平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○副議長(浅井修一郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問させていただきます。
 今回は大項目4つ、1番、2番は一問一答制、3番、4番につきましては分割方式にさしていただきます。
 まず、大項目1番、教育施策の活性化についてであります。
 1、(1)です。ダンスの必修化には、ふるさとを愛し、きずなをはぐくむような曲などの取り組みを。
 今年度から、中学校においてダンスが必修化されております。文部科学省によりますと、「ダンスは、創作ダンス、フォークダンス、現代的なリズムのダンスで構成され、イメージをとらえた表現や踊りを通した交流を通して仲間とのコミュニケーションを豊かにすることを重視する運動で、仲間とともに感じを込めて踊ったり、イメージをとらえて自己を表現したりすることに楽しさや喜びを味わうことのできる運動です」とされております。一応、運動というとらえ方でダンスが必修化されておるということです。
 私は、この「仲間とともに感じを込めて」、そして「イメージをとらえて」について、やっぱり義務教育でありますので、和歌山県においては、ふるさとを愛し、誇りを持ってきずなを大切にする、これであるべきではないかということで質問させていただきます。
 私のちょっと体験談をお話しさしていただきたいと思います。
 皆さんも御存じと思いますが、全国的に有名な自由にアレンジして踊るお祭り、高知のよさこい鳴子踊りを基本とするよさこい踊りと、ソーラン節を基本とします北海道のYOSAKOIソーラン祭り、これは結構有名なんですが、私も議員になる大体16~17年前やったと思いますが、当時、伊都地方で伊青連という団体がありまして、その中で仲間と一緒に活動させていただきました。
 そんな中で、伊青連はもともと、知事も御存じやと思いますが、紀北青年の家でふるさとの踊りということで、やっちょんまかせ、夏の終わりに必ずそれを盆踊りで踊るという、そういう取り組みをしておりました。
 そんな中、全国的にYOSAKOIソーラン祭りが派手になっていくときに、その青少年団体のメンバーが、ああいう取り組みしたいよということがございまして、YOSAKOIソーラン祭りとかよさこい祭りを研究に行ったんです。
 そのときに、北海道に行かしてもらったときに感動を受けたのが、稚内南中学校の南中ソーラン。「3年B組金八先生」でよくテレビで踊られていたと思います。これが全国でも結構有名で、まあいえば荒れて仕方がなかった中学校、この南中ソーランに取り組んで立ち直ったという有名な踊りなんですが、それに感動を受けまして、当時、伊青連の仲間と、私たちはやっぱりふるさとを愛する人づくり、心づくり、未来に誇れるふるさとづくりという目的をしてるんで、やっぱり自分とこの踊りを、よさこいという方法を使わしていただいて、そして全国に発信しようよ、そういう取り組みをしようということで、紀の国やっちょんということで取り組ませていただきました。
 その節には、県初め、文化のまちづくり事業や、当時リゾート博財団でしたが、お力添えいただきまして、その後、特定非営利活動法人紀の国やっちょん振興会を設立しまして今に及んでいるところであります。
 何を言いたいかといえば、やっぱりふるさとのもの、和歌山県のものをみんなで新しくアレンジしていくとか、そういう取り組みをして自分のふるさとの取り組みをするというのがやっぱり青少年には一番ふるさと意識が育つんではないか、そのように思っております。
 こういう説明をしますと、どうしても今の若い生徒さんに、ちょっとダサいん違うかとか、そうなるとなかなか取り組んでもらえないということで、そういうふうに思われると思いますが、ところが、ちょっと曲のほうを紹介させていただきますと、これ、地元のことで申しわけないんですが、情報が地元のことしかまだ僕わかりませんのでお許しをいただきまして、花鳥風月さんというチームがあります。これ、地元のチームです。伊都地方の皆さんのチームなんですが、そこの、ちょっとこれ、なかなか議場でCDかけるというわけにいきませんので、言葉で話さしていただいて(「歌うてよ」と呼ぶ者あり)、いやいや、歌はちょっと音痴なんで。
 歌詞を言わしてもらうと、「桜満開 庚申山 花ひらひらと かろやかに ぼたん優雅な 真田庵──これは九度山ですね──鳥のさえずり 華やかに ウキウキ キャピキャピ 笑顔まぶしい 君がいて(中略)いま咲き誇る 平成乙女 私達が巻き起こす センセーション!!」。曲調は、AKB48バージョンなんです。そういう踊りで参加したり、もう1つ、これ、九度山町の有名なチームなんですが、ここも毎年自分たちで曲をつくって、自分たちで振りつけをつくって踊ってるんですが、歌詞がすばらしいんです。
 「仲間集まるこの町に 一度おいでよ 柿の町 日本一の九度山町 誰かのためとかじゃなくて 自分たちのために 思いを込めた このきずな ハアー──下手くそやね、私──恋のおり姫九度山小町 固く結んだ真田ひも」、こういうふうな歌詞、これも現代的なダンス音楽で踊るわけです。ですので、取り組みとしたら、まあ入りやすいんかなと。
 ここから2つ、これもすばらしいんですが、これは今回、国体の曲をつくられましたウインズの平阪さん、橋本市高野口町でございますので、その人に昔からお願いして、この人がやっぱり和歌山の思いを伝えると能力も高くてすばらしい人なんで、その人が曲つくってくれてます。
 この歌詞もすばらしいんです。「都会に憧れて 無い物ねだるより 君が生まれたこの街の いいとこ見付けて 一緒に育てていかないか? 僕らのふる里橋本は そんなに知られた街じゃないけど 僕らにとっては住み慣れた 世界で一番好きな街だから 南に高野山 西には和歌山市 北に大阪 東は奈良県(中略)できる事ならこれからも 時代にコビずに橋本らしさを貫いて みんながこの街橋本を 誇りに思える明日のために 僕らが手を取り支えあい この街橋本元気にしていこう」、これを、まあいえば激しい踊りで踊るわけなんです。
 だから、歌詞にふるさとの思いが入っていて、どっちかいうと曲調が今の若い子に受け入れられるような曲にアレンジして取り組んでいけば、やっぱりふるさと意識ってすごく盛り上がっていくんではないかと、そのように考えております。
 和歌山市で言わしていただいたら、「ぶんだら21」とかという曲も私聞いたことあるんですが、結構乗りのいい曲で、これは考えておられると思いますが、この間から国体のイメージソングが決まりましたということですので、じゃあ、その曲をやっぱり中学生が踊りたくなるようなアレンジを施して踊っていくというのも、やっぱり和歌山のためになるんではないか、そのように思っております。
 ということで、教育長にお伺いいたします。
 ふるさとにゆかりの曲でダンスを取り組むことは、ふるさとを愛し、誇りを持ち、きずなを深める大きな効果を生み出すと思います。教育長の答弁、よろしくお願いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) ダンスの必修化にかかわって、ふるさとを愛し、きずなをはぐくむような取り組みをしてはどうかという御質問でございますけども、議員御指摘のとおり、ダンスが必修化されました。
 このダンスにつきましては、仲間とともに気持ちを通い合わせたり、自分の思いを込めて踊ったり、それぞれのイメージを大切にして自己表現をしたりすることに楽しさや喜びを味わうことのできる非常にリズミカルな全身運動であり、特に現代曲に合わせれば若者の間で男女を問わず楽しむことができるものと受けとめております。
 県教育委員会では、今回のダンス必修化を契機にして、議員御指摘のようにふるさと教育の観点から、本当に生徒がふるさと和歌山を愛し、きずなが深まるような郷土ゆかりの曲などを積極的に取り入れるように各市町村教育委員会や学校に対して指導してまいりたいと思います。
 私自身の経験からしても、まさに体育祭なんかで最後にぶんだらとか紀州よさこいを踊るんですけども、そのときが最も盛り上がります。一体感が出ます。そのことで、もうアンコール、アンコールが続くわけですけども、そういう本当の意味で、運動を通して子供たちがきずなを深めてお互いを大事にし、励まし合う、そういうきっかけになればというふうに考えてございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 教育長、前向きな答弁いただきましてありがとうございます。
 ちょっと御紹介させていただきたいのは、これ、稚内南中学校のことなんですが、先ほども説明さしていただいたんですが、ここに書かれているのに印象的なのが、「稚内南中学校は、全校的な取り組みはもちろん、学年ごとの取り組みもままならない困難な中にあった。そんな中でも、子供たちに懸命に呼びかけをした体育教師、1年生部会の教師たちは、ふるさとのソーランを踊ることを実現した」と。最初は、嫌々踊る子供たちもおったんですが、「それは、荒れを必死に食いとめようとする子供の健全な心の芽生えでもあった」。
 それから、ここの稚内南中学校は、南中ソーランで第10回日本民謡民舞大賞のグランプリ、総理大臣賞をとっております。
 私、何が言いたいかといえば、やっぱり教える先生も、「和歌山は大事にせなあかん」と、そのぐらいの馬力でやっていただくと子供たちには通じるんです。私は理屈なしやと思います。その先生の思いがきっと通じると思うんで、もうほんまに簡単なことなんですが、私、経験上、これは大きい。
 だから、一番心配するのは、ダンスのときにひょっとしてアメリカの曲、義務教育で踊ってるのはええんかなと。それやったら、もうやっぱり和歌山とか地元の曲、これはもう本来日本人として当たり前の話やと思いますんで、どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、2番に行かしていただきます。
 小学校高学年への学級担任制を基盤とした教科担任制について質問させていただきます。
 現在、学校教育において、少子化の進行による公立学校の適正規模、適正配置、そして教育システムとしては、公立中高一貫教育、公立小中一貫教育などが全国的に取り組まれていると思います。
 そんな中で、私の選挙区の橋本市では、私、昨年当選さしていただいて、その前は市会議員でございますので、そのころに橋本市はこの3つが同時進行しているという状況にありました。だから、わかりやすく言うと、学校の統廃合と、小学校、中学校の連携と、そこに橋本高校の中高一貫の学校ができたと。そして少子化になってるという状況やったんですが、1個1個見てみると、みんな子供のためにといい取り組みをしてるんですが、なかなか小中一貫と中高一貫と、市民の皆さんから「どないやねん」というお話もあったんですが、その中でも一生懸命説明してさしていただいたんですが、そんな中で一番これすごいなと思ったのが小学校高学年への教科担任制の導入でありました。19年から23年、それの研究報告を見ましても、子供さんからも保護者からも高い評価をアンケート調査では受けておりました。
 小学校高学年において、学級担任制を基盤としながら、一部の教科に専門性の高い教員が指導する教科担任制や──これは専門教科でやられてるかもわかりませんが──もう1つ進んで、同じ学年や5~6年生の担任同士が得意な指導教科を交換することで専門性を生かす教科担任制を広げることは、教員の専門分野、得意分野を生かした授業により児童の学習意欲を高めるほか、生徒指導の充実、学力向上、中学校への円滑な接続など、期待できると私は思います。
 生徒指導の充実で言わしていただきますと、複数の教員が組織的に指導することにより、児童1人1人を多面的にとらえ、よさや可能性を引き出すことができるんではないか。
 もう1点は、思春期を迎えた高学年の生徒の悩みや問題行動に対して、複数の教員が組織的に指導することになりますので、未然防止、早期発見、早期対応になるんではないか。
 続いて、学力向上面で思うことは、1人の担当教科が少なくなることで、担当する教科の教材研究や教材準備の時間を確保でき、児童にとってわかりやすい授業が提供できるんではないか。 
もう1点は、教科担任となることで、複数回同じ内容を指導することになりますので、教材研究の充実と指導力の向上につなげられるんではないか。
 そして、中学校への円滑な接続ですけども、中学校における教科担任制──小学校、中学校と義務教育が9年間ありましたら、6年生を過ぎて今度は中学校になりますと突然教科担任制がぱっと来るというよりも、やっぱりある程度中間的なところでスムーズな対応が図れるんではないか。
 もう1点、これは小中一貫にも関係するんですが、近隣、近くに中学校があれば、教員の兼務発令ができれば、より一層中学校へのスムーズな適用を図ることができるんではないか。
 主にこのような理由がありますので、それをもちまして、小学校高学年への学級担任制を基盤とした教科担任制の推進について教育長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 小学校高学年における教科担任制の導入ということでございますけども、今議員御指摘のように、現在、確かに中学校への接続の問題、あるいは専門教科を生かした学力向上とか、あるいは生徒指導の充実とかという面で、一定のメリットがあるというふうな報告を受けてございます。
 本県でも、教員の専門分野、得意分野を生かした授業で、本当に子供たちの学習意欲を高めることができるんだとか、あるいは中学校への接続なんかを考えると本当にいい面があるんではないかということで、専科教員という名称で、実技を伴う理科だとか音楽だとか家庭などの教科を中心にして導入している例が多く見られます。
 ただ一方、そういうふうな側面があると同時に、小学校の場合は、担任が子供と触れ合う時間が、専科教員が入ってきますと時間が少なくなるという課題もあります。そうすると、子供との人間関係、特に課題の多い子供たちが担任とどう触れ合っていくのかという課題も反面出てくるというふうに言われています。
 そういう中で、特に規模が小さい学校であればそれは可能なのかどうかというさまざまな課題が指摘されて、実施は難しいという学校もございます。
 教科担任制の、特に小学校の高学年の教科担任制というのは、そういう議員御指摘のようなメリットもあるんですけども、基本的には設置者である市町村の教育委員会や各学校がその実態に応じて検討するものと考えておりますので、県としましては、その成果につきましては、議員御指摘の点を踏まえて研究をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。
 いつも、担任と子供が触れ合う時間が少なくなり、子供との人間関係を構築する上で課題があるという話は、議論をさせていただきますとよう出てくるんです。
 これにつきましても、私は、大人の目線から見るとそうかもしれませんけど、子供の目線から見ますと、義務教育、小学校6年間、中学校3年間、足して9年間としましたら、中学校へ行きますと全部教科担任制でしょう。で、担任の先生がおると。
 小学校1、2、3年生の低学年のときは、やっぱり子供も同じ先生に全部見とってもうたほうが安心感がとてもあると思うんです。ところが、成長していきますと、やっぱり人間関係というか、触れ合う先生の幅もちょっとずつでも私は広げていくべきやと思うんですよ。何でかといいますと、今、人間同士のぶつかり合いの中で知識を得るというよりも、仮想の知識が先に入ってきてると思うんですよ。
 だから、1、2、3年生はそうではないかもわかりませんが、4年生ぐらいになると、いろんな仮想の知識が入ってきて、本来は人同士のぶつかり合いとか出会いの中で知識が入ってくるとかしなければいけないところが、そうなっているんではないかというところがありますので、どっちかいうと、中学校3年間はもうびっちり教科担任制でいきます、小学校の最初は学級担任制でしっかりいきます、その中間的なところは、わかりやすい例をしますと、担任の先生が男の先生やって、社会とかほかの教科で何人かその先生に教科を担任してもらうと女性の先生とも出会える、また違った先生とも出会えるという、そういう幅を広げてあげるというかな。
 だから、もう完全に、子供が生まれて、最初はお父さん、お母さんやって、家族やって、地域やって、幼稚園へ行って、保育園へ行って、だんだん人間関係の幅を広げて、最終的にはグローバルな感覚に仕上げて社会に巣立たせてあげるというのが自然の流れと思うんで、その流れからいくと、この中間的なところに、より、ちょっとでもええからいろんな先生と触れる機会──いろんな先生と触れると、いろんな先生がその子を見てくれますんで、多面的に見ますやん。
 もう1個あるのは、教師集団の活性化にも僕はつながるん違うかなと、そのように思うわけです。
 ですので、先ほどそういう意見や考えがあるということでしたんですが、私の意見に対して教育長のお考えを再度お聞かせください。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 私の考えということでございますけども、私もいろいろな学校を経験してございまして、そういう中で、確かに今、先生のお考えのような方がたくさんいらっしゃることも承知しております。
 そういう中で、ただ、本当に生徒の実態、あるいは学校規模の問題、あるいは地域の実態等を総合的に考えて、先生のお考えをしっかりと受けとめながら、私としてはいましばらく研究を深めてまいりたいというふうに思っています。その先生のお考え方がどうというんではなくて、評価もまだ定まっておらないということも御理解いただけたら大変ありがたいというふうに思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 ちょっと思いが熱なってしまいまして、ちょっと押しつけたみたいになってしまいまして、失礼いたしました。
 調査研究していただいたらいいんですが、余り調査研究ばっかりしてますと、そちらのほうで疲れてしまうということもございますので、なるべく早く──私の意見がすべてではないと思います。でも、ちょっとでもやっぱり子供たちの成長段階に応じて、旧態依然のままではなくて教育改革したっていただけたらと思いますので、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
 それでは、3番の質問に移らしていただきます。
 公立中高一貫教育や公立中学校──私の場合は、県立中学校も市町村立中学校も公立中学校で同じやという意味を込めまして、ここに県市町村立の教育効果をより高めるための取り組みや今後の県立中学校のあり方についてとさしていただきました。
 本県では、平成16年4月に初めて併設型中高一貫校が県立向陽高等学校のほうに設置されたのを皮切りに、和歌山市を初め橋本市、御坊市、田辺市の各地域に、これまで5校の県立中学校が設置されてきました。ことし、3校目の卒業生を送り出したところやと思います。
 また、平成23年3月には、第9期きのくに教育協議会より、教育システムのあり方、中高一貫教育、特に県立中学校のあり方について、多くの検討課題の報告を受けていると思います。
 ちょっと言わしてもらいますと、高等学校進学時のクラス編制について、6年間のカリキュラムでいくのか、途中で混成クラスをするのか、そういうところが指摘されています。
 県立中学校と設置地域の関係について、そして中高一貫教育の制度について、最後に今後の県立中学校のあり方についてということで、「県立中学校だけでなく、公立中学校を含めた地域の初等中等教育の在り方について総合的に検討していく」、「県立中学校が設置され、希望を持って入学してくる生徒がいる中で、見直し等は困難が予想されるが、次の2つの視点が重要である」ということで、1番に「県立中学校一律に1学年80名を募集するのではなく、地域の生徒数や地域の公立中学校の希望等様々な要件を勘案しつつ、検討する必要がある」とあります。2番目に、「新たな県立中学校の設置については、以下の点から難しいと考える」ということで、「今後一層少子化が進むと予想される状況の中で、公立中学校へ進学する生徒が減り、公立中学校の統廃合につながるなど、地域への影響が大きい。県立中学校への入学者の中には、地域の公立中学校におけるリーダー的役割を担う生徒が多く含まれることから、地域によっては私立中学校への入学者と相まって、公立中学校の学校運営や教育活動へ影響が見られる」、そういう報告を受けているわけでありますが、報告を受けて今、約1年3カ月を経過しています。
 そんな中で、公立中高一貫教育や公立中学校の教育効果をより高めるために、やっぱり県立中学校をつくって、それがきっかけで市町村立の公立中学校もよくなっていくと、そういう取り組みをすべきではないかと私は考えておりますので、その取り組みや今後の県立中学校のあり方について教育長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 公立中高一貫教育や公立中学校の教育効果をより高めるための取り組みや今後の県立中学校のあり方についてお答えいたしたいと思います。
 今、議員御指摘のように、県立中学校と地域の公立中学校の両方が切磋琢磨しながらそれぞれレベルアップを図っていくことが基本的に非常に重要だというふうに思っています。そのために、今、該当の橋本地域でもそうですが、公開授業での教員の交流を初め、部活動や文化活動での生徒同士の交流を進めるなど、連携を深める取り組みを行ってございます。
 特に橋本市では、県立、市立中学校、公立中学校の関係者が集まって──公立というよりも市立ですね──橋本市立中学校の関係者が集まって、お互いの教育効果を高めるにはどうしたらいいのかということで、現在、真剣に検討している状況でございます。
 第9期きのくに教育協議会からの御指摘はそのとおりでございまして、私としましては、この報告を受けまして、これまでさまざまな観点から教育委員会に要望等が出されていることを承っております。
 その中で、特に私としては、県立中学も市町村の公立中学校も、まさに親にとったらすべての子供たちが何とか立派に、健やかに、たくましく育ってほしいという願いは、これは変わらないと思ってます。
 そういう意味で、一律80名がいいのかどうかということにつきましても、既に教育委員会の中でもさまざまな形で検討を始めております。全国の状況も調査をしながら協議を重ねておりますので、今後そのあり方につきましては、より望ましい教育環境を整えるために地域の教育委員会や学校関係者等の意見も十分伺いながら、今年度末までに一定の方向を出していきたいというふうに考えてございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 今年度末までにということでございましたんで、期日を切っていただいて本当にありがとうございます。
 でも、言いたいことは、もう1年3カ月たっている。あんまり検討ばっかりしてますと、中学校1年生の子が卒業してしまいますので、どうか、方向性を出しましたら、もう来年度には施策展開ができるようにお願いいたしまして、次の質問に移らしていただきます。
 次は、市町村への権限移譲についてであります。
 地方分権の1つとして、住民の利便性の向上、住民の意向の的確な反映といった観点から、住民に身近な行政はできる限りより身近な地方自治体である市町村が担うことが望ましいといった観点に立ち、平成21年3月に市町村への分権に関する計画を策定し、県から市町村への権限移譲が行われています。
 平成23年度でおおむね移譲され、今回の6月議会にも提案されていますが、地域主権改革一括法による県事務特例条例から改正していくというのは出ておりますが、以下3点について、これ、一問一答制でございますので、1番から行かしていただきます。
 まず、県民に混乱を招くような状況になっていないか。あと、二元代表制の議員でございますので、まず、計画がある程度終わったらやっぱりチェックするというチェック・提言機能というのが二元代表制の議員と思いますので、私、県会議員になったときによく問い合わせがあったんです。
 これ、県やったんだけど、今度は市になるんかなというのは、何でかわかりました。22年度に多くの法律を権限移譲してあるということでしたんで、そういうお話がよくあったんで、一番やっぱり県会議員として気になるのは、県民の皆さんが混乱していないか。これがまず気になりますので、おおむね終わった時点で県民の皆さんが混乱を招くような状況になっていないのか、総務部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 総務部長米澤朋通君。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) 市町村への権限移譲につきましては、住民の皆様の利便性の向上のため、市町村と協議した上で、平成21年3月に市町村への分権に関する計画を策定し、その権限の移譲を行ったところであります。
 移譲に当たりましては、県及び市町村のホームページでの周知はもとより、パンフレットの作成や「県民の友」への掲載等による広報活動を実施するとともに、市町村において円滑に事務処理が進むよう、事務マニュアルの作成や市町村の担当課に対する研修会の開催などの取り組みを行ってきたところでございまして、県民の皆様に混乱を招くような状況は生じていないと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 はい、ありがとうございます。
 私も、最近そういう──なったときはあったんですが、年明けから余りそういうお問い合わせというのはなくなってますので、多分混乱はしてないと思います。県の取り組みがしっかりしてたからあんまり混乱してないんやろうなということでよくわかりましたので、どうもありがとうございました。
 次に2番です。
 県が所管していた時点の係争案件や問題となっていた事案において、市町村が受け継いだ場合の適正な処理についてでありますが、これはやっぱり市と県の関係の中で起こってくることやと思います。
 まあいえば、裁判を起こされている事例が権限移譲で市に来たから、そのまま市も訴えられるようになったという案件を聞かしていただきましたんで。こうなりますと、私は、基本的に県のときのことについてはやっぱり県が面倒を見る、市町村に移ってからのことは、それが原因で起こったことは市町村が頑張ってもらわんと、基礎的自治体が頑張るということでございますので、そういう仕分けやと思いますので、県が引っ張っていったものについては、やっぱり県が力を入れて解決すべきやと思っておりますので、その点について総務部長にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 総務部長。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) 県が所管していた時点の係争案件、問題となっていた事案につきましては、移譲後においても裁判への参加や県職員の派遣を実施するとともに、係争処理対応のために特別な経費が必要な場合には調整交付金を交付するなど、必要な人的財政的支援を行っているところでございます。
 また、日常的に所管部局において助言も行っておりまして、今後とも県として引き続き責任感を持って対応してまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございます。
 引き続き責任を持ってということをお聞かせいただきましたんで、どうかよろしくお願いいたします。
 やっぱり市町村って──県の場合は組織も大きくてそれなりの能力も持ってますので、そのときの皆さんがやっぱり力をかしたってもらわないと、突然来てもわからないというのが実情やと思いますので、その辺は配慮していただきまして、よろしくお願いいたします。
 次に、3番目の権限移譲に伴う市町村の行政コスト増加分と、権限移譲に伴う市町村への交付金額の乖離についてということで、これにつきましても私は心配をしておりました。
 なぜかと言いますと、私は市町村合併を経験しておりますので、三位一体の改革ということで、まず基礎的自治体をしっかりさせようということで、平地と山間では違うんですが、1つの交付税の標準基準でいきますと、160平方キロの10万人、民意の反映でしたら20万人以下、標準財政規模で言いますと、1つの市に1つの体育館とか公民館を維持しよう思うんであれば標準財政規模は100億以上みたいなふわっとした基準の中で頑張ってコストダウンも図ってきたと。
 そうなって、大体今の時期、同じようなときに合併してますので、定員適正化計画も目標を達成したころになってますと思うんです。ところが、そんな中、仕事がふえてる状態になってるということなんで。
 言いたいのは、業務量の行政コスト分、やっぱり手当てができているかというのがどえらい気になるんです。というのは、住民の身近なところでそれができてないと、市町村がかなりの無理をしますと、やっぱり影響を及ぼすのは県民でございますので、県民に影響を及ぼす状態になってないかということで調べさせていただきました。
 私、調べるとなりますと、私が和歌山市に調べに行ったら怒られるでしょう。私は、橋本市のほうに無理やり、22年度、23年度に──事務事業評価を見ますとどのぐらいの仕事量に対してどのぐらいの人件費等がかかったかというのが出ますので、それを計算しますと、22年、23年度におきまして2.84人、1年間で23年度の末ということになりますけども、職員1人当たりの平均給与から、これ、平成22年の普通会計ベースで計算したんですが、かかった人件費でいくと1825万5520円になるようです。
 そして、交付金で受け入れた額が462万469円ということで、その先の詳しい事情は私はわかりませんが、乖離額が1363万5051円という、私の政務調査ではそういう結果になってますので、これが近い状態やったら心配はしないんですが、かなり1300万の乖離があるということですので、1800万のコストがかかって1300万の乖離があるということなんで、これはもう市町村にとったら適正な事務が果たせる状況にないのではないかということで、私は心配をしておるわけでございます。
 このことにつきまして、総務部長、答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 総務部長。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) 移譲事務に係る財源につきましては、和歌山県移譲事務市町村交付金要綱により交付金額を算定しております。具体的には、人件費に事務費を加えた交付単価に処理件数を乗じたものを基本とし、これに初年度準備金や調整交付金を加えて算出した金額を交付しているところであり、市町村にも説明を行っております。
 このように、移譲事務に係る市町村の標準的な行政コストを措置しておりますため、市町村からは金額が些少であるといった意見は聞いておりません。
 ただ、今、先生、2.84人と。橋本市の場合はですね。これが、だから橋本市が適切な事務処理をされてるのかどうかというのもあると思うんですが、一方で、地域主権改革のもとで全国的に事務移譲が進んでまいりましたので、全国調査を行いまして、適正な交付金の水準等については検証してまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 今答弁ありました事務事業評価につきましては、私、市会議員のときに取り組んでおりましたので、総務省の基本にするところをカスタマイズしたという形ですので、さほど違っていない。
 何でそうしたかというと、ほかの市町村と比べることができないので、ある程度その総務省の方向性のもとにつくってありますので、事務事業評価につきましては、県もやられると思いますが、余り変わってないんと違うかなというふうに思っております。
 ただ、1点あるのが、先ほど部長がおっしゃられた、7月以降と聞いてますけども、まあいえば、地域主権一括法のほうで地方交付税に算定して直接市へ持っていくというお話になりますので、私は、県がどうこうという話ではなくて、国のほうがやっぱり市町村の現実を見たっていただいて、地方交付税を分けるときに、やっぱり県でまとめてやっとった仕事を分散さすと必然的にコストは高くなるん違うかなというところがどえらい思うんです。これ、物理的にそう思うんですが、それについて考慮していただけるように、国と近いお方と聞いておりますので、市町村の声を上げといたっていただけたら一番ありがたいと思うんです。
 その辺、要望さしていただいて、次に行かせていただきます。
 次に、これは分割方式により質問させていただきます。
 高野山開創1200年に向けた川筋ネットワーク(橋本五條道路~X軸ネットワーク国道480号)の整備についてということで、まず1番で向副地区の早期整備についてお願いしたいんですが、川筋ネットワーク、私、好きな道なんです。ここを通ると、いつも県庁へ来るときに通らしてもらうんですが、和歌山の香りがする。そういうように思うんです。紀の川のそばを通ってきますと、四季折々に、果樹王国でございますので、いろんな果物の花が咲いたり香りがしたり、そして紀の川がきれいに見えたりするんで、すばらしい道やと思います。
 高野山開創1200年、午前中にも知事のほうからありましたけれども、高野山周辺でやっぱりお金が落ちる仕組みをつくらんなんということで、この今言わしていただいてる橋本五條線とX軸ネットワークの480号線の間というのは、このままいきますとこの向副の地区だけがセンターラインが入っていない状況になるんで、早う直してほしいということもあるんですが、1点大きいのは、この道沿いに、県境から言わしてもらいますと中将姫の里の恋し野の里がありまして、そしてあじさい園があって、植樹祭を記念して市民の森があるわけです。
 ちょっとこっちへ来ますと、今芸能界でも有名な溝端淳平君の実家があります。そして、プロ野球の筒香君の実家もあります。それを和歌山へ向いて来ますと、全国HERA-1選手権をやっております隠谷池。全国のへら竿師のあこがれの池であります。全国大会を開くと、関東からも40~50人来て、そして韓国からも来てくれております。そういう池があります。
 もうちょっとこっちに来ますと、和歌山寄りに来ますと苅萱堂。これ、人魚のミイラとか石童丸物語がある苅萱堂があります。そこから九度山町に入りまして、九度山町に入りますと世界遺産の慈尊院。そして、そこから町石道が上がっていると。その近くには真田幸村の真田庵と。今、信州で真田幸村が生まれたもんですから、そこと連携しておそばをやっているということで、それの幸村庵があります。
 この道をずっと通って、480号線のX軸ネットワークで高野へ行きますと、これはもう門先生に聞いていただいたら周りにいっぱいいいものがありますので。そうなりますと、ちょうどネットワークを組んで、まだあるのが高野七口の多分──多分と言うたらあかんねんね──5つはその道から出てる、そういうふうになってます。これだけのものがネットワークされるということになりますので、私はディズニーランドより強いと思います。
 ただ、1個1個磨き上げるのは、そらもう地域の人が頑張るという大前提でないと。だから、これがきれいにつながりますと、県は、皆さんが頑張れるインフラ整備をしましたよ、地域の皆さん、ええもんあるんで、それを光らしてくださいよ、こういうふうなことが道路政策ではないかなと思いますので、どうか向副地区の早期整備、よろしくお願いしたいと思います。
 それで、2番です。これは、川筋ネットワークとして168号に接続することで整備効果が一段と増す。これは奈良県のほうの道のことでございます。
 国道168号線、地域高規格道路五條新宮道路に3.5キロと、そのぐらいで、一部は2車線化されているんですが、もうちょっと頑張っていただくと、そこがきれいにネットワークがつながるということでございますので、その2点につきまして、県土整備部長、答弁をよろしくお願いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県道橋本五條線につきまして、川筋ネットワーク道路として重点整備を進めているところであり、現在、橋本市上田地区において交通安全事業を、また橋本市赤塚から恋野間において拡幅事業を進めているところでございます。残る橋本市向副地区の河川堤防沿いの未整備区間につきましては、事業中区間の進捗を踏まえ、今後、河川管理者とも協議を行い、地元関係者の御意見を聞きながら、具体的なルートや構造の検討を進めてまいります。
 また、橋本五條線の奈良県側につきましても、和歌山県側に引き続いて国道168号まで整備を行うことで、川筋ネットワーク道路としての整備効果がより発揮されるものと期待されます。県境から国道168号までの奈良県側約3.5キロのうち約4割が未整備で、現在のところ整備計画はないと聞いていますが、今後、奈良県に対してネットワークとしての整備の必要性を訴え、早期整備を働きかけてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。
 向副につきましては、物理的にいろいろ難しいところがあるとは聞いておりますが、できる限り1200年祭、どないかそれまでに完成できますように努力していただけますよう、よろしくお願いいたします。
 そしたら、次の第4項目に入らしていただきます。
 毎回質問さしていただきますんですが、国道371号地域高規格道路大阪橋本道路石仏バイパス(橋本市柱本~河内長野石仏)の早期整備に向けてであります。
 先日、向井先輩議員、平木先輩議員と御一緒さしていただきまして、国道371号バイパス建設促進協議会、これ、ことしの5月29日に行かしてもうたんですが、大阪の現場のほうに御一緒さしていただきました。たまたま一般質問、今回、橋本市からは私だけでしたので、これはやっぱり言わしてもらわんなんと思って質問さしていただいております。
 そして、向こうでお聞きしたところ、今年度の予算が2億円。昨年度が2億8000万やったということなんです。知事が一生懸命和歌山県のほうを整備して、もう25年には完成して、そこまで来ている状態で、今のままでは第2工区すら、聞きますと30年までにどうかなみたいな返事でしたんで、みんなちょっとしょげて帰ってきたというのがあるんです。
 知事が頑張っていただいてるのはよくわかるし、相手のことですので──ただ、1つ気になるのが、この道は、もともと大阪府も入りまして、関西全域で近畿自動車道と京奈和自動車道のこのネットワーク、地域高規格で4車線でいくという、昔のデータを見ますとそういう計画であって、何か大阪の都合でちょっと暫定2車線になったり、財政の都合で今の石仏まで来てると。本来は、美原からという計画になってたのが変更になってる。いろんな理由があったと思います。過去のことですので。
 ただ、どう考えても関西全体を見たときに、和歌山市に向かう、橋本市に向かう、橿原市に向かう、奈良市に向かうという、この関西の都市圏の広域化というのは、やっぱり関西広域連合でも考えていかないと、大阪平野って狭いですから──関東平野の6分の1ぐらいやと思いますわ──そこで関西の発展をというても、やっぱり都市圏の広域をやって、面的に大きくして頑張っていくというのが本来わかりやすいことやと思います。
 そういうことはわかってらっしゃると思うんですが、仁坂知事がわざわざ直接──和歌山県のトップです──お願いに行って、枠配分方式の選択と集中なんてことはわかって行ってるわけですよ。その枠をどないかしてもらえれへんかという、僕はお話やったと思っております。
 そのときに、僕は和歌山県の教育で教わったのは、大きなとこは、小さなとこが頑張っているときには少々我慢してでも手を差し伸べてあげるという教育を私は受けたと思ってます。その話でいきますと、関西広域連合の中で中心となるべきところは、相手の事情があったらやっぱり努力するという姿勢がないと、感情的かもわかりませんが、これでほんまに関西広域連合がうまくいくんかなと、そういうふうに私は思うわけです。
 その点から言いましても、このままでいくとどうしようもないなと感じた方からどういうお話が出ていったかというと、「和歌山県はしっかり25年までにやって、26年度から掘ろうと思っても掘れる。もうトンネルを先行的に掘ったらどうや」と、そういう声が県民のほうから聞こえてきましたんで、「じゃ、一度知事にお伺いしてまいります」ということで、和歌山県側からの府県間トンネルの先行着手について知事のお考え、そしてまた、関西広域連合の一翼である和歌山県として石仏バイパス整備促進のために大阪府に対してどのように働きかけていかれるのか、あわせて知事にお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のように、どうも大阪府はちっちゃい発想しかできないんで、そのままじゃ絶対に東京に負けるぞということなんですが、それをずっと理解しないで今まで来たということだと思います。だから負けたんだと。
 そういうことを、私は歴代の、私が知事になってからですが、一生懸命説得をいたしまして、それで常に太田さんとか橋下さんとか松井さんにもいろいろお願いをしたり──お願いをするというか意見をして、それで、そのままじゃ大阪はだめだから、大阪がだめだと和歌山も困るから考えを直してやろうねというようなことを言ってまいりました。
 太田さんに対しては、実は大阪府は財政が苦しかったんでしょうか、どういう経緯か知りませんが、それまで県境方面での公共事業を凍結していたそうです。それを、少し余裕も出てきたので、凍結は解除しますからということで、ばたばたと大分進み始めたということになっております。
 しめしめと思っておりましたら、太田知事が失脚をしてしまいました。これはいかんというんで、橋下新知事に慌ててまた意見をしに行きまして、そうすると結構そういう点については理解をしてくれて、大関西でいくんだというんで、その一環として結構和歌山県の県境のあたりの公共事業──道路工事ですね──道路工事に3分の1ぐらい実は費用を充ててくれております。その3分の1を前提にして、371もぜひやってくれと。371の進展だけ遅いもんですから、371もぜひやってくれというふうに橋本市長、ほかの方と頼みに行きました。
 そしたら、3分の1という枠内であれば、和歌山県側でいろいろ順番をつけて、それで提案をしてくださったらちゃんとかなえますということを言われまして、ちょっと心中、「和歌山県の問題かよ」という気持ちはありましたが、しかし、これは得だと思ってそれに乗りました。
 その結果、その3分の1の現在の金額を変えないで──大阪がですね──371も早期にできるじゃないかというようなことを提案いたしましたが、今度はその提案を見ると豹変をされまして、先ほどの教育の話でいえば、大きなところは小さいところを配慮するんだという話がありましたが、うそをついてはいかんというのも教育のうちだと思いますが、豹変されて謝られちゃいまして、それでお金がないから勘弁してくれということで、大変困ってる次第なんであります。
 これが現状でありますが、これは和歌山だけの問題ではありませんで、先ほど申し上げましたように、関西全体で大阪が東京に伍して生きていけないという、小さく縮こまったら生きていけないという問題だから、ぜひこれからも配慮してくれということを言っていくつもりでございます。
 実は、和歌山県側から先行して着工できないかという点については、大阪がコミットをしてくれるという前提で、つまり大阪は少しおくれるけれども必ずやりますということであれば、和歌山県は先に始めると。始めるから、和歌山県側が掘ったところを今度は利用しながら、両側からトンネルを掘れるわけですね。
 そういうことをやっていったらいいんじゃないかというようなことを申し上げておきましたが、必ずやるということを言わないと、これは無駄な公共事業になってしまいますので、ちょっとこのままじゃいかんなということであります。
 橋本バイパスと京奈和が先にできたら、大阪側こそ陸の孤島になるぞと私は分析しておりますが、こういうことも指摘しながら、これからも大いに大阪側に圧力をかけたり説得をしてまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岩田弘彦君。
  〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございます。
 地元の橋本市さんのほうも、奈良県五條市と大阪府河内長野市、和歌山県橋本市で3市協をやっておりますので、その中でやっぱり五條を味方につけて頑張ろうかとか、いろいろと戦略は考えておりますので、地元も向井先輩議員、平木先輩議員ともども3人で頑張っておりますんで、どうか知事も頑張っていただいて、早期整備、よろしくお願いいたします。
 以上で、私の一般質問終わらしていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。

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