平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第9号(全文)


県議会の活動

平成23年2月
和歌山県議会定例会会議録
第9号
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議事日程 第9号
 平成23年3月9日(水曜日)
 午前10時開議
 第1 特別委員会中間報告の件
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで、並びに請願3件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第3 議案第71号(委員会付託等省略・表決)
 第4 意見書・決議案
 第5 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第6 特別委員会閉会中継続審査の件
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会議に付した事件
 第1 特別委員会中間報告の件
 第2 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで、並びに請願3件(委員長報告・同質疑・討論・表決)
 第3 議案第71号(委員会付託等省略・表決)
 第4 議員提出議案第1号(提出者説明等省略・表決)
 第5 意見書案
 第6 常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件
 第7 特別委員会閉会中継続審査の件
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出席議員(44人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和視
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 森 礼子
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 服部 一
 28番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 35番 浦口高典
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
〔備考〕
 16番 欠員
37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事 仁坂吉伸
 副知事 下 宏
 知事室長 曽根義廣
 国体推進監 中村正次
 危機管理監 前硲健作
 総務部長 宮地俊明
 企画部長 柏原康文
 環境生活部長 保田栄一
 福祉保健部長 西上邦雄
 商工観光労働部長 岡本賢司
 農林水産部長 阪中栄一
 県土整備部長 原 広之
 会計管理者 神田泰仁
 教育委員会委員長 宮永健史
 教育長 山口裕市
 公安委員会委員長 大桑いく嗣
 警察本部長 山岸直人
 人事委員会委員長 守屋駿二
 代表監査委員 楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 森田実美
 次長 佐本 明
 議事課長 堀 達也
 議事課副課長 吉田政弘
 議事課課長補佐兼班長 田中健司
 議事課主任 中尾祐一
 議事課主査 保田良春
 議事課主査 中村安隆
 議事課主事 的場健司
 総務課長 上坊 晃
 総務課主事 今井実香
 調査課長 中井祥之
 調査課主任 萩原 享
 調査課主査 西岡香恵
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 午前10時1分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、特別委員会中間報告の件を議題といたします。
 人権・少子高齢化問題等対策特別委員会、防災・環境問題等対策特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会、半島振興・交通・産業振興対策特別委員会から文書により中間報告がなされております。これらはいずれもお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前10時1分休憩
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 午後1時30分再開
○議長(谷 洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 日程第2、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで、並びに今定例会の請願2件、継続審査中の請願1件、計3件を一括して議題とし、順次、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告を求めます。
 建設委員会委員長泉 正徳君。
 〔泉 正徳君、登壇〕(拍手)
○建設委員会委員長(泉 正徳君) 建設委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案15件であります。
 委員会は、3月4日、第5委員会室において開催し、県土整備部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第57号及び議案第59号は賛成多数をもって、議案第45号から議案第49号まで、議案第61号から議案第66号まで、議案第68号及び議案第69号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の質問項目を申し上げますと、木造住宅の耐震化促進事業について、和歌山県建設新技術開発支援について、和歌山県屋外広告物条例及び和歌山県景観条例の一部改正について、近畿自動車道海南─有田間の4車線化の供用見込みについて、国道371号龍神工区の供用見込みについて、津波対策としての大浜堤防の補強・改良について、佐野川における消防用取水口の設置について、京奈和自動車道の進捗と今後の見通しについて、国道480号鍋谷峠道路の建設促進について、国道480号矢立─高野山大門間の改修促進と一部供用開始について、県道花園美里線の改修促進について、県道和歌山橋本線のかつらぎ町東渋田・西渋田地区の改修促進について、紀の川左岸農道の建設促進について、かつらぎ町妙寺─笠田間の紀の川への架橋について、九度山町から高野山への高野山表参詣道路の整備促進について、高病原性烏インフルエンザ対策における消毒ポイントの選定方法について、行政財産使用料と道路占用料の整合性について、県民等が理解しやすい事業名のつけ方について、南紀白浜空港における着陸料の軽減措置について、第2阪和国道の供用見込みについて、高速道路料金割引制度について、紀の川流域下水道の維持管理に要する費用の負担についてただされました。
 以上をもちまして、建設委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 文教委員会委員長花田健吉君。
 〔花田健吉君、登壇〕(拍手)
○文教委員会委員長(花田健吉君) 文教委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案5件、請願は前会からの継続審査分1件であります。
 また、平成23年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 委員会は、3月4日、第6委員会室において開催し、当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第50号から議案第53号まで及び議案第67号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第7号は継続審査すべきものと決しました。
 調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、道徳教育の充実について、図書館の充実について、教育実践研究大会の取り組みについて、市町村対抗ジュニア駅伝への参加について、和歌山方式の教育について、発達障害のある子供への対応について、国際人育成プロジェクトにおけるディベート等の取り入れについて、伊都地方の高等学校再編整備について、教育長の4年間の総括と今後の展望についてただされました。
 以上をもちまして、文教委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 総務委員会委員長川口文章君。
 〔川口文章君、登壇〕(拍手)
○総務委員会委員長(川口文章君) 総務委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案8件であります。
 また、平成23年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 委員会は、3月4日、第1委員会室において開催し、会計局、人事委員会事務局、監査委員事務局、選挙管理委員会、県議会事務局、知事室、企画部、総務部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第56号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第33号から議案第38号まで及び議案第60号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 また、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、知事室関係では、紀の国ふれあい事業について、「県民の友」の配布について、国体準備に係る組織人員体制について、企画部関係では、本県の人口推計について、南加和歌山県人会創立100周年記念事業
の内容について、総合的な交通政策について、地上デジタル放送について、コスモパーク加太への企業誘致等について、「平成24年経済センサス─活動調査」及び各種統計調査の調査結果の部局を横断した県の施策への活用について、総務部関係では、高病原性鳥インフルエンザの対応について、和歌山県職員定数条例の一部を改正する条例についてただされました。
 以上をもちまして、総務委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 福祉環境委員会委員長片桐章浩君。
 〔片桐章浩君、登壇〕(拍手)
○福祉環境委員会委員長(片桐章浩君) 福祉環境委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表及び請願文書表に記載のとおり、議案3件、請願新規受理分2件であります。
 また、平成23年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 委員会は、3月4日、第2委員会室において開催し、福祉保健部、環境生活部の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第41号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第39号及び議案第42号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。また、請願につきましては、お手元に配付の請願審査結果表のとおり、議請第21号及び議請第22号は不採択すべきものと決しました。
 次に、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、福祉保健部関係では、がん対策について、周産期医療について、潜在看護職員の復職支援について、介護職員の処遇改善について、平成23年度当初予算について、子供の医療費無料化について、看護師の充足状況と確保について、地域支え合い体制づくり事業について、高齢者の生活実態について、環境生活部関係では、産業廃棄物の越境移動について、雨天時の新聞包装について、産業廃棄物処理施設の計画について、男女共同参画について、平成23年度当初予算について、自然ふれあいウオーキングコース整備事業についてただされました。
 以上をもちまして、福祉環境委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 経済警察委員会委員長前芝雅嗣君。
 〔前芝雅嗣君、登壇〕(拍手)
○経済警察委員会委員長(前芝雅嗣君) 経済警察委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案3件であります。
 また、平成23年度当初予算関係議案のうち当委員会所管分について、議長から調査依頼がありました。
 委員会は、3月4日、第3委員会室において開催し、公安委員会、商工観光労働部・労働委員会の順に当局から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第43号、議案第54号、議案第55号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、公安委員会関係では、2月14日の積雪による交通事故の状況と今後の安全対策について、発達障害のある少年に対する諸対策について、和歌山県暴力団排除条例(案)について、防犯カメラの設置拡大について、商工観光労働部・労働委員会関係では、プレミア和歌山の現状と今後の販売促進戦略について、景気対応緊急保証制度終了後の対応についてただされました。
 以上をもちまして、経済警察委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 農林水産委員会委員長藤山将材君。
 〔藤山将材君、登壇〕(拍手)
○農林水産委員会委員長(藤山将材君) 農林水産委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案1件であります。
 また、平成23年度当初予算関係議案のうち、当委員会所管分について議長から調査依頼がありました。
 委員会は、3月4日、第4委員会室において開催し、農林水産部から付託案件について説明を聴取した後、慎重に審査いたしました結果、議案第57号は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 調査依頼のありました予算関係議案につきましては、適当である旨、議長に報告いたしました。
 次に、所管に係る各委員の主な質問項目を申し上げますと、業務用野菜産地化推進事業の内容と状況について、自然光利用型野菜工場の設置推進や養液栽培について、新規就農者の状況と支援対策について、野菜花卉産地強化事業の内容について、農林水産事業費の予算規模の妥当性について、平成23年度当初予算編成における知事査定の成果について、新農林水産業戦略プロジェクト推進事業の総括と今後の対応について、各試験場における研究テーマの選定、実証試験のあり方、他の研究機関との連携について、各試験場における研究開発の情報共有について、知事の各試験場への視察について、耕作放棄地再生活動協働モデル事業の成果と事業の継続について、耕作放棄地対策としての認定農業者や法人化について、認定農業者の条件について、鳥獣害対策におけるわなの許可制度の簡素化、電さくの農業電化、射撃場の建設について、農林水産部における振興局の権限についてただされました。
 以上をもちまして、農林水産委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 予算特別委員会委員長尾崎要二君。
 〔尾崎要二君、登壇〕(拍手)
○予算特別委員会委員長(尾崎要二君) 予算特別委員会における審査の経過並びに結果について、御報告申し上げます。
 当委員会に付託されました案件は、議案付託表に記載のとおり、議案16件であります。
 委員会は、まず3月2日、3日に予算・決算特別委員会室において開催し、総括質疑を行い、質疑終了後、直ちに議長を通じ各常任委員会に対し部局別質疑・調査を依頼したところであります。その調査結果の報告を受けて、3月8日に予算・決算特別委員会室において委員会を開催し、慎重に審査いたしました結果、付託を受けました議案第1号、議案第3号、議案第7号は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決し、議案第2号、議案第4号から議案第6号まで、議案第8号から議案第16号までは全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。
 次に、総括質疑での付託議案に係る各委員の主な質疑項目を申し上げますと、県下の経済状況と新年度施策について、梅農家の現状把握と6次産業に対する取り組みについて、紀南地域の雇用について、南北格差是正と具体的な紀南再生行動プランの作成について、新文里湾架橋大橋構想について、過疎対策について、小学校の校庭の芝生化について、森林・林業基本政策の抜本的見直しについて、過疎高齢化の進む地域におけるこれからの可能性と振興策について、県立中学校の規模と定員について、過疎地域における高齢者の理美容について、和歌山県財政の厳しさについて、経済活性化策としての住宅リフォーム助成について、過疎対策と「りら」が果たす役割について、看護師不足問題について、和歌山わいわい市場育成について、学校の国際化について、高病原性鳥インフルエンザ対策後の対応について、環境政策の推進について、農作物鳥獣害対策について、教育問題について、支え合う社会づくりについて、教育について、サービス付き高齢者住宅制度について、入札制度に関する地元下請事業者の適正利潤の確保について、国際人育成プロジェクトについて、和歌山県環境基本計画(案)について、人口減少時代の和歌山県のあり方について、1年半余の民主党政権運営について県知事の任にある立場での感想について、大企業の海外シフト、新日鉄・住友金属の合併に伴う住友金属和歌山工場への影響予想について、鳥獣被害について、農林水産物の海外での販路開拓について、鉛製給水管についてただされました。
 以上をもちまして、予算特別委員会の報告を終わります。何とぞ、適切な御決定をお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 以上で、常任委員会委員長及び予算特別委員会委員長の報告が終わりました。
 これより委員長報告に対する質疑に入ります。
 質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 質疑なしと認めます。
 次に、討論に入ります。
 まず、雑賀光夫君から反対討論の通告がありますので、許可いたします。
 44番雑賀光夫君。
 〔雑賀光夫君、登壇〕(拍手)
○雑賀光夫君 日本共産党県議団を代表いたしまして、議案第1号、第3号、第7号、第41号、第56号、第57号、第59号、7つの議案について反対する立場で討論させていただきます。
 議案第1号は、平成23年度和歌山県一般会計予算についてです。仁坂知事にとっては再選されて最初の当初予算であります。
 個々の問題に入る前に、和歌山県財政が抱えている基本的、歴史的な問題について整理しておきたいと思います。
 第1は、国政との関係での問題です。
 三位一体の改革と言われた小泉財政改革。さらには、その以前からの国の財政政策によって、地方財政は圧迫を受けてきました。地方からの批判で多少の揺り戻しはありましたが、その問題は基本的には変わっておりません。国からの負担金の押しつけもあります。そんな中で、国に対して言うべきことは、はっきり言うことが求められています。
 提案された予算には、大滝ダム負担金6億円が含まれています。大滝ダムについては、当初の計画から10倍にも予算が膨れ上がっても、欠陥ダムしかできなかったのは国の責任ですから、追加負担は国がするべきです。
 第2は、歴代県政の負の遺産の問題です。
 コスモパーク加太に象徴される開発行政。莫大な借金をつくった。20億円かけて造成した上で、県民の税金を使って法外の安い地代で貸し出している。それでも雇用があるからいいではないかという論議もあったけれども、カゴメの都合で3期工事は中止になりました。こんな中でも、コスモパーク加太の土地を安く貸すための予算が提案されているわけであります。
 乱脈な同和行政の結果、100億円を超す高度化資金の焦げつき、一部返済されているものもありますが、数十億円単位の欠損処理が始まっています。その清算をすることなく、事実上の同和行政の継続である特定の子供会への法外な補助金を出し続けている問題を指摘してきました。過去の県政の負の遺産であってもその反省がなくては、過去の問題だと不問にすることはできません。
 そんな中で、本年度の一般会計の予算規模は5426億円で、3年連続の増額予算です。歳入を見ますと、法人2税は昨年度と比べれば43億円増の158億円となっています。地方交付税は前年度当初より150億円増の1611億円となり、いろいろの出入りはありますが、補正予算の関係もあって新行革プランの財調県債管理基金の残高は、23年度末には22億円とされていたものが200億円まで積み上がっています。この財源を、不要不急の支出を抑え、県民の暮らし、福祉、教育のためにどう有効に使うかが問われています。
 歳出では、投資的経費1055億円を計上しました。国体関連施設、医療施設耐震化、道路や河川の整備、津波対策事業など必要なものが多くありますが、国直轄事業では、依然として完成年度も定まらない住金沖の南防波堤の建設、船が入る見通しもないままの日高港湾整備を続けることなどは不要不急であり、直轄負担金を払い続けていることは問題です。
 耐震補強、バリアフリー、太陽光発電、紀州材利用などの各種の補助が行われているのはそれぞれ大切ですが、経済対策の側面から見ればそれが点になっているために大きな効果を上げることになっていません。その枠を外した住宅リフォーム助成制度を繰り返し要望してきましたが、受け入れられていないのが残念です。
 ワクチン公費負担や感染症病床の整備は、県民の期待にこたえるものです。しかし、懸案になっている看護師養成施設をふやすことについては、検討するとしながら、まだ予算が計上されていません。乳幼児医療費助成事業や国保運営などについて、市町村への支援を強めるべきです。
 有害鳥獣対策は、対策予算を倍加し、約3億円計上しました。積極的な予算ですが、まだ足りないという声もあり、一層の積極的対応を望みたいと思います。
 国際人育成プロジェクトとして、新たに予算が計上されています。趣旨としてはいいことですが、画一的な押しつけにならないよう学校の自主性を尊重して実施していただきたいと思います。
 議案第3号は、中小企業振興資金特別会計予算案であります。さきに申し上げた負の遺産に、今年度予算でも回収目標を立てて努力しており、関係者の粘り強い努力には敬意を表するものですが、高度化資金の貸し付けや債権管理の実態がいまだに不透明なものを残しており、県民の理解を得ることはできないと考えています。
 議案第7号は、公営ギャンブルは認められないという立場から反対です。
 議案第41号は、認定こども園の認定基準に関する条例の一部を改正し、給食の外部搬入を広げるものです。政府の保育支援でも、自園調理が望ましいとしています。外部搬入の拡大は指針に反するものです。アレルギー児などへの細かい対応に、安全が十分確保できるか疑問です。
 議案第56号は、使用料・手数料条例の一部を改正する条例で、その中に県立高等学校専攻科の授業料を値上げする内容が含まれています。公立高校授業料の無償化、私立授業料の負担軽減が図られるもとで、高校専攻科についてのみ授業料をあえて値上げしなくてはならない必要性はありません。
 議案第57号は、建設事業についての市町村負担金を求めるもので、その廃止を求める立場から反対です。
 議案第59号は、紀の川流域下水道の費用負担を値上げするものです。下水道の接続や流入量が計画どおり進んでいないツケを、県民に回す結果となったことを指摘しなければなりません。
 年金にかかわる2つの請願について、不採択の委員長報告があったことは大変残念です。戦後日本を支えてこられた高齢者の皆さんの少なからぬ方が、無年金、低年金で苦しんでおられることを放置できません。また、最低保障年金制度の制定は急務であり、その財源を庶民への増税である消費税に頼ることは論外であります。よって、不採択には反対でございます。
 以上で、反対討論を終わります。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 次に、平越孝哉君から賛成討論の通告がありますので、許可いたします。
 15番平越孝哉君。
 〔平越孝哉君、登壇〕(拍手)
○平越孝哉君 私にとりまして、県議会議員最後の登壇の機会をお与えいただきました。この御配慮に心から感謝を申し上げます。
 それでは、お許しをいただきましたので、本2月定例会に提案されている平成23年度当初予算関係議案並びに諸議案に対し、賛意を示す自由民主党県議団、真わかやま、公明党県議団を代表し、賛成の立場から討論させていただきます。
 まず、平成23年度当初予算についてでありますが、現在、我が国の経済・雇用情勢は昨年来の急激な円高などの影響を受け、足踏み状態が続き、先行きに対する不透明感を払拭することができず、依然として厳しい状況が継続しております。
 本県におきましても、景気の低迷により県税収入が伸び悩む一方、社会保障関係経費や公債費といった義務的経費が増加するなど、依然として厳しい財政環境のもとで極めて難しい予算編成を余儀なくされたものと推察いたします。
 そのような状況の中、県当局におきましては、現下の社会経済情勢に的確に対応するとともに、元気な和歌山の創造と財政の健全化を両立させるため、歳入歳出の両面にわたりあらゆる検討を行われたものと思います。当初予算案は、「未来を拓く希望の政策」と「命とくらしの現在(いま)を守る安心の政策」という2つの柱を重点に編成され、県内企業向け融資制度の改善、成長を支えるインフラ整備、不可欠な投資的経費の確保、国の基金等を活用した雇用・就業機会の創出、技術開発資源やブランド力強化、販売力促進などによる県内産業の活力強化、子育て家庭への経済的負担の軽減による子育て環境の充実などといった新政策が盛り込まれているとともに、歳出規模が3年連続で前年度を上回るなど、本県経済をしっかりと下支えする積極的な予算案となっております。
 一方、依然として厳しい財政状況のもとでこれらの政策を実現するに当たり、職員定数を104人削減することにより人件費の抑制や事務事業の見直し等着実に推し進めることにより収支不足額を16億円に抑制されていることは、高く評価されるものと考えています。
 このように、平成23年度当初予算案は、現下の景気・雇用情勢への対応や、本県の目指す将来像の実現に向けた新政策の遂行と持続可能な財政構造の確立に向けた財政健全化という2つの目標を両立させた予算として、県民の期待に十分にこたえられるものであると考えます。
 また、他の諸議案につきましては、財政健全化に寄与する職員定数の削減等にかかわる条例改正や、県民の安全で安心かつ平穏な生活を確保するための暴力団の排除に関する条例制定など、いずれも時宜にかなった必要かつ適切なものであります。この上は、これらの諸議案に盛り込まれた諸般の施策を迅速に執行し、成果を上げることが県民の負託にこたえる上で最も肝要と確信するところであります。
 我々自由民主党県議団を初め、賛意を示す各会派といたしまして、以上申し上げた認識のもと、今議会に提案されている平成23年度当初予算関係議案並びに諸議案について原案どおり成立することを期するものであることを申し上げ、賛成の討論とさせていただきます。
 なお、最後に、お許しをいただき、一言ごあいさつを申し上げます。
 私は、今期をもちまして県議会議員を引退しますが、8期32年の長きにわたり、支持者の皆さんの力強い御支援をいただき、微力でありましたが、県勢の発展に懸命に取り組んでまいりました。また、今期をもちまして町田亘議員、小川武議員、松本貞次議員、野見山海議員、原日出夫議員の皆さんが御勇退されます。それぞれ、県勢浮揚のため、県民の福祉向上のため、邁進されてこられました。この際、各議員を代表して、お世話になった同僚議員の皆さん、知事初め県職員の方々に心からお礼を申し上げます。
 我が和歌山は、自然や文化に恵まれ、さらに大いに発展の可能性のあるすばらしい故郷であります。どうか、議員の皆さんには見事再選を果たされ、御活躍されますよう御祈念申し上げまして、ごあいさつといたします。長い間、ありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 以上で、討論を終結いたします。
 これより採決に入ります。
 まず、議案第1号、議案第3号、議案第7号、議案第41号、議案第56号、議案第57号及び議案第59号を一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立多数であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に、議案第2号、議案第4号から議案第6号まで、議案第8号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第42号、議案第43号、議案第45号から議案第55号まで及び議案第60号から議案第69号までを一括して採決いたします。
 本案に対する委員長報告は、いずれも原案可決であります。
 本案をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立全員であります。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
○議長(谷 洋一君) 次に、議請第7号を採決いたします。
 本請願に対する委員長報告は、継続審査であります。
 本請願を委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立全員であります。よって、本請願は委員長報告のとおり決定いたしました。
 次に、議請第21号及び議請第22号を一括して採決いたします。
 本請願に対する委員長報告は、いずれも不採択であります。
 本請願をいずれも委員長報告のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立多数であります。よって、本請願はいずれも委員長報告のとおり決定いたしました。
 次に日程第3、議案第71号を議題といたします。
 これより質疑に入ります。
 本案について質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託等を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 議案第71号和歌山県教育委員会の委員の任命につき同意を求めることについてを採決いたします。
 この採決は、無記名投票をもって行います。
 議場を閉鎖いたします。
 〔議場閉鎖〕
○議長(谷 洋一君) ただいまの出席議員数は、議長を除き43人であります。
 お諮りいたします。立会人に、21番新島雄君、24番宇治田栄蔵君、35番浦口高典君、43番藤井健太郎君の4君を指名いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、立会人に以上の4君を指名いたします。
 なお、この際、白票は無効といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、白票は無効とすることに決定いたしました。
 投票用紙を配付いたします。
 〔投票用紙配付〕
○議長(谷 洋一君) 配付漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 配付漏れなしと認めます。
 投票箱を改めます。
 〔投票箱点検〕
○議長(谷 洋一君) 異状なしと認めます。
 念のため申し上げます。投票は無記名であります。投票用紙に、本県教育委員会の委員に西下博通君を任命するにつき同意することに賛成の諸君は「賛成」と、反対の諸君は「反対」と記載の上、点呼に応じて順次投票願います。
 点呼いたします。
 〔氏名点呼・投票〕
○議長(谷 洋一君) 投票漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 投票漏れなしと認めます。
 投票を終了いたします。
 議場の閉鎖を解きます。
 〔議場開鎖〕
○議長(谷 洋一君) これより開票を行います。
 立会人の立ち会いをお願いいたします。
 〔開票〕
○議長(谷 洋一君) 投票の結果を報告いたします。
 投票総数43票、うち有効投票43票、無効投票なし。有効投票中、賛成43票。
 以上のとおり、賛成全員であります。よって、議案第71号は同意することに決定いたしました。
 この際、報告いたします。
 議員提出議案の提出がありました。
 お諮りいたします。議員提出議案第1号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第1号議会の議員の議員報酬の特例に関する条例の一部を改正する条例を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、提出者の説明、質疑、委員会付託及び討論を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議員提出議案第1号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に日程第4、和議第132号「北朝鮮による日本人拉致問題の早期解決を求める意見書(案)」、和議第133号「北方領土問題の早期解決を求める意見書(案)」、和議第134号「鉄道駅におけるホームドア整備の推進に関する意見書(案)」、和議第135号「関西国際空港の再生及び強化に関する意見書(案)」、和議第136号「高速道路ネットワークの早期実現に向けた予算確保を求める意見書(案)」、和議第137号「高速道路の新たな料金割引に関する意見書(案)」、和議第138号「地球温暖化対策税(環境税)の導入について慎重な対応を求める意見書(案)」、和議第139号「南極海における鯨類捕獲調査事業の継続等を求める意見書(案)」を一括して議題といたします。
 案文は、お手元に配付しております。
 お諮りいたします。本案については、いずれも提出者の説明、質疑、委員会付託及び討論を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 和議第132号から和議第139号までを一括して採決いたします。
 お諮りいたします。本案をいずれも原案のとおり決することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、本案はいずれも原案のとおり可決されました。
 次に日程第5、常任委員会及び議会運営委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。お手元に配付しております「継続審査を要する所管事務調査件名表」及び「継続審査を要する担任事務調査件名表」のとおり、それぞれ閉会中の継続審査として付議することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、日程第6に入ります。
 特別委員会閉会中継続審査の件を議題といたします。
 お諮りいたします。人権・少子高齢化問題等対策特別委員会、防災・環境問題等対策特別委員会、行政改革・基本計画等に関する特別委員会、半島振興・交通・産業振興対策特別委員会及び予算特別委員会に付議されたそれぞれの問題について、さらに閉会中の継続審査とすることに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 以上で、今期定例会に付議された諸案件の審議はすべて終了いたしました。
 この際、知事から発言を求められておりますので、許可いたします。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) お許しをいただきましたので、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。平成23年2月議会の閉会に当たりまして、私から一言ごあいさつを申し上げます。
 議員の皆様方には、平成19年から今日に至る4年間の任期における最終の議会が終わろうとしております。これまで、県勢の発展、100万県民の幸せのため、各般にわたり御尽力を賜り、まことにありがとうございました。心からお礼を申し上げます。
 本議会では多数の重要案件につきまして御審議をお願いしたところでありますが、今般御賛同を賜りました予算によりまして、「未来を拓く希望の政策」と「命とくらしの現在(いま)を守る安心の政策」の2つの柱の実現に向け、誠心誠意、全力を尽くしてまいる所存であります。
 私は、就任以来、元気な和歌山の創造に向け力を尽くしてまいりました。こうした中、皆様には住民の代表として和歌山県の発展のため、地域の活性化のために大いに御活躍をいただきましたことは、私を初め県民の皆さん、だれもが認めるところでございます。
 来る4月10日には統一地方選挙が行われます。県議会議員の選挙に立候補される皆様方には、見事当選を果たされ、元気な和歌山の実現に向け、再びお力添えを賜りますように心からお願い申し上げます。
 また、今議会を最後に御勇退される皆様方には、これまでの歩みを振り返られ、感慨ひとしおのことと存じます。ひたすら和歌山県の発展という一つの目標に向けて情熱を傾けられ、御尽力を賜りましたことに対して、深く敬意と感謝を表するものであります。県議会から離れられましても、今後とも健康に御留意され、これまで以上に御支援、御鞭撻を賜りますよう、衷心よりお願い申し上げます。
 また、任期半ばにして御逝去されました江上柳助議員に対し、改めて哀悼の意を表したいと存じます。
 最後になりましたが、皆様方のますますの御活躍と御健勝を心からお祈り申し上げ、お礼のあいさつといたします。どうもありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 次に、閉会に当たり一言ごあいさつを申し上げます。
 平成19年の春、私ども議員が県民の皆様方の厳粛なる審判を受け、それぞれの地域の代表として県議会に送っていただいてから、はや4年の歳月を数えようとしております。今ここで閉会宣言を前にし、県勢発展のためにこれまでこの議場でさまざまな議論を重ねてきたことを振り返りますと、まことに感慨深いものがございます。
 この4年間、我が国の政治や経済は激動いたしました。平成20年秋に発生した世界的な金融危機を契機とする不況は国民の生活にも大きな影響を及ぼし、本県においても、若者の就職難といった雇用状況の悪化など、いまだにその影を落としております。また、一昨年夏には、国政における政権交代という政治の大きな節目にも直面しました。
 そのような状況の中で、和歌山県では、県民の皆様1人1人のこの厳しい時代を乗り越えていこうという気概と、仁坂知事を初めとする県当局や市町村の皆様方の絶え間ない御尽力により、厳しい状況の中でも着実な歩みを進めてまいりました。
 高速道路網や内陸幹線道路網など基盤整備、世界遺産高野・熊野を活用した観光振興、農産物、地場産品など和歌山ブランドの積極的展開など、元気な和歌山県づくりに取り組むとともに、地域の暮らし、県民の命・安全を守るため、過疎対策や地域の防災力強化、医療や福祉の向上といった課題に県と議会が一体となって取り組んでまいりました。
 そして、本年5月には全国植樹祭、平成27年には紀の国わかやま国体の開催という、すべての県民が喜びを分かち合う大きなイベントも控えております。
 県議会におきましても、県民総参加による観光振興を目的とした県観光立県推進条例を一昨年、議員提案による政策条例として制定するとともに、昨年12月の関西広域連合の発足に際し、2名の代表を広域連合議会の議員として選出し、近隣府県とともに地方分権の新たな時代を切り開く取り組みに参加するなど、議会改革、地方分権推進についてすべての議員が協力した取り組みを行ってまいりました。
 さて、いよいよ議員改選時期が迫ってまいりました。既に立候補を決意されている議員各位におかれましては、目前に迫った統一地方選挙において御健闘いただき、見事御当選をされ、県政の推進に向けて再びこの場において真摯な議論を交わせることを祈念いたします。
 一方、今期を最後に御勇退を決意されております議員各位には、長年にわたる幾多の御労苦、御功績に対し、深く敬意を表しますとともに、今後とも和歌山県勢発展のため、変わらぬお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
 また、任期半ばで残念にも帰らぬ人となりました和歌山市選出の江上柳助議員に対し、議員各位とともに改めて追悼の意を表する次第であります。
 そして、4年間の任期満了を前にし、この議場を去るに当たり、知事を初め当局の皆様方、並びに報道関係の皆様方から賜りました議会活動への御理解、御協力に対し、議員各位を代表して厚く御礼を申し上げます。
 最後になりましたが、私は、昨年の6月定例会において議員各位の御推挙をいただき、伝統ある和歌山県議会議長に就任させていただきました。この間、議長として県議会開会300回の節目を迎えましたことは、私にとりましてまことに光栄であります。
 そして、今日まで議員各位の御協力を賜り、副議長と力を合わせ、大過なく責務を全うさせていただきましたことにつきましても、あわせて厚くお礼申し上げ、閉会に際してのごあいさつといたします。
 これをもって、平成23年2月定例会を閉会いたします。
 午後2時32分閉会

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