平成24年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(吉井和視議員の質疑及び一般質問)


平成24年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号

(吉井和視議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 最終の質問をさせていただきたいと思います。
 項目は2項目で非常に少ないんですけども、中身のある、国家を憂える、そういう質問をさせていただきたいと、そのように思います。
 まず、日中関係の問題ですけども、きょうも新聞に国交正常化40周年記念式典中止、そういう新聞記事がありました。まさに、憂慮すべき事態になってきたなと私は思います。
 それで、最近、特に領土問題、北方領土問題、プーチンが上陸して、その監督支配を高めるというようなことも最近起こったし、それから竹島、韓国大統領が、日本の「やめてください」と、そういう願いにもかかわらず強行して上陸して、いわゆる侵略支配を強めようとしている昨今であります。
 そしてまた、尖閣諸島ですね。これも、明らかに日本の領土にかかわらず、中国が領海すれすれに毎日のように接近しておると、こういう状況であります。
 まさに、国難のときであろうと私は思うわけであります。
 そういう中で、北方領土もそうなんですけども、北方領土を県民運動として、これは議長が本部長としてずっとやってきたわけなんですけども、あれなんかも、ゆえなくして奪われて、ソ連が終戦間際に日ソ不可侵条約というものを一方的に破棄して、全く火事場泥棒的に来た、侵略した領土であるわけなんです。領土は民族の母体というわけでありますので、これはどうしても放置することはできない。そういうことで、国も国民運動として現在までやってきたと。
 本来、北方領土というのは、国後、択捉、色丹、歯舞とこの4島だというんですけども、一方では全千島──全部ですね──南樺太、これも全部日本の領土だという主張も国際法上通るわけなんです。
 しかし、一方、百歩譲っても、4島とその千島列島の以南、ウルップ諸島以南、これは日本の明らかな領土であるということは、もう明々白々の事実であるわけなんです。それをロシアが返さないという状況であるわけなんです。
 そういう状況の中で、今回、民主党政権になって、北方領土の問題も竹島の問題も尖閣の問題も、急に緊張が高まってきたわけなんです。これ、やっぱり評価されないということなんでしょうね。
 そういうことで、我々は、我々というよりも私たちは、この問題を──特に我が和歌山県は山東省と日中友好姉妹都市を結んでおるわけなんです。それで、私は、この問題があって、国家間の係争、本当に一触即発の状況の中で、日中、山東省との友好をどうするんかという問題が、一地方にとっても、そしてまた国全体にとっても非常に重要な問題になってくるんではないかと、そんなに思うわけなんです。
 かつて、大アジア主義というのがありました。これは、昔の話なんですけども、孫文が──孫文といえば、毛沢東が政権とるまで、共産党政権がとるまで中国の国父であったわけなんです──その人が、──頭山満という福岡玄洋社の人の紹介で日本に来たわけなんですけども──それで神戸で講演をしたんです。
 その講演の内容、私は非常に感動するものだと思っておるんです。その内容をちょっと紹介しますけども。というのは、これは我々アジアの問題についてということなんですけども、このアジアが本当に目覚めたのは、日本が明治に諸外国との不平等条約というものを撤廃したときと。これは、我々の陸奥宗光がやったわけなんですけども、その日こそがアジア復興の日であるということで、高らかにそういうことを宣言しておるわけなんです。
 そして、西洋文化──いわゆる西洋文化というのは覇権主義、覇道主義に対して、一方、我々東洋というのは王道主義やと、道徳、仁義、そういったものを大事にする国であって、一致団結してまとまって世界に対抗せなあかんと、そういうことを孫文が言うておるわけなんです。
 私は、共産主義国家、中共というのは余り好きではないんですけれども、しかし、事中国ということに関しては、ずっと古い歴史の中でつき合いをしてきたわけであります。
 そういうことを考え合わせて、これは知事に聞いたらいいんですけども、企画部長に、具体的にどういう日中友好の観点に立って山東省問題をやっていくのかと、そういうことをまずお尋ねしたいと思います。
○議長(山下直也君) ただいまの吉井和視君の質問に対する答弁を求めます。
 企画部長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 山東省との友好関係につきましては、昭和59年の友好提携締結以来、毎年相互に交流団の派遣や受け入れなど、活発な交流を行ってまいりました。
 平成19年には、より実質的な効果のある交流を実現するため、人的交流、経済貿易、環境分野等6項目から成る和歌山県・山東省友好交流関係の発展に関する覚書を締結しまして、山東省への職員派遣や、山東省と中小企業団体中央会主催による企業商談会への支援などを行ってまいりました。
 特に、環境分野の交流としては、平成20年より県環境生活部職員等の派遣と山東省からの環境研修団の受け入れを行い、交流を深めております。
 尖閣諸島をめぐり、山東省訪問団来県が取りやめになるなど、官民を問わず、さまざまな分野で影響が発生しておりますが、今後とも、長い交流の歴史を踏まえ、双方に利益をもたらすような実質的な交流を進めていきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 山東省の友好関係については、おやじがけんかしても家族は隣と一緒に仲よくするという方針で私はやっていってもらいたいなと、そんなに思います。
 それで、きょうはまた申し上げたいのは、私の友人に楠部君というのがございます。奥さんが中国人なんです。その楠部君が、山東省へ行って、山東省当局といろいろな商談の中で、商社も絡んでるんですけども、緑化事業をやろうということで取り組んでおるんですけれども、なかなか前進しないと。
 その前進しない理由の1つとしては、和歌山県がもっと積極的に──例えば技術提携とか、そういうのを中国とやりたいなという、その取り組みが少し欠けるんではないかということが言われておるわけなんです。
 そういうこともあって、本当に知事に感謝するんですけども、知事も親書を渡して特別に支援していただいたということを聞いてるんですけども、やっぱり和歌山県のいわゆる特別な技術を──技術、これ、経産省とか、そういういろんなところでも評価されておるんですけども──そういうことで、一緒に山東省で事業をやろうかということについては、やっぱり県ももっと積極的に展開をしてもらいたいなと、そういうことを思っておるわけなんです。
 それについて、部長、どうですか。今後の対応は。
○議長(山下直也君) 企画部長。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○企画部長(野田寛芳君) 先ほど申し上げましたように、環境分野とか、いろんな分野でさまざまな交流を進めておりますけれども、そういう経済も含めまして、双方に利益になるような交流については今後さらに進めてまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 まあ、今後とも、知事もひとつよろしく頼んでおきます。
 そしたら、2番目の質問に移らせていただきます。
 鳥獣害対策についての質問であるわけです。
 これについては、この間の2期目の知事の選挙のときも、知事が各中山間地を回られて、大変だなという認識をしてもらったと思うんです。そしてまた、知事の街頭演説の中にも、この問題については、やっぱり県も積極的に対策していきたいと、そういう話も随所であったと私は思っております。
 それで、この鳥獣害対策の問題については、県下で非常に被害が出てきております。推定3億円と言いますけども、3億円どころではないと思うんですね。例えば、自分の身の回りの自給の産品なんかもほとんどやられてるという、こういうものを含めれば相当な額になると思うわけであります。
 そういう中で、そんなことをどんどんどんどん解決できなければ、「もうほんまに農業もやめたいよ」と言う方が、盛んに今、多くふえております。
 イノシシとか猿とか、そういう鳥獣害対策が、最近、特に賢くなってきて、対応しても、またそれ以上の対応をしてくれという、そういう状況がありまして、非常に難しいなということであります。
 県で、単独にこの鳥獣害対策というのをやっておると思うんですけども、それについて県の所見を部長にお願いしたいなと、そんなに思います。
○議長(山下直也君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 鳥獣害対策は、本県の農林水産部長として最も重要と考える、別の言い方をすれば心の痛む課題の1つでございます。
 その取り組み状況と課題についてですが、平成23年度に、数字の上では3億2800万円の農作物被害が発生いたしました。
 県では、捕獲、防護、環境整備を3本柱として、対策を総合的に実施しているところです。
 捕獲については、有害鳥獣捕獲補助金の拡充により推進を図るとともに、狩猟者の育成確保やシカの個体数調整のための管理捕獲を実施しております。
 また、防護や環境整備については、防護さくや緩衝帯の設置等を推進しているところです。
 それから、課題なんですけれども、近年、市町村を通じて農家の方々からの防護さく設置の要望が大幅に増加しております。
 一方、農林水産省の対策予算が伸びない中で、全国から国庫予算枠の倍近い要望がございます。幸い、平成23年、24年度は、何とか本県の必要額を確保できましたが、今後、予算の獲得が大きな課題となってございます。
 また、狩猟者の育成確保については、狩猟免許の保持者はやや増加に転じましたものの、高齢化が進行し、そして第1種銃猟免許保持者の減少が課題でございます。
 今後とも、被害軽減のため、捕獲を重点に、防護や環境整備を含めた総合的な鳥獣害対策に取り組んでまいります。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 これからが本番の質問なんですけども。というのは、今、部長が言っていただいたように、捕獲者、ハンターの育成についてお伺いしたいと。
 それについては、今まで委員会とか本会議の中でもあったと思うんですけども。去年の委員会でも井出議員が質問されておると思うんです。
 鳥獣対策の中で、いわゆる猟、ハンターの訓練を、実射訓練とか射撃場において訓練をするのについて、県がどういうふうに考えておるかということなんですけども、まず、それからお聞きしたいなと思います。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 先ほどお答え申し上げましたように、さくによる防護とともに、鳥獣害対策の柱となるのは、銃やわなを用いて行う捕獲でございます。この捕獲の推進には、狩猟免許を有する狩猟者の育成確保が必要でございます。
 それから、射撃訓練のお尋ねがございましたが、狩猟を安全に行っていただくためには、射撃訓練は必要であると考えております。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 射撃訓練については必要だという答弁をいただきました。
 それで、この間も湯浅町の山田山で猿を1カ月の間に120匹捕獲しました。町単でおりをつくって、えづけをしてとったわけなんですけども、その120匹をどういうふうにして処分するかということなんですけども、これ、猟友会の人にお願いをして──猟友会の方も、猿を鉄砲で撃つというのは、猿が非常にかわいそうだからやりたくないと、そういう思いでやったんだろうと思うんですけども、なかなか撃ってくれる人がおらないと。それは、やっぱりハンターが少なくなっているからですね。そういう状況があるわけなんです。
 そして、部長は、この間の答弁──私、委員会の質疑応答の答弁を読んでみたら、部長の認識が少しちょっとおかしいんではないかと、そんなに思うんです。
 というのは、その訓練をする射撃場、県内に要らないと明確に言うてるわけなんです。いわゆる議事録にも載っております。
 そういう、正確に撃つ訓練とかそういうのは金を出せばよそでもできると、こういうことを答弁で言うてるわけなんですけども、再度お尋ねします。県内には要らないんですか。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 記憶で申し上げます。
 昨年9月の農林水産委員会で、井出先生の質問の中で射撃場に関するやりとりがございました。
 私は、射撃場は県内には要らないとは申しておらないつもりです。私が申し上げたのは、射撃訓練をするには、いろんな手法がございます、例えば、現在、県では県内に射撃場がございませんから、銃の免許取得の補助とか、あるいは猟期前の射撃訓練の補助を行っております、こういうふうに、いろんな施策がある中で、どれが最も有効というんですか、であるかと比較すべきではないかと、そういうことを申し上げたつもりでございます。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 部長が申し上げたことも、部長は答弁をしております。それ以外にも、議事録には──私はその委員会を傍聴したことがないんでわかりませんけども、委員会の議事録読んで質問をさせていただいているんです。明確に、まあ後でまた精査しておいてください。そういうことなんで。
 そこで、この問題については、私は後で知事にも同じ質問をさせていただくつもりでおります。それはもう、知事の答弁というのは簡単で済むからそういうふうに思っておるんですけども、今、もっと部長にお尋ねします。
 それで、部長ね、そういう委員会でのやりとりの中で、平木委員長が見かねて、この問題については一度もっとゆっくり議論してくださいと、こういう趣旨のことを言ってるんです。
 というのは、射撃場については、かつて国体で、和歌山誘致で、射撃場も県内開催しようという運動があって予算化されたことも──まあまあ、これも鳥獣害対策の予算であるわけなんですけども──いわゆる射撃場の予算については、国体で使う、競技に使う、そういう予算と、それからいわゆる、もうやむにやまれぬ、やむにやまれぬというより、この現今の状況を見たときに、鳥獣害対策で、いわゆるハンターの練習場として、研究施設として射撃場をつくらなければいけないというのとおのずから違いますよということは、委員長が見かねて言うてるわけなんです。だから、この問題を一度整理して、私は知事にも考えていただきたいと。
 知事は、本会議の答弁でも、地元の協力、それから運営主体、それから地元の同意、そういう3条件とか言われておりましたけれども、これは国体の射撃場をつくるかどうかについてに端を発した議論であると私は思うんです。
 ここに至っては、鳥獣害対策ね。ハンターをどう育成するのか、事故をどうして防止するのか、そういうせっぱ詰まった観点で私は答弁をいただきたい。部長、どうですか。その答弁、もう一度お願いします。
○議長(山下直也君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 先ほど申し上げましたが、狩猟を安全に行っていただくためには射撃訓練は必要である。射撃場の建設につきましては、国の補助金を断念しました後も、地元市町村の応分の負担、市町村による住民同意の取りつけ、運営主体の存在という3条件のもとで考えております。
 その後、幾つかのところから、要望といいますか、提案がございました。調査いたしましたところ、地形が急峻である、高圧線が走っているとか、それぞれのところに問題点がございました。
 現在、地元から地元の自治体から正式の申し出がなく、具体的な検討をする候補地がないというのが実情でございます。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 部長、私、そんな質問してないでしょう。私は、一に戻って、射撃場が必要であるかどうか、新しい視点で物を考えなあかんと思うんですよ。
 例えば、この間もツキノワグマが湯浅町で捕獲されたんです。これは本当に人命に危機がある。そして、私はどこへ放ったかとこの議場で言いませんけど、どっかへ放ったと。それがまた、どっかで捕まえられたと。こういうことがあるわけなんです。
 だから、部長、広域な視点で物事を考えなもうあかんようになってきてるんです。市町村1つの、有田川町で考えなさい、湯浅町で考えなさいというような、いわゆる射撃場の問題と違うわけなんです。新しい広域的な視点でこの鳥獣害対策というものを考えてもらわんと、部長、だめなんです。
 そういう、あなたが今おっしゃった観点は、国体競技における射撃場の話でしょう、それは。なぜ、市町村が、そんなもん単独で射撃場を考えなあかんのですか。なぜ、市町村が単独で射撃場の用地を確保せなあかんのか。運営についても考えなあかんのか。そうでしょう。
 県の責任において、広域的な視点に立って、いわゆる鳥獣害対策等を考える上においては、射撃場、県内に必要ではないですか。私は、必要であると思うんです。
 きょうも、猟友会の方、たくさん傍聴に来てくれていますけども、納得してくれるような答弁がなかったら、これ、なかなか帰っても寝られんの違いますか。
 最後に、知事にお尋ねいたします。
○議長(山下直也君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 射撃場の必要性については、御指摘のように、当初は、国体と鳥獣害対策の両面で考えておりました。どちらかというと、国体でまず考え、ああ鳥獣害でも必要だということで、やや積極的に私も転じたつもりでありました。
 いずれにしても、つくろうと思えば、将来の県民の負担も考えないといけません。きちんと維持できるようにならないといけない。たくさんの追加的経費が毎年毎年かかるようだと困る。それから、住民の中には、賛成も反対も両方あると思うので、地元の説得もきちんと地元でやってもらわないと困る。そういうような考え方で4つの条件をつけました。
 国庫補助金の問題は、これは時間切れとなりました。だからだめだというのは、これはちょっと余りにも酷だと思いますので、これはこだわらなくてもいいと思っております。
 したがって、昨今の議会で何度も申し上げておりますが、地元市町村の応分の負担と。応分というのは、別に半分出せとか、そういうことではありません。それから、市町村による住民同意の取りつけ。それから、運営主体の存在。これは大事な問題だと思います。
 特に、ぜひつくってくれというふうに言われた方は、昨今の鳥獣害被害の状況から見て、必ずもうかる施設だというふうに言われました。それならば、ちゃんとそれを証明するように運営主体になってくれないかというのは当然だと思います。
 したがって、3つの条件が必要であると申しましたが、これは先ほどの御議論でありますが、国体だけではありません。鳥獣害対策も考えた上でのことであります。なぜならば、1つ根拠を申し上げますと、国の補助金、これがなくなってしまいましたけど、これ、実は鳥獣害の名目でできた補助金でございます。議会でも何度も言明して、私も申し上げ、議会でもそれでずっと来ているので、やっぱりその考えは維持したいというふうに思います。
 実は、私は、3つの条件が何らかの形でクリアできたらいいなというふうに思っておりましたが、たくさん、これはどうだという話はあるんですが、途中の段階で壁に当たってしまうわけです。アイデアはたくさん出されるが、例えば出される方あるいは地元の方に覚悟を迫ると、「それは県で」ということで、どうも進まない。
 したがって、国体の開催時期がだんだんと迫ってまいりまして、国体に向けての準備はそろそろ時間切れになってきます。射撃場の問題は、国体の会場とするということを切り離して鳥獣害対策として考えなければいけない時期にそろそろ来ているというふうに思います。その場合でも、3条件という考え方は、私は同じであります。
 これまでは、国体があるから急いでいたけれども、国体を切り離したとしても、この問題が終わるわけではありません。鳥獣害対策として、なぜならばハンターの養成という問題が残るからであります。
 この問題を射撃場の整備という形でやるか別の方式でやるかは、その時々の状況を見て考えなければならないと思います。現に、射撃場が、今、県内にないわけでありますので、直接ハンターの方に県外に行って練習してもらわなきゃいけない。そういうために、現在、助成金を交付している。そういう状況にあります。
 いずれにしても、射撃場を設置しようとする場合、県の将来のことも考えて、プラスの面、マイナスの面、そういうことを、また皆さんとよく議論をしてやっていきたい、そんなふうに考えております。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 ただいまの知事の答弁、私、わかりません。
 知事、ずっとこの鳥獣害対策の話をさせていただいて、私は、射撃場をつくる場合には地元の同意というのはわかりますよ。やっぱり音とか安全対策とか、そういうのはやっぱり地元でなければ、地元の方が同意しないと私はだめだと思うんです。
 ところが、運営、いわゆる地元の負担金、それは知事がどれだけと言うてないと言いますけども、それは県が主体性を持って、こういうものを広域的に必要なんだから県がやるんだという姿勢があれば、私は地元に負担を求めるのは少し酷ではないかと、そんなに思います。
 それから、運営の問題。これは、知事、もうかるか、もうからんか、それは、みんな、国体の施設つくってほしいと、もうかるからという、そう、簡単に話しされたと思うんですけども、私は一概にはそうだと思わなかったです、初めから。
 しかし、いわゆるこの問題も、もうかるか、もうからないかの運営の問題も、やっぱり私は、最後には県が主体性を持って、どこかの方にやってもらうとか、やむを得ん赤字になれば県が責任を持ちますよという、住民に対してもいろんな方に対しても責任を持ちますよという、そういう姿勢でなかったら、私はできないと思うんです。
 知事、部長も「委員会になれば知事の考えが変わらんのでできませんよ」という、そういうかたいことを言うわけなんです。また、「議員の提案を受けて、できるだけ知事とも相談してやっていきますよ」という、そういう答弁ができてないんです。
 だから、やっぱり知事も謙虚に、こういう大きな問題点があれば、「もう一度考え直すよ」ということを言ってもらわないと。これだけ答弁してるんだから、それに変わりはないという、そういう態度であれば、やっぱり我々議員だってそれだけの覚悟があると思いますんで、もう一度答弁お願いできませんか。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私は、3条件と言っておりますのは、別に頭ごなしに勝手に決めて申し上げているわけではありません。
 というのは、まず地元の同意というのは、やっぱりなかなか「どうぞ」と言われると大変だと。それは、議員が御指摘のとおりであります。
 それから、例えば湯浅のときのことを考え直してみますと、初めは湯浅町営でやるからという話なんです。だんだんだんだん、じゃあ土地だけ出すから、あと勘弁というようなことで、実はもうそれでいいやということでおったんですが、そういう熱意もやっぱり欲しいということは、言って悪いことではないというふうに思います。
 それとともに、やっぱり県全体のことを考えると、鳥獣害被害は大変なんですけども、そのために射撃場をつくることの利益と、それからどのぐらい県負担が将来県民にかかってくるかなというようなことも考えると、例えばそれは、初め猟友会の方とかもおっしゃってたように、自分たちも運営してもうかるんだから後年度負担なんかないんだよということであれば、それは随分意思決定が変わってくる。
 だけど、そうじゃなくて、毎年、例えばある試算によれば何千万円も維持経費を出さなきゃいけない。そんなことになったときに、本当に県民がそれを望むんだろうかというようなことは、やっぱり考えなきゃいけないということだと思うんです。
 もちろん、それは今のような議論をもとにして申し上げてることなんで、片意地に3条件というようなことではありませんので、もとの議論に戻って、それで県民全体で考えるべき問題ではないかとは思います。
 ただ、そこがクリアできないと、やっぱりおかしいなあということは、知事の立場として無責任なことは申し上げられないと、こういうことであります。
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 それは、いわゆる後年度負担、費用対効果で決めていかなけりゃいけないということは十分わかります。十分わかるけれども、当初の国体用の射撃場を間に合わすという議論は、もう済んだんですね。ほとんど済んだんです。
 私が言ってるのは、鳥獣害対策で、いわゆるもう高齢化してどうしようもない、猟友会というよりもハンターの育成を図っていく上には、やっぱり和歌山県に──近畿でないのは和歌山県だけですね、その射撃場。全国競技できるような射撃場は近畿にありませんけども、和歌山県がひとつ観光の目玉として、いわゆるほかにも波及効果のある施設だと私は思うんですね。
 それを考えて、一度ゼロにして、一遍知事、考えてみてくれませんか。ゼロにして。とにかくいろいろ総合的に考えて。
 だから、県民もそういうことを考えれば、射撃場の後年度負担、そんなものは、私は、大きくないと考えるんではないかということを信じておるんです。
 だから、そういうことについて、一度また議論し直しということで。そのことだけ最後に一遍、知事、し直してやっていきましょうと、そういう答弁をひとつお願いします。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただ、さきに答弁申し上げたとおり、私は別に片意地ではありません。
 したがって、すべての問題は議論の対象だというふうに思っております。そのときに、いろんな材料を出して、それで議論をしていけばいいいうことではないか、そんなふうに思います。(「ちゃんとした話、聞いてくれよ。いつも断るばっかりやで」と呼ぶ者あり)
○議長(山下直也君) 吉井和視君。
  〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 あのように、井出議員も怒っておるわけなんです。
 私も井出議員から強く厳命をいただいてこういう質問に立って、また私も猟友会の顧問をさしていただいておりますので、今後もできるだけこのことにかかわってやっていきたいと思いますんで、よろしくお願いします。
 以上で、質問を終わらせていただきます。(拍手)
○議長(山下直也君) 以上で、吉井和視君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第107号から議案第141号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。9月25日及び26日は常任委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 御異議なしと認めます。よって、9月25日及び26日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、9月27日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時34分散会

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