平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(浅井修一郎議員の質疑及び一般質問)


平成23年12月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(浅井修一郎議員の質疑及び一般質問)


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 午前10時0分開議
○議長(新島 雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 監査委員から監査報告がありました。お手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 日程第1、議案第158号を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ただいま上程されました議案について、御説明申し上げます。
 議案第158号は、国の第3次補正予算を活用し、一般会計で総額59億5300万円余の増額補正をお願いするものでございます。
 まず、東海・東南海・南海地震等、大規模災害に備えた道路の防災・減災対策を図るため、緊急に実施する必要性が高く、速効性のある道路の保全改良事業等を実施してまいります。
 また、現下の雇用情勢にかんがみ、離職を余儀なくされた非正規労働者、中高年齢者及び東日本大震災等の影響による失業者等に対し、短期の雇用就業機会を創出し、地域のニーズに応じた人材育成を行うため、緊急雇用創出事業臨時特例基金への積み立てを行ってまいります。
 また、長引く景気低迷に加え、経済情勢の激変や社会不安の増大、全国に広がる大震災の影響等により一段と厳しさを増す自殺対策を取り巻く状況に対し、平成24年度以降も引き続き万全の対策を講じるため、自殺対策緊急強化基金への積み立てを行ってまいります。
 また、このほか国道371号橋本バイパス道路改良工事に要する経費について、債務負担行為の設定をお願いしているところであります。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○議長(新島 雄君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 次に日程第2、議案第122号及び議案第130号から議案第158号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第3、一般質問を行います。
 20番浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕(拍手)
○浅井修一郎君 おはようございます。
 この12月定例会一般質問の初日のトップバッターとしての機会をいただきましたが、私の不摂生から風邪を引いてしまい、ごらんのような声になってしまいました。お聞き苦しいと思いますけれども、お許しをいただきたいと思います。
 それでは、通告に従い早速質問に入らせていただきますが、まず1点目、2点目につきましては分割質問方式で、そして以下は一問一答方式でお願いしたいというふうに思います。
 それでは、まず1点目、野田政権の現状と今後についてでありますけれども、民主党政権が誕生してはや2年がたちました。その間、鳩山さん、菅さんに続いて、去る9月2日に3人目のドジョウ内閣と呼ばれている野田さんが総理になって3カ月になりますが、2年前の総選挙時のマニフェストとはほど遠い方向へと向かっています。
 子ども手当、高速道路の無料化、ガソリン税の廃止等々、何も実行されないままであり、また、日本の国益そのものにかかわる外交・防衛問題、とりわけ普天間基地移設問題では「最低でも県外」と沖縄県民を翻弄し、尖閣諸島近海では中国軍の艦船が行ったり来たり、竹島は韓国議会が、北方四島へはロシア大統領みずからが訪問するなど、領土問題ではそれらの国々に完全に軽視されている状況であります。
 また、TPP問題でも、中身がまだ不透明で国民的議論もされないまま、国会でも反対派、推進派の議論をしないで拙速に交渉参加を表明、あげくの果てには消費税を引き上げる発言を野田総理は国際公約となる国際会議の場でされましたが、「消費税は引き上げない」、「国民の信を問わず総理をころころかえるな」と言っていたあのころの民主党はどこへ行ってしまったのでしょうか。
 そこで、知事に、発足から3カ月たった野田政権についての所見をお尋ねします。
 次に、先日、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙がありました。結果は、皆様方も御承知のとおり、大阪都構想を前面に掲げて戦った橋下氏率いる地域政党、維新の会の圧勝で、橋下市長、松井知事が誕生いたしました。
 私は、今回の選挙を見て、小泉政権時の郵政民営化をめぐり民営化に賛成か反対かと訴えて自民党が圧勝したのを思い出します。今回は、景気の低迷が続き、有権者の閉塞感が漂う中、大阪を変える、大阪から日本を変える、この言葉が民意を集約させたのではないかと思いますが、具体的な政策が見えていない中で、大阪府民、市民の期待にこたえていけるのでしょうか。
 ともあれ、大阪府とは府県間道路を初めとする府県で協調して取り組まなければならない課題がたくさんあります。また、関西国際空港のハブ化のために、大阪府、大阪市と緊密に連携していく必要があると思います。そうした中で、今回のダブル選挙の結果について、本県にどのように影響するのか、今後、大阪とどうつき合っていくのか、知事の所見をお尋ねいたします。
 また、昨年12月に設立された関西広域連合には、本県を含む関西の7府県が参加していますが、大阪市を初め関西にある4つの政令市は参加していません。大阪市長に当選された橋下氏は参加を積極的に進めると言われているようでありますけれども、関西広域連合への政令市の参加についてどう考えるのか、あわせてお尋ねいたします。
○議長(新島 雄君) ただいまの浅井修一郎君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 民主党政権が誕生いたしましたとき、またその以前の参議院選挙のときぐらいから、地域主権改革や、あるいは地域の逼迫している経済を立て直すということを旗印に、地方を大事にするという公約であったと思います。そのため、地方の有権者の支持を得て、特に地方で圧勝したということであったと思います。
 本県のような地方圏に属する典型的な地方にとっては、こういう地方を大切にする政策が選択されるかなという期待をしておりましたが、実際は、社会資本整備とか、あるいは地方の技術開発とか、あるいは地方の農業基盤整備といった将来への投資の側面が大いに後退をしてしまいました。野田政権におかれましては、この点、大いに政策転換をしてほしいと私は思います。
 野田政権が誕生いたしまして、政権発足直後に紀伊半島大水害が発生しました。応急復旧に関しましては、国や関係機関の尽力のもと早期に進んだことについては感謝を申し上げたいと考えております。ただし、その一部であります樹園地の20度傾斜地問題、そういうごくわずかな項目でございますけども、そういう項目については、論理として当たり前のことがどうしてもっと早くできないのかというような感もありまして、国にもっと汗をかいてもらわなきゃいかんと考えております。
 また、大水害で国道42号線が通行どめになったこともあり、また東日本大震災のときの教訓もございまして、高速道路のミッシングリンクの解消を初め、紀伊半島アンカールートの──アンカールートというのはいかり型ということですが──早期整備について、発災直後、野田総理が来県した際、被災地の早期復旧への協力依頼とともに、その必要性を切実な思いで訴えました。また、そのほかの閣僚、政府の方々にもこれを大いに訴えておるところ、一定の理解を示されていると思います。ただ、大事なことは実際に実行されるかどうかなのでございまして、期待を持って注視していきたいと思いますし、期待を裏切らないようにしてほしいというふうに思います。
 大阪府との関係につきましては、橋下前知事が就任されたとき、大阪府内という小さな枠組みの中だけで物事を考えるのではなくて、大関西という立場で考えてくれというふうに申し上げました。
 大阪だけで縮こまりますと、例えば、和泉山脈の府県間道路が大阪側で非常に未整備で行き来が困難である、こういうようなのはもってのほかであって、こういう小さい大阪への縮こまりは和歌山にとっても困るけれども、関西にとっても大阪にとってもためになりませんというようなことを申し上げました。ということを、松井知事にも昨日お会いしたときに言って、同じようなことをあらかじめ申し上げてきたところであります。
 大阪府とはお隣同士ということもありまして、府県間道路や関西国際空港を初め、関西広域連合の運営など協調して取り組んでいくことが多うございますので、松井知事と連絡を密にしていきたいと考えております。
 関西広域連合への政令市の参加については、今までも政令市側も参加を拒んでいるわけではございませんで、広域連合への国出先機関の移管が済んだ時点で参加するという姿勢でありました。政令市は府県と同等の権限を持っているということもありまして、参加は歓迎であります。橋下新市長はこういう点について積極的であるかと推測しておりますので、他の3市も引っ張って、早期に参加されることを期待しております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、先ほど触れましたけれども、TPP(環太平洋経済連携協定)についてでありますが、野田総理が先月開催されたAPECの首脳会議において、関係国に対しTPPへの参加に向け協議を行う旨を表明いたしました。TPP参加に対しては、国会内でも、反対派、推進派ともに十分な議論がなされていない状況であり、農林水産業を初め国内産業に多大な影響が生じるのではないか、さらに、本県経済にも大変な影響が及ぶのではないかと危惧しているところでありますが、TPP参加について知事はどのようなお考えをお持ちなのか、御所見をお聞きしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) TPPに参加することによりまして、交渉に参加するというか、もう1つ進んで実際に入ってしまったと仮定したときでございますが、どの分野にどの程度影響があるのか。特に、農林水産業を初め大きな影響を受ける産業への対応について、どういう影響があるからどういうふうに対処するんだということを国民に対してちゃんと説明をして、情報は全部提供するということが十分行われていないと明らかに思います。そういうふうに考えると、これは大変心配であるし、こういうことをちゃんとやりながら物事は考えてもらいたいというふうに思います。
 TPPの問題は、この議場でも申し上げておりますが、いつでも言っておりますが、一部の推進論者が言っているようにバラ色の話、入るとバラ色になる、あるいは入ると大打撃を受けて日本がむちゃくちゃになるということだけではなくて、本質はいわばブロック経済でありますので、入らなかったときの競争力の欠如から成る経済のマイナスと、それから先ほど言いましたような入ったときのプラス、入ったときのマイナス、これ全部計算をして利害得失を考えないといけない。それで、その上でマイナスの点についてはちゃんと助成をするとか調整をするとかして手当てをせないかん、これが真っ当な政策だと私は思います。
 そういう意味で、和歌山にとってもやっぱりこれは大事でございますので、世上言われてるようなマクロでこんなに得するぞとか、こんなに損するぞとか、ああいう議論ではなくて、もうちょっとまともな分析をしてみようということで、これは時間がかかりますが、やってまいりました。
 その結果、まず参加をした場合は、例えば弱い産業、農林水産業などへの影響が出ます。これをどう計算するかというのは難しいんですけれども、思い切り競争力の弱い産業はなくなってしまうというような、競争力が弱くなる産業はなくなってしまうというような、そういう仮定で計算をいたしましたところ、全体として県内の産出額が136億円減少するというような答えが出ました。
 例えば、米に関していえば、有機米みたいに趣味で買ってるようなものは残りますけれども、その他、競争にさらされるとこは全部なくなるというような仮定であります。
 一方、参加したときに、そのような農林水産業も食品輸出なんかで少し得をするかもしれないというのはございますが、現在の輸出が極めて少ないということですから、これが大いにふえたとしても大したことはございません。したがって、数100万円ぐらいの得になるということであります。
 一方、参加をしないとどうなるかというと、他の国が参加をした、それから、韓国は米とのFTAがありますので参加したと同じ効果になりますので、参加をしたと仮定をして計算をいたしますと、例えばそういう競争力が弱くなる結果、電機・電子、あるいは輸送機械・一般機械、そういうものが輸出市場でかなり打撃を受けます。
 和歌山県は、一部を除きますと、最終製品というよりも、その部品等々を供給して頑張っている企業が圧倒的に多いわけです。ですから、そこのところを輸出が落ちた分だけこちらも売り上げは減るということで計算をいたしますと、これがまた全体として137億円売り上げが減少するということになってしまいます。
 一方、参加をしたときに、世上言われてるように競争力のある産業がさらに輸出がふえるというような点については、どのぐらいふえるか、これあんまりよくわかりません。我々として自信がないので、これは多分あるだろうけれども、この計算はしませんでした。この点については、内閣官房の試算によると約2.7兆円ふえるということになっとるんですけれども、あんまり自信がないので、これは……(「10年違うか」と呼ぶ者あり)10年かもしれませんね。我々は、これは採用をしませんでした。
 したがって、いろいろ、退くも地獄、進むも地獄ということをいつも申し上げておりますが、そういう中で一番正しい選択をし、それから、それに対してちゃんと手当てをすると。我々は、そっちの手当てをちゃんとするということを言っていかないと、軽々しくは賛成できないということだと思っております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 ちょっと知事に質問が多過ぎたのかなと思って不安になってきたんですけども、時間の関係上、ちょっと簡略に答弁をお願いしたいと思います。
 次に、電力供給不足の問題についてお尋ねいたします。
 まず、1点目の電力供給についてお尋ねします。
 去る3月11日に発生した東日本大震災は、特に東北・北関東地方の太平洋沿岸部を中心に、多くの生命と生活基盤を失い、さらに生活インフラを破壊するなど、我が国災害史上未曾有の大惨事となりました。特に、東京電力福島第1原子力発電所の事故に起因する事態により原子力発電所の安全性に大きな疑問符がついたと考えており、従来の計画どおり原子力発電所の建設が進まないだろうというふうに思います。もちろん、東京電力福島第1原発事故の収束をにらみながら、事故原因を精査し、これまでの安全対策の問題点を丹念に検証するとともに、原子力政策のあり方について再検討を行わなければなりません。
 さて、このたびの電力供給不足は、県民生活や経済活動に大きな障害、影響を及ぼすものであり、単に節電だけに取り組むだけでは、将来にわたっての県民生活の利便性確保、県経済の持続的発展等、地域の活性化に影を落とすおそれもあります。
 もちろん、今すぐすべての原子力発電をストップさせ、再生可能エネルギーに取ってかえるということは現実的ではありません。将来的に再生可能エネルギーの割合をふやしていくことは必要でありますが、継続的に地域の活性化を図るには、当面、化石燃料に頼った発電への取り組みを進めざるを得ないと思っています。
 このような危機的な状況に対応するために、民間企業が持っている発電能力をもっと使う必要があるのではないか。その際、電力事業者にすべての対策を任せるのではなく、県民生活や県経済がこれ以上の混乱や停滞に陥らないよう、地域ごとに適切な対策を講じる必要があるのではないでしょうか。
 例えば、過去に卸電力事業(IPP)の入札に参加した東燃ゼネラルなどは、自社の敷地を使った発電事業に参入できるのではないか。そのような発電能力のある民間企業の発電施設をもっと活用するよう、関西電力に働きかけていくことも必要なのではないかと思います。
 県民や社会活動に影響を与える節電行動だけに頼るのではなく、国全体の電力供給力を上げていくため、企業こぞって協力するということが必要だと考えます。
 国や関電から発表されている電力の需給状況を踏まえ、できるだけ県経済に影響を与えず生産活動を維持していくためには、県としてどういう対応をしていくべきか、知事の見解をお尋ねしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事、簡素な答弁を求めます。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 電力の供給力確保という点については、私も大変重要なことだと考えております。そういう意味では、これまでの火力発電所や水力発電所の可能な限りの活用、さらには他社からの応援融通による調達など必要だと思います。
 さらに、計画的に停止されていた海南発電所2号機を来年の夏稼働させるべく準備をしているようでございますので、これについてはいい話だと思います。
 それから、自家発についても大いに活用するということで、私たちも応援をしながらやっていってもらうようにしていきたいと思っております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、電力供給不足の問題についての節電アクションプランについてお尋ねします。
 県では、去る11月18日、この冬に県庁や家庭、事業所等で取り組む節電対策、わかやま冬の節電アクションプランを発表されました。内容は、12月19日から3月23日までの平日に、家庭や業務部門で前年同期費の最大使用電力10%以上の削減を目指すというものでありますが、私は、節電は不足しているから節電するのではなく、常に無駄なエネルギーを消費しないように心がけることが大切であるというふうに思います。
 節電を強引に推し進めますと、地域の元気をなくし、経済活動の足かせにならないかということで、決してもろ手を挙げて節電に賛同しているわけではありません。しかしながら、電力の需給バランスが完全に崩れてしまった現状では、節電対策を県民の皆さん方にお願いせざるを得ないということは理解しております。
 この冬の電力需給はことしの夏以上に厳しい状況とも言われておりますので、停電によるパニックなど絶対に発生させないよう、節電対策は着実に実行していただかなければなりません。今回のアクションプランには、「家族で団らん こたつでみかん」というキャッチフレーズがつけられており、和歌山の特産品ミカン、このミカンに着目していただいたことを大いに評価したいというふうに思います。
 そこで、このキャッチフレーズを掲げ、ミカンの消費拡大を図りながら、節電対策にどのように取り組み、どのように県民の皆さんに周知しようと考えておられるのか、その心意気も含めて、環境生活部長にお伺いします。
○議長(新島 雄君) 環境生活部長保田栄一君。
 〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) 節電アクションプランについてですが、冬期の節電対策は、高い電力需要の時間帯が朝の9時ごろから夜の9時ごろまでと長く、電力需要のピークとなる時間帯が短い夏期の節電対策に比べまして対応が難しいという特徴があり、家庭での夕刻以降の節電対策は大変重要となってまいります。
 今回のアクションプランのキャッチフレーズ「家族で団らん こたつでみかん」は、家族が1つの部屋で消費電力の少ないこたつで暖まりながら楽しい団らんの時間を過ごすことで節電に取り組み、あわせて本県特産品ミカンの消費拡大にもつなげようというイメージで設定をいたしました。
 県では、率先して節電に取り組むことはもちろんのこと、街頭啓発や広報活動等を積極的に展開し、各家庭や各事業所の理解と協力を得ていきたいと考えております。県民みんなが力を合わせましてこの危機を乗り切るんだという機運を盛り上げ、不測の事態に陥ることのないよう万全を期す所存であります。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、紀伊半島大水害についてお尋ねします。
 まず、1点目の災害対策の総括についてでありますが、紀伊半島大水害は、記録的豪雨による災害であり、紀伊半島全域で河川のはんらん、浸水、土砂災害が広い範囲で、多数の箇所で、ほぼ同時に発生いたしました。和歌山県としては、昭和28年の7.18水害を上回る降水量で、人的被害は死者52人、行方不明者5人にも上り、家屋の全半壊は2200棟を超える被害となりました。改めて、被害に遭われた皆様方に心よりお見舞い申し上げますとともに、犠牲になられました方々とその御遺族の皆さん方に対し、深くお悔やみを申し上げる次第であります。
 今回の災害で、知事は初動からスピード感を持って、人命救助を最優先に被災者や被災市町村への支援とともに何度も被災地に入り、現場で直接住民の声を聞いて対応に当たり、迅速な国への要望活動など陣頭指揮の姿は鬼気迫るものがあったというふうに思います。
 また、あれだけ大きかった被害の状況から復旧作業は困難をきわめると感じましたが、次々に応急復旧が完成し、通行どめ箇所が解消、ライフラインが復旧する過程を、私は知事の行動力に感心をしながら見ておりました。ライフライン関係機関では、全国から復旧作業の応援を得ていたのでしょう。現地では、関東や九州のナンバーをつけた作業車が走り回っていたと聞いております。関係機関の御活躍、奮闘について、この場をおかりして改めて御礼を申し上げたいと思います。
 災害発生から3カ月余り経過いたしました。先日の3日には、大災害の象徴的な存在でありました流出したJR那智川鉄橋が復旧いたしました。この復旧に対し、二階代議士も直接JR西日本の社長にかけ合っていただいたと、さきの11月15日に上京した折、衆議院議員会館で秘書の方からもお聞きしました。全面開通したことは、被災地にとって大変大きな節目であるように感じています。主な応急復旧はこのJR那智川鉄橋で完了に至り、9月4日から設置していた県災害対策本部も11月30日に廃止されています。
 そこで、知事にお聞きします。
 実際の大災害の災害活動を指揮した災害対策本部長として、紀伊半島大水害の災害対策を総括してお答えいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 発災後直ちに災害対策本部を設置いたしましたが、今振り返って考えますと、今回その立ち上がりが早くできまして、設置以降は、災害対策本部の形を使って初動から統一的にやれた点がよかったと思います。統一的というのは、県以外の関係機関も一堂に会しまして、毎日何回も何回も調整をしてやっておったということでございます。何よりも、これが早期復旧につながったわけでございまして、それを望んでおられる地元の人には喜んでもらえたかと思います。
 一方、応急は一応完成しましたけれども、まだまだ本格復旧、生活の再建、産業の再建、やることはいっぱい残っております。そういう点については今後頑張っていきたいと思いますが、それにつけても、亡くなった方あるいは被災された方々の悲しみを思えば、いかばかりかという思いは消えることはございません。
 ただ、そのためにも今後対策を大いに頑張ってやっていきたい、そんなふうに思っております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次、2点目の今回の災害から得られた教訓についてでありますが、本県の防災対策の重点は、近年は東海・東南海・南海地震のような地震・津波対策でした。東日本大震災を目の当たりにし、さらに防災・減災対策の総点検に臨んでいることは承知しております。また、その取り組みはNHKなどでも先進的な取り組みと評価されており、我々も期待しているところであります。
 しかしながら、今回の大水害でこれだけの被害が出ており、風水害対策も点検が必要であると感じております。
 近い将来発生するであろうと言われている東海・東南海・南海地震のような巨大地震や今回のような大水害発生時に、県としてどう災害対策を行っていくのか。今回、その災害対策に当たって、今まで考えていなかったのに対応できたことや、もっとこうしたほうがよかったことなど、実際の大災害の災害対策を経験した知事として、その経験から得られた教訓についてお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 今回得られた教訓といたしましては、第一にみんなで協力したのがよかったということだと思います。被災を受けた地域の市町村は、その打撃ゆえに通常の機能はとても期待できなくなるということがあります。その際、県は手をこまねいているだけじゃなくて、進んで救援に入らなきゃいかんということだと思います。このことは、東日本大震災の支援を行ってきて我々が得ていた教訓であります。
 今回の初動期においても同じような事態が発生しましたんで、避難所や避難者のことが心配であったので、職員を派遣して県で助けました。あるいは、町の災害対策本部に県の職員を派遣して、これも一緒にやってまいりました。
 今回の災害では、相手が大変なときは、報告を求めるだけじゃなくて、あるいは指示、指導をするだけじゃなくて、自分でやろうという方針で指揮をとりましたけれども、このことは大災害の初動期に共通する教訓と考えて、今後も肝に銘じていきたいと思います。
 もう1つ、とにかく早く直すんだということで、かなりリスクをとって強引に事を進めました。それは、こういう場合は財政リスクなどいろいろ考えてしまうんですけど、国も応援してあげると言ってくださったんで、早く早くということで強引にやってきたのがよかったと思います。
 一方、反省することもたくさんありまして、水位計や気象データが回線の途絶で十分な情報が入らなかった、あるいは孤立集落に配備した防災行政無線が浸水してしまったというようなことが多々ございまして、こういうことについては、この教訓を生かして大いに改善をして、次に生かせるようにしてまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 この項目、最後でありますけれども、次に、復旧・復興への取り組みについてであります。
 「頑張れ日本」、「まけるな!!和歌山」を合い言葉に、今回の被害に対しての応急復旧についてはほぼ完了いたしました。いわゆる機能の回復は達成されたと考えているのですが、被害の現場、災害のつめ跡はいまだ生々しく現場に残っております。今後、残る課題としては、本格復興する局面に入っているのだというふうに思います。
 県では、11月1日に復旧・復興本部を設置し、本格復旧・復興に取り組んでいくということでありますが、復旧・復興本部長として今何が最も重要な課題とお考えか、またこの難題に取り組む意気込みとあわせて知事にお伺いをしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議員御指摘のとおり、本格的な復旧はまだまだこれからでございます。
 例として、がけ崩れで道路が通行どめの場所を応急的に通れるようにしたわけでございますが、斜面の手当てはまだこれからでございます。河川では、土のうを積んで多少の雨では大丈夫にしておりますけれども、あくまでも仮の復旧でありまして、今後堤防をきちんとつくっていくことも必要でございます。
 また、河川の場合は、二度とはんらんが起きないように、あるいは起きるリスクが少なくなるように、改良復旧ということもやっていかないかんと思っております。それから、早くやるということも大事でございますので、この間のアクションプログラムでは、河川も道路も95%を24年度の1年間で全部やってしまおうという意気込みで、今頑張ろうとしているところです。
 次の課題としては、重要なものは経済や暮らしの再建があります。経済の再建の対策として、中小企業支援など、すべて議会にお願いをいたしまして、今回の補正予算も含めて準備はいたしましたが、あとはこういうのを使いながら被災者を励まして、再建してもらうように努力をしていくということだと思います。さらに、先ほど反省として申し上げました点についても改良していかないかんということであります。
 さらに申し上げますと、今回痛感したのは高速道路の問題でございます。いつも申し上げておりますが、やはりこの安全の面でも、紀伊半島一周の高速道路はぜひ必要だというふうに考えております。
 そういうことを、いろいろ山積した課題はこれから対応してまいります。そのために復旧・復興本部をつくり、復旧・復興アクションプログラムを策定いたしましたんで、これをもとにして「まけるな!!和歌山」のスローガンのもと頑張っていきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、平成24年度新政策と予算編成の方針について。
 まず1点目、新政策の予算編成の考え方についてお尋ねいたします。
 先ほどの防災対策についての質問でも述べたように、東南海・南海地震が懸念される本県にとって、地震・津波対策の加速化が求められております。さらに、台風12号により被災された方が一日も早くもとの生活に戻れるよう、被災地の復興に県としても全力で取り組む必要があるとともに、今後の局所的な豪雨の発生等に備えた風水害対策にも取り組んでいかなければなりません。
 一方、防災対策のみならず、医療や福祉、産業振興なども着実に進めていかなければなりません。県では、このような状況の中、来年度の予算編成に向けた新政策と予算編成の方針を発表されましたが、その中で知事は、平成24年度予算は、元気な和歌山の実現に向け、災害に備えた安全の政策、暮らしを守る安心の政策、新たな成長に向けた挑戦の政策等に積極的な予算の重点配分を行うとの目標を掲げられました。
 新政策と予算編成の方針で示された安全、安心、挑戦という3つの目標の実現に向け、来年度の新政策としてどのような取り組みを進められようとしているのか、知事のお考えをお伺いします。簡略にお願いします。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 来年度当初予算編成につきましては、元気な和歌山の実現に向け、安全、安心、挑戦を基本として全体を組み立てていきたいと思います。
 まず、1つ目の安全の政策では、今議会で補正をお願いしている被災者の住宅再建や被災事業者の再建などの復興支援を進めるとともに、風水害に強い県土づくりを進めるため、洪水、はんらんレベルに応じた浸水想定区域図の策定や中小河川の浸水対策に取り組んでまいりたいと思います。また、津波、地震、これに対する備えも大事でございまして、ライフジャケット、あるいは水門、樋門の問題、そういうことをやってまいりたいと思います。さらに、孤立集落のヘリポートとか、あるいは防災教育、こういうものもやっていきたいと思います。
 2つ目の安心の政策は、児童虐待に対応するための相談機能の強化とか、あるいは先天性代謝異常等への新たな検査方法の導入などなど考えたいと思いますし、また、医療についても、地域拠点病院の改築支援あるいはがん診療についての支援、こういうことをやっていきたいし、紀中地域への看護師養成所設置支援なども進めていきたいと思います。
 3つ目の挑戦は、和歌山産業の競争力強化でございます。これについては、技術開発支援や企業誘致、そういうことを中心にして、あるいは工業高校等と県内企業の連携を強化しながら、県内就職についてもぜひ支援していきたいと思います。
 さらに、農業振興については、引き続き農業緊急戦略アクションプログラムの推進を図るとともに、鳥獣害対策、まだまだでございますから頑張りたいと思いますし、それから後継者対策として、トレーニングファームで新規就農者の育成に力を入れるということをやっていきたいと思います。
 観光や、あるいは国際協力、これについても力を入れていきたいと思いますので、今具体化を考えておりまして、原案を提出さしていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に2点目、災害復旧・復興支援対策による今後の予算編成への影響についてお尋ねします。
 県は、台風12号による大災害への対応として、さきの9月議会において災害復旧事業など約673億円の補正予算を組むとともに、今議会においても11億円余りの復興支援等の事業に係る補正予算を提案しております。
 私は、被災された方々や地域の早期復旧・復興を図る上で、あらゆる事業に全力で取り組むべきであると先ほども申し上げたところでありますけれども、一方で、これらの財政需要により、平成24年度以降の予算編成全体への影響はないかと心配せざるを得ないところであります。県民の皆さんに安心感を持っていただくという意味で、知事の所見をあわせてお願いします。
○議長(新島 雄君) 知事。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 御指摘のように、災害復旧・復興に係る今年度の補正予算総額は約684億円になっております。その2分の1強が国庫支出金によって賄われまして、約210億円発行予定の地方債についても、後年度の元利償還金が地方交付税より措置されます。さらに、激甚災害指定による国庫支出金のかさ上げとか、あるいは特別交付税によって最終的に国からいわば返ってくるお金というようなものも多くなるように、これから強く要望し、県負担の軽減を図っていきたいと思っております。
 平成24年度以降の予算編成においても、県民生活に御指摘のような悪い影響が出ないように、最大限の努力をしていきたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 これから時間の関係上、県土整備部長につきましては、一括してずっと答弁をいただきたいというように思います。
 次に、津波監視カメラの設置についてでありますが、東日本大震災の甚大な被害は、我々にとっても津波の脅威を改めて認識させるものとなりました。本県では、過去から東南海・南海地震などに伴う津波に襲われ、たびたび甚大な被害を受けてきましたが、数10年の時間の経過とともに、その脅威に対する認識が希薄になってきたことは否定できないのではないでしょうか。
 連日放映された映像では、到達した津波が防潮堤を簡単に乗り越え、次々と建物や自動車などを押し流す姿をまざまざと見せつけられました。こうした津波が来れば、堤防などハード整備だけで防ぐことは困難で、いち早く逃げることがいかに重要であるかを考えさせられたのは、この私だけではないと思います。
 その一方で、このような映像による情報は、津波の規模を把握し、現実的なものとして認識する上で非常に効果的であると感じました。本県では、東日本大震災の甚大な被害状況を受け、4月から防災・減災対策の総点検を行っているところでありますけれども、津波規模の把握などにこのような映像情報を取り入れることが、的確な避難情報の提供や被害状況の把握に非常に有効ではないかと思います。東南海・南海地震による津波に備え、これらの映像をよりリアルタイムで状況を把握し、減災対策に生かすことが重要であると思いますが、県土整備部長にお伺いします。
 また次に、避難路沿いの廃墟対策についてお尋ねいたします。
 平成23年7月7日に公布された景観支障防止条例が平成24年1月1日から施行されることになっており、景観上の廃墟対策についてはこれから実施されていくことと思いますが、しかし、廃墟の問題は景観上の問題だけでなく、防災の観点から考えることも重要ではないでしょうか。
 避難路沿いに廃墟があり、それが地震により倒壊した場合、避難路が通れなくなり、津波が襲ってきても逃げられない事態になってしまいます。このようなことが決してあってはなりません。県内には、このような危険な箇所が数多くあると思われますが、各市町村と連携を図りながら避難路確保のための対策を講じることが大切であると思いますが、あわせて県土整備部長の答弁を求めます。
 次に、河川対策でありますが、台風12号による復旧・復興も進んでまいりましたが、河川では応急復旧を終え、今、国の災害査定を受けているところと聞いております。今後、本格的な復旧作業に入っていくことになりますが、これら被災を受けた河川の早期復旧が待たれるところでありますが、その復旧方針についてお伺いします。
 あわせて、他の県内の各河川についても、今回の台風12号のような集中豪雨がいつ発生するかもわかりません。それらの河川の改修についても、早急な河川整備をしていただきたいと思いますが、県土整備部長の答弁を求めます。
 また今回、例えば私の地元である有田川につきましては、幸いはんらんは起こりませんでしたが、もう少しで危ないところでありました。他の川でも、台風12号の増水により多くの雑木やごみが欄干や構造物付近に堆積し、流下を阻害しています。いつ発生するかわからない集中豪雨に対応するためにも、河積を確保し流下能力を妨げないためにも、それらの撤去を早急にしなければならないと思いますが、この件についても県土整備部長に答弁を求めます。
 次に、砂防対策についてお尋ねいたします。
 県土の約8割が山地で覆われている本県においては、約1万8500カ所の土砂災害危険箇所が存在し、常に土石流、地すべり、がけ崩れなどの脅威にさらされています。ことしも、7月の梅雨前線豪雨、9月の台風12号及び台風15号の襲来により、本県南部を中心として激甚、悲惨な土砂災害が発生し、多くの人命、財産が奪われました。特に、土砂災害では、田辺市伏菟野地区における深層崩壊や熊野地区における河道閉塞、那智川水系における土石流の発生などにより、30名を超える死者、行方不明者と多くの財産が失われるなど、地域に甚大な被害が生じています。
 そこで、台風12号により発生した土砂災害への対応状況と今後の砂防事業の進め方について、あわせて県土整備部長にお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
 〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 最初に、津波監視カメラの設置についてでございますが、本県では、国土交通省が設置した河川・道路監視用カメラ2チャンネル分の画像提供を受けております。沿岸部に設置されているカメラ映像は、津波状況を把握することにも活用できるものと考えております。
 これらに加えまして、県管理河川において、洪水、高潮のほか津波の状況も監視可能なカメラを数河川の河川部に設置し、県当局として県民の避難に役立てる防災情報の取得に努めてまいりたいと考えております。これは、現在3カ所程度の設置を予定しているところでございます。
 続きまして、避難路沿いの廃墟対策についてでございますが、これにつきましては、議員に以前から御指摘をいただいておりますことでございます。
 大地震の発生が近づいてる中で、人命にかかわることでございますので、景観以上に差し迫った非常に重要な課題であると認識しているところでございます。特に、東海・東南海・南海地震における津波につきましては、非常に短い時間での到達が予想されておりますので、迅速かつ円滑に避難することが求められます。そのためにも避難路の確保が重要でありまして、その避難路を閉塞させる危険性がある建築物への対策が必要であると考えておるところでございます。
 このため、現在、法律、防災、建築の各分野の専門家による検討会を設置しまして、どのような対策がとれるのかについて、財産権等の法的な問題、また市町村との連携など、さまざまな角度から検討を行っているところでございます。引き続き検討を重ねまして、対策の実施に向け取り組んでまいります。
 続きまして、河川対策でございますが、台風12号では、紀中から紀南地方において記録的な降雨となりまして、県の河川管理施設の災害復旧申請箇所は837カ所に上るなど、甚大な被害となりました。これら被災箇所の早期復旧に向けまして全力で取り組んでいるところでございまして、平成24年度中に95%の箇所、平成25年度までに大規模被災箇所を除くすべての箇所の完成を目指しているところでございます。
 大規模に被災した日高川、切目川、太田川、那智川では、原形に復旧するだけでなくて、河川を改良して復旧する改良復旧作業を実施すべく手続中であります。これらの河川では、3年から5年での完成を目指しております。
 なお、被害の少なかった河川につきましても、これまでの河川整備のスピードを緩めることなく、集中豪雨対策等の予防的な治水対策強化に努めてまいります。
 それから、流下阻害対策でございますが、治水上支障となっております流木やごみなどは、次期出水期までに撤去してまいります。また、同様に流下阻害となっております立ち木についても、緊急性の高い箇所から伐採してまいります。
 最後に、砂防対策でございますが、台風12号により発生しました大規模な土砂災害への対応ですが、土石流等の発災後、速やかに河道の確保や土石流センサーの設置等、2次災害を防ぐための応急工事を実施したところでございます。
 田辺市熊野地区における土砂ダムについては、国土交通省により緊急工事が実施されておりまして、12月3日には警戒区域が解除されたところでございます。また、那智川水系における土石流災害につきましても、国土交通省による緊急工事が実施されることとなっております。その他の大規模土砂災害発生箇所につきましても、一日も早い復旧・復興に向けて事業を実施してまいりたいと思っております。
 今後とも、土砂災害の予防、被害の軽減のためハード対策を推進するとともに、土砂災害警戒区域等の指定等、ソフト対策を実施してまいります。
○議長(新島 雄君) 浅井修一郎君。
 〔浅井修一郎君、登壇〕
○浅井修一郎君 次に、要望でありますけれども、この土砂災害を負った同地区に対して迅速な復旧・復興に向け努力していただいておりますが、より一層、緊急かつ集中的な施設整備を実施することにより、地域の安全を確保していただくよう強く要望しておきたいと思います。
 また、私ども自民党県議団では、今議会に和歌山県議会砂防事業促進研究会、仮称でありますけれども、設立し、砂防事業の推進に取り組んでいくこととなっております。
 次なんですが、余り時間がありませんので足らないというふうに思います。医療関係につきましては、次回の機会に質問をしたいと。せっかく答弁を考えていただいた部長さんに申しわけございませんが、肝心なことだけを1点申し上げたいと思います。
 このがん対策につきましては、非常に大切であるということから、がんの予防、早期発見、緩和ケアを含めた質の高い医療の提供等、和歌山県のがん対策をより一層推進し、1人でもがんで亡くなる方を減らすためにも、今議会でがん対策を推進する条例を制定するために、我々自民党県議団が中心となって、超党派による検討会の設置を今立ち上げようと進めているところであります。
 以上報告申し上げまして、一般質問を終わらせていただきます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) 以上で、浅井修一郎君の質問が終了いたしました。

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