平成23年6月 和歌山県議会定例会会議録 第4号(濱口太史議員の質疑及び一般質問)


県議会の活動

 質疑及び一般質問を続行いたします。
 9番濱口太史君。
  〔濱口太史君、登壇〕(拍手)
○濱口太史君 一般質問に先立ちまして、一言ごあいさつをさせていただきます。
 このたびの選挙にて、新宮市選挙区より選出されました濱口太史でございます。この歴史と伝統ある和歌山県議会において、登壇の機会を与えていただきましたことに心から感謝を申し上げますとともに、大変身の引き締まる思いであります。
 さて、私は、新宮を元気に、その思いで昨年2月に出馬を表明して以来、新宮市内をくまなく回り、地域住民の皆さんの声をお聞きしてまいりました。その中で、市民、民間、行政、そして県と市、それぞれの立場において考え方や取り組み方の違いはあるものの、地域の発展を第一に思う熱意や、生活の中に安心と安全を求める気持ちは皆同じで、それを達成するための並々ならぬ努力や行動に大いに感銘を受けました。
 しかし、そんな積極的な人たちがたくさん住んでいるのに、なぜ地域は元気をなくしてしまっているのでしょうか。私は、それぞれのつながりと協調、そして相手を思いやる心が欠如しているからではないかと考えました。
 そこで、人と人との心をつなぎ、新宮市と県や国とをつなぎ、地域に前向きなやる気を出していただいて、明るい未来へとつないでいくための歯車になることを決意し、現場第一主義、対話を重視した顔の見える政治家を目指し、日々の活動に取り組んでいるところであります。初心をいつまでも見失うことなく、県議会へお送りいただきました新宮市民の皆様の御支援、そしてまた御期待を自分の心と体に刻み込み、郷土の発展、さらには和歌山県の発展に貢献できますよう、微力ですが精いっぱい全身全霊で頑張ってまいります。
 何分初めての一般質問で緊張を隠せませんが、その点は何とぞ御容赦のほどお願い申し上げます。先輩・同僚議員の皆様方、また知事を初め県当局の皆様、どうかよろしくお願いいたします。
 では、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。
 まずは、防災対策についてお尋ねをいたします。
 私も、震災発生から45日目の4月26日から4日間にわたって、被災に遭われました宮城県石巻市、女川町、また新宮市の姉妹都市である宮城県名取市に、市の商工会議所や観光協会のメンバーとともに訪れ、朝市の復活に新宮市も物産販売で御協力させていただき、売上金も地域の復興に向けた義援金の一部としてお受け取りをいただきました。
 その後、被災状況をつぶさに見せていただきました。唖然とするという感覚を生まれて初めて経験いたしました。
 被災後、ほとんど休みなしで勤務しておられた市の職員の方たちには精神的に厳しい中でありましたが、災害発生当時の状況の説明や感想、求めておられる支援策の要望などを伺わせていただきました。
 3カ月を経過した今では、被災地の状況はかなり変化しているとは思われますが、報道を見る限りでは復興へという段階にはほど遠く、今もなお被災者の方々ははかり知れないダメージや先々の不安にさいなまれておられることとお察しいたします。犠牲になられました1万5000人を超えるとうとい命、そして7600人を超えるいまだに行方のわからない方々、大災害に見舞われました皆様方には、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 報道では、支援が手薄になってきているということもありますが、被災者の方々の不安が勇気と希望に変わるまでは、今こそ日本の魂を1つにした長期支援が不可欠であると思います。
 私も海のすぐそばで生まれ育ちましたが、海で生計を立てている地域が海によって破壊されたという事実を目の当たりにして、本当に切ない思いでいっぱいになりました。私もお役に立てることを探し、尽くしてまいりたいと思います。それと同時に、せっかくいただいた貴重な情報を、私たちの地域の人命を守るために余すことなく教訓として生かしていかなければならないと考えている次第であります。
 震災や津波に関する質問は、既に登壇なされました議員の皆さんがいろいろと御質問されておりますが、私は、避難時間が特に短い地域での避難対策と取り組みにつきましてお尋ねをいたします。
 私の住む新宮市や東牟婁郡は、東南海地震等の同時発生から、速いところで串本町には6分で津波が到達すると予測されております。揺れがおさまった段階で、反射的になおかつ一目散に高台を目指して逃げるということを日ごろから強く意識し、自主的に自治会や町内会、職場や学校、お客様が来られるお店やホテル、旅館、そして各家庭で、想定はあくまで目安として、よりベストな避難方法を追求していく、それが重要なことだと専門家のお話であります。
 また、災害弱者でありますひとり暮らしの高齢者や何らかの障害のある方、幼い子供も一緒に安全な場所に避難できる手段を早急に確立しておかなければなりません。
 そして行政の役割は、それぞれの地域の事情を考慮した避難先、避難場所の確保や指定、避難経路を整備していくことであります。もしもその地域に適当な高台がなければ、当然、津波避難用施設の建設が必要となります。また、その建設に当たりましては、津波の性質やパワーをあらゆる角度から徹底的に分析を行い、例えば自然の猛威をまともに面で受けるのではなく、波の力を逃がすような形状にするなど、最善を尽くした構造物であることが望まれます。
 さらには、命が助かった後のことも十分考慮し、飲み水や非常食、生活必需用品、医薬品なども備える必要があります。また、トイレもできる限り多く備え、衛生面の配慮ができれば理想的であります。
 さて、先日、国会において津波対策推進法が成立したところでありますが、近い将来起こり得る地震を想定したときに、この法律はまさに和歌山県、特に新宮・東牟婁のための法律であると言っても過言ではないと思います。この法律を和歌山県が先頭になって活用し、津波到達が速い地域での避難対策をよりスピードアップしていかなければならないと認識しています。
 そこで、危機管理監には、新宮・東牟婁のように短時間で避難しなければならない地域におけるその対策と取り組み状況について、御答弁をお願いいたします。
 次に、道路関係についてお尋ねします。
 現在、県内の高速道路建設は、田辺市からすさみ町までの区間が平成27年完成を目指して進んでいるところでございます。また、既に供用されている那智勝浦新宮道路約8.9キロメートルの延長は、太地インターまでがつながる計画になっております。
 地域の産業振興や観光振興面で効果をもたらすための高速道路ではありますが、災害時の緊急輸送路の確保という観点からも非常に重要であります。このような観点からすれば、東牟婁地域にとっては、高速道路が未整備というのは万一災害が起こったときの不安材料となっております。このことに関しましては、一般質問初日に先輩の中村議員、山下直也議員、2日目には大沢議員も質問されておられましたが、地域にとりましては命の道として早期の整備が熱望されております。
 また、長年の懸案であります熊野川河口大橋につきましても新宮市民から要望されておりますが、この橋は国道42号のバイパス道路としての期待も高く、早期の着工が望まれております。お隣の三重県の東紀州地域における高速道路につきましては、熊野市までの区間が平成25年度の完成を目指し急ピッチで工事が進められており、名古屋─新宮間が大幅短縮されるとともに、その整備のスピード感の違いにも驚きます。
 そこで、こうした未着手区間を含めた紀伊半島を一周する高速道路の整備に対する取り組みにつきまして、知事に御答弁をお願いいたします。
 次に、新宮市内の道路整備によります震災・津波対策はどうなっているのかという点に着目いたしました。
 さきの東日本大震災では、高速道路が津波堤防の役割を果たしたという事例がありました。それと同じ状況が名取市でも見られました。
 そこで御提案いたしますのは、建設が検討されている熊野川河口大橋へと連結する新宮から県境に向けた沿岸部の道路の有効利用であります。広角から王子ヶ浜を通り、熊野川の河口大橋につなぐ区間に約2キロの堤防道路として整備するというのはいかがでしょうか。この堤防道路は、国の方針でもあります盛り土などの工法を用いて10メートルから15メートルほどの高さに整備するもので、防災堤防と自動車専用道の役割を果たす一石二鳥の整備計画です。
 さらに、将来的には、河口大橋から上流に向けた堤防機能を兼ね備えたアクセス道路を整備することにより、河口をさかのぼる津波対策に加え、国道42号沿いの商店への買い物客や熊野速玉大社への参拝客の利便性を図ることも考えられます。
 この熊野川河口大橋の建設とあわせた防災堤防道路の整備、推進につきましては、今月13日に新宮市当局が県土整備部に陳情に訪れ、国への働きかけを強く要望いたしました。
 ちなみに、主要道路である国道42号の橋本交差点から県境までの区間は、車社会となって久しい現在でも、いまだに片側1車線という道路であります。しかし、この国道を2車線化することは用地的にも困難かと思います。ならば、そのかわりの自動車用道路としても、沿岸道路の整備には意義があるのではないかという市当局からの説明もありました。私も県民代表の立場で、皆さんと一緒に、津波に対する沿岸部住民の危機感、早期実現を熱望する思いを訴えさせていただいたところであります。
 こうした道路に対する今後の取り組みについて、県土整備部長に御答弁をお願いいたします。
 続きまして、伊勢神宮の式年遷宮に絡めた誘客対策についてでございます。
 私の住む新宮・東牟婁地域では、観光産業が地域経済を支えている屋台骨であることはだれもが知るところであります。さらに、宿泊を伴う観光客誘致が地域経済へ高い波及効果をもたらすことは言うまでもありません。しかしながら、本県を訪れる観光客は、平成19年の3200万人をピークに、その後伸び悩んでいるのが現状であります。
 なお、和歌山県長期総合計画では、平成29年までの観光客の目標は総数で3300万人、宿泊客で600万人を設定しています。しかしながら、現状を見てみると、経済効果を期待する宿泊客数は芳しくありません。国内外に誇れる世界遺産、高野・熊野の知名度を生かし、主に宿泊客増加対策が求められているのであります。
 そこで着目いたしますのは、20年に一度の大きな行事、平成25年に開催されます伊勢神宮の式年遷宮であります。年間1100万人とも言われる全国津々浦々から訪れるお伊勢参り客は、そのほとんどが宿泊を伴う観光客であると思われます。仮に、その10%にそのまま和歌山県に足を伸ばしていただくだけでも、110万人の宿泊客をふやすことになります。
 伊勢方面からの誘客に、これまでにもあらゆる観光産業の関係者の方たちが御尽力をされてこられたとのことです。しかし、残念ながら、なかなか実績にはつながらなかったとのお話も伺っております。
 しかし、これまでと状況が違いますのは、平成25年には三重県側の高速道路が熊野市まで完成し、和歌山県までのアクセスがしやすくなるということです。
 県におかれましては、この千載一遇のチャンスを逃すことのないよう準備が進められているとは思われますが、どのような受け入れ態勢を整え、どのようなPR、働きかけを行っていくのか、その取り組みの現状と今後の対策について、商工観光労働部長に御答弁をお願いいたします。
 もう1点、観光について質問いたします。
 熊野の世界遺産登録の象徴である熊野古道が脚光を浴びていることはとても喜ばしいことであります。確かに長い時間をかけて歩く修験の道であり、古道を歩いて熊野を体感していただくことは大変意義深いものがあります。
 しかしながら、個人的な見解かもしれませんが、ややもするとハイキングや森林浴といったイメージだけが浸透している気がしてなりません。地元に住む立場といたしましては、古道のその先にある地域全体が持つ奥深い魅力をもっと感じていただけたらと思います。そのためには、少しでも長く滞在していただき、海と山と川が人に与える安らぎ、熊野三山を核とした神々の力、温泉や自然の幸、そして一番の魅力である思いやりと素朴さと激しさを兼ね備えた熊野に暮らす人たちともぜひ触れ合っていただきたいのです。
 温故知新という言葉がございますが、熊野におきましては、かつてアリの熊野もうでと表現されるほど、熊野の力を求めて訪れる人たちの行列が後を絶たない状況があったわけです。そのいにしえの時代に求められた魅力とは一体何だったのかを追求し、それが現代に生きる人たちにも必要とされるものであるとすれば、それをコンセプトにして現代風の観光素材やプログラムをつくり出すことができると思います。熊野の価値をさらに高め、全国への誘客戦略の1つとなるのではないでしょうか。
 また、宿泊客の増加には、多様化する観光客ニーズを的確にとらえ、地域の魅力を最大限に生かした滞在していただくための時間消費型の観光メニュー開発、それも必要であると思います。その一例が、世界遺産登録を契機として始まりました「語り部と歩く熊野古道」、パワースポットめぐりや、さらには古きよき時代を体感する「まちなか観光」が挙げられます。
 その他、新宮市観光協会が中心となり、県内に先駆けたレンタサイクルの貸し出しや、組織との連携による町なか観光を進めております。また、今では県内でよく見かけるまちなか観光案内所、これも新宮が発祥地となっており、官民協働による滞在型観光地へと変化しつつあります。
 熊野地域では、その他の町村でも同様の取り組みが行われております。そこで、熊野地域における滞在型観光に対する支援の取り組みや今後の対応につきまして、商工観光労働部長に御答弁をお願いいたします。
 さて、最後に過疎対策に関して質問をいたします。
 和歌山県の人口が100万人を下回ったとの新聞報道は、昨年8月末のことでした。私もこの報道には大変驚いたことを記憶しております。特に、私の住む新宮市におきましても、昭和55年の4万2000人をピークに、本年6月には3万2000人と、熊野川町と合併したにもかかわらず、30年で約1万人もの人口が減少したことになります。
 私は、選挙戦を通じまして、熊野定住圏構想と名づけました人口増加構想を提唱してまいりました。日本で一番御高齢者が住みやすく、熊野の自然や文化の中で人間らしく暮らせる町を目指すというものです。全国の高齢者の方たちに熊野への移住を呼びかけ、その方たちの暮らしをサポートする形で若い人たちの雇用を創出し、やがてその若い世代が子供をふやすといった人口増加の流れをつくるという構想です。
 それを実現するためには、地域医療、防災等の安全対策、交通機関、買い物先の商店など、生活環境が整っている必要があります。それに向けた環境整備は、地元住民にとりましても安心・安全につながります。いわゆるシルバータウン構想に似通ったものですが、大きな違いは、自然や温泉などのいやし作用を生かしたいというところです。あくまで現段階では理想論ですが、実現に向けて1つ1つの課題に取り組んでまいりたいと思います。
 さて、話は変わりますが、同じような視点で県が既に取り組んでいる過疎化対策・空き家対策事業の1つといたしまして、田舎暮らし応援県わかやま推進事業がございます。自然と文化が豊富な和歌山での田舎暮らしを都市部の方たちに紹介し、移住を呼びかけ、希望者に対しては、各市町村と住民が一体となって住居のあっせんや生活の支援、また農林水産業への従事を希望される方には、技術的なアドバイスを行う専門施設やプログラム、短期間の滞在体験をしていただく住居用施設もあり、定住人口増加を図る事業が5年前から実施されています。
 先週日曜日の19日には、大阪の阪急グランドビルの会場において、各市町村の担当者、そして実際にIターンで和歌山に定住されている方たちが、プレゼンテーションやブースでの個別相談をされておりました。参加者は、60歳代の第2の人生設計を検討されている御夫婦等が半数以上を占めておりました。そのほかには、1人での移住希望の若者や幼い子供さんを伴った御夫婦の姿も見受けられました。その方たちに親切丁寧に、そして郷土のよさを熱意を持って説明されている担当者の皆様には、同じ県民として頼もしく感じましたし、頭が下がる思いになりました。また、私自身も他地域の取り組みについてよく知りませんでしたので、今後の活動に向けて大変参考になりました。
 さて、そういったイベントに参加をして感じたことですが、都市部の方に対し、田舎暮らしイコール自然の中という概念を強く与え過ぎるのも、かえって移住の決断の妨げにならないかという懸念です。例えば夫婦や家族の場合、全員の総意で自然の中での生活を望むケースはまれではないのかと思うからです。日常生活、仕事、余暇のすべてがいきなり自然の中となれば、これまでの生活とのギャップに戸惑い、移住を断念するケースも考えられるのではないでしょうか。
 私たちの住んでいる新宮市の市街地を例に考えてみましても、都市部から見ると十分田舎的要素があると思います。住居は日常生活が比較的しやすい市街地でスタートし、仕事や余暇は自然の環境の中でといったように、自然での活動に徐々になれていくパターンを勧めるなど、間口を広げた受け入れ態勢を整えることも必要なのではないでしょうか。
 そこで、和歌山県が実施している移住・交流施策の方針と現状、対策について、企画部長に御答弁いただきたいと思います。
 以上をもちまして、私の質問とさせていただきます。誠意ある御答弁をよろしくお願い申し上げます。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの濱口太史君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 紀伊半島を一周する高速道路の整備についてお答え申し上げたいと思います。
 紀伊半島を一周する高速道路の整備は、県民の将来のチャンスを保障するものであり、とりわけ紀南地方においては、地域資源を生かした観光や農林水産業の振興、新たな企業誘致など、今後の地域の発展に不可欠であります。加えて、さきの東日本大震災直後の救援活動に高速道路が大きく貢献した、そういうことにかんがみまして、東海・東南海・南海地震の津波により寸断されると一応予想されます国道42号の代替路として、紀伊半島における命の道である高速道路の今ないところ、ミッシングリンクの結合は急務であります。
 そうした中、これまでもあらゆる機会をとらえ、本県における高速道路整備の必要性を訴えてきたところでありまして、事業中の区間については少し成果があり、平成27年の供用に向けた国の取り組みが進むなど、一定の成果と受けとめておりますが、一方で、高速道路整備に係る今後の見通しは、新政権がこういうところにあんまり予算をつけないということもございまして、極めて不透明な状況にあります。
 今後も、事業中である近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間や那智勝浦道路は、平成27年の国体開催までに確実に供用されるよう、また、未着手区間であるすさみ─太地間、新宮─県境間については早期に事業化されるよう、引き続き国に対して強く働きかけてまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 避難時間が短い地域での避難対策と取り組みについてお答えします。
 東海・東南海・南海地震が発生した場合、本県南部では、速くて6分程度で津波の第1波が到達すると想定されてる地域があります。こうした避難するための時間が短い地域においては、できるだけ早く避難行動を起こすということが人的被害の軽減につながりますので、長い揺れが来たら反射的に逃げるという意識を住民1人1人に常に持っていただくことが何よりも重要であります。
 このため、防災行政無線のサイレン音の周知や避難カードの配布などを通して、こうしたことの重要性を啓発してまいります。
 また、津波避難ビルの指定、高台への避難路や津波避難施設の整備とともに、高齢者や障害者等の方々の避難支援のための地域での取り組みを進めるなど、住民の方々が短い時間で少しでも安全な場所に避難できるよう、市町村とともに必要な対策を進めてまいります。
 以上でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 熊野川河口大橋を含む新宮─県境の道路整備についてお答えいたします。
 熊野川河口大橋を含む新宮─県境間につきましては、平成21年6月に近畿自動車道紀勢線の一部を形成するルートとして、三重県とともに地元の御意見も伺った上で、新宮市の海岸線沿いを通るルートの概要を取りまとめ、国に対し提案を行ったところでございます。これを受け、現在、国土交通省において、ルート、構造の検討が進められているところであります。
 さきの東日本大震災において、高速道路等が避難場所や防潮堤として機能したことが報告されており、御提案のこの道路を津波堤防などの防災機能を兼ね備えた構造にすることは有効ではないかと考えられます。
 今後、国に対しては、早期事業化に向けた調査の推進とともに、こうした防災機能を持たせる構造の検討について働きかけてまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 初めに、式年遷宮に向けた誘客の取り組みについてでございますが、まず、各都道府県神社庁の役員に対し熊野のPRに努め、氏子社中の伊勢参詣の折には、熊野にまで旅程を伸ばしてもらうよう働きかけを行うこととしております。
 また、主要旅行会社に対して、伊勢・熊野といった周遊プランの造成を目的としたモデルコースの提案や、旅行会社担当者の現地研修会の開催などを順次行ってまいります。
 さらに、認知度向上を図る取り組みとしましては、各地で実施する観光プロモーションやメディアへの露出において、伊勢・熊野にスポットを当てた情報発信を行うとともに、紀勢自動車道の熊野市南伸にあわせて、中日本高速道路株式会社などと共同でキャンペーンを展開していきたいと考えております。
 いずれにしましても、これらの取り組みにつきましては、熊野三山、地域の観光関係団体、市町村等との協働により実施してまいります。
 なお、式年遷宮の後は、平成26年には世界遺産登録10周年、平成27年には高野山開創1200年と、本県にとって記念すべき年が続きますので、これらも踏まえて十分に準備を進めてまいりたいと考えております。
 次に、熊野地域における滞在型観光の取り組みについてですが、県では、世界遺産、自然、温泉、歴史、文化、食、体験といった地域の特色に、パワースポット、山ガール、グルメといったトレンドを組み合わせることで、誘客と滞在を促進する取り組みを地域と協働で行っております。
 熊野地域には、新宮市の歴史・文化に触れるガイドと歩くまち歩きや、放映中の映画「軽蔑」のロケ地めぐり、那智勝浦町では、食をテーマに町なかへ誘導するまちなかマグロ食巡り、また、熊野古道ではセラピーを古道歩きに取り入れた熊野古道健康ウオークなどといった取り組みを行っています。
 県としましては、こうした取り組みや体験型観光を積極的に情報発信していくとともに、宿泊とセットになった旅行商品の造成を旅行会社に働きかけるなど、地域と協働して滞在時間の延長と宿泊客の増加を図ってまいります。
 以上です。
○副議長(前芝雅嗣君) 企画部長柏原康文君。
  〔柏原康文君、登壇〕
○企画部長(柏原康文君) 過疎対策としての移住・交流施策についてお答えをいたします。
 県では、議員御指摘のとおり、移住・交流の推進が地域活性化策の1つであるとの認識のもと、28市町村、81団体及び事業所の参画を得た全県的な組織である田舎暮らし応援県わかやま推進会議を設立し、さまざまな取り組みを進めているところでございます。
 具体的には、ホームページやセミナーの開催などによる情報発信を初め、特に移住受け入れに積極的な市町村ではワンストップの窓口担当者を配置し、住民主体の受け入れ協議会とも連携しながら、現地案内や住宅確保、起業や就業の支援、地域住民との交流機会の提供など、移住・交流事業を積極的に推進しているところであります。
 これまでの移住受け入れ実績は、県の施策として取り組み始めました平成18年以降、本年5月末までで207世帯、392人となっております。中山間地域への移住が中心である一方で、地域資源を活用した起業を志す人材を誘致する『和歌山で「和」の仕事人になろう』プロジェクトなどでは、町なかへ移住されたケースもあります。
 このように田舎暮らしの形態は多様であり、議員御指摘のとおり、熊野地域の中で、例えば新宮市の市街地に住みたいというニーズもあろうかと思われます。今後、そうした幅広いニーズを受けとめ、さらなる移住促進につながるよう、地域と十分に連携しながら、受け入れ重点地域の拡大など、積極的かつ柔軟に対応してまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 再質問を許します。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 以上で、濱口太史君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時27分散会

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