平成23年6月 和歌山県議会定例会会議録 第2号(全文)


県議会の活動

平成23年6月
和歌山県議会定例会会議録
第2号
────────────────────
議事日程 第2号
 平成23年6月21日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第74号から議案第91号まで(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
会議に付した事件
 第1 議案第74号から議案第91号まで(質疑)
 第2 一般質問
────────────────────
出席議員(42人)
 1番 森 礼子
 2番 立谷誠一
 3番 尾崎太郎
 4番 藤山将材
 5番 新島 雄
 6番 山下直也
 7番 門 三佐博
 8番 井出益弘
 9番 濱口太史
 10番 鈴木太雄
 11番 服部 一
 12番 川口文章
 13番 山田正彦
 14番 坂本 登
 15番 宇治田栄蔵
 16番 尾崎要二
 17番 山本茂博
 18番 平木哲朗
 19番 前芝雅嗣
 20番 浅井修一郎
 21番 中村裕一
 22番 冨安民浩
 23番 岸本 健
 24番 中 拓哉
 25番 花田健吉
 26番 角田秀樹
 27番 吉井和視
 28番 向井嘉久藏
 29番 谷口和樹
 30番 多田純一
 31番 片桐章浩
 32番 藤本眞利子
 33番 浦口高典
 34番 大沢広太郎
 35番 谷 洋一
 36番 岩田弘彦
 37番 高田由一
 38番 奥村規子
 39番 山下大輔
 40番 松坂英樹
 41番 長坂隆司
 42番 雑賀光夫
欠席議員(なし)
────────────────────
説明のため出席した者
 知事         仁坂吉伸
 副知事        下 宏
 知事室長       野田寛芳
 国体推進監      中村正次
 危機管理監      宇恵元昭
 総務部長       米澤朋通
 企画部長       柏原康文
 環境生活部長     保田栄一
 福祉保健部長     鈴木敏彦
 商工観光労働部長   大門達生
 農林水産部長     増谷行紀
 県土整備部長     森 勝彦
 会計管理者      米山重明
 教育委員会委員長   宮永健史
 教育長        西下博通
 公安委員会委員    片山博臣
 警察本部長      山岸直人
 人事委員会委員長   守屋駿二
 代表監査委員     楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
────────────────────
職務のため出席した事務局職員
 事務局長       森田実美
 次長         佐本 明
 議事課長       堀 達也
 議事課副課長     吉田政弘
 議事班長       中井 寛
 議事課主任      中尾祐一
 議事課主査      保田良春
 議事課主査      中村安隆
 総務課長       上坊 晃
 調査課長       谷村守彦
────────────────────
  午前10時0分開議
○議長(新島 雄君) これより本日の会議を開きます。
 日程に先立ち、諸般の報告をいたします。
 過日提出のあった議案第75号、議案第76号、議案第80号及び議案第81号は、いずれも職員に関する条例議案でありますので、地方公務員法第5条第2項の規定により人事委員会の意見を徴しましたところ、文書により回答がありました。また、監査委員から現金出納検査実施結果の報告がありました。いずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 日程第1、議案第74号から議案第91号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 21番中村裕一君。
  〔中村裕一君、登壇〕(拍手)
○中村裕一君 改選後、最初の一般質問での登壇を、自民党県議団の会長のゆえをもってお許しをいただきました。この改選によりまして、自民党県議団、28名の最大会派となりました。一致団結をして、数におごることなく、県勢浮揚のため、県民の福祉のために頑張っていくことを表明しておきたいと思います。
 以下、通告に従いまして一般質問を行ってまいります。
 その日は、朝からあいさつ回りをして、ようやく昼過ぎに事務所へ帰ると、みんながテレビの前に集まっていました。一体何があったのかとのぞいてみると、ちょうど大きな川の周辺を真っ黒な津波が人家や田畑をのみ込みながら遡上する様子が中継されていました。まるでSF映画のような映像を見ながら、これは大変なことが起きていると直感いたしました。
 3月11日、この日はすべての国民にとって忘れられない1日となりました。この日を境に日本じゅうが、いや、世界じゅうが変わったのであります。改めて、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆さんにお見舞いを申し上げます。
 歌手の松山千春は、「知恵があるやつは知恵を出そう。力があるやつは力を出そう。金があるやつは金を出そう。『自分は何にも出せないよ』っていうやつは元気出せよ」と言ったそうですが、一刻も早く復興されるよう、私たちもできる範囲で頑張ろうではありませんか。
 今回の震災では、1万5000名を超す人命が失われ、今なお7600名余の方々が行方不明になっています。また、津波によって発生した福島第1原発事故の被害は現在も拡大中で、とどまるところを知りません。全体の被害額は数10兆円と言われ、現在も8万人余が避難生活を余儀なくされ、新聞やテレビでは、連日、被災した方々の悲しい物語が報道されています。
 一方、この震災には世界じゅうから支援や義援金が寄せられ、今もボランティアが続々と集結しています。本当に世の中は捨てたものではないと思いました。また、被災地では、泥棒や略奪が起きることもなく、行儀よく順番待ちをする日本人の姿に、これまた世界じゅうから称賛が寄せられました。
 震災直前は、民主党政権が菅総理の献金問題でいよいよ追い詰められ、総辞職や解散総選挙さえも予想される雲行きでした。ところが、震災以降は、普天間飛行場の一件で不仲と言われた日米関係も表面的には修復され、ばらまき4Kなどと言われる民主党の失政も、高速道路無料化や子ども手当が見直されると言います。国民や野党が求めても馬耳東風だったものが一瞬で変更されることは全く皮肉ですが、政権交代はいまだ遠く、これほど国民にとって不幸なことはないと思います。
 私たち自民党では、震災当日、党本部に震災対策本部を立ち上げ、翌日から募金活動を始め、政府に震災対策を要求するとともに、3月14日には県連から尾崎要二幹事長と政調会長の私が代表して、知事に対して被災地の支援や県内総点検など9項目の要望をさせていただきました。
 私たちは、今回のとうとい犠牲を教訓に、近い将来発生が予測される東南海・南海地震対策に、もはや想定外などということは許されず、万全の備えをしておかなくてはと考えます。
 そこで、以下数点について質問をいたします。
 今回の震災を、現地で瓦れきを目の当たりにし、新聞やテレビなどの報道に接して私が強く思ったことは、命あっての物種だということであります。
 被災された方々には何かと御不便ですが、被災地では既に復興の途上にあります。しかし、亡くなった人は苦情すら言えません。行方不明の人は、いまだに海の底であります。やはり、何としても生き残らねばならないと思いました。政治や行政の最大の仕事は、いかに住民の生命を守るかであります。
 今回の地震では、大深水防波堤が破堤し、万里の長城と言われた巨大防潮堤が町を守れなかったことが報道されました。しかし、立派に村を守った水門があり、高速道路の盛り土は津波の威力を軽減し、住民の逃げ場になりました。また、釜石では、日ごろから避難訓練をしている小中学生はいち早く高台に避難し、99.8%が助かったとも言われております。やはり、ハード・ソフトのバランスのとれた防災対策が必要であります。
 県防災の責任者である知事は、今回の震災に対してどのような感想をお持ちでしょうか。また、県地域防災計画の見直しを含め、今後どのように取り組まれるのか、御所見を伺います。
 次に、津波対策推進法について伺います。
 昨年6月の法案提出以来、二階俊博代議士を初め、自公の県選出国会議員の先生方に御尽力をいただいてまいりましたが、ようやく6月17日の参議院本会議において全会一致で可決・成立しました。この際、成立に対する知事の御所見を伺います。
 3番目に、地震被害について伺います。
 直接の被害については、本県でも紀南地方の水産業を中心に約10億円の被害があり、支援予算が今議会に上程されています。しかし、県内企業経営者からは、輸出品には県からの産地証明書があっても日本製自体が敬遠されると聞きましたが、風評被害の実態はどうなっているのでしょうか。震災不況の影響も含めて、県経済の景気も御報告願います。
 4番目に、関西広域連合について伺います。
 震災支援については、昨年発足した関西広域連合で地域割りをして対応したことが大いに評価されたと聞いております。広域連合は発足以来半年が経過しましたが、震災対応を含め、成果があれば御報告願います。
 5番目は、節電と新エネルギーについて。
 ことしの夏は、原発事故を受けて、直接被害が少なかった近畿地方でも、関西電力が国民や企業に15%の節電を要請しました。しかし、15%の根拠があいまいなことから各府県の知事から反発が相次ぎ、関西電力は各方面への説明に躍起になっています。一部の報道では、関西電力の節電要請には原発再開への思いも絡んでいると言われ、原発必要論にも発展しそうな雰囲気です。
 家庭には節電メーターがあるわけでもなく、15%がいいのか、10%でいいのか、本当のことは国民にはよくわかりません。経産省出身の仁坂知事は粛々と県民に節電を要請されるものと思っていましたが、果たしてどのようなお考えでしょうか。今後の近畿地方での電気需要と本県での電源開発の可能性についても、あわせてお答え願います。
 また、孫正義ソフトバンク社長から広域連合へメガソーラーの立地要請があったと聞きますが、どのように対応されましたか。
 孫社長は、15日に開かれた菅政権が今国会に提出した全量固定価格買い取り制度推進の集会に駆けつけ、菅総理にあと10年ぐらい総理を続けてほしいと言ったそうですが、民主党政権がそう長く続くとは思えませんし、孫さんといえば、何やらよくわからない会社を大電話会社に育てた人物です。
 もちろん、資源の少ない我が国が、自然エネルギーなど新エネルギーを促進することは国策であることも事実です。近く、ソーラーなどを対象とした自然エネルギー協議会が開催され、知事も参加を表明されていますが、どのような展望をお持ちでしょうか。
 6番目は、携帯エリアメールの活用について伺います。
 阪神大震災以来、災害時には携帯電話やメールが有効と言われています。県では、地震や津波などの緊急情報をNTTドコモのエリアメールを使って配信することが、県民だけではなく観光客にも通じ、危機回避に大いに役立つと判断し、今議会に事業予算が提案されています。マナーモードにしていても音でお知らせしてくれる機能もあり、どうしてこんなすばらしいことに今まで気がつかなかったのか、不思議に思うぐらいであります。
 しかし、発表以来、NTTドコモ以外の利用者からは、「私たちのことはどうなるのだ」と、auやソフトバンクの対応を心配する声が上がっています。県の取り組みと電話会社の対応を伺います。
 知事は、今議会の提案説明の中で、新行財政改革推進プランの見直しを表明されました。そこで、大きな2番目は、新行財政改革推進プランについて伺います。
 まず、現行プランの取り組みについて。
 現行の行革プランが策定された平成20年ごろの財政状況は、何もしないと財政調整基金などの基金がすぐ枯渇し、深刻な財源不足になって財政再生団体に転落する可能性がありました。
 そこで、何とか持続可能な財政構造へ転換しようとプランを策定し、行財政改革を断行することにしました。特に一般会計については中期的な収支見通しを示し、職員数や事務事業を見直せば収支不足は段階的に縮減し、財政調整基金等も枯渇することもなく財政運営ができるとのもくろみが示されました。
 当時、知事が、「無駄はもちろん、必要なものでも優先順位が低いものは削減する」と言われたことを覚えております。以後、知事選挙で優しい改革に転じつつも3年が経過しましたが、現行プランの取り組みはどうなっているのでしょうか。現状と評価について伺います。
 次に、プランの見直しについて伺います。
 本県の当初予算は、平成20年度以降、予算規模が3年連続で増加し、逆に職員数は行革により減少していることから、職員1人当たりの仕事量は確実に増加しており、知事は、これ以上の人員削減は厳しいとの見解を示されました。
 しかし、仕事はふえるばかりです。東日本大震災を教訓とした東南海・南海地震対策が待ったなしの状況にあり、知事はさきの提案説明において、全力で進めることを表明されました。また、紀の国わかやま国体についても、県庁を挙げて成功に向けてしっかり準備をしなければなりません。
 これらの政策にしっかり対応しつつ、今までの行政サービスの水準も維持していくためには、マンパワーの維持や増強が必要ではないかと思います。しかし、人員増強ともなれば、財政の健全化が遠のくばかりか、逆戻りしないかと心配いたします。また、東日本大震災の発生により少なからず本県財政にも影響が出ると思いますが、その点も含め、今後どのような方向で見直しを検討されるのでしょうか。
 また、知事は現行プランの目標年度である平成24年度以降も視野に置いて見直しをするとのことでありますが、今後の県政運営を考えるときには、平成27年度開催予定の紀の国わかやま国体が1つの大きな区切りになるのではと考えますが、いかがでしょうか、御所見を伺います。
 大きな3番目は、道路整備について伺います。
 先般、近畿地方整備局長を初め幹部が県庁を訪れ、平成23年度予算の実施並びに今後の事業について説明があったと聞きます。
 県では、1つの目標として、国体開催までに近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間や京奈和自動車道県内全線が供用されるよう要望活動を行ってきました。このことについて何か説明があったのでしょうか。
 次は、4車線化について。
 さて、植樹祭の前日、5月21日に海南─有田間が4車線化され、長年利用者に迷惑をかけてきた渋滞がうそのように解消されました。この際、御努力いただいた知事初め県選出国会議員、地元関係者、工事関係者の皆さんに、厚く御礼申し上げます。
 しかし、既に日曜の夕方には川辺インター周辺で新たに渋滞が発生するなど、渋滞が南下しています。そもそも、2車線区間は1日1万台を超えると渋滞が発生すると言われ、むしろ当然の現象かもしれませんが、有田─御坊間は一体いつになったら4車線化されるのか。私は政権交代しかないと思いますが、有田─御坊間の4車線化の必要性と見込みについて御見解を伺います。
 3番目は、交通安全対策会議について伺います。
 3年前、御坊市湯川町丸山地内の国道42号線交差点で、高校生が後ろから来た軽乗用車にはねられ、死亡しました。現場には早速横断歩道や道路照明が設置されましたが、高校生など自転車や歩行者は必ず現場を横断せねばならず、危険性は一向に減少していません。一刻も早く両側に歩道を設置していただきたい。御坊市や地元から紀南河川国道事務所へ要望していますが、現在のところ、新規採択の基準には達しないそうです。
 普通の県民からすれば、県道は両側に歩道がつく立派な道路なのに、さらに交通量が多く、道路の設計基準も高いはずの直轄国道に歩道が設置されないのは合点がいきません。そもそも、道路整備の採択基準に交通安全の視点が全くないとは言わないまでも、基準が緩いのではないかと思ってしまいます。
 県では、交通安全対策会議を設置し、5カ年計画を策定するとともに毎年見直していますが、計画の実現に向けた県の取り組みを伺います。
 大きな4番目は、公共交通観光について伺いたいと思います。
 実は、「公共交通観光」、これはグーグルで検索しても出てきません。私が勝手につくった造語でありまして、公共交通機関を使った観光という意味でありますので、御了解をいただきたいと思います。
 本県では、観光客の集客を図るため、これまで鉄道の高速化や高速道路の延伸、4車線化、また関空や白浜空港の増便活動など、本当に血のにじむ思いで一生懸命に推し進めてきました。このことは間違いはありません。しかし、せっかくある地方の路線バスなどには国からの補助金で赤字を補てんするだけで、何か高度利用することは全く何もしてこなかったのではないでしょうか。
 これから県内で新路線が開設されることは困難で、今は残っているだけでもありがたいことであります。もしこの赤字バス路線に観光客を誘致することができれば、バス会社が喜ぶだけではなく、地域も路線を維持できるし、何といっても地域振興になります。また、観光客も安価な旅行ができて、おいしいお酒も飲めます。それに、今はやりの環境に優しいエコツーリズムにもなります。
 今回の質問に当たり、改めて県内バス路線図を見ますと、高野や熊野など世界遺産への路線は充実していることは当然としても、何と高野山へは、有田からと海南からと2路線が立派に運行されているのには驚きました。
 現在、赤字路線は補助制度が縮小され、このままいけば廃止になることも予測され、結局はコミュニティーバスになり、行政の重荷になるだけです。一度失われたものを復活させることは容易ではありません。観光立県を目指す本県にとって路線バスは観光振興の有力な手段だと考えます。公共交通観光、すなわち地方路線バスなどを使った観光振興を提案申し上げますが、知事の御所見を伺います。
 最後に、生食用食肉の衛生基準について伺います。
 焼き肉チェーン店の集団食中毒事件を受けて厚生労働省が実施していた全国調査の結果が、6月14日に発表されました。全国で生食肉を提供している飲食店の51.8%が、食肉処理業や販売業では約35%が国の衛生基準を守っていませんでした。同時に、都道府県では唯一本県だけが100%の飲食店で基準を満たしてないことが判明し、大変驚くとともに残念に思いました。一方、店側からは、役所から指導もなく、基準がはっきりしないので何が悪かったのかわからないという意見もありました。
 この際、責任がどこにあるかということより、一刻も早く適切に遵守されるよう官民挙げて努力すべきであると思いますが、県当局の認識と今後の取り組みについて伺います。
 以上で、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(新島 雄君) ただいまの中村裕一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、東日本大震災に関して、知事の感想と地域防災計画の見直しについてという点でございます。
 3月11日に発生いたしました東日本大震災では甚大な被害が発生し、多くの生命が失われました。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
 従来の想定を超えた未曾有の大震災は想像を絶するものであり、東海・東南海・南海地震への備えを喫緊の課題とする本県防災の責任者としては、背筋の凍る思いであります。
 今回の大震災を教訓に東海・東南海・南海地震への備えを万全にするために、県では防災・減災対策の総点検として、県民1人1人が避難場所、避難方法を自覚できるように徹底するほか、住宅の耐震化、家具固定などの減災対策の緊急点検に取り組んでいるところであります。また、いずれ行われる国の東海・東南海・南海地震の被害想定の見直しを受けて、県の被害想定を見直すこととしております。
 このような総点検では、地震・防災対策総点検専門家会議の意見をいただきながら──これは、今、国でも中心になって頑張っている河田先生とか、避難の片田先生とか、そういう少数でありますが、大変立派な先生方に無理をして来ていただいて、御意見をいただいているところでありますが──そういう御意見をいただきながら行っていきたいと考えております。
 このような総点検を踏まえまして、県や市町村の計画についても必要な修正を行いますとともに、ハード整備、これについても、この総点検に従って行うべきところをどんどん進めていくということにしたいと考えております。
 また、国レベルの協力も必要でございます。高速道路などのインフラができていない当県では、一たん地震、津波が起こったときに被害がさらに拡大するおそれがございます。そこで、こういう整備をお願いする。これは単独でも行っておりますが、6月16日には、超広域災害への備えを強力に進める9県知事会議を設置いたしまして、国に対して要望を行っているところでございます。
 次に、津波新法でございます。
 6月17日に、参議院において津波対策の推進に関する法律が可決・成立いたしましたことは大変大きな一歩であり、和歌山県として待ち望んでいたところであります。
 この法律は、津波の観測強化や調査研究の推進、防災教育・訓練の重要性や必要性について鋭く御指摘をいただき、必要とされる財政上の措置についても盛り込まれているものであります。
 中でも津波防災の日である11月5日は、安政の南海地震の日、「稲むらの火」の故事が語り継がれている日であります。
 濱口梧陵という、このすばらしい人物が我らが郷土から出たことは、大変な誇りであります。その上、和歌山県議会の初代議長であり、議員各位、県民ともにこの法律の成立を喜びたいと思います。
 この立派な偉績を検証するような何らかの事業を検討したい、こういうふうに現在考えているところでございます。また、以上申しましたようなことを早速知事コメントにまとめまして、6月17日に発表さしていただいているところであります。
 次に、東日本大震災に関する風評被害というくくりでございますが、特に経済問題でございます。
 まず、震災の影響を含めました景気情勢につきましては、震災直後、原材料、部品・部材の調達が困難になったことや、首都圏などの売り上げ減少等で、化学や電気・電子、あるいは家具・建具、繊維などの業界を中心に影響が出ていたところであります。その後、代替品の調達や生産復旧により、現在はやや落ちつきを取り戻しておりますが、今後、電力逼迫のおそれやサプライチェーンの復旧の見通しなどの懸念要因により、本県経済の先行きは予断を許さない状況であります。
 また、県内の主な観光地の宿泊予約のキャンセルや海外観光客の落ち込みなど、観光業界は現在でも大きなダメージを受けたままになっております。
 私は、このような事態に対応するため、世界不況に伴い設置した緊急経済対策本部の取り組みを適用するなどの全庁的な対応を行っているところであります。具体的には、産業別担当者制度などにより業況の把握に努め、相談窓口の設置、震災により間接的な被害を受けた中小企業者への新たな資金繰り対策、あるいは県内輸出業者への支援を実施してきたところであります。
 次に、海外向けに輸出される食品、あるいは一部非食品もございますが、海外バイヤーによりますと、日本産品は震災後、売上高が相当落ち込んでおります。また、各国からは日本産品への過剰な輸入規制が行われております。これが行われた当時──震災直後ですが──政府は外国と全く闘わなかった。不当なこのような外国の措置に対して全く闘わなかったということを私は声を大にして抗議してまいりました。
 このような輸入規制は、風評被害などという言葉で語られるようなものでございませんで、明らかにWTO違反であります。
 世界の貿易秩序は、SPS協定というのがありまして、これによって不合理で科学的な証明のないような、そういう輸入措置を、検疫であろうととってはいかんということになっておりまして、紛争解決の手段などもきちんとできております。これを全く使わないで、諸外国の言いなりになって日本国民を守らなかった政府の責任というのは大変重いというふうに思いまして、そういう弱い政府の動向を見て、各国が次々とこのような措置を拡大してまいりました。
 私は、和歌山でもそれに抗議して声を大にして言っておりましたが、政府にも乗り込んで、これを一生懸命、きちんと外国と闘うようにと進言をしてまいりました。ようやく最近、少しずつ政府も行動を起こすようになり、諸外国も少し見直そうかなという動きが出ているようでありますけれども、随分日本の利益が損なわれたというふうに思います。
 一方、県では、和歌山県の業者さんがこのような被害に遭うと大変というのが大事なことであります。したがって、全国に先駆けて県がリスクをとっていち早く諸外国への原産地証明書の発行を行いまして、事業者からは、証明書により相手国への輸出ができたとの報告があったところであります。
 今後とも、県内事業者の輸出機会の確保については、機動的に万全を期してまいりたいと考えております。
 次に、関西広域連合の成果であります。
 議員御発言のとおり、被災地支援の面では大きな成果があったと考えております。この大災害に対して、16年前、阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた関西だからこそ、一日も早い復旧・復興を心から願い、発災2日後の3月13日には構成府県の知事が一堂に会し、特に被害が甚大な宮城県、岩手県、福島県を支援対象としたカウンターパート方式と、それから情報の一元管理の枠組みを構築しました。
 本県は、大阪府とパートナーを組みまして岩手県を中心に支援することになり、3月14日には現地連絡所を設置、4月1日からは現地事務所を開設し、ニーズに応じた的確な支援に現在でも取り組んでいるところであります。
 このように関西の力を結集し、スピード感を持った支援活動が実行できているのは関西広域連合の大きなメリットであり、支援活動に御協力いただいております県民、県内市町村、各種団体、企業等に感謝申し上げたいと思います。今後は、他の分野でも大きな成果を出せるように、副連合長として取り組んでまいりたいと考えます。
 次に、節電対策、それから自然エネルギー協議会の関係であります。
 関西電力に対しましては、関西広域連合として、以前から削減目標のフレームを示すように、電力需給は大丈夫かというようなことを詳細に教えるようにずっと言ってまいりました。「なかなか詳細なことは教えてもらえなかったんですが」と言ってるうちに、いきなり一律15%の節電を要請されたということに対して、二重の意味で遺憾であると私は思います。
 1つは、この要請の当初、詳細な供給側の説明がなかったということでありまして、もう1つは、各経済主体がそれぞれ電力をどういうふうに使ってるかというのが違う中で、全体として15%の節電を達成するためにはだれにどのような要請をして努力していただいたらうまくいくかというようなことについてどう思ってるのかというようなことも全く提案されておりません。だから、そういう意味では、まだまだこれからだというふうに思っております。関西電力に対しては、このような具体的な根拠とか必要性を明確に説明するように要請しているところであります。
 現時点では、夏のピーク時に少々電力が不足するおそれがあるという当時の考え方を前提にいたしまして、関西広域連合でまとめられた節電対策がございます。これは、夏の期間、オフィスと生活で5%の節電をお願いしようじゃないか、ピーク時には10%にしようじゃないかというような考え方でございますが、こういう節電対策に沿いまして、当県では、県民生活、とりわけ経済活動に悪影響が出ないように注意しながら、わかやま節電アクションプランにより対策を進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
 しかし、実態が明らかになってきますならば、一段とギアチェンジをする必要が出てくるかもしれません。その辺は慎重に、かつ注意深く勉強を続けてまいりたいと考えております。
 なお、電源開発の可能性でございますけれども、今後も電力供給不足が続くのであるならば、和歌山でのLNG火力発電所とか、あるいは自然エネルギーの利用プロジェクトなどの建設、さまざまな可能性が生じてくるかと考えております。
 また、関西広域連合へのメガソーラーの立地要請につきましては、既に当県として候補地を申し出ている段階であります。今後、ソフトバンクと条件の面での検討が行われるのではないか──まだ行われておりませんが──行われるのではないかと思っておりまして、それに応じて我が県の詳細な対応を考えてまいりたいと考えております。
 次に、自然エネルギー協議会──これ、全体で行うことでございますが──これの展望につきましては、今後7月に協議会の設立が予定されておりまして、メガソーラーなど具体的な取り組みにつきましては、この協議会の中で国全体としてどういうことが必要になってくるかというようなことを決め、そして共通して運動していくということになるんではないかと考えております。
 次に、行革でございます。
 これまでのプランの取り組みでございますが、まず歳出削減策の1つとして、職員数を大幅に削減してまいりました。
 職員数の削減につきましては現行プラン以前から取り組んでおりますが、平成17年からの5年間で12.5%、2200人以上の職員を削減しております。それとあわせて、事務事業の見直しを徹底し、合理化を鋭意進め、歳出削減に努めてきたところであります。
 また、歳入確保策として、県税収入率の引き上げや未利用財産の処分に積極的に取り組む一方、退職手当債等につきましては極力発行を抑制し、健全な財政運用に努めてまいりました。
 こうした取り組みや国の経済対策等も積極的に活用した結果、平成23年度当初予算編成時点で収支不足は、プラン想定では23億円でありましたが、16億円に圧縮し、財政調整、県債管理両基金も200億円を確保するに至っております。
 一方で、公共投資額をこの4年間で1.5倍に伸ばしまして、医療、福祉など安心・安全策を後退させることなく、このような目標でございます「基金の大幅な取り崩しに頼ることなく財政収支が均衡する状態」へ着実に成果を上げているというふうに考えております。
 次に、見直しの方向性についてでございますが、今後も「未来に羽ばたく元気な和歌山」の実現に向け邁進するとともに、東南海・南海地震に備えた防災・減災対策や紀の国わかやま国体の開催準備など、新たな行政需要にも適切に対応していく必要があるというふうに考えます。
 そのためには財源も人員体制も必要となりますが、特に人員については、もうこれ以上は減員は難しいと私は思います。中期的に現在の規模を維持していく必要があると考えているところであります。
 一方、これまで着実に歩を進めてきた財政の健全化を後退させるわけにはまいりませんので、財政の収支見通しをきっちりと行って、双方を両立していくための行財政改革をもう一度検討してまいりたいと考えているところでございます。
 その際には、実は懸念もございます。東日本大震災に起因する税収減や、あるいは地方交付税に係る国の動向、社会保障と税の一体改革の地方財政に与える影響など、心配なところは大変多うございます。見直しに当たっては、そのような点もきちんと見きわめながら、これにも耐え得るような、そういう対策を考えてまいりたいと考えております。
 また、御指摘のように、現行のプランの見直しに当たっては、国体開催予定の平成27年度までの5年程度を取り組み期間として検討してまいりたいと考えております。
 次に、道路整備でございます。
 高速道路の国体開催までの供用についてですが、先般の近畿地方整備局との会議において、近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間や京奈和自動車道については、平成23年度直轄事業の事業計画の中で平成27年度供用予定と示され、今後、目標に向け頑張っていくとの説明がありました。
 このことは、これまで働きかけてきた成果であると評価しているところですが、一方で、これらの平成23年度の当初予算は、残事業費を勘案すると依然厳しい状況になっています。このため、整備局長に対しては、改めて平成27年国体開催までの供用と、今後の事業推進に必要な予算をちゃんと確保してもらうよう強く申し入れたところであります。
 次に、有田─御坊間の4車線化でございます。
 議員御指摘のとおり、海南─有田間の物すごい渋滞は解消されましたが、有田─御坊間については、容量をはるかに上回る、議員御指摘のような交通量がございまして、既にかなりの渋滞が発生しているところであります。また、対面交通に起因する重大事故の危険性からも、4車線化は喫緊の課題であると考えております。
 この区間については、昨年11月に4車線化の都市計画決定を行い、今後は国で整備手法を決定した上で事業化を進めてもらう必要がありますが、一方で国の道路予算は依然厳しく、今後の高速道路整備のあり方も非常に不透明な状況にあります。
 そこで、そうした中、先日、国土交通省で設置されております高速道路のあり方検討有識者委員会で意見発表する機会を得ましたので、大規模地震に備えた紀伊半島一周の高速道路整備や4車線化の必要性について、強くあるいは理論的に訴えてきたところであります。
 県といたしましては、整備計画が策定されており、前政権の際745億円の4車線化予算がついていて現政権で取り上げられてしまった御坊─田辺間を含め、県民の悲願である有田─田辺間の4車線化が早期に実現されますように、引き続き国や関係機関に対して強く働きかけてまいりたいと考えております。
 次に、いわゆる公共交通観光でございます。
 路線バスについては、観光客が安価でかつ手軽に利用でき、観光振興を図る上でも重要な交通手段であると認識しております。しかしながら、観光客にとっては、旅行の計画時に路線の有無や鉄道との連絡など、煩わしさが伴うものであります。また、情報が少なければ、なかなかつらいものがあると思います。
 このため、県では、「旅のインデックス」や「わかやまアクセスガイド」等の県観光パンフレット、わかやま観光ホームページからの情報発信に加えまして、JR、南海電鉄が発売している電車と路線バスを組み合わせたフリー切符の紹介など、利用促進に努めているところであります。
 また、今年度は、近年増加傾向にある熊野古道を歩く個人旅行者の利便性の向上とさらなる誘客を図るため、発地から熊野古道を経由して着地までの路線バスを活用した交通手段がパソコンや携帯電話から簡単に検索できるシステムを開発するなど、インターネットを活用した情報発信に努めてまいりたいと思います。
 さらに、県内各地の路線バスを活用した観光ルートを順次システムに組み入れていくとともに、鉄道会社に対して、路線バスを組み込んだフリー切符等の充実を働きかけてまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 携帯エリアメールの活用についての御質問にお答えいたします。
 NTTドコモ以外の携帯電話につきましては、KDDI社、ソフトバンクモバイル社に対し、同様のサービスの提供について既に申し入れを行っており、開発の意向がある旨の回答をいただいております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 環境生活部長保田栄一君。
  〔保田栄一君、登壇〕
○環境生活部長(保田栄一君) まず、道路整備の交通安全対策会議の実効性についてでございます。
 交通安全対策会議では、昭和46年度以降、平成22年度まで8次にわたり交通安全計画を策定し、国や市町村など関係機関が連携して交通事故による死者数の減少に努めてきたところです。
 昭和46年度には、交通事故による死者数が本県では223人であったものが、第8次計画の最終年度である平成22年度には50人となりましたが、とうとい命が奪われていることに変わりはございません。
 平成23年度からの第9次計画では、高齢者及び子供の安全確保、歩行者及び自転車の安全確保並びに生活道路及び幹線道路における安全確保の3点に重点を置きまして、平成27年度までに年間交通事故死者数を38人以下にするという厳しい目標を設定し、交通事故による死傷者数減少のため、関係機関と力を合わせて取り組んでまいります。
 次に、生食用食肉の衛生基準についてですが、緊急監視に当たっては、消費者の健康保護の観点から、国の衛生基準通知への適合性を厳格に審査したところです。
 適合しなかった項目としましては、微生物検査が実施されていなかったことや、トリミングが正しく行われていなかったことによるものです。従来から機会をとらまえて衛生基準に基づく取り扱い方を周知してきたところですが、その方法や頻度が不十分な面も見受けられました。
 今後は、消費者の生食ニーズを踏まえ、衛生基準に適合しなかった営業者には生食用食肉の取り扱いを中止するよう監視指導を強化してまいります。
 また、生食用食肉を取り扱おうとする営業者に対しましては、衛生基準に基づく取り扱い方を周知徹底させるよう指導するとともに、その適合性を消費者に示すことができるような制度を検討してまいります。
 以上です。
○議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 以上で、中村裕一君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 24番中 拓哉君。
  〔中 拓哉君、登壇〕(拍手)
○中 拓哉君 皆さん、おはようございます。「なかなか頑張る中拓哉」、お声もかかりまして、ありがとうございます。平成11年の4月に和歌山市議選に初出馬してからずっと言い続けてはや12年がたち、13年に入りました。
 去る4月10日の県議選で9902票の得票で再びこの県議会に送ってくださいました和歌山市民の御期待にこたえ、応援してくださった県下各地の支持者の御恩に報いる上からも、任期の4年間、止暇断眠で頑張ってまいります。
 この演壇に立つのも、討論2回、質疑1回、一般質問11回と、都合14回目の登壇でございます。その都度、主権者から託された大事な質問権を行使してまいりました。また、有効に行使していきたいと思いますので、執行機関の皆様には、皆さんの雇い主である県民におこたえする、そういった真摯な御答弁をお願い申し上げたいと思います。
 さきの東北太平洋沖地震発生の3月11日は、歴史の転換点になってしまいました。日本のみに限らず、あの2001年の9.11にも匹敵する、原子力事故の重大性からも、世界的な衝撃の日として記憶されるでありましょう。一日も早いこの原子力事故の収束を願いつつ、また震災地の復興を願いつつ、現にこの時間も苦難の渦中にある方々に思いをはせつつ、ここで質問したいと思います。
 昨年の6月議会で、私は、発足間もない菅政権の評価を知事に伺いました。菅首相就任6月8日の組閣で、菅さんは「奇兵隊内閣」と自称し、その後、9月14日の民主党の代表選──大接戦ではないかと言われて、その代表選で再選を果たして小沢色を一掃し、9月17日には「有言実行内閣」を組閣しました。また、1月14日の再改造内閣では、これも驚きだったんですけども、与謝野馨経済財政担当大臣として閣内に招き、増税財政再建を託し、マニフェストの修正に取り組んできておりました。
 平成23年度の予算も、衆議院の採決時には16人の民主党の代議士が欠席しての賛成多数でしたし、予算委員会等で追及を受けて引責辞任した前原外務大臣に続き、菅首相の資金管理団体「草志会」に104万円の献金疑惑があるということで指摘されるなど、窮地に陥ったやさきに今回の大震災が発生しました。その後の混乱は、皆さんも御承知のとおりでございます。
 知事には、6月8日の記者会見でもお答えなさってるようですけども、この議場で改めて、この1年間の菅内閣への評価をお伺いしたいと思います。
 次に、先ほど中村先輩もお触れでしたけども、関西広域連合についてお聞きします。
 20年6月議会で、私、道州制のことを勉強しまして、知事に見解を問い、またその後、所属さしてもらいました特別委員会においても、関西広域連合に臨む姿勢など、例えば仁坂知事に連合長に立候補すべしと、そういったことをあなたに問いただしてまいりました。
 昨年12月に発足し、この2月には広域連合の定例議会も開催されたとの由でございます。また、東日本大震災の被災地支援ではカウンターパート方式で対応し、功を奏している由、あるいはサマータイムによる節電策、先ほど御答弁もありましたけど、自然エネルギー協議会参加や出先機関の移管問題など、その都度、報道や資料提供でお仕事の様子はうかがえるのですが、意思決定の有無がもうひとつ判然としません。関西広域連合のこの半年間の評価を改めてお示しください。
 次に、原子力についてお尋ねします。
 本県には原子力発電所はございませんが、かつては日置川町や日高町に設置しようとの動きがございました。当時、坂井弘一代議士の秘書だった私も、素人ながら勉強もいたしました。当時から広瀬隆さんの「東京に原発を!」や「危険な話」といった著作が話題を集め、それなりの説得力がありました。学生時代の愛読書だった「朝日ジャーナル」という雑誌なんですけども、今回、うれしいことに、臨時号ですけど復刻版が出まして、それに広瀬隆の論文も載っておりまして、それを読むと「電力不足は起こらない。原発は即刻とめられる」とございました。
 また、いろんな専門家が書いてくれてますけども、同じ号に、あの西澤潤一東北大学名誉教授の論文では、「学問の基本に立ち返り、事象の『理解』と『予測』を」とのタイトルで、原子核反応も恐れるに足りずとする内容でございました。
 先般、NHKの「原発危機 事故はなぜ深刻化したのか」というスペシャルの番組を見てますと、全交流電源喪失事態における政府、原子力安全・保安院、原子力安全委員会、東京電力の余りの無力ぶりに、見ていましてもう失望をいたしました。
 それまで私の理解は、私の妻の兄が名古屋大学の大学院で原子力の研究を専攻し、動燃──当時ですけど──動力炉・核燃料開発事業団にも勤務してましたので、私もあれこれ素人ながら、女房の兄貴が帰ってきたときに質問を投げかけたところ、何事によらずすらすらすらすら答えてくれるもんですから、原子力行政に対して漠然とした安心感を持っておりました。
 しかし、今回の事故に関する報道や識者の見解を読むたびに、むなしさを覚えるといいましょうか、「世界」なんかでも、もう5月、6月と特集してくれてますし、いろんなところで識者が書いてるのを見ますと、今まで何やったんかなあ、そういう虚脱感というか虚無感に襲われます。一刻も早くアインシュタイン以上の天才があらわれて今回の事故を収束させてくれて、放射性廃棄物を出さない核融合の技術を確立させてくれたらなあ、また、このエネルギー問題については、それこそコペルニクス的な転換をもってエネルギーの政策を推進してもらえたらなあ、そんなことを期待するもんでございます。
 概して言えますことは、いわゆる原子力村、東大の理学部出身者を中心とするんでしょうか、あるいは日本の原子力関係の研究者を中心としましてでき上がっているこの原子力村、これを中心にいただく日本人のいわゆる中空構造がこういう事態を招いたんじゃないか。スリーマイルにしろ、チェルノブイリにしろ、高木仁三郎さんのような権威ある方が警告を発し指摘していたところで、結局は日本人全体が、お上には逆らわない、長いもんに巻かれろ、さわらぬ神にたたりなしと、そういった体質が、この関係者が反省し、謝ってざんげすると、そのことをまた私たち日本人もみずから許してしまう、そういうところにあるんじゃないかなと思います。
 仁坂知事には、通産官僚のキャリアの中で原子力行政にも参画された由、仄聞します。科学技術庁ですか、原子力安全課長ですか、そういった職にもおられましたんで、いまだおさまらない、先の展望の見えない今回の福島第1原発の事故に対する知事の所見をお述べいただけたらと思います。
 去る6月の3、4、5日、2泊3日で仙台から八戸まで、多田県会議員、中尾和歌山市会議員の3人で震災地を訪れてまいりました。都合830キロの強行軍でございましたけども、朝8時30分に仙台空港におり立ち、函館ナンバーのレンタカーをしつらえました。仙台空港ではもう既に車が流されてましたんで、函館から引き回してると、こういうことでした。
 石巻市立ふたば保育所を訪ね、わかもののちからプロジェクトが集めた絵本500冊の贈呈に同席さしてもらいました。絵本を集めた中心者の4名の青年とともに保育所を訪ねましたところ、園児たちからは、「ありがとう」の言葉とともに、それはそれは無邪気な笑顔で大歓迎を受けました。
 園長先生からは、震災当日の津波に襲われたときの様子、もともと避難場所は園児を連れて遠いところ、距離のあるところへ行かなあかんかったらしいんですけども、とっさの機転でお隣の東北電力の事務所ビルに避難した御様子、一部始終を伺い、危機管理のお手本を教わりました。
 その後、石巻市内の港湾施設や市街地、海岸沿いの町並みを走り、石巻に日和山という高台がございましたんで、そこから市内の全貌をうかがいました。川の中州から海岸にかけては、まさに全滅です。信号はつきません。車はうずたかく積み上げられ、瓦れきを運ぶトラックが土ぼこりを上げながら激しく往来しておりました。
 関東大震災の折に、関東・東京方面で流言飛語が飛び交いまして、その犠牲となって弾圧された在日の外国人──まあ中国人、朝鮮人、韓国人、そういった方々ですけども──そういった方々の弁護に携わられた方で、石巻出身の方がおります。その弁護士は、みずからも治安維持法に問われ、自分の息子さんも治安維持法で獄死に遭いながら最後まで軍国主義と闘った布施辰治さんという方で石巻の出身なんですけども、石巻にせっかく来たんですからこの方の碑を訪ねようと思うて探しました。
 その碑には「生きべくんば民衆とともに 死すべくんば民衆のために」との碑文が刻まれておりまして、公園のきれいなところに建ってたんですけども、今回の震災でその公園は仮設住宅が建っておりまして、その碑も仮設住宅の後ろに静かにたたずんでおりました。そういったところも訪ねながら、一路、南三陸町へと向かいました。
 翌日訪ねた陸前高田市もしかりでありましたが、もうこの南三陸、陸前高田からずっと海岸沿いにかけては、ひたすら瓦れきの山であり、海沿いはコンクリートの建物の外壁が残るのみ、あとは家の基礎の跡が残るのみで、見渡す限りの平地であります。大船渡や釜石市は被災の建物の片づけも進まず、ところどころに備えられたお花やぬいぐるみの鮮やかさが悲しみをそそります。
 内陸部では、ふだんの生活なんです。その様子を映すだけに、その余りの乖離に非情さをうらみます。むごたらしく、おののくばかりで、言葉がございません。
 3日目は遠野市を訪ね、自衛隊が駐屯する運動公園で六車第9後方支援連隊長の御説明を受けました。平成19年、20年と大がかりな訓練を実施しており、地震当日直後から各部隊がこちらに集積し、各方面に展開していって後方支援に当たった旨のお話に感銘を受けました。
 遠野市の博物館では、明治三陸地震津波の直後に、この気仙沼から九戸まで300キロにわたって三陸海岸を海岸沿いに44日かけてくまなく被害調査をした山奈宗真さんという人の業績に触れまして驚愕しました。驚嘆しました。
 また、そこでも習ったことですけども、大船渡市の三陸町吉浜という字では、明治29年、昭和8年の2度の大津波の教訓から、当時の柏崎丑太郎村長さんの命で海抜20メートルのところに道をつくって──ここは今、県道になってますけど──ここから下には住むべからずと決めて今回の津波の難から逃れたとのお話を、この道沿いのおうちのおばあちゃん、老婆から教えてもらいました。
 和歌山県が支援に当たっている山田町の役場も訪ね、佐藤勝一副町長と面談の折には、「和歌山の皆さんに助けられています。感謝します」とのお言葉を賜りました。避難所となっている山田高校も訪ね、みずからも家を流され避難暮らしの役場の職員さんからは、避難所運営の様子を詳細にわたり御教示くださいました。
 避難所の体育館にはテレビが数台置かれておりまして、お聞きしましたところ、震災後、NHKや日本テレビといった民放会社からもらったとのことでございます。
 なお、本県から2人の保健師さんが任務に当たっておられましたので、非常に頼もしく思いました。
 ずっとこの800キロから回ってきまして、いずれの地も頑丈、屈強な堤防が無残にも破壊され、おうちをなくされている光景に、世の無常を感じずにはおられません。また、お亡くなりになった方々の無念、残された遺族の方々の喪失感、いかばかりかと胸が締めつけられるばかりでございます。
 翻って、本県に思いをいたすとき、私たちは何をなすべきでありましょうか。あの3月11日、私も選挙の前ということもあって外回りしておりましたけども──名草のほうを回ってました。何か防災のサイレンが鳴り始めました。ラジオをつけたら東北で地震だと。そうこうしてましたら消防団長──私、砂山消防分団員であります──消防団長からすぐ戻ってこい、そういう連絡を受けて、消防服に着がえまして消防の小屋に、砂山の小屋に詰めました。
 砂山小学校が避難所でございます。ランチルームに市民の方が三々五々避難されてきました。また、聞けば、和歌浦小学校やアート・キューブにも避難なさってる、そういうお話でしたんで巡回に伺いましたところ、私を見て、県会議員と知ってる方があるなり、「中さん、県会議員やで」と言うてくれた途端に、もう皆さん口々に、私のところへ寄ってきて、「今どうなってんのよ。もう3時間、4時間なるけど」、「あの人帰ったけど、私も帰ってええかの。ちょっと大事なもんとりに行きたいよ」。それはそれは皆さん情報に飢えてたといいますか、情報に触れてませんもんですから、いろいろいろいろと聞いてくださいました。
 一方、町内会長や避難所にいる校長先生、あるいは市役所の職員さんは、事務室、校長室にあるテレビに触れてますから、私らと同じように、ああ津波が寄ってるなあ、こんな映像あったんやなあ、コンビナート燃えてるなあ、まだ余震続いてるなあ、大津波警報出てるなあ、そういう情報に触れるわけでございます。
 あの日、私、南館へもお邪魔しました。知事も陣頭指揮を振っておられました。「和歌山の防災ヘリを今、東北に飛ばしたところだ。晩も飛べるか、飛べるんなら行けと、こういった指揮をしたところだ」と。あるいは「県内の水門、樋門、堤防の様子も調べさせてるんだ」と。知事も陣頭指揮をとっておられましたし、職員の皆さんも、緊張の中、気ぜわしく任に当たっておられました。和歌山市内では渋滞も起こっておりました。
 そういった中で、私も折々テレビに触れますから、お昼にテレビが撮った先ほどの津波の映像、あるいはコンビナートの火災、そのほかいろんな場面に触れることができます。
 その後の原発のことは、もうくだんのごとしで、詳しくは申し上げません。
 この東日本の大震災を受けたときに、私の経験から、避難所の見直しなど、本当に進めてもらいたいな。県も、先ほど知事の答弁にありました、鋭意お取り組みのことと、そのこと自身は頼もしく思いますけども、その上で、県民から寄せられたそういった疑問あるいは要望、いずれ襲ってくる東南海・南海地震への備えから、以下、幾つかお聞きしたいと思います。
 1つは、3月11日の大津波警報発令下での県下の避難の状況、お示しください。
 また、これは市民から寄せられる声ですが、聞きづらい、何言うてるかわからんと言われる防災行政無線の放送内容の周知、改善策はおありでしょうか。
 また、津波ハザードマップ、和歌山市民らには配られておりますけども、今回の国の見直しを受けて津波ハザードマップは市民のところにいつ届くんでしょうか。配布時期をお示しください。
 また、いただいてる津波のハザードマップ、和歌山市民の私の家に届いたものを見ますと、米印で「津波のときは浸水のおそれがあります」て書いてます。避難所はここやて書いてくれてるんですけども、小さく米印で津波のときは使わんといてと、まあこういうことでしょうね。
 防災マップとしてはそれででき上がりかわかりませんけども、市民にそんなもん配っててええんでしょうか。やはりそういうことがはっきり、つかるところはつかるところ、震災のおそれあるところは津波のハザードマップでは省いとくのが本来じゃないでしょうか。そういった点の避難所の変更地なんかについてもお示しください。
 先ほど来申し上げております情報が遮断されることは、非常につらいことです。毛布やパン、水はくれるかわかりません。しかし、避難地で数時間、情報のない中でひたすら待たんなん、この恐怖や、相当なものがあると思います。ですから、こういった恐怖、あるいは間違った揣摩憶測、流言飛語──そこで、私が先ほど「そやね、帰ってええん違う」と言うた途端に、「中さんが帰ってええと言うた」ということで皆さん帰り始めます。そういった間違った伝達が起こるわけですから、なるべく皆さんが一斉に同じ情報に触れるように、こういった避難地へテレビを設置すべきと考えますが、いかがでしょうか、お答えください。
 次に、また視点を変えまして、日ごろ気づいたところの中でお尋ねします。
 県の施策を県民に広報する上で有効なツールとして「県民の友」がございます。これについてお伺いします。
 6月号を見ますと、環境月間に合わせた特集記事あり、2月議会で成立し、この7月1日から施行を迎える暴力団排除条例の周知あり、あるいは毎回好評な知事のメッセージ「県民の皆様へ 『社会実験』」と称する随筆ありと充実した内容とともに、A4サイズの手軽さが親しみを持って県民に受け入れられております。
 4月の後半に、先ほど中村先輩の質問にありましたけど、ユッケの食中毒の事件が、報道がございました。子供さんが亡くなった。本県の状況をそのとき調べました。そしたら、そもそも和牛の生食用というのは流通していること自体がおかしいんですと、国が安全審査して認めた食肉処理場はありませんと、こういうことでございました。しかし、うちのせがれも非常にユッケが好きなもんですから、焼き肉屋へ行ったときは、メニューにも載ってるし、当たり前のように食べておるのに、おかしなことがあるもんだなあと思いまして、その後の調査を待ちました。
 その折、家庭での食中毒も心配なので、「『県民の友』で載せるんかえ」と言ったら「載せます」と、「載せたらどうよ」「そや、もう『県民の友』に載せますよ」、こういう話でございました。当然、梅雨時の6月号に載るものと思っておりました。そんなことをやりとりしたんが4月の末、5月の連休明けだったかと思います。当然6月号に載ると思いましたら載ってませんでしたので、聞けば、「締め切りが発行の40日前で、もう6月号は間に合いませんでした」、こういうことでした。
 一方、これも先ほど知事も答弁ありました関西広域連合として取り組む節電の取り組み、これはつい最近決まったことですけども、聞けば7月号の「県民の友」にチラシとして一緒に入れて県民の皆さんにお知らせするというんですね。
 こういうことから私なりに理解したことは、要は県職員のやる気違うんかえと。間に合うも合わんも県の職員のやる気じゃないんか、こういうことでございます。40万部という全世帯に配る大量の部数を印刷、裁断、こん包、発送するわけですから、印刷業者さんの日数には短縮の余地はさほどないかもわかりませんが、原稿を出稿したり、構成したりレイアウトあるいは編集、そういったことをしたり、あるいは文章の間違いの校正、そういったことは、庁内間では当然パソコンをお使いでしょうし、印刷業者にももうビットで渡すわけですから、1日あったらできるわけですね。
 そういうことから考えると、非常に有効な媒体でございます「県民の友」をもっと機能的に運営できるように改めてはいかがでしょうか、お答えください。
 また、和歌山市がこのほど、こういった「わかやまし暮らしのページ」と称する冊子を全世帯──16万世帯、和歌山市にありますけども──全戸配布しました。180ページほどのボリュームで網羅的に市の事務を紹介し、いろんな形の問い合わせの窓口のことをきっちり詳細に書いてくれております。
 市会当時からこういったことの改善を求めてきましたので、うれしい限りなんですけども、和歌山市も賢うなりまして、時節柄でしょうか、自分のところの自腹使ってないんですね。ちゃんと広告をとってやらす会社に任せて、こういう立派なん、できました。ちょっと広告多いんで広告の多さのしつこさはあるんですけども、ただでできたということで良としまして、今回は提案でございます。
 こういった民間のノウハウを活用すれば、和歌山県版のこういった暮らしの便利帳を作成して40万の全戸に配布できるんじゃないでしょうか。県の皆さん、福祉なら福祉、環境生活部なら環境生活部、それぞれ小冊子を出してくださってます、県民の皆さんに周知するために。しかし、そういったことがこういった手法を使えば1冊で済むんじゃないでしょうか。そういったことを提案したいと思います。何かこれをしていく上で支障があれば、お答えいただきたいと思います。
 次に、議案第79号建築物等の外観の維持保全及び景観支障状態の制限に関する条例についてお尋ねします。
 かねてから、和歌山市内におきましても、空き家となって久しく、持ち主がもう亡くなってたり、相続もあいまいなまんま朽ち始めた危険な建物があるということで、市会議員当時もいろいろ相談が寄せられましたけども、難儀してきました。「次の台風来たら、中さん、これ、かわら落ちるで。壁崩れるで。けがするのわかってんのに」ということだったんで、私なりに勉強しまして、まさに急迫不正の侵害だ、こういうときは他人の財産であっても片づけてええと、こういうことでございまして、市役所にも申し上げますけども、私有財産の所有権は侵害できやんのやということで取り合ってもらえませんでした。せいぜい市の方が消防とか警察の方とかに連絡とってくださって、所有者に連絡してくれるのが関の山で、いわばナシのつぶてであります。
 そんな中、いささか大仰ですが、地獄で仏とも言えるぐらいの僕は知事の英断だと思います。今回、この廃墟につきましての条例の提案、その記事がどこかに載ったんでしょうね、記事を見た全然知らない、面識のない京都の市会議員、公明党の議員さんですけども、電話をいただいて、「和歌山、どんなんですか。教えてくださいね」、こういった問い合わせも受けました。
 そもそもこの条例を発案した動機と守るべき法益、効果について知事からお述べいただきまして、また条文の細かなことですけども、この条文には、規則で定める、規則で定めるといって規則に委任してるのがいっぱいございましたもんですから、この際、この本会議場でお答えいただきたいと思います。
 条文に規定する景観支障状態のうち、規則で定める破損、腐食の程度、規則で定める距離以内の区域、規則で定める数以上の周辺住民、それぞれどれだけなのでしょうか、お答えください。またさらに、6条に規定する景観支障除去措置命令の相当の期限とはどれぐらいの期間をいうんでしょうか、お示しください。
 最後に、きょうのメーンイベントになりますけども、議案第82号──もし議案をお持ちの方は25ページをお開きください。どうですか、番外さん、議案お持ちですか。お持ちやったら、ちょっと25ページを開いてください。表現のことなんで、実際見てもろてでないと、ここで口で言うてんのをなかなかわかってもらえないと思います。
 これは、「和歌山県民交流プラザ和歌山ビッグ愛・ビッグホエール設置及び管理条例の一部を改正する条例について」ということでございます。
 私、2月議会で知事の招集権の「招集」の字、間違うてたということを指摘しましたけども、今回の条文の表記についても誤りがありますので、訂正を求めます。
 この条例は、ビッグ愛、ビッグホエールという2つだったものを、ビッグウエーブができるので追加し、それらの施設の使用料を定めて、ビッグホエールの一部使用料を1万500円から13万1250円という幅で引き上げますから、大体3割近くの引き上げなんで、県民にとっては値上げですから、その値上げの問題についても問題ではございますが、それより何より問題は、この誤解される表記についてであります。
 まず、題名です。ゆっくり読みます。「県民交流プラザ和歌山ビッグ愛・和歌山ビッグホエール・武道・体育センター和歌山ビッグウエーブ設置及び管理条例」とあります。ですから、中点が3つあるので、区切られるのが4つになるわけですね。これを忠実に読めば4つの建物があるということになります。
 ところが、この同じ文章を第1条に持ってきて、それはそれでいいんですけど、括弧で次に略称を言うときに、括弧の中は「以下『ビッグ愛・ビッグホエール・ビッグウエーブ』」という条文になるんですね。題名にあった「武道」、第1条の本文にあった「武道」という言葉が消されております。この中点の表記を正しく理解すべきやと僕はここで訴えたい。中点、ちゃんと読んだら4つになって「武道」は消えないんです。
 題名でも最初は、もともとの直しに来る前の条文は、「和歌山県民交流プラザ和歌山ビッグ愛」という、この2回出てくる「和歌山」を削って、「和歌山」のなかったビッグホエールに「和歌山」をまたつけにきています。これもどういうことを言ってるのかもうひとつわかりませんので、どんな意味があるか教えてください。
 また、貸し館ですから、いろいろあるということを書くんですけど、ホール、会議室、駐車場を例示に挙げときながら、ホール、会議室、駐車場に今回武道場を加えるだけでええのに、わざわざ会議室を削って武道場というふうに書きかえたりもしてました。そういった点が気につくので質疑としてお尋ねしたいのと、会議室についても、ビッグ愛なんかはこの条例で残るわけですから、ビッグ愛は17部屋があって15は会議室です。にもかかわらず、「会議室」の言葉は消えてしまいました。
 そもそもこういった公の施設の設置及び管理条例は、県民の財産ですね。県民にお使いいただく、そのために出してくるわけですから、県民にわかりやすく、親しみの持てるもんであるべきやと考えます。即刻この間違いを正すべきと思いますけども、そのお考えのありやなしや、お答えください。
 以上、何点かお尋ねしましたことを第1問といたします。御答弁よろしくお願いします。(拍手)
○議長(新島 雄君) ただいまの中拓哉君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、菅内閣の評価でございます。
 昨年、議員から発足後間もない菅政権に対する御質問をいただいた際に、特に本県にとって切実な願いといたしまして、地方のことを大事にする政策を口だけではなくて本当に具体的に実行してほしい、地方重視と言いながら当県のような地方がますますおくれていくような政策は改めてほしいということを期待したいと申し上げました。
 あれから1年たちましたが、率直に言いまして変わっておりません。本県の発展に必要不可欠な道路整備、技術開発、農業基盤整備などの将来への投資となるような予算は削減されたままであります。和歌山のような地方への配慮をという点を超えてこれを考えてみましても、菅内閣のみならず、現在の政権は、例えば子ども手当、農家への戸別所得補償、あるいは高速無料化など、現金給付や現在における利便向上、こういうものには熱心でありますけれども、将来の日本の発展のためになる投資的な政策を軽視していると私は思います。
 そこで、私は、先日実施しました国の施策及び予算に関する提案活動の場などを通じまして、将来への投資の必要性について政府に訴えてまいりました。従来に比べますと、政府内において一定の理解が広がってきているように感知しておりますので、早急に実行に移していただけるように、さらに働きかけを行ってまいりたいと考えております。
 次に、関西広域連合の評価でございます。
 関西広域連合については、府県知事で構成する広域連合委員会、これを月1回開催いたしまして、広域連合の運営や取り組みについて議論を行い、成果を上げてまいりました。
 具体的には、東日本大震災に対して発生2日後に広域連合委員会を開催し、全国に先駆けて情報の一元管理とカウンターパート方式による迅速な被災地支援を行うことができたと考えております。
 この夏の節電対策につきましても、当時、関電からの情報提供は十分ではありませんでしたけれども、我々独自で推測するところによりますと、夏のピーク時には少々電力不足が起こりそうだという予測がございましたので、産業活動への支障や、あるいは都市の魅力を損なうことのないようにしながらも、夏場に家庭とオフィスの消費電力の5%、ピーク時にはこれを10%のカットに取り組むことを申し合わせました。これを受けて、先日、わかやま節電アクションプランを取りまとめたところであります。
 また、出先機関の移譲について、地方分権の推進という点から議論をしておりまして、運動方針を決めたところであります。
 このように、この半年間、さまざまな課題に対し関西が一丸となって取り組み、成果を上げていることについては、私は評価できると考えております。今後とも、関西広域連合の活動が本県の発展に必要不可欠な元気な関西圏づくりに資するように、積極的に意見、提案をして守り立てていきたいと考えております。
 次に、原子力行政への所見でございます。
 先ほど中議員が原子力安全課長とおっしゃいましたが、実は私は科学技術庁原子力安全課総括係長でございまして、20代のときの話でございます。
 当時、スリーマイルアイランドの事故がございました後、こういう問題をやっておりましたが、当時も安全規制については多くの労力が割かれておりました。たくさんの担当者がおったんですが、事故が起きた後の防災対策ということでございますが、これについては、露骨に言いますと何もなかったに等しいような状況でありました。そういう体制では原発立地県の方々の理解が得られないということで、現在につながるような制度をつくり始めたり、あるいは体制の準備をしたりして地元に説明に行った次第でございます。
 原子力につきましては、何といっても安全と国民理解を大前提に推進しなきゃいかんということであろうかと思います。このたびの東京電力福島第1原子力発電所の事故につきましては、今まで言われてきたように、原子炉建屋等は地震に耐えたが、非常用電源装置が津波で破壊され全電源が喪失された結果、原子炉内の冷却ができなくなったことが原因であると、こういうことであるとすれば、津波対策をきちんとやれば大丈夫だということになります。
 しかし、一方で、最近では原子炉建屋等がそもそも地震に耐えられなかったのではないかというような疑問も提示されております。もしそうであるとするならば、現在の原子力発電所の耐震設計で本当に大丈夫なのかというような検証が必要になると考えます。
 今後、こういう点につきまして、原子力安全委員会や、あるいは原子力安全・保安院など、政府でこれを検証した上で、国民に対してわかりやすい説明が必要かと思います。もし何らかの懸念があるんならば、それを正しく是正して手当てをした上で、安全対策に万全を期すことが今回の教訓を生かしていくことだと私は考えております。
 次に、いわゆる景観支障防止条例についてでございます。
 和歌山県には、中心部、特に都市の中心部の空洞化、これが大変激しくて目に余るような状況であるということは、ほとんどの方が考えておられると思います。こういう事象は、ほとんどは実は制度ができておりまして、その制度に対して権限を持っていて、また町のあり方に責任のある市町村が都市計画法あるいはその関連法を十分理解し、適切な運用をすればかなりのことができるということがわかっております。要はやらないだけでありまして、あるいはひょっとしたら理解が進んでないということかもしれません。
 しかし、中には現行法制では手が出せないような、そういう部分もあります。これを何とかせにゃいかんということで考えましたのが、この景観支障防止条例であります。
 町なかにある空き家の中には、適切な維持管理がなされていないものがいわば廃墟みたいになりまして、周辺の景観に大きな支障を及ぼしているものが見受けられます。一方、現行法制では、私有財産に対する権利の保障との関係でなかなか対応ができないというようなものが多うございます。
 そこで、この条例では、建築物等がいわば廃墟となって景観支障となることの防止を義務化するとともに、地域で問題となっている景観支障状態となってしまった廃墟については、十分な手続を踏んだ後で除去の措置命令を行ったり、あるいは代執行もできるようなことを考える内容になっております。
 また、こうした廃墟への対策を講じることによりまして、結果として、有効利用されていない土地の流動化など、まちづくりにつながり、地域が活性化することも期待しているところでございます。
 条例を適切に運用することによりまして、住みよい活力のある美しい和歌山のまちづくりにつながっていくように努めてまいりたいと考えております。
○議長(新島 雄君) 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 東南海・南海地震津波対策について、5点の御質問にお答えいたします。
 まず、3月11日の県内の避難の状況につきましては、東日本大震災では県内の15市町が避難指示、3市町が避難勧告を発令しました。避難対象者は19万6984人で、そのうち指定された避難所に避難された方々として把握されている避難者は6276人であり、避難率は3.2%であります。
 高台等、指定された避難場所以外に避難された方々もあり、実際の避難者数はこれを上回るものと考えられますが、いずれにしましても、少しでも早く避難行動を起こすことの重要性を啓発していくことが必要であると考えております。
 次に、防災行政無線の放送内容の周知策につきましては、津波警報、津波注意報発令時、気象庁の情報が県総合防災情報システムを経由し、市町村の防災行政無線などからサイレンが自動放送されることになっております。平時には、住民の方々にはこれらサイレン音や警告音声を聞く機会がないことから県ホームページで公開しているところであり、今後、テレビスポットなどを活用し、周知を図ってまいります。
 次に、ハザードマップの配布時期につきましては、国においては、東日本大震災を検証し、地震動推定、被害想定のあり方が見直されており、また東海・東南海・南海地震の被害想定についても検討されているところであります。県においては、こうした国の見直しを受けて被害想定を見直すこととしており、市町村においてハザードマップの作成、配布がなされるものと考えております。
 県としましては、国に対してできるだけ早期の見直しを要望するなど、住民の方々に少しでも早い時期に新たなハザードマップが配布できることとなるよう努めてまいります。
 次に、浸水のおそれのある避難場所につきましては、市町村においては、土砂災害、地震、津波被害などを一体化した防災マップを作成しているところもあり、津波発生時に浸水する可能性のある避難所のみをすぐに判別しがたいところがあるのも事実であります。
 県といたしましては、今回の緊急点検の中で、住民1人1人が自分の避難先を自覚していただくよう避難カードを配布するなど、市町村とともに徹底を図ってまいりたいと考えております。
 最後に、避難所におけるテレビの設置につきましては、避難所の指定、開設は市町村が行うこととなっておりますが、県では、その運営に役立つよう運営マニュアル作成モデルを策定し、市町村に示しているところであります。このマニュアルの中では、テレビの活用も含め、メディアからの情報をできるだけ収集できるよううたっているところであります。
 県としましても、避難者の方々ができるだけ災害時に必要な情報を入手できるよう、市町村に対し、こうした運営マニュアルの作成、徹底を図っていきたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 知事室長野田寛芳君。
  〔野田寛芳君、登壇〕
○知事室長(野田寛芳君) 「県民の友」の活用促進、暮らしの便利帳の発行について回答させていただきます。
 広報紙「県民の友」につきましては、県の主要施策や知っておいていただきたい情報などを県民の皆様にお伝えするため毎月1回発行し、市町村や各地域の自治会の皆様などの御協力により、県内の各世帯に戸別配布しております。このことから、遅滞なく各世帯までお届けするために、制作にはさかのぼって一定期間をいただいている関係で、現状、掲載原稿の締め切りはおおむね発行日の約40日前となっております。
 ただ、議員御指摘のとおり、締め切り以後に急を要する案件等が発生する場合もあり、こうした場合には可能な限り対応しておりますが、印刷前の校正段階であれば、記事の差しかえを行うなど、柔軟な対応を心がけているところです。今後さらに工夫し、制作工程の短縮に取り組んでまいります。
 また、紙媒体で対応できない場合には、テレビ、ラジオ、ホームページなどの活用によっても県民の皆様に必要な情報をお伝えしているところであり、今後ともメディアの特性に応じてタイムリーな情報提供に努めてまいりたいと考えております。
 次に、暮らしの便利帳の発行についてでございますが、各種手続の際の官公庁の連絡先や日常生活で役立つ情報などを網羅した冊子、いわゆる便利帳につきましては、市町村レベルのものは、県内でも既に和歌山市、新宮市などで民間事業者の協力のもと発行されていると聞いております。
 議員御提案の県版の便利帳につきましては、これら市町村版との整合性や民間事業者参入の可能性なども考えながら、最適な方法を検討してまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(新島 雄君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) いわゆる景観支障防止条例の規則で定める内容についてでございますが、特に著しい破損、腐食等が生じている状態につきましては、屋根または外壁が機能していない状態として、これらのいずれかが3分の1以上損壊している場合などを考えております。
 景観支障除去措置の要請を行うことができる周辺住民等に関する建築物等からの距離につきましては、対象となる建築物等から半径100メートルとすることを考えております。周辺住民等が複数ある場合に共同で申請を行うために必要な数につきましては、周辺住民等の総数の3分の2以上とすることを考えております。
 勧告、命令に関する相当の期限につきましては、景観支障除去の方法を検討し、戸別の建築物等の状況により判断を行ってまいります。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の当該施設につきましては、県民交流プラザ和歌山ビッグ愛、和歌山ビッグホエール、武道・体育センター和歌山ビッグウエーブという3つの建物で構成される1つの施設でございます。
 施設の名称につきましては、3つのそれぞれの建物が密接不可分な関係にあるため、中点で結びつけることといたしました。また、ビッグウエーブに係る中点につきましては、武道と体育が機能的に密接不可分な関係にあることから、中点で結びつけたものでございます。
 次に、「和歌山県民交流プラザ和歌山ビッグ愛」の先頭にある「和歌山」を削除し、「ビッグホエール」を「和歌山ビッグホエール」に改めていますのは、名称をより明確にするためのものでありますので、御理解をお願いします。
○議長(新島 雄君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「あるような、ないようなやけど、まあ」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) ありませんか。
  〔「ございません」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 再質問を許します。
 24番中 拓哉君。
○中 拓哉君 時間も押してきますんで、もう早口になります。
 知事さん、原子力はそういうことで、知事さんが若いころお仕事したときも安全、安全、安全で、それはもう全くそうやと思うんです。私も女房の兄に聞いたら、安全、安全、安全で、もうどこまででも金かけてると、こういう話だったですけども、福島原発を見たら、結局、バルブあけよ、あけよ、ベントせえと言うても、電気動かんかったらバルブもようあけに行かん、自分でせんなんということになってきて、おっしゃるように安全の備えということ言うてても、もう仕方ないんですよね。だからといって安全言わないんじゃないんですけど、だから根本的な発想の転換が要るんじゃないかな、そんなことを思って知事さんなりの発言を待ったんですけども、ちょっと残念でした。別に質問じゃありません。
 宇恵さんのほうは、マニュアルに確かにあるんですけど、テレビを置いてしなさいというのは、市の担当者、避難所を運営する市の情報班員としてテレビを活用して、情報を確かに知って、みんなに伝えようということですから、私の言うてる直接に避難民がテレビを見れるようにしてくれということとちょっと違うように思いますんで、これからマニュアルつくるときはそんなことを市町村に示していただけたらな、かように思います。
 教育長、結局皆さん、なかなかわからん──議案、また見てください。25ページ。番外さんはどうですか。25ページ、皆持ってますか。私の言うてることわかってほしいんよ。
 それ見ると4つなんですよ。それで今、教育長、3つて言いましたよね。3つで建物の密接不可分。その言うてる建物が密接不可分やから3つでも点で打って結んだんやと。だけど、この点は4つになってると。4つというか、建物は4つに読めると。4つ読めると言うた途端に、武道と体育センターは機能的な面で中点打ってんねやと、こう言うわけですね。だから、建物の中点と機能の中点2つあるんかというのは、この文章の中からわかりませんよ。わかりません。
 ですから、まさに教育長が答弁してくれたように、「武道と体育」て「と」という格助詞を使ったんですから、中点やめて「武道と体育」、あと「和歌山ビッグウエーブ」とすれば、この中点の使い方は間違いにはなりませんよね。そうやって直すべきやと思うんですよ。
 後で聞いたら、その「和歌山」があっちこっち行ってる分については、より明確になるために直したと言うんでしょう。だから、より明確になるために直すのが条例ですから、前の「和歌山」2つあってわからん言葉を今回直しにきたわけですから、今回、私、ここで指摘してるわけですから、なおわかりやすく紛らわしくないようにするために再度お直しすべきやということをお尋ねしたいのと、これは要するに教育長だけで条例出してきませんわね。知事部局の法制班なり総務学事課なりの、あるいは財政を通ってきますよね。そういう意味で、総務部長のほうからも、こんな使い方でええんかということについてお答えしていただけたらなあと思います。よろしくお願いします。
○議長(新島 雄君) ただいまの再質問に対する答弁を求めます。
 総務部長米澤朋通君。
  〔米澤朋通君、登壇〕
○総務部長(米澤朋通君) ビッグ愛とビッグホエールの中の中点につきましては、大きな中点と、武道と体育センターの中点については小さな中点という意味合いで条例のほうを制定させていただいている、原案を提出させていただいているところでございます。
○議長(新島 雄君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 今、総務部長からもお答えいたしましたように、中点の使い方の問題というふうに認識いたしております。
 繰り返しになりますけども、そのビッグ愛とビッグホエールの中点というのは、あくまでも建物の関係が密接不可分な関係にあるということで使われておりまして、武道と体育につきましては、機能的な意味で中点が使われているというふうに御理解をいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 中議員に申し上げます。
 私も間違った面がございますが、総務部長の発言は発言通告書に記載の答弁者ではありませんので、注意をいたします。
 再々質問を許します。
 24番中 拓哉君。
○中 拓哉君 それはどうも済みませんでした。
 しかし、やりとりの中では、教育委員会は、「もう行政の、当局の法令班を通ってます。総務学事課、通ってます」、それを一生懸命言うわけですよ。そういう弁解があるから、私、ここで総務部長の見解を聞かしてもらったんで、ルールは、私、また改めて勉強しますけども。
 ところが、同じ答弁やったから言うんですが、中点に2つあるということですね。大きな意味の中点と小さな意味の中点。そんなこと、恐らく全国の条例でも、笑われますよ。同じ中点使うてて、そんな違いがあるということ言うたら笑われますよ。
 ですから、早い話、「ビッグ愛及びビッグホエール並びに武道・体育センター」。そしたらこの中点は、武道と体育センターが密接不可分やから中点入れたんやということがわかるんですよ。何の差しさわりもございません、そうやってすれば。案とすれば、あるいは、もともと1個ずつの施設やったんやから単体で出してくるとか。要するに、県民にわかるようにしてもらいたいのに、中点の使い方が2つあるというようなことを言われたら議論にならんわけですね。条例を出してきてるその大前提が壊れるわけですよ。
 だから、私が提案する「ビッグ愛及びビッグホエール並びに武道・体育センター」としてもうたら、武道も生きてくるし、下に武道場も書いてあることやし、ああ、あれが武道館の役割を果たしてやっていくんだなと、私も剣道初段──たった初段ですけど──剣道やってる武道家としてはうれしい話です。
 そういう形の中で訂正、「武道」「及び」「並びに」にするということを再度御提案しますんで、やるのと、知事さん、この議論を聞いてて、知事も要するに法律つくるときは、最後は事務次官会議を通って内閣法制局を通らなあきませんよね。そういうときに1個1個チェックするわけですから、知事は提案者ですから聞けると思いますけども、私のこの議論聞いての所見をお答えいただきたいと思います。
○議長(新島 雄君) 通告書には記載されておりませんので、以上で中拓哉君の質問が終了……(「いや、質問しましたよ。私、提案して、今質問しました」と呼ぶ者あり)
 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 中議員の御指摘にお答えします。
 先ほど来お答えいたしてますように、教育委員会としましては、関係法令上の絡みから十分精査をして、こういうふうな形で案を提案さしていただいてるということで御理解いただきたいと思います。
 ただ、この施設につきましては、とにかく県民に親しんでいただけるということを大前提に考えてますので、今後、そうしたものを有効に活用させていただきたいというふうに思ってございます。
  〔「提案者が次、答えれるやろ。知事の提案やで。知事の見解だけ聞かしてよ」と呼ぶ者あり〕
○議長(新島 雄君) 時間が……。答弁漏れがあるということですか。(「はい。知事の見解」と呼ぶ者あり)知事のほう、答弁ということでお願いいたします。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) ちょっと法令審査を申し上げますと、前提として、問題にされておられるところというのは、実は名称なんですね。名称ですから、今御指摘があったような、普通に並べるようなときは「及び」とか「並びに」でつけていくとすっきりするんですけども、名称で、一発で、しかも1つの施設でございますので、「及び」「並びに」の名称というのは何か変なんですね。ですから、中ポツで3つ並べたと思うんです。それはそんなおかしくはない。
 それから、その次に、小さいほうの中ポツ、こんなのがいろいろあるのはどうかという議論でございますが、形式的に間違いではないと思います。
 ただし、そういう「並びに」とか「及び」とか「もしくは」とか、いろいろぼやっとありますと、どうしても最後は常識で解釈しなきゃいけないというところがあります。普通、テクニックからすると、そういうことをできるだけ避けるようにして条文構成をつくっていくというのが大事なんですが、どうしてもそれが残ってしまうときは、最後は常識で判断をします。そのときに、例えば体育という施設があるかというと、ありませんですね。ですから、これは小さい点やろな、小さい中ポツやろなというふうに解釈するというのが多分起こることだと思いますので、したがって、小さい中ポツがあっても間違いではございません。
 ただし、例えばその小さい中ポツを取ってしまったときに意味が通じなくなるかというと、これまたそうでもないので、あとは、どっちでもいいんですが、どちらが美しいかということで、提案者としては小さい中ポツがあったほうが美しいと思って提案をさせていただきました。
○議長(新島 雄君) 以上で、中拓哉君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
  午前11時53分休憩
────────────────────
  午後1時0分再開
○副議長(前芝雅嗣君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 6番山下直也君。
  〔山下直也君、登壇〕(拍手)
○山下直也君 ただいま議長のお許しをいただきましたので、一般質問をさせていただきます。
 なお、今回の質問は、私にとって通算21回目の一般質問でありますが、本日、今期の6月定例県議会一般質問の初日ということもございまして、午前中質問に立たれました中村議員、また中議員と多少重なる部分もあると思います。そこは御理解いただきまして、改めて県当局の御見解をお尋ねするわけでございますので、何とぞ御答弁のほどよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、質問に入ります。
 東日本大震災発生から100日がたちました。今なお多くの方が避難所生活をされており、宮城県石巻市では死者が3000人を超えております。こうした中、地震対策についてお尋ねをいたします。
 御承知のとおり、本年3月9日、約5426億円の平成23年度当初予算を可決・承認をいたしまして、平成23年度2月定例会は閉会をいたしました。そして、その2日後、3月11日午後2時46分ごろ、三陸沖を震源とするマグニチュード9.0の予想もしなかった津波を伴う巨大地震が発生をいたしました。いわゆる東北地方太平洋沖地震、東日本大震災であります。
 6月17日現在、その死亡者数1万5451名、負傷者5386名、家屋全壊数11万2453棟、家屋半壊数9万703棟、避難者数14万2683名、今もって7692名の安否不明者を出し、時折余震も続いておるわけであります。
 改めまして、この震災によりお亡くなりになられました多くの方々とその御遺族に対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、今も不自由な生活を余儀なくされております被災者の皆様方に心よりお見舞いを申し上げるものであります。
 私は、当時、とにかく大変なことになった、そう感ずるまま統一選挙へと進んでいったわけであります。そして、選挙時においてさまざまな業種の方々とお会いをさせていただくにつけ、そのたびに「地震の影響はなかったですか」とお尋ねをしてきました。ある建具屋さんは、「合板がなかなか入らない」と。また、新和歌浦の旅館に行きますと、「大方キャンセルや」と。建築業では、「仕事が来るが、材料が入ってこない」。また、化学や電子といった関係におきましても、「原材料が入らない」とか、住金関係におきましては、「鹿島に和歌山の従業員を派遣している。向こうも被害を受けた」などなど、切実なお声を多く聞かせていただいたわけであります。
 そして、選挙が終わり次第、とにかく一度被災地に向かいたいと思っていたところ、4月27日から29日まで、宮城県を訪れる機会を得たのであります。中村議員、坂本議員、花田議員、藤山議員、そして私の5名にて、石巻市、名取市、牡鹿郡女川町へと行ってまいりました。
 なお、途中、被災地の1つであります荻浜中学校にて二階衆議院議員出席のもと、株式会社キナンの角口会長が被災地におふろを寄贈されました。その開所式がありましたので、これにも参加をさしていただき、その場で濱口議員ともお会いをしたわけであります。
 さらに、5月24日から26日まで、岩手県、再び宮城県と訪れる機会を得ました。尾崎要二議員、宇治田議員、大沢議員、川口議員、平木議員、岸本議員、そして私の7名にて、岩手県陸前高田市、大船渡市、釜石市を通り、下閉伊郡山田町へと入り、その被災地の現状を見てまいりました。
 5月24日、山田町では、御多忙の中、沼崎町長、佐々木総務課長から、地震の恐怖や当時の状況、救援物資や災害義援金について、また、東海・東南海・南海地震を控え、海岸線が続く和歌山での地震対策について意見等、1時間を超える真剣な議論が続きました。また、それを終え、役場庁舎屋上にて被害状況の説明も受けたわけであります。
 その中で、山田町町長も御自身が自宅を失ったこと、また町職員も被災者になるということや、とにかくまず個人個人が逃げることの大切さ、また防災訓練に何度も参加された人に助かった方が多かったようであるとの発言もいただきました。
 ちなみに、岩手では「津波でんでんこ」という言葉があり、津波が来たら親、兄弟関係なくとにかく逃げるとの意味であり、それぐらい恐ろしいものだというお話をお聞きしたわけであります。
 また、被災地域についても、明治時代に大津波が町を襲い、被害を受けた地域は集落ごと高台に移住をしたわけでありますが、時代の流れで住宅地の確保のため、以前、被害を受けた地域が宅地開発をされ、今回この地域がほとんど被災をされたというお話も賜りました。
 支援物資につきましては、何日もたってから大量の物資を一度にいただくよりも、一日でも早く水、食料、そしてこのときは被災地は雪が降っておったわけでございますけども、暖をとれるもの、そういうものが欲しかったとのことで、まことに本音を聞かせていただいたなあという気がしたわけであります。
 加えて、県庁との連絡も、山田町にある自衛隊駐屯地の方が山田町に来られてようやく連絡がついたとのことであり、特にこのような状態の中、市町村と県との連絡、連携がうまくいかず、大変な思いをしたようであります。
 そして、高速道路が避難地となり、加えて物資や救援部隊が来る、まさに命の道となったことが挙げられておりました。また、別の町では高速道路の盛り土が堤防の役割を果たしたところもあり、宮城県の村井知事も、また山田町の沼崎町長も、この点、同じ点を指摘されておりました。ここで、和歌山県にとっても大きな課題となっております高速道路の重要性を、この震災を通し、改めて強く感じたわけであります。
 町長いわく、「言葉は適切ではないが、とにかく想定外であった。想像を絶する津波であった」、そう語っておられました。
 なお、山田町では地籍調査が完全に済んでおらず、今後のために住宅の基礎、その周りの壁の基礎を残し、また境界のはっきりしない住宅についてはそのままの状態で今後調査をするとのことでありました。
 山田町災害対策本部による当時の被害状況は、次のとおりでありました。遺体収容者数──これは5月22日段階でありますけど──571名、安否不明者296名、避難者数2502名。
 当日、沼崎町長、そして職員の皆様には、大変なときにお世話になりました。その分、向こうで学ばしていただいたことをこの和歌山での地震対策に1つでも多く生かしていかなければならないと痛感をした次第であります。
 5月25日早朝、福島県いわき市で震度5弱の地震があったと聞きました。そんな中、私たちは岩手から宮城に入りました。特に、宮城県石巻市、牡鹿郡女川町では、約1カ月前と比べると復旧は多少進んでいるようにも感じました。
 しかし、依然として被災地における課題は余りにも大きく、生活再建のための仮説住宅の問題や、瓦れきと化した町の復興について、また子育てや就労サポートについて、震災で転校を余儀なくされた生徒の心のケアの問題や不眠症の問題、また、養殖業者を含め水産業の復興、そのための漁港の再編、農業や酪農家の問題、そして復興道路の問題等々、被災から復興に向けての作業はまだまだ道半ばであり、大変だと感じたわけであります。
 そんな中、どこに行っても自衛隊の活躍には目をみはるものがありました。さらに、全国から来られている民間ボランティアの方々、各都道府県職員や県警、消防の方々の御協力、そして何よりも被災された地元の皆さん方が、まずその地元の生活道路をみずからが整理をしていったという御努力が多くの皆さんの心を1つにし、町の復興を目指し懸命に頑張っておられると強く感じた次第であります。
 5月26日午前11時35分発の日本航空で、仙台から伊丹に戻りました。仙台空港もいまだ仮設トイレであり、売店も小さなものが1軒のみ。もちろん、コーヒーショップ等はなく、電気が来ておらず、仮設の機械にて対応。よって、ターミナルビルの中もいささか暗いのが現状でありました。本格稼働は本年9月とのこと。仙台空港の壁には、「がんばろう日本!」、「がんばろう!東北」や「復興へ頑張ろう!みやぎ」という文字を書いた紙や布があちこちに張られておりました。
 和歌山県におきましても、いずれ発生するだろう東海・東南海・南海地震の対策について、改めて見直していかなければならない、そう思いました。長い海岸線に対する津波対策、港湾整備や内陸部における河川、危険ため池対策、急傾斜地等の対策等々、そして何よりも県民1人1人が危機意識を持つことなどの啓発活動も重要性を増し、減災に向け、その課題は山積していると思います。
 和歌山県での「想定外」は許されないと思いました。和歌山県の地震対策に何が必要なのか、もう一度よく考え、県当局と議論をしていかなければならないと痛感をいたしました。今も懸命の努力が続く被災地の一日も早い復興を心よりお祈りを申し上げます。
 なお、この大災害の発生を踏まえ、平成23年和歌山県議会5月臨時会において、「『津波対策の推進に関する法律案』の早期成立を求める意見書」等により、国に対し大規模地震に係る防災・減災対策を強く要望するとともに、本議会におきまして「平成23年東北地方太平洋沖地震に関する決議」等を行ったことは、皆様も御承知のとおりであります。
 そこで、知事にお尋ねをいたします。
 まず、このたびの東日本大震災に関して、どのようなことを感じられたか、その御所見をお伺いいたします。
 次に、被災された皆様の復興を支援するため、短期的あるいは中長期的にどのようにして支援をしていかれるのか。また、東日本大震災を教訓として、本県における地震対策をどのように見直していくのか。減災に向けた取り組みをどのようにしていくのか。また、東日本大震災の県内事業所等への影響については、県のあらゆる窓口を活用し、調査等を行われておるわけでございますが、どのように現況を把握されておられますか。
 また、県内中小企業を対象とした新たな融資制度の資金枠を創設するなど、全庁を挙げて取り組みを進めておられますが、今後どのように対応していかれるのか、お伺いをしたいと思います。
 次に、危機管理監にお尋ねをいたします。
 県民が大災害から命を守るためには、避難することが大切であります。そのためには、「もしも」を忘れないことや、「のど元を過ぎれば」というようなことのないように、県民1人1人が危機意識を常に持っていることが重要であり、県としては、県民に対し、どのように危機意識の啓発をしていかれるのか、お伺いしたいと思います。
 次に、県土整備部長にお尋ねをいたします。
 沼崎町長が言われておりましたが、高速道路が避難地となり、救援物資や救援部隊が来るまさに命の道となるとともに、高速道路の盛り土が堤防の役割を果たしていくとのことでありましたが、私は改めて、その重要性と、その高速道路の整備を早く進めていくことが和歌山県にとって大切であると考えます。今後、どのように取り組まれていくのかをお伺いしたいと思います。
 次に、福祉保健部長にお伺いをいたします。
 このたびの震災において、被災者に対する義援金の給付が遅いことが問題となっておりましたが、私は、本県において、いつか来る大震災時における当座の生活資金を自前で交付することを目的とする、例えば基金のような形のそんなものを新たにつくってはどうかと考えました。この基金なるものを設置いたし、県民に寄附を呼びかけることにより県民の危機意識を向上させるとともに、大災害発生時にはその基金から被災者に当座の生活資金を交付できれば、これは一番いい形ではないかなあと、大変有意義なものであるというふうに考えましたが、このような形をどのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
 次に、がん対策についてお尋ねをいたします。
 去る2月18日、私は国立大学法人群馬大学の重粒子線医学研究センターを訪れる機会があり、医学博士でもある高田邦昭学長、また和泉孝志副学長のお2人から、放射線治療の最先端と思われる重粒子線治療について具体的に学ばしていただきました。
 重粒子線治療とは、重粒子(炭素イオン)を体の外から当て、体の深い部分のがんの病巣だけをねらい撃ちするものであり、ほかの健康な細胞を傷つけることがほとんどないため、体への負担が少なく、また、手術と違い体を切らないので、早く社会復帰ができるというものであります。
 私は、ここで和歌山県の幾つかある課題の1つ、がん対策についてお尋ねをしたいと思います。
 今、この国における死亡原因の第1位であり、3人に1人ががんで死亡しております。皆さん方も御存じだとは思いますが、和歌山県民の中でがんが原因で亡くなる方が多いということであります。
 本年6月9日、この、県が発表されました人口についての資料があるわけなんですけども、余り言いたいことではないのですが、日本の中で和歌山県の男性、肺がんで見るならばトップであります。あと、女性を含め、大腸がん等々、ほとんどが高い位置にあるという現況をここで考えてみたいと思います。なぜがんが多いのかという原因を考える必要があります。
 本県は喫煙率が高いということ──私も、正直たばこを吸うわけでございますけれども──また、検診率が低いということが原因の一端であるかもしれませんが、とにかくその原因を突きとめること。また、本県の実態を把握することは大切でありますが、そのデータが少なく、長期的に調査をする必要があります。
 そこで、1つの形として、例えばがん登録をし、最先端の技術を駆使しながら治療を進めていくことが何よりも大切で急務であると考えます。
 私は、今回あえて具体的な提案をさせていただくのが、この重粒子線治療であります。県立のがんセンターを単独で建てるというのではなく、独立行政法人である和歌山県立医科大学の中にこの重粒子センターを置くことはできないものか。群馬の場合、総額125億円、うち県は20億、前橋市10億、残りの市町村で10億、文部科学省が85億となっておりました。広さは、大体普通の体育館1個分ぐらいでありました。
 スペースや財源等、越えなければならないハードルが幾つかありますが、がんが多い本県にとっては考えるべき課題であり、御検討いただきたいと思います。県のお考えはどうか、お尋ねをいたします。
 次に、介護職員の処遇改善についてお尋ねをいたします。
 高齢化社会が進む現在、介護保険導入時期と比較して、介護サービスを提供する人材の確保は困難になりつつあるとの事業者の声が多く、本県においては近年の不況期においても有効求人倍率が減少し、雇用情勢が悪化しているにもかかわらず、若年就労人口の県外流出が増加しており、福祉人材の確保が非常に難しい状況にあります。一方、高齢化の進行を背景に、介護サービスに対するニーズが増加するとともに、質的にも多様化、高度化してきている状況にあります。
 そうした中で、認知症の方やひとり暮らしの高齢者の増加など、社会生活における介護の重要性はますます高まっており、熱意と専門性を持って介護と向き合う介護従事者なしにはこれからの高齢社会は到底支えられないというところまで来ていると私は思います。
 今般、学校法人立命館が調査研究の実施主体となり、平成22年度において福祉人材安定化に関する調査・研究および人材安定化対策事業を行い、その結果を取りまとめました。
 この事業は、立命館大学と──私も参画をさせていただきましたが──多くの方が協力して連携して行ったものであり、特に県の福祉保健部長寿社会課や教育委員会の御理解と御協力を得て、県内の事業所や高等学校にアンケート調査を行ったものであります。アンケート調査の回収率は高く、多くのデータを得るとともに、率直な意見を聴取することができ、有意義な報告書にまとめることができました。これもひとえに、福祉保健部長寿社会課と教育委員会の御協力によるものであり、心から感謝をいたすものであります。
 さて、この報告書によりますと、高校生を対象とした調査におきましては、介護保険制度の認知は低く、介護分野に就職したいと思う者は全体の1.6%しかなく、その原因は、自分のやりたい仕事ではない、体力的にきつい、休みが少ない、給料が安いというものでありました。
 また、介護や看護等に就業されている方を対象とした調査におきましては、離職を経験した介護職員が多いこと、その離職理由は、結婚・出産のため、また給料が安いためというものであります。その一方で、介護職の志望理由は、やりたい仕事だから、働きがいのある仕事だからというのが多くなっております。
 その結果、未就業者におきましては、介護に対するイメージの確立、介護業界と教育機関との連携、介護サービス関係者の役割に取り組む必要があり、また就業者調査におきましては、職場環境の整備、多様なキャリアへの方策に取り組む必要があると考察をされております。
 また、この報告書に基づき、私がパネリストを務め、「介護人材の未来~今我々が取り組むべき課題は」をテーマにしたシンポジウムが、第17回和歌山県介護老人保健施設大会という形において3月12日に開かれることになっておりましたが、先ほど申しました東日本大震災により中止となりました。私といたしましては、このシンポジウムにおいて議論した上で御質問する予定でありましたので、非常に残念に思います。
 さて、県として介護分野における人材確保を図るためには、介護職員の処遇改善等が重要かつ喫緊の課題であると思います。
 そこで、まず福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 介護職員の処遇改善について、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。
 また、続いて教育長にお尋ねをいたします。
 この報告書をごらんになっていただきまして、どのようなことを感じられましたでしょうか。また、高校生等に対して介護に対する正しい知識や理解を深めるため、今後どのような取り組みをされていくのかをお伺いいたしたいと思います。
 最後であります。障害者への自立支援についてお尋ねをいたします。
 現在、国会では障害者基本法の抜本改正に向けた議論が進められております。続いて、障害者自立支援法にかわる総合的な福祉法の制定、さらには障害者差別禁止法の制定が予定されており、障害者の福祉制度は大きな節目を迎えようとしております。
 そのような中で、私は、去る6月12日に和歌山市障害児者父母の会の総会に出席をいたしました。その際、壁に掲げられたスローガンが何年たっても減っていかない、この状態を見るたびに障害者が自立することの難しさを痛感いたしました。また、障害者のお父さん、お母さんからは、私たちが高齢者になり、障害のある我が子を世話できなくなったとき、我が子の将来が不安で仕方がないと、悲痛な声をお聞かせいただきました。
 このような御家族の不安をなくすためにも、障害者への自立支援は重要な課題であり、障害のある方が地域において自立した生活をするためには、経済面における就労支援や生活面における地域生活支援に取り組むことが必要であると考えます。
 私は、以前障害者雇用を目的に設立された東京にあるスワンベーカリーにおいて、障害のある方々が生き生きとした顔をして働いておられる姿を見、障害者への就労支援の重要性を強く感じました。また、以前、長崎県の雲仙市において障害のある方が地域で自立した生活をしているのを見て、グループホームの整備と地域住民の障害者への理解が重要であることを実感いたしました。
 そこで、福祉保健部長にお尋ねをいたします。
 障害者への就労支援や生活支援、また地域住民への正しい理解を深めるために、今後どう取り組んでいくのかをお伺いいたします。
 以上、被災地支援と本県における地震対策並びに経済対策について6点、医療、福祉について3点お尋ねをいたしました。何とぞ誠意ある御答弁をお願いいたし、1回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの山下直也君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、東日本大震災に対する所見でございます。
 東日本大震災の津波による甚大な被害を思うとき、我が県の置かれている状況と重ねて考えますと、背筋が凍る思いがいたします。被災地では、今なお避難所生活を強いられている方が多数おられる状況であり、復興に向けた取り組みもまだまだこれからで、本県としても全力で支援していかなければならないと考えております。
 一方、今回の想定をはるかに超えた津波の猛威を目の当たりにした今、我々がなすべきことは東海・東南海・南海地震への備えに万全を期すことと考え、スピード感をもって取り組み、特に総点検を急いでやるということが重要であると考えております。
 被災地に対する支援と今後の地震対策についてでございます。
 関西広域連合として、カウンターパート方式によりまして、人的支援、物的支援、義援金や被災者受け入れなど、効率的に支援を行ってきたところであります。現在も、医療チームや保健師の派遣、土木職員の長期派遣等、人的支援を中心に行っており、引き続き被災地のニーズに合わせた的確な支援を図ってまいります。
 一方、我が県民の命と安全を守るということは一番大事なことであります。今回の大地震を受けて、現在、防災・減災対策の緊急点検を行っております。数々の検討対策項目につきましては、地震・防災対策総点検専門家会議を設置し、御助言をいただきながら進めているところであります。
 避難対策や情報通信確保面は重要な検討項目であり、震災時の迅速、適切な避難行動を促すため、避難場所の見直しや県民1人1人に避難場所を自覚していただけるよう避難カードを配布する等、市町村とともに取り組んでまいります。
 また、県と市町村の通信確保を含む防災行政無線等については、震災時にもその機能を維持できるよう、浸水対策や電源確保等の緊急点検に市町村とともに取り組んでいるところであります。
 次に、本県経済への影響と今後の対策についてでございます。
 東日本大震災の本県経済への影響につきましては、産業別担当者制度を活用し調査等を行った結果、震災直後は、原材料、部品・部材の調達が困難になったことや、首都圏などによる売り上げの減少等で化学、電気・電子、家具・建具、繊維などの業界を中心に影響が出ておりました。現在は、代替品の調達や生産の復旧によりやや落ちつきを取り戻しておりますけれども、今後、電力事情やサプライチェーン復旧の見通しなどの懸念要因により、県内経済は厳しい状況が続いていくものと考えております。また、県内の主な観光地の宿泊予約や海外観光客の落ち込みなど、観光業界は大きなダメージを受けた、そういうものだと考えております。
 私は、このような事態に対応するため、世界不況に伴い設置いたしました緊急経済対策本部の取り組みを適用するなどの全庁的な対応を行っているところであります。
 具体的には、県内中小企業者等に対し、業況の把握に努めるとともに、震災により間接的な被害を受けた事業者に対する新たな融資制度を創設するなど、金融対策の充実や県内輸出事業者への支援などに取り組んでいるところであります。
 また、被災地域の企業並びに雇用者への支援といたしまして、被災企業の事業継続のため、本県への誘致制度の創設をいたしました。通常は、このような優遇策は、投資をされた後、よそへ移ってしまわれたら困るということでその制度設計をしておりますけれども、今回は被災地の特例にかんがみまして、落ちついたら帰ってもよいという前提で優遇策を考えているところでございます。
 また、求職者対策として「和歌山で働きませんか」プロジェクトの活用を呼びかけ、特に予算措置による助成を伴う、「農業をしませんか」、「『和』の仕事人になろう」事業については、それぞれ20名、30名の追加募集を行ったところであります。
 今後とも、支援の迅速な取り組みを行うとともに、必要に応じ国等の支援を要請するなど、全力で取り組んでまいる所存であります。
○副議長(前芝雅嗣君) 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 危機意識の啓発についての御質問にお答えいたします。
 危機意識の啓発については多角的に取り組むことが重要であり、防災無線のサイレンの周知徹底やエリアメールの導入のPRなどによる津波情報への関心を高める取り組みのほか、避難カードの配布を通して避難の必要性についての意識を常に持っていただくよう、市町村と連携して取り組んでまいります。
 また、各種の防災訓練への参加を呼びかけるとともに、紀の国防災人づくり塾による地域防災リーダーの育成、耐震化、家具固定などの県民減災運動の推進、「出張!県政おはなし講座」での一般県民への危機意識の啓発等に引き続き取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 地震対策における道路整備についてでございますが、さきの東日本大震災では、高速道路から被災地にくしの歯形の救援ルートを確保したことが、迅速な救援活動に効果を発揮しました。さらに、高速道路そのものが一時避難場所となり、また堤防の役割を果たしたことなどから、改めて大規模災害時における高速道路の有用性が認識されたところでございます。
 本県におきましても、東海・東南海・南海地震に伴う地震・津波により国道42号が寸断され、沿岸部の各所が陸の孤島となることが想定されます。緊急避難や救援活動に命の道となる高速道路は不可欠であります。このため、近畿自動車道紀勢線の紀伊半島一周の早期実現と京奈和自動車道の早期整備を国に働きかけるとともに、X軸や川筋ネットワーク道路等と合わせた幹線道路ネットワークの形成に取り組んでまいります。
 また、高速道路を避難場所として活用することなどについても、国や関係機関に働きかけてまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 4点の御質問についてお答えいたします。
 まず、本県の大災害時における当座の生活資金を交付するための基金設置についてでございますが、東日本大震災の発生を受け、県では3月14日から災害義援金の受け付けを開始し、6月20日現在約3億8000万円の義援金をお寄せいただいておりますが、既に3億円を岩手県、宮城県、福島県の3県にお送りしたところでございます。
 一方、日本赤十字社等に寄せられた義援金の配分状況を見ますと、市町村への送金額に占める被災者への配分額は6月3日現在51.1%にとどまっており、被災者への義援金の支給がなかなか進んでいない状況にあります。
 こうした状況を踏まえると、被災者に当座の生活資金をいかに迅速にお届けするかが課題であると認識しており、また、県民の皆様に日ごろから災害に備える意識を高めていただくことも大変大事なことであると考えておりますので、議員御提案の基金の創設を含め、どのような方法が考えられるか研究してまいりたいと考えてございます。
 次に、がん対策についてですが、本県のがんによる死亡率は、全国的に見ても高齢化が進んでいることもあり、高い水準が続いています。そのため、県がん対策推進計画でがんによる死亡率の減少を目標に掲げ、総合的ながん対策を推進しています。
 具体的には、死亡率低減効果があると言われるがん検診の受診率向上に向け、企業と連携した受診促進活動を行うとともに、未受診者の掘り起こしのための検診を行う市町村に対して支援を行っています。また、がん診療対策の充実に向けては、がん診療連携拠点病院等の機能強化に対する支援を行い、質の高いがん診療を受けることができる体制整備を進めているところであります。さらに、今年度から地域がん登録を開始し、がん罹患率や治療等、県内のがん患者の状況を把握・分析して、今後のがん対策に活用してまいります。
 議員御提言の重粒子治療線については、体の深部のがんに集中的にダメージを与えることから高い治療効果が期待でき、また従来の放射線治療に比べて副作用は少なく、治療期間も短くなることから、早期社会復帰が可能といった長所があると認識をしております。現在のところは、治療費用や建設・運営費用、専門的知識を有する医師の確保等の課題もございます。県といたしましては、まずは医大を初めとするがん拠点病院等で実施している放射線治療について、その高度化を図る余地があるものと考えておりますが、重粒子線治療はさらにその先を行く先進的な治療であると認識しておりますので、先例を参考とするなど、研究してまいりたいと考えております。
 次に、介護職員の処遇改善についてですが、御紹介のありました介護人材確保を目的とした県内の高校生及び介護職員等に対する調査は今までにはなかったものであり、取りまとめられた結果については、貴重な資料として今後の参考とさせていただきたいと考えております。
 また、引き続き今年度はアクションプログラムの策定に取り組まれると聞いております。その成果にも、大いに期待しているところでございます。
 介護人材の確保に当たっては、県民の介護の仕事に対する理解と認識を深めるとともに、介護サービスへの県民の評価を一層高めていくことが重要です。そのためには、介護職員の技術や専門性の向上に加え、職場環境の整備などが何よりも大切であると考えています。
 県では、新規就業を支援する事業や就職相談会、介護体験教室などを実施するとともに、専門的な研修を充実させることで良質なサービスを提供することはもとより、介護職員が仕事にやりがいを感じ、職場に定着できるよう支援しているところです。また、あわせて、介護職員の処遇改善のため、平成21年度から国の介護職員処遇改善交付金を活用し、賃金引き上げのための資金を交付しておりますが、今年度限りの措置となっていることから、来年度以降も引き続き実施されるよう、国に対して要望しているところです。
 県としましては、依然として介護分野の人材不足が続いていることを踏まえ、県内事業者や関係団体、教育委員会等と一緒になって、介護の職場で働いておられる方や介護職を志す方が希望を持ち安心して就労できるように全力を挙げて支援してまいりたいと考えております。
 最後に、障害者への自立支援についてですが、県では紀の国障害者プランに基づき、障害のある方の自立した生活を支援するため、福祉施設における工賃アップに取り組んでおり、経営支援や商品開発、販路開拓等の専門家派遣やコーディネートなどを実施した結果、平均工賃は全国で8位の水準まで押し上げることができたところであります。
 一般就労への支援につきましても、福祉部局と労働部局が連携し、地域の就労支援の拠点機関となる障害者就業・生活支援センターを、本年4月から従来の6カ所に加え、新たに海草圏域にも設置するなど、県内全域で就労面及び生活面における一体的な支援体制の充実を図っております。
 また、障害のある方が地域で安心して暮らせることができるよう、グループホーム等の居住の場の確保に取り組んでおり、新築や改修による施設整備を促進するとともに、利用者への支援の質の向上を図るため、世話人や支援員を対象とした研修会を継続的に開催しているところです。さらに、地域の方々の障害への正しい理解と認識を深めるため、心のバリアフリーにも力を入れてまいります。
 県としましては、障害のある方やその御家族が将来にわたり安心して地域で暮らすことのできる社会の実現に向け、引き続き積極的に取り組んでまいります。
 以上でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 教育長西下博通君。
  〔西下博通君、登壇〕
○教育長(西下博通君) 議員御指摘の報告書につきましては、県教育委員会としましても深い関心を寄せてございます。
 この報告書を見ますと、高校生は介護職に対して重労働や低賃金などといったイメージを持っており、実際に介護職を希望している生徒が少ないという実情がよくあらわれていると感じました。高齢化や核家族化が進む中、高校生にとっても介護を身近な問題ととらえる必要があり、介護の大切さを感じ取らせるとともに、この仕事の内容を正しく理解していくことが重要であると思います。
 教育委員会といたしましては、このたびの報告書の結果を踏まえ、教職員のみならず、生徒に対しても介護職への理解を一層深めさせるとともに、福祉保健部を初めとした関係機関と連携し、体験活動や出前授業等を積極的に取り入れるなど、創意工夫しながら介護に関する学習の質を高めてまいりたいと考えてございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 再質問を許します。
  〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 以上で、山下直也君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 37番高田由一君。
  〔高田由一君、登壇〕(拍手)
○高田由一君 議長のお許しを得ましたので、通告に従い、一般質問をいたします。
 最初に、このたび4月の選挙では県民の皆様の大きな御支援をいただき、8年ぶりにこの議場に帰らせていただきました。今後は、先輩また同僚の議員の皆さんの御指導、また御協力のもと、また知事初め県当局の皆さんと忌憚のない議論をしながら、微力ではございますが、県勢発展のために頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 質問に入ります。
 東日本大震災は、未曾有の災害となりました。亡くなられた方への御冥福をお祈りするとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 私たち共産党の県会議員団は、10名から成る救援隊を組織しまして、5月22日から26日まで、2泊5日という強行日程で岩手県陸前高田市と大船渡市に救援ボランティアに行ってまいりました。
 この間、私たちの呼びかけにこたえまして、募金や、また物資の提供に御協力をいただきました県民の皆様に、この場をおかりしまして厚く御礼を申し上げます。
 私たちは、2トンのトラックに和歌山のナツミカンや梅干し、お米、その他の物資を満載にして、走りっ放しで約20時間かけて到着をいたしました。何とか難を逃れました現地の共産党の事務所に雑魚寝をしながら、泥かきや物資の仕分け、写真の洗浄などのお手伝いをしてまいりました。同時に、独自の取り組みとして無料の青空市を開催し、物資を配布いたしました。現地は生鮮食料が不足をしておりますから、和歌山のナツミカンは本当に喜ばれました。
 こうした救援活動は、とても1回で終わるようなものではございません。今後、長期にわたってきめ細やかな生活再建へ向けてのお手伝いが必要だと感じた次第です。特に、被災された皆さんは生活再建へ向けて必死であり、ほっとできる場所と時間がありません。だからこそ、東北が頑張るんではなくて、被災していない私たちが頑張らなあかんと感じた次第であります。
 このような経験から、今回は質問させていただきます。
 まず最初に、被災地支援について伺います。
 関西広域連合の分担で、現在、和歌山県は岩手県への支援を担当しております。担当課に伺いますと、初期に避難所へ救援に入った県職員に対して、別れ際に避難所の皆さんが送別会をしてくれた例も出るなど、素早い和歌山県の取り組みに対して高い評価をいただいているとの話も伺っております。
 そこで、これまでの和歌山県の被災地支援の取り組み経過と実績を知事のほうからお聞かせいただきたいと思います。
 また、今後も継続的な支援が必要となってまいりますが、支援する側とされる側の人間的なつながりをつくっていくためにも、地域密着型の支援がますます必要になってくると考えております。県だけではなくて、市町村間の相互支援、ペアリング支援という言葉が今言われております。こうした点について、今後の取り組み方向について知事に伺いたいと思います。
 ここからは、和歌山県内の防災対策について、順次、危機管理監に答弁をお願いしたいと思います。
 最初に、防災情報の周知について伺います。
 このたび、県では携帯電話会社と提携して、エリアメールという災害情報の発信に取り組むことになりました。ところが、このエリアメール、一般の県民の方はもちろん、町役場へ行きましても、どういうものか知っている方は大変少のうございます。ぜひこの議場でその効果をお示し願いたいと思います。
 また、停電時にも大丈夫なのか、対策はどうなのか、また障害のある方への対応もできるのかどうかなど、あわせて答弁をお願いしたいと思います。
 さらに、西牟婁郡では防災無線の放送が聞こえにくいという苦情がたくさん寄せられております。各家庭に戸別の受信機を設置してほしいという要望も高いわけでございますが、今後どのように対処されていこうとしているのか、答弁をお願いします。
 次に、防災計画の見直しについて伺います。
 このことについては、今回の東日本の地震を受けて、東海・東南海・南海地震の連動型地震についての被害想定も国のほうで見直しがされております。
 この点で私が心配しておりますのは、これまでは余りにもコンピューターによる津波予想が優先されておりまして、過去の文献調査や津波被害の痕跡の調査が、費用の面もあって十分なされていなかったことでございます。今回での東北での地震についても、一部の専門家は、過去の文献から貞観地震という西暦800年代の地震・津波被害を警告しておりました。こうしたことも踏まえ、今度の防災計画見直しには、ぜひ過去の文献調査や津波の痕跡調査も踏まえたものにしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。答弁をお願いいたします。
 次に、津波からの緊急避難場所の確保について伺います。
 今後起こるであろう南海の巨大地震は、いつ来るかわかりません。ですから、今大切なことは、津波から緊急避難できる場所を一刻も早く確保することだと思います。その点で、西牟婁郡海岸近くへ行きますと、おうちの裏に裏山があるにもかかわらず、避難できる道がないと嘆いているお年寄りの方のお話も多く伺いました。今後、避難路の整備についてどのように進められていくのか、答弁をお願いしたいと思います。
 また、今、田辺以南では高速道路が建設中であります。例えば、白浜町の富田地域です。富田地域では、津波に対しても、また明治の大水害のような水害に対しても、高速道路が避難場所の1つになるのは間違いないと思います。高速道路にも駆け上がれるような避難路を整備するべきだと思いますが、いかがでしょうか。この項目のみ、県土整備部長の答弁でお願いをいたします。
 また、夜間、停電時の避難誘導について、かねてから心配の声が上がっております。今、道路を照らす照明は、国道は国、県道は県の設置となっておりますが、日常最もよく使う市町村道には道路照明がないんです。あとは、町内会や自治会が設置する防犯灯のみが対応しております。
 いずれにいたしましても、こうした道路照明や防犯灯は、停電のときには役に立ちません。避難のときに威力を発揮する避難誘導灯の設置を進めていくお考えはないでしょうか。答弁をお願いしたいと思います。
 さらに、避難のときに妨げになるブロック塀の対策です。現在、どのようになっているでしょうか。現状と今後の取り組みについて答弁を求めるものであります。
 この防災対策の最後に、県立白浜なぎさホームの移転について伺います。
 この白浜なぎさホームは、県立の母子寮です。現在、白浜町湯崎というところにございます。大変老朽化しておりますけれども、このホームが今度白浜町の寒サ浦という、もとの白浜の警察があった場所に移転されようとしております。
 ところが、この移転場所というのは、私、県の出している津波浸水予想のマップも打ち出しましたが、過去の経験からでさえ5メートル近い浸水が予想されておる場所でございます。住民からは、「警察も高台に移転したのに、何で小さい子供たちもたくさんいる母子寮をここに持ってくるんやろう」と、素朴な疑問の声、心配の声が上がっております。今、移転工事はこれから基礎の部分に取りかかろうかという段階でございますが、やはり3月の津波を目の当たりにした今、もう一度考え直す必要があるのではないでしょうか。
 そこで、伺います。現在の移転場所に決定した理由と経過を答弁願います。
 また、新しい施設をつくったわ、被害想定見直しでもっと高い津波が来るかもしれないとなったら、ほんまに何をやってるかわかりません。現在、予算執行中でございますが、まだ間に合うと思います。どうか、考え直していただけないでしょうか。福祉保健部長の答弁をお願いしたいと思います。
 次に、原発計画と自然エネルギーの推進について伺います。
 今回の福島第1原発での事故は、日本と世界に大きな衝撃を与えるとともに、原発に依存したエネルギー政策をこのまま続けていいのかという問題を投げかけています。御承知のように、ドイツでは2022年までに現在17基ある原発を全廃することを政府の方針として決めました。イタリアでも、国民投票で原発推進をしないことが決まりました。我が国でも、原発依存から抜け出そうという議論を進めていくときではないでしょうか。
 原発で事故があった場合は、ほかの事故には見られない異質の危険があることが今度の福島の事故でも明らかになりました。社会的には、地域社会そのもの、日本経済全体を破壊しようとしています。空間的には、大気、土壌、水、すべて汚染しています。時間的には、何万年という将来にわたって人間の命と健康を脅かし続けるのです。
 既に、原発で出た使用済み核燃料は、全国で1万トンを大きく超えていると言われています。それらに含まれる死の灰などを、これから人間の住む環境から放射能が消えるまで、何万年という極めて長期間にわたって隔離し続けなければならないわけです。
 何万年とはどういう時間単位でしょうか。1万年前の日本は縄文時代です。縄文人の文化や言語が現在まで伝わっていないように、現在の我々の生活や言語が1万年たって伝わっているとは到底思えないわけです。そのことを考えただけでも、これ以上この原発に頼ることはやめにしないと子孫に対する罪になると思います。
 もちろん、私たち共産党も、今すぐ原発を全廃することは、電力需要の問題があるので非現実的だというのはわかります。それゆえ、先日発表した政策では、今後5年から10年以内に原発をゼロにするプログラムを制定することを求めているのであります。
 では、どのような方法でそれを達成するのかといえば、地球温暖化の問題もあり、安易に火力や石炭による発電に置きかえるというやり方をとるべきでないのは明らかです。
 私は、自然エネルギーの推進と低エネルギー社会への転換が大切だと考えています。これは、何も無謀な計画ではありません。
 現在、日本の総発電量に占める原発の割合は25%と言われております。しかし、今後5から10年の間に電力消費量を1割削減、そして現在の自然エネルギーによる電力を2.5倍程度に引き上げることができるなら、原発による発電量をカバーすることができるという試算もございます。
 現在、原発を除いた総発電量は、あのバブル経済のときに、1990年の日本で原発も含めた総発電量と同じと言われています。つまり、今仮に原発がなくても、1990年、20年前の電力使用状況なら今でも十分対応できるという試算もございます。夏場の電力消費のピーク時への対応は、知事も進められているように当然必要でございますが、原発からの撤退は無理な課題ではないと私は思います。
 以上のような基本的な見解を述べた上で質問をいたします。
 まず、関西電力が和歌山県内に計画している日高、日置川の原発計画であります。この2つの計画については、既に国の原発推進計画である重要電源開発地点からは外されており、私たちも安心していたんです。ところが、3月11日の東日本の震災と原発事故の直後の関西電力の社長の記者会見、その新聞の記事がここにもございます。3月16日の「読売新聞」でございますけれども、この中にはっきりと「和歌山県日高町、白浜町を立地候補地として位置づけている」と明記されているのであります。私たちも大変びっくりしました。
 そういうこともあって、私は、先日、原発についての申し入れで関西電力本社を訪れました。私が「日高と日置川の原発はまだ計画しているんですか」と聞いたときに、原子燃料サイクル部長さんという方が、「紀伊半島にもやりたいことはやりたいが、地元の意向もあるので、今はどうのこうの言える状況じゃない」というふうに答えられました。やはり、まだあきらめてなかったんかという思いでございました。
 和歌山県での原発計画は、私、調べましたが、今から約45年前ね、1967年、昭和42年にさかのぼります。日高町への建設計画に始まったわけですが、当時の知事は大橋正雄さんでございました。その大橋知事さんは、県議会での質問に対して次のように言っています。「火力よりも公害が少ない。原子力そのものに公害はない。積極的に取り組む。地元の納得を得られる中で誘致の方向に進んでいきたい」、こういう答弁をして原発建設に積極的な態度でおられたようです。
 その後、住民の反対運動が大きく盛り上がる中、1971年に大橋知事さんが県議会答弁で述べられたのが、いわゆる3原則でございます。つまり、原発の問題について県は「適地性、安全性、地元の同意の3原則を前提に地域振興の立場で取り組む」という、聞いたことのある議員さんも多いと思われますが、有名な答弁になったわけです。
 以来、県議会で原発問題を質問されると、歴代の知事は、仮谷さん、西口さんを含め、この答弁を繰り返し答弁するだけでした。何回再質問しても同じ答弁が返ってきます。最後にこの3原則の答弁を原発問題でされたのが、1999年、平成11年9月議会での西口知事さんの答弁だったと思います。質問者は私、高田でありました。よくまあ30年間も同じ答弁を繰り返したなと、変な感心をしたものでございます。
 また、議会での論戦とは別に、県の長期計画にも原発は位置づけられてまいりました。例えば、仮谷知事の時代の第4次長期計画「新世紀の国21」では、原発の推進を明確に書いておりました。ここに持ってまいりましたが、この第4次長期計画の139ページにこのように書いています。「県としては、適地性・安全性・地元の同意という3原則を堅持し、立地地域を総合的に整備し、住民の福祉と地域振興の立場から、原子力発電所等の電源立地を促進する」。
 もちろん、その後のこれ以降の長期計画については、住民運動などもあって原発推進は書かれなくなったのでありますけれども、当面実現の見通しがないから書かれなかったと言われています。もちろん、今後は原発に頼らないとか、県として原発を推進したのは間違いだったなどの反省の言葉は何一つ書かれておりません。
 こういう状況を振り返るなら、結局、今まで和歌山県に原発を立地させていないのは、だれの功績でもない、住民運動の力で頑張ってきたからにほかならないわけです。実際、3原則のうち唯一の防波堤は、3つ目の住民同意だけでした。これが崩れていれば、まさに和歌山県は原発銀座のようになっていたと思います。
 そこで、知事に伺います。
 この際、従来の答弁を超えて、和歌山県には原発はつくらせない、関西電力は計画を断念せよと、この議場で表明をしていただけないでしょうか。1971年、当時の大橋知事が答弁して以来、40年間頑固に続いてきた従来の立場を見直す答弁をぜひお願いいたします。
 次に、自然エネルギーの推進について伺います。
 このことについては、知事も積極的に発言していただいていることは大変ありがたいと思っております。中でも、日照量の多いこの和歌山県の特性を生かした住宅用太陽光発電については、その普及を図るために、自然エネルギー発電の全量買い取り制度の単価のアップ並びに家庭における初期負担が不要となるような制度をつくるよう国に要望していただいていることは、私たちも同感で、非常に重要な点だと考えております。
 こうした自然エネルギーの導入促進についての知事のお考えをお示しいただきたいと思います。
 この項目の最後に、電力移出県等交付金のことについて伺います。
 この交付金は、和歌山県が火力発電所を中心に県内の需要を大きく上回る電力を他府県に移出をしているので、その御褒美と言ってはなんですが、国から年間3億円程度が交付されていたものです。残念ながら、ことしは交付基準に該当しなかったようでありますけれども、ふだんいただいていた貴重な財源であります。地方交付税の縛りではなくて、きちんと交付されるもので、これまでは企業誘致などに主に使われてまいりました。私は、この機会にその使い方を見直すことを求めたいと思います。
 県内の発電は、それなりに大きな環境への負担がかかっております。ですから、その発電によって得られた交付金は自然エネルギーの推進にこそ使うべきだと思うのですが、関係部長の答弁をお願いしたいと思います。
 次に、緑の雇用事業について伺います。
 この緑の雇用事業は、前知事が提唱し、その後、国の事業として継承されております。
 まず、この事業のこれまでの県内の実績をお示し願いたいと思います。
 これまで県外から何名の方が来て、そのうち何人の方が定着をしているのか、また、これまで国、県合わせてどれだけの補助金が支出をされたのか、そして数字だけではなくて、どのような事業効果があったのか、農林水産部長に答弁を求めます。
 その事業で本宮町森林組合に雇われていた9名の比較的若い労働者たちが解雇をされるという事態が先日起こりました。作業員の半数という大量解雇であります。組合のほうは本人了解の上での退職と言われているそうですが、本人たちが記者会見までして納得していないというふうに言っているのですから、私はあえて「解雇」という言葉を使いたいと思います。
 県の推進してきた事業に乗って補助金ももらった上で、しかも10年近く働いてきた人を一度に大量解雇しようというのですから、よほどの理由があるのではないかと思いました。ところが、先日の地方新聞を見ますと、その主な理由は間伐事業に係る国の補助金の削減だと書かれておりました。
 また、解雇された方々にお話を伺うことがありました。皆一様に、東日本大震災の影響で国の補助金が大きく削減されるから、経営が大変になるからと説明されたと証言されておりました。
 そこで、農林水産部長に伺います。
 そのような国の補助金の大幅な削減も推測されると組合側は言っているようですが、そのような事実はあるのかどうか、お答え願いたいと思います。
 さらに言うなら、その補助金カットの原因は作業員の技術、つまり今求められているのは搬出間伐──要は切り倒しだけではなくて、山から出してくる間伐──この技術がない人が多いからだと言われているそうですが、緑の雇用の方々は本当に技術の低い人たちだったのでしょうか。中には、県の森林組合連合会から技術的に表彰されている方もいると伺いました。これまでも県は、林業労働力確保支援センターなどで高性能林業機械の操作や林道の開設などについて、しっかり研修してきたのではないでしょうか。この点についても答弁をお願いしたいと思います。
 そして、部長、私が最も言いたいのは、このような大量解雇に至る間に、県行政に対して組合から相談を受けていなかったんか、県として情報収集はどうなってあったんかということでございます。一体、県がこのような動きを知ったのはいつだったのか、それに対して今日までどのような指導をされてきたのか、反省点は何だったのか、答弁をお願いしたいと思います。
 最後に、県道の道路改良と事業推進について伺います。
 1番目の県道田辺白浜線については、白浜町堅田地内堅田上の交差点から郵便橋方面にかけて、特にJR紀勢線踏切の前後が狭くて、朝夕の交通量の多いときには自転車で通学する高校生も重なり、大変危険な状況です。ぜひ早急に拡幅をお願いしたいと思います。
 2番目のすさみ古座線については、すさみから佐本方面、小河内間の特に雫の滝という滝の付近が狭くて行き違いが困難です。地域からの要望も強く、ぜひ実現をお願いしたいと思います。
 3番目の日置川大塔線、特に玉伝口から市鹿野間の拡幅については、従来からも地元要望も出され、県当局も御苦労いただいていると聞いております。
 以上の3点の箇所については、長年の地域要望事項であります。
 ある地域では、「車1台をかわせる待避所をつくってくれるだけで助かるのに、一体県は何をしてくれてるんやろか。もう田舎に人は住むなということか」というような厳しい御意見を私たち懇談会で伺うこともしばしばでございます。別に予算の大きくかかる立派な道をつくれと言ってるんではないんです。毎日の生活の支障になっている部分だけでもというささやかな住民の願いにどうやってこたえるのかは、知恵と工夫を尽くして取り組んでいただきたいと思います。特に、過疎地に暮らす住民の声にどうこたえるのか、県土整備部長の決意のこもった答弁をお願いしたいと思います。
 また、白浜温泉線の新しい区間であります、いわゆるフラワーライン線というのがございます。これは、白浜町富田から高速道路のアクセス道路でもあり、早急な事業進捗を求めますとともに、津波避難の際にも役立つような構造にしていただきたいというのが地元の要望であります。このことについても、答弁をお願いいたします。
 以上で、第1回目の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの高田由一君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、東日本大震災の支援と防災対策、今後の計画でございます。
 発災直後から大阪府とともにいち早く職員を派遣し、岩手県現地事務所を開設いたしました。現地事務所は、災害復旧支援、避難所支援、災害ボランティア、仮設住宅等の布団の提供等の支援活動の拠点でありまして、この活動をもとに現在まで全体で延べ約1200人を超える県職員派遣を行っております。現地事務所は、岩手県庁や関係機関とダイレクトに接触することで顔の見えるきめ細かな支援が行える体制をとっておりまして、当面、2名体制で継続していきます。
 また、市町村間の相互応援は迅速な対応が期待できるため、意義のあることと考えておりまして、さらに促進するよう助言してまいりたいと考えております。
 次に、原発計画と自然エネルギーの推進でございます。
 就任以来、今まで関西電力から県に対して、あるいは私に対して、原子力発電所の建設の申し入れを受けたことはありません。ただ、東京電力福島第1原子力発電所の事故を踏まえれば、現状では原発の立地は難しいかと思います。
 自然エネルギーの推進につきましては、メガソーラーの誘致活動や木質バイオマス利用の普及活動などに努めているところであり、現在、国に対しましても、東日本大震災の被災状況を踏まえ、再生可能エネルギーの導入をさらに加速化するため、一定期間における全量買い取り単価の上積みを要望しております。
○副議長(前芝雅嗣君) 危機管理監宇恵元昭君。
  〔宇恵元昭君、登壇〕
○危機管理監(宇恵元昭君) 東日本大震災への支援と防災対策について、3点の御質問にお答えいたします。
 まず、防災情報の周知につきましては、エリアメールは通常のメールとは違い、県から情報発信すれば瞬時に送信エリアの携帯電話が受信する仕組みとなっております。
 特徴は、事前に携帯電話のアドレスを登録する必要がなく、受信したメールは保存されるため、後に確認することができます。バイブレーションや音声読み上げなどの機能も使用できるため、障害者の方々にも認知いただけるところでございます。また、観光客などにも配信されることから、大津波、津波警報や注意報など、緊急情報が周知できると期待しているところであります。停電時には、直ちに通信が途切れることなく一定期間通じると聞いており、今年度の対策として無停電化、バッテリーの24時間化の対策を講じると聞いております。
 防災行政無線につきましては、市町村が設置、運用を行っており、屋外スピーカーの設置や戸別受信機等の配備については、効果的に情報が伝わるよう市町村が計画しております。戸別受信機や防災ラジオについては、県内市町村で約4万4000台配置されており、主に屋外スピーカーの聞こえない地域の世帯や社会福祉施設、防災拠点、避難施設等に設置されております。
 今後とも、災害情報が迅速かつ確実に伝えられるよう、さまざまな情報手段、伝達手段を研究し、積極的に進めてまいります。
 次に、防災計画の見直しにつきましては、過去の文献調査や過去の津波の痕跡調査は重要であるということは認識しております。今後、中央防災会議において、東海・東南海・南海地震等に係る専門調査会が設置され、研究者による調査について、その中で検証されると聞いておりますので、専門調査会での検討について注視してまいります。
 最後に、津波からの緊急避難場所の確保につきましては、現在、避難所等の緊急点検を行っており、新たな緊急避難先の確保のためには避難路、避難誘導灯の整備が必要であると考えます。
 また、ブロック塀の安全対策につきましては、平成22年度から実施している県民減災運動推進事業の中で、木造住宅耐震化、家具の固定とともに減災効果が高い対策として位置づけて推進をしております。
 県では、これら対策に係る市町村事業への支援を行っているところでございます。
 以上でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 県土整備部長森 勝彦君。
  〔森 勝彦君、登壇〕
○県土整備部長(森 勝彦君) 初めに、高速道路への避難路についてでございますが、議員御指摘のように、さきの東日本大震災では、高速道路が救援復旧ルートとして効果を発揮したことに加え、津波襲来時に住民が高速道路ののり面を駆け上がり一時避難したことにより多くの人命が救われたと報告されております。
 こうしたことを踏まえ、近畿自動車道紀勢線の事業中区間等においても、高速道路への避難路の設置や避難場所としての活用などについて、国や関係機関に働きかけてまいります。
 次に、県道の道路改良と事業推進についてでございます。
 まず、県道田辺白浜線ですが、白浜町堅田上から郵便橋間において、議員御指摘のように、JR踏切の前後、上富田町と白浜町にまたがる約200メートルの区間で、特に狭隘というほどではありませんが、2車線が確保できていない区間が残っております。当該区間につきましては、要望もございますことから、白浜町の地籍調査の見通しなども勘案し、今後、地元町とも相談してまいります。
 次に、県道すさみ古座線ですが、すさみ町周参見から小河内地内の未改良区間約5キロメートル間において、平成16年度から現道対策を実施しております。現在、そのうち特に交通の支障となっていた約1.3キロメートルが完成しており、残る区間の事業推進に引き続き努めてまいります。
 また、県道日置川大塔線ですが、白浜町玉伝口から市鹿野間において、平成21年度まで現道対策を実施しておりました。今後も、地元協力が整えば、住民の意見をお聞きしながら狭隘な箇所の現道対策を検討してまいります。
 最後に、県道白浜温泉線の事業推進についてでございますが、国道42号と白浜空港を結ぶ約4.4キロメートルの事業区間のうち、富田川から県道栄岩崎線までの高架区間において工事を進めております。今年度から富田川にかかる橋梁工事及び才野地区の測量・設計を行ってまいります。
 なお、高架区間への津波等緊急時における避難についても、接続する県道などから自転車や徒歩で進入することができるようになっております。
 以上でございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県立白浜なぎさホームの移転についてお答えいたします。
 県立白浜なぎさホームの移転先の選定につきましては、白浜町に御協力をいただき進めてまいりました。白浜町から提示された複数の候補地の中から、断層の影響が懸念される土地などを除き、検討をした結果、現在の建設地に決定をいたしました。
 移転先が津波ハザードマップにおいて3ないし5メートルの津波浸水が予想されている土地であることから、当初から鉄筋コンクリートづくり3階建てとしておりましたが、さらに今般の東日本大震災の被害状況にかんがみ、想定の2倍の高さの津波浸水にも耐え得る避難場所を屋上に設置するなど、逃げおくれた地域住民の方々や観光客も避難できるよう、津波避難ビルとしての役割を果たすことができる設計としております。
 津波浸水の予想される地域に本施設のような津波避難ビルを整備することは、地域住民等の避難場所の選択肢をふやし、大きな減災効果があるものと考えております。こうしたことから、本施設の建設につきましては、地域の方々からも強く切望されているところでありまして、予定どおり事業を進めてまいりたいと考えてございます。
 以上です。
○副議長(前芝雅嗣君) 商工観光労働部長大門達生君。
  〔大門達生君、登壇〕
○商工観光労働部長(大門達生君) 電力移出県等交付金についてお答えいたします。
 電力移出県等交付金は、公共用の施設整備、住民の利便性向上及び産業の振興に寄与する事業に促進することで、地域住民の福祉の向上を図り、これにより発電用施設の設置及び運転の円滑化に資することを目的としております。
 これまで、本県では、産業振興のための企業誘致活動事業や県内の中小企業等を支援するために、県工業技術センターの機器整備などに活用してまいりました。
 今後の交付金の使用につきましては、引き続き産業振興など交付目的に資するよう、自然エネルギーの普及への使用も含めて検討してまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 農林水産部長増谷行紀君。
  〔増谷行紀君、登壇〕
○農林水産部長(増谷行紀君) 緑の雇用の今後についての御質問4点について、一括してお答え申し上げます。
 緑の雇用事業により、これまで県外から本県に約460名の方々が就業され、このうち引き続き県内で就業されている方々は、その52%、約240名となっております。また、平成15年度から平成22年度までの8年間に、地元での雇用者も含め、本県では緑の雇用事業に約23億円の補助金を活用し、林業担い手の確保とその技術向上を図ってきたところです。
 本年度の国の間伐事業に関しましては、搬出間伐を中心とするものに事業内容が見直されたものの、補助金総額はほぼ前年度と同額を確保できる見通しとなっております。県といたしましては、低コスト林業を推進する中で、こうした事業を有効に活用して搬出間伐を進めており、搬出間伐の促進に向けた作業道整備や林業機械操作の技術研修などについても積極的に実施してきたところです。
 森林組合に対しては、これまでも情報の収集、指導を行ってまいりましたが、今回の本宮町の案件については、第1報を知った4月中旬以降、双方からの聞き取りや双方交えての話し合いの場に出席するなどし、事実関係の把握に努めているところです。結果的に事前の対応に至らなかったことから、今後は森林組合との一層の連携強化を図り、組合指導の充実に努めてまいります。
○副議長(前芝雅嗣君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 再質問を許します。
 37番高田由一君。
○高田由一君 何点か再質問をさしていただきます。
 危機管理監からは、エリアメールについての詳しい御説明がございました。24時間、電源が切れてもバッテリーで対応できるということを伺って安心したのと同時に、障害を持った方もきちんと情報が伝わる可能性があるということで、大変有益な手段だということが御答弁でもわかりました。
 やはり、地域では戸別の防災無線という要望も強いわけでございますが、そのエリアメールの普及ということにもしっかり取り組んでいただきながら、その辺、勘案して県のほうでしっかりと情報伝達の推進をしていただきたいと思います。これは要望でございます。
 商工観光労働部長の電力移出県交付金についての御答弁、自然エネルギーへの活用ということも文言に入れていただきました。ぜひそうなるように。
 そして、これからは、自然エネルギーを普及するということは、そのこと自体と同時に、そのことで雇用を県内に創出するということにもつながってまいると私は考えております。そういう点でいえば、まさに電力移出県交付金はその目的に合致すると思いますので、そうした点について、ぜひとも力を入れて推進していただきたいというふうに思います。要望でございます。
 農林水産部長からは、緑の雇用の問題について答弁をいただきました。国からの補助金の削減はないというはっきりした答弁がございました。であるなら、私はどう見ても、この解雇された皆様に道理があるというふうに思いました。この問題は、確かに労使間の問題でもございます。解決のためには当事者間の話し合いが今後大切になってまいりますが、県政としては、せっかく補助事業まで──23億円ですか──投入してきた、こういう中で定着してきた方々を、このままほうり出してええのかどうかということが問われるというふうに思います。
 中には、既に和歌山を離れた方も数名いらっしゃると伺いました。そして、先日聞き取りをさしてもらいましたら、一方では解雇された方でも、「私たちは仕事が変わったとしても、この本宮の地元の集落に残って、ここで仕事と子育てを続けたい」という御家族も複数いらっしゃいます。こういうことがあっても、まさに和歌山県民以上にというぐらい和歌山県や本宮町を愛してくれている。その言葉に、私は大変ありがたい話やなというふうに思いました。ほんまにええ方々たちに来ていただいたと思います。
 この上は、知事、せんだって記者会見でお話しされてましたが、県政先頭に立って救済のほうにも全力を注いでいただくことを、この点では強く要望をしておきたいというふうに思います。
 それから、県土整備部長、ごめんなさい。1点目の県道田辺白浜線は一部2車線になってない区間があって、特に狭隘でないと言われましたが、特に狭隘なんです、ほんまに。1回あそこの出っ張ったところを見ていただいたらというふうに思います。ほんまに危ないです。ですから、これだけ地元から要望が上がっているんで、その御認識は変えられたほうがいいと思います。これは要望です。
 それから、なぎさホームの件でございます。
 この県立なぎさホームのことなんですが、先ほど部長の答弁では、町に協力を依頼して、提示された候補地の中から断層のないとこを選んだということなんですが、断層なくても津波が心配なんです。なぜこの移転先を選んだのかという積極的な理由が見えないということを申し上げたいと思います。
 御承知かと思うんですが、移転先の地名は、先ほども申し上げましたとおり白浜町寒サ浦ということでございます。「浦」という字は、陸地につく地名ではないんですね。海だったところなんです。地元の人は、今なぎさホームが移転されようとしているまさにそのところで、昔、よういそ物拾うたというふうに言われております。埋め立ててつくった土地です。
 せんだって現場も見てきましたが、なかなか水が出て大変な工事にもなっているというふうに聞いておりますが、地盤改良すればそういうところへも今の技術を使えば十分建てられるとは思うんですけれども、それにしても、やっぱりわざわざなぜそこへ建てるんよというのが率直な近所の皆さん、また町民の感情なんです。
 ぜひそうした点も含めて再度答弁いただきたいのは、なぜそこに移転したのか。そこがええと思ったから移転したんじゃないんですか。その点を、しっかり答弁をもう一回いただきたいと思います。
 それから、最後に原発の問題でございます。
 知事が従来の3原則という答弁を繰り返さなかったので、ほっといたしました。ですが、現状ではこの原発の計画というのは大変難しいと思うという知事の御答弁でございましたけれども、大変現状では難しいと思う──客観的な状況がこうだから、福島もあってこうだから難しいのか、それとも知事御自身の判断として、もうやっぱり原発やめようという判断に基づいて難しいと言われてるのか、そのあたりをもう一回御答弁いただきたいと思います。
 特に、きのうですが、大阪の平松市長さんも関電へ行かれまして、もちろん大阪には原発計画はないんですが、脱原発にしていこうやないかという提案をされたというふうに伺っておりますので、この点でもう少し踏み込んだ対応というんですか、そういうことを答弁していただきたいなというふうに思って再質問をさせていただきます。
 以上です。
○副議長(前芝雅嗣君) 再質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
  〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 原子力発電所の立地についてでございますが、まず第1に、案件はありませんということと、それから、現状ではそういうものをつくろうとしても、なかなか難しいんじゃないかというふうな状況を御説明したまででございます。
○副議長(前芝雅嗣君) 福祉保健部長鈴木敏彦君。
  〔鈴木敏彦君、登壇〕
○福祉保健部長(鈴木敏彦君) 県立白浜なぎさホームの移転についての再質問にお答えいたします。
 移転につきましては、以前から白浜町と十分協議を進めてまいりまして、最終4カ所に候補地を絞りました。その4カ所の中で、先ほども答弁させていただきましたが、一部断層の影響が懸念される土地というのがございましたので、ここは排除をいたしました。それからあと、道路から容易に施設内を見通すことができるという、この母子の寮でプライバシーが損なわれるというふうなこともございましたので、そこも排除をいたしました。
 最終、現在のところがベストということで決定をし、なおかつ、先ほども答弁いたしましたが、あの被災がございましたので、再度変更設計をいたしまして、そういう津波に対応する施設としたところでございます。
 以上です。
○副議長(前芝雅嗣君) 答弁漏れはありませんか。
  〔「ありません」と呼ぶ者あり〕
○副議長(前芝雅嗣君) 再々質問を許します。
 37番高田由一君。
○高田由一君 知事から御答弁をいただきました。
 原発の問題について、もう一回聞いたら同じことを言われてもあれなんで、もう聞かないんですが、やはり知事としてこういう方向でやろうよという積極的なアクションというか、御提言をされていくべきときじゃないかなというふうに思いますんで、今回はそのことをぜひ要望しておきたいというふうに思います。
 それと、福祉保健部長、答弁いただきましたが、地元の理解を得るためにも、この避難のタワーをつくってもうた、これは本当にいいことだと思うんです。
 そやけれども、この地図にもありますように、この寒サ浦という地域は、地元の方もおられますけど、これ、谷合いになってるんです。そこへ海が入り組んできたとこで、この谷合いの両側はもう宅地になってるんですよね。だから、わざわざそこへ、津波避難ビルへ逃げんでも、この間、防災課に聞きましたら、より高いところへ逃げよというのが今の流れだそうですから、わざわざそこへ行かいでもええと。
 ただ、私、逃げおくれた方のためにそういうところがあるというのは、それは大事なことだと思うんですよ。そやけれども、やっぱり、繰り返しになりますが、わざわざなぜよというところなんです。
 ですから、私はやはりこの想定見直しで、この赤いところがまた紫色になったり、それ以上になったりするのを大変恐れておりますし、先ほどの地盤の問題もございます。ぜひとも、こういう予算がついた時点ではございますが、御賢察をいただいて、再度の見直しを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○副議長(前芝雅嗣君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で高田由一君の質問が終了いたしました。
 これで、本日の質疑及び一般質問を終わります。
 明日も定刻より会議を開き、質疑及び一般質問を続行いたします。
 本日は、これをもって散会いたします。
  午後2時42分散会

このページの先頭へ