平成24年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


平成24年9月 和歌山県議会定例会会議録 第5号

(浦口高典議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 33番浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕(拍手)
○浦口高典君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、質問さしていただきますが、その前に御報告がございます。
 それは、去る7月29日、8月4日、5日の3日間にわたり開催されました第9回紀州よさこい祭りにおきまして、多くの県内外の皆様の御協力をいただき、参加演舞チーム数が74チーム2565人、出店数57店、観客動員数は約26万7000人と、盛会裏に終えることができました。
 この祭りは、今から10年余り前に内田嘉高君と上森成人君という2人の若者が踊りを通じて和歌山を元気にしたいという思いで立ち上げた祭りで、私も、NPOセンターの活動を通じて親しくしていた彼らから相談を受け、当時、和歌山になかったよさこい踊りのチームづくりから参画し、祭りの立ち上げのための資金集めや行政との橋渡しに尽力さしていただきました。
 それが、今では和歌山を代表する祭りの1つになったことは大変喜ばしいことであり、今回も知事初め県職員の皆さんの御支援、御協力をいただいたことに、心より厚く御礼申し上げる次第でございます。本当にありがとうございました。
 それから、本題に入る前にもう1つございますが、それは、この2月議会において、我が民主党所属の和歌山1区の岸本周平、同じく2区の阪口直人、また近畿比例区の玉置公良の3代議士の活躍ぶりと野田内閣に対する評価を知事初め関係部長にただしたところ、多大な評価とは言いませんが、それ相応の評価をいただいたことに民主党和歌山県連幹事長として厚く御礼を申し上げる次第でございます。ありがとうございます。
 本日の質問は、趣向をがらっと変えまして、党派に関係なく、和歌山県民の寿命と体力ということについて述べさせていただきますので、ぜひともお1人お1人の問題として、ともに考えていただければ幸いであります。
 まず最初に、お手元の都道府県別健康寿命等の状況をごらんください。
 これは、そこにも書いてあるとおり、平成17年の国勢調査をベースにしたものですが、直近の平成22年の国勢調査をベースにしたものはこの12月に出るということですので、今回はこの表をもとに本日の質問をさせていただきます。
 さて、皆さん、この表を見て、どのように思われますか。恐らく、多くの皆さんは、意外やなあと思われるのではないでしょうか。
 それは、我が和歌山県は、男女ともに平均寿命も健康寿命も短いということがこの表で一目瞭然であるからであります。男性は、平均寿命が78.04歳で全国で41位、健康寿命が75.06歳で42位、また平均寿命から健康寿命を引いた期間、これが要介護期間ですが、これも3年で40位と、驚くほど下位に甘んじております。
 普通の和歌山人の感覚で言いますと、和歌山県は、経済的には他府県より少々寒い状況ですが、気候は温暖で、海青く、山深く、空気も澄んで、自然がいっぱいで、豊かな海の幸、山の幸にも恵まれ、人はその中で、のんびりではありますが、伸び伸びと暮らしております。当然、人生も豊かで長いものと信じていたと思います。
 事実、私がそうでした。この表を初めて見たとき、「えっ」と絶句し、思わず我が目を疑いました。また、このことを和歌山の友人、知人、さらには他府県の人に伝えたところ、「ほんま?」、「うそやろ」、「信じられない」、「なぜ」と、だれもが異口同音に言いました。しかし、事実は事実なんですね。
 つまり、平均寿命も健康寿命も他府県に比べ短い。先ほど言ったとおり、和歌山県の男性は、はっきり言って体が弱いということになります。
 さらに、女性については、もっと驚くべき事実がわかりました。と言いましても、初めに言ったとおり、このデータは平成17年のもので、実質平成19年末に出たものということですので、今からもう既に5年前にわかっていたことであります。
 和歌山県の女性は、平均寿命が85.27歳で全国43位、健康寿命は78.45歳で、さらに下がって45位、要介護期間も6年10カ月と43位で、いずれも男性より下位になっております。つまり、和歌山県の女性は、全国ランキングでいえば、体の弱い男性よりさらに弱いということになります。
 そして、驚くべき事実として、平均寿命85.27歳で、和歌山県とここでは同年齢になっておりますが、44位の茨城県は、健康寿命が80.63歳で全国第3位、要介護期間が4年8カ月で1位。つまり、和歌山県より2年2カ月、介護期間が短いということになります。
 同じ日本人としてこの国に生まれ、育ち、学び、働き、そして年を重ねていって、ほぼ同じ長さの人生、つまり同じ寿命を歩む中で、和歌山県の女性のほうが茨城県の女性よりも2年2カ月、介護される期間が長いということで、一段と和歌山県人の体の弱さがここではっきりしたことになります。
 知事も私も、恐らくこの議場にいらっしゃる議員の皆さんも、「和歌山を元気にします」、「私が和歌山を元気に」といったようなキャッチフレーズをいろんなところで発信されてると思いますが、これは逆に言えば和歌山が元気ないということでありまして、また、元気のイメージは、どちらかというと経済的なことばかりに目を向けがちですが、あえて言いますと、和歌山県民自体に元気が足りないということがこの表から言えるのではないでしょうか。
 先ほど御報告いたしました紀州よさこい祭りのような、自分たちの熱き思いで踊りを通じて和歌山を元気にしようという新しいうねりも育っていることは事実でありますが、後ほど述べます小学生から中高校生までの体力のなさは、はっきり言って、まだまだこれから先、和歌山県の活力をしぼませてしまう可能性があるのではないかと私は懸念しております。
 そのようなときに、仁坂知事は、平成20年4月に出した「未来に羽ばたく元気な和歌山」、ここにも「元気」という言葉が使われておりますが、和歌山県長期総合計画の65ページと66ページの「健康づくりの推進」の項において、「健康長寿日本一わかやま」を目指しますと2度強調されております。
 これは大変すばらしいことで、他の項目において、例えば農林や県土整備、また、知事がいつも力説されている観光や企業誘致においても、日本一と言い切ってる文章は全く載っておりません。それだけに、仁坂知事の並々ならぬ御決意をこの文章から感じることができました。
 皆さん、日本一の健康長寿県にするんですよ、この和歌山県を。私は、これは本当にすばらしい目標だと思います。
 そこで、大変僣越ですが、マニフェストではありませんが、言葉だけではなく、真に健康長寿日本一わかやまを実現するための目標設定をさせていただきました。
 さきの表の、男女とも平均寿命が1位の長野県を上回る数字をまず入れました。このグリーンの部分ですね、見てください。
 これは、決して突拍子もない数字ではございません。男性では、平均寿命を長野県の79.68歳の少し上をいきます80歳に設定し、要介護期間の短さが1位の茨城県の2年2カ月より少し下回る2年に設定すると、健康長寿が男性では78歳になります。
 ちなみに、平均寿命と健康長寿が1位の長野県においてさえ、要介護期間が2年8カ月と全体の21位に下がってしまうということにも少々驚きですが、やはり長く生きれば、それだけ介護期間が長くなるということではないでしょうか。
 しかし、健康長寿日本一わかやまは、そのようなことは言っておられません。平均寿命も健康寿命も最長であると同時に、要介護期間をできるだけ短くしなければ日本一とは言えません。
 女性においては、やはり平均寿命1位の長野県より少し上の──この左側ですね──86.5歳と設定し、要介護期間の短さが1位の茨城県の4年8カ月より少し短い4年6カ月に設定すると、健康寿命は1位の山梨県より長い82歳になります。
 男女とも、いずれも達成不可能な数字ではないと思いますが、これらの数字を踏まえて、知事の健康長寿日本一わかやまにかける御決意、意気込みをお聞かせください。
 1問目、終わります。
○議長(山下直也君) ただいまの浦口高典君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 健康長寿日本一わかやまについては、県民が生涯を通じて健康で活動的に暮らせることを願って目標といたしました。
 そのためには、御指摘のように、平均寿命や健康寿命の延伸、介護を要する期間の短縮等が健康長寿日本一わかやまという目標を実現していく上で大きな課題であると考えております。
 しかし、現状は、御指摘のとおり、目標にはまだまだほど遠い。しかし、この目標に向かって、強い意志を持って頑張らにゃいかんというふうに思っております。
 長計では、そのための施策をいろいろ示しております。県民参加型の健康増進あるいはがん対策、心の健康づくり、感染症対策、健康危機管理、難病対策等、これからさらに力を入れて頑張って、健康長寿日本一わかやまを目指して関係部局が一致団結して取り組んでいきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 知事、どうもありがとうございました。知事の決意、しっかりと受けとめさしていただきました。
 私は、「日本一」という言葉に大変な思い入れがあります。それは、私ごとで大変恐縮なんですが、多感な学生時代を東京で暮らしていたとき、人口1000万人を超える大東京で、ややもするとちっぽけな自分の存在そのものを見失いがちに何度もなりました。「これではいかん」と思い、「じゃあどうするんだ」と自問自答の日々が続きましたが、その中でふと頭に浮かんだのは、自分の得意な分野で日本一を目指すことによって自分の存在感を確かなものにしようということでした。
 そこで、私、日本拳法という武道をやっておりましたが、これは宇治田議員のされている空手道や、また長坂議員がされている少林寺拳法に比べたら非常に小さな世界なんですが、そこでナンバーワン、つまり日本一になることを目標に定め、日々鍛練に励みました。寝ても覚めても日本一、日本一。その結果、昭和52年、大学4年のときに、社会人や自衛隊の、当時強豪と言われた選手をバッタバッタと倒し、日本一になることができました。(「おお、そういうところがあるのか」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。──これは前段でございますんで──そこでは、当然のことですが、決意だけではなく実践が伴わなければなりません。他の選手が1日500本突けば1000本突く、1000本突けば2000本突くというような猛練習の日々でした。数をこなすことによって質を高め、心技体の向上を図り、他からぬきんでた強い自分をつくる。
 まことに私自身のつたない経験ですが、このような経験から言うと、他府県と同じ健康推進政策を進めていっても、これは後の質問にも関係するのではっきりと申しますが、知事、とてもとても日本一なんていう、つまり知事が言う健康長寿日本一なんては、とても達成できるもんではないということは明らかであります。
 仁坂知事、どうぞその強い御決意のもと、県民の皆さんをリードし、健康長寿日本一わかやまを実現していただきたいと存じます。
 そこで、今度は福祉保健部長にお尋ねいたします。
 この表で、同じ日本国、日本国民でありながら、何度も申し上げますとおり、和歌山県は平均寿命も健康寿命も短いのに長野県はなぜその両方とも長いのでしょうか、御所見をお聞かせください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長山本明史君。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 平均寿命、健康寿命を左右する要因については、さまざまなものがあり、断定はできませんが、長野県は、がんによる死亡率が全国一低いことが平均寿命を長くしている主要な原因であると考えます。
 また、健康寿命も長くなっていますが、これは、高齢者の就業率が全国一高いことや、在宅の高齢者を家族が支える環境が比較的温存されていることなどが影響して要介護認定率が低くなっているためであると考えます。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 実は、10月2日から4日までの3日間、私が委員長を務めさせていただいております福祉環境委員会の視察で長野県に調査に行く予定ですので、その辺のところをきちっと確認し、機会を改めて御報告いたしたいと存じます。
 ではまた、先ほどから申し上げましたとおり、要介護期間が男女とも日本一短いとされている茨城県と和歌山県の健康長寿の差はなぜ生まれるのでしょうか。福祉保健部長、お答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 議員配付資料のとおり、健康寿命は、平均寿命から要介護期間を差し引いたものです。
 和歌山県の要介護期間が長いのは、茨城県に比べて、介護サービスを必要とする75歳以上の後期高齢者やひとり暮らしの高齢者の割合が高いこと、また居宅サービスの利用者割合が高いことによる影響が考えられます。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 福祉保健部長、言われるのは全くそのとおりなんですね。平均寿命から健康寿命を引いたものが要介護期間ですから、平均寿命が同じ長さだったら、介護認定率が低いと健康寿命が長いのは当たり前です。
 本当は、もっと言いますと、ここではなかなかそこまで深く議論できないかもしれませんが、もっと深い部分で、なぜ和歌山県が健康寿命がこんなに短いのか、また逆に茨城県が長いのかということについて問いただしたかったんですが、今回はこれぐらいにしときます。
 今回、この健康寿命等の状況のデータをもとに、いろんなことを考え、調べてまいりました。もちろん、その目標としては、知事が言われる健康長寿日本一わかやまという姿がありますが、それには、和歌山県は何が劣っているのか、また何が必要なのか、何をしなければならないかということがわからなければなりません。
 健康といっても、よく言われるように、体だけのことではなく、精神的な状況や経済的なことも含めて、社会的な存在感、それにやりがいや生きがいなど、多くの観点があります。
 また、健康づくりの3要素として運動、栄養、休養と言われておりますが、それらをここで問いただすわけにいきませんので、今回は運動、つまり体力づくりということに絞って質問さしていただきます。
 また、健康長寿というと、何かお年寄りだけの健康管理と思われがちですが、私は自分の道場で3歳から60歳までの方に日本拳法を指導しておりますので、その経験から、やはり小さいときからの体力づくりが本当に大事であるなというふうに痛感しております。
 この表でも、男性より長生きする女性について特に言えると思うのですが、年とともに骨がもろくなって、転倒したときに骨折をし、それがきっかけとなって寝たきりになり、ずっと介護のお世話になるということを最近よく耳にいたします。そのために骨密度を高くしなければいけないということは、今ではだれもが理解していることだと思います。
 しかし、ことしの4月20日の「読売新聞」に注目すべき記事が載っておりました。それによりますと、骨密度は18歳でほぼ最大になり、その後は少しずつ減っていくということで、若いときの運動が貯金になり──ここに「若いときの運動が貯金になり」て書いてますが──年をとってから骨粗鬆症になるのを防ぐことができるということなんですね。つまり、子供のころの運動経験がその後の体力の基礎をつくるということの、これが裏づけでもあります。
 そこで、和歌山県の小学生から中学・高校生までの体力についてはいかがでしょうか。
 配付の資料をごらんください。この表でございます。ここでは、平成19年から23年までの5年間の体力合計得点平均の推移が載っております。これによりますと、小学校低学年は全国平均よりやや下でありますが、小学校高学年から中学生、さらには高校生と、学年が上がるたびに全国平均との差が大きくなっているということがはっきりわかります。
 これは、最初、1つにまとめたものではなくて、何枚かに分かれて私のところに来たわけなんですけれども、この表の前段の何枚かの表をじっくり見たときに、大変県教委の健康体育課の方に失礼なんですけど、思わず笑ってしまいました。なぜかというと、見事なぐらい、男女とも学年とともに体力が落ちていくわけですね、相対的に。改めてここで言うまでもなく、ここに書いておりますこの下は、ピンクの部分は和歌山県ですが、上は全国のトップじゃないんですよ。これ、全国平均なんですよ。平均より大きく下回ってるということなんですね。
 この著しく体力が劣るということについて、教育長、どのようにお考えかお答えください。よろしくお願いします。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 小学校から高校までの体力づくりにかかわってお答えをしたいと思います。
 児童生徒の体力の現状は、議員御指摘のとおり、大変厳しい状況であり、このことは、ひいては将来の県民の健康問題や社会活力の低下に影響を及ぼしかねないものと考えております。
 このため、教育委員会では、子供の体力向上を最重点課題として位置づけ、平成21年度から紀州っ子の体力向上支援委員会を設立し、各学校において、体育授業の工夫改善はもとより、部活動など、あらゆる場面を通じて学校体育の充実に取り組んでまいりました。その結果、体力は、どの校種においても、徐々にではありますが、向上する傾向にあります。
 子供たちにとって運動やスポーツは、生涯にわたってたくましく生き抜くための健康や体力の基礎を培うとともに、心と体の健全な発達や成長、より豊かな生活を支える上で極めて重要なものと受けとめております。
 県教育委員会としましては、今後とも本県の子供の体力向上に向けて、創意工夫を凝らしたさまざまな施策を展開し、より一層取り組みを強化してまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 くどいようですけれども、小・中・高校生の体力は、特に年齢が上がれば上がるほど、著しく全国平均から劣るということがわかりましたので、どうぞ、その向上のため、教育長を先頭に、県教委も現場の教員も一丸となって頑張ってください。
 それから、高校卒業後、大学等へ進学した場合は、別に運動部でなくともスポーツや体力づくりに励む機会はあるでしょうが、社会人になった場合、なかなか時間的にも難しくなってくると思います。
 そのような中、平成7年より総合型地域スポーツクラブが文科省からの提案により各地域にでき、和歌山県下でも多くのクラブができていると聞いておりますが、特に社会人の体力づくりということについて、現状と課題を、教育長、お聞かせください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 社会人の体力づくりということにかかわってお答えをしたいと思います。
 総合型地域スポーツクラブは、現在、26市町に34クラブが創設され、創設準備中の21クラブと合わせ、55クラブで約7000人の方々が活動しております。最近では、フラダンスやジャズダンスなどの流行をくんだものを初め、ヨガやウオーキングなど、健康づくりを志向した教室などが人気を集めています。
 しかしながら、教室への参加については個々人の意思によるところが大きいことから、いかにしてスポーツに興味、関心のない人の意欲を喚起するかということがかぎとなってまいります。そうしたことから、県内各クラブが中心となり、スポーツ交流大会など地域住民を対象としたイベントを開催し、健康の保持増進に対する啓発やニュースポーツの体験教室を実施するなど、気軽にスポーツに親しむきっかけづくりを行い、スポーツ人口のすそ野の拡大に取り組んでいます。
 県教育委員会といたしましては、健康は個人の財産のみならず地域全体の活力を維持・発展させる重要な要素であると認識しております。引き続き、市町村教育委員会と連携を密にし、スポーツ推進委員などの協力も得ながら、総合型地域スポーツクラブによる体力測定会の実施を支援するなど、県民の健康づくりと体力向上に努めてまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました、教育長。
 総合型地域スポーツクラブの、今後、地域における役割に大変期待をしておりますので頑張っていただきたいと思いますが、まだ人数的には、全員が行ったとしても7000名程度ということで、県民全体から考えると0.7%ということになります。もちろん、ほかにもママさんバレーや日曜野球、ジョギングやウオーキングなど、自発的にスポーツにかかわってる方も大変多いと思いますけれども、なかなかそこの数字は県では掌握できないということでありました。
 いずれにいたしましても、楽しみとしてのスポーツが、和歌山県民の個々人の体力づくりに寄与することを心から願う次第でございます。
 次に、ここに平成20年3月に出た第二次和歌山県健康増進計画というのがありますけれども、これは、すべての県民が健康で元気に生活できる社会の実現を目指して、平成13年1月に作成された県民の健康づくり運動の第2次の計画であります。
 この中には分野別計画というのがございまして、それは、A、栄養・食生活、B、身体活動・運動、C、休養・こころの健康、D、たばこ、E、アルコール、F、歯の健康、G、循環器疾患──脳卒中・虚血性心疾患などですね──H、糖尿病、I、がんの9項目ですが、体力づくりに関して、Bの身体活動・運動によりますと、平成17年の調査では、成人の運動習慣のある割合は、和歌山県は男性23.6%、全国平均が30.9%、女性22.6%、全国平均25.8%で、いずれも全国平均に比べて低率でした。
 また、分野別指標の評価というのがこの一番最後のほうに載っておりますけれども、この中で身体活動・運動の欄では、13項目中4項目が「×」の横ばい・悪化、3項目が「△」のやや改善、5項目が「-」の判定不能、「○」の順調に改善は、唯一70歳以上の女性が目標とする1日5900歩以上歩いているという項目だけでした。
 もちろん、これは平成20年までのデータですが、その後の状況と評価について、福祉保健部長、お答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 第二次健康増進計画における身体活動・運動分野の指標の現状については、現在、直近のデータを分析中ですが、目標数値に対して進捗状況は足踏み状態で芳しくないため、引き続き県民の間に運動習慣を広め、いかに定着させていくかが課題となっています。
 国体開催という機会をとらえて、県民の間に広く健康志向を高め、ウオーキングやジョギングなど日常の運動習慣が根づくよう、市町村と連携のもと、取り組んでまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 はい、ありがとうございました。
 しかし、部長、まだはっきり出てないということでありますが、先ほども言いましたように、これ、平成13年からの運動計画なんですね。それで、この20年に出たもんでは、今言いましたように非常に下位であって、運動の経験も男性も女性も少ないということですね、全国平均より。
 今度、まだ24年までのやつは出てないということですが、今言いましたように、大体足踏み状況で低調であるということは、もう約10年たっても同じことやってるということなんですよ。
 ですから、さっきのこの長期総合計画に戻るわけではありませんが、全く進んでいないということなんです。だから、かけ声だけで──何も進んでいないとは言いませんけれども、低調ということは、やはりもう少しねじを巻いていただかないかんと思いますんで、ぜひ頑張っていただきたいと存じます。
 ここまで見てきたとおり、小学生から中学・高校生、さらに高校卒業後も、決して和歌山県民は他府県と比較して体力づくりに熱心であるとは言いがたいと思います。
 その影響もあるかと推測されますけれども、平成22年の65歳以上の介護認定率は全国で3番目。これも、この2012年に出たわかやま長寿プランというのにちゃんと、いわゆるベストスリーじゃありませんが、上から3番目に載っております。高齢者の体力を含む体の弱さも、ここではっきりとしております。
 また、以前から私がたびたび申し上げるとおり、和歌山県は、他府県に先んじてこれから本格的な人口減少が起こり、国立社会保障・人口問題研究所によると、23年後の平成47年、つまり2035年には、現在の約99万人から約26万人減少して約73万人になり、また逆に高齢化率は、この平成24年3月現在26.9%なんですが──全国6位ですね──平成47年には38.6%となり、全国で2位の超高齢県になってしまうというふうに言われております。
 つまり、わかりやすく言うと、人口はごそっと減りますが、老人がどっとふえて、その老人たちが要介護になる率がぐうんと高い和歌山県は、このままいけば間違いなく活力も元気もない県になってしまうことは容易に想像できます。
 ちなみに、これは決して他人事ではありません。私は、ちょうど昭和30年、1955年生まれですから、平成47年、2035年には、和歌山県の男性の平均寿命以上にもし幸いにして生き残っていればちょうど80歳になり、超高齢人口激減社会に伴ういろんな問題は、私たちの世代の問題でもあるわけです。それだけに、今後行う施策によりどのような和歌山県になっているのか、ぜひ悔いのないようにしたいなと思うと同時に、それをしっかりと見届けた上で死んでいきたいと思っております。
 本題に戻りますが、そこで、県は、介護対策として、平成16年より和歌山大学教授で体育学博士の本山貢氏に依頼し、シニアエクササイズを導入し、県下29市町村で約1万4000人もの参加を得て、介護にかからないための足腰の強化を中心に、積極的にこのエクササイズを進めていることは、私は大変すばらしいことだと思っております。
 実は、先日、本山教授が2人の助手を連れてわざわざ県議会の私どもの控室までお越しくださいまして、約1時間にわたり、シニアエクササイズについて御説明をいただきました。本山先生が言われるには、このように全県的に介護予防のためのエクササイズを行っている県はほかの都道府県では例を見ないというふうに言われてました。また、本山先生が指導された皆さんの中で、グループでのリーダーシップをとれる方が中心になり、現在も自主活動を展開中ということでありました。
 そして、先般、9月14日ですが、その1つであります、私の地元にあります今福公民館での活動を拝見してまいりました。参加者8名の皆さんはいずれも女性で、平均年齢が71歳ということでしたが、歌謡曲のBGMを流しながら、口ずさみながら積極的にエクササイズに取り組んでいる姿は、なかなかほほ笑ましいものがあり、介護にできるだけ頼らず自立していこうという姿には感動すら覚えました。
 しかしながら、自主運営というのは、言葉は大変結構なんですが、参加者が大きくふえることもなく、会場の確保も非常に苦労しているということをお聞きしました。
 先ほどから申し上げているように、和歌山県民の体力不足は、何も老人だけの問題ではございません。しかし、喫緊の対策として、ぜひこのシニアエクササイズをもっと広く一般の県民の皆さんにも知ってもらうためには、積極的に県も力を入れるべきではないでしょうか。この運営を管理するのは各市町村ですが、ぜひとも県もさらに力を入れ、広報し、指導者を各地にもっと多くつくり、1人でも多くの県民の皆さんに参加してもらうべきだと思います。
 そこで、現在までのシニアエクササイズの効果と今後の県の取り組みについて、福祉保健部長、お答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) シニアエクササイズについては、高齢化に伴う身体の衰えを軽減するものであり、要介護認定率の抑制という効果に加えて、地域の高齢者が集まって一緒に交流し、地域でつながりを強くするという、仲間づくりという効果があります。
 県としましては、健康寿命を伸ばすためには、高齢者がみずからの健康づくりに関心を持ち、主体的に取り組めるようにすることが喫緊の課題であると認識しております。
 今後も、健康づくりの方策の1つとしてシニアエクササイズを積極的に各地域で展開し、関係機関とともに、だれもが参加できる体制を整備してまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 はい、ありがとうございました。ぜひ、頑張ってください。
 今回、時間の都合上、健康づくりの中で体力づくりに焦点を当て、他のことについては余り質問することはできませんが、先ほども申し述べたとおり、和歌山県は急速な高齢化が進み、その高齢者が介護保険や医療保険を、皆が皆とは申しませんが、当然のことのように安易にそれに頼るとなれば、この1年余り国会において議論されました社会保障と税の一体改革ではっきりしたように、幾ら消費税を上げても財政がもたないことは火を見るより明らかであります。
 ちなみに、介護保険を在宅で使うとすると、1万円かかった場合、本人の負担額は1割の1000円ですが、残りの9000円の2分の1の4500円は私たちが支払った保険から、同じく残りの2分の1の4500円のうち、国が半分の2250円、また県が4分の1の1125円、同じく市町村が4分の1の1125円ですから、県にしろ市町村にしろ、財政が厳しい中、まだまだ大きく負担が膨らんでいくことは、今後の大変な課題であることは間違いありません。
 そこで、当たり前のことですが、1人1人が健康について日常生活において気をつけて、できるだけ介護や医療のお世話にならないような仕組みをつくることは、今後、非常に大事なことではないでしょうか。
 そこで、ただ長寿ということだけではなく、健康で介護保険や医療保険を使わない人を、例えば健康優良老人というような名目で表彰するというのはいかがでしょうか。
 昔、私たちが子供のときに健康優良児という表彰制度がありましたが、それの老人版といってもいいでしょう。一般の市民の方が高齢、例えば90歳を過ぎても介護や医療の一切世話にならず、地域社会においていろんな活動に積極的に参加している方たちをどしどし表彰していく。マスコミも、御本人が希望すればどんどん出てもらって健康自慢をしてもらう。このような表彰でありますが、福祉保健部長、いかがでしょうか。お答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 健康優良老人表彰についての御提言ですが、健康寿命を伸ばしていくためには、健康づくりに取り組むことの大切さを県民に広く普及させていくことが重要です。
 そのため、例えば高齢になっても、長年培ってきた知識や経験を生かし、地域における産業や文化、スポーツ活動、社会貢献などの担い手として第一線で活躍されている方々をたたえることを検討し、広く県民の健康意識などの高揚につなげていければと考えています。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 部長、どうもありがとうございました。これは今後の課題ですので、じっくり考えていきたいと思います。
 この12月に、前回、平成22年の国勢調査の結果が出て、それに合わせて平均寿命と健康寿命の集計も出るようで、恐らく先ほど紹介したシニアエクササイズや総合型地域スポーツクラブ等々の取り組みもあり、決して平成17年以下にはならないと期待をいたしております。
 しかし、我々の目標は、あくまで知事の強い決意にもあった健康長寿日本一わかやまであります。日本一というのは、そうそう簡単にはなれないことは十分私も承知しております。しかし、長計の結果は、平成30年3月、つまりあと5年6カ月しかありませんけれども、日本一という目標をどのような道筋で達成されるのか。かなり難しい問題ですが、福祉保健部長、お答えください。
○議長(山下直也君) 福祉保健部長。
  〔山本明史君、登壇〕
○福祉保健部長(山本明史君) 本県では、他府県に比べて平均寿命や健康寿命が低位な状況にありますが、平均寿命の延伸のため、がん対策を初めとした疾病対策に重点的に取り組むとともに、健康寿命の延伸のために、高齢者の生きがいづくりを初め、生活習慣病予防や基礎的な体力を高めるための高齢者を対象といたしましたシニアエクササイズ、働き盛りの年代を対象とした有酸素運動、学校等における体力づくりなど、幅広い年代を対象として地域に根差した運動習慣の普及、実践を進めてまいります。
○議長(山下直也君) 浦口高典君。
  〔浦口高典君、登壇〕
○浦口高典君 ありがとうございました。
 日が暮れて道が半ばと申しますか、なかなかその筋道が──いろんなことを言われてるんですが、先ほどのこの和歌山県のいわゆる健康増進計画にもあったように、まだまだ先が遠いなという。しかも、平均に何とか近づこうというぐらいだったら、まあ何となくできることだと思うんですが、やはり知事が言われる日本一ということは、私、これ、すばらしいことだと思うんですよ。日本一を目指すことによって、いろんなところがまた活性化、活力化してくると私は信じておりますので、ぜひとも頑張っていただきたいというか、私もともに頑張らしていただきたいと思います。
 きょうは、健康長寿日本一わかやまということで、恐らくこれはすべての県民の皆さんが望むであろう健康で長生きできる和歌山県づくりについて、いろいろ議論させていただきました。特に今回は、その中で体力づくりということに焦点を当て、知事初め福祉保健部長、教育長のまずまず前向きな御答弁をいただき、大変うれしく思っております。
 しかし、これは言葉だけではなく、何度も繰り返し言いますように、実践が伴わなければ何の進歩もないということは言うまでもございません。
 特に今後、健康寿命の短さについては、あえてネガティブキャンペーンではなしに、現実を県民の皆さんにもわかっていただいて、大々的にそのことを宣伝し、県民の皆さんの意識と危機感を喚起していただいて、それこそ健康長寿日本一わかやまづくりのために県民運動を起こしていただくぐらいの覚悟を県の皆さんは持っていただき、今後の御精励を心よりお願い申し上げまして、簡単ではございますが、私の質問とさせていただきます。本日は、御清聴ありがとうございました。
○議長(山下直也君) 以上で、浦口高典君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時32分休憩
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