平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(全文)


平成24年6月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(全文)


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正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

平成24年6月
和歌山県議会定例会会議録
第3号
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議事日程 第3号
 平成24年6月20日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第86号から議案第102号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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会議に付した事件
 第1 議案第86号から議案第102号まで並びに報第1号及び報第2号(質疑)
 第2 一般質問
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出席議員(41人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 39番 山下大輔
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
〔備考〕
12番 欠員
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説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       藤本陽司
 国体推進監      若宮茂樹
 危機管理監      半田和雄
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       野田寛芳
 環境生活部長     米田和一
 福祉保健部長     山本明史
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     尾花正啓
 会計管理者      雑賀忠仁
 教育委員会委員    寺村多喜
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    片山博臣
 警察本部長      山岸直人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長       宮端 宏
 次長         上坊 晃
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     中谷政紀
 議事課課長補佐兼班長 中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      岸裏真延
 総務課長       谷  巌
 政策調査課長     谷村守彦
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  午前10時0分開議
○議長(山下直也君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第86号から議案第102号まで並びに知事専決処分報告報第1号及び報第2号を一括して議題とし、議案等に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 34番大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕(拍手)
○大沢広太郎君 おはようございます。
 中村前会長の後を受けて、自民党県議団の会長に就任をいたしました。今後ともよろしくお願いをいたします。
 そういうゆえをもちまして、今議会、一般質問のトップバッターとして機会をいただきました。
 まず初めに、今月6日、三笠宮寛仁親王殿下が薨去されました。寛仁様は、日本・トルコ協会の総裁として両国の親善に御尽力をされてこられました。潮岬沖で遭難をしたエルトゥールル号を通じ、串本町など、本県に合わせて8回も御来県されました。「ひげの殿下」として親しまれ、寛仁様はその都度多くの県民の皆さんと親しく触れ合ってこられました。
 県民の皆さんとともに、心から哀悼の意を表したいと思います。
 また、今月7日、我々の同志、仲間でもあります川口文章議員が御逝去をされました。
 病魔と闘いながら思ったことでしょう。「もう一度元気になって、この議場に帰りたい。もう一度、同志の皆さんと語り合いたい。そして、奥さんや子供さんがおられる自宅に帰りたい」と思ったに違いありません。
 しかし、天命というのは、いかんともすることができませんで、70歳の天命を全うされました。心から御冥福をお祈り申し上げます。
 それでは、通告に従いまして、この夏の電力不足問題や防災対策を中心に質問をさせていただきます。
 まず、1点目の電力不足問題についてであります。
 東京電力福島第1原発事故以来、原発の問題点や怖さが連日マスコミなどによって報道をされ、脱原発の動きが各方面で叫ばれるようになり、脱原発が1つのブームとなりつつあります。さきの菅内閣では、原発の事故後、安全宣言を出したかと思うと、すぐ後にストレステストの実施など、唖然とするほど方針が二転三転いたしました。
 私は、積極的に原発推進論を唱えるつもりではありませんが、よく考えてみますと、このままでは日本国が沈没してしまうのではとの大きな懸念を抱いています。
 民主党政権下では、閣僚を初め多くの幹部らが、すべての原発をストップさせるなどの脱原発ムードが大きく漂っています。この結果、関西電力管内では、この夏に原発が稼働しなければ最大で19.3%の電力供給不足が生じるとの見通しを立てていました。
 このため、関電では、大規模停電の回避策として、20%を上回る節電要請を行うとの方針を4月下旬に打ち出しました。この20%の節電方針に、役所を初めとする公共機関やマスコミなども大きく構え始め、節電という二文字が大きく躍り始め、情けないかな、今度は節電ブームが到来し始めました。
 また、県などの自治体では、節電対策としてクールビズを昨年よりも前倒しをして5月1日からスタートをさせたほか、県内の銀行などの事業所も早期実施をしております。このほか、県内のある会社では、秋の連休と夏休みを振りかえて、夏休みを4日間ふやして、この長い夏休み期間中は工場の操業を停止して電力不足を乗り切ることも検討中だとのことであります。
 無駄な電気を使わないといった節電は、本来推進されるのは当たり前であります。しかしながら、今回のような節電ブームによって、景気の低迷にさらに拍車がかかることは間違いありません。
 昨年の3.11大震災の際も、私の地元、紀南地方では、JRの列車が間引き運転をされ、地方の医療機関に通うお年寄りらに大きな影響を与えたほか、電車通学する生徒がクラブ活動を切り上げて下校する事態も生じました。さらに、この節電ブームによって、紀南地方の経済の根幹をなす観光産業やサービス業などにも大きな影響が出るのではと、私の地元からも心配の声が上がっております。
 脱原発、あるいは再稼働など、ぶれにぶれまくる民主党政権では、今月に入ってようやく大飯原発3、4号機の再稼働を打ち出し、計画停電などの心配はなくなりつつあるとのことであります。ここに来て、政府は、関電管内の節電目標を3、4号機の稼働状況を見きわめた上で5から10%節電に引き下げる方向だとのことでありますが、関電の八木社長は、16日の記者会見で、7月下旬までは極めて厳しいと述べ、当面は綱渡り的な状況で15%の節電目標は残すべきとの考えを示しています。
 世界の先進国の中で、節電を呼びかけての生産体制の見直しや自粛といった方策が声高々にまかり通っている国は我が国だけで、強いて言えば、民主党政権による国の運営に大きな課題が浮かび上がっています。
 さらに、我が国の電気料金は、さきの先進国に比べて高い上に、さらなる料金の値上げが現実化してきております。このままでは、企業や工場の海外移転に拍車がかかり、国内の産業の空洞化は必至の状況であります。まして、地方である本県への企業誘致にはかなりの困難が予想されます。
 高齢化社会となり、このままでは日本のGDPは2050年には世界第4位に転落するとの経団連の試算も先日発表されております。電力不足問題を初め多くの案件に対してスピード感がない民主党政権下では、日本は沈没の危機に陥るとの声が経済界からもわき上がってきております。
 先日、我が自由民主党県連の吉井和視幹事長ら役員3人が大阪市の関電本社を訪れ、大飯原発3、4号機の安全性を確認されることを前提に、一刻も早い再稼働を求めたいとの要望書を手渡しました。
 ここに来て、国は大飯原発を再稼働させて電力不足危機を乗り切ろうとしていますが、もし何かのトラブルで電力不足が生じる可能性も想定しなければなりません。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 この夏の気温は平年並みかやや高いとの予想が出ており、異常なくらいの節電のブームを反映して、エアコンの使用を控えたりするお年寄りや小さい子供が熱中症にかかるケースが例年より多く予想されます。こうした電力不足からくる熱中症等の対策について、どのように取り組まれますか。
 このほか、企業、事務所に対して、土曜、日曜、祭日への操業の振りかえや早朝操業など、どのように指導していくかについてもお伺いをいたします。
 さらに、電力不足問題について質問を続けます。
 そこで、私なりの節電策について提案をさしていただきます。
 バブル経済期から近年にかけて、県内にある美術館や役場庁舎など、多くの公共施設はデザイン性が重要視されて建設されています。ある警察署は、玄関を入ると、いきなり大きな吹き抜け空間が広がる設計をなされています。この建物、見た目は立派ながら、エアコンや暖房費といった光熱費が物すごくかかると、会計責任者は頭を抱えているとのことであります。
 このほか、この時期に建設されたほとんどの公共施設には、自動ドアやエレベーターが設置をされております。この自動ドアやエレベーターは、体の不自由な人やお年寄りに必要なのは間違いありません。しかしながら、ある公共施設を観察したところ、ほとんどの人が小さい手動式のドアがあるにもかかわらず、大きな自動ドアを使って通行するのが当たり前となっております。自動ドアやエレベーターは、県内の何100カ所もある公共施設に設置をされておりますが、モーターによって作動することから、かなりの電力が多く消費されます。
 そこで、県当局といたしましては、自動ドアやエレベーターをなるべく使わないという節電と健康増進策を兼ねた一石二鳥の効果を公共機関に広く呼びかけてはいかがでしょうか。この点についてもお伺いをいたします。
 電力不足の問題の最後の項目をお伺いいたします。
 東京都が、先日、東電頼みの電力供給には疑問が残るとして、ベイエリアにLNG発電所計画を打ち上げました。また、我が県議会でも、和歌山市議会とともに、関電が計画を先延ばしにしている和歌山北港沖の埋め立て島でのLNG発電所の早期建設推進について、関電に申し入れを行いました。このLNG計画の実現には、長期的な時間を要します。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 LNG発電所の建設推進については、今後、どう取り組むかについて答弁をお願いいたします。
 続きまして、防災対策についてお伺いをいたします。
 私は、昨年の6月議会で、3.11大震災を受けて、紀南地方の津波・防災対策についてただしました。これは、いざ津波発生というときに対策が余り講じられていない点について取り上げました。
 それは、紀南地方を初めとする海岸沿いに、津波情報などを知らせる災害や道路・交通情報板がほとんど設置されていない点や、国道42号を初めとする海抜の低い道路を走行中の車両が高台へと逃げる避難誘導道路、それの案内・誘導表示板の設置がなされていないことであります。また、津波や高波で寸断された国道42号にかわって高台や山間部を走る自動車専用道路の整備促進を訴えたところであります。
 ことしに入って、国は、海沿いの国道に設置されてある道路標識や歩道橋の支柱などに海面からの標高を示す海抜情報板を掲示することを決め、全国的に実施するとのことであります。しかしながら、海抜の掲示だけでは避難誘導にはほど遠いものがあります。
 防災対策が各方面で叫ばれる中、3月末、内閣府の検討会が南海トラフ沿いの巨大地震による津波被害の新しい推計結果を発表いたしました。それによりますと、すさみ町では最大18.3メーター、御坊市では17.4メーター、和歌山市でも7.7メーターの津波が押し寄せるという推計であります。これを受けて、県でもすぐ有識者による検討委員会を立ち上げ、新たな検討を開始したほか、県内の沿岸市町村も、従来の津波想定を見直し、高台移転や避難所の整備、見直しの作業に入っています。
 このほか、県は、地震・津波の際の避難路の確保策として、避難路をふさぐおそれのある建物を知事の勧告、命令で撤去したり、また、耐震改修ができる仕組みの条例案をまとめ、今議会に提案をされています。
 また、県では、大地震が発生したとき、自分がいる場所の近くにある避難所がすぐにスマートフォンで検索ができて避難所まで案内をしてくれるスマートフォン向けのソフトを、ITソフト開発会社と共同で立ち上げました。これは、地元住民だけではなく観光客も活用できることから、防災面だけではなく、観光振興面からも大きな期待がうかがえます。
 話は少しそれますが、私は、先日、和歌山市の和歌浦地区に住む知り合いの方と面談をしたところ、この人は、「市から津波の避難場所を県立医大横の明和中学校から和歌浦小学校に変更すると知らせてきたが、どちらも海岸のすぐそばや近くで、ほんまに避難する場所になるのか、何を考えてるのか、こんなばかな話はない」などと大きな不満を募らせていました。そこで、よく調べてみますと、避難先は、秋葉山や名草山など、津波が来ても安全な避難先もあわせて広報していなかったことがわかりました。
 このように、海岸近くに住む人たちは、安心・安全なまちづくりをイの一番に強く望んでいるのであります。
 また、仁坂知事は、新たな津波想定を踏まえ、本会議初日の知事説明で、住民がより安全な避難先に避難できるよう、避難先に安全レベルを設定した本県独自の取り組みは高く評価されており、さらに今後、「まけるな!!和歌山パワーアップ補助金」制度を活用し、避難路の整備などに取り組む市町村を支援して、より安全な避難先の確保を目指したいと述べています。この仁坂知事の説明は、私には大きく防災対策を推進してもらえるなと感じた一方で、さきの住民の不安の声とは大きなギャップも感じるところであります。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 本県の被害想定を見直しするためには、設置されました県地震・津波被害想定検討委員会が審議する津波による浸水予測などの検討状況と、防災・減災対策の中でまず第一に推進をしなければならないのは、避難先の確保対策と、それの住民への周知徹底が大事な点でありますが、知事の取り組みについてお伺いをいたします。
 続きまして、県産品の販売促進戦略についてお伺いいたします。
 本県におきましては、梅やミカン、桃を初めとする特産品の販売拡大に向けて、農林水産部のみならず、全庁挙げて取り組んでおられます。また、仁坂知事も、就任以来、トップセールスとして、早朝の5時、6時に大阪や東京の中央市場などに出かけて、ミカンや梅などの農林水産物のPRを積極的に行っています。
 私の地元田辺市なども、市長や梅娘、それに地元の人たちが、6月6日の梅の日には首相官邸を訪れて総理に梅を届け、それにあわせて梅の消費拡大を東京の大田市場などで精力的に呼びかけています。
 私は、先月末、我が自由民主党県議団の前芝前副議長や浅井副議長ら8人の議員とともに、東京方面への視察に訪れました。
 その際に、有楽町にある東京国際フォーラムのカフェ・アンド・バー「プロント」を訪れ、そこで開催中の「つれもてWAKAYAMA」キャンペーンの会場に足を運び、サクラビンチョウマグロや紀州うめどりを試食したほか、梅の甘露煮の入ったハイボール、それにナツミカンとハッサクをまぜ合わせたジュースに健康志向ブームで人気を呼んでいるヒアルロン酸をコラボさせた結朔ぷるぷるジュースを試飲し、とてもおいしくいただきました。
 このキャンペーンは、サントリーの関連会社と県、それに県内の生産団体や食品団体などがコラボして行ったもので、ユニークな新製品の開発など、さまざまなケースでの販路の拡大に頑張っておられることに大きな敬意を表した次第であります。また、我々も、県産品の販路拡大に一役も二役も買わなければとの思いを新たに強くしたものであります。
 それから、有楽町駅前の東京交通会館地下1階にある県産品のアンテナショップ「わかやま喜集館」にも足を運びました。
 そこで、担当課の職員さんから、「おいしい特産品をPRしていますが、ことしからはおいしさにプラスをして、健康にもよいとされる機能を持つ梅やミカンなどを積極的にPRして、販路を拡大するため、『おいしい!健康わかやま』をキャッチフレーズに掲げ、そして、その魅力を発信しています。さらに、高品質な物づくりの推進のために、首都圏の皆さんのライフスタイルにマッチした、おいしさプラス健康、安全、安心、環境といった視点からの商品づくりにも取り組んでいます」との説明を受けました。
 このほか、喜集館では、本県ならではの観光情報やイベント情報の発信はもとより、独自の取り組みとして、今月のおすすめ商品コーナーでは、6月は青梅とぶどう山椒、それに今月の新規商品として和歌山ブランデーケーキや梅ぎょうざ、うめぶたカレーなどを紹介するコーナーも設けています。
 しかしながら、首都圏では、有田ミカンや南高梅を除けば、桃やブドウの果物や野菜など、本県の産品は必ずしも十分に認知されているとは言いがたいとのことであります。
 そこで、私なりに考えてみました。高級とされております値段も高い有田ミカンと他府県産の値段の安いミカンとを食べ比べてもらったり、紀州の南高梅と中国や台湾産の梅干しとの食べ比べ試食会といった大キャンペーンを展開して、どんなに本県産の特産品がずば抜けておいしいかを、大消費地の皆さんの舌を通じて認知してもらうことも大事であります。
 このほか、梅干しには疲労回復効果があることは、本県ではよく知られております。また、県庁を退職された私の知り合いは、ピロリ菌を退治するために、薬を飲まずに、朝晩に梅干しを食べることによってピロリ菌をなくしたケースも聞いております。
 また、都会の人たちに、梅干しやミカンなどを使い、魚介類などをおいしく食べていただくノウハウも知ってもらうことも大切であります。
 例えば、煮魚をつくる際、梅干し、または値段の安いつぶれ梅を入れて魚を炊く、魚の臭みがなくなるといった効果を伝えたり、また、重症者を除く糖尿病の治療を行っている人やメタボ対策に取り組まれている人に、煮魚のときに使う砂糖にかわって本県特産のミカンハチみつを使って余分な糖分の摂取を控えれるという、また、かんきつによる魚の生臭さを消す効果など、紀州の特産品の余り知られていない隠れた魅力の発信も、これからも大事な使命であります。
 そこで、知事にお伺いをいたします。
 これまでの取り組みを踏まえて、本県産の農林水産物の販路の拡大についてどのように取り組まれているのか、お伺いをいたします。
 以上で、私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(山下直也君) ただいまの大沢広太郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、節電による県民生活への影響についてということでございますが、この夏の電力不足による国からの節電要請は大変厳しいものがありました。産業界や社会生活への影響が大きくて、到底達成できるものではなかったと思います。関西電力大飯原発3、4号機の再稼働が決定されて、電力需給状況が改善される見込みとなりました。
 しかしながら、原発がフル稼働するまでは、準備を始めてから6週間かかる。また、フル稼働をしても、ようやく需給のバランスは昨年並みであります。さらには、関西電力は、古い設備も総動員をして動かしていますから、客観的に見ると故障リスクというのは昨年よりも高い可能性があります。したがって、当面は節電をしなければ不安があるという状態だと思います。
 そこで、県では、「わかやま夏の節電アクションプラン」を昨日発表しました。本来ならば、広域連合で統一をして、統一方針を決めて、それでみんなで同じようなことをやろうというふうにしなきゃいけないと私は思いましたので、それを進言しましたけれども、政府の目標が15%ということでまだ変わってない、フル稼働になるまでは15%で変えるつもりはないということなので、我々も変えるつもりはないというふうに担当委員などが言うておりますので、これはやっぱり県だけでやらないといかんということで、昨日発表さしていただいたわけです。
 県が率先して節電を実践しながら、県民や企業に協力をお願いしていく。フル稼働までは、当面、家庭とオフィスで目標15%以上ということでお願いしようというふうに思ったわけであります。
 まず、県庁では、冷房を3時間短縮いたします。課室照明の30%を消灯し、議員御指摘のように、一部エレベーターの停止などに取り組みまして、これでようやく20%の節電ということになろうかと思います。また、さきに述べたように、いろんな突発的な事態で、急に電力需給が赤信号になるということも考えられます。そういうときは、これは大変ということで、県庁に関していえば冷房を完全に停止するなど、50%ぐらいの節電を行うというつもりでおります。
 一方、家庭の皆さんには、エアコンの28度C設定とか、あるいは冷蔵庫の設定を強から中にするなどの取り組みによりまして、平成22年度比15%以上の節電をお願いしたいと思っています。オフィスでも、照明の間引きとかエアコンの28度C設定の取り組みによりまして、平成22年度比15%以上の節電をお願いするということにしたいと思っております。
 一方、製造業の製造活動、あるいは医療機関の活動、あるいは観光業の集客施設など商業施設等に対しては、業務に支障のない範囲での自主的な協力をお願いするということにしております。
 仮に、原発が動かなくて、全体で15%の電力不足が生じた場合は、家庭やオフィスで昨年の倍の節電をお願いしても、生産活動でつじつまを合わせようとすると27%の節電が必要になってくると。それが無理なら計画停電が不可避でありますが、御指摘のような健康・生命のリスク、あるいは雇用のリスク、そういうものがたくさん心配されることでありました。
 一応、動くことになっておりますので、無理のない範囲内で節電を呼びかけるというプランにさせていただいたわけであります。
 そういうことですから、議員御懸念の熱中症対策については、それは適度にエアコンを使用するなど、無理のない範囲内での協力を呼びかけております。
 また、高齢者の方は特に注意が必要でございます。水分補給等の予防策をとっていただくことや、万が一熱中症と思われる場合は適切に医療機関を受診していくことなどについて、県民や関係機関等に対して注意を喚起してまいりたいと考えております。
 企業への働きかけについては、県の産業別担当者制度を活用いたしまして、職員が直接企業を訪問し、節電への取り組み状況、我々の考え方、そういうものを説明した上で、その企業の取り組み状況を聴取しながら協力をお願いしていきたいと思っております。
 また、公共施設での節電対策についてでありますが、県庁での取り組みを各市町村施設に対しても申し上げて、同様に取り組んでいただくようにお願いをしていくということではないかと思います。
 次に、LNG発電でございます。
 石油や石炭という他の化石燃料に比べて環境負荷の少ないLNGを燃料とする和歌山発電所は、これからの電力の安定供給には欠かせない施設になると思っております。機会があるごとに、関西電力に計画の具体化を要請しているところであります。とりわけ、原発に対する世間の風当たりが強くて、新規立地とか、あるいは増設、そういうものが困難であると思われます。それなら、既存施設はだんだん老朽化していきますから、それに対応する次の電力源としては、絶対この構想の実現が必要だと私は考えております。
 関西電力では、国で検討されている新たなエネルギー政策の行方や関西電力管内の今後の需給見通しを踏まえ、長期的な供給力確保対策として検討していくのだろうというふうに考えますけれども、県としては、引き続き、和歌山発電所を速やかに着工するように積極的に働きかけてまいる所存であります。
 次に、防災、特に津波対策であります。
 中央防災会議が公表した超巨大な地震・津波が起これば、生命を守るためにはとにかく高台に逃げるしかない。既に、県が防災・減災対策の総点検において市町村とともに行った避難先の見直し、安全レベル設定は、この考え方を具体的に示したものであります。御指摘のように、総務省消防庁を初め関係各所から、実践的な津波避難として高く評価をいただいております。
 ただ、この方式は、従来の方式を変えたくないという市町村とかなり激しく論争いたしまして、議論をしまして実現した次第です。今や市町村の方々もみんな納得して頑張っていただいていると思っておりましたが、和歌山市の、議員御指摘の和歌浦のケースのように言っている職員がまだいるのかというふうに思いましたので、これは県民・市民の生命を守るためには市に強く抗議をしないといかんというふうに思っております。
 今回の公表後、避難先──今回というのは3月31日の公表後ですが──のうち、安全レベル3としたものについては──レベル3というのはここまで逃げれば安全といって進めておりますもんですから、起こるかどうかはわからないものの、可能性がある発表された津波高にも対応していないとおかしいというふうに思いましたので、その公表された津波高でも安全である避難先にするように見直しを行いました。
 6月3日には、和歌山県地震・津波被害想定検討委員会を開催いたしまして、新たな被害想定及び津波浸水予測の策定に着手したところであります。
 委員会においては、これまでの本県が取り組んできた、多分全国一厳し目に考えている東海・東南海・南海3連動地震の想定や、それに基づく防災・減災対策を進めてきたことに対し高い評価をいただきましたが、今回、この発生頻度の高い地震について、従前の想定を精査し、最新のデータにより浸水予測を行うとともに、内閣府の公表した最大クラスの津波についても、今年度末までに浸水予測等の検討を行うこととしております。
 これを受けまして、来年度以降、市町のハザードマップの作成に結びつけていきたい、そんなふうに考えております。
 防災・減災対策の総点検におきましては、避難先の安全レベルの設定とともに、市町村が高台や裏山のような避難先へ続く避難路について新たに整備や改良することを県として最優先に支援することを打ち出しておりまして、予算も確保しておりますが、引き続き支援をしていきたいと考えております。
 家族で避難先を事前に避難カードに記載し携帯する取り組みについても、「出張!県政おはなし講座」とか、私の行政報告会とか、あるいは「出張!減災教室」、紀の国防災人づくり塾、いろいろな催しがありますが、そういうところで皆さんに一生懸命お話しをしているところです。
 また、学校教育が大事でございますので、釜石の奇跡の立役者である片田先生の思想をPRし、DVDなどを既に送っておりますけれども、また協力してもらって教材を開発しまして、これで全生徒に教育していこうという運びになっております。
 また、実際に被害が起こったときに情報をどうやって皆さんに伝えるか、これ、物すごく大事なことなんで、そう簡単ではございません。これの思想は多重であろうと思いますので、防災無線だけではなくて、エリアメールとかラジオとか、いろんなものを使ってお伝えしていかないといかんと思います。
 また、県民の皆さんはもちろん、来県された観光客の皆様にも、できるだけ簡単に、そして正確に避難先を知っていただくために、日本最大のポータルサイトであるヤフーの地図情報に避難先を掲示し、また、今普及が著しいスマートフォンには、避難先まで案内してくれるアプリケーションの提供も、関係企業の協力をいただきましてサービスを提供することができるようになりました。引き続き、積極的な対策に注力してまいりたいと思います。
 次に、県産品の販売戦略でございます。
 毎年度、県産品の販売促進については、アクションプログラムをつくりまして頑張ろうとしております。
 今年度のアクションプログラムは、3本柱でいきたいというふうに考えております。
 その第1は、もっと和歌山県の認知度をアップさせること。これは、ただ単においしいという観点だけではなくて、梅を初め、和歌山のものはおいしいし、さらには御指摘のように健康にもいいといった機能性等についてもPRしていこうということで、キャッチフレーズを「おいしい!健康わかやま」ということで宣言をしております。いつもそれを述べるということであります。
 今回のプロントとのコラボレーションでは、梅の甘露煮を使ったハイボールを初め、練り梅や紀州うめどり、県産の新鮮なシラスやヒアルロン酸入りの結朔ジュースなど、健康志向への訴求も念頭に全国展開をしております。引き続き、県産品の機能性等をPRするフォーラムを首都圏で開催するなど、和歌山の食材が持つ隠れた魅力を大いに情報発信してまいりたいと思います。
 第2に、有利な販路の拡大に取り組んでまいりたいということであります。いいものを正しく評価してもらい、安定的な取引が行われるような販路を開拓し、生産者や産地がもうかる仕組みを形成していくことが重要でございます。展示会や商談会等、いろんなマッチングの場の提供のほか、ネットショッピングモール「ふるさと和歌山わいわい市場」を通じた顧客獲得支援など、さまざまなサポートを展開してまいりたいと思います。
 第3でございますが、消費段階、すなわち出口を見据えた高品質な物づくりも推進してまいりたいということであります。
 どんなにおいしくても、首都圏等のライフスタイルに合わせたり、健康、安全、安心、環境といった観点、こういう消費者に非常にアピールするような観点が必要であります。そういう意味で、マーケット側のニーズの情報収集と生産サイドへのフィードバックによりまして、より消費者を意識した物づくりも推進してまいりたいと思っております。
 御指摘のように、県内にはすぐれた産品がたくさんございます。あるいは、これからもっとアピールできる産品もあると思います。そういう意味で、事業者の皆様には、こういった県産品の販路拡大に対する取り組みを、これはもう十分に活用していただいて、それぞれの企業努力もまたしてもらいたい、そんなふうに思っている次第でございます。
○議長(山下直也君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(山下直也君) 再質問を許します。
 大沢広太郎君。
  〔大沢広太郎君、登壇〕
○大沢広太郎君 知事には、大変すばらしい、また中身の濃い答弁をしていただきまして、ありがとうございました。
 知事の御所見をお伺いをいたしました。職員ともども大変頑張っていることに、心強く感じております。今後とも、県産品の販路拡大に向けてのさらなる取り組みをお願いいたしまして、これは要望として質問を終わらしていただきます。
○議長(山下直也君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で大沢広太郎君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」、自分で言い続けて頑張っております。大分定着してきたような、そうでもないような、まあよろしくお願いします。
 2月定例会に続いての16回目の登壇でございます。また、当局の皆さん、答弁をよろしくお願い申し上げます。
 まず、質問に入る前に、和歌山県ともゆかりの深い三笠宮寛仁親王殿下が6月6日に薨去されました。心から哀悼の誠をささげます。
 また、翌7日、平成19年の初当選以来、同期の桜として懇意にしていただいてきました川口文章さんの訃報に接し、驚きとともに痛惜の念やみがたく、言葉が見つかりません。また、今もって議席にいらっしゃらないことが本当に不思議でなりません。謹んでお悔やみ申し上げます。
 そしてまた、去る6月13日の当本会議におきまして、ありがたいことに関西広域連合議員の選任をいただきました。また広域連合に行きまして、しっかり和歌山県のために頑張っていきたい、こんな決意を新たにした次第でございます。御礼申し上げます。
 去る6月15日に、私ども公明党県本部挙げて取り組んでまいりました防災機能総点検調査の報告がまとまりましたので、角田先輩、多田さんとともどもに、知事と教育長をお訪ねしまして、我が県下の議員が避難所となっております公立の学校等の調査をした結果を御報告し、また次の整備の参考にしてもらいたい、こういうことでお届けしました。
 そしたら、教育長のほうから、先ほど知事のお話にもありましたけども、和歌山県は片田教授のもと、立派な監修のもと、立派な資料をつくったんだ、教材をつくったんだということでお預かりしまして、去る6月18日に平野文部科学大臣のほうにお届けしましたことを御報告します。
 また、この折、平野文部科学大臣には、県下の公明党員挙げて取り組みました署名活動、14万4820人の賛同をいただきまして、防災教育の充実、あるいは避難訓練、あるいは先生方のそういった意識の高揚等々に取り組んでもらいたいということをお届けしました。
 また詳しくは、あした多田さんのほうからここで質問されることと思いますが、まず冒頭申し上げたいと思います。
 さて、この夏、7月27日から8月12日にかけて、英国のロンドンでオリンピックが開催されます。うれしいことに、10名を超える本県出身選手の出場が決定しつつあるとお聞きします。そういった知らせに、私自身も欣喜雀躍、喜んでいるところでございます。
 選手の皆さんには、日の丸を背負って御活躍されることはもう必定でございますが、本県としても誇りになりますし、県民が応援している旨をこの席から選手の皆さんに申し上げたいのとともに、和歌山県の意思を仁坂知事のほうからお伝えする気持ちはおありでしょうか。そういったことをお尋ねしたいと思います。
 と申しますのも、この今決まっている10名の中に、私が坂井弘一代議士、西博義代議士の秘書当時から大変お世話になりました大恩人のお孫さんも出場されるもので、もう本当に人ごとということではなしに、我が事のように喜んでおりますもんですから、何とか県からも応援してもらいたいなと、こんなことを思う次第でございます。
 また、彼、彼女らは、オリンピックアスリートの選手として英国で頑張ってくれて、それが報道される姿は、和歌山県が開催します国民体育大会の成功への励みになりますし、大きな弾みがつく、かように思います。
 まず、この点、仁坂知事にお伺いしたいと思います。御答弁よろしくお願いします。
○議長(山下直也君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 本県からは、ロンドンオリンピックでございますけれども、カヌーの阪本直也さん、ウエイトリフティングの嶋本麻美さん、それから体操の田中和仁、田中理恵、田中佑典3きょうだい、それからフェンシングの西岡詩穂さん、それから自転車の萩原麻由子さん、それからレスリングの湯本健一、湯本進一御兄弟、それから陸上の短距離ですが九鬼巧さん、それから選手ではなくて監督なんですけども宮崎義仁さん、これ卓球の監督です。その方は、出場がもう決まっております。
 さらに期待しておりますのはアーチェリーの古川高晴さんでありまして、この方は今週の土曜日に行われますワールドカップで日本がまずまずいい成績をとりますと、チームとして出られますので、その選手の中には入っておるということであります。
 皆さんには、ぜひ頑張れという気持ちをお伝えしたいと思います。この和歌山県で最も権威のあるこの議会において、ぜひ心からそういうふうに申し上げたいというふうに思います。
 実は、激励会をというようなプランもあったんですけども、それぞれもう本番までちょっとの時間になって、これで体調を崩したりしたら、我々はうれしいけども大変なことになってしまうというようなことで、そこはもうお気持ちだけということにしました。大会終了後は、これはもう選手の健闘をたたえる機会をぜひ持ちたい、そんなふうに思っております。
 県民へのPRにつきまして、ホームページの掲載とか看板とか、この看板にそれぞれ顔写真入りで載せたいと思っておるんですが、ポスターの掲示等により広く周知し、県を挙げて日本を代表して出場する選手を応援したいと考えております。
 また、このオリンピックを契機に、県民のスポーツに対する関心が高まりまして、同時に紀の国わかやま国体の成功に向けた機運の醸成にもつながってもらいたいと期待しております。選手の皆さんには、ぜひメダルを目指して存分に力を発揮していただきたいと考えております。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 知事、ありがとうございました。
 本当に和歌山県の誇りでございます。選手自身は、300人を超える日本の数の中で、今おっしゃっていましたように、11人、12人といった比率で行ってくださるというのは、ほんまに誇りやと思います。
 また、今回、今看板等をつくってくださるということでございますが、この通告を出しまして、こんなことを聞きたいよと、こう言うた途端に、県庁北別館の入り口にお名前を張り出してくれたんで、やっぱり質問するのは値打ちあるなと──聞いたら、はなから用意してたということですけども──喜んでおります。
 次に、今後のエネルギー政策についてお聞きします。
 先ほど大沢先輩からもお話ございましたが、去る6月16日に、政府は関西電力大飯原発3、4号機の再稼働を決定しました。防波堤や免震重要棟などがまだ未設置ですし、新たな原子力規制委員会のもとでの新たな安全基準がまだ確定されていない中での運転再開に、住民の不安はぬぐえ切っておりませんけれども、欧米諸国のストレステストを参考に再稼働のための新ルールに沿って判断されたものと、このように理解しております。
 5月30日には、関西広域連合として暫定、限定ながらも、再稼働を強く求める声明を出され、西川福井県知事の判断にも影響を及ぼしたものと考えております。
 若かりしころ、科学技術庁原子力安全課総括係長として防災に取り組み、原子力行政に造詣の深いあなたのことですから、関西広域連合の意思決定にも随分リーダーシップを発揮されたことと推察します。
 原子力には一知半解の私としては、マスコミ、つまり新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、そういったものを通して知識を得て、また、自分でインターネットで情報を検索し、触れながら、この脳漿を絞り肺肝を砕き、正解は何かな、こんなことを日々考えながら懊悩しております。大飯原発が動くことについて、あの福島の事故を思えば、もしああいうことが起こったとしたら福井の方もまた住めなくなりますし、非常に私自身も煩悶しております。しかし一方で、この電力不足のことを思えば、安全であればと、こんな気持ちもする次第でございます。
 そういって、日々あっちに触れこっちに触れ、悩んでるんですけども、先日の6月12日の「毎日新聞」の夕刊に、橋下改革を論ずる記事でございましたけども、この中で、経済産業省の環境政策課長を務めた澤昭裕氏と、同じく経済産業省の経済産業政策課長を務め、大阪市特別顧問としても活躍されている古賀茂明氏、両氏の意見が掲載されておりました。
 それぞれ現状の論点を的確にあらわしておりまして、参考になりましたんですけども、この両名を後輩とする仁坂知事は、どちらにくみするでしょうか。あるは、どちらにくみするわけでもなく、独自のエネルギー政策があればお述べいただきたい、かように思う次第でございます。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 双方とも経済産業省の後輩でございますので、どちらかにくみするというのはちょっと先輩としては余りやりたくないので、したがって、それぞれ御指摘の新聞がありましたので、少し評価をしたいと思います。
 まず、澤さんのほうは、橋下さんが「原発の再稼働に反対するなら、原発なしで夏を乗り切るために、自身の影響力を使って節電をもっと積極的に呼びかけるべきだった。薄い根拠の『足りる』論を本気で信じていたのだろうか」というようなことが書いてありました。
 実は、私も何度か橋下さんに、15%の節電なんて生易しいもんじゃなくて、場合によっては生命も危ないぞというようなことを申し上げたこともありますし、逆に、安全委員会の法的位置づけって実はこんなになってるんですよというようなこともアドバイスしたこともあります。しかし、橋下さんがある意味では評価されるところは、そういうことを時間の前後はあっても一応評価をして、それで彼の新聞報道によると「私はひるんだ」と言ってましたけど、それが私は為政者として当たり前じゃないかと思います。
 次に、古賀さんですね。古賀さんについて言えば、これは情けないんじゃないかと思いますが、「日本には原発の安全を管理できる人材と組織文化もない」と言って、これはそこまで言われると、ちょっと日本人を卑下し過ぎてないかというふうに思います。
 最後のところで、橋下さんとか古賀さんのことを言うて、「大阪からの発信でさまざまな改革に手がつけられようとしている」。「今後も大阪は改革のリード役を担うべきだ」と、それは評価すべきことだと思うんですが、ただ、警鐘を鳴らす意義はあるとしても、今度は少なくとも府民の電力不足リスクに対応する責任を同時に果たさなきゃいけないということだと思うし、それから最近の影響力の大きさを見ますと、あるいは政府の影響力の小ささを考えますと、全国のことも、問題提起だけじゃなくて、全体のこともやっぱり配慮しながら発言をしていかなきゃいけないのかなというふうに私は考える次第であります。
 エネルギーというのは、特にちゃんと国民生活を支える基幹インフラですから、これをちゃんと提供して、それで我々の生活や、あるいは産業活動や、そんなものがきちんとできるように持っていくということが政府の役割だと思います。
 と同時に、巨大技術は皆リスクがあります。原子力もそうだし、そのほかの発電設備、そういうものもあるし、それによって与える排気ガスがどうしたとか、環境とか、そういうものに──地球環境とかですね──ついても、いろいろ配慮しなきゃいけない。そういうことをできるだけ少なくするような形で、今、どういうエネルギーをきちんと確保して国民生活を守るかということを考えるのが、私は政府の仕事だと思っております。
 それが、エネルギー政策についての基本的な考え方でございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 後輩に、どっちにくみするというのは、ちょっと失礼な質問やったかわかりませんけども、いずれにしても、マスコミを通じて活躍してらっしゃる方で、私らの参考になる方でございましたんで、お聞きした次第でございます。
 それで、またこれに関連してですけども、滋賀の嘉田知事がどこかで講演した折に、関電や経済界からおどされたと、こんな発言をして、すぐさま取り消してましたけども、私はその報道を読んだときに、そんなことはさもありなんと。さっきもおっしゃるように、近畿全体の電力不足、15%というのは大変や、そんな中で、さもありなんと思うんですけども、そんな発言を受けて仁坂さんがびびるとは思いませんよ。当然、そんなおどしなど受け付けないと思いますけども、嘉田知事が言うような働きかけというのは、仁坂知事のほうにもありましたでしょうか。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) もちろん、関西電力からも、さまざまな情報提供とか意見表明とかございますし、それから、こちらから求めたこともあります。それから、政府はあんまりなかったんですけども、こちらから政府の持ってる情報とか、そういうものをどんどん求めて、それで我々も自分たちの知識をちゃんと確立せないかんということでやってまいりました。
 ただ、その情報については、言われたことをそのまま信じるというんだと、いささか問題であります。したがって、それが正しいかどうか、やむを得ないものかどうか、そういうことについてのちゃんと自分なりのポジションを持ってないといけません。
 例えば、関西電力から広域連合に、たしか4月ぐらいに説明がありました。そのときに、某県知事がだだっ子のようなことを言っているとか何か言って、はなから信じてないような、要するにおどかしているだけだというような発言がありましたんで、こういうことを言ってたら先へ進まない。これは不適当な発言だと思いますけれども、私も提案しまして、広域連合のスタッフが実際に関西電力に乗り込んで、それで一緒に数字も精査しようと。あわせて、実は最終的には京都大学の先生などなど専門家も一緒に入って、それで本当にこれだけの節電が必要かどうか、電力需給はどうなるかということをちゃんと調べてまいりました。したがって、最終的に発表されたデータについては、我々も責任があるデータであります。
 その上で、それが県民にどのような影響を及ぼすかについて、どう責任がとれるんだというようなことを判断して、効果的な対応を行うのが首長の責任だと思います。
 後者については、実は15%節電ということを余儀なくされたら県民生活にどんな影響がありますかということを、本当の意味を県民にしばらく前に発表を先にさしてもらったところであります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 これに続けてお聞きするわけですけども、橋下市長はよっぽどこたえたのか、消費地、供給地の表現やめてくれと言うてましたですね。これが、もし橋下さんが反対に供給地やったら、がんがん言うてたと思うんです。ところが、自分とこが消費地なもんやし、多少後ろめたいというか、そういうことがあったから、あんな発言になったんかと思いましたけども、そんなことを調べてましたら、実は奈良県のほうで、県のホームページ、奈良県がつくったんですけども、奈良県におけるエネルギー需給の現状というのがございました。
 それをダウンロードして読んでいきますと、その資料によれば、電力自給率という考え方がありまして、つくったんと使うたんとどういう形になってるかということで見ますと、和歌山県は104.5%、兵庫県が92.3%、京都府84%、大阪府44.3%、奈良県18.9%、滋賀県7.4%、本当に滋賀県なんかほとんど発電所がないわけですね。だからどうだということじゃないけど、滋賀県は反対にそんな話をしたら、琵琶湖を持って水を供給してるやないかと、こんなことになりますんで、県境をもって国境のようなことを言うのは無理があるかと思いますけども、少なくとも関西電力管内の住民は、福井県の皆さんにというか、福井県民に、あるいは知事さんに感謝の念といいましょうかね、当たり前のようにこうやって使わしてもらってるんですけども、そういうところの表明があって初めて議論というのが進むんじゃないかなと、このように思いますんで、知事も関西広域連合で御発言あるのかわかりませんけども、この席で電力の供給地に対して御発言をしていただければと、かように思います。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 私を初め和歌山県としては、今まで福井県を初めとする電力供給地のおかげで、安定した生活環境や産業活動を維持できたものであります。そういう点で、いろいろと大変なこともあったと思いますが、特に今回の件については、立地自治体に対して敬意と感謝の念を持つべきものだと思います。
 18日にぶら下がり取材がありまして、私はその意味で福井県への感謝の気持ちを述べました。そしたら、次の日の新聞を見ますと、一部ですけれども、違う新聞もありましたが、私は政府と福井県へ感謝をするというふうに述べたというふうに報道されました。大変不本意であります。さんざん不手際を繰り返してきた政府に、感謝というのは私は当たらないと思います。誤報を正すように今要求中であります。
 ちなみに、つけ加えておきますと、たくさんの遊休というか動かなかった発電、動かさなかった発電所も今どんどん動かしていますから、和歌山県はこの夏、需給バランスでいうと和歌山県の需要の3.5倍ぐらい発電をするんではないかというふうに考えておりまして、和歌山県も十分な供給県であります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。
 だからといって自慢することもないと思うんですけども、ただ、仁坂さんにちょっと嫌みを言わせてもろたら、「感謝の念を持つべきです」という言い方が、どうも僕は上から目線のような気がしてなりません。やっぱり素直に「ありがとうございます」と、こういうふうな表現のほうが福井県の方につながるんじゃないかなと、こういうことを申し上げたいと思います。
 次に、長期総合計画の進捗状況についてお聞きしたいと思います。
 平成20年から29年までの10年にわたる計画をつくって、これに基づいて毎年の予算編成がされていることと思います。
 ちょうどつくるときも、どこのシンクタンクに頼むのでなし、県職員みずからがつくるんだと、こういうことだったと思います。
 それで、ちょうどことしは5年目でございますし、その年その年で新たなニーズもありましょうし、また、昨年秋の台風の大水害にも見舞われたことから、一気に需要が、事業費が拡大した、こんなことで対策を講じなあかん、今もしてらっしゃることと思います。そういうことがありまして、なお大きくは、民主党政権になった、国の方針転換にも即応しなければならない、こういうことかと思います。
 迫りくる大地震、大津波を前に、長計の津波対策、これを読んでましたら、津波避難タワーの整備というようなことを書いてますけども、何かもうむなしい表現になりますし、あるいは、去年でしたか、平木議員の質問に、市町村の消防の広域化ということについても非常に厳しい、こんな答弁もございまして、市町村の消防の広域化といったことも、ある面ギブアップしたと、そういうことを思うと、この長計にも違和感を感じるとこがところどころあるんですけども、さはさりながらも、「未来に羽ばたく元気な和歌山」実現に向けて取り組む必要がありますので、その検証も必要かと思いまして、お尋ねした次第です。
 本年度当初の新行政改革プランの改定版を踏まえまして、5年を経過した現時点での長期総合計画の進捗状況をお示しいただけたらと思います。
○議長(山下直也君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 長期総合計画の進捗状況につきましては、例えば企業立地件数が10年間で200件という目標に対しまして、累計がその半分ぐらいになるようになっておりますし、そういう順調にいっとるというのもありますが、一方では、汚水処理人口の普及率70%のように、まだまだ取り組みを強化しないといけないようなものもあります。また、国体で総合優勝をするというような将来の目標を達成できるように今後頑張っていかなきゃいかんというようなものもあります。
 ただ、我々の目標でございますので、全体としていえば、この目標というのに邁進すべきというふうに思います。
 これらの努力をいろいろ合わせて実現できるような人口をちょっと見てみますと、実は何ら対策を講じなかって、それで過去の趨勢にゆだねておると、平成29年推計人口は92万8000人というのが出てたんですけれども、企業立地とか、あるいは子育て支援とか、新産業の創出とか、いろいろ努力をして、長計に掲げた政策の効果は、全部合わせると長計では97万5000人にしようじゃないかと。それでも減るんですけども、そこで減りとどめようじゃないかと、そういうような目標を掲げております。
 計画の5年目となる平成24年の目標もあわせて載せてありまして、何ら対策を講じなかった場合の推計人口97万6000人、長計の効果が最大限発揮された場合の人口は99万2000人ということに対して、国勢調査に基づく平成24年5月現在の推計人口は98万9581人、約99万人ということで、目標の実現に向けて、さらにもう少し努力しようというようなところかなというふうに考えておるわけであります。
 それぞれの目標に向かって、今後とも新政策プロセスを通じまして、毎年毎年もうできるだけのことをやって、「未来に羽ばたく愛着ある郷土 元気な和歌山」、これは長計の標語ですけれども、そういうものの実現に向けて鋭意取り組んでまいりたいと考えております。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ありがとうございます。せっかくつくった長計ですんで、常に忘れずに、そのことを心にしてしていきたいな、私らもその都度、その都度チェックしていきたいな、かように思います。
 次に、太陽光発電の普及についてお尋ねします。
 去る4月4日、コスモパーク加太ののり面を利用して2メガワットの発電を計画する株式会社ウエストホールディングスの進出協定のニュースがありました。南向きの斜面に太陽光のソーラーパネルを設置する簡便なシステムですので、この視点で県内の空き地を探せば、適地はまだまだ見つかるものと思います。
 一方、これは「公明新聞」で知ったんですが、山梨県南アルプス市では、官民連携で公共施設に太陽光発電装置を設置する新たな取り組みを開始しました。既に、18カ所の公共施設で太陽光発電が稼働しています。
 この仕組みは、民間会社が設置費用約3000万を負担して、公共建築物の屋根に太陽光発電システムを設置し、そのまま市に寄附します。寄附を受けた市は、この設備を15年の長期にわたって、つくったその企業に無償で貸与し、維持管理も任せます。また、それを借りた形の企業は、発電した電力を売電して投資額を回収し、やがて市に発電システムを返還する。その後は、市の所有になると、こういうことでございます。
 市役所の支所や児童館といった小ぶりの建物でございますんで、40キロワットや20キロワットの発電ですが、それぞれが避難所でもあるため、非常用の電源にもなるということで、一石二鳥以上の効果があるように思います。
 環境省が勧める再生可能エネルギー等導入推進基金、いわゆるグリーンニューディール基金を使っての整備も本県ではとり行われておりますが、この7月1日から始まる固定価格買い取り制度を利用した屋根貸しモデル的な仕組みの活用も非常に有効かと思います。県の施設はもとより、県下の市町村にもこういった仕組みを普及すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答え願います。
○議長(山下直也君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 屋根貸しモデルによる太陽光発電の普及についてですが、新エネルギーの県内各地域への普及については、本年6月1日に市町村と共同で和歌山県新エネルギー研究会を立ち上げ、メガソーラーに関する情報の共有や木質バイオマスの利用促進など、新エネルギーへの取り組みについて、市町村と連携して積極的に対応していくこととしたところです。
 御提案のあった屋根貸しモデルについても、新エネルギー研究会において、制度や課題についてよく研究し、地域の実情に合った太陽光発電の普及策を推進してまいります。
 なお、本県では、設置可能な県有施設の約2割に相当する33施設に既に太陽光パネルを設置しているところであります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 2割の33にあるということですけど、もっと進めていただければなと、かように思いますし、市町村にもこういう仕組みが導入されれば、どんどん進むんやと思うんで、お願いします。
 次に、住宅用太陽光発電設備の導入補助が「県民の友」6月号に載っておりました。当初から予算化されている事業でございます。この「県民の友」6月号でまた詳しく拝見したわけですけども、家庭でできる二酸化炭素を排出しないソーラーパネルでの発電を促すため、既築住宅で15万円、新築で10万円の補助に加えて、今年度から新たに燃料電池システム、いわゆるエネファーム、あるいは家庭用蓄電池、あるいはガスエンジン給湯器「エコウィル」、二酸化炭素冷媒ヒートポンプ給湯器「エコキュート」、こういった4つの設備を併設すれば、先ほどの15万や10万に加えて、既築で20万、新築で15万補助するといった旨の紹介の記事でした。
 平成20年から始まった補助事業で人気も高く、抽せん漏れした方からは、「中さん、どうよ、もう私ら当たらんかったけど、予算増額してくれやんのかい」、こういう話がよく言われたんですけども、県は当初の予算のままで、なかなかふやしてくれません。
 そういった中で、ソーラーパネルを設置することを拡大するために予算をふやすんならいいんですけども、併設機器の補助を設けたのはなぜでしょうか。お答えください。
○議長(山下直也君) 環境生活部長米田和一君。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 住宅用太陽光発電設備の導入補助についてでございますが、県では日照時間が長い本県の地域特性を生かしまして、家庭部門の温暖化対策として、住宅用太陽光発電の導入を重点的に推進しております。本年度は、さらに、天候の影響を受ける太陽光発電の弱点を補完し、家庭のCO2削減、省エネ効果を高めるため、エネファーム等を併設した場合の補助枠を創設し、予算を増額したところでございます。
 以上でございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 それで別に悪いわけじゃないんですけども、毎年外れた方は、ソーラーパネルの予算増額してくれと思うんですけど、そういうことをせずに併設を設けたと。この予算もそこそこの額やと思いますよ。
 そうやって、併設機器として追加された4設備も、おっしゃるように二酸化炭素を削減する効果があるんでしょう。そうやったら、一緒にしたときだけ補助するんじゃなしに、単体のときでも補助して、この4設備、機械を導入する促進策をやったらええのにと思うんですけども、何で一緒でないとだめなんでしょうか、お答えください。
○議長(山下直也君) 環境生活部長。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) エネファーム等を単体で導入する場合におきましても、おっしゃるとおり、一定のCO2の削減、省エネ効果を発揮するところでありますけれども、本事業は、あくまで発電時に一切CO2を排出せず、枯渇することがないエネルギーを活用する太陽光発電の導入促進を図るものでございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 そしたら部長、太陽光をふやしたらええんやして。太陽光発電の規模をふやしていったら。ちょっと嫌みなことを言わしてもうたら、今そうやって業者は一生懸命営業に回るんですよ。県から補助ありますよ、市からもありますよ、農協さんでも宣伝してますけど安いローンで借りますよ、一生懸命、業者はつける気のないおうちへ回って、つけませんか、つけませんかと言うんです。それはええことやと思います。
 しかし、申し込んで、当たると思たら当たらん。そのときに、じゃ、補助くれやんのやったらやめたいよと、こうやってやめるところがあればいいですけども、契約しかけたらそのまま契約に進んで、それはそれで補助を受けなくてやるというのもいいことやと思いますけども、そのときに、今問題になっているお年寄りなんかが資力のないまんま契約してしもた、そうなったときどうなりますか。今度、部長の部署にいてる消費生活センターが、その相談を受けるわけですよ。
 だから、きっちり政策方針を明確にして、私にこんなこと言われやんような政策にしてもらいたいと、かように思う次第でございます。
 じゃ、もう次に進みます。
 今夏の節電についてでございますが、7月2日から9月7日まで、9時から20時の間、全部門で15%以上の節電が呼びかけられ、さもなくば計画停電というふうなアナウンスを今まで受けてました。
 このたび、先ほどから議論になりました大飯原発3、4号機の再稼働を受けて、この節電目標はどのように変化しましたかということをお問い合わせするということで準備したんですけど、きのう発表されてしまった節電の目標になるわけです。それが、また私らからしたらちょっとしゃくにさわるんですけど、早く言うのにこしたことないですけども、こうやった質問の通告を受けた後にこういうことが起こるということをわかっていただいて、この節電目標、きのう発表していただきましたけども、改めてここで発表してください。お願いします。
○議長(山下直也君) 環境生活部長。
  〔米田和一君、登壇〕
○環境生活部長(米田和一君) 今夏の節電対策についてでございます。
 去る5月18日、政府が発表いたしました節電目標15%と申しますのは、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働がないことを前提に設定されたものでありまして、これは製造業の生産抑制にまで踏み込まなければ達成できない、大変厳しいものでありました。
 しかし、今般、大飯原発の再稼働が決定されたことにより、フル稼働後は昨年並みの節電で今夏を乗り切ることができる見込みとなりました。
 フル稼働までの期間については、昨日発表させていただきました節電アクションプランにおいて、節電目標は15%であるものの、産業界には業務に支障のない範囲での協力をお願いすることとなりました。県では、このプランに基づきまして、みずから節電に取り組むとともに、県民の皆様方に対しましても協力をお願いしてまいりたいと考えております。
 なお、大飯3、4号機がフル稼働し、電力需給状況が改善することが確実となった時点で、当節電アクションプランを見直しまして、改めて節電目標等をお示しさせていただくこととしております。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 わかりやすう言うと、15%以上節電せなあかん、えらいことが起こる、計画停電やというふうなこともありましたし、警察のほうでは、警察官の方が信号切れたときの訓練までなさってます。あるいは、病院でなった場合はどうなる、自家発電どうなるというようなことの一連の報道がありまして、うわあ、大変なことが起こるな、こういうことの心配の中で、大飯原発が動くことになった。それでほっとするのが悪いのか、とりあえずほっとしたわけです。
 そうしたときに、節電プランを待ち構えておりましたら、相変わらず15%以上の節電をしろと、こういうことで、また気を引き締めて節電せなあかんな、こうなるんですけども、それはそれでわかりますけど、住民の方からしたら、県民の方からしたら、何でよ、動くん違うんと、こういうことになるんで、今からその先のことを言うてしもうたらあかんのか知りませんけども、どうも現実と合わないように、きのうの発表されたやつも思いますんで、そこら、もっと臨機応変に情報提供してもらえればな、かように思います。
 もうちょっと議論したいですけど、次に移ります。
 次に、70回国民体育大会についてお尋ねします。
 7月23日に、第6回の準備委員会と、この日を記して第1回の実行委員会のある旨の御案内をいただきました。イメージソングも決まり、お披露目されるということですので楽しみにしております。
 平成19年の9月5日から、知事さんから準備委員会委員の委嘱を受けまして、私なりに街頭での演説や招かれた会合でのスピーチの都度、国体の成功にとの思いでPRに努めてきました。
 ここで、射撃場のことが議会でも取り上げられましたんで、気にかかりましたんで、山口県の周南市の施設まで視察もしてきました。いただいたあの旗も、我が家の前に掲げております。
 また、今回、「する」、「みる」、「支える」といった活動、これにも大賛成でございます。
 おさおさ抜かりはないかと思いますが、現在の準備状況をお知らせください。
 もう座ったり行ったり来たりするのはあれですから、過日配られた県民運動パンフレットは、何部つくって、どこに配布をなさいますか。こういうことをまずお尋ねしたいと思います。
○議長(山下直也君) 国体推進監若宮茂樹君。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 2点、回答させていただきます。
 紀の国わかやま国体も開催まで残すところ3年余りとなり、会場となる施設の整備を初め、各分野で着実に準備を進めているところでございます。
 また、本年5月には、日本体育協会及び文部科学省の総合視察を受け、滞りなく終了いたしました。今後、7月の日本体育協会理事会において、第70回国民体育大会の本県での開催が正式に決定される予定となってございます。この開催決定を機に、国体の準備を対象とした現在の第70回国民体育大会和歌山県準備委員会を全国障害者スポーツ大会も含めた実行委員会に改組し、開催準備を本格化させてまいりたいと考えてございます。
 県民運動パンフレットは、5000部を作成し、県民の窓口となる市町村や県振興局へ配布するとともに、県内のNPO法人や関係団体、さらには、幼稚園、保育所、小学校、中学校等へ配布してございます。また、パンフレットを簡略化したリーフレットにつきましては8万部を作成し、県内の小学校4年生から6年生及び中学生全員に配布し、花いっぱい運動やクリーンアップ運動などの取り組みを紹介しているところであり、今後、ボランティア団体を初め、広く県民に配布し、県民運動への参加を呼びかけてまいります。
 以上でございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 いただいたのがこれやと思います。それなりによくできて、私なりにも啓発になるなと、このように思ってまた皆さんに配りたいと思うんですけども、そこでちょっと気になりましたんで、聞きたいと思います。
 この中でも冒頭に、「県民総参加による国体の実現を!」ということの大きな標語とともに、「国体を盛り上げるのはあなたです!」というふうに書かれてるんですけども、これに僕はちょっと違和感を覚えましたが、経緯を教えてください。
○議長(山下直也君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 県民運動は県民1人1人の自発的な活動を基本とし、目標の第1に「みんなの国体」を掲げているところであり、特に県民への参加を呼びかけるパンフレットの作成に当たっては、あなたも、私も、みんなでという思いを込め、また、県民の皆様が主役ですという意味で、「国体を盛り上げるのはあなたです!」という表現で呼びかけを行ったところでございます。
 国体の開催は元気な和歌山を実現するための起爆剤と考えており、そのためには、すべての県民の力を結集し、県民運動を盛り上げていくことが不可欠でございますので、県民の皆様の御参加を積極的に呼びかけてまいります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 ほんでも、若宮さん、なかなか標語で「あなたです!」というようなことを断定的に書くやつはそう見かけません。それだけに刺激的ですし、ちょっと待ってよ、盛り上げるのは国体をやろかと言うた人ら違うんかいと。当然ボランティアも参加してもらわんなんし、いいですけど、だから1人1人です、皆さんですよ、お願いしますよというのやったらええですけど、何かこれも上から目線というか、そんな感じがしてなりません。
 それで、私からの提案でございます。国民体育大会を真に県民のものとして、県民総参加で、ここでうたってる「みんなの国体」「躍動する国体」「ぬくもりのある国体」とするには、県主催の行事はもとより、市町村も含め、あらゆる公共の会議や行事の冒頭で、平成27年に国民体育大会がある旨を宣言し、「みんなで紀の国わかやま国体を成功させよう」、こういった合い言葉を参加者で唱和するようなことをしてはいかがでしょうか。御感想をお述べください。
○議長(山下直也君) 国体推進監。
  〔若宮茂樹君、登壇〕
○国体推進監(若宮茂樹君) 県主催のイベントはもちろんのこと、多くの県民が集まるイベントに、紀の国わかやま国体のマスコット「きいちゃん」が参加し、国体開催をPRするとともに、あらゆる会議等で国体広報紙や手提げ袋、クリアブックなどの啓発グッズを配布しているところでございますが、議員から御提案のありました会議冒頭での宣言や唱和につきましても、会議等の内容によりますが、可能な限り取り組み、今後さらに国体開催の周知徹底を図ってまいります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 残り時間もなくなってきたので、次に移ります。
 県立学校とPTAの適正化について質問します。
 平成22年の2月議会の一般質問で、高校授業料無償化に伴う空調設備使用料月額5000円やPTA会費の口座の引き落としがなくなることに対しまして問題点を指摘しまして、県下の学校の取り組みについて、当時の山口さんに聞きました。そのときの答弁で、県下の学校の会費の総額が6億円で、1億円が繰り越されていたというふうな答弁がございました。また、このような納付金についての条例、私は条例化したらどうですかということで申し上げたんですけども、なじまないという答弁でございました。
 そうしたところ、このたび、県監査委員の指摘によると、本来県費で賄うべき非常勤職員の賃金や施設の修繕費がPTA会費から支出されていたということでございます。
 地方財政法第4条の5「国は、(中略)地方公共団体は他の地方公共団体又は住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、寄附金を割り当てて強制的に徴収するようなことをしてはならない。」、同じく27条の3で「都道府県は、当該都道府県立の高等学校の施設の建設事業費について、住民に対し、直接であると間接であるとを問わず、その負担を転嫁してはならない。」、つまり学校は、生徒や保護者に学校の経費を負担させることは禁じられておるわけでございますけども、にもかかわらず、非常勤職員の賃金や施設改善にPTAのお金を使えたのはどうしてでしょうかね。
 私の経験則から申し上げれば、会長や役員、会計などの役割は保護者たちの確かに互選で選ばれるものの、会費の徴収や通帳の管理を初め、事務全般は学校にお任せしているのが現状です。PTAの会議も、当たり前のように学校を使わせてもらいまして学校で行い、校長やPTA担当の教員さんと、あるいは事務長も加わっていろんな協議が行われております。
 この平成22年の2月議会での山口教育長の答弁では、PTAの独立性を侵せないなどといった半ば突き放したような答弁でしたが、今回、監査委員の指摘で、PTAといっても学校の恣意のもとにあることが明らかになりました。
 その上で、校長や教員、事務長、事務職員がPTAの事務を手伝えるよう、実態に即した仕組みにすべきと考えますが、いかがでしょうか、お答え願います。
○議長(山下直也君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 学校事務とPTA事務の適正化についてでございますけども、PTA活動というのは保護者と学校職員が一体となって行うものであって、PTAの会計業務につきましては、学校がPTAから委任を受けた上で学校長が学校職員に命じた公務であるというふうに考えてございます。そのため、業務委任について関係規則の中に新たに規定し、その位置づけを明確化してまいります。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今、一歩前進の答弁がございました。PTAのそういった事務を、今までみたいなノンルールじゃなしに、関係規則の中に新たに規定される。大きな前進で、校長先生や事務長さんほか、自信を持ってやれると思います。
 そうしますと、今度は反対に監査委員の監査も受ける事務の対象になると、このように理解してよろしいでしょうかということと、高校の授業料無償化に伴い、PTAの会費なども集めにくくなるんじゃないかな、こんな心配をしましたけども、結局現状はどうでしょうか。県全体の収入額、支出額、繰越額、1人当たりの納付額等もお示しください。お願いします。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今御指摘いただきましたように、関係規則の中に新たに規定することによって、学校事務もPTA活動の事務も適正化されるというふうに受けとめてございます。
 予算の件でございますけども、平成22年度決算で全日制高等学校を例にしますと、いわゆるPTA会費というのは、PTA会計のほか体育・文化振興会など、さまざまな会計がございますけれども、それらを含め詳しく調査した結果、県全体で前年度からの繰越額2億4000万円を含んだ収入総額は9億9000万円であり、支出総額は7億円、次年度への繰越額は2億9000万円となっております。
 なお、1人当たりの納付額は約2万3000円となってございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 相変わらず大きな額ですよね。10億ほど集めて7億ほど使うて、3億ほど繰り越されてると、県下全体でですよ。非常に大きなことやと思います。
 そこで、このPTAの問題をいろいろ掘り下げますときりがないんですけども、生徒食堂もPTAに運営してもらってます。しかし、PTAの皆さんは、そんなことを運営している自覚も余り、よっぽどの役員さんでない限り、ないように思います。
 また、PTAが雇用している学校の事務員さんの仕事、これもPTAから給料を出してますけども、学校が、教育委員会が正式に雇うアルバイトさんと同じ職場で同じような仕事をしてて待遇に差があると。あるいは、雇用主の責任、例えば労災とか健康保険、年金といったことが果たされてるかどうか、こんなこともあいまいですし、PTAのお金でどこまでもPTAが決めたらいいということで、クラブ関係のお金にも、またクラブはクラブで、独自でまたPTAとは別にお金も集めたりして、整理のつかない問題もいっぱい内包しております。
 文部科学省からも指摘があったと思います。せんだって、申し上げた平野文部科学大臣に会うたときも、平野さんから和歌山のPTAの問題はどうなってると、知事さんに念押ししてるんやぞと、こんなお話でもございました。
 ですから、この際、抜本的に改革し、理想とする姿を一遍教育委員会でお示しなさったらどうでしょうか。先ほど適正化されるとのことでございますが、監査委員の事務監査の対象になるということも、ちゃんと答えていただけたらと思います。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今御指摘のPTA会費の管理や使途につきましては、社会教育関係団体の独立性にかんがみ、その自主性が重んじられるところであり、会員の皆さんの善意のもと、学校との信頼関係を前提に、子供のことを一番に考え、よりよい教育環境をつくるために、学校運営や教育活動に係る経費に支出されてきたところです。
 御指摘のように、監査委員からもさまざまな御指摘をいただいてございますけども、こうした監査委員からの指摘を受けている点につきましては、より適切に支出されるべきものであると認識しておりまして、そのためには、公費と私費の負担区分を明確にしつつ、社会通念に照らして適切に判断することが重要であると考えてございます。
 現在、各学校のどういう経費がどれだけPTA会費から支出されているかなど現状を調査しており、その実態を把握した上で、6月末をめどに、公費と私費の負担区分のあり方について整理を行いながら、関係者と協議しながら改善を進めてまいりたいと考えてございます。
○議長(山下直也君) 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 今のところでも、どうしても矛盾があるんですね。やっぱり冒頭には「独立性にかんがみ」とか、そういうことをおっしゃいます。そうなってくると、もうちょかちょか言わんといたらええのにと思うんですね。
 しかし、実態は違うでしょう。そんな建前を言いながらも、もう学校が当てにして、ありがたいお金やということで使ってる事例が全国各地にありますし、それが実情ではないでしょうか。
 そんな中で、直しましょうねという話なんで、例えば「読売新聞」の西下さんのインタビュー記事を見ても、その最初の独立性やと言う割には全然立て分けてなくて、「学校がPTA会費を自由に使ってしまわないか」という記者の問いに、「それはない。PTAの役員と総会に諮っている。PTAのほうが使いたいと言ってくることはあっても、学校から使いたいということはない」。「PTAのほうが使いたいと言ってくることはあっても」と、こんな発言自体がおかしいじゃないですか、PTAのお金ですから。
 それぐらい勘違いするぐらい現状では混在してるというか、整理のつかない状態でございますんで、先ほど、監査委員が指摘して、これから規則を変えて学校の事務にすると、こういうことであれば、また監査委員の目にも触れて、その事務が適正かどうか、あるいはその上で、今度は今まで使えたお金が使えなくなるんですから、県費をしっかり要求してください。教育委員会の中でまとめて、生徒のために、学校教育向上のために必要なお金というのは堂々と財政当局に申し出て、県費の中で使うべきだと思いますので、その点の決意を改めてお述べください。
○議長(山下直也君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) ただいまの御指摘を受けまして、十分、教育委員会として検討してまいりたいと思います。
○議長(山下直也君) この際、申し上げます。
 所定の時間まで残りわずかであります。質問、答弁は簡潔にお願いいたします。
 中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕
○中 拓哉君 時間も迫ってきました。次に、道路行政についてお伺いします。
 まず、県道新和歌浦梅原線、通称大浦街道の歩道についてです。
 舟津町交差点にかかる歩道橋の柱が歩道をふさぎ、通行困難です。舟津町交差点から和歌山工業高校の交差点までの数キロにわたり、道路が狭隘な上に、並び方の不規則な縁石が障害となり、さらに溝の上に並ぶ細いふたが自転車の車輪を挟み、スリップする危険があります。数年前に、改良に向け社会実験するとのことでしたが、計画が立ち消えになりました。
 でこぼこだらけの道路は、高齢者は怖くて歩けませんし、自転車で通学する学生たちのトラブルは日常茶飯であります。
 これは、もう県土整備部長なんで、続けてお尋ねします。
 続いて、和歌山県が和歌山市内の主要道路に整備された駐車場案内システムについてお聞きします。
 和歌山市が地下駐車場の整備に取り組んでいた当時、国、県、市の3者で9台の駐車場案内板が設置されました。随分頑丈な建造物です。一目で空席のある駐車場を示す代物ですが、さしたる効果も見られないまま平成17年に運休され、今日に至るまで突っ立ったまんまです。交通安全上目ざわりであり、他の活用法がないなら、一刻も早く撤去すべきでございます。
 最後に、議案第92号津波からの円滑な避難に係る避難路沿いの建築物等の制限に関する条例についてですが、つまるところ、結局こういうふうな手順を踏んで、避難道路に支障なきよう定めた基準に適合しない場合、耐震の措置を講じるよう勧告、命令したとして、なおかつ従わない人は所有者の名前を公表したとして、依然として放置されたまんまの場合、結局、この条例でどうなるのか。そこをお示しください。お願いします。
○議長(山下直也君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 西浜交差点から舟津町交差点の間につきましては、現在、歩道の段差修正や側溝ぶたの修繕のほか、隣接地の協力が得られる場合には電柱の移設を行うなど、歩行者等の通行の安全確保に努めているところであります。
 抜本的な対策としての歩道の拡幅につきましては、平成19年度に、車道を狭め、歩道を拡幅すべく社会実験を試みましたが、地元了解が得られず、やむなく中止に至ったところです。また、民地側への拡幅につきましては、沿道に連檐する数多くの事業所や商店、人家などの移転が必要となるため、困難であると考えております。
 このため、引き続き段差修正等の現道対策に取り組むとともに、自動車及び歩行者の交通の状況を見ながら、地元の皆様の御意見もお伺いし、歩道整備のあり方について検討してまいりたいと考えております。
 次に、駐車場案内板についてでございますが、和歌山市内の駐車場情報を提供し、道路交通の円滑化を図る目的として、国、県、市の道路管理者が一体となり、駐車場案内システムを整備いたしました。システムの運用は和歌山市が行ってまいりましたが、平成17年度に、維持管理費の増加、駐車場事業者の脱退により運用を休止しました。今後、案内標識等へ転用することや、有効利用ができない場合は撤去することも含めて、国や市とともに検討してまいります。
 次に、特定避難路沿いの建築物等への措置の実効性についてでございます。
 本条例は、地震時の津波からの避難路を確保するための対策の1つとして、避難路沿いの建築物等に一定の制限を設け、勧告や命令等の措置を定めたものです。
 議員御指摘のように、所有者等が命令を履行しない場合で、他の手段によってその履行を確保することが困難であり、かつ、その不履行を放置することが著しく危険であるなど避難路に及ぼす影響が重大なものには、行政代執行法を適用し、県の行政代執行により対処することとなります。
 県といたしましては、今後、市町村と連携し、本条例を効果的に運用することにより、避難路沿いの建築物等の耐震化がこれまで以上に進んでいくものと考えております。
○議長(山下直也君) 所定の時間が参りましたので、以上で中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時48分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(浅井修一郎君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を行わせていただきます。
 まず最初に、大飯原発再稼働に関して質問いたします。
 北海道電力泊原発3号機が、5月5日、定期検査のために発電を停止し、42年ぶりに日本は原発稼働ゼロになりました。昨年3月の福島原発事故以来、全国で繰り広げられてきた原発ゼロを目指す草の根の運動と世論が日本を動かしていることを実感いたしました。
 そもそも民主党政権は、原発の大幅な増設をもくろんでいた政権です。それを阻んできたのは、世論の力にほかなりません。民主党は、2年前の閣議決定で、2030年までに14基以上の原発を新増設するというエネルギー基本計画を決定しておりました。しかし、原発事故後、当時の菅首相が、共産党志位委員長と会談する中で白紙見直しを表明いたしました。
 また、福島の原発事故後、最初に再稼働させようとした九州電力玄海原発の2、3号機は、県民説明会が九電や関係社員によるやらせだったことを「しんぶん赤旗」にすっぱ抜かれ、国会でも追及され、当面、再稼働は断念せざるを得ない状態になっています。
 そして、現在問題になっている関西電力大飯原発では、直近の世論調査でも半数以上が再稼働反対であり、稼働を認める人も含めて70%以上が「急ぐ必要はない」と言っております。まさにこの時期に再稼働を決定したことは、これらの世論と真っ向から対決するものと言わざるを得ません。
 野田総理大臣は、IAEAや原子力安全委員会を含め専門家の議論を重ね、安全性を確認したと言っています。しかし、福島原発事故の原因究明もなされていない中で、政府みずからがとりあえずの対策として指示した30項目の安全対策、例えば免震事務棟とかフィルターつきベントなどが設置されるのは3年先です。防波堤のかさ上げは2年後です。また、大飯原発では敷地内を走る断層が活断層の可能性があることも指摘されており、これでどうして事故を防止できると言えるでしょうか。これこそ安全神話の最悪の形での復活ではないでしょうか。
 ここに至るストレステストも問題です。大飯原発では、その原子炉を納入した三菱重工そのものがストレステストを行っています。自分の納入した原子炉を自分で検査して大丈夫と言う、こういうのを世間ではお手盛りというのではないでしょうか。
 こうした中、国会の事故調査委員会の黒川清委員長(元日本学術会議会長)は、「必要な対策が先送りされ、想定を超える災害が来た際の対応ができていない。国民の健康を優先した安全規制が実施されるのか不安だ」と苦言を呈しておりました。さらに、原子力安全委員会の班目委員長も、原発の敷地内を走る断層の問題について、評価をしっかりやり直すべきだと言っています。科学者や専門家からもだめ出しを食らっているのが実情であります。
 私も驚いたのは、今度、再稼働に当たって副大臣が詰めるというオフサイトセンターです。もし原発に事故が起こった場合に、国や自治体の関係者が集まる拠点となるのがオフサイトセンターという建物ですが、大飯原発では、このオフサイトセンターも見直さなければならないと言われています。なぜなら、海抜で2メートル、海から100メートルという、ここにもちょっと写真があるんですが、海の間際に建っているオフサイトセンター、いざ地震、津波といったときにこのセンターで本当に対応できるでしょうか。それとも、新たな安全対策が終わるまで地震や津波は起こらないとでも言うのでしょうか。
 もっと根本的な問題として、野田首相は、再稼働の表明の中で「国の重要課題であるエネルギー安全保障という視点からも原発は重要な電源」と述べ、原発への依存度を可能な限り減らすとはいうものの、引き続き原発を国の重要電源として位置づけることを明確に表明されました。
 私は、このことほど今度の福島原発事故で被害に遭われた方々の気持ちを踏みにじる発言はないと思います。「原発さえなければ」、こう牛舎に書き残して自殺をされた酪農家がおられました。被災者の気持ち、国民世論を考えるなら、今後、速やかに原発から撤退していくということこそ、今、政治に求められることではないでしょうか。
 そこで、以下、知事に質問いたします。
 仁坂知事は、野田首相の再稼働表明を「評価したい」、「首相は動かさないリスクのほうが大きいと判断されたと思う」と述べられました。私は、知事のこれまでの発言を聞きながら、専門家が安全性を確認するまでは再稼働はすべきでないというお立場だと思っておりました。知事として、首相の再稼働表明のどこをどう評価されたのか、今後も原子力を基幹電源としていくことを是とするのか、また動かすリスク、動かさないリスクとは何なのか、具体的にお答え願えればと思います。
 また、関連して、先日、関西広域連合が国への予算編成に対する提案書を出したようですが、その中で、広域連合としても関西における中長期的なエネルギー政策の考え方を検討していると言われています。知事として、原発をどのように位置づけてこの広域連合のエネルギー政策にかかわっていかれるのか、答弁をお願いしたいと思います。
 次に、電力不足に対する関西電力の取り組みについて伺います。
 夏の電力不足を言う関電ですが、大飯原発が使えなくなる可能性があることは1年以上前からわかっていました。この間、停止していた火力発電所の再稼働に向けての取り組みは、ある程度されていたように思いますけれども、節電ということではどんな対策をしてきたでしょうか。
 これまでと変わらず、オール電化の推進はそのままではなかったでしょうか。はぴeポイントクラブといって、オール電化をした世帯を中心に、電気を使えば使うほどポイントがたまる制度を今でも行っているではありませんか。ためたポイントは、プリンなどのスイーツやホテルの宿泊券などと交換できるというのです。これは、私は不見識だと思います。こんな制度は関電以外の電力会社ではやられておりません。
 これまで関電では、供給力の不足は、昨年夏にも、ことしの冬場にも危険だと言われていました。しかし、現実はどうであったか。官民協力しての節電努力で乗り越えてきたではありませんか。例えば、この冬の供給力は、昨年11月時点では2412万キロワットと言われておりました。そこに実際供給できたのは2730万キロワットと、予想を1割以上上回る供給を確保できました。
 電気事業法によって地域独占を許された関電には、電力供給責任があります。供給力が不足するなら節電要請もする。また、最近になってようやく、ネガワットといって、電気が足りなさそうなときに大口の需要家が節電する分を逆に買い取るという制度をつくりましたが、こうした努力をなぜ昨年の早い段階から行ってこなかったのかと思います。
 こうしたこれまでの関電の取り組みについての評価ということを知事に伺いたいと思います。
 3つ目は、次に、実際、県民や地元の経済界からどのような心配の声が上がっているのか伺います。
 先日、和歌山県は、電力不足、停電になった場合の経済損失の試算をされ、発表されましたが、この試算では、県内で製造されるものはすべて電力を使って生産をする仮定をしております。また、電力不足が心配されるのは、ピーク時の電力が不足する、せいぜい5日から2週間と言われておりますが、その間であるのに、2カ月の長期にわたっての節電が続いたときを仮定しているなど、これは影響を過剰に見積もっており、原発再稼働への世論誘導ではないかと思うぐらいです。
 そこで伺いたいのは、夏の電力不足を前に、実際、県民や地元経済界からどのような具体的な心配の声が上がっているのか、県の把握している県民の声を具体的にお示し願いたいと思います。
 この問題の最後に、私は、原発ゼロを目指し、新しい経済の枠組みをつくる方向でこそ、デフレ不況を脱却し、雇用を創出する新たな経済発展、設備投資も見えてくると思っております。
 アメリカの経済学者でノーベル賞受賞者のジョセフ・スティグリッツ教授は、原子力産業におけるリスク管理について次のように発言しています。「失敗のコストを他人が負担する場合には、インセンティブは自己欺瞞に有利に働く。損失を社会に支払わせ、利益が私有化されるようなシステムは、誤ったリスク管理にあると言わなければならない」、このように指摘しています。私も同感です。
 これまで日本の電気事業法では、電力会社による地域独占のもと、供給責任を負わされている電力会社が、過大な需要予測のもとでどんどん設備投資をして余力を持つ、そして、その投資にかかる費用は総括原価方式で電気料金に上乗せをする、これが行われてきました。電力会社は、電気という効率の悪いエネルギー、これを使ってもらえばもらうほどもうかる仕組みになっております。その結果、どうでしょうか、日本の家庭用電気料金は、けさもございましたが、実質ベースでは世界でも高い水準にありますし、エネルギーの浪費大国になっていはしないでしょうか。
 今後の電力供給はどうあるべきか。私は、環境へも負担が少なく、しかも、効率よく配電できることが今求められていると思います。小規模分散型、電気の地産地消ということです。原発のような巨大な発電所頼みの電力供給こそ、事故やトラブルの際、停電のリスクが高いものです。それを小規模分散型に変えていく。その具体例は、この県議会でも何人もの方が提案していただいてる自然エネルギーの活用や燃料電池の普及などではないでしょうか。特に和歌山県は、自然条件といい、先進県になれる県だと思います。
 それを促進するために、私は、やはり政府がドイツやスイスのように期限を切って原発ゼロを目指すことが大事だと思います。ドイツでは、エネルギーシフトが経済と技術の両面においてもたらす効果について、「さらなる発展へのチャンスを脱原子力政策がもたらし得るということを国際社会に身をもって示す」というふうに、未来への展望と決意を語っておられます。こうした中でこそ新たな投資を迷いなくできるし、本当の展望ややる気も出てくると思うのです。
 ぜひ原発ゼロを目指していくという点で、知事が先頭に立って国へも働きかけてほしいと思いますけれども、知事のお考えをお聞かせください。
 次に、梅生育不良に関して幾つか質問いたします。
 最初に、関西電力御坊発電所の稼働状況について伺います。
 今、梅農家の心配は、この発電所が今後フル稼働に近くなってくるという予想のもとで、光化学オキシダントなど大気汚染の増加が心配されるからであります。この発電所は、平成18年から20年の間に比較的稼働の率が高い時期がございました。そのときは大体30%前後の稼働率です。最高で平成19年の36%です。
 地元の方の話だと、ことしは最初に梅衰弱症と言われる生育不良が発生した田辺市秋津川、上芳養、稲成などで新しく生育不良が発生しているようで、心配は高まっています。
 そこで伺います。平成23年度の年間稼働率はどうなっているでしょうか、また月別では最高稼働率はどうでしょうか、答弁をお願いしたいと思います。
 次に、梅生育不良の現状と今後の対策について伺います。
 まず、梅生育不良の発生状況を県としてどのように把握されているでしょうか。また、今後とっていく対策はどのようになっているのか、答弁をお願いします。
 さらに、先ほど述べましたように、田辺やみなべの梅農家は、この衰弱症と言われる生育不良が以前のように大量に発生するのではないかと心配しています。この梅生育不良は、いまだこれが原因だというはっきりしたところまで突きとめられてはないわけで、土壌水分の不足が問題だというのはありますが、まだまだ研究途上でございます。
 現在、県にはうめ研究所がありますが、そもそもこの研究所自体、梅の生育不良が多発している状況の中、梅の基礎研究をする試験場がないじゃないかという農家の声を反映して、当時つくられたものでございます。その役割は、ますます重要になってくると思います。
 うめ研究所では、現在、生育不良の簡易診断に使える技術の開発に努められているようです。御努力に感謝したいと思います。ただ、診断も大切ですが、やはり生育不良の発生メカニズムを解明していくという基礎研究の部分も大事にしないといけないのではないかと思います。こうした研究のさらなる充実を求めますが、部長の答弁をお願いします。
 最後に、うめ研究所では、光化学オキシダントによる大気汚染を平成16年、2004年から観測をしてくれております。先日、データをもらったところ、非常に高い状態が続いております。お配りしているこのグラフと表の資料でございます。
 この表は、昨年の4月1日から30日までの1カ月間のオキシダントの測定データでございますが、上の段にうめ研究所の値、下には和歌山市にある県環境衛生研究所の測定の値を示しております。ごらんになっていただいたらわかるように、うめ研究所では、環境基準を超過した時間が1カ月で246時間もございます。また、30日、1カ月のうち26日もの日数で環境基準をオーバーしています。1カ月の平均の値でも、環境基準の0.06ppmに大変近い。そして、右端の欄の1日の平均値で環境基準を超えている日が6日もございます。
 これを見て、私は、のべつ幕なしに環境基準をオーバーしている、こんな観測データはほかにはないというふうに思います。和歌山市内のデータと比べても大変高いわけです。ちょっと参考に調べたんですが、お隣の大阪にある大工業地帯の堺市でもこのようなデータをとっておりますが、こんな汚染の状態はありません。
 県環境衛生研究所の測定データを1年間通じて見ても、1日の平均値で環境基準を超えているというデータは1日もないのです。最近は全国的に春先のオキシダント濃度が高いという傾向があるのは知っておりますが、この数字は私は明らかに異常だと思います。
 この測定結果について、梅への影響をどのように考えておられるのか、部長の認識をお答えいただきたいというふうに思います。
 次に、県管理河川に堆積をしている土砂の撤去について伺います。
 昨年の紀伊半島大水害で紀南地方の河川に堆積した土砂は、出水期に入った現在でも、その撤去が十分進んでいないのが実情です。県議会でも、私も含めて何人もの方がこの問題についての発言をされてきました。
 これまで県は、災害復旧事業や市町の取り組む河川法20条に基づく土砂の採取などを使って、この土砂の撤去に取り組んできていただきましたが、何分、出てきた土砂のボリュームに対して、工事の量、予算の額が圧倒的に足りない状況です。例えば、熊野川の和歌山県に関係する部分でいいますと、堆積土砂は推定430万立方メートルと言われておりますが、今取りかかっている工事をこの流域で合計しましてもせいぜい20万立方メートル、これでは時間がかかり過ぎます。
 こういうふうになる背景の1つに、災害の査定基準が余りにも厳しいということがあります。川にたまった土砂が川の断面の3割以上をふさがないと、災害として採択しないという基準なんですね。断面積で3割以上ふさがるということは、普通に考えたら、もう見た目では大方ふさがってるような状態だと私は思います。
 これについては、知事も先日、紀伊半島知事会議の提案ということで、国土交通省副大臣に、3割埋まった区間だけじゃなくて、それに連なる区間については災害として認めてほしいという提案をしていただきました。これについては、私たちもかねてから県河川課、国土交通省とも話し合ってきたテーマですから、今後、柔軟な運用となり、昨年の災害部分についても新たに採択されるよう願っております。
 そこで、新たな災害採択も含めて、土砂撤去に対する国の財政上の援助の見通しについて、知事に伺いたいと思います。
 また、事業の推進に当たっては、この熊野川は三重県側と協調して工事を進めなくてはなりません。川の半分の和歌山県側だけ土砂をどんどん取っても、向こうでたまってたら流れてくるだけで意味がないわけです。協調が大事であります。この点では、新宮市長さんは、国が直轄管理する河口の5キロ部分だけでなくて、その上流の和歌山県、三重県が共同管理する部分についても、国の直轄事業としてどうか実施してもらえないかという要望を上げられておりましたが、このことについても、知事からもしっかり国に要望してほしいと思うのですが、お考えをお聞かせいただきたいと思います。
 2つ目に、利水ダムの治水的な運用についてです。
 私は、昨年の9月議会で、治水の機能を持たない利水ダムについても、大規模な出水が予想される場合には治水機能を持たせられないかと、この場で知事と議論をしましたけれども、この点については今日まで具体的な努力をしていただき、県営ダムだけでなく、関電の殿山ダム、電源開発のダムについても、一定の運用改善をしていただけることになりました。この場をおかりしまして県当局の御努力に感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、今回伺いたいのは、新宮川水系と言われるこの川の水系ですが、電源開発は、学識者や国、そして関係3県によるダム操作に関する技術検討会というのを開催してきましたが、その議論の中で県の主張してきたこと、議論の状況と成果、今後の取り組みを県土整備部長にお答え願いたいと思います。
 また、私は、昨年9月議会の中で、そういう運用の改善だけではなくて、ダムの堤体そのものの改良など、ハードの面での対策も検討することを求めましたが、今後その可能性はあるのかどうか、このことについても答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、学校給食の放射能測定について伺います。
 このことは、昨年の12月議会で質問いたしました。当時はなかなかいい返事がありませんでしたが、「いずれ全国ではからなければならなくなりますよ」と言って終わったんですけども、このたび国のほうで予算措置をされて、まさに全国で測定するようになりました。県では、この6月議会の補正予算の中で対応していくということであります。
 そこで、今後、この給食の放射能測定をどのように実施していくのか、教育長の答弁をお願いしたいと思います。
 以上で、第1回の質問を終わります。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの高田由一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、大飯原発再稼働に関して幾つか御質問がありましたので、お答えいたします。
 第1問は首相の再稼働表明の評価ということであったかと思いますが、大飯原発の再稼働については、国民生活を守るという観点から動かすべきだと判断したというふうに言われたことは適当だと認識しております。
 第2に、原子力を基幹電源としていくことについての考え方であります。
 私は、この点については、大事なことは、全体としてエネルギーを量的にも価格的にもきちんと国民に提供していくことだというふうに思います。実現できないことを夢想していては無責任であります。その際に、それぞれいろいろな不都合が、あるいは不都合なリスクがあります。
 原子力については、福島第1原子力発電所の事故のようなリスクがあることは、もう全員が御存じだと思います。じゃ、火力や水力にないかというと、やっぱりあります。多分、亡くなられた方の数はそっちのほうが大きいと思います。
 それから、原子力絶対反対と言うと必然的に排ガスがふえます。それは、規制できちんとコントロールしているとはいえ、梅に心配はないかとか、いろいろなまた懸念が生じます。
 それから、化石燃料に頼っておりますと、安全保障上、問題が大きいということは言われております。
 それから、地球温暖化の防止という観点ではどちらがいいかという議論が出てまいります。
 それから、風力や太陽でどのぐらい稼げるかというような問題もあります。
 そういうリスクの管理も含めて、どういう組み合わせで量的にも価格的にもリーズナブルなものを提供していくかということが大事だと思います。
 そういうことを考えると、ずっと先のことはともかくとして、当面は今ある原発に頼らざるを得ないのではないかというふうに私は思います。
 例えば、御指摘のあったドイツは、脱原発を決めたというふうに報道をされております。正確には、決めていたのをまた戻そうとしていたのをやめたということであります。しかし、全くマスコミ報道には出ませんけれども、私が1カ月ぐらい前に調べたら、17基ある原発のうちの9基がまだ動いております。しかも、ドイツはエネルギーを純輸出しております。原発でつくったエネルギーを他国に売っとるというぐらい余裕のある中で動かしています。それが真実であります。
 3番目に、動かすリスクと動かさないリスクとは何かということでありますが、巨大技術にはリスクがつきものだと思います。原子力を動かすリスクについては、今回の事故で顕在化しております。
 電力不足で停電があったようなときに動かさないリスクが発生しております。停電が急にあったということはもちろんでありますけれども、計画停電であっても、例えば病気があっていろいろな装置に頼っておられるような方がどこにどういうふうにいらっしゃるか──実は、我々は15%が不可避かもしれないという心配をしていましたから──それを県庁挙げて全力で把握するよう努めました。しかし、全部について把握することは責任が持てません。そのときに把握漏れがあると、直ちに生命の危機に瀕するというようなことになります。
 また、それほど深刻でなくても、信号が動かないとか、あるいは電車が動かないで通勤や通学に支障が出るとか、そういうようないろいろな不都合が生じます。
 それを避けるためには節電が要りますが、昨年、あれだけ必死で節電を呼びかけてまいりましたけれども、実は関西全体では、和歌山は1%ポイント高いんですけども、関西全体では、生活で3%、オフィスで5%の節電しかできませんでした。
 これを仮に倍にしてくださっても、それでも産業活動に残りをしわ寄せしようとすると、27%に和歌山ではなります。これで所得が減らないで済むとか、あるいは失業が出ないで済むとか言う人がいたら、私は顔が見たいというふうに思います。既に問題になってる非正規雇用の方々なんか、真っ先に犠牲になると私は思います。さらに、長期的にも関西の空洞化が余計進むんじゃないか。そういう意味で、政府とか、あるいは首長のみならず、すべての政治家は、この双方のリスクについて責任があると私は思います。
 次に、関西広域連合の話であります。
 考え方は今述べたとおりでございますけれども、関西広域連合のエネルギー検討会においても、2020年から30年ぐらいを想定いたしました関西における中長期的なエネルギー政策の考え方を検討することになっておりまして、その中で、原発への過度の依存を見直し、新たなエネルギー社会の構築等について十分議論をしていくということで、私も先ほど述べた考え方に基づきまして参加してまいりたいと思っております。
 次に、電力不足に対する関西電力の取り組みの問題でございます。
 関西電力については、需給調整契約のメニューの新設、拡充とか、これによって需要を抑制しようとか、あるいは供給側でいうと、海南発電所2号機の運転再開のためにかなり投資をするとか、そういう経営判断をして電力供給能力の増強に努めてきたということは評価をいたします。
 一方、かくも電力需給が逼迫している現時点でも、まだオール電化システムの販売をやめないというのは、私は全然評価しません。これについては問題ではないかというふうに事務的に言うようにという指令を出しております。
 次に、県民や地元経済界からの声ですが、これはたくさんあります。
 生産部門等の節電は、製造加工の最盛期での生産調整となり困難でありますよと、それから、顧客サービスの低下につながりますよというような声があります。また、計画停電となったときは、その影響は多方面に及び、例えば機械を一たんとめると、プラント再立ち上げに1週間程度必要なんだぞと、わかってんのかというようなことを言われる人もいましたし、製造業界を初めとした各業界から経営に支障が出るという話はたくさんあります。
 また、医療機関や、あるいは福祉施設、あるいは乳幼児や高齢者がいる家庭の方なんかからも、どうしてくれるのというような話はたくさんあります。例えば、自分のような小さな病院は──分類上、診療所に該当すると思いますけれども──非常用電源もないのだから、入院患者とか、あるいは救急医療とか、どうしたらいいんだというような声を具体的に直接聞いたこともあります。
 4番目で、原発ゼロを目指してであります。
 ゼロを目指して声を上げてということでありますが、それがもし実現したとき生ずる数々の不都合な現実に目をつぶれというような無責任な態度は、私はとりたくないというふうに思います。
 河川の防災対策であります。
 河川の埋塞に係る災害復旧事業のように安全・安心にかかわる事業については、採択基準を画一的に適用するのではなくて、被害や復旧費の大きさ等、個々の実情に合わせ、柔軟に判断すべきものだと考えております。
 先日の紀伊半島知事会議でも、河道断面の3割未満の埋塞区間を含めた一連の区間で必要となる対策については、補助対象とするよう提案をいたしました。これは解説をいたしますと、実はこの3割未満は災害復旧の対象にならないということになっとるわけです。こういう点について問題だと思っております。
 また、熊野川における県管理区間の土砂撤去については、市の協力を得るなどの工夫をしながらも県で進めておりますけれども、堆積土砂が余りにも多くて時間も費用もかかることから、政府提案の中でも、県管理区間の国直轄区間への変更や、流下を阻害している堆積土砂を緊急に撤去するために、必要な予算の確保をお願いしているところです。
 この間、紀伊半島の3県と国の、この間の12号台風に関する合同会議がありましたが、そのときにもこういう問題を提起いたしまして、特に一番初めに申し上げました30%の話などは、個別の相談の中でぜひ協議をさしてもらいたいというお話がありましたので、引き続き、いろいろと国の支援が何か得られないかということを考えて、できるだけ早く問題の解決に資するように努力してまいりたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 関西電力御坊発電所の稼働率──関西電力では利用率と言っておりますが、平成23年度の年間利用率は36%、月別の最高利用率は平成24年2月の62%であったとの情報を得ております。
○副議長(浅井修一郎君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) まず、梅生育不良の現状と今後の対策についてお答え申し上げます。
 梅の生育不良につきましては、植物生理や大気環境等の専門家で構成する和歌山県うめ対策研究会において、栽培要因、気象要因、土壌要因などが複合的に絡み合って引き起こされたものと報告されております。
 これを受け、県では、産地の方々と一体となり、生産安定を図るための改植や土壌改良に取り組み、現在、生育不良樹の栽培面積に占める割合は、ピーク時に11.6%であったものが1%未満にまで減少しているところです。
 今後も梅産地の維持発展を図るため、生育不良の発生状況を注視しつつ、地域にとって必要な対策を引き続き実施してまいります。
 また、試験研究につきましては、研究会報告における残された課題を中心に、生理生態面での基礎研究や水分ストレス、適正着果量などの研究を行い、その成果をウメ栽培管理マニュアルに反映させて現地指導に生かしてきたところであり、今後も引き続き梅の高品質、安定生産に向け、研究を継続してまいる所存でございます。
 次に、大気汚染測定結果の評価についてですが、うめ研究所でのオゾン測定結果では、議員お話しのとおり、昨年度において4月1カ月間の測定期間中、環境基準を超える1時間当たり測定値を示す日数は26日あり、また1日のうち20時間、基準を超えている日もあるなど、4月に高い測定値を示しているのは、平成24年、ことしと同様の傾向でございます。
 また、昨年もことしも日平均で環境基準の0.06ppmを超える日が測定されておりますが、うめ研究所内において梅の木に対する生育不良やオゾンの影響と思われる症状は認められておりません。
 県では、平成11年にオゾンと二酸化硫黄及び二酸化窒素の複合ガスによる梅の木への連続暴露試験を行い、落葉や、あるいは葉に斑点症状が確認されましたが、生育不良と同様の症状ではないと研究会から報告を受けております。
 オキシダント濃度の年平均値はほぼ全国的に上昇しておりますが、特に平成12年度以降、九州や東海、近畿の西日本を中心に急上昇しており、大気汚染を心配される声もあることから、今後も継続を測定し、梅への影響を注視してまいりたいと考えております。
 以上です。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 利水ダムの治水的運用についてでございます。
 ダム操作に関する技術検討会は、電源開発株式会社が新宮川水系に所有するダムの操作等について、台風12号を対象にさまざまな視点から意見を聴取し検討するとともに、ダム操作に関する現状確認、改善等を継続的に検討することを目的として、同社が設置したものでございます。
 県も委員として参画し、より大きな治水効果を得るため、さらなる水位低下の可能性を求める意見等をしたところ、降雨予測に基づく水位低下の限界や下流利水者への影響の可能性も踏まえ、今回の暫定運用内容がまとめられました。暫定運用による効果は洪水によっても異なりますが、現行運用に対して放流量を最大で約25%程度低減させる効果があると試算されております。
 今後、技術検討会では、気象予測技術の動向を把握するとともに、運用の妥当性や下流利水者への影響を検証し、運用方法を適宜見直していくこととしています。
 さらなる水位低下を求めていくには、本県が2級河川で実施しているように、1級河川においてダムの設置を許可する国がリスクを負って電源開発株式会社に要請していくことが必要と考えており、県としては、今回の暫定運用の効果を見きわめてまいります。
 また、台風12号において、熊野川では、国が策定した新宮川水系河川整備基本方針の計画流量を超える洪水が発生しました。このことから、現在、県では、国に河川整備基本方針の見直しを求めているところです。ダム堤体の改良によるハード対策については、それら熊野川の総合的な治水対策を考える中で処理される課題と認識しております。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 学校給食の放射能測定についてお答えします。
 一般に流通している食品につきましては、本県では放射性物質の検査を計画的に実施しており、他府県においても同様に検査が行われていることから、安全なものと考えてございます。
 学校給食に使用する食材についても、それらの流通食品を使用しており、安全であると認識しておりますけれども、このたび国から学校給食のモニタリングを行うよう委託があったところであり、ダブルチェックを行うことは児童生徒等のより一層の安全・安心の確保に資するということから、今定例会において、国の事業を活用する学校給食モニタリング事業を補正予算にお願いをしているところでございます。
 この事業は、実際に提供された学校給食の放射性物質の有無や量を検査するものであり、2学期以降、今年度中に県内各地域の学校等で合計70回の調査を実施するなど、継続的な実態把握に努めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(浅井修一郎君) 再質問を許します。
 高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕
○高田由一君 答弁ありがとうございます。
 知事からは、原発の問題で答弁をいただきました。動かすリスクと動かさないリスク、双方あって、首長というのは双方に責任を持たなければならないという御見解でございました。
 しかし、私は、一方のこの原発事故のリスクというのは、福島であったことを例に挙げるまでもなく、本当に大変な、地域と社会と、そして歴史的にも地域全体が立ち行かなくなるような被害を与えるということは、もう御承知のとおりであります。この福井でも事故が起これば、関西の中心地は大方この100キロ圏内に入ってくるわけですから、本当にこの関西の経済活動というのがもう立ち行かなくなる、こういうふうに心配をするわけです。
 私は、このリスクと、先ほど知事がるる県民から寄せられたいろいろな声を述べられましたが、このリスクとを同列に考えて比べるというのはいかがなものかと思っているんです。原発を動かしての事故のリスクというのは、これは現在の我々の世代の選択ではありますが、考えれば、その事故の影響というのは、将来の世代にもわたって引き継がれる大変な命のリスクになると思うんです。私は、そのリスクを考えるなら、原発を動かさないというまず大前提を置いて、その中で、経済や、あるいは福祉、暮らしの影響をどうなくすかという建設的な議論をしていくことが大事ではないかと思います。
 私は、その点では政府に大変疑問を持っています。計画停電という無計画な停電で住民をおどすのではなしに、なぜ昨年やったような、例えば大口の需要に限った電力使用制限令というのもございましたが、期間をごく定めて発動を検討するということは、最初のほうは言っていたように思うんですが、5月の頭あたりからはさっぱり聞こえなくなりました。
 しかし、そうは言うものの、私は、経済界のほうは、大変大企業を中心に対策をとっているなということに感心した事例がございます。
 ここに、「朝日新聞」の6月17日付があるんですけれども、全国主要100社へのアンケートというのをとってます。これを見て、なかなかしたたかな対策をしているなと思ったんですが、電力不足が経営へ与える影響についてのアンケートでは、「影響はない」と言われる社が26社、「多少のコスト増だが影響は限定的だ」が38社ございます。加えて、「節電でコスト削減になる」、要は節電することで経費が減るというんですね、そういうきっかけになると答えた会社も22社ございました。「大幅コスト増で利益圧迫」というところは2社だけでございました。
 また、同じ紙面の中で関西の幾つかの大きな企業を挙げてるんですが、原発の再稼働は歓迎しながらも、自家発電に50億円これから投資するだとか、研究施設の勤務時間を夜間や土日に変えるシフトなど、具体的な対策を次々打っているようで、私はこれを見て、関西は電力需給が不安定になるからもうよそへ行ってしまおうかという、そういう意見はどうもないように思います。
 停電のリスクは、何も供給力不足ばかりではありません。きのうの台風でも一部停電がありましたが、台風、地震、送電線の事故など、いつでも起こり得ます。この機会に、そういう停電というリスクがあるのなら、そのリスクをきちんと受けとめるインフラの整備を進めるなどのことこそ大切なことだと私は思います。
 原発による破壊的なリスクで、本当に孫の代というよりも万年先の人類にツケを回すよりも、やはり停電による社会的なリスクにどう具体的に対応するか、政府の議論がそうなっていくように、私は今後とも県政から働きかけていっていただきたいし、私も働きかけていきたいと思います。
 それと、首長の立場にもいろいろ違いがあるわけでございますが、これは静岡県の浜名湖の横にある湖西市という市長さんが、全国の市町村さんや市長さんに呼びかけて、脱原発をめざす首長会議というのを立ち上げられております。会員は70数名になったそうですが、この湖西市長の三上元さんという方は経済人です。「湖西市には、スズキの工場を初め、自動車や電気関連など、たくさんの企業があります」と述べられています。
 この市長さんが最初に脱原発発言をした昨年4月、「工業の町の湖西市でそんなこと言ってええんか」と言う人がおったというんですが、この市長さんは経済界を説得できる自信があるというふうに言っておられます。原発が結局は大きなリスクのもとで決して安くないよというのがわかれば、経済界の人も支持しませんよというようなことを新聞記事の中で述べられていることも紹介をして、この項目は、そういう動きをしっかり今後もしていただきたいということで要望さしていただきたいと思います。
 次に、農林水産部長から答弁をいただいたオキシダントの問題なんですが、環境基準ということでは、先ほど述べられた答弁のことなんですが、この環境基準は、そもそも、部長も御存じのように人体に対する環境基準であって、梅に対する、植物に対するものではないということを前提にしておきたいと思います。
 昨年もことしも、うめ研究所のデータは同様ですという御答弁でしたが、このうめ研究所の地点では変化がなくても、やはりさっき紹介したような一般の測定局である環境衛生研究所などと比べたら、これは本当に異常に高い数字だと私は思うんです。異常なデータを異常なデータとして認識できていないのではないかというふうに思います。
 私は、この問題というのは、うめ研究所を抱えてる農林水産部だけでとらえるんじゃなしに、やっぱり必要ならば、県にも専門家がおられる環境衛生研究所や、あるいは国の国立環境研究所などでも、今、オキシダント、さっき部長言われたように、いろんな全国的な詳細な調査もされておりますから、アドバイスももらいながら研究を進めていってはどうかというふうに思うんですが、これについてはもう一度答弁をお願いしたいと思います。
 続いて、学校給食の放射能測定です。
 70回、年間はかっていただける予定だと伺いました。だとすると、国は、どうもこの和歌山県のようにだだっ広い地域にぽつぽつ学校があっちにある、こっちにあるという状態を想定していないんじゃないか。やはり測定回数や対象となる学校が、国の基準では私は少な過ぎるというふうに思います。県におかれましては、ぜひこの国の制度も使う上で、上乗せをしたり、そういうこともして、学校数と測定回数を充実させていくことを今後考えていただきたいというふうに思います。要望しておきます。
 県土整備部長からは、ダムの問題、それから熊野川の問題に答えていただきましたが、先日もこの熊野川へは現地調査に行ったわけでございます。その中で、これは要望なんですけれども、見て回ってもなかなか、168号線は大分改修も進んでいろいろやっていただいてるんですが、対岸の三重県側に目をやりますと、もう崩れた道がそのままになってるんですね。
 この議場で余りよその県のことを言えないわけですが、しかし私は、いざというときには、川の両岸に道路があるかないかで、被災地への対応、時には運命を分けることになると思うんです。災害に強い幹線道路をこっちでつくる、それにプラスして補完する道路があっち側にあるというのが正しいというか、いい道だと思うんです。
 それで、3県協議の場をこれからも持たれるということもありますから、ぜひこの点についても協力をあちらの県に要請をしていただけたらと思います。これは要望でございます。
 ですから、質問の部分は、農林水産部長へ大気汚染の問題についてお答えいただけたらと思います。
○副議長(浅井修一郎君) 再質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 議員御指摘のように、環境基準は人間に関する基準、人間の健康を維持する上で守ることが望ましい基準でございます。
 オゾンが植物体に及ぼす影響につきましては、関係機関に意見を求める等、情報収集に努めてまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(浅井修一郎君) 再々質問はありますか、時間がありませんけれども。
  〔「終わります」と呼ぶ者あり〕
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、高田由一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 23番岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕(拍手)
○岸本 健君 議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問を行います。
 まず、通学路の問題について教育長にお尋ねいたします。
 4月23日に京都府亀岡市の府道において、登校中の児童と引率者の保護者の列に軽自動車が突っ込みました。10名の方がはねられて3名が亡くなられ、そして7名が重軽傷を負いました。
 また、4月27日、千葉県館山市と愛知県岡崎市で登校中の小学生の列に車が突っ込む事故があり、館山市ではバス待ちの児童4人と見送りの保護者2名に軽自動車が突っ込み、児童1人が亡くなりました。岡崎市では、集団登校中の児童4人の列に軽自動車が突っ込み、男女2人が骨折などの重傷を負いました。
 4月20日には三重県いなべ市で、また5月7日には愛知県小牧市で登校中の交通事故が起きております。
 4月といえば、子供たちにとっては、心新たに入学式や新学期と、スタートになるとてもすばらしい季節でもあります。大半の児童生徒は、学校へ行くこと、友達に会うこと、また勉強、運動、遊ぶこと、本当に楽しみにして学校へ通っているんではないかなと。そのような時期に立て続けに起こった事故に大変驚き、何とも言えない気持ちになりました。
 これは登下校中ではありませんが、和歌山県内でも、5月28日に和歌山市内の交差点で軽貨物車と幼児用自転車が衝突をして、自転車に乗っていた園児が亡くなられたとあります。現場は小学校のすぐ近くであったといいます。
 和歌山県内の登下校中の交通事故件数について、平成22年度では高校生が48件、中学生23件、小学生で13件、合計で84件、また23年度、高校生が38件、中学生が20件、小学生13件、合計71件と決して少なくありません。県内でもこんなに多く事故が実際起きているのが現状であります。
 当たり前のことですが、学校の始業時間というのは決まっております。ほとんどの子供は自宅から通っています。学校のチャイムが聞こえてからでも、それぐらい近い子供もいれば、1時間かけて歩いて学校へ通う子供もいます。特に登校の時間帯は通勤ラッシュと重なりますので、自動車等の交通量も多くなります。低学年の児童にとってはかなりの負担になることもあって、危険を避けるための配慮をしなければならないというふうに思います。県教育委員会の通学路の安全対策について、教育長にお尋ねいたします。
○副議長(浅井修一郎君) ただいまの岸本健君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 県教育委員会の通学路の安全対策についてお答えをしたいと思います。
 全く議員と同じ思いで、教育委員会は厳しく受けとめてございます。
 通学路の安全対策につきましては、教職員を初め、安全ボランティアによる登下校時の通学路における子供の見守り活動を充実させるよう働きかけるなど、従来から積極的に取り組んできたところです。
 また、教職員を対象とした交通安全に関する講習を年4回開催し、通学路の子供の安全確保について研修を深めるとともに、セーフティーネットの日を年6回設け、PTAも含めた多くの関係者の参加、協力を得ながら、地域全体で子供の安全を守る取り組みを進めているところです。
 また、今回の痛ましい事故を受け、通学路の安全対策について関係者が緊急に合同点検するよう、5月30日に文部科学省から依頼がありました。県教育委員会では、この依頼を受け、学校、警察、道路管理者、保護者及び安全ボランティア等が連携し、危険箇所を抽出すること、また必要となる対策を検討するよう、市町村教育委員会及び県立学校に通知したところです。
 以上です。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 私も、ボランティアで月に1回、オレンジの帽子とベストを着て、背中に「きしゅう君」ですかね、背たろうて、セーフティーガードで通学路へ立っております。朝から元気にあいさつする子供の顔を見たらこっちも笑顔になってくるんですけども、しかし、私たちが見守るだけでは事故はなかなか防げないという限界があります。
 今まででも行われていると思います。十分にやられてると思います。児童生徒に対しての交通安全や危険防止の意識を持つように指導することが大切であると。
 これは賛否が分かれます。他県の話なんですが、この意識を持つように集団登校をなくしてしまったというニュースをちょっと見たことがあります。児童をねらった犯罪から児童、子供を守るためにはこれはいかがなものかというふうにも思うのですが、長い列で歩くので交通安全面で危険な場合があるかもしれないと、そういうところから、そういうのを廃止したということなんですけども、それだけ子供自身の意識づけが重要になってくると。
 先ほどの文部科学省の話ですが、4月27日の登校中の児童の列に車が突っ込む事故、これが続いたことを受けて、5月30日に通学路の全国調査に乗り出す方針を示されたと。登下校時の被害実態や通学路の安全確保の状況について、調査する必要があるという文部科学省の判断であります。
 また、5月28日、文部科学省、国土交通省、警察庁は、全公立小学校で8月末までに学校と道路管理者、警察が連携して危険箇所を調査することを決めました。8月中に市町村から都道府県──教育委員会でしょう──報告と。9月10日には文部科学省に報告すると。もう何カ月もたつんですよね、言われてから。本当に今回の通学路における緊急合同点検について、私はちょっとゆっくり過ぎるんじゃないかなという思いがあります。「緊急」とついてるんですから、もっと速やかに、早急に取り組むべきではないのかなと。
 そして、さらに残念なことは、文部科学省は隔年で学校の安全管理について全国調査を実施していると。これまでも行われていたのは犯罪予防が主な対象であると。もちろんこれも重要なことでありますが、交通安全に関する調査はほとんど含まれていなかったというふうに聞いております。ということは、今まで何もしていなかったということはないと思うんですが、文部科学省はほとんど通学路の安全対策にそんなに目を向けていなかったのかなという気になります。
 こういうことこそ、県教育委員会が率先して取り組むべきだと思います。文部科学省から通達がないとできないということはないと思うので、その点について教育長の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 緊急合同点検の速やかな実施という件についてお答えしたいと思います。
 児童等が巻き込まれた今回の事故は、通学路の安全確保に対して看過できない状況であったことから、事故発生当日、直ちに市町村教育委員会及び総務学事課を通じて、各学校に注意喚起するよう指導を行いました。
 また、事故直後に開催された各市町村教育長会議の場で、通学路等の危険箇所の再点検や児童生徒の注意喚起を促すよう直接お願いをしましたが、その後も千葉県、愛知県と痛ましい事故が続いたことから、5月2日には関係機関との連携による安全点検や安全確保に努めるよう文書による通知を行ったところです。
 今後も、地域が子供を守る機運の醸成を図っていくとともに、学校としても、子供の危険回避能力や危険予測能力を向上させる教育や、交通安全指導の充実に取り組んでまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 もう今まさに教育長言われたとおり、しっかりと取り組んでください。よろしくお願いします。
 次にいきます。
 近年、公共の建物の耐震化、特に学校の耐震化を重点に取り組んできています。もちろん大切なことでありますが、同様に通学路の安全対策もするべきだと考えます。
 通学路の安全対策として、道路に縁石を設置し歩道を確保したり、道路幅が狭い場合は、歩道部分に色を塗装して歩道と車道を分ける整備もできると思います。時には道路幅の狭い場所で歩道を整備したり、ガードレールやガードパイプを設置する、そのために道路を拡張し、時には民家の用地買収や移転補償をしなければならないこともあるかもしれません。
 これで完璧かというと、そうでないかもしれない。しかし、やれることはとにかくやらなければならないと思いますが、県土整備部長のお考えをお聞きします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長尾花正啓君。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 県土整備部の通学路の安全対策についてですが、県では、交通量が多く危険な箇所から歩道整備等に取り組んでいるとともに、定期的に道路パトロールを行い、防護さく等の状況把握や補修により安全な通行の確保に努めております。また、道路管理者、学校関係者、警察、自治会等が合同で現場を歩いて点検し、問題点を抽出して必要な対策を行うといった取り組みも実施しております。
 今後も、事業用地の御協力をいただき歩道整備を進めるとともに、防護さくや側溝ぶた設置等の即効性が高い対策も活用し、通学路の交通安全対策に積極的に取り組んでまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 部長が、今、通学路の安全対策については、県は交通量が多く危険な箇所から歩道の整備等に取り組んでいるとのことですが、ある地域で十数年前に県道が開通しました。今では、通勤時間には大変多くの車が通り、利用者にとっては大変便利になっています。しかし、一本道であったり坂道であったり、かなりスピードが出る場合もあります。そしてまた、交通事故も少なくなく、決して安全と言えない道路であります。それ以前はのどかで、自動車も対向するのにぎりぎりのような、そういう道でありました。そこはもちろん通学路でありました。大きな道路を車が来ないのを確認し、県道の際を走って通ったり、県道を横断したりという子供の姿をよく見かけました。
 県道開通以来、歩道や横断歩道の設置を要望してきましたが、昨年ですが、ようやく、横断歩道だけと言うたらあれなんですけど、横断歩道が設置されるようになりました。幸い、そこの道で通学中の子供が事故に遭ったということは聞いたことがありません。それだけ真剣になって道を通っていたんだろうなと思いますが。
 新規の道路ができる場合は、設計の段階でいろいろ計画があったり、交通量の予測であったりとか、そういうこともするんだと思うんですけども、またその後、さらに変わる場合もあるかもわかりませんので、恐らく県道等の危険箇所の見直しとか要望というのは、もう常に各地域の振興局に出てきていると思います。
 道路事情や地域の事情、また予算の問題でなかなか難しいことがあるのかもわかりませんが、先ほど例に挙げました他県では、事故が起きてから、道路の拡幅、ガードレールの設置、歩道整備といろいろやられてるというのが調べていくとわかってきました。事故がこういうふうに起きてからこんなことをして──こんなことをしてと言うたらあれですが、遅いんですよね。事故が起きないように、危険がないように、和歌山県ではそんなことがないように、部長が言われた関係機関と強く連携をして、通学路の安全対策に県土整備部も積極的に取り組んでいただきますように要望します。
 次に、警察本部長にお伺いをいたします。
 5月8日の「読売新聞」の和歌山版に「児童の通学見守り強化」という見出しが大きく載っておりました。京都の事故を受けて県警が小学校の通学路でのパトロールの強化を行っていて、登下校時間帯に合わせて1日平均150人の警察官を動員して、事故多発地点での見守りや重点的な事故防止を目指していくと。当面、警戒を続けることにしたとありました。
 警察ばかりに頼ってはいけないと思うのですが、当面と言わずに継続して行えないかと思うのですが、警察本部長の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 警察本部長山岸直人君。
  〔山岸直人君、登壇〕
○警察本部長(山岸直人君) 議員質問のとおり、本県警察では、京都府下での通学路における重大事故の発生を受け、直ちに、児童等の登下校時の安全を確保するため、登下校時間帯を中心に通学路周辺において白バイや制服警察官を投入し、交通監視や交通指導取り締まりなど、子供の保護誘導活動を強化しているところであります。
 今後も、学校関係者、交通ボランティア等と連携をして子供の保護誘導活動を継続して実施していくほか、学校、道路管理者等と連携した緊急合同点検を実施して危険箇所を抽出し、必要な対策についての検討、調整を行うなど、ハード・ソフト両面から効果的な交通安全対策を推進してまいる所存でございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 この記事の続きがありまして、記事の中に小学校6年生のインタビューがありました。「たまに信号無視をする車を見ることがあるので、警察の人が来てくれてうれしい」という子供の言葉がありました。子供は正直ですから、今まで大変怖い思いをしたことがあるんだと思います。警察の人が立ってくれているだけでも抑止力になるし、子供は安心しておるというふうに思うんです。
 そして、今言われたいわゆるハード面です。信号機とか歩道橋だったり横断歩道というのは、なかなかいろんな状況があって困難な場合もあると思います。通学路であることのドライバーへの啓発とか、また交通規制等、ソフト面は警察にしかできないことだと思いますので、この取り組みにも重点を置いて取り組んでいただきますようによろしくお願いをいたします。
 次に、知事にお伺いをいたします。
 先ほども触れました、文部科学省、国土交通省、警察庁は、全公立小学校で、学校と道路管理者、警察が連携して危険箇所を調査するということであります。
 和歌山県として、県土整備部、県教育委員会、県警などが参加するプロジェクトチームを発足させてはいかがでしょうか。知事の御所見をお伺いします。
○副議長(浅井修一郎君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 通学路の安全については、児童生徒が安心して学校に通えるよう通学路の安全確保に努めるのは当然のことでありまして、このような事故があっては絶対いけません。このために、学校関係者だけに頼るというんじゃなくて、広く関係機関が連携して、通学路の安全点検とか、安全確保とか、あるいは設計、施工とか、そういうものを連携してやっていく必要があると思います。
 今後、警察本部、県土整備部、教育委員会の3者で合同会議を開催し、情報を共有するとともに、対策についても検討していくように、私からも指揮していきたいと思います。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 知事がもうリーダーシップをとって、この3者、県土整備部長も、教育長も、県警本部長もしっかり連携をしてと、3者とも連携をしてと言うてくれてますんで、知事がリーダーシップをとって、行政の縦割りの弊害とか、そんなことをもう言われないように、しっかりと取り組んでいただきますようにお願いをいたします。
 次に、教員の飲酒運転について教育長にお尋ねをいたします。
 近年、全国的に教員の不祥事が多発し、教職員への信頼が揺らいでいるように感じています。
 和歌山県においても、年中行事のように毎年不祥事が起こっているのが現実としてあります。ほとんどの教員は一生懸命に頑張っているものと思っておりますが、教員の意識の緩みが生じているのか、根本的に教員の資質を持ち合わせていないのか、指導体制に問題があるのか、問いたださなければならない状況であると感じております。
 教員による不祥事は、たとえ1人が起こしたことであっても教員すべてが同様に言われるのが残念であり、和歌山県の教育への県民の信頼を失うものであり、非常に残念であります。
 過去5年間で知事部局の職員と教職員の不祥事、懲戒処分等について比較をしてみました。毎年必ず何かが起こっています。どちらも褒められるものではないんです。しかし、特に教員の飲酒運転が、群を抜いてと言ったらすごい数のことのように思われるんかわかりませんけども、必ずあるんです。平成19年は1件、20年は3件、平成21年度は3件、22年度2件、23年度3件、本年度はもう現時点で1件が報告されているということであります。
 このような状況ですから、本来の教育活動、子供たちを教える、こういうことに対して支障が出るのはもう本末転倒と言わざるを得ず、十分な環境整備が急務であると考えますが、実態をどのように考えているのか、教育長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 本県における教員の不祥事の状況につきましては、議員御指摘のとおり、ここ数年、飲酒運転等が続いて発生しております。このことは、教職員だけでなく、本県教育そのものへの信用を著しく失墜させることになり、まことに遺憾なことであると受けとめております。
 教員は、児童生徒の指導に直接かかわり、人間形成や規範意識の醸成等に多大な影響力があります。その意味でも、こうした立場にある教員が不祥事を起こすことは、児童生徒はもちろん、保護者や県民の信頼を失うことにつながっていきます。
 学校教育の重い責任を果たすためにも、今後、県民の信頼回復に向けて、教職員が一丸となって、何としてもこうした不祥事を根絶しなければならないと考えてございます。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 私も、あんまりこういう質問をしたくないと言ったらないんですが、私ももともと教員でしたから、たった1人の教員による不祥事で、「また学校の先生か」と、そんなことを聞くと歯がゆくて仕方がないんです。ですから質問したんです。
 私のことですけども、小学校、中学校、高校と好きな先生がいました。それは尊敬できる先生であり、こんな先生になりたいなと、こんな人になりたいなと思える先生に出会えました。すばらしい先生との出会いがありました。
 教壇に立つようになってから言われたことがあるんです。教育者は、この未来を担う子供を教育する立場にあると、崇高な仕事で、すばらしい職業であると、そして尊敬される人間でなくてはならないと言われたことがあります。果たして私がそうであったか、そうでないのか、それはわかりませんけども、この言葉は今でも忘れられません。
 久しぶりに教育基本法にも目を通してみました。第9条「法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。」、2項「前項の教員については、その使命と職責の重要性にかんがみ、その身分は尊重され、待遇の適正が期せられるとともに、養成と研修の充実が図られなければならない。」となっています。これだけ読んでも、先生というのはすごいなというふうに思います。
 近年、教員を取り巻く状況は大きく変化し、教員の負担は大変ふえておると。教員の職務は授業以外にも多岐にわたり、直接指導にかかわらない部分でも負担となっている場合があると感じます。大変だと思いますが、教育に携わると決めたときから大変なのは当たり前であり、言いわけや不祥事が起こることは絶対に許されることではありません。不祥事を起こす教員は、子供に、ルールを守りましょう、約束をしたことは必ず守りましょうなどと言える立場になく、子供の教育にかかわる資格がないと考えます。教員の資質、能力の向上を図ることをこれまで以上に取り組まなければならないと思いますし、飲酒運転が続くというのは、今までの取り組みが、残念ですが、効果がなかったのかなとしか思えません。
 和歌山県は、不祥事に対しての処分内容がほかよりも厳しいというふうには聞きます。それはそれで重要なことかもしれませんが、例えば秋田県などでは、「教職員の不祥事発生防止に向けて 教職員一人一人が不祥事発生防止の強い決意を!」という冊子を作成し、教員の不祥事根絶に向けての取り組みが行われております。他県でも、不祥事根絶の委員会が設置されるなどの取り組みが行われています。和歌山県ではそのような取り組みがやや弱いようにも感じていますが、教育長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 不祥事の根絶のための取り組みについてでございますが、これまで県立学校長会や市町村教育委員会教育長会、管理職や初任者等を対象とした研修会など、機会あるごとに指導の徹底を図ってまいりました。また、先月の不祥事の際にも、すべての教育関係者に対し、法令及び服務規律の遵守について、再度徹底するよう指導したところでございます。
 さらに、各学校においても、学校長が所属職員に対して研修や個別面談を行うとともに、本県で作成したチェックリストを全教職員に配付し、飲酒運転を初めとした不祥事を起こさせないための自己管理の徹底など、さまざまな取り組みを行ってきたところでございます。
 しかしながら、御指摘のように、いまだ不祥事が相次いでいることから、議員に御紹介いただきました事例を含め、他府県の取り組みを参考にしながら、今後も不祥事の根絶に向けて、なお一層取り組みを強化してまいります。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 不祥事の内容に沿って、なぜ起きたのかを再度調査分析していただきたい。そして、対策に生かすことが大切であります。今後の取り組みについて、効果の検証が必要不可欠だと思います。先ほども事例を言いましたけども、いろいろ研究をしていただいて、取り組みを行っていただきたいと思います。
 教員1人1人が自分のこととして受けとめ、初心に返り、自分の行動を見詰め直していただきたい。本来、このような取り組みはないほうがよいのでしょうが、せざるを得ない状況であります。再発防止、根絶に向けて取り組んでください。
 そして、不祥事の根絶には、教員への指導を強化するのは当然でありますが、採用の段階で資質に欠ける教員を排除することも重要であると考えられます。そのために、単純に成績だけでなく、人間性や社会性などを重視した採用をする必要があるのではないでしょか。教育長のお考えをお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 教員採用時における資質の評価についてでございます。
 教員には、人間性や社会性に加え、一般の社会人より高い倫理観が求められるため、本県の採用検査では、単に筆答検査の成績のみで判断するのではなく、教員としての適性等を総合的に評価する人物重視の検査を行っております。
 具体的には、面接検査を第1次及び第2次検査の2回にわたり実施するとともに、受験者の資格や特技、ボランティア活動等に基づくアピールを評価対象とし、こうした実績をさまざまな角度から判断することとしております。また、一定の講師経験のある者に対しては、その能力を評価し、筆答検査の一部を免除するなど、豊かな体験やすぐれた資質、能力を有する多様な人材を確保するよう努めているところです。
 今後も、資質、能力にすぐれ、倫理観や使命感の高い優秀な人材を採用し、県民の教育に対する期待にこたえてまいりたいと思っております。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 平成25年度の教員採用の実施要項の表紙に、和歌山県として求める教員像が示されています。「和歌山を愛し、家庭や地域とのつながりを大切にして、子どもの気持ちを受けとめ、子どもの育ちと学びをともに支えてくれる人」、「子どもとともに未来を切りひらく人 ~豊かな人間性と社会性をもち、学習指導に高い専門性を有する人~」とあります。まさにこのような先生に和歌山県の子供たちの教育を託したいと思います。
 教育長、福岡市の市長さんのように飲酒禁止令を出せとは言いませんが、それぐらいの覚悟を持って、先生方もそうですけども、今までのようなことがないようにお願いをいたします。
 最後の質問です。
 京奈和自動車道の紀の川市エリアでの特産品販売所等の設置について、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 京奈和自動車道は、京都、奈良、和歌山を結ぶ延長120キロメートル、高規格幹線道路であります。新名神高速道路、山陽自動車道、神戸淡路鳴門自動車道、紀淡連絡道路とともに、関西の外側を結んだ環状道路として各都市の連絡を強化して、1周約300キロの関西大環状道路を形成します。都市間の時間短縮を図ることができます。京奈和自動車道は、その中核的な役割を果たす道路であると思います。
 紀の川市においても、この道路を生かしたまちづくりや、地域間交流の促進と地域連携の強化、経済の活力や発展を図るため、重要な道路であります。
 インターチェンジ付近のアクセス道路の整備はもちろん、京奈和自動車道仮称・打田インターチェンジから阪和自動車道上之郷インターチェンジへの直結道路、仮称でありますが、紀の川関空連絡道路の整備を強く推進しており、これについては、平成20年度より国土交通省において調査を開始されております。
 この自動車専用道路が実現すれば、関西空港はもとより、阪和自動車道、阪神高速4号湾岸線への最短ルートとなります。例えば、連絡道を使いますと、紀の川市からわずか15分程度で関空へ到着、打田インターから京奈和自動車道を利用して、和歌山市から阪和自動車道で関空へ行くコースよりも約20分から30分は時間を短縮できると推測されています。紀の川市はもちろん、高野・熊野の世界遺産へのより近いルートとしても大いに注目されますし、和歌山県北部、また隣接の奈良県まで大きな経済効果が期待をされております。
 和歌山県北部、紀の川筋には、京奈和自動車道と並行して、橋本市から岩出市までを結ぶ広域農道、国道24号、河南地域であれば県道和歌山橋本線等がそれぞれ東西に伸びております。これらの道路を南北に打田重行線と国道424号線とがつながり、1本の道路で仮称・打田インターチェンジにつながります。それこそ和歌山県北部、紀の川筋のど真ん中にあるのが紀の川市であり、京奈和自動車道の中心は仮称・打田インターチェンジであります。
 紀の川市は、農業生産額で西日本第1位、全国では第5位となっております。紀の川市が自信を持って全国に誇れる特産品や沿道地域の文化、歴史、名所などの情報提供を行い、紀の川市を広くPRすることにより、特産品であり生産額第1位であるイチジク、ハッサク、第2位の桃、第3位の柿、第4位のキウイ等のブランド化を推進し、京阪神はもちろんのこと、中京圏等にも市場の拡大を図るため、仮称・打田インターチェンジ付近で京奈和自動車道に連結した、休憩機能、情報発信機能、地域の連携機能をあわせ持つ特産品販売所等の設置で、紀の川市はもちろん、和歌山県、奈良県まで大きな経済効果が期待をされます。これらの地域にとっても大変重要であると考えますが、その設置について県土整備部長の御所見をお伺いいたします。
○副議長(浅井修一郎君) 県土整備部長。
  〔尾花正啓君、登壇〕
○県土整備部長(尾花正啓君) 自動車専用道路に特産品販売所等を設ける場合は、道路管理者が設置する休憩施設と一体で整備する場合と、みずから連結許可を得て整備する場合があります。
 京奈和自動車道の休憩施設としては、既に道路管理者である国において、紀北かつらぎインターチェンジから仮称・粉河・那賀インターチェンジ間に仮称・かつらぎパーキングエリアの設置が予定されております。そのため、近接する紀の川市エリアに特産品販売所等を設ける場合は、事業主体となる紀の川市や民間事業者等が新たに連結許可を得た上で、みずからの費用で整備することとなります。
 今後、県としても、地域産業振興等の観点から、紀の川市などから施設設置の具体的な提案があれば、国との協議等に積極的に協力したいと考えております。また、差し当たっては、近傍のパーキングに紀の川市の特産品を置けるよう働きかけをしたいと考えております。
○副議長(浅井修一郎君) 岸本 健君。
  〔岸本 健君、登壇〕
○岸本 健君 特産品販売所等の設置、これについては大変クリアをしなければならない条件等が多くあるようです。しかし、地域の活性、今、部長が置けるようにと、御配慮いただくようなことを言うていただいたんですけども、やっぱりそこにあるんとないんとではえらい違いかなということも感じるんです。ですから、地域の活性化については、もうこれは絶対なくてはならないものであるというふうにも考えております。
 部長、積極的に協力をしていただけるということなので、大いに期待をしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
 この際ですので、知事に要望であります。
 先ほどから言っております仮称・打田インターから阪和道の上之郷インターチェンジへの直結道路、現在、紀の川関空連絡道路促進協議会を設立して、泉佐野市と紀の川市と一体となって努力をしております。来月にも総会が行われます。
 和歌山県には強いリーダーシップを発揮していただき、仮称・紀の川関空連絡道路促進期成同盟会へと発展していただけるよう、御配慮いただけるように要望をいたします。
 これで、一般質問を終わります。(拍手)
○副議長(浅井修一郎君) 以上で、岸本健君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時38分散会

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