平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録

第7号(山田正彦議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 13番山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕(拍手)
○山田正彦君 御激励ありがとうございます。
 この今期2月定例会も、一般質問最終日でございまして、5日間16人、私を除いて15人の県議会議員が、おのおのの立場で、地域の代表として、あるいはまた県勢の浮揚のためにいろいろ御意見を活発に議論されました。
 十人十色という言葉がありますが、40人40人色だと思っております。ただ、図らずも、今回、このトリを務めよと、こういうことを御指名いただきました。私で本当にええんかなあと、そう思ってるんです。
 というのは、ふだんよりやっぱりちょっと緊張します。柄にも似合わずというんですか、緊張を覚えておりますが、終わりよければすべてよしという言葉もありますから、極力ブレーキを確認しながら、すぐ脱線するくせがあるんですけど、すらっとというんか、スリムにというんか、スマートに終われればいいなあと、こう努力することをお誓いしながら、私なりに幾つかをもって質問させていただきます。この格調のある、格式のあるこの本会議場の雰囲気を壊すことのないように十分注意しながら質問させていただきたいと思います。
 まず、通告に従いまして、鳥インフルエンザ埋却地の最終処分に対する現状と今後の県の対応方針についてをお伺いいたしたいと思います。
 23年、去年は大変な年でありました。また、和歌山県にとりましても大変な1年でありました。大自然のなせるわざとはいえ、想定外の出来事ばかり、余りにも甚大でありました。
 東北は別として、特に我が県では、台風12号における豪雨による紀伊半島大水害で被災されました皆さん方にはお見舞いを申し上げると同時に、一日も早い災害復旧と復興に最大限の努力を傾注しなければいけないなあと、そう思っている1人であります。
 幸いと言ったら言葉が適当かどうかわかりませんが、私の選挙区である紀の川市地域では、台風12号の豪雨による被害は、あったことはあったんですが、そんなに大したことはなかったなあということで安心してありがたかったんですが、忘れていただいては困るのは、紀の川市にとって大変な出来事として、去年の2月15日、家畜伝染病に係る鳥インフルエンザが発生いたしました。
 皆さんもまだ御記憶にはあると思うんですが、他府県では、平成16年1月に山口県で、あるいはまた同年の2月には京都府で24万羽と、国内では79年ぶりとなる発生が確認されました。その後、毎年のように、茨城県、埼玉県、宮崎県、岡山県、愛知県、島根県、鹿児島県などで鳥インフルエンザが発生いたしました。
 その処分状況がテレビやその他で報道されるたびに、失礼な話ですけど、他人事のように思っておりました。
 ところが、まさか地元で発生するとは思っておりませんでした。青天のへきれきの思いでありました。
 幸い、和歌山県として初期対応が本当に素早く、対策本部が設置され、完全にそれが機能して、県職員初め紀の川市の職員、多くの関係者の皆さん、それから自衛隊の派遣要請に素早くこたえていただいた結果、報道関係者もびっくりするぐらいスムーズに所期の目的が達成されたと思っております。
 知事御自身も、多分納得のいく対策本部長、采配だったろうと私は勝手に推測しております。本当にすばらしい采配であったと思います。
 そのスムーズな処置がされた大きな要因の1つに、埋却地としての紀の川市が所有している土地の提供がありました。隣接している土地所有者と紀の川市長が、素早く直接交渉されました。3年間の法的な発掘禁止期間終了後には必ず掘り起こすからと、そういうことで最終処分することを条件に承諾を得たからであります。
 私も、あの町内会です。地元中の地元として、その場に立ち会った1人として、てんまつをよく理解しているつもりであります。
 そこで、和歌山県に確認したいんですが、最終処分に対する取り組みの現状と、当埋却地の今後について、当時、今の農林水産部長増谷部長は──私は日高かなあと思ってたんですけど有田だったんですね──有田の振興局長として有田地方のその対策本部の対応やらいろいろしていただいたとは思うんですが、現地の部長ではなかったので、前任者からの引き継ぎもいろいろ聞いていただいたと思うし、十分御認識はされて勉強もしていただいたと思うんですが、単なる事務的な答弁ではなくて、大変な問題を抱えたこの状況を今後どのように取り計らっていただけるのか、まずお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) ただいまの山田正彦君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 紀の川市が、市有地での埋却に当たり、3年間の法的な発掘禁止期間終了後に掘り返し、最終処分することを条件に近隣住民の承諾を得たという経緯から、紀の川市から最終処分するように要望を受けております。
 国に対しては、その費用負担について、6月に県の政府要望を行うとともに、7月にも全国知事会議から政府要望を行いました。
 さらに、11月には、私から同じ問題を抱える愛知県、三重県の部長に呼びかけ、3県主務部長の連名で、農林水産省消費・安全局長等への要望活動を行いました。
 しかし、国は、家畜伝染病予防法上、埋却した時点が最終処分であり、掘り返しについての規定はなく、国の費用負担は、掘り返しについては認められないという立場でございます。
 もし、掘り返し最終処分することに国の費用負担が認められなければ、今後、緊急を要する状況において埋却地の確保が困難となることが予想され、また、家畜伝染病の蔓延防止に係る事務は、本来、国が果たすべき事務であり、国は当然に応分の費用負担を負うべきものと考えております。
 今後も、引き続き国に対し要望を行っていくとともに、紀の川市と最終的な処分方法等について協議を行っていく所存でございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 先ほどもちょっと御案内したように、鳥インフルというふうに陽性が出たのは平成23年2月15日午前10時45分ということでありますし、その簡易検査で陽性が出た。そして、すぐ対策本部を設置していただきました。
 それで、いろいろな取り組みの中、3月14日、移動制限解除、現地対策本部解散まで、鳥12万羽、鶏卵約24トン、それから飼料が約85トン、それから防疫に関係していただいた作業員延べ2600人と、こういうふうに伺ってます。
 関係者の皆さん、特に地元貴志川あるいは桃山の建設業者さんの24時間ぶっ通しの掘削作業やら、あるいは埋設作業、それから24時間体制で防疫をやっていただいた皆さん方の交代時には、あの冷え切った体でお帰りになってくる防疫作業員のために、豚汁をたくさんつくって提供していただいた赤十字奉仕団の貴志川あるいは桃山支部の皆さん、とにかく1人1人の心を1つにした行動に対して、本当によくやっていただいたということで、ただただ感謝するのみであります。
 知事も、後日、関係者に対して感謝状を差し上げてくださいました。私も立ち会わせていただきました。
 これは、農林水産部長にお答えいただいて。しかも、あと約2年という猶予がありますから、そういう体制で取り組んでいただけるということは、農林水産部長のお返事ということは和歌山県のお返事だと思いますので、あえて知事にはお尋ねしてなかったんですけど、私の話を聞いていただいたら、過去の記憶というか、苦労が走馬燈のようにめぐってくるんではないかなと思ってるんです。
 とにかく、あの一致した地元の熱意を、逆に無駄にすることなく、3年後にはきれいさっぱりに復旧をしていただきたい、そういうように強く思っております。
 知事に対して質問はしてないんですけど、もし御感想でもあったら、議長の許可を得て、お取り組みの覚悟をお聞かせいただけたらと思います。よろしく。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議長の許可を得ましたので、お答え申し上げたいと思います。
 本件は、2つの点で大変重要でございます。
 1つは、家畜伝染病を予防するためには、速やかに穴を掘って埋めてしまわないといけないわけです。それが、穴を下手に掘らすと後でひどい目に遭うかもしれないぞとだれかが思った瞬間に、この作業がもう停滞いたします。
 したがって、ああすればこうなるということもよく考えて国は政策を考えないと、それこそ今度はぐずぐずしてる人たちが続出して、どんどん病気が広がるということになりかねないと私は思っております。
 2つ目は、法令で何かそうなってると、こう言うんですけども、ほんまかいなというのもございまして、梅の農地の20度問題なんかもそうでありましたように、本来ならば、趣旨から考えれば別の解釈もできるんじゃないか、あるいは運用もできるんじゃないかという議論もあろうかと思います。
 実は、結構熱心に、もう要望というか攻撃というか、やっておりますが、今後とも一生懸命やっていきたいと思っております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 私も、この勉強するにつけて、あれは焼却したらそのとき終わり、埋設したらそのとき終わり、後は知りませんと、こんな法律であったとは知らんかったんです。まあ、よろしくお願いしておきたいと思います。
 それでは、第2問目の質問に入ります。
 義務教育修了後の高等学校の教育の現状とその取り組みについてということで、まず4点ばかり、教育長にお尋ねするんです。
 きのうも片桐議員が教育のことについて、いろんな取り組みの話、例も出してしました。私は、教育問題を取り上げるつもりは今回ないんです。それはまた別の機会にしようとは思うんですが、後段、質問したい高等専修学校のことについてお伺いしたいので、まず、どんだけ公立なり、あるいは私立学校と専修学校が違うんか、あるいは冷遇されてるんかということを対比したいがための御質問でありますので、よろしくお願いして。
 まず1つ目には、中学校卒業生の進学状況はどうなってるんかな。進学率と、それから公立あるいは私立、その他学校へ行ってる比率はどうなっているんか、まず教育長にお伺いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 平成23年3月の中学校卒業生徒の高等学校等への進学率は98.5%となってございます。
 その内訳は、県内公立高校へ81.4%、県内私立高校へ13.1%、その他へ4.0%となっております。また、専修学校等への進学率は0.2%となっております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 何度も御足労いただいて申しわけないんですが、その場合の公立高等学校の学生に対する経費、アバウトな話でいいんですけど、一体幾らぐらいかかってるんでしょうか。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 学校施設、設備の整備や管理費、教職員給与などの教育費は、公立高校の生徒1人当たりに、平成22年度決算で約101万円となってございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 皆さんも、101万円という数字、覚えといてください。
 それで、その公立学校へ入学しました。近々入学試験もあるんですけど、中学卒業生が勉強して、公立学校へ入りました。
 ところが、現実としては、途中中途退学、あるんですね、たくさん。それと、その状況と、何で中途退学するんだろうなあという、その原因の究明なんか、反省する点がありましたらお答えいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 公立高校における中途退学者数につきましては、平成22年度は484名であります。中途退学率は1.9%となっております。
 主な理由として、例年、学校生活・学業不適応や進路変更が挙げられます。こうしたことから、それぞれの高等学校で目標を持って学習できるよう、中学校への学校説明会等を充実させるとともに、基礎学力の向上を初め、きめ細かで丁寧な指導を行ってきた結果、中途退学率は、5年前から比べますと、5年前の2.5%から減少傾向にございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 パーセントは非常に低いとは思うんですけど、中学校卒業生約1万人ぐらい、そのうちで98.5といいますから、9850人ぐらい入学したときで480名ということだったですか。少なくとも、公立の学校で299名、300名ぐらい、定時制高校も入れるからそうなるんですけど。
 先ほども申し上げましたように、この原因をとやかく言うつもりは、別の機会にぜひ話ししたいと思うんですが、高校の無償化もあります。
 ひどい話ですけど、高校生あるいは大学生でも、小学校の高学年の算数がわからないというような大学生もいるように聞きます。だから、ところてん式みたいに手をつないで小学校卒業し、中学校、義務教育として卒業する。
 この前、テレビでやってましたけど、外国では留年するのは当たり前だというような状況でありますが、日本人の日本人的な感覚としてはなじまないから今までそうなったんだろうと思うんですけど、その意味では橋下市長の言い分も多少わからんこともないなあと思うんですが、そういう関係にあって、今、皆さん方も多分心痛めてることではないかなと思うんですけど、高校──特に公立ということにしときます。公立高校における生徒の、格好で人を評価するというのはいかがなもんかとは思うもんの、余りにも目に余るような服装なり、あるいは言葉が適当かどうかわかりませんけど、パンツの見えるようなスカートはいたりという子が目に余るほどあると思うんです。
 この辺の現状をどう学校としてとらまえて──それには僕もちょっと資料としてあるんですけど、校則なり高校入学するときの誓約書があるんです。校則はちゃんと守りますよということがあるんですけど、それがちゃんと厳正にされてるかどうかなあと、その辺の取り組みについての教育委員会の見解をお尋ねしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 御指摘の点につきましては、私も大変心を痛めているところでございます。
 心は形をあらわす、形は心をあらわすと言いますけども、生徒の身だしなみや言動等に問題があるときは各学校の校則に照らして、ふだんの学校生活において、きちんとした服装やあいさつ、行動がとれるよう、温かく、かつ厳しく指導を行うとともに、修学旅行の事前指導等、さまざまな機会を通しまして、人としてのあり方を考えさせて、規範意識を身につける指導を行っているところでございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 現場の先生方、生徒指導の先生方にお伺いしても、本当に御苦労してるのが現状であります。モンスターペアレントと言われるような方もいらっしゃいますし、子供の表現の自由を認めよというような、わかったようなわからないようなことを言って怒ってくる父兄もいてるということで、本当に現場の教師としては大変御苦労だなあというふうにも思っております。
 ただ、私は、いつも申し上げているように、これもまた本当に教育の話、いっぱいしたいんですけど、何か区別と差別がごっちゃまぜになってるような教育現状ではないかなあ、そう思うんです。
 よくできる子は、やっぱりよくできる子ということで区別をして考えないといけないし、それからちょっとどうかなと思う人は、ちょっと時間をかけてでも丁寧に勉強してもらうというように、それをするのが差別ではなくて区別だろうと思うんですけど、今の教育現場、義務教育も含め高校もこういう状況を見る中で、やっぱり社会が悪い、我々大人が悪いんでないかなと。子供やあるいは学校の先生方だけに何してんなあというようなことで怒るのは筋違いで、やっぱりこれを看過してきた社会が悪いんではないかなと、そういうふうに、本当に自分自身も反省しなければいけないなと思ってます。
 実は、去年の12月の14日からですか、2週間、ライオンズクラブ、私もお世話になってるもんですから、交換留学生として、マレーシアの16歳のミッシェル・ウィー──プロゴルファーにあるミッシェル・ウィーと同じ名前なんですが──ミッシェル・ウィーという子が私の家へホームステイに参りました。それで、あっちこっち行きたいと言うもんですから、高野山も連れていったし、金閣寺も見たいなということで連れていったんですが、16歳ですからハイスクールだからということで、私も2校ほどに急にお願いして、学校体験入学させていただけませんかと言うたら、校長先生が快く受けていただきました。
 それから、結果的には1日、合計3日なんですが、3日過ごした同級生なんかに大変好意的に振る舞っていただいてありがたかったと、こういうふうに本人も言ってるんですが、どこの学校とは言いません、一般論の話ですが、帰ってくるなり私に、「和歌山のお父さん、今の日本の高校生はどうなってるんですか。見ること、聞くこと、すること、オー・マイ・ゴッド」と、こう言うわけです。
 「本当にこれで学生としての規範意識があるんかな、真剣さがあるんかな。私には、残念ながら、その辺は全然感じられませんでした。私のマレーシアでは、本当に真剣に一生懸命勉強してます。そして、将来は、やっぱり生活の安定する、しかも希望のある一流企業へ就職したいんだという思いで一生懸命勉強してるんですけれども、日本の学生は余りにも甘やかされ過ぎて、どうなってるんですか」と言われたんで、私も返事に困りました。
 それが、でも、やがては、今、大手企業の大学の就職でも、外国から日本へ来てる留学生を相手に就職の門戸を広げようというような一流企業があると。昔、「大学は出たけれど」というような言葉がはやりましたが、本当に真剣に考えないと日本の将来はないでと、こういうふうに思いたいんです。
 重ねて言いますが、このことについて議論するつもりはちょっとありません。そういう現状を大変憂いてる1人であります。
 そこで、きょうの本来の質問の趣旨であります高等専修学校について、幾つか御質問したいと思います。
 私は、この勉強して質問する資料をもらうまで、専修学校もてっきり、公立学校や私立学校と同じように、同じジャンル、同じレベルで、国なり、あるいは県の教育委員会が管轄してくれるもんだと思ってた。
 ところが、本当に自分の不勉強さを恥じておりますが、これはそうじゃない。和歌山県といえば、総務部、総務学事課の窓口だと、こういうふうになっているんです。びっくりしました。本当に申しわけなかったけど、不勉強を恥じます。
 それで、先ほどは公立のことを聞きました。今度は、その専修学校あるいは私立学校のことについて、和歌山県としてどんだけの補助なりをしてるんかということを、まず総務部長に御質問いたします。
○議長(新島 雄君) 総務部長米澤朋通君。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) 私立学校の運営に対する県からの補助金につきましては、国庫補助及び地方交付税の基準財政需要額への算入があることを踏まえ、平成24年度当初予算案においては、生徒1人当たり32万8030円で積算した額を計上しております。
 私立高等専修学校につきましては、国庫補助等の対象となっていない中、県単独での補助として、生徒1人当たり3万円で積算した額を計上しております。
 また、この学校の運営に対する補助に加えまして、私立高等学校及び高等専修学校に在籍する生徒に対しまして、高等学校等就学支援金として、保護者の所得の状況に応じ、生徒1人当たり年額11万8800円から23万7600円を交付しておるところでございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 そうなんですね。その対比するのは、余りにもお恥ずかしいというか失礼な話なんですけど、高等学校とこの高等専修学校では比較になりません。約10分の1、あるいは公立のいろんな──先ほど説明聞いたら、101万から比べますと33分の1か35分の1かということにしかなりません。
 中学校の卒業式までは、みんな平等に扱われるわけです。小学校、中学校、義務教育よく頑張ったということで、先ほど申し上げましたように、手つないで卒業するという面もあるかもしれませんが、卒業式が済んでガラッと表へ一歩出ましたら、全く残酷な現実があります。
 和歌山県には、2つの専修学校がありますね。1つは、橋本にあるきのくに国際高等専修学校、それから御存じのようにというんですか、紀美野町にあるりら創造芸術高等専修学校というのがあります。私は、今回、りらをモデルにして話を進めていきたいと思うんです。
 りらは、平成19年4月、和歌山県の認可を受けて開校いたしました。以来5年が経過する中で、ことしの春も6人が卒業されて、新入生としては、15名程度入学希望されてる方がある。公立校を中退して途中入学する生徒も過去にはいたということで、多少変動あると思うんですけど、44~45名程度の専修学校になろうかなあと思うんです。
 ことしの6人の卒業生の中には、4人は専門のさらに知識を深めたいということで、4人が大学へ進学されるというふうに聞いてますし、もう1人は劇団へ入団される。それで、もう1人は、ダンスの指導者を目指して頑張るんだということで、お互いそれぞれ将来を見込んだ行動を起こすということで、巣立たれることなんです。
 生徒が、みずからの希望や能力によって自由に学校選択ができるという機会をつくるというのは、和歌山県にとっても、教育環境の充実面から見ても、大変意義のあることだと思っております。
 私も、時折、りらの学校を訪れて、りらの学生やらに接することがあります。自分で選んだ道だからといって、とにかく生徒は生き生きとして目を輝かせております。礼儀も正しいし、立ち振る舞いにも本当に好感を覚えております。
 入学を希望して、体験入学を通じて将来に大きく成長することを夢見る学生も多くいると聞いてる中で、最終的には学校運営のための経費、つまり校納金というんですか、授業料のほかに教材費とか、あるいは冷暖房の空調費とか施設の整備費とか実験実習費とか通学バスの協力金とか、とにかくたくさんの経費がかかり、保護者にも大きな負担が強いられることから、学校はええんだけども、例えば母子家庭なんかの場合、とてもそのお金が納められないということで断念するケースが多いとお伺いしております。
 参考までに、私の知る限り、お隣の大阪府では、公立、私立の高等学校と同様に高等専修学校も授業料の無償化を実施して、生徒からの希望や能力によって自由に学校選択ができる機会を保障するということに積極的に取り組んでいらっしゃいます。これも、大阪府の橋下知事時代にそういうことをしたという資料がありますが。
 そのほかには、兵庫県あるいは奈良県、京都府もそれぞれ、多少金額的には差はあるものの、それなりに対応していただいているのが実情だろうと、そういうことになっております。
 そこで、もう一度、総務部長に、本県の高等専修学校に対しての現状をどう認識されているのか、改めてお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 総務部長。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) 高等専修学校は、学習指導要領に縛られず、柔軟かつ特色ある教育を実践することができることから、中学校卒業生にとって、特定の分野において専門性の高い学習機会を得るための選択肢になっているものと認識しております。このため、高等専修学校に対し、県単独で補助を行っているところでございます。
 補助内容につきましては、全国の状況と比べて低い水準ではございませんが、議員御質問にありましたように、近畿各府県の状況も勘案いたしまして、平成23年度に、今年度でございますが、定額制から生徒1人当たり補助単価を基礎にする算定方式に拡充をしたところでございます。
 この制度拡充によりまして、りら創造芸術高等専修学校に対する運営補助は、前年度比倍増の105万円となっているところでございます。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 部長としては、一定の評価をして、それなりのできる範囲のことは一生懸命やってくれてる、これはよくわかります。後で、最終的に知事の御判断を仰ぎたいと思うんですが。
 りらは、開校以来、しっかりした教育理念のもとに、主体的でありながら協調性を、また生きる底力を備えた若者を育成すると、こういうふうにあります。
 現実にそのとおり実践している姿に、私も及ばずながら共感して、お手伝いできるところはと思っているところなんですが、2010年ですか、仁坂知事もりらを訪問された。そして、生きる底力をつけるための教育について、生徒や職員と熱く語られたと報道にもありました。
 2011年に、田辺市で、私たち議員も出席さしていただきましたが、天皇皇后両陛下をお迎えしての全国植樹祭でのきのくに創世神話のあのオープニング、すばらしいショーでした。どこの劇団なり、劇団四季にもお願いしてるんかなあと思うぐらい神聖なものであったし、すばらしいショーでしたが、後で聞いたんですけれども、全国植樹祭和歌山県実行委員会から出演を依頼されたりらの学生でありました。
 それから、2011年の10月、動物愛護週間に和歌山県動物愛護センターの御依頼があり、「シロとミミと家族」ということで、動物を保護しようという、そういう創作演劇を依頼され、各所でまた公演されました。
 その後も申し上げますが、それからこの2月、海草振興局健康福祉部からの依頼で、自殺予防普及啓発事業として、演劇「NIGELLA」というのを創作して公演されました。
 これはどういうことかということは、とにかく見ていただいた人でないとわからないかもしれませんけど、感銘を受ける、人間としてどうあるべきか、どう生きるべきかというような創作された演劇を発表されました。企画からプランニング、演出、すべてを生徒自身が、お互いにかんかんがくがくの意見を交わしながら、徹夜しながら、話し合いながらこの劇を仕上げたということで、本当に心打たれる公演でありました。
 また、その当日、これは2月のいつやったですか、西下教育長にも御尽力いただいて、生きる底力シリーズのシンポジウムというのを開催して、もちろん西下和歌山県教育長、大江和歌山市の教育長、西原海南市の教育長、松下紀の川市教育長、橋戸紀美野町教育長、それから山上りら校長先生が参加されて、和歌山大学の出口先生のコーディネートのもとに有意義な意見交換をされました。私も、観衆の1人として参加させていただきまして、大変有意義なシンポジウムであったと感心している1人であります。
 またそれと、りらにはもう1つの側面があります。
 それは、学校のある紀美野町真国地区は、非常に高齢化が著しく進んで、人口流出があって、俗に言う「限界集落」という言葉、適当かどうかわかりませんけど、大変そういうことで悩んでいる地域であります。したがって、小学校も廃校となりました。その真国小学校を紀美野町から無償でお借りして、今、使っていらっしゃるんですが、その真国地区の村おこしにも大いに貢献していますし、和歌山県として取り組んでいる平成23年度からの過疎集落再生活性化支援にもその事業が合致して、芸術を核とした住民主役の集落づくりにも積極的に参画していらっしゃって、効果も上げてくれております。
 知事も、これ、和歌山単独の事業だということで、改めて気配りには感心するんですけれども、本当に大金を投入しての地域おこしのために頑張っていただいてます。
 先ほど、ちょっと前後しますが、りらの卒業生の中に、私、残念ながらNHKの朝ドラの「カーネーション」というのを見てないんですけど、2月27日の放送で──コシノジュンコさんというのは次女役かな──次女役のコシノジュンコさんのお婿さんになった相手、ドラマでは大輔君というらしいんですけど、この役者が和歌山の森下竣平君、和歌山の子。去年、りらを卒業しました。その子がNHKの、ちょこっとしか今回は出てこなかったんですけど、主役であるジュンコさんの相手役の旦那の役で出たいうことですし、それと卒業した生徒が芸大系の4年生大学にどんどん進んでるという、そういう実績もあります。
 りらばっかりではいけませんけども、りらの話をしたら切りがありません。そんだけ一生懸命、いろんなことに取り組んでくれてます。ある意味では、普通高校ではできないようなことをするから専修学校のいわれかもしれませんけども。
 そういうことで、とにかく小さな学校でありますが、大きな挑戦をしているこのりらに、その今言う私立学校の10分の1にもならん、公立の、押し出されて仕方なしと言ったら語弊がありますけど、高校へ行って、それで途中退学するような子供さんにでも100万余りを応援しているにもかかわらず、りらに年間たった3万円。これで教育を標榜するというんか、和歌山県の仁坂知事のその熱い思いというのがどこにあるんかなあという思い、私、勝手にしてるんですけど、今までの受け答えを聞かれた中で、知事は、もちろん和歌山県の行政の最高責任者であるのは当然なんですけど、それと同時に政治家であるわけなんです。政治家仁坂として、私の申し上げたこの熱い思いの一部でも感じてもらって、どうこれから取り組んでくれるかなあと、そういうふうな期待を込めて知事に質問いたします。よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) りら創造芸術高等専修学校は、生徒の自主性を育て、地域と一体となった活動を展開しておりまして、その活動ぶりはすばらしく、今後とも学校が教育の充実発展に尽力されることを期待します。
 子供たちが生きる力を備え、自立した社会人に育つことが重要で、学校の種別を問わず、各学校がそれぞれの役割を担い、特色ある教育を実践することが必要であります。
 高等専修学校は、りらに限らず、生徒が本当に学びたいことを探求し、多様な学習機会を得るための選択肢となっているということで重視していくべきだというふうに思います。
 私も、りらを評価するということについては、議員に劣るところはありません。ただ、制度が制度でございますので、現在では、金銭的な意味では総務部長が御説明したようなことになっておりますが、せめて真心で対応しようと思いまして、議員御指摘のようないろいろな活動もやってまいりました。
 ただ、それで十分かどうか、今後よく検討して、真心の心だけじゃいかんということでございましょうから、今後、頑張っていきたいというふうに考えております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 政治家仁坂氏に期待をして、この問題は急にきょう言ったからあしたからどうということである問題では決してありませんので、実績をもっと冷静に客観的に見てあげていただいて、適正な評価をしてあげていただけたらなと、そう思います。
 それから3番目──予定では30分で終わるつもりだったんですけど、ごめんなさい、ちょっとアドリブが多過ぎました。
 役務に係る発注方法は、今どうなってるんかなあということで、私も関心を持って、この際に幾つかのことについて質問させていただきます。
 簡単に役務いうても、この資料をいただいたら125ほどあるんですね。これにはびっくりしました。
 だから、いろんな話を聞くんですけど、一応改めて会計管理者にお伺いするんですけど、この125全部というわけじゃありませんが、一般的にこの業務の発注状況はどうなってるんかなあということについて、まずお伺いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 会計管理者米山重明君。
  〔米山重明君、登壇〕
○会計管理者(米山重明君) 役務の業務につきましては、民間でも多く発注されているものがございます。そういうものにつきましては、標準的な市場価格となるように、公表されている希望価格を聴取したり、あるいは複数の事業者から参考見積書を徴したりして予定価格を積算しております。
 また、積算基準のあるものにつきましては、必要に応じて、その基準に基づいて積算をいたしております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 この役務の中には、僕もびっくりしました、本当に不勉強ですが。賞状を書いてもらう、あるいはそこへポットで置く植木、あるいは速記、それからテープ起こし、それからつぼ生け──催し物にこうやって生ける──そういうことまで一々、そのたびに発注してると思うんで大変だろうと思うんです。
 それで、一応課で起案して、予定価格を立てて発注する、こういうことになってるんだと思うんですけど、反面、応札する業者にとって、大変この厳しいデフレの経済環境の中で、生活をかけて入札するんですよ。その結果、現状では最低制限価格の設定がありません。ないと思います。
 したがいまして、最低の入札額を入れられた業者が落札することになる、これは当然のことなんですけど、この現状をどう考えていらっしゃいますか。お気持ちを聞かせていただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 会計管理者。
  〔米山重明君、登壇〕
○会計管理者(米山重明君) 県が入札により契約の相手方とするのは、原則として、予定価格の制限の範囲内で最低の額をもって申し込みをした者とするように地方自治法で定められているところでございます。
 しかしながら、その市場において過度な価格競争、あるいは調達する業務について品質の低下が懸念されるような場合につきましては、地方自治法施行令で認められている最低制限価格の設定について考慮する必要があると考えております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 今、申されたように、地方自治法施行令第167条の10の第2項では、「工事又は製造その他についての請負の契約を締結しようとする場合において、当該契約の内容に適合した履行を確保するため特に必要があると認めるときは、あらかじめ最低制限価格を設け」ることができると、こうなってるんですね。
 この問題に対しての御意見をお伺いしたいんですけど、これは、このことについては異論がありませんか、どうですか。
○議長(新島 雄君) 会計管理者。
  〔米山重明君、登壇〕
○会計管理者(米山重明君) 最低制限価格を設けることができるという法令の趣旨は、もっともであるというふうに考えております。
 入札予定価格の積算基準がある業務につきましては、必要に応じ、森林整備等の業務のように最低制限価格を設定しているものもございますが、他の役務の業務につきましては、今後、他府県の動向等も含め、その必要性について調査してまいります。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 すべての業務を一律に価格設定するのは、大変難しいことだろうかもしれません。
 しかし、でも、予算を立てるということは、その業務をなりわいとしている人間がいるわけですね。その人間がかかわるということであるんです。だから、予算を無視すると、無視とは言いませんけど、オープンにするという、余り極端なことをするということは、人としての生活を認めないということと同じになるんじゃないか、その作業する人の人格を認めていないということになるんではないかな、そう思うんです。
 予定価格が少ないからということで、ひょっとしたら無神経に、まあ小さい金やからもう適当でええわというふうにもし取り扱われているということになれば、大変なことだと思うんです。
 仕事が小さければ小さいなりに、やっぱり対象業者も、失礼な話ですけど、零細業者になり、親方、お母さん、御主人、あるいはその助手に奥さんが行って済むようなことになるから、もうええわということではないんです。
 彼らは彼、あるいはそういう業者さんは業者さんによれば、本当にその日その日の晩酌の酒の1本が違ってくる、あるいはおかずの量が違うほど、直接影響するようなことになると思うんです。およそ、この自治法には血が通ってないように思うんです。
 ぜひ、この仁坂県政として、私、いつも申し上げますけど、熱い気持ちで、ぬくもりのある対処をしていただきたい。そういうことを強く申し上げておきたいと思うんですが、知事の御所見があれば、お伺いしておきます。
○議長(新島 雄君) 知事。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員の方々もよくお聞きと思いますけども、積算価格というのは合理的につくってあるはずでございまして、これが100%でも全然構わないんでございます。そういうことを常に業界の方にも申し上げております。
 これを無視してというか、無理に入札というか、受注だけを考えて無理な価格づけをいたしますと、赤字になって倒産をするという可能性もあります。したがって、そういうことはぜひ防いでまいりたいんですけれども、一方で入札をして透明性を確保していくということもやらなきゃいけません。
 と同時に、いろんな工夫ができるわけですが、最低価格というのが合理的に、客観的につくれるかどうかという問題もあります。つくれるものは、ぜひつくりたいなあと思っておるんですが、今のところ、全部についてつくれるという見通しが余り立ってないというのが現状でございます。
 いずれにしても、無理な受注などはやめていただいて、堂々と自分の積算で入札してほしいと、そんなふうに切に要望しております。
○議長(新島 雄君) 山田正彦君。
  〔山田正彦君、登壇〕
○山田正彦君 2月議会の最終一般質問、終わります。
 熱い思いの一部でもわかっていただいて、ともに頑張って、県勢発展のために頑張りたいと思います。
 ありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、山田正彦君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第1号から議案第16号までは予算特別委員会に、また議案第85号は行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、お手元に配付しております議案付託表のとおり、議案第33号から議案第58号まで、議案第60号から議案第69号まで及び議案第71号から議案第84号までは所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。3月9日及び12日から14日までは委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、3月9日及び12日から14日までは休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月15日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後1時56分散会

このページの先頭へ