平成23年2月 和歌山県議会定例会会議録 第7号(全文)


県議会の活動

平成23年2月
和歌山県議会定例会会議録
第7号
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議事日程 第7号
 平成23年3月1日(火曜日)
 午前10時開議
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案の付託
 第4 請願の付託
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会議に付した事件
 第1 議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号まで(質疑)
 第2 一般質問
 第3 議案第70号(当局説明・質疑・委員会付託及び討論省略・表決)
 第4 議案の付託
 第5 請願の付託
 第6 休会決定の件
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出席議員(44人)
 1番 泉 正徳
 2番 山本茂博
 3番 前芝雅嗣
 4番 浅井修一郎
 5番 吉井和
 6番 向井嘉久藏
 7番 門 三佐博
 8番 町田 亘
 9番 森 礼子
 10番 平木哲朗
 11番 花田健吉
 12番 須川倍行
 13番 大沢広太郎
 14番 谷 洋一
 15番 平越孝哉
 17番 岸本 健
 18番 川口文章
 19番 尾崎太郎
 20番 藤山将材
 21番 新島 雄
 22番 山下直也
 23番 井出益弘
 24番 宇治田栄蔵
 25番 多田純一
 26番 中 拓哉
 27番 服部 一
 28番 角田秀樹
 29番 山田正彦
 30番 坂本 登
 31番 尾崎要二
 32番 中村裕一
 33番 片桐章浩
 34番 原 日出夫
 35番 浦口高典
 36番 長坂隆司
 38番 小川 武
 39番 冨安民浩
 40番 奥村規子
 41番 山下大輔
 42番 松坂英樹
 43番 藤井健太郎
 44番 雑賀光夫
 45番 野見山 海
 46番 松本貞次
欠席議員(なし)
〔備考〕
 16番 欠員
37番 欠員
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説明のため出席した者
 知事 仁坂吉伸
 副知事 下 宏
 知事室長 曽根義廣
 国体推進監 中村正次
 危機管理監 前硲健作
 総務部長 宮地俊明
 企画部長 柏原康文
 環境生活部長 保田栄一
 福祉保健部長 西上邦雄
 商工観光労働部長 岡本賢司
 農林水産部長 阪中栄一
 県土整備部長 原 広之
 会計管理者 神田泰仁
 教育委員会委員長 宮永健史
 教育長 山口裕市
 公安委員会委員 溝端莊悟
 警察本部長 山岸直人
 人事委員会委員長 守屋駿二
 代表監査委員 楠本 隆
 選挙管理委員会委員長 諸木良介
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職務のため出席した事務局職員
 事務局長 森田実美
 次長 佐本 明
 議事課長 堀 達也
 議事課副課長 吉田政弘
 議事課課長補佐兼班長 田中健司
 議事課主査 保田良春
 議事課主査 中村安隆
 議事課主事 的場健司
 総務課長 上坊 晃
 調査課長 中井祥之
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 午前10時0分開議
○議長(谷 洋一君) これより本日の会議を開きます。
 日程第1、議案第1号から議案第16号まで、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号までを一括して議題とし、議案に対する質疑を行い、あわせて日程第2、一般質問を行います。
 46番松本貞次君。
 〔松本貞次君、登壇〕(拍手)
○松本貞次君 おはようございます。
 一般質問を次にしよう、次にしようと思ってたら4年が過ぎようとしております。またできるわと思たら、次はもうありません。この壇上に立って質問する最後の機会となりました。
 私は、昔人間ですから、物を言わずともわかってくれる、そういう思いで今日まで議員活動をしてまいりましたので、最後と言われると、何を言って何を求めるのか全く浮かんできません。それゆえに雑な質問になろうかと思いますが、よろしくお願いをいたします。
 また、本日、20年間一緒に議員活動してまいりました和田正人先生が、早朝から眠たい目をこすりながら傍聴に来ていただいております。心からお礼を申し上げます。
 仁坂知事、4年前、大変なときに知事に就任をされました。この4年間、大変な苦労と努力をし、一生懸命頑張ってこられました。和歌山県民の県政への信頼を取り戻すべく、昼夜を問わず仕事、仕事で奮闘され、多くの成果を残されました。その結果、昨年11月28日の選挙において圧倒的な県民の信頼を得て当選をされました。2期県政を県民から託されたわけであります。心よりお祝いを申し上げます。
 仁坂知事は、2期県政の目標を、元気な和歌山実現に向けて県民1人1人が生活を不安なく送れ、将来に希望の持てる暮らし、そのために「未来を拓く希望の政策」、「命とくらしを守る安心の政策」を「希望の政策」、「安心の政策」と具体的に示され、本2月定例議会で提案されました。
 行財政改革と財政の健全化を確保し、なおかつ県民のニーズに合った政策を進めるに当たり、多くの難問題があろうかと思いますが、自分自身を信じ、大胆に政策を進めていただきたい。
 また、我がふるさと和歌山は、温暖な気候、海、山、川など豊かな自然、我々の先人が築いてくれた歴史と文化、これらの豊富な地域資源を最大限に活用し、県下の市町村の活性化に向け心血を注いでいただきたい。市町村の元気なくして和歌山の元気はありません。
 仁坂知事、あなたが歩んできた4年間の実績をどのように総括するのか、また、2期県政への目標、思い、夢、あなたの2期県政の抱負を語っていただきたい。
 これは私の思いですが、私はあなたと一緒に4年間歩んできました。4年前の時は時でした。さきの知事の不祥事で、県民の期待を一身に背負ってあなたは知事に就任をされました。県民の信頼を得るためには、あれもしなければ、これもしなければ、知事としてなさねばならないことが山のように山積しておりました。ゆえに、あなたは寝ることも惜しんで4年間頑張ってきた。また、それをこなせる能力と才能があなたに備わっていたと思います。
 でも、あなたが言われたことがありますが、「事を達成するのに、余りにも急いでするより回り道をして事をなすほうが、衝突も少なく事をなし得るのではないかと友人から助言をいただいた」、こう言われたことがあります。だが、あなたは、「私の性格で、どうしても目についたことをほうっておくことができない。今すぐ何もかもやっておきたい」、こう言ったことを思い出します。
 仁坂知事、4年間の総括は、私はただはたで見てただけですが、1つは仕事のし過ぎではないか。自分の体と健康を考え、焦らず急がず目的を達成していただきたい。
 私は、あなたと過ごした遠い地ブラジルでの10日間の研修、私の思い出の宝として心にしまっておきたい。知事、体をいとい、目的に向かって邁進してください。
 私は、今議会で最後の議会となります。思えば、政治活動36年になります。
 昭和50年、26で湯浅の町会議員に当選し、3期12年。昭和62年、38で県会議員に当選させていただいて6期24年。あっという間に36年の年月が過ぎました。
 長かったのか、短かったのか。政治家として何をしてきたのか。県議会議員として、また有田郡のために、地域住民のために何をなし得てきたのか。今振り返ってみて、何をして何をなし得たのか。全く何ひとつ達成感がありません。
 でも、仮谷知事、西口知事、木村知事、仁坂知事、この4人の知事と一緒に歩んでこれたこと、そして多くの県職員の皆さんにお世話になったこと、各部長、三役との思い出は多くあります。
 また、24年間過ごした議会での思い、先輩議員、同僚議員との思い出はたくさんあります。
 尾崎太郎君のお父さん、尾崎吉弘先生が平成元年に経済警察の委員長をされ、私は副委員長をして、ともに1年間委員会活動をしました。また、先般、太郎君がこの23日の一般質問で最後に知事に対して、笑顔を絶やさず政治活動をしたい、そう言われたことを思い出します。大人だなと、そう思いました。
 私は、その当時、20年前ですから、手に負えない悪餓鬼だったと自分では思っております。でも、太郎君のお父さんのように、それを優しく包み込んでくれる県議会だったと思います。私は多くの先輩に迷惑をかけましたが、育てていただいた、そう思っております。それが県議会だったと、そう思っております。
 また、岸本健君のお父さん、岸本光造先生が平成2年に県議会の議長になりました。そのとき、私も「岸本光造」と1票入れた1人でもあります。また、光造先生とは、個人的にも私的にも多くの思い出があります。それを語ると迷惑かけると思いますので、語りません。
 また、平木先生のお父さん、平木繁実先生とは、私が初当選したときに2年ほど一緒に活動したことを思い出します。お葬式にも参加をさせていただきました。
 尾崎先生、岸本先生、平木先生、皆さんのお父さんと一緒にこの議場で議員活動できたこと、そう思うと、長いことここにおるなと、そういうことを実感いたします。特に3人の皆様には、2世代にわたって大変お世話になったこと、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。
 また、多くの仲間の皆さん、大変お世話になりました。元来、私はこのような性格ですので、皆さんには大変ぶしつけなことを申したと思いますが、心よりおわびをいたします。
 特に同期の尾崎の要ちゃん、宇治田の栄ちゃん、中村の裕一ちゃん、いつの間にか同期は我々だけになりました。皆さんも同様と思いますが、同期とは何となく別格で、何となく無理を言い、何となく甘えられる。側面からいろいろとこの24年間支えていただきました。心よりこのお三方にお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。
 私は今議会で議場を去りますが、今の時代、先行きの見えない混迷の政治状況です。皆さんは大変な時代を乗り越えていただかなければならないと思いますが、こういう言葉があります。「おもしろきこともなき世におもしろく」、「おもしろきこともなき世におもしろく」──世の中、何ひとついいことがない今の時代、今の世をおもしろくするのもよき世にするのも、皆さんの力だと信じております。
 どうか、我がふるさと和歌山県発展のため、皆さんの御活躍を心より期待しております。
 最後になりましたが、選挙区の有権者の皆さん、後援会の皆さん、6期24年、大変なお支えを得て議員活動をさせていただいたこと、心よりお礼を申します。皆さん、本当にありがとうございました。
 心よりお礼を申し上げ、最後のごあいさつとさせていただきます。本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの松本貞次君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 4年前に初めて知事に当選さしていただいた私は、不祥事によって傷ついたふるさと和歌山の名誉を挽回し、いま一度元気なふるさと和歌山を実現しようとする一心で頑張ってまいりました。この間、議員の方々に大変御指導いただきました。また、職員にも力を合わせてもらい、全身全霊を傾けて和歌山県のために働き、大きく2つのことに頑張ってきたと自分では思っております。
 1点目は、県政の信頼回復でございますが、これは公共調達制度改革とか監察査察制度の導入など、制度改革によりまして県民の皆様からの信頼も取り戻せたのではないかと思います。
 2点目の県勢浮揚の実現については、現下の不況の中、200に迫らんとする改革をなし遂げてまいりました。とりわけ、企業誘致とか、あるいは技術開発・販売促進等から成る産業政策とか、あるいは農林水産業、それぞれに関するきめ細かい対策とかをやってまいりました。
 県民の皆様が将来に希望を持てるように、こういう政策に加えて、トップセールスによる県産品のPRとか、新農林水産業戦略プロジェクト等による農林水産業の振興や、わがまち元気プロジェクトや過疎集落再生・活性化支援など、地域を活性化させる取り組みに心血を注いでまいりました。
 県民に生きるチャンスを与えるインフラ整備につきましても、高速道路ネットワークづくりを進めるとともに、X軸ネットワークとか、最近では川筋ネットワークとか、そういう点を一生懸命努力して頑張ってきたつもりでございます。
 さらに、安心・安全もおろそかにしないでレベルアップに努めてまいりました。全国トップレベルの紀州3人っこ施策や不妊対策等の子育て支援策、きめ細かな補充学習など教育の充実、高齢者の見守り体制の構築や孤立集落の通信手段の確保、県立医大の定員増加など県民の安心・安全につながる政策を幅広く進めてまいりました。
 こうした取り組みが功を奏し、また県民がどんどんどんどん頑張ってくれるような、そういうふうな傾向が出てまいりましたので、いろいろな点でいい傾向も出てまいりました。
 例えば、有効求人倍率が近畿でトップになるとか、人口流出も、まだまだですが、5000人から2000人ぐらいまで抑制できるとか、そういう効果も少しあらわれてまいりました。
 しかし、まだまだ県勢浮揚という点では十分ではないと思っております。辛抱強く、あるいはもっとレベルを上げて頑張らないといかんと思います。しかも、人口減少など、過去のツケがこれからも続くものであります。
 したがいまして、私どもはうまずたゆまず力を合わせて頑張るしかないと思います。しかも、その方向が現在のみならず未来を見据えても誤っていないかどうか、これを常に自戒しながら、議論しながらやっていく必要があると考えております。
 さて、これからの4年間でございますが、出口の見えない厳しい経済・雇用情勢への対応や公共インフラの整備、あるいは東南海・南海地震への備え、少子高齢化対策、開催までわずかとなった全国植樹祭や5年後の国体への備えなど、今後の課題も山積しております。
 これからの4年間で、まずは働く場をもっともっとふやすために、きめの細かい産業振興策を講じながら、県内産業の活力強化を図ってまいらなければいけないと思います。
 また、医療、福祉、防災など、県民の安心・安全を一歩も後退させることなく一層さらに充実させるとともに、過疎集落の再生・活性化にも引き続き取り組んでまいりたいと思います。
 さらに、将来を担う人づくり、あるいはスポーツ文化の振興や都市の再生、景観を守る取り組みなどを通じ、活力と品格のある和歌山の実現に努力してまいりたいと思います。
 加えて、県民の悲願であります高速道路ネットワークの整備など、県民の伸びるチャンスにつながるインフラの整備・充実にも積極果敢に取り組んでまいりたいと思います。
 今後も、県民の皆様の御協力のもと、県民の代表たる県議会と連携さしていただいて、県職員と一丸となって、ふるさと和歌山をさらに元気にするため、粉骨砕身の覚悟で邁進する所存であります。
 そういう私にとって、松本議員の本日の御発言は、身にしみるような思いがございました。松本議員は今期で引退されます。しかし、4年前から私、政治家1年生で、和歌山県を長く離れていていろいろと至らぬことも多かったと思いますが、そういう私を温かい心で御指導くださいました。ありがとうございます。
 松本議員のみならず、今期で引退されるベテランの議員の方々、長い間の県政への貢献、ありがとうございました。今後とも、県政のたくみとして御指導くださいますように切にお願いする次第でございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 以上で、松本貞次君の質問が終了いたしました。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 28番角田秀樹君。
 〔角田秀樹君、登壇〕(拍手)
○角田秀樹君 皆さん、おはようございます。ただいま、松本先輩議員の含蓄ある、そしてまたこの県議会に対する深い深い思いのお話を聞かしていただきまして、感銘をした次第でございます。
 質問をさしていただく前に、一言ごあいさつを申し上げたいと思います。
 今期で勇退される諸先輩の先生方の皆さん方におかれましては、心から、僣越ではございますが、御苦労さまと同時に、いろいろと私どもに対して御指導を賜りましたこと、心より厚く御礼を申し上げる次第でございます。
 また、私どもの、故江上先輩も健在でこの場におられたら、恐らく体調不良の理由で勇退のごあいさつを申し述べるであろうと、こういうふうに思っております。
 先輩各位におかれましては、くれぐれも健康に御留意され、県勢発展のためにさらなる御尽力をいただければ幸甚かと思っております。どうぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。
 さて、世界各国で地震災害、また特に風水害もたくさんある中、きょうのこの新聞記事でございますが、ニュージーランドで発生いたしました地震災害は、本日で丸々1週間を迎え、そして死去された多くの方々に対して心から哀悼の意を表するとともに、懸命に救助活動が進む中、1人でも多くの生存される、そういう方々を信じてまたやみません。本当に自然の脅威の前には、人間の微々たる、また無力さを感じてやみません。
 そういう中、和歌山県におきましても、東南海・南海地震、先ほどの報道を見ますと、確率が14%と非常に高くなってまいりました。日本で16%に次いで2番目であるということでございます。今後、こういった災害に対する危機管理体制の重要さを感じ得ないわけでございます。
 また、先日、本会議一般質問の初日に開催されました県議会スポーツ振興議員連盟の総会前、昼休憩時に知事も同席をされた中、和歌山県産の食材を使った卵かけ御飯と鳥の空揚げを御用意いただき、全員で安全性のPRをし、おいしくいただきましたが、報道関係者が見守る中、おかわりをされた知事の姿を拝見し、その積極的な意欲に敬意を表したところであります。
 県内における高病原性鳥インフルエンザの発生以来、おかげさまで風評被害も幸いなく今日に至っている状況ではありますが、関係養鶏、また鶏卵生産業の皆様の早期再開に期待を寄せるところであります。
 初期初動のときに、県の職員さんを初め各関係各位の御努力に敬意を表します。
 しかし、また先般、三重県、そしてまた今般、奈良県で鳥インフルエンザの確認がされる中、最大の注意を払っていきながら、また防疫体制が求められるところであります。
 私は、今期の最後の質問でございますので、どうぞ最後まで御清聴いただきますようよろしくお願いを申し上げます。
 議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問をさしていただきます。
 初めに、2015年に開催予定の紀の国わかやま国体に向けた交通アクセスの整備についてお伺いをいたします。
 知事の23年いわゆる新年度の予算編成に、希望の政策、成長を支える基盤づくりという箇所がございました。元気な和歌山の創造に向けて、企業誘致や観光振興など、産業や地域の活力づくりを進めるためには、その前提として、高速道路を初めとする公共インフラの必要性を強調されております。私も全く同感でございます。
 私は、紀の国わかやま国体を県民総参加型で推し進める中、その成功のためには、施設整備はもちろんのことでございますけれども、知事と同様、交通公共インフラの整備が非常に重要であると考えるものであります。先日の一般質問でも議論がなされ重複する点もございますが、角度を変えてお伺いをいたします。
 一般的に、他府県から本県を見て、多くの方が遠いという、こういう和歌山県に対するイメージを持たれているようであります。裏返しますと、和歌山は交通的に大変不便な位置にあるということであります。
 現実に、観光シーズンである夏場に南紀方面に宿泊された方、また日帰りで帰りの高速で大渋滞に巻き込まれ、「もう二度と和歌山に行きたくない」、こういうふうに言っておられる方もたくさんございます。
 この状況は、今に始まったことではございません。今後、吉備のトンネル工事も急ピッチで行われ、平成23年に4車線化になれば、とりあえず田辺まではスムーズに通行できるようになります。
 したがいまして、4年後に差し迫った国体までに、全国から本県に来られる多くの選手団や関係の方々等に和歌山の魅力を十分にアピールするためにも、交通面でのトラブルがないように全力で取り組む必要があると強く感じるわけでございます。
 特に、府県間道路の第2阪和国道の全線供用と京奈和自動車道の和歌山市への乗り入れ、さらには近畿自動車道の整備といった交通体系の建設は必然的であります。
 3路線の完成について、まず県土整備部長にお伺いをいたします。
 また、紀の川右岸の都市計画道路西脇山口線についても同様に重要な道路建設であり、現在、園部から六十谷付近において工事が行われておりますが、国体開催までに供用できるのでしょうか。県土整備部長にあわせてお伺いをいたします。
 なお、道路建設の計画がございます。川永団地付近の水路の周りには桜並木があり、住民の憩いの1つにもなっております。地域住民の要望でもありますが、計画実施時にこれに関する配慮と丁寧な住民説明を要望しておきたいと思います。
 続いて、昨年3月14日に待望していた和歌山北インターチェンジが供用されました。10年前の2001年、私が当時、市議会議員であった。今は亡き、また県議会議員だった江上さんとともに、当時の木村知事に対しまして、5万88名の署名を集めて、直川用地でありますあの付近に北インターチェンジの建設の強い要望書をということで提出をさしていただきました。以来9年の歳月を経て実現したインターでございます。
 一方、現在、和歌山市議会において、和歌山南インターチェンジの建設に関する要望の声が上がっています。以前、県議会において、中村先輩議員がその必要性について御質問をされておりますが、正式に和歌山市から協力の要請があれば、知事はどのように対応をされるのでしょうか。知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、いよいよ地方分権時代の到来に先行する形で、関西広域連合が本格的に始動いたしました。昨日もその御報告をいただきましたけれども、奈良県を除く近畿5府県と鳥取、徳島の両県でスタートした今、住民ニーズに的確にこたえられる方向に進まなければなりません。行政改革、いわゆる二重行政の無駄を省く利点を見える形でつくっていくことが必要であると思います。
 このような現状の中、関西国際空港と伊丹空港の統合が進められており、ことしの2月18日には第5回関西国際空港、大阪国際空港の経営統合に関する意見交換会が開催され、私たちにもその資料提供をいただいたところであります。
 そこで、関西国際空港開港までの経緯を振り返ってみたのですが、1970年の大阪万博を迎え、伊丹空港は3000メートル級の滑走路を整備し、国際空港としての全盛時代を迎えたのであります。70年代には、国内外の航空会社が相次いで新規参入、新規路線就航し、年間利用客数が1000万人を超え、年間発着回数は1971年には15万7000回に達し、大いににぎわいました。
 そして、このころから滑走路以外の空港施設も充実し始め、各社の整備センターや格納庫、エンジン試運転用遮音壁、防音壁など設置されたのであります。
 しかし、空港の活性化と同時に、周辺地域との間に騒音や排気ガスなどの公害問題を提起する動きが活発になり、伊丹空港の騒音訴訟といった周辺住民の苦情の抜本的な解決策として大阪湾を埋め立て、海上に空港島を建設し、24時間発着可能な国際空港、いわゆるハブ空港である関西国際空港が、多くの先輩やまた関係者の御努力で1994年9月4日に開港いたしました。ことしで17年目を迎えるのであります。ところが、開港間もなく、今度は一転して伊丹空港存続の動きが活発になり、現在に至っております。
 そこで、4年後に国体が開催される今こそ、千載一遇のビッグチャンスと位置づけ、関西国際空港と伊丹空港を関空に一本化すべきであると私は考えます。そのことにつきまして、知事の御所見をお伺いいたします。
 次に、県営住宅における指定管理者制度の導入についてお伺いをいたします。
 新聞報道によりますと、公営住宅を20府県市で削減、大都市では半数が高齢者とありました。削減理由の1つ目として、人口が減少する傾向にあり需要も減少すると予想されること、2つ目として、整備及び維持管理の予算確保が困難である等の理由が挙げられておりました。
 また、既に1960年代から70年代に建てられた公営住宅は老朽化が進み、26道府県10市において2011年から15年度に建てかえを予定しているということでありますが、この場合でも大半のケースで建てかえ前よりも戸数が減る予定であります。今後は、財政難など背景に、さらに減少傾向に拍車がかかると見られております。
 また、入居者の高齢化も著しく、入居名義人が65歳以上の割合を見ますと、最も高いのが東京都で58%に達し、大阪市、川崎市が56%、横浜市、神戸市が55%と、首都圏や近畿圏の政令市で5割を超えているのが実情であります。
 一方、本県の県営住宅入居者の65歳以上の割合が31%であり、中でも川永団地は49.9%と半数の入居者が65歳以上で、自治会役員の方々にも高齢化が目立ちます。その役員の方から、自治会運営で現在行っている共益費や自治会費の集金等について、滞納される入居者もおり、集金するのが大変だと、こういったお話をよく伺います。
 また、毎定例会において、家賃滞納者に対する住宅明け渡しや滞納家賃の請求の訴訟の提起に係る議案が提出されておりますが、こういった入居者は、家賃滞納に加え、必ず共益費や自治会費も滞納のまま退去をしてるというのが現状であります。その不足分は、入居されている方々が負担するわけであります。役員の御苦労は本当に大変であると感じます。住宅供給公社の職員の方にも夜間集金の応援をお願いしたこともございました。
 以上のようなことから、県営住宅においては今後も高齢化が進み、コミュニティーの維持が困難な状況になると思われます。特に、団地自治会で実施している共益費の徴収業務について、自治会役員にかかる精神的な負担が大きく、何かフォロー策を考えるべきではないかと考えます。今後は、公設民営の精神で指定管理者制度の導入を検討し、住民サービスの向上を図るべきであると考えるところであります。この点につきまして、県土整備部長の御所見をお伺いいたします。
 続きまして、県民の健康対策についてお伺いいたします。
 初めに、がん対策についてでありますが、我が国は先進国の中でもがんによる死亡率が高く、医療体制においてもおくれた分野がありました。国民の2人に1人ががんにかかり、3人に1人はがんで亡くなっているという現状を踏まえ、がん医療の全般的な充実を図るために、2006年にがん対策基本法が制定されました。
 当時、おくれていた分野は、大きく分けて3つあります。
 まず1つ目は、がん患者の痛みや苦しみを和らげる緩和ケアの分野であります。
 がん患者の中には、激しい痛みと精神的な苦しみで七転八倒の日々を過ごす方が少なくありません。このようながん患者に対して緩和ケアをきちんと行えば、苦痛を和らげることができます。緩和ケアは終末期に行うものというイメージがいまだにございますけれども、がんと診断されたときから緩和ケアを行うことは、今や世界の常識と言われております。そして、がん対策基本法の制定により、我が国においてもようやく治療開始のときから緩和ケアが普及しつつあります。
 2つ目は、治療に極めて有効でニーズも急増している放射線治療や化学療法の専門医の早急な育成であります。
 放射線治療は、欧米ではがん患者の6割に施されておりますが、我が国においては4人に1人に対してしか行われておりません。近年においては、放射線治療が有効な肺がんや乳がん、前立腺がんに対しては完治の症例もございます。このため、放射線治療の普及は急務の課題であると言えます。
 3つ目は、患者が最適な治療を受けられる環境を整備するために欠かせないがん登録制度であります。
 個人情報の保護等に配慮しながら、がん登録制度を導入し、がん患者の基礎データを蓄積することは、がん患者数や死亡率の減少を図る意味で非常に有益であると考えられます。
 がん対策に関しましては、基本法の制定を契機に早期に患者中心の医療を進め、安心してがん治療が受けられる体制整備が進んできております。
 2008年度から12年度の和歌山県がん対策推進計画においては、全体的な目標として75歳未満の死亡者を10年間で25%減少させることや、患者及び家族の苦痛軽減と療養生活の質の維持向上を挙げています。また、個別目標としては、5年以内にすべてのがん診療連携拠点病院で放射線治療と外来化学療法を実施することや、10年以内にがん治療に携わるすべての医師が緩和ケアの基本的知識を習得することなどが明記されています。
 一方、予防の観点では、3年以内に未成年者の喫煙率ゼロ%や、5年以内に乳がんや大腸がんなどの検診率を50%以上にアップといった目標が定められています。
 本県におけるがん検診の受診率及びがん診療体制の充実、がん登録の推進等、がん対策などのがん対策推進に係る平成23年度の歳出予算は、昨年より約400万円増の7500万円余の計上がされております。
 これに関しまして、受診率の向上及び治療体制充実に向けて具体的にどのような取り組みを実施するのか。また、罹患率の把握等のためのがん登録推進に関し、各自治体に働きかけ、住基ネットの活用を推進することを提案いたしますが、福祉保健部長の御所見をお伺いいたします。
 次に、救命率向上策の1つとして、ドクターカーの導入についてお伺いをいたします。
 近年、各地域においてドクターカーを導入する自治体がふえてきております。本県は、地形的に中山間地域も多く、加えて医療機関が偏在している状況もあり、県民の生命を守るために平成15年からドクターヘリというのが運航されております。県立医科大学のドクターや看護師が同乗し、運航開始に至りました。年間約400件とお聞きしております。
 一方、県立医大の足元でありますこの和歌山市内においては、ドクターカーの早急な導入を提案したいと考えております。
 全国的に見ましても、ドクターカーを運行し、救命率の向上を図っている自治体も少なくありません。私は、和歌山市内の救命率向上に寄与するためには、ドクターカーの導入に対して何としても早急にやっていただきたいということを強く念願をしている1人であります。
 その現状と今後の対応に関する当局の考え方を福祉保健部長にお尋ねをして、第1回目の質問を終了さしていただきます。
 御清聴ありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの角田秀樹君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、和歌山南インターの件でございます。
 紀の国わかやま国体に向けた交通アクセスにつきましては、現在、和歌山市内において西脇山口線とか松島本渡線、南港山東線などの都市計画道路の整備を積極的に進めておりまして、平成27年の国体の開催まで一連の区間が供用できるように、今急ピッチで頑張ろうとしているところでございます。しかし、それでもまだまだ市内のネックが数多く残されております。
 和歌山南インターにつきましては、私はできることならこれを実現したいと考えておりますが、インターだけつくりましても、これにつながって車を市内にすうっと流してくるような、そういうアクセス道路がきちんとできていないと効果があんまり多くありません。その意味で、県もそうでございますけれども、和歌山市の都市計画道路事業にも頑張ってもらう必要があると考えております。
 一方、高速道路については、国に対する課題を今は最も多く抱えている当県としては、あんまりあれもこれもと言うと、国に対する交渉力がいささかそがれるところもあるという懸念もあります。
 したがいまして、これは動くタイミングということを大変大事にしたいと思っておりまして、現在市のほうでいろいろ考えておられますが、こうした都市計画道路の整備状況、あるいはまちづくりや周辺の土地利用について市の考え方も十分お聞きしながら、戦略的にうまく対応を考えたいと考えております。
 次に、関西空港と伊丹空港の統合についてでございますが、角田議員の御主張は、これまでも何度も申し上げておりますが、全く賛成でございます。その方向に沿ったものといたしまして、関西国際空港と伊丹空港との統合については、昨年9月から国と地元関係自治体及び経済界等における意見交換会が開催され、近く両空港の経営統合に係る法律案が、現在開会中の国会に提出される予定となっております。
 この法律案は、関西国際空港を我が国の国際拠点空港とするため、機能の再生と強化を図ることを目的とし、そのため伊丹空港も活用しながら関西国際空港に係る債務を減らしていくというものであります。開港以来の課題であった有利子負債の問題に国が率先して取り組み、関西国際空港の再生、強化を図るということでありますので、本県としてはこの法律案に賛同したところであります。
 しかし、伊丹空港の活用については、昨年5月の国土交通省成長戦略会議の報告書で、「当面は関西国際空港の補完的空港として活用しつつ、将来的なリニア等の周辺状況の変化や跡地の土地利用計画の策定状況等を見通し、廃港・関空への一元化を検討する」と明記されておりますが、これについては、統合後もこの考え方に沿って必ず進めてもらわなきゃいけないということで国に強く求めてまいりたいと考えております。
 なお、議員御指摘のように、平成27年には国民体育大会が開催されることもあり、統合法案成立後は早期に統合会社を立ち上げ、関空の国際拠点空港化に取り組むよう国に働きかけてまいります。
○議長(谷 洋一君) 県土整備部長原 広之君。
 〔原 広之君、登壇〕
○県土整備部長(原 広之君) 第2阪和国道等の整備についてお答えいたします。
 第2阪和国道や京奈和自動車道及び近畿自動車道紀勢線田辺─すさみ間につきましては、平成27年国体開催までの供用を国に対して強く働きかけてきたところです。
 このうち、第2阪和国道につきましては、県内では大谷ランプから府県境までを和歌山岬道路として事業中であり、昨年、地籍調査が完了し、現在、和歌山市内で用地取得が進められているところでございます。
 大阪府側につきましては、本年3月26日に阪南市箱ノ浦ランプから岬町淡輪ランプ間が供用予定であり、続く淡輪ランプから府県境までについても今年度から用地取得に着手されているところでございます。
 また、京奈和自動車道や近畿自動車道についても各所で工事が実施されるなど、整備が進んでいるところでございます。
 県としましては、道路事業予算が厳しい中ですが、平成27年紀の国わかやま国体に間に合うよう、引き続き必要な予算確保を国に働きかけてまいります。
 次に、都市計画道路西脇山口線の工事の進捗状況等についてですが、園部・六十谷工区につきましては、用地取得が既に約8割となっており、家屋等が撤去されたところから順次工事に着手しております。六十谷交差点付近約400メートルの区間につきましては、来年度の供用を目途に工事を行っております。今後は、早期に本工区全体の用地取得を完了し、平成27年国体開催までに供用できるよう整備を推進してまいります。
 次に、県営住宅における指定管理者制度の導入についてでございます。
 県営住宅の管理については、和歌山市及びその周辺部は、管理代行制度による住宅供給公社への委託、その他の地域につきましては県直営で行っております。
 住宅供給公社による管理代行につきましては、指定管理者制度では行えない入居決定等の手続と一般の団地管理を一元的に行うことができるため、事務の効率化、スピードアップを図ることができる管理方法であると考えております。
 また、共益費につきましては、県営住宅の使用料として県が徴収する家賃とは性格が異なり、県営住宅入居者相互の共通の利益を図るための費用でございますので、従前から自治会で集金等をお願いしているところでございます。今後とも引き続いて自治会でお願いしたいと考えております。
 なお、共益費を滞納している入居者に対しては、県あるいは公社職員が訪問指導するなど、自治会に協力をさせていただいているところでございます。
 いずれにいたしましても、今後とも住民サービスの向上や管理コストの縮減を常に念頭に置きながら、県営住宅の管理方法についてさまざまな観点から検討してまいります。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 福祉保健部長西上邦雄君。
 〔西上邦雄君、登壇〕
○福祉保健部長(西上邦雄君) がん対策についてお答え申し上げます。
 県では、県がん対策推進計画に定めた目標の達成に向けまして、総合的ながん対策を推進しているところであります。
 平成23年度は、検診受診率向上の取り組みとしまして、企業と連携した受診促進活動と市町村の健康づくり推進員等ヘルスボランティアに対する啓発活動への支援、そして、市町村が休日等に行うがん検診未受診者に対する検診への支援を継続することとしております。
 また、治療体制の充実に向けましては、がん診療連携拠点病院のがん医療従事者研修などを初めとします機能強化に対する支援と、拠点病院以外の公的病院が実施する院内がん登録への支援なども引き続き進めてまいります。
 新たに県指定のがん診療連携推進病院の機能の充実に対する支援を行い、県内どこでも質の高いがん治療や相談支援などを受けることができる体制の整備を図るとともに、地域がん登録を実施いたしまして、県内のがん罹患率や治療の有効性などの状況を分析し、がん対策に活用してまいります。
 なお、がん登録に係る住基ネットの活用につきましては、がん登録のデータの精度を高めるために大変有効であると考えますので、先進県などの状況を研究してまいりたいと考えております。
 次に、ドクターカーの導入についてですが、医師が救急現場等で医療行為を行うことを目的としたドクターカーの導入については、重篤傷病者等の救命率の向上につながるものと認識しております。
 和歌山市内への導入につきましては、現在、日赤和歌山医療センター、県立医科大学附属病院、和歌山市消防局と検討を行っているところでございます。
 今後、引き続き関係機関と十分協議を行い、その導入に向けましては、医師不足の中、病院の救急部門への影響等も考慮しながら取り組みを進めてまいりたいと考えております。
 以上でございます。
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 28番角田秀樹君。
○角田秀樹君 御答弁ありがとうございました。
 県営住宅指定管理者制度の導入につきましては、抜本的な今後の改革が必要であるというふうに考えますので、どうぞひとつまた庁内で御検討をお願いしたいというふうに思います。
 続いて、関空。知事さんのほうも同感であると、こういう話でございます。
 本当に建設当時、もう17年前、ちょうど私が和歌山の市議会議員の当時、関空建設、建設と言うけども、和歌山は扇風機の裏になるんじゃないかとか、また冷蔵庫の裏になるんじゃないかとか、そういうふうな住民の方の、やゆされたことをいまだに覚えております。
 現実は、和歌山は加太コスモパークの土取りの跡地がそのままの状況で、今は加太菜園1件だけでありまして、そのままの用地が残った。未利用の形で残っております。
 17年たって、まだいまだに伊丹空港が存続してる。あの当時は、伊丹の空港周辺の住民の皆さんは、窓をあけて暮らしたい、普通の暮らしをしてみたい、こういうふうな要望があって、そして公有水面である大阪湾を埋め立ててつくったあの関空であります。
 和歌山はある意味では非常に協力もさしていただきましたが、大きな犠牲も払ってますし、代償も払ってます。これを一刻も早く解消するためには、先ほども申し上げましたが、4年後先、2015年の国体を1つの契機としながら、やはり議会ももちろんではございますけど、また知事さんのリーダーシップを心から念じるという、そういう思いでいっぱいであります。よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 次に、がん対策の件でございます。
 先般、お隣の原先輩議員のほうから、みずからの体験を通しながらがんに打ちかとうという闘病のお話がございました。本当にお話を聞かしていただいて、まずがんの早期発見と早期治療、これは非常に大事であるというふうに思いました。
 私ちょうど県議会の1期目のときに福祉環境委員会委員長をさしてもらったときに、静岡県立のがんセンターのほうへ視察に行かしていただきました。あそこでは粒子線治療というのをやっております。あそこの治療の部分について、動く臓器はだめなんやけれども、とまってる臓器には本当に的確的に、初めのうちだったら完璧に治りますよという、こういうお話でございます。
 当局の皆さんともいろいろとお話をさしていただく中、採算性のお話が必ず出てくるんですね。僕は、医術というのはお金もうけとかそういうものじゃなしに、県民、住民の生命をどうするのかというところにまず観点を置いていただきたいというふうに思います。
 幸いにして、今、和歌山県では、旧南紀白浜空港の跡地がございます。あそこの用地の利用というのは、本当に今のところ何もないと思うんですね。一部は白浜町の持ち物ではございますけれども、あそこの用地を何か利活用しようというふうな、そういうふうに庁内でも検討していただいて、できればあそこに粒子線、兵庫県では重子線というのをやってますが、和歌山県で粒子線治療のそういった施設を建設していただいて、そして和歌山県の中心である白浜温泉を中心に、またそれにリンクして観光、そういったものも大きく和歌山県のPRをしていっていただければ、医療と観光とセット。そして、平成16年7月7日に世界遺産、和歌山は登録されております。そういったものも全国的にPRできる。
 和歌山へがんの治療に行って、そしてその付き添いの家族の皆さんが、1カ月間のワンクールで完治すれば、明くる日から物すごく元気いっぱいに、いわゆる活動できるわけでございます。世界遺産でも見て、そしてまた和歌山へもう一度、今度は観光だけで一緒に行こうよという、そういうふうな私の考え方をひとつ御考慮いただいて、今後のがん対策という大きな項目に向けて、がんの完治に向けてひとつ取り組みを強化していただきたいということを強く要望して、終わらしていただきます。
 ありがとうございました。
○議長(谷 洋一君) ただいまの発言は要望でありますので、以上で角田秀樹君の質問が終了いたしました。
 これで、午前中の質疑及び一般質問を終わります。
 この際、暫時休憩いたします。
 午前11時1分休憩
────────────────────
 午後1時0分再開
○議長(谷 洋一君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
 質疑及び一般質問を続行いたします。
 38番小川 武君。
 〔小川 武君、登壇〕(拍手)
○小川 武君 今期4年間最後の議会となりまして、連日、論戦を交わされた今議会もいよいよ一般質問最終日となります。この日、最後の質問者として登壇をさせていただきまして、谷議長初め先輩・同僚議員の皆さん方に、まずは感謝申し上げたい、お礼を申し上げたいと思います。
 仁坂知事におかれましては、昨年11月の知事選挙において25万人を超える県民の信託を得、見事御当選、2期目の県政に船出をされたところであります。今後の御活躍を心から御期待申し上げたいと思います。
 また、先月中旬、紀の川市の養鶏場において、残念ながら鳥インフルエンザが発生いたしました。また昨日、隣接する奈良県五條市において遺伝子検査で陽性反応が出たとのことであります。
 紀の川市では、知事初め県職員の皆さん、自衛隊、紀の川市の皆さんの昼夜を問わない頑張りのおかげで最短で処理が終了いたしましたが、五條市の事例など、まだまだ予断を許さない状況にあります。県におかれましては、今後も蔓延や風評被害の防止など、諸対策をよろしくお願い申し上げたいと思います。
 それでは、通告に従いまして質問に入らしていただきます。
 まず、平成23年度予算に関連してお伺いいたします。
 予算の内容については、多くの方が今議会、質問されたところであります。私は、特に県債残高を中心に、将来の本県への影響についてお尋ねいたします。
 私は、平成3年から20年間、県議会議員として務めさしていただきました。この間、県内ではさまざまな社会資本並びに基盤整備が、また道路網の整備等についても進められてまいりました。
 平成23年度当初予算でも、平成15年度以来8年ぶりとなる5400億円を超える積極的な予算が組まれ、頑張る地場産業の支援や川筋ネットワークなどの道路整備、中小河川浸水対策予算の大幅拡充など、我が自由民主党との政策協定に係る経費が数多く盛り込まれているところであります。
 各分野において生活環境が整えられるとともに、我々自民党も求める和歌山県を元気にする政策が実行されることは、将来に向けての希望であり、安心でもあります。ぜひ安定的な社会資本などの整備と、県民に希望と安心を与える事業実施に積極的に取り組んでもらいたいと望む次第であります。
 一方、本県の財政基盤は弱く、当初予算における県税収入は約800億円と歳入全体の15%程度にとどまり、地方交付税や県債、国庫支出金などの依存財源が総額約3300億円で全体の60%を超えており、まだまだ厳しい状況にあると思われます。
 また、社会資本の整備等のために発行する県債の残高は、23年度末には9200億円近くと過去最大となる見込みであり、このうち地方交付税で全額措置される臨時財政対策債を除いても約6400億円となっております。この額を県民1人当たりの県債残高に換算してみますと、昨年度末見込みで約89万円で、臨時財政対策債を除いても約62万円と見込まれております。
 全都道府県の中で県債残高が1兆円を超えていないのは、平成20年度決算では本県を含め14県であり、類似の団体との比較では少ないほうであるというものの、来年度当初予算においても県債の額は868億円、臨時財政対策債を除いても468億円が見込まれており、また、県債の償還に係る利子も141億円余りで、単純に1日に換算しますと約3900万円ということになります。県債残高の増加は、未来を担う子供たちにとって大きな負担となるのではないか、一抹の不安を感じるところであります。
 ここ数年、県は、行財政改革に懸命に取り組んでいただきました。特に仁坂知事就任後は、新行財政改革推進プランを作成し、積極的に職員削減も進められた結果、知事部局の職員定数は平成22年度で3764人となるなど、改革に取り組む姿勢が顕著にあらわれ、それに伴う人件費の削減も着実に図られておるところであります。ただ、一方で職員の削減にも限度がありますので、国、地方の税収等の大幅な回復が見込めない限り、今後の行財政運営はますます厳しさを増していくとも考えられております。
 後世の人々が希望と安心を持って過ごせるふるさと和歌山を築くため、知事の今後のかじ取りに期待し、この県債残高が子供や孫の世代にツケを回すことにならないように願うところでありますが、知事の所見をお伺いいたします。
 次に、開催まで82日となりました全国植樹祭についてお尋ねいたします。
 全国植樹祭は、豊かな国土の基盤である森林、緑に対する国民的理解を深めるため、天皇皇后両陛下御臨席のもと、毎年国内のいずれかの地で行われる国土緑化運動の中心的行事であります。県当局初め関係の機関における準備も、国民体育大会などと並び、三大行幸啓の1つであるこの記念すべき植樹祭の成功に向け、現在、追い込みの段階であろうかと思います。
 今回、第62回となる全国植樹祭は、本県の豊かな森林と木の文化をよりよい姿で次代を担う子供たち、孫たちに引き継いでいくことを目的に、昭和52年以来、本県では2度目の開催となります。
 本県は、「木の国」と呼ばれるほど全国有数の森林県であり、古くから林業が盛んで、そこから生まれる紀州材の優秀さは、江戸時代から高く評価されていたとも聞いております。
 一方で、林業は不況が長引いており、伐採跡地の植林もままならず放棄されているという状況でもあります。森林保全の重要性について、かつてなく認識が高まっているのも、また事実であります。
 こうした状況の中、知事は、先駆的な企業の森事業を長期総合計画に位置づけた上で強力に推進し、都会の力を森林保全に呼び込みながら、林業、木材産業についてもその再生に向け尽力されているところであります。
 植樹祭開催の目的が森林に対する国民的理解を深めるということからすれば、いかに多くの県民に関心を持ってもらい、将来に向け森づくりに主体的にかかわってもらうことが大切であろうかと思います。さらに本県は、豊かな森と森にかかわる文化を有する県であり、特色ある情報発信を工夫していくべきであると考えております。
 以上のような認識に立ち、今回の植樹祭の開催に際し、どのような独自性を打ち出し、全国に向けて本県の森林の魅力や取り組みをどのように発信していくのか、また、将来を担う子供たち、よりよい森林環境を引き継いでいくというしっかりとした意識をどのように育てていくのか、知事にお伺いいたします。
 次に、私が生まれ育った我がふるさと、古くから景勝の地として知られ、万葉集にも詠まれた名所、和歌浦地域の活性化についてお尋ねいたします。
 かつて和歌浦の地は、明治17年に大阪─和歌浦間の航路が開設され、その後の四国連絡航路となる徳島─和歌浦間が開設されるなど、和歌山の海の玄関口として活況を呈しました。
 明治42年には県庁前から和歌浦口まで路面電車が走り、大正2年には新和歌浦まで軌道が延伸されると、海路、和歌浦から鉄道を連絡して京阪神、高野山までの観光ルートが確立するなど、風光明媚な和歌浦が観光地として隆盛を誇ってきたところであります。このころには、新和歌浦、雑賀崎も観光開発され、周辺には約40数軒の旅館が建ち並んで、背後の高津子山にはソメイヨシノが植樹され、桜の名所として「西の嵐山」と称されました。
 昭和25年には、その風光明媚な景色から新日本観光地百選海岸の部において1位を獲得すると、その海岸美が全国に知られるところとなり、新婚旅行先としても観光客は一段と増加したところであります。私も、小学校時代、学校から帰ってこの場所へ遊びに行ったことを思い出しております。懐かしい場所がたくさんあります。
 昭和35年には、和歌浦遊園から高津子山までの新和歌遊園ロープウェイが開業するとともに、回転展望台やレストランが整備されました。和歌浦遊覧船が就航するなど観光開発が進み、小さな漁村集落であった一帯が一大観光地として変化を遂げてまいりました。
 しかしながら、昭和13年に和歌山航路が廃止され、また四国連絡航路が南海電鉄和歌山港線の延伸に伴い和歌浦港から和歌山港に移転したのを最後に、和歌浦から航路がなくなりました。さらに、かつては海路からの連絡鉄道でもあった路面電車が廃止され、その後の和歌浦の行く末に影を落としたようにも思われます。
 また、昭和40年代に入ると、全国的にインフラ整備の影響や新たな観光地の出現などにより、観光客は著しく減少いたしました。さらに、追い打ちをかけるように温泉ブームがわき起こりました。温泉資源のない和歌浦の衰退に拍車がかかり、そのあおりで旅館、ホテルが休廃業し、ピーク時の半数以下に減少いたしました。かつての一大観光地は、残念なことに輝きを失い、色あせてしまいました。
 和歌浦漁港については、名勝片男波の一角に位置し、古くからこの地に根差した漁港として、昭和26年8月21日に漁港指定された県管理の第3種漁港であります。古くは大阪商船などの寄港港として、海の玄関口としての機能をあわせ持った港として栄えます。昭和29年には、県営和歌浦魚市場が開設されました。和歌浦湾を初めとして県内沿岸でとれた魚が水揚げされる産地、市場機能をあわせ持った漁港として活況を呈してまいりました。
 その後、市場の経営権が和歌山市に移譲され、昭和49年には、新設された和歌山市中央卸売市場に機能が移転し、産地、市場としての水揚げ量は大きく減少したところであります。
 時を同じくして、昭和45年ごろから和歌浦漁港の地の利を生かして、鮮度の確保、価格の安定を目的に、地元及び四国のハマチ養殖業者が京阪神への出荷の中継基点として、和歌浦漁港の水域に生けすを設置いたしました。一時養殖の上、水揚げ出荷するようになり、昭和56年には和歌浦活魚出荷協同組合が設立されました。養殖ハマチの出荷量は全国でも屈指の漁港に成長いたしました。地元漁業者による沿岸漁業については、資源の減少、価格の低迷、さらには後継者不足などから低迷の一途をたどってまいったところであります。
 これらの状況から、漁港内には未利用の施設が多く存在することとなり、ごみの不法投棄や廃船の放置など、お世辞にもきれいとは言えない状態が長らく続きました。
 私自身もこの県議会の場で幾度となく質問をさせていただき、また常日ごろ、どうすれば再びにぎわいが戻ってくるのかと考えております。これらの現実を前にして、かつてのにぎわいを知る者にとって、本当に寂しい限りでありました。
 これら観光産業の衰退、漁港の荒廃など目の当たりにした和歌浦の地元の方々は、このままでは我々のふるさとはだめだと声を上げ、何とかしなければならないとの思いから、和歌浦漁港をきれいにして、県内外から来訪する方々が気持ちよく過ごすことができる美しい環境を地域が管理し、つくり上げたいと地元有志が立ち上がり、県に対し要望を行い、株式会社シーサイド和歌浦が設立されました。地域が主体となって管理を行うこととなりました。
 さらに、地域主体で漁港を管理し、あわせて地域活性化を目指すこととして、地域の有志が出資を行い、有限会社ベイサイド和歌浦を設立し、18年度から和歌浦漁港の管理を行っているところであります。
 ベイサイド和歌浦においては、当初から自主事業として、まずは行政に頼ることなく、和歌浦地域の活性化のためには地域の自分たちが手弁当で汗を流してつくり上げなければとのかけ声で、漁業協同組合、観光旅館組合を初め地域の方々が一体となって、和歌浦でその日とれた鮮魚の直売や紀州よさこい踊りの披露、観光遊覧船など、和歌浦漁港朝市おっとっと広場をまさに手づくりで立ち上げたところであります。このときは、想像以上の来訪者を迎え好評を博し、以降年2回、5月と11月に朝市を開催しております。
 来訪者も毎回のように、県内はもとより京阪神、四国から多くの来訪者を迎え、時には1万人を超えることもあるほどにぎわっております。私も1回目から参加し、毎回和歌浦湾の海の恵みに舌鼓を打っておるところであります。どうか、皆さんも機会があればぜひ寄っていただきたい、お願い申し上げます。
 また、5月の朝市には、これも地域活性化の1つとして、和歌祭保存会が中心となって、地域の皆さん方の協力のもと復活が実現し、伝統芸能和歌祭と共催しております。漁港内を勇壮に練り歩くさまは、もはや地域の風物詩となっているところであります。
 さらに11月は、平成20年度から和歌浦湾でとれる地元名産のシラスをブランド化し、しらすまつりおっとっと広場と銘打って開催いたしております。以降11月は、このブランドわかしらすを中心に行っております。
 また、これらの地域の取り組みを後押しするかのように、昨年8月、古来「万葉集」に詠まれた和歌の浦干潟、片男波、妹背山、鏡山、奠供山を中心とした約90万平方メートルが国の名勝に指定されたところであります。このように、和歌浦に係る大きな流れが今まさに到来しております。
 実は、昨年10月、和歌浦漁港において、地域活性化に取り組む関係の皆さんとともに、仁坂知事に対し、和歌浦漁港を中心とした地域活性化に対する支援などについて要望を行ったところであります。
 仁坂知事が今議会の冒頭で来年度実施予定の政策に係る基本的な考え方を説明され、希望の政策、地域の活力づくりを進める旨、触れられたと思います。この中で知事は、和歌山が持っている豊富な地域資源を活用し、地域の活力創出につなげると述べられました。和歌浦地域は、まさにこうした行政の支援が必要なときではないかと考えておるが、いかがでございましょう。
 これまでの地域が主体となった和歌浦漁港を核とした地域活性化の取り組みをどのように評価され、さらには、名所・景勝の地として和歌浦地域の活性化策の一環として、今後、和歌浦漁港を中心とした取り組みをどのように支援していくのか、知事の御所見をお伺いいたします。
 私は、昭和50年に和歌山市議会議員として初当選いたしました。4期16年間、そして平成3年には和歌山県議会議員として初当選さしていただきました。5期20年間、合わせて36年間、議員活動を行ってまいりました。この間、語り尽くせないいろいろの出来事がありました。
 幸運であったのは、平成元年、和歌山市の市制施行100周年のとき、また平成16年、紀伊山地の霊場と参詣道が世界遺産に登録されたとき、図らずも県と市の大切な節目節目の時期に議会の議長として仰せつかっていたことであり、忘れることのできない1つの思い出であります。
 近年の高度成長の中、恵まれた環境の中で36年間の長きにわたり議員として過ごすことができたのは、現仁坂知事を初め県職員の方々、県議会の先輩・同僚の皆さん方、そして支援者を初めとする県民の皆さん、家族や友人のおかげであります。この場をかりて深く感謝を申し上げて、お礼を申し上げたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
 和歌山県議会は、昨年の12月定例会、記念すべき通算300回の節目を迎えました。この間、多くの先輩議員の方々がすばらしい功績を残されてまいりました。私の今の心境は、諸先輩方のように、世代交代として優秀な議員の皆さん方に道を譲りたいと考えまして、来る統一選挙において、この議場の中におられる皆さん方に歴史と伝統あるこの県議会を継承していただくため、全員の当選を心からお祈り申し上げたいと思います。
 昨日、仁坂知事から、選挙でお世話になった多くの方々には、これから行政の、みずからの仕事でお返しをさしていただくと力強いお言葉がありました。今後とも、県勢発展のために、県民の幸せのために、すべての県民が和歌山に生まれてよかった、和歌山で育って和歌山で住んでよかったと思えるような和歌山をつくっていただき、この和歌山のために御尽力をお願い申し上げる次第であります。
 私は、今後は議員として活動した経験を生かし、一県民として和歌山県の発展のために、県民の幸せのために、ふるさと和歌山のために一生懸命頑張ることをお誓い申し上げて、最後のごあいさつにかえたいと思います。
 本当にありがとうございました。(拍手)
○議長(谷 洋一君) ただいまの小川武君の質問に対する答弁を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) まず、県債残高の問題でございます。
 私は、さきの知事選に際しまして「和歌山を元気に あたたかい改革」をスローガンに掲げ、4つの政策を実行・実現することを県民の皆様にお約束をしてまいりました。これらの政策を推進しながらも、後の世代にツケを回すことがないように、財政規律にも配慮しなければならないと申し上げてきたところでございます。
 議員御指摘のとおり、平成23年度末の県債残高の見込み額は約9199億円となっておりますが、交付税の振りかえとして発行がふえている臨時財政対策債を除く残高見込み額は約6406億円と、平成19年度末以来、大体同水準でございます。
 これは、新行財政改革推進プランに基づき、将来の公債費負担に十分配慮しながら県債活用を図ってきた結果と考えておりまして、平成23年度当初予算においても、臨時財政対策債を除く県債の発行額を平成22年度当初予算よりも28億円少ない468億円とし、可能な限り県債発行の抑制に努めたところでございます。
 社会資本等の整備には県債の発行を伴いますけれども、厳しい財政状況の中で今後も後世に負担だけを残すことがないように配慮しながら、安定的な社会資本等の整備を進めるとともに、持続可能な財政構造の確立と新政策の推進に引き続き一生懸命取り組んでまいりたいと考えております。
 次に、植樹祭を契機とした森林環境の関係でございます。
 和歌山県の多様で豊かな森林は、貴重な資源であります。植樹祭では、この森林を守り、生かし、そのすばらしさを広く伝えることにより、木の国の豊かな森林と木の文化をよりよい姿で後世に引き継いでいくために、県民全体での取り組みの大きな節目にしたいと考えております。
 植樹祭は、会場づくりのための開発は一切行わず、経費を大幅に節減し、主役は将来を担う和歌山県を担う子供たちとし、式典参加者が天皇皇后両陛下とともに会場内で竹ポットに種をまくなど、従来の植樹祭になかった独自性を持たしております。
 式典は、神話に始まる和歌山の森づくりの歴史から現在、未来につなげる本県ならではのモチーフで構成し、和歌山の森林の魅力と独自の取り組みを発信してまいります。
 また、県民だれもが参加できるように、全市町村に地域植樹祭会場を設けまして、そこで用いる苗木は、苗木のスクールステイで大勢の子供たちに育ててもらったものを使い、式典参加者がまく種も、やはり子供たちに拾い集めてもらったものを使うことにしております。
 多くの子供たちが種とりや苗木づくりの体験を通じて樹木を慈しむ心がはぐくまれているという手ごたえを感じておりまして、こうした取り組みの継続により、子供たちが将来にわたって森林を守っていこうという意識を持ってもらうように、そういう意識をはぐくんでまいりたいと考えております。
 次に、和歌浦についてでございます。
 議員お話しのとおり、和歌浦は、万葉の時代から多くの旅人が訪れ、その景勝に心打たれる地域であります。最盛期には、一大観光地として栄えてきましたが、近年では旅館街の衰退が進み、地域全体がにぎわいを失いつつありました。
 そうした中、平成18年より地域の方々による和歌浦漁港を活用した朝市の開催が始まりました。昨年も漁港での朝市の開催に招かれ、出店者や運営に当たる方々の活力に接することができました。地域住民や漁業者、観光業者など多くの関係者がこうして1つにまとまり、漁港での朝市や和歌祭を開催して活性化に結びつけているということは、大変高く評価しているところでございます。
 県では、水産業を核とした地域活性化支援を新政策として掲げ、県、市町村、地元関係者が一体となり、6次産業化の推進など複合的な地域おこしについての支援を考えております。
 和歌浦漁港についても、交流拠点施設整備による朝市の常設化など、県と地元地域が一体となってさらなる地域の発展に向け取り組んでまいりたいと考えております。
 私も子供のころより親しんだ和歌浦でございます。一時の困難期を経て、元気を出そうという息吹を感じることが最近はできます。特にしらすまつりや和歌祭、そういう催しに招かれまして、そのたびごとに常に先頭で御指導いただいているのが小川議員であります。いつもお元気で、そのエネルギッシュな活動ぶりにはいつも敬服をしております。
 今期で御退任ということで、大変寂しい思いはいたしますが、いつまでも御指導くださいますようにお願い申し上げます。(拍手)
○議長(谷 洋一君) 答弁漏れはありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 再質問を許します。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 以上で、小川武君の質問が終了いたしました。
 お諮りいたします。質疑及び一般質問を終結することに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、質疑及び一般質問を終結いたします。
 この際、報告いたします。
 議案の追加提出がありました。
 お諮りいたします。議案第70号を本日の日程に追加し、これより直ちに議題といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 議案第70号を議題といたします。
 議案は、お手元に配付しております。
 まず、当局の説明を求めます。
 知事仁坂吉伸君。
 〔仁坂吉伸君、登壇〕
○知事(仁坂吉伸君) 議案の御説明に先立ちまして、去る2月22日、ニュージーランド・クライストチャーチで発生した地震につきまして一言申し上げます。
 本地震の救助活動は難航しておりまして、紀の川市の土橋あすかさんを初め多くの邦人を含む多数の方々の安否がいまだ確認されておりません。県民の皆様とともにこれらの方々の御無事をお祈りしたいと存じております。
 それでは、ただいま上程されました補正予算議案について御説明をいたします。
 議案第70号平成22年度一般会計補正予算は、昨日、奈良県五條市六倉町の採卵鶏農場の死亡鶏から高病原性鳥インフルエンザの遺伝子検査において陽性が確認されたことに伴い、本県においても当該発生農場から周囲10キロメートル圏内を移動制限区域に設定いたしました。この区域内には、橋本市の採卵鶏農家10戸と肉用鶏農家1戸が所在することから、奈良県境に2カ所、発生農場から10キロメートル線上に2カ所、合計4カ所の消毒ポイントの設置が緊急に必要となり、これに要する経費3900万円余の補正予算計上をお願いするものでございます。
 何とぞ、御審議の上、御賛同賜りますようにお願い申し上げます。
○議長(谷 洋一君) 以上で、当局の説明が終わりました。
 これより質疑に入ります。本案について質疑はありませんか。
 〔「なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 質疑なしと認めます。
 お諮りいたします。本案については、委員会付託及び討論を省略し、これより直ちに採決いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 これより採決に入ります。
 議案第70号を採決いたします。
 本案を原案のとおり決することに賛成の諸君は、御起立願います。
 〔賛成者起立〕
○議長(谷 洋一君) 起立全員であります。よって、本案は原案のとおり可決されました。
 次に日程第3、議案の付託について申し上げます。
 お諮りいたします。議案第1号から議案第16号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、予算特別委員会に付託いたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決定いたしました。
 次に、議案第33号から議案第39号まで、議案第41号から議案第43号まで、議案第45号から議案第57号まで及び議案第59号から議案第69号までは、お手元に配付しております議案付託表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 次に日程第4、請願の付託について申し上げます。
 今期定例会の請願については、お手元に配付しております請願文書表のとおり、所管の常任委員会に付託いたします。
 なお、常任委員会の会場はお手元に配付しておりますので、御了承願います。
 お諮りいたします。3月2日から4日まで及び7日は委員会審査のため休会といたしたいと思います。これに御異議ございませんか。
 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○議長(谷 洋一君) 御異議なしと認めます。よって、3月2日から4日まで及び7日は休会とすることに決定いたしました。
 次会は、3月8日定刻より会議を開きます。
 本日は、これをもって散会いたします。
 午後1時48分散会

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