平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録 第6号(全文)


平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録

第6号(全文)


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平成23年12月
和歌山県議会定例会会議録
第6号
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議事日程 第6号
 平成23年12月12日(月曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第122号及び議案第130号から議案第158号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第122号及び議案第130号から議案第158号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第159号(当局説明・質疑)
 第4 議案の付託
 第5 請願の付託
 第6 休会決定の件
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出席議員(41人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 39番 山下大輔
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(1人)
 12番 川口文章
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説明のため出席した者
 知事 仁坂吉伸
 副知事 下 宏
 知事室長 野田寛芳
 国体推進監 中村正次
 危機管理監 宇恵元昭
 総務部長 米澤朋通
 企画部長 柏原康文
 環境生活部長 保田栄一
 福祉保健部長 鈴木敏彦
 商工観光労働部長 大門達生
 農林水産部長 増谷行紀
 県土整備部長 森 勝彦
 会計管理者 米山重明
 教育委員会委員 山本 哲
 教育長 西下博通
 公安委員会委員 片山博臣
 警察本部長 山岸直人
 人事委員会委員長 守屋駿二
 代表監査委員 楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 森田実美
 次長 佐本 明
 議事課長 堀 達也
 議事課副課長 吉田政弘
 議事班長 中井 寛
 議事課主任 中尾祐一
 議事課主査 保田良春
 議事課主査 中村安隆
 議事課主事 芝 紀之
 総務課長 上坊 晃
 調査課長 谷村守彦
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 午前10時0分開議
○議長(新島 雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第122号及び議案第130号から議案第158号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 10番鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕(拍手)
○鈴木太雄君 皆さん、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、一般質問を行います。また、県議会議員に当選をさしていただいて初めての質問でございますので、大変いい意味での緊張をいたしておりますが、しっかり頑張りたいと思います。最後までおつき合いのほど、よろしくお願いをいたします。
 また、通告した1項目と2項目につきましては分割方式で、最後の3項目を一問一答方式で行います。
 それでは、質問を始めます。
 ちょうど3カ月余り前の9月3日から4日にかけて紀中・紀南地方に上陸をした台風12号の記録的な豪雨は、多くのとうとい命を奪い、行方不明者を出し、道路、鉄道並びに電気、水道、通信施設等のライフラインの損害を引き起こしました。加えて、家屋の倒壊や浸水、農林水産業や商工業、観光産業に直接的あるいは間接的に損害を与え、また、世界遺産である熊野古道を初めとする文化財などにも甚大な被害をもたらしました。紀伊半島に住む我々に、改めて水害の恐ろしさを認識させることとなったわけであります。
 しかしながら、我々県民はそんな災害には負けてはいられません。被災された方々のためにも元気を出し、一日も早い復旧・復興をなし遂げ、地域に活力を取り戻さなければならない、そんな強い思いを持って、災害関連の質問を3項目にわたって行います。
 まず、1項目の12号台風による被災道路の復旧、整備と今後の代替道路の確保についてであります。なお、お手元に参考資料を配付いたしております。
 田辺地域周辺における国道311号、国道168号、国道371号及び県道龍神中辺路線、県道田辺龍神線、高野龍神スカイライン等、いずれの路線も、ふだんの生活用道路としてはもちろん、観光産業を大きな柱とする紀南地域にとりまして、観光用道路としても非常に重要な路線であります。さらに、緊急時あるいは災害時におきましても、救援物資や重機等を大型車両により運ぶことのできる唯一と言っても過言ではない主要幹線道路であります。
 その幹線道路が、今回の台風12号による長時間降り続いた大雨により土砂崩れや欠損等が発生し、通行が不能となり、住民生活に非常に大きな支障を来したわけであります。一時的には市道、林道、農道を含め、四方八方で道が通れなくなったため、孤立地域も多く発生をいたしました。もちろん電気や携帯電話など、多くの地域で通じなかった状況であります。
 そういった状況の中、地元自治体では、県道を主として山間部を走る迂回路を利用し、救援活動並びに救援物資の搬送を行ったところでありますが、幅員の狭い箇所が非常に多くあり、一般車両との交差はもとより、物資、搬送用の大型車両は通行できず、災害救援活動がおくれた地域もあったほどであります。
 発災後3カ月余りが過ぎ、ようやくふだんの生活に戻りつつありますが、今もなお主要幹線道路におきましても、片側通行のみならず、雨天時には通行規制をかけている箇所があります。さらに、その迂回路につきましても、幹線道路同様、山間部を走るため、背後に急傾斜地を抱え、また、川筋に沿っている場合も多く、いつ何どき崩土や欠損により遮断されるかもわからない不安な状況でありました。
 そこで、(1)として、主要幹線道路である国道311号、中辺路町の真砂から滝尻間、並びに国道371号、中辺路町の石船付近、県道田辺龍神線、県道龍神中辺路線、高野龍神スカイラインについて、完全復旧に向けた取り組み状況及び今後の見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
 特に、国道311号真砂から滝尻間につきましては、現在、緊急道路として活用中でありますが、雨量が10ミリをわずかでも超えると土砂災害の危険があるとして通行どめになるのが現状であり、市民生活に大きな影響を与えております。
 さらに、観光面からいたしましても、国道311号は中辺路町から本宮町まで抜け、国道168号を経由し、新宮、那智勝浦方面へと至る主要な観光ルートになっており、大型観光バスはこの路線が通行どめの場合、2トンまでであれば迂回路になる道路も、幅員の関係上、通行が不可能なため、予定が組めず、紀南地域の観光関連産業にも非常に大きなダメージを与えているところであります。
 紀南地域にとりまして自立のための道であると同時に、まさに命の道であります。一日も早い本格復旧が望まれているところでありますので、より一層の御努力を御傾注いただきますようにお願いをいたします。
 次に、(2)として、国道371号の中辺路町小松原から龍神村殿原間が3カ月余りたった今もなお復旧できず、そのまま通行どめとなっております。この未着手区間の被災道路の復旧についても、県道龍神中辺路線同様に重要路線であり、できるだけ早期に復旧をしていただきたいと思いますが、どのようなお考えであるのか、お聞かせいただきたいと思います。
 そして、(3)ですが、今回の災害では幹線道路がほぼ同時に寸断されたため、その迂回路として、非常に狭隘な市道や林道等に一般車両並びに緊急車両、救援車両等が集中し、事故や渋滞、混乱を招いたわけであります。その迂回路として活用した市道、林道、狭隘な国道につきましても、この災害により危険な箇所が多くあったため、決して安全な道路ではなくて、むしろそれを承知で通行していたのですが、逆に言えば、そのような道路しか残っていなかったということでもあります。
 そのような状況から、先ほども申し上げましたが、救援活動におくれをとったり自動車等に使う燃料が不足したりと、市民生活にも影響が出たわけであります。さらに、そういった理由から復旧も進みにくかったというのが現状でもありました。
 そこで、今回の災害を教訓にし、主要幹線道路の防災上からの強化を図るということはもちろんのこと、今後の災害による主要幹線道路の寸断に備え、代替道路の確保、いわば第2のルートの確保に向けた取り組みが必要不可欠であります。具体的に代替路あるいは迂回路になり得る路線を挙げれば、旧田辺市から本宮町へと向かう国道311号の代替路としては、県道近露平瀬線、県道下川上牟婁線並びに国道371号であり、同じく旧田辺市から龍神村へと向かう県道田辺龍神線の代替路としては、県道龍神中辺路線や国道424号線などであります。
 また、旧田辺市へと直接連絡することのできる代替路としては、残りわずかなまま整備事業が中止している平瀬上三栖線、中辺路町西谷から旧田辺市の上野の区間並びに県道温川田辺線等であり、平瀬上三栖線につきましては、以前より地元要望の強い路線でありまして、知事もよく御存じの路線ではないでしょうか。それから、特に県道温川田辺線につきましては、現在狭隘な道路でありますが、県道中辺路龍神線と接続されており、龍神地域、中辺路・本宮地域両面からの流入が可能となっており、道路幅員の拡幅を図れば、防災上あるいは生活用道路としても非常に投資効果のある路線であります。いわば、田辺市がハブ的役割を果たすことが可能になる路線の1つであります。
 こういった県道及び県管理道のネックとなっている狭隘な箇所や危険な箇所を緊急時にも大型車両が通行できるよう拡幅改修や待避所を設置するなど改良し、代替路として活用できるようにすべきであると考えますが、代替路の確保について県土整備部長の御見解をお聞きいたします。
○議長(新島 雄君) ただいまの鈴木太雄君の質問に対する答弁を求めます。
 県土整備部長森 勝彦君。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 最初に、被災道路の復旧についてでございますが、幹線道路である国道311号真砂地区の災害につきましては、一日も早い通行可能とすべく10月4日に応急仮設道路を開設しましたが、土石流の危険があるため、降雨や斜面の変動状況により通行規制を行っています。より安全な通行を確保するため、来年6月までに対岸を通る仮設道路を建設する準備を進めております。崩壊斜面の抜本対策には長期間を要するため、道路の本復旧はバイパスルートを考えており、3年から4年での完成を目標として取り組んでいるところです。
 また、国道371号石船地区、田辺龍神線虎ケ峰付近、龍神中辺路線水上地区、高野龍神スカイライン上湯川地区につきましては、応急工事を行い、片側交互通行可能としました。田辺龍神線虎ケ峰付近の本復旧は橋梁によりおおむね3年で、その他の地区はおおむね1年での完成を目標として取り組んでおります。
 国道371号小松原地区では、路肩が崩壊し通行どめとなっておりますが、12月中に災害査定を受け、速やかに復旧工事に着手し、おおむね5カ月での完成を目標として取り組んでおります。
 台風12号による道路被災箇所につきましては、復旧・復興アクションプログラムに基づき、平成24年度中に95%の箇所の完成を目指します。
 続きまして、代替路の確保でございますが、被災直後、いち早く集落の孤立状態を解消し、被災地への救助・救援活動を行うためには、そこに至る道路、特に幹線道路の機能をできるだけ早く確保することが重要となります。さらに、今回のように幹線道路自体が大きく被災した場合は、代替ルートが確保できるかどうかが被災後のあらゆる活動に大きく影響します。今回の災害でも、国道311号の田辺市鮎川や真砂での通行どめは、県道、市道を利用して何とか迂回ルートを確保できたことで、比較的早く被災地への通行が可能となり、その後の救助・救援活動に効果を発揮したところです。
 こうしたところから、今後、災害に強い道路ネットワークを確保するためには、高速道路はもとよりX軸ネットワーク道路や川筋ネットワーク道路の整備により幹線道路の防災機能の強化を図るとともに、こうした幹線道路と連絡する県道や市町村道、農林道も含めた代替ルートについて、各道路管理者と連携して議員御指摘の拡幅や待避所設置などを進め、多重的な道路ネットワークの形成に努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 (3)の代替路、待避所の確保についてでありますが、今回の災害では、ある意味において一時的な生活圏の崩壊であったわけでありまして、二度とそうならないように十分に御協議をいただきたいと思いますし、また、風水害だけでなく、近い将来発生が予想されている東南海・南海地震に備えた有効的な投資にもなろうかと思いますので、強く要望いたします。
 次に2項目として、洪水対策について質問を行います。
 今回の台風12号は雨台風で、近畿一の面積を有する田辺市においてもかなりの浸水被害が発生をいたしました。ちなみに、田辺市全体の建物被害は1000棟を超しており、特に本宮町においては、全壊が20棟、半壊が219棟、一部損壊が8棟、床上浸水が165棟、床下浸水31棟の計443棟に上ったわけであります。近年では非常に大きな被害であり、地すべりやがけ崩れによる被害もございますが、特に熊野川及びその支流である音無川や大塔川等、はんらんしたことで、本宮町の6地区にも上る広範囲にわたり甚大な水害をもたらしたわけであります。
 災害から3カ月余りを経過し、熊野川の水量は落ちつきを見せておりますが、住民の間からは、熊野川に堆積した土砂を早く取り除いてほしい、大雨が降るとまた浸水すると不安視する声が非常に多く聞こえてまいります。
 その甚大な被害をもたらした12号台風以前より熊野川はたびたびはんらんしておりましたから、その対策として、昭和62年度から平成20年度までの22年間にわたり、旧本宮町時代を含めて田辺市は県から事業承認を受け、河床整備事業を行ってまいりました。
 県は、田辺市や関係機関からの強い要望を受け、翌年度の平成21年度には、河床の掘削のほか、集落を水害から守るための輪中堤防の建設など、総合的な熊野川全体の洪水対策として熊野川圏域河川整備計画を策定し、平成22年度から5カ年にわたって河床を下げるための掘削事業に着手してきたところであります。
 しかしながら、12号台風以後、熊野川の下流から上流にかけて流出土砂が異常堆積をし、河川の通水断面が不足している箇所が非常に多く見受けられ、また、先ほど申し上げました音無川や大塔川などの支流部におきましても状況は同じであり、流出土砂の堆積がひどい箇所になると堤防と全く同じ高さになっているところもございます。つまり、河床の状況が著しく変化をしているわけであります。
 そのような中で、河床掘削による通水断面の確保が望まれておりますが、熊野川圏域河川整備計画の見直しによる河床掘削では非常に年数を要することから、即効性がありません。熊野川並びにその支川の一日も早い洪水対策としての堆積土砂撤去の方法について、さらに、熊野川やその支川につきましては非常に質の高い砂利が採取されますので、河床掘削時の副産物として有効活用するべきだと考えております。実際、田辺市が実施していた河床整備事業において採取された砂利を副産物として取り扱ってきた経過もあり、あわせて県土整備部長のお考えをお聞きいたします。
 なお、今回のように長時間にわたり積算雨量が1300ミリを超える場合、県が策定した熊野川圏域河川整備計画の計画高水流量毎秒5600立米では流量が不足をいたします。また、年間6万立米の土砂を5カ年で合計30万立米除去する計画でありますが、その対象地域は本宮町の本宮地区のみの計画であり、今回の12号台風を教訓にし、今後に生かすためには、計画高水流量、掘削数量の見直しや掘削対象地域を拡大するなど、熊野川圏域河川整備計画の見直しも同時に必要であると思います。この点についても、県土整備部長のお考えをお聞きいたします。
 次に、(2)として、田辺市内における河川の浸水対策についてでありますが、熊野川のほかに市域に流れ出ている河川につきましても、流出土砂の堆積により浸水や洪水の危険性を感じているところが多くあります。特に今回の災害では、堤防決壊などにより洪水被害がひどかった地域は、秋津、万呂、稲成、古尾地域など左会津川に面している地域が主で、その中でも古尾地域におきましては、会津川の支流に当たる稲成川にも面していることから家屋の被害が多くあり、2年前の7月の豪雨においても浸水被害に遭ったわけであります。
 そのような状況の中、現在、県において会津川下流の右岸側に当たる旧会津橋から切戸橋の600メートル間を洪水対策として堤防の整備を計画的に行っており、また、同時に田辺市におきましても、稲成川から会津川への合流点に浸水対策として強制排出施設の設置に向けた努力をいただいているところであります。
 しかし、古尾地区には比較的高齢者の方が多く、自動車の進入できないような路地がほとんどで、避難するにも大変な地域であります。また、避難所も離れていることから、一日も早い施設の完成を望んでいるわけであります。県におきましては早期の完成を目指して努力をいただいていると思いますが、災害後でありますので、あえて県土整備部長のお考えをお聞きいたします。
 また、今後の田辺市内における河川の浸水対策につきましても、あわせてお聞かせいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 最初に、熊野川の洪水対策についてでございますけども、熊野川及びその支川では台風12号により水位が上昇し、浸水被害が多く発生しました。河床への土砂の堆積が進み、治水上、支障がある箇所については応急対策として撤去を早急に進めてまいります。その際、河川法第20条に基づく河川管理者以外の者の施行する工事等により砂利等の有効活用ができる方法で実施したいと考えております。
 また、熊野川の河川整備計画については、地域の意見を聞くとともに、国の動向を見ながら、必要に応じて見直し等の対応を考えてまいります。
 次に、田辺市内河川の浸水対策についてでございますが、台風12号により被災した河川の復旧を急ぐとともに、堆積土砂の撤去にも努めてまいります。
 古尾地区における左会津川の改修につきましては、旧会津橋から切戸橋までの右岸600メートル区間において堤防整備を実施しております。古尾地区は、平成21年7月の集中豪雨により浸水被害が発生した箇所でもあり、早期完了を目指しておりますが、より一層事業進捗を図ってまいります。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 再質問を行います。
 熊野川の洪水対策につきましては、河川法第20条に基づく河川管理者以外の者の施行する工事等により砂利等の有効活用を図っていくとの御答弁をいただきました。私も、基本的に県の考えに賛同するところでありますが、県管理の河川でもあることから、すべて人任せにするのではなく、しっかり県として掘削計画にも参画いただきたいと思います。
 また、熊野川は他県の管理する区間もあることから、三重県を初め各関係機関との協議調整も重要であると考えますが、県が主体的に取り組んでいただけるのか、この2点について、県土整備部長に改めてお考えをお聞きいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 河川法第20条に基づく河川管理者以外の者の施行する工事実施の場合においても、県が具体の実施箇所、掘削可能量等について示してまいります。また、実施に当たっては、県として主体的に三重県や関係機関との調整に努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 何より住民の生命と財産を守るということが非常に重要でありますので、一日も早く住民が安心して暮らせるように、しっかり取り組みを進めていただきたいと、このように思います。よろしくお願いいたします。
 引き続いて、ここから一問一答方式に移ります。
 次に、3項目の台風12号による農地災害について、適用除外項目についてであります。
 (1)として、傾斜角問題の県から国への要望について、限度額の見直し等を含めた要望をしてはどうかということでありますが、今回の台風12号は、紀中・紀南を中心に、本県の基幹産業である農林水産業にも過去最大規模の甚大な被害をもたらしました。去る11月現在の農林水産業全体の被害総額は417億円にも上り、とりわけ農作物や樹木の被害額は、水稲が1億5300万円、梅が5億3800万円、生産施設では6億7700万円、農地、農業用施設においては141億円余りとなり、林業関係にあっては36億6300万円という被害状況であります。
 そのような状況の中、農地災害の適用除外項目について、3点にわたり当局の見解をお聞きいたします。
 知事におかれては、発災後、この傾斜角問題について、国に対し、経済効果が小さい劣悪な農地を補助対象から除外するという法律そのものには反対をしないが、傾斜が20度以上の和歌山の梅農地は最も経済性が高く、これを差別待遇する政令は法律の精神に反するとして、いち早く取り組みをいただいており、梅産地である田辺市選出の議員の1人といたしまして、大変心強く、この場をおかりしてまず感謝を申し上げたい、このように思います。
 また一方、9月定例会では、県議会といたしましても、国に対し災害復旧における農地傾斜角度等に関する意見書を提出し、それと同時に、本県農業を支えている20度を超える農地のほか、国の災害復旧事業とならない復旧事業についても、果樹王国たる本県農業の特性、地域の実情にかんがみ、本県独自の支援を検討されるよう、本県の農地の災害復旧に関する決議をいたしました。
 その後、この件について非常に多くの生産農家の方々から御意見をいただいたところでありますが、それらの意見をまとめますと、傾斜角20度超え農地の問題に積極的に取り組みを続けていただいているのは大変ありがたいが、そもそも20度を撤廃するだけで実効ある対策となるのかと、大変厳しい御意見をいただきました。傾斜が強くなれば一般の平地の工事よりも事業費も高くなると予想されるが、現行の国の災害復旧事業の場合、基準となる面積や面積当たりの限度額に制約がある、我々の思いどおりに20度を超える急傾斜園地に対し災害復旧申請が可能となっても、積算により導き出された補助事業費に対して実際の工事費が大幅に超過することとなる、補助残に加え超過分全体が受益者負担となることから実質的には使いづらい制度のままになると大変心配してると、こういった内容でありました。
 私も総合的に勘案をいたしますと、現在の災害復旧の適用要件である傾斜角20度超えの制限撤廃を求めると同時に、限度額の増額や面積のとり方などについても、あわせて国へ働きかけを行ってはどうかと、このように考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 農業は、国の食料の安定供給に資する極めて重要な産業でありますから、補助金とか、あるいは各種融資制度等を通じて、国策として他の産業に比して振興が図られているところであります。
 もちろん災害のときにも、本来的には、私有財産については基本的にはその回復は例えば優遇融資によるというようなのが原則なんですけれども、農地についてはこの農業の大事さにかんがみて、一定の要件を満たすものについては国費を投入して回復するというふうになっておるわけです。
 農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律と、暫定措置なんですけど、結構長く続いております。災害復旧事業に要する費用につき国が補助を行い、もって農林水産業の維持を図り、あわせてその経営の安定に寄与することを目的としているということでございます。
 この法律は、国民共通の国費を使うということからくることだろうと思いますけれども、経済性の乏しいものは対象にしないというふうに法律で決めとるわけであります。これは、大変無理をして復旧させるということは、国民共通の全体の財産である国費という点からちょっと難しいということだろうと思うんですけれども、政令でこの経済性については2つのことを決めています。1つは20度以上の農地についてはだめというふうに決めておるのと、もう1つは限度額を決めてるわけでございます。
 このうち20度超えの農地の完熟梅の栽培、こういうものについては和歌山県にとってドル箱でありますが、平たんな農地でつくるのに比較しても、実はある程度の傾斜地でつくるのは生産性に遜色はなくて、むしろ完熟落下梅の収穫にネットを使ってうまくやるという点では、より生産性が高い方法であると思います。そういう意味で、政令における適用除外は法の趣旨に反するものであって、こんなものはさっさと直してくれということを言っとるわけであります。正当な論拠があると思います。
 しかし、その限度額については、例えば、復旧に要する物価というか復旧費が上がったとか、そういうことをちゃんと証明すると政令を変えられないわけではないと思いますけれども、結構現在の状況では難しいし、場合によっては、この法律の経済性云々と書いてあるのがどうかという議論にまでいって、これは法改正を要する話になるんじゃないかというようなおそれもあります。いずれにしても、大変大きな議論を要するわけで、これを現下、今困っておられる方に対する救済という点では、なかなか間に合わないという感じがいたします。
 対応は現実的にやらなきゃいけない。正義は必ず勝ちます。したがって、ちょっと政府が、中堅役人がやってきて「政令を変えるのは難しい」とか何か言うと「ああそうですか」と言ってすぐそれに納得してしまうような、そういうだらしない対応は絶対いかん。それに適応した対応をやるということは、かえって足を引っ張るということになるということでありますが、一方、今のような実現不可能なことを言うだけ言っておこうというのは、これまたなかなかとるところではないというふうに思います。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 御答弁をいただきました。
 私としては、知事、この政令の改正が実現したときに、生産農家の方々に心から喜んでいただける改正であってほしいとの思いであって、実効あるものでなければと考えております。
 仮に、傾斜地における水田と梅畑を比較しましても、水田においては崩壊した箇所だけではなくて水田面積、つまりその上にある水田1枚全体が補助額の積算面積とされておるわけです。一方、梅畑については傾斜角そのものが園地であることから、おおむね崩壊した箇所が補助額の積算面積とされて、同様の被害状況であっても面積のとり方がそれぞれ異なっておるために、おのずと補助対象事業費に差異が生じて補助額に影響を与えているというのが現状だと思います。まさに、先ほど申し上げましたように、傾斜角が強くなればなるほど工事費にも影響を及ぼしますし、それが受益者負担に大きな違いが生まれることと、このようになってございます。
 このようなことから、20度超えの制限撤廃を求めるのと同時に、面積のとり方や限度額の見直し等についても国に要望することが私は必要であるとの認識に立って、この質問を行ったわけであります。今後もより一層のお力添えをいただきますようにお願いいたしたい、このように思います。
 そして、次に移ります。
 (2)の小災害の県費補助の運用について、いわゆる今回の県単独の災害復旧事業についてであります。この案件につきましては、後日所管の委員会で審議されるものでありますが、お許しをいただきたいと思います。
 今回の国庫補助の対象にならない災害に係る県単独の農地、農業用施設の災害復旧事業については、傾斜角度にはかかわらず、また復旧事業費の下限を設けることもなく、40万円以下の農地が対象となります。つまりは、復旧事業費40万円以下の被災農地すべてが対象とされているわけです。
 なお、復旧事業費が40万円以上で傾斜角20度を超えない農地については、国庫補助の対象とされています。
 そうしたことから、復旧事業費が40万円以上で傾斜角20度を超える農地については、県単独事業に加えて、現状の国庫補助事業も対象外の農地になります。要するに、今回の県単独事業と国庫補助事業いずれにも該当しない被災農地が存在するわけです。したがって、現状においては、被災された農家の方々を少しでも救済をするために、県単独事業、小災害でありますが、この事業の柔軟な運用が必要であると考えますが、農林水産部長の御見解をお伺いします。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長増谷行紀君。
 〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県の農業生産基盤復旧支援事業は、台風12号による災害復旧において国庫補助の対象とならない農地、農業用施設の復旧を支援するものでございます。
 御指摘のように、現在、復旧事業費40万円以上で傾斜20度を超える農地災害については国庫補助の対象外でありますが、経済効果が小さいことを根拠に対象から除外している国の考え方は、特に完熟梅の栽培においては論理的な正当性は全く認められません。こうしたことから、県ではとにかく知事を先頭に、復旧事業費が40万円を上回る傾斜20度超の農地災害について、粘り強く制度の見直しを求めてきたところでございます。
 なお、台風12号による被災農地等への県の支援制度は、県下全体の被災状況を総合的に勘案して制度設計を行ったものでございます。市町村におかれましては、地域の実情に応じて県の支援制度をうまく活用していただくことを期待しております。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 復旧事業費が40万円以上で傾斜20度を超える農地災害が、現在、国の災害復旧事業の適用とされているのであればいいんです。現在、政令の見直しを求めている段階であり、言いかえれば見直しがされていない状況下においての、それも今回の台風12号による被害に限定した小災害に対する、せっかくつくっていただいた県単独の支援制度であります、これは。でありますから、この制度の運用面において、40万円という上限に縛られることなく柔軟に対応していただきたいと、私はこのように思っております。期待しておるということで、それはこっち側でもいいように受け取りをさせていただきます。
 つまりは、今回の12号台風によって被災された農家の方々を区分することなく、利用のしやすい県の支援制度でなければならないというのが私の今回の質問の思いなんであります。それを御理解いただきたいと、このように思います。
 それでは、次に移ります。
 (3)の小規模地すべりへの対応についてでありますが、今回の台風12号に伴う豪雨によって、平地の少ない本県では急傾斜農地の山すそに建てられている住宅の全半壊が非常に今回多くて、また、農地の崩壊や地盤の緩み、さらには山がせり出し、畑に亀裂が生じてるケースも多数見受けられます。
 そういった状況下で、農地の所有者あるいはそこで生活されている方々は、大雨が降るたび、いつ発生するかもわからない土砂災害等への不安に悩まされ続けております。
 こうした住民の方々の日常不安を解消するためにも、農地面の整備とあわせて、現行の制度に該当しない、いわゆる小規模な地すべり対策に取り組む必要があるのではないかと、このように考えますが、農林水産部長の御見解をお聞きいたします。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
 〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 急傾斜園地での小規模地すべりについては、本来、災害復旧事業として対応するものでありますが、傾斜20度を超える農地の場合、現時点では災害復旧事業の対象外となっております。県が行う地すべり対策事業の面積要件は、10ヘクタール以上の農地が受益となること、あるいは5戸以上の民家と5ヘクタール以上の農地が受益となることが必要であります。
 台風12号被害における急傾斜園地の小規模地すべりの対策につきましては、県営地すべり対策事業での対応を検討し、適用が困難な箇所につきましては、被災市町村と協力しながら被害の状況等を把握、調査した上で、交付金事業等での対応を検討してまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 鈴木太雄君。
 〔鈴木太雄君、登壇〕
○鈴木太雄君 答弁いただき、ありがとうございました。
 交付金事業等での対応をしていただけるということで、検討していただけるということでありますが、交付金事業になりますと最大でも55%程度だと思いますんで、少しでも受益者の負担軽減を図るため、県の上乗せ支援もあわせて御検討いただくように要望しておきたい、このように思います。
 最後になりましたが、このたびの台風12号による豪雨災害で犠牲となられた皆様に心から哀悼の意を表しますとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げます。
 また、災害復旧に向け御協力いただきました皆様方に心からの感謝を申し上げ、私の一般質問といたします。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、鈴木太雄君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 36番岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕(拍手)
○岩田弘彦君 皆様、おはようございます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさせていただきます。
 まず、一般質問に入る前に、今回の選挙で初めて当選さしていただきました。県民の温かい負託を受けまして、皆さんの仲間入りをさしていただきました。今回、初めての一般質問になりますので、何分未熟な者ですので、どうか失礼がございましたらお許しをいただきますよう、よろしくお願いいたします。
 そして、先輩議員並びに同僚議員、そして知事初め県当局の皆さん、今後ともどうかよろしくお願いいたします。
 私の信条は、全国に誇れる魅力あるまちづくり、そして住民目線の行財政運営、この2本の柱で地域の活性化を目指す、この信念でこれからも取り組み、和歌山県の発展に尽くしてまいりたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。
 それでは、一般質問に入らしていただきます。
 一般質問、項目は4項目であります。一問一答制と分割質問方式併用型で行わせていただきます。
 まず1項目めは、高野世界遺産についてであります。
 本県では、平成25年、伊勢神宮式年遷宮、平成26年、高野・熊野世界遺産登録10周年、そして平成27年、高野山開創1200年というビッグイベントを起爆剤といたしまして、観光客誘致の促進に取り組んでおるところであります。先日からも、橋本市のほうで県政報告会がありましたときに、知事が熱意を持って言われておりました。まさにそのとおりだと思います。それに向かって頑張って取り組んでまいりたいと思います。
 そんな中、いにしえより高野山には50年に1度の大きな行事といたしまして、開創記念大法会と弘法大師御入定御遠忌大法会の2つがあります。この2つの大きな行事が、短いときに20年、長いときに30年の間隔で行われております。この2つの大きな行事をきっかけにいたしまして、高野山地域は今まで活性化を図ってきたという大きな歴史があります。その1つが、近々行われる開創1200年であります。
 直近の1984年に行われました弘法大師御入定御遠忌大法会においては、4月1日から5月20日の期間中、和歌山県警調べで約104万人強の参詣客が訪れたそうであります。
 世界遺産登録10周年、高野山開創1200年をビッグチャンスととらえた観光客誘致の促進は、とても大切と考えております。と同時に、この機会をとらえて将来に向けて高野山及び周辺地域の新たな観光資源の開発や地域活性化の核づくり、これもとても大切と考えます。
 その思いを持ちまして、以下3点についてお伺いいたします。
 まず1点目、古来より高野山地域には、「高野七口」と呼ばれます高野山への7つの入り口と7つの参詣道があります。うち高野山町石道、そして熊野参詣道小辺路の2つは、平成16年、紀伊山地の霊場と参詣道として世界文化遺産に登録されています。世界遺産の登録範囲の拡大は、本県の発展に大きく寄与するものと考えます。高野山への参詣道「高野七口」の世界遺産追加登録について、教育長にお伺いいたします。
 まず、第1回目の質問を終わらしていただきます。答弁よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) ただいまの岩田弘彦君の質問に対する答弁を求めます。
 教育長西下博通君。
 〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高野山への参詣道「高野七口」の世界遺産登録についてお答えいたします。
 和歌山県教育委員会では、平成22年度から5カ年計画で、関係市町と連携し、世界遺産追加登録のための文化財史跡指定促進事業を行っております。高野山地域につきましては、今年度、和歌山県教育委員会が参詣道に関する専門学術検討委員会を設置し、高野七口をつないでいる結界の道、大門口へつながっている三谷坂及び橋本市、九度山町を経由し高野山へ至る黒河道の調査をいたしました。
 その結果、黒河道については、子継峠の地蔵菩薩が室町時代のものであると判明したことや、文献調査等により信仰の道であったと確定することができました。
 来年度から専門学術検討委員会の調査結果をもとに、各市町が黒河道及び三谷坂等の測量及び整備業務を実施する予定でございます。平成26年度内に国史跡指定を受け、その後、世界遺産追加登録を目指してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな御答弁、ありがとうございました。スピード感のある取り組みで、一日も早い追加登録を実現させていただきますように強く要望いたします。
 そして、特に答弁にありました黒河道につきましては、先日来、橋本市議会12月定例会一般質問におきまして取り上げられておりまして、その答弁は、橋本市のみが伊都管内で今世界遺産を持っていないこともありまして、積極的に県教育委員会と協力して取り組みますという答弁が出ているそうでございますので、どうか力を合わして、ひとつよろしくお願いいたしておきます。
 そしたら、次の質問に移らしていただきます。
 2点目は、前段でも述べさせていただきましたように、この機会をとらえて、将来に向けて、高野山及び周辺地域の新たな観光資源の開発や地域活性化の核づくりというのもとても大切と思いますので、世界遺産登録10周年、高野山開創1200年は絶好の地域活性化の機会でありますので、新たな観光資源の開発や地域活性化に向けた取り組みについて、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長大門達生君。
 〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 県では、平成25年の伊勢神宮式年遷宮から平成26年の高野・熊野世界遺産登録10周年、そして平成27年の高野山開創1200年という記念すべき祭事が連続する3年間を観光振興、地域活性化の大きな契機と考えており、現在、それらを効果的につなぐ観光プロモーションを計画しているところです。
 こうしたプロモーションでは、地域により多くのお客様にお越しいただくためには、地域が主体となって地域資源の見直しや新たな観光資源の開発、また、おもてなし向上など、総合的に魅力アップを図っていく必要があります。地域主体の魅力アッププランについては、ハード面で観光施設整備補助、ソフト面でやる気観光地魅力アップ協働や商品力向上アドバイザー・おもてなしアドバイザー派遣など目的に応じた支援制度を設けており、地域に対して制度の周知をさらに図っていくとともに、提案された有効なプランに対しましては積極的に対応してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 前向きな答弁、ありがとうございました。私も絶好の地域活性化のチャンスであるということで、周辺地域の皆さんに、これはチャンスですよという広める活動もさしていただきまして、機運も高めさしていただいてるつもりでおります。
 県の支援策であるとか参考事例の紹介、それらも積極的に今後も行っていきたいと考えておりますが、県におきましても、県の優秀な能力を活用していただきまして、周辺地域に向けて、これやっぱり地元をまずは活性化する、地元の機運を盛り上げるということは大事やと思いますので、成功事例とか参考事例とかそういう情報はやっぱり優秀な県の職員さん持っておりますので、それを紹介するというかな、その部分について。そしてまた、できた芽について支援体制を充実していただくことによって、一番いいんではないかなと思っておりますので、新しい芽が出そうな企画につきましては、どんどんどんどん応援体制をとっていただきまして、また積極的に取り組んでいただきたいというのがあります。
 もう一点、この支援制度についてでありますが、私も若いころによくまちづくり活動に参加さしていただきまして、そのときにあったんですが、積極的な企画を出して応募したときに、予算枠を超えるとどうしても一律何%──今はどうかわかりませんが、その当時一律何%というカットが多かったんです。それにつきましては内容を精査していただいて、やっぱり企画が生きる配慮をしないと、全くボランティアのパワーでやってるときに予算削られますと、もう事業が全くできないということもございますので、その辺もよく精査していただきまして、どうか地域の活性化を支援したっていただきますように強く要望しておきます。
 そしたら、次に移ります。3点目の質問に移ります。
 高野山への参詣道「高野七口」は、関係市町村もかなり多く、そしてまた伊都・橋本産業創造センターでは新しい地域ブランドづくりを目指して高野七口ブランドに今取り組んでいるところです。この高野七口ブランドというのは、古来、高野山へ入山する7つの参詣道──高野七口なんですが、この地域に茶屋や宿場が栄え、高野もうでを支えたことにちなむもので、この地域の歴史や自然環境、生活文化に基づいた新しい工夫、思いやり、感謝のある産品づくりを目指した取り組みとして、有名なのは高野スイーツとか、今「はたごんぼ」とかというのが年々増加しているんですが、このような地元の地域の努力を踏まえて、今高野七口の世界遺産追加登録を目指しておることですので、高野七口をテーマとする観光振興とか地域振興をしていってはどうかということで、高野七口をテーマとする観光振興、地域振興について、商工観光労働部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長。
 〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 高野七口をテーマとした観光振興、地域振興についてですが、高野七口の街道のうち、高野山町石道、熊野古道小辺路は、世界遺産に登録されており、県や地域においては既に観光プロモーション、ウオークイベントなどにおいてさまざまな取り組みを行っております。
 高野街道、黒河道など、このほかの街道についても景観や歴史文化などの魅力的な要素を多く有しており、県では今年度、伊都振興局が中心となって高野七口のルート調査とウオーキングマップの作成を行っているところです。
 また、高野七口ブランドについては、伊都・橋本産業創造センターが主体となって、橋本・伊都地域の食を中心とした新たな魅力の創造と情報発信に取り組まれている事業であります。
 平成27年に高野山開創1200年という地域振興の大きな契機となる祭事を控え、県では高野山を中心に誘客対策を強化していく必要があることから、ウオーク、健康、食といったテーマにおける高野山周辺の新たな魅力として、高野山への参詣道である高野七口と食の高野七口ブランドを位置づけ、今後、観光プロモーションなどに積極的に取り組んでまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。位置づけをして取り組んでいただけるということで、積極的に取り組んでいただけたらと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
 そしたら、大項目2番目の大滝ダム及び紀の川流域の治水対策について質問をさせていただきます。
 まず1点目、当初計画事業費が約230億円、地すべり対策を含む現時点の最終事業費総額約3640億円、内訳といたしましては、和歌山県側、概算ではございますが、負担総額780億円、その内訳を言いますと、県が約460億円、和歌山市約216億円、橋本市約106億円、このくらいかかりました大滝ダムが地すべり対策を行いまして、今試験湛水を開始しているという状況にあります。
 この大滝ダムにつきましては、前回の費用負担のときに、私は橋本市議会議員でございましたんで、そのときにさまざまな議論の末、最終的にはやっぱり県のほうが認めざるを得ないという御判断やって、それを受けまして、やっぱり橋本市民も県民でございますので、これは橋本市もやっぱり苦渋の選択で、費用負担については認めようやないかという、そういう思いがあります。
 試験湛水でございますが、以前、地すべり対策を含めた、先ほども言わしてもうたように、基本計画変更時には県のほうでも苦渋の決断をされて同意した経緯があると思いますが、万全の対策がなされているはずのダムでございますので、あってはならないことと思いますが、新たな地すべりなど新たな事態が発生した場合には、私は、国の責任であり、新たな追加費用負担は認めるべきでないと考えておりますが、このことにつきまして、知事の御見解、よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 5年前、負担増となる前回の基本計画変更時には、私は同意いたしました。この期に及んで何じゃという気持ちがありまして、大変遺憾でありましたが、将来の紀の川の治水ということを考えて、断腸の思いで同意をいたしました。
 今回御指摘の白屋地区の地すべりの発生、これについて、今回は国において貯水池の斜面のより詳細な地形とか地質調査を実施の上で、学識者による慎重な検討をして、貯水池斜面の再評価をして、これで大丈夫だということで工事をし、完了し、そして湛水実験になったというふうに理解しております。
 その結果を踏まえて万全な対策がなされたはずのダムにおいて、新たな地すべりの発生などあってはいかんというふうに思っておりまして、そういうことだけ、ここだけじゃなくて、万が一そのような事態が起こった場合は、すべて国の責任で行うよう、都合100回ぐらいは国の責任の方々に言うておりまして、1回も反論は受けたことありません。その方針でいきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 知事の力強い答弁、どうもありがとうございます。
 私、これ使命がございまして、先ほどお話しさしていただいたように、市議会議員のときに、やっぱり県がそういうふうに判断した場合は、私たちはやっぱり県民ですので、そういうふうにしようとこういう流れになります。ですので、万が一にも県が認めると、また橋本市も認めてという、そして橋本市が認めますと水道料金に大きな影響を及ぼすんです。それもありますので、今心強い決意を聞かせていただきまして、本当にありがとうございました。
 次に、2番目に移ります。
 先ほども説明さしていただきましたように、大きな投資をするとどうしても過大な広告をしたくなるのが私は心情やと思います。そら国交省のことですので、そんな過大な数字は出してくることはないと思いますが、どうしても話の中で、やっぱりそのぐらいの投資をしてるんだから効果がありますよと言いたくなるのが心情でございますので、私はそれが非常に治水について危ないと思います。
 治水目的79.2%、これ費用負担割合で出さしてもうたんですが、だから治水目的が大きい大滝ダムでございます。でも、限界はあります。国土交通省の近畿地方整備局の紀の川水系河川整備計画によると、大滝ダムは洪水時の最大放水量は当面毎秒1200立米とするが、下流の河道整備状況等に応じて、洪水時に最大毎秒2500立米放流まで順次変更するとあります。
 今回の台風12号における大滝ダム地点の最大放水量は毎秒1837立米で、先日、先輩議員が紀の川水系のことでいろいろ質問されておりましたが、そのような被害が出ている状態であります。これが2500立米までいくということは、台風12号の状態よりも放水量がふえることがあるということになりますので、そうなりますと、やっぱり本川の整備をきちんとしてもらうというところがないと、なかなか治水機能が発揮できない、そのように思います。
 これだけ多額のお金をかけたんですから、紀の川の安全・安心、治水対策にはしっかりとしてもらわないとという思いがございます。その思いを持ちまして、県土整備部長にお伺いします。ダムを過信しない河川整備について、お伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 国が策定した紀の川水系河川整備基本方針によりますと、治水対策として紀の川本川の河道整備と大滝ダム建設をあわせて実施することにより、紀の川流域を洪水被害から守ることとしております。
 来年度、大滝ダムが完成する予定ですが、依然として紀の川本川には、岩出井堰や小田井堰などの狭窄部や堤防の未整備区間などが残っています。これら狭窄部の対策などを実施することにより、その地点での流下能力が向上するとともに、大滝ダムの洪水調節機能の確保につながり、紀の川流域全体の治水安全度向上を図ることが可能となります。
 このため、県としましては紀の川本川の整備が必要不可欠と考えており、引き続き狭窄部対策などの整備を国に求めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 再度、県土整備部長にお伺いしたいんですが、紀の川のことですんで、当然国に求めていく、働きかけていくということになるんですが、私はこれだけの多額の投資をさしていただいておりますので、先ほどのデータによりますと、本川の整備がないと治水機能がやっぱりなかなかうまくいかないというふうに解釈しております。
 それから言いますと、それだけの多額のお金を出さしていただいたんですから、全国レベルで見ましても、和歌山県において河川の治水対策を打つときには、やっぱり優先的にやっていただくぐらいの強い要望を私はして当然やと思います。ですので、それも含めてもう一度、和歌山県に優先的にやっていただけるように私は強く要望すべきやと思うんですが、再度、答弁よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 県としましては、紀の川の早期整備と治水効果の早期発現について、今後とも強く国に働きかけてまいります。その際、最も効果的な整備順序等にも配慮するよう、あわせて求めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 本当に強く、ひとつよろしくお願いいたします。答弁ありがとうございました。
 次の質問に移ります。
 知事も日ごろから言われておりますが、どのようなハード整備にも限界があります。当然の話であります。想定を上回る洪水への防災・減災対策について、もう一度、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 想定を上回る洪水には、ダムや河川整備などのハード整備だけでは対応できませんので、水防活動や住民避難を支援するソフト対策を組み合わせたハード・ソフト一体となった対策が必要です。
 ソフト対策として、紀の川の管理者である国では、洪水ハザードマップ作成の支援や防災意識の向上を図るための住民参加の防災訓練の実施、洪水予報や水防警報あるいは河川情報の収集伝達など、総合的な被害軽減対策を推進するとしています。
 一方、県においては、流域自治体に対し水防体制の維持強化を指導するとともに、流域の雨量や支川の水位情報を提供することにより水防活動や住民避難を支援し、被害の軽減に努めることとしています。
 今後とも、国、県、市町村の連携をより強化し、地域住民の皆様と一緒に、流域が一体となった効果的な防災・減災対策を推進してまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 御答弁ありがとうございました。
 ここで、私はもう単純に一番大事なのは、これは国です、これは県です、これは市です、そういう流れではなくて、国、県、市、そしてその住民の皆さん、住民目線で連携を強化していって情報を共有する、その垣根を取っ払って、本当にその地域で国ができることをし、県ができること、市ができること、これほんまに基本やと思うんで、住民目線に立って対策を1個1個やっていただきたい、これを強く要望しておきます。
 それでは次に、大項目3に移ります。
 大項目3につきましては、皆さんに資料を配付しております。資料1でございます。1枚は地域高規格道路の図面、もう1枚は大阪の道路整備のマスタープランということで、日ごろ言われております地域高規格道路と放射状道路が一致しているということで見ていただけたらと思いまして、一応参考資料として出させていただいております。
 それでは、大項目3に移らしていただきます。大項目3につきましては分割質問方式にて質問をしますので、よろしくお願いいたします。
 地域高規格道路「大阪橋本道路」、いわゆる国道371号バイパスであります。この道路は、歴史的に言いますと、京都より大阪府を南北に貫く東高野街道、これと並行している現在の道は170号線もしくは外環状線に当たると思われます。そして、大阪市を起点とする中高野街道、そして堺市を起点とする西高野街道が河内長野市で合流し、和歌山県へ人、物、お金の流れを呼び込んできた大切な高野街道であります。
 私は、歴史的に見ても、和歌山県は、今世界遺産に登録されております熊野街道、そして高野街道、この2本が和歌山に人、物、金の流れを呼んできたと思っております。理由があります。大阪へ行くんでしたら「大阪街道」と言われると思いますが、この2本ははっきり和歌山の地名が入って、和歌山へ向いての街道でありますので、人、物、金の流れを呼び込んできた大切な道だと私は思っております。
 現在においても、関西大環状高規格道路「京奈和自動車道」とともに関西都市圏の拡大や災害時の救援・復旧、世界遺産を生かした新たな観光ルートの形成など、和歌山県並びに関西全体の発展に不可欠な放射状地域高規格道路であります。
 平成元年4月、都市計画決定し、事業着手して以来、はや23年が過ぎようとしております。ここ数年は仁坂知事の積極的な取り組みもありまして、かなりのスピードアップがなされておりますが、大阪側の今年度のこの道路に対する予算づけを政務調査してみますと、全線開通にはほど遠い状況にあります。
 地域高規格道路「大阪橋本道路」の早期完成を求めて、3点について質問いたします。
 まず1点、和歌山県の北東の玄関口を担う地域高規格道路「大阪橋本道路」の重要性並びに国土交通省近畿ブロック社会資本重点整備方針における重点目標達成のための取り組み(計画期間平成20年から平成24年)を踏まえた国土交通省、和歌山県、大阪府における位置づけについてお伺いいたします。
 次に2点目、地域高規格道路「大阪橋本道路」、国道371号バイパスの進捗状況並びに国、大阪府との協議状況についてお伺いいたします。
 次に3点目、選択と集中を踏まえた整備のスピードアップ並びに平成25年以降の国土交通省の重点整備計画に向けて、今後、戦略的などのような取り組みをされるのか。
 以上3点について、県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 最初に、重要性と位置づけについてでございます。
 国道371号の地域高規格道路「大阪橋本道路」は、大阪を中心とした放射状道路であり、関西大環状道路を形成する京奈和自動車道と一体となって関西都市圏を拡大するもので、関西の経済を活性化させ、低迷する関西経済の元気を取り戻す重要な道路です。
 本県にとっても国道371号は、和歌山県の北東の玄関口として京阪神地域と世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の高野周辺エリアを結び、県内の観光振興に大きく寄与するとともに、橋本・伊都地方の企業誘致や産業振興に大きな効果をもたらす重要な道路であると考えており、大阪府との連携を強化し、元気な和歌山を実現するための交流ネットワークづくりとして最重点で整備を進めています。
 また、国においては、平成21年3月に閣議決定された社会資本整備重点計画を受け、各ブロックごとに策定した近畿ブロック社会資本の重点整備方針に、広域・国際観光圏の形成や持続可能な地域づくりと生活圏の形成を図るための主要な地域高規格道路として位置づけられています。さらに、大阪府においても、厳しい財政状況の中でも当該道路を重要路線として位置づけ、継続して事業が進められているところでございます。
 次に、進捗状況、協議状況についてでございます。
 大阪府側については、河内長野市の石仏から府県境までの6.1キロメートルを石仏バイパスとして平成4年度に事業着手し、平成15年3月には石仏から岩瀬間の1.8キロメートルを供用しています。続く岩瀬から天見までの約1.9キロメートルの早期供用を図るため、今年度は天見地区の出合ノ辻交差点付近で道路改良工事や橋梁工事等を推進しており、続く府県境部の仮称・新紀見トンネルへの着手時期は未定と聞いています。
 和歌山県側の橋本バイパスについては、橋本市柱本から同市市脇間の全体延長5.5キロメートルについて平成元年度に事業着手し、平成18年度に橋本インターから国道24号間1.3キロメートルを、また平成22年度に柱本から慶賀野間1.0キロメートルを既に4車線で供用しており、残る3.2キロメートルにおいて、現在、道路改良工事や橋梁工事を推進しているところです。
 今後、引き続き必要な予算の確保に努め、平成25年度の供用を目標に整備を進めてまいります。
 大阪府への働きかけにつきましては、これまでもあらゆる機会をとらえて、仁坂知事が直接太田知事や橋下知事、さらには松井新知事にも府県間道路の必要性、とりわけ国道371号の整備について働きかけを行ってきたところです。
 また、国土交通省には、この道路の今後の整備手法等について検討するために国直轄で調査を進めていただいており、国、両府県の部長で構成する大阪南部・和歌山北部地域道路調査研究会において検討、協議を進めているところです。
 最後に、国道371号の今後の取り組みについては、和歌山県側の橋本バイパスを選択と集中により平成25年度の供用を目標として重点的に整備を進めてまいります。また、その上で、大阪府側と府県境部については、今後の道路整備に係る国等の動向を注視しながら、当該道路の国の整備計画等への明確な位置づけと直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府側の集中投資による整備推進と仮称・新紀見トンネルの早期事業着手について、国及び大阪府に対して引き続き強く働きかけてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 1番につきましてはやっぱり重要性が高いと、ちゃんと位置づけもされておるということやと思います。
 そして、2番についてでありますが、仁坂知事が全力で交渉に行っておられるのは、もう十分わかっております。それはよくわかっております。先日も、御幸辻地内、ちょうど仁坂知事が橋本市に県政報告に来られたときに地元住民から手が挙がりまして、「371のことが問題なんよ」という、こういうお話があったら、仁坂知事は即現場に行かれまして、いろいろあったとは思いますが、そのいろいろあった問題にも積極的に取り組まれてる姿には、私は感動いたしました。誇りに思うところも多々ありました。それは十分わかっております。
 ところが、私にとりましては、先ほども言わしてもうたとおりに、この道はもう僕は和歌山県の命がかかってる、そのぐらい大切な道やと思います。人、物、金の流れを和歌山県向いて引っ張っていった道って、そないない。その道だと私は思っておりますので、すごく思いがありますので、各段の──知事、大阪のほうも新しい知事になったことでございますので、積極的な取り組みのほうをよろしくお願いいたします。
 3番につきましては、選択と集中につきましては大きな心配があります。先ほどから重要性、そして近畿並びに関係府県の位置づけも高いと。その位置づけの高い道、その府県間の中で圧倒的に整備がおくれてるんではないですか。それが非常に気になります。
 和歌山県の選択と集中、一体それは何を基準にしてどうなっているんだと言われたときに、一番私が心配するのは、だれが見ても重要であるという道の整備が遅くなったときに問題やと思うんです。
 ですので、現状、府県間道路、皆3本ともきっちり通していただきたい。直轄道路につきましては県の所管ではございませんので、府県間道路についてはすべて早く通していただきたいんですが、この府県間道路がおくれをとると、選択と集中はどうだったんかと県民は不審に思わないでしょうか。それを私は心配しております。県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 国道371号は、本県にとって京阪神地域との連携強化のために重要で不可欠な道路であることから、和歌山県側の橋本バイパスについては、選択と集中により、平成25年度の供用を目標に整備を進めてまいります。
 また、大阪府側と府県境部については、直轄調査の推進を働きかけるとともに、大阪府側の整備推進と仮称・新紀見トンネルの早期事業着手について国及び大阪府に対して強く働きかけ、府県間道路として整備におくれのないよう努めてまいります。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 答弁ありがとうございました。
 先ほどの答弁、大阪府側の集中投資、それをお願いするということと、府県間道路として整備がおくれないようにという答弁をいただきましたので、ありがとうございました。そのとおり、ひとつよろしくお願いいたします。
 次の質問に移ります。
 大項目4番、子供医療費助成制度の充実について。これも資料2のほうを皆さんに配らせていただいておると思うんですが、これにつきましては、県内の市町村の状況を皆さんに見ていただきたくて渡さしてもうております。
 和歌山県におきまして、県の主導で県と市町村が同等の負担を行い、力を合わせて実施している子育て支援事業に、こうのとりサポートの不妊治療助成制度、紀州3人っこ施策の保育料助成制度、乳幼児医療費助成制度などがあります。特に、この子供医療費助成制度、本県では乳幼児医療費助成制度ですが、子供の安全・安心、そして子育て世代の経済的負担の軽減、受益者が多いということなどから、地方自治体の首長選挙のマニフェストに子育て支援として制度の充実が挙げられることも多く、子育て世代の注目も高いようです。
 先日行われました大阪の同時選挙におきましても、マニフェストに大きく書かれておりました。マニフェストの内容は、中学生まで入院も通院も助成するというものでございました。
 一方、県内の市町村の動向を見てみますと、厳しい財政状況の中でもやりくりを工夫して、一般財源100%を充当してでも子育て世代のために制度の充実を図る市町村が広がりを見せております。特に、今年度に入り広がりが大きくなっているようであります。市町村の広がりは、県民の必要性の広がりを示しているのではないでしょうか。
 県内市町村のサービス格差の縮小も考慮して、県の基本的な制度の充実を図り、全県的な市町村の制度の充実を行ってはどうでしょうか。市町村の実施状況及び県内の子供医療費助成制度の充実について、福祉保健部長にお伺いいたします。よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
 〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県が実施しております乳幼児医療費助成事業では、就学前までの児童を対象に、市町村とともに医療費の自己負担分の助成をしております。この制度に独自に上乗せをすることにより対象年齢を拡充する市町村は、平成23年12月現在、19市町村となっております。内訳としましては、入院のみ小学校卒業まで延長が2市、入院、通院ともに小学校卒業まで延長が8市町、中学校卒業まで延長が8町村、18歳まで延長が1町となっております。
 近年、乳幼児医療費助成の対象年齢を延長する市町村がふえていることは認識をしており、県としても将来を担う子供のため制度を充実していきたいという思いは強く持ってはおりますが、本制度につきましては、将来にわたり持続可能な制度とすることがまず肝要であると考えておりますので、これまでの県議会でも答弁してきましたとおり、現在の大変厳しい財政状況を考慮しますと制度の拡充は難しい状況でございます。
 なお、国に対しては、全国知事会等の場を通じ、子供の医療費負担の軽減について要望しており、今後も引き続き働きかけを続けたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 後ろ向きな答弁、どうもありがとうございました。
 財政状況というのは、私も非常にわかっております。県単事業でございますので、100%一般財源充当ということになると思いますので、今の災害等あった中でなかなか難しいと思います。ただ、23年度に、やっぱり市町村の広がりが大きくなっていまして、3分の2ぐらいの市町村が自分とこの100%財源をもちまして上乗せしてやってると。
 私は、大きな理由がありまして、子育て世代のすごい関心の高い制度だと思うんです。やっぱり子育て世代に関心を持ってもらうぐらいの制度をつくらないと、なかなか少子化の中で理解してもらわれへんの違うかなという、そういう心配もあります。そして、日ごろから制度的に県が、こうのとりサポートもそうですし、そして紀州3人っこ施策もそうですけれども、県が半分出すんで市町村乗っておいでよという、そういう進め方の制度やと思います。
 そんな中で、大体普通その制度のまま市町村はいくんですが、そんな中で市町村が上乗せをして頑張ろうとしてるというのはあんまり例がない部分ではないかなと私は思うんです。それが1市町村やってるぐらいでしたら、それは市町村の独自性という解釈でいいと思うんですが、それが3分の2ぐらいに広がってきますと、やっぱりある程度県のレベルも多少上げて、その上で市町村の独自性を出すということで、今やってない、できてない市町村もやろうという気になってもらえたら、県下全体の水準はやっぱり上がっていくと、そのように考えております。
 県全体で必要なことと各市町村での判断とは当然違いますが、私はもう3分の2ぐらいになってきたら、やっぱり県も、「よっしゃわかった。市町村がそのぐらい必要性を感じているんであれば、多少県の基本的な制度も上げるで」という、そういう県と市町村の関係も、これから地方分権時代になりましたときに大切なことではないかな。トップダウンとボトムアップと上手に機能していく県と市のあり方から言いますと、ここにやっぱりある程度制度の充実をしたほうがいいと私は思うんです。
 財政状況もよくわかっておりますので、これで最後の質問になると思いますので、最後はやっぱり仁坂知事の声が聞きたいんで、最後に、今と違ってもいいんで、どうか前向きにお考えいただけたらと思いますので、御所見、よろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 子育て支援につきましては、私は大変思い入れがありまして、実は知事就任のときに、タイミング的にいうともうほとんど予算ができておりました。そのときに財政当局をいろいろ説得して、3つばかり特に自分のカラーを出させていただいたのがあるんですが、その1つが現在議論になってる子育て支援政策の充実でありました。ただ、財政もはめないといけないんで、そういう意味ではあの辺が限度であったというのが正直な感想であります。
 現在、御指摘のように、市町村が住民ニーズをそれぞれ御勘案になって、地域で特色のある施策に取り組むということは評価いたします。ただ、状況を見ておりますと、それぞれの限られた財源の中で、1つ強化したら、やっぱり残りはちょっと我慢するとか、そういうふうにしてやっておられると思うんです。
 そういう意味で、県はやっぱりこれだけは絶対に必要だと思ったらやらないといけませんけれども、市町村がそれぞれでこぼこがあるのを全部上にそろえなきゃいけないということでも、どうもないのではないかという気がするわけでございます。
 いずれにしても、子育てについては大事な話でございますから、市町村のばらつきがどうのこうのということではなくて、どのぐらいの支援をしていかないとちゃんとした政策にならないかどうかとか、そういうことをこれからもよく頑張って議論して、皆さんともお諮りしてやっていきたいと思っております。
○議長(新島 雄君) 岩田弘彦君。
 〔岩田弘彦君、登壇〕
○岩田弘彦君 そしたら、どうか前向きな議論をしていただきまして、一歩でも充実に向かっていただけたらと思います。
 1点、知事が先ほどお話しされましたので、知事が就任されたときに、私、ちょうど橋本市議会議員でおりまして、そのときに不妊治療助成制度、それをやっぱり子供が欲しくて欲しくて一生懸命頑張っておられるお母さん方の思いを聞かせていただいて、市の制度として頑張ってやろうよと、和歌山県一番でもええからやろうよという話をしてるときに、ちょうどすい星のように仁坂知事があらわれまして、その制度をぱっとつくっていただいて市の制度が一遍に進んだという、そういうこともありますので、やっぱり県の支援て大切やなというのもわかっていただいて、いまだにそのお母さんに出会いますと、私のことはあんまり言うてくれないんです。「仁坂知事は元気ですか」と、そういうお話でございますので、どうか前向きに御議論していただきますようによろしくお願いいたします。
 以上をもちまして、私の初めての一般質問を終わらしていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、岩田弘彦君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前11時42分休憩
────────────────────
 午後1時0分再開
○議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕(拍手)
○奥村規子君 議長のお許しを得ましたので、今回、3項目にわたって、すべて分割質問方式でいたします。
 その前に、台風12号の豪雨災害が起こって初めての登壇であります。東日本大震災からは、ちょうど昨日で9カ月たちました。そして、その後、紀伊半島には大変な被害がもたらされました。この場をおかりいたしまして、県民の皆さんや被災された御家族の皆さんに深い哀悼とお見舞いを申し上げたいと思います。
 それでは、一般質問に入らせていただきます。
 最初の項目1の獣害対策についてです。
 安心して農業を続けるためにも、また安心して生活できる地域づくりのためにも、農業に未来と希望を子供たちにも持ってもらえるためにも、獣害対策を強めなければという思いで質問させていただきます。
 これは「わかやまの農林水産業」編集委員会編で、毎年資料提供で送られてくる小学校5年生の副読本です。(資料を示す)1人でも多く、将来、第1次産業を担っていく人間に成長してくれればいいなと思いながら、いつも読ませていただいています。
 この中の「調べてみよう わかやまの農業」というページに、子供たちの素直な農業への思いが自筆で書かれています。こういったページに書かれていますが、この中の1つですが、「わたしたちの学校では、みんなでたくさんの野菜を育てています。みんなでしゅうかくして調理して食べたり、調理員さんにお願いして給食を作っていただいたりしています。自分たちで野菜を育てることで、農家の人たちのご苦労や願いが、ほんの少しですがわかってきたような気がします。また食べ物やそれを育んだ自然に対する感謝の気持ちがわいてきます」、こういったことが生き生きと書かれています。子供たちの目の輝きが本当に伝わってきます。
 将来、社会を担っていく子供たちにこたえていくためにも、農家の皆さんは頑張っていらっしゃると思います。
 近年、獣被害が市街化区域にも広がってきています。私の住む和歌山市においても、幾つか里山があります。特に、桜の名所として訪れる人も多い和歌浦湾を臨む絶景の寺院、紀三井寺のある名草山(標高228.6メートル)周辺地域でもイノシシ被害に悲鳴が上がっています。地元の方はイノシシよりもイノブタだと言っていますが、ここでは一応、私は括弧つきのイノシシということでお聞きしていただきたいと思います。
 果樹栽培や米づくりなどの農業を営む人や、振興住宅もあります。農作物を初め、日常生活が脅かされています。
 名草山の東側の広原地区から少し登ってみると、鉄のさくが張りめぐらされ、道には鉄さくの扉が取りつけられていました。ところどころぼこぼこに土が掘り返され、墓石までひっくり返されています。地元の人は、以前はこのような獣被害はなかったと言われています。10月には地区公民館で県政おはなし講座「イノシシ被害の学習会」が行われたと聞いています。和歌山市のイノシシの地区編隊別有害捕獲頭数を見ると、7年、8年前の平成15年度、16年度は名草などの地区は捕獲頭数ゼロでしたが、急激にふえ、捕獲頭数は地区別で一番多く、平成22年度では163頭捕獲されています。
 そこで、県下の農作物被害の状況と対策の現状について、農林水産部長にお伺いします。
 県下の野生鳥獣による農作物の被害額はどれくらいでしょうか。また、対策はどのようにされていますか。お答えください。
 次に、環境生活部長にお伺いします。
 住民の生活被害への対応についてお答えください。
 第1項目め、以上です。
○議長(新島 雄君) ただいまの奥村規子君の質問に対する答弁を求めます。
 農林水産部長増谷行紀君。
 〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県下の野生鳥獣による農作物被害額は、平成22年度で3億5000万円、特にイノシシ被害額が最大で、約半分の1億8000万円余り、次いで猿、シカ、アライグマの順となっております。種々の対策にもかかわらず、被害金額はここ数年3億円前後で推移しております。また、それ以外にも、シカによる林業被害や報告に上がってこない被害もあると考えております。議員お話しのとおり、10月の県政おはなし講座でも、住民の方々から深刻な被害の状況をお聞きしております。
 こうした状況に対応し、抜本的な解決を図るために、今年度から捕獲に対する取り組みを強化し、捕獲、防護、環境整備の3本柱で鳥獣害対策を総合的に推進しているところでございます。
 県下全市町村が有害鳥獣捕獲に取り組んでおり、今年度から県はイノシシ、シカ、猿の捕獲に対しての報償金を拡充するとともに、アライグマも新たに報償金の対象にいたしました。また、今年度初めてニホンジカの管理捕獲を4月から5月中旬にかけて実施し、県下全域で1462頭を捕獲いたしました。農家がわな免許を取得する際の事前講習会費用の補助金も、ことしから拡充しております。
 防護につきましては、さくの設置について、現在5の市と町が国の補助事業を実施しており、県単独の事業につきましては、今年度から農家が利用しやすいように採択要件を緩和いたしました。その結果、21の市と町で事業を実施していただいております。
 野生鳥獣を寄せつけない環境づくりについては、今年度から集落全体での取り組みに対し補助制度を新設し、7つの市と町で事業を実施しております。また、本年2月に和歌山県鳥獣被害対策本部を設置するとともに、各振興局にも地域本部を設置したところであり、今後とも市町村その他の関係機関と連携して一層鳥獣被害対策に取り組んでいく所存でございます。
○議長(新島 雄君) 環境生活部長保田栄一君。
 〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 生活被害への対応についてですが、イノシシ等が市街地に出没し、人に危害を加えたり工作物を壊すことにより、住民はその都度、防護対策等に苦労するとともに、不安を感じていることは十分承知いたしております。
 出没の原因は、耕作放棄地の増加やえづけなどが考えられ、農地に放置した果実や生ごみ等は無意識のえづけにつながるおそれがあるため、県のホームページにおいて「餌づけ防止について」を啓発しているところです。また、住民の方からの電話相談等の対応も行っています。
 野生鳥獣による生活被害対策の直接窓口は市町村が担当し、住民の方々の避難、あるいは原則追い払いの措置をとっており、状況によっては県も現場に出動し、人命等に危害が及ぶおそれがある場合は警察と連携して対応することもあります。
 県としましては、今後とも生活被害の減少に向け、関係の市町村及び関係機関との連携を強化してまいります。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 答弁をいただきました。
 鳥獣被害が大変広がっていると、そういうことも含めて、今年度からいろんな対策が強化されたということも答弁でいただいたんですが、その中で再度質問させていただきます。
 県としても被害の状況を把握していただき、直接出前講座という中で県民の方からも御意見を聞いていただいたということですが、そういった点でも、本当に住民の方からどういった深刻な状況を聞かれているか。もう一度、農林水産部長にお答えいただきたいと思います。
 また、生活被害の減少に向けて関係市町村と連携を強化ということでは、具体的にどのようなことなのか。その点についても、ぜひ環境生活部長にお答えいただきたいと思います。
 また、防護さくの県単独の補助制度、農家が利用しやすいように採択要件を緩和したということなんですが、その点で和歌山市の活用件数というのはどうなんでしょうか。それについて農林水産部長にお聞きします。
 以上、よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
 〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) イノシシの被害で耕作意欲をなくすとか、あるいは家庭菜園や庭を荒らされるといった声を聞いておりますけれども、私自身のことを申し上げますと、ことしの3月まで有田振興局におりました。ちょうど1年前の12月の今ごろ、本ミカンの収穫の真っ最中なんですが、ある会合に出た際に、会合の終了後、農家の方から、とにかくどんなにひどい状況であるか現場を見に来てくれと、案内するという申し出をいただきました。12月は本ミカンの最中で、農家の方には大変に失礼というんですか、恐縮ですから、私、振興局の職員と一緒に現場に参りましたけれども、私どもサラリーマンと違いまして、農家、特に果樹の収穫は年に1回です。ですから、本当に切実かつ深刻な問題と、私はかように受けとめております。
 それから、和歌山市の防護さくの設置なんですけれども、制度の概要を説明させていただきますと、県単独の事業は、昨年度までは2戸以上の農家の農地のまとまりということになってましたが、ことしからは1戸でもできるようにと要件を緩和いたしました。
 和歌山市は、県単独の事業につきましては、防護さく設置支援事業の県単独事業の活用はございません。ただ、平成23年度に国庫事業、国のほうでもさくを設置する補助事業がございまして、そちらのほうで事業を行われております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 環境生活部長。
 〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 関係する市町村との連携を強化するため、警察も含めながら対策会議を開催しているところです。
 野生鳥獣の出没する状況にもよりますが、より迅速な情報連絡と現場への出動、そしてまた現場での対応がより効果的となるよう、関係機関と今後とも協力してまいりたいというふうに考えております。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 本当に何とかしなければということで、今後もぜひ取り組んでいただきたいと思います。
 最後に、これについては要望をさせていただきたいと思いますが、狩猟関係の仕事をしている方も、本当に捕獲した際には命がけの仕事ということで、イノシシも必死に抵抗するという中で大変な仕事を担ってくれていると思います。
 昨年12月の一般質問で、松坂県議からも鳥獣対策の抜本的強化を求めるという一般質問もありましたが、捕獲委託金がわなの場合は6000円ということであるんですけど、実際のわなの代金に4000円なり、そういった費用がかかりますし、ガソリン代とか、その他の経費とか、そういったことを含めると、ほとんどそういったことに消えてしまうわけです。それでも、労力が大変だったりする中で、農家のことを思うとやめるわけにもいかないというふうに狩猟関係の方は言われています。
 農家の方も、夜が明ける前から箱わなを見回りに行ったり、被害を減らそうと必死になっています。補助があるとはいえ、捕獲のためのさまざまな費用、労力が要ります。
 私は、農家の人がわな免許を取らないといけないとかいうこと自体が本当に大変だと思っているんです。取りたくて取っているのではないと思います。やむを得ず、仕方なく取らざるを得ない、こういった事態をもう本当に一日も早く改善していくように期待しています。そういった中で、委託金の引き上げなど農家に負担のない対策をぜひさらに推し進めていっていただきたいと思います。
 答弁の中で、農作物の被害は、届けられている中で平成22年度3億5000万円ということでしたが、10年間で計算してみると被害総額が31億5000万円以上になってきます。イノシシ捕獲頭数も、推移を見てみますと、平成14年272頭から22年6851頭に大きく捕獲は伸びているにもかかわらず、被害額がなかなか変わらないと。こういった点では、ぜひ私としてはもっと根本的な、捕獲ということとあわせて、生態系の実態調査とか、そういったことにも全力を傾けていただきたいと思います。
 和歌山市が先ほど県の防護さくの補助事業ゼロって言われたんですけども、それについては県のが使いにくいのか、市の申請がなかなかないという、そこらあたりのことをぜひ問題も含めて連携をとりながら、この補助活用ができるように、また支援や連携をとってもらいたいと思います。
 最後に、やっぱり地元の人はイノブタだと言っているんですけども、その点では、DNA調査も県のほうからのを見せていただいたんですが、名草山周辺は入ってないので、そういったところで、突然変異なのかどうかぜひ調査をしていただきたい。そのことを要望して、この第1項目を終わらせていただきます。
 次に、2項目めの質問に移らせていただきます。
 和歌山北高等学校の西校舎と新設和歌山さくら支援学校の併置について、お伺いいたします。
 来年度、和歌山北高等学校と和歌山西高等学校が統合し和歌山北高等学校になり、現在の和歌山西校舎には、スポーツ健康科学科2学級、普通科2学級と和歌山さくら支援学校が併置されます。現和歌山北高には普通科7学級を設置されるということで、統合整備が進められています。これは、和歌山西高の生徒数の減少に対応することや和歌山北高の体育科としての条件整備をすることと、特別支援学校の過大規模化解消を考慮して進められているものです。
 和歌山北高校は1963年に開校されています。教育目標は、みずから考え、行動し、学ぶ意欲的な生徒を育成するとあります。
 一方、和歌山西高校は1984年に開校され、教育目標として、「命の尊厳に対する基本的理解の確立」、「実践力の涵養」、「新しい時代を創造する人間としての資質の向上」を目指しています。そして、1人1人の進路や興味、関心などに応じて科目選択ができる2学期制単位制が導入されました。
 それぞれ歴史と伝統があります。しかし、このたびの統合整備について、さまざまな疑問が出されています。統合後の校名が和歌山北高等学校となることから、和歌山西高校の校名がなくなり、学校がなくなってしまうように思う、西高はどうなっていくのか、単位制がなくなるが、これまでの単位制をどう評価しているのか、新北高の西校舎についてはどんな普通科になるのか、全員クラブ制と聞いたが、どんなクラブがあるのか、クラブ活動はどこの校舎でするのか、クラブの選び方によって北校舎と西校舎を行ったり来たりしなければいけないのではないか、そのときの交通手段はどうなるのかなど、わからないままです。
 和歌山西高の開設されたころの卒業生も、今は大学や高校受験生のお母さんになっています。できれば近くの西校舎に通わせたいが、わからないことが多く、子供の進路を一緒に考える上でもしっかりした相談に乗れない、あいまいなことしか言えないと悩んでいます。子供にはとにかく勉強するようにしか言えず、困っているという話です。十分な議論をする中で子供や保護者に説明をし、不安にこたえることが必要です。
 そこで、以下、教育長にお尋ねいたします。
 1、和歌山北高校と和歌山西高校の教育理念が統合の中でどのように生かされているか、特に大きな改変になっている和歌山西高のこれまでの伝統や理念をどう生かすのか、教育長にお尋ねいたします。
 次に、お手元の資料をごらんください。大変見にくい資料になって申しわけないんですが、これは現和歌山西高校の略図です。来年度開校する和歌山さくら支援学校の校舎が和歌山西高校のどの位置に整備が計画されているかの配置図です。
 支援学校の知的障害のある生徒に対応した高等部の校舎については、和歌山西高校の教室を転用されます。現在、和歌山西高校の右側、丸で囲んだところが改修されています。平成26年度には小・中等部が、左の丸で囲んだテニスコートのあたりに校舎2棟と体育館が新築され、フルオープンになるとお聞きしています。
 そこで、統合後の高校と和歌山さくら支援学校との教育のあり方をどのように考えているのかをお示しください。
 次に、和歌山さくら支援学校は、特別支援学校の過大規模化と児童生徒の現状に即して設置されるというもので、知的障害、肢体不自由の児童生徒を対象とした小・中・高等部をあわせ持つ学校と聞いています。子供や保護者、教職員の皆さんの強い要望にこたえて実現するものであり、関係者の御努力に敬意を表したいと思います。一層充実した教育活動を期待する立場からお聞きします。
 和歌山さくら支援学校の開校により、紀伊コスモス支援学校、紀伊コスモス支援学校園部分校の過大規模化は解消されるか。これまでにない統合の上、支援学校を併置する中で複雑な問題や課題への対応が予想されます。いろんな配慮も求められると思いますが、両校の教員配置をどう考えているのか。
 以上、教育長、お答えください。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
 〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 和歌山北高等学校と和歌山西高等学校の教育理念が統合の中でどのように生かされるかという第1点の御質問ですが、来春統合する和歌山北高等学校に関しましては、和歌山西高校と現和歌山北高校の思いを十分に受けとめながら、双方のよき伝統を引き継いだ学校づくりに向けて、昨年度から両校の教職員が協議を重ねてきているところであります。
 現在、和歌山北高校は、スポーツを核として心・技・体を磨き、みずからを律し、向上させようとする生徒を育ててきました。また、和歌山西高校は、単位制をとることで、興味、関心に応じて多様な科目を学び、みずからの進路を切り開いていこうとする生徒を育成してまいりました。
 このたびの統合校におきましては、これまで両校が教訓としてきた「知・徳・体」に加え、和歌山西高校が大切にしてきた高い志をあわせ持った社会に貢献できる人間形成の育成を教育の基本理念といたしております。
 また、両校舎において、健康や福祉の視点を取り入れながらスポーツに力を入れた教育を推進するとともに、生徒の進路希望を実現するためのきめ細かな支援を行い、心豊かにたくましく社会を切り開くことのできる人材を育てる教育に努めてまいります。
 2点目の統合校の高校と和歌山さくら支援学校との教育のあり方についてでございますが、統合校の高等学校と和歌山さくら支援学校は、文化祭、体育祭を初めとした学校行事や生徒会活動等において互いに理解を深め、ともに助け合い、支え合っていくことの大切さを学ばせるため、生徒同士の交流や共同学習を積極的に推進していきたいと考えてございます。
 また、和歌山さくら支援学校では、作業学習において福祉施設や事業所等での実習を取り入れ、働くために必要な意欲、技能、態度を培い、地域において主体的に生きる力を育成するなど、職業教育の充実に努めてまいります。
 3点目の和歌山さくら支援学校の開校により、紀伊コスモス支援学校、紀伊コスモス支援学校園部分校の過大規模はどうなるかということでございますけども、和歌山さくら支援学校は、紀伊コスモス支援学校の校区を分ける形で開校しますので、紀伊コスモス支援学校は児童生徒数が減少することになり、学習環境は改善されます。
 また、紀伊コスモス支援学校園部分校については、平成25年末をもってすべての児童生徒が和歌山さくら支援学校に移籍することになりますので、子供たちはゆとりある学習環境で学べることになります。
 教員配置についてですが、標準法に基づき、生徒の実態やカリキュラムの内容等も考慮しながら適切に対応してまいりたいと思ってございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 答弁をいただきました。
 再質問で、支援学校の学習環境がよくなると言われましたが、具体的にどういった点で学習環境がよくなるのか。また、過大規模化が解消されるという点ではどうなのか。ぜひそれをもう一度お答えいただきたいと思います。
 そして、何よりも教員配置の問題なんですが、今回の統合校と、そこに併置されるということで、私は、最初は隣接というイメージがあったんです。それで今回、この地図というんですか、略図をお示しさせていただいたんですが、これから交流とか、そういったところを重視されているんだろうと思うんですが、やはり障害があろうとなかろうと共生していく社会、そういった理念とか、いろんなことがあるんだろうと思うんですが、こういった中でというのは、やはり県民の皆さん、住民の皆さん、地域の皆さん、そしてまた保護者の皆さんや、何よりも生徒や先生たちの現場でそうつくり上げていくもんだと思うんです。
 そういう意味では、非常にこれから大きな、今まで県下としては取り組んだことのないことをやっていくわけですが、そういった点で十分な──何が起こっていくか、問題や課題が出てくるか、そういったことも含めて、ぜひ教員配置の加配がやっぱり大事じゃないかというふうに思うんですが、その点でもう一度質問をさせていただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
 〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 具体的にどういった点で学習環境がよくなるのか、過大規模が解消されるのかという御質問でございますが、具体的には、現在の普通教室の不足がございます。その普通教室の不足や、過密な使用となっている音楽教室だとか、あるいは美術教室などの特別教室というのがございますが、そういう美術教室などの特別教室の状況等が改善されて、過大規模化の解消が進んでいくものというふうに受けとめております。
 それから、議員御指摘の教員の配置につきましては、標準法に基づいた加配を含めて適切に対応してまいりたいというふうに考えてございます。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 最後に要望をしておきたいんですが。
 しつこいようですが、北・西高統合そのものがそういったさまざまな課題を生むということもあるかと思うんです。施設整備のおくれなど、統合への経過の中でもさまざまな問題もある中で、いろいろな議論が必要にこれからもずっとなってくると思います。そのときに保護者や子供たち、皆さんから理解してもらえるように、説明会やいろんな機会をとらえて、疑問に答える機会をしっかりとふやして、また工夫をしていただきたいと思います。
 そういった意味で、よりよい教育環境をぜひつくっていけるように私たちも頑張っていきたいなと思いますので、よろしくお願いいたします。
 最後に、3項目め、介護保険制度と後期高齢者医療制度についてお尋ねいたします。
 11年前の2000年4月に、「介護の社会化」を合い言葉に介護保険制度が始まりました。しかし、今日の現状はどうでしょうか。特別養護老人ホームの入所を希望しても入れない。家族の介護を理由に仕事をやめざるを得ない。介護退職は全国で毎年10万人以上あると聞いています。また、介護現場の人材不足は深刻で、介護の危機というべき状態にあります。
 一方で、高齢者の介護保険料は上がり続けてきました。来年度からは全国平均の基準月額が5000円を超えると言われ、高齢者の負担は限界となっています。現在の第4期の保険料でも、どれだけ高負担になっているでしょうか。
 和歌山市の保険料を見ますと、市民税非課税世帯で本人も非課税、第3段階で、年4万4520円です。課税世帯で本人の年金収入が80万円以下で、年5万3430円です。年金支給額がおおむねの平均である50万円だと、その1割を超える保険料となってしまいます。今も県内で要介護や要支援と認定された方は65歳以上人口の20.8%となっていますので、8割の方は掛け捨てとなっています。その中で介護保険が見直されようとしているのです。
 ことし6月に可決・成立された介護保険法改正は、高過ぎる保険料問題について、必要な公費負担金割合の改定を行いませんでした。介護保険制度は公費負担5割となっていますが、前回の見直し時、特例交付金を投入し、また介護職員の処遇改善も別枠の交付金で行い、実質的には57から58%ぐらいの負担になっています。しかし、今回はこの問題に手をつけず、さらに別枠の処遇改善の交付金を延長して国から交付するのか、介護報酬化して保険料や利用料に転嫁するのか、その結論も出ていません。
 ただ、改定介護保険法は、このままでは第5期保険料が大幅に上昇することから、県に積み立てられている財政安定化基金の取り崩しだけを条文化しました。県の財政安定化基金を取り崩して3分の1を市町村に返還し、保険料の低減に充てること、また、県・国に返還するそれぞれの3分の1についても介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう努めるとしています。
 県の第4期保険料の平均基準額は月額4625円で、国の平均4160円をはるかに上回っています。国平均並みの値上げとなれば、月額5600円もの保険料になってしまいます。県の基金だけでは、到底、保険料引き上げをとめることはできない状況です。
 しかし、県としてもこの介護保険料の上昇をどう考えるのか。基金取り崩しでできる限りの低減を行うべきと考えます。財政安定化基金取り崩しは、国が過去の最大貸付率で基金を残すなどの考え方を示していますが、どの程度の額を取り崩すのかは県を中心に地域で検討するものとしており、県の考え方が大きく左右すると考えます。
 そこで、知事と福祉保健部長にお伺いします。
 これまでの県の安定化基金の積立総額と支出額の推移、今年度の見通しはどうなっていますか。今回、見直しに当たっては、全額を取り崩して保険料低減に充てるべきと考えますが、いかがですか。福祉保健部長、お答えしていただきたいと思います。
 また、県返還分も市町村に交付し、第5期の保険料軽減に充てるべきと考えますが、ぜひ知事のお考えを聞かせていただきたいと思います。
 2は、別枠で交付される介護労働者処遇改善交付金は継続されるのかどうかということについてです。これが介護報酬化された場合、平均保険料はどの程度上昇するのでしょうか。また、県平均の介護保険料は第1期から第4期までどのように上昇してきたか、お答えください。
 3つ目は、改正介護保険法では、市町村の判断で介護予防・日常生活支援総合事業──以後、「総合事業」と言います──この総合事業を導入し、要支援1、2と認定された人は、地域包括支援センターが予防給付か総合事業で対応するのかを判断するとしました。これは、要支援の人を介護保険の給付から外そうとするもので、極めて不十分なサービスになるのではと危惧されています。
 現在、市町村で第5期事業計画の策定が議論されています。県内で要支援認定の高齢者は何人いますか。この総合事業導入についての市町村の状況はどうでしょうか。
 4つ目は、特別養護老人ホームの待機者はどうでしょうか。どう見ていますか。第5期事業で施設・在宅サービスの拡充で解決の方向に本当に進むのかどうか、お答えください。
 最後に、後期高齢者医療制度の保険料改定について質問いたします。
 後期高齢者医療制度は、民主党が廃止すると公約したにもかかわらず先延ばしされ、来年度、保険料改定が行われます。新制度として議論されている制度は、国保の中で75歳以上を別勘定にして、高齢者医療費と保険料負担が直結するという現制度の問題点をそのまま引き継ぐ内容で、到底認めるわけにはいきません。
 しかし、今回問題にしたいのは、廃止が決まっている医療制度なのに保険料が値上げされるという問題です。この点について県の対応をお聞きします。
 来年度の保険料改定の見通しはどうなっているのでしょうか。また、前回改定では、広域連合の剰余金と県の後期高齢者医療財政安定化基金を投入し、保険料率が引き下げられましたが、今回も県の基金を投入して、せめて保険料が引き上がらないようにすべきと考えますが、いかがでしょうか。
 答弁、よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 介護保険制度は国の制度でありまして、私も持続可能性という点でいろいろ問題があるというふうには認識しております。
 ただ、御指摘のように、国で決まっているこの制度がおかしいというんであれば、やっぱりそもそも国のレベルで制度のあり方を議論すべきであって、それで市町村が苦しいからといって県が全部埋めなきゃいかんというのも、これはそういうことをやってると国の制度のしりぬぐいを全部県が引き受けるということになって、ちょっとおかしいなというふうにも思います。
 この財政安定化基金は、国、県、市町村からそれぞれ出されたわけでございますが、国や県については一般会計で出されておりまして、将来の財政の不足的な事態に備えるために基金を持っていたのが多過ぎるということで取り崩すんであれば、もとのところへ戻すというのが多分趣旨だろうと思います。
 ただ、同時に、この法律では、国や県は取り崩し分を介護保険に関する事業の経費に充てるように努めるべきだというふうに書いておりますので、私どももそのような考えに立って、これから介護保険についてはいろいろな制度の改変がなされていくと思いますので、それに役立たせて、いいサービスができるようにしていきたいと、そんなふうに考えております。
○議長(新島 雄君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
 〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) まず最初に、これまでの財政安定化基金の積立総額と支出額の推移、今年度の見通し等についてお答えをいたします。
 介護保険制度が始まった平成12年度からこれまでの財政安定化基金の積立総額は、約32億4500万円になります。なお、全国的に財政安定化基金の積立額が交付・貸付需要を大きく上回る状況であり、本県でも第4期介護保険事業計画期間の平成21年度以降、積み立ては行っておりません。
 また、支出額ですが、平成12年度から14年度の第1期では、貸し付けが約5億2700万円、交付が約2200万円、平成15年度から17年度の第2期では、貸し付けが約8億7000万円、交付が約2億5500万円、それから平成18年度から20年度の第3期では、貸し付けが約9400万円、交付が約1300万円、第4期における平成21年度、平成22年度で貸し付けが約6600万円となってございます。平成23年度におきましては、現在、市町村に対して照会中でございます。
 財政安定化基金を全額取り崩すべきとの御意見につきましては、仮にすべてを取り崩すと、平成24年度以降において市町村の介護保険財政に赤字が生じた場合、貸し付けや交付を行うことが困難となることや、介護保険法上、一部を取り崩すことができると規定されていることから、適切ではないと考えてございます。
 次に、介護労働者処遇改善と介護保険料についてですが、まず介護職員処遇改善交付金につきましては、平成23年度末で終了することになっておりますが、この後の介護職員処遇改善については、国において社会保障審議会介護保険部会等で審議されてきたところです。
 現在実施されている交付金を廃止し、介護報酬に反映した場合、同額の財源を確保するには2%の介護報酬アップに相当する旨が介護保険部会等で説明されておりますが、実際どのような形で行われるか未定であるため、県の第1号保険料基準額平均にどの程度影響があるかということを現時点で申し上げることは困難でございます。
 次に、第1号保険料基準額月額の推移は、第1期は2911円、第2期は3527円、第3期は4513円、第4期は4625円となっております。
 次に、要支援認定の高齢者数と介護予防・日常生活支援総合事業の市町村の状況についてですが、要支援の認定を受けている高齢者数は、平成23年10月末現在で1万8073人となっております。
 また、本年6月の介護保険法改正により、地域支援事業の中に介護予防・日常生活支援総合事業が新たに創設されております。この事業は、要支援者の方や、介護認定までには至っていないが予防の必要性が高い2次予防事業対象者の方に対して、介護予防事業や配食、見守り等の生活支援サービスを総合的に提供することができる事業です。
 この事業の実施につきましては、市町村が利用者の意向を尊重し、必要なサービスを検討し、導入するものですが、国から事業実施に当たって参考となる手引が市町村に示されていないこともあり、現段階では、市町村も導入の適否について検討しているという状況であります。
 次に、特別養護老人ホームの待機状況と第5期事業での基盤整備についてですが、平成23年3月31日時点の特別養護老人ホームにおける在宅の待機者数は2824人で、そのうち要介護4以上の方が1013人となっており、高齢化率の上昇により待機者数は年々増加する傾向にあります。
 平成21年度から23年度末までに、特別養護老人ホーム等の介護保険施設や認知症高齢者グループホーム等が合わせて約1400床整備される予定になっております。また、平成24年度から26年度までの第5期におきましても、1人でも待機者が少なくなるよう、特別養護老人ホームを中心に積極的に計画的に整備を進めるべく、現在、市町村と協議を行っているところでございます。
 最後に、後期高齢者医療制度の保険料改定の見通しと財政安定化基金の取り崩しについてですが、後期高齢者医療制度の保険料改定の見通しは、和歌山県後期高齢者医療広域連合が試算中であり、まだ公表できる段階ではありませんが、平成22年度の前回改定では、保険料をやや引き下げたことなどにより広域連合の保険財政は厳しさを増しており、剰余金を活用してもある程度の保険料の引き上げが必要であると見込まれます。
 県としましては、保険料の増加抑制を図るため、給付費の増大や保険料の減収リスクに備えて県が造成している後期高齢者医療財政安定化基金約13億円の一部を必要に応じて特例として取り崩し、広域連合に交付して、高齢者の負担が軽減されるように努めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 時間も余りないので、知事に再度、介護保険料の問題でお伺いしたいと思うんですけど。
 介護保険料引き下げにこの基金などを取り崩しということで私は思ってるんですが、暮らしが大変だとか、高齢者の状況というのは、もう知事も本当に痛いほどわかっていただいてると思うんです。
 そういった中で、もうこれ以上、やっぱり先ほども部長の答弁でありましたように、年々、この第1期から4期までも非常に保険料が上がってきてますし、そういった中で何とか県として、もともと国のこういう負担という問題が、もっとふやしていかないといけないと私も思うんですけど、そういったところがあるんですが、その点で県としてやっぱり今回の中で何とか引き上げを食いとめる、また引き下げるという考えがないかという点で再度お聞きしたいんです。
 先ほどおっしゃってた中で、第5期の保険料改定についてということが全国の会議の中で文書が出てるわけなんです。そこでは、第5期保険料設定についてという資料の中で、「財政安定化基金を取り崩したときは、国及び都道府県がその取り崩した額の3分の1に相当する額を介護保険に関する事業に要する経費に充てるよう」、確かに「努めることとされているところである。国においてはその活用方法を検討しているところであるが、各都道府県においても、当該取り崩した額が介護保険に関する事業に要する経費に充てられるようご配慮方よろしくお願いする」という、こういった資料が出てるわけなんです。これは、「第5期保険料設定について」というところの文章であるわけですから、それをぜひ考えていただいて、何とか引き下げるということで考えていただきたいなと思いますが、再度答弁をお願いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 奥村議員の御質問の中には、2つ大変大事な点が、多分無意識だと思いますが、強調されていない。
 1つは、この財政安定化基金は国と県と市町村とで3分の1積み立てておるわけでありますけれども、国と県が一般財源で出しておるのに対して、市町村のほうは実は介護保険料の一部を持ってきて積み立ててるわけですね。ですから、これが余ったというときには、市町村のほうは、必ずそれは介護保険料に返すのが当たり前であり、それで国や県については一般会計に返すのが当たり前。だけども、先ほど御指摘のような、そういう考え方があるので、我々は──2つ目の問題ですが──介護保険に何か充てようというふうに思っておるわけです。だけど、その介護保険に充てようというのが、この積み立てから介護保険料に戻しなさいというふうに直結するというところまで、そこは県に任されてると思うんです。
 ですから、我々は、少し戻すよりは、介護保険が、あるいは介護がうまくいくように、そういうことを考えて、これから、国もそうですけど、検討していきたい、そんなふうに思っております。
○議長(新島 雄君) 奥村規子君。
 〔奥村規子君、登壇〕
○奥村規子君 どう使うかという点でも、保険料に充ててはいけないということではないと思うんです。その点でぜひ考えていただきたいと思います。
 最後に要望させていただきますが、後期高齢者医療制度の保険料改定については、広域連合との協議で財政安定化基金の拠出、さらに県からの独自の補助金交付についても協力するようにという厚生労働省からの通知もあるようなので、ぜひこの点でも検討して、保険料引き上げとならないように強く要望したいと思います。
 これで、質問を終わります。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、奥村規子君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 27番吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕(拍手)
○吉井和視君 12月定例会最後の質問をさせていただきたいと思います。皆さんお疲れですが、よろしくお願いいたします。
 それでは、まず最初に報告をさせていただきたいと思います。
 南加和歌山県人会創立100周年の記念集会に出席させていただいた報告をさせていただきます。
 去る11月11日から18日まで、新島議長、谷県議会南北アメリカ諸国友好議員連盟会長を初め私ども12名の議員が、知事とともに南加和歌山県人会創立100周年記念式典に出席をするとともに、あわせて式典終了後に行政視察をいたしましたので、その報告をさせていただき、その関連で知事に質問をさせていただきたいと思います。
 まず、出発した翌12日には、知事とロサンゼルス近郊、ガーデナ市の会員制スーパーマーケット、マルカイ・ガーデナでの和歌山物産展のテープカットに出席をさせていただき、スーパーの会議室でマルカイの松社長などと、アメリカにおける消費動向や和歌山の物産の展開方法などについて社長に御意見をしていただき、意見を交換させていただきました。この店では、梅干しなどをみなべの業者が販売をしておりました。
 次に、明治時代の最初に渡米された1世、それから現在に至るまでの日系社会の歴史を紹介している全米日系人博物館を訪問し、渡米してからの生活の状況や差別と偏見の歴史、そして日米開戦により12万余りの日系アメリカ人がアメリカ政府によって強制収容所に送られた悲しい歴史などについて、日系人ボランティアの方に説明をしていただきました。
 また、博物館の裏にある記念碑にも案内をしていただきましたが、これは忠誠のあかしとして軍隊に志願をして、アメリカのために戦う道を選んだ日系人による442連隊の勇気をたたえた記念碑ということで、本当に万感胸に迫るものを抑えることができませんでした。
 この442連隊については、米連邦議会でこのほど11月2日に、米国で最も権威のある勲章である米議会名誉黄金勲章を授与する式典が開かれ、その受章理由で「日系兵士たちは、米国内で人種差別と闘い、国外ではファシズムと闘って、勇敢さと国家への献身を示した」ということでたたえられたということであります。私は、こういう日系人のとうとい犠牲が今日の日系人、日本社会への評価の礎になっているということについて、深い感銘を覚えました。
 次に、私たちは、南加県人会の初代会長である湯浅銀之助さんをたたえた頌徳碑への献花を行いました。
 そして翌日は、いよいよ記念すべき南加和歌山県人会の創立100周年記念式典がモンテベロ市のクワイエットキャノンという会場で開かれました。日本、アメリカ国内、ブラジルからの来賓を含め、450人の参加者で会場は熱気に包まれておりました。
 式典は、まず両国の国歌斉唱に始まり、戦没者への黙祷、岡本県人会会長のごあいさつ、仁坂知事、新島議長を初め国内外来賓の祝辞と続きました。新島議長からは、台風12号被害の復興状況を報告するとともに、和歌山のすばらしさをアピール、県人会の皆様に祖国訪問を呼びかけたところであります。
 なお、県人会から県に台風12号被害への見舞金の贈呈もあり、遠く離れた地でも故郷を心配してくれていることがとてもありがたく感じました。
 その次の日からは、知事一行がフロリダ州に公式訪問ということでしたので、私たちはせっかくのこの機会に勉強しようということで、まずロサンゼルス港の一部であるターミナルアイランドを訪れました。
 この地域は、現在では隣接するロングビーチとともに、アメリカ合衆国と環太平洋地域を結ぶ重要な港湾となっておりますが、このターミナルアイランドの一角に戦前、日本人漁師たちがコミュニティーをつくっており、その多くが和歌山県出身の1世だったということで、私たちは、ここに住み、漁業に携わっていた現在91歳の巽幸雄氏と現地で落ち合い、当時の様子をお聞きしました。
 当時、漁業会社の長屋で生活をしていた巽さんたち男性は漁船に乗り、スペイン沖までマグロをとりに行き、女性たちは缶詰工場などで働いていたそうであります。みんな収入もよく、公立の小学校もあったり、日本人だけで生活を送っていたということで、巽さんも野球のチームに入り、活躍をしていたそうであります。
 その幸せな生活が、真珠湾攻撃から3カ月後に一転することになります。米国海軍基地にも近かったために、そこに住むすべての日系人に48時間以内に退去命令が出たわけであります。現在では、2002年に建てられた「大漁」という文字が刻まれた鳥居と、網を引く日本人漁師2人の像、そしてガラスに刻まれた「沖は黒潮 魚もおどる 父母の辛苦を偲びつヽ 永遠に称えん いにしえの里」という文字にその痕跡を読むことができるのみでした。
 翌日、ネバダ州の砂漠にある太陽発電所のネバダ・ソーラー・ワンを訪ね、マーク・キャンベルさんという技術者の方から、まずコントロールルームでその仕組みや制御方法などについて、また広大な施設をバスで回りながら集光ミラーの前でバスをおりて、その設備について説明を受けました。
 それによると、ここでは400エーカーの土地に19万2000枚、鏡の前に設置されたパイプに流れる特殊なオイルに太陽光を集中させて摂氏400度まで熱し、その蒸気でタービンを回して発電する方式で、熱効率は15%から20%程度、発電の能力は75メガワットということでありました。
 化石燃料を使用した発電所に比べれば発電規模はそう大きくないが、年間250日以上の晴れの日があり、平たんな土地があれば可能、エネルギー源は無限で、CO2を排出しないという点から、太陽光発電とともに世界的にはさらに普及が進むと実感いたしました。経営的にも、政府からの補助金がないものの、売電価格の保証や、税政上、利益の30%が控除されるなどの優遇措置があるとのことでした。
 翌日はロサンゼルスに戻り、ロサンゼルス市警を訪問し、児童虐待を取り扱う部署の主任警官から、通報が警察に入ったときの対応、福祉部門との連携、救出方法について説明を聞き、通報を受ける専門の部屋、また、子供たちから状況を聴取する部屋などを見せてもらいました。また、その情報を得たときには、適切な判断ができるよう、福祉部門なども児童虐待に関するデータベースを共有しているとのことでありました。
 児童虐待を防ぐ対策は、法的整備は日本とそう大きく変わっておらないように思うのでありますが、情報を積極的に受ける体制ができていることや、児童を守るために緊急性があると判断したときには、警察が第一義的に現場に出て対応したり、親からの事情聴取ではなく、被害児童本人に会い、保護するという意気込みが日本とは全く違うという印象を持ちました。
 さらに、ロサンゼルス市や他の市町村を包括する行政機関であるロサンゼルス郡にある関係機関が、ICANと呼ばれる児童虐待とネグレクト防止のための協議会を設置しており、その構成メンバーが独自にまた連携しており、毎年、それらのデータを集めた分厚い報告書も合同で公表してることも御紹介いただきました。
 最後の日に、カリフォルニア州は農業の先進市でもあるので、サンタバーバラにあるメルビルワイナリーというワイン農家を訪ね、経営者からお話を伺いました。
 サンタバーバラは約200年のワインの歴史があり、メキシコからもらってきたブドウを植えたのが始まりと言われております。このワイナリーのこだわりについて説明の後、ワインの製造工程や貯蔵のたるを見せていただきましたが、特色あるワインづくりに努力していることがよくわかりました。
 また、こちらでは、ワイナリーの多くは家族的な雰囲気の中、ワイナリーツアーを実施したり、ワインの試飲や食事の提供など、生産だけではなく、ワイナリー全体をビジネスとして活用していました。
 今回は、駆け足ながら、多くのテーマについてじっくり話を聞いたり質問することができました。また、懇親会などで県人会の皆さんと親しくお話をさせていただきましたが、皆さん御高齢で、収容所生活の体験など、大変な御苦労をされた方もおられましたが、その苦労をみじんも感じさせることなく、穏やかに故郷和歌山への懐かしさを語ってくれました。
 今回、100周年という大きな節目を迎えられ、会員も世代が変わっていく中で、ともすれば故郷和歌山という関係も薄くなっていくように思いますが、後世にいつまでも和歌山という故郷のことを語り継いでもらいたいという念を持ちました。また、そのために若い世代間同士の交流も大切というふうに感じました。
 そこで、知事に、南加県人会創立100周年記念へ出席した感想と、そして今後、そのことを県政にどのように生かしていくのか、お尋ねしたいと思います。
 少し長かったですが、報告とさせていただきます。ありがとうございました。
○議長(新島 雄君) ただいまの吉井和視君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 去る11月13日にロサンゼルス市で開催されました南加和歌山県人会創立100周年記念式典に、御指摘のように、県議会議員の皆様と参加し、県民を代表してお祝いを申し上げました。
 移民をされた方々が激動の国際情勢のもと、文化や言葉、生活習慣が異なる環境で、幾多の苦境を乗り越えて世代を重ねながら、ロサンゼルスで、あるいはそのほかのアメリカで今日の日系社会の繁栄を築いている姿を拝見いたしまして、改めて感銘を受けたところでございます。また、県人会の方々が、日本の精神や、あるいは和歌山の文化を継承していく姿勢、ふるさと和歌山を思う心に触れまして、心温まる思いをいたしました。
 今回の訪米に当たり、南加和歌山県人会の多くの方々と直接会う機会、直接お話をする機会を得たことは、私にとってかけがえのない体験でありました。
 私は、知事就任以来、ブラジルやペルーの県人会を訪問さしていただきまして交流を深めましたが、多くの移民者を輩出した本県といたしましては、引き続きこういった周年事業などの機会をとらえまして、在外県人会を訪問してまいりたいと考えております。
 また、県人会の方々やその子弟が本県を訪れる際には、県民との交流など、和歌山の現状を知っていただく機会を設けるとともに心よりの歓迎をする、私なんかもよく出ていって心よりの歓迎をするということで、本県国際化の礎として在外県人会とのきずなを未来につなげていきたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 それでは、関西広域連合について御質問させていただきます。
 この関西広域連合、私と尾崎要二議員が参加をさしていただいてるわけなんですけども、まず初めに、関西広域連合の1年について、私のほうから代表して報告をさしていただきたいと、そのように思います。
 9月定例会の冒頭、私と尾崎議員の連名で報告しましたが、関西広域連合に総務委員会を設置し、毎月第2土曜日に府県持ち回りで会合を持っております。また、議員全員がその構成員となっております。
 9月10日には、兵庫県議会で広域防災について当局と議論をしました。本県の大水害の発災直後であったことから、本県の被害状況や広域連合の支援について説明を受け、広域防災計画の内容、県の地域防災計画との違い、役割について議論を行いました。
 常任委員会に先立って開催されました全員協議会において、私のほうから本県への支援に対する感謝と、今後も引き続いての御協力のお願いをさせていただきました。
 また、10月8日には、和歌山の本県議会会議場において、仁坂知事出席のもと、広域職員研修、資格試験・免許等、国出先機関対策などについて議論をいたしました。
 冒頭、仁坂知事から、本県大水害からの復旧状況の説明、支援の御礼等があり、8月に高野山で行われました職員研修の状況、国出先機関の移管に対する国の動向等の説明を受けました。特に、国の出先機関の移管については、尾崎議員も意見を述べられ、当局と連合議会が一体となって取り組んでいくことを確認させていただきました。
 11月12日は、私はちょっとこれはアメリカ出張のため欠席させていただきましたが、滋賀県議会で広域環境保全、広域産業振興について議論を行ったそうで、特に冬の節電対策については、夏の節電対策が広域連合、関西電力、国、ばらばらであったことを踏まえ、3者が一緒になって対策を講じることとの意見が出されました。
 尾崎議員からは、特に家庭での節電が重要なことから、住民への十分な周知を行うことという意見が出されました。その意見を受け、当局からは、関西電力と十分に議論を行い、国の動向も把握した上で対策を講じ、住民へもしっかりと要請をしたいということでありました。
 一昨日、12月10日には、京都府議会で広域観光、文化振興、広域医療についての議論を行いました。関西の広域観光振興として、関西ブランドの確立が重要であるとの意見交換を行いました。
 また、総務委員会と同日に開催される理事会では、本会議の回数、日程などを初め、広域連合議会の活動のあり方を検討しております。
 なお、各府県知事を構成員とする広域連合委員会が毎月開催されておりますが、そのときの議題や意見、その内容について、仁坂知事から我々広域議員が報告を受け、意見交換を行っております。これは他の府県ではないということを聞いており、我が県議会は特に積極的にやっておるなという感じがいたします。今後、広域連合の意思疎通を図る上で大変有意義なことと考えております。
 以上が、関西広域連合の1年の報告ということであります。
 それに関連して、ただいまから私のほうから関西広域連合について質問をさせてもらいます。
 昨年の12月1日から関西広域連合が発足したわけであります。地方分権の突破口として行財政改革に取り組むということや、そしてまた関西の広域連合、広域行政に参加するという、そういう思いや、そしてまた国と各府県の二重行政を解消するという、そういう目的のもとでこの関西広域連合が発足をしたわけであります。各府県、我が県もそうでありますが、仁坂知事もそうであると思うんですけれども、いろんな思いがあって参加されたことだろうと思うわけであります。
 そういう中で1年が経過して、私は大きな成果を上げつつあるんではないかと、そういうふうに思います。まず1つには、国の出先機関に対して、政府を動かして、政府が、まだまだはっきりしておりませんけども、重たい腰を上げてきたと、そういうことは大きな成果ではなかったかと思うわけであります。
 そういう中で、参加してよかったと、私は個人的にそう思うわけでありますが、知事におかれては、この1年間、関西広域連合に参加してきて、その思いを、所感をまず述べていただきたいと、そのように思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 関西広域連合は、昨年、御指摘のように12月1日の設立でありましたが、ほぼ1年たちました。本当に私は設立当初から参加してよかったと思います。
 この1年間を振り返りますと、例えば、節電対策とか、国の出先機関の移管対策とか、広域防災対策などについて非常に密接な意見交換ができたし、また行動もできたと思います。そういう意味で、関西全体あるいは和歌山県にとっても、両方実利もあったと思う次第でございます。
 特に、紀伊半島大水害のときには、土木職員の派遣とか災害ボランティアの派遣など、本県から要請をいたしました。要請も割合スムーズにできるし、それで対応も早くやっていただいて大変助かったと思います。
 もちろん、今までも近畿ブロック知事会などでお互いに知る機会はあり、議論をする機会は年に2回ぐらいあるんですけれども、集まる機会も少ない上、実行する仕組みがありませんので、その点、広域連合では確立された仕組みがあったので、適時適切に対応できたと考えております。
 また、広域連合の運営につきましては、私がかなり強く提案をしてできた広域連合委員会の意思決定方法があります。広域連合は、現在の法制度で言いますと、いわば大統領制といいますか、広域連合長が一たん決まってしまうと結構いろんなことがどんどんできていきます。それを議会がチェックするということになるんですが、やはり各県の意見がもうちょっと反映されたほうがよろしいということで、重要事項は全会一致として、事業等でどうしても反対の場合は、全体をとめる必要はないけれども自分は参加しなくてもいいと、分担金もそのときは要らないというような仕組みを制度化いたしましたが、これがよく機能して、各府県は自分の府県のことを考えながら関西全体のことも考えて行動するというバランスのとれたものになってると思います。
 このバランスは、私は関西広域連合の運営にとって最適と考えておりまして、実はこの考え方に沿って法改正もしたほうがいいんじゃないかという議論が政府の中であるように聞いております。そういう点でも少し先鞭をつけたかなという感じがいたします。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 きょうも朝、私が県庁に向かうときに尾崎議員から電話があったんですけども、これは後で調べれば誤報であったわけなんですけども、全会一致のその法則が崩れ、多数決に変わったという、そういう話があったわけなんですけども、これからそんな話も出てこようかと思うわけなんですけども、知事が皆さんに先駆けてそういうように決められた全会一致の法則、これはやっぱり守ってもらうように一生懸命頑張ってもらいたいなと、そんなように思います。
 それから、2点目の質問ですけども、国の出先機関の移管についてでありますけれども、これ、関西広域連合の中に国の出先機関の対策委員会というものがあって、橋下前知事が委員長をやっておったわけであります。その委員長が今度選挙でやめられて大阪市長になったんですけども、大阪市もまた関西広域連合に入ってこようかと思うんですけども、国の出先機関、近畿整備局、それから経済産業局、環境事務所、この3つを丸ごと移管するということで、国も、これからまだわかりませんけども、今のところ法案を次の国会に出して譲ろうということになっておるわけなんですけども、その担当として橋下知事がやってこられたと。
 橋下知事がなくなったので、私はやっぱりこれからの交渉に臨んで、官僚の組織あるいはまた国のいろんな様子を知っておる仁坂知事が委員長として取り組んだらいいなと思っておったんですけども、井戸連合長も仁坂知事にひとつやってくれということで言われたそうでありますけれども、知事は断られたと。
 なぜ断ったんかというのもついでに言ってほしいわけなんですけども、これから官僚が──官僚、官僚と言って申しわけないですけども──この出先機関を骨抜きにしようとかかってくるんではないかという危惧は私はするんです。そういうときにこれからどういうふうに対応していくのか、知事がどういう役割を果たしていくのかというのも同時にお尋ねしたいなと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 国出先機関の移管対策につきましては、国の機関として廃止し、地方のブロック機関に移管するといたしました昨年末のアクションプランが、これは閣議決定されたものでございますので、決めたからには実行せえというのが政府の務めであると私は考えております。
 国の動向といたしましては、ところが東日本大震災をやや理由にして滞りぎみでございましたが、関西広域連合としてどうだという話を熱心にしたところ、10月20日の地域主権戦略会議におきまして、野田総理の「政務3役を中心におしりをたたいて進め、関連法案を来年の通常国会に出したい」との発言があり、準備作業が進められていると聞いております。また、内閣主導で知事会があるんですけれども、そのときも総理からはかなり前向きの発言をしておられました。
 今後、具体的に進めるに当たっては、課題はまだしかしたくさんございます。関西広域連合という小さな組織に地方整備局や経済産業局といった巨大な組織を実は傘下におさめるということでございますので、経営をどうやっていくのかという問題がございます。
 具体的には、1つは人員管理や予算など組織管理のマネジメントの仕組みをどうするのかという問題、もう1つは、これは本質論だと思いますが、本省との関係で意思決定をどうするのかという問題があります。
 特に後者において、例えば道路をどこにつくるのか、これは直轄道路ということになりますが、どこにつくるのかというのは、実は近畿整備局で決めてるわけではありませんで、国全体で、すなわち本省が決定しとるわけであります。地方整備局はそれを言われたとおりつくるというのが仕事になります。
 そうすると、その本省の意思決定に関西広域連合がどのように関与していくのかという仕組みづくりが、もともと、これ、実は必要なわけでございます。この問題は実はえらい本質論でありまして、国ではこんなことはあんまり考えないで、どうも閣議決定をしたらしいという感じがあります。
 実はこれは絶対に問題になるし、こういうことがどうなるかというのが一番大事だから、関西広域連合でもちゃんと考えてから対応しようよと言って私は問題提起をしたことがあります。しかし、多数の方は、まず国にやっぱり手形を落としてもらおうと。あんまり難しいことを言うと手形を落としてくれにくくなるので、したがって閣議決定どおりちゃんと守ってもらおうと。そういう今御指摘のあった点はごもっともなれど、後で考えよう、こんな感じだったと思います。
 したがいまして、現在、早く手形を落とせと、すなわちさっさと実行しなさい、細かいことはこれから考えようと、こういうことになってるわけです。
 実は断った理由でもあるんですが、私はいろいろ問題提起をしたほうでありますので、今はしゃにむに突っ込まなきゃいけないということでありますので、どうもそういう何か細かいことまでいろいろ配慮するやつがいるとちょっとやりにくいかなという感じもありますので、リーダーとしてはしゃにむに突っ込む方で嘉田さんにお願いしたらどうだと私は言いました。
 しかし、今の問題は必ず出てくる話でございますので、関西全体、それから和歌山県、それから国全体もうまくいくように、これからも知恵を絞って国との協議あるいは実行を進めてまいりたいと、そんなふうに私も思っております。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 国の出先機関の委員長にはプロとして参加しないほうがいいだろうと、そういう感じですね。
 それで、今後、本当にその権限をもらわずに出先の職員だけもらって、箱だけもらってどうするんかという議論があるわけなんですけども、私はやっぱり、軒先を貸して母屋をとられるという話があるわけなんですが、その逆に、少しずつ実をとっていくようにこれからやれば、まず名をとるということでやっていけばいいなと、そんなに思います。
 この問題は、これで終わらせていただきます。
 続いて、人権政策について質問させていただきたいと思います。
 この人権政策、12月が人権月間ということで、この間ももう人権週間が終わったということをニュースで聞いたわけなんですけども、私は特にこの問題を質問させていただこうと思ったのは、例の橋下府知事が市長選に出るということで、週刊誌で盛んに、私に言わせれば人権侵害をされた。あの週刊誌を読めば、知事も読んだことあると思うんですけども、あれ、やっぱり意図的に橋下知事に対する差別発言、そしてまた特定の地域に対する偏見、予断、そういったものがあると私は思うんです。そういうことをマスコミ、メディア、報道機関が勝手にやっても抗議を受けるだけで、何も法律に抵触するとか責任を求められるということがないように思うわけであります。
 そういうことの中で、今、人権侵害というところが至るところで起こっております。例えばインターネット上でも起こっております。そしてまた県に対しても、ここの地区は同和地区であるかどうかというような問い合わせが後を絶たないということも聞いております。
 そういう中で、最近、人権救済法案、これを政府の中でも次の国会に出そうという動きが急に出てきております。
 そういう中で、果たして人権侵害の救済機関が必要であるかどうかということについて、漠然とした質問にまずなるだろうと思うんですけども、そのことを知事にお尋ねしたいと、そういうことであります。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、橋下知事に対する攻撃に対する議員の見解については、全く同感でございます。生まれとか血筋とか地域とか、そんなものを言い立てて、あるいは前職とか、その差別をすると、批判をするというのは本当にいかんことだというふうに思います。
 その上で、そういう人権に対する番人、そういうものが国の中で強力な行政機関としてあったほうがいいかどうかという点については、私はあったほうがいいと思います。
 ただ、政府がそれをむしろやるべきだと私はどちらかというと思っておりまして、例えば政府ができないから、中立的でないから第三者機関に、すなわち行政委員会に──公取のようなもんですね──ああいうものにというのは、どうも政策に対する重みがちゃんとわかってないんじゃないかなと思うので、私は実は3条委員会は余り賛成ではありません。
 しかし、それについての行政のしっかりとした監視と、それから権限の行使というのが必要だということは、全く同感でございます。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 知事は、人権救済機関が必要であるという、そういうお考えということで把握をさせていただきます。
 それで次に、その人権救済法案に関して、この8月に基本方針が法務3役の名前で出されたわけであります。知事が言われたように、人権委員会は3条委員会に置く──3条委員会というのは、国家行政組織法3条に認められた団体であるわけなんですけども、極めて独立性の高い団体であります。
 そういうことで、去年の8月にも中間報告が出たわけなんですけども、ことしの8月に基本方針が出されたと。その基本方針の中で、3条委員会もありますし、今まで内閣府の中に設置するということが書かれておったのが去年の段階ですね。ことしの段階になって、いわゆる法務省の中に設置するということになったわけであります。
 そういうことで、この人権侵害救済法案を次の国会に出すということになるという、そういう基本方針が出されたわけでありますけれども、この基本方針の中の問題点について知事も十分承知しておると思うんですけども、問題点がどこにあるのかどうかというのをまずお尋ねしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 人権侵害に対応する政策、あるいは人権侵害がどんなところで起こってるかというのは、最近は大変多岐にわたってると思います。例えば、児童虐待とか、あるいは女性への暴力とか、あるいはもちろん部落差別とか、そういうさまざまな問題がいっぱい絡み合って、それで非常に全体として問題だというふうに思ってるわけでございます。
 それから、特に最近はインターネットを使って特定の人をいじめるというようなことが大変多うございまして、こういうのなんかもうとんでもない話なんで、早く対応しなきゃいかんというふうに私は思います。
 その政務3役から示された基本方針は、どちらかというと、先ほど言いましたような人権救済機関の性格づけと、それから救済手続などが示されてるわけですが、問題はどのような行為が人権侵害であるか、具体的にはそれにどういうふうにして対応していきたいと国が思っとるのかということが余り明らかになってないなというふうに思います。人権侵害の定義など、きちんとしたことを示していってから国民的議論を呼んでいくというべきではないかと、私は個人的にそう思っております。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 知事が言われたように、まさにこの人権救済法案、何が人権侵害かという定義が明らかにされておらないわけなんです。その明らかにされておらないところで、例えば人権委員会、人権擁護委員会というのが地方にできるんだろうと思うんですけども、そこで人権侵害について、本当に人権侵害でない人権侵害が起こってくる可能性があるわけであります。
 そういうことで、県民の生活を守り、県民の安全・安心を与えなきゃいけない知事がやっぱりそのことを心配されるのは、私は当然だと思うんです。何が人権侵害であるかという定義がはっきりしないと、そういう問題です。一方的に人権侵害であるということを言われた県民がどんなに不安、あるいはまた危険にさらされるかということを思えば、非常に今から心配されるところであります。
 そういうことで、私はこの法案が、まだ出ておりませんけども、拙速に出されるということについて少し危惧するところであるので、この質問をさせていただいた次第であります。
 中には、例えばこの基本方針を読んで、今まで自民党が出した──小泉内閣のときに、これはたしか10年ほど前になるんですけども、人権擁護法案というのを出したんです。そのときには、やっぱり非常にマスコミ・メディア対策も、報道機関に対して規制しなければいけないということもあったわけなんです。私はそのほうがいいと思うんですけども、それがあったと。そして、このときには法務省に置くということになっておったんですけども、民主党の法案では内閣府に置くということになってきたわけなんです。
 そういうふうに今回の基本方針の中では、心配されるメディア法案とか、いわゆる3条委員会をどこに置くとか、そういうことがだんだんだんだん弱まってきたんですね。きばが抜けてきたと私は思うんですけども、そういうことをもってして、県庁職員とか行政機関の職員が、もうこれぐらいきばの抜けた法案であるんで、いいんじゃないかという機運が少し出てきたと思うんです。そうです。県の職員も言いますよ、これぐらいの法案だったらいいんじゃないかと。これぐらいの人権侵害救済機関であればいいんではないかと言われる方もあるわけなんです。私は、そこに問題があるんではないかと。
 まだまだ国会で審議が終わっておらない段階で、県の職員が、行政職員が、あってもいいんじゃないかということを簡単に言うのは少し拙速ではないかと、そういうふうに思うので、知事にも冒頭、そういう質問をさせていただいた。知事には、ただ、法律というよりも、そういう救済機関ということに限定して聞かしていただいたんで、その点、誤解があったら申しわけないなと思うわけであります。
 そこで、私は、やっぱりこの人権侵害救済法案、これについて国民的なもっと議論が必要であるという意味で、今後、県の中にもそういう意見交換する場をつくってもらいたいと、そういうふうに考えているところです。
 以上で、人権救済法案についてお尋ねさせていただいたわけなんですけども、教育長、きょうは教育長に質問しませんけども、文教委員会の中で聞くんですけども、私はやっぱり教育の中で人権教育をどういうふうにしていくのかと、そういうことをお尋ねしたいなと思っております。
 最後になりますけども、特に同和行政について。県の同和行政、それについて企画部長に、今どういうふうな現状であるかということについてお尋ねさせていただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 吉井議員にお尋ねいたします。企画部長でよかったですね。〔「企画部長に」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 企画部長柏原康文君。
 〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 現在、県では、同和問題の解決を目指し、さまざまな取り組みを進めてきているところでございます。その結果、同和問題は解決に向かっているものの、教育や産業、就業等において課題が残されております。また、難しい、許しがたい差別事件が発生している状況にもございます。
 このことから、本県では、和歌山県人権尊重の社会づくり条例及び和歌山県人権施策基本方針に基づきまして、すべての人の人権が尊重される平和で明るい社会の創造を目指し、関係機関と連携しながら同和問題の早期解決に向け、取り組んでまいります。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 吉井和視君。
 〔吉井和視君、登壇〕
○吉井和視君 今後、県の同和行政の中で、我々議員も積極的にこの問題の解決に向けて取り組んでまいりたいと思いますんで、よろしくお願いいたします。
 以上で、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、吉井和視君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 この際、申し上げます。
 高田由一君から12月8日の会議における同君の発言について、立谷誠一君から12月9日の会議における同君の発言について、一部を取り消したい旨の申し出がありました。
 お諮りいたします。この申し出をいずれも許可することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、両君の申し出をいずれも許可することに決定いたしました。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 お諮りいたします。議案第159号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案第159号を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について御説明申し上げます。
 議案第159号は、東日本大震災の被災者等の負担の軽減を図るための地方税法の一部改正に伴い、個人県民税に係る被災居住用財産の敷地の譲渡期限の延長等の特例を講ずるとともに、規定の整備を行うため、県税条例の一部を改正するものでございます。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようお願い申し上げます。
○議長(新島 雄君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 質疑なしと認めます。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。議案第137号は、お手元に配付しております議案付託表のとおり、行政改革・基本計画等に関する特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、議案第122号、議案第130号から議案第136号まで及び議案第138号から議案第159号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 お諮りいたします。12月13日及び14日は委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 御異議なしと認めます。よって、12月13日及び14日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、12月15日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
 午後2時52分散会

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