロが泳いでるわけですよ。そういうのもやっぱりこの高野山に来たついでに寄っていただいて、もう3日ぐらい、4日ぐらいかけて紀伊半島をめぐってもらう、そういうふうに引っ張り込んでいくというのが一番大事と思います。
 これにつきましては、私がごたごた言わなくても、仁坂知事は熱い思いをお持ちと思いますので、高野もうでと連携した熊野、紀伊半島への誘客について、知事にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成27年の高野山開創1200年を機会に、高野山に来訪される多数の信徒や一般参詣者の方々には、高野山だけではなくて魅力ある県内のそれぞれの観光地にも訪れていただき、より一層和歌山を満喫していただくことで、熊野などの県内各観光地の活性化に努めていくことが大変重要と認識しております。
 来年は伊勢遷宮でございますが、その客もこっちへ連れてこようということで今頑張っとるんですが、今度は、高野山には、おっしゃるように自然に客がお見えになると思いますので、すっと帰らないで県内のいろんなところへ一緒にお回りいただいたらどうでしょうかというようなことを申し上げたいと思っております。
 このために、県内観光地の食、温泉、体験などの魅力、期間中に催される催事の情報、交通手段や道路に関する情報などをわかりやすく提供していくとともに、県内各観光地に行ってみようかなと思ってもらえるような仕組みづくりをし、それぞれの地域におけるおもてなしの向上に取り組んでまいりたいと思います。
 加えて、平成26年には和歌山デスティネーションキャンペーンというのが、これは全国のJRグループを束ねて、全部行き先は和歌山県──これは秋ですが──ということでキャンペーンをしていただきます。そのときにも、その次の高野山開創1200年もあるぞというようなことを大いにPRをして、高野山を訪れた観光客を県内の各観光地に誘導するような、そういう戦略的な施策を展開してまいりたいと思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事、答弁ありがとうございました。
 何せ、和歌山県に一たん来てくれた人は、もうほんまに一周するまで帰さないぐらいの思いでやっていただけたらと思います。
 私自体もいろいろ考えてるわけです。だれもがそうですけど、自分の住んでる市町村に来てほしい、これはもうもちろんあると思うんですが、そこへ来ていただいたときには、必ずお隣とか紀南のいいところを1つでいいから紹介するという、この県民総参加口コミ大作戦的なこともやっぱり大事かなというのがありますので、その辺もリーダーシップとっていただいて、私もそこらでしゃべってこいというなら何ぼでもしゃべりますので、そういうふうに頑張りたいと思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 続きまして、大項目2番ということで、関西都市圏の拡大に重要な道路ネットワークについて質問いたします。
 1番、紀見トンネルの安全・安心の確保についてですが、昨日、答弁のほうで、きちんとしたチェックをしていただいて安心ですよと安全宣言を出されたということで、一応、私、地元でございますので、県民の皆さんも危ないものが天井に乗っているんではないかというか、心配がありました。さしずめ当分の間はきちんと安全が確保されているという答弁でございましたので、その辺は安心しております。それにつきましては、きちんとお伝えさせていただきます。
 ただ、1個気になるのが、笹子トンネルと類似したという表現、新聞に出ているんですが、県民の皆さんとしたら、この「類似した」という中途半端な表現されると、類似してまだ構造的にましなのか、悪いのか、中途半端でわからないと思いますので、この際、その類似の部分について、まずきちんと説明していただきたいというのが1点あります。
 もう1点、42年経過していると思うんですよ。ですので、42年後から、これから何10年、今後、維持管理をされていくということになりますので、先日も補強もしながら長寿命化もしながらというお話でしたが、最近、車の排ガス規制ということで排気ガスのほうも減ってきてる。そして、1つ心配するのが、長寿命化するにしても工事はしていくということになりますので、新たな投資かけらんなん。一番気にするのは、日ごろのチェックするときに、検査するときに、複雑な構造であればあるほど手間はかかるし、ミスが出やすいと思うんです。
 この際、もうシンプルに天井を外して、全国的には、ほかでももう天井を外して今の技術で換気をしているという事例もございますので、一応天井を外すということも考えて、やっぱりシンプル・イズ・ベストで、トンネルのままでどないか維持管理をしていく、案外それのほうがライフサイクルコストを考えますとね。
 報告書を見ますと、1000近くの打音検査、箇所にしたらしてあるということでございますが、これが5年に1回、2年に1回、1年に1回ぐらいせんなんようになっていかないと、なかなか天井の不安を払拭するというのはできないと思いますので、そのトータル面を考えると、この際、将来的に安全・安心の確保を図る場合に、1つの方法としてもう天井板を撤去すると、そういうことも考えていただけたらと思うんですが、あわせて答弁、よろしくお願いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 中日本高速道路株式会社管理の笹子トンネルは、2枚の天井板を中央のつり金具でつり、左右の受け台に固定する構造となっております。
 一方で、県管理の紀見トンネルは、直接天井板をつるのではなく、まず左右の受け台にしっかりした天井ばりを渡し、さらにそれを左右各2本のつり金具でつった上で、そのはりとはりの間に天井板を設置する構造となっております。
 今後も、安全・安心の道路交通を確保するため定期的にトンネル点検を実施し、必要な修繕を行うとともに、換気装置の維持管理の観点から、天井板等の撤去の可能性につきましても検討してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 検討していただけるということなので、ありがとうございます。
 さしずめすぐどうこうというのは、まずもって工事ができないと思います。というのは、全面通行どめにあのトンネルをしてしまいますと、和歌山県の北部は全滅してしまうと私は思っております。
 そうなりますと、やっぱり県民の皆さん、何をおっしゃるかといえば、これは次の質問にもつながるんですが、平成元年から工事をしまして、もう24年もたってるのに、新しい紀見トンネルが抜けていたら不安なくそこを通れたのにという、こういう声がやっぱりどうしても出てきます。
 それも含めまして、2番の質問であります。
 毎回もう知事とは、これ、やらしていただいてますが、私はもう和歌山県の命がかかってると、高野街道でございますので、そない思って質問をしております。
 県民の直接の声は先ほどの声でございます。現実的には、大阪側の予算を見てみましても、昨年、ことしと2億前後。一方、和歌山県の予算は20何億かけて頑張ってやってるという現実がありますので、地域高規格大阪橋本道路の新紀見トンネル(仮称)の早期開通に向けての取り組みについて、県土整備部長にお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 国道371号の府県境部を含めた大阪府側の整備については、これまでも仁坂知事が直接、松井知事初め橋下前知事など、歴代の大阪府知事に強く働きかけてまいりました。特に、府県間トンネルについては、早期整備に向け、和歌山県側から先行して着工できないかなど、大阪府に対して具体的な提案も行ってきたところですが、大阪府の財政状況が厳しく、実現には至っておりません。
 国道371号は、本県にとって京阪神地域と連携強化のため不可欠であり、重点的に整備を進めるべき道路であることから、国で進めていただいている直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府に対しては、大阪府側の予算確保と府県間トンネルの早期着工に重点的に取り組むよう粘り強く働きかけてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 粘り強くということで、よろしくお願いします。
 ただ、もういつも言わしていただいておるんですが、関西広域連合のことなんですが、一番、僕が気になるのは、やっぱり関西広域の中心になるところが、地方が困ってるときに手を差し伸べない状態でなかなかうまくいかない。これは、感情的かわかりませんけどね。やっぱり和歌山県がこんだけ一生懸命やってるときに手を差し伸べないというのは私には理解できないんで、知事、機会がございましたら、大阪府の知事さんに、そんなに若くないんですが、地元の県会議員が「そういう気持ちがなかったら関西広域連合はできないよ」と言うてますとお伝えいただけたら、ひとつよろしくお願いいたします。する、しないは知事のお考えでございますんで、ひとつよろしく。
 次、大きな3番、いかしていただきます。
 11月は、子供虐待防止月間でした。日本放送協会(NHK)でも、「子どもを守れ!キャンペーン」としていろんな番組が組まれておりました。先日は、「増え続ける児童虐待、どう減らすのか」という、そういう題名で、和歌山県のお隣、奈良県の現状や、30年先を行くと言われるアメリカの現状などが放送されておりました。
 内容としましては、本年10月に広島県で11歳の少女が母親にゴルフクラブで殴られ死亡した悲惨な事件、また、子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが増加し、対応に追われる奈良県の児童相談所、もう1点は、アメリカでは人口26万人を87人の職員で対応しているのに対し、奈良県の児童相談所では85万人を8人の職員で対応しているなどが大きく取り上げられておりました。
 和歌山県の児童虐待相談件数は、平成12年160件から平成22年度640件と10年間で約4倍、平成23年度709件、今年度9月末現在で422件と、年々増加の一途をたどっております。この現状を踏まえて質問をいたします。
 まず、1番です。
 平成24年6月5日付厚生労働省虐待防止対策室の資料を見てみますと、増加の一途をたどる児童虐待相談件数、また、相次ぐ児童虐待による死亡事故、児童相談所、市町村における相談体制の不足、社会的養護体制の不足などの現実が示されております。
 課題といたしましては、発生予防では、虐待に至る前に、気になるレベルでの適切な支援が必要である(育児の孤立化、育児不安の防止)、虐待が深刻化する前の早期発見・早期対応の必要性、さらに、子供の保護・支援、保護者支援では、子供の安全を守るための適切な一時保護の必要性、親子再統合に向けた保護者への支援、社会的養護体制の質と量の拡大などが示されております。
 児童虐待防止対策の現状と今後の取り組みについて、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 分割方式じゃないですか。
○岩田弘彦君 失礼しました。
 続いて、2番です。
 提言を踏まえた児童相談所職員配置の充実についてであります。
 子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが年々増加の一途をたどっている、これが現実であります。
 一時保護機能や措置機能などの権限を有し、早期対応、保護、指導、アフターケアにおいて中心的な役割を担っているのは児童相談所であります。児童相談所の充実が必要なことは言うまでもありません。今年度、積極的な体制の強化が行われていますが、しかし、子供たちのより身近な地域への児童相談所職員の配置は行われていません。
 虐待防止策の推進に関する重要事項の調査、審議を目的に平成20年7月に設置されました和歌山県子どもを虐待から守る審議会から、ことし3月26日に「子どもを虐待から守るための提言書」が提出されています。
 提言内容は、当面取り組むべき施策と中長期的に取り組むべき施策にまとめられています。その当面取り組むべき施策において、児童相談所での勤務経験の豊富な複数の職員を伊都振興局に児童相談所職員として配置し、所管市町村の日常的な虐待対応のレベルアップを受け持つとともに、当該職員が市町村と連携し、安全確認及び一時保護を行うようにと示されています。
 はっきりとした箇所づけがされている提言書というのは、私は余りないと思います。こんなにはっきり箇所づけをされているというのは、委員の皆さんの必要性の高さであると思います。
 子供を緊急に一時保護しなければならない重度の虐待ケースが年々増加の一途をたどっています。全県的に子供たちのより身近な地域への配置を行っていただきたいのですが、まずは提言を踏まえた配置をしていただきたい。提言を踏まえた伊都振興局への児童相談所職員の配置について、あわせて福祉保健部長にお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 児童虐待防止対策の現状と今後の取り組みについてお答えいたします。
 児童虐待防止対策の現状につきましては、まず虐待の発生予防のため、市町村による乳児家庭訪問、乳幼児健診から得られた養育環境や健康状態に関する情報、保育所、学校から得られた子供の毎日の様子など、こういった情報に基づき、保護者への必要な助言を行っております。
 また、虐待の早期発見と早期対応のため、本年4月に子ども・女性・障害者相談センターに虐待対応課を設置するとともに、県民の皆様から児童虐待通告をちゅうちょせずにいただけるよう、テレビ、新聞などによる周知啓発を行っております。
 次に、子供の保護、支援といたしましては、関係機関で情報を共有し、子供の状況が看過できないときは一時保護を行い、適切に児童の処遇に当たっております。
 また、保護者の支援といたしましては、平成24年度の新政策として、子育て技術、養育環境のあり方、ストレス管理などを集中的に学習いただくためのプログラムの提供を行っております。
 さらに、今後の取り組みといたしましては、引き続き保護者を支援するためのプログラムの充実に力点を置きつつ、子供の支援として、里親の拡充や、児童養護施設等において、より家庭に近い環境づくりを推進してまいります。
 続きまして、和歌山県子どもを虐待から守る審議会の提言を踏まえた児童相談所職員配置の充実についてお答えいたします。
 現在、児童相談所と関係機関がそれぞれの地域性と専門性を生かして迅速な安全確認などに当たっておりますが、議員御指摘のとおり、近年の児童虐待相談件数の増加や同審議会からの提言を踏まえ、伊都振興局への児童相談所兼務職員配置に向けて体制整備を進めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 1番目につきましては、僕、この質問に際しまして政務調査さしていただいたら、和歌山県、積極的にいろいろ、結構対策に頑張ってるというほうになりました、私の調査の結果ですけれども。
 ただ、身近な地域への職員の配置がないので、対応に時間がかかった場合、一番心配されるのがやっぱり子供の命でございますので、それが一番ありましたので、体制を進めていただけるということで、本当にありがとうございます。
 逆になりましたが、1番につきましては、一番心配するのは、先ほど言わしていただいたように、テレビを見ますと、30年後には26万人を87人の職員で対応しているというのは、これ、いいことじゃないんですよ。日本が30年後には26万人を87人で対応せんなんような状態になるかもわからないという僕は警報だと思いますので、積極的に取り組んでいただいて、そんな26万人を87人の職員で対応しなくても和歌山県は大丈夫やと、虐待はもうほんまにほとんどないんだと、子育てしやすい和歌山県になるんだという思いで取り組んでいただけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、大項目の4番に移らしていただきます。
 子育て家庭の経済的負担の軽減について質問いたします。
 まず1番、紀州3人っこ施策における育児支援助成制度の充実について質問いたします。
 この制度は、仁坂知事が就任して以来、実施している少子化対策、紀州3人っこ施策でありますが、これにつきまして政務調査をさせていただきました。
 少子化対策関連データを調査しましたところ、合計特殊出生率では、平成17年度、全国34位、それが平成23年度には18位と上昇しております。また、第3子以降の出生割合では、平成17年度15.41、これに対して平成23年度17.77と増加傾向を示して、全国平均を上回っているということでございましたので、その紀州3人っこ施策、割と効果を上げており、もう実績出てきてんのかなと私は解釈しております。この紀州3人っこ施策により磨きをかける思いで質問をさせていただきます。
 紀州3人っこ施策には、保育料助成制度と育児支援助成制度があります。しかし、対象家庭はほとんど同じなのですが、保育料助成制度の実績が増加しているんですが、それに比べて育児支援助成制度の実績が少な過ぎると私は思います。せっかくいい制度なのに、これについてはなぜなのか、まずこれをお聞きしたい。
 また、より活用していただいてこそ育児支援と考えますので、私の案といたしましては、対象事業を延長保育、預かり保育、病児・病後児保育などに活用できるように拡大してはどうか。もう1点は、限度額は世帯ごとに今はなってるんですが、子供ごとにしてはどうか。その辺、提案も含めまして、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 紀州3人っこ施策の育児支援助成事業は、3人以上の子供を養育する保護者が利用する一時的な保育サービスの利用料の負担を軽減するものです。
 本事業の助成対象となるファミリー・サポート・センター事業や一時預かり事業、子育て短期支援事業といった保育サービスが提供できていない地域があることや、事業の周知が十分行き届いていないことなどから、今年度の実施市町村は9カ所にとどまっております。
 県といたしましては、育児支援助成事業の実施について市町村に働きかけるとともに、当該事業が積極的に活用されるよう事業の周知に努めてまいります。
 また、議員から御提案をいただきました育児支援助成事業の対象事業の拡大や限度額のあり方については、次世代育成支援対策地域協議会等の意見も聞き、検討してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 サービスを受けようと思うても、市町村にサービスを受けれるところがないんではないかというところやと思うんですが、それにつきましては市町村さんの事情もございますと思いますが、これから大事なことなんで、そのサービスが実施できるように御指導いただいて、また幅を広げていただいて、そして制度の充実につきましても、実績が出てるやつはもっともっと磨き上げたほうがいいと思いますので、どうか御検討、よろしくお願いいたします。
 それでは、2番に移らしていただきます。
 乳幼児医療費助成制度の充実について。
 県と市町村が同等の負担を行い、力を合わせて実施している乳幼児医療費助成制度は、子供の安全・安心、子育て世代の経済的負担の軽減、受益者が多いなど、少子化対策として受給対象年齢の拡大が取り上げられることも多く、子育て世代の注目も高いようであります。
 先日、私の地元の橋本市、お隣は五條市ということで、両方に住宅開発されたところがあるんです。その中で、たまたま橋本市のほうを選んで住んでいただいたお母さんが、私が何にも聞いていないのに──橋本市は小学校卒業まで医療費の無料化をやってるんですよ──「五條市さんよりもはるかにその制度がいいという理由でこっちに住みました」と、私が聞かなくても向こうから言っていただけたので、やっぱりそういうところも注目してるんかなというふうに思ったので、注目も高いというふうに表現さしてもらっております。
 一方、県内の市町村の動向を見てみますと、厳しい財政状況の中、やりくりを工夫して、一般財源100%を充当してでも子育て世代のために受給対象年齢の拡大を図る市町村が広がりを見せております。
 これは、私の資料2を見ていただけたらと思います。昨年12月議会で提言さしていただいて以来、今年度も広がりを見せております。30市町村中25市町村にも及んでおります。市町村の広がりは、私は県民の必要性の広がりを示しているんではないか、そのように思っております。
 前回の答弁では、全国知事会等の場を通じ子供の医療費負担の軽減について要望しており、今後も引き続き働きかけますとのことでしたが、国の動向はどうですか。
 また、本年9月に和歌山県市長会から提出された平成25年度予算編成等に関する要望書にも、受給対象年齢の小学校卒業時までの拡大が強く求められています。特に和歌山市、御坊市、有田市、海南市、紀の川市、橋本市、岩出市であります。受給対象年齢の小学校卒業までの拡大についてはどうでしょうか。
 また、別の考えとして、一体どこまで拡大する必要があるのということも私はあると思います。
 実は先日、ことしの「ガバナンス」2月号に仁坂知事の特集が載っておりまして、表紙を飾っておったんですが、その中に、「国がナショナルミニマムを保障し、住民を含む地方の自己責任を制度化すれば、地方分権はきちんと進むのではないかと思う。どの地域に住んでいてもナショナルミニマムは日本国民として保障されることが、いわば安心材料になると考える」と「「地方主権」へのビジョン」ということで書かれておりました。いや、私はもうほんまに賛同でございます。
 この考え方で考えてみましたら、この制度は県単独事業ですので、和歌山県ミニマムということを考えますと、1つの考え方で、今は就学前までは県と市で半分ずつやってるんですが、市町村の財政状況がどういう状況であれ、やっぱり抵抗力が低くて自己健康管理能力も低い就学前までの子供たちについては、そこの部分は和歌山県ミニマムで県が100%面倒見るんで、それ以上は市町村の自己責任で、独自性でという考え方というふうになるんではないかと思うんです。
 どっちかの方法をやっていただけないか。
 一番、市町村さんからの要望で、僕は市会議員しとったんで気持ちがわかるんですが、県と市と力合わしてやってる制度、市町村が30もある中で、ほとんどの市町村が頑張ってたときには、やっぱりたまには県も助けるよという理屈ではない部分の気持ちもあると思いますので、その辺も含めて、福祉保健部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 県が実施している乳幼児医療費助成制度は、就学前までの児童を対象に市町村とともに医療費の自己負担分を助成するもので、近年、対象年齢を拡大する市町村が増加していることについては認識してございます。
 制度の拡充については、和歌山県市長会等から要望をいただいておりますが、県としては、財政状況の好転がない中、将来にわたり持続可能な制度とするためには、対象年齢を拡大することは困難と考えております。
 また、県と市町村が対象者を区分し、就学前児童については県がすべて負担を負うという御提案につきましても、結果として県の負担を大きく増加させるものであり、難しいものと考えます。
 次に、国の動向ですが、国はこれまで、未熟児や難病の子供に対する医療費の公費負担の実施に加え、医療保険の自己負担割合を3割から2割に軽減する措置を平成20年度から就学前の児童まで拡大し、医療費負担の軽減を行ってきています。
 県としては、これまでも国に対して乳幼児の医療費負担の軽減策等の強化について要望してきており、今後も引き続き国に働きかけを実施してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 結局は難しいということで、前回も今回もあるんですが、国に働きかけを実施するのは続けてください。これは続けてください。
 ただ、私、これ、思うことがありましてね。理由は、まあいえばお金がない、お金がないという理由ですわな。お金がない、お金がないという理由であるんであれば、消費税が上がってきて一般財源がふえると──これ、私も試算してますが、経常一般財源、大体7~8億でできると思うんですが、消費税が上がりますと、まあいえばそれ以上入ってくるんですね。試算によると最終的には100億ぐらいふえるんではないかと財政課が言うてましたけども、ということはお金があったらできるという解釈させていただいて、一般質問を終わります。
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後3時7分散会

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