平成23年9月 和歌山県議会定例会会議録 第3号(服部 一議員の質疑及び一般質問)


平成23年9月 和歌山県議会定例会会議録

第3号(服部 一議員の質疑及び一般質問)


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正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 11番服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕(拍手)
○服部 一君 議長に許可をいただきました。ただいまよりやらしていただきます。
 少し前段を申し上げたいと思います。
 議会改革検討委員会が設置されまして、今議会から対面方式をとられることになりました。きのうからそれぞれ質問者の様子、答弁者の様子を見ておったんですけども、少しの緊張感がある中に、番外幹部の皆さん方が質問者に集中されてるということで、少し緊張を持って皆さんやられていると思います。
 そこで、今後この対面方式をやっていくかどうかということを考えながら聞かしていただいてたんですけども、少し、私、感じたことと提案がございます。
 議長の点呼によって少しテンポよく、間合いをうまいことやらないかんのやないかと、このように思います。
 普通、質問者が、総括質問であったら大体半時間ぐらいで重要な質問をされてると思うんですけども、フルに持ち時間を使われて頑張っておられると思います。特に私は感じたんですけども、質問者が答弁者を指定してるわけなんです。そのために、この控席を答弁者も持ってるわけなんです。答弁の順番というのは指定をされておりますので、そんなに変わることないと思うんで、特に奥にいてる番外の答弁者については、卒業証書を授与するような厳かな形で出てこんと、もう少し早く答弁席に着くように、ひとつ今後、それぞれ努力していただきたいと、このように思います。
 もう1つは、質問する側としては、それぞれ現状なり課題なり将来について、執行部に対して質問、ただしていくわけなんですけども──いつも見てるんですけども──答弁される方は、質問者のエリアから外れたことを質問してないと思うんです。しかも通告をしてるわけなんです。そういうことからしますと、自分のエリア、持ち分の中へ入ってくることの答弁については、専門用語を使うて、うつむいて速いこと読み上げるようなことをやらんようにして、少なくとも半分ぐらいは2~3日の間に暗記して、やっぱり「よっしゃ、わかった」というぐらいの、対面式でやりとりをするというのが、これは緊張感とともに活発な議会のあり方やないかなと、このように感じますんで、ひとつそういうことで、できるだけ前向いてお互いに顔を見合いながら話をやろうではありませんか。
 そういうことで、番外執行部の皆さんも、我々も、この改革した対面方式について、長所・短所をお互いに出し合いながら改革して、そして長いこと続けたらこの対面方式はいいなと、このように、私、考えております。
 もう1つは、特に答弁者が演壇に立つときに、勘定してたら4回あいさつする、頭下げるわけなんです。野田総理みたいに頭の後ろまでわかるほど頭下げなくても、議長に敬意を表したら、あとはそんなにお互いの間の中で頭を下げなくてもいいんじゃないかと、このように私、感じましたんで、どうぞひとつ、そんなに頭下げてもうたら、僕偉いんかなと思うて錯覚起こす気がしますんで、そこら今後、我々はそういうことを感じませんので、ひとつそういうふうな形で質問、答弁をしたらと、このように思います。
 15号台風も、どうやら直撃をそれたそうであります。12号台風の損害、状況については、それぞれきのうから皆さんが述べられておりました。
 私も、今度の12号台風の、特に豪雨による災害なんです。昔から「人は水に勝てん」という言葉がありますけども、特に水害の被害が多かって、多くの死者、行方不明が出たということで、御冥福をお祈りしたいと思います。
 また、道路や河川、公共施設、住宅に大きな被害を与えられました。そういうことで、被災者の皆さんにもお見舞いを申し上げたいと思います。
 実は、今回、4日間の一般質問が2日になったわけなんです。我々が所管する建設委員会として、この2日間を有効に使おうやないかということで相談をいたしました。ひとつ被災地のほうへ行ってお手伝いをして現地視察をしようやないかと、こういう相談をしたんです。ところが、我々の委員会が高齢者ぞろいでございまして、行って足手まといになるようなことにならんかなという話も出まして、じゃ、質素に現地視察に行こうやないかと、こういうことになりまして、7名全員が出席し、ガイドも入れずに担当者を随行する中で、クッションの悪いマイクロバスに乗って、できるだけ時間を無駄にしないということで、昼食も走りながら、バスの中でとりながら現地へ向かいました。
 日高川沿線をずっと行かせていただいて、美山、龍神、そして本宮、熊野川と、こういうような形でしたわけなんですけども、話に聞いたり、説明を受けてる以上に大きな被害やなあということを感じました。
 そういった被害に対して一日でも早い復旧をということで、知事を筆頭に、職員の皆さん、それぞれ関係機関の皆さん、ボランティアの皆さんが一生懸命復旧に向けて活躍いただいてるということに心から感謝を申し上げたいと、このように思います。
 知事も申されておりましたように、国の支援を受けながら、議会もともに復旧復興に向けて頑張らないかんなと、こういう決意をした次第でございます。まあ、ともに頑張りましょう。
 次に、知事さんにひとつ感想と今後の取り組みについてお聞きしたいと思います。
 9月の7日に、紀の川市の行政報告会がございました。前回の紀の川市の報告会のときは大雪で中止になったんです。今回計画したら台風の真後やということでありまして、こらうまいこといかんなと思ってたんですけども、会場が満杯になりました。
 知事も、被害対策の疲れも見せず元気よくさっそうと登場していただきまして、約1時間半ぐらいの報告をいただきました。途中、疲れるやろなと思うて見てて、茶を見てたんですけども、封切ってなかったんで飲みにくかったと思うんです。来てくれた人に手渡ししたあの資料もわかりやすく、よくできてたと思います。
 私、知事さんより、和歌山県の現状あるいは課題、今後の取り組みについて、いろいろと報告をしていただいておりました。聞かしていただいてて、隣の方々とも話をしてたんですけども、少しこの時間の中で、12号台風の状況と対策について時間をかなり割いておられたように思うんです。そういう結果、後へ時間が押してきたというような状況になってたと思うんです。しかし、皆、一生懸命静かに聞かれて、いい行政報告会だったと私思います。
 報告が終わりましても、あと質問なり要望をお受けになられて、またその後、懇談されてたと。これはあんまり時間足らんぐらい頑張ってるなということを私、感じました。
 そこでもう1つ、見えられた人に話を聞いたんですけども、紀の川市としては、台風の報告云々はテレビや新聞で見てる、直接紀の川市にあんまり、紀南のほうのような被害もなかったという関係もあったと思うんですけども、京奈和なり、紀の川市を取り巻く道路状況、あるいは地域の課題や今後の取り組みについてもう少し詳しく知りたかったなと、こういう意見がございました。
 そういうことも含めて、今後参考にしていただくという中で、ひとつ感想とともに、今後、行政報告会をどのように取り組まれるか、ひとつお話しいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) ただいまの服部一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 決してへりくだってるわけではございませんが、どうも割合ちゃんと礼をするというのが癖になってるもんですから、大変失礼いたしました。
 行政報告会でございますけども、これは、私、知事になってからしばらくはやっておりませんで、21年になってから、これはやるべきだなと思いついて、それで始めて、今はもう2周ぐらいになってるんですけど、大体各市町村──和歌山市はちょっと人口多いんで何回かやるとして、1年に1回ぐらいは何とかできるだろうということでさしていただいております。
 割合、県庁で県政をやってることについては、記者会見も多くしておりますし、いろんなことをやってるんですが、やっぱりメディアは取捨選択してしか広報して載せてくれない。したがって、これはやっぱり自分でしゃべりに行かないといかんなあということで行かしていただいております。
 人を集める、声をかけていただくというのは結構大変なんで、これは地元の市町村とか、あるいは町内会とかいう方々に随分御尽力いただいておりまして、感謝申し上げております。
 それから、私どものほうから申し上げるだけじゃなくて、やっぱり聴衆の反応を聞いててもいろんなことがわかりますし、それから御意見をできるだけいただくことにしていて、それは聞きっ放しでその場は何かいいかげんに言ってごまかすというんじゃなくて、ちゃんと拾ってお答えできることはして、できないことは宿題として持って帰って対応するというのをきちんとやっております。
 こういうふうにして県民の皆さんと親しく接することができるのは大変ありがたいことだなというふうに考えておるところです。
 なお、先ほどお話がありましたように、ちょっと水害の直後だったもんですから、それについて長くなったかなあという感じがありまして、もともとの自分に対する戒めとしては、県政全体のことをしゃべるだけじゃなくて、やっぱり地元、地元のそれぞれの関心に配慮してしゃべらないかんなと思ってるところですが、今回は少しそれが至らなかったかもしれません。
 今後とも頑張ってやっていきますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 今後も大変お忙しいと思いますけども、ひとつ続けられたら、さらに効果が上がるんじゃないかと思います。
 一般質問に入りたいと思います。
 まず、企画部長に質問をいたします。──さっきから言うてたんやけども、控席へ座っとかんと、遠いところにいてるんだから。
 企画部長には過疎対策についてお尋ねをいたしたいと思います。
 和歌山県の人口、もう100万人を切りました。97万人を1つのめどとして、今後、人口減に歯どめをかけようやないかということで取り組んでるわけでありますけども、なかなか今の社会情勢、時代からいきまして、そうはいきにくいんじゃないかという感じがいたします。
 この人口の原因については、県外流出もありますけども、少子高齢化、特に過疎地に対する人口の減少というのは大きな要素を持ってるじゃないかと、このように思います。
 そこで、和歌山県には過疎指定を受けたのが、30市町村の中で16あると思うんです。この指定を受けた市町村、地域については、過疎対策債等も含めまして、いろんな対策、支援というのが行われてると思うんです。
 ところが、この指定を受けてない14市町村、地域についてであります。
 こういった地域は、一見、紀の川市のように派手に見えるけども、かなり山間地が多いということであります。人は少なくなってくる、土地は荒れてくる、地域の活性化ということよりも維持をしにくいというような状況が出てるんです。ここへ手を加えないと、やがて限界集落に近づいてくるというのが、私、目に見えてると、このように思うんです。
 もちろん、生活道路、医療の問題、いろいろ対策、対応があろうと思いますけども、こういった指定を受けてない過疎地域の対策ということについて、どのように考えて、どのように取り組むか、お答えいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 企画部長。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 県下には、急激に人口が減少して高齢化が進展して生活機能が低下している、いわゆる過疎地域というのはたくさんございます。昨年、このために、私どものほうでは、地域の住民の方々とか、また市町村の方々、その地域の固有の課題を洗い出して活性化に結びつけていく、いわゆる過疎集落支援総合対策というのを実施してございます。
 この対策につきましては、もちろん過疎地域のところは対象になっておるんですが、その過疎地に準ずるようなところ、先ほど議員お話がございましたようなところに対しても対象にしてございまして、具体的には、県下に今、10市町村14生活圏で対策を講じておるわけですが、その中には過疎地域の指定を受けてないみなべ町清川地区というのも含まれてございます。
 今後はこういうところの対策につきましても、皆さんと一緒になってきめ細やかな対策をしていきたいというふうに考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 そのように、前向きにこっち向いてやってもうたら結構でございます。
 通告してないんですけども、この過疎指定というのはどこがやるんですか。基準はありますか。
○議長(新島 雄君) 企画部長。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 過疎地域はいわゆる国土交通省というところがやるんですけども、基準というのも、人口の減少率ですとか、それから地域のいわゆる経済の活性化の状況とか、そういうもろもろの状況を精査いたしまして指定をされているところでございます。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 私もそういった過疎化が進む地域に住んでいますので、どうぞひとつよろしくお願いしたいと思います。
 次に、農林水産部長に3点ばかり質問をさしていただきたいと思います。
 過疎対策に関連してなんですけども、きのうも雑賀議員、平木議員が質問されまして知事が答弁されましたけども、防災のため池であります。
 私、議員に当選さしていただいて、一番気になって取り組んだのが、このため池なんです。御存じのように、淡路島のあの大震災のときにも池が幾つか決壊して大きな被害が出たということで、この池の決壊ということに対する被害というのは大変大きいもんがあると思うんです。
 平成の17年に国から自治体へ里道水路の払い下げを受けてると思うんです。聞くところによると、和歌山県に5500ほどのため池があると聞いておるんですけども、この払い下げを受けた時点での池の分類というのは、どういうような数字になってあらわれてるんか。官地であるとか、水利組合であるとか、個人持ちであるとかということについて、まず分類の数字をお聞かせいただきたいと、このように思います。──もう一遍に答えてくれたらええさかいに。
 ため池の点検なり今後の対応については、既に部長なり知事のほうから答弁されておりますので、重複の面は避けていただいて結構でありますけども、特に個人持ちの池については、老朽化してるところへ、もう利用してないという池が、これは山間地の山手に行くほどそういった池があるわけなんです。
 私の近くの那賀町から私の実家までの間に、13、池が並んでるんです。上へ行くほど危険な池があるんです。竹が生えたり、木が生えたりというようなことがあるんです。草刈っても、草を焼きもせんとそのままほうるからイノシシが暴れるというような大変危険な状態があると。1つ、小さくても、上の池が決壊しますとドミノ倒し式に大きな被害が出てくる、こういうようなことが起こると思うんです。
 私は、災害防止も含めてなんですけども、池の活用というのも1つの考え方ではないかということを提案したいんですけども──これは水利権者のいろんな意向や考え方もあると思うんで、なかなか一挙にいかんと思うんですけども──そういったことで、ため池の危険度ということについては、特に今後注意を払っていかな、大きな地震が来たら一番先に被害が出てくると、このように思うんです。
 ところが、和歌山県が5000からの池を全部管理するというのはなかなか難しい問題だと思うんです。そこで、それぞれの自治体に、きのうも平木議員が言われておりましたけども、もっと管理や指導をする体制をこしらえて、それを、報告を義務づけるような形をとらなんだら、これ1つ決壊したら大変な県の負担にもなってくると、こういうようなことが、私、起こると思うんです。そこらも踏まえた形で、この老朽ため池の点検なり今後の対応ということをしていかないかんのじゃないかと、このように思います。
 この分類をまずひとつ聞かしていただきたいと思います。
 その次に、鳥獣害対策であります。
 大変な鳥獣害によって、いろんな形であれやこれやと対応をされております。
○議長(新島 雄君) 服部議員、分割質問というふうになっておりますんで。(「しかし、もう一発でいこうや。同じや」と呼ぶ者あり)そこまで。次の……。(「議長の言うようにします」と呼ぶ者あり)
 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) まず、ため池の総数ですけれども、議員から発言がございましたように、約5500、そのうち市町村有が約2000、国有が約400、個人が約2500で、市町村と個人で8割以上を占めております。
 それから、危険度の把握につきましては、繰り返しになりますけれども、平成16年度から、市町村の地域防災計画で危険ため池と記載されてるような池など420カ所でため池の耐震診断を目視で実施いたしました。その結果、危険度の大きいと判定したため池は220ございまして、中で危険度の高い箇所から順次2次診断を進めており、現在、82カ所の診断を終わりました。62カ所が要注意ため池と把握しております。
 それから、新潟県の中越地震等によりまして、農業用のため池の緊急点検を平成17年度に、全国一斉ですけれども、実施いたしました。このときに、0.5ヘクタールから2ヘクタール未満のため池1287カ所については、市町村のほうに診断をお願いいたしました。それから、2ヘクタール以上の受益面積のところ1143については、県のほうで診断を実施いたしました。
 その結果、2ヘクタール以上の県が診断したところについては、72カ所が早急な整備が必要と考えております。また、市町村で行っていただいたところについては、176カ所が危険と考えております。
 こうした情報につきましては、市町村並びに地元のほうに、市町村を通じて情報を提供しております。
 それから、日常点検推進のためにマニュアル、冊子を作成いたしまして、いろんなチェックポイントを記載しておりますけれども、そのマニュアルを基本にため池の現状把握を行うように指導しております。
 先ほど発言がございましたように、市町村に点検の状況、これを今後、毎年ということはなかなか数が多いから無理とは思いますが、点検の状況を報告していただいて、漏れがないかをチェックしたいと考えております。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 数のことですけども、早急に点検をしていただきたいと思います。そうでなかったら、那賀町のあの愛宕池のように、点検をしててもああいう決壊が起こるということがありますんで、地元の管理したり、よく知ってる人の意見も聞くのも1つではないかと、このように思います。
 では次に、鳥獣害対策についてお尋ねいたします。
 農業をやってる人、あるいは家庭菜園をやってる人まで、この鳥獣害の被害に大変悩んでる。収穫前にそがれるということで、意欲ものうならなしてくるというふうな、こういう状態の中で、もうぼちぼち頭へ来てるというような状況が出てると思います。
 そこで知事さんも奮発して今年度は鳥獣害対策費を3億100万と倍増されたわけなんですけども、防護に力を入れてるのか、さっぱり鳥獣害の動物等が、鳥獣の数が減らないというのが現状であると思うんです。
 そこで、捕獲に力を入れるという対策というのが、これは大きな課題じゃないかと思うんです。ところが、捕獲するには、わなの規制、許可等が出てくると思うんです。ここらをもっと和歌山県独自の捕獲体制というのができないもんかなということを常々考えるわけなんです。
 猟友会の皆さん方も鳥獣害対策に対して大変努力をいただいてるわけなんですけども、めったに当たらんのか、撃って提げてんの見たことないんです。犬がほえるから山を越えて向こうへ行きますけども、猟期が終わったらまた戻ってくると、こういうような繰り返しが続いてるわけなんです。
 この鳥獣害対策の予算の執行の仕方は、現在どないなってるか。どういうようなもんに執行してるのか。また、事業年度までにどういう計画をされてるのか。それと、防護よりも捕獲ということにどういう思い切った対策を講じるのか。御答弁ください。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 今お話がございましたように、本年度から大幅に予算を増額し、捕獲、防護、環境整備を3本柱として総合的に実施しております。
 ただ、後ほど申し上げますが、私どもは「守る」から「とる」ほうに重点を移しつつございます。とるほうにつきまして、シカの管理捕獲なんですけれども、ことしの4月から5月20日までの間、県下全域で管理捕獲を行いまして、1500の捕獲目標をほぼ達成いたしました。
 それから、有害鳥獣の捕獲全般についてでございますけれども、8月末現在の時点では、昨年に比べて1.8倍の捕獲の実績を上げております。
 なお、参考までに申し上げますと、防護につきましては、昨年まで2戸以上となっておりました設置要件を緩和いたしまして、つまり単独1戸でもでき得るように改正いたしまして、前年度の2.7倍に予算を大幅に拡充いたしまして、それでも市町村からの要望に満たないので、また改めて補正等をお願いしたいと考えております。
 それから、環境整備ということなんですけれども、集落に鳥獣を近寄せないということも非常に大事でございますので、ことしから県下7カ所に1カ所30万円の予算で、何に使ってもいいですから鳥獣害を防ぐための仕組みというんですか、いろいろ地域に応じて工夫してくださいという予算も新しく設けました。
 次に、先ほど申し上げました防護から捕獲ということなんですけれども、例えば先ほど申し上げましたシカの管理捕獲。管理捕獲というのは、これは個体数調整でございまして、まさにとる対策に重点を置いた取り組みでございます。
 また、新たに本年度から現地で、わなの仕掛け方というんですか、わな猟の捕獲技術研修を実施することといたしまして、これまでに県下8カ所で研修を行い、264人の方に受講していただいております。
 それから、今、第11次の鳥獣保護事業計画というものを来年4月からの施行に向けて策定しておるんですけれども、その中で、私どもとしましては、有害鳥獣の捕獲効果が上がるような方法を検討しております。
 具体的には、例えばわな猟について、狩猟免許を持っていない人でも補助者としてわな猟の有害鳥獣捕獲に参加できる仕組みをつくる、あるいはわな猟の捕獲従事者を、今、狩猟経験が2年以上ないとだめなんですけれども、これを1年に短縮する、こういったようなことを具体的に検討している、そういう状況でございます。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 池のコイの数を読んでんのと違うて、いてる数がわからんと思いますんで、もう全力挙げて捕獲に対策を講じていただきたいと思います。
 時間が迫ってきましたので急ぎます。
 射撃場の建設について、お答えをいただきたいと思います。
 この射撃場の問題については、当初は今度の国体に向けて、国体の競技場も併設した形でということで発想が出まして、応募した結果、湯浅町が手を挙げられて調査に入り検討したという中で、条件がそろわなくて中止になったということがあります。以後、それぞれこの問題についても議員からも質問がされたと思います。
 この射撃場の建設については、とにかく3つの条件をクリアすることという1つの条件が、ついてると思うんです。今から考えて、国体とともにというような射撃場は、時間的にもなかなか難しい問題があろうと思います。ただ、猟友会、クレーの皆さん方がこれに向かってということで、要望もかなり出てきております。今のところ、紀の川市にその候補地があると聞いてるわけなんですけども、なかなかこの3つの条件をクリアしようと思うたら難しいという問題があると思います。
 要は、特に猟友会の皆さん方がおっしゃるのには、銃の更新のときに実射をせないかん、あるいはまた練習、訓練も必要やということが1つの大きな目標だと思います。そういったことを仮に満たすとしても、やはり前から言ってるこの条件をクリアしてもらうということに変わりはないのかどうかということなんです。
 ある程度方針なり方向を決めないと、何とかしたら、要望していたら、これ、できんの違うかなということになってくると思うんです。県の財政支援そのものも、するのかしないのかということ、今のところはっきりわかってないような状態だと思うんです。
 そういったことを総合する中で、今後、射撃場の建設ということについて、ほんまに取り組むんかどうすんのかということをひとつはっきりと言うといてくださいよ。農林水産部長、お答えください。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 正直に申し上げまして、農林水産部長として答えるのは難しいところがございますが、射撃場につきましては、昨年6月、12月の本会議においても申し上げましたように、3つの条件が現在も基本となっております。
 1つは地元市町村の応分の負担、市町村による住民同意の取りつけ、それから運営主体の存在、つまり県費を投入しなくても自前で回っていける運営という、この3つが基本条件となっております。
 私といたしましては、この3つの条件は計画を本格的に検討するための前提条件であると理解しております。つまり、この3つの条件が確実に担保された上で、雇用あるいは狩猟効果とか、その他いろいろ地域経済への波及効果等を検討いたしまして、その上で、議員発言がございましたように、財政状況、非常に厳しき現下において設置すべきか否か、大局的な立場から最終的な判断がなされるものと受けとめております。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 大変な決断が要るだろうと思います。
 要は、先ほどから言いましたように、猟友会あるいはクレーの皆さん方の更新なり練習ということを想定する中で、今回どこでお借りすんのか知りませんけども、800万の事業費の中で420万ほど県がそういった皆さん方に補助するというように提案されてると思うんです。遠いか近いかわかりませんけども、そういった熱望する皆さん方の要望を満たすという面から考えて、そういった射撃場の設置に向けて取り組もうとしてる皆さん方とも、費用の面でも経費の面でも一遍相談をして進めてはどうかと、このように思ってますんで、そこら、その辺取り組んでみてくださいよ。──もう農林水産部長はそれで結構でございます。
 次に、教育について御質問を申し上げたいと思います。
 質問の前に、西下教育長がさっそうとデビューをされました。教育畑を長いこと歩まれまして立派に指導もされてきた、そういった手腕を抜てきされて教育長に就任されたわけなんです。大変私も、元気のあるところで期待をしております。
 就任時のあいさつの中でも触れられておりましたけども、ひとつここで和歌山県の教育のあり方ということ、教育長の指針をお聞かせいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 温かい激励の言葉、ありがとうございます。
 教育長に就任して以来、今日の本当にさまざまな社会状況に思いをいたして、改めて教育というのは、未来への責任であるということと同時に、和歌山の元気というのは子供の元気からだというふうに痛感しております。
 教育は、古来、「国家百年の大計」であるとも言われてます。あすの和歌山、将来の日本のために、まず地域を、ふるさとの伝統文化を大切にしながら、どのような困難な状況にあっても社会を支える、そういう国際社会で活躍できる志の高い人材というものを育成してまいりたいというふうに考えてございます。
 具体的には、県内のすべての学校において、基本的理念ですが、お互いに子供たちが支え合い、励まし合い、競い合い、鍛え合いながら、本当にたくましい人材となるよう、そういう教育を推進してまいりたいと考えてございます。
 また、教育を取り巻く、特に和歌山県の状況を考えてみますときに、とりわけ学力だとか体力の向上、また厳しい状況にある高校生の就職状況、生徒指導に係るさまざまな諸問題、そういう早急にしなければならない諸課題が山積しておりますので、こういう問題に対しては、早急に、積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
 また、今回の台風12号や東日本大震災の甚大な被害を通して、私も各学校を回ってみましたけども、改めて感じたことは、学校は地域に支えられてるということでございます。地域から信頼される学校、地域が誇りに思える学校であるということが何よりも大事ではないかというふうに思っております。
 地域と一体となった幅広い防災体制といったことも含め、地域と学校がともに子供をはぐくむということを柱にした、夢と希望をはぐくむ和歌山らしい教育というものを実現したいというふうに決意を新たにいたしております。
 こうした観点から、教育委員会といたしましては、これまでも地域共有コミュニティなどに取り組んでまいりましたけども、この取り組みを一層充実させ、地域ととともに歩み、県民から本当に信頼される教育というものを実現したいというふうに考えてございます。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 今、すばらしい考え、取り組み方を聞かしていただきました。うまくやっていただきますと長いことやっていただけると思いますんで、またひとつ頑張っていただきたいと思います。
 次に、2点ばかり、関連してますので、もう一括して答えてください。
 和歌山北高校と和歌山西高校の統合であります。
 これは、教育長が就任する前からこの構想というのは出てたと思うんです。地域の皆さん方あるいはPTAの役員の方々、また地元の議員さんあたりとの話し合いもあったんじゃないかと、私、このように思うんです。
 学区制がのうなりましたので、紀の川筋からでも志願できるわけなんです。「今度、北高と西高、統合するらしいな。どんな学校になんのよ」という話を聞くわけなんです。志願をしようと思てる子供は、立派な学校になるんやろなあということを期待してるわけなんです。
 ところが、具体的な施設なり、いろんな構想というのは聞いてないし、これを聞こうと思たら、まだ発表する段階じゃないと、こういうことなんです。私、これから聞きますけども、言うて悪いことは言わんで結構でございますけども、後で私の考え方を述べたいと思います。
 まず、この北高と西高が統合に向いたということについての考え方、取り組みと、また長所、短所──利点、短所というんかな──これをひとつお聞かせいただきたいと思います。
 もう1つは、西高に支援学校を併設されるということなんです。理由は、支援学校の生徒数がふえてきたと、こういうように聞いてるわけなんです。園部に分校があり、また有功ケ丘学園もあるわけなんですけども、このコスモス支援学校が西高に併設されるという1つの理由をお聞かせいただきたいと思います。お答えいただいて後、私の考え方を申し上げたいと思います。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今、統合する和歌山西高校と和歌山北高校の問題でございますけども、校名は和歌山北高等学校として、現和歌山西高等学校の場所が統合校の西校舎、現北高校の場所が北校舎というふうにする予定でございます。
 この統合校になったいきさつというのは、私が承知してる範囲では、いわゆる生徒数の減、あるいは校舎の敷地の問題、それから老朽化の問題、そういうさまざまな問題から、統合してよりよい教育をしていこうということが出発点だというふうにお聞きしております。そういう中で、北高校のよさと、それから西高校のよさを生かしながら、学業とスポーツの両面で特徴のある学校を目指していきたいというふうに考えてございます。
 特に、北は北、西は西の生徒の特性がありますから、そういうものの中で、学力面では、生徒のさまざまな願いにこたえる教育を実現するために多様な科目を設置して、大学へ行きたい者、あるいは看護等医療関係の学校へ行きたい者、あるいは公務員等へ行きたい者、そういうふうな幅広い生徒の願いにこたえる教育を進めてまいりたいと、特にクラブ活動にも力を入れながら、たくましく心豊かな人間性をはぐくんでまいりたいというふうに考えてございます。
 特に、スポーツ健康科学科というものを併置していきますので、そこでは、トップアスリートの育成はもちろん、将来スポーツに携わる人材の育成にも力を入れていきたいというふうに思ってございます。
 スポーツ健康科学科でございますけども、これまで和歌山北高等学校で取り組んできた体育科の教育内容を基本としながらも、新しく時代に即応した健康だとか医療、科学分析などの要素も含め、従来の生徒の競技力の向上を図ることはもちろんですが、スポーツトレーナーや、あるいはインストラクター、あるいは健康や医療、福祉関係など、将来スポーツを基本として健康に関連した職業に携わる人材の育成に力を注いでまいります。
 統合校の環境整備という点では、授業やクラブ活動において、北校舎と西校舎の両方のグラウンド及び体育館の有効活用を進めるとともに、今後一層の競技力向上を図れるよう、本県の高校のスポーツの拠点校として、中心校として体育施設の設備の充実に向けた計画を立ててまいりたいと考えてございます。
 寄宿舎の設置やトレーニング設備の充実、授業で取り組むスポーツ科学や健康に関する分野の機器の充実についても図ってまいりたいというふうに考えてございます。
 特に、先ほど特別支援学校のお話ございましたけども、和歌山市内における特別支援学校児童生徒数が増加をいたしております。そのことに伴って、特別支援学校の適切な配置とその教育の充実を図るために、新設の特別支援学校を統合校の西校舎に併置して開校することにいたしております。
 この統合校と特別支援学校が1つの校地になりますけれども、西校舎は通常の県立高等学校の2倍近くの校地がございますので、両校ともに円滑な学校運営ができるというふうに考えてございます。
 魅力ある新しい学校を創造してまいりたいというふうに考えてございます。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 服部 一君。
  〔服部 一君、登壇〕
○服部 一君 もうあと答弁は要りませんけれども、今の答弁に対して私の考え方を申し上げたいと思います。
 1つ2つ、私、現時点において気に入らんことがあるんです。
 この間、教育委員会からだったと思うんですけど、お知らせということで、学科名の変更ということで来ました。志願数については後日お知らせしますと、こういう文書であったと思うんです。
 私は、この北校と西校の統合については早くから検討されて、こういった構想というのは知事にも報告というか相談をされてると思うんです。
 教育委員会制度というのは、昔は政治と教育が一体化してたんですけども、今の教育委員会制度については、いかに信任を受けた首長であっても学校教育の運営には入り込めないと、こういうことがあるわけなんです。ところが、いよいよという今の構想、計画を実現しようと思いますと、建築費、施設費等は、これ、議会の議決がなかったら進まんわけなんです。
 私は、いろんな角度からうわさが入ってくるわけなんです。情報も入ってくるわけなんです。特に、今、教育長は、運営面、いろんな面で答弁されましたけども、施設の面については触れられませんでした。これは、今、教育長としては言えない立場にあるんかなと思うんですけども、これは私、不思議に思うんです。
 来年からいよいよ統合が始まる、新高校が始まるということで、施設の設計については来年の予算に上げてくると、私、聞いてるわけなんです。予算の編成、査定というのは、もう間もなく、10月になったら入ってくると思うんです。知事の査定は遅くとも入ってくると思うんです。その時点で全体の構想、施設も含めた構想がなかったら、その中の一部だけ議会へ提案するということをしても通らんわけなんです。なぜこういった大きな構想が、大きな経費も事業費もかかるというような状況のもんが、全体に伏せとくというか、話ができないんかということ、私、不思議なんです。
 私、考えるのに、早くそういった大きな全体構想を打ち出したら財政のほうから締めが来るん違うかなということで気遣いしてるの違うかなと、こういうふうに私、思うんです。
 こういった日本にもない立派な学校をこしらえようかと、施設もこしらえようかという中で、私聞くのに、プールは50メーターで3コースか4コースぐらいやと、その上に格技場を建てたいんだと、トラックは400メーターとりたいけども、370メーターしかできやんのやと、こういう話を聞いてるんです。
 ほんまかうそかということは確認しませんけれども、こういった、今言われたように日本でも有名な立派な生徒、選手を養成するという、科学的なもんも入れた中でというような状況の学校をつくっていくについては、中途半端違うんかという気がするんです。やっぱり思い切った将来に向けた施設ということを今すべきと違うんかと。私、反対じゃないんです。支援をするんです。
 財政もよう聞いておいてほしいんですけども、こういったすばらしい取り組みで、国体に向けても頑張っておられますし、そういったスポーツ選手、体育ということについて、ひとつ和歌山県としてすばらしい全国的なもんにすんのやというぐらいの気構えで望まなんだら、財政で締められんの違うかなという心配してたら、何にもできやんと思うんです。
 そういったことについて、この施設面については、西高校にも寄せてもらいましたけども、かなり広いですよ。ところが、370メーターの中途半端なトラックって、ほかへ行ったってないんですよ。だから、そういったことも今後まだ考える余地があるんだったら考えてはと思うのと、もう1つ、支援学校の新設なんです。
 支援学校の生徒がふえてきたから、西校舎、西高へ、敷地も広いしということを言われておりますけども、これ、健常者というか、健康な子供が西高にいてるんですよ。そこへ支援をしてあげやんなん子供が同じ敷地内へ来るんですよ。どういった運営の仕方をするかということの中に、子供同士の弊害が起こるんと違うかなということを私自身感じるんです。
 願わくば、その支援してあげやんなん子供の数がふえてくるというような状況であるんなら、思い切っていろんな将来の社会復帰ができるような、そういった設備、環境をそろえた1つの学校をこしらえてやるべきと違うんかと。そうしますと、有功ケ丘学園、そういった福祉関係の学校も1カ所へ寄せられると。まだまだそういった検討の余地があるんだったら検討してはどうかと。
 学生寮もこしらえるという状況も聞いてますけども、支援をしてあげやんなん子供たちがプールで泳いでる、格技場で騒いでるのを見たときに、同じ温泉プールで入ろうと思たて、正規のプールというのは2メーターからあるから入られへんですよ。
 いろんなことを想定する中で、この支援学校の新設ということも、今もう考えられやんのかどうかわかりませんけども、ひとつ体育施設の思い切ったそういう学校をつくるんだったら、支援学校の施設も一遍考えてみてはどうかなと、このように思います。また、いろいろ提案されてきた時点で詳しく聞きたいと思います。
 これで、以上、一般質問を終わります。
○議長(新島 雄君) 以上で、服部一君の質問が終了いたしました。

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