平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録 第5号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


平成24年2月 和歌山県議会定例会会議録

第5号(向井嘉久藏議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕(拍手)
○向井嘉久藏君 きょうは私で終わりでございますんで、よろしくお願いします。
 ここで、私はツイッターになったつもりでちょっとしゃべらせてもうて、また向こうへかわってから質問させてもらいたいと思います。
 感想について、紀州人かたぎということについて、ちょっとツイッターになったつもりでございます。私は、ここで、和歌山県人よ、自信と誇りを持てという意味でおしゃべりさせていただきたいなというふうに思います。
 今売り出し中のウインズというグループ、御存じでしょうか。これは橋本市のメンバーでございますが、「和歌山LOVE SONG」というのが今、物すごく受けております。その前には「近畿のオマケ」という歌でよく知られておると思うんですが、今「和歌山LOVE SONG」という歌で非常にメジャーのほうからも誘いがかかってるようなグループでございます。
 その中で歌詞、シャイな和歌山人が東京へ行ったら、「どっから来られたんよ」というふうに聞いたら「大阪や」と言うらしいです。私も、実は東京へ行ったとき、そういうふうに言うてました。今は「和歌山から来ました」と堂々と言えるんですね。若い人が和歌山から行ったら、それよう言わんと。恥ずかしいんか何か知らんけども、へその緒を切ったところが恥ずかしいのでしょうか、「大阪から来た」というふうに言うらしいです。そういう意味で私は、紀州人よ、和歌山県人よ、自信と誇りを持とうやないかということで、ちょっとしゃべらせていただきたいと思います。
 ここで、ちょっといろんなランキングが──パソコンというのはおもしろいですね。入れたら何でも答えが返る。答えの返らんのがないんですね。その中で、私、10年ほど前もお話ししたと思うんですが、都道府県別の平均年収ランキングを見ました。これ19位です、和歌山県。まあ、余り収入もなく、余り貧しくもなくというふうなとこでしょうか。
 その中で、次に和歌山県人というのは郵便局がどだい好きらしいですね。郵便局の貯金ランキング、これ日本で1番なんです。収入は19位なのに郵便局の貯金は1番。212万円しとるんですね、1人当たり。書いてあんのやからしゃあないで。沖縄は62万円しかないんですね。
 それで、今度、銀行への貯蓄は16位。そやから、郵便局が好きなのか、田舎なんで銀行がないから郵便局へ仕方なしにしておるんか知りませんけども、いずれにしても、収入が少ないのにしっかりとため込んでると、貯蓄をしっかりとしているということですね。
 それでもう1つ、寄附金、1世帯当たりの年間の支出、これは島根県が1万4252円しとるんです。ところが、和歌山県は39位の1358円。渋いんよ。せやけども、ここで買い物ランキングというのがあるんです。和歌山県の人が外へ出て行ったら、隣のおばさん、おじさんの顔が浮かぶらしいです。そして、しっかりと土産を買うてくる。土産物屋では、和歌山県の人が来たでと言うたら、皆張り切るらしいですね。そういうランキングというのがあるんですね。これ、おもしろいなというふうに思いました。
 しかし、いずれにしても、自分たちは悪いことばっかりやない、おもしろいこと、楽しいことがようけあるなというふうに思いました。
 私、この間、2月11日にたまたま、和歌山ばっかり行っとったらあかんなと思って大阪へ出たんです。そしたら久しぶりに、皆さん「夕刊フジ」というのは和歌山では売ってないんですね。大阪へ出たら売ってます。大阪で一番売れとる新聞です、「夕刊フジ」。その中でおもしろいことが書いてありました。「橋下当確」、これ、こんなことを言うつもりはありません。
 この中で「インフルエンザ猛威 仮病使用回数全国ランキング」というのがあるんですね。これ、おもしろいです。仮病を使った回数の一番多いとこが福井県、6.99回仮病で会社を休んどる、学校休んどる。こういうランキングがあるんです。数字の見方というのはおもしろいなというふうに思いました。
 ここで和歌山県、何位かなと思ったら44位。大体、全国駅伝マラソンの順位ぐらいですね。44位、3.25回うそついとるんです。福井県の半分ぐらいです。
 ここで、この数字から読めるのはどんなことか。「うそをつかない実直さが如実にうかがえるのは、仮病ランキングでは44位の和歌山県」と、こない書いてくれてんねん。うれしい記事やったんで、きょうはわざわざ紀州人かたぎということで紹介させていただきました。
 いずれにしましても、和歌山県人、もっと自信と誇りを持とうよということで、まずこれを紹介させていただきました。
 それじゃ、席をかえます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 それじゃ、質問させていただきます。
 東日本大震災を振り返ってということで質問させていただきます。
 昨年3月11日、午後2時46分。日本国民にとっては忘れることのできない日となりました。東北三陸沖で発生したマグニチュード9の大地震は、大規模な津波を引き起こし、死者1万5848人、行方不明者3305人と甚大な被害をもたらしました。今、まだ1日に1体、2体の御遺体が発見されておるようでございまして、行方不明者から死者のほうへ数字が変わっておるようでございますが、私の調べた時点ではそういう数字でございました。
 震源地に近い東北地方の太平洋岸では、過去のどの津波をも上回る最大遡上高、大船渡市で40メートルを記録したということでございます。
 私がこのニュースを知ったのは、ちょうど去年、統一地方選挙の前でありますが、街頭演説をしておったときでございます。急いで事務所に帰り、テレビから流れるその映像を目の当たりにしたときに、全く信じられない思いでありました。早いもので、あれから1年を迎えようとしております。私どもの地元でも、3月11日、慰霊行事が計画されているようでございます。
 これに加えて発生したのが、東京電力福島第1原発事故でありました。東京電力は、津波に対して対策が必要と指摘されていたのにもかかわらず、その対策をしなかった企業の責任は極めて重大であります。
 2月27日には、民間の有識者による福島原発事故独立検証委員会・民間事故調が事故報告を公表いたしました。その骨子は、7項目ぐらいに絞られると思うんですが、こういうことを指摘されておりました。官邸による現場介入で有効だった事例は少なく、無用な困難やストレスにより、状況を悪化させるリスクを高めた。また、政府は、国民の不安にこたえる情報提供者としての信頼をかち取れなかった。菅前首相の個性が、政府全体の危機対応の観点からは混乱や摩擦のもととなった。
 このように、民間事故調の報告書から浮かび上がるのは、パニックと極度の情報錯綜に陥り、当時の菅首相や官邸中枢が現場に無用な混乱を招き、事故の危険性を高めた実態であります。やるべきでないことばかりを繰り返した菅氏の姿でございました。「産経新聞」は、「危機を高めた菅氏の人災」と糾弾しております。
 いずれにしましても、東日本大震災であれ福島原発事故であれ、正確な情報を速やかに国民に開示することこそが大切ではなかったのか、このように思う次第でございます。
 また、死亡されました中に消防団員が252名、行方不明者が2名というとうとい命を落とされたということも申し上げなければならないと思います。また、消防団員に大津波情報が伝わっていたかどうか。調査の結果では50%の団員しか知らなかったということでございまして、いかに情報を伝達することが大切かということがわかると思います。このような事態が続けば、国民は政府を信用しない不幸な結果となるのではと危惧いたします。
 小説家の司馬遼太郎は、小説「坂の上の雲」で、当時、明治35年でありますが、海軍大学校教官であった「天気晴朗ナレドモ浪高シ」で有名な秋山真之をして、こういうことを言わせておりますね。これは後で質問する知事のことではありませんので、誤解のないように先にお断りしておきますが、無能な指揮者は殺人者である、こういうふうに秋山真之は教官として生徒にしゃべっとるわけです。まあ、軍人としては当然のことでしょうか。
 そこで、知事にお伺いいたします。
 私は、ここで何を申し上げたいかと言えば、冷静で的確な指示系統の確立であります。そういう意味で知事に御質問いたします。
 東日本大震災の教訓を紀伊半島大水害に生かし得たか。いろいろ頑張っていただいていることを御報告いただいておりますが、これについて、知事の答弁をお願いします。
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの向井嘉久藏君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 東日本大震災は、私にとっても大変なショックでありました。東南海・南海地震対策として和歌山県は他県にも恥じないような対策をやってきたつもりであったんですけれども、これじゃいかんと、このままじゃいかんというふうに考えまして、そこで4月以降、地震、津波の防災・減災対策の総点検に取り組み、さまざまな新しい対策を打ち出し、24年度予算にもその一部が入れられているところでございます。
 一方、特に岩手県を中心に被災者支援を応援としてやってまいりました。その中で、余り言えないんですけども、大変もどかしい思いをしたこともたくさんありまして、これは我々の教訓として生かすべき問題だというふうに自分の頭の中でも整理をし、かつ、また県の組織としてもそういうふうに残してきたつもりでございます。幸い、それが大水害のときに随分生きたなというふうに思います。
 東日本大震災では、特に思いましたのは、市町村が被災しまして通常の機能が全く果たせなくなってるわけです。そのときに、県庁は割合被災が少なくて機能が生きていたんですけれども、通常のときのように報告を求めたり、あるいは指令をしたりというのがどうも、そのときの状況で、これではいかんので、自分で手ごまを投入せないかんというのが私にとっての最大の教訓でありました。
 紀伊半島大水害のときは、避難所や避難のことが心配でありましたので、すぐに県職員を派遣いたしまして情報収集や避難所支援等を行いました。市町村は、津波のときほどではありませんが、被災者が物すごい数でございますので、どうしても混乱します。そういうときに、先ほど言いましたように、報告を求めたり、指示とかあるいは指導するということはもうやってもしようがないんで、県としてみずから率先して行動することが大災害の初動期に非常に重要だというふうに考えた次第です。
 また、同じように、被害認定とか、あるいは瓦れき処理とか流木の処理とか、これも県の部隊を直接投入して行いました。
 また、応急復旧を一々国に了解をとったり、あるいは自己負担はいかがかとか、そういうような細かいことを言っとるとなかなか進みません。したがって、早くやってしまおうと思いまして突っ走りました。これは、契約は随契でいいからすぐに地元の産業界を総動員してやれという話をいたしまして、皆さん、それに和していただいて、大変御立派な活動をしていただいたと考えております。
 また、災害ボランティアの受け入れについては、被災地の受け入れ態勢が整うまで受け入れをせず待ってほしいというふうに被災地は言うんであります。ボランティア精神にあふれた皆さんは、こういう「受け入れ態勢あるいは宿泊とかそういうお世話は要らん」と、「自分でやるから、とにかく働かせてくれ」という方が圧倒的に多いんでございます。
 紀伊半島の大水害の場合は、同じような経験をしましたが、ちょっと強引に、市町村でとにかくボランティアセンターをそれぞれ立ち上げてくれという話をいたしまして、それで割合ボランティアも早く入れたと思います。
 さらに、災害義援金が県にはどんどんたまるんですけれども、被災者に届かないというようなことがありました。これも教訓でございますので、義援金を県のほうで長くお預かりすることなくどんどん配ってしまおうということで、一時は県の、実は実際に金庫にないものまで決めてしまって、そのうちたまるからということで、災害義援金配分委員会にどんどんと追加配分をお願いして、それでどんどんお届けいたしました。
 さらに、さまざまな関係機関が作業していただきますけれども、それぞればらばらになるということが混乱の場合にありますので、多いときは1日2回、災害対策本部に集まってもらいまして、それで調整をしながらやりました。そのときに、私の部下ではないような人に対してまで大変きつい言葉でお願いをしたこともありました。しかし、皆さんよく理解していただいて、きちんとやっていただいたと思います。
 ただ、東日本大震災は総点検をやりましたが、我々が被った被害の紀伊半島大水害については、やっぱりその中で我々がやり切れないところもたくさんございました。備えがいまいちであったところもあったので、それのアクションプログラムをつくりまして、それで24年度予算に両方を兼ねていろんな政策をお願いしているところでございます。
 我々が備えなければならない東海・東南海・南海地震は、これはもう今回の水害以上に恐ろしいもんだと考えております。また、風水害はいつ起こるとも限りません。したがって、県民の命を守る決意で、今回の事件の教訓も含めてさらに充実した対策を用意しとかないかんと、そう思ってる次第でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 知事の指導のもとに素早く対応していただいたことを心から感謝申し上げたいと思います。
 義援金のお話が出ましたのでちょっと申し上げておきますが、一番初め、義援金の締切日は去年の12月8日でした。ところが、和歌山県人を中心にして、ほかの義援金が届くはずのものはもっと後だというふうに思いまして、私も12月25日に、義援金を集めるべくコンサートをいたしました。
 ところが、もうそのときには義援金を持っていくところがなくなるわけですね、12月8日が締切だと言われますと。それで担当のほうへ申し入れましたら12月末まで義援金を受け付けますと、こういうことでありましたが、また3月31日まで延ばされたと。だれがどういうふうにしてるか、僕は文句も言いませんが、こういう1つをとらまえても、どなたの権限でそういう日を変えていってるというのがよくわかりませんが、そういうやっぱり命令、指示系統がはっきりしてなかったんじゃないかなと、こういうふうに私は思います。
 これについてはお答えは結構でございますが、続いて、老人福祉について質問させていただきます。
 今、国が実施している老人福祉について、少し述べたいと思います。福祉保健部長にお願い申し上げます。
 人が生まれ老いていく、これは、だれもが避けることのできない生きとし生けるものの摂理であります。みんな平等ということから考えます。
 日本国憲法第3章「国民の権利及び義務」、この中で第14条に有名なくだりがあります。「すべて国民は、法の下に平等にあつて」云々というくだりであります。また、老人福祉法(法律第133号)第1章総則第1条に「この法律は、老人の福祉に関する原理を明らかにするとともに、老人に対し、その心身の健康の保持及び生活の安定のために必要な措置を講じ、もつて老人の福祉を図ることを目的とする。」とあります。
 何人も平等であらねばならないと思うのですが、年老いてからは運任せのようなところがあります。いかにも納得いかないところであります。
 例えば、在宅福祉、施設福祉の各施策を通じ、地方自治体の財政的な理由により、すべて国民は法のもとで平等でなくなっております。原因を考えますと、1つには、権限移譲により市町村長に決裁権が移り、首長が介護保険料アップにつながる住民の非難を嫌がっている、そういう節がございます。
 また、制度自体も複雑で、すっきりとしたものにまとめることができないものかとも思うわけでございます。例えば、在宅福祉(ホームヘルプ、ショートステイ、グループホーム)、施設福祉(特別養護老人ホーム、養護老人ホーム)、介護老人保健施設、軽費老人ホームA、B、C型、老人介護支援センター、老人福祉センター、高齢者向けの生活施設有料老人ホーム等がございます。また、国交省が所管する高齢者専用賃貸住宅──高齢賃というものです──また高齢者向け優良賃貸住宅──高優賃というものです──適合高齢者専用賃貸住宅の3つがあったんですが、最近になってこの3つを取りまとめてサービス付き高齢者向け住宅となっているようでございます。それぞれ各施設には処遇と料金が異なるなど複雑で、希望しても待機者が多く、なかなか入所できないのが実情であります。だれもがひとしく介護を受けられるようにすべきであると思います。
 また、在宅介護が難しいとされているのは、老老介護であること、また、子供が親を介護するときは勤めを犠牲にしなければならないこと、在宅介護の難しさがこの辺にあろうかと思うのです。
 こういう例もございます。たとえ親子関係であっても一定の条件──一定の条件とは、子供さんが例えばホームヘルパー2級とかそういう資格を持っている方で市町村が認めた場合、一定の条件を満たせば賃金が支払われている事実もございます。
 ここで、まず複雑怪奇な施設名称、また、それらを簡素なシステム化にできないものかということを福祉保健部長にお伺いします。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 議員御指摘のとおり、老人福祉や介護保険の制度はさまざまなサービスから成り、頻繁に制度が改正されるため、複雑で、高齢者が適切なサービスを選びにくくなっている一面もございます。これは、措置制度から介護保険制度を導入する中で、うまく整理できないまま新しいサービス等を積み上げたためと考えられます。
 本年4月から新しい介護保険制度が始まりますが、利用する高齢者を初め、多くの人が納得できる制度の運用が大切であると考えております。県では、利用者が介護サービスを適切かつ円滑に利用できるよう、市町村や地域包括支援センター、介護支援専門員等の福祉関係者と連携し、制度をわかりやすく伝えることやサービスの導入促進を支援してまいりたいというふうに考えてございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 なかなか私たち勉強している者でもわかりにくい施設名で、少し違うだけで全然違うと、こういう難しさがあります。ですから、一般利用される方は本当に難しい選択をしなければならないということで、国に対して、簡素なシステム化について申し上げていただきたいと思います。
 続いて、親子関係であっても介護料の支払いをということで質問いたします。
 先ほど申し上げましたように、一定の条件を満たせば賃金が支払われているケースがあるわけです。したがって、私はなぜこれを申し上げるかというと、施設へ入所すると、例えば老人ホーム、老健、それから特養、この2つについては利用されてる1人当たり、今、少し事務費等低くなっておりますから大体30万円と聞いております。お1人が30万円、公費から支払われるわけでございます。そういうことでございます。ですから、親子関係であっても介護料を支払う在宅介護を今、国は奨励しておるわけです。その奨励してるところへ幾ばくかの補助金なり介護手当を出すことによって、30万円で利用する方が抑えられていくんではないかと、このように発想するわけですね。
 そういう意味で、親子関係であっても介護料の支払いを国へ、また各自治体にそのことを指導していく、また国へそういう予算づけをするように強く申し入れていただきたいと思うんですが、福祉保健部長はいかがお考えですか。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 家族介護者への現金給付につきましては、介護保険制度導入に際しいろいろと議論がなされ、高齢者や家族の選択権の尊重、介護のための離職者の収入の補てんなどの観点から賛成する意見がある一方で、現金の給付が必ずしも適切な介護に結びつかず介護の質が確保できない、特に女性が家族介護に拘束される、現金支給によりかえって高齢者の自立を阻害するなどの反対意見もありました。
 その結果、当時の政府としては、限られた財源の中で介護サービス基盤の整備・充実を優先し、家族への現金給付は見送られた経緯があると承知しております。
 一方で、離島、過疎地など基盤整備が難しいところでは、一定の条件のもとで同居家族による訪問介護が認められるとともに、市町村では、家族介護慰労金や在宅手当などにより、家族介護者を支援する事業も実施しております。
 介護保険制度導入から10年以上が経過した今日、ある程度の介護サービス基盤の整備が進んできたことを踏まえ、制度全体のあり方を考える中で、議員御指摘の家族に対する介護料の支給の是非についても研究してまいりたいと考えてございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 ちょっと申し上げておきたいと思うんですが、今、部長は高齢者の自立を阻害するというふうな発言がありましたが、介護を必要とする人は、もう自立というのは余りできないんですね。そういう意味で介護をしておるわけですから。
 実は、ドイツでこういうシステムがあるんです。子供が親の介護をする、これは、昔の日本では当たり前のことでありました。3代の世代が一緒に同居して暮らしていた時代も長くありました。また、信仰する仏教、儒教の教えの中で、子どもは親を大事にせえと、せなあかんのやという教えがずっと日本の人たちのDNAとして長くため込まれていた、それがだんだんなくなってきた、そういう意味で、やっぱりこの辺で割り切って考えていかなければならないときが来てるんじゃないかと、こういうふうに思います。
 続いて、サロンについてお伺いいたします。
 通所サロンと言われる地域の人たちが地域の老人のお世話をする組織がふえております。10年前に私が質問させていただいたときには、和歌山県下で20ほどのサロンがあるというふうに伺いました。橋本でも1つのサロンがスタートしたときでありました。今、承りますと500にも上るということですね。
 各サロンによってメニューも異なりますし、それぞれの工夫をされて頑張ってくれています。その努力が老人の介護予防につながっているんです。認知症の予防にもつながっているんです。地方自治体の首長が恐れる介護保険料値上げを抑制するのにも貢献してると思います。
 今、平均して和歌山県下の介護保険料は5000円台に乗っていると思います。スタートしたときは3000円台でした。ところが、5000円台に乗っている。これが6000円、7000円となると首長への風当たりが非常に強くなるということで、介護保険料のアップを首長は極力避けたいという思いの中で、老人ホームとかそういう施設、福祉をしたがらなくなってきております。
 そういう中で、私の調べでございますが、私の地元の橋本市内で、ある老人ホームでは200人待ち、150人待ち、少ないとこで150人待ちですよ。私のほうでは4つの老人ホームがございますが、それを足すと600人ほど、待機者が。老人の待機者ということは、全員が入れるか、施設を利用できるかと。そうじゃないんですね。待機してる間に亡くなられる方も大勢おられます。そういう意味で、私は、サロンをもっともっとふやして、そうして保険料の値上げを抑制すると、こういうことに結びつくものであるというふうに思うだけに、サロンのふやすことについてしっかりと県は各自治体を指導していってもらいたい、また、県費の投入もそこであってもしかるべきだというふうに思っております。
 また、サロンだけではなく、老人スポーツの振興も大いに貢献していると思います。
 元気で健康な老人の多い町は、おのずから介護保険料の使用が減ってくるというのは当たり前でございまして、いつだったか、テレビを見ておりますと、どっかの自治体で、非常に介護保険料の使用料が少ないところがございました。私は、これを後から調べて勉強に行きたいと思っておるんですが、そういう意味で、介護予防の見地からサロン数をふやす努力と老人スポーツの振興に対する助成、これをひとつお願いしたいと思うのでございます。
 まず、県下のサロンの実態について、福祉保健部長の御意見をお伺いします。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県内のサロンの実態についてでございますが、地域住民が中心となり、高齢者が自宅から歩いていける場所に気楽に集い、介護予防やレクリエーションなどさまざまな活動を通じて生きがいや仲間づくりの輪を広げるサロン活動が県内各地で行われてございます。
 先ほども議員の御質問にもございましたが、現在、27市町村で約500の高齢者を対象としたサロン活動が行われている状況でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 最後に、サロン、また老人スポーツへの助成金、これをふやして介護予防の一翼を担ってもらう、こういうことの発想で助成金の増をしていただきたい。これについて、福祉保健部長のお考えをお願いします。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) サロン活動や老人スポーツの振興につきましては、議員御指摘のとおり、元気で健康な高齢者が要介護状態にならないようにする介護予防の観点から重要であると認識をしております。
 これまで、県においては、介護予防に資するサロン活動に取り組んでいる市町村に対して支援を行ってきており、平成23年度からは、国の基金を活用した地域支え合い体制づくり事業により、サロン活動の立ち上げ経費についても支援をしているところです。
 また、老人スポーツの振興につきましては、高齢者がスポーツに楽しむ機会を持っていただくために、県社会福祉協議会が実施するグラウンドゴルフ、ソフトテニス、卓球などのスポーツ交流大会の開催に支援をしているところであり、スポーツ活動を通じて元気な高齢者をふやし、介護予防に努めているところでございます。
 今後も、高齢者ができる限り介護を必要としないで地域で暮らし続けることができるように、市町村と連携して地域での介護予防活動の推進をしてまいりたいというふうに考えてございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 向井嘉久藏君。
  〔向井嘉久藏君、登壇〕
○向井嘉久藏君 最後に、要望を申し上げておきます。
 介護予防の見地から大会への助成等々をしていただいておるという御答弁をいただきましたが、常日ごろからグラウンドへ出てゲートボールなりグラウンドゴルフなり、そういうことをすることが介護予防につながっていくということでございますんで、大会の助成というだけじゃなく、そういう日ごろの活動に対しても助成をしていただくようにお願いしておきます。
 それから、最後でございますが、要望を申し上げます。
 募金、寄附金、それらについて、国税局に関係するわけでございますが、少し寄附金について、私どもの政党への寄附金も多少認められたようでございますが、増額されたようでございます。この間、確定申告へ行ってきたらちょっと変わりましたでというふうに教えていただいたんですが、アメリカでは全額、税から控除されるわけですね。収入から控除される、寄附した分をそのまま全額控除するというシステムらしいです。
 したがって、1つの福祉団体が募金をするために集会すると、皆さんが小切手を持ってやってくるらしいですね。そういう皆さんの浄財でもって福祉を運営しているわけです。日本はそれをやってないわけですね。おばあちゃんの遺言で福祉施設へ例えば100万寄附したとしても、100万が100万とも控除にはならないんですね。決まっておるんですね。あれ、たしか20万ぐらいだと思います。
 そういうことで、国税局へやはりそういう寄附金、募金等々は全額控除するように、これから自治体は働きかけていく必要があると思います。そうすることによって国の出費が減るわけでございますから、そういう意味で働きかけていただきたいということをお願い申し上げまして、私の一般質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
○副議長(前芝雅嗣君) 以上で、向井嘉久藏君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時47分散会

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