平成23年9月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


平成23年9月 和歌山県議会定例会会議録

第2号(立谷誠一議員の質疑及び一般質問)


汎用性を考慮してJIS第1・2水準文字の範囲で表示しているため、会議録正本とは一部表記の異なるものがあります。

正しい表記は「人名等の正しい表記」をご覧ください。

  午後1時0分再開
○議長(新島 雄君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 2番立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕(拍手)
○立谷誠一君 議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 きょう、私は、一問一答方式をさせていただきますので、こちらのほうからよろしくお願いします。
 まず、さきの台風12号の襲来により、紀伊半島は大変な被害を受けました。特に和歌山県は、近年にない大きな災害となりました。多くの人命が奪われるとともに、生活基盤である住宅や田や畑、山林や漁業施設等にも大きな被害をもたらしました。亡くなられました方々に心よりの御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害を受けられました皆様に一日も早い復興を祈念いたします。
 また、今回の台風12号の発生から日本海へ抜けるまでの期間、県知事初め県職員の皆様方には、昼夜を通して県民の生命と財産を守るため最大限の御尽力をいただき、私たち議員にも刻々と変化する情報をお送りいただきましたこと、その御努力と御配慮に感謝を申し上げたいと思います。
 さて、一般質問に入らせていただきます。
 まず、県当局として、台風12号の現時点での総括をどのようにされているのでしょうか、お伺いをいたします。
○議長(新島 雄君) ただいまの立谷誠一君の質問に対する答弁を求めます。
 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 台風第12号により、県内各地の観測記録を更新する大雨となり、紀中地方から紀南地方を中心に甚大な被害が発生いたしました。県では直ちに災害対策本部を設置し、市町村や関係機関と連携しつつ、被害の把握と応急対策に取り組んでおるところでございますが、被害は余りに深刻でございます。
 9月20日6時までに把握している被害の概要といたしましては、大雨により各地で土砂崩れが発生、また熊野川、那智川などの河川がはんらんし、死者47名、行方不明8名、建物の全半壊252棟など、痛ましい大災害となりました。
 また、内陸部に至る幹線道路である国道168号、311号など、救援活動や生活を行っていく上で大切な道路が土砂崩れなどの被害を受け、鉄道もJR紀勢本線の那智川にかかる鉄橋が流出するなど、運行に支障が出ております。電気、水道、電話などのライフラインにつきましても、施設・設備が被災し、広範囲にわたり断絶し、県民の生活に影響が出ました。
 被害は、人的被害や住居被害、道路や河川などの公共施設だけではなく、農林水産業や紀南地方の観光業まで及んでおります。
 被害の全容については、いまだ行方不明者も残り、被害額も含めてすべてが明らかになったわけではありませんが、平成になってから最も大きな台風被害であり、記録的な大災害との認識のもと、被害者の救済を初め、一日も早い災害復旧に向け、関係機関とともに全力で取り組んでおるところでございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 ありがとうございます。
 私は、これ今回の災害ですが、よくまちの皆さんにお聞きしましても、20年、30年に一遍の大きな台風だったな、そんな感覚を持たれてる方もおられますけれども、注意しなければならないことの1つに、これ、もう地球環境的にこうした時代を迎えてる可能性がある。
 それは、今まで何10年に1回というサイクルでこうした激甚と言われるような災害を受けるようなことになりましたけれども、これからひょっとしたら3年、5年の周期でこういう事態が起こる可能性もある。そのための体制づくりを、それは予算的なことであったりとか、住民の皆さん方、県民の皆さん方に対する啓発啓蒙のことであったりとか、いろいろそんなことも含めて、その新しい時代に対する対応を考えていく必要があると、そのように考えます。
 そういった意味で、ぜひまたそういう側面でもお力添えをいただきたい、御尽力いただきたいと思います。
 それでは、答弁は結構ですので、2つ目に入らせていただきます。
 通告では、もう1週間ほど前ですので、激甚災害の認定の状態をお尋ねする予定になっていましたが、きょうは激甚災害の、政府のほうで閣議決定があったということですので、内容を少し変えさせていただきたいと思います。
 激甚災害の認定についてどう対応されているのかお伺いする予定でしたが、激甚災害の認定が、先ほどもお話ししましたが、本日下ったということですので、こうした取り組みに対して、県知事初め当局の皆さん方の御尽力に心から敬意と感謝を申し上げたいと思います。
 ただ、一方、国に対して一言申し上げたいと思います。
 10日ほど前に、自由民主党の谷垣総裁が白浜空港にお見えになりました。その席に地元ということで私も呼んでいただきまして、県議会からは県議長を初め、地元の周辺市町村の議員の皆さん方初め、大勢の皆さん方がおいででしたが、その席でも激甚災害の真っ先の対応をお願いしたいと、そういう趣旨のお願いをさせていただきましたところ、同席していただいてました代議士の方から、「もう出たつもりでやってほしい」というお話もありました。しかし、見込みでするというのは、やはり行政としてはなかなか難しい。我々も見込みという中で人々にその話をすることができない、そういうジレンマがありました。
 きょうは閣議決定があったということですけれども、ちょっと数えてみたんですけど、15~16日かかってるんです。その席で代議士のほうからも、激甚災害の状態、「計算らせんだって見たらわかる」という言葉を言われていました。私も見たらわかるんと違うんかなと思ったぐらいです。
 お願いは、もっとスピード感ある取り組みを国民は望んでる、このシグナルをぜひ国のほうに発信をしていただきたいと思いますが、このことについて御見解をお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 危機管理監。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) お答え申し上げます。
 通常でございますと、激甚災害に指定するまでに約1カ月程度かかるというふうに聞いてございます。本来はそれぞれの分野で被害額を上げて、それで中央防災会議の意見等を聞きながら決めるという順番になっておりますが、今回の決定については、私どもは異例の早さだというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 はい、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次に移らせていただきます。
 次に、県民に対する警報等の災害予報連絡体制についてお伺いをいたします。
 この表現方法が適切かどうかはまた御指摘をいただけたらと思いますが、県下各市町村の警報等の災害予報連絡体制、どうなってるんやろかと。この台風で地域全体が大混乱の中で、そういうふうに感じてしまいました。
 特に、私は西牟婁郡内ですので、西牟婁郡内では情報が錯綜していたように感じます。例えば、下流の住民に対して、富田川上流の滝尻地区で土砂崩れが発生し、前面の富田川がせきとめられたので避難をすることを促す放送が、もう台風過ぎて久しい9月の10日過ぎにでも、まだ現在においてでも、行政放送により流されていました。
 しかし、その台風が通過した翌日に県の担当の職員の方にお伺いすると、一部せきとめられたが十分流れていますので、鉄砲水のようなことが起こって下流域がつかるようなことはないでしょう、そんなお返事でした。
 私自身も台風通過後の4日の日と、それから10日の2回、現場へ行き、現状を確認いたしましたが、確かに大きな土砂崩れというか土石流が発生していましたが、川幅全体ではありませんでした。したがって、残された3割ほどの川幅からは水が排出されているため、水位も下がっていて、身の危険を感じることは正直ありませんでした。このことに関連しまして、一部新聞報道でも、決壊したといううわさが流れたという報道が載っていました。こうした事柄が不安を助長していると、このように感じた次第です。
 これは、正しい情報が正確に届いていないことの証左だと思いました。今後に大きな教訓をいろいろと残している、こういうことでもあると考えます。こういったことも含めて、そうした情報の管理、あるいは報道のあり方についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 危機管理監。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) お答え申し上げます。
 富田川沿いの避難勧告等や警報につきましては、9月4日、土砂崩れの現場の状況に基づく緊急情報として、田辺市中辺路行政局が注意喚起や避難を促す放送を行った旨を確認してございます。
 また、田辺市からの情報により、上富田町、白浜町でも同様の防災行政無線による注意喚起や避難を促す放送を行ったと聞いてございます。
 今回は、市町村が今まさに起こっている災害現場の情報をもとに、災害を発生させる可能性のある情報をみずから判断し、住民に迅速に広報したものであり、幸いにして被害を発生させるような状況には至りませんでしたが、住民の安全を確保するために行った放送については、適正なものと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 このことで、せんだって上富田町議会がありまして、そこでも議員さんから町長に向かってこのことについて質問があったようです。
 その質問は、避難するより川から離れるようにといった内容の、趣旨の放送に対して、どこに逃げていったらええんなというような住民の方々の声を議員さんが届けたと。そのことに対して町長が答弁をされてたと、こういうくだりなんですが、いろいろもっときめ細かい──私が地元におって感じるのは、滝尻の土石の崩壊によってせきとめ湖のようなことになってるこのことについても、放送だけ聞いておると、全体がせきとめられていつ決壊するかわからんと、そう頭の中が、住民の皆さん方が広がりを持つ。
 私が2回目に迂回路を通って現場に行くと、やっぱり下流の人らが入ったらあかんとこまで来て、その現場を見に来てるわけです。見て、ああ、こんなんだったんかって、一言、その方々とのやりとりすると、一体どんなになってるんかわからんさかい恐ろしいから、もう放送の内容がそれ以上の内容でないので、どんな事態になってるか見に来たんやと、それこそ危険だったら行ったら悪いような場所に来てるわけです。そんなこともありましたので、今後の参考になればと。
 それから、もう1点だけ、今の関係のことでこんなことありました。
 数日前なんですけど、富田川の橋を車で渡ってると。赤信号でとまったんで何気なく下見たら、アユ釣ってるんです。1人や2人じゃないんですよ。長いさおをかけてアユを釣ってるんです。上では決壊するかわからんと言うてるわけです。
 これ、住民の皆さん方の意識改革というか責任をやっぱり問わなきゃならん側面もありますけど、何でこんな事態になってるかというあたりも一度研究いただいて、住民が悪い、住民が悪い、おまんら言うこと聞かなんでんなて、これだけではなかなか済まんことというのが起こると思いますので、やっぱりこの放送のあり方、啓発のあり方、そういったことも、今回、いろんな小さな教訓ですけど、たくさんの教訓をもらえてると思うんです。これをまた県政あるいは地方自治の中でも反映していただけるようにお願いできたらなと思いました。
 そしたら、御答弁は結構ですので、次に移らせていただきます。ちょっと案件を多く用意しましたので、時間の関係もありますので進めさせていただきたいと思います。
 次に、山野の間伐材の処理対応についてですが、台風12号に伴う大雨によりまして道路が無数にえぐられ、橋が壊れ落ちていた。そのうちの幾つかは明らかに上流から流れてきた杉の木や草が川をふさぎまして小さなダムのようになり、道路の石垣やセメントづくりの擁壁を壊し、橋の橋脚にひっかかり、橋が壊されていることが確認できます。さらに、海まで流れ、海岸線に大量のごみとなって打ち上げられています。
 こうしたごみは、すべて上流より流れてきたものです。山で切られた間伐材が放置され、大雨により流れ落ち、道や橋を傷めながら海へ流れ込んでいるのは明白です。
 こうした機会に、間伐された木や雨で流されそうな草に対する処理対策を真剣に考える必要を感じます。このことに関して当局の御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 先生御指摘のように、先日の台風12号に伴う大雨による山崩れの際、立ち木が根こそぎ倒れる中で、森林内の間伐材もこれら立ち木とともに土石と一体となって流出したものと考えております。
 こうした状況を防ぐため、治山事業においては、間伐材を等高線上に整理するほか、簡易な施設を設置するなど、伐採した間伐材が斜面を転がり落ちないように林内に安全に処理しているところでございます。
 また、間伐事業についても、森林組合を初めとする林業事業体に対して、林内に安全に処理するよう働きかけ、山地災害の未然防止に努めているところでございます。今後、こうした努力を一層重ねていく所存でございます。
 また、県としましては、効率的に間伐材の搬出等を行う低コスト林業を積極的に進めており、この施策を進めることがこのような被害を防ぐ有効な対策と考えております。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 きょうは議長のお許しをいただいていますので、こんなもん用意しました、ちょっと大げさかわかりませんけど。(写真を示す)もう県当局の皆さん方、知事初め御存じのような写真です。
 これは、間伐された木が木と木の間に挟まってこういう状態を引き起こしてる。これも議員の皆さん方も御存じのとおりです。
 この間伐された木だけがこんなことになってないというのは、流木、これもそうなんですけど、これは実は大塔村のほうなんですけど、これもこの流木によってせきとめられて、もう川の場所が移動して、この橋が壊れています。これは流木だけが原因かといったら、そうではないかわからないですけれども、やはりこういう状態というのは異常だと思うんです。もう県下一帯がこういう事態になってまして。
 これはすさみ町です。すさみ町の県道の橋なんです。県道の橋が、これがこうして、たまたまこれ工事中でして余計ひっかかりやすかったということあると思うんです。ごめん、こんなん、いいですか。
 これがもう1個あるんですよ。こんなことになって、こんなに壊れてしもうたやつ。もうこれ、やり直しだと思う。橋全体を恐らくつぶしてしもてやり直しをしなければならないんじゃないかなと思うんです。こんな状態です。恐らく億の単位の金額が要りそうに思えます。
 あと、その後なんですよ。この川をおりて、漁港へおりてくるわけです。南風に乗って、これはすさみの写真なんですが、すさみの漁港なんですけど、これ、実は漁港の湾の中ですので、すさみの漁師の人が取らんなんらしいんです。すさみの役場が管理下にあるというか、県の管理以外のとこなんです。
 これ皆、大勢で出てやってるんですけど、7月の豪雨のときの写真なんですけど、当時30万円しかすさみに予算化できてないという話で、ジュースの1本ずつ配れんというふうなことでした。
 これ、やっぱり、私が思いますのは、海と山の一体管理というか、これをこれからの時代──これ、同じような写真で済みません。同じようなすさみの漁港の中なんです。毎回こんな事態が起こってまして、これに費用と時間的エネルギーが、漁師の皆さん方初め、行政の職員もそうですけど、物すごいとられています。完璧なことはなかなか自然のことですから難しいと思うんですが、やっぱり山と海の一体管理という発想で取り組んでいただきたいなと。
 間伐の話なんですが、やはり河川のはたに生えてる流木ごと、根っこごとおりてきて、壊されて、それが橋にかかって、あるいは道路をいじめたり、橋壊れてしもたりと。それから、それがダムみたいになって住宅のほうに、床上あるいは床下浸水になっていくと、こういうことというのは十分考えられますし、そういう現象が随所にありました。
 やっぱり間伐材の処理のあり方も含めて、繰り返しで悪いですが、真剣に考えていただいて、これ、やっぱり大事な我々県民の公共資産でありますし、大事なものですので、こうしたことで我々の資源が災害来るごとにこの繰り返しをさせられるて、こういうことから少しでも改善できないかなと、そんな意味でちょっと提言をさせていただきました。
 今、御答弁ありましたので、一般的にはその答弁というのは私も理解できますし、ただやっぱり問題意識、目的意識をもっともっと掘り下げて持っていただいて、これからの今後の災害に対応していただけたらと、そんなふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、次の項目に移らせていただきます。議長、よろしいでしょうか。
○議長(新島 雄君) どうぞ。
○立谷誠一君 それでは次に、県民に対する災害見舞金制度の見直しについてというテーマでお願いをさせていただきました。
 この災害見舞金制度の見直しという表現ですが、災害に遭われた家庭や住宅の姿を見てみますと、水が引くと避難所から自宅に帰りまして、水浸しになった自宅の掃除を始めています。そして、次々と水につかってしまった家の中のものを運び出し、数時間もするとその周辺に、空き地全体に、たんすや、冷蔵庫や、テレビや、本や、ふとんや、畳など積み上がり、あふれ返っています。すべて廃棄処分物として処理しなければならないごみとなってしまっているのです。資産として見てみましたら、やっぱり1軒当たり恐らく数100万円、新しいものを買おうとしたらそのぐらいの費用がいってるんじゃないかと思うほどの山のような廃棄物の、1軒当たりそんなものが出てきています。
 それで、こんな事態になったときに県の見舞制度ってどうなってるんかなと思っていましたところ、資料がありまして、いただくと、実は床上浸水で5000円てなってるんです。正直なところ、ちょっとお話しさせていただいて、お許しをいただきたいんやけど、僕、これ、配達してお見舞いの方に持っていけという立場になったとしたら、いや、これどうしょう、5000円持って、正直行きにくいなという気分になってしまいました。
 これが県の見舞金制度なんですけど(資料を示す)、ちなみに住宅の全壊で1万円、半壊で5000円、床上浸水で5000円と、重傷の負傷者が出たとき5000円と、こんな感じです。
 このお金の多寡が問題というよりは、やっぱり気持ちもそこになかったらあかんということはよくわかっていますし、県当局のお考えも以前聞きましたのでそのようにも感じるわけですけども、いま一度、でもこうした機会に、この金額がその災害やお見舞いをするという立場に立ったときの金額として妥当な現時点で金額なんかどうか、そこらあたりの御見解をお伺いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 福祉保健部長。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県民に対する災害見舞金制度の見直しにつきましてお答えいたします。
 今回の台風12号災害では、人的被害に加えて、建物の被害も相当な規模の被害が発生してございます。
 災害見舞金は、被災者の方々に県として弔慰などの意をあらわす見舞金でございます。当然、それだけで被災者の方々の支援ができるものとは考えていないところでございます。
 今は、被災された皆様の一日も早い復興が何よりも望まれるところでございますので、県といたしましても、災害見舞金のみならず、災害義援金とか被災者生活再建支援制度なども含め、さまざまな支援によって全体として被災者の方々の速やかな支援を行ってまいりたいというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 はい、お答えいただきました。現時点ではそういう御答弁というふうに感じます。
 今後、ただ、時代って変わってもいきますし、そうした中で、やはり適正な金額であったりとか、その時々のやっぱり経済状況、それから県のありようの事態の状態も含めて、また御検討いただけたらと思う次第でございます。どうぞよろしくお願いします。
 そしたら、次に移らせていただきます。
 台風12号関係の最後の案件です。森林伐採後の地上権の取得ということで質問にさせていただきました。
 このことですが、山の保水力が低くなっているとよく言われています。ほかにも、戦後余りにも広範囲にわたって植林をしたことにより、山や里の安定したバランス環境が壊れてると、これは私だけじゃなくて大勢の方々がそう感じておられるんではないかと思います。
 1~2例出してみますと、山で住めなくなった猿やイノシシ、シカなどが里まで進出し、これが鳥獣被害となって生活者を困らせています。また、春には、大量に植林された杉やヒノキの花が咲き、花粉となり風に乗りまして、一説には数1000万人という国民が花粉症を患い、困っています。また、木材の値段も一向に回復しません。
 こうした悩み事を抜本的に解決すべきときが来ていると私は思います。台風被害の確認に山間部を回ってみますと、植林して数年と考えられる林をところどころで見かけます。現場ではまだ植林が続いているんです。山の資産価値が下がっている今、自然林と植林のバランスを考えた施策が実行できるいいタイミングではないか、いい機会ではないかと考えますが、今後の林業政策をお伺いしたいと思います。
○議長(新島 雄君) 農林水産部長。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 県では、これまで林業の活性化のため、杉、ヒノキの人工林資源の育成に努めてまいりました。現在、それらの資源が充実しつつあり、その多くが伐採期を迎える中で、濃密作業道の整備や高性能機械の導入など、低コスト林業に取り組み、林業生産活動を推進しているところでございます。
 一方、近年、森林に対する県民のニーズが多様化しており、自然林を含めた多様な森林育成の重要性は十分に認識しております。
 このため、尾根付近や岩石地など植林に不適なところは、天然更新による自然林への回帰のほか、企業の森による広葉樹の植栽などを推進しております。また、植林に適した優良な林地には、資源の循環利用に向け、杉、ヒノキの再植林を進めているところでございます。
 これらを総合的に推進し、人工林と自然林のバランスのとれた保水力のある、災害にも強い多様な森林づくりを今後とも推進していく所存でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 そういう御回答をいただきました。
 1つ参考になればという思いで提言をしておきたいと思います。
 白浜町では、過去2回にわたって、1回目はもう10数年前です。2回目は今から6年、7年ぐらい前なんですが、当時の中辺路町長にお願いしまして、福定から奈良県に至る一帯、数10万坪になると思います、この土地を取得いたしました。そこには3万坪ほどのところに杉やヒノキが、80年杉ぐらいのもんが立っているわけです。3万本ほど立ってるんですが、たしか3000万そこそこだったと思うんです。坪単価にしたら1坪27円ぐらい違うかというふうに聞きました。それは土地と地上権、もちろん土地に地上権がついてるわけですから、土地と3万本ほど立ってる木つきです。
 これを買って、大部分は、半分以上はもう伐採された後を買ったんですが、そのときに地元の森林組合の役員の方がおいでになられて、お願いがあるんやと。木植えさせてほしいというお願い事でした。よく聞くと、それを植えることによって数1000万円の植林の事業ができるわけです。それ聞いた上で、話、断りしにくかったんですが、お断りさしてもらいました。それは、町が買うた理由、目的の目指すところが違ったからです。また、植林をして、この杉、ヒノキの林を広げていこうと、そういう考え方になかったからです。
 当時、そしたら職員が、何かほかの木も植えていこうやないかという提言もありましたけど、それも断りました。自然のままに置いとこうと。最初はカヤの木が生えてきて、樹勢が強いもんが次々と残っていって、最後に今の雑木林が構成されてくる、それまで待とうと。何年もたってる間に土砂崩れなんか起こったら困るでという話もありましたけども、土砂崩れなど起こることなく、2~3年もしたら、もう本当に5メートルぐらいの大きな木の林、バインが生えてきて、更生されて、その土地は、今日現在でも安定した山の状態を保っています。
 私は提言、強いてそういう表現を使わせていただいてお願いしたいのは、余りにも国内の戦後の造林の事業によって、石の上にも木植えたほどふえ過ぎた、ふやし過ぎた。これが全体の日本国土の山と、よく言われる里、それから我々住んでる地域の国民の生活のバランスが壊れ過ぎてる。今、物すごくええ機会だと思うんです。1坪何万円もするような山でしたら買えませんけれども、何10円で買える。この地上権だけでも買うとくわけにいかんかな。しばらく保管することによってその方向性を広げられるんでないかと。
 いろいろ今、答弁ありましたようなことも有益な事業だと思うんですが、もっと掘り込んだ、進んだ取り組みって本当にできんもんなんかなと。これが保水力を増す結果にもなり、そして今回のような災害の、少しでも災害の力を弱めしめれる原因にならないかと思うところです。
 地元の皆さんに聞いたら、あと10センチ高かったら床上・床下浸水を受けるであろうというような状態まで来たけど、この堤防をつくってくれてたから助かったということもよく聞きます。でも、あと10センチだったんです。あと10センチのこの違いが死ぬか生きるかの事態を多く引き起こすわけですから、そういう視点でも一度県当局の皆さん方の中で御検討いただけたらと、そういうふうに感じた次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 そしたら、次に移らせていただきます。
 これで台風に関連する、災害の関連の質問を終わらせていただきまして、ちょっと内容変わるんですが、項目の2つに入らせていただきたいと思います。
 介護疲れ対策についてということで質問内容の通告をさしていただいています。
 最近、これ、新聞記事の切り抜きなんですが、こういう記事がありました。
 介護疲れ対策についてですが、今、介護を必要とする方々に対する対策として、介護保険制度等の中で、デイサービス、デイケア、ショートステイ、グループホーム、特養、ヘルパー派遣事業などなど、たくさんのメニューが用意されておりまして、完全なネットが張りめぐらされているように一見見えるわけです。しかし、介護疲れから高齢者に暴力をふるったり、食事を与えなかったり、そのほかにもいろいろな形で、社会の目には見えない状態で高齢者いじめが進んでいるとも言われています。
 今月に入ってからも、この新聞記事なんですが、この新聞の大きな紙面の片隅でしたが、「介護の母親を蹴って死なす」という記事が載っていました。
 ちょっと中、少しだけ読ませていただきましたら、どうやら無職の44歳の男の人──子供さんです──が、夕食を食べなかったことに腹が立ってけってしもて、それが高じて70歳のお母さんが亡くなるわけですけど、普通けったぐらいで死にませんね。けった後、どないなってるかというと、内蔵が恐らく破裂したんだと思うんです。そういうことが連動するから、命まで終わってしまう結果になってると思うんです。この容疑者の119番で警察が駆けつけて犯行を認めたと。
 で、その中の後ろの記事に、容疑者は正美さん──お母さんですが、正美さんと2人暮らしで、数年前から病気の正美さんを介護していた、こういう内容の記事です。
 この記事を読んで近くの人らともちょっと話ししてみたんですけど、1つ言われたのは、こんなことでした。まず、何と非情な息子さんだな、お母さん、さぞ痛かっただろうな、お母さん気の毒やな、こんなことでした。
 しかし、果たして本当にこの44歳の息子さん、平素からこんな鬼のような心しかない人間だったんだろうか。息子の母に対する愛情はなくなってしまっていたんだろうか。母を死なせたことの罪は重くて、しかし包容力のない社会が罪をつくってしまっていないだろうか、こういう視点で私は考えているんですが、44歳の息子の暴力をとめられなかったことに対する社会全体の責任はないと言い切れるだろうか。
 いずれにしましても、介護疲れから来るこうした事故、事件が多いことに気づき、対策を考えていくべきであると考えます。少子高齢化が進む中で、新しい時代の行政の仕事として考えていかなければならないと考えるんですが、当局のお考えをお伺いいたします。
○議長(新島 雄君) 福祉保健部長。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 介護疲れ対策についてお答えをいたします。
 議員から御紹介のございました介護にかかわる痛ましい事件は、依然として全国的に報道されているところです。
 こうした事件を未然に防止するためには、認知症に対する正しい理解や介護知識の周知、それから介護保険制度の利用促進による介護者の負担軽減に加えて、孤立している高齢者の世帯には、地域住民による支え合いを通じて孤立化することのないよう働きかけることが重要であると考えております。
 県では、これまでに民生委員、児童委員等と連携・協力し、高齢者や家族を孤立させないように、あいさつや声がけ、それからさりげない見守り活動を行う地域見守り協力員の制度や、シルバー人材センター等による地域で助け合う事業の立ち上げ支援など、地域で困っている高齢者やその家族の方をできる限り早く見つけて、相談や支援につなげる環境づくりに取り組んできたところでございます。
 県といたしましては、今後も当事者1人の問題とせず、みんなの問題とするような地域の機運を醸成していくため、引き続き地域住民による助け合い活動の支援や福祉関係機関と地域住民のネットワーク強化など、地域で支え合う体制づくりの一層の充実強化を図ってまいりたいと考えてございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 御答弁をいただきました。ぜひそういう、今、答弁いただきましたその延長線上で、ぜひこうしたことの被害者が出ないように、そうした取り組みにつなげていただきたいと思います。
 今回の1つのこうした短い記事の中で類推して考えることは、こういうことだろうと思うんです。
 44歳、数年前というわけですから、40歳前後のときにお母さんが介護を必要とする、そういう事態になったと。恐らく勤めをされておられた可能性があると、年齢が年齢ですから。しかし、この男性の方、恐らく介護の知識、能力、経験、何にもなかったと思うんです。大方の家はそうだと思うんです。何にもないけれども、お母さんがそういう事態になったからということで介護をスタートする。すごく重要な、大事なことだと思うんです。
 しかし、やっぱり3日や5日、1週間や一月、二月や半年ではないんです。数年と書いてますので、恐らく3年から5年の範囲で介護、毎日、朝から晩まで24時間、365日、おふろに入れることから、食事の用意から、布団の上げ下げ──上げ下げはあれとしても──夏だったら夏用の布団、冬だったら冬用の布団、いろんなことを、お嫁さんがおったら2人でまたできたかもわかりませんけど、それを知識、経験、能力、失礼ですけど、やったことないんですから、それを求めることは不可能だと思います。そういう環境の中の人が介護を始めるこの実情に対して、やっぱり問題意識を持っていただきたいと思うんです。
 やっぱりこれは、私が思うのに、せめてヘルパーの3級あるいは2級ぐらいの知識を県民の皆さんに教えてあげてほしい。寝たきりになったときの抱き上げ方はどうする、トイレに行ったときのそういうトイレの始末の仕方をどうする、食事の仕方をどうする。
 嚥下という言葉がありますけど、我々、食べ物を胃に入れるときに、嚥下のここの首の筋肉というのは鍛えることできません。これを間違うて、嚥下力が弱まると肺へそのまま、御飯ようけようけ食べやららってどんどんお茶碗2杯ぐらい入れるわけです。でも、それ皆、肺へ入ってしもた。実際よくあることなんです。これで肺炎併発して亡くなってしまう、そんなことがあるんですけれども、知らないんですよ。私もそんな詳しく知ってるわけではありませんし。大方の方は、普通に同じように食事をスプーンで与えたのに何か肺炎になってしもたって、こんな事態なんかも頻繁に起こっています。
 そうしたことも含めて、これからの福祉行政をもう少し進化をさせていただいて──全く担当いただく職員の皆さん方には気の毒やと思います。なかなかお医者さんでも難しいようなことを求め続けられるわけですから。しかし、そこには1度しかない命をもらった人という生命があるわけです。この生命の尊厳をやっぱり終えんのその日まで守ってあげたいなと、そんなふうに思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 時間的なこともありますので、次に移らしていただきたいと思います。
 次に、高校受験の制度についてですが、過日、田辺・西牟婁の進路指導協議会の皆さん方の陳情がございまして、県の教育委員会にありました。その陳情に行った陳情書をちょっと朗読させていただきたいと思います。
 今回、知事部局の知事さん初め、皆さんもおいでですね。私たちは教育委員会のほうに陳情させていただきまして、ここからなんですが、「田辺・西牟婁地方の中学校卒業生は、ほとんどがこの地域の県立高等学校へ進学しております。これは、私立高等学校が近隣にないことや、通学の交通手段も便利ではなく、遠距離の通学は時間的、経済的に生徒や家庭の大きな負担になることが要因であると考えます。 このように、当地方の中学校の卒業生は、限られた県立高校を中心とした選択肢の中から進学先を選ばざるを得ない状況におかれています。その上、平成14年度の学区制度撤廃後、他地方からの入学者が増加し、他地方の高等学校へ進学せざるを得ない状況も見られます」、こう云々されまして、主な項目として3つあるんです。
 当地方の中学に在籍する生徒の進学希望を勘案し、全日制の定員の維持をお願いしたい。2つ目に、進学希望の多い全日制普通科及び総合学科の定員の維持をお願いしたい。3つ目に、南紀高等学校の定時制の昼間コースと夜間コースの維持継続、周参見分校の維持継続をお願いしたいと、こういうふうな内容でした。
 こうしたように、当地方の中学校の卒業生は、限られた県立高校を中心とした選択肢の中から進学先を選ばなければならないと、こういう状況にあるんですが、私もこの席に同行して、その席でも発言をさせていただきましたが、まず昨年の西牟婁郡内全体の中で高校入学がかなわなかった生徒は何人ありましたかと、その後、郡内の校長先生にお尋ねすると、数人だったと思いますという返事でした。
 そしたら私は思ったんです。たった数人のみが高校に入れなかったんです。言いかえたら、数人だけに入学を許さなかったんです。15の春とよく言われますが、この数人の生徒に、正直、何の責任があったんだろうかと思いました。入学がかなわなかったこの数人の今後の生徒の人生を考えると、ふびんな思いがするわけです。この子供たちは心の中に重いものを一生持ち続けることにはならないだろうか。勉強しなかった罰なのでしょうか。頭が悪かったから社会へ入れてやらないというのでしょうか。勉強しなかったため、わずか数人に罰を与えるかのようなこの仕組み、考え方を変えていただき、若いこれからの世代の子供たち全員に期待をかける度量と深い愛情で包む姿が、はぐくむ姿が欲しいと思います。
 さらに、生徒たちの普通科志望が高まって久しいのですが、今回の陳情に同行して、これも驚きました。それは、進学希望の多い全日制普通科及び総合学科の定員の維持をお願いしたいとなっていたからです。この内容と趣旨は、私が育友会の役員をさせていただいていました20年ほど前の陳情とほとんど一緒でした。
 時代は変わっても、あるいは立場が違っても、その時々に思う親の願いは同じなのです。親の願いは地域の願いであり、県民の願いです。当該生徒たちの願いの時は瞬く間に過ぎ去っていきます。早急な対策をお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○議長(新島 雄君) 教育長。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 高校受験制度についてお答えします。
 県立高等学校の募集定員につきましては、中学校の卒業生徒数の推移や高等学校への入学状況、進学率及び地域の実態等を踏まえながら、和歌山の子供は和歌山で育てるという方針のもと、学習の機会が保障できるよう総合的に検討を行い、決定してきてございます。
 平成23年度の高等学校入学者選抜におきましても、県全体として希望する受験生がすべて入学できるよう募集定員を定めたところであり、田辺・西牟婁地方の生徒につきましても、市町村教育委員会を通して行った調査では、高校入学を希望した生徒が全員入学できている状況にございます。
 普通科志向が高い状況につきましては、中学生や保護者の意向を考慮するとともに、よき職業人の育成という高等学校の担うべき役割をも視野に入れながら、本県の特色を生かした教育を行っていくことが大切だというふうに考えてございます。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 お言葉を返すようで申しわけないんですが、これ、実は1週間ほど前に原稿を急づくりでちょっとつくらしていただいて、県の皆さん方とのちょっとすり合わせもさしていただきました。そのときも、今、教育長のお話があったんですが、そしたら校長先生の私に言うた情報が間違ってたんかということにもなってしまいますので、できたら申さんといてあげてほしいと思いながら、その後、教育長に確認をしました、白浜の。そしたら、そういうことです、そんな内容でした。
 ここで内容のそごのことについて、どうのこうのと言う気はないんです。今、私たちの世代がしておかなきゃならんことというのは、少子高齢化と言われてるこういう時代背景も含めたときに、本当に1人1人の子供たちを大切にしてやりたいな。その子供たちが高校へ行きたいと。そしたら、政府も高校の授業料を無償にして、まあ義務教育みたいな状態になってきてるわけです。
 そのときに、こういう時代のそういう状況もありますので、ぜひ子供たち全員を入学させてやっていただいて、そら世界は競争の世界ですので、そんな努力をしていない力のない人材をつくり込んでいくことに加担しないかとか、いろんな考え方とか意見とかはあるかわかりません。しかし、私はまだ15の年でその選択をさせるのは酷だなと。自分の人生を振り返っても、全く15のときなんか、そういう判断を私自身も何1つようせなんだ。高校へ行かしてもうたことによって、その3年間でまた次の人生のことをいろいろ考えたりと、大事な15から18の年齢だと思うんです。このときにもう少し、もう一遍だけ子供たちに力を、考える時間と、そういうものを与えてやってほしいな、切にそんなことを感じます。
 くどいですけれども、やっぱり子供たちは、我々が思う以上に、天から罰を与えられたかのような思いでふさぎ込む。みんなが行くとこ行けんのですから。私たちが育った時代とは違って、あの当時は何割も高校受験かなわない、それは家庭の経済的な事情であったりとか、もっともっと複雑な状況背景があったと思うんです。今はもうすごくそういう時代からも改善されて、健やかに育つ環境が、私たちの育った時代とはまた違う意味でよくなってると思うんです。そのときにこの子供たちが、おまえが勉強せなんださかいやぞと、おまえは頭疎かったから違うんかと、そんな話になるようなことにならないように願う者の1人でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 時間のこともありますので、最後にもう1つだけ質問させていただきたいと思います。
 ふるさと雇用再生特別基金活用事業についてです。
 3カ年事業でありましたこの事業によりまして、新しい雇用や地域活性化に支援をいただきました。行政支援の常道として1年区切りの場合が多いわけですけど、今回これ、3年という複数年にわたる補助事業を考えていただいたこの発想と、こうした取り組みをいただいたことに、本当に県民の1人としても、地方自治を少し知ってる立場の者としても、感謝と御礼を申し上げたいと思います。
 しかし、この3年間に県内の企業活動が活発になり、雇用が大幅に増加したとは考えられず、ふるさと雇用再生特別基金活用事業で採用され働いている方々が来年の3月で仕事が切れていくわけです。予算がここでとまるわけですから。それで、それに連動しまして、これからどうなるんやろかと、そういう心配をされているという声をよく聞きます。これ、緑の雇用事業のあれに少し似てるかもわかりませんけど、3カ年雇うていただくと、もう本当にそこに入り込んで、気持ちも、仕事も、何かも入り込んだ中で仕事をしてた。で、振り返ってみたらやっぱり3年だったということになるんだろうと思うんです。
 私、思いますのは、来年の春に直ちにやめるんでなく、1人1人の雇用状況や事業所等の実態を調べていただいて、支援を続ける個人や団体の吟味をいただいて、やっぱり残す、これもう少し育ててやりたいな、そういう団体、企業があると思うんです。私も幾つかそういうものを確認しています。吟味をいただきまして、地方のともりかけたこの火を消さないでほしいと考えます。
 時間、もうあと3分ですが、当局の今後、それから来年以降の取り組みのお考えをお聞かせいただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) 商工観光労働部長。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) ふるさと雇用再生特別基金活用事業につきましては、平成21年度から23年度までの3カ年に地域求職者等を雇い入れて、基金事業が終了しても雇用の継続が見込まれる事業を行うこととなっております。
 この基金事業では、平成21年度から22年度までに、県、市町村合わせて述べ781名の雇用を創出し、平成23年度においても約600名の雇用を計画しておりますが、現在のところ、国において延長のための新たな財源措置は講じられておりません。したがいまして、基金事業の趣旨や県の財政状況を勘案すると、来年度以降の県単独の実施は難しいと考えております。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 立谷誠一君。
  〔立谷誠一君、登壇〕
○立谷誠一君 済みません、あと1分あるんで。
 実はきのう、すさみの漁業協同組合の理事職といった、その地域の中のトップなんですけど、その方から電話ありまして、同じ内容だったんです。それは、今、おかげで1人雇うていただけたと。その1人雇うていただいた人をどうしてるかというと、すさみの管内の荷揚げ場、魚が揚がったところを集めてきて、白浜の漁師の漁場も皆回って田辺の市場まで出しているんやと。この子が来てくれたおかげでこの作業ができるようになって、これとまると、もう漁協でまた費用を捻出するか、市町村、あの辺でしたら白浜、すさみ、田辺あたりの市と町にお願いしてせんならん。これ、とまると本当に困るんやと。漁師がとった魚をまた市場まで持っていくということは、今現在の漁業の実態を考えたら、本当にその余力はもうないんや、ぜひこの議場でお願いしてもらえんかと。
 きのうのことで漁協のことを言いましたけど、実はこれを一般質問するについても、ほかの団体からもそういう声が実はありまして、その現状をちょっとお伝えさしていただきまして、またぜひ、今の御答弁は御答弁で私もよく理解はできるわけですけど、御配慮いただけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
○議長(新島 雄君) 以上で、立谷誠一君の質問が終了いたしました。

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