平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(岩田弘彦議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆様、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、一般質問に入る前に、今回の選挙で初めて当選さしていただきました。県民の温かい負託を受けまして、皆さんの仲間入りをさしていただきました。今回、初めての一般質問になりますので、何分未熟な者ですので、どうか失礼がございましたらお許しをいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 そして、先輩議員並びに同僚議員、そして知事初め県当局の皆さん、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
 私の信条は、全国に誇れる魅力あるまちづくり、そして住民目線の行財政運営、この2本の柱で地域の活性化を目指す、この信念でこれからも取り組み、和歌山県の発展に尽くしてまいりたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、一般質問に入らしていただきます。
 一般質問、項目は4項目であります。一問一答制と分割質問方式併用型で行わせていただきます。
 まず1項目めは、高野世界遺産についてであります。
 本県では、平成25年、伊勢神宮式年遷宮、平成26年、高野・熊野世界遺産登録10周年、そして平成27年、高野山開創1200年というビッグイベントを起爆剤といたしまして、観光客誘致の促進に取り組んでおるところであります。先日からも、橋本市のほうで県政報告会がありましたときに、知事が熱意を持って言われておりました。まさにそのとおりだと思います。それに向かって頑張って取り組んでまいりたいと思います。
 そんな中、いにしえより高野山には50年に1度の大きな行事といたしまして、開創記念大法会と弘法大師御入定御遠忌大法会の2つがあります。この2つの大きな行事が、短いときに20年、長いときに30年の間隔で行われております。この2つの大きな行事をきっかけにいたしまして、高野山地域は今まで活性化を図ってきたという大きな歴史があります。その1つが、近々行われる開創1200年であります。
 直近の1984年に行われました弘法大師御入定御遠忌大法会においては、4月1日から5月20日の期間中、和歌山県警調べで約104万人強の参詣客が訪れたそうであります。
 世界遺産登録10周年、高野山開創1200年をビッグチャンスととらえた観光客誘致の促進は、とても大切と考えております。と同時に、この機会をとらえて将来に向けて高野山及び周辺地域の新たな観光資源の開発や地域活性化の核づくり、これもとても大切と考えます。
 その思いを持ちまして、以下3点についてお伺いいたします。
 まず1点目、古来より高野山地域には、「高野七口」と呼ばれます高野山への7つの入り口と7つの参詣道があります。うち高野山町石道、そして熊野参詣道小辺路の2つは、平成16年、紀伊山地の霊場と参詣道として世界文化遺産に登録されています。世界遺産の登録範囲の拡大は、本県の発展に大きく寄与するものと考えます。高野山への参詣道「高野七口」の世界遺産追加登録について、教育長にお伺いいたします。
 まず、第1回目の質問を終わらしていただきます。答弁よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
 〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高野山への参詣道「高野七口」の世界遺産登録についてお答えいたします。
 和歌山県教育委員会では、平成22年度から5カ年計画で、関係市町と連携し、世界遺産追加登録のための文化財史跡指定促進事業を行っております。高野山地域につきましては、今年度、和歌山県教育委員会が参詣道に関する専門学術検討委員会を設置し、高野七口をつないでいる結界の道、大門口へつながっている三谷坂及び橋本市、九度山町を経由し高野山へ至る黒河道の調査をいたしました。
 その結果、黒河道については、子継峠の地蔵菩薩が室町時代のものであると判明したことや、文献調査等により信仰の道であったと確定することができました。
 来年度から専門学術検討委員会の調査結果をもとに、各市町が黒河道及び三谷坂等の測量及び整備業務を実施する予定でございます。平成26年度内に国史跡指定を受け、その後、世界遺産追加登録を目指してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな御答弁、ありがとうございました。スピード感のある取り組みで、一日も早い追加登録を実現させていただきますように強く要望いたします。
 そして、特に答弁にありました黒河道につきましては、先日来、橋本市議会12月定例会一般質問におきまして取り上げられておりまして、その答弁は、橋本市のみが伊都管内で今世界遺産を持っていないこともありまして、積極的に県教育委員会と協力して取り組みますという答弁が出ているそうでございますので、どうか力を合わして、ひとつよろしくお願いいたしておきます。
 そしたら、次の質問に移らしていただきます。
 2点目は、前段でも述べさせていただきましたように、この機会をとらえて、将来に向けて、高野山及び周辺地域の新たな観光資源の開発や地域活性化の核づくりというのもとても大切と思いますので、世界遺産登録10周年、高野山開創1200年は絶好の地域活性化の機会でありますので、新たな観光資源の開発や地域活性化に向けた取り組みについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長大門達生君。
 〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 県では、平成25年の伊勢神宮式年遷宮から平成26年の高野・熊野世界遺産登録10周年、そして平成27年の高野山開創1200年という記念すべき祭事が連続する3年間を観光振興、地域活性化の大きな契機と考えており、現在、それらを効果的につなぐ観光プロモーションを計画しているところです。
 こうしたプロモーションでは、地域により多くのお客様にお越しいただくためには、地域が主体となって地域資源の見直しや新たな観光資源の開発、また、おもてなし向上など、総合的に魅力アップを図っていく必要があります。地域主体の魅力アッププランについては、ハード面で観光施設整備補助、ソフト面でやる気観光地魅力アップ協働や商品力向上アドバイザー・おもてなしアドバイザー派遣など目的に応じた支援制度を設けており、地域に対して制度の周知をさらに図っていくとともに、提案された有効なプランに対しましては積極的に対応してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな答弁、ありがとうございました。私も絶好の地域活性化のチャンスであるということで、周辺地域の皆さんに、これはチャンスですよという広める活動もさしていただきまして、機運も高めさしていただいてるつもりでおります。
 県の支援策であるとか参考事例の紹介、それらも積極的に今後も行っていきたいと考えておりますが、県におきましても、県の優秀な能力を活用していただきまして、周辺地域に向けて、これやっぱり地元をまずは活性化する、地元の機運を盛り上げるということは大事やと思いますので、成功事例とか参考事例とかそういう情報はやっぱり優秀な県の職員さん持っておりますので、それを紹介するというかな、その部分について。そしてまた、できた芽について支援体制を充実していただくことによって、一番いいんではないかなと思っておりますので、新しい芽が出そうな企画につきましては、どんどんどんどん応援体制をとっていただきまして、また積極的に取り組んでいただきたいというのがあります。
 もう一点、この支援制度についてでありますが、私も若いころによくまちづくり活動に参加さしていただきまして、そのときにあったんですが、積極的な企画を出して応募したときに、予算枠を超えるとどうしても一律何%──今はどうかわかりませんが、その当時一律何%というカットが多かったんです。それにつきましては内容を精査していただいて、やっぱり企画が生きる配慮をしないと、全くボランティアのパワーでやってるときに予算削られますと、もう事業が全くできないということもございますので、その辺もよく精査していただきまして、どうか地域の活性化を支援したっていただきますように強く要望しておきます。
 そしたら、次に移ります。3点目の質問に移ります。
 高野山への参詣道「高野七口」は、関係市町村もかなり多く、そしてまた伊都・橋本産業創造センターでは新しい地域ブランドづくりを目指して高野七口ブランドに今取り組んでいるところです。この高野七口ブランドというのは、古来、高野山へ入山する7つの参詣道──高野七口なんですが、この地域に茶屋や宿場が栄え、高野もうでを支えたことにちなむもので、この地域の歴史や自然環境、生活文化に基づいた新しい工夫、思いやり、感謝のある産品づくりを目指した取り組みとして、有名なのは高野スイーツとか、今「はたごんぼ」とかというのが年々増加しているんですが、このような地元の地域の努力を踏まえて、今高野七口の世界遺産追加登録を目指しておることですので、高野七口をテーマとする観光振興とか地域振興をしていってはどうかということで、高野七口をテーマとする観光振興、地域振興について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長。
 〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 高野七口をテーマとした観光振興、地域振興についてですが、高野七口の街道のうち、高野山町石道、熊野古道小辺路は、世界遺産に登録されており、県や地域においては既に観光プロモーション、ウオークイベントなどにおいてさまざまな取り組みを行っております。
 高野街道、黒河道など、このほかの街道についても景観や歴史文化などの魅力的な要素を多く有しており、県では今年度、伊都振興局が中心となって高野七口のルート調査とウオーキングマップの作成を行っているところです。
 また、高野七口ブランドについては、伊都・橋本産業創造センターが主体となって、橋本・伊都地域の食を中心とした新たな魅力の創造と情報発信に取り組まれている事業であります。
 平成27年に高野山開創1200年という地域振興の大きな契機となる祭事を控え、県では高野山を中心に誘客対策を強化していく必要があることから、ウオーク、健康、食といったテーマにおける高野山周辺の新たな魅力として、高野山への参詣道である高野七口と食の高野七口ブランドを位置づけ、今後、観光プロモーションなどに積極的に取り組んでまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。位置づけをして取り組んでいただけるということで、積極的に取り組んでいただけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 そしたら、大項目2番目の大滝ダム及び紀の川流域の治水対策について質問をさせていただきます。
 まず1点目、当初計画事業費が約230億円、地すべり対策を含む現時点の最終事業費総額約3640億円、内訳といたしましては、和歌山県側、概算ではございますが、負担総額780億円、その内訳を言いますと、県が約460億円、和歌山市約216億円、橋本市約106億円、このくらいかかりました大滝ダムが地すべり対策を行いまして、今試験湛水を開始しているという状況にあります。
 この大滝ダムにつきましては、前回の費用負担のときに、私は橋本市議会議員でございましたんで、そのときにさまざまな議論の末、最終的にはやっぱり県のほうが認めざるを得ないという御判断やって、それを受けまして、やっぱり橋本市民も県民でございますので、これは橋本市もやっぱり苦渋の選択で、費用負担については認めようやないかという、そういう思いがあります。
 試験湛水でございますが、以前、地すべり対策を含めた、先ほども言わしてもうたように、基本計画変更時には県のほうでも苦渋の決断をされて同意した経緯があると思いますが、万全の対策がなされているはずのダムでございますので、あってはならないことと思いますが、新たな地すべりなど新たな事態が発生した場合には、私は、国の責任であり、新たな追加費用負担は認めるべきでないと考えておりますが、このことにつきまして、知事の御見解、よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 5年前、負担増となる前回の基本計画変更時には、私は同意いたしました。この期に及んで何じゃという気持ちがありまして、大変遺憾でありましたが、将来の紀の川の治水ということを考えて、断腸の思いで同意をいたしました。
 今回御指摘の白屋地区の地すべりの発生、これについて、今回は国において貯水池の斜面のより詳細な地形とか地質調査を実施の上で、学識者による慎重な検討をして、貯水池斜面の再評価をして、これで大丈夫だということで工事をし、完了し、そして湛水実験になったというふうに理解しております。
 その結果を踏まえて万全な対策がなされたはずのダムにおいて、新たな地すべりの発生などあってはいかんというふうに思っておりまして、そういうことだけ、ここだけじゃなくて、万が一そのような事態が起こった場合は、すべて国の責任で行うよう、都合100回ぐらいは国の責任の方々に言うておりまして、1回も反論は受けたことありません。その方針でいきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事の力強い答弁、どうもありがとうございます。
 私、これ使命がございまして、先ほどお話しさしていただいたように、市議会議員のときに、やっぱり県がそういうふうに判断した場合は、私たちはやっぱり県民ですので、そういうふうにしようとこういう流れになります。ですので、万が一にも県が認めると、また橋本市も認めてという、そして橋本市が認めますと水道料金に大きな影響を及ぼすんです。それもありますので、今心強い決意を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。
 次に、2番目に移ります。
 先ほども説明さしていただきましたように、大きな投資をするとどうしても過大な広告をしたくなるのが私は心情やと思います。そら国交省のことですので、そんな過大な数字は出してくることはないと思いますが、どうしても話の中で、やっぱりそのぐらいの投資をしてるんだから効果がありますよと言いたくなるのが心情でございますので、私はそれが非常に治水について危ないと思います。
 治水目的79.2%、これ費用負担割合で出さしてもうたんですが、だから治水目的が大きい大滝ダムでございます。でも、限界はあります。国土交通省の近畿地方整備局の紀の川水系河川整備計画によると、大滝ダムは洪水時の最大放水量は当面毎秒1200立米とするが、下流の河道整備状況等に応じて、洪水時に最大毎秒2500立米放流まで順次変更するとあります。
 今回の台風12号における大滝ダム地点の最大放水量は毎秒1837立米で、先日、先輩議員が紀の川水系のことでいろいろ質問されておりましたが、そのような被害が出ている状態であります。これが2500立米までいくということは、台風12号の状態よりも放水量がふえることがあるということになりますので、そうなりますと、やっぱり本川の整備をきちんとしてもらうというところがないと、なかなか治水機能が発揮できない、そのように思います。
 これだけ多額のお金をかけたんですから、紀の川の安全・安心、治水対策にはしっかりとしてもらわないとという思いがございます。その思いを持ちまして、県土整備部長にお伺いします。ダムを過信しない河川整備について、お伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 国が策定した紀の川水系河川整備基本方針によりますと、治水対策として紀の川本川の河道整備と大滝ダム建設をあわせて実施することにより、紀の川流域を洪水被害から守ることとしております。
 来年度、大滝ダムが完成する予定ですが、依然として紀の川本川には、岩出井堰や小田井堰などの狭窄部や堤防の未整備区間などが残っています。これら狭窄部の対策などを実施することにより、その地点での流下能力が向上するとともに、大滝ダムの洪水調節機能の確保につながり、紀の川流域全体の治水安全度向上を図ることが可能となります。
 このため、県としましては紀の川本川の整備が必要不可欠と考えており、引き続き狭窄部対策などの整備を国に求めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 再度、県土整備部長にお伺いしたいんですが、紀の川のことですんで、当然国に求めていく、働きかけていくということになるんですが、私はこれだけの多額の投資をさしていただいておりますので、先ほどのデータによりますと、本川の整備がないと治水機能がやっぱりなかなかうまくいかないというふうに解釈しております。
 それから言いますと、それだけの多額のお金を出さしていただいたんですから、全国レベルで見ましても、和歌山県において河川の治水対策を打つときには、やっぱり優先的にやっていただくぐらいの強い要望を私はして当然やと思います。ですので、それも含めてもう一度、和歌山県に優先的にやっていただけるように私は強く要望すべきやと思うんですが、再度、答弁よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 県としましては、紀の川の早期整備と治水効果の早期発現について、今後とも強く国に働きかけてまいります。その際、最も効果的な整備順序等にも配慮するよう、あわせて求めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 本当に強く、ひとつよろしくお願いいたします。答弁ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 知事も日ごろから言われておりますが、どのようなハード整備にも限界があります。当然の話であります。想定を上回る洪水への防災・減災対策について、もう一度、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 想定を上回る洪水には、ダムや河川整備などのハード整備だけでは対応できませんので、水防活動や住民避難を支援するソフト対策を組み合わせたハード・ソフト一体となった対策が必要です。
 ソフト対策として、紀の川の管理者である国では、洪水ハザードマップ作成の支援や防災意識の向上を図るための住民参加の防災訓練の実施、洪水予報や水防警報あるいは河川情報の収集伝達など、総合的な被害軽減対策を推進するとしています。
 一方、県においては、流域自治体に対し水防体制の維持強化を指導するとともに、流域の雨量や支川の水位情報を提供することにより水防活動や住民避難を支援し、被害の軽減に努めることとしています。
 今後とも、国、県、市町村の連携をより強化し、地域住民の皆様と一緒に、流域が一体となった効果的な防災・減災対策を推進してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 御答弁ありがとうございました。
 ここで、私はもう単純に一番大事なのは、これは国です、これは県です、これは市です、そういう流れではなくて、国、県、市、そしてその住民の皆さん、住民目線で連携を強化していって情報を共有する、その垣根を取っ払って、本当にその地域で国ができることをし、県ができること、市ができること、これほんまに基本やと思うんで、住民目線に立って対策を1個1個やっていただきたい、これを強く要望しておきます。
 それでは次に、大項目3に移ります。
 大項目3につきましては、皆さんに資料を配付しております。資料1でございます。1枚は地域高規格道路の図面、もう1枚は大阪の道路整備のマスタープランということで、日ごろ言われております地域高規格道路と放射状道路が一致しているということで見ていただけたらと思いまして、一応参考資料として出させていただいております。
 それでは、大項目3に移らしていただきます。大項目3につきましては分割質問方式にて質問をしますので、よろしくお願いいたします。
 地域高規格道路「大阪橋本道路」、いわゆる国道371号バイパスであります。この道路は、歴史的に言いますと、京都より大阪府を南北に貫く東高野街道、これと並行している現在の道は170号線もしくは外環状線に当たると思われます。そして、大阪市を起点とする中高野街道、そして堺市を起点とする西高野街道が河内長野市で合流し、和歌山県へ人、物、お金の流れを呼び込んできた大切な高野街道であります。
 私は、歴史的に見ても、和歌山県は、今世界遺産に登録されております熊野街道、そして高野街道、この2本が和歌山に人、物、金の流れを呼んできたと思っております。理由があります。大阪へ行くんでしたら「大阪街道」と言われると思いますが、この2本ははっきり和歌山の地名が入って、和歌山へ向いての街道でありますので、人、物、金の流れを呼び込んできた大切な道だと私は思っております。
 現在においても、関西大環状高規格道路「京奈和自動車道」とともに関西都市圏の拡大や災害時の救援・復旧、世界遺産を生かした新たな観光ルートの形成など、和歌山県並びに関西全体の発展に不可欠な放射状地域高規格道路であります。
 平成元年4月、都市計画決定し、事業着手して以来、はや23年が過ぎようとしております。ここ数年は仁坂知事の積極的な取り組みもありまして、かなりのスピードアップがなされておりますが、大阪側の今年度のこの道路に対する予算づけを政務調査してみますと、全線開通にはほど遠い状況にあります。
 地域高規格道路「大阪橋本道路」の早期完成を求めて、3点について質問いたします。
 まず1点、和歌山県の北東の玄関口を担う地域高規格道路「大阪橋本道路」の重要性並びに国土交通省近畿ブロック社会資本重点整備方針における重点目標達成のための取り組み(計画期間平成20年から平成24年)を踏まえた国土交通省、和歌山県、大阪府における位置づけについてお伺いいたします。
 次に2点目、地域高規格道路「大阪橋本道路」、国道371号バイパスの進捗状況並びに国、大阪府との協議状況についてお伺いいたします。
 次に3点目、選択と集中を踏まえた整備のスピードアップ並びに平成25年以降の国土交通省の重点整備計画に向けて、今後、戦略的などのような取り組みをされるのか。
 以上3点について、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 最初に、重要性と位置づけについてでございます。
 国道371号の地域高規格道路「大阪橋本道路」は、大阪を中心とした放射状道路であり、関西大環状道路を形成する京奈和自動車道と一体となって関西都市圏を拡大するもので、関西の経済を活性化させ、低迷する関西経済の元気を取り戻す重要な道路です。
 本県にとっても国道371号は、和歌山県の北東の玄関口として京阪神地域と世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の高野周辺エリアを結び、県内の観光振興に大きく寄与するとともに、橋本・伊都地方の企業誘致や産業振興に大きな効果をもたらす重要な道路であると考えており、大阪府との連携を強化し、元気な和歌山を実現するための交流ネットワークづくりとして最重点で整備を進めています。
 また、国においては、平成21年3月に閣議決定された社会資本整備重点計画を受け、各ブロックごとに策定した近畿ブロック社会資本の重点整備方針に、広域・国際観光圏の形成や持続可能な地域づくりと生活圏の形成を図るための主要な地域高規格道路として位置づけられています。さらに、大阪府においても、厳しい財政状況の中でも当該道路を重要路線として位置づけ、継続して事業が進められているところでございます。
 次に、進捗状況、協議状況についてでございます。
 大阪府側については、河内長野市の石仏から府県境までの6.1キロメートルを石仏バイパスとして平成4年度に事業着手し、平成15年3月には石仏から岩瀬間の1.8キロメートルを供用しています。続く岩瀬から天見までの約1.9キロメートルの早期供用を図るため、今年度は天見地区の出合ノ辻交差点付近で道路改良工事や橋梁工事等を推進しており、続く府県境部の仮称・新紀見トンネルへの着手時期は未定と聞いています。
 和歌山県側の橋本バイパスについては、橋本市柱本から同市市脇間の全体延長5.5キロメートルについて平成元年度に事業着手し、平成18年度に橋本インターから国道24号間1.3キロメートルを、また平成22年度に柱本から慶賀野間1.0キロメートルを既に4車線で供用しており、残る3.2キロメートルにおいて、現在、道路改良工事や橋梁工事を推進しているところです。
 今後、引き続き必要な予算の確保に努め、平成25年度の供用を目標に整備を進めてまいります。
 大阪府への働きかけにつきましては、これまでもあらゆる機会をとらえて、仁坂知事が直接太田知事や橋下知事、さらには松井新知事にも府県間道路の必要性、とりわけ国道371号の整備について働きかけを行ってきたところです。
 また、国土交通省には、この道路の今後の整備手法等について検討するために国直轄で調査を進めていただいており、国、両府県の部長で構成する大阪南部・和歌山北部地域道路調査研究会において検討、協議を進めているところです。
 最後に、国道371号の今後の取り組みについては、和歌山県側の橋本バイパスを選択と集中により平成25年度の供用を目標として重点的に整備を進めてまいります。また、その上で、大阪府側と府県境部については、今後の道路整備に係る国等の動向を注視しながら、当該道路の国の整備計画等への明確な位置づけと直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府側の集中投資による整備推進と仮称・新紀見トンネルの早期事業着手について、国及び大阪府に対して引き続き強く働きかけてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 1番につきましてはやっぱり重要性が高いと、ちゃんと位置づけもされておるということやと思います。
 そして、2番についてでありますが、仁坂知事が全力で交渉に行っておられるのは、もう十分わかっております。それはよくわかっております。先日も、御幸辻地内、ちょうど仁坂知事が橋本市に県政報告に来られたときに地元住民から手が挙がりまして、「371のことが問題なんよ」という、こういうお話があったら、仁坂知事は即現場に行かれまして、いろいろあったとは思いますが、そのいろいろあった問題にも積極的に取り組まれてる姿には、私は感動いたしました。誇りに思うところも多々ありました。それは十分わかっております。
 ところが、私にとりましては、先ほども言わしてもうたとおりに、この道はもう僕は和歌山県の命がかかってる、そのぐらい大切な道やと思います。人、物、金の流れを和歌山県向いて引っ張っていった道って、そないない。その道だと私は思っておりますので、すごく思いがありますので、各段の──知事、大阪のほうも新しい知事になったことでございますので、積極的な取り組みのほうをよろしくお願いいたします。
 3番につきましては、選択と集中につきましては大きな心配があります。先ほどから重要性、そして近畿並びに関係府県の位置づけも高いと。その位置づけの高い道、その府県間の中で圧倒的に整備がおくれてるんではないですか。それが非常に気になります。
 和歌山県の選択と集中、一体それは何を基準にしてどうなっているんだと言われたときに、一番私が心配するのは、だれが見ても重要であるという道の整備が遅くなったときに問題やと思うんです。
 ですので、現状、府県間道路、皆3本ともきっちり通していただきたい。直轄道路につきましては県の所管ではございませんので、府県間道路についてはすべて早く通していただきたいんですが、この府県間道路がおくれをとると、選択と集中はどうだったんかと県民は不審に思わないでしょうか。それを私は心配しております。県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 国道371号は、本県にとって京阪神地域との連携強化のために重要で不可欠な道路であることから、和歌山県側の橋本バイパスについては、選択と集中により、平成25年度の供用を目標に整備を進めてまいります。
 また、大阪府側と府県境部については、直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府側の整備推進と仮称・新紀見トンネルの早期事業着手について国及び大阪府に対して強く働きかけ、府県間道路として整備におくれのないよう努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。
 先ほどの答弁、大阪府側の集中投資、それをお願いするということと、府県間道路として整備がおくれないようにという答弁をいただきましたので、ありがとうございました。そのとおり、ひとつよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 大項目4番、子供医療費助成制度の充実について。これも資料2のほうを皆さんに配らせていただいておると思うんですが、これにつきましては、県内の市町村の状況を皆さんに見ていただきたくて渡さしてもうております。
 和歌山県におきまして、県の主導で県と市町村が同等の負担を行い、力を合わせて実施している子育て支援事業に、こうのとりサポートの不妊治療助成制度、紀州3人っこ施策の保育料助成制度、乳幼児医療費助成制度などがあります。特に、この子供医療費助成制度、本県では乳幼児医療費助成制度ですが、子供の安全・安心、そして子育て世代の経済的負担の軽減、受益者が多いということなどから、地方自治体の首長選挙のマニフェストに子育て支援として制度の充実が挙げられることも多く、子育て世代の注目も高いようです。
 先日行われました大阪の同時選挙におきましても、マニフェストに大きく書かれておりました。マニフェストの内容は、中学生まで入院も通院も助成するというものでございました。
 一方、県内の市町村の動向を見てみますと、厳しい財政状況の中でもやりくりを工夫して、一般財源100%を充当してでも子育て世代のために制度の充実を図る市町村が広がりを見せております。特に、今年度に入り広がりが大きくなっているようであります。市町村の広がりは、県民の必要性の広がりを示しているのではないでしょうか。
 県内市町村のサービス格差の縮小も考慮して、県の基本的な制度の充実を図り、全県的な市町村の制度の充実を行ってはどうでしょうか。市町村の実施状況及び県内の子供医療費助成制度の充実について、福祉保健部長にお伺いいたします。よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
 〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県が実施しております乳幼児医療費助成事業では、就学前までの児童を対象に、市町村とともに医療費の自己負担分の助成をしております。この制度に独自に上乗せをすることにより対象年齢を拡充する市町村は、平成23年12月現在、19市町村となっております。内訳としましては、入院のみ小学校卒業まで延長が2市、入院、通院ともに小学校卒業まで延長が8市町、中学校卒業まで延長が8町村、18歳まで延長が1町となっております。
 近年、乳幼児医療費助成の対象年齢を延長する市町村がふえていることは認識をしており、県としても将来を担う子供のため制度を充実していきたいという思いは強く持ってはおりますが、本制度につきましては、将来にわたり持続可能な制度とすることがまず肝要であると考えておりますので、これまでの県議会でも答弁してきましたとおり、現在の大変厳しい財政状況を考慮しますと制度の拡充は難しい状況でございます。
 なお、国に対しては、全国知事会等の場を通じ、子供の医療費負担の軽減について要望しており、今後も引き続き働きかけを続けたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 後ろ向きな答弁、どうもありがとうございました。
 財政状況というのは、私も非常にわかっております。県単事業でございますので、100%一般財源充当ということになると思いますので、今の災害等あった中でなかなか難しいと思います。ただ、23年度に、やっぱり市町村の広がりが大きくなっていまして、3分の2ぐらいの市町村が自分とこの100%財源をもちまして上乗せしてやってると。
 私は、大きな理由がありまして、子育て世代のすごい関心の高い制度だと思うんです。やっぱり子育て世代に関心を持ってもらうぐらいの制度をつくらないと、なかなか少子化の中で理解してもらわれへんの違うかなという、そういう心配もあります。そして、日ごろから制度的に県が、こうのとりサポートもそうですし、そして紀州3人っこ施策もそうですけれども、県が半分出すんで市町村乗っておいでよという、そういう進め方の制度やと思います。
 そんな中で、大体普通その制度のまま市町村はいくんですが、そんな中で市町村が上乗せをして頑張ろうとしてるというのはあんまり例がない部分ではないかなと私は思うんです。それが1市町村やってるぐらいでしたら、それは市町村の独自性という解釈でいいと思うんですが、それが3分の2ぐらいに広がってきますと、やっぱりある程度県のレベルも多少上げて、その上で市町村の独自性を出すということで、今やってない、できてない市町村もやろうという気になってもらえたら、県下全体の水準はやっぱり上がっていくと、そのように考えております。
 県全体で必要なことと各市町村での判断とは当然違いますが、私はもう3分の2ぐらいになってきたら、やっぱり県も、「よっしゃわかった。市町村がそのぐらい必要性を感じているんであれば、多少県の基本的な制度も上げるで」という、そういう県と市町村の関係も、これから地方分権時代になりましたときに大切なことではないかな。トップダウンとボトムアップと上手に機能していく県と市のあり方から言いますと、ここにやっぱりある程度制度の充実をしたほうがいいと私は思うんです。
 財政状況もよくわかっておりますので、これで最後の質問になると思いますので、最後はやっぱり仁坂知事の声が聞きたいんで、最後に、今と違ってもいいんで、どうか前向きにお考えいただけたらと思いますので、御所見、よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 子育て支援につきましては、私は大変思い入れがありまして、実は知事就任のときに、タイミング的にいうともうほとんど予算ができておりました。そのときに財政当局をいろいろ説得して、3つばかり特に自分のカラーを出させていただいたのがあるんですが、その1つが現在議論になってる子育て支援政策の充実でありました。ただ、財政もはめないといけないんで、そういう意味ではあの辺が限度であったというのが正直な感想であります。
 現在、御指摘のように、市町村が住民ニーズをそれぞれ御勘案になって、地域で特色のある施策に取り組むということは評価いたします。ただ、状況を見ておりますと、それぞれの限られた財源の中で、1つ強化したら、やっぱり残りはちょっと我慢するとか、そういうふうにしてやっておられると思うんです。
 そういう意味で、県はやっぱりこれだけは絶対に必要だと思ったらやらないといけませんけれども、市町村がそれぞれでこぼこがあるのを全部上にそろえなきゃいけないということでも、どうもないのではないかという気がするわけでございます。
 いずれにしても、子育てについては大事な話でございますから、市町村のばらつきがどうのこうのということではなくて、どのぐらいの支援をしていかないとちゃんとした政策にならないかどうかとか、そういうことをこれからもよく頑張って議論して、皆さんともお諮りしてやっていきたいと思っております。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 そしたら、どうか前向きな議論をしていただきまして、一歩でも充実に向かっていただけたらと思います。
 1点、知事が先ほどお話しされましたので、知事が就任されたときに、私、ちょうど橋本市議会議員でおりまして、そのときに不妊治療助成制度、それをやっぱり子供が欲しくて欲しくて一生懸命頑張っておられるお母さん方の思いを聞かせていただいて、市の制度として頑張ってやろうよと、和歌山県一番でもええからやろうよという話をしてるときに、ちょうどすい星のように仁坂知事があらわれまして、その制度をぱっとつくっていただいて市の制度が一遍に進んだという、そういうこともありますので、やっぱり県の支援て大切やなというのもわかっていただいて、いまだにそのお母さんに出会いますと、私のことはあんまり言うてくれないんです。「仁坂知事は元気ですか」と、そういうお話でございますので、どうか前向きに御議論していただきますようによろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、私の初めての一般質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前11時42分休憩
────────────────────

このページの先頭へ