平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(藤山将材議員の質疑及び一般質問)


平成24年12月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(藤山将材議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第150号及び議案第160号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 次に、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第175号及び議案第176号を一括して議題といたします。
 議案は、いずれもお手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第175号は、国の経済対策により経済危機対応・地域活性化予備費が追加配分されたことを受け、速やかに事業着手をするため、一般会計で総額32億1900万円余の増額補正をお願いするものであります。
 防災・減災対策に資する道路、河川及び橋梁の整備に加え、災害発生防止のための治山対策等、緊要性の高い事業を追加実施するとともに、依然として厳しい雇用情勢にかんがみ、短期の雇用・就業機会を創出するため、緊急雇用創出事業臨時特例基金への積み立てを行ってまいります。
 次に、議案第176号は建設事業施行に伴う市町村負担金について議決をお願いするものです。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(山下直也君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第148号から議案第176号まで、並びに知事専決処分報告報第3号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 4番藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○藤山将材君 おはようございます。
 まずもって、先輩・同僚議員の皆さん、それぞれのお立場での総選挙、お疲れさまでございました。一夜明けまして、きょうから県議会一般質問に入るわけですが、今議会のトップバッターとして質問さしていただく機会をいただきましたことに感謝しつつ、早速でありますが、議長のお許しをいただきましたので、質問に入らせていただきます。
 昨日、第46回衆議院選挙の投開票が行われました。今度の選挙は、3年余りにわたって続いてきた民主党中心の政権の枠組みを変えるのか、変えないのかが最大の焦点でありましたが、経済を初め、社会保障制度やエネルギー政策、外交、安全保障、震災復興といった我が国の進路を決める争点がたくさんありました。しかし、それだけの選挙でありながら前回よりも投票率が伸び悩んだことは、残念なことだったと思います。選挙目的だけのような政党の離合集散、候補者の国がえが公示日の直前まで続いたことが有権者を白けさせたのではと思ったりしております。
 結果は皆さん御存じのとおりでありますが、まず最初の質問として、今回の衆議院選挙の結果を受けて、和歌山県知事として、民主党政権を振り返っての政策への評価と次の新政権に期待することについて仁坂知事に伺います。
○議長(山下直也君) ただいまの藤山将材君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 民主党政権の政策の評価については、「コンクリートから人へ」という公共事業の見直し、あるいは高速道路の無料化、年金改革、無駄遣いの根絶による財源の創出などを内容とするマニフェストを掲げ、国民の支持を得たと思いますけれども、実際には、これらの主要政策はほとんど実現できませんでした。その結果として、国民をだましたのではないかと国民が考えたのが今回の総選挙結果だったと思います。
 地方を大事にしてくれるという期待が、前回の総選挙のとき、それからその前の参議院議員選挙のときにかなりございまして、多くの地方の方がそれに期待を抱いたと思います。しかし、実際に起こったことは、地方における高速道路や農業基盤整備、あるいは地域における研究開発の予算が極端に削減されてしまいまして、地方の活性化にとっては逆方向の政策であったと思います。
 新政権につきましては、今申し上げましたような真に地方を大事にするような政策をしてもらいたいし、中小企業対策を初めとする産業振興、インフラ整備、人材育成など、日本の将来のために投資をする政策に真剣に取り組んでほしいというふうに考えております。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 次に、平成25年度当初予算編成について、2点お尋ねをいたします。
 まず1点目として、平成25年度新政策と予算編成の考え方について伺います。
 政府が11月に発表した月例経済報告では、景気の基調判断を「弱い動きとなっている」と4カ月連続で引き下げるなど、国内景気が既に後退局面に入ったとの見方が強まっております。さらに、国の予算編成が19年ぶりに越年作業となる見込みであり、予算成立のおくれによる景気への悪影響も懸念されています。
 また、中央防災会議が8月に発表した南海トラフ巨大地震による津波高や被害想定では、津波や建物の倒壊により本県では最大で8万人の犠牲者が想定されており、地震・津波対策の見直しが求められています。
 さらに、本県においては、人口減少に伴う過疎化や高齢化の進展など、さまざまな課題が山積しています。
 県では、このような状況の中で来年度の予算編成に向けた新政策と予算編成の方針を発表されましたが、来年度はどのような政策に重点的に取り組まれるのか、現時点での知事の考え方についてお聞かせください。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 平成25年度新政策につきましては、今年度に引き続き、安全、安心、挑戦を基本理念として全体を組み立てていきたいと考えております。
 1点目の「大規模災害に備えた『安全』の政策」では、南海トラフ巨大地震等への備えとして、被災時に救援・救助の司令塔となる公共施設の高台移転等を進めるとともに、台風や集中豪雨への備えとして、台風12号からの被災地の着実な復興はもちろんのことでありますが、国営総合農地防災事業と河川改修を組み合わせた紀の川水系の治水対策などに取り組んでいきたいと考えております。
 それから、最も困難なことでありますけれども、津波時に避難が難しい地域、これが和歌山には多少ございます。そういうところにおいても、命だけは助かるような地域改造をしていかないといけないというふうに思っておりまして、その道筋をつけるように努めてまいりたいと思っております。
 また、災害時に重要な情報伝達手段となるラジオの受信機、受信環境を向上させる対策、あるいはため池改修の加速化などを進めるなど、県民の生命にかかわる大規模な自然災害の脅威から県民を守る取り組みを総合的に進めてまいりたいと考えております。
 2点目の「県民の命と暮らしを守る『安心』の政策」では、これまで積み重ねてきましたきめ細かい政策をさらに充実いたしまして、質の高い医療の確保と健康づくりを推進することとしたいと思います。そのため、ICUの整備による地域の救急医療体制の強化を図るとともに、放射線治療機器の整備や検診の充実によるがん対策の強化などに取り組んでいきたいと考えております。
 また、安心して暮らせる社会を構築するため、生活保護受給者の自立に向けた新たな取り組みや発達障害児の相談体制の充実、防犯カメラの画像解析システムの導入による犯罪捜査力の向上など、県民の皆様が住みなれた地域で生涯を安心して過ごせるように、福祉・医療の充実、防犯対策の強化等に取り組んでまいります。
 3点目の「成長に向けた『挑戦』の政策」では、地域経済を支える産業の強化が重要なことから、県内産業の技術開発支援や企業誘致に引き続き取り組むほか、新エネルギーの産業利用にも取り組んでいきたいと考えております。
 また、農業振興については、今年度から品種改良など研究開発の強化を図りましたが、その成果を実際の農業等に生かしていくとともに、有害猿の捕獲など、鳥獣害対策の強化にもさらに力を入れていきたいと考えております。
 さらに、子供たちの学力向上やいじめ対策の充実など、教育環境の充実に取り組むとともに、スポーツを核としたまちづくりの推進やジオパークの認定に向けた取り組みの推進など、本県の将来の発展につながる施策を総合的に推進してまいります。さらに、国体及び障害者スポーツ大会の準備も加速をしていかなきゃいけないというふうに考えております。
 現在、議会を初め、県民の皆様からいただきました御意見を踏まえながら、元気な和歌山の実現を目指し、施策の具体化に向けた検討を精力的に進めているところでございます。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 2つ目に、健全な財政運営について伺います。
 「大規模災害に備えた『安全』の政策」についてお話がありましたが、南海トラフ巨大地震や風水害などの災害から県民の生命、財産を守るということは、昨年の東日本大震災や台風12号被害を目の当たりにし、県民の関心や期待も非常に高いものがあります。その防災・減災対策を着実に進めるためには、知事が言われる公共施設の高台移転や避難路、避難場所の整備、あるいは治水対策など、多岐にわたる膨大な投資が必要となってきます。
 また、公共インフラの老朽化対策の問題もあります。
 先般の笹子トンネル崩落事故を受け、類似構造である県内の紀見トンネルなど4カ所の緊急点検を実施した結果、異常は見つからなかったということで、ひとまず安堵したところでありますが、県内のほかのトンネルや橋梁などの老朽化についても気になるところです。これらのトンネルや橋梁についても、定期的な点検を実施し、必要な修繕を進めているところとお聞きしましたが、高度経済成長期以降、本格的に整備が進んだ公共インフラが今後急速に老朽化を迎える中、その対策にも相当の費用が必要になると思います。
 20年後には、全国のトンネルや橋の半分が完成から50年以上経過し、手入れや修理、改築にこれから50年間で360兆円もかかるという試算も出ています。これには学校や上下水道の修理費用は入っていないので、実際はそれ以上かかり、本県においてもその状況は同じだと思います。
 こうした高齢インフラの維持補修に加え、さらには、国体の関係では、紀三井寺競技場や秋葉山水泳場の整備は間もなく終了しますが、今後もハード・ソフトにわたり、さまざまな環境整備が必要であります。
 県勢活性化のために新政策にも思い切って取り組んでいただきたいのは言うまでもないのですが、一方で、財政運営は大丈夫なのかと心配になるのも事実です。国の財政が危機的なだけに、和歌山県の財政運営も気にかける必要があると思いますが、知事の考えをお聞かせください。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のように、紀伊半島大水害からの復興や地震・津波対策、紀の国わかやま国体の開催、そして公共インフラの維持管理など、新たな行政需要が発生してまいっております。これまで推し進めてきた持続可能な財政構造の転換に向けた行財政改革を後退させないで、かつ、これらの行政需要、及び、先ほど申し上げました新しい政策も含めて両にらみで対処していかないといけないというふうに思っております。
 そこで、将来にわたり財政の健全性を確保するために、3月に新行財政改革推進プランを改定いたしまして取り組んでいるところでございます。
 今後とも、既存事業を例外なく徹底的に検証、議論し、不要不急の事業や、あるいは非効率な事業を廃止する一方で、国の交付金の活用とか、あるいは税収の確保対策の強化など、さまざまな財源を確保し、さらには、新たな行政需要に対応できるスリムで効率的な組織体制の構築を行うなど、財政の健全性を確保してまいります。
 また、交付税の動向が本県に大きな影響を与えます。したがいまして、国に対しても地方税財源の充実確保、とりわけ地方交付税総額の確保について働きかけることも重要だと考えております。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 3点目として、国体開催に当たって、以下4点についてお尋ねをいたします。
 まず初めに、県民の機運醸成についてであります。
 先般、文教委員長として、ぎふ清流国体の開会式に山下議長と出席をさしていただきましたが、総合開会式を見て、そのすばらしさに非常に感動を受けたところであります。伝統芸能や日ごろ行っている舞踊やスポーツ活動の披露など、子供から大人まで、みんなが心を1つにして演技している姿を目の当たりにして、本当に胸が熱くなったところです。総合開会式に出席された天皇皇后両陛下も、「大変すばらしい。よくこれだけ練習しましたね」と感想を話されたと報じられていました。
 和歌山県でもこれだけすばらしいものができるだろうかと、スタンド席で話をしながら見ていたのですが、岐阜県では、構想を含め、3年をかけて本番に備えてきたということを聞き、ふと不安になった次第であります。また、大会の運営に欠かせないボランティアについては、岐阜県では、大会期間中、延べ約2万3000人の方が集まったということも聞き、それだけの人数を集めるには、国体開催に向けた県民の機運の盛り上がりなしには難しいのではと思ったところです。
 紀の国わかやま国体を見る者に感動を与えるものとするためには、演出内容もさることながら、すばらしい演技の披露や多くの運営ボランティアの協力を得るための早くからの準備が必要だと考えますが、総合開会式に向けた取り組み状況についてお聞かせをください。
○議長(山下直也君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 国民体育大会の総合開会式は、オープニング、式典前演技、式典及びエンディングの4つのプログラムから構成されています。その演出の核となる式典前演技について、現在、基本コンセプトを策定しているところで、これまでの開催県より早い時期に、舞台演出家等とともに具体的な演技内容を制作してまいります。これにより演技者に長い練習期間を設けることとなり、質の高い演技の披露ができるものと考えています。
 また、総合開会式の運営を支え盛り上げていただくボランティアにつきましては、開催2年前となる来年秋ごろから募集を開始し、温かいおもてなしができるよう十分な研修等を行ってまいります。
 紀の国わかやま国体の総合開会式は、全国に和歌山の魅力を発信する絶好の機会であると考えており、着実に準備を進め、スローガンにある「躍動と歓喜、そして絆」が感じられる大会としてまいります。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 次に、国体開催に当たっての道路周辺の景観美化について伺います。
 ふだん車を走らせながら目に入ってくる立て看板、広告板、張り紙などの屋外広告物を見ると、老朽化したもの、道路、歩道を占有しているもの、信号機や電柱などに無造作に張られたものなど、著しくまちの景観を損なっているものを多く見かけます。国体の総合開・閉会式が行われる紀三井寺競技場から国道42号や国体道路にかけても、その状況は同じであり、県外からも多くの方が訪れるに当たり和歌山のまちの印象も悪くなり、問題であると感じています。
 国体の開催まであと2年9カ月となりましたが、違反広告物として撤去するにしても、あるいはまちの景観に配慮したものとしていくにしろ、設置者の理解、協力が不可欠であります。それに加えて、それ相当の期間が必要になるものと思います。
 屋外広告物条例を所管する和歌山市とも連携をし、景観美化に向けて対応していく必要があると思いますが、いかがですか。県の考え方をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県では、和歌山県屋外広告物条例を改正し、平成23年10月の施行を契機に、県と各市町村で和歌山県違反広告物対策連絡協議会を立ち上げ、違反広告物対策マニュアルを作成するなど、対策の強化に取り組んでおります。
 また、和歌山市につきましては、和歌山市の屋外広告物条例に基づき、定期的なパトロールにより、信号機等に張られている広告物を除却するなどの対策を実施しております。
 また、国体開催に向けて、国体道路など幹線道路沿いの違反広告物に対する指導を強化することとしているところでございます。
 今後も、和歌山市を初め各市町村と一層の連携を図りながら、良好な景観づくりに取り組んでまいります。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 電線の地中化など、あんまり我が県は進んでないわけでありますが、そういう形で今あるものを撤去するだけでも、大分まちの印象がすっきりして変わると思いますので、ぜひ取り組んでいっていただきたいというふうに思います。
 続けて、国体後には全国障害者スポーツ大会も開催されますが、紀三井寺競技場周辺の国道42号では歩道が狭く、車が進入する箇所では傾斜があったり低くなったりと、車いすの方や足に障害のある方には通行が困難となっています。訪れた方が周辺を散策しようとしてみても、ちゅうちょしてしまわないか心配する次第です。国体の開催までに、せめて会場周辺だけでも歩道全体をフラット化するなど、環境整備が必要ではないかと考えます。
 また、知事が以前、行政報告会で道路のバリアフリー化ということを話されておりました。県内の道路について、今後、計画的に歩道のフラット化などを進めていくべきと思いますが、県土整備部長にお尋ねをいたします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県では、現在、和歌山県福祉のまちづくり条例に基づき、歩道のバリアフリー化に取り組んでいるところです。
 御指摘の紀三井寺公園陸上競技場周辺における国道42号の歩道については、傾斜や凹凸があるなど、障害者の円滑な通行にふさわしくない状況となっております。このため、全国障害者スポーツ大会の開催を踏まえ、国土交通省に必要な区間のバリアフリー化を推進するよう働きかけてまいります。
 県としましては、今後とも障害者や高齢者の方々が安全かつ円滑に通行できるよう、既設歩道のバリアフリー化や歩道の設置を進めてまいります。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 では、4つ目のスポーツ全国大会の誘致、創造についてお尋ねをいたします。
 最近のランナーブームを受け、近畿でも、京都マラソン、神戸マラソン、大阪マラソン、奈良マラソンが大人気で、全国から多数の方が参加をしているところです。また、健康志向の高まりから、日常におけるスポーツの位置づけについて、見ることよりもすることのほうが大きな位置づけを占めている人が増加傾向にあるという報告もあるそうです。
 そうした状況の中、本県で国体が開催されるわけですが、国体を一過性のものにしないためにも、開催を契機に、毎年継続して和歌山県を全国にPRできるような全国規模のスポーツ大会を新たに考えてみるべきではないでしょうか。
 平成元年から始まり、ことしで24回目を迎えた出雲駅伝のような大学スポーツを対象にした全国大会や、和歌山ならではの魅力を生かしたマリンスポーツの大会など、いろいろ考えられると思いますが、教育長の考え方をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) スポーツ全国大会の誘致、創造についてでございますけども、本県では、既に紀州口熊野マラソンや和歌浦ベイマラソンを初め、県内各地でマラソン大会が開催され、県内外から数多くの参加者が訪れております。マリンスポーツにおいても、紀の国わかやま国体開催年の2015年から、全国高校総体ヨット競技が毎年和歌山マリーナシティ沖で開催されることが決定しております。また、来年3月に開催予定のラグビートップリーグ「オールスターチャリティーマッチ」を誘致するなど、各種スポーツ大会の開催、誘致に取り組んでいるところでございます。
 今後とも、議員御指摘のように、国体開催を一過性のものとすることなく、国体を契機に市町村を初め関係団体との連携をより一層図り、豊かな自然、文化に恵まれた本県の魅力を全国に発信できるようなスポーツ大会を開催、誘致してまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 最後の大きな項目であります。
 4つ目として電子マネーの普及促進について、まず初めに観光地における電子マネーの普及、活用について伺います。
 11月3日の新聞記事で、財務省と造幣局はバングラデシュ中央銀行から5億枚の硬貨製造を受注したことが報じられていました。記事によると、国際入札には日本のほかドイツなど計6カ国が参加、日本が最も安い値段で応札し、高い技術力の評価とあわせ、受注したとのことです。
 記念硬貨以外の一般に流通している海外貨幣の製造は戦後初めてだそうで、背景には、日本国内での電子マネーの普及に伴い、ピーク時には56億枚あった製造量が昨年7億3800万枚と約7分の1になった国内貨幣の製造量の減少があるようで、海外貨幣の受注で余剰設備を活用するねらいがあるようです。
 その電子マネーですが、今では生活に浸透し、日銀のリポートによると、IC型プリペイド方式の電子マネー発行枚数が本年6月に1億8217万枚となり、電子マネーが本格普及し始めた2007年から5年で約3倍にふえ、ここ2~3年は年15%から20%のペースで伸び続けてるということであります。
 電子マネーは現金にかわる決済手段で、ICOCAやSuica、また楽天Edyなどで知られていますが、普及の背景には、電子マネーの利用環境が整いつつある時期に社会人になった30代が積極的な利用者となっている実態があると見られています。
 一方、県内の利用については、コンビニなどが主であり、その普及は余り進んでいないように思われます。ことしの夏に訪れた栃木県日光市で、観光への取り組みとして電子マネーの使える観光地づくりを進めているという話を聞いたところですが、本県の観光地での普及となると、ほとんど進んでいないのが実態だと思います。
 今後も利用者が伸び続ける電子マネーの観光地での普及は、観光施設の利用や買い物が容易になるなど、観光客の利便性向上につながり、観光地の魅力アップにも非常に有効ではないかと考えます。県内観光地の宿泊施設、飲食店、土産店などへの電子マネーの普及促進について、県の考え方をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 県内観光地における電子マネーの普及促進につきましては、観光客の利便性を向上するといった観点から、観光振興策の1つの課題であると認識しております。
 県といたしましては、今後、地域の観光協会、商工会議所、商工会等と協力して電子マネー導入に関する勉強会等を開催し、お互いに導入のメリット・デメリットを十分研究しながら、それぞれの地域において関係者が主体的に導入に向けて取り組めるよう、環境整備に努めてまいります。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 ぜひ進めていっていただきたいわけですが、メリット・デメリットのお話でしたけども、デメリットというのは、僕もちょっと想像つかんわけですよね。その辺、どうお考えになられてるのか、ちょっと伺いたいと思います。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 導入に際しまして、機器の設置とか、あるいはそれの回線使用料とか維持費とか手数料の問題もあろうかと思うんですけども、その辺、十分よく勉強しながら、前向きに導入に向けて取り組んでまいりたいと思います。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 今の、機械の購入であるとか通信費であるとか手数料といったものに関していえば、例えば、現在だとほとんどそういった店舗にはクレジットカードを決済する機械、設置されてますよね。それと比べたら、電子マネーの決済する機械を購入するだけで、あと、その手数料はクレジットカードの会社よりも安いわけですから、店舗にしたら、同じクレジットカードで払われる方よりも、電子マネーで買っていただいたほうが店としたら利益は多少クレジットカードよりも水揚げが出るわけですから、そういう形で、ちょっと僕、デメリットというのは思いつかないんです。
 海外へ行かれた方、皆さん、経験されてると思いますけれども、例えば何か買い物したら、おつりをいただくときに、中国へ行ったら角とか、アメリカでもセントとか、一見見なれないコインで、なかなか、小銭ばっかりたまっていくような経験があるわけですけども、日光市なんかでの取り組みを伺うと、空港で海外から旅行に来られる方に対して、その電子マネーのそういうアピールもされてるわけですよね。外国から来られた方がその電子マネーを使っていただくということは、小銭の心配が要りませんし、かなり利便性がアップして助かると思うので、ぜひともこれ、これから研究していただいて、こういうメリットがあるんですよという形で各業界の方と進めていっていただきたいというふうに要望さしていただきたいと思います。
 次に、ICOCA対応自動改札機の普及について伺います。
 先月になりますが、知人をJR海南駅へ迎えに行ったときの話です。改札で駅員さんと話をしていて、なかなか出てきません。どうかしたのかと尋ねると、大阪市内からICOCAを利用して電車に乗り、海南駅でおりようとしたところ、ICOCA対応の自動改札機がないために、改札を通れずに、結局現金で支払ったそうです。しかも、ICOCAを次に利用するためには大阪市内での乗車記録を解除する必要があり、駅員室でその作業もあわせ、非常に不便を感じたということでありました。私も、以前、同じ経験をしたことがあり、実際、紀勢本線において、海南駅は同様のトラブルが一番多く発生しているそうです。
 現在、県内のJRの駅でICOCAが使用可能な駅は、和歌山駅、紀伊中ノ島駅、六十谷駅、紀伊駅の4駅のみであります。先ほども申し上げましたが、これだけ電子マネーが普及し、今後の利用者の増加も見込まれる中、海南駅でさえICOCA対応の自動改札機が整備されていないというのは、利用者の利便性から見てどうかと思います。また、県外から和歌山を訪れる方へのおもてなしの心という点からも、問題があるのではと考えます。
 観光客を初めとする利用者の利便性の向上を図るためにも、ICOCA対応自動改札機の紀勢本線への導入をJR西日本へ働きかけてみてはと思いますが、県の考え方をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) ICOCA対応自動改札機についてでございますが、JR西日本が発行する公共交通機関乗車カードICOCAは、京阪神を中心とした利用人員の多い駅の混雑緩和及び利用者の利便性向上を図るために導入されたものでございまして、議員御指摘のとおり、ICOCA対応自動改札機の設置は、おもてなしの観点からも大変有効であると考えております。
 現在、ICOCAは、近畿圏内のJRでは、大阪環状線、それから京都線、神戸線、奈良線などでございまして、県内では阪和線で利用可能となってございます。
 県といたしましては、より便利に鉄道を御利用いただけますよう、県内での利用範囲の拡大をJR西日本に積極的に働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 藤山将材君。
  〔藤山将材君、登壇〕
○藤山将材君 この自動改札機については、駅のバリアフリー化と違って県が補助を出すわけでもないので、そういう強く言えるあれでもないんですが、利便性を図っていくためにも、ぜひとも申し入れを県としてもしていただきたいというふうに思っております。
 ICOCAとかSuicaとかですけども、発行枚数がもうかなりふえてきているそうで、我々も、日本製の携帯だとほとんどそういうおサイフケータイ機能がついてますから、そういうところにアプリをダウンロードして、自分はもうその携帯で買い物も電車も全部使用するわけですけども、中にはこのICOCAのカードで、これでも買い物できるわけです。中には自動改札機にICOCAのカードを突っ込もうとするような方もいらっしゃるみたいですが、それはさておいて、年配の方も所有率がかなり高いように聞いております。駅に行って、見知らぬところで幾らかなあという、あの細かい、ああいうのを見なくても済みますし、出張で都市圏へ行ったときなんか、もうほとんど駅の券売機なんかも撤去されて半分ぐらいのスペースになっております。
 そういう形で、和歌山県内はまだ普及してませんが、京阪神から、また都市圏からでも和歌山へ来られる方はもうほとんど使われてるわけですから、ぜひとも観光立県を目指す和歌山県としても、そういうところに気を配っていただいて観光行政を進めていっていただきたいというふうに思いますので、強く要望して、私の一般質問を終わりたいと思います。
 御清聴、どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、藤山将材君の質問が終了いたしました。

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